JP2004282498A - 圧電振動片およびこれを利用した圧電デバイス、並びにこの圧電デバイスを利用した電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電振動片の振動腕を小型化しつつ、振動腕の破損を防止して、優れた振動特性を備える圧電振動片およびこれを利用した圧電デバイス、並びに、この圧電デバイスを利用した電子機器を提供すること。
【解決手段】固定される基部50と、この基部50から平行に延びる複数の振動腕24,26とを備える圧電振動片20であって、複数の振動腕24,26は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝21,22を有しており、この長溝21,22が形成されている振動腕24,26の厚み方向に関する断面二次モーメントが、長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されていることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】固定される基部50と、この基部50から平行に延びる複数の振動腕24,26とを備える圧電振動片20であって、複数の振動腕24,26は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝21,22を有しており、この長溝21,22が形成されている振動腕24,26の厚み方向に関する断面二次モーメントが、長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されていることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動片およびこれを利用した圧電デバイス、並びにこの圧電デバイスを利用した電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来の圧電デバイスに用いられる圧電振動片1の概略斜視図であり、図9は、図8のA−A線切断端面図である。
これらの図において、圧電振動片1は、矩形状の基部2と、この基部2を基端として平行に延びる一対の振動腕3,4とを備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片となっている。
この圧電振動片1は、基部2のみが接着剤等を用いてケース或いはパッケージ(図示せず)に接続され、片持ち式に固定されるようになっている。
【0003】
圧電振動片1の振動腕3,4には、図8および図9に示すように、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝5,6が上下面に形成され、振動腕3,4の断面形状が略H型となるように形成されている。また、図9に示すように、振動腕3の長溝5,5と両側面、及び、振動腕4の長溝6,6と両側面には、それぞれ励振電極7,7,8,8が設けられ、この励振電極7,7と励振電極8,8は互いに異極となっている。このようにして、励振電極7,7,8,8に駆動電圧が印加されると、振動腕3,4が互いに接近離間(図に示すX方向)するように屈曲振動することになる。この際、振動腕3,4には、上述のように長溝5,6が設けられているので、長溝5,6が設けられた振動腕3,4内の電界を、E方向に沿って効率よく発生させることができる。このため、圧電振動片1を小型化しても、所定の振動周波数を得ることができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−261577公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、圧電振動片1の振動腕3,4が屈曲振動をすると、その振動により機械的な応力が発生し、その応力は圧電振動片1の形状が変化した部分に集中することになる。また、駆動電圧が印加されたとき、振動腕3,4の機械的な剛性(曲げこわさ)は、長溝5,6を設けることにより低下し、屈曲振動時の振動腕3,4内部に発生する応力が増加する。このため腕部に応力が集中し、励振時における発生応力が過大になると、振動腕3,4の長溝5,6が設けられた部位が破損してしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、圧電振動片の振動腕を小型化しつつ、振動腕の破損を防止して、優れた振動特性を備える圧電振動片およびこれを利用した圧電デバイス、並びに、この圧電デバイスを利用した電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の発明によれば、圧電材料により形成されており、固定される基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備える圧電振動片であって、前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている、圧電振動片により達成される。
【0008】
第1の発明によれば、複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有している。このため、圧電振動片の振動腕は、小型化できるが、励振時に長溝が形成された部位の剛性が低下して変形し易く、腕内部に発生する応力が長溝がない場合に比較し大きくなり、応力集中により破損する恐れがある。
ところで、音叉の振動腕部における励振時の機械的剛性(曲げのこわさ)は、圧電材料の物性値である弾性係数と、腕部の断面形状により決まる断面二次モーメントの積で表される。この際、圧電振動片は圧電材料により形成され、弾性係数は圧電材料の物性として一定であり、振動腕の機械的剛性(曲げのこわさ)は断面二次モーメントに依存し、振動腕の励振時の曲げにより発生する応力は、断面二次モーメントに左右されることになる。
この点、第1の発明では、長溝が形成されている振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている。そうすると、振動腕が強励振した時に、長溝が形成されている振動腕内部にかかる応力を、長溝が形成されていない場合の振動腕内部にかかる応力値と同程度にすることができる。これにより、振動腕に長溝を形成した場合であっても、長溝が形成されていない場合の振動腕と同程度の位階的強度を得ることができる。したがって、本発明の作用効果として、圧電振動片の振動腕を小型化しつつ、振動腕の破損を防止して、優れた振動特性を備える圧電振動片を提供することができる。
【0009】
また、上記目的は、第2の発明によれば、パッケージと、このパッケージに固定される基部を有し、この基部から平行に延びる複数の振動腕を有していて、圧電材料により形成された圧電振動片とを備える圧電デバイスであって、前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている、圧電デバイスにより達成される。
【0010】
また、上記目的は、第3の発明によれば、パッケージと、このパッケージに固定される基部を有し、この基部から平行に延びる複数の振動腕を有していて、圧電材料により形成された圧電振動片とを備える圧電デバイスを利用した電子機器であって、前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている圧電デバイスにより制御用のクロック信号を得るようにした、電子機器により達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0012】
図1ないし図3は、本発明の実施形態を示す圧電デバイス10であって、図1は圧電デバイス10の概略平面図であり、図2は、図1のB−B線切断断面図、図3は圧電デバイス10の圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図である。
これらの図において、圧電デバイス10は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス10は、パッケージ30内に圧電振動片20を収容している。
パッケージ30は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成型して形成される複数の基板31,32を積層した後に、焼結して形成されている。すなわち、図2に示されるように、この実施形態では、パッケージ30は、第1の基板31の上に第2の基板32を積層して形成されている。
【0013】
第2の基板32は、図2に示されるように、その内側に所定の孔32aを形成することで、第1の基板31に積層した場合に、パッケージ30の内側に圧電振動片20を収容する内部空間S1を形成するようにされている。また、第2の基板32の上端にある開放端面32bには、例えば、低融点ガラス等のロウ材43を介して、蓋体34が接合されることにより、封止されている。
【0014】
第1の基板31は、内部空間S1内の図において左端部付近に、例えば、金または金合金で形成した電極部40,40が設けられている。この電極部40,40は、外部と接続されて駆動電圧を供給するものである。
この電極部40,40の上には、接合力を発揮する接着成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させた導電性接着剤42,42が塗布されている。導電性接着剤42,42には、エポキシ系、ポリイミド系、あるいはシリコーン系の導電性接着剤等を利用することができる。
そして、この導電性接着剤42,42の上に、圧電振動片20が載置され、導電性接着剤42,42が硬化することにより、圧電振動片20が電極部40,40に接続されるようになっている。
【0015】
圧電振動片20は、例えば水晶から形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片20は、小型に形成して、必要な性能を得るために、特に図示する形状とされている。すなわち、圧電振動片20は、パッケージ30と固定される基部50と、この基部50を基端として、図1において右方に向けて、二股に別れて平行に延びる1対の振動腕24,26を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片が利用されている。
【0016】
圧電振動片20の基部50は、その端部(図1では左端部)の幅方向両端付近に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をメッキして形成された引出し電極36,37が形成されている。引出し電極36,37は、図2に示されるように、基部50の上下面に形成されている。この引出し電極36,37は、上述したように、図1に示されるパッケージ30側の電極部40,40と導電性接着剤42,42により接続される部分である。
また、基部50は、図1に示されるように、各振動腕24,26の基端部近傍に、基部50の幅を縮幅するようにして設けた切欠き部28,28を備えている。これにより、各振動腕24,26からの振動の基部50側への漏れ込みを抑制し、クリスタルインピーダンス値(以下、「CI値」と云う。)を低く抑えることができる。したがって、このような圧電振動片20のCI値を、従来の圧電振動片のCI値となるように形成して、振動腕24,26の長さを短くできる。
【0017】
圧電振動片20の各振動腕24,26は、図3に示されるように、それぞれ長さ方向に延びる長溝21,22を有している。各長溝21,22は、図3のC−C線切断端面図である図4に示すように、各振動腕24,26の上下面に設けられ、振動腕24,26の断面形状が略H型となるように形成されている。振動腕24側の長溝21,21には励振電極46,46が設けられており、振動腕26側の長溝22,22には励振電極47,47が設けられている。また、振動腕24の両側面には励振電極47,47が設けられており、振動腕26の両側面には励振電極46,46が設けられている。この励振電極46,46,46,46は、図3に示されるように圧電振動片20の表面を引き回されて引出し電極37と電気的に接続され、励振電極47,47,47,47は、引出し電極36と電気的に接続されている。このようにして、励振電極46,46,46,46と、励振電極47,47,47,47は互いに異極となっている。
これにより、図4に示されるように、振動腕24,26内の電界をE方向に沿って効率よく発生させ、圧電振動片20のCI値を低く抑えることができる。したがって、圧電振動片20の振動周波数を維持しつつ、振動腕24,26の長さを短くできる。
【0018】
ここで、具体的に、振動腕24,26の長溝21,21,22,22が形成されている部位の形状は、次のようになっている。
図5は、図4の励振電極46,47を取り外して、長溝21,21,22,22が形成されている振動腕24,26の形状を理解し易いようにした図である。なお、振動腕24の長溝21,21と振動腕26の長溝22,22とは、略同一の構成であるため、以下、長溝21,21が形成された振動腕24についてのみ説明する。
【0019】
図5において、長溝が形成されていない場合の振動腕の断面二次モーメントIZ1は、図5に示される全体の幅W13×厚みD1/12で求められ、振動腕24の長溝21,21が形成されている部位(断面形状が略H型)の断面二次モーメントIZ2は、IZ1−2×(W23×D2/12)で求められる。しかし、実際の音叉外形形状及び長溝形状についてはエッチング手法により形成され、圧電材料の結晶構造が異方性であるため、音叉外形形状が完璧な長方形にならず、また、図5の点線で示される形状のように、長溝が形成されている振動腕の部位の断面形状が完璧なH型にはならない。そのため、断面二次モーメントの算出には平行軸定理を加味する必要がある。この平行軸定理を加味して長溝21,21が形成されていない場合の振動腕の厚み方向の断面二次モーメントIZ1を1とした時、長溝21,21が形成されている振動腕24の厚み方向の断面二次モーメントIZ2を、0.85となる形状に設定されている。
【0020】
図6は、有限要素法により励振時の振動腕内に発生した応力をシミュレーションしたものである。すなわち、図6(a)に示すように、IZ2/IZ1が0.85である振動腕24、長溝21,21が形成されていない場合の振動腕24A、及び、IZ2/IZ1が0.65である振動腕24Bのそれぞれについて、先端に集中荷重Pを機械的に付加して、振動腕24,24A,24Bの長溝付近の最大引張応力λ1および最大圧縮応力λ2を算出し、その算出結果を、最大引張応力比および最大圧縮応力比として図6(b)に表している。
【0021】
その結果、最大圧縮応力に関する結果を表す図6(b)の右側のグラフに示されるように、振動腕24Aの応力を1とすると、IZ2/IZ1が0.85である振動腕24の応力は1.11となった。また、振動腕24Bの応力については、振動腕24Aと振動腕24との応力比に略比例した結果を得た。
ところが、最大引張応力に関する結果を表す図6(b)の左側のグラフに示されるように、振動腕24Aの応力を1とすると、IZ2/IZ1が0.85である振動腕24の応力は1.21であり、IZ2/IZ1が0.65である振動腕24Bの応力は1.92という結果を得た。すなわち、この図6(b)の左側のグラフでは、IZ2/IZ1=0.85に設定した振動腕24を境に、それ以上断面二次モーメントを小さくすると、急激に振動腕内に発生する応力が増加する結果が得られた。
【0022】
本発明の実施形態は以上のように構成され、長溝21,22が形成されている振動腕24,26の厚み方向に関する断面二次モーメントIZ2が、長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントIZ1を1としたとき、0.85となるように設定されている。このため、図6に示されるように、振動腕24,26内に発生する応力を、長溝が形成されていない場合の振動腕内に発生する応力と同程度の応力値にすることができる。したがって、強励振時においても、長溝21,22が設けられた振動腕24,26の部位が破損してしまう恐れを有効に防止することができる。
【0023】
図7は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置300の概略構成を示す図である。
図において、マイクロフォン308により電気信号に変換された送信者の音声は、デモジュレータ,コーデック部でデジタル変調され、送信部307においてRF(Radio Frequency)帯に周波数変換後、アンテナを通して基地局(図示せず)に送信される。また、基地局からのRF信号は受信部306において周波数変換後、デモジュレータ,コーデック部において音声信号に変換され、スピーカー309から出力される。また、CPU(Central Processing Unit)301は液晶表示装置及びキーボードからなる入出力部302をはじめ、デジタル式携帯電話装置300の全体の動作を制御している。メモリ303はCPU301により制御される、RAM,ROMからなる情報記憶手段であり、これらの中にはデジタル式携帯電話装置300の制御プログラムや電話帳などの情報が格納されている。
【0024】
このように、デジタル式携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイス10を利用することにより、振動腕の破損を防止しつつ、圧電デバイスを小型化して、デジタル式携帯電話装置300全体の小型化に寄与できる。
【0025】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜相互に組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。例えば、圧電振動片を利用するものであれば、圧電発信器、フィルタ等その名称を問わずに適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの概略平面図。
【図2】図1のB−B線切断断面図。
【図3】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図。
【図4】図3のC−C線切断端面図。
【図5】図4の励振電極を取り外して、長溝が形成されている振動腕の形状を理解し易いようにした図。
【図6】有限要素法により励振時の振動腕内にかかる応力をシミュレーションしたものであり、図6(a)は振動腕の先端に集中荷重を機械的に付加した図、図6(b)の右側は最大圧縮応力に関する結果を表すグラフ、左側は最大引張応力に関する結果を表すグラフである。
【図7】本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図8】従来の圧電デバイスに用いられる圧電振動片の概略斜視図。
【図9】図8のA−A線切断端面図。
【符号の説明】
10・・・圧電デバイス、20・・・圧電振動片、21,22・・・長溝、24,26・・・振動腕、30・・・パッケージ、50・・・基部
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電振動片およびこれを利用した圧電デバイス、並びにこの圧電デバイスを利用した電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、従来の圧電デバイスに用いられる圧電振動片1の概略斜視図であり、図9は、図8のA−A線切断端面図である。
これらの図において、圧電振動片1は、矩形状の基部2と、この基部2を基端として平行に延びる一対の振動腕3,4とを備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片となっている。
この圧電振動片1は、基部2のみが接着剤等を用いてケース或いはパッケージ(図示せず)に接続され、片持ち式に固定されるようになっている。
【0003】
圧電振動片1の振動腕3,4には、図8および図9に示すように、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝5,6が上下面に形成され、振動腕3,4の断面形状が略H型となるように形成されている。また、図9に示すように、振動腕3の長溝5,5と両側面、及び、振動腕4の長溝6,6と両側面には、それぞれ励振電極7,7,8,8が設けられ、この励振電極7,7と励振電極8,8は互いに異極となっている。このようにして、励振電極7,7,8,8に駆動電圧が印加されると、振動腕3,4が互いに接近離間(図に示すX方向)するように屈曲振動することになる。この際、振動腕3,4には、上述のように長溝5,6が設けられているので、長溝5,6が設けられた振動腕3,4内の電界を、E方向に沿って効率よく発生させることができる。このため、圧電振動片1を小型化しても、所定の振動周波数を得ることができるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2002−261577公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように、圧電振動片1の振動腕3,4が屈曲振動をすると、その振動により機械的な応力が発生し、その応力は圧電振動片1の形状が変化した部分に集中することになる。また、駆動電圧が印加されたとき、振動腕3,4の機械的な剛性(曲げこわさ)は、長溝5,6を設けることにより低下し、屈曲振動時の振動腕3,4内部に発生する応力が増加する。このため腕部に応力が集中し、励振時における発生応力が過大になると、振動腕3,4の長溝5,6が設けられた部位が破損してしまう恐れがある。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、圧電振動片の振動腕を小型化しつつ、振動腕の破損を防止して、優れた振動特性を備える圧電振動片およびこれを利用した圧電デバイス、並びに、この圧電デバイスを利用した電子機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の発明によれば、圧電材料により形成されており、固定される基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備える圧電振動片であって、前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている、圧電振動片により達成される。
【0008】
第1の発明によれば、複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有している。このため、圧電振動片の振動腕は、小型化できるが、励振時に長溝が形成された部位の剛性が低下して変形し易く、腕内部に発生する応力が長溝がない場合に比較し大きくなり、応力集中により破損する恐れがある。
ところで、音叉の振動腕部における励振時の機械的剛性(曲げのこわさ)は、圧電材料の物性値である弾性係数と、腕部の断面形状により決まる断面二次モーメントの積で表される。この際、圧電振動片は圧電材料により形成され、弾性係数は圧電材料の物性として一定であり、振動腕の機械的剛性(曲げのこわさ)は断面二次モーメントに依存し、振動腕の励振時の曲げにより発生する応力は、断面二次モーメントに左右されることになる。
この点、第1の発明では、長溝が形成されている振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている。そうすると、振動腕が強励振した時に、長溝が形成されている振動腕内部にかかる応力を、長溝が形成されていない場合の振動腕内部にかかる応力値と同程度にすることができる。これにより、振動腕に長溝を形成した場合であっても、長溝が形成されていない場合の振動腕と同程度の位階的強度を得ることができる。したがって、本発明の作用効果として、圧電振動片の振動腕を小型化しつつ、振動腕の破損を防止して、優れた振動特性を備える圧電振動片を提供することができる。
【0009】
また、上記目的は、第2の発明によれば、パッケージと、このパッケージに固定される基部を有し、この基部から平行に延びる複数の振動腕を有していて、圧電材料により形成された圧電振動片とを備える圧電デバイスであって、前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている、圧電デバイスにより達成される。
【0010】
また、上記目的は、第3の発明によれば、パッケージと、このパッケージに固定される基部を有し、この基部から平行に延びる複数の振動腕を有していて、圧電材料により形成された圧電振動片とを備える圧電デバイスを利用した電子機器であって、前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている圧電デバイスにより制御用のクロック信号を得るようにした、電子機器により達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0012】
図1ないし図3は、本発明の実施形態を示す圧電デバイス10であって、図1は圧電デバイス10の概略平面図であり、図2は、図1のB−B線切断断面図、図3は圧電デバイス10の圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図である。
これらの図において、圧電デバイス10は、圧電振動子を構成した例を示しており、圧電デバイス10は、パッケージ30内に圧電振動片20を収容している。
パッケージ30は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成型して形成される複数の基板31,32を積層した後に、焼結して形成されている。すなわち、図2に示されるように、この実施形態では、パッケージ30は、第1の基板31の上に第2の基板32を積層して形成されている。
【0013】
第2の基板32は、図2に示されるように、その内側に所定の孔32aを形成することで、第1の基板31に積層した場合に、パッケージ30の内側に圧電振動片20を収容する内部空間S1を形成するようにされている。また、第2の基板32の上端にある開放端面32bには、例えば、低融点ガラス等のロウ材43を介して、蓋体34が接合されることにより、封止されている。
【0014】
第1の基板31は、内部空間S1内の図において左端部付近に、例えば、金または金合金で形成した電極部40,40が設けられている。この電極部40,40は、外部と接続されて駆動電圧を供給するものである。
この電極部40,40の上には、接合力を発揮する接着成分としての合成樹脂剤に、銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させた導電性接着剤42,42が塗布されている。導電性接着剤42,42には、エポキシ系、ポリイミド系、あるいはシリコーン系の導電性接着剤等を利用することができる。
そして、この導電性接着剤42,42の上に、圧電振動片20が載置され、導電性接着剤42,42が硬化することにより、圧電振動片20が電極部40,40に接続されるようになっている。
【0015】
圧電振動片20は、例えば水晶から形成されており、水晶以外にもタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができる。本実施形態の場合、圧電振動片20は、小型に形成して、必要な性能を得るために、特に図示する形状とされている。すなわち、圧電振動片20は、パッケージ30と固定される基部50と、この基部50を基端として、図1において右方に向けて、二股に別れて平行に延びる1対の振動腕24,26を備えており、全体が音叉のような形状とされた、所謂音叉型圧電振動片が利用されている。
【0016】
圧電振動片20の基部50は、その端部(図1では左端部)の幅方向両端付近に、例えばクロム(Cr)および金(Au)をメッキして形成された引出し電極36,37が形成されている。引出し電極36,37は、図2に示されるように、基部50の上下面に形成されている。この引出し電極36,37は、上述したように、図1に示されるパッケージ30側の電極部40,40と導電性接着剤42,42により接続される部分である。
また、基部50は、図1に示されるように、各振動腕24,26の基端部近傍に、基部50の幅を縮幅するようにして設けた切欠き部28,28を備えている。これにより、各振動腕24,26からの振動の基部50側への漏れ込みを抑制し、クリスタルインピーダンス値(以下、「CI値」と云う。)を低く抑えることができる。したがって、このような圧電振動片20のCI値を、従来の圧電振動片のCI値となるように形成して、振動腕24,26の長さを短くできる。
【0017】
圧電振動片20の各振動腕24,26は、図3に示されるように、それぞれ長さ方向に延びる長溝21,22を有している。各長溝21,22は、図3のC−C線切断端面図である図4に示すように、各振動腕24,26の上下面に設けられ、振動腕24,26の断面形状が略H型となるように形成されている。振動腕24側の長溝21,21には励振電極46,46が設けられており、振動腕26側の長溝22,22には励振電極47,47が設けられている。また、振動腕24の両側面には励振電極47,47が設けられており、振動腕26の両側面には励振電極46,46が設けられている。この励振電極46,46,46,46は、図3に示されるように圧電振動片20の表面を引き回されて引出し電極37と電気的に接続され、励振電極47,47,47,47は、引出し電極36と電気的に接続されている。このようにして、励振電極46,46,46,46と、励振電極47,47,47,47は互いに異極となっている。
これにより、図4に示されるように、振動腕24,26内の電界をE方向に沿って効率よく発生させ、圧電振動片20のCI値を低く抑えることができる。したがって、圧電振動片20の振動周波数を維持しつつ、振動腕24,26の長さを短くできる。
【0018】
ここで、具体的に、振動腕24,26の長溝21,21,22,22が形成されている部位の形状は、次のようになっている。
図5は、図4の励振電極46,47を取り外して、長溝21,21,22,22が形成されている振動腕24,26の形状を理解し易いようにした図である。なお、振動腕24の長溝21,21と振動腕26の長溝22,22とは、略同一の構成であるため、以下、長溝21,21が形成された振動腕24についてのみ説明する。
【0019】
図5において、長溝が形成されていない場合の振動腕の断面二次モーメントIZ1は、図5に示される全体の幅W13×厚みD1/12で求められ、振動腕24の長溝21,21が形成されている部位(断面形状が略H型)の断面二次モーメントIZ2は、IZ1−2×(W23×D2/12)で求められる。しかし、実際の音叉外形形状及び長溝形状についてはエッチング手法により形成され、圧電材料の結晶構造が異方性であるため、音叉外形形状が完璧な長方形にならず、また、図5の点線で示される形状のように、長溝が形成されている振動腕の部位の断面形状が完璧なH型にはならない。そのため、断面二次モーメントの算出には平行軸定理を加味する必要がある。この平行軸定理を加味して長溝21,21が形成されていない場合の振動腕の厚み方向の断面二次モーメントIZ1を1とした時、長溝21,21が形成されている振動腕24の厚み方向の断面二次モーメントIZ2を、0.85となる形状に設定されている。
【0020】
図6は、有限要素法により励振時の振動腕内に発生した応力をシミュレーションしたものである。すなわち、図6(a)に示すように、IZ2/IZ1が0.85である振動腕24、長溝21,21が形成されていない場合の振動腕24A、及び、IZ2/IZ1が0.65である振動腕24Bのそれぞれについて、先端に集中荷重Pを機械的に付加して、振動腕24,24A,24Bの長溝付近の最大引張応力λ1および最大圧縮応力λ2を算出し、その算出結果を、最大引張応力比および最大圧縮応力比として図6(b)に表している。
【0021】
その結果、最大圧縮応力に関する結果を表す図6(b)の右側のグラフに示されるように、振動腕24Aの応力を1とすると、IZ2/IZ1が0.85である振動腕24の応力は1.11となった。また、振動腕24Bの応力については、振動腕24Aと振動腕24との応力比に略比例した結果を得た。
ところが、最大引張応力に関する結果を表す図6(b)の左側のグラフに示されるように、振動腕24Aの応力を1とすると、IZ2/IZ1が0.85である振動腕24の応力は1.21であり、IZ2/IZ1が0.65である振動腕24Bの応力は1.92という結果を得た。すなわち、この図6(b)の左側のグラフでは、IZ2/IZ1=0.85に設定した振動腕24を境に、それ以上断面二次モーメントを小さくすると、急激に振動腕内に発生する応力が増加する結果が得られた。
【0022】
本発明の実施形態は以上のように構成され、長溝21,22が形成されている振動腕24,26の厚み方向に関する断面二次モーメントIZ2が、長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントIZ1を1としたとき、0.85となるように設定されている。このため、図6に示されるように、振動腕24,26内に発生する応力を、長溝が形成されていない場合の振動腕内に発生する応力と同程度の応力値にすることができる。したがって、強励振時においても、長溝21,22が設けられた振動腕24,26の部位が破損してしまう恐れを有効に防止することができる。
【0023】
図7は、本発明の上述した実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置300の概略構成を示す図である。
図において、マイクロフォン308により電気信号に変換された送信者の音声は、デモジュレータ,コーデック部でデジタル変調され、送信部307においてRF(Radio Frequency)帯に周波数変換後、アンテナを通して基地局(図示せず)に送信される。また、基地局からのRF信号は受信部306において周波数変換後、デモジュレータ,コーデック部において音声信号に変換され、スピーカー309から出力される。また、CPU(Central Processing Unit)301は液晶表示装置及びキーボードからなる入出力部302をはじめ、デジタル式携帯電話装置300の全体の動作を制御している。メモリ303はCPU301により制御される、RAM,ROMからなる情報記憶手段であり、これらの中にはデジタル式携帯電話装置300の制御プログラムや電話帳などの情報が格納されている。
【0024】
このように、デジタル式携帯電話装置300のような電子機器に、上述した実施形態に係る圧電デバイス10を利用することにより、振動腕の破損を防止しつつ、圧電デバイスを小型化して、デジタル式携帯電話装置300全体の小型化に寄与できる。
【0025】
本発明は上述の実施形態に限定されない。各実施形態の各構成はこれらを適宜相互に組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。例えば、圧電振動片を利用するものであれば、圧電発信器、フィルタ等その名称を問わずに適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの概略平面図。
【図2】図1のB−B線切断断面図。
【図3】本発明の実施形態を示す圧電デバイスの圧電振動片のみを拡大した拡大斜視図。
【図4】図3のC−C線切断端面図。
【図5】図4の励振電極を取り外して、長溝が形成されている振動腕の形状を理解し易いようにした図。
【図6】有限要素法により励振時の振動腕内にかかる応力をシミュレーションしたものであり、図6(a)は振動腕の先端に集中荷重を機械的に付加した図、図6(b)の右側は最大圧縮応力に関する結果を表すグラフ、左側は最大引張応力に関する結果を表すグラフである。
【図7】本発明の実施形態に係る圧電デバイスを利用した電子機器の一例としてのデジタル式携帯電話装置の概略構成を示す図。
【図8】従来の圧電デバイスに用いられる圧電振動片の概略斜視図。
【図9】図8のA−A線切断端面図。
【符号の説明】
10・・・圧電デバイス、20・・・圧電振動片、21,22・・・長溝、24,26・・・振動腕、30・・・パッケージ、50・・・基部
Claims (3)
- 圧電材料により形成され、固定される基部と、この基部から平行に延びる複数の振動腕とを備える圧電振動片であって、
前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されていることを特徴とする圧電振動片。 - パッケージと、このパッケージに固定される基部を有し、この基部から平行に延びる複数の振動腕を有していて、圧電材料により形成された圧電振動片とを備える圧電デバイスであって、
前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されていることを特徴とする圧電デバイス。 - パッケージと、このパッケージに固定される基部を有し、この基部から平行に延びる複数の振動腕を有していて、圧電材料により形成された圧電振動片とを備える圧電デバイスを利用した電子機器であって、
前記複数の振動腕は、それぞれ長手方向に沿って延びる長溝を有しており、この長溝が形成されている前記振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントが、前記長溝が形成されていない場合の振動腕の厚み方向に関する断面二次モーメントを1としたとき、0.85以上となるように設定されている圧電デバイスにより制御用のクロック信号を得るようにしたことを特徴とする電子機器。
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JP2003072380A JP2004282498A (ja) | 2003-03-17 | 2003-03-17 | 圧電振動片およびこれを利用した圧電デバイス、並びにこの圧電デバイスを利用した電子機器 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100802865B1 (ko) | 2004-10-20 | 2008-02-12 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 압전 진동편 및 압전 장치 |
-
2003
- 2003-03-17 JP JP2003072380A patent/JP2004282498A/ja not_active Withdrawn
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KR100802865B1 (ko) | 2004-10-20 | 2008-02-12 | 세이코 엡슨 가부시키가이샤 | 압전 진동편 및 압전 장치 |
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