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JP2004205773A - 偏光板、その製造方法及びこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

偏光板、その製造方法及びこれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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JP2004205773A
JP2004205773A JP2002374257A JP2002374257A JP2004205773A JP 2004205773 A JP2004205773 A JP 2004205773A JP 2002374257 A JP2002374257 A JP 2002374257A JP 2002374257 A JP2002374257 A JP 2002374257A JP 2004205773 A JP2004205773 A JP 2004205773A
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layer
film
polarizing plate
acid
polyester
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JP2002374257A
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Takashi Murakami
隆 村上
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】本発明の目的は、製造時の塗布故障が少なく、長期の保存安定性に優れた偏光板とその製造方法、表示装置としての高温高湿下での保存安定性に優れた液晶表示装置を提供することにある。
【解決手段】2枚の透明支持体A、Bによって偏光層を挟持してなる偏光板において、該透明支持体Bはセルロースエステルフィルム上に液晶性化合物を硬化して形成した光学異方性層を有し、該透明支持体Aは反射防止層を有するポリエステルフィルムであり、該ポリエステルフィルムは平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂を有することを特徴とする偏光板。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規の偏光板及びこれを用いた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報産業の著しい発達に伴って、各所で表示装置が活用されるようになっている。特に液晶表示装置の発達はめざましく、様々な機器に搭載されるようになった。一方で小型軽量化への要望が益々強まっており、偏光板等の部材についても薄膜化の要求が強まっている。偏光板は通常2枚の偏光板保護フィルムで偏光子をサンドイッチして作られており、偏光板保護フィルムとしてはトリアセチルセルロースなどのセルロースエステルフィルムが好ましく用いられている。
【0003】
しかしながら、偏光板を薄くするために、保護フィルムであるトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を薄くすると透湿性が悪化したり、寸法安定性が低下するといった問題があり、特に、40μm未満の薄膜フィルムでは著しい物性低下が起こるために、偏光板に十分な耐久性を付与することが困難であった。
【0004】
一方、偏光板保護フィルムとして、ポリエステルを用いることができることは知られている。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが知られているが、ポリエチレンテレフタレートフィルムは透湿性が低く、TACフィルムと比較して寸法安定性に優れるが、鹸化処理ができないため偏光子との接着性に劣るほか、偏光子との貼合の際に接着剤の乾燥性が著しく悪いという問題があった。また、従来、ポリエステルフィルム上に金属酸窒化物層を設けたフィルムでは、クラック、カールが発生するという問題とともに金属酸窒化物層の導電性の低下という問題があった。
【0005】
上記課題に対し、芳香族ジカルボン酸、グリコールの反応により製造され、平衡含水率が1〜5%であるポリエステル樹脂を有するポリエステルフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、上記構成のポリエステルフィルムを偏光板の保護フィルムとして使用した場合、高温高湿下での安定性や加工性に優れた効果を発揮するが、より高品位の偏光板を得る観点からは故障の発生や偏光板としての保存性、画面周辺部でのコントラスト、接着性等関しては、更なる改良が必要である。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−116320号公報 (特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、製造時の塗布故障が少なく、長期の保存安定性に優れた偏光板とその製造方法、表示装置としての高温高湿下での保存安定性に優れた液晶表示装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0009】
1.2枚の透明支持体A、Bによって偏光層を挟持してなる偏光板において、該透明支持体Bはセルロースエステルフィルム上に液晶性化合物を硬化して形成した光学異方性層を有し、該透明支持体Aは反射防止層を有するポリエステルフィルムであり、該ポリエステルフィルムは平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂を有することを特徴とする偏光板。
【0010】
2.前記平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂が、スルホン酸またはその塩から選ばれる基を有することを特徴とする前記1項に記載の偏光板。
【0011】
3.前記ポリエステルフィルムが、窒素を主成分とする雰囲気下で大気圧プラズマ放電処理によって形成された酸化珪素を主成分とする層を有する前記1または2項に記載の偏光板。
【0012】
4.2枚の透明支持体A、Bによって偏光層を挟持してなる偏光板の製造方法において、該透明支持体Bはセルロースエステルフィルム上に光学異方性層を有し、該透明支持体Aは反射防止層を有するポリエステルフィルムであり、該ポリエステルフィルムは平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂層を有し、該透明支持体Aは反射防止層が設けられた面の反対側が偏光層と接するようにし、該透明支持体Bは光学異方層が設けられた面の反対側が偏光層と接するように連続的に貼合して製造することを特徴とする偏光板の製造方法。
【0013】
5.前記1〜3項のいずれか1項に記載の偏光板を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
【0014】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の偏光板は、2枚の透明支持体A、Bによって偏光層を挟持してなる偏光板において、該透明支持体Bはセルロースエステルフィルム上に液晶性化合物を硬化して形成した光学異方性層を有し、該透明支持体Aは反射防止層を有するポリエステルフィルムであり、該ポリエステルフィルムは平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂を有することが特徴である。
【0015】
はじめに、本発明の偏光板の基本的な構成の一例を図1に基づいて説明する。
図1に、本発明の偏光板の構成の一例を示す。本発明の偏光板は、2枚の透明支持体(A、B)120、122によって偏光層124を挟持してなり、該透明支持体のうち一方の透明支持体Bの偏光層と反対側の面上に光学異方層126を備えてなる光学補償層128が形成され、透明支持体Aの偏光層と反対側の面上に反射防止層130が形成されている。また、反射防止層130と透明支持体120との間にハードコート層を設けてもよい。
【0016】
偏光層は、ヨウ素などを高分子フィルムに吸着・延伸した偏光膜からなる。このような偏光膜は、二色性物質(ヨウ素)を含むHインキと呼ばれる溶液を、ポリビニルアルコールのフィルムに湿式吸着させた後、このフィルムを一軸延伸することにより、二色性物質を一方向に配向させたものである。
【0017】
透明支持体Bに設けられる光学補償層は、透明支持体B上に直接あるいは必要に応じて配向層などを介した上に、光学異方層を形成させたものである。
【0018】
図2に光学補償層の光学特性を示す。図中、134は配向層のラビング方向を示し、n1、n2およびn3は光学補償層の直交する三軸の屈折率を表しており、正面から見た場合にn1≦n3≦n2の関係を満たしている。光学補償層は、透明支持体Bの法線方向から傾いた方向にリターデーションの絶対値の最小値(ゼロを除く)を有する。図中136はリターデーションの絶対値の最小値を示す方向と透明支持体Bの法線方向132とが形成する角度を示している。TN−LCDの視野角特性を改善するためには、角度136は好ましくは5〜50度、より好ましくは10〜40度であることが望ましい。
【0019】
また、下記式1で表される光学補償層の厚み方向のリターデーション値Rtは、好ましくは20〜400nm、より好ましくは50〜400nm、さらに好ましくは100〜400nmであることが望ましい。
【0020】
式1
Rt=〔(nx+ny)/2−nz〕×d
式1中、dは光学補償層の厚み(nm)、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率をそれぞれ表す。
【0021】
このような光学補償層は、ディップコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許第2,681,294号明細書)を採用して、透明支持体B上に配向層や光学異方層を塗布により設けることで形成することができる。その際、米国特許第2,761,791号明細書、同第2,941,898号明細書、同第3,508,947号明細書、同第3,526,528号明細書およびコーティング工学(原崎勇次著)、253頁、朝倉書店(1973)に記載の方法を用いて二以上の層を同時に塗布してもよい。
【0022】
透明支持体Bは、透明であること、すなわち、光透過率が好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上であることが望ましく、ヘイズは、好ましくは1%以下、より好ましくは0.1%以下であることが望ましい。また透明支持体Bは、1.45〜1.5の屈折率を有することが好ましい。
【0023】
このような透明支持体Bは、好ましくは総置換度2.55〜2.80、より好ましくは総置換度2.60〜2.75のセルロースエステルからなることが望ましい。総置換度が上記の範囲にあるセルロースエステルを透明支持体Bの基材として用いると、湿熱耐久性に優れるとともに、透明支持体Bの厚み方向のリターデーションRtを大きくすることができ、偏光板として液晶表示装置に用いたときに視野角を拡大できる。なお、本明細書において総置換度とは、セルロース中の水酸基に結合した炭素数6以下の低級脂肪酸数をグルコピラノース単位で表したものを意味し、ASTM−D817−91、ASTM−D817−96に準拠して測定することができる。
【0024】
更に、本発明では透明支持体Bは、nz<ny=nx(nxは透明支持体B面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyはnxに直角な方向での支持体B面内の屈折率、nzは支持体Bの厚み方向の屈折率)を満たす負の一軸性であって、厚み方向のリターデーションRtが好ましくは60〜300nmの範囲、より好ましくは90〜200nmの範囲、さらに好ましくは100〜120nmの範囲にあることが望ましい。ただし、nxとnyとは厳密に等しい必要はなく、|nx−ny|/|nx−nz|≦0.2であればよい。また(nx−ny)×dで表される面内リターデーションRoは、好ましくは70nm以下、更に好ましくは30nm以下、特に好ましくは20nm以下であることが望ましい。
【0025】
本発明に係るセルロースエステルとして具体的には、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレートなどが好ましく挙げられる。これらのうちではセルロースアセテートが好ましく、セルローストリアセテートがより好ましい。
【0026】
また、該セルロースエステルの数平均分子量Mnは、好ましくは70,000〜250,000の範囲、より好ましくは、80,000〜150,000の範囲にあることが望ましい。また、該セルロースエステルの質量平均分子量Mwとの比、Mw/Mnは、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.5〜4.5であることが望ましい。なお、セルロースエステルの平均分子量および分子量分布は、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定でき、これを用いて上記MnおよびMwを算出し、Mw/Mnを計算することができる。
【0027】
測定条件は以下の通りである。
溶媒:メチレンクロライド、カラム:Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)、カラム温度:25℃、試料濃度:0.1質量%、検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)、ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)、流量:1.0ml/分、校正曲線:標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500までの13サンプルによる校正曲線を使用。
【0028】
さらに該セルロースエステルは、フィルム状であることが好ましく、1軸延伸もしくは2軸延伸されたセルロースエステルフィルムであることがより好ましい。延伸は、好ましくは、縦方向(機械進行方向MD)に1.00〜1.50倍および横方向(幅方向CD)に1.00〜1.50倍、より好ましくは縦方向に1.01〜1.20倍かつ横方向に1.01〜1.20倍に行うことが望ましい。延伸方法は、2軸延伸できる方法であれば特に制限はないが、たとえば、数本の密間ロールにウェブを通しつつクリップなどでウェブの両端を把持しクリップ間隔を進行方向に広げて延伸する方法などが挙げられる。延伸は、基材フィルムの強度を増加させるだけでなく、平面性を良くする効果があり、さらに厚み方向のリターデーションRtも増加させることができる。
【0029】
該セルロースエステルフィルムは、特開平10−45804号公報に記載の方法に準じて、好ましくは原料として綿花リンターから得られたセルロースを50質量%以上用いて、総置換度2.55〜2.80セルロースエステルを合成した後、特開2001−114907号公報、特開2001−188128号公報に記載されているように、セルロースエステルを塩素系有機溶媒または非塩素系有機溶媒に溶解しセルロースエステル溶液またはドープを形成し、エンドレスベルトまたはドラム上に流延し製膜する溶液流延法、あるいは特開2000−352620号公報に記載されているように、溶媒を用いずセルロースエステルを流動性を示す温度まで加熱溶融した後、エンドレスベルトまたはドラム上に流延し製膜する溶融流延法などの公知の方法を採用して、製造することができる。
【0030】
好ましくはセルロースエステル溶液またはドープを、エンドレスベルトまたはドラム上に流延後、剥離した後、ピンテンター方式、クリップテンター方式などを採用したテンター装置を用いて縦横方向に同時に延伸することで2軸延伸されたセルロースエステルフィルムとすることが望ましい。
【0031】
セルロースエステルフィルムの膜厚は、10〜500μmであり、好ましくは10〜200μm、特に好ましくは40〜100μmである。
【0032】
また、該セルロースエステルは、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、微粒子(マット剤)を含有していることが好ましい。
【0033】
可塑剤としては特に限定されないが、具体的には、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることができ、例えば、トリフェニルホスフェート、ビフェニルジフェニルホスフェート、エチルフタリルエチルグリコレート、ジシクロヘキシルフタレート等が挙げられる。
【0034】
可塑剤の使用量は、フィルム性能、加工性などの点で、セルロースエステルに対して1〜20質量%であることが好ましい。
【0035】
また、紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、たとえばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。又、特開平6−148430号公報記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
【0036】
また、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられる。また、たとえば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどのリン系加工安定剤を併用してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0質量%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。この酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれ、高湿高温の状態に液晶画像表示装置がおかれた場合、セルロースエステルフィルムの分解を遅らせたり、防いだりする。
【0037】
セルロースエステルフィルム中に添加される微粒子としては、無機化合物の例として、二酸化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムを挙げることができる。中でもケイ素を含むものが濁度が低くなる点、また、フィルムのヘイズを小さくできるので好ましく、特に二酸化珪素が好ましく、さらに有機物により表面処理されていても良い。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70g/L以上であるものが好ましい。微粒子は、セルロースエステルフィルムの少なくとも一方の面の表層(深さ5μm以内)に含まれていることが好ましく、微粒子の添加量は、0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.3質量%であることがより好ましく、0.08〜0.2質量%であることがさらに好ましい。
【0038】
ポリマーの微粒子の例としては、シリコーン樹脂、弗素樹脂およびアクリル樹脂を挙げることができる。これらのうちシリコーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有するものが好ましい。
【0039】
微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕微鏡(倍率50万〜200万倍)を用いて、粒子100個を観察し、その平均値をとることによって行うことができる。また、見掛比重は一定量の二酸化珪素微粒子をメスシリンダーに採り、この時の重さを測定し、見掛比重(g/L)=二酸化珪素質量(g)/二酸化珪素の容積(L)として算出することができる。
【0040】
なお、透明支持体B上には、隣接する層との密着性を付与するために下塗り層を設けてもよい。このような下塗り層に用いられる材料は特に限定されないが、透明支持体Bがセルローストリアセテートの場合には、たとえばゼラチンやポリ(メタ)アクリレート樹脂およびその置換体、スチレン−ブタジエン樹脂などが好ましく用いられる。さらに化学処理、機械処理、コロナ処理、グロー放電処理などの表面処理を行ってもよい。
【0041】
配向層は、上述した透明支持体B上に必要に応じて設けられる。該配向層は、配向層上に設けられる光学異方層に含まれる液晶性ディスコティック化合物等の液晶の配向方向を規定する。この配向により液晶性ディスコティック化合物に透明支持体Bの法線方向から傾いた光軸を与えることができる。配向層としては、光学異方層に配向性を付与できるものであれば特に限定されないが、具体的には、表面をラビング処理した有機化合物層、無機化合物の斜方蒸着層、レジストを用いたパターニングなどにより形成されたマイクログルーブ層、またはω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライドおよびステアリル酸メチルなどのラングミュア・ブロジェット膜、さらに電場もしくは磁場により配向された誘電体層、偏光紫外線を用いる光配向層を挙げることができる。これらのうち生産性の観点からは、表面をラビング処理した有機化合物層が好ましい。
【0042】
このような配向層を形成する有機化合物としては、たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、ニトロセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、
アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、必要に応じてシランカップリング剤などの添加剤を含有しても良い。
【0043】
これらのうちではポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、炭素数6以上のアルキル基を含有するアルキル変性ポリビニルアルコールが好ましく、さらに炭素数6以上のアルキル基含有アルキル変性ポリビニルアルコールがより好ましい。該アルキル変性ポリビニルアルコールとして、具体的にはMP103、MP203、R1130(いずれもクラレ(株)製)が挙げられる。
【0044】
また、前記ラビング処理はLCDの液晶配向処理工程において一般に採用されている処理方法により行うことができる。たとえば、紙、ガーゼ、フェルト、ゴムまたはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて前記有機化合物からなる層の表面を一定方向に擦ることによって配向層を得ることができる。具体的には、繊維長および太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて数回程度ラビングを行うことが一般的である。
【0045】
なお、配向層を用いずに光学異方層形成を配向させてもよく、この場合には配向層は設けなくても良い。この場合には、光学異方層を形成する液晶性ディスコティック化合物層に電場もしくは磁場をかけるか、偏光照射もしくは斜め非偏光照射することなどによって配向させる。
【0046】
本発明において光学異方層は、透明支持体B上に直接または配向層を介して設けられる。光学異方層は、好ましくは液晶性ディスコティック化合物を有し、該液晶性ディスコティック化合物の光軸は、透明支持体Bの法線方向に対して傾斜角を形成する。この傾斜角は光学異方層の透明支持体B側から表面側に向かうにつれ増加していることが好ましい。このように本発明において光学異方層は、ディスコティック(円盤状)構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層である。すなわち、光学異方層は、液晶性ディスコティック化合物の層であるか、または重合性ディスコティック化合物の硬化により得られるポリマー層である。本発明に適用できるディスコティック化合物としては、たとえば、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Phyics.Lett,A、78巻、82頁(1990年)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.Soc.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどを挙げることができる。ディスコティック化合物は、一般にこのような芳香環を有する分子を核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基などが側鎖としてその周りに放射状に置換した平板状構造を有しており、液晶性を示し、一般にディスコティック液晶と呼ばれるものを含む。但し、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また本発明においては、ディスコティック構造単位を有する化合物には、上記化合物の他に、低分子ディスコティック液晶が熱や電離放射線などで架橋しうる官能基を有しており、熱または電離放射線照射によって高分子量化して液晶性を失ったものも含まれる。
【0047】
本発明で用いることのできるディスコティック化合物の好ましい例を下記に示す。
【0048】
【化1】
Figure 2004205773
【0049】
【化2】
Figure 2004205773
【0050】
【化3】
Figure 2004205773
【0051】
【化4】
Figure 2004205773
【0052】
【化5】
Figure 2004205773
【0053】
光学異方層は、ディスコティック化合物および他の化合物を溶解した塗布液を配向層上に塗布、乾燥した後、ディスコティックネマティック相形成温度まで加熱し、その配向状態を維持しつつ冷却することにより形成することができる。また、ディスコティックネマティック相形成温度まで加熱した後、電離放射線照射により重合させてもよい。ディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度としては、好ましくは50〜300℃、より好ましくは70〜170℃が望ましい。
【0054】
なお、光学異方層には、可塑剤、界面活性剤、重合性モノマー、高分子化合物など、ディスコティック化合物の配向を阻害しない限り必要に応じていかなる化合物を添加してもよい。
【0055】
重合性モノマーとしては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基およびビニルオキシ基を有するものが好ましく、ディスコティック化合物に対して1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%用いることができる。
【0056】
高分子化合物としては、ディスコティック化合物との相溶性を有していればよく、好ましくはセルロースエステル、より好ましくはセルロースアセテートブチレートが望ましい。高分子化合物はディスコティック化合物に対し、0.1〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%用いることができる。また、セルロースアセテートブチレートのアセチル化度は30〜80%が好ましく、ブチリル化度は30〜80%が好ましい。
【0057】
次いで、反射防止層を有し、平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂を有するポリエステルフィルムである透明支持体Aについて説明する。
【0058】
本発明においては、平衡含水率0.5〜3.0%のポリエステル樹脂は単独でポリエステルフィルムを形成してもよく、平衡含水率0.5%未満のポリエステル樹脂と積層されていてもよく、また他の材質のフィルム上に積層されていてもよく、支持体に用いられる樹脂は特に限定されない。
【0059】
ここで平衡含水率とは、試料の中に平衡状態で含まれる水分量を試料質量に対する百分率で表したものである。具体的な求め方としては、ポリエステルフィルム、あるいは他のフィルム上に積層されている場合には、基体より引き剥がした該ポリエステル樹脂層フィルムを、23℃、相対湿度20%に調湿された部屋に4時間以上放置した後、23℃の蒸留水に24時間浸漬させた後、サンプルを微量水分計(例えば、三菱化学(株)製、CA−20型)を用いて温度150℃で、水分を乾燥・気化させた後、カールフィッシャー法で定量する方法である。
【0060】
ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸成分をグリコール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、また初めに芳香族ジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとグリコール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のグリコール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いて製造できる。この際、必要に応じてエステル交換触媒、重合反応触媒、耐熱安定剤等を用いて製造される。
【0061】
本発明においては、始めにジカルボン酸のジアルキルエステルを用いた場合でも、また一旦ジカルボン酸成分とグリコール成分をエステル化反応させるエステル化法を用いた場合でも、原料およびその共重合成分に言及する場合、芳香族ジカルボン酸、グリコール換算の量をいうこととする。
【0062】
上記プロセスにおいては、スルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸或いはポリアルキレングリコール等の共重合成分をエステル交換反応後に添加し、重縮合を行うことにより得られるポリエステル樹脂が、特に好ましい。
【0063】
本発明に用いられる平衡含水率0.5〜3.0%のポリエステル樹脂としては、具体的には、少なくとも芳香族ジカルボン酸とグリコールの反応により得られたポリエステル樹脂であって、ポリエステル樹脂構造中にスルホン酸またはその塩から選ばれる基を有しているポリエステル樹脂が好ましい。
【0064】
これらのスルホン酸基は、スルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸またはグリコールを所定量テレフタル酸等のジカルボン酸或いはエチレングリコール等のグリコールの共重合成分として混合し、ポリエステルを製造することにより、ポリエステル樹脂中に導入することができる。
【0065】
この様にして得られるポリエステル樹脂中に含まれる硫黄元素含有量は、0.15〜2質量%であることが好ましい。
【0066】
これら硫黄元素含量が2%を越える場合には、スルホン酸基の含有量が多すぎ、機械的強度が劣ったものとなる場合があり、また0.15%未満では、スルホン酸基数が充分な割合で存在せず、本発明の効果を与えない。
【0067】
ポリエステル樹脂中の硫黄元素は、全てがスルホン酸基またはその塩から選ばれる基由来である必要はないが、50%以上、好ましくは80%以上がスルホン酸またはその塩としてポリエステル中に含まれるスルホン酸基に由来するものであることが好ましい。
【0068】
ポリエステル樹脂中の硫黄元素の定量方法は、特に限定されないが、例えば、ICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析)により定量できる。具体的には、試料に炭酸ナトリウムを添加して、1000℃で加熱溶融して得られた分解物に水を加えて水溶液とし、これをセイコー電子工業(株)製SPS−4000を用いて、ICP−AES分析にて求めることができる。
【0069】
上記スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂は、従って、少なくとも芳香族ジカルボン酸とグリコールの反応により製造される際に用いられる全芳香族ジカルボン酸に対して、1〜10モル%のスルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸或いはグリコールを共重合成分として用いることにより得ることができる。また、スルホン酸をポリエステルに導入するには、スルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸を、全芳香族ジカルボン酸に対し1〜10モル%用いて製造することが原料の入手のしやすさ等から見てより好ましい。
【0070】
また、本発明に用いられるポリエステル樹脂は、更にポリアルキレングリコールを、生成したポリエステルの全量に対して0.1〜10質量%共重合成分として用いて製造されることが好ましい。
【0071】
これらの成分により、ポリエステル樹脂を偏光板保護フィルム等に用いる際の、偏光子との接着性や貼合の際の接着剤の乾燥性等偏光板保護フィルムとしての特性は大きく改善する。
【0072】
本発明に用いるポリエステル樹脂においては、特にポリエステルの主成分がテレフタル酸およびエチレングリコールを用いて得られるポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
【0073】
本発明においては、後述するが、溶融流延されたフィルムを実質的に一軸で延伸したフィルムが特に好ましく用いられる。このようにして得られたフィルムは特に膜厚5〜40μmであっても、適切な透湿度を有するため、偏光板製造時の接着剤の乾燥性に優れ、偏光子との接着性も良好であった。また、膜厚5〜40μmであっても偏光板製造時に皺が入りにくく、偏光子との貼合が容易である。
【0074】
本発明に係る偏光板保護フィルムを用いた偏光板は、膜厚5〜40μmの偏光板保護フィルムを用いても、高温高湿条件下での偏光度の低下が著しく少なく、しかも寸法安定性にも優れることが確認された。
【0075】
本発明に用いられるポリエステルの製造に用いられる芳香族ジカルボン酸としては前記テレフタル酸のほか、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などがあり、またこれらの低級アルキルエステル(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)を使用することができる。グリコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、p−キシリレングリコールなどがある。なかでもテレフタル酸とエチレングリコールの反応により得られたポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。
【0076】
主成分がポリエチレンテレフタレートであるとは、ポリエチレンテレフタレートの繰返し単位が80モル%以上の共重合体、あるいはブレンドされている場合は、ポリエチレンテレフタレートを80質量%以上含有していることをいう。
【0077】
本発明において用いられる、ポリエステル中にスルホン酸基を含有させるために用いられるスルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属(例えばカリウム、リチウムなど)で置換した化合物が用いられる。
【0078】
また、グリコール中にスルホン酸およびその塩から選ばれる基を導入したものを用いてもよいが、ポリエステル中にスルホン酸基を含有させるために好ましい化合物として好ましいのは、前記スルホン酸基またはその塩を有する芳香族ジカルボン酸である。
【0079】
これらのスルホン酸基またはその塩を有する芳香族ジカルボン酸成分が製造時に用いられる全芳香族ジカルボン酸の10モル%を越えると延伸性が劣ったり、機械的強度が劣ったものとなる場合があり、また1モル%未満では、十分な乾燥性が得られない場合がある。
【0080】
更に、本発明に用いられるポリエステルは、ポリアルキレングリコールを共重合成分として含有することが好ましく、前述したように、ポリエステルが、反応生成物のポリエステル全量に対してポリアルキレングリコールを0.1〜10質量%用い製造されることが好ましい。また、更に好ましくは0.2〜8質量%である。ポリアルキレングリコールが0.1質量%未満では十分な乾燥性が得られない場合があり、10質量%を越えるとヤング率が低下し、機械的強度に劣ったものとなる場合がある。
【0081】
ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが用いられるが、このうちポリエチレングリコールが好ましく、分子量(数平均分子量)としては特に限定されないが300〜20000が好ましく、さらに好ましくは600〜10000、特に1000〜5000のものが好ましく用いられる。これらの分子量はGPCを用いることにより測定できる。
【0082】
本発明の光学フィルムに用いられるポリエステルには、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに他の成分が共重合されていても良いし、他のポリマーがブレンドされていても良い。
【0083】
上記以外の他の芳香族ジカルボン酸又はその誘導体として、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその低級アルキルエステル(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)を用いることができる。また製造の際、シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸及びヘキサヒドロテレフタル酸などの脂環式ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステル等のエステル形成可能な誘導体)、アジピン酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、セバシン酸及びダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体(無水物、低級アルキルエステルなどのエステル形成可能な誘導体)を全ジカルボン酸の10モル%以下の量で使用しても良い。
【0084】
本発明で使用することができるグリコールとしてはエチレングリコールおよび前記のグリコールの他、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、p,p′−ジヒドロキシフェニルスルフォン、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ポリアルキレン(例、エチレン、プロピレン)グリコール、及びp−フェニレンビス(ジメチロールシクロヘキサン)などを挙げることができ、これらは用いられるグリコールの10モル%以下の量で使用しても良い。
【0085】
本発明に用いられるポリエステルは、例えば、安息香酸、ベンゾイル安息香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシポリアルキレングリコールなどの1官能性化合物によって末端の水酸基および/またはカルボキシル基を封鎖したものであってもよく、あるいは、例えば、極く少量のグリセリン、ペンタエリスリトールの如き3官能、4官能エステル形成化合物で実質的に線状の共重合体が得られる範囲内で変性されたものでもよい。
【0086】
また、本発明に用いられるポリエステルには、フィルムの耐熱性を向上する目的で、ビスフェノール系化合物、ナフタレン環又はシクロヘキサン環を有する化合物を共重合することができる。
【0087】
本発明に用いられるポリエステルの固有粘度(Intrinsic Viscousity)は0.35〜0.65の範囲のものが好ましく用いられる。この範囲以下では得られるフィルムの脆弱性が不充分となる場合があり、この範囲を超えると、溶融押し出し時に溶融粘度が大きすぎて平面性が劣化する場合がある。
【0088】
固有粘度の算出はウベローデ型粘度計を用いて行った。質量比が約55:45(流下時間42.0±0.1秒に調整)であるフェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンとの混合溶媒を用い、これにサンプルを溶かして濃度0.2,0.6,1.0(g/dl)の溶液(温度20℃)を調製する。ウベローデ型粘度計によって、それぞれの濃度(C)における比粘度(ηsp)を求め、式[ηsp/C]を濃度零(C→0)に補外し固有粘度[η]を求めた。固有粘度[η]の単位はdl/gである。
【0089】
また、本発明に用いられるポリエステルはガラス転移温度(Tg)が55℃以上であることが好ましく、更に60℃以上であることが好ましい。55℃未満では得られたフィルムの高温高湿下での寸法安定性に劣る場合がある。Tgは示差走査熱量計で測定するところのベースラインが偏奇し始める温度と、新たにベースラインに戻る温度との平均値として求められたものである。
【0090】
本発明に用いられるポリエステルには、酸化防止剤が含有されていてもよい。特にポリエステルが、ポリオキシアルキレン基を有する化合物を含む場合に効果が顕著となる。含有させる酸化防止剤はその種類につき特に限定はなく、各種の酸化防止剤を使用することができるが、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物等の酸化防止剤を挙げることができる。中でも透明性の点でヒンダードフェノール系化合物の酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の含有量は、通常、ポリエステルに対して0.01〜2質量%、好ましくは0.1〜0.5質量%である。
【0091】
本発明のポリエステルフィルムには、必要に応じて易滑性を付与することもできる。易滑性付与手段としては、特に限定はないが、ポリエステルに不活性無機粒子を添加する外部粒子添加方法、ポリエステルの合成時に添加する触媒を析出させる内部粒子析出方法、或いは界面活性剤等をフィルム表面に塗布する方法等が一般的である。
【0092】
本発明のポリエステルフィルムには、必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。
【0093】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0094】
本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物などが挙げられる。又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収剤、特願2000−214134号の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
【0095】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いられる。
【0096】
【化6】
Figure 2004205773
【0097】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0098】
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していて良い。
以下に一般式〔1〕で示される紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
【0099】
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN 171、Ciba製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN 109、Ciba製)
また本発明において、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式〔2〕で表される化合物が好ましく用いられる。
【0100】
【化7】
Figure 2004205773
【0101】
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又は−CO(NH)n-1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0102】
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基へ置換してもよい置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基又はハロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
【0103】
以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0104】
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
市販されているものとしては、TINUVIN P、TINUVIN 324、TINUVIN 320、TINUVIN 326、TINUVIN 327、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 770、TINUVIN 780、TINUVIN 144、TINUVIN 120、UVITEX OB(日本チバガイギー(株)製)等から適宜選択して使用することもできる。
【0105】
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0106】
また、本発明に用いられるポリエステルフィルムには蛍光増白剤を含有することができる。特に、バックライト側に配置されるポリエステルフィルムに蛍光増白剤を含有させることが好ましい。蛍光増白剤は通常市販されているもの、あるいは新規物質の中から耐光性に基づいて任意に選択することができる。例えば、特開2002−53824の段落番号[0029]〜[0034]に記載のものが挙げられる。一般に蛍光増白剤は約320〜約410nmの波長の光を吸収して、約410〜約500nmの波長の光を放射する性質を有する化合物よりなる。これらの蛍光増白剤による分だけ可視光のエネルギーが増加し、輝度が向上する。
【0107】
蛍光増白剤としては、更に下記一般式〔3〕のものが挙げられる。
【0108】
【化8】
Figure 2004205773
【0109】
式中、R1およびR4は水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を表し、R2およびR3はアルキル基を表す。[A]は置換アリール基または置換エテニル基を表す。一般式〔3〕で表される化合物は、好ましくは下記一般式〔4〕で表される化合物である。
【0110】
【化9】
Figure 2004205773
【0111】
式中、R5およびR7は前記R2と同義の基であり、R6およびR8は前記R3と同義である。nは1または2の整数を表す。これらの化合物は特開平11−29556号記載の方法で合成することができる。一般式〔4〕で表される化合物の具体例は、特開2002−53824の段落番号[0050]〜[0060]に記載されている。
【0112】
これらの蛍光増白剤はクリアハードコート層、支持体、バインダー層のいずれに添加してもよく、2種以上併用することもできる。添加量は層の厚さ、蛍光増白剤の性質、紫外線吸収剤の有無、性質、添加量によって変化するので一義的には決められない。一般的には厚さ50μmの層であれば0.1〜30質量%、好ましくは1〜10質量%で十分である。
【0113】
本発明に用いるポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけではなく、前述したように従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒或いは重合反応触媒を用い、或いは耐熱安定剤を添加することができる。この際、共重合成分である金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸類やポリエチレングリコールをエステル交換反応後に添加し、重縮合を行うことが好ましい。また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料等を添加させてもよい。
【0114】
次に、本発明の光学フィルムに用いられるポリエステルフィルムの製造方法について説明する。
【0115】
本発明で用いられるポリエステルフィルムは延伸倍率1.0〜10.0に二軸延伸されたものが用いられ、特に実質的に一軸延伸されたものが好ましく用いられる。実質的に一軸延伸したポリエステルフィルムとは、二軸延伸製膜において、主にどちらか一方向のみに延伸を行うことで得られる。即ち、本発明において、ポリエステルフィルムは一方向の延伸倍率が1.00〜2.5倍、それと直交する方向の延伸倍率が2.5〜10倍に二軸延伸製膜されたポリエステルフィルムであることが好ましく、より好ましくは、縦方向の延伸倍率が1.0〜2.0倍、横方向の延伸倍率が2.5〜7倍に二軸延伸製膜されたポリエステルフィルムであり、更に好ましくは縦方向の延伸倍率が1.1〜1.8倍、横方向の延伸倍率が3.0〜6.0倍に二軸延伸製膜されたポリエステルフィルムである。一方向の延伸倍率を大きくすることが好ましく、延伸倍率の比(縦横いずれかの高い方の延伸倍率/縦横いずれかの低い方の延伸倍率)は2以上であることが好ましく、更に4以上であることが好ましく、6以上であることが好ましい。又、未延伸のものに対して延伸後の面積比で4倍以上に延伸されていることが好ましく、更に好ましくは5〜7倍に延伸されていることが好ましい。
【0116】
上記ポリエステルフィルムを得るには、従来公知の方法で行うことができ、特に限定されないが、以下の様な方法で行うことができる。この場合、縦方向とは、フィルムの製膜方向(長手方向)を、横方向とはフィルムの製膜方向と直角方向(幅手方向)のことをいう。
【0117】
先ず、原料のポリエステルをペレット状に成型し、熱風乾燥又は真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法等により冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群及び/又は赤外線ヒーター等の加熱装置を介してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段又は多段縦延伸する方法である。
【0118】
次に、上記のようにして得られた縦方向に延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm(融点)−20℃の温度範囲内で、横延伸し次いで熱固定する。
【0119】
横延伸する場合、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。更に横延伸後、フィルムをその最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01〜5分間保持すると巾方向の物性の分布が更に低減でき好ましい。
【0120】
熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tm−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
【0121】
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向及び/又は縦方向に0.1〜10%弛緩処理することが好ましい。また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながら、これらの処理を行うことが、フィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。尚、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとしたとき、(T1−Tg)/tで求めた値である。
【0122】
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルにより異なるので、得られた延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整して決定すればよい。
【0123】
また、上記フィルム製造に際し、延伸の前及び/又は後で帯電防止層、易滑性層、接着層、バリアー層等の機能性層を塗設してもよい。この際、コロナ放電処理、大気圧プラズマ放電処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
【0124】
カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理された後、或いは必要に応じて造粒処理や解重合・再重合等の処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料として又は異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。
【0125】
本発明において、上記のようにして製膜されたポリエステルフィルムの面方向においての屈折率は、横方向の屈折率(nTD)と縦方向の屈折率(nMD)との差の絶対値|nTD−nMD|が0.05以下であることが好ましく、より好ましくは0.04以下、更に好ましくは0.025以下である。
【0126】
本発明で用いられるポリエステルフィルムの厚みは、通常3〜500μm、好ましくは5〜120μm、更に好ましくは5〜40μm、より好ましくは10〜35μmである。巻き取り前に幅手両端部に膜厚の1〜25%程度の高さのナーリングで、幅0.1〜3cm程度の加工を施すことが好ましい。
【0127】
本発明で用いられるポリエステルフィルムの面内方向におけるリターデーションR0(nm)は、1000nm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが更に好ましい。
【0128】
また、本発明で用いられるポリエステルフィルムは、フィルム面内の屈折率が最大となる方向とフィルムの幅手方向(フィルムの長尺方向)とのなす角度が0°±10°もしくは90°±10°であることが好ましく、更に0°±5°もしくは90°±5°であることが好ましく、より好ましくは0°±1°もしくは90°±1°であることであり、0°±0.1°もしくは90°±0.1°であることが特に好ましい。
【0129】
本発明で用いられるポリエステルフィルムは、上記ポリエステルフィルムからなる単独(単層)のフィルムでもよいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記ポリエステルからなる層を少なくとも1層含む、複数の樹脂層からなる多層フィルムとしてもよい。上記ポリエステル層をA、その他の樹脂層をB及びCとすると、例えばA/B、A/B/A、B/A/B、B/A/Cのように構成できる。もちろん4層以上の構成にすることもできる。この様に多層構成にすることで、例えば、強度や水バリアー性の高いフィルムをコア層や外層に積層することにより、複数の機能を同時に付与することができる。
【0130】
上記その他の樹脂層としては、アクリル樹脂、セルロースエステル樹脂(セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートプロピオネート)、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂等でもよく、あるいは前述のポリエステルなどが好ましく用いられる。例えば、スルホン酸基含有ポリエステル層/スルホン酸基を含有しないポリエステル層(例えば、PET)/スルホン酸基含有ポリエステル層といった多層構成とすることもできる。
【0131】
偏光子との接着性を改良するため、ポリエステルラテックスの水性分散物を塗設することもできる。
【0132】
また、滑り性を付与するためマット剤等の微粒子を添加する場合は、最外層のみに添加すれば効果が得られるので、透明性等を劣化させずに機能付与することが可能となる。
【0133】
添加できる微粒子としては特に限定はされないが、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
【0134】
無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、二酸化珪素が好ましく用いられる。二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上、日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上、日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0135】
有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上、東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
【0136】
微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5〜16nmであり、特に好ましくは、5〜12nmである。
【0137】
多層フィルムを製造する方法としては、共押し出しによる方法、エクストルージョンラミネートによる方法、ドライラミネーションによる方法などを好ましく用いることができる。
【0138】
本発明において、光学フィルムの表面が導電性を有することが好ましく、表面比抵抗(23℃、25%RH)が1×1012Ω/cm2以下であることが好ましい。より好ましくは、1×1011Ω/cm2以下、更に好ましくは1×1010Ω/cm2以下である。
【0139】
本発明においては、吸湿性物質又は導電性物質を含有させることにより光学フィルムに導電性を付与することができる。これら導電性を付与させる物質としては、例えば、界面活性剤、導電性ポリマー、無機金属酸化物を挙げることができる。
【0140】
用いることができる界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性及びノニオン性のいずれでもよい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン酸、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類等の様なカルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むものが好ましい。
【0141】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウム等の複素環第4アンモニウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又はスルホニウム塩類等が好ましい。
【0142】
両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸又は燐酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類等が好ましい。
【0143】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミン又はアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えば、アルケニルコハク酸ポリセリド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価アルコール脂肪酸エステル類等のアルキルエステル類等が好ましい。
【0144】
導電性ポリマーは特に限定されず、アニオン性、カチオン性、両性及びノニオン性のいずれでもよいが、その中でも好ましいのは、アニオン性、カチオン性である。より好ましいのは、アニオン性では、スルホン酸系、カルボン酸系、カチオン性では、3級アミン系、4級アンモニウム系のポリマー又はラテックスである。
【0145】
これらの導電性ポリマーは、例えば、特公昭52−25251号、特開昭51−29923号、特公昭60−48024号記載のアニオン性ポリマー又はラテックス、特公昭57−18176号、同57−56059号、同58−56856号、米国特許第4,118,231号等に記載のカチオン性ポリマー又はラテックスを挙げることができる。
【0146】
例えば、特開2000−33720に記載のプラズマ放電処理で帯電防止層あるいは導電層を設けることもできる。
【0147】
次いで、ポリエステルフィルム上に設ける反射防止層について説明する。
反射防止層は、光学干渉によって反射率が減少するように屈折率、膜厚、層の数、層順等を考慮して積層されていることが好ましい。反射防止層は、支持体よりも屈折率の高い高屈折率層と、支持体よりも屈折率の低い低屈折率層を組み合わせて構成されている。得に好ましくは、3層以上の屈折率層から構成される反射防止層であり、支持体側から屈折率の異なる3層を、中屈折率層(支持体または防眩層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層されているものが好ましく用いられる。または、2層以上の高屈折率層と2層以上の低屈折率層とを交互に積層した4層以上の層構成の反射防止層も好ましく用いられる。
【0148】
また、必要に応じて、汚れや指紋のふき取りが容易となるように、最表面の低屈折率層の上に、さらに防汚層を設けることも好ましい。防汚層としては、含フッ素有機シラン化合物が好ましく用いられる。
【0149】
本発明に係る反射防止層は、グラビアコーター、スピナーコーター、ワイヤーバーコーター、ロールコーター、リバースコーター、押出コーター、エアードクターコーター等の公知の塗布方式により形成することもでき、また大気圧プラズマ放電処理、CVD等のドライプロセスによって金属酸化物層(SiO2、TiO2、Ta25、ZrO2、ZnO、SnO2、ITOなど)を設けることができる。
【0150】
本発明において、高屈折率層としては、好ましくはチタン酸化物を含有することが望ましい。これらは微粒子として添加することもできるが、より好ましくは、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物を含有する塗布液を塗布し乾燥させて形成させた屈折率1.55〜2.5の層である。
【0151】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーとしては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−i−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体等が好ましい例として挙げられる。これらは単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。中でもTi(O−n−C374、Ti(O−i−C374、Ti(O−n−C494、Ti(O−n−C374の2〜10量体、Ti(O−n−C494の2〜10量体が特に好ましい。
【0152】
本発明に用いられる有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーまたはそれらの加水分解物は、塗布液に含まれる固形分中の50.0質量%〜98.0質量%を占めていることが望ましい。固形分比率は50質量%〜90質量%がより好ましく、55質量%〜90質量%が更に好ましい。このほか、塗布組成物には有機チタン化合物のポリマー(あらかじめ有機チタン化合物の加水分解を行って架橋したもの)あるいは酸化チタン微粒子を添加することも好ましい。
【0153】
また、本発明においては、塗布液中に上記有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーの部分または完全加水分解物を含むが、有機チタン化合物のモノマー、オリゴマーは、自己縮合して架橋し網状結合するものである。その反応を促進するために触媒や硬化剤を使用することができ、それらには、金属キレート化合物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基を有する有機けい素化合物、光による酸発生剤(光酸発生剤)等がある。これらの触媒または硬化剤の中で特に好ましいのは、アルミキレート化合物と光酸発生剤である。アルミキレート化合物の例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等であり、光酸発生剤の例としては、ベンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、その他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等を挙げることができる。
【0154】
反射防止層の塗布液中の固形分比率として0.5質量%〜20質量%のバインダが含まれることが好ましい。
【0155】
バインダとしては、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基、オキセタン環等の重合性基を2つ以上有し、活性光線照射により架橋構造または網目構造を形成するインクで用いたのと同様なアクリルまたはメタクリル系活性エネルギー線反応性化合物、エポキシ系活性エネルギー線反応性化合物またはオキセタン系活性エネルギー線反応性化合物を用いることができる。これらの化合物はモノマー、オリゴマー、ポリマーを含む。重合速度、反応性の点から、これらの活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が好ましく、多官能モノマーまたはオリゴマーがより好ましい。また、前述のインク及びハードコート層に用いられる活性光線硬化型樹脂も好ましく用いることができる。更に、アルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられる。
【0156】
チタン化合物を含む中〜高屈折率層には、バインダとしてアルコール溶解性アクリル樹脂も好ましく用いられ、これによって、膜厚むらが少ない中、高屈折率層を得ることができる。具体的には、アルキル(メタ)アクリレート重合体またはアルキル(メタ)アクリレート共重合体、例えば、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート等の共重合体が好ましく用いられるが、共重合成分としてはこれらに限定されるものではない。市販品としては、ダイヤナールBR−50、BR−51、BR−52、BR−60、BR−64、BR−65、BR−70、BR−73、BR−75、BR−76、BR−77、BR−79、BR−80、BR−82、BR−83、BR−85、BR−87、BR−88、BR−89、BR−90、BR−93、BR−95、BR−96、BR−100、BR−101、BR−102、BR−105、BR−107、BR−108、BR−112、BR−113、BR−115、BR−116、BR−117、BR−118(以上、三菱レーヨン(株)製)等が使用できる。これらのモノマー成分も中〜高屈折率層用バインダとして添加することができる。バインダの添加比率を変更することによって屈折率を調整することができる。
【0157】
低屈折率層にはすべり剤を添加することが好ましく、滑り性を付与することによって耐傷性を改善することができる。すべり剤としては、シリコンオイルまたはワックス状物質が好ましく用いられる。
【0158】
具体的には、ベヘン酸、ステアリン酸アミド、ペンタコ酸等の高級脂肪酸またはその誘導体、天然物としてこれらの成分を多く含んでいるカルナバワックス、蜜蝋、モンタンワックスも好ましく使用できる。特公昭53−292号に開示されているようなポリオルガノシロキサン、米国特許第4,275,146号に開示されているような高級脂肪酸アミド、特公昭58−33541号、英国特許第927,446号または特開昭55−126238号及び同58−90633号に開示されているような高級脂肪酸エステル(炭素数が10〜24の脂肪酸と炭素数が10〜24のアルコールのエステル)、そして米国特許第3,933,516号に開示されているような高級脂肪酸金属塩、特開昭51−37217号に開示されているような炭素数10までのジカルボン酸と脂肪族または環式脂肪族ジオールからなるポリエステル化合物、特開平7−13292号に開示されているジカルボン酸とジオールからのオリゴポリエステル等を挙げることができる。
【0159】
低屈折率層に使用する滑り剤の添加量は0.01mg/m2〜10mg/m2が好ましい。必要に応じて、中屈折率層や高屈折率層に添加することもできる。
【0160】
本発明において、低屈折率層には、界面活性剤、柔軟剤、柔軟平滑剤等を添加することが好ましく、これによって耐擦り傷性が改善される。中でもアニオン系または非イオン系の界面活性剤が好ましく、例えば、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム塩、多価アルコール脂肪酸エステルの非イオン界面活性剤乳化物等が好ましい。例えば、リポオイルNT−6、NT12、NT−33、TC−1、TC−68、TC−78、CW−6、TCF−208、TCF−608、NKオイルCS−11、AW−9、AW−10、AW−20、ポリソフターN−606、塗料用添加剤PC−700(日華化学株式会社製)等が用いられる。
【0161】
低屈折率層は、酸化珪素等の珪素化合物微粒子あるいはフッ素含有化合物微粒子等を塗設して設けることが好ましい。好ましい有機けい素化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げることができ、これらを加水分解することによりシリケートオリゴマーが得られる。加水分解反応は、公知の方法により行うことができ、例えば、上記テトラアルコキシシランに所定量の水を加えて、酸触媒の存在下に、副生するアルコールを留去しながら、通常、室温〜100℃で反応させる。この反応によりアルコキシシランは加水分解し、続いて縮合反応が起こり、ヒドロキシル基を2個以上有する液状のシリケートオリゴマー(通常、平均重合度は2〜8、好ましくは3〜6)を加水分解物として得ることができる。
【0162】
硬化触媒としては、酸、アルカリ、有機金属、金属アルコキシド等を挙げることができるが、本発明においては酸、特にスルホニル基またはカルボキシル基を有する有機酸が好ましく用いられる。例えば、酢酸、ポリアクリル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メチルスルホン酸等が用いられる。有機酸は1分子内に水酸基とカルボキシル基を有する化合物であればいっそう好ましく、例えば、クエン酸または酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸が用いられる。また、有機酸は水溶性の酸であることが更に好ましく、例えば上記クエン酸や酒石酸の他に、レブリン酸、ギ酸、プロピオン酸、リンゴ酸、コハク酸、メチルコハク酸、フマル酸、オキサロ酢酸、ピルビン酸、2−オキソグルタル酸、グリコール酸、D−グリセリン酸、D−グルコン酸、マロン酸、マレイン酸、シュウ酸、イソクエン酸、乳酸等が好ましく用いられる。また、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、アトロバ酸等も適宜用いることができる。
【0163】
上記有機酸を用いることで、硫酸、塩酸、硝酸、次亜塩素酸、ホウ酸等の無機酸の使用による生産時の配管腐蝕や安全性への懸念が解消できるばかりでなく、加水分解時のゲル化を起こすことなく、安定した加水分解物を得ることができる。添加量は、部分加水分解物100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部がよい。また、水の添加量については部分加水分解物が理論上100%加水分解し得る量以上であればよく、100〜300%相当量、好ましくは100〜200%相当量を添加するのがよい。
【0164】
このようにして得られた低屈折率層用の塗布組成物は極めて安定である。
更に、本発明では、熟成工程で処理を施すことにより、有機けい素化合物の加水分解、縮合による架橋が充分に進み、得られた被膜の特性が優れたものとなる。熟成は、オリゴマー液を放置すればよく、放置する時間は、上述の架橋が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行する時間である。具体的には用いる触媒の種類にもよるが、塩酸では室温で1時間以上、マレイン酸では数時間以上、8時間〜1週間程度で充分であり、通常3日前後である。熟成温度は熟成時間に影響を与え、極寒地では20℃付近まで加熱する手段をとった方がよいこともある。一般に高温では熟成が早く進むが、100℃以上に加熱するとゲル化が起こるので、せいぜい50〜60℃までの加熱が適切である。また、本発明で用いるシリケートオリゴマーについては、上記の他に、例えばエポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、カルボキシル基等の官能基を有する有機化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマー)等により変性した変性物であってもよく、単独または上記シリケートオリゴマーと併用することも可能である。
【0165】
また、本発明においては上記低屈折率層に酸化けい素微粒子を含有させることができる。粒径0.1μm以下の酸化けい素微粒子を含むことが好ましい。例えば、アエロジル200V(日本アエロジル(株)製)等を添加することができる。特に、表面がアルキル基で修飾された酸化けい素微粒子が好ましく用いられ、例えばアエロジルR972、R972V(日本アエロジル(株)製)として市販されている表面がメチル基で修飾された酸化けい素微粒子を好ましく添加することができる。このほか特開2001−2799号に記載されている表面がアルキル基で置換された酸化けい素微粒子を用いることもでき、前述のシリケートオリゴマーの加水分解後にアルキルシランカップリング剤により処理することでも容易に得ることができる。添加量としては低屈折率層中の固形分比率で0.1質量%〜40質量%の範囲となるように添加することが好ましい。
【0166】
各屈折率層には、屈折率の調整あるいは膜質の改善のために更にシラン化合物を添加することができる。
【0167】
高〜低屈折率層(光学干渉層ともいう)を塗設する際の塗布液に使用する溶媒は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルセルソルブ、ジエチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、乳酸メチル、乳酸エチル、水等が挙げられ、それらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0168】
また、分子内にエーテル結合をもつものが特に好ましく、グリコールエーテル類が更に好ましい。
【0169】
グリコールエーテル類としては、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテル、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルであり、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。また、プロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステルとしては特にプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが挙げられ、具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶媒は、塗布液中に全有機溶媒の1質量%〜90質量%添加されていることが好ましい。
【0170】
また、本発明に係る高〜低屈折率層の各層の塗布液には各種のレベリング剤、界面活性剤、シリコンオイル等の低表面張力物質を添加することが好ましい。
【0171】
中〜高屈折率層及び低屈折率層の塗設後、金属アルコキシドを含む組成物の加水分解または硬化を促進するため、活性光線を照射することが好ましい。より好ましくは、各層を塗設するごとに活性エネルギー線を照射することである。
【0172】
本発明に使用する活性光線は、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、照射光量は20mJ/cm2〜10,000mJ/cm2が好ましく、更に好ましくは、100mJ/cm2〜2,000mJ/cm2であり、特に好ましくは、400mJ/cm2〜2,000mJ/cm2である。
【0173】
紫外線を用いる場合、多層の反射防止層を1層ずつ照射してもよいし、積層後照射してもよいが、多層を積層した後、紫外線を照射することが特に好ましい。
【0174】
また、本発明においては、ドライプロセスにより反射防止層を設ける方法も好ましく用いることができ、例えば、特開平7−333404号、同11−133205号、同11−61406、特開2002−228803号の各公報に記載の方法に従って、反射防止層あるいは防汚層を形成することができる。
【0175】
本発明に係るポリエステルフィルムにおいては、窒素を主成分とする雰囲気下で大気圧プラズマ放電処理によって形成された酸化珪素を主成分とする層を有することが好ましい。
【0176】
以下、大気圧プラズマ放電処理により酸化珪素を主成分とする層を形成する方法を図を用いて説明する。
【0177】
図3は、本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
【0178】
ジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置は、プラズマ放電処理装置、二つの電源を有する電圧印加手段の他に、図3では図示してない(後述の図5に図示してある)が、ガス供給手段、電極温度調節手段を有している装置である。
【0179】
プラズマ放電処理装置10は、第1電極11と第2電極12から構成されている対向電極を有しており、該対向電極間に、第1電極11からは第1電源21からの第1の周波数ω1の高周波電圧V1が印加され、また第2電極12からは第2電源22からの第2の周波数ω2の高周波電圧V2が印加されるようになっている。第1電源21は第2電源22より大きな高周波電圧(V1>V2)を印加できる能力を有していればよく、また第1電源21の第1の周波数ω1と第2電源22の第2の周波数ω2は、ω1<ω2の関係にある。
【0180】
第1電極11と第1電源21との間には、第1電源21からの電流21Aが第1電極11に向かって流れるように第1フィルター23が設置されており、第1電源21からの電流21Aをアース側へと通過しにくくし、第2電源22からの電流22Aがアース側へと通過し易くするように設計されている。
【0181】
また、第2電極12と第2電源22との間には、第2電源22からの電流22Aが第2電極12に向かって流れるように第2フィルター24が設置されており、第2電源22からの電流22Aをアース側へと通過しにくくし、第1電源21からの電流21Aをアース側へと通過し易くするように設計されている。
【0182】
第1電極11と第2電極12との対向電極間(放電空間)13に、ここでは図示してない(後述の図4に図示してあるような)ガス供給手段からガスGを導入し、第1電極11と第2電極12から高周波電圧を印加して放電を発生させ、ガスGをプラズマ状態にしながら対向電極の下側(紙面下側)にジェット状に吹き出させて、対向電極下面と基材Fとで作る処理空間をプラズマ状態のガスG°で満たし、図示してない基材の元巻き(アンワインダー)から巻きほぐされて搬送して来るか、あるいは前工程から搬送して来る基材Fの上に、処理位置14付近で薄膜を形成させる。薄膜形成中、ここでは図示してない(後述の図4に図示してあるような)電極温度調節手段から配管を経て電極を加熱または冷却する。プラズマ放電処理の際の基材の温度によっては、得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが望ましい。温度調節の媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラができるだけ生じないように電極の表面の温度を均等に調節することが望まれる。
【0183】
基材Fも裏面より室温〜200℃程度の温度となるように、温度制御されていることが望ましい。例えば、温度制御された金属ロール上に基材Fを配置して、プラズマ処理することができる。
【0184】
また、図3に前述の高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧の測定に使用する測定器を示した。25及び26は高周波プローブであり、27及び28はオシロスコープである。
【0185】
ジェット方式の該大気圧プラズマ放電処理装置を複数基接して直列に並べて同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることができるので、何回も処理され高速で処理することもできる。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層薄膜を形成することもできる。
【0186】
図4は本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【0187】
本発明に用いられる大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、二つの電源を有する電圧印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置であることが好ましい。
【0188】
図4は、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との対向電極間(放電空間)32で、基材Fをプラズマ放電処理して薄膜を形成するものである。
【0189】
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ω1であって高周波電圧V1を、また角筒型固定電極群(第2電極)36には第2電源42から周波数ω2であって高周波電圧V2をかけるようになっている。
【0190】
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1電源41からの電流がロール回転電極(第1電極)35に向かって流れるように第1フィルター43が設置されている。該第1フィルターは第1電源41からの電流をアース側へと通過しにくくし、第2電源42からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)36と第2電源42との間には、第2電源からの電流が第2電極に向かって流れるように第2フィルター44が設置されている。第2フィルター44は、第2電源42からの電流をアース側へと通過しにくくし、第1電源41からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。
【0191】
なお、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。何れにしろ第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より大きな高周波電圧(V1>V2)を印加できる能力を有しており、また、周波数はω1<ω2となる能力を有している。
【0192】
ガス供給手段50のガス供給装置51で発生させたガスGは、流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。角筒型固定電極群36の間より放電空間32へ供給される。
【0193】
基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との両方から電圧をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されプラズマ状態のガスにより薄膜が形成される。基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送される。
【0194】
放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。図4では省略しているが、角筒型固定電極群36の間にはガスGの供給口または排ガスG′の排出口が設けられている。
【0195】
薄膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型固定電極群(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。なお、65及び66はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
【0196】
図5は、図4に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【0197】
図5において、ロール電極35aは導電性の金属質母材35Aとその上に誘電体35Bが被覆されたものである。内部は中空のジャケットになっていて温度調節が行われるようになっている。即ち、放電中の電極表面の温度を制御するための媒体(水、シリコンオイル等)を循環できるようになっている。
【0198】
図6は、角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【0199】
図6において、角筒型電極36aは、導電性の金属質母材36Aに対し、図5同様の誘電体36Bの被覆を有し、該電極の構造は金属質のパイプになっていて、それがジャケットとなり、内部に温度制御された媒体(水、シリコンオイル等)を循環できるようになっている。放電中の電極表面の温度調節が行えるようになっている。
【0200】
なお、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されていおり、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全角筒型固定電極面の面積の和で表される。
【0201】
図4に示した角筒型電極36aは、円筒型電極でもよいが、角筒型電極は円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
【0202】
図5及び図6において、ロール電極35a及び角筒型電極36aは、それぞれ導電性の金属質母材35A及び36Aの上に誘電体35B及び36Bとしてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆あればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ、窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体層が、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
【0203】
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料等を挙げることができるが、チタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
【0204】
2個の電極間の距離(電極間隙)は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1nm〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5nm〜2mmである。
【0205】
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(R)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を張り付けても良く、該金属フレームにセラミックス溶射を行い絶縁性をとってもよい。図3において、平行した両電極の両側面(基材面近くまで)を上記のような材質の物で覆うことが好ましい。
【0206】
本発明に係る大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、1〜200kHzの高周波電圧を印加できるものが好ましく、
印加電源記号 メーカー 周波数
A1 神鋼電機 3kHz
A2 神鋼電機 5kHz
A3 春日電機 15kHz
A4 神鋼電機 50kHz
A5 ハイデン研究所 100kHz*
A6 パール工業 200kHz
等の市販のものを挙げることができ、何れも使用することができる。なお、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。
【0207】
また、第2電源(高周波電源)としては、800kHz〜150MHzの高周波電圧を印加できるものが好ましく、
印加電源記号 メーカー 周波数
B1 パール工業 800kHz
B2 パール工業 2MHz
B3 パール工業 13.56MHz
B4 パール工業 27MHz
B5 パール工業 150MHz
等の市販のものを挙げることができ、何れも好ましく使用できる。
【0208】
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことができる電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
【0209】
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極に1W/cm2以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを薄膜形成性ガスに与え薄膜を形成させる。供給する電力は、好ましくは1W/cm2〜50W/cm2であり、更に好ましくは、1.2W/cm2〜20W/cm2である。なお、放電面積(cm2)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことを指す。
【0210】
ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
【0211】
このような大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
【0212】
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10-6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10-6/℃以下、更に好ましくは5×10-6/℃以下、更に好ましくは2×10-6/℃以下である。なお、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
【0213】
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
Figure 2004205773
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記(a)または(b)および(e)〜(h)が好ましく、特に、(a)が好ましい。
【0214】
本発明において、金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。金属質母材をチタンまたはチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることができる。
【0215】
本発明に有用な電極の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることができ、何れも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。
【0216】
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、あるいは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
【0217】
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。なお、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することができる。例えば、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることができる。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
【0218】
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として被覆対象の金属質母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、更にエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で金属質母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることができる。詳しくは、特開2000−301655号に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することができる。この方法により、上記のような被覆する誘電体(セラミック溶射膜)の空隙率にすることができる。
【0219】
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
【0220】
誘電体の空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化ケイ素(SiOx)を主成分として含有するものが好ましい。
【0221】
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミック溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
【0222】
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極ができる。
【0223】
本発明に係る誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiOx(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiOx含有量は、XPS(X線光電子スペクトル)により誘電体層の断層を分析することにより測定できる。
【0224】
本発明に係るポリエステルフィルムの製造方法において、電極は、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが好ましいが、更に好ましくは、8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。このように誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れを無くし、且つ、高精度で、耐久性を大きく向上させることができる。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。
【0225】
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。また上限は500℃である。なお、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電できる状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせることによって達成可能である。
【0226】
次いで、本発明に係る酸化珪素を主成分とする薄膜層の形成方法に用いる反応ガスについて説明する。
【0227】
薄膜層を形成するための反応ガスは、主に窒素を含むガスである。すなわち、窒素ガスが50%以上で含有することが好ましく、さらに好ましくは70%以上で含有することが好ましく、さらに好ましくは90体積%〜99.99体積%であることが望ましい。反応ガスには窒素のほかに希ガスが含有していてもよい。
【0228】
ここで、希ガスとは、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等であり、本発明では、ヘリウム、アルゴン等が窒素に添加されて用いられてもよい。
【0229】
窒素ガスは安定したプラズマ放電を発生させるために用いられ、反応ガスには薄膜を形成するための原料として、反応性ガスが添加される。該プラズマ中で反応性ガスはイオン化あるいはラジカル化され、基材表面に堆積あるいは付着するなどして薄膜が形成される。
【0230】
更に、反応ガス中に酸素、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒素、一酸化窒素、水、過酸化水素、オゾン等を0.1体積%〜10体積%含有させることにより薄膜層の硬度、密度等の物性を制御することができる。
【0231】
本発明に有用な反応ガスは、様々な物質の原料ガスを添加したものを用いることによって、様々な機能を持った薄膜をセルロースエステルフィルム上に形成することができる。ここでいう原料ガスとはプラズマ処理により薄膜を形成するためのガスであり、金属酸化物層を形成する場合、金属化合物のガスを意味する。
【0232】
本発明に有用な原料ガスとしての有機金属化合物としては、特に限定されないが、Al、As、Au、B、Bi、Sb、Ca、Cd、Cr、Co、Cu、Fe、Ga、Ge、Hg、In、Li、Mg、Mn、Mo、Na、Ni、Pb、Pt、Rh、Se、Si、Sn、Ti、Zr、Y、V、W、Zn,Ta等の金属酸化物を形成するための金属化合物を挙げることができる。
【0233】
例えばTi、Zr、In、Sn、Zn、Ge、Si、Taあるいはその他の金属を含有する有機金属化合物、金属水素化合物、金属ハロゲン化物、金属錯体を用いて、これらの金属酸化物層(金属酸化物層金属酸化物窒化物層も含む)または金属窒化物層等を形成することができ、これらの層は反射防止層の中屈折率層または高屈折率層としたり、あるいは導電層または帯電防止層とすることもできる。
【0234】
また、フッ素含有有機化合物で防汚層や低屈折率層を形成することもでき、珪素化合物でガスバリア層や低屈折率層あるいは防汚層を形成することもできる。本発明は、高、中屈折率層と低屈折率層を交互に多層を積層して形成される反射防止層の形成に特に好ましく用いられる。
【0235】
本発明において、反応性ガスとして有機金属化合物を用いる場合、プラズマ放電処理によりセルロースエステルフィルム上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の原料ガスとしての金属化合物の含有率は、0.01〜10体積%であることが好ましいが、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0236】
原料ガスについてさらに詳細に説明する。
本発明においては、有用な反応性ガスとしての珪素化合物を用いることが好ましく、例えば、ジメチルシラン、テトラメチルシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどの有機金属化合物、モノシラン、ジシランなどの金属水素化合物、二塩化シラン、三塩化シラン、四フッ化珪素などの金属ハロゲン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、などのアルコキシシラン、オルガノシラン等、3,3,3−トリフルオロメチルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン類を用いることが好ましいがこれらに限定されない。
【0237】
本発明においては、原料ガスとして、上記珪素化合物の他に、公知の化合物を合わせて用いることができる。
【0238】
反射防止層の高屈折率層を形成するには、チタン化合物、ジルコニウム化合物、タンタル化合物が好ましく、具体的には、例えば、テトラジメチルアミノチタンなどの有機アミノ金属化合物、モノチタン、ジチタンなどの金属水素化合物、二塩化チタン、三塩化チタン、四塩化チタンなどの金属ハロゲン化合物、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、ペンタイソプロポキシタンタル、ペンタエトキシタンタルなどの金属アルコキシドなどを挙げることができ、これらを用いて金属酸化物層を形成することができる。
【0239】
亜鉛化合物としては、ジンクアセチルアセトナート、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛などがあげられ、錫化合物としては、テトラエチルスズ、テトラメチルスズ、二酢酸ジ−n−ブチルすず、ビス(2−エチルヘキサン酸)ジブチルすず、二酢酸ジブチルすず、酸化ジブチルすず、二ラウリン酸ジブチルすず、テトラメチルすず、テトラエチルすず、テトラブチルすず、テトラプロピルすず、テトラオクチルすず等の有機錫化合物が好ましく用いられ、インジウム化合物としてはトリエチルインジウム、トリメチルインジウムなどが好ましく用いられる。
【0240】
大気圧プラズマ処理では原料ガスにフッ素含有有機化合物を用いることでフッ素化合物含有層を形成することもできる。
【0241】
フッ素含有有機化合物としては、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等が好ましい。
【0242】
具体的には、フッ素含有有機化合物としては、例えば、四フッ化炭素、六フッ化炭素、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン等のフッ化炭素化合物;
二フッ化メタン、四フッ化エタン、四フッ化プロピレン、三フッ化プロピレン、八フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物;
更に、一塩化三フッ化メタン、一塩化二フッ化メタン、二塩化四フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物、アルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体等を挙げることができる。
【0243】
これらは単独でも混合して用いてもよい。上記のフッ化炭化水素ガスとしては、二フッ化メタン、四フッ化エタン、四フッ化プロピレン、三フッ化プロピレン等の各ガスを挙げることができる。
【0244】
更に、一塩化三フッ化メタン、一塩化二フッ化メタン、二塩化四フッ化シクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やアルコール、酸、ケトン等の有機化合物のフッ素置換体を用いることができるが、本発明はこれらに限定されない。
【0245】
また、これらの化合物は分子内にエチレン性不飽和基を有していても良い。また、上記の化合物は混合して用いても良い。
【0246】
本発明に有用な反応性ガスにフッ素含有有機化合物を用いる場合、プラズマ放電処理によりセルロースエステルフィルム上に均一な薄膜を形成する観点から、反応ガス中の反応性ガスとしてのフッ素含有有機化合物の含有率は、0.01〜10体積%であることが好ましいく、更に好ましくは、0.1〜5体積%である。
【0247】
また、本発明に好ましく用いられるフッ素含有、有機化合物が常温常圧で気体である場合は、反応性ガスの成分としてそのまま使用できる。
【0248】
また、フッ素含有有機化合物が常温常圧で液体または固体である場合には、気化手段により、例えば加熱、減圧等により気化して使用すればよく、適切な有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0249】
また、これらは適宜組み合わせて用いることができる。あるいは別の有機化合物を添加して膜の物性を変化あるいは制御することもできる。
【0250】
また、珪素化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物、タンタル化合物等の金属化合物を放電部へ導入するには、両者は常温常圧で気体、液体または固体いずれの状態であっても使用し得る。
【0251】
気体の場合は、そのまま放電部に導入できるが、液体や固体の場合は、加熱、減圧、超音波照射等の気化手段により気化させて使用することができる。この目的のため、市販の気化器が好ましく用いられる。
【0252】
珪素化合物、チタン化合物等の金属化合物を加熱により気化して用いる場合、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシチタンなどのように常温で液体で、且つ、沸点が200℃以下である金属アルコキシドが本発明の金属酸化物薄膜層の形成する方法に好適である。上記金属アルコキシドは、有機溶媒によって希釈して使用しても良く、有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−ヘキサン、アセトンなどの有機溶媒またはこれらの混合有機溶媒を使用することができる。
【0253】
この様にして形成された反射防止層の最表面には、通常、塗布あるいは大気圧プラズマ処理により、防汚層が設けられる。
【0254】
本発明の偏光板について説明する。本発明に係る各透明支持体は、特に偏光板保護フィルムとして有用であり、これを用いて公知の方法で偏光板を作製することができる。
【0255】
図7に光学補償を行うための本発明の偏光板の代表的な配置図を示す。バックライト152側を下側として、下側光学補償層144aのラビング方向は146a、上側光学補償層144bのラビング方向は146bである。液晶セル154の破線矢印148aはバックライト側の液晶セル基板のラビング方向を、実線148bは表示側の液晶セル基板のラビング方向を示し、150a、150bはそれぞれ偏光板の透過軸を示す。このうち140が本発明に係る偏光板を示している。また、液晶セル154を挟んだバックライト側にも偏光板140を配置する構成でもよい。
【0256】
この透明支持体を有する偏光板や表示装置は視認性に優れており、過酷な環境下であっても優れた視認性を提供することができたのである。
【0257】
次いで、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の偏光板は、反射型、透過型、半透過型液晶表示装置あるいはTN型、OCB型、HAN型、VA型等の各種駆動方式の液晶表示装置で好ましく用いられる。
【0258】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0259】
《透明支持体B−1の作製:光学補償フィルム》
〔ドープの調製〕
下記組成物を密閉容器に投入し、加圧して80℃に保温、攪拌しながら完全に溶解させた。これを流延する温度(30℃)まで冷却した後、静置して、脱泡操作した後、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を用いて濾過してドープを得た。
【0260】
セルロースアセテート(総置換度2.65) 100kg
メチレンクロライド 280L
エタノール 60L
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.5kg
チヌビン326(チバスペシャルティケミカルズ社製) 0.3kg
トリフェニルホスフェート 10kg
ビフェニルジフェニルホスフェート 2kg
〔セルロースエステルフィルムの作製〕
30℃に温度調整したドープをダイに導入し、ダイスリットからドープをエンドレスステンレスベルト上に均一に流延した。エンドレスステンレスベルトの流延部は裏面から35℃の温水で加熱した。流延後のドープ膜(ステンレスベルトに流延以降はウェブということにする)に44℃の温風をあてて乾燥させ、流延から90秒後に剥離残留溶媒量を80質量%として剥離し、多数のロールで搬送させながら乾燥させた。剥離部のエンドレスステンレスベルトの温度は11℃とした。なお、ここで剥離残留溶媒量とは、剥離時の残留溶媒量を意味し、残留溶媒量はウェブの任意時点での質量をM、これを110℃で3時間乾燥させたときの質量をNとした場合に[(M−N)/N]×100(質量%)で表される。
【0261】
次に剥離されたウェブを、50℃に設定された第1乾燥ゾーンを1分間ロール搬送させた後、第2乾燥ゾーンとしてテンター乾燥装置を用い、85℃に設定して縦方向に1.01倍、横方向に1.07倍に2軸延伸を行い、30秒間搬送させた。更に、120℃に設定された第3乾燥ゾーンで20分間ロール搬送させて、乾燥を行い、膜厚80μmのセルロースエステルフィルム(TAC1)を得た。なお、フィルム巻き取り時の残留溶媒量は0.1質量%未満であった。
【0262】
〔透明支持体フィルムの作製〕
上記セルロースエステルフィルム1のa面(流延乾燥工程金属支持体上でのウェブの空気側の面)に、下記のバックコート層用塗布組成物をウェット膜厚14μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥温度85℃にて乾燥させてBC層を塗設した。次に、b面(流延乾燥工程金属支持体上でのウェブの金属支持体側の面)に、ゼラチン薄膜を、厚さ0.1μmでグラビアコーターで塗布し、下塗り層を設け、透明支持体フィルムを作製した。
【0263】
(バックコート層(BC)用塗布組成物)
アセトン 30質量部
酢酸エチル 45質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
セルロースジアセテート 0.5質量部
アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 0.1質量部
アエロジル200Vは、予め添加するアセトンの一部に分散して添加した。すなわちアエロジル200Vにアセトンを添加し、これらを高速攪拌機(TKホモミキサー、特殊機化工業(株)製)で攪拌した後、衝突型分散機(マントンゴーリン、ゴーリン(株)製)で分散し、BC層用塗布組成物を調製した。
【0264】
〔光学補償フィルムの作製〕
透明支持体フィルムを用いて、ゼラチン下塗り層上に、下記配向層用塗布液をバーコーターで塗布し、60℃で乾燥後、ラビング処理を行い、配向層を設けた。配向層の膜厚は0.5μmであった。
【0265】
この配向層上に、下記光学異方層用塗布液をバーコーターで塗布し、120℃で乾燥し、更にこの温度で3分間保持し液晶を熟成させ、ディスコティック化合物を配向させた後、該温度のまま、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、膜厚1.8μmの光学異方層を備えた光学補償フィルムである透明支持体フィルムB−1を作製した。
【0266】
(配向層用塗布液)
下記の組成物を攪拌、溶解した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、配向層用塗布液を調製した。
【0267】
Figure 2004205773
(光学異方層用塗布液)
下記組成物を溶解した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、光学異方層用塗布液を調製した。
【0268】
Figure 2004205773
《透明支持体Aの作製:反射防止フィルム》
[基材フィルムの作製]
〔ポリエステルフィルム1の作製〕
(ポリエステルの合成)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール64質量部に酢酸カルシウム水和物0.1質量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行なった。得られた生成物に、5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度35質量%)22質量部(7モル%/全ジカルボン酸成分)、ポリエチレングリコール(数平均分子量3000)12.2質量部(5質量%/生成したポリエステル)、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.13質量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、40Paで重合を行ない、ポリエステルを得た。
【0269】
上記作製したポリエステルについて、下記の方法で平衡含水率測定した結果、1.0%であった。
【0270】
〈平衡含水率〉
ポリエステルサンプルを、23℃、相対湿度20%に調湿された部屋に4時間以上放置した後、23℃の蒸留水に24時間浸漬させ、しかる後、表面の水分をふき取り、サンプルを微量水分計(三菱化学(株)製、CA−20型)を用いて温度150℃で水分を乾燥・気化させた後、カールフィッシャー法により定量した。
【0271】
(ポリエステルフィルムの作製)
ポリエステルのペレットを、150℃で8時間真空乾燥した後、押出機を用いて285℃で溶融押出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、85℃で縦方向に1.2倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以内であった。
【0272】
得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、95℃で横方向に4.5倍延伸した。次いで、70℃で2秒間熱処理し、更に第一熱固定ゾーン150℃で10秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン180℃で15秒間熱固定して、次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し巻き取り、厚さ40μmのポリエステルフィルム1(PET1)を作製した。巻き取りの直前に両端部に高さ5μm、幅1cmのナーリング加工を施した。
【0273】
〔ポリエステルフィルム2の作製〕
上記ポリエステルフィルム1の作製において、厚さを60μmに変更した以外は同様にして、ポリエステルフィルム2(PET2)を作製した。
【0274】
〔ポリエステルフィルム3の作製〕
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール65質量部、ジエチレングリコール2質量部に、エステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換反応を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.03質量部を添加した。
【0275】
次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、67Paで重合を行い、固有粘度0.70のポリエチレンテレフタレートを得た。このポリエチレンテレフタレートの平衡含水率は、0.3%であった。
【0276】
次いで、このポリエチレンテレフタレートを、150℃で8時間真空乾燥した後、押出機を用いて285℃で溶融押出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、85℃で縦方向に1.2倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以内であった。
【0277】
得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、95℃で横方向に4.5倍延伸した。次いで、70℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱固定ゾーン150℃で10秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン180℃で15秒間熱固定した。次いで、160℃で横(幅手)方向に弛緩処理し巻き取り、厚さ60μmの二軸延伸のポリエチレンテレフタレートであるポリエステルフィルム3(PET3)を作製した。
【0278】
〔セルロースエステルフィルム2の作製〕
前記セルロースエステルフィルム1の作製において、膜厚を40μmに変更した以外は同様にして、セルロースエステルフィルム2(TAC2)を作製した。
【0279】
[透明支持体A−1の作製]
〔防眩層の形成〕
上記ポリエステルフィルム1に、下記防眩層用塗布組成物をウェット膜厚で13μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、次いで80℃に設定された乾燥部で乾燥した後、120mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚で3μm、中心線平均粗さRa0.26μmの防眩(AG)層を設けた。
【0280】
〈防眩(AG)層用塗布組成物〉
Figure 2004205773
これらを高速攪拌機(TKホモミキサー、特殊機化工業(株)製)で攪拌した後、衝突型分散機(マントンゴーリン、ゴーリン(株)製)で分散した後、下記の成分を添加し、AG層用塗布組成物を調製した。
【0281】
Figure 2004205773
〔金属酸化物(酸化珪素)層の形成〕
下記のプラズマ放電処理装置を用いて、大気圧プラズマ放電処理により、上記防眩層(紫外線硬化樹脂層)上に、反射防止層である金属酸化物層(酸化珪素層0.1μm 屈折率1.46)を形成して、透明支持体A−1を作製した。
【0282】
(プラズマ放電処理装置)
〈電極の作製〉
図4に示したプラズマ放電処理装置において、誘電体で被覆したロール電極及び同様に誘電体で被覆した複数の角筒型電極のセットを以下のように作製した。
【0283】
第1電極となるロール電極は、冷却水による冷却手段を有するチタン合金T64製ジャケットロール金属質母材に対して、アルミナ溶射膜を被覆し、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、Rmax5μmとなるように加工した。最終的な誘電体の膜厚は1mm、誘電体の比誘電率は10であった。更に導電性の金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差は1.7×10-4で、耐熱温度は260℃であった。
【0284】
一方、第2電極の角筒型電極は、中空の角筒型のチタン合金T64に対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆し、対向する角筒型固定電極群とした。この角筒型電極の誘電体については上記ロール電極のものと同じである。
【0285】
この角筒型電極をロール回転電極のまわりに、対向電極間隙を1mmとして25本配置した。角筒型固定電極群の放電総面積は、150cm(幅手方向の長さ)×4cm(搬送方向の長さ)×25本(電極の数)=15000cm2であった。対向電極間にノズルを設け、反応ガスの導入と使用済みガスの排気を交互に行った。
【0286】
プラズマ放電処理装置には、固定電極側に、連続周波数13.56MHz、0.8kV/mmの高周波電圧(パール工業社製高周波電源)を供給し、ロール電極側には、連続周波数100kHz、8kV/mmの高周波電圧(ハイデン研究所製高周波電源)を供給した。また、ロール電極は、ドライブを用いてセルロースエステルフィルムの搬送に同期して回転させた。
【0287】
なお、固定電極とロール電極の間隙は1mm、反応ガスの圧力は大気圧+1kPaとし、圧力変動ができるだけ少なくなるようにして行った。プラズマ放電処理に用いた反応ガス(酸化珪素層形成用反応ガス)の組成を以下に記す。尚、反応ガス中の液体成分は気化器によって蒸気とし、加温しながら放電部に供給した。
【0288】
(酸化珪素層形成用反応ガスの組成)
窒素 :98.5体積%
酸素 : 1.0体積%
テトラエトキシシラン: 0.5体積%
[透明支持体A−2の作製]
〔クリアハードコート(CHC)層の形成〕
前記作製したポリエステルフィルム2に、下記の組成からなるクリアハードコート(CHC)層用塗布組成物を、ウェット膜厚で15μmとなるようにバーコーターで塗布し、次いで120℃に設定された乾燥部で乾燥した後、300mJ/cm2の照射強度で紫外線照射し、乾燥膜厚4μmのCHC層を形成した。
【0289】
Figure 2004205773
これらを溶解した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、CHC層用塗布組成物を調製した。
【0290】
〔金属酸化物(酸化珪素)層の形成〕
上記透明支持体A−1の作製で用いた金属酸化物(酸化珪素)層の形成方法と同様にして、反射防止層である金属酸化物(酸化珪素)層を形成して、透明支持体A−2を作製した。
【0291】
[透明支持体A−3の作製]
前記作製したポリエステルフィルム3上に、透明支持体A−2の作製で用いた金属酸化物(酸化珪素)層の形成方法と同様にして、反射防止層である金属酸化物(酸化珪素)層を形成して、透明支持体A−3を作製した。
【0292】
[透明支持体A−4の作製]
〔クリアハードコート(CHC)層の形成〕
前記作製したセルロースエステルフィルム2上に、前記透明支持体A−2の作製で用いたCHC層の形成方法と同様にして、クリアハードコート(CHC)層を形成した。
【0293】
〔金属酸化物層の形成〕
上記形成したCHC層上に、蒸着法で金属酸化物層(酸化珪素層)を形成し、透明支持体A−4を作製した。
【0294】
詳しくは、CHC層を有するセルロースエステルフィルムを、加熱することなく、真空度が1.3×10-3Paになるまで真空装置内を排気した後、イオン化されていない酸素ガスを流量10sccm(sccm:standard cc/min(1×10-63/min))で真空装置内に供給しながら、ルツボ内の酸化シリコンに電子銃のビームを照射して、蒸着処理を行った。ここに、蒸着速度は0.8nm/秒とした。
【0295】
《偏光板1〜4の作製》
作製した各反射防止フィルム(透明支持体A)と光学補償フィルム(透明支持体B)とを、表1に記載の様に組み合わせて、下記のようにして偏光板1〜4を作製した。
【0296】
〔偏光膜の作製〕
厚さ120μmの長尺のポリビニルアルコールフィルムを、一軸延伸(温度110℃、延伸倍率5倍)した。これをヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gの比率からなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gの比率からなる68℃の水溶液に浸漬した。これを水洗、乾燥し長尺の偏光膜を得た。
【0297】
〔偏光板の作製〕
次いで、下記工程1〜5に従って、反射防止フィルムと光学補償フィルムの双方の透明支持体面側で偏光膜を挟み、貼り合わせて偏光板を作製した。
【0298】
工程1:光学補償フィルムを2mol/Lの水酸化ナトリウム溶液に45℃で60秒間浸漬し、次いで水洗、乾燥させた。また、反射防止フィルムの裏面には、コロナ放電処理を施して、易接着処理を行った。
【0299】
工程2:前述の長尺の偏光膜を、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
【0300】
工程3:工程2で偏光膜に付着した過剰の接着剤を軽く取り除き、それを工程1で処理した反射防止フィルムと光学補償フィルムで挟み込んで、積層配置した。
【0301】
工程4:2つの回転するローラにて20〜30N/cm2の圧力で、約2m/minの速度で気泡が入らないように注意して貼り合わせた。
【0302】
工程5:70℃の乾燥機中にて10分間乾燥処理し、偏光板1〜4を作製した。
【0303】
表1に、偏光板1〜4の構成の詳細を示す。
【0304】
【表1】
Figure 2004205773
【0305】
《偏光板の評価》
上記作製した各偏光板について、下記の評価を行った。
【0306】
(偏光板の泡故障発生度の評価)
上記偏光板の作製工程において、工程4で貼り付けを行う際に、気泡の混入とスジ故障発生の有無について目視観察し、下記の基準に則り故障発生度の評価を行った。
【0307】
◎:偏光板製造過程で、気泡の混入は全くなく、スジ故障の発生もない
○:偏光板製造過程で、僅かに気泡の混入は認められるが、スジ故障の発生はない
×:偏光板製造過程で、気泡の混入が多く、スジ故障が頻繁に発生している
(偏光板の保存安定性の評価)
上記作製した偏光板をガラス板に貼り付けた試料を、60℃、90%RHの環境下で1500時間強制劣化処理を施した後、公知の方法に従って偏光度を評価し、未処理試料との偏光度の変化について評価し、下記の基準に則り保存安定性の判定を行った。
【0308】
○:強制劣化処理前後での偏光度の変化は認められない
×:強制劣化処理前後で、偏光度の変化が認められる
××:強制劣化処理前後で、明らかに偏光度の変化が認めら、更に周辺部での剥離や偏光板の反りが認められる
(液晶表示装置による保存安定性の評価)
〈液晶表示装置の作製〉
市販の液晶表示パネル(NEC製 カラー液晶ディスプレイ MultiSync LCD1525J:型名 LA−1529HM)の偏光板を注意深く剥離し、ここに偏光方向を合わせた各偏光板を張り付けて、液晶表示装置を作製した。
【0309】
〈保存安定性の評価〉
上記作製した各液晶表示装置を、40℃、80%RHの環境下で1ヶ月間保存した後、表示特性の観察を行う、下記の基準に則り、保存安定性の評価を行った。
【0310】
○:保存性処理前後での変化は認められず、高いコントラストを維持している
×:保存処理後に、画面周辺部でコントラストの低下が認められる
××:保存処理後に、画面全体でコントラストの明らかな低下が認められ、更に周辺部で剥離が認められる
以上により得られた結果を、表2に示す。
【0311】
【表2】
Figure 2004205773
【0312】
表2より明らかなように、一方の面にセルロースエステルフィルム上に液晶性化合物を硬化して形成した光学異方性層を有する透明支持体を、また、他方の面に反射防止層を有し、平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂を有するポリエステルフィルムからなる透明支持体とで偏光層を挟んで形成した本発明の偏光板は、比較例に対し、偏光板作製時の泡故障やスジ故障の発生がなく、かつ保存安定性に優れ、さらにこれを組み込んだ液晶表示装置は、高温高湿下で長期間の保存処理を行っても安定性に優れていることが分かる。
【0313】
【発明の効果】
本発明により、製造時の塗布故障が少なく、長期の保存安定性に優れた偏光板とその製造方法、表示装置としての高温高湿下での保存安定性に優れた液晶表示装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光板の構成の一例を表す図である。
【図2】光学補償層の構成および光学特性を説明するための概略図である。
【図3】本発明に有用なジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
【図4】本発明に有用な対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【図5】図4に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【図6】角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る液晶表示装置の構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 プラズマ放電処理装置
11 第1電極
12 第2電極
20 電圧印加手段
21 第1電源
22 第2電源
120 透明支持体A
122 透明支持体B
124 偏光層
125 配向層
126 光学異方層
128 光学補償層
130 反射防止層
132 透明支持体Bの法線方向
134 ラビング方向
138 偏光層
140 偏光板
144a、144b 光学補償層
146a、146b 光学補償層のラビング方向
148a、148b 液晶セルのラビング方向
150a、150b 偏光層の透過方向
152 バックライト
154 液晶セル

Claims (5)

  1. 2枚の透明支持体A、Bによって偏光層を挟持してなる偏光板において、該透明支持体Bはセルロースエステルフィルム上に液晶性化合物を硬化して形成した光学異方性層を有し、該透明支持体Aは反射防止層を有するポリエステルフィルムであり、該ポリエステルフィルムは平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂を有することを特徴とする偏光板。
  2. 前記平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂が、スルホン酸またはその塩から選ばれる基を有することを特徴とする請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記ポリエステルフィルムが、窒素を主成分とする雰囲気下で大気圧プラズマ放電処理によって形成された酸化珪素を主成分とする層を有する請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 2枚の透明支持体A、Bによって偏光層を挟持してなる偏光板の製造方法において、該透明支持体Bはセルロースエステルフィルム上に光学異方性層を有し、該透明支持体Aは反射防止層を有するポリエステルフィルムであり、該ポリエステルフィルムは平衡含水率が0.5〜3.0%であるポリエステル樹脂層を有し、該透明支持体Aは反射防止層が設けられた面の反対側が偏光層と接するようにし、該透明支持体Bは光学異方層が設けられた面の反対側が偏光層と接するように連続的に貼合して製造することを特徴とする偏光板の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
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