JP2004226799A - 偏光板保護フィルム、偏光板及び画像表示用材料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエステル樹脂を主成分として含有し、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層を有し、且つ、疎水性セルロースエステルを主成分として含有する少なくとも一つの最外層を有することを特徴とする偏光板保護フィルム。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は偏光板保護フィルム、偏光板及び画像表示用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報産業の著しい発達に伴って、各所で表示装置が活用されるようになっている。特に液晶表示装置の発達はめざましく、様々な機器に搭載されるようになった。一方で小型軽量化への要望が益々強まっており、偏光板等の部材についても薄膜化の要求が強まっている。偏光板は通常2枚の偏光板保護フィルムで偏光子をサンドイッチして作られており、偏光板保護フィルムとしてはトリアセチルセルロースなどのセルロースエステルフィルムが好ましく用いられている。
【0003】
しかしながら、偏光板を薄くするために、保護フィルムであるトリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)を薄くすると透湿性が悪化したり、寸法安定性が低下するといった問題があり、特に40μm未満の薄膜フィルムでは著しい物性低下が起こるために、偏光板に十分な耐久性を付与することが困難であった。
【0004】
一方で偏光板の耐久性向上のために、偏光板保護フィルムとしてポリエステルの使用が検討されている。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムをもちいることが知られているが、ポリエチレンテレフタレートフィルムは透湿性が低く、セルロースエステルフィルム(セルローストリアセテートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム等)と比較して寸法安定性に優れるが、鹸化処理ができないため偏光子との接着性に劣るため、十分な機能を発揮できにくいという問題点があった。
【0005】
上記の問題点を改良するために、平衡含水率を調整したポリエステル樹脂を主成分とする偏光板保護フィルムを用いることが提案された(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
しかしながら、上記のように平衡含水率を調整したポリエステル樹脂を主成分とする偏光板保護フィルムであっても、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光子と接着させて偏光板を作製した場合、特に高温高湿時における保存性劣化が大きく、例えば、経持で剥離し、光学性能(偏光度)が劣化しやすいという問題点があった。
【0007】
また一方、セルロースエステルでは、偏光板保護フィルムと偏光子の接着性を向上させる技術が提案(例えば、特許文献2参照。)されているが、ポリエチレンテレフタレートとセルロースエステルとの物性の違いを十分に調整できず、実用レベルまでには更なる改良が求められている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−116320号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平7−333436号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高温高湿条件下での保存を行っても、経時での剥離が少なく、高い保存性を示す偏光板保護フィルム、偏光板及び、前記偏光板を有する画像表示用材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は下記の構成1〜6により達成された。
【0012】
1.ポリエステル樹脂を主成分として含有し、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層を有し、且つ、疎水性セルロースエステルを主成分として含有する少なくとも一つの最外層を有することを特徴とする偏光板保護フィルム。
【0013】
2.前記ポリエステル樹脂が、スルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有することを特徴とする前記1に記載の偏光板保護フィルム。
【0014】
3.前記疎水性セルロースエステルが、セルロースの水酸基を炭素数2〜5のアシル基で置換した置換度1〜3のセルロースエステルであることを特徴とする前記1または2に記載の偏光板保護フィルム。
【0015】
4.前記1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルムを有することを特徴とする偏光板。
【0016】
5.前記1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルムの少なくとも一つの前記最外層と偏光子とを貼合する工程を経て作製されたことを特徴とする偏光板。
【0017】
6.前記4または5に記載の偏光板を有することを特徴とする画像表示用材料。
【0018】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者等は、上記の問題点を種々検討した結果、請求項1に記載のように、ポリエステル樹脂を主成分として含有し、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層を有し、且つ、疎水性セルロースエステルを主成分として含有する少なくとも一つの最外層を有する偏光板保護フィルムを用いることにより、本発明に記載の効果、即ち、高温高湿条件下での経時保存後でも、偏光板保護フィルムと液晶セルとの剥離が少なくなり、且つ、光学性能(偏光度)の変動が抑制できることを見いだした。
【0019】
《樹脂層》:平衡含水率が0.5%〜5%
本発明に係る、ポリエステル樹脂を主成分として含有し、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層について説明する。
【0020】
ここで、主成分とは、前記樹脂層の全構成成分の全質量の50質量%以上をポリエステル樹脂が占めることを表す。本発明に係るポリエステル樹脂については後述する。
【0021】
ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層(ポリエステル樹脂層ともいう)は単独でポリエステルフィルム(ポリエステル層ともいう)を形成してもよく、平衡含水率0.5%未満または5%を超える、その他のポリエステル樹脂層と積層されていてもよく、或いは、その他材質が異なるフィルム上に積層されていてもよく、その場合、材質が異なるフィルムに用いられる樹脂としては特に限定されない。
【0022】
樹脂層の平衡含水率としては、0.5%〜5%が好ましく、更に好ましくは、1.0%〜3.0%の範囲である。膜厚は10μm〜300μmの範囲が好ましい。である。また、樹脂層には、複数のポリエステル樹脂が混合されていても良い。
【0023】
《平衡含水率》
本発明に係る平衡含水率とは、試料(試料としては、樹脂単独、フィルム状態等、様々な形態をとっていてもよい)の中に平衡状態で含まれる水分量を試料質量に対する百分率で表したものである。具体的な求め方の一例としては、ポリエステルフィルムを(或いは他のフィルム上に積層されている場合には、基体より引き剥がした該ポリエステル樹脂層フィルム)23℃、相対湿度20%に調湿された部屋に4時間以上放置した後、23℃の蒸留水に24時間浸漬させ、しかる後、サンプルを微量水分計(例えば三菱化学(株)製、CA−20型)を用いて温度150℃で、水分を乾燥・気化させた後カールフィッシャー法で定量する方法である。
【0024】
《樹脂層(ポリエステルフィルム)の製造方法》
ここで、ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層がポリエステルフィルムとして形成される場合、前記ポリエステルフィルムの製造方法としては、従来公知の方法を用いることが出来、特に限定されないが、例えば、以下の様な方法で行うことができる。
【0025】
先ず、後述するポリエステル樹脂をペレット状に成型し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法等により冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群及び/または赤外線ヒーター等の加熱装置を介してポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100℃の範囲内に加熱し、一段または多段縦延伸する方法を適用することが好ましい。
【0026】
ポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層をポリエステルフィルムとして得る場合、以下に記載のように、種々の延伸パターンにより製膜したフィルムを得ることが出来る。
【0027】
例えば、実質的に一軸延伸したポリエステルフィルムとして得ること出来るが、ここで、実質的に一軸延伸するとは、二軸延伸製膜において、主にどちらか一方向のみを行うことで実施可能である。
【0028】
また、延伸処理されたポリエステルフィルムとしては、一方向の延伸倍率が1.00倍〜2.5倍、それと直交する方向の延伸倍率が2.5倍〜10倍に二軸延伸製膜されたポリエステルフィルムであることが好ましく、より好ましくは、縦方向の延伸倍率が1.0倍〜2.0倍、横方向の延伸倍率が2.5倍〜7倍に二軸延伸製膜されたポリエステルフィルムであり、さらに好ましくは、縦方向の延伸倍率が1.1倍〜1.8倍、横方向の延伸倍率が3.0倍〜6.0倍に二軸延伸製膜されたポリエステルフィルムである。
【0029】
また、一方向の延伸倍率を大きくすることが好ましく、延伸倍率の比(縦横いずれかの高い方の延伸倍率/縦横いずれかの低い方の延伸倍率)を2以上に調整することが好ましく、更に好ましくは4以上であり、特に好ましくは、6以上である。又、未延伸のものに対して延伸後の面積比て4倍以上に延伸されていることが好ましく、更に好ましくは5〜7倍に延伸されていることが好ましい。
【0030】
ここで、縦方向の延伸とは、フィルムの製膜方向(長手方向、搬送方向ともいう)を、横方向の延伸とはフィルムの製膜方向と直角方向のことをいう。
【0031】
(ポリエステルフィルム延伸時の熱処理について)
本発明では、上記のように縦方向に延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tm(融点)−20℃の温度範囲内で、横延伸し次いで熱処理(熱固定ともいう)することが好ましい。また、横延伸する場合には、2つ以上に分割された延伸領域で温度差を1℃〜50℃の範囲で順次昇温しながら横延伸すると巾方向の物性の分布が低減でき好ましい。さらに横延伸後、フィルムをその最終横延伸温度以下でTg−40℃以上の範囲に0.01分間〜5分間保持すると巾方向の物性の分布を更に低減することが出来る。
【0032】
熱固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tm−20℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定する。この際、2つ以上に分割された領域で温度差を1〜100℃の範囲で順次昇温しながら熱固定することが好ましい。
【0033】
熱固定されたフィルムは通常Tg以下まで冷却され、フィルム両端のクリップ把持部分をカットし巻き取られる。この際、最終熱固定温度以下、Tg以上の温度範囲内で、横方向及び/または縦方向に0.1%〜10%弛緩処理することが好ましい。また冷却は、最終熱固定温度からTgまでを、毎秒100℃以下の冷却速度で徐冷することが好ましい。冷却、弛緩処理する手段は特に限定はなく、従来公知の手段で行えるが、特に複数の温度領域で順次冷却しながら、これらの処理を行うことが、フィルムの寸法安定性向上の点で好ましい。
【0034】
尚、冷却速度は、最終熱固定温度をT1、フィルムが最終熱固定温度からTgに達するまでの時間をtとしたとき、(T1−Tg)/tで求めた値である。
【0035】
これら熱固定条件、冷却、弛緩処理条件のより最適な条件は、フィルムを構成するポリエステルにより異なるので、得られた延伸フィルムの物性を測定し、好ましい特性を有するように適宜調整して決定すればよい。
【0036】
また、上記フィルム製造に際し、延伸の前及び/または後で帯電防止層、易滑性層、接着層、バリアー層等の機能性層を塗設してもよい。この際、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、薬液処理等の各種表面処理を必要に応じて施すことができる。
【0037】
カットされたフィルム両端のクリップ把持部分は、粉砕処理された後、或いは必要に応じて造粒処理や解重合・再重合等の処理を行った後、同じ品種のフィルム用原料としてまたは異なる品種のフィルム用原料として再利用してもよい。
【0038】
本発明において、上記のようにして製膜されたポリエステルフィルムの面方向においての屈折率は、横方向の屈折率(nTD)と縦方向の屈折率(nMD)との差の絶対値|nTD−nMD|が0.05以下であることが好ましく、より好ましくは0.04以下、さらに好ましくは0.025以下である。
【0039】
(ポリエステルフィルムの膜厚)
ポリエステル樹脂を主成分として含み、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層を単独でポリエステルフィルムとして形成した場合のフィルムの膜厚は3μm〜100μmが好ましく、更に好ましくは5μm〜60μmであり、より好ましくは5μm〜40μmであり、特に好ましくは10μm〜35μmである。
【0040】
本発明のポリエステルフィルムは、上記ポリエステルフィルムからなる単独(単層)のフィルムでもよいが、本発明の効果を阻害しない範囲で、上記ポリエステルからなる層を少なくとも1層含む、複数の樹脂層からなる多層フィルムとしてもよい。上記ポリエステル層をA、その他の樹脂層をB及びCとすると、例えばA/B、A/B/A、B/A/B、B/A/Cのように構成できる。もちろん4層以上の構成にすることもできる。この様に多層構成にすることで、例えば、強度や水バリアー性の高いフィルムをコア層や外層に積層することにより、複数の機能を同時に付与することができる。
【0041】
上記樹脂層としては、前述のポリエステルなどが好ましく用いられる。
また、滑り性を付与するためマット剤等の微粒子を添加する場合は、最外層のみに添加すれば効果が得られるので、透明性等を劣化させずに機能付与することが可能となる。
【0042】
(樹脂層中またはポリエステルフィルム中の微粒子)
本発明に係る樹脂層またはポリエステルフィルム中に添加できる微粒子としては特に限定はされないが、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
【0043】
無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、二酸化珪素が特に好ましく用いられる。
【0044】
二酸化珪素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0045】
酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の市販品が使用できる。
【0046】
有機化合物としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。
【0047】
上記記載のシリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、同105、同108、同120、同145、同3120及び同240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
【0048】
微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、20nm以下が好ましく、更に好ましくは、5nm〜16nmであり、特に好ましくは、5nm〜12nmである。
【0049】
多層フィルムを製造する方法としては、共押し出しによる方法、エクストルージョンラミネートによる方法、ドライラミネーションによる方法などを好ましく用いることができる。
【0050】
《ポリエステル樹脂》
本発明に係るポリエステル樹脂について説明する。
【0051】
本発明に係るポリエステル樹脂(単にポリエステルともいう)は、芳香族ジカルボン酸成分をグリコール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、また初めに芳香族ジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとグリコール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のグリコール成分を除去しながら重合させるエステル交換法を用いて製造できる。
【0052】
この際、必要に応じてエステル交換触媒或いは重合反応触媒を用い、或いは耐熱安定剤等をもちいて製造される。
【0053】
本発明においては、初めにジカルボン酸のジアルキルエステルを用いた場合でも、また一旦ジカルボン酸成分とグリコール成分をエステル化反応させるエステル化法をもちいた場合でも、原料およびその共重合成分に言及する場合、芳香族ジカルボン酸、グリコール換算の量をいうこととする。
【0054】
上記プロセスにおいて、例えば、スルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸或いはポリアルキレングリコール等の共重合成分をエステル交換反応後に添加し、重縮合を行うことにより、これらの共重合成分を含んだポリエステル樹脂が得られる。
【0055】
(スルホン酸基またはスルホン酸基の塩を有するポリエステル樹脂)
本発明に係るポリエステル樹脂としては、具体的には、少なくとも芳香族ジカルボン酸とグリコールの反応により得られたポリエステル樹脂であって、ポリエステル樹脂構造中にスルホン酸またはその塩から選ばれる基を有しているポリエステル樹脂が好ましい。
【0056】
これらのスルホン酸基または前記スルホン酸基の塩は、スルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有する、芳香族ジカルボン酸またはグリコールを所定量テレフタル酸等のジカルボン酸或いはエチレングリコール等のグリコールの共重合成分として混合し、ポリエステルを製造することにより、ポリエステル樹脂中に導入することが出来る。
【0057】
こうして得られるポリエステル樹脂中に含まれる硫黄元素含有量は0.15質量%〜2質量%であることが好ましい。
【0058】
ポリエステル樹脂中の硫黄元素は全てがスルホン酸基またはその塩から選ばれる基由来である必要はないが、50%以上、好ましくは80%以上がスルホン酸基またはその塩としてポリエステル中に含まれるスルホン酸基に由来するものであることが好ましい。
【0059】
ポリエステル樹脂中の硫黄元素の定量方法は特に限定されないが、例えばICP−AES(誘導結合プラズマ発光分光分析)により定量出来る。具体的には、試料に炭酸ナトリウムを添加して、1000℃で加熱溶融して得られた分解物に水を加えて水溶液とし、これをセイコー電子工業(株)製SPS−4000を用いて、ICP−AES分析にて求めることが出来る。
【0060】
上記スルホン酸基を含有するポリエステル樹脂は、従って、少なくとも芳香族ジカルボン酸とグリコールの反応により製造される際に用いられる全芳香族ジカルボン酸に対して、1モル%〜10モル%のスルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸或いはグリコールを共重合成分として用いることにより得ることが出来る。また、スルホン酸をポリエステルに導入するには、スルホン酸およびその塩から選ばれる基を有する芳香族ジカルボン酸を、全芳香族ジカルボン酸に対し1モル%〜10モル%用いて製造することが原料の入手のしやすさ等から見てより好ましい。
【0061】
また、本発明に係るポリエステル樹脂は、更にポリアルキレングリコールに由来する共重合成分が、生成したポリエステルの全量に対して0.1質量%〜10質量%となるように調整され、製造されることが好ましい。
【0062】
これらの成分により、ポリエステル樹脂を偏光板保護フィルム等に用いる際の、偏光子との接着性や貼合の際の接着剤の乾燥性等偏光板保護フィルムとしての特性は大きく改善する。
【0063】
本発明に係るポリエステル樹脂においては、特にポリエステルの主成分がテレフタル酸およびエチレングリコールを用いて得られるポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
【0064】
《疎水性セルロースエステル》
本発明に係る疎水性セルロースエステルについて説明する。
【0065】
本発明に係る疎水性セルロースエステルは、構造上の特徴として、セルロース分子の水酸基が炭素数2〜5のアシル基で置換された置換度1〜3のセルロースエステルが好ましい。具体的には、当該業者のとって従来公知のセルローストリアセテート(TAC)、セルロースジアセテート(DAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)等が挙げられる。
【0066】
(疎水性セルロースエステルを主成分として含有する層)
本発明の偏光板保護フィルムを構成する最外層の少なくとも1層は、疎水性セルロースエステルを主成分として含む層であるが、ここで、主成分として含む層とは、層を構成する全成分の質量の50質量%以上、疎水性セルロースエステルが含有されることを示す。
【0067】
疎水性セルロースエステルを主成分とする層は、塗設する場合は厚みが0.01μm〜10μmの範囲が好ましく、熱溶融により積層する場合は5μm〜200μmの範囲が好ましい。また、前記層は、複数のセルロースエステルが混合されていてもよい。
【0068】
疎水性セルロースエステルを主成分とする層を設ける方法としては、セルロースエステルを溶剤に溶解し、その溶解組成物をグラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、押し出しコーター等を用いて平衡含水率が0.5〜5%のポリエステル樹脂を主成分とする層の表面にウェット膜厚0.5μm〜100μm塗布するのが好ましい。特に5μm〜30μmが好ましい。
【0069】
(疎水性セルロースの溶剤)
疎水性セルロースを溶解する溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール及びこれらの混合溶剤が挙げられる。
【0070】
(微粒子)
疎水性セルロースエステルを主成分とする層は、微粒子を含有することが好ましい。微粒子とは無機微粒子粉末及び有機微粒子粉末が挙げられるが、本発明に使用される無機微粒子粉末としては酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化カリウム、酸化ナトリウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム等、有機微粒子粉末としては、ポリメタアクリル酸メチルアクリレート樹脂粉末、シリコン系樹脂粉末、ポリスチレン樹脂粉末、ポリカーボネート樹脂粉末、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン系樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、更にポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリ弗化エチレン樹脂粉末等が使用できる。
【0071】
これらの有機微粒子、無機微粒子を平均粒径0.05μm〜1.0μmの範囲になるように調整した粒子を層の全構成成分に対して、0.1質量%〜5質量%含有させることが好ましい。
【0072】
《偏光板保護フィルム》
本発明の偏光板保護フィルムについて説明する。
【0073】
本発明の偏光板保護フィルムは、上記のポリエステル樹脂を主成分として含有し、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層を有し、且つ、上記の疎水性セルロースエステルを主成分として含有する少なくとも一つの最外層を有することを特徴とする。
【0074】
偏光板保護フィルムの光学特性としては、面内方向におけるリターデーションR0(nm)は小さいほど良く、1000nm以下であることが好ましく、800nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることが更に好ましい。ポリエステル樹脂を主成分として含み、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層または前記樹脂層を有するポリエステルフィルムを用いることにより、本発明の偏光板保護フィルムの面内方向におけるリターデーション値R0(nm)を従来のポリエステルフィルムよりも低く抑えることができる。
【0075】
また、偏光板用保護フィルム面内の屈折率が最大となる方向とフィルムの幅手方向(フィルムの長尺方向)とのなす角度が0°±15°もしくは90°±15°であることが好ましく、更に0°±10°もしくは90°±10°であることが好ましく、より好ましくは0°±5°もしくは90°±5°であることであり、0°±2°もしくは90°±2°であることが更に好ましい。
【0076】
(偏光板保護フィルムへの導電性付与)
本発明では、偏光板保護フィルムの表面が導電性を有することが好ましく、表面比抵抗(23℃、25%RH)が1×1012Ω/□以下であることが好ましい。より好ましくは、1×1011Ω/□以下、さらに好ましくは1×1010Ω/□以下である。
【0077】
上記の導電性をフィルム表面に付与する手段としては、吸湿性物質または導電性物質を含有させることが一例として挙げられる。これら導電性を付与させる物質としては、例えば、界面活性剤、導電性ポリマー、無機金属酸化物を挙げることができる。
【0078】
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、両性及びノニオン性のいずれでもよい。アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルカルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキル硫酸エステル類、アルキルリン酸エステル類、N−アシル−N−アルキルタウリン酸、スルホコハク酸エステル類、スルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル類等の様なカルボキシ基、スルホ基、ホスホ基、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含むものが好ましい。
【0079】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、脂肪族或いは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジニウム、イミダゾリウム等の複素環第4アンモニウム塩類、及び脂肪族または複素環を含むホスホニウムまたはスルホニウム塩類等が好ましい。
【0080】
両性界面活性剤としては、例えば、アミノ酸類、アミノアルキルスルホン酸類、アミノアルキル硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン類、アミンオキシド類等が好ましい。
【0081】
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、サポニン(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類またはポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたはアミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物類)、グリシドール誘導体(例えば、アルケニルコハク酸ポリセリド、アルキルフェノールポリグリセリド)、多価アルコール脂肪酸エステル類等のアルキルエステル類等が好ましい。
【0082】
導電性ポリマーは、特に限定されず、アニオン性、カチオン性、両性及びノニオン性のいずれでもよいが、その中でも好ましいのは、アニオン性、カチオン性である。より好ましいのは、アニオン性では、スルホン酸系、カルボン酸系、カチオン性では、3級アミン系、4級アンモニウム系のポリマーまたはラテックスである。
【0083】
これらの導電性ポリマーは、例えば、特公昭52−25251号公報、特開昭51−29923号公報、特公昭60−48024号公報記載のアニオン性ポリマーまたはラテックス、特公昭57−18176号公報、同57−56059号公報、同58−56856号公報、米国特許第4,118,231号明細書等に記載のカチオン性ポリマーまたはラテックスを挙げることができる。
【0084】
《偏光板》
本発明の偏光板について説明する。
【0085】
本発明の偏光板は、本発明の偏光板保護フィルムと偏光子の少なくとも1面に張り合わせることで偏光板を構成する。偏光子のもう一方の面(その他の面ともいう)には、公知の偏光板保護フィルムを張り合わせてもよいし、本発明の偏光板保護フィルムを貼合してもよい。
【0086】
本発明の偏光板保護フィルムを用いると、従来のポリエステルフィルムでは巻き癖が取れず、偏光板とした後もカールが残ってしまったり、強い巻き癖に起因して接着部が剥離しやすいといった問題があったが、本発明の偏光板保護フィルムは、巻き癖が容易に解消する特性を有するため、偏光板保護フィルムに適している。
【0087】
特に偏光子と貼合する前あるいは後に水あるいは水溶液に浸すあるいは蒸気をあてる等によって容易に巻き癖を解消することができ、平面性に優れた偏光板を提供することができる。又、従来のポリエステルと比較して本発明の偏光板保護フィルムは吸湿膨張係数がトリアセチルセルロースに近いため、偏光子の一方にトリアセチルセルロース等のセルロースエステル系偏光板保護フィルム、もう一方に本発明の偏光板保護フィルムを用いたハイブリット偏光板であっても、吸湿等によって液晶表示装置に張り付けた偏光板が剥離したり皺が発生しにくく、優れている。
【0088】
(接着剤):貼合剤ともいう
本発明の偏光板保護フィルムと偏光子を貼合(貼り合わせるともいう)に使用される接着剤としては、十分な接着性を持ち、透明で、偏光機能を阻害しないものが好ましく用いられ、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤などが挙げられる。
【0089】
接着性向上のため、コロナ放電処理、グロー放電処理、紫外線処理、火炎処理、大気圧ガス中放電プラズマ処理、薬液処理などの各種表面処理を必要に応じて施すことができる。さらに接着性向上の為、下引層を塗設してもよい。下引層としては偏光子との接着性に優れる親水性コロイド層が特に好ましい。
【0090】
例えば、偏光板保護フィルムとして偏光子との接着性を向上させるために特開2000−356714号公報の方法等でプラズマ処理を行うことによって、ポリビニルアルコール系接着剤等を用いた場合の接着性をさらに向上させることができる。本発明の偏光板保護フィルムには必要に応じて、クリアハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、導電層、光拡散層、易接着層、防汚層を単独であるいは適宜組み合わせて設けることができる。
【0091】
また、本発明の偏光板保護フィルム及び/または本発明の偏光板は、反射防止フィルム、帯電防止フィルム、位相差フィルム、導電性フィルム、電磁波遮蔽フィルム、偏光板等の保護フィルム、光学補償フィルム、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、偏光板、プラズマディスプレイ前面フィルター等に好ましく用いられる。特に複数の金属酸化物層を形成する反射防止フィルムに有用である。
【0092】
【発明の実施の形態】
以下、図1(a)、(b)を各々用いて、本発明の偏光板を説明し、図2を用いて、本発明の画像表示用材料の一態様である、液晶表示用材料を説明する。
【0093】
図1(a)は、本発明の偏光板の一態様を示す模式図である。1は、本発明の偏光板保護フィルムを示し、2は偏光子を示し、偏光子2の両面に本発明の偏光板保護フィルム1が各々貼合され、偏光板3が形成されている。
【0094】
詳しくは、本発明の偏光板保護フィルム1は、平衡含水率が0.5%〜5%であるポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層1aと疎水性セルロースエステルを主成分として含有する層1bとからなり、前記層1bは、偏光板保護フィルム1の最外層に配設される。偏光子2の両面と2枚の偏光板保護フィルム1の各々の層1bとが貼合され、偏光板3が形成されている。
【0095】
本発明の偏光板保護フィルムが、本発明に記載の効果、即ち、高温高湿条件下での保存性向上効果を最大限に得るためには、図1(a)に記載の構成が最も好ましい層構成を示す一態様である。
【0096】
図1(b)は、本発明の偏光板の別の一態様を示す模式図である。1は、平衡含水率が0.5%〜5%であるポリエステル樹脂を主成分として含む樹脂層1aと疎水性セルロースエステルを主成分として含有する層1bとからなる、本発明の偏光板保護フィルムを示し、2は偏光子、偏光子2のもう一方の面には、偏光板保護フィルム1cが設けられ、本発明の偏光板3を形成している。
【0097】
図1(b)で示される偏光板3においては、偏光子2の一方の面(片面ともいう)に本発明の偏光板保護フィルム1が設けられ、もう一方の面には、別途、従来公知の偏光板保護フィルム1cが設けられ、偏光板3が形成されている。
【0098】
図1(b)で示される、本発明の偏光板3も、偏光子2上に、本発明の偏光板保護フィルム1を有することにより、実用的に十分な保存性向上効果を示す。
【0099】
図2は、本発明の液晶表示装置(液晶パネルともいう)の一態様を示す模式図である。図2においては、液晶セル4の両面に2枚の本発明の偏光板3が各々配設され、液晶表示装置が形成される。偏光板3は2枚とも図1(b)と同一構成である。
【0100】
《液晶表示用材料》
本発明の液晶表示用材料について説明する。
【0101】
本発明の偏光板保護フィルム及び/または本発明の偏光板は、反射型、透過型、半透過型液晶表示用材料あるいはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型、IPS型等の各種駆動方式の液晶表示用材料として好ましく用いられ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の各種表示用材料にも好ましく用いられる。
【0102】
《紫外線吸収剤》
本発明に用いられる紫外線吸収剤について説明する。
【0103】
本発明の偏光板保護フィルムには、必要に応じて紫外線吸収剤を添加することもできる。中でも、ポリエステル樹脂を主成分として含み、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層や疎水性セルロースエステルを主成分として含有する少なくとも一つの最外層中に紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。
【0104】
紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。
【0105】
本発明に用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物などが挙げられる。又、特開平6−148430号記載の高分子紫外線吸収剤、特開2002−31715号公報の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
【0106】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては下記一般式〔1〕で示される化合物が好ましく用いられる。
【0107】
【化1】
【0108】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、モノ若しくはジアルキルアミノ基、アシルアミノ基または5〜6員の複素環基を表し、R4とR5は閉環して5〜6員の炭素環を形成してもよい。
【0109】
また、上記記載のこれらの基は、任意の置換基を有していて良い。
以下に一般式〔1〕で示される紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
【0110】
UV−1:2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−5:2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)
UV−7:2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN 171、Ciba製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物(TINUVIN 109、Ciba製)
また本発明において、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては下記一般式〔2〕で表される化合物が好ましく用いられる。
【0111】
【化2】
【0112】
式中、Yは水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、及びフェニル基を表し、これらのアルキル基、アルケニル基及びフェニル基は置換基を有していてもよい。Aは水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基または−CO(NH)n−1−D基を表し、Dはアルキル基、アルケニル基または置換基を有していてもよいフェニル基を表す。m及びnは1または2を表す。
【0113】
上記において、アルキル基としては、例えば、炭素数24までの直鎖または分岐の脂肪族基を表し、アルコキシ基としては例えば、炭素数18までのアルコキシ基で、アルケニル基としては例えば、炭素数16までのアルケニル基で例えばアリル基、2−ブテニル基などを表す。又、アルキル基、アルケニル基、フェニル基へ置換してもよい置換基としてはハロゲン原子、例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子など、ヒドロキシル基、フェニル基、(このフェニル基にはアルキル基またはハロゲン原子などを置換していてもよい)などが挙げられる。
【0114】
以下に一般式〔2〕で表されるベンゾフェノン系化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
【0115】
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
市販されているものとしては、TINUVIN P、TINUVIN 324、TINUVIN 320、TINUVIN 326、TINUVIN 327、TINUVIN 328、TINUVIN 329、TINUVIN 770、TINUVIN 780、TINUVIN 144、TINUVIN 120、UVITEX OB(日本チバガイギー(株)製)等から適宜選択して使用することもできる。
【0116】
本発明で好ましく用いられる上記記載の紫外線吸収剤は、透明性が高く、偏光板や液晶素子の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤やベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましく用いられる。
【0117】
本発明に用いるポリエステルの合成方法は、特に限定があるわけではなく、前述したように従来公知のポリエステルの製造方法に従って製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初めにジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用いて、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、これを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去することにより重合させるエステル交換法を用いることができる。この際、必要に応じてエステル交換触媒或いは重合反応触媒を用い、或いは耐熱安定剤を添加することができる。この際、共重合成分である金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸類やポリエチレングリコールをエステル交換反応後に添加し、重縮合を行うことが好ましい。また、合成時の各過程で着色防止剤、酸化防止剤、結晶核剤、すべり剤、安定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節剤、消泡剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料等を添加させてもよい。
【0118】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0119】
実施例1
《ポリエステル樹脂の合成》
(ポリエステルAの合成)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール64質量部に酢酸カルシウム水和物0.1質量部を添加し、常法によりエステル交換反応を行なった。得られた生成物に5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度31質量%)35質量部(6.3モル%/全ジカルボン酸成分)、ポリエチレングリコール(数平均分子量3000)5.8質量部(5質量%/生成したポリエステル)、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.13質量部を添加した。
【0120】
次いで徐々に昇温、減圧にし、280℃、40Paで重合を行ない、ポリエステルAを得た。
【0121】
(ポリエステルBの合成)
ポリエステルAの合成において、添加量を5−ナトリウムスルホジ(β−ヒドロキシエチル)イソフタル酸のエチレングリコール溶液(濃度35質量%)22質量部(4モル%/全ジカルボン酸成分)、ポリエチレングリコール(数平均分子量3000)12.2質量部(10.5質量%/生成したポリエステル)に変更した以外は上記と同様にして、ポリエステルBを得た。
【0122】
(ポリエステルCの合成)
テレフタル酸ジメチル100質量部、エチレングリコール65質量部、ジエチレングリコール2質量部にエステル交換触媒として酢酸マグネシウム水和物0.05質量部を添加し、常法に従ってエステル交換反応を行った。得られた生成物に、三酸化アンチモン0.05質量部、リン酸トリメチルエステル0.03質量部を添加した。次いで、徐々に昇温、減圧にし、280℃、80Paで重合を行った。
【0123】
《ポリエステルフィルムの作製》
下記に記載のようにして、ポリエステルフィルム1〜6を各々作製した。
【0124】
(ポリエステルフィルム1の作製)
ポリエステルBのペレットを150℃で8時間真空乾燥した後、押出機を用いて285℃で溶融押出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、85℃で縦方向に1.2倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以内になるように調整した。
【0125】
得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、95℃で横方向に4.5倍延伸した。次いで、70℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱固定ゾーン150℃で10秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン180℃で15秒間熱固定して、次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し巻き取り、横方向の長さ1500mm、厚さ35μmのポリエステルフィルム(ポリエステルフィルム1)を作製した。
【0126】
(ポリエステルフィルム2の作製)
ポリエステルAのペレットを150℃で8時間真空乾燥した後、押出機を用いて285℃で溶融押出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、90℃で縦方向に4.0倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以内になるように調整した。
【0127】
ついで一軸延伸フィルムを、テンター式横延伸機を用いて、100℃で横方向に1.2倍延伸した。さらに、70℃で2秒間熱処理し、第一熱固定ゾーン150℃で10秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン180℃で15秒間熱固定して、次いで160℃で横(幅手)方向に2%弛緩処理し巻き取り、横方向の長さ1500mm、厚さ35μmのポリエステルフィルム(ポリエステルフィルム2)を作製した。
【0128】
(ポリエステルフィルム3の作製)
ポリエステルAとポリエステルCのペレットを質量比で3:7になるようにタンブラー型混合機で混合し、150℃で8時間真空乾燥した。また、ポリエステルBのペレットも150℃で8時間真空乾燥した。ポリエステルAとポリエステルCの混合物及びポリエステルBを2台の押出機を用いて285℃で溶融押出し、マルチマニホールドダイを用いてシート状に押し出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。この時各層の厚みの比は1:1となるようにした。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、95℃で縦方向に1.05倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以内になるように調整した。
【0129】
得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、105℃で横方向に4.0倍延伸した。次いで、70℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱固定ゾーン150℃で10秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン180℃で15秒間熱固定して、次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し巻き取り、横方向の長さ1500mm、厚さ30μmのポリエステルフィルム(ポリエステルフィルム3)を作製した。
【0130】
(ポリエステルフィルム4の作製)
ポリエステルCのペレットを150℃で8時間真空乾燥し、押出機を用いて285℃で溶融押出し、マルチマニホールドダイを用いてシート状に押し出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、95℃で縦方向に1.05倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以内になるように調整した。
【0131】
得られた一軸延伸フィルムをテンター式横延伸機を用いて、105℃で横方向に4.0倍延伸した。次いで、70℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱固定ゾーン150℃で10秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン180℃で15秒間熱固定して、次いで160℃で横(幅手)方向に5%弛緩処理し巻き取り、横方向の長さ1500mm、厚さ30μmのポリエステルフィルム(ポリエステルフィルム4)を作製した。
【0132】
(ポリエステルフィルム5の作製)
酢化度61.0%のセルローストリアセテート100質量部とトリフェニルフォスフェート15質量部を塩化メチレン450質量部とメタノール50質量部の混合溶媒に溶解し、35℃のステンレスベルト上に流延し、剥離可能となったところでステンレスベルトから剥がし、ロール搬送装置を用いて搬送しながら、徐々に温度を上げ、最終的に120℃で乾燥し、38μmのセルローストリアセテートフィルム(ポリエステルフィルム5)を作製した。
【0133】
(ポリエステルフィルム6の作製)
アセチル基の置換度が1.90、プロピル基の置換度が0.72であるのセルロースアセテートプロピオネート100質量部とトリフェニルフォスフェート15質量部を塩化メチレン450質量部とメタノール50質量部の混合溶媒に溶解し、35℃のステンレスベルト上に流延し、剥離可能となったところでステンレスベルトから剥がし、ロール搬送装置を用いて搬送しながら、徐々に温度を上げ、最終的に120℃で乾燥し、38μmのセルロースアセテートプロピオネートフィルム(ポリエステルフィルム6)を作製した。
【0134】
得られたポリエステルフィルム1〜6の平衡含水率(%)は下記に示す。
ポリエステルフィルムNo. 平衡含水率(%)
1 2.0%
2 3.0%
3 0.5%
4 0.2%
5 5.0%
6 5.0%
《偏光板保護フィルムの作製》
(偏光板保護フィルム1〜3の作製):本発明
上記で得られたポリエステルフィルム1〜3の各々において、偏光子を貼合(接着する場合も含む)する面に、下記組成の塗布液a−1を乾燥膜厚0.3μmになるように塗設して、疎水性セルロースエステル含有層(DAC含有層)を形成し、偏光板保護フィルム1〜3を各々得た。
【0135】
(塗布液a−1の組成)
セルロースジアセテート(5質量%アセトン溶液に調製)
(DAC:アセテートフレークスL−AC、ダイセル化学工業(株)製)
(5質量%アセトン溶液に調製) 50ml
酢酸エチル 40ml
メタノール 10ml
アエロジルR−972(日本アエロジル社製:層内で平均粒径が
0.3μmになるように分散調製した) 1g
(偏光板保護フィルム4の作製):比較例
偏光板保護フィルム1の作製において、ポリエステルフィルム1の代わりに、平衡含水率が0.2%のポリエステルフィルム4を用いる以外は同様にして、偏光板保護フィルム4を作製した。
【0136】
(偏光板保護フィルム1a、4aの作製):比較例
上記の偏光板保護フィルム1、4の各々の作製において、偏光子を貼合(接着する場合も含む)する面に、下記組成の下層液及び上層液をこの順に、各々20ml/m2の割合で塗布し、100℃で10分間乾燥させる以外は同様にして、偏光板保護フィルム1a、4aを得た。
【0137】
(下層液)
ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、
ゴーセノールKL−05) 0.5g
水 10ml
メタノール 30ml
アセトン 50ml
N,N−ジメチルホルムアミド 10ml
(上層液)
例示化合物(13) 0.5g
(特開平7−333436号公報の8頁に記載の化合物)
アセトン 60ml
酢酸エチル 30ml
トルエン 10ml
《偏光板の作製》
偏光板作製の具体的手順を以下に示す。
【0138】
《偏光板1の作製》
偏光板保護フィルム1を40℃の2.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に60秒間浸せきした後、水洗乾燥してケン化処理し、完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を接着剤として、偏光子の両面(A面側、B面側、)に、疎水性セルロースエステル含有層(DAC含有層)を各々貼合し、図1に示すような偏光板1を作製した。
【0139】
ここで、偏光子のA面側とは、偏光子と偏光板保護フィルムまたは光学フィルムとの貼合により、偏光板のA面側形成に用いられる面であり、同様に、偏光子のB面側とは、偏光子と、偏光板保護フィルムまたは光学フィルムとの貼合により、偏光板のB面側の形成に用いられる面である。
【0140】
更に、偏光板のB面側は、実施例2の液晶表示用材料の形成時に液晶セルと貼合する側の面として用いられる。
【0141】
また、偏光板作製時において、偏光板保護フィルムのフィルム面内での屈折率の最大方向が偏光子の偏光軸に平行になるように貼合した。
【0142】
《偏光板2〜10の作製》
偏光板1の作製において、A面、B面に貼合する偏光板保護フィルムを表1に記載のように変更した以外は同様にして、偏光板2〜10を各々作製した。
【0143】
ここで、図2に示すような偏光板としては、偏光板2が挙げられる。
但し、偏光板2〜10の作製においては、B面(液晶セルと貼合する面、単にセル面ともいう)に、上記光学フィルム5または6を貼合し、偏光板保護フィルムとして使用した。
【0144】
《偏光板11、12の作製》:コロナ放電処理後に貼合
偏光板保護フィルム1の偏光子貼合面に12W・分/m2の条件で春日電機(株)製コロナ放電処理装置(HFS−202)でコロナ放電処理したものを偏光子の両面に貼合した偏光板11、偏光子の両面に、比較の偏光板保護フィルム4を貼合した偏光板12を各々作製した。
【0145】
《偏光子の作製》
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、沃化カリウム2質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液に浸漬し50℃で4倍に延伸し偏光子を作製した。
【0146】
上記のように作製した偏光板1〜10、11、12の各々について、保存性を評価することにより、偏光板保護フィルムの経時における保存性(液晶セルとの接着性)を評価とした。
【0147】
《偏光板単独での高温高湿条件での保存性》:偏光度の変化率で評価
偏光板サンプルを、85℃、90%RH、1500時間という高温高湿条件下での経時保存後、波長550nmで、1組の偏光板の偏光軸を平行にした場合の透過率(H0)と、直交させた場合での透過率(H90)をそれぞれ測定し、下記式で偏光度を求めた。なお、経時保存前の偏光板サンプルでの偏光度も同様に求めた。そして、その偏光度の変化率により保存性を表す。
【0148】
偏光度(%)={(H0−H90)/(H0+H90)}1/2×100
変化率(%)=(1−処理後偏光度/処理前偏光度)×100
○:変化率が0〜3未満
△:変化率が3〜5未満
×:変化率が5以上
得られた結果を表1に示す。
【0149】
【表1】
【0150】
表1から、比較に比べて本発明の偏光板は高温高湿条件下での保存性が向上していることが判る。
【0151】
実施例2
《液晶表示用材料1の作製》
実施例1で得られた偏光板1を液晶セル(ここで、液晶セルとしては、LM−BJ53−22NDK(鳥取三洋(株)製)を用いた)のガラス面上の一方の面、もう一方の面に各々貼合して液晶表示用材料1を作製した。
【0152】
《液晶表示用材料2〜12の作製》
液晶表示用材料1の作製において、偏光板1を液晶セルのガラス面上に貼合するかわりに、表2に記載の偏光板2〜12を各々貼合する以外は同様にして、液晶表示用材料2〜12を各々作製した。
【0153】
但し、偏光板1〜6、8、11及び12を各々液晶セルに貼合して液晶表示用材料1〜6、8、11及び12を各々作製する場合には、偏光板の疎水性セルロースエステル層が液晶セルから可能な限り離れた位置になるように貼合方法を調整した。
【0154】
また、偏光板保護フィルム1a、偏光板保護フィルム4aを各々液晶セルに貼合する場合には、各偏光板保護フィルムの、上記の下層液及び上層液による塗布層が可能な限り液晶セルから離れた位置になるように貼合方法を調整した。
【0155】
《液晶表示用材料の高温高湿下での保存性評価》:偏光度の変化率で評価
上記で得られた偏光板1〜10、11及び12の各々を、前記液晶セルのガラス面上に貼り合わせて、液晶表示装置を組み立てた後、偏光板単独での保存性評価と同様に偏して、高温高湿条件下での偏光度の変化率を求め、偏光板保護フィルムの保存性をランク評価した。
【0156】
得られた結果を表2に示す。
【0157】
【表2】
【0158】
表2から、比較に比べて本発明の液晶表示用材料は高温高湿条件下での保存性が顕著に向上していることが明らかである。
【0159】
【発明の効果】
本発明により、高温高湿条件下での保存を行っても、経時での剥離が少なく、高い保存性を示す偏光板保護フィルム、偏光板及び、前記偏光板を有する画像表示用材料を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】a及びbは、各々本発明の偏光板の一態様を示す模式図である。
【図2】本発明の液晶表示用材料の一態様を示す模式図である。
【符号の説明】
1 本発明の偏光板保護フィルム
1a ポリエステル樹脂を主成分として含有し、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層
1b 疎水性セルロースエステルを主成分として含む層
1c 偏光板保護フィルム
2 偏光子
3 偏光板
4 液晶セル
5 液晶表示用材料
Claims (6)
- ポリエステル樹脂を主成分として含有し、平衡含水率が0.5%〜5%である樹脂層を有し、且つ、疎水性セルロースエステルを主成分として含有する少なくとも一つの最外層を有することを特徴とする偏光板保護フィルム。
- 前記ポリエステル樹脂が、スルホン酸基または該スルホン酸基の塩を置換基として有することを特徴とする請求項1に記載の偏光板保護フィルム。
- 前記疎水性セルロースエステルが、セルロースの水酸基を炭素数2〜5のアシル基で置換した置換度1〜3のセルロースエステルであることを特徴とする請求項1または2に記載の偏光板保護フィルム。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルムを有することを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏光板保護フィルムの少なくとも一つの前記最外層と偏光子とを貼合する工程を経て作製されたことを特徴とする偏光板。
- 請求項4または5に記載の偏光板を有することを特徴とする画像表示用材料。
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