JP2004192879A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】メタノール等を燃料に用いた直接型燃料電池は、燃料処理器が不要であるが燃料の電気化学的酸化に伴う電圧降下と燃料の膜透過による出力が低く、燃料利用効率も低いという問題がある。
【解決手段】燃料に添加した第2の還元性物質が、その還元力で燃料極中の第2の触媒を活性状態に維持する。この第2の触媒によって燃料と水とが燃料極で一部分解して水素を発生するため、水素が燃料極での反応種の相当部分を占め、前述の課題が解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】燃料に添加した第2の還元性物質が、その還元力で燃料極中の第2の触媒を活性状態に維持する。この第2の触媒によって燃料と水とが燃料極で一部分解して水素を発生するため、水素が燃料極での反応種の相当部分を占め、前述の課題が解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料としてメタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料を直接用い、空気や酸素等を酸化剤とする燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素や各種炭化水素などの燃料と、空気など酸素を含有する酸化剤(場合によっては過酸化水素等が使用される)とを、電気化学的に反応させることで、電力を発生させるものである。その種類は電解質、動作温度、使用燃料等によって各種存在するが、本特許が特に関与するのは液体燃料を使用し比較的低温で動作する燃料電池である。こうした低温で動作する燃料電池においては、電解質として固体高分子電解質膜が使用される場合が多く、高分子電解質型燃料電池と称されることがある。現在、高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸、例えばナフィオン(米国デュポン社の商品名)が有名である。
【0003】
また燃料として、燃料極に最終的に水素が供給される場合と、メタノール等の電極触媒上で直接電気化学的に反応可能な燃料を直接、燃料として使用する場合とがある。後者は直接型と呼ばれ、メタノールを燃料とする燃料電池は直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)と呼称され、近年、ポータブル機器用電源としての開発が進められている(例えば特許文献1参照)。このほか、燃料としてメタノールを使用するものの、非常に小型化した改質器を使用することによって水素を取り出し、得られた水素を燃料として燃料極に供給する方式の燃料電池も考案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
燃料電池の基本構造はその種類に関わらずほぼ同様である。以下、高分子電解質型燃料電池の場合について概略説明する。まず、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜のそれぞれ両面に白金をカーボン粉末に担持した触媒層が配置する。この触媒層の外面には、燃料ガス(または空気)の通気性と電子伝導性を併せ持つ部材、例えば撥水処理を施した導電性カーボンペーパーによりガス拡散層が形成される。この触媒反応層とガス拡散層とを合わせて電極と呼び、一方には水素等の燃料が、他方には空気などの酸化剤が供給され、電気化学的に反応することで外部回路に電力を供給することができる。
【0005】
このような電極と電解質膜の接合体はしばしばMEA(Membrane Electrode Assembly)と呼称される。前記の膜/電極接合体以外には、供給する燃料が外にリークし、燃料と酸化剤とが互いに混合しないように、電極の周囲に高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置されるのが通常の構造となっている。さらに燃料や空気を各電極に供給し、かつ隣り合う単電池間を電気的に接合する機能を有するバイポーラ板(または流路板)が前記MEAを挟持する形で配置されるのが通例である。
【0006】
次に、本特許が特に関与する直接型燃料電池について記述する。前記のように燃料としてメタノールを用いる燃料電池はDMFCとして有名であるが、これは燃料極にメタノール水溶液を供給して反応させる方式で、燃料極上では(化1)
【0007】
【化1】
【0008】
の反応が起こっているとされている。ただしこの方式においては前記反応が充分早くないために、電流を取り出した際の燃料極での電圧降下が水素を燃料に用いた場合と比較して大きいといった問題や、燃料であるメタノールが電解質膜を透過して空気極側に至り、そこで酸化されて電圧を降下させ、燃料の浪費と電圧の損失の双方の効果により、効率が大きく低下する問題が残されている。
【0009】
後者の問題に関しては、電解質膜の改良等により改善が行われつつある状況にあるが、前者の問題は根本的問題であるため解決は容易ではない。このため前述のように超小型の改質器を搭載した改質型も考えられている。これはメタノールや他の炭化水素系燃料を数百℃の高温で触媒を用いて水蒸気改質して水素を得て、これを燃料電池に供給する方法である。しかし、例えば起動時を想定すると改質器の昇温が完了し、さらに改質器後段に配置されるCO浄化器を経て、燃料電池の燃料極に使用される白金等の触媒に悪影響を及ぼさない程度にまでCO濃度が安定的に低下するまでには、最低でも数十秒間は必要になると考えられる。さらに負荷変動に対して燃料電池の出力を対応させようとした場合、改質器、CO浄化器の温度を負荷変動に安定的に追随させる必要があるが、こうした制御は困難を伴うことが予想される。前記のような過渡的状態においても負荷に電力を安定供給しようとすると、ある程度の容量を有する2次電池が必要になるものと考えられる。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第6303244号明細書
【非特許文献1】
化学工学会第67年回講演要旨集 P.102
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
メタノール等を用いた直接型燃料電池は、燃料処理を行わないため比較的単純な構成とすることが可能であるが、上記のように燃料の電気化学的酸化に伴う電圧降下や、燃料の膜透過などに起因する低出力、低効率の問題を抱えている。また、前記の問題を逃れるために改質器を用いる方式の採用を考えると、特に携帯機器に適用しようとした場合には応答性の問題、改質器の熱問題やさらにはサイズの問題が発生し、実用上は難しい面が多くなる。
【0012】
水素を燃料に用いることができれば、反応速度が大であるため電圧の低下は小さくなり、出力と効率の面でメリットが得られることは明白であるが、実用上の問題が発生しないレベルの量の水素を軽量、コンパクトかつ安全に貯蔵できる方法は今のところ実用化されてない。一方で、メタノール等の液体燃料が有する高エネルギー密度、コンパクト性は魅力のあるものである。そこで本発明では、メタノール等の燃料を直接、燃料電池に供給しながらも、特に改質器を必要とせずに簡単な構成で、水素を燃料とした場合に匹敵するような特性を実現する燃料電池を得ることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は、電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒と、燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒の双方を少なくとも含有する燃料極を備え、前記燃料が、第1の還元性物質である液体燃料、水、および前記第1の還元性物質よりも強力な還元力を有する第2の還元性物質を含む混合燃料である。
【0014】
【発明の実施の形態】
燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒としては、例えば導電性カーボン粉末に白金、ルテニウム、パラジウム等の貴金属およびそれらの合金である貴金属系触媒を担持させた触媒を使用する。第2の触媒としては例えばアルミナ等を担体に、酸化銅/酸化亜鉛触媒に例示されるような銅系触媒を担持させたものを用いる。このほか、燃料極を構成する成分としては、反応によって発生するガスを円滑に電極外に排出させるための撥水性材料として例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含まれることもある。さらに電極反応の場を形成するために、および生成したイオンを円滑に電解質層に輸送するためにも必須の成分として電極中に電解質を添加する必要があるが、この電解質としては例えばパーフルオロカーボンスルホン酸等を使用する。また電極はその構成上、多孔性となっている。これらの事項は第2の触媒を添加する以外は従来の技術によるものである。
【0015】
本発明の混合燃料は、第1の還元性物質である液体燃料に、第1の還元物質よりも還元力の強い第2の還元物質と、水とを添加した物質である。第1の還元物質としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルエーテル、ジメトキシエタンから選ばれた少なくとも1種の物質を用いる。第2の還元性物質としては、例えばヒドラジン、水素化ホウ化物、ホルムアルデヒドから選ばれた少なくとも1種の物質を用いる。さらにこれらに燃料の分解反応に関与する水を適量混合した混合燃料を、上述の燃料極を構成要素として有する燃料電池に供給する。
【0016】
前記混合燃料が供給された燃料極では、電極中に含まれる第2の触媒が、燃料中に添加した前記第2の還元性物質、例えばヒドラジンの強力な還元力によって還元されて活性状態となり、例えばメタノールが燃料であればメタノールと添加物である水とが触媒上で分解して(化2)により水素を発生する。
【0017】
【化2】
【0018】
一般に直接型燃料電池の動作温度である常温から数十℃付近における、前式のような分解(改質)反応の平衡転化率、反応速度は大きいとは言えない。しかし、発生した水素は即座に電極反応で消費されて電極内部での水素濃度が低く保たれるため、反応は分解方向に進行する。また前記のヒドラジンによる還元反応や燃料の分解反応で発生したN2、CO2は電極外に排出される。電極中の第2の触媒は、常時、水や溶存酸素等に曝されるため、常に酸化、失活の方向にあるが、混合燃料中の強力な還元性物質の働きにより再び還元され、機能を取り戻すこととなる。
【0019】
燃料の分解で得られた水素は燃料極中の第1の触媒の働きによって電気化学的に酸化されて水素イオンが生成され、水素イオンは膜を通過して酸化剤極に移動する。空気を酸化剤とする高分子電解質型燃料電池の場合には、そこで還元された酸素ともに水を生成して反応が完結する。ただし燃料極では供給された燃料の全てが分解反応によって水素に変換される訳ではなく、メタノール等の燃料が直接酸化される反応が一部で並行して起こることは避けられない。しかしながら、水素を反応種とした早い反応が並行して起こるため、電流を取り出した際の電圧低下は著しく抑えられる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を用いて具体的に説明する。
【0021】
(実施例1)
本例では燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒としてケッチェンブラックECに、白金とルテニウムを、それぞれ25重量%担持した市販触媒をそのまま用いた。ここで触媒にルテニウムが含まれるのは、後述のように前記触媒上では水素ばかりでなく、一部メタノールの酸化反応も起こるためであり、この際に発生するCOによる触媒被毒の影響を最小限にすることを目的としている。これは従来から用いられている技術である。
【0022】
また、本実施例では燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒として酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを主成分とする市販の銅系改質触媒を用いた。これはペレット状の成型品であるため、これを粉砕して粒径20μm以下の粉末を選別して用いた。ここで用いる改質触媒は通常、使用前に酸化銅を金属銅に還元処理してから使用する必要がある。そこで、前記の粉砕触媒を反応菅に入れ、H2:30%、H2O:30%、N2:40%のガスを流通させ、300℃を越えないよう留意しつつ触媒中の酸化銅を金属銅に還元した。降温時は70℃前後に冷却するまでは前記ガスを流通させ、以降はアルゴンガスに置換して冷却させた。
【0023】
本実施例の場合、前記のように触媒を還元した後に他の燃料極組成物等と共に各種処理を経て電極を作成する工程が入る。このため、前記処理で還元した銅の表面は再度酸化される。しかし電極作成過程で金属銅の表面に形成される酸化膜は比較的厚みが薄く、後述のように混合燃料に含まれる還元剤によって容易に還元することができる。
【0024】
燃料極を製作するため、まず前記第1の触媒と第2の触媒をエチルアルコールに分散させた溶液と、高分子電解質をエチルアルコールに分散した溶液とを混合し、触媒ペーストを調製した。本実施例では第1の触媒と第2の触媒および高分子電解質の重量比を1.5:1:1とした。また高分子電解質にはパーフルオロカーボンスルホン酸イオノマーを用いた。このペーストを、ドクターブレードを用いて、触媒層厚みが50μmとなるように調整してテフロン(R)シートの上に印刷し、これを大気中常温で5時間乾燥させた。これを5cm×5cmに切り取り、以降に述べる方法で作成した空気極とともに高分子電解質膜に熱転写した。本実施例では高分子電解質膜として、デュポン社製ナフィオン117(”ナフィオン”はデュポン社の登録商標:厚み175μm)を用いた。
【0025】
酸化剤極である空気極は以下の方法で形成した。本実施例では空気極触媒として導電性炭素粒子であるケッチェンブラックEC(AKZO Chemie社)に、白金を50重量%担持した触媒粉末を用いた。燃料極の場合と同様、前記触媒をエチルアルコールに分散させた溶液と、高分子電解質をエチルアルコールに分散した溶液とを混合し、触媒ペーストを調製した。このとき触媒と高分子電解質の重量比は1.5:1とした。また高分子電解質には同じくパーフルオロカーボンスルホン酸イオノマーを用いた。前記ペーストを燃料極の場合と同様、ドクターブレードを用いて、触媒層厚みが50μmとなるように調製してテフロン(R)シートの上に印刷し、乾燥後5cm×5cmに切り取り、前記の燃料極とともに次に述べる方法で高分子電解質膜の表面に熱転写した。
【0026】
熱転写は、高分子電解質膜を中心にして、前記の5cm角に切り取った燃料極と空気極で電極面が高分子電解質膜と接するようなサンドイッチ構造とした状態で100℃・5MPa・30分間圧力を作用させて接合して行った。こうして得られた接合体において、燃料極側のみテフロン(R)シートをはがし、同じ種類の燃料極を再度、先に熱転写した燃料極の上に重ねて熱転写した。燃料極を2回転写するのは充分な触媒量を確保するためである。熱転写後、テフロン(R)シートを全てはがし、本実施例によるMEA1とした。
【0027】
また従来法を用いて比較用MEA2を作製した。この場合、燃料極には電気化学的に活性な第1の触媒のみを使用し、触媒と高分子電解質の重量比を1.5:1とし、他の条件は全て同じとし、さらに電気化学的に活性な第1の触媒の単位面積あたりの重量が同等になるように電極厚みを調整して作成した。空気極は前記のMEA1と同じ空気極を用い、熱転写もMEA1の場合と同様の手法に従い、燃料極は同じく2回繰り返して転写を行なって比較用MEA2を得た。
【0028】
以上のように作製したMEAの外周部にシリコーンゴム製のガスケット板(厚み150μm)を接合した。さらに燃料極側・空気極側それぞれにカーボン不織布(東レ製TGP−H−060・厚み180μm)のガス拡散層を準備した。これらガス拡散層は燃料電池の組立状態において、次に述べる評価用セパレータと直接接触する状態でMEAを挟持する。
【0029】
評価用セパレータは外寸が8cm×8cm、厚みが13mm、燃料および酸化剤(空気)用流路の深さが2mmの樹脂含浸黒鉛製である。本セパレータ2枚を用い、MEAシートの空気極の面に酸化剤流路が形成された面が、燃料極面に燃料流路が形成された面を重ね合わせ、これを図1に示すように単電池とした。1はMEAであり、2のガスケット板によって保持されている。燃料や空気は、3、4のマニホールド穴を通り各電池に送り込まれ、のセパレータ上にある流路5、6を通りMEAに供給される。
【0030】
なお図には示していないが、評価用セパレータはさらに温度制御用の流体を流すことができる締結治具に絶縁シートを介して挟持される。これらの構成要素と前記のMEAを用いて直接型メタノール燃料電池を組立て、その性能試験を行った。燃料には第1の還元性物質としてメタノールを、また第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを選択し、メタノール5モル水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを3wt%添加した混合燃料として用いた。発電性能試験は前記混合燃料を燃料極側に30ml/minで供給し、空気極側にはブロワーを用いて無加湿の空気を供給し電池温度50℃で行った。
【0031】
本実施例によるMEA1を用いた直接型メタノール燃料電池の出力特性を図2に実線で示す。同様に比較用MEA2を用いた燃料電池に同じ混合燃料を供給した場合の出力特性を破線で示した。これらの特性は24時間の連続発電試験後もほとんど変わることはなかった。一方、本実施例によるMEA1を用いた電池において、前記の混合燃料ではなく単なるメタノールの5モル水溶液を供給したところ、数分の内に比較用のMEA2を用いた場合とほぼ同等の出力特性にまで特性が低下する現象が認められた。
【0032】
これらの結果から本実施例による第2の触媒を含有する燃料極に、第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを添加した混合燃料を供給した場合、直接型メタノール燃料電池の出力特性が従来のものより大きく改善されることがわかる。このように出力特性が向上した原因は以下のように2つ考えられる。
【0033】
すなわち、燃料極に第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを添加した混合燃料を供給すると、水素化ホウナトリウムの還元作用により燃料極内部に存在する改質触媒が還元状態となり、燃料である第2の還元性物質つまりメタノールの一部を水との改質反応により改質し水素を生成する。メタノール改質反応で発生した水素は、燃料極内の第1の触媒の働きにより直ちに電気化学的に反応する。水素の酸化反応はメタノールが直接酸化反応と比較して反応速度が大であるため、従来型のように全てのメタノールが直接電気化学的に反応する場合と比べて出力特性が高くなったものと推定される。
【0034】
もう一つ、特性が向上した原因として以下のことが考えられる。電池温度が低いために全てのメタノールが改質される訳ではないものの、燃料極最深部にメタノールが拡散していくまでの間には、メタノールの相当の割合が分解消費され、その濃度は大きく低下すると考えられる。このため従来の直接型メタノール燃料電池で大きな課題となっていたメタノールの膜透過問題、すなわちメタノールが膜を透過して空気極側にまで至り、空気極で酸化されることによって生じる出力低下の問題が大きく抑制されていると考えられる。
【0035】
従って、燃料として本発明による混合燃料ではなく単なるメタノール5モル水溶液を供給した場合に出力特性が低下した現象は、改質触媒として機能する銅の表面が酸化されることによりその活性を失い、燃料極における酸化反応が電気化学的反応の遅いメタノールの直接酸化反応のみになったことと、メタノールの膜透過量が増加したことによる2つの原因により起こったものと見られる。
【0036】
ところで燃料電池は使用形態によっては、ある期間使用せずに休止状態に置かれる場合もあり得る。このため、本発明による燃料電池がこうした休止に耐えられるか否かは実用上重要な問題である。そこで前記の本実施例による燃料電池から燃料を抜き、7日間放置した後、再度混合燃料と空気を供給して室温から発電させる試験を行った。その結果、放置期間中に改質触媒が一部酸化されてその活性を失ったことと、運転開始時を想定して動作温度をやや低く設定したため、混合燃料供給直後の数分間は出力は低くなる結果となった。しかし、改質触媒の活性が戻り温度が上昇するに従って、改質触媒も水素化ホウナトリウムの還元作用により活性を取り戻し、電池温度が50℃になった時点では本来の発電出力特性を発揮することが確認された。
【0037】
以上のように本発明による燃料電池においては、特に改質器を必要とせずに直接型メタノール燃料電池と同様の簡単な構成で、水素を燃料とした場合に匹敵するような高い発電特性を得る事ができる。また前記のようにメタノールの膜透過も抑制されるためメタノールの燃料利用効率も従来の直接型メタノール燃料電池と比較して大きく改善することができる上、メタノール透過抑制のために電解質膜の厚みを厚くする必要性も低下し、薄い膜を利用することができる。このことは、膜抵抗の低下による特性向上をもたらすばかりでなく、膜コストの低減にもつながるといった利点がある。
【0038】
なお、本実施例では燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒として市販の銅系触媒を用いて、分解反応として水との反応による改質反応を行っているが、これは他の触媒、例えば貴金属系触媒を無機系担体等に担持した触媒を用いても良く、反応も他の分解反応であっても良い。また本実施例では第2の触媒は燃料極全体に均一に分布しているが、その存在状態は不均一であっても良く、例えば燃料極の燃料に接する表面に第2の触媒が多量に存在するような2層構造となっていても良い。
【0039】
燃料についても、実施例では第1の還元性物質としてメタノールを、また第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを用いているが、これらはヒドラジンをはじめ他の物質であっても良く、また組成比についても本実施例の組成比に限定されるものでなく、例えば、メタノールと水が改質反応の当量比である1:1モルで、水素化ホウ素ナトリウム濃度が3wt%以上であっても良い。また燃料を化学的に分解する第2の触媒として白金等の貴金属系触媒を用いる場合には、触媒の酸化が起こりにくいため、燃料に添加する第2の還元性物質の濃度を1wt%以下とすることも可能である。
【0040】
(実施例2)
第2の実施例では、燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒はケッチェンブラックECに、白金を50重量%担持した市販触媒をそのまま用いた。ここで実施例1と異なり白金のみの触媒を用いたのは、本実施例で用いる燃料であるジメチルエーテルとの反応性が高いと見られるためである。
【0041】
また、燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒にはモルデナイトを担体として白金を担持させた白金/モルデナイト触媒を用いた。これら2つの触媒を用いて、実施例1と同じ方法で触媒ペーストを作製した。本実施例では第1の触媒と第2の触媒および高分子電解質の重量比を1.5:1:1とした。このペーストを用いて実施例1と同様の方法で電極を製作し、実施例1と同種の空気極と組み合わせて本実施例によるMEA3とした。
【0042】
また従来法を用いて比較用MEA4を作製した。この場合、燃料極には電気化学的に活性な前記白金50重量%担持の第1の触媒のみを使用し、触媒と高分子電解質の重量比を1.5:1とし、他の条件は同じで電気化学的に活性な第1の触媒の単位面積あたりの重量がMEA3と同等になるように電極厚みを調製して作成した。これらMEAにガスケット板を接合した上で、実施例1と同様に燃料電池を組み立てその性能試験を行った。
【0043】
燃料には第1の還元性物質としてジメチルエーテルを、また第2の還元性物質としてヒドラジンを選択し、ジメチルエーテルを1モル溶解させた水溶液にヒドラジンを2wt%添加した混合燃料を用いた。なおジメチルエーテルの揮発を防ぎ、不測の事態を予防するため燃料電池および燃料配管系は安全弁を設置した上で充分内圧を保持できる構成とした。発電性能試験は前記混合燃料を燃料極側に20ml/minで供給し、空気極側にはブロワーを用いて空気を供給し電池温度70℃で行った。温度を70℃とやや高めにしたのはメタノールと比較してジメチルエーテルの反応性が低いためである。
【0044】
本実施例によるMEA3を用いた燃料電池の出力特性を図3に実線で、また従来技術によるMEA4を用いた場合の特性を破線で示す。実施例1と比較するとジメチルエーテルの反応性が低いため、出力特性はかなり低いものとなっているが、本実施例による燃料電池においては従来例による燃料電池よりも改善された高い特性が得られていることがわかる。
【0045】
(実施例3)
第3の実施例では、燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒は実施例1と同一のものを用いたが、燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒には酸化銅と酸化アルミニウムを主成分とする銅系改質触媒を下記の手法により調製して用いた。
【0046】
銅系改質触媒の調製は、まず硝酸銅三水和物50g、硝酸アルミニウム九水和物7g、およびコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックスST−O」)1gを蒸留水に溶解して、500mlの水溶液を調製する。ここで「スノーテックスST−O」は、無水ケイ酸(SiO2 )含有量が20〜21重量%、粒子径が10〜20 mμの透明乳白色の膠質液である。また、別に炭酸ナトリウム十水和物 120gを蒸留水に溶解して500mlの水溶液を準備した。激しく撹拌した400mlの蒸留水中に、前記の2種類の液を同時に少量ずつ滴下して金属塩を共沈させた。得られた沈澱物を蒸留水で洗浄した後、110℃で乾燥し、ついで600℃にて空気中で2時間焼成しCuO 、Al2O3 、SiO2 からなる触媒を得た。前記触媒は焼成により塊状となっているため、これを粉砕して粒径20μm以下の粉末を選別した。さらに実施例1と同様の手法により、酸化銅を金属銅に還元処理してから使用に供した。
【0047】
次に、実施例1と同じ方法で触媒ペーストを作製した。本実施例では第1の触媒と第2の触媒および高分子電解質の重量比を1.5:1.5:1とした。このペーストを用いて実施例1と同様の方法で電極を製作し、実施例1と同種の空気極と組み合わせて本実施例によるMEA5とし、ガスケット板を接合した上で、実施例1と同様に燃料電池を組み立てその性能試験を行った。
【0048】
本実施例では燃料には第1の還元性物質としてメチルアルコールを、また第2の還元性物質としてヒドラジンを選択し、メチルアルコール5モル水溶液にヒドラジンを2wt%添加した混合燃料を用いた。発電性能試験は前記混合燃料を燃料極側に30ml/minで供給し、空気極側にブロワーを用いて空気を供給し電池温度50℃で行った。
【0049】
本実施例による燃料電池の出力特性を図4に実線で、また実施例1で用いたと同様の従来技術によるMEA2を用いた燃料電池の特性を破線で示す。実施例1と同様に本実施例による燃料電池において非常に高い特性が得られていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明により、燃料となる第1の還元性物質に添加された第2の還元性物質は、その強力な還元力により燃料極に配された第2の触媒を常に活性状態に維持する。この活性化された第2の触媒によって混合燃料中の第1の還元性物質すなわち燃料と添加物である水とが電極上で一部分解して水素を発生するため、水素が燃料極での反応種の相当部分を占めるようになり、改質器を必要とせず直接型燃料電池と同様の簡単な構成で、水素を燃料とした場合の特性に大きく近づくような高い発電特性を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の燃料電池発電試験で用いた燃料電池構成を示した図
【図2】本発明の実施例1によるMEA1を用いた燃料電池の発電特性図
【図3】本発明の実施例2によるMEA3を用いた燃料電池の発電特性図
【図4】本発明の実施例3によるMEA5を用いた燃料電池の発電特性図
【符号の説明】
1 MEA
2 ガスケット板
3,4 燃料および空気のマニホルド孔
5,6 燃料および空気の流路
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料としてメタノール、ジメチルエーテルなどの液体燃料を直接用い、空気や酸素等を酸化剤とする燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素や各種炭化水素などの燃料と、空気など酸素を含有する酸化剤(場合によっては過酸化水素等が使用される)とを、電気化学的に反応させることで、電力を発生させるものである。その種類は電解質、動作温度、使用燃料等によって各種存在するが、本特許が特に関与するのは液体燃料を使用し比較的低温で動作する燃料電池である。こうした低温で動作する燃料電池においては、電解質として固体高分子電解質膜が使用される場合が多く、高分子電解質型燃料電池と称されることがある。現在、高分子電解質としては、パーフルオロカーボンスルホン酸、例えばナフィオン(米国デュポン社の商品名)が有名である。
【0003】
また燃料として、燃料極に最終的に水素が供給される場合と、メタノール等の電極触媒上で直接電気化学的に反応可能な燃料を直接、燃料として使用する場合とがある。後者は直接型と呼ばれ、メタノールを燃料とする燃料電池は直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)と呼称され、近年、ポータブル機器用電源としての開発が進められている(例えば特許文献1参照)。このほか、燃料としてメタノールを使用するものの、非常に小型化した改質器を使用することによって水素を取り出し、得られた水素を燃料として燃料極に供給する方式の燃料電池も考案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
燃料電池の基本構造はその種類に関わらずほぼ同様である。以下、高分子電解質型燃料電池の場合について概略説明する。まず、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜のそれぞれ両面に白金をカーボン粉末に担持した触媒層が配置する。この触媒層の外面には、燃料ガス(または空気)の通気性と電子伝導性を併せ持つ部材、例えば撥水処理を施した導電性カーボンペーパーによりガス拡散層が形成される。この触媒反応層とガス拡散層とを合わせて電極と呼び、一方には水素等の燃料が、他方には空気などの酸化剤が供給され、電気化学的に反応することで外部回路に電力を供給することができる。
【0005】
このような電極と電解質膜の接合体はしばしばMEA(Membrane Electrode Assembly)と呼称される。前記の膜/電極接合体以外には、供給する燃料が外にリークし、燃料と酸化剤とが互いに混合しないように、電極の周囲に高分子電解質膜を挟んでガスシール材やガスケットが配置されるのが通常の構造となっている。さらに燃料や空気を各電極に供給し、かつ隣り合う単電池間を電気的に接合する機能を有するバイポーラ板(または流路板)が前記MEAを挟持する形で配置されるのが通例である。
【0006】
次に、本特許が特に関与する直接型燃料電池について記述する。前記のように燃料としてメタノールを用いる燃料電池はDMFCとして有名であるが、これは燃料極にメタノール水溶液を供給して反応させる方式で、燃料極上では(化1)
【0007】
【化1】
【0008】
の反応が起こっているとされている。ただしこの方式においては前記反応が充分早くないために、電流を取り出した際の燃料極での電圧降下が水素を燃料に用いた場合と比較して大きいといった問題や、燃料であるメタノールが電解質膜を透過して空気極側に至り、そこで酸化されて電圧を降下させ、燃料の浪費と電圧の損失の双方の効果により、効率が大きく低下する問題が残されている。
【0009】
後者の問題に関しては、電解質膜の改良等により改善が行われつつある状況にあるが、前者の問題は根本的問題であるため解決は容易ではない。このため前述のように超小型の改質器を搭載した改質型も考えられている。これはメタノールや他の炭化水素系燃料を数百℃の高温で触媒を用いて水蒸気改質して水素を得て、これを燃料電池に供給する方法である。しかし、例えば起動時を想定すると改質器の昇温が完了し、さらに改質器後段に配置されるCO浄化器を経て、燃料電池の燃料極に使用される白金等の触媒に悪影響を及ぼさない程度にまでCO濃度が安定的に低下するまでには、最低でも数十秒間は必要になると考えられる。さらに負荷変動に対して燃料電池の出力を対応させようとした場合、改質器、CO浄化器の温度を負荷変動に安定的に追随させる必要があるが、こうした制御は困難を伴うことが予想される。前記のような過渡的状態においても負荷に電力を安定供給しようとすると、ある程度の容量を有する2次電池が必要になるものと考えられる。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第6303244号明細書
【非特許文献1】
化学工学会第67年回講演要旨集 P.102
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
メタノール等を用いた直接型燃料電池は、燃料処理を行わないため比較的単純な構成とすることが可能であるが、上記のように燃料の電気化学的酸化に伴う電圧降下や、燃料の膜透過などに起因する低出力、低効率の問題を抱えている。また、前記の問題を逃れるために改質器を用いる方式の採用を考えると、特に携帯機器に適用しようとした場合には応答性の問題、改質器の熱問題やさらにはサイズの問題が発生し、実用上は難しい面が多くなる。
【0012】
水素を燃料に用いることができれば、反応速度が大であるため電圧の低下は小さくなり、出力と効率の面でメリットが得られることは明白であるが、実用上の問題が発生しないレベルの量の水素を軽量、コンパクトかつ安全に貯蔵できる方法は今のところ実用化されてない。一方で、メタノール等の液体燃料が有する高エネルギー密度、コンパクト性は魅力のあるものである。そこで本発明では、メタノール等の燃料を直接、燃料電池に供給しながらも、特に改質器を必要とせずに簡単な構成で、水素を燃料とした場合に匹敵するような特性を実現する燃料電池を得ることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料電池は、電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒と、燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒の双方を少なくとも含有する燃料極を備え、前記燃料が、第1の還元性物質である液体燃料、水、および前記第1の還元性物質よりも強力な還元力を有する第2の還元性物質を含む混合燃料である。
【0014】
【発明の実施の形態】
燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒としては、例えば導電性カーボン粉末に白金、ルテニウム、パラジウム等の貴金属およびそれらの合金である貴金属系触媒を担持させた触媒を使用する。第2の触媒としては例えばアルミナ等を担体に、酸化銅/酸化亜鉛触媒に例示されるような銅系触媒を担持させたものを用いる。このほか、燃料極を構成する成分としては、反応によって発生するガスを円滑に電極外に排出させるための撥水性材料として例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が含まれることもある。さらに電極反応の場を形成するために、および生成したイオンを円滑に電解質層に輸送するためにも必須の成分として電極中に電解質を添加する必要があるが、この電解質としては例えばパーフルオロカーボンスルホン酸等を使用する。また電極はその構成上、多孔性となっている。これらの事項は第2の触媒を添加する以外は従来の技術によるものである。
【0015】
本発明の混合燃料は、第1の還元性物質である液体燃料に、第1の還元物質よりも還元力の強い第2の還元物質と、水とを添加した物質である。第1の還元物質としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルエーテル、ジメトキシエタンから選ばれた少なくとも1種の物質を用いる。第2の還元性物質としては、例えばヒドラジン、水素化ホウ化物、ホルムアルデヒドから選ばれた少なくとも1種の物質を用いる。さらにこれらに燃料の分解反応に関与する水を適量混合した混合燃料を、上述の燃料極を構成要素として有する燃料電池に供給する。
【0016】
前記混合燃料が供給された燃料極では、電極中に含まれる第2の触媒が、燃料中に添加した前記第2の還元性物質、例えばヒドラジンの強力な還元力によって還元されて活性状態となり、例えばメタノールが燃料であればメタノールと添加物である水とが触媒上で分解して(化2)により水素を発生する。
【0017】
【化2】
【0018】
一般に直接型燃料電池の動作温度である常温から数十℃付近における、前式のような分解(改質)反応の平衡転化率、反応速度は大きいとは言えない。しかし、発生した水素は即座に電極反応で消費されて電極内部での水素濃度が低く保たれるため、反応は分解方向に進行する。また前記のヒドラジンによる還元反応や燃料の分解反応で発生したN2、CO2は電極外に排出される。電極中の第2の触媒は、常時、水や溶存酸素等に曝されるため、常に酸化、失活の方向にあるが、混合燃料中の強力な還元性物質の働きにより再び還元され、機能を取り戻すこととなる。
【0019】
燃料の分解で得られた水素は燃料極中の第1の触媒の働きによって電気化学的に酸化されて水素イオンが生成され、水素イオンは膜を通過して酸化剤極に移動する。空気を酸化剤とする高分子電解質型燃料電池の場合には、そこで還元された酸素ともに水を生成して反応が完結する。ただし燃料極では供給された燃料の全てが分解反応によって水素に変換される訳ではなく、メタノール等の燃料が直接酸化される反応が一部で並行して起こることは避けられない。しかしながら、水素を反応種とした早い反応が並行して起こるため、電流を取り出した際の電圧低下は著しく抑えられる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の実施例を用いて具体的に説明する。
【0021】
(実施例1)
本例では燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒としてケッチェンブラックECに、白金とルテニウムを、それぞれ25重量%担持した市販触媒をそのまま用いた。ここで触媒にルテニウムが含まれるのは、後述のように前記触媒上では水素ばかりでなく、一部メタノールの酸化反応も起こるためであり、この際に発生するCOによる触媒被毒の影響を最小限にすることを目的としている。これは従来から用いられている技術である。
【0022】
また、本実施例では燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒として酸化銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを主成分とする市販の銅系改質触媒を用いた。これはペレット状の成型品であるため、これを粉砕して粒径20μm以下の粉末を選別して用いた。ここで用いる改質触媒は通常、使用前に酸化銅を金属銅に還元処理してから使用する必要がある。そこで、前記の粉砕触媒を反応菅に入れ、H2:30%、H2O:30%、N2:40%のガスを流通させ、300℃を越えないよう留意しつつ触媒中の酸化銅を金属銅に還元した。降温時は70℃前後に冷却するまでは前記ガスを流通させ、以降はアルゴンガスに置換して冷却させた。
【0023】
本実施例の場合、前記のように触媒を還元した後に他の燃料極組成物等と共に各種処理を経て電極を作成する工程が入る。このため、前記処理で還元した銅の表面は再度酸化される。しかし電極作成過程で金属銅の表面に形成される酸化膜は比較的厚みが薄く、後述のように混合燃料に含まれる還元剤によって容易に還元することができる。
【0024】
燃料極を製作するため、まず前記第1の触媒と第2の触媒をエチルアルコールに分散させた溶液と、高分子電解質をエチルアルコールに分散した溶液とを混合し、触媒ペーストを調製した。本実施例では第1の触媒と第2の触媒および高分子電解質の重量比を1.5:1:1とした。また高分子電解質にはパーフルオロカーボンスルホン酸イオノマーを用いた。このペーストを、ドクターブレードを用いて、触媒層厚みが50μmとなるように調整してテフロン(R)シートの上に印刷し、これを大気中常温で5時間乾燥させた。これを5cm×5cmに切り取り、以降に述べる方法で作成した空気極とともに高分子電解質膜に熱転写した。本実施例では高分子電解質膜として、デュポン社製ナフィオン117(”ナフィオン”はデュポン社の登録商標:厚み175μm)を用いた。
【0025】
酸化剤極である空気極は以下の方法で形成した。本実施例では空気極触媒として導電性炭素粒子であるケッチェンブラックEC(AKZO Chemie社)に、白金を50重量%担持した触媒粉末を用いた。燃料極の場合と同様、前記触媒をエチルアルコールに分散させた溶液と、高分子電解質をエチルアルコールに分散した溶液とを混合し、触媒ペーストを調製した。このとき触媒と高分子電解質の重量比は1.5:1とした。また高分子電解質には同じくパーフルオロカーボンスルホン酸イオノマーを用いた。前記ペーストを燃料極の場合と同様、ドクターブレードを用いて、触媒層厚みが50μmとなるように調製してテフロン(R)シートの上に印刷し、乾燥後5cm×5cmに切り取り、前記の燃料極とともに次に述べる方法で高分子電解質膜の表面に熱転写した。
【0026】
熱転写は、高分子電解質膜を中心にして、前記の5cm角に切り取った燃料極と空気極で電極面が高分子電解質膜と接するようなサンドイッチ構造とした状態で100℃・5MPa・30分間圧力を作用させて接合して行った。こうして得られた接合体において、燃料極側のみテフロン(R)シートをはがし、同じ種類の燃料極を再度、先に熱転写した燃料極の上に重ねて熱転写した。燃料極を2回転写するのは充分な触媒量を確保するためである。熱転写後、テフロン(R)シートを全てはがし、本実施例によるMEA1とした。
【0027】
また従来法を用いて比較用MEA2を作製した。この場合、燃料極には電気化学的に活性な第1の触媒のみを使用し、触媒と高分子電解質の重量比を1.5:1とし、他の条件は全て同じとし、さらに電気化学的に活性な第1の触媒の単位面積あたりの重量が同等になるように電極厚みを調整して作成した。空気極は前記のMEA1と同じ空気極を用い、熱転写もMEA1の場合と同様の手法に従い、燃料極は同じく2回繰り返して転写を行なって比較用MEA2を得た。
【0028】
以上のように作製したMEAの外周部にシリコーンゴム製のガスケット板(厚み150μm)を接合した。さらに燃料極側・空気極側それぞれにカーボン不織布(東レ製TGP−H−060・厚み180μm)のガス拡散層を準備した。これらガス拡散層は燃料電池の組立状態において、次に述べる評価用セパレータと直接接触する状態でMEAを挟持する。
【0029】
評価用セパレータは外寸が8cm×8cm、厚みが13mm、燃料および酸化剤(空気)用流路の深さが2mmの樹脂含浸黒鉛製である。本セパレータ2枚を用い、MEAシートの空気極の面に酸化剤流路が形成された面が、燃料極面に燃料流路が形成された面を重ね合わせ、これを図1に示すように単電池とした。1はMEAであり、2のガスケット板によって保持されている。燃料や空気は、3、4のマニホールド穴を通り各電池に送り込まれ、のセパレータ上にある流路5、6を通りMEAに供給される。
【0030】
なお図には示していないが、評価用セパレータはさらに温度制御用の流体を流すことができる締結治具に絶縁シートを介して挟持される。これらの構成要素と前記のMEAを用いて直接型メタノール燃料電池を組立て、その性能試験を行った。燃料には第1の還元性物質としてメタノールを、また第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを選択し、メタノール5モル水溶液に水素化ホウ素ナトリウムを3wt%添加した混合燃料として用いた。発電性能試験は前記混合燃料を燃料極側に30ml/minで供給し、空気極側にはブロワーを用いて無加湿の空気を供給し電池温度50℃で行った。
【0031】
本実施例によるMEA1を用いた直接型メタノール燃料電池の出力特性を図2に実線で示す。同様に比較用MEA2を用いた燃料電池に同じ混合燃料を供給した場合の出力特性を破線で示した。これらの特性は24時間の連続発電試験後もほとんど変わることはなかった。一方、本実施例によるMEA1を用いた電池において、前記の混合燃料ではなく単なるメタノールの5モル水溶液を供給したところ、数分の内に比較用のMEA2を用いた場合とほぼ同等の出力特性にまで特性が低下する現象が認められた。
【0032】
これらの結果から本実施例による第2の触媒を含有する燃料極に、第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを添加した混合燃料を供給した場合、直接型メタノール燃料電池の出力特性が従来のものより大きく改善されることがわかる。このように出力特性が向上した原因は以下のように2つ考えられる。
【0033】
すなわち、燃料極に第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを添加した混合燃料を供給すると、水素化ホウナトリウムの還元作用により燃料極内部に存在する改質触媒が還元状態となり、燃料である第2の還元性物質つまりメタノールの一部を水との改質反応により改質し水素を生成する。メタノール改質反応で発生した水素は、燃料極内の第1の触媒の働きにより直ちに電気化学的に反応する。水素の酸化反応はメタノールが直接酸化反応と比較して反応速度が大であるため、従来型のように全てのメタノールが直接電気化学的に反応する場合と比べて出力特性が高くなったものと推定される。
【0034】
もう一つ、特性が向上した原因として以下のことが考えられる。電池温度が低いために全てのメタノールが改質される訳ではないものの、燃料極最深部にメタノールが拡散していくまでの間には、メタノールの相当の割合が分解消費され、その濃度は大きく低下すると考えられる。このため従来の直接型メタノール燃料電池で大きな課題となっていたメタノールの膜透過問題、すなわちメタノールが膜を透過して空気極側にまで至り、空気極で酸化されることによって生じる出力低下の問題が大きく抑制されていると考えられる。
【0035】
従って、燃料として本発明による混合燃料ではなく単なるメタノール5モル水溶液を供給した場合に出力特性が低下した現象は、改質触媒として機能する銅の表面が酸化されることによりその活性を失い、燃料極における酸化反応が電気化学的反応の遅いメタノールの直接酸化反応のみになったことと、メタノールの膜透過量が増加したことによる2つの原因により起こったものと見られる。
【0036】
ところで燃料電池は使用形態によっては、ある期間使用せずに休止状態に置かれる場合もあり得る。このため、本発明による燃料電池がこうした休止に耐えられるか否かは実用上重要な問題である。そこで前記の本実施例による燃料電池から燃料を抜き、7日間放置した後、再度混合燃料と空気を供給して室温から発電させる試験を行った。その結果、放置期間中に改質触媒が一部酸化されてその活性を失ったことと、運転開始時を想定して動作温度をやや低く設定したため、混合燃料供給直後の数分間は出力は低くなる結果となった。しかし、改質触媒の活性が戻り温度が上昇するに従って、改質触媒も水素化ホウナトリウムの還元作用により活性を取り戻し、電池温度が50℃になった時点では本来の発電出力特性を発揮することが確認された。
【0037】
以上のように本発明による燃料電池においては、特に改質器を必要とせずに直接型メタノール燃料電池と同様の簡単な構成で、水素を燃料とした場合に匹敵するような高い発電特性を得る事ができる。また前記のようにメタノールの膜透過も抑制されるためメタノールの燃料利用効率も従来の直接型メタノール燃料電池と比較して大きく改善することができる上、メタノール透過抑制のために電解質膜の厚みを厚くする必要性も低下し、薄い膜を利用することができる。このことは、膜抵抗の低下による特性向上をもたらすばかりでなく、膜コストの低減にもつながるといった利点がある。
【0038】
なお、本実施例では燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒として市販の銅系触媒を用いて、分解反応として水との反応による改質反応を行っているが、これは他の触媒、例えば貴金属系触媒を無機系担体等に担持した触媒を用いても良く、反応も他の分解反応であっても良い。また本実施例では第2の触媒は燃料極全体に均一に分布しているが、その存在状態は不均一であっても良く、例えば燃料極の燃料に接する表面に第2の触媒が多量に存在するような2層構造となっていても良い。
【0039】
燃料についても、実施例では第1の還元性物質としてメタノールを、また第2の還元性物質として水素化ホウ素ナトリウムを用いているが、これらはヒドラジンをはじめ他の物質であっても良く、また組成比についても本実施例の組成比に限定されるものでなく、例えば、メタノールと水が改質反応の当量比である1:1モルで、水素化ホウ素ナトリウム濃度が3wt%以上であっても良い。また燃料を化学的に分解する第2の触媒として白金等の貴金属系触媒を用いる場合には、触媒の酸化が起こりにくいため、燃料に添加する第2の還元性物質の濃度を1wt%以下とすることも可能である。
【0040】
(実施例2)
第2の実施例では、燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒はケッチェンブラックECに、白金を50重量%担持した市販触媒をそのまま用いた。ここで実施例1と異なり白金のみの触媒を用いたのは、本実施例で用いる燃料であるジメチルエーテルとの反応性が高いと見られるためである。
【0041】
また、燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒にはモルデナイトを担体として白金を担持させた白金/モルデナイト触媒を用いた。これら2つの触媒を用いて、実施例1と同じ方法で触媒ペーストを作製した。本実施例では第1の触媒と第2の触媒および高分子電解質の重量比を1.5:1:1とした。このペーストを用いて実施例1と同様の方法で電極を製作し、実施例1と同種の空気極と組み合わせて本実施例によるMEA3とした。
【0042】
また従来法を用いて比較用MEA4を作製した。この場合、燃料極には電気化学的に活性な前記白金50重量%担持の第1の触媒のみを使用し、触媒と高分子電解質の重量比を1.5:1とし、他の条件は同じで電気化学的に活性な第1の触媒の単位面積あたりの重量がMEA3と同等になるように電極厚みを調製して作成した。これらMEAにガスケット板を接合した上で、実施例1と同様に燃料電池を組み立てその性能試験を行った。
【0043】
燃料には第1の還元性物質としてジメチルエーテルを、また第2の還元性物質としてヒドラジンを選択し、ジメチルエーテルを1モル溶解させた水溶液にヒドラジンを2wt%添加した混合燃料を用いた。なおジメチルエーテルの揮発を防ぎ、不測の事態を予防するため燃料電池および燃料配管系は安全弁を設置した上で充分内圧を保持できる構成とした。発電性能試験は前記混合燃料を燃料極側に20ml/minで供給し、空気極側にはブロワーを用いて空気を供給し電池温度70℃で行った。温度を70℃とやや高めにしたのはメタノールと比較してジメチルエーテルの反応性が低いためである。
【0044】
本実施例によるMEA3を用いた燃料電池の出力特性を図3に実線で、また従来技術によるMEA4を用いた場合の特性を破線で示す。実施例1と比較するとジメチルエーテルの反応性が低いため、出力特性はかなり低いものとなっているが、本実施例による燃料電池においては従来例による燃料電池よりも改善された高い特性が得られていることがわかる。
【0045】
(実施例3)
第3の実施例では、燃料極において電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒は実施例1と同一のものを用いたが、燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒には酸化銅と酸化アルミニウムを主成分とする銅系改質触媒を下記の手法により調製して用いた。
【0046】
銅系改質触媒の調製は、まず硝酸銅三水和物50g、硝酸アルミニウム九水和物7g、およびコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製「スノーテックスST−O」)1gを蒸留水に溶解して、500mlの水溶液を調製する。ここで「スノーテックスST−O」は、無水ケイ酸(SiO2 )含有量が20〜21重量%、粒子径が10〜20 mμの透明乳白色の膠質液である。また、別に炭酸ナトリウム十水和物 120gを蒸留水に溶解して500mlの水溶液を準備した。激しく撹拌した400mlの蒸留水中に、前記の2種類の液を同時に少量ずつ滴下して金属塩を共沈させた。得られた沈澱物を蒸留水で洗浄した後、110℃で乾燥し、ついで600℃にて空気中で2時間焼成しCuO 、Al2O3 、SiO2 からなる触媒を得た。前記触媒は焼成により塊状となっているため、これを粉砕して粒径20μm以下の粉末を選別した。さらに実施例1と同様の手法により、酸化銅を金属銅に還元処理してから使用に供した。
【0047】
次に、実施例1と同じ方法で触媒ペーストを作製した。本実施例では第1の触媒と第2の触媒および高分子電解質の重量比を1.5:1.5:1とした。このペーストを用いて実施例1と同様の方法で電極を製作し、実施例1と同種の空気極と組み合わせて本実施例によるMEA5とし、ガスケット板を接合した上で、実施例1と同様に燃料電池を組み立てその性能試験を行った。
【0048】
本実施例では燃料には第1の還元性物質としてメチルアルコールを、また第2の還元性物質としてヒドラジンを選択し、メチルアルコール5モル水溶液にヒドラジンを2wt%添加した混合燃料を用いた。発電性能試験は前記混合燃料を燃料極側に30ml/minで供給し、空気極側にブロワーを用いて空気を供給し電池温度50℃で行った。
【0049】
本実施例による燃料電池の出力特性を図4に実線で、また実施例1で用いたと同様の従来技術によるMEA2を用いた燃料電池の特性を破線で示す。実施例1と同様に本実施例による燃料電池において非常に高い特性が得られていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明により、燃料となる第1の還元性物質に添加された第2の還元性物質は、その強力な還元力により燃料極に配された第2の触媒を常に活性状態に維持する。この活性化された第2の触媒によって混合燃料中の第1の還元性物質すなわち燃料と添加物である水とが電極上で一部分解して水素を発生するため、水素が燃料極での反応種の相当部分を占めるようになり、改質器を必要とせず直接型燃料電池と同様の簡単な構成で、水素を燃料とした場合の特性に大きく近づくような高い発電特性を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の燃料電池発電試験で用いた燃料電池構成を示した図
【図2】本発明の実施例1によるMEA1を用いた燃料電池の発電特性図
【図3】本発明の実施例2によるMEA3を用いた燃料電池の発電特性図
【図4】本発明の実施例3によるMEA5を用いた燃料電池の発電特性図
【符号の説明】
1 MEA
2 ガスケット板
3,4 燃料および空気のマニホルド孔
5,6 燃料および空気の流路
Claims (2)
- 電気化学的に燃料を酸化する機能を有する第1の触媒と、燃料を化学的に分解する機能を有する第2の触媒の双方を少なくとも含有する燃料極を備え、前記燃料が、第1の還元性物質である液体燃料、水、および前記第1の還元性物質よりも強力な還元力を有する第2の還元性物質を含む混合燃料であることを特徴とする燃料電池。
- 前記第1の触媒は、貴金属系触媒であり、前記第2の触媒は、銅系触媒であり、前記混合燃料の第1の還元性物質は、メチルアルコール、エチルアルコール、ジメチルエーテル、およびジメトキシエタンから選ばれた少なくとも1種の物質であり、かつ、前記第2の還元性物質は、ヒドラジン、水素化ホウ化物、およびホルムアルデヒドから選ばれた少なくとも1種の物質であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
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JP2012221564A (ja) * | 2011-04-04 | 2012-11-12 | Dainippon Printing Co Ltd | 固体高分子形燃料電池のエージング方法、及び固体高分子形燃料電池の発電システム |
US8557456B2 (en) | 2003-02-10 | 2013-10-15 | Panasonic Corporation | Fuel cell system |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002357585A patent/JP2004192879A/ja active Pending
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