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JP2004087282A - 非水電解液およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

非水電解液およびそれを用いた二次電池 Download PDF

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JP2004087282A
JP2004087282A JP2002246311A JP2002246311A JP2004087282A JP 2004087282 A JP2004087282 A JP 2004087282A JP 2002246311 A JP2002246311 A JP 2002246311A JP 2002246311 A JP2002246311 A JP 2002246311A JP 2004087282 A JP2004087282 A JP 2004087282A
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battery
electrolytic solution
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solvent
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JP2002246311A
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Akio Hibara
檜原 昭男
Takashi Hayashi
林 剛史
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】電極材料に安定で、適度な沸点を有し、粘度が低い新規な電解液溶媒を使用することにより、電解液の分解ガスによる電池の膨れが起り難く、充放電性能に優れた電解液を提供する。また、この非水電解液を含み、膨れが起り難く、充放電特性が優れる二次電池の提供する。
【解決手段】非水電解液は、非水溶媒とリチウム塩からなり、非水溶媒が特定の構造を有するハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物を含有することを特徴とする。ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物は、ハロゲン化メトキシベンゼンであることが好ましい。二次電池は、リチウムを吸蔵放出することが可能な負極および正極と、前記の非水電解液を備えたことを特徴とする。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水電解液および該電解液を使用した二次電池に関する。さらに詳しくは、ガスの発生が少ない非水電解液、および該電解液を使用し、電池の膨れが少なく充放電特性に優れた二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液を用いた電池は、高電圧でかつ高エネルギー密度を有しており、また貯蔵安定性などの信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広く用いられている。非水電解液を用いた電池の代表例として、リチウム電池とリチウムイオン二次電池があげられる。これらの電池は、リチウム金属またはリチウムを吸蔵、放出が可能な活物質からなる負極と、遷移金属酸化物、弗化黒鉛、またはリチウムと遷移金属の複合酸化物からなる正極と、電解液などから構成されている。
【0003】
非水電解液は、通常、非プロトン性有機溶媒にLiBF、LiPF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiSiFなどのLi電解質を混合した溶液が用いられる( Jean−Paul Gabano編 ”Lithium Battery”,ACADEMIC PRESS(1983) )。
【0004】
この非水電解液は、非水電解液電池において正極と負極間のイオンの受け渡しをする役割を担う。そのため、電池の充放電特性を高めるには正極と負極間のイオンの受け渡し速度をなるべく高める必要があり、電解液のイオン伝導度を高くすることや、電解液の粘度を低くして、拡散による物質移動を起りやすくする必要がある。また、電池の保存性やサイクル安定性を高めるためには、化学的、電気化学的な反応性の高い正極と負極に対して安定である必要がある。このような要件を満たす電解液として、一般的には、電気化学的に安定なプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなどの高誘電率カーボネート溶媒と、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートやジメチルカーボネートなどの低粘度カーボネート溶媒にLiPFなどのリチウム塩を溶解したものが使用されている。
【0005】
しかしながら、このような電解液を使用しても、長期間の使用や、高温での使用の場合には、微小な電解液の分解反応が起こり続け、電解液分解ガスによる電池の膨れや、分解堆積物によりイオン導電性が低下し、充放電特性が劣化することがある。例えば、黒鉛などの高結晶性炭素を負極に用いたリチウムイオン二次電池の場合、高誘電率カーボネート溶媒としてプロピレンカーボネートを用いた電解液を使用すると、初回充電時に黒鉛のエッジ面のはがれ(exfoliation)を伴いながら溶媒の還元分解反応が多く起こり、プロピレンと炭酸ガスと炭酸リチウム類を生成することが報告されている( J.Electrochem.Soc.,146(5)1664−1671(1999)など)。
【0006】
そこで、負極上での溶媒の耐還元安定性を高める試みとして、高誘電率カーボネート溶媒として還元分解反応が継続的に起こりにくいエチレンカーボネートを使用したり、負極上に保護層を形成して電解液の還元分解を抑制する化合物を電解液に添加することなど、数多くの報告がある。例えばビニレンカーボネートを含有させることによって、電池の貯蔵特性やサイクル特性が向上すること(特開平5−13088号公報、特開平6−52887号公報、特開平7−122296号公報、特開平9−347778号公報)や、黒鉛負極のエッジ面で還元分解を受けるプロピレンカーボネートを使用できること(第10回リチウム電池国際会議,抄録 No.286、特願平10−150420号公報)などが報告されているが、必ずしも満足されるものではない。
【0007】
ところで、電解液の溶媒として、芳香族化合物類を使用することが提案されている(特開平4−332479号公報、特開平5―36439号公報、特開平6−150970号公報、特開平9―232001号公報、特開平9―106835号公報、特開平10―275632号公報、特開平2000―195551号公報、特開平2000―215909号公報)。芳香族化合物系の溶媒は、低粘度のものが多く、電解液への溶解性も比較的良く、分子内に炭酸骨格を有しないため分解しても炭酸ガスを発生しないので、充放電特性に優れて、電池の膨れが起り難いリチウム電池用溶媒になる可能性を秘めている。しかしながら、本発明者らの検討では、電池の電圧が高い条件では芳香族化合物は酸化分解しやすく、電解液中に不溶物を生成するなどして、電池の特性を低下させる欠点があることが分かった。
【0008】
この点を改善するために、フッ素で置換することにより芳香族化合物の耐酸化性をコントロールすることが提案されている(特開平7―302614号公報、特開平9―50822号公報、特開平9−17447号公報、特開2000―156243号公報、特開平10−112335号公報、特開平11―329496号公報)。しかし、一般に水素をフッ素で置換すると、溶媒の粘度が上昇して電池の充放電特性が低下したり、また溶媒の沸点が低下し室温に近づくため、実用上取り扱い難くなるなどの問題がある。上記公報に示されたフッ素で置換された芳香族化合物は、芳香族環の水素をフッ素あるいはフルオロアルキル基で直接置換したものであるが、電解液として適度な沸点と粘度を満足するものは、必ずしも見出されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の状況に鑑み、電極材料に安定で、適度な沸点を有し、粘度が低い新規な電解液溶媒を使用することにより、電解液の分解ガスによる電池の膨れが起り難く、充放電性能に優れた電非水解液を提供することを目的とする。また、この非水電解液を含み、膨れが起り難く、充放電特性が優れる二次電池の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決する為に鋭意検討を行なった結果、ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物を含有する電解液を使用すると、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明の非水電解液は、下記一般式[1]で表わされるハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物を含有する非水溶媒とリチウム塩とからなることを特徴とする。
【化2】
Figure 2004087282
(上式中、Rは炭素数が1〜8のハロゲン置換炭化水素基を表し、RからRは水素、メチル基、またはエチル基を表す。)
【0012】
本発明の非水電解液において、前記ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物が、ハロゲン化メトキシベンゼンであることは、本発明の好ましい態様である。
【0013】
また、本発明の二次電池は、リチウムを吸蔵放出することが可能な負極および正極と、前記の非水電解液を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る非水電解液およびこの非水電解液を用いた二次電池について、以下に具体的に説明する。
【0015】
非水電解液
本発明に係る非水電解液は、非水溶媒とリチウム塩からなる非水電解液であって、非水溶媒にハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物を含有することを特徴とする。
【0016】
本発明において、ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物は、以下の一般式[1]で表される。
【0017】
【化3】
Figure 2004087282
【0018】
上式中Rは炭素数が1〜8のハロゲン置換炭化水素基を表し、例えば炭素数が1から8の炭化水素基をフッ素および/または塩素で置換されたものが挙げられる。炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが例示される。
【0019】
このようなハロゲン置換炭化水素基として具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、クロロジフルオロメチル基、ジクロロフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが例示される。
【0020】
また、RからRは水素、メチル基、またはエチル基を表す。
【0021】
ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物として具体的には、トリフルオロメトキシベンゼン、トリクロロメトキシベンゼン、フルオロメトキシベンゼン、ジフルオロメトキシベンゼン、p−トリフルオロメトキシトルエン、o−トリフルオロメトキシトルエン、m−トリフルオロメトキシトルエン、トリフルオロメトキシキシレン、ペンタフルオロエトキシベンゼン、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシベンゼン、2,2,2−トリフルオロエトキシベンゼン、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエトキシベンゼンなどが例示される。これらの中では、分子量が小さく、電解液のイオン伝導性への影響が少なく、かつ実用的な沸点を有していることから、メトキシベンゼンのメチル基をハロゲンで置換した、トリフルオロメトキシベンゼン、フルオロメトキシベンゼン、ジフルオロメトキシベンゼン等のハロゲン化メトキシベンゼンが最も好ましい。
【0022】
ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物の電解液への含有量は、電池膨れを少なくするためには多いことが望ましいが、多すぎると電解液のリチウムイオン伝導度が低下して電池の負荷特性が低下する。従って、含有量は電解液全体に対して1〜60wt%が好ましく、さらには1〜40wt%が好ましく、特に2〜20wt%が好ましい。
【0023】
本発明の非水電解液に用いられる非水溶媒には、少なくとも環状の非プロトン性溶媒および/または鎖状の非プロトン性溶媒を含むことが好ましい。環状の非プロトン性溶媒としては、エチレンカーボネートのような環状カーボネート、γ−ブチロラクトンのような環状エステル、スルホランのような環状スルホン、ジオキソランのような環状エーテルが例示され、鎖状の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカーボネートのような鎖状カーボネート、プロピオン酸メチルのような鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタンのような鎖状エーテル、リン酸トリメチルのような鎖状リン酸エステルが例示される。
【0024】
特に、電池の負荷特性、低温特性の向上を意図する場合には、非水溶媒を環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プロトン性溶媒の混合物にすることが望ましい。さらに、電解液の電気化学的安定性を重視する場合には、環状の非プロトン性溶媒には環状カーボネートを、鎖状の非プロトン性溶媒には鎖状カーボネートを用いることが望ましい。
【0025】
環状カーボネートの例として具体的には、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2‐ブチレンカーボネート、2,3‐ブチレンカーボネート、1,2‐ペンチレンカーボネート、2,3‐ペンチレンカーボネート、トリフルオロメチルエチレンカーボネートなどが挙げられる。特に、誘電率が高いエチレンカーボネートとプロピレンカーボネートが好適に使用される。負極活物質に黒鉛を使用した電池の場合は、とりわけエチレンカーボネートが好ましい。また、これらの環状カーボネートは2種以上混合して使用してもかまわない。
【0026】
鎖状カーボネートとして具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルトリフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。特に、粘度が低い、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートが好適に使用される。これらの鎖状カーボネートは2種以上混合して使用してもかまわない。
【0027】
環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合割合は、重量比で表して、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、好ましくは1:99〜80:20、さらに好ましくは5:95〜70:30、特に好ましくは10:90〜60:40である。このような比率にすることによって、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解離度を高めることができるため、電池の充放電特性に関わる電解液の伝導度を高めることができる。その結果、ハロゲン化アルキルオキシベンゼン類と併用することで、さらに常温または低温での電気伝導性に優れた電解液とすることでき、それを用いて常温から低温での電池の充放電特性を改善することが可能となる。
【0028】
また、電池の安全性向上のために、溶媒の引火点の向上を志向する場合には、非水溶媒として、環状の非プロトン性溶媒を単独で使用するか、鎖状の非プロトン性溶媒の混合量を、非水溶媒全体に対して重量比で20%未満に制限することが望ましい。
【0029】
この場合の環状の非プロトン性溶媒としては、特に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、スルホラン、γ−ブチロラクトン、メチルオキサゾリノンから選ばれる1種またはこれらの混合物を混合して用いることが好ましい。具体的な溶媒の組み合わせとしては、エチレンカーボネートとスルホラン、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートとγ−ブチロラクトン、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとγ―ブチロラクトンなどが例示される。
【0030】
鎖状の非プロトン性溶媒を非水溶媒全体に対して重量比で20%未満混合する場合は、鎖状の非プロトン性溶媒として、鎖状カーボネート、鎖状カルボン酸エステル、鎖状リン酸エステルが例示され、特に、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジヘプチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、メチルヘプチルカーボネートなどの鎖状カーボネートが望ましい。
この場合の環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合割合は、重量比で表して、環状カーボネート:鎖状カーボネートが、80:20〜99:1が望ましく、さらには90:10〜99:1が望ましい。
【0031】
本発明に係る非水電解液では、本発明の目的を妨げない範囲で、非水溶媒中に、上記以外の他の化合物を含んでいてもよく、他の溶媒としては、具体的にはジメチルホルムアミドなどのアミド類、メチル‐N,N‐ジメチルカーバメートなどの鎖状カーバメート類、N‐メチルピロリドンなどの環状アミド類、N,N‐ジメチルイミダゾリジノンなどの環状ウレア類、ほう酸トリメチル、ほう酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリオクチル、ほう酸トリ(トリメチルシリル)等のホウ酸エステル類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテルのようなエチレングリコール誘導体、および、分子内に極性基と炭素炭素多重結合を有する化合物類などを挙げることができる。
【0032】
また、分子内に極性基と炭素炭素多重結合を有する化合物を含有すると、電解液の負極への還元安定性が高くなるため好ましい。分子内に極性基と炭素炭素多重結合を有する化合物としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネート、無水マレイン酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、3−スルホレン、ジビニルスルホンなどが例示される。これらの分子内に極性基と炭素炭素多重結合を有する化合物のうちビニレンカーボネートが最も好ましい。
【0033】
リチウム塩
本発明の非水電解液に使用されるリチウム塩としては、通常、非水電解液用電解質として使用されているものであれば、いずれをも使用することができる。電解質の具体例としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiSiF、LiOSO(2k+1) (k=1〜8の整数)、LiN(SO(2k+1) (k=1〜8の整数)、LiPF(C(2k+1)(6−n) (n=1〜5、k=1〜8の整数)などのリチウム塩が挙げられる。また、次の一般式で示されるリチウム塩も使用することができる。LiC(SO11)(SO12)(SO13)、LiN(SOOR14)(SOOR15)、LiN(SO16)(SOOR17) (ここでR11〜R17は、互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基である)。これらのリチウム塩は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
【0034】
これらのうち、特に、LiPF、LiBF、LiN(SO(2k+1) (k=1〜8の整数)が好ましい。このような電解質は、好ましくは0.1〜3モル/リットル、より好ましくは0.5〜2モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれていることが望ましい。
【0035】
非水電解液二次電池
本発明に係る非水電解液二次電池は、負極と、正極と、負極と正極を分離するセパレーターと、上記の非水電解液とを含んで基本的に構成されている。
【0036】
負極を構成する負極活物質としては、金属リチウム、リチウム含有合金;またはリチウムとの合金化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金;リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な酸化スズ、酸化シリコン;リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属酸化物;リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な遷移金属窒素化物;リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材料、またはこれらの混合物のいずれをも用いることができる。
【0037】
これらの中でもリチウムイオンをドーブ・脱ドーブすることが可能な炭素材料が特に好ましい。このような炭素材料は、カーボンブラック、活性炭、人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素材料類であってもよく、繊維状、球状、ポテト状、フレーク状いずれの形態であってもよい。
【0038】
非晶質炭素材料として具体的には、ハードカーボン、コークス、1500℃以下に焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズピッチカーボンファイバー(MCF)などが例示され、黒鉛材料としては、天然黒鉛、黒鉛化コークス、黒鉛化MCMB、黒鉛化MCFなどが用いられる。また、黒鉛材料としては、ホウ素を含有するものなども用いることができ、また、金、白金、銀、銅、Sn、Si等金属で被覆したもの、非晶質炭素で被覆したものも使用することができる。これらの炭素材料は、1種類で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。炭素材料としては、特にX線解析で測定した(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下の炭素材料が好ましく、真密度が1.70g/cm以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用すると、電池のエネルギー密度を高くすることができる。
【0039】
正極を構成する正極活物質としては、FeS、MoS、TiS、MnO、Vなどの遷移金属酸化物または遷移金属硫化物、LiCoO、LiMnO、LiMn、LiNiO、LiNiCo(1−X)、LiNiCoMn(1−x−y)などのリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾール/ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料、フッ素化炭素、活性炭などの炭素材料等が挙げられる。これらの中でも、特にリチウムと遷移金属とからなる複合酸化物が好ましい。正極活物質は1種類で使用してもよく、2種類以上混合して使用してもよい。正極活物質は通常導電性が不十分であるため、導電助剤とともに使用して正極を構成する。導電助剤としては、カーボンブラック、アモルファスウィスカーカーボン、グラファイトなどの炭素材料を例示することができる。
【0040】
セパレータは、正極と負極を電気的に絶縁しかつリチウムイオンを透過する膜であって、多孔性膜や高分子電解質が例示される。多孔性膜としては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリエステル等が例示される。特に、多孔性ポリオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポリエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルムを例示することができる。多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に優れる他の樹脂がコーティングされていても良い。高分子電解質としては、リチウム塩を溶解した高分子や、電解液で膨潤させた高分子等が挙げられる。本発明の電解液は、高分子を膨潤させて高分子電解質を得る目的で使用しても良い。
【0041】
このような非水電解液二次電池は、円筒型、コイン型、角型、フィルム型その他任意の形状に形成することができる。しかし、電池の基本構造は形状によらず同じであり、目的に応じて設計変更を施すことができる。
【0042】
【実施例】
1.電池の作製
<非水電解液の調製>
非水溶媒として、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)を、EC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合したものを用い、次に電解質であるLiPFを溶解し電解質濃度が1.0モル/リットルとなるように非水電解液を調製した(この電解液をブランクと呼ぶ。)。次に、非水溶媒として上記のものに、ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物としてトリフルオロメトキシベンゼンを含有させたものを用い、同様に非水電解液を調製した。さらに、表1に示すような非水溶媒を用いて、同様に非水電解液を調製した。電解液の組成を表1にまとめた。
【0043】
【表1】
Figure 2004087282
【0044】
<負極の作製>
MCMB(大阪ガス製 MCMB10−28)74重量部と天然黒鉛(中越黒鉛LF18A)20重量部を結着剤のポリフッ化ビニリデン(PVDF)6重量部と混合し、溶剤のN−メチルピロリジノンに分散させ、負極合剤スラリーを調製した。次に、この負極合剤スラリーを厚さ18μmの帯状銅箔製の負極集電体に塗布し、乾燥した。
【0045】
<正極の作製>
LiCoO(本荘FMCエナジーシステムズ(株)製 HLC−22)82重量部と、導電剤の黒鉛7重量部及びアセチレンブラック3重量部と結着剤のポリフッ化ビニリデン8重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリドンに分散させ、LiCoO合剤スラリーを調製した。このLiCoO合剤スラリーを厚さ20μmのアルミ箔に塗布し、乾燥した。
【0046】
<コイン型電池の作製>
コイン型電池用負極には、上述の負極を圧縮成型し、14mmの円盤状に打ち抜いて、コイン状の負極を得た。この負極合剤の厚さは70μm、重量は20mg/14mmφであった。
コイン型電池用正極には、上述の正極を圧縮成型し、13.5mmの円盤状にうちぬき、コイン状のLiCoO電極を得た。このLiCoO合剤の厚さは70μm、重量は42mg/13.5mmφであった。
【0047】
上述のコイン状の負極、正極と、厚さ25μm、直径16mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできたセパレータとを、ステンレス製の2032サイズの電池缶の負極缶内に、負極、セパレーター、正極の順序で積層した。その後、セパレータに前記非水電解液0.04mlを注入した後に、その積層体の上にアルミニウム製の板(厚さ1.2mm、直径16mm)、およびバネを重ねた。最後に、ポリプロピレン製のガスケットを介して電池の正極缶をかぶせて、缶蓋をかしめることにより、電池内の気密性を保持し、直径20mm、高さ3.2mmのコイン型電池を作製した。
【0048】
<ラミネート電池の作製>
上述と同一の電極を使用し、寸法85mm×50mmの負極、寸法76mm×46mmの正極を切り出し、幅55mm長さ110mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからできたセパレータを介して対向させて電極群とした。この電極群を、アルミニウムラミネートフィルム(昭和ラミネート製)で作製した筒状の袋に、正極、負極の両リード線が片方の開放部から引き出されるように収容し、まず、リード線が引き出された側を熱融着して閉じた。次に、電解液1.4mlを電極群に注入し含浸させた後、残った開放部を熱融着して電極群を袋中に密封し、ラミネート電池を得た。
【0049】
2.電池特性の評価
<電池膨れの評価>
前述のラミネート電池を4.1Vに充電し、45℃で24時間保存(エージングと呼ぶ)後、4.2Vから3.0Vの充放電を行い、電池の容量を確認した。この時の電池の容量は150mAhであった。続いて、この電池を4.2Vに充電し、85℃で3日間保存(高温保存と呼ぶ)した。エージング後の電池の容積と高温保存後の電池の容積を測定し、その差分から高温保存時の電池の膨れを測定した。測定に使用した電解液と電池膨れの測定結果を表2に示した。
【0050】
<保存特性の評価>
前述のコイン型電池を4.2Vに充電後、5mAの定電流で3.0Vまでの放電を行い、初期の電池容量を確認した。次に、4.1Vに充電し、エージングを行った後、4.2Vに充電後、5mAの定電流で3.0Vまでの放電を行い、エージング後の電池容量を求めた。最後に、4.2Vに充電し、高温保存を行った後、4.2Vに充電後、5mAの定電流で3.0Vまでの放電を行い、高温保存後の電池容量を求めた。
【0051】
充放電特性の評価は下記の式で定義した初期容量比と、エージング後の容量比と、高温保存後の容量比で比較して行った。
【数1】
Figure 2004087282
測定に使用した電解液と、高温保存特性の評価結果を表3に示した。
【0052】
【表2】
Figure 2004087282
【0053】
【表3】
Figure 2004087282
【0054】
以上の結果より、本発明の非水電解液は、電解液として適度な沸点と粘度を有し、電気化学的安定性に優れた特定の溶媒を含有するため、初期容量の低下がなく、保存特性に優れ、かつ電池の膨れが起り難い二次電池が得られることが分かった。
【0055】
これに対して比較例のフルオロベンゼンを添加した電解液は、フルオロベンゼンが適度な粘度を有し電気化学的な安定性も高いため、初期容量の低下がなく、高温保存後に室温に戻したときの電池の膨れは小さかったが、沸点が低いために蒸気圧により高温保存中には電池が膨れてしまい好ましくないことが分かった。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、電池の膨れが起り難く、充放電特性に優れた非水電解液を得ることができる。また、本発明の非水電解液を使用することで、高温保存中および高温保存後も膨れ難く充放電特性に優れた二次電池を得ることができる。

Claims (3)

  1. 下記一般式[1]で表わされるハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物を含有する非水溶媒とリチウム塩とからなることを特徴とする非水電解液。
    Figure 2004087282
    (上式中、Rは炭素数が1〜8のハロゲン置換炭化水素基を表し、RからRは水素、メチル基、またはエチル基を表す。)
  2. 前記ハロゲン化アルキルオキシベンゼン化合物が、ハロゲン化メトキシベンゼンであることを特徴とする請求項1記載の非水電解液。
  3. リチウムを吸蔵放出することが可能な負極および正極と、請求項1または2記載の非水電解液を備えたことを特徴とする二次電池。
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