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JP2004076024A - アルミニウム系基材の処理方法及び製品 - Google Patents

アルミニウム系基材の処理方法及び製品 Download PDF

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JP2004076024A
JP2004076024A JP2002233544A JP2002233544A JP2004076024A JP 2004076024 A JP2004076024 A JP 2004076024A JP 2002233544 A JP2002233544 A JP 2002233544A JP 2002233544 A JP2002233544 A JP 2002233544A JP 2004076024 A JP2004076024 A JP 2004076024A
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JP
Japan
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epoxy resin
chemical conversion
aluminum
ion
based substrate
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Pending
Application number
JP2002233544A
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English (en)
Inventor
Yasushi Chihara
千原 裕史
Eisaku Okada
岡田 栄作
Katsuhiro Shioda
塩田 克博
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Nippon Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】アルミニウム系基材に対して好適に適用でき、耐食性、密着性に優れるアルミニウム系基材の処理方法を提供する。
【解決手段】ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、フッ素イオン、リン酸イオン、並びに、可溶性エポキシ樹脂からなる化成処理剤で化成処理する工程からなるアルミニウム系基材の処理方法であって、上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンの含有量は、20〜500ppmであり、上記フッ素イオンの含有量は、上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンに対して、モル比で、6倍以上であり、上記リン酸イオンの含有量は、20〜500ppmであり、上記可溶性エポキシ樹脂は、樹脂100g当たり−NH及び/又は−NH を少なくとも0.1モル有するものであり、上記化成処理剤は、pHが2.5〜4.5であるアルミニウム系基材の処理方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウム系基材の処理方法及び製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミダイキャストAC−4C、AC−4CH、5000番系、6000番系アルミニウム合金等のアルミニウム基材やアルミニウム合金基材は、素材自体に光輝性があり、軽量であるため、これらの特性を活かして、様々な分野で利用が拡大している。例えば、自動車のホイールは、鉄製のものが主流であったが、自動車の高級化、軽量化が要求されるようになってから、アルミニウム合金基材からなるアルミホイールの需要が高まっている。
【0003】
一般に、アルミニウム基材は、上述した特性を有する一方、耐食性が不充分であるため、表面に傷等が存在すると糸錆が発生したり、表面に酸化膜ができやすい欠点がある。また、アルミニウム合金基材は、強度を高めるために添加した他の成分が不純物として表面に浮き上がってくる問題もあり、そのまま塗装すると塗膜との密着性が不充分となる場合がある。このため、これらの基材には、耐食性や密着性等の性能を向上させるために表面処理が施されている。
【0004】
アルミホイールの表面処理法としては、脱脂を行った後、アルマイト法等の陽極酸化、着色処理、クロメート処理、MBV法、ベーマイト法等の化学皮膜処理等が行われている。なかでも、塗膜の密着性や耐食性をより向上させることができることから、クロメート処理が好適に用いられている。
【0005】
しかしながら、クロメート処理では、優れた耐食性を付与することができるものの、クロメート皮膜がカーキ色に着色しているので、アルミニウム基材やアルミニウム合金基材の表面の光沢が皮膜で隠されてしまう。このため、アルミホイールのように素材の光輝性が要求される用途では、クロムの付着量が制限され、充分な耐食性を付与することができない場合がある。
【0006】
また、近年の環境規制の動向からノンクロム化が求められており、このような要求に応えるべく、種々の有基材と無機材との複合が提案されているが、密着性、耐食性の点で充分満足できるものは得られておらず、更に、改良が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記現状に鑑み、クロムを使用せず、アルミダイキャストAC−4C、AC−4CH、5000番系、6000番系アルミニウム合金等のアルミニウム系基材に対して好適に適用でき、耐食性、密着性に優れるアルミニウム系基材の処理方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、フッ素イオン、リン酸イオン、並びに、可溶性エポキシ樹脂からなる化成処理剤で化成処理する工程からなるアルミニウム系基材の処理方法であって、上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンの含有量は、質量基準で、20〜500ppmであり、上記フッ素イオンの含有量は、上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンに対して、モル比で、6倍以上であり、上記リン酸イオンの含有量は、質量基準で、20〜500ppmであり、上記可溶性エポキシ樹脂は、樹脂100g当たり−NH及び/又は−NH を少なくとも0.1モル有するものであり、上記化成処理剤は、pHが2.5〜4.5であることを特徴とするアルミニウム系基材の処理方法である。
【0009】
上記可溶性エポキシ樹脂は、エポキシ当量150〜1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂にケチミンを付加し、更に酸により中和して得られるものであることが好ましい。
上記アルミニウム系基材は、アルミホイールであることが好ましい。
【0010】
本発明はまた、上記アルミニウム系基材の処理方法により得られることを特徴とする製品でもある。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明のアルミニウム系基材の処理方法におけるアルミニウム系基材とは、基材の一部又は全部がアルミニウム及び/又はその合金からなる基材を意味するものである。
上記アルミニウム系基材としては、基材の一部又は全部がアルミニウム及び/又はその合金からなるものであれば特に限定されず、例えば、アルミダイキャストAC−4C、アルミダイキャストAC−4CH、5000番系アルミニウム合金、6000番系アルミニウム合金等を挙げることができる。なかでも、アルミダイキャストAC−4C、アルミダイキャストAC−4CHが好ましい。
【0012】
本発明のアルミニウム系基材の処理方法が適用されるアルミニウム系基材としては、アルミホイールが好ましい。本発明のアルミニウム系基材の処理方法は、優れた耐食性、密着性を有する塗膜が得られ、かつ、表面の光輝性を保持することができるので、外観に光沢が要求されるアルミホイールに好適に適用することができる。従って、アルミダイキャストAC−4C、アルミダイキャストAC−4CH製のアルミホイールに対して、上記アルミニウム系基材の処理方法を適用することにより、耐食性、密着性、外観に優れたアルミホイールを得ることができる。
【0013】
本発明のアルミニウム系基材の処理方法は、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、フッ素イオン、リン酸イオン、並びに、可溶性エポキシ樹脂からなる化成処理剤で化成処理する工程を行うものである。
【0014】
上記化成処理剤は、上記アルミニウム系基材を化成処理する処理剤であり、上記工程は、このような化成処理剤を用いて化成処理を行う工程である。上記工程を行うことにより、アルミニウム系基材の表面に化成皮膜を形成させ、耐食性を向上させることができ、塗膜の密着性を向上させることもできる。
【0015】
本発明のアルミニウム系基材の処理方法において、上記工程を行うアルミニウム系基材には、必要に応じて、脱脂処理が施される。上記脱脂処理としては特に限定されず、アルカリ脱脂洗浄等の通常のアルミニウム基材又はアルミニウム合金基材の処理に用いられている方法で行うことができる。
【0016】
上記脱脂処理の方法としては特に限定されないが、脱脂を効果的に行うために、浸漬法で行うことが好ましい。上記脱脂処理を行った後は、次の工程に持ち込まれる脱脂剤の量を減らすために、脱脂後水洗処理を行うことが好ましい。
【0017】
上記工程における化成処理剤は、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオンを含有してなるものである。
上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンは、上記工程で形成される化成皮膜の皮膜形成成分であり、アルミニウム系基材にこれらの成分を含む化成皮膜が形成されることにより、基材の耐食性や密着性を向上させることができる。
【0018】
上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンの含有量は、質量基準で、下限が20ppm、上限が500ppmである。20ppm未満であると、基材に形成される化成皮膜の皮膜量が小さくなることによって、耐食性や密着性が低下するおそれがあり、500ppmを超えると、効率的に化成皮膜が形成されないおそれがある。好ましい下限は50ppm、好ましい上限は300ppmである。なお、上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンの含有量とは、ジルコニウムイオンとチタニウムイオンとの合計の含有量を意味するものである。上記工程における化成処理剤は、耐食性、密着性の観点から、ジルコニウムイオンを必須成分として含有するものであることが好ましい。
【0019】
上記ジルコニウムイオンの供給源としては特に限定されず、例えば、KZrF等のアルカリ金属フルオロジルコネート、(NHZrF等のフルオロジルコネート;HZrF等のフルオロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化ジルコニウム;酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
【0020】
上記チタニウムイオンの供給源としては特に限定されず、例えば、アルカリ金属フルオロチタネート、(NHTiF等のフルオロチタネート;HTiF等のフルオロチタネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化チタン;酸化チタン等を挙げることができる。
【0021】
上記工程における化成処理剤は、フッ素イオンを含有してなるものである。
上記フッ素イオンは、上記工程において、アルミニウム系基材に対するエッチング剤としての役割を果たすものである。
【0022】
上記フッ素イオンの含有量は、上記ジルコニウムイオン及び/又は上記チタニウムイオンに対して、モル比で、6倍以上である。上記工程における化成処理剤において、上記フッ素イオンのモル数が上記ジルコニウムイオンと上記チタニウムイオンとの合計モル数の6倍以上であることを意味するものである。6倍未満であると、エッチングが不充分となって、均一な皮膜を形成することができなくなり、塗装後の耐食性が低下するおそれがある。
【0023】
上記フッ素イオンの供給源としては特に限定されず、例えば、フッ化水素酸、フッ化水素酸塩、フッ化硼素酸等を挙げることができる。なお、上記フッ素イオンの供給源として、上記ジルコニウムイオンや上記チタニウムイオンの供給源として挙げたジルコニウム又はチタンの錯体を用いる場合には、生成するフッ素イオンの量が不充分であるので、上記フッ素化合物を併用することが好ましい。
【0024】
上記工程における化成処理剤は、リン酸イオンを含有してなるものである。
上記リン酸イオンは、上記工程で形成される化成皮膜の皮膜形成成分であり、アルミニウム系基材にリンを含む化成皮膜が形成されることにより、基材の耐食性や密着性を向上させることができる。特に、アルミニウム系基材にリンを含む化成皮膜が形成されることにより、耐食性をより向上させることができる。
【0025】
上記リン酸イオンの含有量は、質量基準で、下限20ppm、上限500ppmである。20ppm未満であると、基材に形成される化成皮膜の皮膜量が小さくなることによって、耐食性や密着性が低下するおそれがあり、500ppmを超えると、効率的に化成皮膜が形成されないおそれがある。好ましい下限は50ppm、好ましい上限は300ppmである。
【0026】
上記リン酸イオンの供給源としては特に限定されず、例えば、リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸アルカリ金属塩等の酸溶液に可溶なリン酸化合物等を挙げることができる。なお、上記リン酸イオンの供給源としては、オルトリン酸を用いるのが望ましいが、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、次リン酸、これらの塩を使用してもよい。
【0027】
上記工程における化成処理剤は、可溶性エポキシ樹脂を含有してなるものである。
上記可溶性エポキシ樹脂とは、pH2.5に調整された溶液中において、溶解することができるエポキシ樹脂を意味するものである。pH2.5において、安定に溶解することができるエポキシ樹脂であることから、上記工程における化成処理剤中においても、エポキシ樹脂が析出することを防止することができ、好適に上記化成処理剤中に含有させることができる。pHが2.5未満で析出する樹脂である場合には、上記化成処理剤中において析出するおそれがある。また、pH4.5を超える溶液中においては、溶解しないことが好ましい。4.5を超えて析出する樹脂である場合には、エポキシ樹脂を含む化成皮膜が形成されないおそれがある。より好ましくは、pH3.0に調整された溶液中において、溶解することができるエポキシ樹脂である。
【0028】
上記可溶性エポキシ樹脂を含有してなることにより、エポキシ樹脂が含まれる化成皮膜を形成することができ、これにより化成皮膜のアルミニウム系基材への密着性を向上させることができる。これは、化成皮膜中におけるエポキシ樹脂に存在する水酸基等の官能基がアルミニウム系基材表面に吸着されることにより化成皮膜の密着性が向上するものと推察される。
【0029】
上記化成皮膜において、エポキシ樹脂が化成皮膜中の成分として含まれることは、エポキシ樹脂がアルミニウム系基材と処理剤との界面において自己析出することによるものと推察される。即ち、上記化成処理剤中のフッ素イオン等の成分がアルミニウム系基材をエッチングすることによりアルミニウム系基材と処理剤との界面におけるpHが上昇し、界面における可溶性エポキシ樹脂中に存在する−NH が−NHへと変化することによって可溶性エポキシ樹脂の溶解性が低下し、その結果、アルミニウム系基材表面においてエポキシ樹脂が自己析出し、これによりエポキシ樹脂を含む化成皮膜が形成されることになるものと推察される。
【0030】
上記可溶性エポキシ樹脂は、樹脂100g当たり−NH及び/又は−NH を少なくとも0.1モル有するものである。即ち、本発明における可溶性エポキシ樹脂100g中には、−NHで表される官能基、−NH で表される官能基が合計で少なくとも0.1モル有していることを意味するものである。これにより、エポキシ樹脂が酸に可溶となり、上記化成処理剤中において安定に溶解した状態を維持でき、アルミニウム系基材を化成処理する際には、基材表面におけるpHが上昇することにより自己析出し、形成される化成皮膜中の成分として含まれ、その結果、基材表面への密着性が向上することになる。0.1モル未満であると、酸への可溶性が低下し、処理浴中で析出するおそれがある。上記可溶性エポキシ樹脂は、樹脂100g当たり−NH及び/又は−NH を少なくとも0.4モル有するものが好ましい。より好ましい下限は0.3モル、より好ましい上限は0.5モルである。
【0031】
上記可溶性エポキシ樹脂は、エポキシ当量150〜1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂にケチミンを付加し、更に酸により中和して得られるものであることが好ましい。即ち、例えば、上記可溶性エポキシ樹脂は、先ずエポキシ当量の下限が150、上限が1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を調製し、次いで調製した樹脂に、ケチミンを付加反応させることによりケチミン付加体を調製し、得られたケチミン付加体を、更に酸により中和することにより樹脂中に−NH、−NH を導入することにより得られるものを挙げることができる。
【0032】
上記エポキシ当量の下限が150、上限が1000であることにより、上記可溶性エポキシ樹脂が処理浴中において析出することを抑制し、安定に存在させることができることとなる。150未満であると、本発明における可溶性エポキシ樹脂として機能しないおそれがある。1000を超えると、酸への溶解性が保持できないおそれがある。好ましい下限は200、好ましい上限は800であり、より好ましい下限は400であり、より好ましい上限は600である。
【0033】
上記エポキシ当量の下限が150、上限が1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂の製造方法としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールA及び/又はビスフェノールFとをエポキシ当量が150〜1000になるように配合して反応すること等の公知の方法により製造することができる。また、エポキシ当量が150〜1000である市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることもできる。
【0034】
上記エポキシ当量の下限が150、上限が1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂の製造方法としてはまた、市販のエポキシ樹脂とビスフェノールA及び/又はビスフェノールFとをエポキシ当量が150〜1000になるように配合し反応させることによっても得ることができる。
【0035】
上記市販のエポキシ樹脂と上記ビスフェノールA及び/又は上記ビスフェノールFとを反応する際に、溶剤、触媒等を併用して製造することができる。
上記溶剤としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、キシレン等を挙げることができる。なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましい。
【0036】
上記溶剤の含有量としては、反応に用いられる組成物中の固形分濃度の下限が60質量%、上限が98質量%となる含有量であることが好ましい。60質量%未満であったり、98質量%を超えたりすると、反応の進行が阻害されるおそれがある。より好ましい下限は70質量%、より好ましい上限は95質量%である。
【0037】
上記触媒としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルベンジルアミン等を挙げることができる。なかでも、2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましい。
【0038】
上記触媒の含有量は、反応に用いられる市販のエポキシ樹脂の固形分100質量%に対して、好ましい下限が50ppm、好ましい上限が500ppmである。50ppm未満であると、添加する効果が見られないおそれがあり、500ppmを超えると、経済的でない。より好ましい下限は100ppm、より好ましい上限は300ppmである。
【0039】
上記市販のエポキシ樹脂と上記ビスフェノールA及び/又は上記ビスフェノールFとの反応は、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記市販のエポキシ樹脂と上記ビスフェノールA及び/又は上記ビスフェノールFとの反応における反応温度は、通常100〜200℃程度で行うことができる。100℃未満であると、反応速度が小さくなるおそれがあり、200℃を超えると、経済的でない。
【0040】
上記市販のエポキシ樹脂と上記ビスフェノールA及び/又は上記ビスフェノールFとの反応は、エポキシ当量が150〜1000になれば、反応を終了することになり、通常の反応時間としては、1〜10時間程度である。1時間未満であったり、10時間を超えると、エポキシ当量が150〜1000の範囲外となるおそれがある。なお、通常上記市販のエポキシ樹脂と上記ビスフェノールA及び/又は上記ビスフェノールFとの反応は、反応中において、エポキシ樹脂のエポキシ当量を調べながら行うことが好ましい。
【0041】
上記市販のエポキシ樹脂と上記ビスフェノールA及び/又は上記ビスフェノールFとの反応において、反応中において、エポキシ当量を調べる方法としては、例えば、JIS−K7236(エポキシ樹脂のエポキシ当量試験方法)を挙げることができる。
【0042】
上記市販のエポキシ樹脂と上記ビスフェノールA及び/又は上記ビスフェノールFとの反応により得られる樹脂の数平均分子量は、好ましい下限が300、好ましい上限が2000であり、より好ましい下限が500、より好ましい上限が1500である。300未満であると、本発明における可溶性エポキシ樹脂として機能しないおそれがある。2000を超えると、酸への溶解性が保持できないおそれがある。
【0043】
上記ケチミンとは、下記式(1)で表される構造を少なくとも1個有し、かつ、エポキシ基と反応する官能基を少なくとも1個有する化合物を意味するものである。
【0044】
【化1】
Figure 2004076024
【0045】
上記エポキシ基と反応する官能基としては、例えば、−NH−等を挙げることができる。
【0046】
上記ケチミンは、上述した方法により得られるエポキシ当量の下限が150、上限が1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂に付加するものである。上記ケチミンを付加させた後、酸により中和することにより1級アミノ基が導入され、これにより、得られる可溶性エポキシ樹脂の酸溶液中での安定性が良好になる。
【0047】
上記ケチミンとしては、例えば、モノケチミン、ジケチミン等を挙げることができる。
上記モノケチミンとしては特に限定されず、例えば、アミノエチルエタノールアミンとメチルイソブチルケトン(MIBK)とを反応させることにより得られるアミノエチルエタノールアミンMIBKブロック体(アミノエチルエタノールアミン封鎖体)等を挙げることができる。
【0048】
上記ジケチミンとしては特に限定されず、例えば、ジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトン(MIBK)とを反応させることにより得られるジエチレントリアミンMIBKブロック体(ジエチレントリアミン封鎖体)等を挙げることができる。
【0049】
上記ケチミンとしては、モノケチミンにより得られる可溶性エポキシ樹脂よりもジケチミンにより得られる可溶性エポキシ樹脂の方が樹脂として析出するpHが高いことから、ジケチミンを用いてアミノ基を導入する方が好ましく、ジエチレントリアミンMIBKブロック体(ジエチレントリアミン封鎖体)がより好ましい。
【0050】
上記ケチミンを添加して付加反応させる際において、反応温度は、50〜150℃で行うことが好ましい。50℃未満であると、反応速度が小さくなるおそれがあり、150℃を超えると、経済的でない。
【0051】
上記ケチミンを添加して付加反応させる際において、反応時間は、10分〜5時間であることが好ましい。10分未満であると、エポキシ基とアミノ基との反応が完全に進行していないおそれがあり、5時間を超えると、経済的でない。
【0052】
上記ケチミンの添加量は、エポキシ当量の下限が150、上限が1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂のエポキシ1当量に対して、アミン(MIBK等により封鎖されたアミンを除く)下限0.8当量、上限1.2当量となるような添加量であることが好ましい。0.8当量未満であると、酸への溶解性が低下するおそれがあり、1.2当量を超えても、経済的でないおそれがある。より好ましい下限は0.9当量、より好ましい上限は1.1当量であり、更に好ましくは1当量である。
【0053】
上記ケチミンを添加して付加反応させる際において、反応を行う組成物中の固形分濃度が50〜90質量%であることが好ましい。固形分濃度の調整には、例えば、上述した反応に用いるプロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤を添加することにより行うことが好ましい。
【0054】
上記可溶性エポキシ樹脂は、上述した方法により得られるケチミンが付加されたビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂を、更に酸により中和して得られるものである。酸により中和することにより、−NH、−NH を有するものとなり、得られる可溶性エポキシ樹脂を酸溶液中で安定に溶解させることができる。
【0055】
上記酸により中和することにより可溶性エポキシ樹脂を得る方法としては、例えば、酸と水とを入れた容器を攪拌しながら、上述した方法により得られるケチミンを付加したエポキシ樹脂を容器内に滴下することにより行うことができ、これにより可溶性エポキシ樹脂を得ることができる。使用する水は、純水であることが好ましい。
【0056】
上記酸としては、導入されているアミノ基を中和するものであれば特に限定されず、例えば、酢酸、硝酸等を挙げることができる。なかでも、樹脂の溶解性の点から、酢酸が好ましい。
【0057】
上記酸と水とを入れた容器内にケチミンを付加したエポキシ樹脂を滴下することにより中和を行う際において、中和率が10〜100%となるように上記酸の量を調整することが好ましい。10%未満であると、得られるエポキシ樹脂の酸への溶解性が低下するおそれがあり、100%を超えると、経済的でない。なお、上記中和率とは、エポキシ樹脂に導入されたアミノ基が酸によって中和される割合を意味するものである。
【0058】
上記酸と水とを入れた容器内にケチミンを付加したエポキシ樹脂を滴下することにより中和を行う際において、樹脂滴下後における組成物の固形分濃度が30〜70質量%となることが好ましい。
【0059】
上述した方法により得られた可溶性エポキシ樹脂は、反応終了後の中和・水溶化した状態で保存しておくことが好ましい。これにより、上記工程における化成処理剤に可溶性エポキシ樹脂を含有させる際に、水に溶解した状態で保存しているエポキシ樹脂溶液を添加することにより行うことができるため、効率的に化成処理剤を調製することができる。また、アミン化したエポキシ樹脂は粘度が高く扱いにくいため、酸で中和し水溶化した方が扱い易い。
【0060】
上記可溶性エポキシ樹脂を上記化成処理剤の成分として添加する場合には、可溶性エポキシ樹脂や、上記水に溶解した状態で保存されているエポキシ樹脂溶液を水により希釈して用いることが好ましい。
【0061】
上記希釈の際には、希釈後の可溶性エポキシ樹脂溶液において、固形分濃度が5〜25%となるように希釈することが好ましい。水を添加して希釈する際には、容器内に徐々に添加することが好ましく、例えば、上記ケチミンを付加したエポキシ樹脂の滴下後において得られる組成物の固形分濃度が50%である場合には、50%から40%、30%、20%、10%となるように順次水を添加することが好ましい。なお、希釈する場合には、水を連続的に添加してもよく、水を断続的に添加してもよい。使用する水は、純水であることが好ましい。
【0062】
上記可溶性エポキシ樹脂の固形分としての含有量は、上記化成処理剤において、質量基準で、好ましい下限が20pm、好ましい上限が2000ppmである。20ppm未満であると、得られる化成皮膜中において、適正な樹脂析出量が得られないおそれがあり、2000ppmを超えると、効率的に化成皮膜が形成されないおそれがある。より好ましい下限は100ppm、より好ましい上限は1000ppmである。
【0063】
上記工程における化成処理剤は、pHの下限が2.5、上限が4.5である。2.5未満であると、化成皮膜の付着量が充分でないために、得られる化成皮膜の性能に劣るおそれがあり、4.5を超えると、化成浴中でリン酸ジルコニウム及び樹脂が析出するおそれがある。好ましい下限は2.7、好ましい上限は4.0であり、より好ましい下限は2.9、より好ましい上限は3.7である。
【0064】
上記化成処理剤におけるpHの調整は、硝酸、過塩素酸、硫酸、硝酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等の化成処理に悪影響を与えない酸又は塩基を用いて行うのが好ましい。例えば、硝酸とアンモニア、又は、硝酸と水酸化ナトリウムによって調整する方法等を挙げることができ、硝酸とアンモニアにより調整する方法が好ましい。硝酸、アンモニア、水酸化ナトリウムを処理剤中に含有させても、これらは皮膜形成成分ではないので、化成処理によって減少する成分であるジルコニウムイオン、チタニウムイオン、フッ素イオン、リン酸イオン、可溶性エポキシ樹脂を補給することによりpHを所望の範囲に維持することができる。
【0065】
上記工程における化成処理剤において、処理剤中に硝酸イオンを含有させることによってpHを調整する場合には、硝酸イオンの含有量は、質量基準で、好ましい下限が100ppm、好ましい上限が5000ppmである。100ppm未満であると、処理剤のpHを2.5〜4.5に維持できず、良好な皮膜が形成されないおそれがあり、5000ppmを超えると、効率的に皮膜が形成されないおそれがある。より好ましい下限は200ppm、より好ましい上限は3000ppmである。
【0066】
上記工程における化成処理の方法としては、浸漬法、スプレー法等を挙げることができる。
上記工程における化成処理において、上記化成処理剤の温度は、好ましい下限は20℃、好ましい上限は60℃であり、より好ましい下限は40℃、より好ましい上限は55℃である。20℃未満であると、反応性が低く、皮膜の析出性が悪くなり、耐食性が低下するおそれがある。60℃を超えると、エネルギーのロスが大きくなるおそれがある。
【0067】
上記工程における化成処理において、上記化成処理剤の処理時間は、好ましい下限は30秒、好ましい上限は5分であり、より好ましい下限は60秒、より好ましい上限は180秒である。30秒未満であると、形成される皮膜量が充分でなく、耐食性や密着性が低下するおそれがあり、5分を超えると、皮膜形成における効率が悪いおそれがある。
【0068】
上記工程の後、必要に応じて化成後水洗処理を行うことができる。
上記化成後水洗処理は、塗膜外観等に悪影響を及ぼさないようにするために、1回又はそれ以上により行われるものである。この場合、最終の水洗は、純水で行われることが適当である。この化成後水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗することもできる。また、上記化成後水洗処理の後には、必要に応じて、公知の方法により乾燥することができる。
【0069】
上記工程における化成処理により形成される化成皮膜におけるジルコニウム及び/又はチタン金属量としては、好ましい下限は15mg/m、好ましい上限は60mg/mであり、より好ましい下限は20mg/m、より好ましい上限は30mg/mである。15mg/m未満であると、化成皮膜における金属量が小さいために、耐食性や密着性等の性能を確保することができないおそれがあり、60mg/mを超えても、耐食性や密着性等の性能が悪くなるおそれがある。なお、ジルコニウム及び/又はチタン金属量とは、化成皮膜中におけるジルコニウムとチタンとの合計の金属量を意味するものである。
【0070】
上記工程における化成処理により形成される化成皮膜におけるリン量としては、好ましい下限は5mg/m、好ましい上限は100mg/mであり、より好ましい下限は20mg/m、より好ましい上限は50mg/mである。5mg/m未満であると、化成皮膜におけるリン量が小さいために、耐食性や密着性等の性能を確保することができないおそれがあり、100mg/mを超えても、耐食性や密着性等の性能が悪くなるおそれがある。
【0071】
上記工程における化成処理により形成される化成皮膜における炭素皮膜量(有機炭素量)としては、好ましい下限は5mg/m、好ましい上限は60mg/mであり、より好ましい下限は20mg/m、より好ましい上限は30mg/mである。15mg/m未満であると、炭素皮膜量が小さいために、耐食性や密着性等の性能を確保することができないおそれがあり、60mg/mを超えても、耐食性や密着性等の性能が悪くなるおそれがある。なお、上記ジルコニウム及び/又はチタン金属量、リン量は、例えば、蛍光X線分析装置により測定することができ、上記炭素皮膜量(有機炭素量)は、例えば、炭素・水分分析装置により測定することができる。
【0072】
上記工程における化成処理より形成される皮膜量は、上記化成処理において、処理時間を長くすることによって、及び/又は、処理温度を高くすることによって、アルミニウム系基材への付着量を大きくすることができる。これにより、処理時間及び/又は処理温度を調整することによって所望の付着量を基材上に形成することができ、耐食性や密着性等の性能を向上させることができる。
【0073】
上記アルミニウム系基材の処理方法により得られる製品は、耐食性に優れ、アルミニウム系基材への密着性に優れる塗膜を有するものであり、例えば、自動車のアルミホイールとして好適に用いることができるものである。このような製品も本発明の1つである。
【0074】
本発明のアルミニウム系基材の処理方法は、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、フッ素イオン、リン酸イオン、並びに、可溶性エポキシ樹脂からなる化成処理剤で化成処理する工程からなる方法であって、上記工程で用いる化成処理剤が、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、並びに、リンイオンを特定量含有し、フッ素イオンをジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオンに対してモル比で特定値以上含有し、pHが特定範囲のものであることから、形成される化成皮膜がジルコニウム及び/又はチタンを含むものとなり、これにより、得られる製品が耐食性、密着性等の性能に優れるものとなる。更に、化成皮膜がリンを含むものとなるため、リン酸イオンを含有しない処理剤を用いる場合と比べて、より耐食性に優れるものを得ることができる。
【0075】
また、上記工程における化成処理剤は、可溶性エポキシ樹脂を含有するものであることから、形成される化成皮膜がエポキシ樹脂を含むものとなり、これにより、エポキシ樹脂を含有しない処理剤を用いる場合に比べて、密着性がより優れたものとなる。更に、有害物質であるクロムを使用しなくても、従来のクロメート処理と同等以上の耐食性、密着性を付与することができる方法である。従って、本発明のアルミニウム系基材の処理方法は、例えば、自動車のアルミホイール等に用いられるアルミダイキャストAC−4C、AC−4CH、5000番系、6000番系アルミニウム合金等のアルミニウム系基材に好適に用いることができ、耐食性、密着性、外観に優れたものを得ることができるものである。
【0076】
【実施例】
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
【0077】
製造例1
攪拌機、冷却機、温度制御装置、窒素導入管、滴下ロートを備えた反応容器に液状エポキシ樹脂DER−331(ダウケミカル社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)386質量部、ビスフェノールA114質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル56質量部、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.06質量部を仕込んで固形分濃度90質量%の組成物とし、この反応容器を窒素ガスでパージしながら、145℃に昇温した後、3時間保温してエポキシ当量500、数平均分子量1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂組成物を合成した。得られたビスフェノールA型エポキシ樹脂組成物にプロピレングリコールモノメチルエーテルを69質量部添加することにより固形分濃度80質量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂組成物とし、90℃に冷却した。
【0078】
次に、90℃に冷却されたビスフェノールA型エポキシ樹脂組成物を625質量部(固形分として500質量部)に、アミノエチルエタノールアミンMIBKブロック体(アミノエチルエタノールアミン封鎖体)、236質量部を添加し、エポキシ1当量に対してアミン(メチルイソブチルケトンによって封鎖されたアミンを除く)1当量となるように配合した。更に、固形分濃度70質量%となるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルを119質量部添加した後、組成物の温度を115℃に調整して1時間保温して反応させ、その後放置により100℃に冷却して、モノケチミン(アミノエチルエタノールアミンMIBKブロック体)が付加したエポキシ樹脂を合成した。
【0079】
次に、90質量%の酢酸66質量部と純水322質量部とを入れた容器をケミスターラーで攪拌しながら、得られたモノケチミン(アミノエチルエタノールアミンMIBKブロック体)が付加したエポキシ樹脂を970質量部滴下し、固形分濃度50質量%、中和率50%の樹脂組成物を合成し、更に純水を順次滴下することにより、固形分濃度10質量%の可溶性エポキシ樹脂溶液1を調製した。
【0080】
製造例2
アミノエチルエタノールアミンMIBKブロック体(アミノエチルエタノールアミン封鎖体)の代わりに、ジエチレントリアミンMIBKブロック体(ジエチレントリアミン封鎖体)を用いた以外は、製造例1と同様にして可溶性エポキシ樹脂溶液2を調製した。
【0081】
製造例3
液状エポキシ樹脂DER−331(ダウケミカル社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ビスフェノールAの代わりに、液状エポキシ樹脂DER−354(ダウケミカル社製ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、ビスフェノールFを用いた以外は、製造例2と同様にして可溶性エポキシ樹脂溶液3を調製した。
【0082】
比較製造例1
アミノエチルエタノールアミンMIBKブロック体(アミノエチルエタノールアミン封鎖体)の代わりに、メチルエタノールアミンを用いた以外は、製造例1と同様にして比較樹脂溶液1を調製した。
【0083】
比較製造例2
アミノエチルエタノールアミンMIBKブロック体(アミノエチルエタノールアミン封鎖体)の代わりに、ジエタノールアミンを用いた以外は、製造例1と同様にして比較樹脂溶液2を調製した。
【0084】
実施例1
市販の「アルミダイキャストAC−4C(切削処理)」(日本ルートサービス社製アルミ板、70mm×150mm×8mm)に下記の条件で塗装前処理(1)、粉体塗装(2)を施した。
(1)塗装前処理
脱脂処理:2質量%「サーフクリーナーEC92」(日本ペイント社製脱脂剤)で40℃、2分間浸漬処理した。
脱脂後水洗処理:水道水で30秒間スプレー処理した。
化成処理:ジルコンフッ化水素酸、フッ化水素酸、リン酸、硝酸を用いて、ジルコニウムイオン100ppm、フッ素イオン125ppm、リン酸イオン100ppm、硝酸イオン1000ppmとし、製造例1で得られた可溶性エポキシ樹脂溶液1を固形分として500ppmを添加し、アンモニアを用いてpHを3.0に調整した化成処理剤を調製した。調製した化成処理剤の浴温度を50℃に調整した後、アルミ板(アルミダイキャストAC−4C)を90秒間浸漬処理した。
化成後水洗処理:水道水で30秒間スプレー処理した。
純水水洗処理:純水による流水洗、30秒間スプレー処理した。
乾燥処理:水洗処理後のアルミ板を電気乾燥炉において、80℃で10分間乾燥し、化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。
(2)粉体塗装
上記塗装前処理(1)を行って化成皮膜が形成されたアルミ板を「パウダックスA400クリアー」(日本ペイント社製粉体塗料)を用いて乾燥膜厚100μmになるように静電塗装し、160℃で20分間加熱して焼き付けを行い、粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0085】
実施例2〜5
可溶性エポキシ樹脂溶液1の代わりに、表1に示した可溶性エポキシ樹脂溶液を用い、化成処理剤のpHを表1に示したように調整した化成処理剤を用いた以外は、実施例1の塗装前処理工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0086】
実施例6
実施例1における化成処理剤の代わりに、チタンフッ化水素酸、フッ化水素酸、リン酸、硝酸を用いて、チタニウムイオン100ppm、フッ素イオン240ppm、リン酸イオン100ppm、硝酸イオン1000ppmとし、製造例2で得られた可溶性エポキシ樹脂溶液2を固形分として500ppmを添加し、アンモニアを用いてpHを3.0に調整した化成処理剤を用いて化成処理した以外は、実施例1の塗装前工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0087】
比較例1、2
可溶性エポキシ樹脂溶液1の代わりに、表1に示した比較樹脂溶液を用いた以外は、実施例1の塗装前処理工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0088】
比較例3
可溶性エポキシ樹脂溶液1を用いなかった以外は、実施例1の塗装前処理工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0089】
比較例4〜8
リン酸を用いず、可溶性エポキシ樹脂溶液1の代わりに、表1に示した可溶性エポキシ樹脂溶液を用い、化成処理剤のpHを表1に示したように調整した化成処理剤を用いた以外は、実施例1の塗装前処理工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0090】
比較例9
リン酸を用いなかった以外は、実施例6の塗装前処理工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0091】
比較例10、11
リン酸を用いず、可溶性エポキシ樹脂溶液1の代わりに、表1に示した比較樹脂溶液を用いた以外は、実施例1の塗装前処理工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0092】
比較例12
リン酸及び可溶性エポキシ樹脂溶液1を用いなかった以外は、実施例1の塗装前処理工程と同様にして化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0093】
比較例13
塗装前処理(1)における化成処理において、0.1質量%「アルサーフ1000」(日本ペイント社製クロメート処理剤)を用いて、浴温度35℃で60秒間浸漬処理した以外は、実施例1と同様にして、化成皮膜が形成されたアルミ板を得た。更に、実施例1の粉体塗装(2)と同様にして粉体塗膜が形成されたアルミ板を得た。
【0094】
〔評価〕
実施例、比較例により得られた化成皮膜が形成されたアルミ板、粉体塗膜が形成されたアルミ板をそれぞれ下記に示した方法により、化成皮膜におけるジルコニウム、チタン金属量、リン量及び炭素皮膜量(mg/m)、塩水浸漬試験における皮膜性能、耐水二次密着性を評価し、結果を表1に示した。
【0095】
ジルコニウム金属量、チタン金属量、リン量及び炭素皮膜量(mg/m
実施例及び比較例において、塗装前工程を行ったアルミ板の化成皮膜のジルコニウム、チタン金属量、リン量(mg/m)を「XRF1700」(島津製作所社製蛍光X線分析装置)により測定し、炭素皮膜量(mg/m)を「RC412」(LECO社製炭素・水分分析装置)により測定した。
【0096】
塩水噴霧サイクル試験
実施例及び比較例において、塗装前工程及び粉体塗装(2)を行ったアルミ板にカッターナイフで傷つけた後、JIS C0024 厳しさ6に基づいて評価した。
【0097】
耐水二次密着性試験
上記アルミ板塗装前処理(1)及び上記アルミ板粉体塗装(2)を行ったアルミ板を40℃の純水に240時間浸漬した後、鋭利なカッターで2mm間隔の碁盤目(100個)を形成し、その面に粘着テープを貼り付けた後、そのテープを剥離して、アルミ板から剥がれた碁盤目の数を測定した。
【0098】
なお、表1中における記載は、以下のものを示す。
樹脂1;可溶性エポキシ樹脂溶液1
樹脂2;可溶性エポキシ樹脂溶液2
樹脂3;可溶性エポキシ樹脂溶液3
比較樹脂1;比較樹脂溶液1
比較樹脂2;比較樹脂溶液2
Zr量;化成皮膜中のジルコニウム金属量
Ti量;化成皮膜中のチタン金属量
P量;化成皮膜中のリン量
炭素量;化成皮膜中の有機炭素量
【0099】
【表1】
Figure 2004076024
【0100】
表1から、実施例で得られた化成皮膜は、比較例で得られたものに比べて、塩水噴霧サイクル試験の結果が良好であり、耐食性に優れるものであった。また、実施例で得られた粉体塗膜は、比較例で得られたものに比べて、耐水二次密着試験の結果が良好であり、密着性に優れるものであった。特に、可溶性エポキシ樹脂溶液2を用い、pHを3.0に調整した化成処理剤を用いて得られたものは、耐食性、密着性により優れるものであり、より好適に用いることができるものであることが明らかとなった。
【0101】
【発明の効果】
本発明のアルミニウム系基材の処理方法は、上述した構成よりなるので、アルミダイキャストAC−4C、AC−4CH、5000番系、6000番系アルミニウム合金等のアルミニウム系基材に良好な化成皮膜、粉体塗膜を形成することができるものであり、得られたものは、耐食性や密着性に優れるものである。また、クロムを使用しない処理方法であることから、環境の観点から好ましいものであり、従来のクロメート処理と同等以上の耐食性、密着性を付与することができるものである。従って、自動車等に用いられるアルミニウム系基材に対して好適に適用することができるものである。

Claims (4)

  1. ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、フッ素イオン、リン酸イオン、並びに、可溶性エポキシ樹脂からなる化成処理剤で化成処理する工程からなるアルミニウム系基材の処理方法であって、
    前記ジルコニウムイオン及び/又は前記チタニウムイオンの含有量は、質量基準で、20〜500ppmであり、
    前記フッ素イオンの含有量は、前記ジルコニウムイオン及び/又は前記チタニウムイオンに対して、モル比で、6倍以上であり、
    前記リン酸イオンの含有量は、質量基準で、20〜500ppmであり、
    前記可溶性エポキシ樹脂は、樹脂100g当たり−NH及び/又は−NH を少なくとも0.1モル有するものであり、
    前記化成処理剤は、pHが2.5〜4.5である
    ことを特徴とするアルミニウム系基材の処理方法。
  2. 可溶性エポキシ樹脂は、エポキシ当量150〜1000のビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又はビスフェノールF型エポキシ樹脂にケチミンを付加し、更に酸により中和して得られるものである請求項1記載のアルミニウム系基材の処理方法。
  3. アルミニウム系基材は、アルミホイールである請求項1又は2記載のアルミニウム系基材の処理方法。
  4. 請求項1、2又は3記載のアルミニウム系基材の処理方法により得られることを特徴とする製品。
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