JP2004055238A - 電解液の充填方法と充填装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて簡単な方法と機構で電解液を速やかに充填する。
【解決手段】電解液の充填方法は、電極体2の入れられたケース1の開口部1Aに注液ノズル6を連結し、この注液ノズル6でもってケース1に電解液3を注液する。さらに、充填方法は、注液ノズル6を、下面接液面13Bが開口部1Aとの間に隙間ができる位置に案内して、注液ノズル6から電解液3を供給して、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、隙間を電解液3で閉塞する状態で注液ノズル6からケース1に電解液3を注液する。
【選択図】 図2
【解決手段】電解液の充填方法は、電極体2の入れられたケース1の開口部1Aに注液ノズル6を連結し、この注液ノズル6でもってケース1に電解液3を注液する。さらに、充填方法は、注液ノズル6を、下面接液面13Bが開口部1Aとの間に隙間ができる位置に案内して、注液ノズル6から電解液3を供給して、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、隙間を電解液3で閉塞する状態で注液ノズル6からケース1に電解液3を注液する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、コンデンサーや電池等のケースに、電解液を充填する方法と装置に関する。とくに、本発明は、電極体を入れたケースであって、速やかに電解液を電極体の隙間に浸透できないケースに電解液を充填するのに最適な電解液の充填方法と充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オイルコンデンサーや電池は、電極体を入れたケースに電解液を充填した後、ケースの開口部を閉塞して製造される。ケースに電解液を充填するとき、電極体の隙間に電解液を含浸させるには時間がかかる。とくに、高密度の電極体を入れたケース、たとえば、コンデンサー、リチウムイオン二次電池、リチウム電池等のケースは、電解液の充填に極めて時間がかかる。それは、ケースに電解液を充填しても、電解液が電極体の隙間にスムーズに浸透されないからである。電解液の浸透に時間がかかると、この間に、ケース内に不純物が侵入し易くなる弊害がある。この弊害を防止するために、電解液を充填したケースを最適な環境に調整されたストックヤードに保存して静置する必要がある。さらに、静置する湿度等の環境が適正でないと、水分が浸入して電気特性を低下させる等の弊害も発生する。さらにまた、多量のケースを静置するために広いストックヤードを必要とする。また、能率よくコンデンサーや電池を多量生産できない欠点もある。
【0003】
このため、従来は、上方を開口しているケースに所定の量の電解液を注液し、その後長い時間静置して、電極体の隙間に徐々に電解液を浸透させていた。この方法は電解液を電極体に含浸させるのに時間がかかって、能率よく電解液を充填できない。さらに、この方法は、ケースに所定量の電解液を充填すると、電解液がケースから溢れる。ケースに充填した電解液が漏れるのは、電解液の注液量を、電極体に含浸された状態で適量になるように決定されるにもかかわらず、電解液が電極体の隙間に速やかに含浸しないため、ケースから溢れてしまうためである。この弊害を避けるために、所定量の電解液を複数回にわけて注液しているのが実状である。このため、注液にさらに時間がかかって極めて生産効率が悪くなっているのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さらに困ったことに、開口部が大きくて浅いケースに電解液を注液する場合、充填時間はさらに長くなってしまう。それは、図1に示すように、注液された電解液が、表面張力の作用で電極体の上に載って丸くなり、電極体とケースとの間に侵入されなくなるからである。電解液がこの状態になると、電解液は電極体の上面のみから浸透されて、内部まで浸透するのにさらに時間がかかる。
【0005】
また、本発明者は、電解液をより速やかに電極体に含浸させるために、電極体を入れたケースの内部を減圧して、減圧されたケースに電解液を充填する方法を開発している。しかしながら、この方法で電解液を注液しても、電解液が電極体の上に載ってしまうと、速やかに電極体に浸透できなくなる。それは、ケース内を減圧して電解液を供給し、その後、ケースを大気に開放しても、電極体とケースとの間に隙間ができるのでこの隙間を通過して、電極体に空気が吸入されるからである。この欠点は、ケースの開口部を閉塞する状態で、ケース内に電解液を注液して解消できる。しかしながら、大きく開口されたケースの開口部を気密に閉塞するのは、現実には極めて難しい。それは、ケースには寸法誤差があるので、正確にケースの開口部に気密に密着させる蓋を製作するのが難しいからである。また、仮にパッキンを介してケースの開口部を閉塞しても、パッキンの摩耗等が原因で気密に密閉できなってしまう。
【0006】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、充填する電解液を気密に閉塞するパッキンの作用に併用することにより、極めて簡単な方法と機構で電解液を速やかに充填できる充填方法と充填装置とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電解液の充填方法は、電極体2の入れられたケース1の開口部1Aに注液ノズル6を連結し、この注液ノズル6でもってケース1に電解液3を注液する。さらに、充填方法は、注液ノズル6を、下面接液面13Bを開口部1Aに位置させると共に、下面接液面13Bとケース1の開口部1Aとの間に隙間ができる位置に案内し、注液ノズル6から電解液3を供給して、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、隙間を電解液3で閉塞する状態で注液ノズル6からケース1に電解液3を注液する。
【0008】
本発明の充填方法は、電極体2を入れているコイン電池のケース1に電解液3を注液することができる。
【0009】
さらに、本発明の充填方法は、ケース1内の気体を排気して減圧して、注液ノズル6が下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに案内する状態で減圧状態にあるケース1に電解液3を供給し、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、隙間を電解液3で閉塞する状態で注液ノズルからケース1に電解液3を注液することができる。
【0010】
本発明の請求項4の電解液の充填装置は、電極体2を入れたケース1の開口部1Aに連結して、電極体2を注液する注液ノズル6と、この注液ノズル6に電解液3を供給してケース1に注液する注入機構7とを備える。注液ノズル6は、下面接液面13Bを先端に有する。充填装置は、下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに位置し、かつ下面接液面13Bとケース開口部1Aとの間に隙間ができる位置に案内して注液ノズル6から電解液3を供給し、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞して、注液ノズル6からケース1に電解液3を注液する。
【0011】
さらに、本発明の充填装置は、ケース1内の気体を排気して減圧するケース減圧機構9を設けることができる。この充填装置は、ケース減圧機構9がケース1内を減圧する状態で、注液ノズル6の下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに案内し、注液ノズル6から電解液3を供給して、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、電解液3が隙間を閉塞する状態で注液ノズルがケース1に電解液3を注液する。
【0012】
ケース1は、開口部1Aを円形とし、注液ノズルの先端に設けている下面接液面13Bは、外形を円形として中心に注液孔13Aを設けることができる。下面接液面13Bの外形は、ケース1の開口部1Aの内形よりも0.1〜2mm小さくすることができる。
【0013】
さらに、充填装置は、ケース減圧機構9に、ケース1を配設する気密チャンバー10を気密に閉塞する充填密閉シリンダー5を設けて、この充填密閉シリンダー5に注液ノズル6を固定することができる。さらに、充填装置は、ケース1を定位置に配設する土台4を備えることができる。この充填装置は、土台4にケース1の外側に配設される周壁シリンダー4Aを設けると共に、充填密閉シリンダー5に周壁シリンダー4Aの外側または内側に移動して、気密に密閉される気密チャンバー10を構成する気密シリンダー5Bを設けて、気密シリンダー5Bと周壁シリンダとで密閉する気密チャンバー10を構成し、気密チャンバー10を減圧してケース1内を減圧することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電解液の充填装置を例示するものであって、本発明は電解液の充填装置を下記のものに特定しない。
【0015】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
本発明の充填方法と充填装置は、コイン電池のように、開口部が大きくて浅いケースに電解液を充填するのに最適である。ただ、ケースの開口部が大きくて、電解液を充填すると、電極体の上にのって電極体とケースとの間に隙間ができる全てのケースに電解液を充填するのに適している。したがって、本発明は、電解液を充填するケースを、コイン電池のケースには特定しない。
【0017】
本発明の電解液の充填装置の一形態を図2〜図8に示す。これ等の図に示す装置は、ケース1を定位置に保持する土台4と、この土台4に装着されたケース1に電解液3を充填する注液ノズル6を固定している充填密閉シリンダー5と、注液ノズル6に電解液3を供給する注入機構7であるピストン8を備える。図のような装置が1台または数台、あるいは数十台、ラインとして並べられ、並列にそれぞれの装置がケース1に電解液3を充填して、処理能力を大きくできる。
【0018】
注液ノズル6は、注入機構7から供給される電解液3をケース1に注液する。
図に示す装置の注入機構7は、充填密閉シリンダー5に設けられて一定量の電解液3を蓄えると、この充填シリンダー5Aに挿入されて電解液3を押し出すピストン8とで構成している。ただ、本発明の充填装置は、注入機構をこの機構には特定せず、たとえば、定量ポンプ等で電解液を注液ノズルに供給することもできる。
【0019】
さらに、図に示す充填装置は、ケース1内を減圧して、電解液3をより速やかに注液するためのケース減圧機構9を備える。ケース減圧機構9は、ケース1を配設する気密チャンバー10を気密に閉塞するための充填密閉シリンダー5を備えている。さらに充填密閉シリンダー5は、気密シリンダー5Bを備えている。
気密シリンダー5Bは、ケース1を定位置に配設する土台4に設けている周壁シリンダー4Aの外側又は内側に移動されて、気密チャンバー10を気密に閉塞する。図の装置は、気密シリンダー5Bの内側に周壁シリンダー4Aを入れて、気密シリンダー5Bと周壁シリンダー4Aとで気密チャンバー10を気密に密閉している。ただ、周壁シリンダーの内側に気密シリンダーを挿入して、気密チャンバーを閉塞することもできる。気密チャンバー10が排気されて、ここにセットしているケース1内を減圧する。
【0020】
土台4は、電極体2を入れたケース1を定位置に装着する。ケース1は、上方を開口する姿勢で土台4の定位置に保持される。ケース1は、上面に、電解液3を注入するための開口部1Aを開口している。ケース1の開口部1Aは、上端に封口板を固定しないで、上端全体を開口して設けられる。ただ、ケース1の上端に封口板を固定して、封口板に貫通孔を設けて開口部とすることもある。ケース1の開口部1Aと、封口板に開口される開口部1Aは、電解液3を注入した後に気密に閉塞される。
【0021】
電解液3の注入されるケース1は、内部に、セパレータ等を介して積層された電極体2を挿入している。電極体2に電解液3を含浸させて、電解液3はケース1内に注入される。
【0022】
土台4は、電解液3の充填密閉シリンダー5の下に位置し、ケース1を定位置に固定するための支持部4Bと、この支持部4Bの外側に設けられた垂直の周壁シリンダー4Aを有する。支持部4Bは、ケース1に電解液3を充填するときに、ケース1を定位置に保持するためのもので、例えばケース1の側面を挟着する部材や、ケース1を挿入する挿入口等の構造が使用できる。周壁シリンダー4Aは筒状で、外周面の上端部にリング溝を設けて、リング溝にOリング15を入れている。
【0023】
土台4は、ケース1を搬送するキャリアにも併用され、電解液3を充填しようとするケース1を保持して電解液3の充填密閉シリンダー5の下面に移動する。
ひとつのケース1に電解液3が充填されると、土台4が移動して、次に電解液3を充填するケース1を保持している土台4が充填密閉シリンダー5の下方に移動する。順次ケース1を充填密閉シリンダー5の下方に移送して、次々とケース1に電解液3を充填する。また、一つの土台4に一つのケース1を保持する構造の他、一つの大きな土台4に複数のケース1を保持する構造も使用できる。
【0024】
電解液3を充填するケース1は、コンデンサーや電池のケース1で、内部に電極体2を入れており、電解液3を充填した後に開口部1Aを気密に閉塞する。特に、高性能化を図るために電極板を高密度に積層した電極体2は、隙間がほとんどないので、電解液3の充填が困難である。本発明の電解液3の充填装置はこのような電極体2を収納したケース1に、効率よく電解液3を充填する。また、この装置は、電解液3に限らず、隙間の狭い部分に液体を充填する他のものにも応用できる。
【0025】
土台4は、充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bに周壁シリンダー4Aを気密に連結する。図の装置は、充填密閉シリンダー5を、土台4に設けている周壁シリンダー4Aの外側に挿入して、気密チャンバー10を閉塞する。ケース1を収納して内部を減圧する気密チャンバー10は、充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bと、周壁シリンダー4Aで気密に閉塞される。充填密閉シリンダー5は、下部に気密シリンダー5Bを有し、この気密シリンダー5Bの上に電解液3の一時貯溜室11を形成する充填シリンダー5Aを連結している。
【0026】
気密シリンダー5Bは、内側に土台4の周壁シリンダー4Aを気密に挿入できる垂直な筒状に形成されている。気密シリンダー5Bが降下すると、周壁シリンダー4AのOリング15が気密シリンダー5Bの内面に密着して、周壁シリンダー4Aとで気密チャンバー10が成形される。
【0027】
気密シリンダー5Bは、減圧機(図示せず)に連結するための吸引部12を設けている。吸引部12は減圧機に連結され、減圧機は吸引部12から気密チャンバー10内の空気を排気して、気密チャンバー10を減圧する。
【0028】
充填密閉シリンダー5は、気密シリンダー5Bの上に充填シリンダー5Aを固定している。気密シリンダー5Bと充填シリンダー5Aは、その境界に、隔壁16を配設している。隔壁16の下に注液ノズル6を固定している。注液ノズル6は、本体部13の中心に注液孔13Aを開口して、ここに注液管14を配設している。
【0029】
図の注液ノズル6は、本体部13の中心に注液管14を配設している。注液管14は、本体部13の注液孔13Aに配設されて、注液孔13Aに電解液3を供給する。注液孔13Aは、本体部13の下端に開口されて、注液管14から供給される電解液3をケース1の開口部1Aに供給する。さらに、注液管14は、隔壁16を貫通して、上端を充填シリンダー5A内の一時貯溜室11に配設している。本体部13は、上端に鍔13Cを設けて、この鍔13Cを気密シリンダー5Bと充填シリンダー5Aの境界に気密に固定している。
【0030】
さらに、注液ノズル6の本体部13は、ケース1の開口部1Aを閉塞する下面接液面13Bを下の先端に設けている。図の注液ノズル6は、下面接液面13Bの外形をケース1の開口部1Aの内形よりも小さくしている。開口部1Aよりも小さい下面接液面13Bが、開口部1Aに案内されると、下面接液面13Bとケース1との間には隙間ができる。電解液3を注液する工程で、下面接液面13Bとケース1との隙間は、電解液3で閉塞される。下面接液面13Bとケース1との隙間が広すぎると、電解液3で完全に閉塞できなくなる。反対に、隙間が狭すぎると、下面接液面13Bの一部がケース1に衝突してケース1を変形させる等の弊害が発生する。このため、下面接液面13Bは、ケース1の開口部1Aの内形よりも、たとえば0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1.5mm小さくしして、電解液3で閉塞しながら、ケース1に衝突しない大きさとする。開口部1Aを円形とするケース1に電解液3を充填する装置は、下面接液面13Bの外形を開口部1Aよりも小さい円形としている。
【0031】
下面接液面13Bは、供給される電解液3と共にケース1の開口部1Aを気密に閉塞する。このため、注液ノズル6の下面接液面13Bは、上下に貫通孔のある板状、あるいは網状とすることもできる。それは、多孔板や網材の下面接液面であっても、供給される電解液で孔や空隙が閉塞されるからである。
【0032】
充填シリンダー5Aは、内側を電解液3の一時貯溜室11としている。充填シリンダー5Aは、一時貯溜室11の上部を気泡分離チャンバー17とする。気泡分離チャンバー17は、ケース1に注入される電解液3を蓄えた状態で、上部に所定量の空気を蓄える空隙ができるようにして設けられる。一時貯溜室11の上部を気泡分離チャンバー17とするために、一時貯溜室11の内容積は、ケース1に注入される電解液3の体積よりも大きく設計される。
【0033】
充填シリンダー5Aの上端は、一時貯溜室11に電解液3を供給するために開口している。充填シリンダー5Aの開口部1Aは、ピストン8を挿入して閉鎖する。ピストン8を充填シリンダー5Aから引き抜いて電解液3を充填する装置は、充填シリンダー5Aに電解液3を供給するパイプを連結する必要がない。ただ、図示しないが、充填シリンダーを半径方向に貫通して、電解液の供給パイプを連結することもできる。この構造の装置は、ピストンを充填シリンダーから引き抜かないで、一時貯溜室に電解液を供給できる。
【0034】
一時貯溜室11の底面は、隔壁16で封鎖され、隔壁16に注液ノズル6を固定している。注液ノズル6は、注液管14が隔壁16の上面からさらに上方に突出している。注液管14の上端は、供給される電解液3の液面よりも上方に位置する。注液管14の下端は、本体部13の下端まで延長されている。一時貯溜室11に供給された電解液3は、充填シリンダー5Aに挿入されるピストン8で液面が押し上げられて、注液管14を通過して、ケース1に注入される。
【0035】
ピストン8は、上下機構(図示せず)に連結されて、上下に移動される。ピストン8は、上端を閉塞している円筒状で、上端に排気口18を設けている。排気口18は、ピストン8を充填シリンダー5Aに挿入した状態で、気泡分離チャンバー17の空気を排気する。したがって、排気口18は、開閉弁19を介して減圧機(図示せず)に連結される。
【0036】
ピストン8は、下端の外側に、上下に離して2列にOリング20を設けている。Oリング20は、ピストン8を充填シリンダー5Aに挿入するときに、充填シリンダー5Aの内面を摺動して、ピストン8と充填シリンダー5Aの内面とを気密に密閉する。
【0037】
次に、土台4と充填密閉シリンダー5の連結部を説明する。土台4は、周壁シリンダー4Aを、降下する充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bに挿入して、気密チャンバー10を形成する。したがって、充填密閉シリンダー5は、垂直方向に上昇、降下が可能で、図示しないが、シリンダー上下機構に連結されている。充填密閉シリンダー5は、上部の充填シリンダー5Aと下部の気密シリンダー5Bとからなる。
【0038】
気密シリンダー5Bの側部には、電解液3を充填している状態が確認できるように、確認窓21を設けている。確認窓21は、圧変化に対応できる十分な強度を有し、かつ透明なガラスで気密に閉塞されている。
【0039】
充填密閉シリンダー5の気密チャンバー10と、気泡分離チャンバー17は、別々に開閉される開閉弁22、19を介して減圧機に連結される。減圧機は、閉鎖された気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17を減圧すると共に、気密チャンバー10を減圧状態から圧力を上昇できる全てもの、例えば吸引ポンプや真空ポンプが使用できる。真空ポンプは、ポンプの運転を調節して空気の吸引量を変化でき、真空度を変えることで圧力を調節できる。はじめに空気を多く吸引して真空度を高め、すなわち圧力を低下して、ここから徐々に吸引を弱めて大気圧に近づけていき、すなわち相対的に加圧していくことができる。さらにポンプを逆転させて加圧して、大気圧よりも高い圧力状態とすることもできる。
【0040】
減圧機は、開閉弁22、19を介して、気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17を別々に排気する。気密チャンバー10の空気が排気されると、気密チャンバー10内に配設されているケース1の開口部1Aから、電極体2の隙間の空気が排気され、電解液3を充填しやすい環境となる。気泡分離チャンバー17から空気を排気すると、一時貯溜室11に供給された電解液3に含まれる気泡が浮上して、気泡分離チャンバー17に溜まっている空気が排気される。
【0041】
図2に示す装置を複数台備えて、多量のケース1に並列に電解液3を充填する場合、減圧機は複数設ける必要はなく、一台の減圧機にロータリージョイントを介して複数のホースに分岐して、各々の装置の吸引部12に接続することもできる。この場合、ロータリージョイントを回転して吸引のオンオフを切り換え、あるいは吸引力を調整をすることができる。
【0042】
注液ノズル6は、注液管14の上端を電解液3の液面よりも上方に突出させているので、ピストン8を充填シリンダー5Aに降下させて、一時貯溜室11の電解液3の液面を押し上げて、注液管14を通じて、電解液3を減圧されたケース1に注入する。
【0043】
一時貯溜室11は、電解液3を充填した状態で、ピストン8を挿入して、上端の開口部を閉鎖する。ピストン8は、ピストン上下機構(図示せず)によって、上昇、下降される。ピストン8を上昇位置として、一時貯溜室11の上端を開口して、ここから電解液3を供給ノズル23で一時貯溜室11に充填する。電解液3の充填された一時貯溜室11の上端に、ピストン8は垂直に降下して、一時貯溜室11を気密に閉鎖する。したがって、ピストン8の中心軸と一時貯溜室11の中心軸、すなわち充填シリンダー5Aの中心軸は、同一の垂直線上にある。
【0044】
ピストン8をピストン上下機構で降下させて、一時貯溜室11を閉鎖した状態から、さらにピストン8を降下させて、電解液3を注入する。電解液3の液面を注液ノズル6の注液管14上端よりも高くすると、電解液3は、注液管14を通過して自然に流下してケース1に注入される。注液ノズル6からケース1に電解液3を速やかに注入するために、一時貯溜室11の圧力を、ケース1の内圧よりも高くして、いいかえると、注液ノズル6の下端と上端とに圧力差を設けて、電解液3を圧力で強制的にケース1に圧入する。このとき、電解液3を注入するケース1は減圧しているので、一時貯溜室11は必ずしも大気圧よりも高くする必要はない。一時貯溜室11を大気圧に開放して、一時貯溜室11の電解液3をケース1に圧入できる。ケース1内を減圧しているからである。ただ、一時貯溜室11を多少加圧して、電解液3をケース1に注入することもできるのは言うまでもない。
【0045】
ピストン8は、全体を筒状として、その中心には、注液ノズル6の外径に比較し十分に大きい内径の円柱状の挿通孔8Aを設けている。挿通孔8Aは、ピストン8を降下させた状態で、注液ノズル6の注液管14の上端よりも十分に上方に延長して設けられる。挿通孔8Aは、中心に、注液管14が挿通できるように、挿通孔8Aと注液管14も同一垂直線上にある。
【0046】
ピストン8を降下させた状態で、注液管14は挿通孔8Aに浅く挿入される。
ピストン8を降下して、一時貯溜室11の電解液3をケース1に注入する状態においても、一時貯溜室11の上部には気泡分離チャンバー17が形成される。ピストン8を降下させて、一時貯溜室11の電解液3をケース1に注入するときに、注入している一時貯溜室11の電解液3から気泡を分離するためである。
【0047】
以上の構造の電解液の充填装置が、ケース1に電解液3を充填する様子を、図2から図8に基づいて説明する。
(1) 図2に示すように、ケース1を土台4にセットする。ケース1は、セパレータを介して積層された電極体2を挿入しており、上端面に開口部1Aを開口している。ピストン8と充填密閉シリンダー5は上昇位置にある。ケース1のセットされた土台4を充填密閉シリンダー5の下部に位置させる。
【0048】
ピストン8を、充填シリンダー5Aから引き抜いた位置として、充填シリンダー5A内の一時貯溜室11の上方を開口し、充填シリンダー5Aに所定量の電解液3を供給する。電解液3は、供給ノズル23から充填シリンダー5Aの内部に供給される。供給ノズル23は、先端を充填シリンダー5Aの上端の開口部1Aに位置させることができるように、図示しないが、供給ノズル移動機構に連結される。また供給ノズル23には、ケース1に充填する電解液3の貯蔵タンク(図示せず)が連結されており、貯蔵タンクから電解液3を定量供給する。充填される電解液3の量は、1個のケース1に必要とされる電解液3の量とする。このとき、注液ノズル6の注液管14は、その上端を電解液3の液面よりも上に位置させているので、一時貯溜室11に供給された電解液3は、注液ノズル6から下に落ちることがなく、一時貯溜室11に溜まる。
【0049】
(2) 図3の矢印で示すように、土台4に向かって、充填密閉シリンダー5とピストン8を降下させる。充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bの内側に、土台4の周壁シリンダー4Aを挿入して、ケース1を気密チャンバー10内に位置させる。
【0050】
(3) 図4に示す位置まで、充填密閉シリンダー5を降下させる。充填密閉シリンダー5の降下位置は、注液ノズル6の下端がケース1の開口部1Aから多少上方に位置する位置とする。さらに、ピストン8を充填密閉シリンダー5に対して降下させて、ピストン8で充填シリンダー5Aの上端開口部を閉塞する。この状態で、一時貯溜室11は、上端が閉鎖されると共に、上部に気泡分離チャンバー17が設けられる。
この状態で、気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17に連結される開閉弁22、19を開き、気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17の両方の空気を減圧機で排気して減圧する。気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17は、完全な真空状態にまで減圧する必要はなく、例えば20〜100Torr、好ましくは約60Torrとなるまで減圧する。この工程で、ケース1内の電極体2の隙間に存在する空気は大部分が排気される。また、一時貯溜室11に蓄えられる電解液3に含まれる気泡は、気泡分離チャンバー17に浮上して、排気される。
【0051】
(4) 図5に示すように、減圧機で気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17内を負圧状態を保った状態で、さらに充填密閉シリンダー5とピストン8を一緒に降下させる。充填密閉シリンダー5は、注液ノズル6の本体部13の下端の下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに案内するまで降下させる。この状態で、本体部13の下面接液面13Bは、好ましくは図9に示すように、下面を、ケース1の開口部1Aの上端縁よりもわずかにケース1内に入れる位置まで降下させる。ただ、下面接液面13Bは、その下面を、ケース1の開口部1Aの上端縁と同一平面とし、あるいは図10に示すように、ケース1の開口部1Aの上端縁よりもわずかに上方に配設することもできる。下面接液面13Bとケース1との隙間が、次の工程において電解液3で閉塞されるからである。
【0052】
(5) 図6に示すように、ピストン8を、充填シリンダー5Aの内部に挿入させる。降下するピストン8は、一時貯溜室11に蓄える電解液3の液面を上昇させる。電解液3の液面が上昇されて、注液ノズル6の注液管14の上端よりも高くなると、電解液3は注液管14から排出される。注液管14が排出される電解液3は、本体部13からケース1に注液される。注液された電解液3は、注液ノズルの本体部13に設けている下面接液面13Bの下面と電極体2との間を通過して外周に至り、下面接液面13Bとケース1との隙間を閉塞する。下面接液面13Bは、電極体2の上面との間に電解液3を通過できる隙間ができるように、電極体2との間にわずかな隙間を設ける位置まで降下し、あるいは下面に凹部や凸部を設けて電極体2との間に隙間を設ける。
【0053】
(6) 下面接液面13Bとケース1との間を電解液3で閉塞する状態で、さらにピストンを降下させて、電解液3の液面を上昇させると共に、気密チャンバと一時貯溜室の圧力を次第に上昇させる。一時貯溜室の圧力を上昇するために、図7に示す装置は、一時貯溜室の排気口18を分岐し、分岐路24に開放弁25を連結している。減圧機に連結される開閉弁19を閉じて開放弁25を開くと、一時貯溜室11は圧力が上昇して次第に大気圧になる。この状態になると、気密チャンバー10を減圧しているので、一時貯溜室11の電解液3は、注液管14から排出される。排出された電解液3を電極体2の隙間に浸透させながら、ケース1内に充填するために、気密チャンバー10内の圧力も次第に上昇させる。気密チャンバー10の圧力は、開閉弁22を開いて上昇させる。ケース1の開口部1Aを下面接液面13Bと電解液3で閉塞する状態で、気密チャンバー10の圧力が上昇されると、電解液3は速やかに電極体2の隙間に吸入されながらケース1に充填される。
【0054】
一時貯溜室11と気密チャンバー10の圧力上昇は、電解液3が下面接液面13Bとケース1との隙間を閉塞する状態に保持しながら、電解液3がケース1から漏れないで注液できるように調整する。下面接液面13Bとケース1とを電解液3で閉塞できないと、下面接液面13Bとケース1との隙間から電極体2の空隙に空気が吸入されて電解液3を速やかに注液できなくなる。また、電解液3がケース1から漏れて開口部1Aに付着すると、ケース1の開口部1Aを封口板で閉塞するときに液漏れの原因となり、また、ケース1に所定量の電解液3を注液できなくなる。一時貯溜室11の圧力上昇が気密チャンバー10の圧力上昇に対して速すぎると、電解液3の供給量が多くなって、ケース1から漏れる弊害が発生する。また、気密チャンバー10の圧力上昇が一時貯溜室11の圧力上昇に比較して速すぎると、下面接液面13Bとケース1との隙間を電解液3で閉塞できなくなる弊害が発生する。この弊害がおこらないように、一時貯溜室11と気密チャンバー10の圧力上昇を調整する。一時貯溜室11の圧力上昇は、開放弁25の開度で調整し、気密チャンバー10の圧力上昇は開閉弁22の開度で調整する。
【0055】
一時貯溜室11を大気開放する開放弁25と、気密チャンバー10の開閉弁22は、大気に開放することもできるが、ドライエアーの空気源、あるいは、窒素ガス等の不活性なガス源に連結することもできる。さらに、開放弁25と開閉弁22は、加圧されたガスや空気源に連結することもできる。加圧空気源等に連結した開放弁や開閉弁は、これが開弁されると、一時貯溜室や気密チャンバに加圧された空気を圧入する。この装置は、一時貯溜室や気密チャンバを大気圧よりもさらに高い圧力に加圧するので、より短時間でケースに注液できる。
【0056】
注液ノズル6からケース1に電解液3を注入するとき、ケース1内の電極体2の隙間の空気が排気されている。このため、電解液3はケース1内の空気に邪魔されることなくスムーズに電極体2の隙間に入り込み、急速に電極体2の隙間に浸透していく。
【0057】
(7) 所定量の電解液3がケース1内に供給されると、図8に示すように、開閉弁19、22と開放弁25を閉弁した後、充填密閉シリンダー5とピストン8とを一緒に上昇させる。このときの、ケース1内の圧力は大気圧に近い気圧となっている。
【0058】
(8) 土台4と充填密閉シリンダー5の密閉状態を開放した後、電解液3の充填されたケース1を土台4から外し、さらに電解液3を充填する別のケース1を装着し、以下同様の工程を繰り返して電解液3を充填する。
【0059】
以上の充填装置は、注液ノズルの下面接液面13Bをケース1の開口部1Aよりも小さくしているが、注液ノズルは、図11と図12に示す構造とすることもできる。図11の注液ノズル6は、先端をテーパー状に細くして、下面接液面13Bをケース1の開口部1Aよりも小さくしている。さらに、図12の注液ノズル6は、円筒状として、下面接液面13Bの外形をケース1の開口部1Aにほぼ等しくしている。この注液ノズル6は、下面接液面13Bをケース1の開口部1Aから上方に離す位置に停止して、下面接液面13Bとケース1の開口部1Aとの間に隙間を設け、この隙間を供給される電解液3で閉塞して注液する。この注液ノズル6は、中心に注液孔のある注液パイプ26を配設しており、ここから電解液3を注液する。さらに、円筒状の注液ノズル6は、本体部13の半径方向に貫通孔27を開口して、注液ノズル6の内部を気密チャンバーに連結している。
【0060】
【発明の効果】
本発明の電解液の充填方法と装置は、極めて簡単な方法と機構で電解液を速やかにケースに充填できる特長がある。それは、本発明が下面接液面を先端に有する注液ノズルを、下面接液面をケースの開口部に位置させると共に、開口部と下面接液面との間に隙間ができる位置に案内し、注液ノズルから電解液を供給して、供給された電解液で下面接液面と開口部との隙間を閉塞し、隙間を電解液で閉塞する状態で注液ノズルからケースに電解液を注液するからである。このようにして電解液を充填する方法は、電解液を速やかに充填するために、従来のように注液ノズルの下面接液面を気密にケースに密着する必要がない。充填する電解液を気密に密閉するシールに利用するからである。このため、本発明は、注液ノズルの下面接液面とケースとの寸法誤差や相対位置のずれが問題とならずに、速やかに電解液を充填できる。また、パッキン等のシール材を使用する必要がないので、簡単な構造でシール材の摩耗等が原因で発生するシール不良を皆無にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開口部が大きくて浅いケースに注液した電解液が表面張力で丸くなる状態を示す断面図
【図2】本発明の実施例にかかる電解液の充填装置の断面図
【図3】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図4】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図5】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図6】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図7】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図8】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図9】注液ノズルからケースに電解液を注液する状態を示す拡大断面図
【図10】注液ノズルからケースに電解液を注液する他の状態を示す拡大断面図
【図11】注液ノズルの他の一例を示す拡大断面図
【図12】注液ノズルの他の一例を示す拡大断面図
【符号の説明】
1…ケース 1A…開口部
2…電極体
3…電解液
4…土台 4A…周壁シリンダー 4B…支持部
5…充填密閉シリンダー 5A…充填シリンダー 5B…気密シリンダー
6…注液ノズル
7…注入機構
8…ピストン 8A…挿通孔
9…ケース減圧機構
10…気密チャンバー
11…一時貯溜室
12…吸引部
13…本体部 13A…注液孔 13B…下面接液面
13C…鍔
14…注液管
15…Oリング
16…隔壁
17…気泡分離チャンバー
18…排気口
19…開閉弁
20…Oリング
21…確認窓
22…開閉弁
23…供給ノズル
24…分岐路
25…開放弁
26…注液パイプ
27…貫通孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、コンデンサーや電池等のケースに、電解液を充填する方法と装置に関する。とくに、本発明は、電極体を入れたケースであって、速やかに電解液を電極体の隙間に浸透できないケースに電解液を充填するのに最適な電解液の充填方法と充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
オイルコンデンサーや電池は、電極体を入れたケースに電解液を充填した後、ケースの開口部を閉塞して製造される。ケースに電解液を充填するとき、電極体の隙間に電解液を含浸させるには時間がかかる。とくに、高密度の電極体を入れたケース、たとえば、コンデンサー、リチウムイオン二次電池、リチウム電池等のケースは、電解液の充填に極めて時間がかかる。それは、ケースに電解液を充填しても、電解液が電極体の隙間にスムーズに浸透されないからである。電解液の浸透に時間がかかると、この間に、ケース内に不純物が侵入し易くなる弊害がある。この弊害を防止するために、電解液を充填したケースを最適な環境に調整されたストックヤードに保存して静置する必要がある。さらに、静置する湿度等の環境が適正でないと、水分が浸入して電気特性を低下させる等の弊害も発生する。さらにまた、多量のケースを静置するために広いストックヤードを必要とする。また、能率よくコンデンサーや電池を多量生産できない欠点もある。
【0003】
このため、従来は、上方を開口しているケースに所定の量の電解液を注液し、その後長い時間静置して、電極体の隙間に徐々に電解液を浸透させていた。この方法は電解液を電極体に含浸させるのに時間がかかって、能率よく電解液を充填できない。さらに、この方法は、ケースに所定量の電解液を充填すると、電解液がケースから溢れる。ケースに充填した電解液が漏れるのは、電解液の注液量を、電極体に含浸された状態で適量になるように決定されるにもかかわらず、電解液が電極体の隙間に速やかに含浸しないため、ケースから溢れてしまうためである。この弊害を避けるために、所定量の電解液を複数回にわけて注液しているのが実状である。このため、注液にさらに時間がかかって極めて生産効率が悪くなっているのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さらに困ったことに、開口部が大きくて浅いケースに電解液を注液する場合、充填時間はさらに長くなってしまう。それは、図1に示すように、注液された電解液が、表面張力の作用で電極体の上に載って丸くなり、電極体とケースとの間に侵入されなくなるからである。電解液がこの状態になると、電解液は電極体の上面のみから浸透されて、内部まで浸透するのにさらに時間がかかる。
【0005】
また、本発明者は、電解液をより速やかに電極体に含浸させるために、電極体を入れたケースの内部を減圧して、減圧されたケースに電解液を充填する方法を開発している。しかしながら、この方法で電解液を注液しても、電解液が電極体の上に載ってしまうと、速やかに電極体に浸透できなくなる。それは、ケース内を減圧して電解液を供給し、その後、ケースを大気に開放しても、電極体とケースとの間に隙間ができるのでこの隙間を通過して、電極体に空気が吸入されるからである。この欠点は、ケースの開口部を閉塞する状態で、ケース内に電解液を注液して解消できる。しかしながら、大きく開口されたケースの開口部を気密に閉塞するのは、現実には極めて難しい。それは、ケースには寸法誤差があるので、正確にケースの開口部に気密に密着させる蓋を製作するのが難しいからである。また、仮にパッキンを介してケースの開口部を閉塞しても、パッキンの摩耗等が原因で気密に密閉できなってしまう。
【0006】
本発明は、この欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、充填する電解液を気密に閉塞するパッキンの作用に併用することにより、極めて簡単な方法と機構で電解液を速やかに充填できる充填方法と充填装置とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電解液の充填方法は、電極体2の入れられたケース1の開口部1Aに注液ノズル6を連結し、この注液ノズル6でもってケース1に電解液3を注液する。さらに、充填方法は、注液ノズル6を、下面接液面13Bを開口部1Aに位置させると共に、下面接液面13Bとケース1の開口部1Aとの間に隙間ができる位置に案内し、注液ノズル6から電解液3を供給して、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、隙間を電解液3で閉塞する状態で注液ノズル6からケース1に電解液3を注液する。
【0008】
本発明の充填方法は、電極体2を入れているコイン電池のケース1に電解液3を注液することができる。
【0009】
さらに、本発明の充填方法は、ケース1内の気体を排気して減圧して、注液ノズル6が下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに案内する状態で減圧状態にあるケース1に電解液3を供給し、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、隙間を電解液3で閉塞する状態で注液ノズルからケース1に電解液3を注液することができる。
【0010】
本発明の請求項4の電解液の充填装置は、電極体2を入れたケース1の開口部1Aに連結して、電極体2を注液する注液ノズル6と、この注液ノズル6に電解液3を供給してケース1に注液する注入機構7とを備える。注液ノズル6は、下面接液面13Bを先端に有する。充填装置は、下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに位置し、かつ下面接液面13Bとケース開口部1Aとの間に隙間ができる位置に案内して注液ノズル6から電解液3を供給し、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞して、注液ノズル6からケース1に電解液3を注液する。
【0011】
さらに、本発明の充填装置は、ケース1内の気体を排気して減圧するケース減圧機構9を設けることができる。この充填装置は、ケース減圧機構9がケース1内を減圧する状態で、注液ノズル6の下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに案内し、注液ノズル6から電解液3を供給して、供給された電解液3で下面接液面13Bと開口部1Aとの隙間を閉塞し、電解液3が隙間を閉塞する状態で注液ノズルがケース1に電解液3を注液する。
【0012】
ケース1は、開口部1Aを円形とし、注液ノズルの先端に設けている下面接液面13Bは、外形を円形として中心に注液孔13Aを設けることができる。下面接液面13Bの外形は、ケース1の開口部1Aの内形よりも0.1〜2mm小さくすることができる。
【0013】
さらに、充填装置は、ケース減圧機構9に、ケース1を配設する気密チャンバー10を気密に閉塞する充填密閉シリンダー5を設けて、この充填密閉シリンダー5に注液ノズル6を固定することができる。さらに、充填装置は、ケース1を定位置に配設する土台4を備えることができる。この充填装置は、土台4にケース1の外側に配設される周壁シリンダー4Aを設けると共に、充填密閉シリンダー5に周壁シリンダー4Aの外側または内側に移動して、気密に密閉される気密チャンバー10を構成する気密シリンダー5Bを設けて、気密シリンダー5Bと周壁シリンダとで密閉する気密チャンバー10を構成し、気密チャンバー10を減圧してケース1内を減圧することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための電解液の充填装置を例示するものであって、本発明は電解液の充填装置を下記のものに特定しない。
【0015】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解し易いように、実施の形態に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。
【0016】
本発明の充填方法と充填装置は、コイン電池のように、開口部が大きくて浅いケースに電解液を充填するのに最適である。ただ、ケースの開口部が大きくて、電解液を充填すると、電極体の上にのって電極体とケースとの間に隙間ができる全てのケースに電解液を充填するのに適している。したがって、本発明は、電解液を充填するケースを、コイン電池のケースには特定しない。
【0017】
本発明の電解液の充填装置の一形態を図2〜図8に示す。これ等の図に示す装置は、ケース1を定位置に保持する土台4と、この土台4に装着されたケース1に電解液3を充填する注液ノズル6を固定している充填密閉シリンダー5と、注液ノズル6に電解液3を供給する注入機構7であるピストン8を備える。図のような装置が1台または数台、あるいは数十台、ラインとして並べられ、並列にそれぞれの装置がケース1に電解液3を充填して、処理能力を大きくできる。
【0018】
注液ノズル6は、注入機構7から供給される電解液3をケース1に注液する。
図に示す装置の注入機構7は、充填密閉シリンダー5に設けられて一定量の電解液3を蓄えると、この充填シリンダー5Aに挿入されて電解液3を押し出すピストン8とで構成している。ただ、本発明の充填装置は、注入機構をこの機構には特定せず、たとえば、定量ポンプ等で電解液を注液ノズルに供給することもできる。
【0019】
さらに、図に示す充填装置は、ケース1内を減圧して、電解液3をより速やかに注液するためのケース減圧機構9を備える。ケース減圧機構9は、ケース1を配設する気密チャンバー10を気密に閉塞するための充填密閉シリンダー5を備えている。さらに充填密閉シリンダー5は、気密シリンダー5Bを備えている。
気密シリンダー5Bは、ケース1を定位置に配設する土台4に設けている周壁シリンダー4Aの外側又は内側に移動されて、気密チャンバー10を気密に閉塞する。図の装置は、気密シリンダー5Bの内側に周壁シリンダー4Aを入れて、気密シリンダー5Bと周壁シリンダー4Aとで気密チャンバー10を気密に密閉している。ただ、周壁シリンダーの内側に気密シリンダーを挿入して、気密チャンバーを閉塞することもできる。気密チャンバー10が排気されて、ここにセットしているケース1内を減圧する。
【0020】
土台4は、電極体2を入れたケース1を定位置に装着する。ケース1は、上方を開口する姿勢で土台4の定位置に保持される。ケース1は、上面に、電解液3を注入するための開口部1Aを開口している。ケース1の開口部1Aは、上端に封口板を固定しないで、上端全体を開口して設けられる。ただ、ケース1の上端に封口板を固定して、封口板に貫通孔を設けて開口部とすることもある。ケース1の開口部1Aと、封口板に開口される開口部1Aは、電解液3を注入した後に気密に閉塞される。
【0021】
電解液3の注入されるケース1は、内部に、セパレータ等を介して積層された電極体2を挿入している。電極体2に電解液3を含浸させて、電解液3はケース1内に注入される。
【0022】
土台4は、電解液3の充填密閉シリンダー5の下に位置し、ケース1を定位置に固定するための支持部4Bと、この支持部4Bの外側に設けられた垂直の周壁シリンダー4Aを有する。支持部4Bは、ケース1に電解液3を充填するときに、ケース1を定位置に保持するためのもので、例えばケース1の側面を挟着する部材や、ケース1を挿入する挿入口等の構造が使用できる。周壁シリンダー4Aは筒状で、外周面の上端部にリング溝を設けて、リング溝にOリング15を入れている。
【0023】
土台4は、ケース1を搬送するキャリアにも併用され、電解液3を充填しようとするケース1を保持して電解液3の充填密閉シリンダー5の下面に移動する。
ひとつのケース1に電解液3が充填されると、土台4が移動して、次に電解液3を充填するケース1を保持している土台4が充填密閉シリンダー5の下方に移動する。順次ケース1を充填密閉シリンダー5の下方に移送して、次々とケース1に電解液3を充填する。また、一つの土台4に一つのケース1を保持する構造の他、一つの大きな土台4に複数のケース1を保持する構造も使用できる。
【0024】
電解液3を充填するケース1は、コンデンサーや電池のケース1で、内部に電極体2を入れており、電解液3を充填した後に開口部1Aを気密に閉塞する。特に、高性能化を図るために電極板を高密度に積層した電極体2は、隙間がほとんどないので、電解液3の充填が困難である。本発明の電解液3の充填装置はこのような電極体2を収納したケース1に、効率よく電解液3を充填する。また、この装置は、電解液3に限らず、隙間の狭い部分に液体を充填する他のものにも応用できる。
【0025】
土台4は、充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bに周壁シリンダー4Aを気密に連結する。図の装置は、充填密閉シリンダー5を、土台4に設けている周壁シリンダー4Aの外側に挿入して、気密チャンバー10を閉塞する。ケース1を収納して内部を減圧する気密チャンバー10は、充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bと、周壁シリンダー4Aで気密に閉塞される。充填密閉シリンダー5は、下部に気密シリンダー5Bを有し、この気密シリンダー5Bの上に電解液3の一時貯溜室11を形成する充填シリンダー5Aを連結している。
【0026】
気密シリンダー5Bは、内側に土台4の周壁シリンダー4Aを気密に挿入できる垂直な筒状に形成されている。気密シリンダー5Bが降下すると、周壁シリンダー4AのOリング15が気密シリンダー5Bの内面に密着して、周壁シリンダー4Aとで気密チャンバー10が成形される。
【0027】
気密シリンダー5Bは、減圧機(図示せず)に連結するための吸引部12を設けている。吸引部12は減圧機に連結され、減圧機は吸引部12から気密チャンバー10内の空気を排気して、気密チャンバー10を減圧する。
【0028】
充填密閉シリンダー5は、気密シリンダー5Bの上に充填シリンダー5Aを固定している。気密シリンダー5Bと充填シリンダー5Aは、その境界に、隔壁16を配設している。隔壁16の下に注液ノズル6を固定している。注液ノズル6は、本体部13の中心に注液孔13Aを開口して、ここに注液管14を配設している。
【0029】
図の注液ノズル6は、本体部13の中心に注液管14を配設している。注液管14は、本体部13の注液孔13Aに配設されて、注液孔13Aに電解液3を供給する。注液孔13Aは、本体部13の下端に開口されて、注液管14から供給される電解液3をケース1の開口部1Aに供給する。さらに、注液管14は、隔壁16を貫通して、上端を充填シリンダー5A内の一時貯溜室11に配設している。本体部13は、上端に鍔13Cを設けて、この鍔13Cを気密シリンダー5Bと充填シリンダー5Aの境界に気密に固定している。
【0030】
さらに、注液ノズル6の本体部13は、ケース1の開口部1Aを閉塞する下面接液面13Bを下の先端に設けている。図の注液ノズル6は、下面接液面13Bの外形をケース1の開口部1Aの内形よりも小さくしている。開口部1Aよりも小さい下面接液面13Bが、開口部1Aに案内されると、下面接液面13Bとケース1との間には隙間ができる。電解液3を注液する工程で、下面接液面13Bとケース1との隙間は、電解液3で閉塞される。下面接液面13Bとケース1との隙間が広すぎると、電解液3で完全に閉塞できなくなる。反対に、隙間が狭すぎると、下面接液面13Bの一部がケース1に衝突してケース1を変形させる等の弊害が発生する。このため、下面接液面13Bは、ケース1の開口部1Aの内形よりも、たとえば0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1.5mm小さくしして、電解液3で閉塞しながら、ケース1に衝突しない大きさとする。開口部1Aを円形とするケース1に電解液3を充填する装置は、下面接液面13Bの外形を開口部1Aよりも小さい円形としている。
【0031】
下面接液面13Bは、供給される電解液3と共にケース1の開口部1Aを気密に閉塞する。このため、注液ノズル6の下面接液面13Bは、上下に貫通孔のある板状、あるいは網状とすることもできる。それは、多孔板や網材の下面接液面であっても、供給される電解液で孔や空隙が閉塞されるからである。
【0032】
充填シリンダー5Aは、内側を電解液3の一時貯溜室11としている。充填シリンダー5Aは、一時貯溜室11の上部を気泡分離チャンバー17とする。気泡分離チャンバー17は、ケース1に注入される電解液3を蓄えた状態で、上部に所定量の空気を蓄える空隙ができるようにして設けられる。一時貯溜室11の上部を気泡分離チャンバー17とするために、一時貯溜室11の内容積は、ケース1に注入される電解液3の体積よりも大きく設計される。
【0033】
充填シリンダー5Aの上端は、一時貯溜室11に電解液3を供給するために開口している。充填シリンダー5Aの開口部1Aは、ピストン8を挿入して閉鎖する。ピストン8を充填シリンダー5Aから引き抜いて電解液3を充填する装置は、充填シリンダー5Aに電解液3を供給するパイプを連結する必要がない。ただ、図示しないが、充填シリンダーを半径方向に貫通して、電解液の供給パイプを連結することもできる。この構造の装置は、ピストンを充填シリンダーから引き抜かないで、一時貯溜室に電解液を供給できる。
【0034】
一時貯溜室11の底面は、隔壁16で封鎖され、隔壁16に注液ノズル6を固定している。注液ノズル6は、注液管14が隔壁16の上面からさらに上方に突出している。注液管14の上端は、供給される電解液3の液面よりも上方に位置する。注液管14の下端は、本体部13の下端まで延長されている。一時貯溜室11に供給された電解液3は、充填シリンダー5Aに挿入されるピストン8で液面が押し上げられて、注液管14を通過して、ケース1に注入される。
【0035】
ピストン8は、上下機構(図示せず)に連結されて、上下に移動される。ピストン8は、上端を閉塞している円筒状で、上端に排気口18を設けている。排気口18は、ピストン8を充填シリンダー5Aに挿入した状態で、気泡分離チャンバー17の空気を排気する。したがって、排気口18は、開閉弁19を介して減圧機(図示せず)に連結される。
【0036】
ピストン8は、下端の外側に、上下に離して2列にOリング20を設けている。Oリング20は、ピストン8を充填シリンダー5Aに挿入するときに、充填シリンダー5Aの内面を摺動して、ピストン8と充填シリンダー5Aの内面とを気密に密閉する。
【0037】
次に、土台4と充填密閉シリンダー5の連結部を説明する。土台4は、周壁シリンダー4Aを、降下する充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bに挿入して、気密チャンバー10を形成する。したがって、充填密閉シリンダー5は、垂直方向に上昇、降下が可能で、図示しないが、シリンダー上下機構に連結されている。充填密閉シリンダー5は、上部の充填シリンダー5Aと下部の気密シリンダー5Bとからなる。
【0038】
気密シリンダー5Bの側部には、電解液3を充填している状態が確認できるように、確認窓21を設けている。確認窓21は、圧変化に対応できる十分な強度を有し、かつ透明なガラスで気密に閉塞されている。
【0039】
充填密閉シリンダー5の気密チャンバー10と、気泡分離チャンバー17は、別々に開閉される開閉弁22、19を介して減圧機に連結される。減圧機は、閉鎖された気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17を減圧すると共に、気密チャンバー10を減圧状態から圧力を上昇できる全てもの、例えば吸引ポンプや真空ポンプが使用できる。真空ポンプは、ポンプの運転を調節して空気の吸引量を変化でき、真空度を変えることで圧力を調節できる。はじめに空気を多く吸引して真空度を高め、すなわち圧力を低下して、ここから徐々に吸引を弱めて大気圧に近づけていき、すなわち相対的に加圧していくことができる。さらにポンプを逆転させて加圧して、大気圧よりも高い圧力状態とすることもできる。
【0040】
減圧機は、開閉弁22、19を介して、気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17を別々に排気する。気密チャンバー10の空気が排気されると、気密チャンバー10内に配設されているケース1の開口部1Aから、電極体2の隙間の空気が排気され、電解液3を充填しやすい環境となる。気泡分離チャンバー17から空気を排気すると、一時貯溜室11に供給された電解液3に含まれる気泡が浮上して、気泡分離チャンバー17に溜まっている空気が排気される。
【0041】
図2に示す装置を複数台備えて、多量のケース1に並列に電解液3を充填する場合、減圧機は複数設ける必要はなく、一台の減圧機にロータリージョイントを介して複数のホースに分岐して、各々の装置の吸引部12に接続することもできる。この場合、ロータリージョイントを回転して吸引のオンオフを切り換え、あるいは吸引力を調整をすることができる。
【0042】
注液ノズル6は、注液管14の上端を電解液3の液面よりも上方に突出させているので、ピストン8を充填シリンダー5Aに降下させて、一時貯溜室11の電解液3の液面を押し上げて、注液管14を通じて、電解液3を減圧されたケース1に注入する。
【0043】
一時貯溜室11は、電解液3を充填した状態で、ピストン8を挿入して、上端の開口部を閉鎖する。ピストン8は、ピストン上下機構(図示せず)によって、上昇、下降される。ピストン8を上昇位置として、一時貯溜室11の上端を開口して、ここから電解液3を供給ノズル23で一時貯溜室11に充填する。電解液3の充填された一時貯溜室11の上端に、ピストン8は垂直に降下して、一時貯溜室11を気密に閉鎖する。したがって、ピストン8の中心軸と一時貯溜室11の中心軸、すなわち充填シリンダー5Aの中心軸は、同一の垂直線上にある。
【0044】
ピストン8をピストン上下機構で降下させて、一時貯溜室11を閉鎖した状態から、さらにピストン8を降下させて、電解液3を注入する。電解液3の液面を注液ノズル6の注液管14上端よりも高くすると、電解液3は、注液管14を通過して自然に流下してケース1に注入される。注液ノズル6からケース1に電解液3を速やかに注入するために、一時貯溜室11の圧力を、ケース1の内圧よりも高くして、いいかえると、注液ノズル6の下端と上端とに圧力差を設けて、電解液3を圧力で強制的にケース1に圧入する。このとき、電解液3を注入するケース1は減圧しているので、一時貯溜室11は必ずしも大気圧よりも高くする必要はない。一時貯溜室11を大気圧に開放して、一時貯溜室11の電解液3をケース1に圧入できる。ケース1内を減圧しているからである。ただ、一時貯溜室11を多少加圧して、電解液3をケース1に注入することもできるのは言うまでもない。
【0045】
ピストン8は、全体を筒状として、その中心には、注液ノズル6の外径に比較し十分に大きい内径の円柱状の挿通孔8Aを設けている。挿通孔8Aは、ピストン8を降下させた状態で、注液ノズル6の注液管14の上端よりも十分に上方に延長して設けられる。挿通孔8Aは、中心に、注液管14が挿通できるように、挿通孔8Aと注液管14も同一垂直線上にある。
【0046】
ピストン8を降下させた状態で、注液管14は挿通孔8Aに浅く挿入される。
ピストン8を降下して、一時貯溜室11の電解液3をケース1に注入する状態においても、一時貯溜室11の上部には気泡分離チャンバー17が形成される。ピストン8を降下させて、一時貯溜室11の電解液3をケース1に注入するときに、注入している一時貯溜室11の電解液3から気泡を分離するためである。
【0047】
以上の構造の電解液の充填装置が、ケース1に電解液3を充填する様子を、図2から図8に基づいて説明する。
(1) 図2に示すように、ケース1を土台4にセットする。ケース1は、セパレータを介して積層された電極体2を挿入しており、上端面に開口部1Aを開口している。ピストン8と充填密閉シリンダー5は上昇位置にある。ケース1のセットされた土台4を充填密閉シリンダー5の下部に位置させる。
【0048】
ピストン8を、充填シリンダー5Aから引き抜いた位置として、充填シリンダー5A内の一時貯溜室11の上方を開口し、充填シリンダー5Aに所定量の電解液3を供給する。電解液3は、供給ノズル23から充填シリンダー5Aの内部に供給される。供給ノズル23は、先端を充填シリンダー5Aの上端の開口部1Aに位置させることができるように、図示しないが、供給ノズル移動機構に連結される。また供給ノズル23には、ケース1に充填する電解液3の貯蔵タンク(図示せず)が連結されており、貯蔵タンクから電解液3を定量供給する。充填される電解液3の量は、1個のケース1に必要とされる電解液3の量とする。このとき、注液ノズル6の注液管14は、その上端を電解液3の液面よりも上に位置させているので、一時貯溜室11に供給された電解液3は、注液ノズル6から下に落ちることがなく、一時貯溜室11に溜まる。
【0049】
(2) 図3の矢印で示すように、土台4に向かって、充填密閉シリンダー5とピストン8を降下させる。充填密閉シリンダー5の気密シリンダー5Bの内側に、土台4の周壁シリンダー4Aを挿入して、ケース1を気密チャンバー10内に位置させる。
【0050】
(3) 図4に示す位置まで、充填密閉シリンダー5を降下させる。充填密閉シリンダー5の降下位置は、注液ノズル6の下端がケース1の開口部1Aから多少上方に位置する位置とする。さらに、ピストン8を充填密閉シリンダー5に対して降下させて、ピストン8で充填シリンダー5Aの上端開口部を閉塞する。この状態で、一時貯溜室11は、上端が閉鎖されると共に、上部に気泡分離チャンバー17が設けられる。
この状態で、気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17に連結される開閉弁22、19を開き、気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17の両方の空気を減圧機で排気して減圧する。気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17は、完全な真空状態にまで減圧する必要はなく、例えば20〜100Torr、好ましくは約60Torrとなるまで減圧する。この工程で、ケース1内の電極体2の隙間に存在する空気は大部分が排気される。また、一時貯溜室11に蓄えられる電解液3に含まれる気泡は、気泡分離チャンバー17に浮上して、排気される。
【0051】
(4) 図5に示すように、減圧機で気密チャンバー10と気泡分離チャンバー17内を負圧状態を保った状態で、さらに充填密閉シリンダー5とピストン8を一緒に降下させる。充填密閉シリンダー5は、注液ノズル6の本体部13の下端の下面接液面13Bをケース1の開口部1Aに案内するまで降下させる。この状態で、本体部13の下面接液面13Bは、好ましくは図9に示すように、下面を、ケース1の開口部1Aの上端縁よりもわずかにケース1内に入れる位置まで降下させる。ただ、下面接液面13Bは、その下面を、ケース1の開口部1Aの上端縁と同一平面とし、あるいは図10に示すように、ケース1の開口部1Aの上端縁よりもわずかに上方に配設することもできる。下面接液面13Bとケース1との隙間が、次の工程において電解液3で閉塞されるからである。
【0052】
(5) 図6に示すように、ピストン8を、充填シリンダー5Aの内部に挿入させる。降下するピストン8は、一時貯溜室11に蓄える電解液3の液面を上昇させる。電解液3の液面が上昇されて、注液ノズル6の注液管14の上端よりも高くなると、電解液3は注液管14から排出される。注液管14が排出される電解液3は、本体部13からケース1に注液される。注液された電解液3は、注液ノズルの本体部13に設けている下面接液面13Bの下面と電極体2との間を通過して外周に至り、下面接液面13Bとケース1との隙間を閉塞する。下面接液面13Bは、電極体2の上面との間に電解液3を通過できる隙間ができるように、電極体2との間にわずかな隙間を設ける位置まで降下し、あるいは下面に凹部や凸部を設けて電極体2との間に隙間を設ける。
【0053】
(6) 下面接液面13Bとケース1との間を電解液3で閉塞する状態で、さらにピストンを降下させて、電解液3の液面を上昇させると共に、気密チャンバと一時貯溜室の圧力を次第に上昇させる。一時貯溜室の圧力を上昇するために、図7に示す装置は、一時貯溜室の排気口18を分岐し、分岐路24に開放弁25を連結している。減圧機に連結される開閉弁19を閉じて開放弁25を開くと、一時貯溜室11は圧力が上昇して次第に大気圧になる。この状態になると、気密チャンバー10を減圧しているので、一時貯溜室11の電解液3は、注液管14から排出される。排出された電解液3を電極体2の隙間に浸透させながら、ケース1内に充填するために、気密チャンバー10内の圧力も次第に上昇させる。気密チャンバー10の圧力は、開閉弁22を開いて上昇させる。ケース1の開口部1Aを下面接液面13Bと電解液3で閉塞する状態で、気密チャンバー10の圧力が上昇されると、電解液3は速やかに電極体2の隙間に吸入されながらケース1に充填される。
【0054】
一時貯溜室11と気密チャンバー10の圧力上昇は、電解液3が下面接液面13Bとケース1との隙間を閉塞する状態に保持しながら、電解液3がケース1から漏れないで注液できるように調整する。下面接液面13Bとケース1とを電解液3で閉塞できないと、下面接液面13Bとケース1との隙間から電極体2の空隙に空気が吸入されて電解液3を速やかに注液できなくなる。また、電解液3がケース1から漏れて開口部1Aに付着すると、ケース1の開口部1Aを封口板で閉塞するときに液漏れの原因となり、また、ケース1に所定量の電解液3を注液できなくなる。一時貯溜室11の圧力上昇が気密チャンバー10の圧力上昇に対して速すぎると、電解液3の供給量が多くなって、ケース1から漏れる弊害が発生する。また、気密チャンバー10の圧力上昇が一時貯溜室11の圧力上昇に比較して速すぎると、下面接液面13Bとケース1との隙間を電解液3で閉塞できなくなる弊害が発生する。この弊害がおこらないように、一時貯溜室11と気密チャンバー10の圧力上昇を調整する。一時貯溜室11の圧力上昇は、開放弁25の開度で調整し、気密チャンバー10の圧力上昇は開閉弁22の開度で調整する。
【0055】
一時貯溜室11を大気開放する開放弁25と、気密チャンバー10の開閉弁22は、大気に開放することもできるが、ドライエアーの空気源、あるいは、窒素ガス等の不活性なガス源に連結することもできる。さらに、開放弁25と開閉弁22は、加圧されたガスや空気源に連結することもできる。加圧空気源等に連結した開放弁や開閉弁は、これが開弁されると、一時貯溜室や気密チャンバに加圧された空気を圧入する。この装置は、一時貯溜室や気密チャンバを大気圧よりもさらに高い圧力に加圧するので、より短時間でケースに注液できる。
【0056】
注液ノズル6からケース1に電解液3を注入するとき、ケース1内の電極体2の隙間の空気が排気されている。このため、電解液3はケース1内の空気に邪魔されることなくスムーズに電極体2の隙間に入り込み、急速に電極体2の隙間に浸透していく。
【0057】
(7) 所定量の電解液3がケース1内に供給されると、図8に示すように、開閉弁19、22と開放弁25を閉弁した後、充填密閉シリンダー5とピストン8とを一緒に上昇させる。このときの、ケース1内の圧力は大気圧に近い気圧となっている。
【0058】
(8) 土台4と充填密閉シリンダー5の密閉状態を開放した後、電解液3の充填されたケース1を土台4から外し、さらに電解液3を充填する別のケース1を装着し、以下同様の工程を繰り返して電解液3を充填する。
【0059】
以上の充填装置は、注液ノズルの下面接液面13Bをケース1の開口部1Aよりも小さくしているが、注液ノズルは、図11と図12に示す構造とすることもできる。図11の注液ノズル6は、先端をテーパー状に細くして、下面接液面13Bをケース1の開口部1Aよりも小さくしている。さらに、図12の注液ノズル6は、円筒状として、下面接液面13Bの外形をケース1の開口部1Aにほぼ等しくしている。この注液ノズル6は、下面接液面13Bをケース1の開口部1Aから上方に離す位置に停止して、下面接液面13Bとケース1の開口部1Aとの間に隙間を設け、この隙間を供給される電解液3で閉塞して注液する。この注液ノズル6は、中心に注液孔のある注液パイプ26を配設しており、ここから電解液3を注液する。さらに、円筒状の注液ノズル6は、本体部13の半径方向に貫通孔27を開口して、注液ノズル6の内部を気密チャンバーに連結している。
【0060】
【発明の効果】
本発明の電解液の充填方法と装置は、極めて簡単な方法と機構で電解液を速やかにケースに充填できる特長がある。それは、本発明が下面接液面を先端に有する注液ノズルを、下面接液面をケースの開口部に位置させると共に、開口部と下面接液面との間に隙間ができる位置に案内し、注液ノズルから電解液を供給して、供給された電解液で下面接液面と開口部との隙間を閉塞し、隙間を電解液で閉塞する状態で注液ノズルからケースに電解液を注液するからである。このようにして電解液を充填する方法は、電解液を速やかに充填するために、従来のように注液ノズルの下面接液面を気密にケースに密着する必要がない。充填する電解液を気密に密閉するシールに利用するからである。このため、本発明は、注液ノズルの下面接液面とケースとの寸法誤差や相対位置のずれが問題とならずに、速やかに電解液を充填できる。また、パッキン等のシール材を使用する必要がないので、簡単な構造でシール材の摩耗等が原因で発生するシール不良を皆無にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】開口部が大きくて浅いケースに注液した電解液が表面張力で丸くなる状態を示す断面図
【図2】本発明の実施例にかかる電解液の充填装置の断面図
【図3】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図4】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図5】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図6】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図7】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図8】本発明の実施例の充填装置が電解液をケースに注液する工程を示す断面図
【図9】注液ノズルからケースに電解液を注液する状態を示す拡大断面図
【図10】注液ノズルからケースに電解液を注液する他の状態を示す拡大断面図
【図11】注液ノズルの他の一例を示す拡大断面図
【図12】注液ノズルの他の一例を示す拡大断面図
【符号の説明】
1…ケース 1A…開口部
2…電極体
3…電解液
4…土台 4A…周壁シリンダー 4B…支持部
5…充填密閉シリンダー 5A…充填シリンダー 5B…気密シリンダー
6…注液ノズル
7…注入機構
8…ピストン 8A…挿通孔
9…ケース減圧機構
10…気密チャンバー
11…一時貯溜室
12…吸引部
13…本体部 13A…注液孔 13B…下面接液面
13C…鍔
14…注液管
15…Oリング
16…隔壁
17…気泡分離チャンバー
18…排気口
19…開閉弁
20…Oリング
21…確認窓
22…開閉弁
23…供給ノズル
24…分岐路
25…開放弁
26…注液パイプ
27…貫通孔
Claims (9)
- 電極体(2)の入れられたケース(1)の開口部(1A)に注液ノズル(6)を連結し、この注液ノズル(6)でもってケース(1)に電解液(3)を注液する電解液の充填方法において、
注液ノズル(6)を、下面接液面(13B)をケース(1)の開口部(1A)に位置させると共に、開口部(1A)と下面接液面(13B)との間に隙間ができる位置に案内し、注液ノズル(6)から電解液(3)を供給して、供給された電解液(3)で下面接液面(13B)と開口部(1A)との隙間を閉塞し、隙間を電解液(3)で閉塞する状態で注液ノズル(6)からケース(1)に電解液(3)を注液することを特徴とする電解液の充填方法。 - 電極体(2)を入れているコイン電池のケース(1)に注液する請求項1に記載される電解液の充填方法。
- ケース(1)内の気体を排気して減圧して、注液ノズル(6)が下面接液面(13B)をケース(1)の開口部(1A)に案内する状態で減圧状態にあるケース(1)に電解液(3)を供給し、供給された電解液(3)で下面接液面(13B)と開口部(1A)との隙間を閉塞し、隙間を電解液(3)で閉塞する状態で注液ノズル(6)からケース(1)に電解液(3)を注液する請求項1に記載される電解液の充填方法。
- 電極体(2)を入れたケース(1)の開口部(1A)に連結して、電極体(2)を注液する注液ノズル(6)と、この注液ノズル(6)に電解液(3)を供給してケース(1)に注液する注入機構(7)とを備え、
注液ノズル(6)が、下面接液面(13B)を先端に有し、この下面接液面(13B)をケース(1)の開口部(1A)に位置すると共に、下面接液面(13B)とケース(1)の開口部(1A)との間に隙間ができる位置に案内して、注液ノズル(6)から電解液(3)を供給し、供給された電解液(3)で下面接液面(13B)と開口部(1A)との隙間を閉塞して、注液ノズル(6)がケース(1)に電解液(3)を注液することを特徴とする電解液の充填装置。 - ケース(1)内の気体を排気して減圧するケース減圧機構(9)を備え、このケース減圧機構(9)がケース(1)内を減圧する状態で、注液ノズル(6)の下面接液面(13B)をケース(1)の開口部(1A)に案内し、注液ノズル(6)から電解液(3)を供給して、供給された電解液(3)で下面接液面(13B)と開口部(1A)との隙間を閉塞し、電解液(3)が隙間を閉塞する状態で注液ノズル(6)がケース(1)に電解液(3)を注液する請求項4に記載される電解液の充填装置。
- ケース(1)の開口部(1A)が円形で、注液ノズル(6)の先端に設けている下面接液面(13B)の外形が円形で中心に注液孔(13A)を設けている請求項4に記載される電解液の充填装置。
- 下面接液面(13B)の外形がケース(1)の開口部(1A)の内形よりも0.1〜2mm小さい請求項4に記載される電解液の充填装置。
- ケース減圧機構(9)が、ケース(1)を配設する気密チャンバー(10)を気密に閉塞する充填密閉シリンダー(5)を備え、この充填密閉シリンダー(5)に注液ノズル(6)を固定している請求項5に記載される電解液の充填装置。
- ケース(1)を定位置に配設する土台(4)を備え、この土台(4)はケース(1)の外側に配設される周壁シリンダー(4A)を備えており、充填密閉シリンダー(5)は、周壁シリンダー(4A)の外側または内側に移動して、気密に密閉される気密チャンバー(10)を構成する気密シリンダー(5B)を備えており、気密シリンダー(5B)と周壁シリンダー(4A)とで密閉する気密チャンバー(5B)を構成し、気密チャンバー(5B)を減圧してケース(1)内を減圧する請求項8に記載される電解液の充填装置。
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