JP2004247120A - 電解液注液方法および電解液注液装置 - Google Patents
電解液注液方法および電解液注液装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】電解液の液ロスの低減化、高い注液精度、電解液の極板群への含浸時間の短縮化、気泡の電解液への混入防止およびコスト低減を図って高品質の電池を得られる電解液注液方法および電解液注液装置を提供する。
【解決手段】極板群を収納済みの電池ケース8を収容した注液チャンバ10の密閉空間を減圧して、電池ケース8の内部と開口部を有する二次貯液室42の内部とを同時に真空引きしたのち、電池ケース8の注液口8aを二次貯液室42の開口部に気密状態に連通接続する。注液バルブ38を開いて、一次貯液室12内の定量の電解液2を液通路37を介して二次貯液室42に送給し、注液バルブ38を閉じて二次貯液室42を密閉状態に保持し、ピストン34の作動で二次貯液室42の内部容積を縮小しながら二次貯液室42内の電解液2をピストン34で直接に加圧しながら電池ケース8内に注入する。
【選択図】 図1
【解決手段】極板群を収納済みの電池ケース8を収容した注液チャンバ10の密閉空間を減圧して、電池ケース8の内部と開口部を有する二次貯液室42の内部とを同時に真空引きしたのち、電池ケース8の注液口8aを二次貯液室42の開口部に気密状態に連通接続する。注液バルブ38を開いて、一次貯液室12内の定量の電解液2を液通路37を介して二次貯液室42に送給し、注液バルブ38を閉じて二次貯液室42を密閉状態に保持し、ピストン34の作動で二次貯液室42の内部容積を縮小しながら二次貯液室42内の電解液2をピストン34で直接に加圧しながら電池ケース8内に注入する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、密閉型電池の製造過程における極板群が収納された電池ケース内に所定量の電解液を注液する工程での電解液注液方法およびその注液方法を具現化した電解液注液装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
密閉型電池は、電池ケース内に極板群を収納したのちに電解液を注液し、電池ケースの開口部または注液口を密閉状態に閉塞する工程を経て製造されている。電解液の注液工程では、電池ケース内に注入した電解液が、正,負の極板をセパレータを介在させて高密度に積層または積層状態で渦巻状に巻回されてなる極板群の小さな隙間に浸透し難いために、所定量の電解液を極板群に含浸させるまでに長時間を要する。
【0003】
電解液を速やかに極板群に含浸させるために、従来では、電解液を注入した電池ケースの開口部に気密状態で接続した真空ポンプにより電池ケース内を減圧することにより、電池ケース内の減圧に伴って極板群の隙間に存在する空気を気泡として電解液の液面に浮上させることが行われていた。ところが、この注液手段では、電解液の極板群への浸透をある程度促進できるが、極板群の隙間に存在する空気が微細な気泡となるため、この微細な気泡が、極板群の表面に付着したりして電解液の液面に速やかに浮上しないので、電解液の注液時間を十分に短縮することができない。
【0004】
また、電解液の注液時間をさらに短縮するために、上述の減圧手段に加えて、電解液を充填した電池ケースの開口部を閉塞した状態で電池ケース内の電解液を不活性ガスなどで加圧することにより、電解液を極板群に強制的に浸透させるように図った装置も知られている。しかし、この装置は、電池ケースの加圧状態を解除して大気圧に戻した瞬間に、極板群の隙間で加圧されて小さく押し潰されていた気泡が大きく膨張するため、極板群の隙間に一旦含浸させた電解液が電池ケースの外部に飛び出してしまう問題がある。
【0005】
そこで、従来では、上述した問題の解消を図るために、次に説明する種々の注液装置(以下、第1ないし第5の従来技術という)が提案されている。すなわち、第1の従来技術の注液装置は、図13に示すように、極板群61が予め収納された電池ケース60を閉塞シリンダ62によって気密に閉塞し、吸引部63を介して接続された減圧機(図示せず)の駆動によって電池ケース60内を減圧した状態でピストン64を駆動することにより、一時貯液室65内の電解液66を注液管67から電池ケース60内に注液するとともに、減圧機の駆動制御によって電池ケース60内を減圧状態から加圧状態に変えて、電解液66の極板群61への浸透を促進するようになっている(特許文献1参照)。
【0006】
上記注液装置では、注液管67の上端が一時貯液室65内の電解液66の液面よりも上方まで突出されており、一時貯液室65内に注入された電解液66を注液管67に流入させずに貯留した状態において、電池ケース60の内部を減圧したのちに、ピストン64が一時貯液室65内の電解液66の液面を押し上げて電解液66を注液管67の導入口から流入させて注液管67を介し電池ケース60内に注液するようになっている。
【0007】
この注液装置では、閉塞シリンダ62で閉塞した電池ケース60内を減圧機で減圧して電池ケース60内の空気を排気するので、極板群61の隙間に存在する空気も排気される。これにより、電池ケース60に注入した電解液66は、極板群61の微細な隙間への浸透を促進されながら、極板群61に含浸される。そののち、電池ケース60内の圧力が上昇することにより、電解液66が極板群61に強制的に含浸される。
【0008】
また、第2の従来技術の注液装置は、上記第1の従来技術の構成に加えて、電池ケースの開口部に注液ノズルを連結して、閉塞状態の一時貯液室の上部に気泡分離チャンバを設け、この気泡分離チャンバに開口された排気口から一時貯液室内の空気を排気して減圧することにより、一時貯液室に蓄えられている電解液に含まれている気泡を浮上させて気泡分離チャンバで分離し、気泡を分離しながら電解液を注液ノズルを介し電池ケース内に注入するようになっている(特許文献2参照)。この注液装置は、気泡が電解液と共に電池ケース内に注入されるのを防止しようとするものである。
【0009】
また、第3の従来技術の注液装置は、図14に示すように、内部に電池ケース60を着脱自在に保持して昇降可能な保持台68と注液ノズル69とを具備し、開閉自在な密閉容器に形成された注液チャンバ70と、この注液チャンバ70に計量ポンプ71を介して管路接続され、電解液66を貯蔵する電解液タンク72と、注液チャンバ70にそれぞれ電磁弁75,76を介して管路接続された真空チャンバ73および大気開放部74と、注液チャンバ70および真空チャンバ73にそれぞれ電磁弁78,79を介して管路接続された真空ポンプ77とを有している(特許文献3参照)。
【0010】
この注液装置では、注液チャンバ70を密閉状態として、電磁弁75を開くことにより、予め真空ポンプ77の駆動によって内部が低圧に保持されている真空チャンバ73を注液チャンバ70に連通して、注液チャンバ70内に収納されている電池ケース60の内部を真空引きし、そののち、保持台68の上昇によって電池ケース60の注液口60aを注液ノズル69に接続し、注液バルブ80を開いて計量ポンプ71により所定量の電解液66を注液口60aから電池ケース60内に注液し、この注液工程の後に、保持台68の下降により注液口60aを注液ノズル69から分離し、電池弁76を開いて注液チャンバ70内の圧力を大気圧とすることにより、電池ケース60内の電解液66を大気圧で加圧して極板群61の隙間に強制的に浸透させるように図っている。
【0011】
この注液装置では、内部を予め低圧に保持した真空チャンバ73を注液チャンバ70に連通することにより、真空引き時間の短縮化を図って能率的に注液できるようにしている。また、計量ポンプ71を管路を介して注液ノズル69に接続することにより、注液経路において電解液66に空気が混入することによる気泡の発生を防止するようにしている。
【0012】
また、第4の従来技術の注液装置は、電池ケースの開口部を気密に封口する閉塞部と、その一端側が閉塞部に接続されるとともに他端側に電解液が供給される注入ラインと、この注入ラインの途中に設けられ、電池ケース内の極板群に含浸させる所定量の電解液を貯留する貯留部と、この貯留部を第1気圧まで減圧する第1の減圧部と、貯留部内を大気開放する大気開放部と、電池ケース内を第1気圧より低い第2気圧まで減圧する第2の減圧部とを備えている(特許文献4参照)。
【0013】
この注液装置では、貯留部内を第1気圧まで減圧することによって電解液から脱泡し、電池ケース内を貯留部の内部以上の高い真空圧に減圧することによって電解液の極板群への浸透を促進し、貯留部内を大気開放することによって電解液を加圧して電解液の極板群への含浸を促進するように図っている。
【0014】
また、第5の従来技術の注液装置は、所定量の電解液を蓄えた一時貯液室と、極板群を収納した電池ケースとを、個別の貯液室減圧機構およびケース減圧機構により別々に排気して減圧することにより、一時貯液室を電池ケースよりも高い圧力に減圧し、開閉弁を開弁することにより電池ケースと一時貯液室との圧力差によって一時貯液室内の電解液を電池ケース内に充填するようにしている(特許文献5参照)。
【0015】
この注液装置では、電池ケースと一時貯液室とを別々に減圧することにより、電池ケースを充分に減圧して電池ケース内の空気を確実に排気するとともに、一時貯液室を、減圧によって電解液を変質させることなく減圧した上で、電解液をより速やかに効率よく電池ケース内に注液できるように図っている。
【0016】
【特許文献1】
特開平9−99901号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平11−26331号公報
【0018】
【特許文献3】
特開2000−182599号公報
【0019】
【特許文献4】
特開平11−73942号公報
【0020】
【特許文献5】
特開2002−274504号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の各注液装置には、何れも解決しなければならない問題が残存している。すなわち、図13の第1の従来技術の注液装置では、電解液66の注入に先立って電池ケース60内を減圧機の駆動により真空引きするときに、一時貯液室65における電解液66の液面よりも上方の空間が注液管67を通じて電池ケース60と連通状態になっているので、電池ケース60内を電解液66の蒸気圧以下の真空度に高めることができないだけでなく、一時貯液室65内の電解液66を確実に電池ケース60内に注液することができない。しかも、ピストン64により電解液66を加圧するときに、電池ケース60と注液管67の注液口との間が離間しているので、ピストン64で加えた圧力をそのまま電解液66に伝えることがきないから、電解液66の極板群への含浸を十分に促進することができず、注液時間が長くかかるとともに、電池ケース60内の電解液66が外部にこぼれ出る可能性があり、電解液66が電池材料の中でも高価な材料の一つであることから、経済的損失が大きくなる。これらにより、この注液装置では、電池ケース60への電解液66の注液精度が低下するから、電池容量の低下を招く。
【0022】
また、上記注液装置では、一時貯液室65に蓄えられている電解液66に気泡が存在していると、その後の注液工程において気泡を取り除くことができないので、気泡が電解液66と共に電池ケース60内に注入されてしまい、電池としたときに所要の電気特性が得られないことから、電池の品質低下を招く。さらに、ピストン64によって一時貯液室65内の電解液66を注液管67を介し電池ケース60内に注液するときには、ピストン64による加圧力を電池ケース60内の電解液66に直接的に作用させることができない。何故ならば、電池ケース60と注液管67の注液口との間が離間しているからである。これらにより、この注液装置では、電解液66を極板群61に迅速に浸透させることができず、注液時間を十分に短縮することができないことがある。
【0023】
また、第2の従来技術の注液装置では、一時貯液室に蓄えられている電解液の気泡を浮上させて気泡分離チャンバで分離することにより、気泡を取り除くことができるが、第1の従来技術と同様に、電解液の注入に先立って電池ケース内を減圧機の駆動により真空引きするときに、一時貯液室における電解液の液面よりも上方の空間が注液管を通じて電池ケースと連通状態になっているので、電池ケース内を電解液の蒸気圧以下の真空度に高めることができないから、やはり電解液を極板群に迅速に浸透させることができず、注液時間を十分に短縮することができないとともに、注液精度が条件設定により低い場合がある。
【0024】
さらに、第3の従来技術の注液装置では、一時貯液部を設けずに計量ポンプ71を電池ケース60に管路で密閉状態に直結して、計量ポンプ71と電池ケース60間を電解液66で充満させるようにしているので、精度良く注液するためには、一つの計量ポンプ71で対応する方が好ましい。
【0025】
また、この注液装置では、電池ケース60内を真空引きする時間の短縮化を図っているが、高容量電池では、真空引き時間よりも電池ケース60内の電解液66を加圧して極板群61に浸透させるのに時間がかかる。これに対し、この注液装置では、電解液66を電池ケース60に注入したのち、電池ケース60の注液口60aを注液ノズル69から離間させて、注液チャンバ70内を大気圧とし、この大気圧でのみ電池ケース60内の電解液66を加圧するだけである。このような加圧手段では、電解液66を極板群61に浸透させるのに時間がかかり、特に、多連にした場合には生産性が著しく低下する。
【0026】
さらに、第4の従来技術の注液装置では、大気圧下で貯留部内に注入した電解液を真空引きすることによって液中の気泡を除去するように図っているので、脱泡に時間がかかり過ぎるだけでなく、液中の気泡を完全に除去することが難しい。また、電解液を極板群に浸透させるに際しては、予め減圧した電池ケース内の真空圧と大気圧との差圧のみに頼っているので、電解液を極板群に含浸させるのに長時間を要するだけでなく、大気圧に開放していることから、電解液が極板群に浸透されていく過程において電解液中に気泡を巻き込んでしまい、電解液の含浸時間が逆に長くかかったり、電解液が電池ケースの外部に溢れ出るといった不具合が発生し易い。
【0027】
また、この注液装置では、電解液を極板群の隙間に迅速に浸透させるために、電池ケースを大気圧に開放すると同時にピストンで電池ケース内を加圧する手段も設けているが、この場合には電解液中に気泡が混入し易い。
【0028】
さらにまた、第5の従来技術の注液装置では、電池ケースと一時貯液室とを別々に減圧することにより、電解液中の気泡の除去および注液過程での電解液への気泡の混入を防ぐことができるが、電池ケースと一時貯液室との差圧のみに頼って電解液を電池ケース内に注入しており、電解液を電池ケース内に強制的に注入する手段を備えていないので、電解液の極板群への含浸に時間がかかり、生産性を高めることができないだけでなく、粘性の高い電解液が液供給経路の内壁面に付着残存し易いので、注液精度が低く、また、気泡が生じ易い。
【0029】
しかも、上記注液装置では、電池ケースと一時貯液室とを別々に減圧するために、貯液室減圧機構の内部に一時貯液室を設けた充填シリンダを備え、この充填シリンダの内部にケース減圧機構の気体排気路を有する排気シリンダを配設し、排気シリンダを充填シリンダの内部で軸方向に上下に移動できるように配設するとともに、排気シリンダの下端に開閉弁を設け、排気シリンダを上昇させて開閉弁を開弁し、排気シリンダを下降させて開閉弁を閉弁するといった極めて複雑な構成になっているので、コスト高となる。
【0030】
上述のように、従来の各注液装置には、電解液を極板群に浸透させるのに時間がかかって生産性が低く、電解液中に気泡が混入し易く、あるいは電解液中の気泡を完全に取り除くのが困難であるのに起因して電池の品質が低下し、設備費用が高くついたり、あるいは液ロスが多いのに伴ってコスト高となるだけでなく、多量の液ロスの発生に伴い注液精度が低くなって安定した電池性能を得られないといった問題が残存している。
【0031】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、電解液の液ロスを格段に低減して高い注液精度を得ながらも、電解液の極板群への含浸時間の短縮化を図ることができるとともに、気泡の電解液への混入を防止して高品質の電池を得ることができ、さらに、コスト低減を図ることもできる電解液注液方法および電解液注液装置を提供することを目的とするものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電解液注液方法は、電解液タンクから定量の電解液を一次貯液室内に供給する電解液供給工程と、極板群を収納した電池ケースを注液チャンバの内部の密閉空間に収容して前記密閉空間内を減圧することにより、前記電池ケースの内部と、中間に注液バルブを介設した液通路を介して前記一次貯液室に連通し、且つ前記密閉空間に向けて開口した二次貯液室の内部とを同時に真空引きする電池ケース排気工程と、内部を真空引きした前記電池ケースの注液口または開口部を前記二次貯液室の開口部に気密状態に連通接続する電池ケース接続工程と、前記注液バルブを開くことにより、前記一次貯液室内の電解液を前記液通路を介して前記二次貯液室に送給する電解液移送工程と、前記一次貯液室内の電解液を前記二次貯液室に送給し終えたのちに前記注液バルブを閉じて前記二次貯液室を密閉状態に保持し、ピストンの作動によって前記二次貯液室の内部容積を縮小していくことにより、前記二次貯液室内の電解液を前記ピストン表面で直接に加圧しながら前記電池ケース内に注入する注液工程とを備えていることを特徴としている。
【0033】
この電解液注液方法では、ピストンの作動で二次貯液室の内部容積を気密状態に保持しながら縮小することにより、加圧ガスなどを介在させることなくピストンで電解液を直接的に加圧しながら、この電解液を、予め真空引きした二次貯液室に連通接続した電池ケースの注液口または開口部を介して予め真空引きした電池ケース内に強制的に注入するので、電解液の極板群への含浸時間を大幅に短縮することができるとともに、一次貯液室から液通路および二次貯液室を介して電池ケースの内部に至る注液通路の何れの箇所においても電解液が大気に触れることがなく、また、ピストンの加圧力を電解液に直接的に作用させていることから、注入過程の電解液中にガスが混入することがないので、加圧開放時に電解液中のガスが気泡となって電解液を溢れさせるといったことが生じるおそれがなく、また、液ロスが減少して注液精度が格段に向上し、電気特性の安定した高品質の電池を得ることができる。
【0034】
上記発明における注液工程において、ピストンによる電解液への加圧力と同等の膨れ防止用加圧力を電池ケースの外面に対し付与することが好ましい。この手段によれば、ピストンの加圧力を電解液に直接的に作用させて電解液を電池ケース内に強制的に注入するにも拘わらず、特に内部に加圧力を受けた場合に外方へ膨れ変形し易い角形の電池ケースに電解液を注液する場合においても、この角形の電池ケースの長辺側板部が外方に膨れ変形するのを防止することができる。したがって、ピストンによる加圧圧力を高く設定して電解液の注液を促進した場合にも、電池ケースの外方への膨れ変形を防止することができる。
【0035】
上記膨れ防止用加圧力を付与する手段として、長方形または長円形の横断面形状を有する角形の電池ケースを、前記電池ケースの外周面との間に少許の隙間を形成できる内周面を有する保形容器内に挿入した状態で注液チャンバの密閉空間内に収容し、前記電池ケースの膨出を阻止する加圧力を前記保形容器の内周面で付与することができる。
【0036】
これにより、極めて簡単な構成としながらも、角形の電池ケースへの外方への膨れ変形を確実に防止できるとともに、ピストンによる加圧力を解除して電池ケースの注液口を二次貯液室から離間したときに、電池ケースが元の形状に復帰するので、電解液の注液済みの電池ケースを保形容器から容易に取り出すことができる。
【0037】
上記膨れ防止用加圧力を付与する他の手段として、注液チャンバの密閉空間内に不活性ガスを供給して、前記密閉空間内の圧力がピストンによる電解液への加圧力とほぼ同等になるように不活性ガスの供給を制御するようにしてもよい。この手段によっても電池ケースへの外方への膨れ変形を効果的に防止することができる。
【0038】
上記発明において、電解液供給工程に先立って電解液タンク内を真空引きすることにより、電解液中の気泡を除去する予備脱泡工程を備えていることが好ましい。これにより、電解液タンク内の電解液をこれに含まれている気泡の大部分を除去した上で一次貯液室内に供給することができる。
【0039】
また、上記発明において、電解液供給工程を経て定量の電解液が供給された一次貯液室内を真空引きして電解液中の気泡を除去する脱泡工程を備えるとともに、電解液移送工程において、注液バルブを開いて前記一次貯液室の電解液の液面の真空圧力と二次貯液室の真空圧力との差圧により前記一次貯液室内の電解液を前記二次貯液室に供給することが好ましい。
【0040】
この手段によれば、一次貯液室内の電解液に残存する気泡を除去したのちに、一次貯液室の電解液の液面の真空圧力と二次貯液室の真空圧力との差圧により一次貯液室内の電解液を二次貯液室に供給するので、電解液が大気に触れることがないことから、電解液に気泡が混入するおそれがなく、且つ電解液の蒸発量を格段に軽減できるから、液ロスが一層低減して注液精度がさらに向上する。
【0041】
上記発明における注液工程においてピストンが所定のストロークだけ作動して停止したのちに、注液バルブを開いて一次貯液室内から液通路を介して二次貯液室に不活性ガスを供給し、前記二次貯液室内に残存する電解液を前記不活性ガスの流通により電池ケース内に注入する第2の注液工程と、電解液の液面が電池ケースの注液口より低くなった時点で前記注液バルブを閉じたのちに、前記電池ケースの注液口を前記二次貯液室から離間させ、注液チャンバ内に供給する不活性ガスの圧力により前記電池ケース内の電解液を加圧する第3の注液工程とを備えていることが好ましい。
【0042】
これにより、ピストンの加圧力を二次貯液室内の電解液に直接的に作用させて、所定量の電解液の殆どを電池ケース内に強制的に注入したのちに、二次貯液室に残存する電解液を、一次貯液室、液通路およびピストンを介して供給した加圧気体で加圧し、さらに、電池ケース内の電解液を注液チャンバの密閉空間に供給した加圧気体で加圧するので、所定量の電解液に残液が生じることなく確実に注入できるので、注液精度が一層向上するとともに、電解液を電池ケース内の極板群に極めて円滑に浸透させることができ、注液時間のさらなる短縮化を図ることができる。
【0043】
同上の発明における第3の注液工程に代えて、第2の注液工程によって電解液の液面が電池ケースの注液口より低くなった後も、この第2の注液工程の状態を保持したまま、一次貯液室、液通路および二次貯液室を通じて電池ケース内に供給する不活性ガスをの圧力により前記電池ケース内の電解液を加圧する第3の注液工程を設けることもできる。
【0044】
この場合にも、所定量の電解液を、電池ケース内の極板群の微細な隙間に極めて効率的に浸透させて、短時間で電池ケース内に充填することができるので、注液時間のさらなる短縮化と、注液精度の一層の向上とを図ることができる。
【0045】
一方、本発明に係る電解液注液装置は、内部が一次貯液室となった密閉容器である一次貯液容器と、定量ポンプの駆動により電解液タンクから供給される定量の電解液を前記一次貯液室に注入する注液ノズルと、前記一次貯液室にそれぞれ管路接続された第1の真空ポンプおよび第1の加圧気体供給部と、ピストンと、上端が前記一次貯液室に連通し、且つ下部がピストンに貫通された液通路と、この液通路の中間に介設された注液バルブとを一体に備えて昇降されるピストン機構と、開閉自在な気密容器である注液チャンバと、前記注液チャンバの内部に設けられて、電解液を注液すべき電池ケースを保持しながら昇降させる電池ケース支持台と、前記注液チャンバの上端部に気密状態で貫通して支持されたシリンダと、このシリンダの内周面に気密状態で摺動される前記ピストンと、前記電池ケース支持台の上昇により前記シリンダの下端面に気密に当接される前記電池ケースの上端面とで囲まれて、閉状態の前記注液バルブで前記液通路が閉塞されることにより密閉空間に形成される二次貯液室とを備えていることを特徴としている。
【0046】
この電解液注液装置では、第1の真空ポンプで一次貯液室内を真空引きすることができ、第1の加圧気体供給部により一次貯液室および液通路を介して二次貯液室内に加圧気体を供給して電解液に作用させることができ、注液バルブの開閉によって一次貯液室と二次貯液室間とを液通路を介し接続および遮断することができ、ピストン機構によって二次貯液室内の電解液を直接的に加圧でき、シリンダとピストンと電池ケースとにより密閉空間の二次貯液室を構成することができるから、本発明の電解液注液方法を忠実に具現化して、当該注液方法の効果を確実に得ることができる。なお、二次貯液室を形成する電池ケースの上端面とは、角形の電池ケースの場合、電池ケースの上端開口部を密閉した封口板における注液口の孔周縁部であり、円筒形の電池ケースの場合、電池ケースの開口端面全体であり、これら何れの場合にも、シリンダの下端面に対し、密閉用パッキンやリングパッキンなどの封止部材を介在して密閉状態に当接される。
【0047】
上記発明において、注液チャンバの内部に設けられて、電解液を注液すべき電池ケースを保持しながら昇降させる電池ケース支持台と、注液チャンバの内部の密閉空間にそれぞれ管路接続された第2の真空ポンプおよび第2の加圧気体供給部とを備えていることが好ましい。
【0048】
この構成によれば、電池ケース支持台の昇降動作により、電池ケースの注液口または開口部を二次貯液室の開口部に対し気密状態に連通接続または離間させることができ、第2の真空ポンプおよび第2の加圧気体供給部によって一次貯液室とは別個に注液チャンバに対し真空引きおよび加圧気体による加圧をそれぞれ行うことができる。
【0049】
上記発明において、ピストンの円筒外周面における少なくとも下端部分に、シリンダの内周面に気密状態で摺動する配置でピストンシールが固着されていることが好ましい。これにより、粘性の高い電解液がシリンダの内面に付着していても、この付着している電解液をピストンシールで拭い取って電池ケース内に注入できるので、これによっても注液精度のさらなる向上を図ることができる。
【0050】
上記発明において、定量ポンプを介在して電解液タンクに管路接続された注液ノズルが、一次貯液室に対し着脱自在に連結される可動式になっている構成を備えていることが好ましい。この構成によれば、装置を多連に配設する場合に、定量ポンプと電池ケースとを一対一で対設する必要がないので、簡単で安価な構成とすることができ、設備コストを含む製造コストを大幅に低減できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る電解液注液方法を具現化した電解液注液装置を示す概略縦断面図である。この実施の形態では、長方形または長円形の横断面形状を有する角形の電池ケース8に電解液2を注液する場合を例示してある。この角形の電池ケース8に注液する場合には、電池ケース8の開口部を閉塞する封口板(図示せず)に設けられた比較的小さな注液口8aから電解液2を注液するので、上端全周が開口した円筒形の電池ケースとは異なり、効率的に電解液2を注入するのが難しい。また、角形の電池ケース8は、内部に圧力が加えられたときに、短辺側板部8cに比べて面積の大きい長辺側板部8bが外方に膨れる状態に変形し易い。
【0052】
上記電解液注液装置は、構成を大別すると、電解液2を貯留する電解液タンク1、この電解液タンク1から定量ポンプ3および注液ノズル4を介して供給された所定量の電解液2を内部の一次貯液室12内に一時的に貯留する一次貯液容器7、この一次貯液容器7から供給された電解液2を収容して電池ケース8内に注入するシリンダ9、シリンダ9内の電解液2を加圧しながら電池ケース8内に注入するピストン機構33および電解液2を注液すべき電池ケース8を収容するための密閉容器である注液チャンバ10を備えて構成されている。
【0053】
上記電解液タンク1に貯留されている電解液2は、この実施の形態においてリチウム二次電池用の電解液であって、EC(エチレンカーボネート)とDMC(ジメチルカーボネート)の混合溶媒にLi PF6 を10wt%溶解したものである。この電解液2の蒸気圧は、2.4kPa(18mmHg、9℃)である。上記定量ポンプ3は、吸入側ヘッドに電解液タンク1が管路接続され、吐出側ヘッドに注液ノズル4が管路接続されている。また、電解液タンク1には、電磁弁5を介在して脱泡用真空ポンプ15が管路接続されているとともに、他の電磁弁16を介在して大気開放部に管路接続されている。
【0054】
上述の電解液タンク1、定量ポンプ3および注液ノズル4は、所定の注液ステーションに固定的に設置されており、これら構成を除く装置本体は、順次搬送されて注液ステーションに位置決め停止される。注液ノズル4は、装置本体が停止して一次貯液容器7の蓋体6が取り外されたときに、一次貯液容器7の内部の一次貯液室12に対し着脱自在に連結される可動式になっている。この一次貯液室12を開閉する蓋体6は、密閉用パッキン24を介して一次貯液室12を気密に密閉する。
【0055】
上記一次貯液室12の上端部の排気兼加圧口に連通して一次貯液容器7に接続された接続管19には、第1の真空ポンプ14が第1の電磁弁13を介在した管路を通じて接続されているとともに、第1の加圧気体供給部18が第2の電磁弁17を介在した管路を通じて接続されている。この第1の加圧気体供給部18は、加圧気体を1MPa以下の圧力で供給するものである。加圧気体としては、窒素、アルゴン、ネオンまたはヘリウムなどの不活性ガスを用いることができるが、この実施の形態ではN2 を用いている。なお、一次貯液室12の上端部の排気兼加圧口はφ1〜2mm程度の小径に形成されている。
【0056】
一方、上記注液チャンバ10はチャンバ上部体10Aとチャンバ下部体10Bとに分離されている。チャンバ上部体10Aは装置本体に固設され、チャンバ下部体10Bは、昇降自在に設けられて、チャンバ上部体10Aに対し接離するようになっている。この注液チャンバ10は、上昇されたチャンバ下部体10Bがリング状のシール部材21を介在してチャンバ上部体10Aに圧接されることにより、内部が密閉容器に形成される。
【0057】
上記チャンバ下部体10Bの内部には、電池ケース8が挿抜自在に挿入される保形容器25と、この保形容器25を支持する電池ケース支持台22と、この電池ケース支持台22を昇降させる電池ケース昇降機構23とが設けられている。保形容器25は、長方形または長円形の横断面形状を有する角形の電池ケース8の外周面との間全体に少許の隙間を形成できる内周面を有する形状になっており、電池ケース8を容易に挿入および抜脱できるが、電池ケース8が後述する加圧力を受けて膨出されようとしたときに、この膨出を阻止する加圧力を電池ケース8に付与するよう機能する。電池ケース昇降機構23は、図示を省略しているが、バルブを介在した配管を通じてコンプレッサに接続されており、電池ケース支持台22を支持するピストン23aがバルブの切換制御によって所定のストロークで上下動される。
【0058】
上記チャンバ上部体10Aには、これの上面壁を気密状態に貫通した状態で上記シリンダ9が取り付けられている。このシリンダ9の内側下端部は漏斗状に縮径されて、その下端開口は、角形の電池ケース8における比較的小さな注液口8aに対応する径の送液口9aに形成されている。さらに、シリンダ9の下端面には、上記送液口9aを囲む配置で密閉用パッキン27が固着されている。この密閉用パッキン27の材質は、弾力性と密着性に優れたEPDMである。
【0059】
さらに、チャンバ上部体10Aの側面壁に貫通して取り付けられた接続管28には、第2の真空ポンプ29が第3の電磁弁30を介在した管路を通じて接続されているとともに、第2の加圧気体供給部31が第4の電磁弁35を介在した管路を通じて接続されている。上記第2の加圧気体供給部31は加圧気体を1MPa以下の圧力で供給するものである。加圧気体としては、窒素、アルゴン、ネオンまたはヘリウムなどの不活性ガスを用いることができるが、この実施の形態ではN2 を用いている。
【0060】
上記一次貯液容器7とシリンダ9との間には、ピストン昇降シリンダなどからなるピストン昇降機構32によって昇降されるピストン機構33が設けられている。このピストン機構33は、シリンダ9の内周面に摺動して上下動されるピストン34と、このピストン34に連結された連結体36と、この連結体36およびピストン34にそれぞれ貫通されて上端開口が一次貯液室12に連通した液通路37と、連結体36における液通路37の中間に介設された小形の注液バルブ38とを備えて構成されている。上記液通路37は、φ1〜2mm程度の小径に形成されている。なお、連結体36の上端は、後述の図7〜図11に図示する補助連結体43を介してピストン昇降機構32に連結されており、液通路37は、その補助連結体43を介して一次貯液室12に連通されている。
【0061】
また、ピストン34の外周面には、二つの周方向の環状溝11が上下端に離間して形成されており、この環状溝11には、Oリングからなるピストンシール41が嵌合して固着されている。このピストンシール41は、ピストン34が上下動されるときに、シリンダ9の内周面に気密状態に摺動して、シリンダ9内を常に閉塞状態に保持する。また、ピストン34の下端面は、シリンダ9に対応した漏斗形状に形成されている。
【0062】
上記電池ケース8は、内部に極板群(図示せず)が予め収納されたのち、保形容器25に上方から挿入して保持された状態で電池ケース支持台22上に着脱自在に支持される。この保形容器25内に保持された電池ケース8は、電池ケース昇降機構23が上限位置まで上昇されたときに、同図に示すように、電池ケース8の上端面が密閉用パッキン27に対しこれを0.5mm程度圧縮させる力で押し付けられる。これにより、シリンダ9は、下端の送液口9aを密閉用パッキン27でシールされた状態で電池ケース8により気密に接続され、且つ上部をピストン34およびピストンシール41で閉塞されて、内部に密閉空間である二次貯液室42が形成される。但し、この二次貯液室42は、密閉用パッキン27を介して電池ケース8の内部と連通しており、注液バルブ38が開いたときに液通路37を通じて一次貯液室12と連通する。
【0063】
なお、上記二つの接続管19,28には、それぞれ電磁弁39,40を介設した大気開放用管路が分岐接続されており、チャンバ下部体10Bの下降動作に先立って上記各電磁弁39,40が開かれることにより、一次貯液室12および注液チャンバ10の密閉空間がそれぞれ大気開放されて、上述した加圧気体が外部に放出されるようになっている。
【0064】
つぎに、上記電解液注液装置による注液動作について、その注液工程を順に示した図2ないし図11を参照しながら説明する。これらの図において、定量ポンプ3、各真空ポンプ14,15,29および各加圧気体供給部18,31は、理解を容易にするために、駆動状態時を実線で、且つ非駆動状態時を破線でそれぞれ模式的に図示してある。
【0065】
先ず、図2の電池ケース装着工程では、装置本体が、注液チャンバ10のチャンバ下部体10Bがチャンバ上部体10Aから離間して下方の電池ケース装着位置まで下降された状態で搬送されて、注液ステーションに位置決め停止されると、このチャンバ下部体10B内の保形容器25内に、極板群が予め収納された角形の電池ケース8が挿抜自在に挿入して取り付けられる。このとき、脱泡用真空ポンプ15が実線で図示するように駆動されており、これにより、電解液タンク1内の電解液2中の気泡が予め除去される。
【0066】
続いて、図3に示すように、電池ケース8が電池ケース支持台22上の保形容器25内に取り付けられたチャンバ下部体10Bは、上昇されることにより、シール部材21を介在してチャンバ上部体10Aに気密に密着されて、チャンバ上部体10Aと共に注液チャンバ10を形成する。この注液チャンバ10は、注液バルブ38が閉じられていることにより、内部が密閉空間となる。また、電池ケース8の内部は、注液口8aを通じて注液チャンバ10の密閉空間に連通している。
【0067】
上述のようにして注液チャンバ10が構成されたならば、第3の電磁弁30が開かれたのちに第2の真空ポンプ29が実線で図示するように駆動されることにより、注液チャンバ10密閉空間および下方に開口状態の二次貯液室42が0.3〜1.3kPaまで減圧される。このとき、注液チャンバ10の密閉空間および二次貯液室42は、閉弁状態の注液バルブ38によって一次貯液室12に対し遮断されているから、第2の真空ポンプ29に設定した圧力に確実、且つ迅速に減圧される。
【0068】
電池ケース8の内部は、注液口8aを介して注液チャンバ10の密閉空間に連通しているので、上述のように注液チャンバ10の密閉空間が0.3〜1.3kPaまで減圧されるのに伴って電池ケース8の内部もほぼ同圧に真空引きされる。これの実施例の実測結果を示すと、電池ケース8の内部は、第2の真空ポンプ29を30秒間駆動したときに、0.3〜1.3kPaの真空度まで減圧することができた。これにより、電池ケース8内の極板群の小さな隙間に存在する空気は、内部が比較的高い真空度に減圧されるのに伴ってスムーズに外部に排気される。
【0069】
一方、一次貯液容器7では、蓋体6が取り外されて一次貯液室12の上方が開口され、この一次貯液室12に注液ノズル4が着脱自在に連結される。続いて、定量ポンプ3が実線で図示のように駆動されることにより、一次貯液室12内に、定量(この実施の形態では2.0g±0.1)の電解液2が電解液タンク1から定量ポンプ3および注液ノズル4を介して供給される。ここで、電解液2は、電解液タンク1において真空引きされて予め脱泡されていることが好ましい。
【0070】
この電解液注液装置では、単一の定量ポンプ3および注液ノズル4が設けられた注液ステーションに各装置本体が順次搬送されて、注液ステーションに位置決め停止された装置本体の一次貯液室12に注液ノズル4が順次接続されて電解液2の供給が行われる。したがって、装置本体を多連に配設する場合には、定量ポンプ3および注液ノズル4の設置台数を大幅に減らすことができる。
【0071】
一次貯液室12内に所定量の電解液2が供給されたならば、図4に示すように、第1の電磁弁13が予め開かれたのちに第1の真空ポンプ14が実線で図示するように駆動されて、一次貯液室12内が13.3kPaの減圧雰囲気まで減圧される。これにより、電解液2中に含まれている気泡は、液面に浮上したのち、排気される。この電解液2の脱泡工程を実施したときの実測結果を示すと、第1の真空ポンプ14を30秒間駆動したときに、電解液2の減圧度が13.3kPaであった。一次貯液室12は、閉弁状態の注液バルブ38によって注液チャンバ10の密閉空間とは遮断されているから、注液チャンバ10の減圧用の第2の真空ポンプ29とは別の第1の真空ポンプ14によって、注液チャンバ10の密閉空間の圧力とは異なる設定圧力に確実に減圧できる。すなわち、この電解液注液装置では、極めて簡単な構成により、一次貯液室12と注液チャンバ10の密閉空間とを別々に真空引きして、互いに異なる設定圧力に確実に減圧できる。
【0072】
また、電解液2の脱泡工程では、一次貯液室12が電池ケース8への電解液2の注液量とほぼ等しい内容積に設定されていることと、一次貯液室12における接続管19が接続される排気兼加圧口がφ1〜2mmの小径に設定されていることとにより、第1の真空ポンプ14の駆動により電解液2を真空引きする際の電解液2の蒸発を抑制して液ロスを格段に低減できるから、高精度な注液を行うことが可能となる。また、この脱泡工程では、従来のように電池ケース内に注入された電解液を真空引きして行う手段とは異なり、一次貯液室12内の電解液2に対して真空引きするので、電解液2中の気泡をほぼ確実に除去することが可能となる。
【0073】
一方、注液チャンバ10では、第2の真空ポンプ29の駆動によって電池ケース8の内部が所定の真空度に真空引きされたのちに、電池ケース昇降機構23がピストン23aを所定ストロークだけ吐出するよう駆動されて電池ケース支持台22を上限位置まで上昇させるので、電池ケース支持台22上の保形容器25に保持されている電池ケース8は、その上端面が密閉用パッキン27に対し0.5mm程度圧縮させる状態に押し付けられて、この密閉用パッキン27で気密にシールされてシリンダ9の下端面に密着され、シリンダ9の送液口9aと電池ケース8の注液口8aとが気密状態に連通される。これにより、シリンダ9の内部には、閉じた状態の注液バルブ38と電池ケース8とピストン34とピストンシール41とにより密閉された二次貯液室42が形成され、この二次貯液室42に電池ケース8の内部が連通している。
【0074】
つぎに、図5に示すように、注液バルブ38が開かれて、一次貯液室12と二次貯液室42とが液通路37を介して連通される。したがって、一次貯液室12内の電解液2は、一次貯液室12内の電解液2の液面上の圧力と二次貯液室42の圧力の差圧(この実施の形態では13.3kPa−0.3〜1.3kPa)によって二次貯液室42内に供給され、さらに、二次貯液室42と同圧に保持されている電池ケース8の内部に送液口9aおよび注液口8aを通じて注入されていく。この一次貯液室12から二次貯液室42への電解液2の供給は、上述のように双方の圧力の差圧を利用して行うことから、注液バルブ38を開いても電解液2が大気に触れることがないので、電解液2中に気泡が混入しないとともに、二次貯液室42が0.3〜1.3kPaの比較的高い真空度に保持されていたことから、電解液2の供給が短時間で終了し、また、一次貯液室12を13.3kPaの比較的低い真空度に設定したので、電解液2の沸騰が発生するおそれがない。
【0075】
一次貯液室12内の電解液2が二次貯液室42内に供給され終えたならば、第1の注液工程に移行する。すなわち、図6に示すように、第1の真空ポンプ14の駆動により一次貯液室12および液通路37が真空引きされている状態で注液バルブ38が再び閉じられて、二次貯液室42と一次貯液室12とが遮断される。そののち、図7に示すように、ピストン昇降機構32が駆動されてピストン機構33が下降動作を開始する。このピストン機構33のピストン34は、下降動作に伴って、二次貯液室42内の電解液2に対し0.75MPaの圧力で直接的に加圧する。
【0076】
これにより、二次貯液室42内の電解液2の大部分は、電池ケース8内に強制的に注入されたのち、極板群の微細の隙間に迅速に浸透するように効果的に促進される。また、ピストン34は、ピストンシール41によってシリンダ9に対し気密状態を保持しながら下降動作を行うので、電解液2は、ピストン34によって直接的に加圧されるにも拘わらず、大気に触れることがないから、気泡が混入することがない。しかも、粘性の高い電解液2がシリンダ9の内周面に付着していても、この付着している電解液2をピストンシール41が確実に拭い取っていくので、高い注液精度で注液することができる。
【0077】
ピストン34の直接的な加圧を受けて電解液2が電池ケース8内に強制的に注入され始めたならば、角形の電池ケース8は、ピストン34の下降動作による加圧力を直接的に受けて極めて迅速に注入される電解液2により内部圧力が高まり、これにより、電池ケース8における特に変形し易い長辺側板部8bが外方へ膨れ出ようとする。ところが、角形の電池ケース8は、これの外形よりも僅かに大きな内周面を有する保形容器25内に挿入されているので、長辺側板部8bの膨出が保形容器25の内面に当接して阻止され、電池ケース8の外方への膨らみ変形が防止される。なお、このとき、第4の電磁弁35を開いて第2の加圧気体供給部31を駆動することにより、第2の加圧気体供給部31から供給される不活性ガスの圧力によって電池ケース8の外方への膨らみ変形をさらに確実に防止することが好ましい。
【0078】
図8に示すように、ピストン34が下限位置まで下降された時点では、ピストン34の円筒外周面を除く下部テーパー外面とシリンダ9の下部テーパー内面とが密接状態に接触して、二次貯液室42が消滅した状態となり、液通路37の下端部分に電解液2が残存する。このピストン34を下限位置に停止させた状態において、第2の注液工程が開始される。すなわち、注液バルブ38が開弁され、且つ第2の電磁弁17が開かれたのちに、第1の加圧気体供給部18が実線で図示のように駆動される。第1の加圧気体供給部18から供給される加圧気体としてのN2 は、一次貯液室12および液通路37を通って、液通路37内に残存する電解液2を0.75MPaの圧力で直接的に加圧するので、この電解液2の電池ケース8内への注入が効果的に促進される。また、ピストン34は、PTFEを形成材料として形成されており、電解液2が付着し難い。これにより、電解液2の液ロスをさらに抑制することができる。
【0079】
そして、図9に示すように、加圧気体による加圧によって電解液2の液面が電池ケース8の上端面の注液口8aより低下したならば、第2の注液工程が終了し、続いて、図10に示す第3の注液工程に移行する。すなわち、注液バルブ38を閉じて二次貯液室42と一次貯液室12との間を遮断し、且つ第1の加圧気体供給部18の駆動を停止するとともに、第2の加圧気体供給部31の駆動を継続して、注液チャンバ10の密閉空間を1MPaの圧力に保持する。なお、上述の電解液2の液面が電池ケース8の注液口8aより低下した状態は、例えば、注液開始時から計時を開始して経過時間を監視しながら、注液開始時から所定時間が経過した時点により検知される。上記所定時間は予め実験的に求められて設定されたものである。
【0080】
これと同時に、電池ケース昇降機構23がピストン23aを所定ストロークだけ吸引するよう駆動されて電池ケース支持台22を下限位置まで下降させるので、電池ケース支持台22上に保持されている電池ケース8はシリンダ9から離間する。これにより、電池ケース8内に注入された電解液2は、注液チャンバ10の密閉空間の1MPaの圧力により加圧されて、極板群の小さな隙間に効率良く浸透されていく。
【0081】
上述のように、第1の各注液工程では、ピストン34の下降動作による0.75MPaの比較的大きな加圧力を電解液2に直接的に作用させ、第2の注液工程では、第1の加圧気体供給部18からの加圧気体による0.75MPaの比較的大きな加圧力を電解液2に直接的に作用させ、第3の注液工程では、第2の加圧気体供給部31からの加圧気体による1MPaの比較的大きな加圧力を電解液2に直接的に作用させているので、所定量の電解液2を、電池ケース8内の極板群の微細な隙間に極めて効率的に浸透させて、短時間で電池ケース8内に充填することができる。
【0082】
上述のようにして注液が終了したならば、図1の電磁弁39,40が開弁されて、一次貯液室12内および注液チャンバ10内の加圧気体が外部に放出される。最後に、図11に示すように、注液チャンバ10のチャンバ下部体10Bが所定位置まで下降されて、電解液2の注液が終了した電池ケース8が保形容器25から取り出される。このとき、ピストン34による電解液2への直接的な加圧力が既に解除されているので、電池ケース8における一旦膨出した長辺側板部8bが元の状態に復帰しており、電池ケース8を容易に取り出すことができる。
【0083】
上記電解液注液装置では、角形の電池ケース8を保形容器25に挿入するだけの簡単な構成としながらも、ピストン34により電解液2を電池ケース8内に強制的に注液する際の長辺側板部8bの膨出変形を確実に防止することができるが、上記保形容器25により電池ケース8の膨出変形を防止する手段に代えて、電池ケース8を電池ケース支持台22上に保持して、ピストン34を作動させる第1の注液工程時に、第2の加圧気体供給部31から注液チャンバ10の密閉空間内に加圧気体を供給して、その密閉空間内の圧力がピストン34による電解液2への加圧力とほぼ同等になるように加圧気体の供給を制御するようにしても、角形の電池ケース8の膨れ変形を防止することができる。また、電池ケース8の膨出変形の防止手段として、上述の手段保形容器25を備えるとともに、第2の加圧気体供給部31から注液チャンバ10の密閉空間内に加圧気体を供給するようにすれば、電池ケース8の膨れ変形を一層確実に防止することができる。
【0084】
なお、上記第3の注液工程では、第2の加圧気体供給部31からの加圧気体による加圧力を電解液2に直接的に作用させるようにしたが、この第3の注液工程に代えて、第2の注液工程の終了後も、この第2の注液工程をそのまま継続して、これを第3の注液工程としてもよい。すなわち、第3の注液工程では、第1の加圧気体供給部18から供給される加圧気体を一次貯液室12および液通路37を通じて電池ケース8内の電解液2を直接的に加圧させる。この場合にも、所定量の電解液2を、電池ケース8内の極板群の微細な隙間に極めて効率的に浸透させて、短時間で電池ケース8内に充填することができる。
【0085】
図12は本発明の他の実施の形態に係る電解液注液装置を示し、同図において、図1と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略し、図1と相違する構成についてのみ説明する。この電解液注液装置では、円筒形の電池ケース44に注液する場合を例示してあり、この電池ケース44は、一実施の形態のように保形容器25内に挿入されることなく、電池ケース支持台22上に保持されている。円筒形の電池ケース44は上端全体が開口されており、この円筒形の電池ケース44に対応して、ピストン49における液通路37の下端から送液口49aまでの部分には、下方に向け拡開する円錐形の断面形状を有する逃げ孔49bが形成されている。また、シリンダ9の下端面には、リングパッキン50が貼着されている。
【0086】
この電解液注液装置における基本的な注液工程は上述の一実施の形態と同様であり、異なるのは、電池ケース接続工程において、電池ケース昇降機構の作動により電池ケース支持台22が上昇されたときに、円筒形の電池ケース44の上端面がリングパッキン50に気密状態に密着されて、円筒形の電池ケース44の上端開口部が二次貯液室42に連通される。これにより、円筒形の電池ケース44は、その上端全体の開口部が二次貯液室42に支障無く気密状態に連通接続される。
【0087】
また、ピストン49が下降する第1の注液工程時には、第2の加圧気体供給部31から加圧気体が注液チャンバ10の密閉空間内に供給されて、密閉空間内の圧力がピストン49による電解液2への加圧力とほぼ同等になるように加圧気体の供給が制御される。これにより、円筒形の電池ケース44は、注液チャンバ10の密閉空間内の加圧気体の圧力により外面を加圧されて、内部の電解液2の加圧力に抗して外方への膨らみ変形が防止される。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明の電解液注液方法によれば、ピストンの作動で二次貯液室の内部容積を気密状態に保持しながら縮小することにより、加圧ガスなどを介在させることなくピストンで電解液を直接的に加圧しながら、この電解液を、予め真空引きした二次貯液室に気密に連通接続した電池ケースの注液口または開口部を介して予め真空引きした電池ケース内に強制的に注入するので、電解液の極板群への含浸時間を大幅に短縮することができるとともに、一次貯液室から液通路および二次貯液室を介して電池ケースの内部に至る注液通路の何れの箇所においても電解液が大気に触れることがなく、また、ピストンの加圧力を電解液に直接的に作用させていることから、注入過程の電解液中に気泡が混入するおそれがなく、電解液の蒸発量を格段に軽減できるとともに、電解液中にガスが混入することがないので、加圧開放時に電解液中のガスが気泡となって電解液を溢れさせるといったことが生じるおそれがなく、また、液ロスが減少して注液精度が格段に向上し、電気特性の安定した高品質の電池を得ることができる。
【0089】
また、本発明の電解液注液装置によれば、第1の真空ポンプで一次貯液室内を真空引きすることができ、第1の加圧気体供給部により一次貯液室および液通路を介して二次貯液室内に加圧気体を供給して作用させることができ、注液バルブの開閉によって一次貯液室と二次貯液室間とを液通路を介して接続および遮断することができ、ピストン機構によって二次貯液室内の電解液を加圧でき、シリンダとピストンと電池ケースとにより密閉空間の二次貯液室を構成することができるから、本発明の電解液注液方法を忠実に具現化して、当該注液方法の効果を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電解液注液方法を具現化した電解液注液装置を示す概略縦断面図。
【図2】同上の電解液注液装置の電池ケース装着工程における概略縦断面図。
【図3】同上の電解液注液装置の電池ケース排気工程における概略縦断面図。
【図4】同上の電解液注液装置の電解液脱泡および電池ケース接続工程における概略縦断面図。
【図5】同上の電解液注液装置の電解液移送工程における概略縦断面図。
【図6】同上の電解液注液装置の第1の注液工程の開始の準備状態における概略縦断面図。
【図7】同上の電解液注液装置の第1の注液工程の開始状態における概略縦断面図。
【図8】同上の電解液注液装置の第2の注液工程の開始状態における概略縦断面図。
【図9】同上の電解液注液装置の第2の注液工程の終了状態における概略縦断面図。
【図10】同上の電解液注液装置の第3の注液工程における概略縦断面図。
【図11】同上の電解液注液装置の電池ケース装着工程における概略縦断面図。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る電解液注液装置を示す概略縦断面図。
【図13】従来の注液装置を示す断面図。
【図14】従来の他の注液装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 電解液タンク
2 電解液
3 定量ポンプ
4 注液ノズル
7 一次貯液容器
8 電池ケース
8a 注液口
9 シリンダ
10 注液チャンバ
12 一次貯液室
14 第1の真空ポンプ
18 第1の加圧気体供給部
22 電池ケース支持台
25 保形容器
29 第2の真空ポンプ
31 第2の加圧気体供給部
33 ピストン機構
34 ピストン
37 液通路
38 注液バルブ
41 ピストンシール
42 二次貯液室
44 電池ケース
49 ピストン
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として、密閉型電池の製造過程における極板群が収納された電池ケース内に所定量の電解液を注液する工程での電解液注液方法およびその注液方法を具現化した電解液注液装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
密閉型電池は、電池ケース内に極板群を収納したのちに電解液を注液し、電池ケースの開口部または注液口を密閉状態に閉塞する工程を経て製造されている。電解液の注液工程では、電池ケース内に注入した電解液が、正,負の極板をセパレータを介在させて高密度に積層または積層状態で渦巻状に巻回されてなる極板群の小さな隙間に浸透し難いために、所定量の電解液を極板群に含浸させるまでに長時間を要する。
【0003】
電解液を速やかに極板群に含浸させるために、従来では、電解液を注入した電池ケースの開口部に気密状態で接続した真空ポンプにより電池ケース内を減圧することにより、電池ケース内の減圧に伴って極板群の隙間に存在する空気を気泡として電解液の液面に浮上させることが行われていた。ところが、この注液手段では、電解液の極板群への浸透をある程度促進できるが、極板群の隙間に存在する空気が微細な気泡となるため、この微細な気泡が、極板群の表面に付着したりして電解液の液面に速やかに浮上しないので、電解液の注液時間を十分に短縮することができない。
【0004】
また、電解液の注液時間をさらに短縮するために、上述の減圧手段に加えて、電解液を充填した電池ケースの開口部を閉塞した状態で電池ケース内の電解液を不活性ガスなどで加圧することにより、電解液を極板群に強制的に浸透させるように図った装置も知られている。しかし、この装置は、電池ケースの加圧状態を解除して大気圧に戻した瞬間に、極板群の隙間で加圧されて小さく押し潰されていた気泡が大きく膨張するため、極板群の隙間に一旦含浸させた電解液が電池ケースの外部に飛び出してしまう問題がある。
【0005】
そこで、従来では、上述した問題の解消を図るために、次に説明する種々の注液装置(以下、第1ないし第5の従来技術という)が提案されている。すなわち、第1の従来技術の注液装置は、図13に示すように、極板群61が予め収納された電池ケース60を閉塞シリンダ62によって気密に閉塞し、吸引部63を介して接続された減圧機(図示せず)の駆動によって電池ケース60内を減圧した状態でピストン64を駆動することにより、一時貯液室65内の電解液66を注液管67から電池ケース60内に注液するとともに、減圧機の駆動制御によって電池ケース60内を減圧状態から加圧状態に変えて、電解液66の極板群61への浸透を促進するようになっている(特許文献1参照)。
【0006】
上記注液装置では、注液管67の上端が一時貯液室65内の電解液66の液面よりも上方まで突出されており、一時貯液室65内に注入された電解液66を注液管67に流入させずに貯留した状態において、電池ケース60の内部を減圧したのちに、ピストン64が一時貯液室65内の電解液66の液面を押し上げて電解液66を注液管67の導入口から流入させて注液管67を介し電池ケース60内に注液するようになっている。
【0007】
この注液装置では、閉塞シリンダ62で閉塞した電池ケース60内を減圧機で減圧して電池ケース60内の空気を排気するので、極板群61の隙間に存在する空気も排気される。これにより、電池ケース60に注入した電解液66は、極板群61の微細な隙間への浸透を促進されながら、極板群61に含浸される。そののち、電池ケース60内の圧力が上昇することにより、電解液66が極板群61に強制的に含浸される。
【0008】
また、第2の従来技術の注液装置は、上記第1の従来技術の構成に加えて、電池ケースの開口部に注液ノズルを連結して、閉塞状態の一時貯液室の上部に気泡分離チャンバを設け、この気泡分離チャンバに開口された排気口から一時貯液室内の空気を排気して減圧することにより、一時貯液室に蓄えられている電解液に含まれている気泡を浮上させて気泡分離チャンバで分離し、気泡を分離しながら電解液を注液ノズルを介し電池ケース内に注入するようになっている(特許文献2参照)。この注液装置は、気泡が電解液と共に電池ケース内に注入されるのを防止しようとするものである。
【0009】
また、第3の従来技術の注液装置は、図14に示すように、内部に電池ケース60を着脱自在に保持して昇降可能な保持台68と注液ノズル69とを具備し、開閉自在な密閉容器に形成された注液チャンバ70と、この注液チャンバ70に計量ポンプ71を介して管路接続され、電解液66を貯蔵する電解液タンク72と、注液チャンバ70にそれぞれ電磁弁75,76を介して管路接続された真空チャンバ73および大気開放部74と、注液チャンバ70および真空チャンバ73にそれぞれ電磁弁78,79を介して管路接続された真空ポンプ77とを有している(特許文献3参照)。
【0010】
この注液装置では、注液チャンバ70を密閉状態として、電磁弁75を開くことにより、予め真空ポンプ77の駆動によって内部が低圧に保持されている真空チャンバ73を注液チャンバ70に連通して、注液チャンバ70内に収納されている電池ケース60の内部を真空引きし、そののち、保持台68の上昇によって電池ケース60の注液口60aを注液ノズル69に接続し、注液バルブ80を開いて計量ポンプ71により所定量の電解液66を注液口60aから電池ケース60内に注液し、この注液工程の後に、保持台68の下降により注液口60aを注液ノズル69から分離し、電池弁76を開いて注液チャンバ70内の圧力を大気圧とすることにより、電池ケース60内の電解液66を大気圧で加圧して極板群61の隙間に強制的に浸透させるように図っている。
【0011】
この注液装置では、内部を予め低圧に保持した真空チャンバ73を注液チャンバ70に連通することにより、真空引き時間の短縮化を図って能率的に注液できるようにしている。また、計量ポンプ71を管路を介して注液ノズル69に接続することにより、注液経路において電解液66に空気が混入することによる気泡の発生を防止するようにしている。
【0012】
また、第4の従来技術の注液装置は、電池ケースの開口部を気密に封口する閉塞部と、その一端側が閉塞部に接続されるとともに他端側に電解液が供給される注入ラインと、この注入ラインの途中に設けられ、電池ケース内の極板群に含浸させる所定量の電解液を貯留する貯留部と、この貯留部を第1気圧まで減圧する第1の減圧部と、貯留部内を大気開放する大気開放部と、電池ケース内を第1気圧より低い第2気圧まで減圧する第2の減圧部とを備えている(特許文献4参照)。
【0013】
この注液装置では、貯留部内を第1気圧まで減圧することによって電解液から脱泡し、電池ケース内を貯留部の内部以上の高い真空圧に減圧することによって電解液の極板群への浸透を促進し、貯留部内を大気開放することによって電解液を加圧して電解液の極板群への含浸を促進するように図っている。
【0014】
また、第5の従来技術の注液装置は、所定量の電解液を蓄えた一時貯液室と、極板群を収納した電池ケースとを、個別の貯液室減圧機構およびケース減圧機構により別々に排気して減圧することにより、一時貯液室を電池ケースよりも高い圧力に減圧し、開閉弁を開弁することにより電池ケースと一時貯液室との圧力差によって一時貯液室内の電解液を電池ケース内に充填するようにしている(特許文献5参照)。
【0015】
この注液装置では、電池ケースと一時貯液室とを別々に減圧することにより、電池ケースを充分に減圧して電池ケース内の空気を確実に排気するとともに、一時貯液室を、減圧によって電解液を変質させることなく減圧した上で、電解液をより速やかに効率よく電池ケース内に注液できるように図っている。
【0016】
【特許文献1】
特開平9−99901号公報
【0017】
【特許文献2】
特開平11−26331号公報
【0018】
【特許文献3】
特開2000−182599号公報
【0019】
【特許文献4】
特開平11−73942号公報
【0020】
【特許文献5】
特開2002−274504号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の各注液装置には、何れも解決しなければならない問題が残存している。すなわち、図13の第1の従来技術の注液装置では、電解液66の注入に先立って電池ケース60内を減圧機の駆動により真空引きするときに、一時貯液室65における電解液66の液面よりも上方の空間が注液管67を通じて電池ケース60と連通状態になっているので、電池ケース60内を電解液66の蒸気圧以下の真空度に高めることができないだけでなく、一時貯液室65内の電解液66を確実に電池ケース60内に注液することができない。しかも、ピストン64により電解液66を加圧するときに、電池ケース60と注液管67の注液口との間が離間しているので、ピストン64で加えた圧力をそのまま電解液66に伝えることがきないから、電解液66の極板群への含浸を十分に促進することができず、注液時間が長くかかるとともに、電池ケース60内の電解液66が外部にこぼれ出る可能性があり、電解液66が電池材料の中でも高価な材料の一つであることから、経済的損失が大きくなる。これらにより、この注液装置では、電池ケース60への電解液66の注液精度が低下するから、電池容量の低下を招く。
【0022】
また、上記注液装置では、一時貯液室65に蓄えられている電解液66に気泡が存在していると、その後の注液工程において気泡を取り除くことができないので、気泡が電解液66と共に電池ケース60内に注入されてしまい、電池としたときに所要の電気特性が得られないことから、電池の品質低下を招く。さらに、ピストン64によって一時貯液室65内の電解液66を注液管67を介し電池ケース60内に注液するときには、ピストン64による加圧力を電池ケース60内の電解液66に直接的に作用させることができない。何故ならば、電池ケース60と注液管67の注液口との間が離間しているからである。これらにより、この注液装置では、電解液66を極板群61に迅速に浸透させることができず、注液時間を十分に短縮することができないことがある。
【0023】
また、第2の従来技術の注液装置では、一時貯液室に蓄えられている電解液の気泡を浮上させて気泡分離チャンバで分離することにより、気泡を取り除くことができるが、第1の従来技術と同様に、電解液の注入に先立って電池ケース内を減圧機の駆動により真空引きするときに、一時貯液室における電解液の液面よりも上方の空間が注液管を通じて電池ケースと連通状態になっているので、電池ケース内を電解液の蒸気圧以下の真空度に高めることができないから、やはり電解液を極板群に迅速に浸透させることができず、注液時間を十分に短縮することができないとともに、注液精度が条件設定により低い場合がある。
【0024】
さらに、第3の従来技術の注液装置では、一時貯液部を設けずに計量ポンプ71を電池ケース60に管路で密閉状態に直結して、計量ポンプ71と電池ケース60間を電解液66で充満させるようにしているので、精度良く注液するためには、一つの計量ポンプ71で対応する方が好ましい。
【0025】
また、この注液装置では、電池ケース60内を真空引きする時間の短縮化を図っているが、高容量電池では、真空引き時間よりも電池ケース60内の電解液66を加圧して極板群61に浸透させるのに時間がかかる。これに対し、この注液装置では、電解液66を電池ケース60に注入したのち、電池ケース60の注液口60aを注液ノズル69から離間させて、注液チャンバ70内を大気圧とし、この大気圧でのみ電池ケース60内の電解液66を加圧するだけである。このような加圧手段では、電解液66を極板群61に浸透させるのに時間がかかり、特に、多連にした場合には生産性が著しく低下する。
【0026】
さらに、第4の従来技術の注液装置では、大気圧下で貯留部内に注入した電解液を真空引きすることによって液中の気泡を除去するように図っているので、脱泡に時間がかかり過ぎるだけでなく、液中の気泡を完全に除去することが難しい。また、電解液を極板群に浸透させるに際しては、予め減圧した電池ケース内の真空圧と大気圧との差圧のみに頼っているので、電解液を極板群に含浸させるのに長時間を要するだけでなく、大気圧に開放していることから、電解液が極板群に浸透されていく過程において電解液中に気泡を巻き込んでしまい、電解液の含浸時間が逆に長くかかったり、電解液が電池ケースの外部に溢れ出るといった不具合が発生し易い。
【0027】
また、この注液装置では、電解液を極板群の隙間に迅速に浸透させるために、電池ケースを大気圧に開放すると同時にピストンで電池ケース内を加圧する手段も設けているが、この場合には電解液中に気泡が混入し易い。
【0028】
さらにまた、第5の従来技術の注液装置では、電池ケースと一時貯液室とを別々に減圧することにより、電解液中の気泡の除去および注液過程での電解液への気泡の混入を防ぐことができるが、電池ケースと一時貯液室との差圧のみに頼って電解液を電池ケース内に注入しており、電解液を電池ケース内に強制的に注入する手段を備えていないので、電解液の極板群への含浸に時間がかかり、生産性を高めることができないだけでなく、粘性の高い電解液が液供給経路の内壁面に付着残存し易いので、注液精度が低く、また、気泡が生じ易い。
【0029】
しかも、上記注液装置では、電池ケースと一時貯液室とを別々に減圧するために、貯液室減圧機構の内部に一時貯液室を設けた充填シリンダを備え、この充填シリンダの内部にケース減圧機構の気体排気路を有する排気シリンダを配設し、排気シリンダを充填シリンダの内部で軸方向に上下に移動できるように配設するとともに、排気シリンダの下端に開閉弁を設け、排気シリンダを上昇させて開閉弁を開弁し、排気シリンダを下降させて開閉弁を閉弁するといった極めて複雑な構成になっているので、コスト高となる。
【0030】
上述のように、従来の各注液装置には、電解液を極板群に浸透させるのに時間がかかって生産性が低く、電解液中に気泡が混入し易く、あるいは電解液中の気泡を完全に取り除くのが困難であるのに起因して電池の品質が低下し、設備費用が高くついたり、あるいは液ロスが多いのに伴ってコスト高となるだけでなく、多量の液ロスの発生に伴い注液精度が低くなって安定した電池性能を得られないといった問題が残存している。
【0031】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、電解液の液ロスを格段に低減して高い注液精度を得ながらも、電解液の極板群への含浸時間の短縮化を図ることができるとともに、気泡の電解液への混入を防止して高品質の電池を得ることができ、さらに、コスト低減を図ることもできる電解液注液方法および電解液注液装置を提供することを目的とするものである。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る電解液注液方法は、電解液タンクから定量の電解液を一次貯液室内に供給する電解液供給工程と、極板群を収納した電池ケースを注液チャンバの内部の密閉空間に収容して前記密閉空間内を減圧することにより、前記電池ケースの内部と、中間に注液バルブを介設した液通路を介して前記一次貯液室に連通し、且つ前記密閉空間に向けて開口した二次貯液室の内部とを同時に真空引きする電池ケース排気工程と、内部を真空引きした前記電池ケースの注液口または開口部を前記二次貯液室の開口部に気密状態に連通接続する電池ケース接続工程と、前記注液バルブを開くことにより、前記一次貯液室内の電解液を前記液通路を介して前記二次貯液室に送給する電解液移送工程と、前記一次貯液室内の電解液を前記二次貯液室に送給し終えたのちに前記注液バルブを閉じて前記二次貯液室を密閉状態に保持し、ピストンの作動によって前記二次貯液室の内部容積を縮小していくことにより、前記二次貯液室内の電解液を前記ピストン表面で直接に加圧しながら前記電池ケース内に注入する注液工程とを備えていることを特徴としている。
【0033】
この電解液注液方法では、ピストンの作動で二次貯液室の内部容積を気密状態に保持しながら縮小することにより、加圧ガスなどを介在させることなくピストンで電解液を直接的に加圧しながら、この電解液を、予め真空引きした二次貯液室に連通接続した電池ケースの注液口または開口部を介して予め真空引きした電池ケース内に強制的に注入するので、電解液の極板群への含浸時間を大幅に短縮することができるとともに、一次貯液室から液通路および二次貯液室を介して電池ケースの内部に至る注液通路の何れの箇所においても電解液が大気に触れることがなく、また、ピストンの加圧力を電解液に直接的に作用させていることから、注入過程の電解液中にガスが混入することがないので、加圧開放時に電解液中のガスが気泡となって電解液を溢れさせるといったことが生じるおそれがなく、また、液ロスが減少して注液精度が格段に向上し、電気特性の安定した高品質の電池を得ることができる。
【0034】
上記発明における注液工程において、ピストンによる電解液への加圧力と同等の膨れ防止用加圧力を電池ケースの外面に対し付与することが好ましい。この手段によれば、ピストンの加圧力を電解液に直接的に作用させて電解液を電池ケース内に強制的に注入するにも拘わらず、特に内部に加圧力を受けた場合に外方へ膨れ変形し易い角形の電池ケースに電解液を注液する場合においても、この角形の電池ケースの長辺側板部が外方に膨れ変形するのを防止することができる。したがって、ピストンによる加圧圧力を高く設定して電解液の注液を促進した場合にも、電池ケースの外方への膨れ変形を防止することができる。
【0035】
上記膨れ防止用加圧力を付与する手段として、長方形または長円形の横断面形状を有する角形の電池ケースを、前記電池ケースの外周面との間に少許の隙間を形成できる内周面を有する保形容器内に挿入した状態で注液チャンバの密閉空間内に収容し、前記電池ケースの膨出を阻止する加圧力を前記保形容器の内周面で付与することができる。
【0036】
これにより、極めて簡単な構成としながらも、角形の電池ケースへの外方への膨れ変形を確実に防止できるとともに、ピストンによる加圧力を解除して電池ケースの注液口を二次貯液室から離間したときに、電池ケースが元の形状に復帰するので、電解液の注液済みの電池ケースを保形容器から容易に取り出すことができる。
【0037】
上記膨れ防止用加圧力を付与する他の手段として、注液チャンバの密閉空間内に不活性ガスを供給して、前記密閉空間内の圧力がピストンによる電解液への加圧力とほぼ同等になるように不活性ガスの供給を制御するようにしてもよい。この手段によっても電池ケースへの外方への膨れ変形を効果的に防止することができる。
【0038】
上記発明において、電解液供給工程に先立って電解液タンク内を真空引きすることにより、電解液中の気泡を除去する予備脱泡工程を備えていることが好ましい。これにより、電解液タンク内の電解液をこれに含まれている気泡の大部分を除去した上で一次貯液室内に供給することができる。
【0039】
また、上記発明において、電解液供給工程を経て定量の電解液が供給された一次貯液室内を真空引きして電解液中の気泡を除去する脱泡工程を備えるとともに、電解液移送工程において、注液バルブを開いて前記一次貯液室の電解液の液面の真空圧力と二次貯液室の真空圧力との差圧により前記一次貯液室内の電解液を前記二次貯液室に供給することが好ましい。
【0040】
この手段によれば、一次貯液室内の電解液に残存する気泡を除去したのちに、一次貯液室の電解液の液面の真空圧力と二次貯液室の真空圧力との差圧により一次貯液室内の電解液を二次貯液室に供給するので、電解液が大気に触れることがないことから、電解液に気泡が混入するおそれがなく、且つ電解液の蒸発量を格段に軽減できるから、液ロスが一層低減して注液精度がさらに向上する。
【0041】
上記発明における注液工程においてピストンが所定のストロークだけ作動して停止したのちに、注液バルブを開いて一次貯液室内から液通路を介して二次貯液室に不活性ガスを供給し、前記二次貯液室内に残存する電解液を前記不活性ガスの流通により電池ケース内に注入する第2の注液工程と、電解液の液面が電池ケースの注液口より低くなった時点で前記注液バルブを閉じたのちに、前記電池ケースの注液口を前記二次貯液室から離間させ、注液チャンバ内に供給する不活性ガスの圧力により前記電池ケース内の電解液を加圧する第3の注液工程とを備えていることが好ましい。
【0042】
これにより、ピストンの加圧力を二次貯液室内の電解液に直接的に作用させて、所定量の電解液の殆どを電池ケース内に強制的に注入したのちに、二次貯液室に残存する電解液を、一次貯液室、液通路およびピストンを介して供給した加圧気体で加圧し、さらに、電池ケース内の電解液を注液チャンバの密閉空間に供給した加圧気体で加圧するので、所定量の電解液に残液が生じることなく確実に注入できるので、注液精度が一層向上するとともに、電解液を電池ケース内の極板群に極めて円滑に浸透させることができ、注液時間のさらなる短縮化を図ることができる。
【0043】
同上の発明における第3の注液工程に代えて、第2の注液工程によって電解液の液面が電池ケースの注液口より低くなった後も、この第2の注液工程の状態を保持したまま、一次貯液室、液通路および二次貯液室を通じて電池ケース内に供給する不活性ガスをの圧力により前記電池ケース内の電解液を加圧する第3の注液工程を設けることもできる。
【0044】
この場合にも、所定量の電解液を、電池ケース内の極板群の微細な隙間に極めて効率的に浸透させて、短時間で電池ケース内に充填することができるので、注液時間のさらなる短縮化と、注液精度の一層の向上とを図ることができる。
【0045】
一方、本発明に係る電解液注液装置は、内部が一次貯液室となった密閉容器である一次貯液容器と、定量ポンプの駆動により電解液タンクから供給される定量の電解液を前記一次貯液室に注入する注液ノズルと、前記一次貯液室にそれぞれ管路接続された第1の真空ポンプおよび第1の加圧気体供給部と、ピストンと、上端が前記一次貯液室に連通し、且つ下部がピストンに貫通された液通路と、この液通路の中間に介設された注液バルブとを一体に備えて昇降されるピストン機構と、開閉自在な気密容器である注液チャンバと、前記注液チャンバの内部に設けられて、電解液を注液すべき電池ケースを保持しながら昇降させる電池ケース支持台と、前記注液チャンバの上端部に気密状態で貫通して支持されたシリンダと、このシリンダの内周面に気密状態で摺動される前記ピストンと、前記電池ケース支持台の上昇により前記シリンダの下端面に気密に当接される前記電池ケースの上端面とで囲まれて、閉状態の前記注液バルブで前記液通路が閉塞されることにより密閉空間に形成される二次貯液室とを備えていることを特徴としている。
【0046】
この電解液注液装置では、第1の真空ポンプで一次貯液室内を真空引きすることができ、第1の加圧気体供給部により一次貯液室および液通路を介して二次貯液室内に加圧気体を供給して電解液に作用させることができ、注液バルブの開閉によって一次貯液室と二次貯液室間とを液通路を介し接続および遮断することができ、ピストン機構によって二次貯液室内の電解液を直接的に加圧でき、シリンダとピストンと電池ケースとにより密閉空間の二次貯液室を構成することができるから、本発明の電解液注液方法を忠実に具現化して、当該注液方法の効果を確実に得ることができる。なお、二次貯液室を形成する電池ケースの上端面とは、角形の電池ケースの場合、電池ケースの上端開口部を密閉した封口板における注液口の孔周縁部であり、円筒形の電池ケースの場合、電池ケースの開口端面全体であり、これら何れの場合にも、シリンダの下端面に対し、密閉用パッキンやリングパッキンなどの封止部材を介在して密閉状態に当接される。
【0047】
上記発明において、注液チャンバの内部に設けられて、電解液を注液すべき電池ケースを保持しながら昇降させる電池ケース支持台と、注液チャンバの内部の密閉空間にそれぞれ管路接続された第2の真空ポンプおよび第2の加圧気体供給部とを備えていることが好ましい。
【0048】
この構成によれば、電池ケース支持台の昇降動作により、電池ケースの注液口または開口部を二次貯液室の開口部に対し気密状態に連通接続または離間させることができ、第2の真空ポンプおよび第2の加圧気体供給部によって一次貯液室とは別個に注液チャンバに対し真空引きおよび加圧気体による加圧をそれぞれ行うことができる。
【0049】
上記発明において、ピストンの円筒外周面における少なくとも下端部分に、シリンダの内周面に気密状態で摺動する配置でピストンシールが固着されていることが好ましい。これにより、粘性の高い電解液がシリンダの内面に付着していても、この付着している電解液をピストンシールで拭い取って電池ケース内に注入できるので、これによっても注液精度のさらなる向上を図ることができる。
【0050】
上記発明において、定量ポンプを介在して電解液タンクに管路接続された注液ノズルが、一次貯液室に対し着脱自在に連結される可動式になっている構成を備えていることが好ましい。この構成によれば、装置を多連に配設する場合に、定量ポンプと電池ケースとを一対一で対設する必要がないので、簡単で安価な構成とすることができ、設備コストを含む製造コストを大幅に低減できる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る電解液注液方法を具現化した電解液注液装置を示す概略縦断面図である。この実施の形態では、長方形または長円形の横断面形状を有する角形の電池ケース8に電解液2を注液する場合を例示してある。この角形の電池ケース8に注液する場合には、電池ケース8の開口部を閉塞する封口板(図示せず)に設けられた比較的小さな注液口8aから電解液2を注液するので、上端全周が開口した円筒形の電池ケースとは異なり、効率的に電解液2を注入するのが難しい。また、角形の電池ケース8は、内部に圧力が加えられたときに、短辺側板部8cに比べて面積の大きい長辺側板部8bが外方に膨れる状態に変形し易い。
【0052】
上記電解液注液装置は、構成を大別すると、電解液2を貯留する電解液タンク1、この電解液タンク1から定量ポンプ3および注液ノズル4を介して供給された所定量の電解液2を内部の一次貯液室12内に一時的に貯留する一次貯液容器7、この一次貯液容器7から供給された電解液2を収容して電池ケース8内に注入するシリンダ9、シリンダ9内の電解液2を加圧しながら電池ケース8内に注入するピストン機構33および電解液2を注液すべき電池ケース8を収容するための密閉容器である注液チャンバ10を備えて構成されている。
【0053】
上記電解液タンク1に貯留されている電解液2は、この実施の形態においてリチウム二次電池用の電解液であって、EC(エチレンカーボネート)とDMC(ジメチルカーボネート)の混合溶媒にLi PF6 を10wt%溶解したものである。この電解液2の蒸気圧は、2.4kPa(18mmHg、9℃)である。上記定量ポンプ3は、吸入側ヘッドに電解液タンク1が管路接続され、吐出側ヘッドに注液ノズル4が管路接続されている。また、電解液タンク1には、電磁弁5を介在して脱泡用真空ポンプ15が管路接続されているとともに、他の電磁弁16を介在して大気開放部に管路接続されている。
【0054】
上述の電解液タンク1、定量ポンプ3および注液ノズル4は、所定の注液ステーションに固定的に設置されており、これら構成を除く装置本体は、順次搬送されて注液ステーションに位置決め停止される。注液ノズル4は、装置本体が停止して一次貯液容器7の蓋体6が取り外されたときに、一次貯液容器7の内部の一次貯液室12に対し着脱自在に連結される可動式になっている。この一次貯液室12を開閉する蓋体6は、密閉用パッキン24を介して一次貯液室12を気密に密閉する。
【0055】
上記一次貯液室12の上端部の排気兼加圧口に連通して一次貯液容器7に接続された接続管19には、第1の真空ポンプ14が第1の電磁弁13を介在した管路を通じて接続されているとともに、第1の加圧気体供給部18が第2の電磁弁17を介在した管路を通じて接続されている。この第1の加圧気体供給部18は、加圧気体を1MPa以下の圧力で供給するものである。加圧気体としては、窒素、アルゴン、ネオンまたはヘリウムなどの不活性ガスを用いることができるが、この実施の形態ではN2 を用いている。なお、一次貯液室12の上端部の排気兼加圧口はφ1〜2mm程度の小径に形成されている。
【0056】
一方、上記注液チャンバ10はチャンバ上部体10Aとチャンバ下部体10Bとに分離されている。チャンバ上部体10Aは装置本体に固設され、チャンバ下部体10Bは、昇降自在に設けられて、チャンバ上部体10Aに対し接離するようになっている。この注液チャンバ10は、上昇されたチャンバ下部体10Bがリング状のシール部材21を介在してチャンバ上部体10Aに圧接されることにより、内部が密閉容器に形成される。
【0057】
上記チャンバ下部体10Bの内部には、電池ケース8が挿抜自在に挿入される保形容器25と、この保形容器25を支持する電池ケース支持台22と、この電池ケース支持台22を昇降させる電池ケース昇降機構23とが設けられている。保形容器25は、長方形または長円形の横断面形状を有する角形の電池ケース8の外周面との間全体に少許の隙間を形成できる内周面を有する形状になっており、電池ケース8を容易に挿入および抜脱できるが、電池ケース8が後述する加圧力を受けて膨出されようとしたときに、この膨出を阻止する加圧力を電池ケース8に付与するよう機能する。電池ケース昇降機構23は、図示を省略しているが、バルブを介在した配管を通じてコンプレッサに接続されており、電池ケース支持台22を支持するピストン23aがバルブの切換制御によって所定のストロークで上下動される。
【0058】
上記チャンバ上部体10Aには、これの上面壁を気密状態に貫通した状態で上記シリンダ9が取り付けられている。このシリンダ9の内側下端部は漏斗状に縮径されて、その下端開口は、角形の電池ケース8における比較的小さな注液口8aに対応する径の送液口9aに形成されている。さらに、シリンダ9の下端面には、上記送液口9aを囲む配置で密閉用パッキン27が固着されている。この密閉用パッキン27の材質は、弾力性と密着性に優れたEPDMである。
【0059】
さらに、チャンバ上部体10Aの側面壁に貫通して取り付けられた接続管28には、第2の真空ポンプ29が第3の電磁弁30を介在した管路を通じて接続されているとともに、第2の加圧気体供給部31が第4の電磁弁35を介在した管路を通じて接続されている。上記第2の加圧気体供給部31は加圧気体を1MPa以下の圧力で供給するものである。加圧気体としては、窒素、アルゴン、ネオンまたはヘリウムなどの不活性ガスを用いることができるが、この実施の形態ではN2 を用いている。
【0060】
上記一次貯液容器7とシリンダ9との間には、ピストン昇降シリンダなどからなるピストン昇降機構32によって昇降されるピストン機構33が設けられている。このピストン機構33は、シリンダ9の内周面に摺動して上下動されるピストン34と、このピストン34に連結された連結体36と、この連結体36およびピストン34にそれぞれ貫通されて上端開口が一次貯液室12に連通した液通路37と、連結体36における液通路37の中間に介設された小形の注液バルブ38とを備えて構成されている。上記液通路37は、φ1〜2mm程度の小径に形成されている。なお、連結体36の上端は、後述の図7〜図11に図示する補助連結体43を介してピストン昇降機構32に連結されており、液通路37は、その補助連結体43を介して一次貯液室12に連通されている。
【0061】
また、ピストン34の外周面には、二つの周方向の環状溝11が上下端に離間して形成されており、この環状溝11には、Oリングからなるピストンシール41が嵌合して固着されている。このピストンシール41は、ピストン34が上下動されるときに、シリンダ9の内周面に気密状態に摺動して、シリンダ9内を常に閉塞状態に保持する。また、ピストン34の下端面は、シリンダ9に対応した漏斗形状に形成されている。
【0062】
上記電池ケース8は、内部に極板群(図示せず)が予め収納されたのち、保形容器25に上方から挿入して保持された状態で電池ケース支持台22上に着脱自在に支持される。この保形容器25内に保持された電池ケース8は、電池ケース昇降機構23が上限位置まで上昇されたときに、同図に示すように、電池ケース8の上端面が密閉用パッキン27に対しこれを0.5mm程度圧縮させる力で押し付けられる。これにより、シリンダ9は、下端の送液口9aを密閉用パッキン27でシールされた状態で電池ケース8により気密に接続され、且つ上部をピストン34およびピストンシール41で閉塞されて、内部に密閉空間である二次貯液室42が形成される。但し、この二次貯液室42は、密閉用パッキン27を介して電池ケース8の内部と連通しており、注液バルブ38が開いたときに液通路37を通じて一次貯液室12と連通する。
【0063】
なお、上記二つの接続管19,28には、それぞれ電磁弁39,40を介設した大気開放用管路が分岐接続されており、チャンバ下部体10Bの下降動作に先立って上記各電磁弁39,40が開かれることにより、一次貯液室12および注液チャンバ10の密閉空間がそれぞれ大気開放されて、上述した加圧気体が外部に放出されるようになっている。
【0064】
つぎに、上記電解液注液装置による注液動作について、その注液工程を順に示した図2ないし図11を参照しながら説明する。これらの図において、定量ポンプ3、各真空ポンプ14,15,29および各加圧気体供給部18,31は、理解を容易にするために、駆動状態時を実線で、且つ非駆動状態時を破線でそれぞれ模式的に図示してある。
【0065】
先ず、図2の電池ケース装着工程では、装置本体が、注液チャンバ10のチャンバ下部体10Bがチャンバ上部体10Aから離間して下方の電池ケース装着位置まで下降された状態で搬送されて、注液ステーションに位置決め停止されると、このチャンバ下部体10B内の保形容器25内に、極板群が予め収納された角形の電池ケース8が挿抜自在に挿入して取り付けられる。このとき、脱泡用真空ポンプ15が実線で図示するように駆動されており、これにより、電解液タンク1内の電解液2中の気泡が予め除去される。
【0066】
続いて、図3に示すように、電池ケース8が電池ケース支持台22上の保形容器25内に取り付けられたチャンバ下部体10Bは、上昇されることにより、シール部材21を介在してチャンバ上部体10Aに気密に密着されて、チャンバ上部体10Aと共に注液チャンバ10を形成する。この注液チャンバ10は、注液バルブ38が閉じられていることにより、内部が密閉空間となる。また、電池ケース8の内部は、注液口8aを通じて注液チャンバ10の密閉空間に連通している。
【0067】
上述のようにして注液チャンバ10が構成されたならば、第3の電磁弁30が開かれたのちに第2の真空ポンプ29が実線で図示するように駆動されることにより、注液チャンバ10密閉空間および下方に開口状態の二次貯液室42が0.3〜1.3kPaまで減圧される。このとき、注液チャンバ10の密閉空間および二次貯液室42は、閉弁状態の注液バルブ38によって一次貯液室12に対し遮断されているから、第2の真空ポンプ29に設定した圧力に確実、且つ迅速に減圧される。
【0068】
電池ケース8の内部は、注液口8aを介して注液チャンバ10の密閉空間に連通しているので、上述のように注液チャンバ10の密閉空間が0.3〜1.3kPaまで減圧されるのに伴って電池ケース8の内部もほぼ同圧に真空引きされる。これの実施例の実測結果を示すと、電池ケース8の内部は、第2の真空ポンプ29を30秒間駆動したときに、0.3〜1.3kPaの真空度まで減圧することができた。これにより、電池ケース8内の極板群の小さな隙間に存在する空気は、内部が比較的高い真空度に減圧されるのに伴ってスムーズに外部に排気される。
【0069】
一方、一次貯液容器7では、蓋体6が取り外されて一次貯液室12の上方が開口され、この一次貯液室12に注液ノズル4が着脱自在に連結される。続いて、定量ポンプ3が実線で図示のように駆動されることにより、一次貯液室12内に、定量(この実施の形態では2.0g±0.1)の電解液2が電解液タンク1から定量ポンプ3および注液ノズル4を介して供給される。ここで、電解液2は、電解液タンク1において真空引きされて予め脱泡されていることが好ましい。
【0070】
この電解液注液装置では、単一の定量ポンプ3および注液ノズル4が設けられた注液ステーションに各装置本体が順次搬送されて、注液ステーションに位置決め停止された装置本体の一次貯液室12に注液ノズル4が順次接続されて電解液2の供給が行われる。したがって、装置本体を多連に配設する場合には、定量ポンプ3および注液ノズル4の設置台数を大幅に減らすことができる。
【0071】
一次貯液室12内に所定量の電解液2が供給されたならば、図4に示すように、第1の電磁弁13が予め開かれたのちに第1の真空ポンプ14が実線で図示するように駆動されて、一次貯液室12内が13.3kPaの減圧雰囲気まで減圧される。これにより、電解液2中に含まれている気泡は、液面に浮上したのち、排気される。この電解液2の脱泡工程を実施したときの実測結果を示すと、第1の真空ポンプ14を30秒間駆動したときに、電解液2の減圧度が13.3kPaであった。一次貯液室12は、閉弁状態の注液バルブ38によって注液チャンバ10の密閉空間とは遮断されているから、注液チャンバ10の減圧用の第2の真空ポンプ29とは別の第1の真空ポンプ14によって、注液チャンバ10の密閉空間の圧力とは異なる設定圧力に確実に減圧できる。すなわち、この電解液注液装置では、極めて簡単な構成により、一次貯液室12と注液チャンバ10の密閉空間とを別々に真空引きして、互いに異なる設定圧力に確実に減圧できる。
【0072】
また、電解液2の脱泡工程では、一次貯液室12が電池ケース8への電解液2の注液量とほぼ等しい内容積に設定されていることと、一次貯液室12における接続管19が接続される排気兼加圧口がφ1〜2mmの小径に設定されていることとにより、第1の真空ポンプ14の駆動により電解液2を真空引きする際の電解液2の蒸発を抑制して液ロスを格段に低減できるから、高精度な注液を行うことが可能となる。また、この脱泡工程では、従来のように電池ケース内に注入された電解液を真空引きして行う手段とは異なり、一次貯液室12内の電解液2に対して真空引きするので、電解液2中の気泡をほぼ確実に除去することが可能となる。
【0073】
一方、注液チャンバ10では、第2の真空ポンプ29の駆動によって電池ケース8の内部が所定の真空度に真空引きされたのちに、電池ケース昇降機構23がピストン23aを所定ストロークだけ吐出するよう駆動されて電池ケース支持台22を上限位置まで上昇させるので、電池ケース支持台22上の保形容器25に保持されている電池ケース8は、その上端面が密閉用パッキン27に対し0.5mm程度圧縮させる状態に押し付けられて、この密閉用パッキン27で気密にシールされてシリンダ9の下端面に密着され、シリンダ9の送液口9aと電池ケース8の注液口8aとが気密状態に連通される。これにより、シリンダ9の内部には、閉じた状態の注液バルブ38と電池ケース8とピストン34とピストンシール41とにより密閉された二次貯液室42が形成され、この二次貯液室42に電池ケース8の内部が連通している。
【0074】
つぎに、図5に示すように、注液バルブ38が開かれて、一次貯液室12と二次貯液室42とが液通路37を介して連通される。したがって、一次貯液室12内の電解液2は、一次貯液室12内の電解液2の液面上の圧力と二次貯液室42の圧力の差圧(この実施の形態では13.3kPa−0.3〜1.3kPa)によって二次貯液室42内に供給され、さらに、二次貯液室42と同圧に保持されている電池ケース8の内部に送液口9aおよび注液口8aを通じて注入されていく。この一次貯液室12から二次貯液室42への電解液2の供給は、上述のように双方の圧力の差圧を利用して行うことから、注液バルブ38を開いても電解液2が大気に触れることがないので、電解液2中に気泡が混入しないとともに、二次貯液室42が0.3〜1.3kPaの比較的高い真空度に保持されていたことから、電解液2の供給が短時間で終了し、また、一次貯液室12を13.3kPaの比較的低い真空度に設定したので、電解液2の沸騰が発生するおそれがない。
【0075】
一次貯液室12内の電解液2が二次貯液室42内に供給され終えたならば、第1の注液工程に移行する。すなわち、図6に示すように、第1の真空ポンプ14の駆動により一次貯液室12および液通路37が真空引きされている状態で注液バルブ38が再び閉じられて、二次貯液室42と一次貯液室12とが遮断される。そののち、図7に示すように、ピストン昇降機構32が駆動されてピストン機構33が下降動作を開始する。このピストン機構33のピストン34は、下降動作に伴って、二次貯液室42内の電解液2に対し0.75MPaの圧力で直接的に加圧する。
【0076】
これにより、二次貯液室42内の電解液2の大部分は、電池ケース8内に強制的に注入されたのち、極板群の微細の隙間に迅速に浸透するように効果的に促進される。また、ピストン34は、ピストンシール41によってシリンダ9に対し気密状態を保持しながら下降動作を行うので、電解液2は、ピストン34によって直接的に加圧されるにも拘わらず、大気に触れることがないから、気泡が混入することがない。しかも、粘性の高い電解液2がシリンダ9の内周面に付着していても、この付着している電解液2をピストンシール41が確実に拭い取っていくので、高い注液精度で注液することができる。
【0077】
ピストン34の直接的な加圧を受けて電解液2が電池ケース8内に強制的に注入され始めたならば、角形の電池ケース8は、ピストン34の下降動作による加圧力を直接的に受けて極めて迅速に注入される電解液2により内部圧力が高まり、これにより、電池ケース8における特に変形し易い長辺側板部8bが外方へ膨れ出ようとする。ところが、角形の電池ケース8は、これの外形よりも僅かに大きな内周面を有する保形容器25内に挿入されているので、長辺側板部8bの膨出が保形容器25の内面に当接して阻止され、電池ケース8の外方への膨らみ変形が防止される。なお、このとき、第4の電磁弁35を開いて第2の加圧気体供給部31を駆動することにより、第2の加圧気体供給部31から供給される不活性ガスの圧力によって電池ケース8の外方への膨らみ変形をさらに確実に防止することが好ましい。
【0078】
図8に示すように、ピストン34が下限位置まで下降された時点では、ピストン34の円筒外周面を除く下部テーパー外面とシリンダ9の下部テーパー内面とが密接状態に接触して、二次貯液室42が消滅した状態となり、液通路37の下端部分に電解液2が残存する。このピストン34を下限位置に停止させた状態において、第2の注液工程が開始される。すなわち、注液バルブ38が開弁され、且つ第2の電磁弁17が開かれたのちに、第1の加圧気体供給部18が実線で図示のように駆動される。第1の加圧気体供給部18から供給される加圧気体としてのN2 は、一次貯液室12および液通路37を通って、液通路37内に残存する電解液2を0.75MPaの圧力で直接的に加圧するので、この電解液2の電池ケース8内への注入が効果的に促進される。また、ピストン34は、PTFEを形成材料として形成されており、電解液2が付着し難い。これにより、電解液2の液ロスをさらに抑制することができる。
【0079】
そして、図9に示すように、加圧気体による加圧によって電解液2の液面が電池ケース8の上端面の注液口8aより低下したならば、第2の注液工程が終了し、続いて、図10に示す第3の注液工程に移行する。すなわち、注液バルブ38を閉じて二次貯液室42と一次貯液室12との間を遮断し、且つ第1の加圧気体供給部18の駆動を停止するとともに、第2の加圧気体供給部31の駆動を継続して、注液チャンバ10の密閉空間を1MPaの圧力に保持する。なお、上述の電解液2の液面が電池ケース8の注液口8aより低下した状態は、例えば、注液開始時から計時を開始して経過時間を監視しながら、注液開始時から所定時間が経過した時点により検知される。上記所定時間は予め実験的に求められて設定されたものである。
【0080】
これと同時に、電池ケース昇降機構23がピストン23aを所定ストロークだけ吸引するよう駆動されて電池ケース支持台22を下限位置まで下降させるので、電池ケース支持台22上に保持されている電池ケース8はシリンダ9から離間する。これにより、電池ケース8内に注入された電解液2は、注液チャンバ10の密閉空間の1MPaの圧力により加圧されて、極板群の小さな隙間に効率良く浸透されていく。
【0081】
上述のように、第1の各注液工程では、ピストン34の下降動作による0.75MPaの比較的大きな加圧力を電解液2に直接的に作用させ、第2の注液工程では、第1の加圧気体供給部18からの加圧気体による0.75MPaの比較的大きな加圧力を電解液2に直接的に作用させ、第3の注液工程では、第2の加圧気体供給部31からの加圧気体による1MPaの比較的大きな加圧力を電解液2に直接的に作用させているので、所定量の電解液2を、電池ケース8内の極板群の微細な隙間に極めて効率的に浸透させて、短時間で電池ケース8内に充填することができる。
【0082】
上述のようにして注液が終了したならば、図1の電磁弁39,40が開弁されて、一次貯液室12内および注液チャンバ10内の加圧気体が外部に放出される。最後に、図11に示すように、注液チャンバ10のチャンバ下部体10Bが所定位置まで下降されて、電解液2の注液が終了した電池ケース8が保形容器25から取り出される。このとき、ピストン34による電解液2への直接的な加圧力が既に解除されているので、電池ケース8における一旦膨出した長辺側板部8bが元の状態に復帰しており、電池ケース8を容易に取り出すことができる。
【0083】
上記電解液注液装置では、角形の電池ケース8を保形容器25に挿入するだけの簡単な構成としながらも、ピストン34により電解液2を電池ケース8内に強制的に注液する際の長辺側板部8bの膨出変形を確実に防止することができるが、上記保形容器25により電池ケース8の膨出変形を防止する手段に代えて、電池ケース8を電池ケース支持台22上に保持して、ピストン34を作動させる第1の注液工程時に、第2の加圧気体供給部31から注液チャンバ10の密閉空間内に加圧気体を供給して、その密閉空間内の圧力がピストン34による電解液2への加圧力とほぼ同等になるように加圧気体の供給を制御するようにしても、角形の電池ケース8の膨れ変形を防止することができる。また、電池ケース8の膨出変形の防止手段として、上述の手段保形容器25を備えるとともに、第2の加圧気体供給部31から注液チャンバ10の密閉空間内に加圧気体を供給するようにすれば、電池ケース8の膨れ変形を一層確実に防止することができる。
【0084】
なお、上記第3の注液工程では、第2の加圧気体供給部31からの加圧気体による加圧力を電解液2に直接的に作用させるようにしたが、この第3の注液工程に代えて、第2の注液工程の終了後も、この第2の注液工程をそのまま継続して、これを第3の注液工程としてもよい。すなわち、第3の注液工程では、第1の加圧気体供給部18から供給される加圧気体を一次貯液室12および液通路37を通じて電池ケース8内の電解液2を直接的に加圧させる。この場合にも、所定量の電解液2を、電池ケース8内の極板群の微細な隙間に極めて効率的に浸透させて、短時間で電池ケース8内に充填することができる。
【0085】
図12は本発明の他の実施の形態に係る電解液注液装置を示し、同図において、図1と同一若しくは同等のものには同一の符号を付して、重複する説明を省略し、図1と相違する構成についてのみ説明する。この電解液注液装置では、円筒形の電池ケース44に注液する場合を例示してあり、この電池ケース44は、一実施の形態のように保形容器25内に挿入されることなく、電池ケース支持台22上に保持されている。円筒形の電池ケース44は上端全体が開口されており、この円筒形の電池ケース44に対応して、ピストン49における液通路37の下端から送液口49aまでの部分には、下方に向け拡開する円錐形の断面形状を有する逃げ孔49bが形成されている。また、シリンダ9の下端面には、リングパッキン50が貼着されている。
【0086】
この電解液注液装置における基本的な注液工程は上述の一実施の形態と同様であり、異なるのは、電池ケース接続工程において、電池ケース昇降機構の作動により電池ケース支持台22が上昇されたときに、円筒形の電池ケース44の上端面がリングパッキン50に気密状態に密着されて、円筒形の電池ケース44の上端開口部が二次貯液室42に連通される。これにより、円筒形の電池ケース44は、その上端全体の開口部が二次貯液室42に支障無く気密状態に連通接続される。
【0087】
また、ピストン49が下降する第1の注液工程時には、第2の加圧気体供給部31から加圧気体が注液チャンバ10の密閉空間内に供給されて、密閉空間内の圧力がピストン49による電解液2への加圧力とほぼ同等になるように加圧気体の供給が制御される。これにより、円筒形の電池ケース44は、注液チャンバ10の密閉空間内の加圧気体の圧力により外面を加圧されて、内部の電解液2の加圧力に抗して外方への膨らみ変形が防止される。
【0088】
【発明の効果】
以上のように本発明の電解液注液方法によれば、ピストンの作動で二次貯液室の内部容積を気密状態に保持しながら縮小することにより、加圧ガスなどを介在させることなくピストンで電解液を直接的に加圧しながら、この電解液を、予め真空引きした二次貯液室に気密に連通接続した電池ケースの注液口または開口部を介して予め真空引きした電池ケース内に強制的に注入するので、電解液の極板群への含浸時間を大幅に短縮することができるとともに、一次貯液室から液通路および二次貯液室を介して電池ケースの内部に至る注液通路の何れの箇所においても電解液が大気に触れることがなく、また、ピストンの加圧力を電解液に直接的に作用させていることから、注入過程の電解液中に気泡が混入するおそれがなく、電解液の蒸発量を格段に軽減できるとともに、電解液中にガスが混入することがないので、加圧開放時に電解液中のガスが気泡となって電解液を溢れさせるといったことが生じるおそれがなく、また、液ロスが減少して注液精度が格段に向上し、電気特性の安定した高品質の電池を得ることができる。
【0089】
また、本発明の電解液注液装置によれば、第1の真空ポンプで一次貯液室内を真空引きすることができ、第1の加圧気体供給部により一次貯液室および液通路を介して二次貯液室内に加圧気体を供給して作用させることができ、注液バルブの開閉によって一次貯液室と二次貯液室間とを液通路を介して接続および遮断することができ、ピストン機構によって二次貯液室内の電解液を加圧でき、シリンダとピストンと電池ケースとにより密閉空間の二次貯液室を構成することができるから、本発明の電解液注液方法を忠実に具現化して、当該注液方法の効果を確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る電解液注液方法を具現化した電解液注液装置を示す概略縦断面図。
【図2】同上の電解液注液装置の電池ケース装着工程における概略縦断面図。
【図3】同上の電解液注液装置の電池ケース排気工程における概略縦断面図。
【図4】同上の電解液注液装置の電解液脱泡および電池ケース接続工程における概略縦断面図。
【図5】同上の電解液注液装置の電解液移送工程における概略縦断面図。
【図6】同上の電解液注液装置の第1の注液工程の開始の準備状態における概略縦断面図。
【図7】同上の電解液注液装置の第1の注液工程の開始状態における概略縦断面図。
【図8】同上の電解液注液装置の第2の注液工程の開始状態における概略縦断面図。
【図9】同上の電解液注液装置の第2の注液工程の終了状態における概略縦断面図。
【図10】同上の電解液注液装置の第3の注液工程における概略縦断面図。
【図11】同上の電解液注液装置の電池ケース装着工程における概略縦断面図。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る電解液注液装置を示す概略縦断面図。
【図13】従来の注液装置を示す断面図。
【図14】従来の他の注液装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 電解液タンク
2 電解液
3 定量ポンプ
4 注液ノズル
7 一次貯液容器
8 電池ケース
8a 注液口
9 シリンダ
10 注液チャンバ
12 一次貯液室
14 第1の真空ポンプ
18 第1の加圧気体供給部
22 電池ケース支持台
25 保形容器
29 第2の真空ポンプ
31 第2の加圧気体供給部
33 ピストン機構
34 ピストン
37 液通路
38 注液バルブ
41 ピストンシール
42 二次貯液室
44 電池ケース
49 ピストン
Claims (12)
- 電解液タンクから定量の電解液を一次貯液室内に供給する電解液供給工程と、
極板群を収納した電池ケースを注液チャンバの内部の密閉空間に収容して前記密閉空間内を減圧することにより、前記電池ケースの内部と、中間に注液バルブを介設した液通路を介して前記一次貯液室に連通し、且つ前記密閉空間に向けて開口した二次貯液室の内部とを同時に真空引きする電池ケース排気工程と、
内部を真空引きした前記電池ケースの注液口または開口部を前記二次貯液室の開口部に気密状態に連通接続する電池ケース接続工程と、
前記注液バルブを開くことにより、前記一次貯液室内の電解液を前記液通路を介して前記二次貯液室に送給する電解液移送工程と、
前記一次貯液室内の電解液を前記二次貯液室に送給し終えたのちに前記注液バルブを閉じて前記二次貯液室を密閉状態に保持し、ピストンの作動によって前記二次貯液室の内部容積を縮小していくことにより、前記二次貯液室内の電解液を前記ピストン表面で直接に加圧しながら前記電池ケース内に注入する注液工程とを備えていることを特徴とする電解液注液方法。 - 注液工程において、ピストンによる電解液への加圧力と同等の膨れ防止用加圧力を電池ケースの外面に対し付与するようにした請求項1に記載の電解液注液方法。
- 長方形または長円形の横断面形状を有する角形の電池ケースを、前記電池ケースの外周面との間に少許の隙間を形成できる内周面を有する保形容器内に挿入した状態で注液チャンバの密閉空間内に収容し、前記電池ケースの膨出を阻止する加圧力を前記保形容器の内周面で付与するようにした請求項2に記載の電解液注液方法。
- 注液チャンバの密閉空間内に不活性ガスを供給して、前記密閉空間内の圧力がピストンによる電解液への加圧力とほぼ同等になるように不活性ガスの供給を制御するようにした請求項2または3に記載の電解液注液方法。
- 電解液供給工程に先立って電解液タンク内を真空引きすることにより、電解液中の気泡を除去する予備脱泡工程を備えている請求項1ないし4の何れかに記載の電解液注液方法。
- 電解液供給工程を経て定量の電解液が供給された一次貯液室内を真空引きして電解液中の気泡を除去する脱泡工程を備えるとともに、電解液移送工程において、注液バルブを開いて前記一次貯液室の電解液の液面の真空圧力と二次貯液室の真空圧力との差圧により前記一次貯液室内の電解液を前記二次貯液室に供給するようにした請求項1ないし5の何れかに記載の電解液注液方法。
- 注液工程においてピストンが所定のストロークだけ作動して停止したのちに、注液バルブを開いて一次貯液室内から液通路を介して二次貯液室に不活性ガスを供給し、前記二次貯液室内に残存する電解液を前記不活性ガスの流通により電池ケース内に注入する第2の注液工程と、
電解液の液面が電池ケースの注液口より低くなった時点で前記注液バルブを閉じたのちに、前記電池ケースの注液口を前記二次貯液室から離間させ、注液チャンバ内に供給する不活性ガスの圧力により前記電池ケース内の電解液を加圧する第3の注液工程とを備えている請求項1ないし6の何れかに記載の電解液注液方法。 - 請求項7に記載の第3の注液工程に代えて、第2の注液工程によって電解液の液面が電池ケースの注液口より低くなった後も、この第2の注液工程の状態を保持したまま、一次貯液室、液通路および二次貯液室を通じて電池ケース内に供給する不活性ガスをの圧力により前記電池ケース内の電解液を加圧する第3の注液工程を設けた請求項7に記載の電解液注液方法。
- 内部が一次貯液室となった密閉容器の一次貯液容器と、
定量ポンプの駆動により電解液タンクから供給される定量の電解液を前記一次貯液室に注入する注液ノズルと、
前記一次貯液室にそれぞれ管路接続された第1の真空ポンプおよび第1の加圧気体供給部と、
ピストンと、上端が前記一次貯液室に連通し、且つ下部がピストンに貫通された液通路と、この液通路の中間に介設された注液バルブとを一体に備えて昇降されるピストン機構と、
開閉自在な気密容器である注液チャンバと、
前記注液チャンバの上端部に気密状態で貫通して支持されたシリンダと、このシリンダの内周面に気密状態で摺動される前記ピストンと、前記電池ケース支持台の上昇により前記シリンダの下端面に気密に当接される前記電池ケースの上端面の注液口とで囲まれて、閉状態の前記注液バルブで前記液通路が閉塞されることにより密閉空間に形成される二次貯液室とを備えていることを特徴とする電解液注液装置。 - 注液チャンバの内部に設けられて、電解液を注液すべき電池ケースを保持しながら昇降させる電池ケース支持台と、注液チャンバの内部の密閉空間にそれぞれ管路接続された第2の真空ポンプおよび第2の加圧気体供給部とを備えている請求項9に記載の電解液注液装置。
- ピストンの円筒外周面における少なくとも下端部分に、シリンダの内周面に気密状態で摺動する配置でピストンシールが固着されている請求項10に記載の電解液注液装置。
- 定量ポンプを介在して電解液タンクに管路接続された注液ノズルが、一次貯液室に対し着脱自在に連結される可動式になっている請求項9または10に記載の電解液注液装置。
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