JP2004052148A - 織機の誤運転防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者が停台原因の修復を行わないまま、運転を再開させることによる織物品質の低下を防止することにある。
【解決手段】誤運転防止装置は、異常検出センサからの検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸に対し、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度まで正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度まで正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶し、運転指令信号の入力時に第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】誤運転防止装置は、異常検出センサからの検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸に対し、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度まで正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度まで正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶し、運転指令信号の入力時に第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緯止まりや経止まり等、織機の異常に起因する停止後に運転を誤って再開させることを防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機において、緯入れ不良や緯糸不良に起因する緯止まりや、経糸切れのような経糸の不良に起因する経止まり等、織機が停台(停止)すると、作業者は、不良糸の除去、糸切れの修復等、停台原因(停止原因)に対する修復作業を行った後、運転を再開させる。
【0003】
【解決しようとする課題】
上記のことから、織機は、一般に、停止中に織機を運転させる運転ボタン(運転指令スイッチ)を操作可能にしている。このため、従来の織機では、作業者が修復をしないにもかかわらず、運転ボタンを操作すると、そのまま織機の運転が再開されてしまう。そのような場合には、織物品質が低下する。
【0004】
本発明の目的は、作業者が停台原因の修復を行わないまま、運転を再開させることによる織物品質の低下を防止することにある。
【0005】
【解決手段、作用、効果】
本発明に係る第1の誤運転防止装置は、緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0006】
上記第1の誤運転防止装置によれば、緯入れ、緯糸又は経糸の異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、若しくは、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、織機の運転再開が防止されるから、緯入れ、緯糸又は経糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0007】
前記織機はパイル織機であり、前記運転阻止回路は、前記検知信号の発生時期がパイル形成時であるファーストピック及びルーズピックのいずれであるか否かにかかわらず、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止するようにしてもよい。
【0008】
本発明に係る第2の誤運転防止装置は、緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0009】
上記第2の誤運転防止装置によれば、緯入れ、緯糸又は経糸の異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、若しくは、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、織機の運転再開が防止されるから、緯入れ、緯糸又は経糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。また、織機の再運転前に織段防止のために2本の緯糸を除去すべき織機についても、緯糸除去が確実に実行されるため、誤操作による織段も発生しない。
【0010】
本発明に係る第3の誤運転防止装置は、耳組糸又はキャッチコードの異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、前記耳組糸又は前記キャッチコードを使用する耳形成装置又は糸端処理装置に対する糸切れの修復を行う回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの寸動又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0011】
上記第3の誤運転防止装置によれば、耳組糸又はキャッチコードの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、耳組糸又はキャッチコードに対する修復作業が行われる回転角度までの正転又は逆転操作が行われるまで、若しくは、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が行われるまで、織機の運転再開が防止されるから、耳組糸又はキャッチコードの異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0012】
上記いずれの誤運転防止装置においても、前記制御装置は、前記第1又は第2の条件の指令信号が入力したこと、若しくは、前駆駆動軸が回転されたことを検知して前記第1又は第2の情報を記憶させる検知信号を発生する検知手段を含むことができる。
【0013】
本発明に係る第4の誤運転防止装置は、緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットする際の操作が未実行であることを表す第1の情報を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0014】
上記第4の誤運転防止装置によれば、緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットするまでの操作が実行されるまで、織機の運転再開が防止されるから、給糸緯糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0015】
本発明に係る第5の誤運転防止装置は、緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する第1の異常検出センサと、耳組糸又はキャッチコードの異常を検出する第2の異常検出センサと、緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常を検出する第3の異常検出センサと、前記第1,第2又は第3の異常検出センサからの異常検出信号により織機を停止させると共に、前記運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記第1の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第3の情報、及び織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第4の情報の少なくとも1つと、前記第2の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、前記耳組糸を使用する耳形成装置又は前記キャッチコードを使用する糸端処理装置に対する糸切れの修復を行う回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第5の情報、織機の運転開始回転角度までの寸動又は逆転操作が未実行であることを表す第6の情報、及び前記第3の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットする際の操作が未実行であることを表す第7の情報の少なくとも1つとを記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に、前記第1又は第2の情報が記憶されているか若しくは前記第3又は第4の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止すると共に、前記第5又は第6の情報が記憶されているか若しくは前記第7の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0016】
上記第5の誤運転防止装置によっても、緯入れ、緯糸又は経糸、若しくは、耳組糸、キャッチコード又は給糸緯糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0017】
本発明に係る第6の誤運転防止装置は、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、前記異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記運転指令信号の入力時に、前記異常検出信号が入力状態にある場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0018】
上記第6の誤運転防止装置によれば、運転運転指令信号の入力時に、緯糸又は経糸の異常検出信号が入力状態にあると、織機の運転再開が防止されるから、緯糸又は経糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、誤運転防止装置10は、例えば緯入れ用流体として圧縮空気を用いる空気噴射式織機に用いられている。
【0020】
空気噴射式織機において、給糸体12に巻かれている緯糸14は、測長貯留装置16に所定長さ分に測長され、係止ピン装置18により係止されて貯留されている給糸緯糸として作用し、先端部をメインノズル20に通されている。
【0021】
メインノズル20に通されている緯糸は、係止ピン装置18により所定期間解舒されて、メインノズル18から圧縮空気と共に噴出され、複数のサブノズル22から噴出される圧縮空気により、経糸24の開口に緯入れされる。
【0022】
緯入れされた緯糸は、筬26により織布28の織前に筬打ちされ、カッタ30により切断されて、メインノズル20を経て測長貯留装置16に連なる緯糸部分から切断される。
【0023】
経糸24のうち、織幅方向における反緯入れ側の端部に位置する複数の経糸24aはキャッチコードとして用いられ、キャッチコード24aの内側に位置する複数の耳組糸24bと緯入れ側の端部に位置する複数の耳組糸24bとは、ともに耳形成装置32によりもじり房耳に形成される耳組糸として用いられる。これらキャッチコード及び経糸の開口運動は、主軸50に連結されて駆動される開口装置又は主軸50の回転に同期して駆動されるモータにより駆動される開口装置により行うことができる。
【0024】
空気噴射式織機は、また、緯入れされた緯糸は、反緯入れ側に緯入れ方向に間隔をおいて配置された一対の緯糸フィーラ34,36と、経糸24の切断又は弛みを検出する公知のドロッパ装置38と、キャッチコード24aの切断又は弛みを検出するキャッチコードセンサ40と、給糸体12から引き出される緯糸(給糸緯糸)14の切断を検出する給糸緯糸センサ42と、各耳形成装置32に配置されて耳組糸24bの切断を検出する耳組糸センサ44とを含む。
【0025】
緯糸フィーラ34は正しく緯入れされた緯糸の先端部を検出する公知のH1フィーラであり、緯糸フィーラ36は緯入れされた緯糸がロングピック、胴切れ等になった場合にその旨を検出する公知のH2フィーラである。キャッチコードセンサ40は、ドロッパ装置38と同様に作動してキャッチコード24aの切断又は弛みを検出する。
【0026】
耳形成装置32及び耳組糸センサ44としては、実開昭62−30364号公報に記載されているものを用いることができる。そのような耳形成装置32は、主軸50の回転に同期して回転される回転台上に一対の耳組み糸誘導穴を形成し、回転台の回転によってもじり組織を形成する。このような耳形成装置32は、主軸50に連結されて駆動されてもよいし、主軸50の回転に同期して駆動されるモータにより駆動されてもよい。
【0027】
詳細には説明しないが、耳組糸センサ44は、耳組糸の張力に対向させてスプリングで付勢された回転腕と、耳組糸の異常時に前記スプリングの弾性力によって糸異常に相当する位置に耳組糸が到来したことを検出して異常信号を出力するセンサ部材とを含むことができる。
【0028】
耳形成装置32及び耳組糸センサ44は、上記のような装置及びセンサ以外の装置及びセンサを用いてもよい。
【0029】
緯糸フィーラ34,36及び耳組糸センサ44の各々は緯糸センサとして作用し、ドロッパ装置38、キャッチコードセンサ40及び給糸緯糸センサ42の各々は経糸センサとして作用する。これらセンサの検出信号は、異常検出信号として誤運転防止装置10の制御装置46に供給される。
【0030】
制御装置46は、織機の原動モータ(主軸モータ)48を始め、織機の種々の装置を制御する主制御装置を兼ねている。このため、制御装置46は、上記した検出信号のほかに、主軸50の回転角度を検出するエンコーダ52から回転角度信号θを受けると共に、設定器54に設定された各種の設定値を受け、受けた信号及び設定値等のデータを基に原動モータ48の回転を制御する。
【0031】
図2を参照するに、制御装置46は、入力ポート60と、出力ポート62と、運転阻止回路を兼ねた中央処理ユニット(CPU)64と、各種の情報を記憶する記憶器66とを備えている。
【0032】
設定器54には、織機のための各種の制御データや、運転阻止解除条件等の上方が設定されている。制御回路46は、センサ34,36,38,40,42,44からの検出信号とエンコーダ52からの回転角度信号θとを入力ポートに受けると共に、設定器54に設定されている各種の情報を読み込む。
【0033】
制御装置46は、また、織機を運転させる運転指令ボタン68からの運転指令、織機を寸動させる寸動指令ボタン70からの寸動指令、織機を逆転させる逆転指令ボタン72からの逆転指令、織機を停止させる停止指令ボタン74からの停止指令、緯糸を測長貯留装置から解舒させる解舒指令ボタン76からの解舒指令及び織機の停止時に測長貯留装置16に一回の緯入れに必要な緯糸を余分に巻き付けて貯留させる予備巻き指令ボタン78からの予備巻き指令を入力ポート60に受ける。
【0034】
制御装置46は、受けた各種の信号、データ及び指令を基に、耳形成装置32、原動モータ48への通電路を開閉する開閉器80、原動モータ48及び主軸50に制動力を作用させる電磁ブレーキ82への通電路を開閉する開閉器84、測長貯留装置16のヤーンガイド用の駆動モータ86に供給する電流を制御する電流制御器88、測長貯留装置16の係止ピンソレノイド90への通電を制御する駆動回路92、緯入れ装置94並びに経糸開口装置96のそれぞれに出力ポート62を介して所定の制御信号を供給する。
【0035】
制御装置46は、また、運転阻止状態を表示する表示灯98をも制御する。これにより、運転阻止状態にあることが作業者に報知される。しかし、運転阻止状態は、文字、警報音又は音声により作業者に報知してもよい。
【0036】
制御装置46による運転阻止は、織機の他の制御と同様に、記憶器66に記憶されているプログラムによりソフトウエアにより行われる。
【0037】
ここで、織機運転中に緯入れミスが発生して、緯糸フィーラ36又は38から異常検出信号が出力された場合を例にして、誤運転防止装置10の動作を以下に説明する。
【0038】
緯入れミスが発生すると、緯糸フィーラ36又は38から異常検出信号が出力されるから、制御装置46は、先ず織機を停止させる。
【0039】
次いで、制御装置46は、緯入れミス糸を除去可能の回転角度に織機を自動的に逆転させて織機を待機状態にする回転角度まで逆転させると共に、運転指令ボタン68を無効にして織機を運転阻止状態におく。
【0040】
制御装置46は、図示しない表示灯等を介して織機が停止状態(待機状態)にあることを作業者に報知すると共に、表示灯98を点灯させて運転阻止状態であることを表示し、以後たとえ運転指令ボタン68が押下されたことにより運転指令が入力しても、その運転指令を無効にする。
【0041】
作業者が到着すると、その作業者は、織機を停止直前に緯入れされた緯糸(すなわち、緯入れミス糸)を除去するために、逆転指令ボタンを操作して、織機を逆転させる。これにより、緯入れミス糸は織前に露出した状態となって除去可能になり、緯糸除去の準備が完了する。
【0042】
次いで、作業者が、緯入れミス糸を開口状態にある織前から取り除いた後、逆転指令ボタンを操作すると、制御装置46は、織機の運転を再開させる回転角度に織機を自動的に若しくは逆転指令の入力により逆転させる。これにより、運転再開の準備が完了する。以降、制御装置46は、運転指令ボタン68を有効にし、運転指令が入力したことにより織機の運転を再開させる。
【0043】
運転指令ボタン68を無効にして運転阻止状態におくタイミングは、停台原因が発生したときから、織機が待機状態になる回転角度に停止されるまでの間の任意な時期とすることができる。
【0044】
これに対し、運転阻止状態を解除して、運転指令ボタン68(すなわち、運転指令)を有効にするタイミングは、織機の運転を再開させる回転角度とするか、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの逆転操作が行われた時以降の任意な時期としてもよい。また、緯入れミス糸の除去は、作業者が行ってもよいし、自動的に行ってもよい。
【0045】
次に、図3から図5を参照して、誤運転防止装置10の動作をより詳細に説明する。
【0046】
織機の正常運転中に停止原因が発生する(ステップ100)と、制御装置46は、織機を停止させる織機停止ステップを実行する(ステップ101)。このステップ101では、先ず、原動モータ48への通電を中止すると共に、電磁ブレーキ82による制動力を主軸50に作用させて織機を停止させ(1次停止)、次いで直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度まで織機を自動又は手動操作で逆転させて、織機を待機状態にする回転角度に停止させる(2次停止)ことが行われる。
【0047】
次いで、制御装置46は、2次停止後、織機を停止状態(待機状態)におくと共に、運転阻止フラグをオンにする(ステップ102)。これにより、運転指令ボタン68が無効にされ、表示灯98が点灯されて、織機は運転阻止状態におかれる。運転防止フラグは修復又は運転再開に要する操作が未実行であることを示す情報であり、このフラグのセット状態はCPU64の内部メモリ又は記憶器66に設定される。
【0048】
上記の運転阻止状態において、制御装置46は適宜な指令ボタンが押下されることを待つ。
【0049】
図4を参照するに、次いで適宜な指令ボタンが押下されると(ステップ103)、制御装置46は、押下された指令ボタンが運転指令ボタンであるか否かを判定する(ステップ104)。
【0050】
押下された指令ボタンが運転指令ボタンであると、制御装置46は、運転阻止状態とされているため、ステップ103に戻って、他の指令ボタンが押下されることを待つ。
【0051】
他の指令ボタンが押下されると、制御装置46は、停台原因修復のために押下された指令ボタンに対応する動作を織機に行わせる(ステップ105)。具体的には、緯入れミスの場合、ステップ105は、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度180°まで原動モータ48及び主軸50を逆転させて、開口装置96を逆転させる。
【0052】
次いで、制御装置46は、運転阻止状態を解除する条件(運転阻止状態解舒条件)がクリアされたか否かを判定する(ステップ106)。判定のための条件について、例えば、所定の回転角度まで逆転されること、より具体的には、織機の運転が再開される回転角度300°まで逆転されることを判定のための条件(運転阻止状態解舒条件)として設定器54を介して予め設定することができる。この場合、制御装置46は、主軸50の逆転が行われている期間にわたって織機の主軸50の回転角度信号θを監視し、上記設定された運転阻止状態解舒条件をクリアしたか否かの判定を行うことができる。
【0053】
正転又は逆転が終了したとき、上記運転阻止状態解舒条件がクリアされていないと、制御装置46は、ステップ103に戻って、他の指令ボタンが押下されることを待つ。具体的には、作業者が上記ステップ105の逆転操作により織機を180°で停止させたとしても、上記運転阻止状態は依然としてクリアされないことから、ステップ103に戻って次の指令ボタンが押下されることを待つ。
【0054】
その後作業者が緯入れミス糸を除去した後、指令ボタンが再び操作されて(ステップ103)、対応する装置である主軸50が織機の運転を再開する回転角度300°に向けて逆転され(ステップ105)、制御装置46が上記設定された運転阻止状態解舒条件をクリアしたか否かの判定を行って主軸50の回転角度信号θが300°になったことを検出すると(ステップ106)、制御装置46は、運転阻止フラグをオフにして、以後運転阻止状態を解除し、運転指令ボタン68の操作による運転指令を有効にする(ステップ107)。
【0055】
図5を参照するに、運転指令ボタン68が押下されると(ステップ108)、制御装置46は、既に運転阻止状態が解除されていることから、織機の運転を再開させる(ステップ109)。その後、制御装置46は通常の織機制御を行う。
【0056】
上記のように緯糸異常に対応して緯糸を除去して再運転する織機においては、運転阻止状態解除条件が設定器54を介して設定される。そのような運転阻止状態解舒条件として、例えば、織機の運転再開のための準備が完了する時期、すなわち緯糸除去後の逆転開始以降とする任意の時期とすることができる。より具体的には、前記逆転操作により織機が運転を再開する回転角度300°に達したことを、運転阻止状態解除条件として設定することができる。
【0057】
そのため、前述した図3から図5に示すフローチャートに対し、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、上記のように設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定が押しボタンが操作されるたびに行われる。
【0058】
すなわち、緯糸除去後、織機の運転を再開する回転角度300°への逆転操作が行われるまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。これにより、織機の誤運転を確実に防止することができ、従来問題になっていた「誤運転により織物品質を低下させてしまう」という不都合を確実に阻止することができる。
【0059】
運転阻止状態解除条件として、上記の外に、緯糸除去の準備が完了する時期、すなわち緯糸除去のための逆転操作開始以降の任意の時期、より具体的には、緯糸除去のための逆転操作により2本目の横糸を除去することができる回転角度180°を用いてもよい。そのような運転阻止状態解除条件を設定した場合も、そのような設定条件に対応した判定が行われるから、上記と同様に誤運転及びそれに起因する不具合を防止することができる。
【0060】
上記のように緯糸を除去することができる回転角度180°で織機の運転が可能になると、運転再開の準備が完了する時期を運転阻止状態解除条件とする場合に比べ、誤運転される危険が生じる。しかし、実際には、作業者はこれまでの運転阻止状態により緯糸を除去すべきであることを既に十分認識することができるから、作業者が緯糸を除去することなく運転操作をしたり、運転を再開する回転角度300°まで逆転させる操作を忘れて運転操作をする可能性は低い。したがって、緯糸を除去可能の回転角度180°で運転阻止状態を解除しても、さほど問題にはならない。
【0061】
織機の運転再開角度が300°である場合において、緯入れミスの発生から運転再開までの織機の動作の一例を図6に示す。この場合、緯入れミスは、緯糸フィーラ34及び36のいずれの検出信号に基づくものであってもよい。
【0062】
図6は、緯糸フィーラ38又は40からの検出信号により織機が停止したときの、停台原因(緯入れ異常)を修復する修復処理を実行するときの制御装置46による織機の動作の一実施例を示す。
【0063】
図6は、また、同図(B)に×印を含む○印の緯糸14aの緯入れミスによって時刻T1に停台原因が発生し、その緯糸14aの緯入れサイクル中の300°の回転角度において制動装置82が作動され、次の緯糸14bの緯入れサイクル中の250°で織機が停止される例を示す。
【0064】
図6(C)に示すように、緯入れ不良が発生すると、制御装置46は、電磁ブレーキ82を300°付近から作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0065】
次いで、制御装置46は、織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。織機は、前記逆転により300°に達すると、主軸50の逆転を停止させる(2次停止)と共に、「緯止まりが発生した旨」を図示しない表示手段に表示させて、作業者の到着を待つ待機状態となる。主軸50の回転角度300°は、待機中の経糸の伸びにともなう織段の発生を防止するために、経糸が閉口状態となる角度である。
【0066】
作業者が到達すると、その作業者は、停台原因である緯入れミス隣ったミス糸14aを修復(除去)するために、直ちに逆転指令ボタンを押下する。これにより、制御装置46は、逆転指令に対応して主軸50を180°まで逆転させる。主軸50の回転角度180°は、経糸が開口状態となる角度であり、ミス糸14aは織前に露出された状態になり、換言すればこの時点において緯糸除去のための準備が完了する。そこで、作業者は露出状態にあるミス糸14aを除去することができる。
【0067】
緯糸除去準備が完了したか否かは、織機が1次停止後に180°まで低速度で逆転したか否かにより識別することができる。好ましくは、緯糸除去準備が完了したか否かぼ判定は、作業者の安全確保のために織前に配置されているガードセンサや、水噴射式織機のように緯入れ用水流の飛散防止のために前方に備えられたカバー扉の開閉を検出するセンサ等、各種センサの出力信号濃霧を上記判定条件に加えてもよい。
【0068】
次いで、逆転指令ボタン72が作業者により再度押下されて逆転指令が制御装置46に再度入力すると、制御装置46はさらに300°まで織機を低速度で逆転させる。この時点において、運転再開の準備が完了するから、運転阻止状態が解除され、表示灯98は消灯される。
【0069】
図6に示す実施例においては、制御装置46は、逆転指令ボタン68が所定回数押下されたことにより、運転停止状態を解除するように構成することもできる。しかし、ミス糸14aが除去されて運転阻止状態の解除条件が成立したか否かは、逆転指令ボタン72が押下されたことと、織機が300°まで逆転されたこととのアンド条件で識別することがより好ましい。
【0070】
次いで、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力すると、制御装置46は織機の運転を再開させる。
【0071】
運転再開準備における織機の逆転と運転再開とを、逆転指令ボタン72及び運転指令ボタン68の押下による逆転指令及び運転指令の入力に基づいて行う代わりに、図示しない指令スイッチの押下による対応する指令の入力に基づいて自動的に連続して行うようにしてもよい。この場合、運転阻止状態は、その指令ボタンが操作されたこと、又は主軸50が300°まで逆転されたことにより自動的に解除される。
【0072】
図6は、緯入れミスの場合に1つのミス糸14aを除去する例であるが、ミス糸14aとその前に緯入れされた緯糸14とを除去してもよい。また、経止まりや給糸緯糸ミスのように緯入れミス以外の場合も、停台原因の如何にかかわらず、1以上の緯糸を除去してもよい。
【0073】
また、図6に示す実施例では、緯糸除去準備及び運転再開準備のいずれも、織機を逆転させているが、図6(D)に示すように、ミス糸除去準備完了後に、1本緯入れ指令ボタンが押下されたことにより、織機を180°から300°まで低速度で正転させた後、運転阻止状態を解除してもよい。この場合、ミス糸の代わりに新たな緯糸が緯入れされて、織布に織り込まれる。
【0074】
図6に示す実施例は、平織りの例であるが、パイル織りにも適用することができる。パイル織物は、一般に、パイル織りと地織りとの組織が所定長織り込まれることにより形成される。また、例えば3本緯糸のタオル織りにおいては、2つのルーズピックと1つのファーストピックとによりパイルを形成する。
【0075】
上記のようなパイル織物の場合、ルーズピック及びファーストピックのいずれに緯止まり又は経止まりが発生したとしても、上記のように、緯糸の除去が可能になる回転角度に織機を正転又は逆転させる緯糸除去準備が完了するまで、織機の運転を阻止することにより、作業者に緯糸除去作業を確実に実行させることができる。
【0076】
図7は、停台原因の如何にかかわらず2本の緯糸を除去して、停台原因を修復する実施例を示す。この実施例は、ガラス繊維を用いるガラス織物のような織物において、織段発生の防止効果が高くなる。
【0077】
図7において、いずれかの停台原因が発生すると、制御装置46は300°から電磁ブレーキ82を作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0078】
次いで、制御装置46は、織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。織機は、上記逆転の結果300°に達すると、主軸50の逆転を停止させる(3次停止)と共に、「緯止まりが発生した旨」の情報を図示しない表示手段に表示させて、作業者の到着を待つ待機状態となる。主軸50の回転角度300°は、既に述べたように、織段の発生を防止するために経糸開口が閉口状態となる角度である。
【0079】
作業者が到着すると、その作業者は、停止直前に緯入れされた緯糸を除去するために、逆転指令ボタンを操作する。これにより、制御装置46は、逆転指令に対応して主軸50を逆転させ。回転角度180°になると逆転を停止させる(2次停止)。主軸50の回転角度180°は、既に述べたように、経糸開口が開口状態となる角度であり、この回転角度においてミス糸14aは織前に露出した状態になる。このため、作業者は露出状態にある最初の緯糸を除去することができる。
【0080】
次いで、逆転指令ボタン72が作業者により押下されると、制御装置46はさらに300°まで織機を低速度で逆転させて、停止させる(4次停止)。
【0081】
次いで、作業者は、さらに前の緯糸を除去すべく逆転指令ボタンを押下する。これにより、制御装置46は、逆転指令が入力したことにより、前の緯糸を除去可能の180°まで織機を低速度でさらに逆転させて停止させる(5次停止)。この時点において緯糸除去のための準備が完了し、その回転角度位置において前の緯糸が作業者により除去される。
【0082】
最初の緯糸を除去可能の位置(2次停止の回転角度)から前の緯糸を除去可能の位置(5次停止の回転角度)までの逆転は、連続して行ってもよい。
【0083】
次いで、逆転指令ボタン72が作業者によりさらに押下されて逆転指令が制御装置46に入力すると、制御装置はさらに300°まで織機を低速度で逆転させて、停止させる(6次停止)。この時点において、運転再開の準備が完了するから、運転阻止状態が解除され、表示灯98は消灯される。
【0084】
図7に示す実施例においても、制御装置46は、逆転指令ボタン72が所定回数押下されたことにより、運転阻止状態を解除するように構成してもよい。
【0085】
次いで、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力すると、制御装置46は織機の運転を再開させる。
【0086】
上記のように停台原因の如何にかかわらず、2本の緯糸を除去して再運転する織機においても、制御装置46に設定される運転阻止状態解除条件は設定器54を介して設定される。
【0087】
そのような運転阻止状態解除条件として、例えば、織機の運転再開のための準備が完了する時期、すなわち2本目の緯糸の除去後の逆転開始以降の任意の時期とすることができる。より具体的には、2本目の緯糸のための逆転操作により織機が運転を開始する回転角度300°に達したことを運転阻止状態解除条件としてもよい。
【0088】
そのようにすれば、図3から図6に示すフローチャートにおける、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定は、押しボタン操作のたびに行われる。最終的には、2本目の緯糸が除去された後、運転を再開する回転角度300°への逆転操作が行われるまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。このため、誤運転を確実に防止することができる。
【0089】
運転阻止状態解除条件として、緯糸除去の準備が完了する時期、すなわち、2本目の緯糸を除去するための操作の開始以降の任意な時期、より具体的には、2本目の緯糸除去のための逆転操作により主軸が2本目の緯糸を除去可能の回転角度180°に達したことを条件としてもよい。この場合、2本目の緯糸を除去可能の回転角度に達したか否かの判定により、前記と同様に誤運転及びそれに起因する不都合を防止することができる。
【0090】
そのようにすれば、既に述べたように、2本目の緯糸を除去可能の回転角度180°から織機の運転が可能になるから、運転再開の準備が完了する時期を運転阻止状態解除条件にする場合に比べ、誤運転される危険が生じる。しかし、実際には、作業者はこれまでの運転阻止状態により緯糸を除去すべきであることを既に十分認識することができるから、作業者が緯糸を除去することなく運転操作をしたり、運転を再開する回転角度300°まで逆転させる操作を忘れて運転操作をする可能性は低い。したがって、緯糸を除去可能の回転角度180°で運転阻止状態を解除しても、さほど問題にはならない。
【0091】
図8は、耳組糸センサ44が異常検出信号(例えば、耳組糸切れ信号)を出力したことによる停台時における停台原因(耳組糸異常)を修復する修復処理を実行するときの制御装置46による織機の動作の一実施例を示す。
【0092】
耳組糸の異常が時刻T1に発生すると、制御装置46は、先ず、300°から電磁ブレーキ82を作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0093】
次いで、制御装置46は、織機を待機状態にするために織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。
【0094】
次いで、制御装置46は、寸動指令ボタン70が押下されて寸動指令が入力したことにより、修復処理をすることができる角度まで織機を寸動させて停止させる(2次停止)。これにより、修復処理の準備が完了するから、織機を運転阻止状態におくことができる。織機の前記回転位置において、耳組糸異常の修復処理が行われる。
【0095】
次いで、逆転指令ボタン72が押下されて逆転指令が入力すると、制御装置はさらに300°まで織機を低速度で逆転させる。
【0096】
図8に示す実施例においては、制御装置46は、寸動指令ボタン72や逆転指令ボタン74が押下されたことにより、運転停止状態を解除する。
【0097】
次いで、制御装置46は、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力したことにより、織機の運転を再開させる。
【0098】
上記のように耳組糸の異常を修復する際に正転又は逆転操作をともなう織機においては、制御装置46に設定される運転阻止状態解除条件は設定器54を介して設定される。
【0099】
そのような運転阻止状態解除条件として、耳組糸の修復作業が行われた後、織機の運転を再開する回転角度への回転操作、より具体的には、耳組糸切れの発生後、寸動操作又は逆転操作により織機の運転を再開する回転角度300°に達したことを運転阻止状態解除条件としてもよい。
【0100】
そのようにすれば、図3から図6に示すフローチャートにおける、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定は、押しボタン操作のたびに行われる。最終的には、上記寸動又は逆転が実行された回転角度に達するまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。このため、耳組糸の異常時における誤運転を確実に防止することができる。
【0101】
運転阻止状態解除条件として、耳組糸の修復作業が行いやすい回転角度への回転操作、より具体的には、耳組糸切れ後、寸動操作又は逆転操作が行われたこと、又は織機が待機状態にある回転角度300°から異常が発生した側の耳組糸のボビンが修復しやすい上死点に位置する回転角度の間で任意に定められる回転角度のいずれかを用いることができる。
【0102】
そのようにすれば、そのような運転阻止状態解除条件に対応して判定が行われるから、前記と同様に誤運転を確実に防止することができる。この場合、運転再開の準備が完了する時期を運転阻止状態解除条件にする場合に比べ、誤運転される危険が生じる。
【0103】
しかし、実際には、作業者はこれまでの運転阻止状態により耳組糸の異常を修復すべきであることを既に十分認識することができるから、作業者がそのような異常を修復することなく運転操作をしたり、運転を再開する回転角度300°まで寸動又は逆転させる操作を忘れて運転操作をする可能性は低い。したがって、上記のような設定が行われたとしても、さほど問題にはならない。
【0104】
図8の実施例は、ドロッパ装置38やキャッチコードセンサ44が異常検出信号を出力した場合にも、適用することができる。
【0105】
開口装置96は、主軸50に連結されて駆動されるものであってもよいし、ピックファインダ装置や電動開口装置のように、主軸50とは別個の専用のモータで駆動されるものであってもよい。
【0106】
その場合、主軸に対する回転(正転及び逆転)を、開口装置に対する回転(正転及び逆転)としてそれぞれ読み換えればよい、また、平織り、綾織り等、開口リピート数の小さい織物組織にあっては、例えば緯糸除去等のための逆転に換えて、主軸又は開口装置の駆動軸を正転させることにより実現してもよい。
【0107】
また、修復に際し主軸の回転をともなう場合、設定器54を介して設定する運転阻止状態解除条件について、修復が行われる主軸の回転角度に達することを条件としているが、その角度への回転又は停止動作が自動的に行われるようにプログラム設定されていれば、作業者が回転角度を確認するまでもなく、その操作が行われたことを解除の条件として設定することもできる。
【0108】
図9は、給糸緯糸センサ42が異常検出信号(例えば、給糸緯糸切れ信号)を出力したことによる停台時における停台原因(給糸緯糸異常)を修復する修復処理を実行するときの制御装置46による織機の動作の一実施例を示す。
【0109】
給糸緯糸の異常が時刻T1に発生すると、センサ42からの異常信号を受けて制御装置46は、先ず、300°付近から電磁ブレーキ82を作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0110】
次いで、制御装置46は、織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。この回転位置において、修復処理の準備が完了するから、給糸緯糸異常の修復処理が行われる。
【0111】
次いで、制御装置46は、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力したことにより、織機の運転を再開させる。
【0112】
図1に示す例では、測長貯留装置16は、ヤーンガイドを回転させて所定長さの緯糸14をドラムに巻き付けるタイプのものである。より詳しくは、主軸モータから独立した電動モータにより固定ドラムの周面に沿って回転駆動されるヤーンガイドと、電磁ソレノイドにより駆動されて固定ドラムの周面に対して進退される係止ピンとを備える公知の緯糸測長貯留装置である。
【0113】
そのような緯糸測長貯留装置は、織機の運転に先立って係止ピンを進出させると共に、ヤーンガイドを予め所定量回転させて緯糸を固定ドラムに巻き付ける機能(予備巻き機能)と、係止ピンを後退させる機能(解舒機能)とを、それぞれ、手動で個々に実行させることができる押しボタンを備えている。
【0114】
したがって、給糸緯糸異常の修復処理は、解舒指令ボタン76を押下して、固定ドラム上に残存する緯糸を除去し、予備巻き指令ボタン78を押下して新たな緯糸を予備巻きすると共に、後段の緯入れノズルにセットする等の設定が行われる。
【0115】
解舒指令ボタン76の操作は前記修復準備の完了に、また予備巻き指令ボタン78の操作は前記運転再開準備の完了にそれぞれ対応する。
【0116】
上記のように給糸緯糸の異常を修復する際に、測長貯留装置に何らかの操作をともなう織機においては、前記と同様に、制御装置46に設定される運転阻止状態解除条件は設定器54を介して設定される。
【0117】
そのような運転阻止状態解除条件として、前記した解除指令ボタン76や予備巻き指令ボタン78が操作されたこととすることができる。そのようにすれば、図3から図6に示すフローチャートにおける、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定は、押しボタン操作のたびに行われる。最終的には、緯糸解舒又は予備巻きが実行されるまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。このため、給糸緯糸の異常発生時における誤運転を確実に防止することができる。
【0118】
図9に示す実施例においては、制御装置46は、解舒指令ボタン76や予備巻き指令ボタン78が押下されたことにより、運転停止状態を解除する。しかし、運転停止状態の解除に、緯入れ装置のように他の装置に対する操作を利用してもよい。より具体的には、空気噴射式織機のようにメインノズルからの噴射気流が正常時と修復時とで異ならせるための操作信号を利用してもよい。さらには、指令手段の出力に換えて、修復作業が行われたか否かを検出するセンサの出力を利用してもよい。
【0119】
測長貯留装置は他のタイプの装置であってもよい。また、給糸緯糸センサ42は、測長貯留装置に供給される緯糸を感知するタイプのものであるが、他のタイプのセンサを用いてもよい。また、センサの設置場所は、図示の位置に限られず、糸経路上であれば、いずれの箇所に設けてもよい。
【0120】
複数の停台原因に対応させるためには、修復処理を含む上記のような誤運転防止技術を監視対象毎にソフトウエアプログラムとして予め記憶しておき、発生した停台原因に応じた誤運転防止技術を制御装置46に実行させればよい。
【0121】
上記したように、運転阻止に関する処理をソフトウエア的に処理する代わりに、ハードウエア的に処理することもできる。例えば、修復の際に何らかの織機の回転をともなう場合、以下のようにすることができる。
【0122】
前記した運転阻止にかかわるソフトウエア処理をともなわない図2に示す装置に対し、運転指令ボタン68と制御装置46との間に図10に示す運転許可回路を配置することができる。
【0123】
図9に示す誤運転防止技術を実行する誤運転防止装置の場合、運転許可回路110を制御装置46の入力に接続し、各種のタイミング信号を発生するタイミング信号発生器112を運転許可回路110の入力に接続し、各種のタイミングを設定するタイミング設定器114をタイミング信号発生器112に接続することができる。
【0124】
タイミング設定器114は、修復処理、修復処理準備及び運転再開準備等のために停止させる主軸の回転角度等、各種のタイミングが主軸の回転角度として設定されている。
【0125】
タイミング信号発生器112は、主軸50の回転角度信号θをエンコーダ52から受け、主軸50の回転角度がタイミング設定器に設定された角度になるたびに、タイミング信号を運転許可回路110に出力する。
【0126】
運転許可回路110は、運転阻止状態を解除すべき条件が満たされたとき、その旨を意味する運転許可信号S1を出力する判別回路116と、運転許可信号S1と運転指令ボタン68による運転指令とのアンド信号を運転操作信号S2として制御装置46に出力するアンド回路118とを含む。
【0127】
判別回路116は、センサ34,36,38,40,42,44からの検出信号S3と、タイミング信号発生器112の出力信号と、解除指令ボタン76からの解除指令と、予備巻き指令ボタン78からの予備巻き指令と、制御装置46からの織機停止信号S4(又は、自動逆転完了信号S5)とを受ける。
【0128】
判別回路116は、織機停止信号S4(又は、自動逆転完了信号S5)が入力したことによりオフになり、その後、緯糸異常等の修復に際し織機の回転をともなう場合には、織機が運転再開角度に達した(又は、その操作が行われた)ことによりオンになり、また給糸緯糸が異常の場合には、予備巻き指令ボタンからの指令信号が入力したことによりオンになる、運転許可信号S1を出力する。
【0129】
判別回路116は、前述の実施例のように、緯入れミス糸の除去等の停台原因に対応してその修復が行われる角度に達した(又は、その操作が行われた)ことにより、運転許可信号S1をオン出力するものであってもよい。
【0130】
したがって、運転許可回路110は、運転許可信号S1が発生されたことにより、運転阻止状態を解除し、その後運転指令が入力したことにより運転操作信号S2を制御装置46に出力する。
【0131】
図10に示す回路は、図1から図8に示す誤運転防止技術にも適用することができる。
【0132】
また、運転阻止状態の解除を、運転指令ボタンの押下時にセンサの出力信号を用いて判定することもできる。図1及び図2の装置に対し、図11に示すソフトウエア処理により実現することが出得きる。なお図1において、緯糸センサ34,36,42及び経糸センサ38,40,44は、異常検知の間、常に異常検出信号を出力するタイプのものとしている。
【0133】
図11において、修復処理が終了したことにより作業者が運転指令ボタン68を押下すると(ステップ120)、制御装置46は、緯糸センサ34,36,42及び経糸センサ38,40,44が異常を検知しているか否かを判定する(ステップ121)。
【0134】
ステップ121における判定の結果、少なくとも停台原因となったセンサから異常信号が出力されていると、運転を実行せず、制御装置46はステップ120に戻り、修復作業をさせるべく運転指令ボタン68の押下を待つ。この際、表示灯98によりこの旨を表示して、作業者に対し報知することが好ましい。
【0135】
しかし、少なくとも停台原因となったセンサが異常信号を出力していないと、制御装置46は運転阻止フラグをオフにして運転阻止状態を解除した後、図5のステップに移行する(ステップ122)。
【0136】
上記したように、運転阻止に関する処理をソフトウエア的に処理する代わりに、ハードウエア的に処理することもできる。例えば、前記した逆転阻止にかかわるソフトウエア処理をともなわない図2に示す装置に対し、運転指令ボタン68と制御装置46との間に図12に示す運転許可回路を配置することができる。
【0137】
図9に示す誤運転防止技術を実行する誤運転防止装置の場合、運転許可回路130を制御装置46の入力に接続することができる。
【0138】
運転許可回路130は、センサ38,42,44からの異常検出信号と運転指令ボタン68からの運転指令とが入力する判別回路132と、運転指令を所定時間遅延させる遅延回路134と、判別回路132及び遅延回路134の両出力信号S1,S6のアンド信号を出力するアンド回路134とを含む。
【0139】
判別回路132は、運転指令ボタンからの運転指令が入力したときに、センサ38,42及び44から異常検出信号が出力されているか否かを判定し、出力されていない場合に、運転阻止状態を解除して運転許可信号S1をアンド回路136に出力する。
【0140】
したがって、判別回路130は、運転指令が入力したとき遅延回路134による遅延時間を経過した後に、運転操作信号S2を制御装置46に出力する。換言すれば、判別回路132は、センサ38,42及び44から異常検出信号が出力されている間、運転指令を無効にして、運転阻止状態を維持する。
【0141】
運転阻止機能は、織付け時や織機の調整運転時等、必要に応じて切り替えスイッチ等により機能しないようにしてもよい。また、運転防止機能をリセットするリセットボタンを設け、作業者が織機の状態を認識した上で、運転阻止機能をリセットして、直ちに運転可能にすれば、より便利である。
【0142】
本発明は、空気噴射式織機、液体噴射式織機のみならず、レピア織機のような無杼織機にも適用することができるし、有杼織機にも適用することができる。
【0143】
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誤運転防止装置を備えた織機の一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係る誤運転防止装置の一実施例を示す電気回路図である。
【図3】図2に示す装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図4】図3に続く動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】図4に続く動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図6】本発明に係る誤運転防止技術の第1の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図7】本発明に係る誤運転防止技術の第2の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図8】本発明に係る誤運転防止技術の第3の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図9】本発明に係る誤運転防止技術の第4の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図10】本発明に係る誤運転防止技術の第5の実施例を示す電気回路図である。
【図11】フローチャートを示す図である。
【図12】第6の実施例を実行する誤運転防止装置の実施例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
10 誤運転防止装置
14 緯糸
16 測長貯留装置
20 メインノズル
22 サブノズル
24 経糸
24a キャッチコード
24b 耳組糸
26 筬
28 織布
30 カッタ
32 耳形成装置
34,36 緯糸フィーラ
38 ドロッパ
40 キャッチコードセンサ
42 給糸緯糸センサ
44 耳組糸センサ
48 原動モータ
50 主軸
52 エンコーダ
82 電磁ブレーキ
【発明の属する技術分野】
本発明は、緯止まりや経止まり等、織機の異常に起因する停止後に運転を誤って再開させることを防止する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
織機において、緯入れ不良や緯糸不良に起因する緯止まりや、経糸切れのような経糸の不良に起因する経止まり等、織機が停台(停止)すると、作業者は、不良糸の除去、糸切れの修復等、停台原因(停止原因)に対する修復作業を行った後、運転を再開させる。
【0003】
【解決しようとする課題】
上記のことから、織機は、一般に、停止中に織機を運転させる運転ボタン(運転指令スイッチ)を操作可能にしている。このため、従来の織機では、作業者が修復をしないにもかかわらず、運転ボタンを操作すると、そのまま織機の運転が再開されてしまう。そのような場合には、織物品質が低下する。
【0004】
本発明の目的は、作業者が停台原因の修復を行わないまま、運転を再開させることによる織物品質の低下を防止することにある。
【0005】
【解決手段、作用、効果】
本発明に係る第1の誤運転防止装置は、緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0006】
上記第1の誤運転防止装置によれば、緯入れ、緯糸又は経糸の異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、若しくは、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、織機の運転再開が防止されるから、緯入れ、緯糸又は経糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0007】
前記織機はパイル織機であり、前記運転阻止回路は、前記検知信号の発生時期がパイル形成時であるファーストピック及びルーズピックのいずれであるか否かにかかわらず、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止するようにしてもよい。
【0008】
本発明に係る第2の誤運転防止装置は、緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0009】
上記第2の誤運転防止装置によれば、緯入れ、緯糸又は経糸の異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、若しくは、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が実行されるまで、織機の運転再開が防止されるから、緯入れ、緯糸又は経糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。また、織機の再運転前に織段防止のために2本の緯糸を除去すべき織機についても、緯糸除去が確実に実行されるため、誤操作による織段も発生しない。
【0010】
本発明に係る第3の誤運転防止装置は、耳組糸又はキャッチコードの異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、前記耳組糸又は前記キャッチコードを使用する耳形成装置又は糸端処理装置に対する糸切れの修復を行う回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの寸動又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0011】
上記第3の誤運転防止装置によれば、耳組糸又はキャッチコードの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、耳組糸又はキャッチコードに対する修復作業が行われる回転角度までの正転又は逆転操作が行われるまで、若しくは、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が行われるまで、織機の運転再開が防止されるから、耳組糸又はキャッチコードの異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0012】
上記いずれの誤運転防止装置においても、前記制御装置は、前記第1又は第2の条件の指令信号が入力したこと、若しくは、前駆駆動軸が回転されたことを検知して前記第1又は第2の情報を記憶させる検知信号を発生する検知手段を含むことができる。
【0013】
本発明に係る第4の誤運転防止装置は、緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットする際の操作が未実行であることを表す第1の情報を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0014】
上記第4の誤運転防止装置によれば、緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットするまでの操作が実行されるまで、織機の運転再開が防止されるから、給糸緯糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0015】
本発明に係る第5の誤運転防止装置は、緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する第1の異常検出センサと、耳組糸又はキャッチコードの異常を検出する第2の異常検出センサと、緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常を検出する第3の異常検出センサと、前記第1,第2又は第3の異常検出センサからの異常検出信号により織機を停止させると共に、前記運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記第1の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第3の情報、及び織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第4の情報の少なくとも1つと、前記第2の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、前記耳組糸を使用する耳形成装置又は前記キャッチコードを使用する糸端処理装置に対する糸切れの修復を行う回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第5の情報、織機の運転開始回転角度までの寸動又は逆転操作が未実行であることを表す第6の情報、及び前記第3の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットする際の操作が未実行であることを表す第7の情報の少なくとも1つとを記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に、前記第1又は第2の情報が記憶されているか若しくは前記第3又は第4の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止すると共に、前記第5又は第6の情報が記憶されているか若しくは前記第7の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0016】
上記第5の誤運転防止装置によっても、緯入れ、緯糸又は経糸、若しくは、耳組糸、キャッチコード又は給糸緯糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0017】
本発明に係る第6の誤運転防止装置は、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、前記異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含む。前記制御装置は、前記運転指令信号の入力時に、前記異常検出信号が入力状態にある場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む。
【0018】
上記第6の誤運転防止装置によれば、運転運転指令信号の入力時に、緯糸又は経糸の異常検出信号が入力状態にあると、織機の運転再開が防止されるから、緯糸又は経糸の異常による停止後の誤運転に起因する織物品質の低下が防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、誤運転防止装置10は、例えば緯入れ用流体として圧縮空気を用いる空気噴射式織機に用いられている。
【0020】
空気噴射式織機において、給糸体12に巻かれている緯糸14は、測長貯留装置16に所定長さ分に測長され、係止ピン装置18により係止されて貯留されている給糸緯糸として作用し、先端部をメインノズル20に通されている。
【0021】
メインノズル20に通されている緯糸は、係止ピン装置18により所定期間解舒されて、メインノズル18から圧縮空気と共に噴出され、複数のサブノズル22から噴出される圧縮空気により、経糸24の開口に緯入れされる。
【0022】
緯入れされた緯糸は、筬26により織布28の織前に筬打ちされ、カッタ30により切断されて、メインノズル20を経て測長貯留装置16に連なる緯糸部分から切断される。
【0023】
経糸24のうち、織幅方向における反緯入れ側の端部に位置する複数の経糸24aはキャッチコードとして用いられ、キャッチコード24aの内側に位置する複数の耳組糸24bと緯入れ側の端部に位置する複数の耳組糸24bとは、ともに耳形成装置32によりもじり房耳に形成される耳組糸として用いられる。これらキャッチコード及び経糸の開口運動は、主軸50に連結されて駆動される開口装置又は主軸50の回転に同期して駆動されるモータにより駆動される開口装置により行うことができる。
【0024】
空気噴射式織機は、また、緯入れされた緯糸は、反緯入れ側に緯入れ方向に間隔をおいて配置された一対の緯糸フィーラ34,36と、経糸24の切断又は弛みを検出する公知のドロッパ装置38と、キャッチコード24aの切断又は弛みを検出するキャッチコードセンサ40と、給糸体12から引き出される緯糸(給糸緯糸)14の切断を検出する給糸緯糸センサ42と、各耳形成装置32に配置されて耳組糸24bの切断を検出する耳組糸センサ44とを含む。
【0025】
緯糸フィーラ34は正しく緯入れされた緯糸の先端部を検出する公知のH1フィーラであり、緯糸フィーラ36は緯入れされた緯糸がロングピック、胴切れ等になった場合にその旨を検出する公知のH2フィーラである。キャッチコードセンサ40は、ドロッパ装置38と同様に作動してキャッチコード24aの切断又は弛みを検出する。
【0026】
耳形成装置32及び耳組糸センサ44としては、実開昭62−30364号公報に記載されているものを用いることができる。そのような耳形成装置32は、主軸50の回転に同期して回転される回転台上に一対の耳組み糸誘導穴を形成し、回転台の回転によってもじり組織を形成する。このような耳形成装置32は、主軸50に連結されて駆動されてもよいし、主軸50の回転に同期して駆動されるモータにより駆動されてもよい。
【0027】
詳細には説明しないが、耳組糸センサ44は、耳組糸の張力に対向させてスプリングで付勢された回転腕と、耳組糸の異常時に前記スプリングの弾性力によって糸異常に相当する位置に耳組糸が到来したことを検出して異常信号を出力するセンサ部材とを含むことができる。
【0028】
耳形成装置32及び耳組糸センサ44は、上記のような装置及びセンサ以外の装置及びセンサを用いてもよい。
【0029】
緯糸フィーラ34,36及び耳組糸センサ44の各々は緯糸センサとして作用し、ドロッパ装置38、キャッチコードセンサ40及び給糸緯糸センサ42の各々は経糸センサとして作用する。これらセンサの検出信号は、異常検出信号として誤運転防止装置10の制御装置46に供給される。
【0030】
制御装置46は、織機の原動モータ(主軸モータ)48を始め、織機の種々の装置を制御する主制御装置を兼ねている。このため、制御装置46は、上記した検出信号のほかに、主軸50の回転角度を検出するエンコーダ52から回転角度信号θを受けると共に、設定器54に設定された各種の設定値を受け、受けた信号及び設定値等のデータを基に原動モータ48の回転を制御する。
【0031】
図2を参照するに、制御装置46は、入力ポート60と、出力ポート62と、運転阻止回路を兼ねた中央処理ユニット(CPU)64と、各種の情報を記憶する記憶器66とを備えている。
【0032】
設定器54には、織機のための各種の制御データや、運転阻止解除条件等の上方が設定されている。制御回路46は、センサ34,36,38,40,42,44からの検出信号とエンコーダ52からの回転角度信号θとを入力ポートに受けると共に、設定器54に設定されている各種の情報を読み込む。
【0033】
制御装置46は、また、織機を運転させる運転指令ボタン68からの運転指令、織機を寸動させる寸動指令ボタン70からの寸動指令、織機を逆転させる逆転指令ボタン72からの逆転指令、織機を停止させる停止指令ボタン74からの停止指令、緯糸を測長貯留装置から解舒させる解舒指令ボタン76からの解舒指令及び織機の停止時に測長貯留装置16に一回の緯入れに必要な緯糸を余分に巻き付けて貯留させる予備巻き指令ボタン78からの予備巻き指令を入力ポート60に受ける。
【0034】
制御装置46は、受けた各種の信号、データ及び指令を基に、耳形成装置32、原動モータ48への通電路を開閉する開閉器80、原動モータ48及び主軸50に制動力を作用させる電磁ブレーキ82への通電路を開閉する開閉器84、測長貯留装置16のヤーンガイド用の駆動モータ86に供給する電流を制御する電流制御器88、測長貯留装置16の係止ピンソレノイド90への通電を制御する駆動回路92、緯入れ装置94並びに経糸開口装置96のそれぞれに出力ポート62を介して所定の制御信号を供給する。
【0035】
制御装置46は、また、運転阻止状態を表示する表示灯98をも制御する。これにより、運転阻止状態にあることが作業者に報知される。しかし、運転阻止状態は、文字、警報音又は音声により作業者に報知してもよい。
【0036】
制御装置46による運転阻止は、織機の他の制御と同様に、記憶器66に記憶されているプログラムによりソフトウエアにより行われる。
【0037】
ここで、織機運転中に緯入れミスが発生して、緯糸フィーラ36又は38から異常検出信号が出力された場合を例にして、誤運転防止装置10の動作を以下に説明する。
【0038】
緯入れミスが発生すると、緯糸フィーラ36又は38から異常検出信号が出力されるから、制御装置46は、先ず織機を停止させる。
【0039】
次いで、制御装置46は、緯入れミス糸を除去可能の回転角度に織機を自動的に逆転させて織機を待機状態にする回転角度まで逆転させると共に、運転指令ボタン68を無効にして織機を運転阻止状態におく。
【0040】
制御装置46は、図示しない表示灯等を介して織機が停止状態(待機状態)にあることを作業者に報知すると共に、表示灯98を点灯させて運転阻止状態であることを表示し、以後たとえ運転指令ボタン68が押下されたことにより運転指令が入力しても、その運転指令を無効にする。
【0041】
作業者が到着すると、その作業者は、織機を停止直前に緯入れされた緯糸(すなわち、緯入れミス糸)を除去するために、逆転指令ボタンを操作して、織機を逆転させる。これにより、緯入れミス糸は織前に露出した状態となって除去可能になり、緯糸除去の準備が完了する。
【0042】
次いで、作業者が、緯入れミス糸を開口状態にある織前から取り除いた後、逆転指令ボタンを操作すると、制御装置46は、織機の運転を再開させる回転角度に織機を自動的に若しくは逆転指令の入力により逆転させる。これにより、運転再開の準備が完了する。以降、制御装置46は、運転指令ボタン68を有効にし、運転指令が入力したことにより織機の運転を再開させる。
【0043】
運転指令ボタン68を無効にして運転阻止状態におくタイミングは、停台原因が発生したときから、織機が待機状態になる回転角度に停止されるまでの間の任意な時期とすることができる。
【0044】
これに対し、運転阻止状態を解除して、運転指令ボタン68(すなわち、運転指令)を有効にするタイミングは、織機の運転を再開させる回転角度とするか、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの逆転操作が行われた時以降の任意な時期としてもよい。また、緯入れミス糸の除去は、作業者が行ってもよいし、自動的に行ってもよい。
【0045】
次に、図3から図5を参照して、誤運転防止装置10の動作をより詳細に説明する。
【0046】
織機の正常運転中に停止原因が発生する(ステップ100)と、制御装置46は、織機を停止させる織機停止ステップを実行する(ステップ101)。このステップ101では、先ず、原動モータ48への通電を中止すると共に、電磁ブレーキ82による制動力を主軸50に作用させて織機を停止させ(1次停止)、次いで直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度まで織機を自動又は手動操作で逆転させて、織機を待機状態にする回転角度に停止させる(2次停止)ことが行われる。
【0047】
次いで、制御装置46は、2次停止後、織機を停止状態(待機状態)におくと共に、運転阻止フラグをオンにする(ステップ102)。これにより、運転指令ボタン68が無効にされ、表示灯98が点灯されて、織機は運転阻止状態におかれる。運転防止フラグは修復又は運転再開に要する操作が未実行であることを示す情報であり、このフラグのセット状態はCPU64の内部メモリ又は記憶器66に設定される。
【0048】
上記の運転阻止状態において、制御装置46は適宜な指令ボタンが押下されることを待つ。
【0049】
図4を参照するに、次いで適宜な指令ボタンが押下されると(ステップ103)、制御装置46は、押下された指令ボタンが運転指令ボタンであるか否かを判定する(ステップ104)。
【0050】
押下された指令ボタンが運転指令ボタンであると、制御装置46は、運転阻止状態とされているため、ステップ103に戻って、他の指令ボタンが押下されることを待つ。
【0051】
他の指令ボタンが押下されると、制御装置46は、停台原因修復のために押下された指令ボタンに対応する動作を織機に行わせる(ステップ105)。具体的には、緯入れミスの場合、ステップ105は、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度180°まで原動モータ48及び主軸50を逆転させて、開口装置96を逆転させる。
【0052】
次いで、制御装置46は、運転阻止状態を解除する条件(運転阻止状態解舒条件)がクリアされたか否かを判定する(ステップ106)。判定のための条件について、例えば、所定の回転角度まで逆転されること、より具体的には、織機の運転が再開される回転角度300°まで逆転されることを判定のための条件(運転阻止状態解舒条件)として設定器54を介して予め設定することができる。この場合、制御装置46は、主軸50の逆転が行われている期間にわたって織機の主軸50の回転角度信号θを監視し、上記設定された運転阻止状態解舒条件をクリアしたか否かの判定を行うことができる。
【0053】
正転又は逆転が終了したとき、上記運転阻止状態解舒条件がクリアされていないと、制御装置46は、ステップ103に戻って、他の指令ボタンが押下されることを待つ。具体的には、作業者が上記ステップ105の逆転操作により織機を180°で停止させたとしても、上記運転阻止状態は依然としてクリアされないことから、ステップ103に戻って次の指令ボタンが押下されることを待つ。
【0054】
その後作業者が緯入れミス糸を除去した後、指令ボタンが再び操作されて(ステップ103)、対応する装置である主軸50が織機の運転を再開する回転角度300°に向けて逆転され(ステップ105)、制御装置46が上記設定された運転阻止状態解舒条件をクリアしたか否かの判定を行って主軸50の回転角度信号θが300°になったことを検出すると(ステップ106)、制御装置46は、運転阻止フラグをオフにして、以後運転阻止状態を解除し、運転指令ボタン68の操作による運転指令を有効にする(ステップ107)。
【0055】
図5を参照するに、運転指令ボタン68が押下されると(ステップ108)、制御装置46は、既に運転阻止状態が解除されていることから、織機の運転を再開させる(ステップ109)。その後、制御装置46は通常の織機制御を行う。
【0056】
上記のように緯糸異常に対応して緯糸を除去して再運転する織機においては、運転阻止状態解除条件が設定器54を介して設定される。そのような運転阻止状態解舒条件として、例えば、織機の運転再開のための準備が完了する時期、すなわち緯糸除去後の逆転開始以降とする任意の時期とすることができる。より具体的には、前記逆転操作により織機が運転を再開する回転角度300°に達したことを、運転阻止状態解除条件として設定することができる。
【0057】
そのため、前述した図3から図5に示すフローチャートに対し、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、上記のように設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定が押しボタンが操作されるたびに行われる。
【0058】
すなわち、緯糸除去後、織機の運転を再開する回転角度300°への逆転操作が行われるまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。これにより、織機の誤運転を確実に防止することができ、従来問題になっていた「誤運転により織物品質を低下させてしまう」という不都合を確実に阻止することができる。
【0059】
運転阻止状態解除条件として、上記の外に、緯糸除去の準備が完了する時期、すなわち緯糸除去のための逆転操作開始以降の任意の時期、より具体的には、緯糸除去のための逆転操作により2本目の横糸を除去することができる回転角度180°を用いてもよい。そのような運転阻止状態解除条件を設定した場合も、そのような設定条件に対応した判定が行われるから、上記と同様に誤運転及びそれに起因する不具合を防止することができる。
【0060】
上記のように緯糸を除去することができる回転角度180°で織機の運転が可能になると、運転再開の準備が完了する時期を運転阻止状態解除条件とする場合に比べ、誤運転される危険が生じる。しかし、実際には、作業者はこれまでの運転阻止状態により緯糸を除去すべきであることを既に十分認識することができるから、作業者が緯糸を除去することなく運転操作をしたり、運転を再開する回転角度300°まで逆転させる操作を忘れて運転操作をする可能性は低い。したがって、緯糸を除去可能の回転角度180°で運転阻止状態を解除しても、さほど問題にはならない。
【0061】
織機の運転再開角度が300°である場合において、緯入れミスの発生から運転再開までの織機の動作の一例を図6に示す。この場合、緯入れミスは、緯糸フィーラ34及び36のいずれの検出信号に基づくものであってもよい。
【0062】
図6は、緯糸フィーラ38又は40からの検出信号により織機が停止したときの、停台原因(緯入れ異常)を修復する修復処理を実行するときの制御装置46による織機の動作の一実施例を示す。
【0063】
図6は、また、同図(B)に×印を含む○印の緯糸14aの緯入れミスによって時刻T1に停台原因が発生し、その緯糸14aの緯入れサイクル中の300°の回転角度において制動装置82が作動され、次の緯糸14bの緯入れサイクル中の250°で織機が停止される例を示す。
【0064】
図6(C)に示すように、緯入れ不良が発生すると、制御装置46は、電磁ブレーキ82を300°付近から作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0065】
次いで、制御装置46は、織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。織機は、前記逆転により300°に達すると、主軸50の逆転を停止させる(2次停止)と共に、「緯止まりが発生した旨」を図示しない表示手段に表示させて、作業者の到着を待つ待機状態となる。主軸50の回転角度300°は、待機中の経糸の伸びにともなう織段の発生を防止するために、経糸が閉口状態となる角度である。
【0066】
作業者が到達すると、その作業者は、停台原因である緯入れミス隣ったミス糸14aを修復(除去)するために、直ちに逆転指令ボタンを押下する。これにより、制御装置46は、逆転指令に対応して主軸50を180°まで逆転させる。主軸50の回転角度180°は、経糸が開口状態となる角度であり、ミス糸14aは織前に露出された状態になり、換言すればこの時点において緯糸除去のための準備が完了する。そこで、作業者は露出状態にあるミス糸14aを除去することができる。
【0067】
緯糸除去準備が完了したか否かは、織機が1次停止後に180°まで低速度で逆転したか否かにより識別することができる。好ましくは、緯糸除去準備が完了したか否かぼ判定は、作業者の安全確保のために織前に配置されているガードセンサや、水噴射式織機のように緯入れ用水流の飛散防止のために前方に備えられたカバー扉の開閉を検出するセンサ等、各種センサの出力信号濃霧を上記判定条件に加えてもよい。
【0068】
次いで、逆転指令ボタン72が作業者により再度押下されて逆転指令が制御装置46に再度入力すると、制御装置46はさらに300°まで織機を低速度で逆転させる。この時点において、運転再開の準備が完了するから、運転阻止状態が解除され、表示灯98は消灯される。
【0069】
図6に示す実施例においては、制御装置46は、逆転指令ボタン68が所定回数押下されたことにより、運転停止状態を解除するように構成することもできる。しかし、ミス糸14aが除去されて運転阻止状態の解除条件が成立したか否かは、逆転指令ボタン72が押下されたことと、織機が300°まで逆転されたこととのアンド条件で識別することがより好ましい。
【0070】
次いで、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力すると、制御装置46は織機の運転を再開させる。
【0071】
運転再開準備における織機の逆転と運転再開とを、逆転指令ボタン72及び運転指令ボタン68の押下による逆転指令及び運転指令の入力に基づいて行う代わりに、図示しない指令スイッチの押下による対応する指令の入力に基づいて自動的に連続して行うようにしてもよい。この場合、運転阻止状態は、その指令ボタンが操作されたこと、又は主軸50が300°まで逆転されたことにより自動的に解除される。
【0072】
図6は、緯入れミスの場合に1つのミス糸14aを除去する例であるが、ミス糸14aとその前に緯入れされた緯糸14とを除去してもよい。また、経止まりや給糸緯糸ミスのように緯入れミス以外の場合も、停台原因の如何にかかわらず、1以上の緯糸を除去してもよい。
【0073】
また、図6に示す実施例では、緯糸除去準備及び運転再開準備のいずれも、織機を逆転させているが、図6(D)に示すように、ミス糸除去準備完了後に、1本緯入れ指令ボタンが押下されたことにより、織機を180°から300°まで低速度で正転させた後、運転阻止状態を解除してもよい。この場合、ミス糸の代わりに新たな緯糸が緯入れされて、織布に織り込まれる。
【0074】
図6に示す実施例は、平織りの例であるが、パイル織りにも適用することができる。パイル織物は、一般に、パイル織りと地織りとの組織が所定長織り込まれることにより形成される。また、例えば3本緯糸のタオル織りにおいては、2つのルーズピックと1つのファーストピックとによりパイルを形成する。
【0075】
上記のようなパイル織物の場合、ルーズピック及びファーストピックのいずれに緯止まり又は経止まりが発生したとしても、上記のように、緯糸の除去が可能になる回転角度に織機を正転又は逆転させる緯糸除去準備が完了するまで、織機の運転を阻止することにより、作業者に緯糸除去作業を確実に実行させることができる。
【0076】
図7は、停台原因の如何にかかわらず2本の緯糸を除去して、停台原因を修復する実施例を示す。この実施例は、ガラス繊維を用いるガラス織物のような織物において、織段発生の防止効果が高くなる。
【0077】
図7において、いずれかの停台原因が発生すると、制御装置46は300°から電磁ブレーキ82を作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0078】
次いで、制御装置46は、織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。織機は、上記逆転の結果300°に達すると、主軸50の逆転を停止させる(3次停止)と共に、「緯止まりが発生した旨」の情報を図示しない表示手段に表示させて、作業者の到着を待つ待機状態となる。主軸50の回転角度300°は、既に述べたように、織段の発生を防止するために経糸開口が閉口状態となる角度である。
【0079】
作業者が到着すると、その作業者は、停止直前に緯入れされた緯糸を除去するために、逆転指令ボタンを操作する。これにより、制御装置46は、逆転指令に対応して主軸50を逆転させ。回転角度180°になると逆転を停止させる(2次停止)。主軸50の回転角度180°は、既に述べたように、経糸開口が開口状態となる角度であり、この回転角度においてミス糸14aは織前に露出した状態になる。このため、作業者は露出状態にある最初の緯糸を除去することができる。
【0080】
次いで、逆転指令ボタン72が作業者により押下されると、制御装置46はさらに300°まで織機を低速度で逆転させて、停止させる(4次停止)。
【0081】
次いで、作業者は、さらに前の緯糸を除去すべく逆転指令ボタンを押下する。これにより、制御装置46は、逆転指令が入力したことにより、前の緯糸を除去可能の180°まで織機を低速度でさらに逆転させて停止させる(5次停止)。この時点において緯糸除去のための準備が完了し、その回転角度位置において前の緯糸が作業者により除去される。
【0082】
最初の緯糸を除去可能の位置(2次停止の回転角度)から前の緯糸を除去可能の位置(5次停止の回転角度)までの逆転は、連続して行ってもよい。
【0083】
次いで、逆転指令ボタン72が作業者によりさらに押下されて逆転指令が制御装置46に入力すると、制御装置はさらに300°まで織機を低速度で逆転させて、停止させる(6次停止)。この時点において、運転再開の準備が完了するから、運転阻止状態が解除され、表示灯98は消灯される。
【0084】
図7に示す実施例においても、制御装置46は、逆転指令ボタン72が所定回数押下されたことにより、運転阻止状態を解除するように構成してもよい。
【0085】
次いで、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力すると、制御装置46は織機の運転を再開させる。
【0086】
上記のように停台原因の如何にかかわらず、2本の緯糸を除去して再運転する織機においても、制御装置46に設定される運転阻止状態解除条件は設定器54を介して設定される。
【0087】
そのような運転阻止状態解除条件として、例えば、織機の運転再開のための準備が完了する時期、すなわち2本目の緯糸の除去後の逆転開始以降の任意の時期とすることができる。より具体的には、2本目の緯糸のための逆転操作により織機が運転を開始する回転角度300°に達したことを運転阻止状態解除条件としてもよい。
【0088】
そのようにすれば、図3から図6に示すフローチャートにおける、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定は、押しボタン操作のたびに行われる。最終的には、2本目の緯糸が除去された後、運転を再開する回転角度300°への逆転操作が行われるまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。このため、誤運転を確実に防止することができる。
【0089】
運転阻止状態解除条件として、緯糸除去の準備が完了する時期、すなわち、2本目の緯糸を除去するための操作の開始以降の任意な時期、より具体的には、2本目の緯糸除去のための逆転操作により主軸が2本目の緯糸を除去可能の回転角度180°に達したことを条件としてもよい。この場合、2本目の緯糸を除去可能の回転角度に達したか否かの判定により、前記と同様に誤運転及びそれに起因する不都合を防止することができる。
【0090】
そのようにすれば、既に述べたように、2本目の緯糸を除去可能の回転角度180°から織機の運転が可能になるから、運転再開の準備が完了する時期を運転阻止状態解除条件にする場合に比べ、誤運転される危険が生じる。しかし、実際には、作業者はこれまでの運転阻止状態により緯糸を除去すべきであることを既に十分認識することができるから、作業者が緯糸を除去することなく運転操作をしたり、運転を再開する回転角度300°まで逆転させる操作を忘れて運転操作をする可能性は低い。したがって、緯糸を除去可能の回転角度180°で運転阻止状態を解除しても、さほど問題にはならない。
【0091】
図8は、耳組糸センサ44が異常検出信号(例えば、耳組糸切れ信号)を出力したことによる停台時における停台原因(耳組糸異常)を修復する修復処理を実行するときの制御装置46による織機の動作の一実施例を示す。
【0092】
耳組糸の異常が時刻T1に発生すると、制御装置46は、先ず、300°から電磁ブレーキ82を作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0093】
次いで、制御装置46は、織機を待機状態にするために織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。
【0094】
次いで、制御装置46は、寸動指令ボタン70が押下されて寸動指令が入力したことにより、修復処理をすることができる角度まで織機を寸動させて停止させる(2次停止)。これにより、修復処理の準備が完了するから、織機を運転阻止状態におくことができる。織機の前記回転位置において、耳組糸異常の修復処理が行われる。
【0095】
次いで、逆転指令ボタン72が押下されて逆転指令が入力すると、制御装置はさらに300°まで織機を低速度で逆転させる。
【0096】
図8に示す実施例においては、制御装置46は、寸動指令ボタン72や逆転指令ボタン74が押下されたことにより、運転停止状態を解除する。
【0097】
次いで、制御装置46は、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力したことにより、織機の運転を再開させる。
【0098】
上記のように耳組糸の異常を修復する際に正転又は逆転操作をともなう織機においては、制御装置46に設定される運転阻止状態解除条件は設定器54を介して設定される。
【0099】
そのような運転阻止状態解除条件として、耳組糸の修復作業が行われた後、織機の運転を再開する回転角度への回転操作、より具体的には、耳組糸切れの発生後、寸動操作又は逆転操作により織機の運転を再開する回転角度300°に達したことを運転阻止状態解除条件としてもよい。
【0100】
そのようにすれば、図3から図6に示すフローチャートにおける、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定は、押しボタン操作のたびに行われる。最終的には、上記寸動又は逆転が実行された回転角度に達するまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。このため、耳組糸の異常時における誤運転を確実に防止することができる。
【0101】
運転阻止状態解除条件として、耳組糸の修復作業が行いやすい回転角度への回転操作、より具体的には、耳組糸切れ後、寸動操作又は逆転操作が行われたこと、又は織機が待機状態にある回転角度300°から異常が発生した側の耳組糸のボビンが修復しやすい上死点に位置する回転角度の間で任意に定められる回転角度のいずれかを用いることができる。
【0102】
そのようにすれば、そのような運転阻止状態解除条件に対応して判定が行われるから、前記と同様に誤運転を確実に防止することができる。この場合、運転再開の準備が完了する時期を運転阻止状態解除条件にする場合に比べ、誤運転される危険が生じる。
【0103】
しかし、実際には、作業者はこれまでの運転阻止状態により耳組糸の異常を修復すべきであることを既に十分認識することができるから、作業者がそのような異常を修復することなく運転操作をしたり、運転を再開する回転角度300°まで寸動又は逆転させる操作を忘れて運転操作をする可能性は低い。したがって、上記のような設定が行われたとしても、さほど問題にはならない。
【0104】
図8の実施例は、ドロッパ装置38やキャッチコードセンサ44が異常検出信号を出力した場合にも、適用することができる。
【0105】
開口装置96は、主軸50に連結されて駆動されるものであってもよいし、ピックファインダ装置や電動開口装置のように、主軸50とは別個の専用のモータで駆動されるものであってもよい。
【0106】
その場合、主軸に対する回転(正転及び逆転)を、開口装置に対する回転(正転及び逆転)としてそれぞれ読み換えればよい、また、平織り、綾織り等、開口リピート数の小さい織物組織にあっては、例えば緯糸除去等のための逆転に換えて、主軸又は開口装置の駆動軸を正転させることにより実現してもよい。
【0107】
また、修復に際し主軸の回転をともなう場合、設定器54を介して設定する運転阻止状態解除条件について、修復が行われる主軸の回転角度に達することを条件としているが、その角度への回転又は停止動作が自動的に行われるようにプログラム設定されていれば、作業者が回転角度を確認するまでもなく、その操作が行われたことを解除の条件として設定することもできる。
【0108】
図9は、給糸緯糸センサ42が異常検出信号(例えば、給糸緯糸切れ信号)を出力したことによる停台時における停台原因(給糸緯糸異常)を修復する修復処理を実行するときの制御装置46による織機の動作の一実施例を示す。
【0109】
給糸緯糸の異常が時刻T1に発生すると、センサ42からの異常信号を受けて制御装置46は、先ず、300°付近から電磁ブレーキ82を作動させる。これにより、織機は次の緯入れサイクルにおける250°付近まで惰走回転して停止する(1次停止)。
【0110】
次いで、制御装置46は、織機を300°まで自動的に低速度で逆転させる。この回転位置において、修復処理の準備が完了するから、給糸緯糸異常の修復処理が行われる。
【0111】
次いで、制御装置46は、運転指令ボタン68が押下されて運転指令が入力したことにより、織機の運転を再開させる。
【0112】
図1に示す例では、測長貯留装置16は、ヤーンガイドを回転させて所定長さの緯糸14をドラムに巻き付けるタイプのものである。より詳しくは、主軸モータから独立した電動モータにより固定ドラムの周面に沿って回転駆動されるヤーンガイドと、電磁ソレノイドにより駆動されて固定ドラムの周面に対して進退される係止ピンとを備える公知の緯糸測長貯留装置である。
【0113】
そのような緯糸測長貯留装置は、織機の運転に先立って係止ピンを進出させると共に、ヤーンガイドを予め所定量回転させて緯糸を固定ドラムに巻き付ける機能(予備巻き機能)と、係止ピンを後退させる機能(解舒機能)とを、それぞれ、手動で個々に実行させることができる押しボタンを備えている。
【0114】
したがって、給糸緯糸異常の修復処理は、解舒指令ボタン76を押下して、固定ドラム上に残存する緯糸を除去し、予備巻き指令ボタン78を押下して新たな緯糸を予備巻きすると共に、後段の緯入れノズルにセットする等の設定が行われる。
【0115】
解舒指令ボタン76の操作は前記修復準備の完了に、また予備巻き指令ボタン78の操作は前記運転再開準備の完了にそれぞれ対応する。
【0116】
上記のように給糸緯糸の異常を修復する際に、測長貯留装置に何らかの操作をともなう織機においては、前記と同様に、制御装置46に設定される運転阻止状態解除条件は設定器54を介して設定される。
【0117】
そのような運転阻止状態解除条件として、前記した解除指令ボタン76や予備巻き指令ボタン78が操作されたこととすることができる。そのようにすれば、図3から図6に示すフローチャートにおける、運転阻止条件がクリアされたか否かを判定するステップ106においては、設定された運転阻止状態解除条件が満たされたか否かの判定は、押しボタン操作のたびに行われる。最終的には、緯糸解舒又は予備巻きが実行されるまで、運転指令が無効にされ、その後ステップ106における判定により次の処理ステップに切り換えられて、運転指令が有効にされる。このため、給糸緯糸の異常発生時における誤運転を確実に防止することができる。
【0118】
図9に示す実施例においては、制御装置46は、解舒指令ボタン76や予備巻き指令ボタン78が押下されたことにより、運転停止状態を解除する。しかし、運転停止状態の解除に、緯入れ装置のように他の装置に対する操作を利用してもよい。より具体的には、空気噴射式織機のようにメインノズルからの噴射気流が正常時と修復時とで異ならせるための操作信号を利用してもよい。さらには、指令手段の出力に換えて、修復作業が行われたか否かを検出するセンサの出力を利用してもよい。
【0119】
測長貯留装置は他のタイプの装置であってもよい。また、給糸緯糸センサ42は、測長貯留装置に供給される緯糸を感知するタイプのものであるが、他のタイプのセンサを用いてもよい。また、センサの設置場所は、図示の位置に限られず、糸経路上であれば、いずれの箇所に設けてもよい。
【0120】
複数の停台原因に対応させるためには、修復処理を含む上記のような誤運転防止技術を監視対象毎にソフトウエアプログラムとして予め記憶しておき、発生した停台原因に応じた誤運転防止技術を制御装置46に実行させればよい。
【0121】
上記したように、運転阻止に関する処理をソフトウエア的に処理する代わりに、ハードウエア的に処理することもできる。例えば、修復の際に何らかの織機の回転をともなう場合、以下のようにすることができる。
【0122】
前記した運転阻止にかかわるソフトウエア処理をともなわない図2に示す装置に対し、運転指令ボタン68と制御装置46との間に図10に示す運転許可回路を配置することができる。
【0123】
図9に示す誤運転防止技術を実行する誤運転防止装置の場合、運転許可回路110を制御装置46の入力に接続し、各種のタイミング信号を発生するタイミング信号発生器112を運転許可回路110の入力に接続し、各種のタイミングを設定するタイミング設定器114をタイミング信号発生器112に接続することができる。
【0124】
タイミング設定器114は、修復処理、修復処理準備及び運転再開準備等のために停止させる主軸の回転角度等、各種のタイミングが主軸の回転角度として設定されている。
【0125】
タイミング信号発生器112は、主軸50の回転角度信号θをエンコーダ52から受け、主軸50の回転角度がタイミング設定器に設定された角度になるたびに、タイミング信号を運転許可回路110に出力する。
【0126】
運転許可回路110は、運転阻止状態を解除すべき条件が満たされたとき、その旨を意味する運転許可信号S1を出力する判別回路116と、運転許可信号S1と運転指令ボタン68による運転指令とのアンド信号を運転操作信号S2として制御装置46に出力するアンド回路118とを含む。
【0127】
判別回路116は、センサ34,36,38,40,42,44からの検出信号S3と、タイミング信号発生器112の出力信号と、解除指令ボタン76からの解除指令と、予備巻き指令ボタン78からの予備巻き指令と、制御装置46からの織機停止信号S4(又は、自動逆転完了信号S5)とを受ける。
【0128】
判別回路116は、織機停止信号S4(又は、自動逆転完了信号S5)が入力したことによりオフになり、その後、緯糸異常等の修復に際し織機の回転をともなう場合には、織機が運転再開角度に達した(又は、その操作が行われた)ことによりオンになり、また給糸緯糸が異常の場合には、予備巻き指令ボタンからの指令信号が入力したことによりオンになる、運転許可信号S1を出力する。
【0129】
判別回路116は、前述の実施例のように、緯入れミス糸の除去等の停台原因に対応してその修復が行われる角度に達した(又は、その操作が行われた)ことにより、運転許可信号S1をオン出力するものであってもよい。
【0130】
したがって、運転許可回路110は、運転許可信号S1が発生されたことにより、運転阻止状態を解除し、その後運転指令が入力したことにより運転操作信号S2を制御装置46に出力する。
【0131】
図10に示す回路は、図1から図8に示す誤運転防止技術にも適用することができる。
【0132】
また、運転阻止状態の解除を、運転指令ボタンの押下時にセンサの出力信号を用いて判定することもできる。図1及び図2の装置に対し、図11に示すソフトウエア処理により実現することが出得きる。なお図1において、緯糸センサ34,36,42及び経糸センサ38,40,44は、異常検知の間、常に異常検出信号を出力するタイプのものとしている。
【0133】
図11において、修復処理が終了したことにより作業者が運転指令ボタン68を押下すると(ステップ120)、制御装置46は、緯糸センサ34,36,42及び経糸センサ38,40,44が異常を検知しているか否かを判定する(ステップ121)。
【0134】
ステップ121における判定の結果、少なくとも停台原因となったセンサから異常信号が出力されていると、運転を実行せず、制御装置46はステップ120に戻り、修復作業をさせるべく運転指令ボタン68の押下を待つ。この際、表示灯98によりこの旨を表示して、作業者に対し報知することが好ましい。
【0135】
しかし、少なくとも停台原因となったセンサが異常信号を出力していないと、制御装置46は運転阻止フラグをオフにして運転阻止状態を解除した後、図5のステップに移行する(ステップ122)。
【0136】
上記したように、運転阻止に関する処理をソフトウエア的に処理する代わりに、ハードウエア的に処理することもできる。例えば、前記した逆転阻止にかかわるソフトウエア処理をともなわない図2に示す装置に対し、運転指令ボタン68と制御装置46との間に図12に示す運転許可回路を配置することができる。
【0137】
図9に示す誤運転防止技術を実行する誤運転防止装置の場合、運転許可回路130を制御装置46の入力に接続することができる。
【0138】
運転許可回路130は、センサ38,42,44からの異常検出信号と運転指令ボタン68からの運転指令とが入力する判別回路132と、運転指令を所定時間遅延させる遅延回路134と、判別回路132及び遅延回路134の両出力信号S1,S6のアンド信号を出力するアンド回路134とを含む。
【0139】
判別回路132は、運転指令ボタンからの運転指令が入力したときに、センサ38,42及び44から異常検出信号が出力されているか否かを判定し、出力されていない場合に、運転阻止状態を解除して運転許可信号S1をアンド回路136に出力する。
【0140】
したがって、判別回路130は、運転指令が入力したとき遅延回路134による遅延時間を経過した後に、運転操作信号S2を制御装置46に出力する。換言すれば、判別回路132は、センサ38,42及び44から異常検出信号が出力されている間、運転指令を無効にして、運転阻止状態を維持する。
【0141】
運転阻止機能は、織付け時や織機の調整運転時等、必要に応じて切り替えスイッチ等により機能しないようにしてもよい。また、運転防止機能をリセットするリセットボタンを設け、作業者が織機の状態を認識した上で、運転阻止機能をリセットして、直ちに運転可能にすれば、より便利である。
【0142】
本発明は、空気噴射式織機、液体噴射式織機のみならず、レピア織機のような無杼織機にも適用することができるし、有杼織機にも適用することができる。
【0143】
本発明は、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない限り、種々変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る誤運転防止装置を備えた織機の一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係る誤運転防止装置の一実施例を示す電気回路図である。
【図3】図2に示す装置の動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図4】図3に続く動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図5】図4に続く動作を説明するためのフローチャートを示す図である。
【図6】本発明に係る誤運転防止技術の第1の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図7】本発明に係る誤運転防止技術の第2の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図8】本発明に係る誤運転防止技術の第3の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図9】本発明に係る誤運転防止技術の第4の実施例を説明するための織機の状態を示す図である。
【図10】本発明に係る誤運転防止技術の第5の実施例を示す電気回路図である。
【図11】フローチャートを示す図である。
【図12】第6の実施例を実行する誤運転防止装置の実施例を示す電気回路図である。
【符号の説明】
10 誤運転防止装置
14 緯糸
16 測長貯留装置
20 メインノズル
22 サブノズル
24 経糸
24a キャッチコード
24b 耳組糸
26 筬
28 織布
30 カッタ
32 耳形成装置
34,36 緯糸フィーラ
38 ドロッパ
40 キャッチコードセンサ
42 給糸緯糸センサ
44 耳組糸センサ
48 原動モータ
50 主軸
52 エンコーダ
82 電磁ブレーキ
Claims (8)
- 緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む、織機の誤運転防止装置。 - 前記織機はパイル織機であり、前記運転阻止回路は、前記検知信号の発生時期がパイル形成時であるファーストピック及びルーズピックのいずれであるか否かにかかわらず、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する、請求項1に記載の誤運転防止装置。
- 緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む、織機の誤運転防止装置。 - 耳組糸又はキャッチコードの異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、前記耳組糸又は前記キャッチコードを使用する耳形成装置又は糸端処理装置に対する糸切れの修復を行う回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、及び、織機の運転開始回転角度までの寸動又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報の少なくとも一方を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1又は第2の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む、織機の誤運転防止装置。 - 前記制御装置は、前記正転又は逆転操作の指令信号が入力したこと、若しくは、前駆駆動軸が回転されたことを検知して前記第1又は第2の情報の記憶を消去させる検知信号を発生する検知手段を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の誤運転防止装置。
- 緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常を検出する異常検出センサと、異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットする際の操作が未実行であることを表す第1の情報を記憶する手段と、前記運転指令信号の入力時に前記第1の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む、織機の誤運転防止装置。 - 緯入れ、緯糸又は経糸の異常を検出する第1の異常検出センサと、耳組糸又はキャッチコードの異常を検出する第2の異常検出センサと、緯入れのために給糸される給糸緯糸の異常を検出する第3の異常検出センサと、前記第1,第2又は第3の異常検出センサからの異常検出信号により織機を停止させると共に、前記運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含み、
前記制御装置は、前記第1の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、停止直前に緯入れされた緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第1の情報、織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第2の情報、停止直前に緯入れされた第1の緯糸の1ピック前の第2の緯糸を除去可能の回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第3の情報、及び織機の運転開始回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第4の情報の少なくとも1つと、
前記第2の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に開口装置の駆動軸が、前記耳組糸を使用する耳形成装置又は前記キャッチコードを使用する糸端処理装置に対する糸切れの修復を行う回転角度までの正転又は逆転操作が未実行であることを表す第5の情報、織機の運転開始回転角度までの寸動又は逆転操作が未実行であることを表す第6の情報、及び前記第3の異常検出センサからの異常検出信号による織機の停止後に、緯糸測長貯留装置又は緯入れ装置に緯糸をセットする際の操作が未実行であることを表す第7の情報の少なくとも1つと、
を記憶する手段と、
前記運転指令信号の入力時に、前記第1又は第2の情報が記憶されているか若しくは前記第3又は第4の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止すると共に、前記第5又は第6の情報が記憶されているか若しくは前記第7の情報が記憶されている場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路とを含む、織機の誤運転防止装置。 - 緯糸又は経糸の異常を検出する異常検出センサと、前記異常検出信号により織機を停止させると共に、運転指令スイッチからの運転指令信号により織機を運転させる制御装置とを含み、
前記制御装置は、運転指令信号の入力時に、前記異常検出信号が入力状態にある場合に織機の運転を阻止する運転阻止回路を含む、織機の誤運転防止装置。
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