JP2004015919A - 無停電電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】停電補償されたインバータ給電回路が過負荷になったときにも、停止が許されない重要負荷に対してインバータ給電回路から給電できるように無瞬断で回路の切換ができる無停電電源装置を構成する。
【解決手段】インバータ給電回路とバイパス給電回路と直接給電回路とを備えた構成とし、負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷はインバータ給電回路側に接続し、通常負荷を直接給電回路側に接続し、インバータ給電回路に過負荷が発生したときには、給電する回路をバイパス給電回路へ移行し、直接給電回路をバイパス給電回路に並列接続状態にして接離スイッチを開路することで通常負荷が直接給電回路からの給電に切り換えて、重要負荷に給電されているバイパス給電回路の電流をインバータ給電回路の過負荷レベル以下として、重要負荷をインバータ給電回路からの給電に切り換える構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】インバータ給電回路とバイパス給電回路と直接給電回路とを備えた構成とし、負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷はインバータ給電回路側に接続し、通常負荷を直接給電回路側に接続し、インバータ給電回路に過負荷が発生したときには、給電する回路をバイパス給電回路へ移行し、直接給電回路をバイパス給電回路に並列接続状態にして接離スイッチを開路することで通常負荷が直接給電回路からの給電に切り換えて、重要負荷に給電されているバイパス給電回路の電流をインバータ給電回路の過負荷レベル以下として、重要負荷をインバータ給電回路からの給電に切り換える構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、バイパス給電回路を備えた無停電電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のバイパス給電回路を備えた無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply、以下UPSと呼称する)としては、例えば、文献「無停電電源装置(UPS)導入実戦ガイド」(第1版・電気書院刊 1989年2月25日発行)の図2.8に開示されたものがある。その構成の説明上不要の部分を削除した構成を図6に示す。図において、1は交流電源、10はインバータ給電回路であり、入力側スイッチ11、交流を直流に変換するコンバータ12、直流を交流に変換するインバータ13、バッテリ電源14、バッテリ電源14の回路を開閉するバッテリ電源スイッチ15、出力スイッチ16および電流検出手段17で構成されている。20はバイパス給電回路であり、入力側スイッチ21と、サイリスタスイッチ22と交流スイッチ23とが並列接続されたバイパス給電スイッチ22とで構成されている。80は負荷である。3はインバータ給電回路10とバイパス給電回路20とで構成された無停電電源装置である。
【0003】
つぎに図6の無停電電源装置3の動作について、図6とそのタイミングチャートの図7により説明する。交流電源1が正常な場合、インバータ給電回路10のコンバータ12により交流を直流に変換し、バッテリ電源スイッチ15を介してバッテリ電源14を充電するとともに、インバータ13に直流電力を供給する。インバータ13は入力された直流電力を交流に変換し、出力スイッチ16を介して負荷80に安定した電力を供給する。
【0004】
交流電源1が過負荷あるいは停電等の異常が発生した場合には、コンバータ12が停止すると同時に、バッテリ電源スイッチ15を介してバッテリ14から直流電力を得てインバータ13により交流に変換して負荷80に供給する。
【0005】
インバータ給電回路10の電流検出手段17が過負荷状態を検出すると、直ちにバイパス給電スイッチ22のサイリスタスイッチ23を閉路し、出力スイッチ16を開路して交流スイッチ24を閉路し、サイリスタスイッチを開路することにより、インバータ給電回路10からバイパス給電回路20への切り換えが無瞬断で行われ、バイパス給電回路20から負荷80へ給電される状態になる。
【0006】
インバータ給電回路10の過負荷が回避された場合には、インバータ給電回路10の出力電圧とバイパス給電回路20との同期状態を確認してインバータ給電回路10の出力スイッチ16を閉路し、バイパス給電回路20の交流スイッチ24を開路することにより、インバータ給電回路10からの給電に復帰する。
【0007】
また、特開平11−215783号公報には、複数の負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、交流電源が正常な場合は、重要負荷にはインバータ給電回路から給電し、通常負荷にはバイパス給電回路から給電する構成が示されている。その回路図を図8に示す。図8において、1は交流電源、4は無停電電源装置である。40はインバータ給電回路であり、入力側リレー41、コンバータ42、インバータ43、バッテリ電源44で構成されている。45はインバータ給電回路40の電流を検出する電流検出手段、46はバイパス給電回路、47aは重要負荷側の給電切換開閉器、47bは通常負荷側の給電切換開閉器、48は出力スイッチ、49は制御回路、81は重要負荷、82〜8Nは複数の通常負荷である。
【0008】
つぎに動作について説明する。交流電源1の正常時には、インバータ給電回路40の入力側リレー41を交流電源1側に接続し、インバータ給電回路40はコンバータ42で交流を直流に変換し、直流電圧をインバータ43に供給し、インバータ43で交流入力電圧に同期した交流に変換し、給電切換開閉器47aをインバータ給電回路40側に接続して重要負荷81に給電し、バイパス給電回路46から、負荷81に給電されていることを確認して、切換スイッチ47bを交流電源1側に接続し、交流電源1から出力スイッチ48を介して負荷82〜8Nに給電する。
【0009】
交流電源1が停止した場合には、入力電圧が低下したことを検出して停電と判定し、給電切換開閉器47bをインバータ給電回路40側に切り換え、入力リレー41もバッテリ電源44側に切り換え、インバータ給電回路40から負荷81および負荷82〜84の全負荷に給電する。
【0010】
一方、交流電源1の正常時において、負荷80を停止させた場合には、インバータ給電回路40の電流が低下したことを検出して、出力スイッチ48を開路して給電切換開閉器47aをインバータ給電回路40からバイパス給電回路46に切り換え、負荷81にはバイパス給電回路46から給電される状態として、負荷82〜8Nへの給電も停止し、インバータ給電回路40の動作を停止する。
【0011】
つぎに、負荷81を起動する場合には、バイパス電流が増加することによって負荷81が起動したことを検出して、出力スイッチ48を閉路して負荷82〜8Nへの給電を開始する。つぎにインバータ給電回路40を起動し、バイパス給電回路46と同期を取り、給電切換開閉器47aをバイパス給電回路46側からインバータ給電回路40側に切り換えて定常運転を行う。
【0012】
このように動作させると、図8の構成では、無停電電源装置としての機能を維持しつつ、交流電源1の正常時におけるインバータ給電回路40での電力損失の低減による省エネルギー化を図ることができるというものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記図6に示す文献「無停電電源装置(UPS)導入実戦ガイド」(第1版・電気書院刊 1989年2月25日発行)開示された構成では、インバータ給電状態で過負荷が発生した場合には、交流電源1からバイパス給電スイッチ22により負荷80に無瞬断で接続して直接給電されるが、バイパス給電回路10には停電補償機能がなく、バイパス給電回路20から給電している間に、交流電源1に停電等の異常があると、負荷80に給電できなくなり、全停止に至る危険性があった。
【0014】
また、特開平11−215783号公報に開示された図8に示す構成では、複数の負荷が重要負荷81と通常負荷82〜8Nに区分けし、重要負荷81には、インバータ給電回路40から給電し、通常負荷82〜8Nにはバイパス給電回路から給電し、交流電源1の異常時にインバータ給電回路40に切り換えてバッテリ電源44から給電する構成であり、通常負荷82〜8Nがバイパス給電回路からの給電時点において異常となった交流電源1の影響を受ける可能性が高いという問題点と、バイパス給電回路46からインバータ給電回路40への移行、あるいはインバータ給電回路40からバイパス給電回路46への移行の過程で負荷81が瞬断する可能性があるが、これを回避することが考慮されていないという問題点があった。
【0015】
この発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、正常時には全負荷に対してインバータ給電回路から供給し、インバータ給電回路が過負荷になったときにも、停止が許されない重要負荷には停電補償されたインバータ給電回路から給電できるように無瞬断で回路の切換ができる無停電電源装置を提供すること目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る無停電電源装置は、入力側を交流電源に接続し、コンバータとインバータとを直列に接続し、コンバータとインバータとの間にバッテリ電源を接続し、インバータの出力側に出力スイッチと電流検出手段とを設けて第1の出力端子に接続したインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチが並列接続されたバイパス給電スイッチからなり、その入力側をインバータ給電回路の入力側に並列接続し、出力側をインバータ給電回路の出力スイッチと電流検出手段との間に接続したバイパス給電回路と、直接給電スイッチからなり、その一方がバイパス給電回路の入力側に接続し、他方を第2の出力端子の間に接続した直接給電回路と、インバータ給電回路の電流検出手段の出力側と直接給電回路の出力側との間を接離する接離スイッチとで構成し、接続される複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷は第1の出力端子に接続し、通常負荷は第2の出力端子に接続し、正常運転時には、サイリスタスイッチ、交流スイッチおよび直接給電スイッチを開路状態とし、インバータ給電回路の出力スイッチおよび接離スイッチは閉路状態として、複数の負荷には、インバータ給電回路から給電し、電流検出手段によりインバータ給電回路の過負荷が検出されたとき、サイリスタスイッチを閉路すると同時に、出力スイッチを開路し、続いて交流スイッチを閉路してサイリスタスイッチを開路し、複数の負荷にはバイパス給電回路からの給電に移行し、続いて直接給電スイッチを閉路し、接離スイッチを開路し、その状態における電流検出手段の検出電流値がインバータ給電回路の給電容量の範囲内のときに出力スイッチを閉路した後、上記交流スイッチを開路し、重要負荷にはインバータ給電回路からの給電に切り換える構成としたものである。
【0017】
この発明の請求項2に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、負荷ごとにインバータ給電回路または直接給電回路を選択して接続できるようにインバータ給電回路側および直接給電回路側のそれぞれの出力端子に切換スイッチを介して接続した構成としたものである。
【0018】
この発明の請求項3に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷はさらに細分化して重要度に応じて順位付けし、通常負荷は上記直接給電回路側の第1の出力端子に接続し、細分化された各重要負荷は負荷ごとに、インバータ給電回路側の第1の出力端子および直接給電回路側の第2の出力端子にそれぞれ切換スイッチを介して接続し、インバータ給電回路の過負荷時に、通常負荷が直接給電回路に切り換えられた後にも、インバータ給電回路の過負荷状態が解消されない場合に、過負荷状態が解消されるまで、重要負荷の重要度順位の低位の負荷から順次第2の出力端子側に切り換える構成としたものである。
【0019】
この発明の請求項4に係る無停電電源装置は、交流を直流に変換するコンバータと直流を交流に変換するインバータとを直列に接続し、コンバータとインバータの間にバッテリ電源スイッチを介してバッテリ電源を接続し、インバータ給電回路の出力側に出力スイッチを備えたインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチとが並列接続されたバイパス給電スイッチからなり、その入力側をインバータ給電回路の入力側に接続し、出力側を無停電電源装置のインバータ給電回路の出力側に接続したバイパス給電回路とを備えた無停電電源回路を請求項1〜請求項3の構成のバイパス給電回路の入力側と交流電源との間に接続したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1の無停電電源装置の回路図を図1、タイミングチャートを図2に示す。図において、交流電源1、インバータ給電回路10、入力側スイッチ11、コンバータ12、インバータ13、バッテリ電源14、バッテリ電源スイッチ15、出力スイッチ16、バイパス給電回路20、入力側スイッチ21、バイパス給電スイッチ22、サイリスタスイッチ23、交流スイッチ24は図6と同一である。2は無停電電源装置である。30はインバータの過負荷時に負荷へ直接給電する直接給電回路、31は直接給電スイッチ、32は直接給電回路30とインバータ給電回路10の間を接離する接離スイッチ、35はインバータ給電回路10の電流検出手段、35aはその電流リレー、36は直接給電回路30の電流検出手段、36aはその電流リレー、37はインバータ給電回路10側の第1の出力端子、38は直接給電回路30側の第2の出力端子である。81は重要度の高い重要負荷、82は重要度が負荷81よりも低い通常負荷である。
【0021】
図1の構成の動作について図2を参照しながら説明する。無停電電源装置2が正常状態で運転されているときには、直接給電回路30の直接給電スイッチ31は開路状態であり、接離スイッチ32は閉路状態となっている。交流電源1から入力側スイッチ11を介してコンバータ12に交流電力を入力し、コンバータ12は入力された交流を直流に変換し、バッテリ電源スイッチ15を介してバッテリ電源14を充電しながらインバータ13に直流電力を供給し、インバータ13により直流を交流に変換し、交流電力を出力スイッチ16を介して第1の出力端子37から重要負荷81に給電し、電流検出手段35の出力側から接離スイッチ32を介して第2の出力端子38から通常負荷82に給電する。
【0022】
インバータ給電回路10の過負荷状態が電流検出手段35により検出されると、図2のタイミングチャートに示すとおり、出力スイッチ16を開路する前に、サイリスタスイッチ23を閉路すると同時に、出力スイッチ16を開路し、交流スイッチ24を閉路して重要負荷81および通常負荷82にバイパス給電回路20から交流電力を供給し、その後に直接給電回路30の直接給電スイッチ31を閉路し、接離スイッチ32を開路することにより、重要負荷81にはバイパス給電回路20から給電され、通常負荷82には直接給電回路30から給電される状態となる。この状態において電流検出手段35の検出電流値が過負荷レベルよりも小さいときには、出力スイッチ16を閉路し、交流スイッチ24を開路することにより、重要負荷81にはインバータ給電回路10からの給電に切り換えられ、通常負荷82には直接給電回路30からの給電が維持される。
【0023】
重要負荷81への給電がインバータ給電回路10から、通常負荷82への給電が直接給電回路30から給電されている状態において、電流検出手段35のインバータ給電回路10の電流と電流検出手段36の直接給電回路30の電流との和が、インバータ給電回路10の過負荷レベル以下になったとき、インバータ給電回路10と直接給電回路30の位相が同期している状態で接離スイッチ32を閉路し、直接給電スイッチ31を開路することにより、重要負荷81および通常負荷82の双方がインバータ給電回路10からの給電に切り換えられる。
【0024】
このようにインバータ給電回路10とバイパス給電回路20と直接給電回路30とを備えた構成とし、負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷81を第1の出力端子37に接続し、通常負荷82を第2の出力端子38に接続し、インバータ給電回路10に過負荷が発生したときには、給電する回路をバイパス給電回路20へ移行し、直接給電回路30をバイパス給電回路20に並列接続状態にして接離スイッチ32を開路することで通常負荷82が直接給電回路30からの給電に切り換えられ、重要負荷81に給電しているバイパス給電回路20の電流がインバータ給電回路10の過負荷レベル以下のときに、重要負荷81のみをインバータ給電回路10からの給電に切り換える構成としたことにより、各回路の各スイッチは、必ず二つの給電回路が並列状態のときに開路するので、すべての切換動作が無瞬断で行うことができる。また、全負荷がインバータ給電回路10の過負荷レベルを越えた場合でも、重要度の高い重要負荷81はインバータ給電回路10から給電されるものであり、給電信頼性が高く、給電余裕のある無停電電源装置となる。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態1では、インバータ給電回路が過負荷になったときに、一旦バイパス給電回路に切り換えた後、インバータ給電に戻す重要負荷と、直接給電回路からの給電を継続する通常負荷は予め定めておく必要があり、給電中に重要負荷と通常負荷の位置づけは変更することができなかったが、実施の形態2は、各負荷を給電中であっても、インバータ給電回路からの給電と直接給電回路からの給電に切り換えることができるように構成したものである。
【0026】
図3は実施の形態2の回路図である。図3において、1、2、10〜16、20〜24、30〜32、35〜38は実施の形態1の図1と同一である。91は重要度が高い重要負荷、92が重要度が低位の通常負荷である。51aは重要負荷91とインバータ給電回路10側の第1の出力端子37の間の切換スイッチ、51bは重要負荷91と直接給電回路30側の第2の出力端子38の間の切換スイッチ、52aは通常負荷92とインバータ給電回路10側の第1の出力端子37の間の切換スイッチ、52bは通常負荷92と直接給電回路30側の第2の出力端子38の間の切換スイッチである。図3の構成は、実施の形態1の図1とは無停電電源装置2の部分は同一であり、第1の出力端子37および第2の出力端子38に接続される重要負荷91と通常負荷92の接続法のみが異なるものである。
【0027】
通常の場合の重要負荷91は、切換スイッチ51aが閉路状態、51bが開路状態であり、通常負荷92は切換スイッチ52aが開路状態、52bが閉路状態となっている。
【0028】
図3の構成において、インバータ給電回路10が過負荷になった場合に、インバータ給電回路10をバイパス給電回路20に移行し、通常負荷92を直接給電回路30に切り換え、重要負荷91をインバータ給電回路10に戻す動作については、実施の形態1と同様に行われる。
【0029】
重要負荷91がインバータ給電回路10から給電され、通常負荷92が直接給電回路30から給電されている状態において、重要負荷91を直接給電回路30からの給電とし、通常負荷92をインバータ給電回路30からの給電に入れ換える場合は、まず、バイパス給電回路20のサイリスタスイッチ23を閉路し、インバータ給電回路10の出力スイッチ16を開路し、バイパス給電回路20の交流スイッチ24を閉路してインバータ給電回路10からの給電をバイパス給電回路20に移行した後、接離スイッチ32を閉路し、重要負荷91および通常負荷92に接続された切換スイッチ51aおよび52bの閉路状態を保ったまま、一旦、切換スイッチ51bおよび52aを閉路し、その後に切換スイッチ51aおよび52bを開路することで入れ換えられ、つぎに接離スイッチ32を開路することで、重要負荷91が直接給電回路30側に接続され、通常負荷92はバイパス給電回路に20側に接続され、通常負荷92に対して電流検出手段35の電流検出値がインバータ給電回路10の過負荷レベルよりも小さければ、インバータ給電回路10の出力スイッチ16を閉路し、バイパス給電回路20の交流スイッチ24を開路することで、通常負荷92にはインバータ給電回路10から給電され、重要負荷91が直接給電回路30から給電される状態となり、給電中にも給電回路の切換が可能である。
【0030】
重要負荷91と通常負荷92のそれぞれの電流値がインバータ給電回路10の過負荷レベルの範囲内のときには、直接給電スイッチ31の閉路状態を維持し、接離スイッチ32を閉路状態として、切換スイッチ51aおよび52bの閉路状態を保ったまま、一旦、切換スイッチ51bおよび52aを閉路し、その後に切換スイッチ51aおよび52bを開路して、接離スイッチ32を開路することで入れ換えることができる。
【0031】
このように構成すると、予め定められた重要負荷91と通常負荷92の位置づけを給電中に変更可能となり、負荷の状況に応じて柔軟に対応することができる構成となる。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、負荷が重要負荷と通常負荷に2分した構成としたので、通常負荷を直接給電回路からの給電に切り換えても、重要負荷の大きさが、インバータ給電回路の過負荷レベルを超えている場合には、重要負荷のみでもインバータ給電回路に復帰できないという問題点がある。実施の形態3は、このような問題点を解決するための実施の形態である。
【0033】
図4は実施の形態3の回路図である。図4において、1、2、10〜16、20〜24、30〜32、35〜38は実施の形態1および実施の形態2の図1または図3と同一である。91A、91B・・・91Nは重要度が高い複数に細分化された重要負荷、92が重要度が低位の通常負荷である。60は通常負荷92直接給電回路側の第1の出力端子38にとの間の切換スイッチ、61a、62a・・・6Naおよび61b、62b・・・6Nbは、細分化された重要負荷91A、91B・・・91Nの各負荷とインバータ給電回路10側または直接給電回路30側のそれぞれの出力端子37、38の間の切換スイッチである。この構成においても、実施の形態1の図1とは無停電電源装置2の部分は同一であり、第1の出力端子37および第2の出力端子38に接続される負荷の接続法のみが異なるものである。
【0034】
重要負荷91A、91B・・・91Nおよび通常負荷92は、重要度に応じて接続した場合には、重要負荷91A、91B・・・91Nは、切換スイッチ61a、62a・・・6Naが閉路状態、61b、62b・・・6Nbが開路状態であり、インバータ給電回路10側の出力端子37に接続されている。通常負荷92は切換スイッチ60を介して直接給電回路30側の出力端子38に接続されている。
【0035】
図4の構成において、インバータ給電回路10が過負荷になった場合に、インバータ給電回路10からバイパス給電回路20に移行させ、通常負荷92を直接給電回路30に切り換え、重要負荷91A、91B・・・91Nをインバータ給電回路10に戻す動作については、実施の形態1と同様に行われ、電流検出手段35の検出電流値が、インバータ給電回路10の過負荷レベルの範囲内であれば、重要負荷91A、91B・・・91Nがインバータ給電回路10から給電されるように出力スイッチ16をONし、交流スイッチ24が開路してインバータ給電回路に切り換えられる。
【0036】
インバータ給電回路10の検出電流値がバイパス給電回路20の過負荷レベルを超えている場合は、重要負荷91A、91B・・・91Nの重要度順位は91Aが最も高く、91B・・・91Nになるにしたがって重要度順位が低くなるものとして、重要度順位が下位の負荷、すなわち91Nから、電流検出手段35が検出するインバータ給電回路10の検出電流が過負荷レベルの範囲内になるまで、順次直接給電回路30側の第2の出力端子38側に切り換え、インバータ給電回路10の出力スイッチ16を閉路し、交流スイッチ24を開路し、接離スイッチ32を開路することにより、直接給電回路30側の第2の出力端子38に接続された負荷に、直接給電回路30から給電され、切り換えない重要負荷には、インバータ給電回路10からの給電に復帰する。接続の切換は負荷ごとに接続された二つの切換スイッチの両方を閉路状態として、切り離す方を開路することで無瞬断で切り換えることができる。
【0037】
以上の操作によって、インバータ給電回路10の過負荷レベルの範囲となる重要負荷がインバータ給電に復帰できるようになり、重要負荷の合計がインバータ給電回路の過負荷レベルの範囲を越える場合にインバータ給電に復帰できないという事態が回避され、無停電電源装置として供給信頼性を向上させることができる。
【0038】
実施の形態4.
実施の形態1においては、インバータ給電回路の過負荷時にはインバータ給電から直接給電に切りかわり、通常負荷には無停電補償機能がない状態となり、この状態において交流電源に停電が発生すると全停止しなければならないので、供給信頼性が低下する問題点がある。実施の形態4は、インバータ給電回路が過負荷となって直接給電回路に切換えられた状態になっても、給電ができるように、実施の形態1の直接給電回路30の交流電源1側に無停電電源装置2のインバータ給電回路10およびバイパス給電回路20と同じ回路の無停電電源回路を付加した構成である。実施の形態4の構成の回路図を図5に示す。図5において、1、2、10〜16、20〜24、30〜32、35〜38および重要負荷81、通常負荷82は実施の形態1の図1と同一または同一機能を備えたものである。5は無停電電源装置2のインバータ給電回路10と同様の入力側スイッチ11、コンバータ12、インバータ13、バッテリ電源14、バッテリ電源スイッチ15、出力スイッチ16で構成されたインバータ給電回路10Aと、入力側スイッチ21、サイリスタスイッチ23、交流スイッチ24が並列接続されたバイパス給電スイッチ23で構成されたバイパス給電回路20Aで構成された無停電電源回路であり、実施の形態1における無停電電源装置2の直接給電回路30の入力側と交流電源1との間に挿入接続されている。
【0039】
図5の構成において、無停電電源装置2のインバータ給電回路10が過負荷になった場合に、インバータ給電回路10をバイパス給電回路20に移行させ、通常負荷82を直接給電回路30に切り換え、重要負荷81をインバータ給電回路10に戻す動作については、実施の形態1と同様に行われる。インバータ給電回路10からバイパス給電回路20に切換られると、無停電電源回路5から給電される。このとき、無停電電源回路5のインバータ給電回路10Aも過負荷レベルを検出し、バイパス給電回路20Aに切り換えられ、バイパス給電回路20Aを経由して給電される。無停電電源回路5において、通常負荷82が直接給電回路30に切り換えられて重要負荷のみがインバータ給電回路10からの給電に復帰すると、無停電電源回路5の負荷電流はインバータ給電回路10Aの過負荷レベル以下となり、インバータ給電回路10Aに切り換えられ、無停電電源装置2の直接給電回路30は無停電電源回路5のインバータ給電回路10Aから給電される状態となる。
【0040】
このように、直接給電回路30の交流電源1側にさらに無停電電源回路5を付加した構成にすると、無停電電源装置2に過負荷状態が生じて、直接給電回路30に切り換えられても、停電補償機能を備えた構成となり、給電信頼性が飛躍的に向上した無停電電源装置となる。
【0041】
この構成の無停電電源装置の直接給電回路30側に、無停電電源回路5を接続する構成は、実施の形態2または実施の形態3の構成に適用しても同様の効果が得られる構成となる。
【0042】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る無停電電源装置は、インバータ給電回路とバイパス給電回路と直接給電回路とを備えた構成とし、負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷をインバータ給電回路側の第1の出力端子に接続し、通常負荷を直接給電回路側の第2の出力端子に接続し、インバータ給電回路に過負荷が発生したときには、給電する回路をバイパス給電回路へ移行し、直接給電回路をバイパス給電回路に並列接続した状態にして接離スイッチを開路することで通常負荷が直接給電回路からの給電に切り換えられ、重要負荷に給電されているバイパス給電回路の電流がインバータ給電回路の過負荷レベルの範囲内のときに、重要負荷のみがインバータ給電回路からの給電に切り換えられるように構成したことにより、各回路の各スイッチは、必ず二つの給電回路が並列状態のときに開路するので、すべての切換動作が無瞬断で行われるようになり、また、全負荷がインバータ給電回路の過負荷レベルを越えた場合でも、重要度の高い重要負荷はインバータ給電回路から給電されるものであり、給電信頼性が高く、給電余裕のある無停電電源装置となる。
【0043】
この発明の請求項2に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、負荷ごとにインバータ給電回路または直接給電回路を選択して接続できるようにインバータ給電回路側の第1の出力端子および直接給電回路側の第2の出力端子それぞれに切換スイッチを介して接続した構成としたものであり、予め定められた重要負荷と通常負荷の位置づけを給電中に変更することが可能となり、負荷の状況に応じて柔軟に対応できる構成となる。
【0044】
この発明の請求項3に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷はさらに細分化して重要度に応じて順位付けし、通常負荷は上記直接給電回路側の出力端子に接続し、細分化された各重要負荷は負荷ごとに、インバータ給電回路および直接給電回路にそれぞれ切換スイッチを介して接続し、インバータ給電回路の過負荷時に、通常負荷が直接給電回路に切り換えられた後に、インバータ給電回路の過負荷状態が解消されない場合に、過負荷状態が解消されるまで、重要度順位の低位の負荷から順次直接給電回路側の出力端子に切り換えて運転する構成としたものであり、インバータ給電回路の過負荷レベルの範囲内となる重要負荷がインバータ給電に復帰できるようになり、重要負荷の合計がインバータ給電回路の過負荷レベル以上のときにインバータ給電に復帰できないという事態が回避され、無停電電源装置として供給信頼性を向上させることができる。
【0045】
この発明の請求項4に係る無停電電源装置は、交流を直流に変換するコンバータと直流を交流に変換するインバータとを直列に接続し、コンバータとインバータの間にバッテリ電源スイッチを介してバッテリ電源を接続し、インバータ給電回路の出力側に出力スイッチを備えたインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチとが並列接続されたバイパス給電スイッチからなり、その入力側をバイパス給電回路の入力側に並列接続し、出力側をインバータ給電回路の出力側に接続されたバイパス給電回路とを備えた無停電電源回路を請求項1〜請求項3の構成のバイパス給電回路の入力側と交流電源との間に接続したものであり、無停電電源装置に過負荷状態が生じて、直接給電回路に切り換えられても、停電補償機能を備えた構成となり、給電信頼性が飛躍的に向上した無停電電源装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の無停電電源装置の回路図である。
【図2】図1に示されたスイッチ類の動作タイミングチャートである。
【図3】実施の形態2の無停電電源装置の回路図である。
【図4】実施の形態3の無停電電源装置の回路図である。
【図5】実施の形態4の無停電電源装置の回路図である。
【図6】従来の無停電電源装置の回路図である。
【図7】図6に示されたスイッチ類の動作タイミングチャートである。
【図8】従来の他の無停電電源装置の回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 無停電電源装置、5 無停電電源回路、
10 インバータ給電回路、11 入力側スイッチ、12 コンバータ、
13 インバータ、14 バッテリ電源、15 バッテリ電源スイッチ、
16 出力スイッチ、20 バイパス給電回路、21 入力側スイッチ、
22 バイパス給電スイッチ、23 サイリスタスイッチ、
24 交流スイッチ、30 直接給電回路、31 直接給電スイッチ、
32 接離スイッチ、35 電流検出手段、36 電流検出手段、
37 第1の出力端子、38 第2の出力端子、
51a,51b,52a,52b 切換スイッチ、
60,61a,61b,62a,62b,6Na,6Nb 切換スイッチ、
81 重要負荷、82 通常負荷、91 重要負荷、
91A,91B・・・91N 重要負荷、92 通常負荷。
【発明の属する技術分野】
この発明は、バイパス給電回路を備えた無停電電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のバイパス給電回路を備えた無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply、以下UPSと呼称する)としては、例えば、文献「無停電電源装置(UPS)導入実戦ガイド」(第1版・電気書院刊 1989年2月25日発行)の図2.8に開示されたものがある。その構成の説明上不要の部分を削除した構成を図6に示す。図において、1は交流電源、10はインバータ給電回路であり、入力側スイッチ11、交流を直流に変換するコンバータ12、直流を交流に変換するインバータ13、バッテリ電源14、バッテリ電源14の回路を開閉するバッテリ電源スイッチ15、出力スイッチ16および電流検出手段17で構成されている。20はバイパス給電回路であり、入力側スイッチ21と、サイリスタスイッチ22と交流スイッチ23とが並列接続されたバイパス給電スイッチ22とで構成されている。80は負荷である。3はインバータ給電回路10とバイパス給電回路20とで構成された無停電電源装置である。
【0003】
つぎに図6の無停電電源装置3の動作について、図6とそのタイミングチャートの図7により説明する。交流電源1が正常な場合、インバータ給電回路10のコンバータ12により交流を直流に変換し、バッテリ電源スイッチ15を介してバッテリ電源14を充電するとともに、インバータ13に直流電力を供給する。インバータ13は入力された直流電力を交流に変換し、出力スイッチ16を介して負荷80に安定した電力を供給する。
【0004】
交流電源1が過負荷あるいは停電等の異常が発生した場合には、コンバータ12が停止すると同時に、バッテリ電源スイッチ15を介してバッテリ14から直流電力を得てインバータ13により交流に変換して負荷80に供給する。
【0005】
インバータ給電回路10の電流検出手段17が過負荷状態を検出すると、直ちにバイパス給電スイッチ22のサイリスタスイッチ23を閉路し、出力スイッチ16を開路して交流スイッチ24を閉路し、サイリスタスイッチを開路することにより、インバータ給電回路10からバイパス給電回路20への切り換えが無瞬断で行われ、バイパス給電回路20から負荷80へ給電される状態になる。
【0006】
インバータ給電回路10の過負荷が回避された場合には、インバータ給電回路10の出力電圧とバイパス給電回路20との同期状態を確認してインバータ給電回路10の出力スイッチ16を閉路し、バイパス給電回路20の交流スイッチ24を開路することにより、インバータ給電回路10からの給電に復帰する。
【0007】
また、特開平11−215783号公報には、複数の負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、交流電源が正常な場合は、重要負荷にはインバータ給電回路から給電し、通常負荷にはバイパス給電回路から給電する構成が示されている。その回路図を図8に示す。図8において、1は交流電源、4は無停電電源装置である。40はインバータ給電回路であり、入力側リレー41、コンバータ42、インバータ43、バッテリ電源44で構成されている。45はインバータ給電回路40の電流を検出する電流検出手段、46はバイパス給電回路、47aは重要負荷側の給電切換開閉器、47bは通常負荷側の給電切換開閉器、48は出力スイッチ、49は制御回路、81は重要負荷、82〜8Nは複数の通常負荷である。
【0008】
つぎに動作について説明する。交流電源1の正常時には、インバータ給電回路40の入力側リレー41を交流電源1側に接続し、インバータ給電回路40はコンバータ42で交流を直流に変換し、直流電圧をインバータ43に供給し、インバータ43で交流入力電圧に同期した交流に変換し、給電切換開閉器47aをインバータ給電回路40側に接続して重要負荷81に給電し、バイパス給電回路46から、負荷81に給電されていることを確認して、切換スイッチ47bを交流電源1側に接続し、交流電源1から出力スイッチ48を介して負荷82〜8Nに給電する。
【0009】
交流電源1が停止した場合には、入力電圧が低下したことを検出して停電と判定し、給電切換開閉器47bをインバータ給電回路40側に切り換え、入力リレー41もバッテリ電源44側に切り換え、インバータ給電回路40から負荷81および負荷82〜84の全負荷に給電する。
【0010】
一方、交流電源1の正常時において、負荷80を停止させた場合には、インバータ給電回路40の電流が低下したことを検出して、出力スイッチ48を開路して給電切換開閉器47aをインバータ給電回路40からバイパス給電回路46に切り換え、負荷81にはバイパス給電回路46から給電される状態として、負荷82〜8Nへの給電も停止し、インバータ給電回路40の動作を停止する。
【0011】
つぎに、負荷81を起動する場合には、バイパス電流が増加することによって負荷81が起動したことを検出して、出力スイッチ48を閉路して負荷82〜8Nへの給電を開始する。つぎにインバータ給電回路40を起動し、バイパス給電回路46と同期を取り、給電切換開閉器47aをバイパス給電回路46側からインバータ給電回路40側に切り換えて定常運転を行う。
【0012】
このように動作させると、図8の構成では、無停電電源装置としての機能を維持しつつ、交流電源1の正常時におけるインバータ給電回路40での電力損失の低減による省エネルギー化を図ることができるというものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記図6に示す文献「無停電電源装置(UPS)導入実戦ガイド」(第1版・電気書院刊 1989年2月25日発行)開示された構成では、インバータ給電状態で過負荷が発生した場合には、交流電源1からバイパス給電スイッチ22により負荷80に無瞬断で接続して直接給電されるが、バイパス給電回路10には停電補償機能がなく、バイパス給電回路20から給電している間に、交流電源1に停電等の異常があると、負荷80に給電できなくなり、全停止に至る危険性があった。
【0014】
また、特開平11−215783号公報に開示された図8に示す構成では、複数の負荷が重要負荷81と通常負荷82〜8Nに区分けし、重要負荷81には、インバータ給電回路40から給電し、通常負荷82〜8Nにはバイパス給電回路から給電し、交流電源1の異常時にインバータ給電回路40に切り換えてバッテリ電源44から給電する構成であり、通常負荷82〜8Nがバイパス給電回路からの給電時点において異常となった交流電源1の影響を受ける可能性が高いという問題点と、バイパス給電回路46からインバータ給電回路40への移行、あるいはインバータ給電回路40からバイパス給電回路46への移行の過程で負荷81が瞬断する可能性があるが、これを回避することが考慮されていないという問題点があった。
【0015】
この発明は、上記問題点を解消するためになされたものであり、正常時には全負荷に対してインバータ給電回路から供給し、インバータ給電回路が過負荷になったときにも、停止が許されない重要負荷には停電補償されたインバータ給電回路から給電できるように無瞬断で回路の切換ができる無停電電源装置を提供すること目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る無停電電源装置は、入力側を交流電源に接続し、コンバータとインバータとを直列に接続し、コンバータとインバータとの間にバッテリ電源を接続し、インバータの出力側に出力スイッチと電流検出手段とを設けて第1の出力端子に接続したインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチが並列接続されたバイパス給電スイッチからなり、その入力側をインバータ給電回路の入力側に並列接続し、出力側をインバータ給電回路の出力スイッチと電流検出手段との間に接続したバイパス給電回路と、直接給電スイッチからなり、その一方がバイパス給電回路の入力側に接続し、他方を第2の出力端子の間に接続した直接給電回路と、インバータ給電回路の電流検出手段の出力側と直接給電回路の出力側との間を接離する接離スイッチとで構成し、接続される複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷は第1の出力端子に接続し、通常負荷は第2の出力端子に接続し、正常運転時には、サイリスタスイッチ、交流スイッチおよび直接給電スイッチを開路状態とし、インバータ給電回路の出力スイッチおよび接離スイッチは閉路状態として、複数の負荷には、インバータ給電回路から給電し、電流検出手段によりインバータ給電回路の過負荷が検出されたとき、サイリスタスイッチを閉路すると同時に、出力スイッチを開路し、続いて交流スイッチを閉路してサイリスタスイッチを開路し、複数の負荷にはバイパス給電回路からの給電に移行し、続いて直接給電スイッチを閉路し、接離スイッチを開路し、その状態における電流検出手段の検出電流値がインバータ給電回路の給電容量の範囲内のときに出力スイッチを閉路した後、上記交流スイッチを開路し、重要負荷にはインバータ給電回路からの給電に切り換える構成としたものである。
【0017】
この発明の請求項2に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、負荷ごとにインバータ給電回路または直接給電回路を選択して接続できるようにインバータ給電回路側および直接給電回路側のそれぞれの出力端子に切換スイッチを介して接続した構成としたものである。
【0018】
この発明の請求項3に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷はさらに細分化して重要度に応じて順位付けし、通常負荷は上記直接給電回路側の第1の出力端子に接続し、細分化された各重要負荷は負荷ごとに、インバータ給電回路側の第1の出力端子および直接給電回路側の第2の出力端子にそれぞれ切換スイッチを介して接続し、インバータ給電回路の過負荷時に、通常負荷が直接給電回路に切り換えられた後にも、インバータ給電回路の過負荷状態が解消されない場合に、過負荷状態が解消されるまで、重要負荷の重要度順位の低位の負荷から順次第2の出力端子側に切り換える構成としたものである。
【0019】
この発明の請求項4に係る無停電電源装置は、交流を直流に変換するコンバータと直流を交流に変換するインバータとを直列に接続し、コンバータとインバータの間にバッテリ電源スイッチを介してバッテリ電源を接続し、インバータ給電回路の出力側に出力スイッチを備えたインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチとが並列接続されたバイパス給電スイッチからなり、その入力側をインバータ給電回路の入力側に接続し、出力側を無停電電源装置のインバータ給電回路の出力側に接続したバイパス給電回路とを備えた無停電電源回路を請求項1〜請求項3の構成のバイパス給電回路の入力側と交流電源との間に接続したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
実施の形態1の無停電電源装置の回路図を図1、タイミングチャートを図2に示す。図において、交流電源1、インバータ給電回路10、入力側スイッチ11、コンバータ12、インバータ13、バッテリ電源14、バッテリ電源スイッチ15、出力スイッチ16、バイパス給電回路20、入力側スイッチ21、バイパス給電スイッチ22、サイリスタスイッチ23、交流スイッチ24は図6と同一である。2は無停電電源装置である。30はインバータの過負荷時に負荷へ直接給電する直接給電回路、31は直接給電スイッチ、32は直接給電回路30とインバータ給電回路10の間を接離する接離スイッチ、35はインバータ給電回路10の電流検出手段、35aはその電流リレー、36は直接給電回路30の電流検出手段、36aはその電流リレー、37はインバータ給電回路10側の第1の出力端子、38は直接給電回路30側の第2の出力端子である。81は重要度の高い重要負荷、82は重要度が負荷81よりも低い通常負荷である。
【0021】
図1の構成の動作について図2を参照しながら説明する。無停電電源装置2が正常状態で運転されているときには、直接給電回路30の直接給電スイッチ31は開路状態であり、接離スイッチ32は閉路状態となっている。交流電源1から入力側スイッチ11を介してコンバータ12に交流電力を入力し、コンバータ12は入力された交流を直流に変換し、バッテリ電源スイッチ15を介してバッテリ電源14を充電しながらインバータ13に直流電力を供給し、インバータ13により直流を交流に変換し、交流電力を出力スイッチ16を介して第1の出力端子37から重要負荷81に給電し、電流検出手段35の出力側から接離スイッチ32を介して第2の出力端子38から通常負荷82に給電する。
【0022】
インバータ給電回路10の過負荷状態が電流検出手段35により検出されると、図2のタイミングチャートに示すとおり、出力スイッチ16を開路する前に、サイリスタスイッチ23を閉路すると同時に、出力スイッチ16を開路し、交流スイッチ24を閉路して重要負荷81および通常負荷82にバイパス給電回路20から交流電力を供給し、その後に直接給電回路30の直接給電スイッチ31を閉路し、接離スイッチ32を開路することにより、重要負荷81にはバイパス給電回路20から給電され、通常負荷82には直接給電回路30から給電される状態となる。この状態において電流検出手段35の検出電流値が過負荷レベルよりも小さいときには、出力スイッチ16を閉路し、交流スイッチ24を開路することにより、重要負荷81にはインバータ給電回路10からの給電に切り換えられ、通常負荷82には直接給電回路30からの給電が維持される。
【0023】
重要負荷81への給電がインバータ給電回路10から、通常負荷82への給電が直接給電回路30から給電されている状態において、電流検出手段35のインバータ給電回路10の電流と電流検出手段36の直接給電回路30の電流との和が、インバータ給電回路10の過負荷レベル以下になったとき、インバータ給電回路10と直接給電回路30の位相が同期している状態で接離スイッチ32を閉路し、直接給電スイッチ31を開路することにより、重要負荷81および通常負荷82の双方がインバータ給電回路10からの給電に切り換えられる。
【0024】
このようにインバータ給電回路10とバイパス給電回路20と直接給電回路30とを備えた構成とし、負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷81を第1の出力端子37に接続し、通常負荷82を第2の出力端子38に接続し、インバータ給電回路10に過負荷が発生したときには、給電する回路をバイパス給電回路20へ移行し、直接給電回路30をバイパス給電回路20に並列接続状態にして接離スイッチ32を開路することで通常負荷82が直接給電回路30からの給電に切り換えられ、重要負荷81に給電しているバイパス給電回路20の電流がインバータ給電回路10の過負荷レベル以下のときに、重要負荷81のみをインバータ給電回路10からの給電に切り換える構成としたことにより、各回路の各スイッチは、必ず二つの給電回路が並列状態のときに開路するので、すべての切換動作が無瞬断で行うことができる。また、全負荷がインバータ給電回路10の過負荷レベルを越えた場合でも、重要度の高い重要負荷81はインバータ給電回路10から給電されるものであり、給電信頼性が高く、給電余裕のある無停電電源装置となる。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態1では、インバータ給電回路が過負荷になったときに、一旦バイパス給電回路に切り換えた後、インバータ給電に戻す重要負荷と、直接給電回路からの給電を継続する通常負荷は予め定めておく必要があり、給電中に重要負荷と通常負荷の位置づけは変更することができなかったが、実施の形態2は、各負荷を給電中であっても、インバータ給電回路からの給電と直接給電回路からの給電に切り換えることができるように構成したものである。
【0026】
図3は実施の形態2の回路図である。図3において、1、2、10〜16、20〜24、30〜32、35〜38は実施の形態1の図1と同一である。91は重要度が高い重要負荷、92が重要度が低位の通常負荷である。51aは重要負荷91とインバータ給電回路10側の第1の出力端子37の間の切換スイッチ、51bは重要負荷91と直接給電回路30側の第2の出力端子38の間の切換スイッチ、52aは通常負荷92とインバータ給電回路10側の第1の出力端子37の間の切換スイッチ、52bは通常負荷92と直接給電回路30側の第2の出力端子38の間の切換スイッチである。図3の構成は、実施の形態1の図1とは無停電電源装置2の部分は同一であり、第1の出力端子37および第2の出力端子38に接続される重要負荷91と通常負荷92の接続法のみが異なるものである。
【0027】
通常の場合の重要負荷91は、切換スイッチ51aが閉路状態、51bが開路状態であり、通常負荷92は切換スイッチ52aが開路状態、52bが閉路状態となっている。
【0028】
図3の構成において、インバータ給電回路10が過負荷になった場合に、インバータ給電回路10をバイパス給電回路20に移行し、通常負荷92を直接給電回路30に切り換え、重要負荷91をインバータ給電回路10に戻す動作については、実施の形態1と同様に行われる。
【0029】
重要負荷91がインバータ給電回路10から給電され、通常負荷92が直接給電回路30から給電されている状態において、重要負荷91を直接給電回路30からの給電とし、通常負荷92をインバータ給電回路30からの給電に入れ換える場合は、まず、バイパス給電回路20のサイリスタスイッチ23を閉路し、インバータ給電回路10の出力スイッチ16を開路し、バイパス給電回路20の交流スイッチ24を閉路してインバータ給電回路10からの給電をバイパス給電回路20に移行した後、接離スイッチ32を閉路し、重要負荷91および通常負荷92に接続された切換スイッチ51aおよび52bの閉路状態を保ったまま、一旦、切換スイッチ51bおよび52aを閉路し、その後に切換スイッチ51aおよび52bを開路することで入れ換えられ、つぎに接離スイッチ32を開路することで、重要負荷91が直接給電回路30側に接続され、通常負荷92はバイパス給電回路に20側に接続され、通常負荷92に対して電流検出手段35の電流検出値がインバータ給電回路10の過負荷レベルよりも小さければ、インバータ給電回路10の出力スイッチ16を閉路し、バイパス給電回路20の交流スイッチ24を開路することで、通常負荷92にはインバータ給電回路10から給電され、重要負荷91が直接給電回路30から給電される状態となり、給電中にも給電回路の切換が可能である。
【0030】
重要負荷91と通常負荷92のそれぞれの電流値がインバータ給電回路10の過負荷レベルの範囲内のときには、直接給電スイッチ31の閉路状態を維持し、接離スイッチ32を閉路状態として、切換スイッチ51aおよび52bの閉路状態を保ったまま、一旦、切換スイッチ51bおよび52aを閉路し、その後に切換スイッチ51aおよび52bを開路して、接離スイッチ32を開路することで入れ換えることができる。
【0031】
このように構成すると、予め定められた重要負荷91と通常負荷92の位置づけを給電中に変更可能となり、負荷の状況に応じて柔軟に対応することができる構成となる。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態1および実施の形態2では、負荷が重要負荷と通常負荷に2分した構成としたので、通常負荷を直接給電回路からの給電に切り換えても、重要負荷の大きさが、インバータ給電回路の過負荷レベルを超えている場合には、重要負荷のみでもインバータ給電回路に復帰できないという問題点がある。実施の形態3は、このような問題点を解決するための実施の形態である。
【0033】
図4は実施の形態3の回路図である。図4において、1、2、10〜16、20〜24、30〜32、35〜38は実施の形態1および実施の形態2の図1または図3と同一である。91A、91B・・・91Nは重要度が高い複数に細分化された重要負荷、92が重要度が低位の通常負荷である。60は通常負荷92直接給電回路側の第1の出力端子38にとの間の切換スイッチ、61a、62a・・・6Naおよび61b、62b・・・6Nbは、細分化された重要負荷91A、91B・・・91Nの各負荷とインバータ給電回路10側または直接給電回路30側のそれぞれの出力端子37、38の間の切換スイッチである。この構成においても、実施の形態1の図1とは無停電電源装置2の部分は同一であり、第1の出力端子37および第2の出力端子38に接続される負荷の接続法のみが異なるものである。
【0034】
重要負荷91A、91B・・・91Nおよび通常負荷92は、重要度に応じて接続した場合には、重要負荷91A、91B・・・91Nは、切換スイッチ61a、62a・・・6Naが閉路状態、61b、62b・・・6Nbが開路状態であり、インバータ給電回路10側の出力端子37に接続されている。通常負荷92は切換スイッチ60を介して直接給電回路30側の出力端子38に接続されている。
【0035】
図4の構成において、インバータ給電回路10が過負荷になった場合に、インバータ給電回路10からバイパス給電回路20に移行させ、通常負荷92を直接給電回路30に切り換え、重要負荷91A、91B・・・91Nをインバータ給電回路10に戻す動作については、実施の形態1と同様に行われ、電流検出手段35の検出電流値が、インバータ給電回路10の過負荷レベルの範囲内であれば、重要負荷91A、91B・・・91Nがインバータ給電回路10から給電されるように出力スイッチ16をONし、交流スイッチ24が開路してインバータ給電回路に切り換えられる。
【0036】
インバータ給電回路10の検出電流値がバイパス給電回路20の過負荷レベルを超えている場合は、重要負荷91A、91B・・・91Nの重要度順位は91Aが最も高く、91B・・・91Nになるにしたがって重要度順位が低くなるものとして、重要度順位が下位の負荷、すなわち91Nから、電流検出手段35が検出するインバータ給電回路10の検出電流が過負荷レベルの範囲内になるまで、順次直接給電回路30側の第2の出力端子38側に切り換え、インバータ給電回路10の出力スイッチ16を閉路し、交流スイッチ24を開路し、接離スイッチ32を開路することにより、直接給電回路30側の第2の出力端子38に接続された負荷に、直接給電回路30から給電され、切り換えない重要負荷には、インバータ給電回路10からの給電に復帰する。接続の切換は負荷ごとに接続された二つの切換スイッチの両方を閉路状態として、切り離す方を開路することで無瞬断で切り換えることができる。
【0037】
以上の操作によって、インバータ給電回路10の過負荷レベルの範囲となる重要負荷がインバータ給電に復帰できるようになり、重要負荷の合計がインバータ給電回路の過負荷レベルの範囲を越える場合にインバータ給電に復帰できないという事態が回避され、無停電電源装置として供給信頼性を向上させることができる。
【0038】
実施の形態4.
実施の形態1においては、インバータ給電回路の過負荷時にはインバータ給電から直接給電に切りかわり、通常負荷には無停電補償機能がない状態となり、この状態において交流電源に停電が発生すると全停止しなければならないので、供給信頼性が低下する問題点がある。実施の形態4は、インバータ給電回路が過負荷となって直接給電回路に切換えられた状態になっても、給電ができるように、実施の形態1の直接給電回路30の交流電源1側に無停電電源装置2のインバータ給電回路10およびバイパス給電回路20と同じ回路の無停電電源回路を付加した構成である。実施の形態4の構成の回路図を図5に示す。図5において、1、2、10〜16、20〜24、30〜32、35〜38および重要負荷81、通常負荷82は実施の形態1の図1と同一または同一機能を備えたものである。5は無停電電源装置2のインバータ給電回路10と同様の入力側スイッチ11、コンバータ12、インバータ13、バッテリ電源14、バッテリ電源スイッチ15、出力スイッチ16で構成されたインバータ給電回路10Aと、入力側スイッチ21、サイリスタスイッチ23、交流スイッチ24が並列接続されたバイパス給電スイッチ23で構成されたバイパス給電回路20Aで構成された無停電電源回路であり、実施の形態1における無停電電源装置2の直接給電回路30の入力側と交流電源1との間に挿入接続されている。
【0039】
図5の構成において、無停電電源装置2のインバータ給電回路10が過負荷になった場合に、インバータ給電回路10をバイパス給電回路20に移行させ、通常負荷82を直接給電回路30に切り換え、重要負荷81をインバータ給電回路10に戻す動作については、実施の形態1と同様に行われる。インバータ給電回路10からバイパス給電回路20に切換られると、無停電電源回路5から給電される。このとき、無停電電源回路5のインバータ給電回路10Aも過負荷レベルを検出し、バイパス給電回路20Aに切り換えられ、バイパス給電回路20Aを経由して給電される。無停電電源回路5において、通常負荷82が直接給電回路30に切り換えられて重要負荷のみがインバータ給電回路10からの給電に復帰すると、無停電電源回路5の負荷電流はインバータ給電回路10Aの過負荷レベル以下となり、インバータ給電回路10Aに切り換えられ、無停電電源装置2の直接給電回路30は無停電電源回路5のインバータ給電回路10Aから給電される状態となる。
【0040】
このように、直接給電回路30の交流電源1側にさらに無停電電源回路5を付加した構成にすると、無停電電源装置2に過負荷状態が生じて、直接給電回路30に切り換えられても、停電補償機能を備えた構成となり、給電信頼性が飛躍的に向上した無停電電源装置となる。
【0041】
この構成の無停電電源装置の直接給電回路30側に、無停電電源回路5を接続する構成は、実施の形態2または実施の形態3の構成に適用しても同様の効果が得られる構成となる。
【0042】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る無停電電源装置は、インバータ給電回路とバイパス給電回路と直接給電回路とを備えた構成とし、負荷を重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷をインバータ給電回路側の第1の出力端子に接続し、通常負荷を直接給電回路側の第2の出力端子に接続し、インバータ給電回路に過負荷が発生したときには、給電する回路をバイパス給電回路へ移行し、直接給電回路をバイパス給電回路に並列接続した状態にして接離スイッチを開路することで通常負荷が直接給電回路からの給電に切り換えられ、重要負荷に給電されているバイパス給電回路の電流がインバータ給電回路の過負荷レベルの範囲内のときに、重要負荷のみがインバータ給電回路からの給電に切り換えられるように構成したことにより、各回路の各スイッチは、必ず二つの給電回路が並列状態のときに開路するので、すべての切換動作が無瞬断で行われるようになり、また、全負荷がインバータ給電回路の過負荷レベルを越えた場合でも、重要度の高い重要負荷はインバータ給電回路から給電されるものであり、給電信頼性が高く、給電余裕のある無停電電源装置となる。
【0043】
この発明の請求項2に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、負荷ごとにインバータ給電回路または直接給電回路を選択して接続できるようにインバータ給電回路側の第1の出力端子および直接給電回路側の第2の出力端子それぞれに切換スイッチを介して接続した構成としたものであり、予め定められた重要負荷と通常負荷の位置づけを給電中に変更することが可能となり、負荷の状況に応じて柔軟に対応できる構成となる。
【0044】
この発明の請求項3に係る無停電電源装置は、請求項1の構成の複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷はさらに細分化して重要度に応じて順位付けし、通常負荷は上記直接給電回路側の出力端子に接続し、細分化された各重要負荷は負荷ごとに、インバータ給電回路および直接給電回路にそれぞれ切換スイッチを介して接続し、インバータ給電回路の過負荷時に、通常負荷が直接給電回路に切り換えられた後に、インバータ給電回路の過負荷状態が解消されない場合に、過負荷状態が解消されるまで、重要度順位の低位の負荷から順次直接給電回路側の出力端子に切り換えて運転する構成としたものであり、インバータ給電回路の過負荷レベルの範囲内となる重要負荷がインバータ給電に復帰できるようになり、重要負荷の合計がインバータ給電回路の過負荷レベル以上のときにインバータ給電に復帰できないという事態が回避され、無停電電源装置として供給信頼性を向上させることができる。
【0045】
この発明の請求項4に係る無停電電源装置は、交流を直流に変換するコンバータと直流を交流に変換するインバータとを直列に接続し、コンバータとインバータの間にバッテリ電源スイッチを介してバッテリ電源を接続し、インバータ給電回路の出力側に出力スイッチを備えたインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチとが並列接続されたバイパス給電スイッチからなり、その入力側をバイパス給電回路の入力側に並列接続し、出力側をインバータ給電回路の出力側に接続されたバイパス給電回路とを備えた無停電電源回路を請求項1〜請求項3の構成のバイパス給電回路の入力側と交流電源との間に接続したものであり、無停電電源装置に過負荷状態が生じて、直接給電回路に切り換えられても、停電補償機能を備えた構成となり、給電信頼性が飛躍的に向上した無停電電源装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の無停電電源装置の回路図である。
【図2】図1に示されたスイッチ類の動作タイミングチャートである。
【図3】実施の形態2の無停電電源装置の回路図である。
【図4】実施の形態3の無停電電源装置の回路図である。
【図5】実施の形態4の無停電電源装置の回路図である。
【図6】従来の無停電電源装置の回路図である。
【図7】図6に示されたスイッチ類の動作タイミングチャートである。
【図8】従来の他の無停電電源装置の回路図である。
【符号の説明】
1 交流電源、2 無停電電源装置、5 無停電電源回路、
10 インバータ給電回路、11 入力側スイッチ、12 コンバータ、
13 インバータ、14 バッテリ電源、15 バッテリ電源スイッチ、
16 出力スイッチ、20 バイパス給電回路、21 入力側スイッチ、
22 バイパス給電スイッチ、23 サイリスタスイッチ、
24 交流スイッチ、30 直接給電回路、31 直接給電スイッチ、
32 接離スイッチ、35 電流検出手段、36 電流検出手段、
37 第1の出力端子、38 第2の出力端子、
51a,51b,52a,52b 切換スイッチ、
60,61a,61b,62a,62b,6Na,6Nb 切換スイッチ、
81 重要負荷、82 通常負荷、91 重要負荷、
91A,91B・・・91N 重要負荷、92 通常負荷。
Claims (4)
- 入力側が交流電源に接続され、交流を直流に変換するコンバータと直流を交流に変換するインバータとが直列に接続され、上記コンバータとインバータとの間にバッテリスイッチを介してバッテリ電源が接続され、上記インバータの出力側から出力スイッチと電流検出手段とを介して第1の出力端子に接続されたインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチとを並列接続したバイパス給電スイッチからなり、その入力側が上記インバータ給電回路の入力側に接続され、出力側が上記インバータ給電回路の上記出力スイッチと上記電流検出手段との間に接続されたバイパス給電回路と、直接給電スイッチからなり、その一方が上記バイパス給電回路の入力側に接続され、その他方が第2の出力端子に接続された直接給電回路と、上記インバータ給電回路の上記電流検出手段の出力側と上記直接給電回路の出力側との間を接離する接離スイッチとからなり、接続される複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けし、重要負荷は上記第1の出力端子に接続され、通常負荷は上記第2の出力端子に接続され、正常運転時には、上記サイリスタスイッチ、上記交流スイッチおよび直接給電スイッチが開路状態であり、上記インバータ給電回路の上記出力スイッチおよび上記接離スイッチは閉路状態として、上記複数の負荷には、上記インバータ給電回路から給電され、上記電流検出手段により上記インバータ給電回路の過負荷が検出されたとき、上記サイリスタスイッチを閉路すると同時に、上記出力スイッチを開路し、続いて上記交流スイッチを閉路し、上記サイリスタスイッチを開路して上記複数の負荷には上記バイパス給電回路からの給電に移行し、続いて上記直接給電スイッチを閉路し、上記接離スイッチを開路し、その状態における上記電流検出手段の検出電流値が上記インバータ給電回路の給電容量の範囲内のときに、上記出力スイッチを閉路した後、上記交流スイッチを開路し、重要負荷には上記インバータ給電回路からの給電に切り換えることを特徴とする無停電電源装置。
- 上記複数の負荷は、負荷ごとに上記インバータ給電回路または上記直接給電回路に選択して接続できるように上記インバータ給電回路側の第1の出力端子および上記直接給電回路側の第2の出力端子のそれぞれに切換スイッチを介して接続されていることを特徴とする請求項1記載の無停電電源装置。
- 上記複数の負荷は、重要負荷と通常負荷に区分けされ、上記重要負荷はさらに細分化して重要度に応じて順位付けされ、上記通常負荷は上記接続スイッチを介して上記直接給電回路側の第2の出力端子に接続され、重要度に応じて順位付けされた上記重要負荷は負荷ごとに、上記インバータ給電回路側の第1の出力端子および上記直接給電回路側の第2の出力端子にそれぞれ切換スイッチを介して接続され、上記インバータ給電回路の過負荷時に、上記通常負荷が上記直接給電回路側に切り換えられた後にも上記インバータ給電回路の過負荷状態が解消されない場合に、過負荷状態が解消されるまで、重要度に応じて順位付けされた重要度順位が低位の負荷から順次上記直接給電回路側の第2の出力端子側に切り換えることを特徴とする請求項1記載の無停電電源装置。
- 交流を直流に変換するコンバータと直流を交流に変換するインバータとが直列に接続され、上記コンバータと上記インバータの間にバッテリ電源スイッチを介してバッテリ電源が接続され、上記インバータの出力側に出力スイッチを備えたインバータ給電回路と、サイリスタスイッチと交流スイッチが並列接続されたバイパス給電スイッチからなり、その入力側が上記インバータ給電回路の入力側に接続され、出力側が上記インバータ給電回路の出力側に接続されたバイパス給電回路とからなる無停電電源回路が、上記無停電電源装置の入力側と交流電源との間に接続されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無停電電源装置。
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