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JP2003255770A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

画像形成装置および画像形成方法

Info

Publication number
JP2003255770A
JP2003255770A JP2002059173A JP2002059173A JP2003255770A JP 2003255770 A JP2003255770 A JP 2003255770A JP 2002059173 A JP2002059173 A JP 2002059173A JP 2002059173 A JP2002059173 A JP 2002059173A JP 2003255770 A JP2003255770 A JP 2003255770A
Authority
JP
Japan
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transfer
transfer material
amount
exposure
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002059173A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroo Naoi
宏夫 直井
Masahito Asanuma
雅人 浅沼
Shoichi Fujita
庄一 藤田
Koichi Takenouchi
幸一 竹ノ内
Yasushi Sakida
裕史 崎田
Shuichi Morikuni
修市 森國
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2002059173A priority Critical patent/JP2003255770A/ja
Publication of JP2003255770A publication Critical patent/JP2003255770A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写前露光工程と転写工程を通して、感光体
の劣化を抑制し、良好な画像を形成することのできる反
転現像方式の画像形成装置及び画像形成方法を提供する
こと。 【解決手段】 転写工程では、定電流制御された接触式
転写器6を用いて感光体上に形成した現像材像を転写材
10上に転写し、転写前露光工程では、感光体上の転写
材が通過しない転写材非通過領域1bへの露光強度を、
第1の転写材を使用する場合には、第1の照射光量と
し、第1の転写材と材質または電気抵抗値を異にする第
2の転写材を使用する場合には、第1の照射光量と異な
る第2の照射光量とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式、特
に反転現像方式の画像形成装置及び画像形成方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用したデジタル複写機
やプリンタ等においては、1ドット単位の再現性やベタ
部の均一性(埋まり性)の良さから反転現像(ネガ・ポ
ジ)方式が多く用いられる。反転現像方式には、帯電極
性がマイナスの像坦持体に対して、帯電極性がマイナス
のトナーを作用させて行う方式と、その逆の極性すなわ
ち、帯電極性がプラスの像坦持体に対して、帯電極性が
プラスのトナーを作用させて行う方式とがある。
【0003】例えば、帯電極性がマイナスの像坦持体に
対して、帯電極性がマイナスのトナーを作用させて行う
反転現像方式では、一様にマイナス帯電した像坦持体面
に対し、レーザビーム、LED等の等の露光手段により
記録すべき画像情報に対応した画像露光を行って静電潜
像を形成し、露光を受けて表面電位の値の絶対値が低下
した部分(見かけ上、プラス側に転化した部分)に、像
坦持体の帯電極性と同極性(マイナス極性)に帯電した
トナー(現像剤)を付着させてトナー像を形成する。
【0004】次に、トナー像を転写させる転写材の背面
側にトナーと逆極性の(プラス極性)の転写電荷を付与
し、像坦持体上から転写材上にトナー像を静電吸着によ
り転写する。
【0005】前記反転現像方式では、転写時において、
転写材と像坦持体面の間の静電吸着力により、像担持体
からの転写材の分離が行いにくくなる問題がある。特
に、背景部、すなわち、トナーを付着させない像坦持体
部分は画像露光を受けないため、像坦持体のマイナス電
位が高く静電吸着力が大きく、像担持体からの転写材の
分離が行いにくい。
【0006】このため、従来、転写工程の前にLED等
の露光手段により像坦持体の表面を一様に露光(転写前
露光)し、前記背景部のマイナス電位を低下させ、見か
け上、像坦持体正規帯電極性のマイナスから逆極性のプ
ラス側に転化させ、転写時に発生する静電吸着力を弱め
ることで分離を行い易くしている。
【0007】しかしながら、転写前露光を行うと、トナ
ー像で遮られずに照射光が到達しやすい背景部のマイナ
ス電位がトナー像部のマイナス電位よりも低下し、トナ
ー像を形成するトナーの一部(マイナス極性)がマイナ
ス電位の低い背景部(見かけ上、プラス側)に飛び散
り、画像品位を低下させる問題がある。このようなトナ
ーの飛び移り現象が起きるメカニズムを図16により説
明する。図16おいて縦軸は画像形成プロセスにおける
像坦持体の電位の絶対値を示したものである。
【0008】まず、像坦持体を電位Vd1に一様に帯電
させた後、トナー像を形成すべき部分に露光Eを行い、
像坦持体の表面電位をVsに低下させて静電潜像を形成
する(a)。次に、像坦持体と同極性に帯電したトナー
を用いて反転現像を行い表面電位がVs部にトナー粒子
を付着させてトナー像を形成する(b)。トナー像は、
トナーの保有電荷により電位Vtを有する。
【0009】次に、このトナー像が形成された像坦持体
に対し転写前露光Pを行うと、それまで電位Vd1に帯
電させた背景部の電位はVd2に低下する。一方、トナ
ー像部はトナー粒子Tにより露光Pが遮断されるため像
坦持体電位が低下せず、また、露光後もトナーの保有電
荷が残留することによりトナー像部の電位Vtは背景部
電位Vd2より高くなる(c)。このため、背景部とト
ナー像部の境界に電位差(Vt−Vd2)が生じ、トナ
ー像部のトナー粒子Tは背景部側から電位差(Vt−V
d2)に基づく電気引力を受けて背景部への飛散dが発
生する。
【0010】この転写前露光によるトナー像の飛散を防
ぐために、特開平01−191168号公報記載の発明では、転
写前露光の光量を背景部電位がトナー像部電位より低く
ならない所定光量に設定することが開示されている。
【0011】また、特開平10−340014号公報記載の発明
では、転写時に強い吸着力が生じるのは像坦持体上でト
ナー像が広範囲に存在しない非画像部であることに着目
し、転写前露光を画像部を除いた非画像部に対してのみ
行うことが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】(課題1)しかしなが
ら、上記2件の公報記載の発明では、転写材の分離性の
みを考慮しているために、転写材と接触しない感光体表
面の非通紙領域にも含めて一様に転写前露光を行ってい
る。非通紙領域では、トナーが存在しないために直接に
感光体が露光され、トナーの存在する通紙領域よりも光
疲労の影響が大きくなる問題があった。
【0013】(課題2)また、上記した特開平01−1911
68号公報や特開平10−340014号公報では、転写手段とし
て、コロナ帯電器を備えた非接触式の転写手段が広く使
用されているが、非接触式の転写手段は、コロナ帯電器
にコロナ放電を生じさせるためにかなりの高電圧を印可
しなければならず、そのため高圧電源を必要とし、ま
た、コロナ放電のためにオゾンが発生するなどの問題を
有している。
【0014】このため近年では、比較的低い電圧を印加
すればよい接触帯電式の転写手段を使用した画像形成装
置が開発されている。接触帯電式の転写手段は、像坦持
体である感光体に導電ローラ、導電ブラシなどの帯電部
材を転写部材として直接接触させ、その感光体と転写部
材の両者の接触ニップ部である転写部に用紙等の転写材
を給送することで、転写部材によって転写材を転写用の
所定極性に帯電(接触帯電)させ、感光体上に形成され
たトナー画像を転写材の表面に電気的に転写させるもの
である。
【0015】接触帯電式の転写手段は、転写部材に対す
る印加電圧が比較的低電圧とすることができ、かつ電流
も比較的小さいので、電源の小型化、軽量化、低コスト
化が可能であり、またオゾンの発生量も少ない等の長所
も備えている。
【0016】ところが、接触帯電式の転写手段は、転写
部材が転写材の裏面に接触することで転写材に印加電圧
を印加するので、感光体と転写部材との間に転写材を介
在させて、感光体と転写部材とが接続される構造になっ
ているため、これらを電気回路とみなすと転写材の材
質、サイズ、両面印字における表面印字と裏面印字、環
境条件等によって(感光体−転写材−転写部材)からな
る回路の電気抵抗が異なり、転写部材から感光体へ流入
する電流及び転写条件が変動する。このような転写条件
の変動による不具合を抑制するために、転写手段の電源
に定電流電源を使用した定電流制御方式がある。
【0017】しかしながら、感光体の転写材通過領域で
は転写材が介在し、回路の電気抵抗が高くなるので、電
流が流れ難くなるのに対して、転写材非通過領域では感
光体と転写部材との間に転写材がないために、感光体と
転写部材間の回路の電気抵抗が低く、転写部材から感光
体に電流が流れ易い状態となる。そのため、転写材非通
過領域では、転写材通過領域に較べて表面電位がプラス
側に転化し、次の印字に備えて帯電器を作用させ、感光
体の初期化を行っても、感光体の転写材非通過領域の帯
電電位が所定の初期化帯電電位まで回復しなくなる問題
が生じ、帯電不良が生じるなど感光体に悪影響を及ぼ
す。
【0018】本発明は、前記の問題点を解消するために
なされたものであって、転写前露光工程と転写工程を通
して、像担持体(感光体)の劣化(ダメージ)を抑制
し、良好な画像を形成することのできる反転現像方式の
画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、次の構成を有する。本発明の第1の要旨
は、像担持体上に形成した静電潜像を現像剤により反転
現像して得られる現像材像を転写材上へ転写する前に該
像担持体を転写前露光する転写前露光手段を備えた画像
形成装置において、前記転写前露光手段は、前記像担持
体上における前記転写材が通過する転写材領域と、該転
写材が通過しない非転写材領域とを、異なる照射光量で
露光することを特徴とする画像形成装置にある。
【0020】本発明の第1の要旨によれば、転写材領域
と非転写材領域とを一様の照射光量で露光を行うと、転
写材領域では表面に現像材像を有することで照射による
疲労を受け難いが、照射を直接的に受ける非転写材領域
では照射疲労を受けやすいく、結果的に像担持体の光疲
労による劣化につながるが、像担持体と転写材の剥離性
に影響しない非転写材領域の照射光量を調整すること
で、像担持体の光疲労による劣化を最小限に抑制するこ
とができる。
【0021】本発明の第2の要旨は、定電流制御された
接触転写部材を用いて、前記像担持体上に形成した現像
材像を転写材上に転写する転写手段を有し、前記転写前
露光手段による前記非転写材領域への照射光量は、第1
の転写材を使用する場合には、第1の照射光量であり、
前記第1の転写材と材質または電気抵抗値を異にする第
2の転写材を使用する場合には、前記第1の照射光量と
異なる第2の照射光量であることを特徴とする要旨1記
載の画像形成装置にある。
【0022】本発明の第3の要旨は、像担持体上に形成
した静電潜像を現像剤により反転現像して得られる現像
材像を転写材上へ転写する前に該像担持体を転写前露光
する転写前露光手段を備えた画像形成装置において、定
電流制御された接触転写部材を用いて、前記像担持体上
に形成した現像材像を転写材上に転写する転写手段を有
し、前記転写前露光手段による前記像担持体上の前記転
写材が通過しない非転写材領域への照射光量は、第1の
転写材を使用する場合には第1の照射光量であり、前記
第1の転写材と材質または電気抵抗値を異にする第2の
転写材を使用する場合には、前記第1の照射光量と異な
る第2の照射光量であることを特徴とする画像形成装置
にある。
【0023】本発明の第2、3の要旨によれば、予め非
転写材領域への露光強度を転写材の材質または転写材の
電気抵抗値に基づいて変化させることで、転写時の転写
材の材質または転写材の電気抵抗値に基づいて変化する
非転写材領域への電荷の流れ込みを制御でき、非転写材
領域へ多くの電荷が流れ込むことを防ぐことで、非転写
材領域の帯電疲労による劣化を防ぎ、次回の複写のため
の帯電を容易にし、帯電不良を防ぐことができる。
【0024】本発明の第4の要旨は、前記転写手段の転
写電流量が、前記転写材の材質または電気抵抗値の変化
に基づいて変化することを特徴とする要旨2または3に
記載の画像形成装置にある。
【0025】本発明の第4の要旨によれば、転写材の材
質や電気抵抗値の変化に基づいて転写電流量を変化させ
ることで、不必要な転写電流、すなわち、転写部材から
非通紙領域への電荷の流れ込みを最適に防止し、像担持
体の劣化を抑制できる。
【0026】本発明の第5の要旨は、前記転写前露光手
段による前記非転写材領域への照射光量は、前記第2の
転写材の電気抵抗値が前記第1の転写材よりも大きい場
合には、前記第2の照射光量は前記第1の照射光量より
多い(「強い」を含む)ことを特徴とする要旨2乃至4
に記載の画像形成装置にある。
【0027】本発明の第5の要旨によれば、転写材の電
気抵抗値が大きいほど転写工程での非転写材領域への電
荷流入が多くなるので、転写材の電気抵抗値が大きいほ
ど転写前露光量を多くすることで、適切に転写工程での
転写部材から非通紙領域への電荷の流れ込み量を抑制で
きる。
【0028】本発明の第6の要旨は、前記転写前露光手
段による前記非転写材領域への照射光量を、転写材の厚
みに基づいて補正することを特徴とする要旨1乃至5に
記載の画像形成装置にある。
【0029】本発明の第7の要旨は、前記転写前露光手
段による前記非転写材領域への照射光量を、転写材の像
担持体の長手方向に関する幅または転写材の大きさに基
づいて補正することを特徴とする要旨1乃至6に記載の
画像形成装置にある。
【0030】本発明の第6、7の要旨によれば、同一転
写材でも厚みや大きさが変わると、転写工程での転写部
材から非通紙領域への電荷の流れ込み量が変化するの
で、転写材の厚みや大きさに基づいて予め非通紙領域へ
の照射光量を補正、調整することで、非通紙領域への電
荷の流れ込み量を調整でき、像担持体の劣化を抑制でき
る。
【0031】本発明の第8の要旨は、前記転写前露光手
段による非転写材領域への照射光量が、転写材の厚みが
厚い程、増加(「強化」を含む)することを特徴とする
要旨6に記載の画像形成装置にある。
【0032】本発明の第9の要旨は、前記転写前露光手
段による非転写材領域への照射光量が、転写材の像担持
体の長手方向に関する幅または転写材の大きさが大きく
程、増加(「強化」を含む)することを特徴とする要旨
7に記載の画像形成装置にある。
【0033】本発明の第8、9の要旨によれば、同一転
写材でも厚みや大きさが大きくなると、転写工程での転
写部材から非通紙領域への電荷の流れ込み量が多くなる
ので、転写材の厚みや大きさが大きく成る程、予め非通
紙領域への照射光量を増加するように調整することで、
転写時の非通紙領域への電荷の流れ込み量を調整でき、
像担持体の劣化を抑制できる。
【0034】本発明の第10の要旨は、前記転写前露光
後の前記非転写材領域の帯電電位の絶対値を、転写前露
光後の転写材領域の帯電電位の絶対値以下とすることを
特徴とする要旨1乃至9に記載の画像形成装置にある。
【0035】本発明の第10の要旨によれば、転写時に
おける非転写材領域の逆極性側への帯電を防ぎ、且つ、
係る領域への電荷の流入を抑えることができ、像担持体
の局部的な帯電疲労を防ぐことがで、帯電不良等を防ぐ
ことができる。
【0036】本発明の第11の要旨は、像担持体上に形
成した静電潜像を現像剤により反転現像して得られる現
像材像を転写材上へ転写する転写工程の前に該像担持体
を露光する転写前露光工程を有する画像形成方法におい
て、前記転写工程では、定電流制御された接触転写部材
を用いて前記像担持体上に形成した現像材像を転写材上
に転写し、前記転写前露光工程では、前記像担持体上の
前記転写材が通過しない非転写材領域への照射光量を、
第1の転写材を使用する場合には、第1の照射光量と
し、前記第1の転写材と材質または電気抵抗値を異にす
る第2の転写材を使用する場合には、前記第1の照射光
量と異なる第2の照射光量とすることを特徴とする画像
形成方法にある。
【0037】本発明の第11の要旨によれば、予め非転
写材領域への露光強度を転写材の材質または転写材の電
気抵抗値に基づいて変化させることで、転写時の転写材
の材質または転写材の電気抵抗値に基づいて変化する非
転写材領域への電荷の流れ込みを制御できるので、転写
材の材質または転写材の電気抵抗値に基づいて変化する
非転写材領域への電荷の流れ込みてを適切に防止でき、
非転写材領域の帯電疲労による劣化を防ぎ、次回の複写
のための帯電を容易にし、帯電不良を防ぐことができ
る。
【0038】本発明の第12の要旨は、前記転写工程で
は、前記転写材の材質または電気抵抗値の変化に基づい
て転写電流量を変化させることを特徴とする要旨11に
記載の画像形成方法にある。
【0039】本発明の第12の要旨によれば、転写材の
材質や電気抵抗値の変化に基づいて転写電流量を変化さ
せることで、不必要な転写電流、すなわち、転写部材か
ら非通紙領域への電荷の流れ込みを最適に防止し、像担
持体の劣化を抑制できる。
【0040】本発明の第13の要旨は、前記転写前露光
工程では、前記非転写材領域への照射光量を、前記第2
の転写材の電気抵抗値が前記第1の転写材よりも大きい
場合には、前記第2の照射光量を前記第1の照射光量よ
り多く(「強く」を含む)することを特徴とする要旨1
1又は12に記載の画像形成方法にある。
【0041】本発明の第13の要旨によれば、転写材の
電気抵抗値が大きいほど転写工程での非転写材領域への
電荷流入が多くなるので、転写材の電気抵抗値が大きい
ほど転写前露光量を多くすることで、適切に転写工程で
の転写部材から非通紙領域への電荷の流れ込み量を抑制
できる。
【0042】本発明の第14の要旨は、前記転写前露光
工程後の非転写材領域の帯電電位の絶対値を、該転写前
露光工程後の転写材領域の帯電電位の絶対値以下とする
ことを特徴とする要旨11乃至13に記載の画像形成方
法にある。
【0043】本発明の第14の要旨によれば、転写工程
での非転写材領域の逆極性側への帯電を防ぎ、且つ、係
る領域への電荷の流入を抑えることができ、像担持体の
局部的な帯電疲労を防ぐことがで、帯電不良等を防ぐこ
とができる。
【0044】
【発明の実施の形態】[第1の実施の形態]以下、図面を
参照して第1の実施形態を詳細に説明する。図1は、第
1の実施形態に係る反転現像方式の画像形成装置の概略
構成図である。
【0045】本実施の形態の反転現像方式としては、帯
電極性がマイナスの像坦持体に対して、帯電極性がマイ
ナスのトナーを作用させて行う方式について以下説明す
るが、その逆の極性すなわち、帯電極性がプラスの像坦
持体に対して、帯電極性がプラスのトナーを作用させて
行う方式でもよいことは言うまでもない。
【0046】像坦持体としての感光体1は、円筒状の導
電基体の外周に光導電層を設けてなり、副走査方向(図
中の矢印方向)に回転可能に軸支されている。
【0047】感光体1の外周面は、周知のスコロトロン
帯電器2により所定の電位(例えば、−600〜−65
0V程度)に一様に帯電された後、画像信号に応じて変
調されたレーザビーム3が照射される。これにより、感
光体1の外周面に表面電位の値の絶対値が低下した静電
潜像が形成される。
【0048】前記レーザビーム3は、レーザダイオード
31から発せられ、回転するポリゴンミラー32および
定位置に固定されたミラー33を介して感光体1の外周
面に主走査方向に走査しつつ照射される。
【0049】前記静電潜像が形成された感光体1の外周
面に現像装置4から感光体1の帯電極性と同極性(マイ
ナス極性)に帯電したトナーが供給されることにより、
前記静電潜像(見かけ上、プラス側に転化した部分)に
トナーが静電吸着し、トナー像が感光体1の外周面に形
成される。
【0050】トナー像が形成された感光体1の外周面
は、転写工程に先立ち、転写前露光器5による露光が行
われる。転写前露光器5による感光体1の露光方法は、
後述する。
【0051】前記転写前露光後、感光体1外周面に担持
されたトナー像は、感光体1と接触式転写器6が対向、
或いは、接触する転写位置にて、図示しない搬送路に沿
って給紙された転写紙(転写材)10上に転写される。
【0052】前記接触式転写器6は、トナー像を転写さ
せる転写紙10の背面側にトナーと逆極性の(本実施形
態では、プラス極性)の転写電荷を付与し、感光体1上
から転写紙10上にトナー像を静電吸着により転写す
る。すなわち、感光体1外周面に担持されたトナー像
は、転写紙10が接触式転写器6と感光体1との間を通
過する間に転写紙10上に転写される。
【0053】接触式転写器6と感光体1との間を通過し
た転写紙10は、感光体1から分離され、定着装置20
によってトナー像が定着される。これにより転写紙10
上にプリント画像が形成される。
【0054】前記転写工程を終えた後も感光体1はその
まま回転し、クリーニング装置8により感光体表面の残
留トナーが除去され、さらに消去ランプ9により感光体
1の残留電荷が消去されて次回の画像形成が行われる。
【0055】次に、前記転写前露光器5を説明する。前
記転写前露光器5には、図2に示すように、感光体1表
面から所定間隔をおいて、感光体1の長手方向に沿って
配置される複数個のLED素子よりなるLEDアレイが
用いられている。
【0056】本実施の形態では、転写前露光器5を構成
している各々のLED素子の印可電圧を変化させること
によって、または印可電圧を一定に保持し通電電流を制
御することによって、転写前露光時における感光体1の
外周面に対する照射光量を全体的にも部分的にも自在に
調節可能としている。
【0057】本実施の形態に係る画像形成装置では、ト
ナー像をプリントする転写材10の材質に応じて、転写
前露光器5による感光体1上の転写材通過領域内と転写
材通過領域外に対する照射のON(点灯)・OFF(消
燈)制御、及び照射光量(照射強度)制御を行う。尚、
より具体的な転写材通過領域内外に対する照射光量の制
御方法は、後述する。
【0058】次に、前記接触式転写器6を説明する。前
記接触式転写器6は、感光体1に接触させて設けられた
導電材からなる転写ローラ(転写部材)を備えている。
前記転写ローラは、定電流電源(図示しない)に接続さ
れており、転写材10の裏面に接触することで直接に電
圧を転写材10に印加し、転写材10を転写用の所定極
性の所定電位に帯電させ、この転写材10の帯電により
発生した電界で感光体1上のトナー画像を転写材10の
表面に電気的に転写させる。
【0059】本実施の形態に係る画像形成装置では、上
記したように転写材10の材質に応じて転写前露光器5
による感光体1上の転写材通過領域内外に対する照射光
量を制御すると共に、同じく転写材10の材質に応じて
接触式転写器6による転写電流量を制御することで、転
写材非通過領域における感光体1の光疲労を抑制すると
ともに、感光体1の帯電不良およびカブリ防止電位の低
下による画像不良を防止する。
【0060】図3は、本実施形態に係る画像形成装置の
概略制御ブロック図を示している。本画像形成装置で
は、図3に示すように、前記した構成に加えて、用紙種
類設定スイッチ21と、制御装置22とを有している。
【0061】用紙種類設定スイッチ21は、画像が転写
される転写材10の種類を入力する入力手段として機能
するものであり、かかる機能を備えていれば専用のスイ
ッチでも他の装置と共有するスイッチでもよい。また、
用紙種類設定スイッチ21は、自動的に転写材10の種
類を判別、例えば転写材を収容するケースの転写材識別
マークを認識する各種センサや、操作者が転写材10の
種類を入力するスイッチでもよい。
【0062】本実施形態の用紙種類設定スイッチ21と
しては、各種処理条件を入力する操作パネル面等の操作
部(図示しない)に設けられ、転写材10の種類を操作
者が入力する定着温度選択スイッチを用紙種類設定スイ
ッチ21として共用する。
【0063】すなわち、本実施形態では、定着装置20
で定着温度を転写材の種類に応じて変更するため、定着
温度を選択するために転写材の種類を入力するための定
着温度選択スイッチが操作部に設けられているので、該
定着温度選択スイッチを用紙種類設定スイッチとして共
用するものである。
【0064】前記用紙種類設定スイッチ21は、制御装
置22に信号を送信可能に接続されていおり、入力され
た転写材の種類に対応する転写材種類信号を制御装置2
2に出力する。用紙種類設定スイッチ21と制御装置2
2との接続手段は、信号を送信可能であればよく、有
線、無線を問わない。
【0065】前記制御装置22は、紙種判別装置23と
転写条件選択装置24とを有している。用紙種類設定ス
イッチ21からの転写材種類信号は、定着装置20によ
る定着温度の切替えに用いられると共に、紙種判別装置
23に送られ、紙種を判別され、その紙種を示す紙種判
別信号に基づいて転写条件選択装置24がその紙種に応
じた最適な転写条件を選択し、高圧電源装置(定電流電
源)25から接触式転写器6(転写ローラ)への印加電
圧値を変更する。
【0066】また、転写条件選択装置24は、電源装置
26から転写前露光器5への通電を、転写前露光器5を
構成している各々のLED素子ごとに制御する。
【0067】尚、本実施の形態では、使用する転写材1
0の種類を設定するための設定手段として定着温度選択
スイッチ21を用いたが、転写材搬送経路内に転写材の
電位抵抗測定手段を設け、測定される転写材10の電気
抵抗値に基づいて紙種判別を行うことも可能である。
【0068】まず、転写材10の材質の相違による感光
体1の帯電特性の違いについて説明する。一般的な複写
機においては、転写材10として普通紙、第二原図(ト
レーシングペーパー等)、OHPシート(フィルム材)
が多く用いられるので、以下の説明では、転写材10と
して普通紙、第二原図、OHPシートの場合について説
明する。
【0069】前記転写材10の材質が異なると、該転写
材10の電気抵抗値も異なる。接触式転写器6に定電流
電源から所定転写電流が付与される場合、接触式転写器
6が接触する部分の材質が同一(電気抵抗が同一)であ
れば、全ての部分に均一に電量が流れることとなるが、
電気抵抗の異なる材質に接触する場合には、電気抵抗値
の大きさと流れる電流量は反比例し、電気抵抗の大きい
部分は電流が流れにくいため電流量が少なくなり、電気
抵抗の小さい部分には電量が流れ易いため電流量が多く
なる。
【0070】従って、感光体の長手方向に関する一部の
領域を転写材が通過する場合に、定電流電源を用いた接
触式転写器6から転写材10を介して感光体1の転写材
通過領域と転写材非通過領域とを帯電する場合に、転写
材10の電気抵抗が異なる場合、転写材非通過領域に流
れる電流量も変化することとなる。
【0071】さらに、確実な転写を行うために接触式転
写器6のトータルの転写電流量を増加すると、感光体1
の転写材非通過領域(用紙外領域)へのプラス電荷流入
量も増加し、転写材非通過領域の帯電電位の低下量(逆
極性側への帯電)も増加する。
【0072】一方、接触式転写器6から感光体1の転写
材非通過領域へのプラス電荷流入量は、転写材非通過領
域のマイナス帯電電位量にも基づいており、図4を参照
して具体的に説明する。
【0073】図4は、転写材10の電気抵抗を考慮し、
転写材通過領域内外に対する転写前露光器5による照射
光量と、転写工程における感光体1の表面の電位低下量
の関係等を示している。
【0074】図4(a)は、A3サイズの幅(297
(cm))を有する感光体1からA4サイズの幅(21
0(cm))の転写材10に画像を転写する際におけ
る、感光体1の幅方向(長手方向、すなわち走査方向)
に関する転写材通過領域(A4の内側)1aと転写材非
通過領域(A4の外側)1bとの関係を示している。こ
の場合、感光体1のA3サイズの幅(長手方向、すなわ
ち走査方向の幅)が転写材10のA4サイズの幅(搬送
方向に直角方向の幅)より広いため、感光体1には前記
幅方向に関して転写材10が当接しない箇所(転写材非
通過領域1b)が生じる。
【0075】図4(b)は、感光体1の表面を一様にマ
イナスに帯電させた後、レーザビーム等で画像露光を行
い、トナーを付着させた時の、感光体1の表面各部の電
位を示したものである。この場合において、感光体1に
おける転写材非通過領域1bと転写材通過領域1aのう
ちトナーTが付着していない部分のマイナス電位は、ト
ナーTが付着しているトナー付着部分1tに比べて高く
なる。
【0076】図4(c)は、前記図4(b)の状態に、
転写前露光をせずに、所定の転写電流を流して転写材1
0へトナー像を転写させた時の感光体1の表面各部の電
位を示したものである。
【0077】感光体1の表面各部のうち転写材非通過領
域1bは、マイナスの高電位にあるために転写器とで形
成する電界強度も強く、表面のマイナス帯電電位に応じ
たプラス電荷が流入することとなり、結果的にマイナス
電位側からプラス電位側に高く帯電する。従って、転写
材非通過領域1bは、表面のマイナス帯電電位に応じた
プラス電荷の影響を受けることとなる。
【0078】尚、転写材通過領域1aのうちトナーTが
付着していない部分は、プラス電位に転化するが、転写
材10が抵抗となりプラス電荷が流入し難いので、前記
転写材非通過領域1bに比べてプラス電位は低くなる。
よって、転写材通過領域1aのうちトナーTが付着して
いない部分のプラス電荷の影響は、転写材非通過領域1
bに較べて少ない。
【0079】また、トナーが付着しているトナー付着部
分1tは、マイナスの帯電電位の絶対値が転写材非通過
領域1b等のマイナスの帯電電位の絶対値に較べて小さ
く、転写材10が抵抗となることによりプラス電荷が流
入し難いので、転写材通過領域1aのうちトナーTが付
着していない部分よりもプラス電位は低くなる。よっ
て、トナー付着部分1tのプラス電荷の影響は、転写材
通過領域1aのうちトナーTが付着していない部分より
もプラス電荷の流入による影響はさらに少ない。
【0080】前記図4(c)の状態の後に、感光体1か
ら記録用紙の分離を促進するためにコロナ帯電器を用い
る場合には、(c)の帯電状態に引き続いて、分離帯電
器(コロナ帯電器)でマイナス側に偏倚した交流の放電
を行うことで、転写材10表面に残留するプラス電荷を
中和し、転写材非通過領域1bではプラス傾向の略0
(V)(完全には0ではない)となり、転写材通過領域
1aでは転写材10の存在により、マイナス電荷が感光
体に流入することはなく、転写直後とあまり変化せずに
プラス側の電位を保持するので、図4(d)のような帯
電状態となる。
【0081】ところが、転写手段が接触式転写手段(例
えば、転写ローラ)を用いる場合には、マイナス側に偏
倚した交流の放電を行うような分離帯電器を伴わないの
で、転写材非通過領域1bのプラス電荷を中和すること
ができない。
【0082】そこで、本実施の形態では、転写材非通過
領域1bのプラス電荷の中和を行うのではなく、転写材
非通過領域1bのプラス電荷の発生を抑える手段を採る
ものであり、具体的には、転写工程前に転写材非通過領
域1bに転写前露光を行い、予めマイナス高電位を光減
衰させ、マイナス傾向の略0(V)(完全には0になら
ない)とすることで、転写段階でプラス電荷が作用して
もプラス電荷がこの領域1bに流入しないようにする。
よって、転写後の感光体表面電位の状態は、分離帯電器
(コロナ帯電器)を用いた場合と同様に図4(d)のよ
うにできる。
【0083】上記転写材非通過領域1bの転写前露光
は、トナー剥離性向上のために転写材通過領域1aに行
う転写前露光と共に行うことができるので、感光体の長
手方向全域に転写前露光を行うこととなるので、転写前
露光による感光体の部分的な光疲労を抑えることができ
る。
【0084】また、転写材非通過領域1bの転写前露光
により、転写材非通過領域1bが逆極性側の高電位に帯
電することがなくなり、更に感光体の局部的な帯電疲労
も抑制できる。
【0085】また、接触式転写手段が定電流方式の場合
には、転写材通過領域1aと転写材非通過領域1bとが
同様に帯電していれば、転写材の有無による感光体−転
写手段間の電気抵抗値の差により、電気抵抗値の小さな
転写材非通過領域1bに多くのプラス電荷の流入する。
【0086】しかしながら、本実施の形態では、転写前
露光の実施により転写材通過領域1aよりも転写材非通
過領域1bのマイナス帯電電位が少なくなるので、係る
観点からは転写材通過領域1aに多くのプラス電荷が流
入することとなるので、上記転写材の電気抵抗値の差に
より生じる転写材非通過領域1bへのプラス電荷の流入
を抑制する要素となる。
【0087】すなわち、転写材非通過領域1bへのプラ
ス電流の流入量は、その表面電位が低ければ少なく、表
面電位が高ければ多くなることとなり、転写前露光によ
る転写材非通過領域1b表面電位は、プラス電流の流入
量の抵抗値(以下、「プラス電流流入抵抗」という)と
なり得る。
【0088】本実施の形態では、使用する転写材の材質
や電気抵抗値によって変化する転写材非通過領域1bに
流入する転写時のプラス電流量の変化を、転写前露光に
よる転写材非通過領域1bの表面電位を調整することで
制御し、感光体1のダメージ(プラス電荷の流入による
感光体性能劣化)を防止する。
【0089】また、転写前露光を行った場合、転写工程
後の表面電位が図4(c)の場合に較べて零に近いた
め、次回の画像形成の際に、感光体1を所定の電位まで
マイナス帯電させ易くなり、感光体1の局部的なダメー
ジ(プラス電荷の流入による感光体性能劣化と、それに
伴う帯電不良の両方)を極力少なくできる。
【0090】一方、転写工程後の感光体から転写材を剥
離し易くするために、転写前露光により感光体表面のマ
イナスの帯電電位を闇雲に下げると、転写材通過領域1
a内のトナーの付着しない部分(以下、「トナー非付着
部」という)の電位がトナー付着部分の電位よりも逆極
性側に偏倚してしまい、トナー付着部分のトナーがトナ
ー非付着部に引き寄せられ、飛び散ることとなってしま
う。
【0091】図4(e)は、転写前露光によりトナー非
付着部の電位がVD0からVD1となり、トナー非付着
部電位VD1がトナー付着部分1tの電位VL1よりも
マイナス方向の電位が同一、又は、小さくなった場合
(VD1≦VL1)にトナーがトナー非付着部方向に飛
散することを示している。
【0092】図4(f)は、転写前露光によりトナー非
付着部電位がVD0からVD1となり、トナー付着部分
1tの電位VL1よりもマイナス方向の電位が大きい場
合(VD1>VL1)であるが、トナーの有するマイナ
ス電位Vtと電位VL1とを併せたトナー付着部分1t
の電位が電位(VL1+Vt)となり、結果として、ト
ナー非付着部電位VD1がトナー付着部分1tの電位
(VL1+Vt)よりもマイナス方向の電位に関して同
一、又は、小さくなった場合(VD1≦VL1+Vt)
にトナーがトナー非付着部方向に飛散することを示して
いる。
【0093】従って、転写工程後の感光体表面から転写
材を剥離し易くするために、転写前露光により転写材通
過領域1aの電位を低下させておくことが有効である
が、トナー飛散を生じない範囲(VD1>VL1+V
t)での露光強度とする必要がある。
【0094】次に、接触式転写器6の転写電流と感光体
1表面の電位低下量の関係を説明する。図5は、A4サ
イズの転写材に関して、トータルの転写電流を変化させ
た場合の、感光体の転写材非通過領域1bの電位低下量
をグラフ(a)と表(b)で示しており、転写電流の値
が高いほど転写材非通過領域1bの表面電位の低下量が
大きくなる。
【0095】図5より、転写電流の値が大きいと転写性
は向上するが、感光体1の転写材非通過領域1bが逆極
性に帯電しやすくなるので、係る転写材非通過領域1b
の逆極性化(プラス電流の流入)を抑えるためには、上
記したように転写工程前の転写材非通過領域1bの表面
電位を低くする必要がある。
【0096】図6は、定電流転写ローラの転写電流を一
定として、転写前露光(露光強度一定)を行った場合と
行わない場合の転写材非通過領域1bの電位低下量を、
転写材10の材質毎にグラフ(a)と表(b)で示して
いる。図6でも、転写材としてA4サイズのものを使用
している。
【0097】転写材10は、従来画像形成装置で使用さ
れる普通紙、第二原図紙(トレース紙のことを指
す。)、及びOHPシートの3種類の転写材を用いた。
係る転写材の電気抵抗値は、普通紙、第二原図紙、OH
Pシートの順に大きくなる(普通紙<第二原図紙<OH
Pシート)。
【0098】転写前露光無しの場合、転写材非通過領域
1bの電位低下量(ΔV)は、普通紙、第二原図、OH
Pシートの順に高くなる。これは、転写材10の電気抵
抗値が高くなればなるほど転写材10には電流は流れに
くくなり、その分だけ転写材非通過領域1bに多くの電
流が流れ、電位低下の度合いが高くなるものと思われ
る。
【0099】一方、露光量一定で転写前露光を行った場
合には、転写材非通過領域1bの電位低下量(ΔV)
は、各転写材共に露光しない場合に較べて少なくなった
が、依然として普通紙、第二原図、OHPシートの順に
高い。
【0100】図6より、所定の転写前露光を行うこと
で、転写工程でのプラス電流流入(電位低下量)による
転写材非通過領域1bの疲労を減らすことができるが、
上記したように転写材10の電気抵抗値の大きさに比例
して流入するプラス電流量も増加してしまっている。
【0101】より具体的に、図7(a)には前記3種類
の転写材に関して、感光体の転写材通過領域1aと転写
材非通過領域1b毎に、転写前露光強度を一定とした場
合の転写工程前後の表面電位と、転写工程における転写
材非通過領域1bへのプラス電流流入量(電位低下量)
の大小関係を示している。
【0102】図7(a)では、転写材通過領域1aにつ
いては更にトナー付着部とトナー付着なし部とに分け
て、各領域毎に、転写材抵抗値、転写前露光前感光体の
電位、転写工程におけるプラス電荷流入量、転写工程に
おける電位低下量、転写前露光強度、転写前露光後の感
光体の電位、転写後の感光体の電位を示している。
【0103】普通紙、第二原図、OHPの電気抵抗R
1,R2,R3の関係は、(R1<R2<R3)であ
る。
【0104】転写前露光強度一定として、転写前露光の
前に−650(V)に帯電した感光体を転写前露光後に
−200(V)(トナー飛散の生じない電位)にした場
合、転写後の転写材通過領域1a(トナー付着部、トナ
ー非付着部)の電位(V)は、普通紙で(0、−5
0)、第二原図で(−20、−70)、OHPで(−4
0、−90)を示し、転写工程における転写材通過領域
1aへのプラス電荷流入量は、転写材の電気抵抗の関係
(R1<R2<R3)に反比例し、(I1>I2>I
3)となる。
【0105】一方、転写後の転写材非通過領域1bの帯
電電位は、普通紙で+100(V)、第二原図で+20
0(V)、OHPシートで+300(V)を示し、転写
工程における転写材非通過領域1bへのプラス電荷流入
量は、転写材の電気抵抗の関係(R1<R2<R3)に
比例し、(I1‘<I2’<I3‘)となる。すなわ
ち、転写工程における転写材非通過領域1bの電位低下
量(ΔV1,ΔV2,ΔV3)の関係は、転写材の電気
抵抗の関係(R1<R2<R3)に比例し、(ΔV1<
ΔV2<ΔV3)となる。
【0106】感光体の保護、次回の複写のための感光体
表面の帯電不良を防止する観点から、転写材非通過領域
1bの電位低下量の多い第二原図やOHPシートのプラ
ス電荷流入量を少なく抑えるために、転写材の電気抵抗
の大きさに基づいて転写材非通過領域1bへの転写前露
光強度を高くした場合の転写工程前後の感光体表面電位
を図7(b)に示す。
【0107】図7(b)では、転写材通過領域1aの転
写前露光強度を、感光体表面の電位がトナー飛散の生じ
ない−200(V)となる露光強度とし、転写材非通過
領域1bの転写前露光強度を、転写材の電気抵抗の関係
(R1<R2<R3)に比例して(L1’<L2’<L
3’)と差異を設けた場合を示している。具体的には、
転写前の転写材非通過領域1bの電位を、普通紙で−2
00(V)、第二原図で−100(V)、OHPシート
で0(V)とする転写前露光を行っている。
【0108】すなわち、本実施形態では、各転写材の転
写露光前の転写材非通過領域1bの電位を、転写材通過
領域1aの電位(−200(V))〜0(V)の間で電
位差も設けるように帯電している。
【0109】より具体的には、各転写材の転写露光前の
転写材非通過領域1bの電位を、転写材通過領域1aの
電位(−200(V))と0(V)の間で、各転写材の
電気抵抗の関係(R1<R2<R3)に反比例して、各
帯電電位の絶対値が小さくなる(|−200|>|−1
00|>|0|(V))ように転写前露光量を制御し
た。
【0110】換言すれば、各転写材の転写材非通過領域
1bの電位を、転写材通過領域1aの電位(−200
(V))と0(V)の間で、各転写材の電気抵抗の関係
(R1<R2<R3)に比例して、転写材通過領域1a
の帯電極性(−V)と極性側(+V)に大きく帯電する
(−200<−100<0(V))ように転写前露光量
を制御した。
【0111】尚、上記−200(V)〜0(V)間の電
位差は、略−200(V)〜略0(V)を含む。
【0112】転写材通過領域1aでは、転写後の電位が
各転写材でそれぞれ、トナー付着部で0(V)、トナー
非付着部で−50(V)で同一となった。係る制御によ
り、転写前はトナー飛散の生じることがなく、転写後は
帯電電位が低く転写材が感光体から剥離し易くなる。
【0113】転写材非通過領域1bでは、転写材の電気
抵抗の関係(R1<R2<R3)に比例して転写前露光
強度を強くしたので(L1’<L2’<L3’)、各転
写材における電気抵抗値とプラス電流流入抵抗との差異
が均衡したものと思われ、転写後の転写材非通過領域1
bの電位は各々+100(V)となった。
【0114】図7(b)の制御を行う場合、図7(a)
に示す転写前露光強度の補正をしない場合(+100、
+200、+300(V))と比較してプラス領域への
帯電量が少なくでき、次回の複写のために感光体表面電
位を−650(V)に帯電しやすくなり、感光体の局部
的な帯電疲労を減らし、帯電不良を防止することができ
る。
【0115】上記、図7(a)(b)では、転写材の電
気抵抗値に基づいて転写材非通過領域1bへの転写前露
光強度を制御する場合を示したが、さらに接触式転写器
6の転写電流量を転写材の電気抵抗値に基づいて制御す
る場合を図8(a),(b)に示す。尚、図8(b)
は、前記図7(b)と同様の制御内容であり、説明を省
略する。
【0116】図8(a)は、転写材通過領域1aにおけ
る、転写材10の電気抵抗の高低と、転写電流量と、転
写前露光のON、OFF制御動作との組み合わせ例を、
紙種毎に示している。
【0117】本実施形態では、転写材10の電気抵抗値
が大きいとそれだけ転写電流が流れにくいことに鑑み、
感光体から転写材へのトナー転写を確実とするために電
気抵抗値の一番大きいOHPシートの場合の転写電流を
−200(μA)とする。
【0118】一方、転写電流の流入し易い、電気抵抗値
の小さな普通紙の転写電流をトナーの転写作用を確保で
きる−100(μA)として、OHPシートの場合に較
べて転写電流の絶対値を小さくすることで、転写材非通
過領域1bへのプラス電荷の流入を抑えることができ、
普通紙の複写における感光体の疲労を抑えることができ
る。
【0119】OHPシートと普通紙の場合の転写材通過
領域1aへの転写前露光は、トナーの飛散の生じない露
光強度で行い、転写工程後の転写材の感光体からの剥離
を容易にしている。
【0120】次に、転写第二原図を使用する場合の転写
材通過領域1aに関する制御方法を説明する。電気抵抗
値に関して、転写第二原図はOHPシートと普通紙の中
間であり、同様に転写材の通電性も中間となる。本実施
形態では、転写工程での確実なトナーの転写を確保する
ために転写電流を、OHPシートと同様に、−200
(μA)とした。この場合、転写前露光を行はない(転
写前露光をOFF)ことで良好な転写性を得ることがで
きた。これは、転写電流をOHPシートの場合と同様に
高めとすることで、転写材領域のプラス電荷がOHPシ
ートよりも多くなり、感光体表面の電位をプラス側に偏
倚し、結果的に転写前露光を行ったと同様の作用となる
と思われる。上記制御により、転写材の感光体からの剥
離性を確保しつつ、不要な転写前露光を無くし、感光体
の光疲労を少なく抑えることができる。
【0121】以上説明したように、第1の実施の形態に
よれば、転写材10の材質(電気抵抗値)に応じて、感
光体1の転写材通過領域1aと転写材非通過領域1bを
領域毎に異なる照射光量で露光するように転写前露光器
5を制御すると共に、接触式転写器6による転写電流量
を制御することで、不必要な転写前露光や不必要な転写
前露光強度での露光による感光体1の光疲労や、接触式
帯電器6から転写材非通過領域1bへの電荷の流れ込み
の影響による感光体1の帯電不良を防止しつつ、感光体
1から転写材10を分離し易くし、かつ、転写前露光時
のトナー像の飛び散り防止して良好な画像を形成するこ
とができる。
【0122】以上、第1の実施形態では、転写材の種類
(電気抵抗値)を操作者の入力、転写材収容ケース等の
マークの認識、或は電気抵抗の測定で判別していたが、
転写材の種類やその斥量(紙厚)を光センサーで識別す
る場合を、第2実施の形態として以下に説明する。
【0123】[第2の実施の形態]第2の実施の形態に
おける画像形成装置の全体的構成については、図1に示
した第1の実施の形態と同様であるので説明を省略す
る。尚、前記した構成と同一構成には同一符号を付し、
説明を省略する。
【0124】図9は、第2の実施の形態に係る画像形成
装置を示す制御ブロック図である。該画像形成装置は、
転写材の斥量(紙厚)を検知するためのフォトセンサ
(斥量検知手段)41を備えている。
【0125】前記フォトセンサ41は、図示しない給紙
部からレジストローラ42に至る転写材搬送経路中に、
転写材10の通過領域を挟んで互いに向き合わせて配置
された発光素子41aと受光素子41bとからなる。
【0126】転写材10が発光素子41aと受光素子4
1bとの間を通過する際、発光素子41aから発せられ
た光は、転写材10を透過して受光素子41bに受光さ
れ、受光素子41bが受光量に応じた強度の信号を透過
光測定装置43に出力する。
【0127】前記透過光測定装置43は、受光素子41
bからの出力信号に基づいて透過光量を測定し、制御装
置44に入力する。
【0128】前記制御装置44は、紙種判別装置45と
転写条件選択装置46とを有しており、紙種判別装置4
5は前記透過光測定装置43から送られる透過光量測定
結果に基づいて紙種を判別し、転写条件選択装置46は
紙種判別装置45にて判別された紙種に応じた最適な転
写条件を選択する。
【0129】前記転写条件選択装置46の選択する最適
な転写条件は、転写電流量、転写前露光のON・OF
F、転写前露光強度、及び転写前露光位置等の条件であ
り、後述する。
【0130】前記転写条件選択装置46は、後述する転
写条件に基づいて、接触式転写器6の転写ローラへの印
加電圧値を変更する前記透過光測定装置47と、転写前
露光器5を構成する各々のLED素子を素子毎に電気的
に制御可能な電源装置48と、を制御する。
【0131】前記転写条件選択装置46の選択する最適
な転写条件について説明する。透過光量は、OHPシー
ト、第二原図、普通紙の順に低下(OHPシート>第二
原図>普通紙)する。従って、係る透過光量を検出する
ことで、転写材の種類を識別でき、前記第1の実施の形
態で説明したの同様に、各転写材毎に、転写前露光器
5、接触式帯電器6を制御することで、前記第1の実施
形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0132】具体的な各転写材毎の、転写材通過領域1
aと転写材非通過領域1b毎の、転写前露光器5と接触
式帯電器6の制御内容を図10(a)(b)に示す。図
10(a)(b)は、図8(a)(b)中の電気抵抗の
欄が光透過率に変化しているだけであり、詳細な説明を
省略する。
【0133】本実施形態では、第1の実施形態とは異な
り、定着温度選択スイッチ21による入力操作を行わず
に、搬送される転写材10の透過率から転写性を判別
し、当該転写材10についての最適な転写条件で転写を
行うようにしているので、格別な操作を行わずに良好な
転写を行うことが可能となる。
【0134】上記説明では、同一種類の転写材は同一厚
みであることを前提として説明したが、次に、同一種類
の転写材で厚みが異なる場合について説明する。
【0135】転写材10の種類が同じ普通紙であって
も、斥量(紙厚)の相違によって、当然のことながら光
透過率も異なるため、フォトセンサ41から得たデータ
に基づいて転写材10の斥量(紙厚)を判別することが
可能となる。第1の実施の形態においては、定着温度選
択スイッチ21により転写材10の種類を選択すること
はできても、紙厚までは検知できないが、第2の実施の
形態においては、紙厚に追随して、転写条件を最適に調
整することが可能となる。
【0136】転写材10の紙厚と感光体1の転写材非通
過領域1bの電位低下量との関係は、図11(a)
(b)のようになる。すなわち、定転写電流方式で転写
を行う場合、転写材10の紙厚が厚いほど電気抵抗が増
加するため、感光体1の転写材非通過領域1b表面電位
の低下量が大きくなる。そこで、紙厚の変化に基づく転
写材非通過領域1b表面電位の低下を緩和するのに適し
た他の転写材の転写条件(転写前露光、転写電流の制御
条件)で、転写前露光や転写電流を制御することができ
る。
【0137】例えば、第二原図の紙厚が透過光量からみ
てOHPシートに近いほど薄い場合には、転写材非通過
領域1bの電位低下量が少なくなるので、第二原図の転
写条件ではなく、普通紙の転写条件を適用して転写を行
うことができる。
【0138】逆に、第二原図の紙厚が透過光量からみて
普通紙に近づくほど厚い場合には、転写材非通過領域の
電位低下量が多くなるので、第二原図の転写条件ではな
く、OHPシートの転写条件を適用して転写を行うこと
ができる。
【0139】本実施形態では、転写材は3種類で説明し
たので3種類の転写材の転写条件間で変更する例を示し
たが、転写条件をさらに細分化して、より最適な転写条
件間で変更可能とすることもできる。
【0140】また、転写材の紙厚の変化に基づいて、例
えば、図8(a)(b)や図10(a)(b)に示す同
一転写材の転写条件を補正、調整することで紙厚に合っ
た適切な制御が実現できる。
【0141】図12は、転写材の材質が同一で、斥量が
大小変化した場合における、転写工程後の用紙分離性の
変化と、その用紙分離性変化を緩和するための転写前露
光量の補正方法と、転写工程での感光体の転写材非通過
領域へのプラス電荷流入量変化と、該プラス電荷流入量
の変化を緩和するための転写前露光量の補正方法を示し
ている。
【0142】転写材の斥量が小さくなる場合には、用紙
分離性は劣化するので、用紙分離性を良くするために、
図10(a)に示す転写材通過領域1aの転写前露光量
を増加する。
【0143】転写材の斥量が大きくなる場合には、用紙
分離性は良くなるので、感光体の光疲労を少なくするた
めに、図10(a)に示す転写材通過領域の転写前露光
量を減少させることができる。
【0144】転写材の斥量が小さくなる場合には、図1
1(a)に示したように転写工程での転写材非通過領域
へのプラス電荷流入量は減少するので、感光体の光疲労
を少なくするために、図10(b)に示す転写材非通過
領域の転写前露光量を減少させることができる。
【0145】転写材の斥量が大きくなる場合には、図1
1(a)に示したように転写工程での転写材非通過領域
へのプラス電荷流入量は増加するので、プラス電荷流入
量の影響を中和して感光体の光疲労等を防ぐために、図
10(b)に示す転写材非通過領域の転写前露光量を増
加させる。
【0146】また、紙厚の透過光量より、他の転写材の
転写材通過領域1aと転写材非通過領域1b毎の転写条
件を組み合わせて適用することもできる。
【0147】例えば、第二原図の紙厚が透過光量から見
てOHPシートに近くなるほど薄い場合には、第二原図
の転写条件で転写するのではなく、以下の2通りの転写
方法で転写を行ってもよい。
【0148】第1の転写方法は、転写材通過領域に対し
ては、普通紙の転写条件を適用して転写を行い(転写電
流量が少ない方)、転写材非通過領域に対しても、普通
紙の転写露光前の条件を適用して転写を行う方法であ
る。
【0149】第2の転写方法は、転写材通過領域は普通
紙の転写条件を適用して転写を行い、転写材非通過領域
に対しては、第二原図の転写前露光の条件を適用して転
写を行う方法である。
【0150】逆に、第二原図の紙厚が厚くなった結果、
光透過率が低下して普通紙の厚みに近づいた場合には、
第二原図の転写条件で転写するのではなく、以下の2通
りの転写方法で転写を行ってもよい。
【0151】第1の転写方法は、転写材通過領域に対し
ては、OHPシートの転写条件を適用して転写を行い
(転写電流量が多い方)、転写材非通過領域に対して
も、OHPシートの転写前露光の条件を適用して転写を
行う方法である。
【0152】第2の転写方法は、転写材通過領域に対し
ては、OHPシートの転写条件を適用して転写を行い、
転写材非通過領域に対しては、第二原図の転写前露光の
条件を適用して転写を行う方法である。
【0153】本実施形態では、転写材は3種類で説明し
たので3種類の転写材の転写材通過領域と転写材非通過
領域の転写条件間で変更する例を示したが、転写条件を
さらに細分化して、より最適な転写条件間で変更可能と
することもできる。
【0154】上記第2の実施の形態によれば、透過光量
から転写材の材質を判断できるので、転写材の種類を転
写前に入力する等の操作が不要になる。
【0155】また、透過光量から転写材を判断するの
で、同一材質の転写材における斥量(紙厚)の変化も検
出でき、係る斥量の変化に基づいて転写前露光強度や転
写電流量を変化させることで、感光体の疲労の抑制、感
光体の帯電不良の抑制、トナーの飛散防止、感光体から
転写材の剥離性等を考慮した良好な画像を形成すること
ができる。
【0156】前記第1、第2の実施形態では、転写材の
種類(電気抵抗値)毎及び転写材の斥量(紙厚)に基づ
く転写条件を説明したが、次に転写材の大きさに基づく
転写条件を第3の実施形態として以下に説明する。
【0157】[第3の実施の形態]図13は、第3の実
施形態に係る画像形成装置を示す制御ブロック図であ
る。図13中に示す構成要素のうち、前記した構成と同
一構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0158】図14(a)は、(b)に示す転写材10
のサイズと電位低下量の関係データをグラフで示すもの
であり、転写材としてA5,B5,A4サイズのものを
示している。図14(a)(b)より、転写材幅が大き
くなるに従って電位低下量も多くなることが分かる。図
14のデータは、感光体表面電位を−656(V),転
写電流を30(μA)とした。
【0159】第3の実施の形態では、転写材10のサイ
ズ(感光体の円周方向(長手方向)とその垂直方向の
幅)に応じて、接触式転写器6による転写電流量と転写
前露光器5による感光体1上の転写材通過領域内外に対
する照射光量とを制御する。
【0160】図13に示すように本実施形態に係る画像
形成装置は、図示しない給紙部から送りだされる転写材
10のサイズを検知する用紙サイズ検知センサ50と、
用紙サイズ検知センサ50の検知信号に基づいて、転写
前露光器5を制御する制御装置51とを備えている。
【0161】用紙サイズ検知センサ50は、画像形成に
備えて転写材を複数枚重ねて収容しておくための給紙ト
レイ等に設けることができる。
【0162】用紙サイズ検知センサ50は、複写処理の
開始に伴って、給紙部から転写材10が給紙されると、
その転写材10の用紙サイズ(例えば、A4紙)を検知
して、その結果に応じた検知信号を制御装置51へ出力
する。用紙サイズ検知センサ50を給紙トレイに設けれ
ば、比較的簡単な構成で転写材10のサイズの判断が可
能となる。
【0163】制御装置51は、用紙サイズ検知センサ5
0からの検知信号に基づき、転写材10のサイズ(例え
ば、幅の大、小)に応じて転写前露光器5を制御する。
係る制御方法を図15に示す。
【0164】転写材10のサイズが小さい時には、転写
材通過領域においては、転写材10の分離性が劣るた
め、図8(a)、図10(a)、図12に示す転写前露
光器5によるの露光量を増加させ、転写材非通過領域に
おいては、プラス電荷の流入が少ないため、図8
(b)、図10(b)、図12に示す転写前露光器5に
よる露光量を減少させる。
【0165】転写材10のサイズが大きいときには、転
写材通過領域においては、転写材10の分離性が良いた
め、図8(a)、図10(a)、図12に示す転写前露
光器5による露光量を減少させ、転写材非通過領域にお
いては、プラス電荷の流入が多いため、図8(b)、図
10(b)、図12に示す転写前露光器5による露光量
を増加させる。
【0166】上記第3の実施の形態によれば、前記第
1、第2の実施形態で説明した転写条件に、転写材10
のサイズに応じて転写材通過領域と転写材非通過領域の
転写前露光量を補正する条件を加えることで、転写サイ
ズが異なる場合でも上記第1、第2の実施形態で説明し
た作用効果を奏することができる。
【0167】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1の要
旨によれば、像担持体と転写材の剥離性に影響しない非
転写材領域の照射光量を調整することで、像担持体の光
疲労による劣化を最小限に抑制することができる。
【0168】本発明の第2、3の要旨によれば、予め非
転写材領域への露光強度を転写材の材質または転写材の
電気抵抗値に基づいて変化させることで、転写時の転写
材の材質または転写材の電気抵抗値に基づいて変化する
非転写材領域への電荷の流れ込みを制御でき、非転写材
領域へ多くの電荷が流れ込むことを防ぐことで、非転写
材領域の帯電疲労による劣化を防ぎ、次回の複写のため
の帯電を容易にし、帯電不良を防ぐことができる。
【0169】本発明の第4の要旨によれば、転写材の材
質や電気抵抗値の変化に基づいて転写電流量を変化させ
ることで、不必要な転写電流、すなわち、転写部材から
非通紙領域への電荷の流れ込みを最適に防止し、像担持
体の劣化を抑制できる。
【0170】本発明の第5の要旨によれば、転写材の電
気抵抗値が大きいほど転写工程での非転写材領域への電
荷流入が多くなるので、転写材の電気抵抗値が大きいほ
ど転写前露光量を多くすることで、適切に転写工程での
転写部材から非通紙領域への電荷の流れ込み量を抑制で
きる。
【0171】本発明の第6、7の要旨によれば、転写材
の厚みや大きさに基づいて予め非通紙領域への照射光量
を補正、調整することで、非通紙領域への電荷の流れ込
み量を調整でき、像担持体の劣化を抑制できる。
【0172】本発明の第8、9の要旨によれば、同一転
写材でも厚みや大きさが大きくなると、転写工程での転
写部材から非通紙領域への電荷の流れ込み量が多くなる
ので、転写材の厚みや大きさが大きく成る程、予め非通
紙領域への照射光量を増加するように調整することで、
転写時の非通紙領域への電荷の流れ込み量を調整でき、
像担持体の劣化を抑制できる。
【0173】本発明の第10の要旨によれば、転写時に
おける非転写材領域の逆極性側への帯電を防ぎ、且つ、
係る領域への電荷の流入を抑えることができ、像担持体
の局部的な帯電疲労を防ぐことがで、帯電不良等を防ぐ
ことができる。
【0174】本発明の第11の要旨によれば、予め非転
写材領域への露光強度を転写材の材質または転写材の電
気抵抗値に基づいて変化させることで、転写時の転写材
の材質または転写材の電気抵抗値に基づいて変化する非
転写材領域への電荷の流れ込みを制御できるので、転写
材の材質または転写材の電気抵抗値に基づいて変化する
非転写材領域への電荷の流れ込みてを適切に防止でき、
非転写材領域の帯電疲労による劣化を防ぎ、次回の複写
のための帯電を容易にし、帯電不良を防ぐことができ
る。
【0175】本発明の第12の要旨によれば、転写材の
材質や電気抵抗値の変化に基づいて転写電流量を変化さ
せることで、不必要な転写電流、すなわち、転写部材か
ら非通紙領域への電荷の流れ込みを最適に防止し、像担
持体の劣化を抑制できる。
【0176】本発明の第13の要旨によれば、転写材の
電気抵抗値が大きいほど転写工程での非転写材領域への
電荷流入が多くなるので、転写材の電気抵抗値が大きい
ほど転写前露光量を多くすることで、適切に転写工程で
の転写部材から非通紙領域への電荷の流れ込み量を抑制
できる。
【0177】本発明の第14の要旨によれば、転写工程
での非転写材領域の逆極性側への帯電を防ぎ、且つ、係
る領域への電荷の流入を抑えることができ、像担持体の
局部的な帯電疲労を防ぐことがで、帯電不良等を防ぐこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構
成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る感光体と転写前露光器
とを示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置
を示す制御ブロック図である。
【図4】(a)はA3幅を有する感光体を用いてA4幅
の転写材に画像を転写する際における転写材通過領域と
転写材非通過領域との関係を示す説明図であり、(b)
は、静電潜像をトナーで現像後の感光体の表面電位の説
明図であり、(c)は、転写前露光しない場合の転写工
程後の感光体の各表面電位の説明図であり、(d)は、
コロナ帯電器を用いる場合、及び本実施形態により転写
工程後の感光体の各表面電位の説明図であり、(e)
(f)は,転写露光後にトナー飛散が生じる場合の説明
図である。
【図5】転写電流と感光体の転写材非通過領域表面の電
位低下量との関係を示す説明図である。
【図6】転写材の材質の相違による感光体の転写材非通
過領域表面の電圧低下量の関係を示す説明図である。
【図7】(a)は、転写前露光強度を一定として転写す
る場合の各転写材の感光体表面電位状態等の説明図であ
り、(b)は、本実施形態に係る転写前露光強度補正を
行った場合の各転写材の感光体表面電位状態等の説明図
である。
【図8】第1の実施形態に係る転写条件を転写材通過領
域(a)と転写材非通過領域(b)毎に示す説明図であ
る。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置を
示す制御ブロック図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る転写条件を転
写材通過領域(a)と転写材非通過領域(b)毎に示す
説明図である。
【図11】転写材の斥量(紙厚)と感光体の転写材非通
過領域表面の電位低下量との関係をグラフ(a)と表
(b)で示す説明図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る転写条件を転
写材通過領域(a)と転写材非通過領域(b)毎に示す
説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置
の制御ブロック図である。
【図14】転写材の幅と感光体の表面の電位低下量との
関係をグラフ(a)と表(b)で示す説明図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る転写条件を転
写材通過領域(a)と転写材非通過領域(b)毎に示す
説明図である。
【図16】転写前露光時にトナーの飛び移り現象が起き
るメカニズムについての説明図である。
【符号の説明】
1 感光体(像坦持体) 1a 転写材通過領域 1b 転写材非通過領域 4 現像装置 5 転写前露光器 6 接触式転写器 10 転写材 22 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 庄一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 竹ノ内 幸一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 崎田 裕史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森國 修市 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H027 DA02 DA07 DC02 DC10 DE02 DE07 DE09 EA07 EA08 EA10 EC06 EC11 ED15 EE07 EF09 FA05 FB07 2H200 FA03 GA03 GA04 GA06 GA10 GA23 GA30 GA34 GA44 GA66 GA69 GB02 GB12 GB25 HA03 HB12 HB22 JA02 PA06 PA22 PA26 PB04 PB25 PB39

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上に形成した静電潜像を現像剤
    により反転現像して得られる現像材像を転写材上へ転写
    する前に該像担持体を転写前露光する転写前露光手段を
    備えた画像形成装置において、 前記転写前露光手段は、前記像担持体上における前記転
    写材が通過する転写材領域と、該転写材が通過しない非
    転写材領域とを、異なる照射光量で転写前露光すること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 定電流制御された接触転写部材を用い
    て、前記像担持体上に形成した現像材像を転写材上に転
    写する転写手段を有し、 前記転写前露光手段による前記非転写材領域への照射光
    量は、 第1の転写材を使用する場合には、第1の照射光量であ
    り、 前記第1の転写材と材質または電気抵抗値を異にする第
    2の転写材を使用する場合には、前記第1の照射光量と
    異なる第2の照射光量であることを特徴とする請求項1
    記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 像担持体上に形成した静電潜像を現像剤
    により反転現像して得られる現像材像を転写材上へ転写
    する前に該像担持体を転写前露光する転写前露光手段を
    備えた画像形成装置において、 定電流制御された接触転写部材を用いて、前記像担持体
    上に形成した現像材像を転写材上に転写する転写手段を
    有し、 前記転写前露光手段による前記像担持体上の前記転写材
    が通過しない非転写材領域への照射光量は、 第1の転写材を使用する場合には第1の照射光量であ
    り、 前記第1の転写材と材質または電気抵抗値を異にする第
    2の転写材を使用する場合には、前記第1の照射光量と
    異なる第2の照射光量であることを特徴とする画像形成
    装置。
  4. 【請求項4】 前記転写手段の転写電流量が、前記転写
    材の材質または電気抵抗値の変化に基づいて変化するこ
    とを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装
    置。
  5. 【請求項5】 前記転写前露光手段による前記非転写材
    領域への照射光量は、前記第2の転写材の電気抵抗値が
    前記第1の転写材よりも大きい場合には、前記第2の照
    射光量は前記第1の照射光量より多いことを特徴とする
    請求項2乃至4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記転写前露光手段による前記非転写材
    領域への照射光量を、転写材の厚みに基づいて補正する
    ことを特徴とする請求項1乃至5に記載の画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 前記転写前露光手段による前記非転写材
    領域への照射光量を、転写材の像担持体の長手方向に関
    する幅または転写材の大きさに基づいて補正することを
    特徴とする請求項1乃至6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記転写前露光手段による非転写材領域
    への照射光量が、転写材の厚みが厚い程、増加すること
    を特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記転写前露光手段による非転写材領域
    への照射光量が、転写材の像担持体の長手方向に関する
    幅または転写材の大きさが大きい程、増加することを特
    徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記転写前露光後の前記非転写材領域
    の帯電電位の絶対値を、前記転写前露光後の転写材領域
    の帯電電位の絶対値以下とすることを特徴とする請求項
    1乃至9に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 像担持体上に形成した静電潜像を現像
    剤により反転現像して得られる現像材像を転写材上へ転
    写する転写工程の前に該像担持体を露光する転写前露光
    工程を有する画像形成方法において、 前記転写工程では、定電流制御された接触転写部材を用
    いて前記像担持体上に形成した現像材像を転写材上に転
    写し、 前記転写前露光工程では、前記像担持体上の前記転写材
    が通過しない非転写材領域への照射光量を、 第1の転写材を使用する場合には、第1の照射光量と
    し、 前記第1の転写材と材質または電気抵抗値を異にする第
    2の転写材を使用する場合には、前記第1の照射光量と
    異なる第2の照射光量とすることを特徴とする画像形成
    方法。
  12. 【請求項12】 前記転写工程では、前記転写材の材質
    または電気抵抗値の変化に基づいて転写電流量を変化さ
    せることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方
    法。
  13. 【請求項13】 前記転写前露光工程では、前記非転写
    材領域への照射光量を、前記第2の転写材の電気抵抗値
    が前記第1の転写材よりも大きい場合には、前記第2の
    照射光量を前記第1の照射光量より多くすることを特徴
    とする請求項11又は12に記載の画像形成方法。
  14. 【請求項14】 前記転写前露光工程後の非転写材領域
    の帯電電位の絶対値を、該転写前露光工程後の転写材領
    域の帯電電位の絶対値以下とすることを特徴とする請求
    項11乃至13に記載の画像形成方法。
JP2002059173A 2002-03-05 2002-03-05 画像形成装置および画像形成方法 Pending JP2003255770A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006259235A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2016071298A (ja) * 2014-10-01 2016-05-09 キヤノン株式会社 画像形成装置

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