JP2003254335A - 転動装置 - Google Patents
転動装置Info
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- JP2003254335A JP2003254335A JP2002060979A JP2002060979A JP2003254335A JP 2003254335 A JP2003254335 A JP 2003254335A JP 2002060979 A JP2002060979 A JP 2002060979A JP 2002060979 A JP2002060979 A JP 2002060979A JP 2003254335 A JP2003254335 A JP 2003254335A
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- rolling
- oil
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐摩耗性及び耐食性に優れ、無潤滑下や枯渇
潤滑下においても好適に使用可能な転動装置を提供す
る。 【解決手段】 外輪1と、内輪2と、両輪1,2の間に
転動自在に配設された複数の転動体3と、で構成された
転がり軸受において、転動体3を、固体潤滑性成分であ
る酸化モリブデンと油吸着性成分である酸化鉄とを含有
する窒化ケイ素で構成した。
潤滑下においても好適に使用可能な転動装置を提供す
る。 【解決手段】 外輪1と、内輪2と、両輪1,2の間に
転動自在に配設された複数の転動体3と、で構成された
転がり軸受において、転動体3を、固体潤滑性成分であ
る酸化モリブデンと油吸着性成分である酸化鉄とを含有
する窒化ケイ素で構成した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた耐摩耗性と
耐食性を有する転動装置に係り、特に、潤滑油,グリー
ス等の潤滑剤が枯渇するような条件下(高速又は高荷
重,低速)や、無潤滑下で好適に使用可能な転動装置に
関する。
耐食性を有する転動装置に係り、特に、潤滑油,グリー
ス等の潤滑剤が枯渇するような条件下(高速又は高荷
重,低速)や、無潤滑下で好適に使用可能な転動装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受,リニアガイド装置,ボール
ねじ等の転動装置においては、接触する2面間で微小す
べりが生じるため、無潤滑下又は枯渇潤滑下では摩耗が
生じて、比較的短期間で寿命に至る場合がある。また、
摩耗がたびたび生じるため、接触表面が原因となって破
壊する場合がある。したがって、転動装置の接触表面
は、硬くて負荷に耐え、転がり疲労寿命やすべりに対す
る耐摩耗性が良好である材料で構成されている必要があ
る。
ねじ等の転動装置においては、接触する2面間で微小す
べりが生じるため、無潤滑下又は枯渇潤滑下では摩耗が
生じて、比較的短期間で寿命に至る場合がある。また、
摩耗がたびたび生じるため、接触表面が原因となって破
壊する場合がある。したがって、転動装置の接触表面
は、硬くて負荷に耐え、転がり疲労寿命やすべりに対す
る耐摩耗性が良好である材料で構成されている必要があ
る。
【0003】従来、転動装置の材料としては鋼材(例え
ば、軸受鋼ではSUJ2、肌焼鋼ではSCR420、ス
テンレス鋼ではSUS440C等があげられる)が使用
されており、これらは焼入れ又は浸炭及び窒化処理が施
されているので、優れた転がり疲労寿命と転動装置に必
要なHRC58以上の硬度とを有している。しかしなが
ら、転動装置の使用環境は近年ますます過酷化してお
り、上記のような従来の材料を用いた転動装置では、例
えば無潤滑下及び枯渇潤滑下においては満足な耐久性が
得られない場合がある。そこで、近年においては、無潤
滑下又は枯渇潤滑下での使用にも耐えうるセラミックス
材料が、転動装置の材料として適用されるようになって
きている。
ば、軸受鋼ではSUJ2、肌焼鋼ではSCR420、ス
テンレス鋼ではSUS440C等があげられる)が使用
されており、これらは焼入れ又は浸炭及び窒化処理が施
されているので、優れた転がり疲労寿命と転動装置に必
要なHRC58以上の硬度とを有している。しかしなが
ら、転動装置の使用環境は近年ますます過酷化してお
り、上記のような従来の材料を用いた転動装置では、例
えば無潤滑下及び枯渇潤滑下においては満足な耐久性が
得られない場合がある。そこで、近年においては、無潤
滑下又は枯渇潤滑下での使用にも耐えうるセラミックス
材料が、転動装置の材料として適用されるようになって
きている。
【0004】窒化ケイ素,炭化ケイ素,ジルコニア,サ
イアロン等のセラミックスは、耐食性,耐摩耗性に優れ
た特性を有しているので、従来の転動装置用材料では考
えられないような過酷な環境下でも使用可能である。
イアロン等のセラミックスは、耐食性,耐摩耗性に優れ
た特性を有しているので、従来の転動装置用材料では考
えられないような過酷な環境下でも使用可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなセラミックスは、無潤滑下では摩擦係数μが大き
い(0.3〜0.5)。また、潤滑油との濡れ性が金属
よりも劣っているため、潤滑下では油膜が保持されにく
く潤滑油が枯渇しやすい。そのため、可動子,支持体と
転動体との間に摩耗が生じて、転動装置の運転時に振動
やトルクが大きくなる場合があるという問題があった。
ようなセラミックスは、無潤滑下では摩擦係数μが大き
い(0.3〜0.5)。また、潤滑油との濡れ性が金属
よりも劣っているため、潤滑下では油膜が保持されにく
く潤滑油が枯渇しやすい。そのため、可動子,支持体と
転動体との間に摩耗が生じて、転動装置の運転時に振動
やトルクが大きくなる場合があるという問題があった。
【0006】そこで、本発明は、上記のような従来の転
動装置が有する問題点を解決し、耐摩耗性及び耐食性に
優れ、無潤滑下や枯渇潤滑下においても好適に使用可能
な転動装置を提供することを課題とする。
動装置が有する問題点を解決し、耐摩耗性及び耐食性に
優れ、無潤滑下や枯渇潤滑下においても好適に使用可能
な転動装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明に係る転動装置は、回転運動可能又は直線運動可能な
可動子と、該可動子を回転運動可能又は直線運動可能に
支持する支持体と、前記可動子と前記支持体との間に介
在し前記可動子の運動に伴って転動する複数の転動体
と、を備える転動装置において、前記可動子,前記支持
体,及び前記転動体のうち少なくとも前記転動体を、固
体潤滑性を有する相及び油吸着性を有する相の少なくと
も一方を含有するセラミックスで構成したことを特徴と
する。
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明に係る転動装置は、回転運動可能又は直線運動可能な
可動子と、該可動子を回転運動可能又は直線運動可能に
支持する支持体と、前記可動子と前記支持体との間に介
在し前記可動子の運動に伴って転動する複数の転動体
と、を備える転動装置において、前記可動子,前記支持
体,及び前記転動体のうち少なくとも前記転動体を、固
体潤滑性を有する相及び油吸着性を有する相の少なくと
も一方を含有するセラミックスで構成したことを特徴と
する。
【0008】固体潤滑性を有する相としては、例えば、
固体潤滑性を有する金属酸化物があげられ、油吸着性を
有する相としては、例えば、油吸着性を有する金属酸化
物及び金属ケイ化物の少なくとも一方があげられる。固
体潤滑性を有する相を含有するセラミックスを使用すれ
ば、無潤滑下又は枯渇潤滑下においても可動子,支持体
と転動体との間に生じる摩耗が低減され、転動装置の運
転時に振動やトルクが大きくなることが抑制される。
固体潤滑性を有する金属酸化物があげられ、油吸着性を
有する相としては、例えば、油吸着性を有する金属酸化
物及び金属ケイ化物の少なくとも一方があげられる。固
体潤滑性を有する相を含有するセラミックスを使用すれ
ば、無潤滑下又は枯渇潤滑下においても可動子,支持体
と転動体との間に生じる摩耗が低減され、転動装置の運
転時に振動やトルクが大きくなることが抑制される。
【0009】また、油吸着性を有する相を含有するセラ
ミックスを使用すれば、該セラミックスが油を吸着しや
すいため、高速又は高荷重,低速のような油膜が形成さ
れにくい条件下においても、油が枯渇しにくい。よっ
て、摩耗や焼付きが低減されて、転動装置の運転時に振
動やトルクが大きくなることが抑制される。なお、前記
セラミックスは、その曲げ強度が750MPa以上であ
ることが好ましい。曲げ強度が750MPa以上であれ
ば、上記効果がより一層奏されることとなる。
ミックスを使用すれば、該セラミックスが油を吸着しや
すいため、高速又は高荷重,低速のような油膜が形成さ
れにくい条件下においても、油が枯渇しにくい。よっ
て、摩耗や焼付きが低減されて、転動装置の運転時に振
動やトルクが大きくなることが抑制される。なお、前記
セラミックスは、その曲げ強度が750MPa以上であ
ることが好ましい。曲げ強度が750MPa以上であれ
ば、上記効果がより一層奏されることとなる。
【0010】また、転動体の表面粗さRaは0.005
〜0.04μmであることが好ましい。そうすれば、可
動子,支持体と転動体との接触表面で十分な油膜が形成
されやすいため、転動装置が長寿命となる。表面粗さR
aが0.04μm超過であると、寿命が急激に低下する
場合がある。一方、表面粗さRaを0.005μm未満
としても、転動装置の長寿命化はそれ以上は期待でき
ず、むしろ高コストとなる。
〜0.04μmであることが好ましい。そうすれば、可
動子,支持体と転動体との接触表面で十分な油膜が形成
されやすいため、転動装置が長寿命となる。表面粗さR
aが0.04μm超過であると、寿命が急激に低下する
場合がある。一方、表面粗さRaを0.005μm未満
としても、転動装置の長寿命化はそれ以上は期待でき
ず、むしろ高コストとなる。
【0011】さらに、セラミックス中の固体潤滑性を有
する相の含有量は1〜45質量%であり、且つ固体潤滑
性を有する相の粒子の大きさは50μm以下であること
が好ましい。そうすれば、無潤滑下又は枯渇潤滑下にお
いても、可動子,支持体と転動体との間に生じる摩耗が
低減され、転動装置の運転時に振動やトルクが大きくな
ることが抑制される。
する相の含有量は1〜45質量%であり、且つ固体潤滑
性を有する相の粒子の大きさは50μm以下であること
が好ましい。そうすれば、無潤滑下又は枯渇潤滑下にお
いても、可動子,支持体と転動体との間に生じる摩耗が
低減され、転動装置の運転時に振動やトルクが大きくな
ることが抑制される。
【0012】固体潤滑性を有する相の含有量が1質量%
未満であると、無潤滑下又は枯渇潤滑下において、可動
子,支持体の表面と転動体の表面との間の摩擦係数が
0.3以上と非常に大きくなり、可動子,支持体と転動
体との間に摩耗が生じて、転動装置の運転時に振動やト
ルクが大きくなる場合がある。一方、45質量%超過で
あると、可動子,支持体と転動体との間に比較的高い接
触応力が繰り返し負荷された場合に、転動体の表面及び
転走面に微小なクラックが生じ、寿命や音響特性が低下
する場合がある。
未満であると、無潤滑下又は枯渇潤滑下において、可動
子,支持体の表面と転動体の表面との間の摩擦係数が
0.3以上と非常に大きくなり、可動子,支持体と転動
体との間に摩耗が生じて、転動装置の運転時に振動やト
ルクが大きくなる場合がある。一方、45質量%超過で
あると、可動子,支持体と転動体との間に比較的高い接
触応力が繰り返し負荷された場合に、転動体の表面及び
転走面に微小なクラックが生じ、寿命や音響特性が低下
する場合がある。
【0013】ただし、セラミックス中の固体潤滑性を有
する相の含有量は、20〜42質量%であることがより
好ましい。そうすれば、可動子,支持体と転動体とが接
触する楕円面積中の固体潤滑性を有する相の量が増え、
靱性の低下が防げるので、摩耗と微細なクラックの発生
をより効果的に抑制することができる。また、固体潤滑
性を有する相の粒子の大きさが50μm以下であると、
応力が集中しにくくクラックが生じにくいため、表面部
分に存在する該粒子が離脱しにくい。このような効果を
より十分に得るためには、固体潤滑性を有する相の粒子
の大きさは20μm以下であることがより好ましい。
する相の含有量は、20〜42質量%であることがより
好ましい。そうすれば、可動子,支持体と転動体とが接
触する楕円面積中の固体潤滑性を有する相の量が増え、
靱性の低下が防げるので、摩耗と微細なクラックの発生
をより効果的に抑制することができる。また、固体潤滑
性を有する相の粒子の大きさが50μm以下であると、
応力が集中しにくくクラックが生じにくいため、表面部
分に存在する該粒子が離脱しにくい。このような効果を
より十分に得るためには、固体潤滑性を有する相の粒子
の大きさは20μm以下であることがより好ましい。
【0014】さらにまた、セラミックス中における油吸
着性を有する相の含有量は1〜23質量%であり、且つ
油吸着性を有する相の粒子の大きさは50μm以下であ
ることが好ましい。そうすれば、高速又は高荷重,低速
のような油膜が形成されにくい条件下においても、油が
吸着されやすいので油が枯渇しにくい。よって、摩耗や
焼付きが低減されて、転動装置の運転時に振動やトルク
が大きくなることが抑制される。
着性を有する相の含有量は1〜23質量%であり、且つ
油吸着性を有する相の粒子の大きさは50μm以下であ
ることが好ましい。そうすれば、高速又は高荷重,低速
のような油膜が形成されにくい条件下においても、油が
吸着されやすいので油が枯渇しにくい。よって、摩耗や
焼付きが低減されて、転動装置の運転時に振動やトルク
が大きくなることが抑制される。
【0015】油吸着性を有する相の含有量が1質量%未
満であると、高速又は高荷重,低速のような油膜が形成
されにくい条件下において油が吸着されにくくなり、油
が枯渇しやすい。よって、摩耗や焼付きが生じやすく、
転動装置の運転時に振動やトルクが大きくなりやすい。
一方、23質量%超過であると、可動子,支持体と転動
体との間に比較的高い接触応力が繰り返し負荷された場
合に、転動体の表面及び転走面に微小なクラックが生
じ、寿命や音響特性が低下する場合がある。
満であると、高速又は高荷重,低速のような油膜が形成
されにくい条件下において油が吸着されにくくなり、油
が枯渇しやすい。よって、摩耗や焼付きが生じやすく、
転動装置の運転時に振動やトルクが大きくなりやすい。
一方、23質量%超過であると、可動子,支持体と転動
体との間に比較的高い接触応力が繰り返し負荷された場
合に、転動体の表面及び転走面に微小なクラックが生
じ、寿命や音響特性が低下する場合がある。
【0016】ただし、セラミックス中における油吸着性
を有する相の含有量は、10〜21質量%であることが
より好ましい。そうすれば、可動子,支持体と転動体と
が接触する楕円面積中の油吸着性を有する相の量が増
え、靱性の低下が防げるので、摩耗と微細なクラックの
発生をより効果的に抑制することができる。また、油吸
着性を有する相の粒子の大きさが50μm以下である
と、応力が集中しにくくクラックが生じにくいため、表
面部分に存在する該粒子が離脱しにくい。このような効
果をより十分に得るためには、油吸着性を有する相の粒
子の大きさは20μm以下であることがより好ましい。
を有する相の含有量は、10〜21質量%であることが
より好ましい。そうすれば、可動子,支持体と転動体と
が接触する楕円面積中の油吸着性を有する相の量が増
え、靱性の低下が防げるので、摩耗と微細なクラックの
発生をより効果的に抑制することができる。また、油吸
着性を有する相の粒子の大きさが50μm以下である
と、応力が集中しにくくクラックが生じにくいため、表
面部分に存在する該粒子が離脱しにくい。このような効
果をより十分に得るためには、油吸着性を有する相の粒
子の大きさは20μm以下であることがより好ましい。
【0017】固体潤滑性を有する相の粒子や油吸着性を
有する相の粒子の大きさは、離脱しにくさの点からは小
さいほど良好であるが、コストや製造の容易さ等も考慮
して決定される。なお、本発明の転動装置としては、転
がり軸受,リニアガイド装置,ボールねじ,直動ベアリ
ング等があげられる。転動装置が転がり軸受の場合は、
回転輪が可動子に相当し、固定輪が支持体に相当する。
また、転動装置がリニアガイド装置の場合は、スライダ
が可動子に相当し、案内レールが支持体に相当する。ま
た、転動装置がボールねじの場合は、ナットが可動子に
相当し、ねじ軸が支持体に相当する。そして、転動装置
が直動ベアリングの場合は、外筒が可動子に相当し、軸
が支持体に相当する。
有する相の粒子の大きさは、離脱しにくさの点からは小
さいほど良好であるが、コストや製造の容易さ等も考慮
して決定される。なお、本発明の転動装置としては、転
がり軸受,リニアガイド装置,ボールねじ,直動ベアリ
ング等があげられる。転動装置が転がり軸受の場合は、
回転輪が可動子に相当し、固定輪が支持体に相当する。
また、転動装置がリニアガイド装置の場合は、スライダ
が可動子に相当し、案内レールが支持体に相当する。ま
た、転動装置がボールねじの場合は、ナットが可動子に
相当し、ねじ軸が支持体に相当する。そして、転動装置
が直動ベアリングの場合は、外筒が可動子に相当し、軸
が支持体に相当する。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る転動装置の実施の形
態を、図面等を参照しながら以下に詳細に説明する。ま
ず、本発明の転動装置の材料として用いるセラミックス
の製造方法について、その一例を説明する。
態を、図面等を参照しながら以下に詳細に説明する。ま
ず、本発明の転動装置の材料として用いるセラミックス
の製造方法について、その一例を説明する。
【0019】固体潤滑性を有する金属である高融点のモ
リブデンと、Fe3 O4 ,FeSi等の油吸着性を有す
る金属酸化物及び金属ケイ化物と、Al2 O3 ,Y2 O
3 等の焼結助剤と、を窒化ケイ素粉末に配合し、この配
合粉末を焼成することにより所定形状の部品を製造し
た。なお、モリブデンと油吸着性を有する金属酸化物及
び金属ケイ化物とは、粒径50μm以下のものを用い
た。また、母相であるセラミックスは窒化ケイ素に限定
されるものではなく、炭化ケイ素,ジルコニア,サイア
ロン等も問題なく使用可能である。
リブデンと、Fe3 O4 ,FeSi等の油吸着性を有す
る金属酸化物及び金属ケイ化物と、Al2 O3 ,Y2 O
3 等の焼結助剤と、を窒化ケイ素粉末に配合し、この配
合粉末を焼成することにより所定形状の部品を製造し
た。なお、モリブデンと油吸着性を有する金属酸化物及
び金属ケイ化物とは、粒径50μm以下のものを用い
た。また、母相であるセラミックスは窒化ケイ素に限定
されるものではなく、炭化ケイ素,ジルコニア,サイア
ロン等も問題なく使用可能である。
【0020】次に、この部品を大気中で600℃に保持
して、表面近傍に存在するモリブデンのみを選択的に酸
化させた(このとき、母相を構成する窒化ケイ素は酸化
されない)。このようにして生成した酸化モリブデン
(MoO3 )は、固体潤滑性を有している。なお、この
部品を高温雰囲気下で使用した場合には、摩耗により新
生面が露出しても該新生面は酸素と反応し、新たな固体
潤滑性を有する相が表面に形成される。つまり、部品の
表面のモリブデンは常に選択的に酸化され酸化モリブデ
ンとなって、固体潤滑性を発現する。
して、表面近傍に存在するモリブデンのみを選択的に酸
化させた(このとき、母相を構成する窒化ケイ素は酸化
されない)。このようにして生成した酸化モリブデン
(MoO3 )は、固体潤滑性を有している。なお、この
部品を高温雰囲気下で使用した場合には、摩耗により新
生面が露出しても該新生面は酸素と反応し、新たな固体
潤滑性を有する相が表面に形成される。つまり、部品の
表面のモリブデンは常に選択的に酸化され酸化モリブデ
ンとなって、固体潤滑性を発現する。
【0021】また、モリブデンの代わりに酸化モリブデ
ンをはじめに配合すれば、上記のような酸化は行わなく
てもよい。また、常温雰囲気下で使用して摩耗により新
生面が露出した場合でも、酸化モリブデンが表面に露出
するので、常に固体潤滑性が維持される。 〔焼付き性の評価〕本発明の転動装置の材料として用い
るセラミックスにおける油吸着性を有する相の効果を調
査するため、四球式摩耗試験により前記セラミックスの
摺動特性(焼付き性)を評価した。試験材としては、表
1に示すような原料(母相となるセラミックス,固体潤
滑性成分,及び油吸着性成分)を混合し焼成により製造
したセラミックス球を用いた。
ンをはじめに配合すれば、上記のような酸化は行わなく
てもよい。また、常温雰囲気下で使用して摩耗により新
生面が露出した場合でも、酸化モリブデンが表面に露出
するので、常に固体潤滑性が維持される。 〔焼付き性の評価〕本発明の転動装置の材料として用い
るセラミックスにおける油吸着性を有する相の効果を調
査するため、四球式摩耗試験により前記セラミックスの
摺動特性(焼付き性)を評価した。試験材としては、表
1に示すような原料(母相となるセラミックス,固体潤
滑性成分,及び油吸着性成分)を混合し焼成により製造
したセラミックス球を用いた。
【0022】
【表1】
【0023】まず、四球式摩耗試験の方法について説明
する。3個の球を相互に接するように正三角形状に配置
して試料容器内に固定し、これら3個の固定球の中心に
形成された凹部に1個の試験球を載置した。この試験球
に回転を与えると同時に、下方から荷重を負荷した。そ
して、この荷重を段階的に大きくしていき、トルクが上
昇して回転が止まった時点の荷重(焼付き荷重)によっ
て焼付き性を評価した。各荷重での保持時間は30分程
度とした。
する。3個の球を相互に接するように正三角形状に配置
して試料容器内に固定し、これら3個の固定球の中心に
形成された凹部に1個の試験球を載置した。この試験球
に回転を与えると同時に、下方から荷重を負荷した。そ
して、この荷重を段階的に大きくしていき、トルクが上
昇して回転が止まった時点の荷重(焼付き荷重)によっ
て焼付き性を評価した。各荷重での保持時間は30分程
度とした。
【0024】なお、該摩耗試験は、炭化水素系潤滑油
(日石三菱株式会社製スーパーマルパス、粘度2)中で
行った。また、試験条件は、回転速度が5000min
-1で、温度が室温である。さらに、試験球の直径は3/
8インチであり、試験球及び固定球は同種の素材で構成
した。試験結果を表1に併せて示す。なお、表1の焼付
き性の数値は、比較例1の焼付き荷重を1とした場合の
相対値で示してある。また、試験球の表面平均粗さを表
1に併せて示した。
(日石三菱株式会社製スーパーマルパス、粘度2)中で
行った。また、試験条件は、回転速度が5000min
-1で、温度が室温である。さらに、試験球の直径は3/
8インチであり、試験球及び固定球は同種の素材で構成
した。試験結果を表1に併せて示す。なお、表1の焼付
き性の数値は、比較例1の焼付き荷重を1とした場合の
相対値で示してある。また、試験球の表面平均粗さを表
1に併せて示した。
【0025】表1から分かるように、実施例1〜7のセ
ラミックスは、比較例1,2と比べて焼付き性が格段に
優れていた。これは、試験球が固定球に固体接触してい
ないときは、油吸着性成分が潤滑油を吸収することによ
り潤滑特性が向上し、固体接触しているときは、固体潤
滑性成分の潤滑作用により摩擦係数が低減され、摩耗が
抑制されるからである。
ラミックスは、比較例1,2と比べて焼付き性が格段に
優れていた。これは、試験球が固定球に固体接触してい
ないときは、油吸着性成分が潤滑油を吸収することによ
り潤滑特性が向上し、固体接触しているときは、固体潤
滑性成分の潤滑作用により摩擦係数が低減され、摩耗が
抑制されるからである。
【0026】〔耐久性の評価〕本発明の転動装置の材料
として用いるセラミックスにおける固体潤滑性を有する
相の効果を調査するため、回転試験により前記セラミッ
クスの耐久性を評価した。試験材としては、表2に示す
ような原料(母相となるセラミックス,固体潤滑性成
分,及び油吸着性成分)を混合し焼成により製造したセ
ラミックス球を転動体とする転がり軸受を用いた。
として用いるセラミックスにおける固体潤滑性を有する
相の効果を調査するため、回転試験により前記セラミッ
クスの耐久性を評価した。試験材としては、表2に示す
ような原料(母相となるセラミックス,固体潤滑性成
分,及び油吸着性成分)を混合し焼成により製造したセ
ラミックス球を転動体とする転がり軸受を用いた。
【0027】
【表2】
【0028】まず、回転試験に用いた転がり軸受の構成
について、図1を参照しながら説明する。この転がり軸
受(呼び番号6000相当、外径26mm、内径10m
m、幅8mm)は、外輪1と、内輪2と、両輪1,2の
間に転動自在に配設された複数の転動体3と、転動体3
を両輪1,2の間に保持する保持器4と、で構成されて
いる。
について、図1を参照しながら説明する。この転がり軸
受(呼び番号6000相当、外径26mm、内径10m
m、幅8mm)は、外輪1と、内輪2と、両輪1,2の
間に転動自在に配設された複数の転動体3と、転動体3
を両輪1,2の間に保持する保持器4と、で構成されて
いる。
【0029】ここで、両輪1,2はSUS440Cで構
成されており、保持器4は冠形保持器で、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂(PVDF)をチタン酸カリウム繊維(含
有量は20質量%)で強化した組成物で構成されてい
る。なお、冠形保持器ではなく揉み抜き保持器を用いて
もよい。揉み抜き保持器を用いた場合は、軸受の組立性
から考えて深溝軸受よりもアンギュラ軸受とする方が好
ましい。
成されており、保持器4は冠形保持器で、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂(PVDF)をチタン酸カリウム繊維(含
有量は20質量%)で強化した組成物で構成されてい
る。なお、冠形保持器ではなく揉み抜き保持器を用いて
もよい。揉み抜き保持器を用いた場合は、軸受の組立性
から考えて深溝軸受よりもアンギュラ軸受とする方が好
ましい。
【0030】次に、回転試験の方法について説明する。
回転試験は、図2に示すような日本精工株式会社製の軸
受回転試験機を用い、この軸受回転試験機に転がり軸受
12を取り付けて、潤滑下及び無潤滑下において行っ
た。なお、図2中、符号10は回転軸を示し、図示しな
いモータによって回転される。また、玉軸受11は、こ
の回転軸10を支持するための支持軸受である。さら
に、試験軸受12は回転軸10によって内輪回転で回転
され、図示しない外部の負荷装置によって試験荷重がラ
ジアル方向に負荷される。
回転試験は、図2に示すような日本精工株式会社製の軸
受回転試験機を用い、この軸受回転試験機に転がり軸受
12を取り付けて、潤滑下及び無潤滑下において行っ
た。なお、図2中、符号10は回転軸を示し、図示しな
いモータによって回転される。また、玉軸受11は、こ
の回転軸10を支持するための支持軸受である。さら
に、試験軸受12は回転軸10によって内輪回転で回転
され、図示しない外部の負荷装置によって試験荷重がラ
ジアル方向に負荷される。
【0031】以下に、試験条件を記す。潤滑下の場合
は、ラジアル荷重196N、回転速度300min-1、
雰囲気温度常温の条件下、容器13に満たした潤滑油1
4(日石三菱株式会社製スーパーマルパス、粘度2)に
試験軸受12を浸漬した状態で、回転試験を行った。無
潤滑下の場合は、ラジアル荷重49N、回転速度300
min-1、雰囲気温度常温の条件下、潤滑油14は使用
せずに回転試験を行った。
は、ラジアル荷重196N、回転速度300min-1、
雰囲気温度常温の条件下、容器13に満たした潤滑油1
4(日石三菱株式会社製スーパーマルパス、粘度2)に
試験軸受12を浸漬した状態で、回転試験を行った。無
潤滑下の場合は、ラジアル荷重49N、回転速度300
min-1、雰囲気温度常温の条件下、潤滑油14は使用
せずに回転試験を行った。
【0032】そして、回転時の試験軸受12の振動を測
定し、振動値が初期値の2倍に上昇した時点を転がり軸
受の回転寿命とした。無潤滑下における回転試験の結果
を表2にまとめて示す。なお、各実施例及び比較例にお
ける転がり軸受の耐久性(回転寿命)は、比較例3の耐
久性を1とした場合の相対値で示してある。また、転動
体3の表面平均粗さ及び転動体3を構成するセラミック
スの曲げ強度を、表2に併せて示した。
定し、振動値が初期値の2倍に上昇した時点を転がり軸
受の回転寿命とした。無潤滑下における回転試験の結果
を表2にまとめて示す。なお、各実施例及び比較例にお
ける転がり軸受の耐久性(回転寿命)は、比較例3の耐
久性を1とした場合の相対値で示してある。また、転動
体3の表面平均粗さ及び転動体3を構成するセラミック
スの曲げ強度を、表2に併せて示した。
【0033】表2から分かるように、実施例8〜12の
軸受は、比較例3,4と比べて耐久性が格段に優れてい
た。これは、固体潤滑性成分の潤滑作用により摩擦係数
が低減され、摩耗が抑制されるからである。次に、上記
と同様に潤滑下において転がり軸受の回転試験をした際
の、転動体を構成するセラミックス中の油吸着性成分で
ある酸化鉄(Fe3 O4 )の含有量と軸受の耐久性との
相関性を調査した。なお、転動体の表面粗さRaは、
0.01μmで一定とした。また、内輪及び外輪はSU
S440Cで構成し、転動体を構成するセラミックスの
母相は窒化ケイ素とした。
軸受は、比較例3,4と比べて耐久性が格段に優れてい
た。これは、固体潤滑性成分の潤滑作用により摩擦係数
が低減され、摩耗が抑制されるからである。次に、上記
と同様に潤滑下において転がり軸受の回転試験をした際
の、転動体を構成するセラミックス中の油吸着性成分で
ある酸化鉄(Fe3 O4 )の含有量と軸受の耐久性との
相関性を調査した。なお、転動体の表面粗さRaは、
0.01μmで一定とした。また、内輪及び外輪はSU
S440Cで構成し、転動体を構成するセラミックスの
母相は窒化ケイ素とした。
【0034】結果を図3のグラフに示す。グラフ上のプ
ロットは、比較例1のセラミックスで構成された転動体
を備える転がり軸受の耐久性を1とした場合の相対値で
示してある。図3のグラフから分かるように、酸化鉄の
含有量が1〜23質量%の場合に、非常に優れた耐久性
を示した。次に、上記と同様に無潤滑下において転がり
軸受の回転試験をした際の、転動体を構成するセラミッ
クス中の固体潤滑性成分である酸化モリブデン(MoO
3)の含有量と軸受の耐久性との相関性を調査した。な
お、転動体の表面粗さRaは、0.01μmで一定とし
た。また、内輪及び外輪はSUS440Cで構成し、転
動体を構成するセラミックスの母相は窒化ケイ素とし
た。
ロットは、比較例1のセラミックスで構成された転動体
を備える転がり軸受の耐久性を1とした場合の相対値で
示してある。図3のグラフから分かるように、酸化鉄の
含有量が1〜23質量%の場合に、非常に優れた耐久性
を示した。次に、上記と同様に無潤滑下において転がり
軸受の回転試験をした際の、転動体を構成するセラミッ
クス中の固体潤滑性成分である酸化モリブデン(MoO
3)の含有量と軸受の耐久性との相関性を調査した。な
お、転動体の表面粗さRaは、0.01μmで一定とし
た。また、内輪及び外輪はSUS440Cで構成し、転
動体を構成するセラミックスの母相は窒化ケイ素とし
た。
【0035】結果を図4のグラフに示す。グラフ上のプ
ロットは、比較例3の転がり軸受の耐久性を1とした場
合の相対値で示してある。図4のグラフから分かるよう
に、酸化モリブデンの含有量が1〜45質量%の場合
に、良好な耐久性を示した。次に、上記と同様に無潤滑
下において転がり軸受の回転試験をした際の、固体潤滑
性成分を含有するセラミックスの曲げ強度と軸受の耐久
性との相関性を調査した。なお、内輪及び外輪はSUS
440Cで構成し、転動体を構成するセラミックスの母
相は窒化ケイ素とした。
ロットは、比較例3の転がり軸受の耐久性を1とした場
合の相対値で示してある。図4のグラフから分かるよう
に、酸化モリブデンの含有量が1〜45質量%の場合
に、良好な耐久性を示した。次に、上記と同様に無潤滑
下において転がり軸受の回転試験をした際の、固体潤滑
性成分を含有するセラミックスの曲げ強度と軸受の耐久
性との相関性を調査した。なお、内輪及び外輪はSUS
440Cで構成し、転動体を構成するセラミックスの母
相は窒化ケイ素とした。
【0036】結果を図5のグラフに示す。グラフ上のプ
ロットは、比較例3の転がり軸受の耐久性を1とした場
合の相対値で示してある。図5のグラフから分かるよう
に、曲げ強度が750MPa以上の場合に、良好な耐久
性を示した。次に、上記と同様に潤滑下において転がり
軸受の回転試験をした際の、油吸着性成分(Fe
3 O4 )を含有するセラミックスで構成された転動体の
表面粗さRaと軸受の耐久性との相関性を調査した。な
お、内輪及び外輪はSUS440Cで構成し、転動体を
構成するセラミックスの母相は窒化ケイ素とした。
ロットは、比較例3の転がり軸受の耐久性を1とした場
合の相対値で示してある。図5のグラフから分かるよう
に、曲げ強度が750MPa以上の場合に、良好な耐久
性を示した。次に、上記と同様に潤滑下において転がり
軸受の回転試験をした際の、油吸着性成分(Fe
3 O4 )を含有するセラミックスで構成された転動体の
表面粗さRaと軸受の耐久性との相関性を調査した。な
お、内輪及び外輪はSUS440Cで構成し、転動体を
構成するセラミックスの母相は窒化ケイ素とした。
【0037】結果を図6のグラフに示す。グラフ上のプ
ロットは、比較例1のセラミックスで構成された転動体
を備える転がり軸受の耐久性を1とした場合の相対値で
示してある。図6のグラフから分かるように、表面粗さ
Raが0.04μm以下の場合に、良好な耐久性を示し
た。ただし、表面粗さRaを0.005μm未満として
も軸受の耐久性はそれほど向上せず、むしろ高コストと
なるので、表面粗さRaは0.005μm以上とするこ
とが好ましい。
ロットは、比較例1のセラミックスで構成された転動体
を備える転がり軸受の耐久性を1とした場合の相対値で
示してある。図6のグラフから分かるように、表面粗さ
Raが0.04μm以下の場合に、良好な耐久性を示し
た。ただし、表面粗さRaを0.005μm未満として
も軸受の耐久性はそれほど向上せず、むしろ高コストと
なるので、表面粗さRaは0.005μm以上とするこ
とが好ましい。
【0038】以上説明したように、本実施形態の転がり
軸受は、上記のような優れた特性を有していることか
ら、潤滑油,グリース等の潤滑剤が枯渇するような条件
下(高速又は高荷重,低速)や、無潤滑下で好適に使用
可能である。特に、セラミックスが油吸着性成分を含有
するものは、潤滑剤の使用量を極力少なくする必要があ
る用途、例えばハードディスクドライブ,半導体製造機
器等に好適である。また、セラミックスが固体潤滑性成
分を含有するものは、無潤滑下や真空中で使用される用
途、例えば各種真空ポンプ,宇宙機器等に好適である。
さらに、潤滑剤が枯渇して焼付きが生じやすいような環
境下で使用される用途には、油吸着性成分と固体潤滑性
成分の両方を含有するセラミックスが好適である。
軸受は、上記のような優れた特性を有していることか
ら、潤滑油,グリース等の潤滑剤が枯渇するような条件
下(高速又は高荷重,低速)や、無潤滑下で好適に使用
可能である。特に、セラミックスが油吸着性成分を含有
するものは、潤滑剤の使用量を極力少なくする必要があ
る用途、例えばハードディスクドライブ,半導体製造機
器等に好適である。また、セラミックスが固体潤滑性成
分を含有するものは、無潤滑下や真空中で使用される用
途、例えば各種真空ポンプ,宇宙機器等に好適である。
さらに、潤滑剤が枯渇して焼付きが生じやすいような環
境下で使用される用途には、油吸着性成分と固体潤滑性
成分の両方を含有するセラミックスが好適である。
【0039】なお、本実施形態は本発明の一例を示した
ものであって、本発明は本実施形態に限定されるもので
はない。例えば、本実施形態においては、転動装置とし
て転がり軸受を例示して説明したが、本発明の転動装置
は、他の様々な種類の転動装置に対して適用することが
できる。例えば、リニアガイド装置,ボールねじ,直動
ベアリング等の他の転動装置にも好適に適用可能であ
る。
ものであって、本発明は本実施形態に限定されるもので
はない。例えば、本実施形態においては、転動装置とし
て転がり軸受を例示して説明したが、本発明の転動装置
は、他の様々な種類の転動装置に対して適用することが
できる。例えば、リニアガイド装置,ボールねじ,直動
ベアリング等の他の転動装置にも好適に適用可能であ
る。
【0040】また、本発明の転動装置のうち転がり軸受
は、様々な種類の転がり軸受に対して適用することがで
きる。例えば、深みぞ玉軸受,アンギュラ玉軸受,円筒
ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心こ
ろ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸
受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受であ
る。
は、様々な種類の転がり軸受に対して適用することがで
きる。例えば、深みぞ玉軸受,アンギュラ玉軸受,円筒
ころ軸受,円すいころ軸受,針状ころ軸受,自動調心こ
ろ軸受等のラジアル形の転がり軸受や、スラスト玉軸
受,スラストころ軸受等のスラスト形の転がり軸受であ
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明の転動装置は、耐
摩耗性及び耐食性に優れ、無潤滑下や枯渇潤滑下におい
ても好適に使用可能である。
摩耗性及び耐食性に優れ、無潤滑下や枯渇潤滑下におい
ても好適に使用可能である。
【図1】本発明の転動装置の一実施形態である転がり軸
受の構造を示す断面図である。
受の構造を示す断面図である。
【図2】軸受回転試験機の構造を示す断面図である。
【図3】転動体を構成するセラミックス中の酸化鉄の含
有量と転がり軸受の耐久性との相関を示すグラフであ
る。
有量と転がり軸受の耐久性との相関を示すグラフであ
る。
【図4】転動体を構成するセラミックス中の酸化モリブ
デンの含有量と転がり軸受の耐久性との相関を示すグラ
フである。
デンの含有量と転がり軸受の耐久性との相関を示すグラ
フである。
【図5】固体潤滑性成分を含有するセラミックスの曲げ
強度と転がり軸受の耐久性との相関を示すグラフであ
る。
強度と転がり軸受の耐久性との相関を示すグラフであ
る。
【図6】油吸着性成分を含有するセラミックスで構成さ
れた転動体の表面粗さRaと転がり軸受の耐久性との相
関を示すグラフである。
れた転動体の表面粗さRaと転がり軸受の耐久性との相
関を示すグラフである。
1 外輪
2 内輪
3 転動体
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 池田 憲文
神奈川県藤沢市鵠沼神明一丁目5番50号
日本精工株式会社内
Fターム(参考) 3J101 AA01 BA01 BA10 BA51 BA70
CA31 EA41 FA32 FA33
Claims (2)
- 【請求項1】 回転運動可能又は直線運動可能な可動子
と、該可動子を回転運動可能又は直線運動可能に支持す
る支持体と、前記可動子と前記支持体との間に介在し前
記可動子の運動に伴って転動する複数の転動体と、を備
える転動装置において、 前記可動子,前記支持体,及び前記転動体のうち少なく
とも前記転動体を、固体潤滑性を有する相及び油吸着性
を有する相の少なくとも一方を含有するセラミックスで
構成したことを特徴とする転動装置。 - 【請求項2】 前記セラミックスの曲げ強度を750M
Pa以上としたことを特徴とする請求項1に記載の転動
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002060979A JP2003254335A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | 転動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002060979A JP2003254335A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | 転動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003254335A true JP2003254335A (ja) | 2003-09-10 |
Family
ID=28670129
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002060979A Pending JP2003254335A (ja) | 2002-03-06 | 2002-03-06 | 転動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003254335A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102007034381A1 (de) | 2007-07-24 | 2009-01-29 | Schaeffler Kg | Wälzlager mit mindestens einem Schmierkörper sowie Verwendung des Wälzlagers |
CN108644227A (zh) * | 2018-05-10 | 2018-10-12 | 海宁科巍轴承科技有限公司 | 一种氧化锆陶瓷轴承球 |
DE102023101922A1 (de) * | 2023-01-26 | 2024-08-01 | Gottfried Wilhelm Leibniz Universität Hannover, Körperschaft des öffentlichen Rechts | Trockenschmierung von Wälzlagern |
-
2002
- 2002-03-06 JP JP2002060979A patent/JP2003254335A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102007034381A1 (de) | 2007-07-24 | 2009-01-29 | Schaeffler Kg | Wälzlager mit mindestens einem Schmierkörper sowie Verwendung des Wälzlagers |
CN108644227A (zh) * | 2018-05-10 | 2018-10-12 | 海宁科巍轴承科技有限公司 | 一种氧化锆陶瓷轴承球 |
DE102023101922A1 (de) * | 2023-01-26 | 2024-08-01 | Gottfried Wilhelm Leibniz Universität Hannover, Körperschaft des öffentlichen Rechts | Trockenschmierung von Wälzlagern |
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