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JP2003252884A - 新規ルテニウム錯体およびこれを触媒として用いるアルコール化合物の製造方法 - Google Patents

新規ルテニウム錯体およびこれを触媒として用いるアルコール化合物の製造方法

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JP2003252884A
JP2003252884A JP2002248058A JP2002248058A JP2003252884A JP 2003252884 A JP2003252884 A JP 2003252884A JP 2002248058 A JP2002248058 A JP 2002248058A JP 2002248058 A JP2002248058 A JP 2002248058A JP 2003252884 A JP2003252884 A JP 2003252884A
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hydrogen
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same
different
bis
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JP2002248058A
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JP3566955B2 (ja
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Kunihiko Tsutsumi
邦彦 堤
Kunihiko Murata
邦彦 村田
Takeshi Ota
岳 太田
Takao Ikariya
隆雄 碇屋
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Kanto Chemical Co Inc
Original Assignee
Kanto Chemical Co Inc
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Publication date
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Priority to DE60218807T priority patent/DE60218807T2/de
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/0006Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table compounds of the platinum group
    • C07F15/0046Ruthenium compounds
    • C07F15/0053Ruthenium compounds without a metal-carbon linkage

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  • Furan Compounds (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 カルボニル化合物の不斉水素化反応における
反応性、エナンチオ選択性などの点で優れた新規ルテニ
ウム錯体触媒を用いた光学活性アルコール化合物の製造
方法の提供。 【解決手段】 一般式(1) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示し、R1およびR2は、互いに同一
または異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状
または環状である、炭素数1から20の炭化水素基、R3
よびR4は互いに同一または異なっていてもよい、水素ま
たは炭素数1から3の炭化水素基であり、R5、R6、R7およ
びR8は、互いに同一または異なっていてもよい、置換基
を有してもよい炭素数1から30の炭化水素基。ただ
し、XおよびYが臭素であり、R1およびR2がメチル基であ
り、R3およびR4が水素である場合、R5、R6、R7およびR8
の少なくとも1つはフェニル基ではない。)で表される
光学活性ルテニウム錯体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルテニウム錯体と
これを触媒とする光学活性アルコール化合物の製造方法
に関する。さらに詳しくは、この出願の発明は、医薬、
農薬,あるいは多くの汎用化学品の合成中間体等として
の光学活性アルコール化合物を製造するのに有効な高効
率触媒であるルテニウム錯体と、このルテニウム錯体を
触媒とする光学活性アルコール化合物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光学活性ジホスフィン化合物を配位子を
する遷移金属錯体は、不斉反応の触媒として極めて有用
であり、これまで、数多くの触媒が開発されてきた。光
学活性ジホスフィン化合物が触媒の性能に大きな影響を
与えるため、種々の光学活性ジホスフィン化合物が開発
された。例えば、BINAPに代表される軸不斉ジホスフィ
ン化合物やDIOP等の炭素上に不斉をもつジホスフィン化
合物が知られている。しかしながら、これまでに数多く
検討されてきた不斉水素化あるいは不斉還元触媒は、官
能基をもつオレフィンやカルボニル化合物の不斉水素化
の触媒として有用であるが、官能基をもたないカルボニ
ル化合物の反応には、十分な効率やエナンチオ選択性を
示さなかった。
【0003】これらの問題を解決するために、最近、軸
不斉のジホスフィン化合物と光学活性ジアミン化合物を
配位子とする不斉ルテニウム金属錯体が開発され、カル
ボニル化合物の高効率かつ高立体選択的な水素化ないし
還元反応が可能になった。例えば、特開平8−225466
およびJ.Am.Chem.Soc.1995,117,2675に記載され
ているように、「光学活性ジホスフィン化合物を配位子
とするルテニウム錯体」、「光学活性なジアミン化合
物」と「塩基」からなる3成分系触媒を用いてカルボニ
ル化合物の不斉水素化反応を実施する方法が開発され
た。また、特開平11−189600、J.Am.Chem.Soc.19
98,120,13529およびAngew.Chem.Int.Ed.1998,3
7,1703に記載されているように、3成分系触媒を用いる
反応の煩雑さが改良され、「ジホスフィン化合物とジア
ミン化合物を配位子とするルテニウム錯体」と「塩基」
からなる2成分系触媒を用いてカルボニル化合物の不斉
水素化反応を実施する方法が報告されている。
【0004】上記記載の特許や論文中には、主としてBI
NAP類(以下、BINAP、TolBINAP、XylBINAPを総称してBI
NAP類と記載する。)を配位子とする触媒の利用が報告
されているが、その他の軸不斉ジホスフィン化合物を配
位子とする触媒の報告例は多くない。BINAP以外の軸不
斉のジホスフィン化合物を配位子とするルテニウム金属
錯体を触媒に用いたカルボニル化合物の不斉水素化の例
としては、WO 0l/74829およびOrg.Lett.2000,2,
26, 4173に記載されているように、光学活性PHANEPHOS
と光学活性ジアミン化合物を配位子とするルテニウム錯
体と塩基の2成分からなる触媒が報告されている。ま
た、J.Org.Chem.1999,64,2127には、光学活性BI
CPを配位子とするルテニウム錯体、光学活性ジアミン化
合物と塩基からなる3成分系触媒を用いたカルボニル化
合物の不斉水素化反応が報告されている。の触媒で
は、アセトフェノンを不斉水素化して、光学純度99%ee
の光学活性フェネチルアルコールを与える。の触媒
は、アセトフェノンを不斉水素化して、光学純度76%ee
の光学活性フェネチルアルコールを与える。
【0005】一方、炭素上に不斉をもつ光学活性ジホス
フィン化合物を配位子とするルテニウム金属錯体による
カルボニル化合物の不斉水素化の例は、さらに少なく、
また、有効な触媒は見出されていない。例えば、CHIR
ALITY 2000,12,514には、光学活性SKEWPHOSと光学活
性DPENを配位子とするルテニウム錯体と塩基からなる2
成分系触媒を用いたアセトフェノンの不斉水素化が報告
されており、光学純度84%eeのフェネチルアルコールが
得られている。特開平8−225466には光学活性CHIRAPH
OSを配位子とするルテニウム錯体、光学活性ジアミン化
合物と塩基の3成分からなる触媒を用いたβ-イオノンの
不斉水素化が一例報告されており、対応する光学活性ア
ルコールが53% eeの光学純度で得られている。、
ともに前記BINAP類を配位子とするルテニウム錯体を触
媒に用いた場合に比べて光学純度は低い。Angw.Che
m.Int.Ed.1998,37,1703には、光学活性ジアミン化
合物と、光学活性DIOPまたは光学活性CHIRAPHOSを配位
子とするルテニウム錯体の合成が報告されているが、カ
ルボニル化合物の不斉水素化の触媒としての評価は行な
われていない。
【0006】以上のように、BINAP類を代表例とする軸
不斉の光学活性ジホスフィン化合物と光学活性ジアミン
化合物を配位子とするルテニウム金属錯体および塩基か
らなる触媒は、広い範囲のカルボニル化合物を不斉水素
化できることや、高い活性と高いエナンチオ選択性を示
し、高い光学純度の光学活性アルコール化合物を与える
ため、利用価値の高いものである。しかしながら、該触
媒は全てのカルボニル化合物に対して必ずしも高い性能
を示すとは限らないため、BINAP類以外の光学活性ジホ
スフィン配位子をもつ触媒の開発が望まれている。
【0007】さらに、軸不斉の光学活性ジホスフィン化
合物は合成する上で難点がある。例えば、光学活性BINA
Pは、光学分割により得られたビナフトールから以下に
示す方法により合成される。J. Org. Chem. 1993,58,
1945には光学活性ビナフトールから誘導される2,2’-ビ
ス-(トリフルオロメタンスルホニル)オキシ-1,1’-ビ
ナフチルとジフェニルホスフィンオキシドの反応が、J.
Org. Chem. 1994,59,7180には2,2’-ビス-(トリフ
ルオロメタンスルホニル)オキシ-1,1’-ビナフチルと
ジフェニルホスフィンの反応による合成が報告されてい
る。
【0008】しかしながら、上記の合成法は、あらかじ
めラセミ体のビナフトールから光学分割により光学活性
ビナフトールを得て、さらにこの光学活性ビナフトール
を上記合成法を用いて軸不斉の光学活性ジホスフィン化
合物に誘導化しなければならない。以上のように、軸不
斉のジホスフィン化合物は、合成が多段階である、
光学分割工程を要するなどの理由により、一般的に工程
が煩雑な場合が多い。
【0009】先に述べたように、炭素上に不斉をもつ光
学活性ジホスフィン化合物を配位子とするルテニウム錯
体、光学活性ジアミン化合物および塩基からなる三成分
系触媒や、炭素上に不斉をもつ光学活性ジホスフィン化
合物と光学活性ジアミン化合物を配位子とするルテニウ
ム金属錯体および塩基からなる二成分系触媒による不斉
水素化反応は報告例も非常に少なく、また、触媒性能が
満足できる錯体が未だ開発されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、炭素上に不斉をもつ合成が容易な光学活性ジホスフ
ィン化合物を配位子とする新規ルテニウム錯体および該
錯体を触媒とする光学活性アルコール化合物の製造方法
であって、軸不斉あるいは炭素上に不斉をもつ光学活性
ジホスフィン化合物を配位子とする従来のルテニウム錯
体触媒に比べてカルボニル化合物の不斉水素化反応にお
ける反応性、エナンチオ選択性などの点において優れた
光学活性アルコール化合物の製造方法を提供することを
目的とした。
【0011】
【課題を解決するための手段】炭素上に不斉をもつジホ
スフィン化合物は、光学分割工程が不要である等、容易
に合成できる可能性もあり、それらを配位子とする触媒
の高性能化が図れれば、BINAP類以上に有効となること
に着目し、鋭意研究を進めた。すなわち、炭素上に不斉
をもつ光学活性ジホスフィン化合物として例えば、光学
活性SKEWPHOSがあるが、本発明者らは、該化合物がJ.
Am.Chem.Soc.1988,110,629に記載の方法により2,4
-ペンタンジオンから得られる光学活性2,4-ペンタンジ
オールを原料として特願2001-401157記載の方法により
光学分割を行うことなしに簡便に合成できることに着目
し、光学活性SKEWPHOS誘導体を配位子とする新規ルテニ
ウム錯体を種々合成し、それらのカルボニル化合物の不
斉水素化触媒としての性能について鋭意検討した。
【0012】その結果、本発明者らは驚くべきことに光
学活性BINAP等の軸不斉ジホスフィン化合物に比べて合
成が容易な炭素上に不斉をもつ光学活性ジホスフィン化
合物である光学活性SKEWPHOS誘導体化合物を配位子とす
るルテニウム錯体触媒が、カルボニル化合物の不斉水素
化触媒として優れた性能を有し、上記課題が解決される
ことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、一般式(1)
【化13】 (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示し、R1およびR2は、互いに同一
または異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状
または環状である、炭素数1から20の炭化水素基であ
り、R3およびR4は互いに同一または異なっていてもよ
い、水素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5
R6、R7およびR8は、互いに同一または異なっていてもよ
い、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭化水素
基を示す。ただし、XおよびYが臭素であり、R1およびR2
がメチル基であり、R3およびR4が水素である場合、R5
R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェニル基ではな
い。)で表される光学活性ルテニウム錯体に関する。
【0013】また、本発明は、R1およびR2がメチル基で
あり、R3およびR4が互いに同一または異なっていてもよ
い、水素または炭素数1から3の炭化水素基であり、
R5、R6、R7およびR8が互いに同一であって、フェニル
基、4−トリル基、または3,5−キシリル基である、前
記ルテニウム錯体に関する。さらに、本発明は、R1およ
びR2がメチル基であり、R3およびR4が水素であり、R5
R6、R7およびR8が互いに同一で4−トリル基、または
3,5−キシリル基である、前記ルテニウム錯体に関す
る。また、本発明は、R1およびR2がフェニル基であり、
R3およびR4が互いに同一または異なっていてもよい、水
素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5、R6
R7およびR8が互いに同一であって、フェニル基、4−ト
リル基、または3,5−キシリル基である、前記ルテニウ
ム錯体に関する。。
【0014】またさらに、本発明は、 一般式(2) RuXYAB (2) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示し、Aは、下記一般式(3)
【化14】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物であ
り、Bは、下記一般式(4)
【化15】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
合。)で表される化合物。)で表されるルテニウム錯体
に関する。
【0015】さらにまた、本発明は、 R5、R6、R7およ
びR8がいずれもフェニル基である請求項5に記載のルテ
ニウム錯体であって、R13、R15が水素原子、および
R14、R16がフェニル基、Zが単結合の場合には、R9
R10、R11およびR12の少なくとも1つは水素ではない、
前記ルテニウム錯体に関する。そして、本発明は、R9
R10、R11およびR12がいずれも水素原子であり、R13が水
素原子、R14がイソプロピル基、R15およびR16が4-メト
キシフェニル基であり、Zが炭素数0である、前記ルテニ
ウム錯体に関する。
【0016】そしてまた、本発明は、化合物Aが、TolS
KEWPHOS:2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィ
ノ)ペンタン、XylSKEWPHOS:2,4−ビス−(ジ−3,
5−キシリルホスフィノ)ペンタン、2,4−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−3−メチルペンタン、2,
4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3−メチル
ペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホス
フィノ)−3−メチルペンタン、1,3−ビス−(ジフ
ェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニルプロパン、
1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3
−ジフェニルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−
キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニルプロパン、
1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジ
フェニル−2−メチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−
4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メ
チルプロパンまたは1,3−ビス−(ジ−3,5−キシ
リルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチルプ
ロパンであり、化合物Bが、ジフェニルエチレンジアミ
ン、または1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフ
ェニル)エチレンジアミンである、前記ルテニウム錯体
に関する。
【0017】そしてさらに、本発明は、アルコール化合
物の製造方法であって、下記一般式(1)
【化16】 (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示し、R1およびR2は、互いに同一
または異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状
または環状である、炭素数1から20の炭化水素基であ
り、R3およびR4は互いに同一または異なっていてもよ
い、水素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5
R6、R7およびR8は、互いに同一または異なっていてもよ
い、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭化水素
基を示す。ただし、XおよびYが臭素であり、R1およびR2
がメチル基であり、R3およびR4が水素である場合、R5
R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェニル基ではな
い。)で表される光学活性ルテニウム錯体、下記一般式
(4)
【化17】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
合。)で表される光学活性ジアミン化合物、および塩基
(アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩または四
級アンモニウム塩)の存在下において、カルボニル化合
物を水素または水素を供与する化合物と反応させて還元
することによって、アルコール化合物を製造する工程を
含むことを特徴とする、前記製造方法に関する。
【0018】また、本発明は、R9、R10、R11およびR12
が水素原子であり、R13および R15が水素原子、R14およ
びR16がフェニル基であり、Zが炭素数0であるか、また
はR13が水素原子、R14がイソプロピル基、R15およびR16
が4-メトキシフェニル基であり、Zが単結合であること
を特徴とする、前記製造方法に関する。さらに、本発明
は、R1からR8が下記a)からc): a)R1およびR2がメチル基であり、R3およびR4が互いに
同一または異なっていてもよい、水素または炭素数1か
ら3の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8が互いに
同一であって、フェニル基、4−トリル基、または3,5
−キシリル基; b)R1およびR2がメチル基であり、R3およびR4が水素で
あり、R5、R6、R7およびR8が互いに同一で4−トリル
基、または3,5−キシリル基、または、 c)R1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4が互い
に同一または異なっていてもよい、水素または炭素数1
から3の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8が互い
に同一であって、フェニル基、4−トリル基、または
3,5−キシリル基のいずれかで表されることを特徴とす
る、前記製造方法に関する。さらにまた、本発明は、ア
ルコール化合物の製造方法であって、一般式(2) RuXYAB (2) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示し、Aは、下記一般式(3)
【化18】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物であ
り、Bは、下記一般式(4)
【化19】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
合。)で表される化合物。)で表されるルテニウム錯体
および塩基(アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
塩または四級アンモニウム塩)の存在下において、カル
ボニル化合物を水素または水素を供与する化合物と反応
させて還元することによって、アルコール化合物を製造
する工程を含むことを特徴とする、前記製造方法に関す
る。
【0019】そして本発明は、R1からR16、化合物Aお
よび化合物Bが下記a)からc): a)R5、R6、R7およびR8がいずれもフェニル基(ただ
し、R13および R15が水素原子、R14およびR16がフェニ
ル基であり、Zが単結合である場合には、R9、R10、R11
およびR12の少なくとも1つは水素ではない); b)R5、R6、R7およびR8がいずれもフェニル基であり、
R9、R10、R11およびR12がいずれも水素であり、かつR14
がイソプロピル基、R15およびR16が4-メトキシフェニル
基であり、Zが単結合であるか、または c)化合物Aが、TolSKEWPHOS:2,4−ビス−(ジ−
4−トリルホスフィノ)ペンタン、XylSKEWPHOS:2,
4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)ペンタ
ン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−メ
チルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフ
ィノ)−3−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−3−メチルペンタン、
1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジ
フェニルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホ
スフィノ)−1,3−ジフェニルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジ
フェニルプロパン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフ
ィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチルプロパン、
1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3
−ジフェニル−2−メチルプロパンまたは1,3−ビス
−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフ
ェニル−2−メチルプロパンであり、化合物Bが、ジフ
ェニルエチレンジアミン、または1−イソプロピル−2,
2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミンのいず
れかで表されることを特徴とする、前記製造方法に関す
る。
【0020】そしてまた、本発明は、一般式(1)
【化20】 (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示し、R1およびR2は、互いに同一
または異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状
または環状である、炭素数1から20の炭化水素基であ
り、R3およびR4は互いに同一または異なっていてもよ
い、水素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5
R6、R7およびR8は、互いに同一または異なっていてもよ
い、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭化水素
基を示す。ただし、XおよびYが臭素であり、R1およびR2
がメチル基であり、R3およびR4が水素である場合、R5
R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェニル基ではな
い。)で表される光学活性ルテニウム錯体を製造するた
めの方法であって、下記一般式(5) RuXY (5) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示す。)で表される化合物と、下
記一般式(3)
【化21】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物とを
反応させることによって前記一般式(1)で表される化
合物を得る工程を含むことを特徴とする、前記方法に関
する。
【0021】また、本発明は、一般式(2) RuXYAB (2) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
素またはアニオン基を示し、Aは、下記一般式(3)
【化22】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物であ
り、Bは、下記一般式(4)
【化23】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
合。)で表される化合物。)で表されるルテニウム錯体
を製造するための方法であって、下記一般式(1)
【化24】 (式中、各記号はそれぞれ前記と同様の意味を表す。)
で表される化合物と、前記化合物Bとを反応させること
によって、前記一般式(2)で表される化合物を得る工
程を含むことを特徴とする、前記方法に関する。
【0022】前記軸不斉ジホスフィン化合物、リン原子
上に不斉を有するジホスフィン化合物および炭素上に不
斉を有するジホスフィン化合物の例を下記に示す。軸不
斉ジホスフィン化合物
【化25】
【0023】炭素上に不斉をもつジホスフィン化合物
【化26】
【0024】光学活性ジアミン化合物の一つの例を下記
に示す。
【化27】
【0025】ここで使用する略号の意味は下記の通りで
ある。 BICP ビス(ジフェニルホスフィノ)ジシクロペ
ンタン BINAP 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−
1,1’−ビナフチル CHIRAPHOS 2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタ
ン DIOP 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノメチ
ル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン DPEN 1,2-ジフェニルエチレンジアミン PHANEPHOS 4,12-ビス(ジフェニルホスフィノ)-[2.
2]パラシクロファン SKEWPHOS 2,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペン
タン TolBINAP 2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィ
ノ)−1,1’−ビナフチル XylBINAP 2,2’−ビス[ビス(3、5−ジメチルフェニ
ル)ホスフィノ)]−1,1’−ビナフチル
【0026】以上のとおり、触媒として使用する一般式
(1)に示したルテニウム錯体と光学活性ジアミン化合
物と塩基の3成分は、不斉水素化反応が円滑に進行し、
高い不斉収率を達成するためには必要不可欠の成分であ
り、1成分たりとも不足すると十分な反応活性で高い光
学純度の光学活性アルコールは得られない。さらに、本
発明は、カルボニル化合物を、一般式(2)に示したル
テニウム錯体触媒と、塩基(アルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の塩もしくは四級アンモニウム塩)の存在下
に、水素あるいは水素を供与する化合物と反応させて還
元し、光学活性アルコール化合物を製造する方法をも提
供する。以上のとおり、触媒として使用する一般式
(2)に示したルテニウム錯体と塩基の2成分は、不斉
水素化反応が円滑に進行し、高い不斉収率を達成するた
めに不可欠の成分であり、いずれか1成分が欠如しても
十分な反応活性による高い光学純度の光学活性アルコー
ルは得られない。
【0027】
【発明の実施の形態】この出願の発明は上記のとおりの
特長を有するが、以下にさらに詳しくその実施の形態に
ついて説明する。
【0028】まず、本発明のルテニウム錯体を表す一般
式(1)
【化28】 において、置換基X およびYは同じでも異なってもよ
く、水素原子、またはアニオン基を示す。該アニオン基
としてはハロゲン原子やカルボキシル基が好適である
が、その他各種のものであってよく、例えばアルコキシ
基、ヒドロキシ基などが例示される。好適なものとして
水素原子、ハロゲン原子、アセトキシ基が挙げられ、特
に好適にはハロゲン原子である。
【0029】そして、一般式(1)で表される本発明の
光学活性ルテニウム錯体中の光学活性ジホスフィン化合
物は、次式(3)で示される。
【化29】
【0030】ここで、R1およびR2は、互いに同一または
異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状または
環状である、炭素数1から20の炭化水素基であり、R3
よびR 4は互いに同一または異なっていてもよい、水素、
炭素数1から3の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8
は、互いに同一または異なっていてもよい、置換基を有
してもよい炭素数1から30の炭化水素基を示す。
【0031】ここで、置換基を有してもよい鎖状または
環状である、炭素数1から20の炭化水素基であるR1
よびR2は、脂肪族、脂環族の飽和または不飽和の炭化水
素基、単環または多環の芳香族もしくは芳香脂肪族の炭
化水素基、あるいは置換基をもつこれら炭化水素基の各
種のものであってよい。例えば、アルキル、アルケニ
ル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナ
フチル、フェニルアルキルなどの炭化水素基とこれら炭
化水素基に更にアルキル、アルケニル、シクロアルキ
ル、アリール、アルコキシ、エステル、アシルオキシ、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基などの許容される各
種の置換基を有するものが挙げられる。これらのうち好
適なものはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基および置換または無置換のフェニル基であり、特
に好適なものはメチル基、フェニル基である。
【0032】また、炭素数1から3の炭化水素基であるR3
およびR4は脂肪族の飽和炭化水素基である。具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基
等が好適である。
【0033】ここで、同じかもしくは異なっていてもよ
く、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1
から30の炭化水素基であるR5、R6、R7およびR8は、脂
肪族、脂環族の飽和または不飽和の炭化水素基、単環ま
たは多環の芳香族もしくは芳香脂肪族の炭化水素基、あ
るいは置換基をもつこれら炭化水素基の各種のものであ
ってよい。例えば、アルキル、アルケニル、シクロアル
キル、シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、フェニ
ルアルキルなどの炭化水素基とこれら炭化水素基に更に
アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ア
ルコキシ、エステル、アシルオキシ、ハロゲン原子、ニ
トロ基、シアノ基などの許容される各種の置換基を有す
るものが挙げられる。これらのうち好適なものはフェニ
ル基および置換フェニル基であり、特に好適なものはフ
ェニル基およびメチル基、エチル基またはプロピル基が
1から5個置換した置換フェニル基である。
【0034】一般式(3)で表される光学活性ジホスフ
ィン化合物の例としては、以下のものが挙げられる。 [1]2位、4位にジフェニルホスフィノ基を有するペ
ンタン誘導体としては、3位に炭素数1から3の1個ま
たは2個のアルキル基置換基を有するか、又はアルキル
基置換基を有しない、SKEWPHOS:2,4−ビス−(ジフ
ェニルホスフィノ)ペンタン、2,4−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)−3−メチルペンタン、2,4−ビス
−(ジフェニルホスフィノ)−3,3−ジメチルペンタ
ン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−エ
チルペンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィ
ノ)−3,3−ジエチルペンタン、2,4−ビス−(ジ
フェニルホスフィノ)−3−プロピルペンタン、2,4
−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3,3−ジプロピ
ルペンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)
−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)−3,3−ジイソプロピルペンタン、
2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−エチル
−3−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホ
スフィノ)−3−メチル−3−プロピルペンタン、2,
4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−メチル−3
−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−(ジフェニル
ホスフィノ)−3−エチル−3−プロピルペンタン、
2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−エチル
−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)−3−プロピル−3−イソプロピルペ
ンタンなどが例示される。
【0035】[2]2位、4位にジ−4−トリルホスフ
ィノ基を有するペンタン誘導体としては、3位に炭素数
1から3の1個または2個のアルキル基置換基を有する
か、又はアルキル基置換基を有しない、TolSKEWPHOS:
2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)ペンタ
ン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3
−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホ
スフィノ)−3,3−ジメチルペンタン2,4−ビス−
(ジ−4−トリルホスフィノ)−3−エチルペンタン、
2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3,3
−ジエチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリル
ホスフィノ)−3−プロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジ−4−トリルホスフィノ)−3,3−ジプロピルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)
−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4
−トリルホスフィノ)−3,3−ジイソプロピルペンタ
ン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3
−エチル−3−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−
4−トリルホスフィノ)−3−メチル−3−プロピルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)
−3−メチル−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビ
ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3−エチル−3−
プロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホ
スフィノ)−3−エチル−3−イソプロピルペンタン、
2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−3−プ
ロピル−3−イソプロピルペンタンなどが例示される。
【0036】[3]2位、4位にジ−3,5−キシリル
ホスフィノ基を有するペンタン誘導体としては、3位に
炭素数1から3の1個または2個のアルキル基置換基を
有するか、又はアルキル基置換基を有しない、XylSKEWP
HOS:2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)ペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリル
ホスフィノ)−3−メチルペンタン、2,4−ビス−
(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジメチ
ルペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホ
スフィノ)−3−エチルペンタン、2,4−ビス−(ジ
−3,5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジエチルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノ)−3−プロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジプロピルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノ)−3−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3,3−ジイソ
プロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシ
リルホスフィノ)−3−エチル−3−メチルペンタン、
2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−
3−メチル−3−プロピルペンタン、2,4−ビス−
(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3−メチル−3
−イソプロピルペンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5
−キシリルホスフィノ)−3−エチル−3−プロピルペ
ンタン、2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノ)−3−エチル−3−イソプロピルペンタン、2,
4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3−
プロピル−3−イソプロピルペンタンなどが例示され
る。
【0037】[4]1位、3位にジフェニルホスフィノ
基を有する1,3−ジフェニルプロパン誘導体として
は、2位に炭素数1から3の1個または2個のアルキル
基置換基を有する、1,3−ビス−(ジフェニルホスフ
ィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチルプロパン、
1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジ
フェニル−2,2−ジメチルプロパン、1,3−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−
エチルプロパン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジエチルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3
−ジフェニル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス−
(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2,
2−ジプロピルプロパン、1,3−ビス−(ジフェニル
ホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−イソプロピル
プロパン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−
1,3−ジフェニル−2,2−ジイソプロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3
−ジフェニル−2−エチル−2−メチルプロパン、1,
3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェ
ニル−2−メチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−
2−メチル−2−イソプロピルプロパン、1,3−ビス
−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2
−エチル−2−プロピルプロパン1,3−ビス−(ジフ
ェニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−エチル
−2−イソプロピルプロパン、1,3−ビス−(ジフェ
ニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−プロピル
−2−イソプロピルプロパンなどが例示される。
【0038】[5]1位、3位にジ−4−トリルホスフ
ィノ基を有する1,3−ジフェニルプロパン誘導体とし
ては、2位に炭素数1から3の1個または2個のアルキ
ル基置換基を有するか、又はアルキル基置換基を有しな
い、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−
1,3−ジフェニルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4
−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチ
ルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジメチルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−
1,3−ジフェニル−2−エチルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニ
ル−2,2−ジエチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−
4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−プ
ロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホス
フィノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジプロピルプ
ロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)
−1,3−ジフェニル−2−イソプロピルプロパン、
1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3
−ジフェニル−2,2−ジイソプロピルプロパン、1,
3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジ
フェニル−2−エチル−2−メチルプロパン、1,3−
ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェ
ニル−2−メチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニ
ル−2−メチル−2−イソプロピルプロパン、1,3−
ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェ
ニル−2−エチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビ
ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニ
ル−2−エチル−2−イソプロピルプロパン、1,3−
ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3−ジフェ
ニル−2−プロピル−2−イソプロピルプロパンなどを
例示する。
【0039】[6]1位、3位にジ−3,5−キシリル
ホスフィノ基を有する1,3−ジフェニルプロパン誘導
体としては、2位に炭素数1から3の1個または2個の
アルキル基置換基を有するか、又はアルキル基置換基を
有しない、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホス
フィノ)−1,3−ジフェニルプロパン、1,3−ビス
−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフ
ェニル−2−メチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−
2,2−ジメチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,
5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−
エチルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリ
ルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジエチ
ルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホ
スフィノ)−1,3−ジフェニル−2−プロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジプロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2−イソプロピルプロパ
ン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
ノ)−1,3−ジフェニル−2,2−ジイソプロピルプ
ロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフ
ィノリル)−1,3−ジフェニル−2−エチル−2−メ
チルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリル
ホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチル−2−
プロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,5−キシ
リルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチル−
2−イソプロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−3,
5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−
エチル−2−プロピルプロパン、1,3−ビス−(ジ−
3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−
2,2−エチル−イソプロピルプロパン、1,3−ビス
−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフ
ェニル−2−プロピル−2−イソプロピルプロパンなど
が例示される。特にSKEWPHOS、TolSKEWPHOSおよびXylSK
EWPHOSが好適である。しかし、もちろん本発明に用いる
ことのできる光学活性ジホスフィン化合物は、これらに
何ら限定されるものではない。
【0040】一般式(1)で示される光学活性ルテニウ
ム錯体は、反応試剤である有機化合物を1ないし複数個
含む場合がある。ここで、有機化合物は配位性の有機溶
媒を示し、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素
溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、
エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、
メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノー
ル、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロへキシルケトンなど
のケトン系溶媒、アセトニトリル、DMF(ジメチルホル
ムアミド)、N-メチルピロリドン、DMSO(ジメチルスル
ホキシド)、トリエチルアミンなどヘテロ原子を含む有
機溶媒などが例示される。
【0041】次に、本発明のルテニウム錯体を表す一般
式(2) RuXYAB (2) は、下記一般式(3)で表わされる光学活性ジホスフィ
ン化合物
【化30】 と下記一般式(4)で表わされる光学活性ジアミン化合
【化31】 を持つが、置換基X、Y、および光学活性ジホスフィン化
合物(3)は、一般式(1)と同様のもののうちから適
宜に選択されたものであってよい。
【0042】一般式(2)で表される光学活性ルテニウ
ム錯体の光学活性ジアミン化合物(4)においては、
R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または異なって
いてもよい、水素原子、置換基を有していてもよい鎖状
または環状の炭素数1から30の炭化水素基を示し、こ
れらの基のうちの少なくとも一つは水素原子であり、R1
3、R14、R15およびR16は、互いに同一または異なってい
てもよい、水素原子、置換基を有していてもよい鎖状ま
たは環状の炭素数1から30の炭化水素基を示し、Zは
置換基を有してもよい鎖状または環状の炭素数1から10
の炭化水素基または単結合を示す。ここで、前記の少な
くとも一つの水素原子、置換基を有してもよい鎖状また
は環状の炭素数1から30の炭化水素基であるR9
R10、R11およびR1 2は、水素原子、脂肪族、脂環族の飽
和または不飽和の炭化水素基、単環または多環の芳香族
もしくは芳香脂肪族の炭化水素基、あるいは置換基をも
つこれら炭化水素基の各種のものであってよい。
【0043】例えば、水素原子、アルキル、アルケニ
ル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナ
フチル、フェニルアルキルなどの炭化水素基とこれら炭
化水素基に更にアルキル、アルケニル、シクロアルキ
ル、アリール、アルコキシ、エステル、アシルオキシ、
ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基などの許容される各
種の置換基を有するものが挙げられる。
【0044】これらのうち好適なものはR9とR11が水素
原子、R10とR12がアルキル基、フェニル基、フェニルア
ルキル基であり、特に好適なものは全てが水素原子であ
る。ここで、前記の水素原子、置換基を有してもよい鎖
状または環状の炭素数1から30の炭化水素基であるR
13、R14、R15およびR16は、水素原子、脂肪族、脂環族
の飽和または不飽和の炭化水素基、単環または多環の芳
香族もしくは芳香脂肪族の炭化水素基、あるいは置換基
をもつこれら炭化水素基の各種のものであってよい。
【0045】例えば、アルキル、アルケニル、シクロア
ルキル、シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、フェ
ニルアルキルなどの炭化水素基とこれら炭化水素基に更
にアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、
アルコキシ、エステル、アシルオキシ、ハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基などの許容される各種の置換基を有
するものが挙げられる。これらのうち好適なものは水素
原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基および置換フェニル基であり、特に好適なものは水素
原子、イソプロピル基、フェニル基、4-メトキシフェニ
ル基である。
【0046】また、一般式(4)
【化32】 で表される光学活性ジアミン化合物は、DPEN:1,2−
ジフェニルエチレンジアミン、1,2−シクロヘキサン
ジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3−
ジメチルブタンジアミン、1−メチル−2,2−ジフェ
ニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフ
ェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−
ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ
(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソ
ブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレン
ジアミン、 DAIPEN:1−イソプロピル−2,2−ジ(p
−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル
−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミ
ン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミ
ン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジア
ミン、1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレン
ジアミン、などが例示される。特に、DPENおよびDAIPEN
が好適である。
【0047】さらに用いることのできる光学活性ジアミ
ン化合物は、例示した光学活性エチレンジアミン誘導体
に限るものではなく光学活性なプロパンジアミン、ブタ
ンジアミン、フェニレンジアミン、シクロヘキサンジア
ミン誘導体等を用いることができる。
【0048】一般式(1)で表される光学活性ルテニウ
ム錯体の合成は、光学活性ジホスフィン化合物と、原料
であるルテニウム錯体と反応させることにより行うこと
ができる。また、一般式(2)で表されるルテニウム錯
体の合成は、一般式(1)で表される光学活性ルテニウ
ム錯体と、光学活性ジアミン化合物と反応させることに
より行うことができる。
【0049】錯体合成のための出発物質であるルテニウ
ム錯体には、0価、1価、2価、3価及びさらに高原子
価のルテニウム錯体を用いることができる。0価、およ
び1価のルテニウム錯体を用いた場合には、最終段階ま
でにルテニウムの酸化が必要である。2価の錯体を用い
た場合には、ルテニウム錯体と光学活性ジホスフィン化
合物、及び、光学活性ジアミン化合物を順次もしくは逆
の順で、または、同時に反応することで合成できる。3
価、及び4価以上のルテニウム錯体を出発原料に用いた
場合には、最終段階までに、ルテニウムの還元が必要で
ある。
【0050】出発原料となるルテニウム錯体としては、
塩化ルテニウム(III)水和物、臭化ルテニウム(I
II)水和物、沃化ルテニウム(III)水和物等の無
機ルテニウム化合物、[2塩化ルテニウム(ノルボルナ
ジエン)]多核体、[2塩化ルテニウム(シクロオクタ−
1,5−ジエン)]多核体、ビス(メチルアリル)ルテニ
ウム(シクロオクタ−1,5ジエン)等のジエンが配位し
たルテニウム化合物、[2塩化ルテニウム(ベンゼン)]
多核体、[2塩化ルテニウム(p−シメン)]多核体、
[2塩化ルテニウム(トリメチルベンゼン)]多核体、
[2塩化ルテニウム(ヘキサメチルベンゼン)]多核体、
等の芳香族化合物が配位したルテニウム錯体、また、ジ
クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム等
のホスフィンが配位した錯体等が用いられる。その他、
光学活性ジホスフィン化合物、光学活性ジアミン化合物
と置換可能な配位子を有するルテニウム錯体であれば、
特に、上記に限定されるものではない。例えば、COMPRE
HENSIVE ORGANOMETALLIC CHEMISTRY II 7巻 p294−2
96(PERGAMON)に示された、種々のルテニウム錯体を出
発原料として用いることができる。
【0051】3価のルテニウム錯体を出発原料として用
いる場合には、例えば、ハロゲン化ルテニウム(II
I)を過剰のホスフィンと反応することにより、ホスフ
ィン−ルテニウムハライド錯体を合成することができ
る。次いで得られたホスフィン−ルテニウムハライド錯
体を、アミンと反応することにより、目的とするアミン
−ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ることがで
きる。例えば、この合成については、一例だけ文献[J.M
ol.Cat.,15, 297(1982)]に記述がある。
【0052】すなわち、Inorg,Synth., vol 12, 237(19
70)記載の方法により合成されたRuCl2(PPh33をベン
ゼン中、エチレンジアミンと反応させて、 RuCl2(PP
h32(en)が得られている(ただし収率の記載がな
い)。ただ、この方法では、反応が不均一系であり、未
反応の原料が残存する傾向が見られる。一方、反応溶媒
を塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒に変更する場合
には、反応を均一状態で行うことができ、操作性が向上
する。
【0053】ハロゲン化ルテニウムとホスフィン配位子
との反応は、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、
塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化水素溶媒、エーテ
ル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、メタノ
ール、エタノール、2−プロパノール。ブタノール、ベ
ンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトニト
リル、DMF、N-メチルピロリドン、DMSOなどヘテロ原子
を含む有機溶剤中、反応温度−100℃から200℃の間で行
われ、ホスフィン−ルテニウムハライド錯体を得ること
ができる。
【0054】得られたホスフィン−ルテニウムハライド
錯体とアミン配位子との反応は、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂
肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭
化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエー
テル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノー
ル。ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール
系溶媒、アセトニトリル、DMF、N-メチルピロリドン、D
MSOなどヘテロ原子を含む有機溶剤中、反応温度−100℃
から200℃の間で行われ、アミン−ホスフィン−ルテニ
ウムハライド錯体を得ることができる。
【0055】一方、最初から二価のルテニウム錯体を用
い、これと、ホスフィン化合物、アミン化合物を順次、
もしくは逆の順で、または同時に、反応する方法も用い
られる。一例として、[2塩化ルテニウム(ノルボルナ
ジエン)]多核体、[2塩化ルテニウム(シクロオクタ−
1,5−ジエン)]多核体、ビス(メチルアリル)ルテニ
ウム(シクロオクタジエン)等のジエンが配位したルテ
ニウム化合物、または、[2塩化ルテニウム(ベンゼ
ン)]ニ核体、[2塩化ルテニウム(p−シメン)]ニ核
体、[2塩化ルテニウム(トリメチルベンゼン)]ニ核
体、[2塩化ルテニウム(ヘキサメチルベンゼン)]ニ核
体等の芳香族化合物が配位したルテニウム錯体、また、
ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム
等のホスフィンが配位した錯体を、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの
脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有
炭化水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエ
ーテル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノ
ール、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコー
ル系溶媒、アセトニトリル、DMF、N-メチルピロリド
ン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温度−
100℃から200℃の間で、ホスフィン化合物と反応し、ホ
スフィン−ルテニウム−メチルアリル錯体を得ることが
できる。
【0056】得られたホスフィン−ルテニウムハライド
錯体とアミン化合物の反応は、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪
族炭化水素溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン含有炭化
水素溶媒、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパンノー
ル、ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール
系溶媒、アセトニトリル、DMF、N−メチルピロリド
ン、DMSOなどヘテロ原子を含む有機溶媒中、反応温
度−100℃から200℃の間で、アミン配位子と反応し、ア
ミン−ホスフィン−ルテニウム錯体を得ることができ
る。また、同様の条件で、[クロロルテニウム(BINAP)
(ベンゼン)]クロライドなどのカチオン性ルテニウム
錯体をアミン配位子と反応させて、アミン−ホスフィン
−ルテニウムハライド錯体を得ることができる。
【0057】例えば、以上のように合成できる一般式
(1)、あるいは、一般式(2)で表されるルテニウム
錯体を水素化触媒として用いる場合、その使用量は反応
容器や経済性によって異なるが反応基質であるカルボニ
ル化合物に対して1/100から1/1,000,000用いることが
でき、好ましくは1/500から1/100,000の範囲でとす
る。
【0058】一般式(1)で表される光学活性ルテニウ
ム錯体は、X、Yが水素の場合は、塩基を添加すること
なしに、一般式(4)の光学活性ジアミン化合物を添加
後、カルボニル化合物と混合して、水素圧をかけるか、
または、水素供与体の存在下に攪拌する。これにより、
カルボニル化合物の水素化を行うことができる。触媒に
対してカルボニル化合物を大過剰に用いた場合には、塩
基を添加した方が望ましい場合もある。一方、X、Y
が、水素以外の基である場合には、塩基と一般式(4)
の光学活性ジアミン化合物添加後、カルボニル化合物と
混合して、水素圧をかけるか、または、水素供与体の存
在下に攪拌することにより、カルボニル化合物の水素化
を行うことが有効でもある。
【0059】以上のとおり、触媒として使用する一般式
(1)に示したルテニウム錯体と一般式(4)の光学活
性ジアミンと塩基の3成分は、不斉水素化反応が円滑に
進行し、高い不斉収率を達成するためには必要不可欠の
成分であり、1成分たりとも不足すると十分な反応活性
で高い光学純度の光学活性アルコールは得られない。こ
こで用いられる光学活性ジアミン配位子の使用量は、一
般式(1)で表されるルテニウム錯体に対し、0.5か
ら2.5等量で好ましくは1から2等量である。
【0060】一般式(2)で表される光学活性ルテニウ
ム錯体は、X、Yが水素の場合は、塩基を添加すること
なしに、カルボニル化合物と混合後、水素圧をかける
か、または、水素供与体の存在下に攪拌する。これによ
り、カルボニル化合物の水素化を行うことができる。触
媒に対してカルボニル化合物を大過剰に用いた場合に
は、塩基を添加した方が望ましい場合もある。一方、
X、Yが、水素以外の基である場合には、塩基存在下、
カルボニル化合物と混合後、水素圧をかけるか、また
は、水素供与体の存在下に攪拌することにより、カルボ
ニル化合物の水素化を行うことが有効でもある。
【0061】以上のとおり、触媒として使用する一般式
(2)に示した光学活性ルテニウム錯体と塩基の2成分
は、不斉水素化反応が円滑に進行し、高い不斉収率を達
成するためには必要不可欠の成分であり、1成分たりと
も不足すると十分な反応活性で高い光学純度の光学活性
アルコールは得られない。
【0062】また、本発明に用いられる塩基は、KOH、K
OCH3、KOCH(CH3)2、KOC (CH3)3、KC 10H8、LiOH、LiOC
H3、LiOCH(CH3)2、LiOC(CH3)3等のアルカリ金属、アル
カリ土類金属の塩あるいは4級アンモニウム塩等が用い
られる。添加する塩基の量は、アミン−ホスフィン−ル
テニウム錯体または、ホスフィン−ルテニウム錯体に対
し、0.5から100等量、好ましくは、2から40当
量である。
【0063】また、水素供与体とは、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール
などの低級アルコール、およびギ酸を示す。溶媒の量は
反応基質の溶解度および経済性により判断される。例え
ば、2−プロパノールの場合、基質濃度は、基質によっ
ては1%以下の低濃度から無溶媒に近い状態で反応を行
うことができるが、好ましくは20から50重量%で用
いることが望ましい。
【0064】そして、本発明における水素の圧力は、本
触媒系が極めて高活性であることから1気圧で十分であ
るが、経済性を考慮すると1から200気圧の範囲で、
好ましくは3から100気圧の範囲が望ましいが、プロ
セス全体の経済性を考慮して50気圧以下でも高い活性
を維持することも可能である。
【0065】反応温度は経済性を考慮して15℃から1
00℃で行うことが好ましいが25から40℃の室温付
近で反応を実施することができる。しかしながら本発明
においては−30から0℃の低温でも反応が進行するこ
とを特徴としている。反応時間は反応基質濃度、温度、
圧力等の反応条件によって異なるが数分から数十時間で
反応は完結する。実施例で具体的に例示する。
【0066】なお、一般式(1)および一般式(2)で
表される光学活性ルテニウム錯体中の光学活性ジホスフ
ィン化合物は、いずれも(+)体または(−)体のいず
れかとして得られるが、その表示は省略した。また、こ
れらの(+)体または(−)体のいずれかを選択するこ
とにより、所望する絶対位置の光学活性アルコール体を
得ることができる。また、一般式(1)で表される光学
活性ルテニウム錯体中のジホスフィン化合物の絶対構造
と添加する光学活性ジアミン化合物の絶対構造の組み合
わせ、および一般式(2)で表される光学活性ルテニウ
ム錯体中のジホスフィン化合物の絶対構造とジアミン化
合物の絶対構造の組み合わせが、高い光学収率を得るた
めには重要であり後述の比較例で示す。
【0067】
【実施例】本発明におけるカルボニル化合物の水素化反
応は、バッチ式または連続式の反応形式のいずれにおい
ても実施することができる。以下に実施例を示し、本発
明についてさらに詳しく説明する。但し、本発明は以下
の実施例によって限定されるものではない。代表例とし
て用いる光学活性ジホスフィン、ジアミン化合物を以下
に示す。 光学活性ジホスフィン化合物
【化33】 光学活性ジアミン化合物
【化34】 なお、下記の実施例においては、反応はすべてアルゴン
ガスまたは窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行った。
また、反応に使用した溶媒は、乾燥、脱気したものを用
いた。カルボニル化合物の水素化の反応は、オートクレ
ーブ中、水素を加圧して行った。
【0068】なお、以下の測定には次の機器を用いた。 NMR:LA400型装置(400MHz) (日本電子社製) 内部標準物質:H−NMR…テトラメチルシラン 外部標準物質:31P−NMR…85%リン酸 光学純度:ガスクロマトグラフィー Chirasil−DEX CB(0.25mm×25m、DF=0.25μm) (CHROMPACK社製) 高速液体クロマトグラフィー CHIRALCEL OD(0.46cmφ×25cm) (ダイセル化学工業株式会社製)
【0069】〔実施例1〕 RuBr2[(S,S)-Tolskewphos]
[(R)-daipen]の合成 (1)Ru [(S,S)−Tolskewphos](メチルアリル)2の合成 アルゴン置換した50mlシュレンク管に (S,S)−TolSKEWP
HOS(568mg,1.14mmol)、Ru(シクロオクタ−1,5−ジエ
ン)(メチルアリル)2(365mg,1.14mmol)を仕込んだ。そ
の後、ヘキサン7mlを加え70℃で5時間攪拌した。不溶物
をガラスフィルターで濾過し、溶媒留去した。 (2)RuBr2 [(S,S)−Tolskewphos]の合成 Ru [(S,S)−Tolskewphos](メチルアリル)2錯体(250m
g、0.35mmol)をアセトン24mlに溶解し、0.2M-HBrメタ
ノール溶液(3.5ml、0.7mmol)を加え、脱気を行い室温
で30分攪拌した。溶媒留去後、精製せずに次の反応に用
いた。
【0070】(3) RuBr2[(S,S)-Tolskewphos][(R)-d
aipen]の合成 RuBr2 [(S,S)−Tolskewphos]錯体(316mg、0.35mmol)
に(R)−DAIPEN(115mg,0.35mmol)を仕込み、アルゴン
置換した。次いで、ジメチルホルムアミド(14ml)を加
え、脱気を行い室温で一晩攪拌した。反応液をシリカゲ
ルを詰めたガラスフィルターを通して濾過後、溶媒留去
した。塩化メチレン/イソプロピルエーテルから再結晶
しRuBr2[(S,S)-Tolskewphos][(R)-daipen]246mg(66%
収率)を得た。1 H−NMRスペクトル(C6D6):δ6.65−7.88(m,24
H),5.24(m,1H),5.18(m,1H),3.95(t,1H),3.
38(s,3H),3.20(s,3H),2.24(s,3H),2.17(s,
3H),2.05(s,3H),2.04(s,3H),1.71(br,1H),1.
39(br,2H),1.07(d,3H),1.05(br,1H),0.53
(d,3H)、残り2H分のプロトンは他のピークに重なって
おり帰属できない。
【0071】〔実施例2〕RuBr2[(S,S)-Tolskewphos]
[(R)-daipen](2.1mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、アセトフ
ェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソプ
ロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、脱
気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を開
始した(25分後、変換率86%)。反応液を19時間攪拌
後、反応圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラ
フィーにより生成物であるフェネチルアルコールの定量
と光学純度を求めた。反応基質はすべて消費され、生成
物の収率は99%以上であった。また、得られたフェネチ
ルアルコールは、(R)−体が93.8%eeで生成してい
た。
【0072】〔比較例1〕RuBr2[(S,S)-Tolskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuCl2[(R)−binap][(R)−daipe
n]を触媒に用いる以外は実施例2と同様にアセトフェノ
ンの水素化を行い、生成物であるフェネチルアルコール
を得た。生成物の収率は99%以上で、(R)−体が85.0
%eeで生成していた。
【0073】〔比較例2〕RuBr2[(S,S)-Tolskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuBr2[(S,S)-Tolskewphos][(S)
-daipen] を触媒に用いる以外は実施例2と同様にアセト
フェノンの水素化を行い、生成物であるフェネチルアル
コールを得た。生成物の収率は99%以上で、(R)−体
が90.2%eeで生成していた。
【0074】〔実施例3〕RuBr2[(S,S)-Tolskewphos]
[(R)-daipen](2.1mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、プロピオ
フェノン(2.7ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソ
プロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、
脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を
開始した(20分後、変換率50%)。反応液を19時間攪拌
後、反応圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラ
フィーにより生成物である1−フェニル−1−プロパノ
ールの定量と光学純度を求めた。反応基質はすべて消費
され、生成物の収率は99%以上であった。また、得られ
た1−フェニル−1−プロパノールは、(R)−体が96.
8%eeで生成していた。
【0075】〔比較例3〕RuBr2[(S,S)-Tolskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuCl2[(R)−binap][(R)−daipe
n]を触媒に用いる以外は実施例3と同様にプロピオフェ
ノンの水素化を行い、生成物である1−フェニル−1−
プロパノールを得た。生成物の収率は99%以上で、
(R)−体が91.5%eeで生成していた。
【0076】〔比較例4〕RuBr2[(S,S)-Tolskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuBr2[(S,S)-Tolskewphos][(S)
-daipen] を触媒に用いる以外は実施例3と同様にプロピ
オフェノンの水素化を行い、生成物である1−フェニル
−1−プロパノールを得た。生成物の収率は99%以上
で、(R)−体が93.2%eeで生成していた。
【0077】〔実施例4〕 RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(S,S)-dpen]の合成 (1)Ru [(S,S)−Xylskewphos](メチルアリル)2の合成 アルゴン置換した50mlシュレンク管に (S,S)−XylSKEWP
HOS(301mg,0.545mmol)、Ru(シクロオクタ−1,5−ジエ
ン)(メチルアリル)2(175mg,0.545mmol)を仕込んだ。そ
の後、ヘキサン13mlを加え70℃で5時間攪拌した。不溶
物をガラスフィルターで濾過し、溶媒留去した。
【0078】(2)RuBr2 [(S,S)−Xylskewphos]の合成 Ru [(S,S)−Xylskewphos](メチルアリル)2錯体(460m
g、0.545mmol)をアセトン24mlに溶解し、0.2M-HBrメ
タノール溶液(5.45ml、1.090mmol)を加え、脱気を行
い室温で40分攪拌した。溶媒留去後、精製せずに次の反
応に用いた。
【0079】(3)RuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(S,S)-d
pen]の合成 RuBr [(S,S)−Xylskewphos]錯体(680mg、0.830mmo
l)に(S,S)−DPEN(177mg,0.834mmol)を仕込み、アル
ゴン置換した。次いで、ジメチルホルムアミド(35ml)
を加え、脱気を行い室温で一晩攪拌した。反応液をシリ
カゲルを詰めたガラスフィルターを通して濾過後、溶媒
留去した。塩化メチレン/イソプロピルエーテルから再
結晶し、RuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(S,S)-dpen]390mg
(34%収率)を得た。31 P−NMRスペクトル(C6D6):δ66.11(d,J=43H
z),42.85(d,J=43Hz)。
【0080】〔実施例5〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(S,S)-dpen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、アセトフ
ェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソプ
ロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、脱
気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を開
始した(25分後、変換率86%)。反応液を19時間攪拌
後、反応圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラ
フィーにより生成物であるフェネチルアルコールの定量
と光学純度を求めた。反応基質はすべて消費され、生成
物の収率は99%以上であった。また、得られたフェネチ
ルアルコールは、(R)−体が95.0%eeで生成してい
た。
【0081】〔比較例5〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(S,S)-dpen]の代わりにRuCl2[(S)−binap][(S,S)−dpe
n]を触媒に用いる以外は実施例5と同様にアセトフェノ
ンの水素化を行い、生成物であるフェネチルアルコール
を得た。生成物の収率は99%以上で、(S)−体が82.0
%eeで生成していた。
【0082】〔実施例6〕 RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen]の合成 実施例4で得られたRuBr2 [(S,S)−Xylskewphos]錯体
(679mg、0.830mmol)に(R)−DAIPEN(261mg,0.830mmo
l)を仕込み、アルゴン置換した。次いで、ジメチルホ
ルムアミド(35ml)を加え、脱気を行い室温で一晩攪拌
した。反応液をシリカゲルを詰めたガラスフィルターを
通して濾過後、溶媒留去した。粗錯体をヘキサン洗浄
し、RuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(R)-daipen]647mg(69
%)を得た。31P−NMRスペクトル(C6D6):δ38.55
(d,J=39Hz),33.93(d,J=39Hz)
【0083】〔実施例7〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、アセトフ
ェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソプ
ロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、脱
気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を開
始した。反応液を50分間攪拌後、反応圧力を常圧に戻
し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物であ
るフェネチルアルコールの定量と光学純度を求めた。反
応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上であ
った。また、得られたフェネチルアルコールは、(R)
−体が98.3%eeで生成していた。
【0084】〔比較例6〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuCl2[(R)−binap][(R)−daipe
n]を触媒に用いる以外は実施例7と同様にアセトフェノ
ンの水素化を行い、生成物であるフェネチルアルコール
を得た。生成物の収率は99%以上で、(R)−体が85.0
%eeで生成していた。
【0085】〔比較例7〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(S)
-daipen]を触媒に用いる以外は実施例7と同様にアセト
フェノンの水素化を行い、生成物であるフェネチルアル
コールを得た。生成物の収率は99%以上で、(R)−体
が82.6%eeで生成していた。
【0086】〔実施例8〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、4−メチ
ル−アセトフェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH
3)3/イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を
添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込
み反応を開始した(2時間後,変換率30%)。反応液を22
時間攪拌後、反応圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロ
マトグラフィーにより生成物である4−メチル−フェネ
チルアルコールの定量と光学純度を求めた。反応基質は
すべて消費され、生成物の収率は99%以上であった。ま
た、得られた4−メチル−フェネチルアルコールは、
(R)−体が91.6%eeで生成していた。
【0087】〔比較例8〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuCl2[(R)−binap][(R)−daipe
n]を触媒に用いる以外は実施例8と同様に4−メチル−
アセトフェノンの水素化を行い、生成物である4−メチ
ル−フェネチルアルコールを得た。生成物の収率は99%
以上で、(R)−体が85.7%eeで生成していた。
【0088】〔比較例9〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(S)
-daipen]を触媒に用いる以外は実施例8と同様に4−メ
チル−アセトフェノンの水素化を行い、生成物である4
−メチル−フェネチルアルコールを得た。生成物の収率
は99%以上で、(R)−体が77.7%eeで生成していた。
【0089】〔実施例9〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、プロピオ
フェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソ
プロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、
脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を
開始した(2時間後、変換率40%)。反応液を20時間攪拌
後、反応圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラ
フィーにより生成物である1−フェニル−1−プロパノ
ールの定量と光学純度を求めた。反応基質はすべて消費
され、生成物の収率は99%以上であった。また、得られ
た1−フェニル−1−プロパノールは、(R)−体が100
%eeで生成していた。
【0090】〔比較例10〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuCl2[(R)−binap][(R)−daipe
n]を触媒に用いる以外は実施例9と同様にプロピオフェ
ノンの水素化を行い、生成物である1−フェニル−1−
プロパノールを得た。生成物の収率は99%以上で、
(R)−体が91.5%eeで生成していた。
【0091】〔比較例11〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen]の代わりにRuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(S)
-daipen]を触媒に用いる以外は実施例9と同様にプロピ
オフェノンの水素化を行い、生成物である1−フェニル
−1−プロパノールを得た。生成物の収率は99%以上
で、(R)−体が88.7%eeで生成していた。
【0092】〔実施例10〕150mlのSUS製オートクレーブ
にRuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(R)-daipen](0.58mg,0.
0005mmol)とKOC(CH3)3(22.45mg,0.2mmol)を仕込み
アルゴン置換後、アセトフェノン(5.8ml,50mmol)と
イソプロピルアルコール(20ml)を添加し、脱気アルゴ
ン置換した。水素を40気圧まで仕込み反応を開始した。
反応液を24時間攪拌後、反応圧力を常圧に戻し、反応液
のガスクロマトグラフィーにより生成物であるフェネチ
ルアルコールの定量と光学純度を求めた。反応基質はす
べて消費され、生成物の収率は99%以上であった。ま
た、得られたフェネチルアルコールは、(R)−体が97.
9%eeで生成していた。
【0093】〔実施例11〕 RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R,R)-dppn]の合成 実施例4で得られたRuBr [(S,S)−Xylskewphos]錯体
(421mg、0.514mmol)に(R,R)−DPPN[(R,R)-1,3−ジフ
ェニル−1,3−プロパンジアミン](116mg,0.514mmol)
を仕込み、アルゴン置換した。次いで、ジメチルホルム
アミド(22ml)を加え、脱気を行い室温で一晩攪拌し
た。反応液をシリカゲルを詰めたガラスフィルターを通
して濾過後、溶媒留去した。粗錯体をヘキサン洗浄し、
RuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(R,R)-dppn]647mg(69%)
を得た。
【0094】〔実施例12〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R,R)-dppn](2.1mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、プロピオ
フェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソ
プロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、
脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を
開始した。反応液を21時間攪拌後に、反応圧力を常圧に
戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより、生成物
である1−フェニル−1−プロパノールの生成量と光学
純度を求めた。反応基質はすべて消費され、生成物の収
率は99%以上であった。また、得られた1−フェニル−
1−プロパノールは、(R)−体が92.2%eeで生成して
いた。
【0095】〔実施例13〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](5.8mg,0.005mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、2-N,N-ジ
メチルアミノアセトフェノン(1.63g,10mmol)、0.01M
KOC(CH3)3/イソプロピルアルコール溶液(5ml,0.05
mmol)を添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧
まで仕込み反応を開始した。反応液を15時間攪拌後、反
応圧力を常圧に戻し、反応液の高速液体クロマトグラフ
ィーにより生成物である2-N,N-ジメチルアミノフェネチ
ルアルコールの定量と光学純度を求めた。反応基質はす
べて消費され、生成物の収率は99%以上であった。ま
た、得られた2-N,N-ジメチルアミノフェネチルアルコー
ルは、96.7%eeで生成していた。
【0096】〔実施例14〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、2-アセチ
ルチオフェン(2.16ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3
イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加
し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反
応を開始した。反応液を22時間攪拌後、反応圧力を常圧
に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物
である1-(2-チエニル)エタノールの定量と光学純度を
求めた。生成物の収率は85%であった。また、得られた
1-(2-チエニル)エタノールは、(R)−体が95.5%ee
で生成していた。
【0097】〔実施例15〕100mlのガラス製オートクレ
ーブにRuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(R)-daipen](2.3m
g,0.002mmol)とKOC(CH3)3(9mg,0.08mmol)を仕込み
アルゴン置換後、2-アセチルフラン(1.0ml,10mmol)
とイソプロピルアルコール(5ml)を添加し、脱気アル
ゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を開始し
た。反応液を17時間攪拌後、反応圧力を常圧に戻し、反
応液のガスクロマトグラフィーにより生成物である1-
(2-フリル)エタノールの定量と光学純度を求めた。反
応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上であ
った。また、得られた1-(2-フリル)エタノールは、
(R)−体が97.0%eeで生成していた。
【0098】〔実施例16〕100mlのガラス製オートクレ
ーブにRuBr2[(S,S)-Xylskewphos][(R)-daipen](11.5m
g,0.010mmol)とKOC(CH3)3(45mg,0.4mmol)を仕込み
アルゴン置換後、2-アセチルピリジン(2.24ml,20mmo
l)、B[OCH(CH3)2]3(0.046ml,0.20mmol)とイソプロ
ピルアルコール(8ml)を添加し、脱気アルゴン置換し
た。水素を9気圧まで仕込み反応を開始した。反応液を2
2時間攪拌後、反応圧力を常圧に戻し、反応液の高速液
体クロマトグラフィーにより生成物である1-(2-ピリジ
ル)エタノールの定量と光学純度を求めた。反応基質は
すべて消費され、生成物の収率は99%以上であった。ま
た、得られた1-(2-ピリジル)エタノールは、(R)−
体が83.0%eeで生成していた。
【0099】〔実施例17〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、シクロヘ
キシルメチルケトン(2.74ml,20mmol)、0.01M KOC(C
H3)3/イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)
を添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕
込み反応を開始した。反応液を17時間攪拌後、反応圧力
を常圧に戻し、反応液の高速液体クロマトグラフィーに
より生成物である 1-シクロヘキシルエタノールの定量
と光学純度を求めた。生成物の収率は97.7%であった。
また、得られた1-シクロヘキシルエタノールを塩化メチ
レン中、塩基共存下に(R)−MTPACl[(R)-(-)-α-
メトキシ-α-(トリフルオロメチル)フェニルアセチル
クロライド]と反応し光学純度を求めた。光学純度は、9
4.4%eeで生成していた。
【0100】〔実施例18〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、ベンジル
アセトン(3.0ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソ
プロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、
脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を
開始した。反応液を17.5時間攪拌後、反応圧力を常圧に
戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物で
ある1-フェニル-3-ブタノールの定量と光学純度を求め
た。生成物の収率は99.3%であった。また、得られた1-
フェニル-3-ブタノールは、53.1%eeで生成していた。
【0101】〔実施例19〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](2.3mg,0.002mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、4-メチル
-3-ペンテン-2-オン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH
3)3/イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を
添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込
み反応を開始した。反応液を21時間攪拌後、反応圧力を
常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生
成物である4-メチル-3-ペンテン-2-オールの定量と光学
純度を求めた。生成物の収率は99.5%であった。また、
得られた4-メチル-3-ペンテン-2-オールは、(R)−体
が90.5%eeで生成していた。
【0102】〔実施例20〕RuBr2[(S,S)-Xylskewphos]
[(R)-daipen](1.15mg,0.001mmol)を100mlのガラス
製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、2,2,2−
トリフルオロアセトフェノン(1.36ml,10mmol)、0.01
M KOC(CH3)3/イソプロピルアルコール溶液(4ml,0.0
4mmol)を添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧
まで仕込み反応を開始した。反応液を19時間攪拌後、反
応圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラフィー
により生成物である2,2,2−トリフルオロフェネチルア
ルコールの定量と光学純度を求めた。生成物の収率は95
%であった。また、得られた2,2,2−トリフルオロフェ
ネチルアルコールは、(R)−体が78.1%eeで生成して
いた。
【0103】〔実施例21〕アルゴン気流下、実施例1で
得られたRuBr [(S,S)−Tolskewphos]錯体(1.5mg、0.
002mmol)と(R)−DAIPEN(0.6mg,0.002mmol)を100m
lのガラス製オートクレーブに仕込み、さらに、アセト
フェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソ
プロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、
脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を
開始した。反応液を29時間攪拌後、反応圧力を常圧に
戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物で
あるフェネチルアルコールの定量と光学純度を求めた。
反応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上で
あった。また、得られたフェネチルアルコールは、
(R)−体が92.1%eeで生成していた。
【0104】〔実施例22〕アルゴン気流下、実施例4で
得られたRuBr [(S,S)−Xylskewphos]錯体(1.6mg、0.
002mmol)と(S,S)−DPEN(0.4mg,0.002mmol)を100m
lのガラス製オートクレーブに仕込み、さらに、アセト
フェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソ
プロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、
脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を
開始した。反応液を24時間攪拌後、反応圧力を常圧に
戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物で
あるフェネチルアルコールの定量と光学純度を求めた。
反応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上で
あった。また、得られたフェネチルアルコールは、
(R)−体が93.7%eeで生成していた。
【0105】〔実施例23〕アルゴン気流下、実施例4で
得られたRuBr [(S,S)−Xylskewphos]錯体(1.6mg、0.
002mmol)と(R)−DAIPEN(0.6mg,0.002mmol)を100m
lのガラス製オートクレーブに仕込み、さらに、アセト
フェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH3)3/イソ
プロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加し、
脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反応を
開始した。反応液を2時間攪拌後、反応圧力を常圧に戻
し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物であ
るフェネチルアルコールの定量と光学純度を求めた。反
応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%以上であ
った。また、得られたフェネチルアルコールは、(R)
−体が97.3%eeで生成していた。
【0106】〔実施例24〕RuBr2[(S,S)−3−メチル−Xy
lskewphos][(S)−daipen](2.3mg,0.002mmol)を100m
lのガラス製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換
後、アセトフェノン(2.3ml,20mmol)、0.01M KOC(CH
3)3/イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を
添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込
み反応を開始した。反応液を19時間攪拌後、反応圧力を
常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生
成物であるフェネチルアルコールの定量と光学純度を求
めた。反応基質はすべて消費され、生成物の収率は99%
以上であった。また、得られたフェネチルアルコール
は、(R)−体が94.4%eeで生成していた。
【0107】〔実施例25〕RuBr2[(S,S)−3−メチル−Xy
lskewphos][(S)−daipen](2.3mg,0.002mmol)を100m
lのガラス製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換
後、プロピオフェノン(2.7ml,20mmol)、0.01M KOC
(CH3)3/イソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmo
l)を添加し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧ま
で仕込み反応を開始した。反応液を19時間攪拌後、反応
圧力を常圧に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーに
より生成物である1−フェニル−1−プロパノールの定
量と光学純度を求めた。反応基質はすべて消費され、生
成物の収率は99%以上であった。また、得られた1−フ
ェニル−1−プロパノールは、(R)−体が95.7%eeで
生成していた。
【0108】〔実施例26〕RuBr2[(R,R)−1,3−ジフェ
ニル−1,3−ビス(3,5−キシリルホスフィノ)プロパ
ン][(S)−daipen](2.5mg,0.002mmol)を100mlのガ
ラス製オートクレーブに仕込み、アルゴン置換後、プロ
ピオフェノン(2.7ml,20mmol)、0.01MKOC(CH3)3/イ
ソプロピルアルコール溶液(8ml,0.08mmol)を添加
し、脱気アルゴン置換した。水素を9気圧まで仕込み反
応を開始した。反応液を24時間攪拌後、反応圧力を常圧
に戻し、反応液のガスクロマトグラフィーにより生成物
である1−フェニル−1−プロパノールの定量と光学純
度を求めた。反応基質はすべて消費され、生成物の収率
は99%以上であった。また、得られた1−フェニル−1
−プロパノールは、(R)−体が81.6%eeで生成してい
た。
【0109】
【発明の効果】以上に示したように、本発明によって、
炭素上に不斉を有し、合成が容易な光学活性ジホスフィ
ン化合物を配位子とする新規ルテニウム錯体および該錯
体を触媒とする光学活性アルコール化合物の製造方法が
提供される。本発明による前記新規ルテニウム錯体触媒
は、従来の軸不斉あるいは炭素上に不斉をもつ光学活性
ジホスフィン化合物を配位子とするルテニウム錯体触媒
に比べて、カルボニル化合物の不斉水素化反応における
反応性、エナンチオ選択性などの点においてより優れ
た、工業的利用価値が極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 33/20 C07C 33/20 4H039 33/22 33/22 4H050 33/46 33/46 213/00 213/00 215/30 215/30 C07D 213/30 C07D 213/30 307/12 307/12 333/16 333/16 // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 C07F 15/00 C07F 15/00 A C07M 7:00 C07M 7:00 (72)発明者 太田 岳 埼玉県草加市稲荷1−7−1 関東化学株 式会社中央研究所内 (72)発明者 碇屋 隆雄 東京都北区田端4−5−5−602 Fターム(参考) 4C023 BA01 4C037 CA06 4C055 AA01 BA02 BA06 BA16 CA01 DA01 FA11 FA32 FA38 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC70A BC70B BE14A BE14B BE26A BE26B BE33A BE33B BE36A BE37A BE37B CB02 DA02 FA01 4H006 AA02 AC41 AC81 BA23 BA46 BA48 BA61 BA81 BE20 FC52 FE11 FE71 FE74 4H039 CA60 CB20 4H050 AA01 AB40

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
    素またはアニオン基を示し、R1およびR2は、互いに同一
    または異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状
    または環状である、炭素数1から20の炭化水素基であ
    り、R3およびR4は互いに同一または異なっていてもよ
    い、水素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5
    R6、R7およびR8は、互いに同一または異なっていてもよ
    い、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭化水素
    基を示す。ただし、XおよびYが臭素であり、R1およびR2
    がメチル基であり、R3およびR4が水素である場合、R5
    R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェニル基ではな
    い。)で表される光学活性ルテニウム錯体。
  2. 【請求項2】 R1およびR2がメチル基であり、R3および
    R4が互いに同一または異なっていてもよい、水素または
    炭素数1から3の炭化水素基であり、R5、R6、R7および
    R8が互いに同一であって、フェニル基、4−トリル基、
    または3,5−キシリル基である、請求項1に記載のルテ
    ニウム錯体。
  3. 【請求項3】 R1およびR2がメチル基であり、R3および
    R4が水素であり、R5、R6、R7およびR8が互いに同一で4
    −トリル基、または3,5−キシリル基である、請求項1
    に記載のルテニウム錯体。
  4. 【請求項4】 R1およびR2がフェニル基であり、R3およ
    びR4が互いに同一または異なっていてもよい、水素また
    は炭素数1から3の炭化水素基であり、R5、R6、R7およ
    びR8が互いに同一であって、フェニル基、4−トリル
    基、または3,5−キシリル基である、請求項1に記載の
    光学活性ルテニウム錯体。
  5. 【請求項5】 一般式(2) RuXYAB (2) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
    素またはアニオン基を示し、Aは、下記一般式(3) 【化2】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
    もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
    炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
    に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
    の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
    一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
    素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物であ
    り、Bは、下記一般式(4) 【化3】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
    異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
    よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
    素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
    子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
    は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
    もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
    水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
    状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
    合。)で表される化合物。)で表されるルテニウム錯
    体。
  6. 【請求項6】 R5、R6、R7およびR8がいずれもフェニル
    基である請求項5に記載のルテニウム錯体であって、R
    13、R15が水素原子、およびR14、R16がフェニル基、Zが
    単結合の場合には、R9、R10、R11およびR12の少なくと
    も1つは水素ではない、前記ルテニウム錯体。
  7. 【請求項7】 R9、R10、R11およびR12がいずれも水素
    原子であり、R13が水素原子、R14がイソプロピル基、R
    15およびR16が4-メトキシフェニル基であり、Zが単結合
    である、請求項6に記載のルテニウム錯体。
  8. 【請求項8】 化合物Aが、TolSKEWPHOS:2,4−ビ
    ス−(ジ−4−トリルホスフィノ)ペンタン、XylSKEWP
    HOS:2,4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィ
    ノ)ペンタン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィ
    ノ)−3−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−
    トリルホスフィノ)−3−メチルペンタン、2,4−ビ
    ス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−3−メチル
    ペンタン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−
    1,3−ジフェニルプロパン、1,3−ビス−(ジ−4
    −トリルホスフィノ)−1,3−ジフェニルプロパン、
    1,3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−
    1,3−ジフェニルプロパン、1,3−ビス−(ジフェ
    ニルホスフィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチルプ
    ロパン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)
    −1,3−ジフェニル−2−メチルプロパンまたは1,
    3−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,
    3−ジフェニル−2−メチルプロパンであり、化合物B
    が、ジフェニルエチレンジアミン、または1−イソプロ
    ピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミ
    ンである、請求項5に記載のルテニウム錯体。
  9. 【請求項9】 アルコール化合物の製造方法であって、
    下記一般式(1) 【化4】 (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
    素またはアニオン基を示し、R1およびR2は、互いに同一
    または異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状
    または環状である、炭素数1から20の炭化水素基であ
    り、R3およびR4は互いに同一または異なっていてもよ
    い、水素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5
    R6、R7およびR8は、互いに同一または異なっていてもよ
    い、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭化水素
    基を示す。ただし、XおよびYが臭素であり、R1およびR2
    がメチル基であり、R3およびR4が水素である場合、R5
    R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェニル基ではな
    い。)で表される光学活性ルテニウム錯体、下記一般式
    (4) 【化5】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
    異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
    よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
    素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
    子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
    は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
    もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
    水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
    状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
    合。)で表される光学活性ジアミン化合物、および塩基
    (アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩または四
    級アンモニウム塩)の存在下において、カルボニル化合
    物を水素または水素を供与する化合物と反応させて還元
    することによって、アルコール化合物を製造する工程を
    含むことを特徴とする、前記製造方法。
  10. 【請求項10】 R9、R10、R11およびR12が水素原子で
    あり、R13および R15が水素原子、R14およびR16がフェ
    ニル基であり、Zが単結合であるか、またはR13が水素原
    子、R14がイソプロピル基、R15およびR16が4-メトキシ
    フェニル基であり、Zが単結合であることを特徴とす
    る、請求項9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 R1からR8が下記a)からc): a)R1およびR2がメチル基であり、R3およびR4が互いに
    同一または異なっていてもよい、水素または炭素数1か
    ら3の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8が互いに
    同一であって、フェニル基、4−トリル基、または3,5
    −キシリル基; b)R1およびR2がメチル基であり、R3およびR4が水素で
    あり、R5、R6、R7およびR8が互いに同一で4−トリル
    基、または3,5−キシリル基、または、 c)R1およびR2がフェニル基であり、R3およびR4が互い
    に同一または異なっていてもよい、水素または炭素数1
    から3の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8が互い
    に同一であって、フェニル基、4−トリル基、または
    3,5−キシリル基のいずれかで表されることを特徴とす
    る、請求項9または10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 アルコール化合物の製造方法であっ
    て、一般式(2) RuXYAB (2) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
    素またはアニオン基を示し、Aは、下記一般式(3) 【化6】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
    もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
    炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
    に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
    の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
    一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
    素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物であ
    り、Bは、下記一般式(4) 【化7】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
    異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
    よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
    素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
    子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
    は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
    もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
    水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
    状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
    合。)で表される化合物。)で表されるルテニウム錯体
    および塩基(アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の
    塩または四級アンモニウム塩)の存在下において、カル
    ボニル化合物を水素または水素を供与する化合物と反応
    させて還元することによって、アルコール化合物を製造
    する工程を含むことを特徴とする、前記製造方法。
  13. 【請求項13】 R1からR16、化合物Aおよび化合物B
    が下記a)からc): a)R5、R6、R7およびR8がいずれもフェニル基(ただ
    し、R13、R15が水素原子、およびR14、R16がフェニル
    基、Zが単結合の場合には、R9、R10、R11およびR12の少
    なくとも1つは水素ではない); b)R5、R6、R7およびR8がいずれもフェニル基であり、
    R9、R10、R11およびR12がいずれも水素であり、R13が水
    素原子、R14がイソプロピル基、R15およびR16が4-メト
    キシフェニル基であり、Zが単結合であるか、または c)化合物Aが、TolSKEWPHOS:2,4−ビス−(ジ−
    4−トリルホスフィノ)ペンタン、XylSKEWPHOS:2,
    4−ビス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)ペンタ
    ン、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−3−メ
    チルペンタン、2,4−ビス−(ジ−4−トリルホスフ
    ィノ)−3−メチルペンタン、2,4−ビス−(ジ−
    3,5−キシリルホスフィノ)−3−メチルペンタン、
    1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,3−ジ
    フェニルペンタン、1,3−ビス−(ジ−4−トリルホ
    スフィノ)−1,3−ジフェニルペンタン、1,3−ビ
    ス−(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジ
    フェニルペンタン、1,3−ビス−(ジフェニルホスフ
    ィノ)−1,3−ジフェニル−2−メチルペンタン、
    1,3−ビス−(ジ−4−トリルホスフィノ)−1,3
    −ジフェニル−2−メチルペンタンまたは1,3−ビス
    −(ジ−3,5−キシリルホスフィノ)−1,3−ジフ
    ェニル−2−メチルペンタンであり、化合物Bが、ジフ
    ェニルエチレンジアミン、または1−イソプロピル−2,
    2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミンのいず
    れかで表されることを特徴とする、請求項12に記載の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 一般式(1) 【化8】 (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
    素またはアニオン基を示し、R1およびR2は、互いに同一
    または異なっていてもよい、置換基を有してもよい鎖状
    または環状である、炭素数1から20の炭化水素基であ
    り、R3およびR4は互いに同一または異なっていてもよ
    い、水素または炭素数1から3の炭化水素基であり、R5
    R6、R7およびR8は、互いに同一または異なっていてもよ
    い、置換基を有してもよい炭素数1から30の炭化水素
    基を示す。ただし、XおよびYが臭素であり、R1およびR2
    がメチル基であり、R3およびR4が水素である場合、R5
    R6、R7およびR8の少なくとも1つはフェニル基ではな
    い。)で表される光学活性ルテニウム錯体を製造するた
    めの方法であって、下記一般式(5) RuXY (5) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
    素またはアニオン基を示す。)で表される化合物と、下
    記一般式(3) 【化9】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
    もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
    炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
    に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
    の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
    一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
    素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物とを
    反応させることによって前記一般式(1)で表される化
    合物を得る工程を含むことを特徴とする、前記方法。
  15. 【請求項15】 一般式(2) RuXYAB (2) (XおよびYは互いに同一または異なっていてもよい、水
    素またはアニオン基を示し、Aは、下記一般式(3) 【化10】 (式中、R1およびR2は、互いに同一または異なっていて
    もよい、置換基を有してもよい鎖状または環状である、
    炭素数1から20の炭化水素基であり、R3およびR4は互い
    に同一または異なっていてもよい、水素、炭素数1から3
    の炭化水素基であり、R5、R6、R7およびR8は、互いに同
    一または異なっていてもよい、置換基を有してもよい炭
    素数1から30の炭化水素基。)で表される化合物であ
    り、Bは、下記一般式(4) 【化11】 (式中、R9、R10、R11およびR12は、互いに同一または
    異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していても
    よい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化水
    素基を示し、これらの基のうち少なくとも一つは水素原
    子であり、R13、R 14、R15およびR16は、互いに同一また
    は異なっていてもよい、水素原子、置換基を有していて
    もよい鎖状または環状である、炭素数1から30の炭化
    水素基を示し、Zは置換基を有してもよい鎖状または環
    状である、炭素数1から10の炭化水素基または単結
    合。)で表される化合物。)で表されるルテニウム錯体
    を製造するための方法であって、下記一般式(1) 【化12】 (式中、各記号はそれぞれ前記と同様の意味を表す。)
    で表される化合物と、前記化合物Bとを反応させること
    によって、前記一般式(2)で表される化合物を得る工
    程を含むことを特徴とする、前記方法。
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