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JP2003230384A - γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株、その取得方法及び該変異株を用いたγ−ポリグルタミン酸の製造法 - Google Patents

γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株、その取得方法及び該変異株を用いたγ−ポリグルタミン酸の製造法

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JP2003230384A
JP2003230384A JP2002030237A JP2002030237A JP2003230384A JP 2003230384 A JP2003230384 A JP 2003230384A JP 2002030237 A JP2002030237 A JP 2002030237A JP 2002030237 A JP2002030237 A JP 2002030237A JP 2003230384 A JP2003230384 A JP 2003230384A
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JP
Japan
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gene
polyglutamic acid
mutant strain
polyglutamate
glutamyl transpeptidase
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JP2002030237A
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Keitaro Kimura
啓太郎 木村
Yoshibumi Ito
義文 伊藤
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National Food Research Institute
Original Assignee
National Food Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ−ポリグルタミン酸を高い収量で安定的に
生産することができ、得られたγ−ポリグルタミン酸が
酵素分解されることなく、その分子量分布が一定の範囲
である、γ−ポリグルタミン酸生産微生物と、その取得
方法並びに当該微生物を用いるγ−ポリグルタミン酸の
製造法を提供すること。 【解決手段】 γ−ポリグルタミン酸生産微生物におい
て、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子が変異
していることを特徴とするγ−ポリグルタミン酸分解酵
素欠損変異株、γ−ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝
子が変異していることを特徴とするγ−ポリグルタミン
酸分解酵素欠損変異株と、γ−グルタミルトランスペプ
チダーゼ遺伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドラーゼ
遺伝子が変異していることを特徴とするγ−ポリグルタ
ミン酸分解酵素欠損変異株、並びにそれらの取得方法及
び当該微生物を用いるγ−ポリグルタミン酸の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、γ−ポリグルタミ
ン酸分解酵素欠損変異株、その取得法及び該変異株を用
いたγ−ポリグルタミン酸の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、納豆菌を含むバチルス・ズブチリ
ス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニホルミス
(Bacillus licheniformis)等のγ−ポリグルタミン酸
生産微生物を用いるγ−ポリグルタミン酸の製造におい
ては、生産されたγ−ポリグルタミン酸が、当該微生物
自身が作るγ−ポリグルタミン酸分解酵素によって分解
されるため、収量や当該γ−ポリグルタミン酸の分子量
が一定しないという問題があった。ところで、γ−ポリ
グルタミン酸は納豆の糸引きの主成分であり、γ−ポリ
グルタミン酸の含量と分子量などの化学構造が納豆の糸
引きや粘りを大きく左右する。また、消費者の納豆の粘
りに対する要望は様々であり、粘りの強い納豆のニーズ
も高いが、これまではこれらに十分対応する製品が得ら
れていない。一方、最近、γ−ポリグルタミン酸に小腸
からのカルシウムの吸収を促進する作用があることが発
見(Tanimoto H, Mori M, Motoki M, Torii K, Kadowak
i M,Noguchi T, Natto mucilage containing poly-gamm
a-glutamic acid increasessoluble calcium in the ra
t small intestine. Biosci Biotechnol Biochem. 2001
Mar;65(3):516-21. )され、γ−ポリグルタミン酸を
カルシウム吸収促進剤として利用することについても検
討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、γ−
ポリグルタミン酸生産微生物を用いるγ−ポリグルタミ
ン酸の製造法は、生産されたγ−ポリグルタミン酸が分
解されるため、その収量が少ないこと、γ−ポリグルタ
ミン酸の分子量分布が広くなること等が避けられず、収
量が不安定であることが問題となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、γ−ポ
リグルタミン酸の収量が多く、しかも得られるγ−ポリ
グルタミン酸の分子量分布が一定の範囲となり、γ−ポ
リグルタミン酸の安定な生産が可能なγ−ポリグルタミ
ン酸生産微生物を提供すると共に、その取得方法並びに
当該微生物を用いるγ−ポリグルタミン酸の製造法を提
供することである。
【0005】本発明者らは、上記の目的を達成すべく、
納豆菌のγ−ポリグルタミン酸合成と分解に関する酵素
及び遺伝子の生化学的・分子遺伝学的な研究を行ってき
た。その過程で、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ
(以下、GGTと略記することもある。)を欠損する変
異株がγ−ポリグルタミン酸をエキソ型に分解する活性
を失うこと、さらにγ−ポリグルタミン酸をエンド型に
分解する新規な酵素(γ−ポリグルタミン酸ハイドロラ
ーゼ)の遺伝子を発見し、当該遺伝子をpghAと命名
した。さらに、GGT遺伝子及び/又はpghAの転写
・翻訳が正常に行われないように変異を誘起させる方法
について検討し、γ−ポリグルタミン酸生産能を有する
微生物の変異株を取得する方法を確立した。また、これ
らの変異株を培養してγ−ポリグルタミン酸を効率よく
製造する方法も開発した。本発明は、これらの知見に基
づいて完成されたものである。
【0006】すなわち、請求項1記載の本発明は、γ−
ポリグルタミン酸生産微生物において、γ−グルタミル
トランスペプチダーゼ遺伝子が変異していることを特徴
とするγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株であ
る。請求項2記載の本発明は、γ−ポリグルタミン酸分
解酵素欠損変異株が、γ−グルタミルトランスペプチダ
ーゼ遺伝子にスペクチノマイシン耐性遺伝子が挿入され
たバチルス・ズブチリスNAF M13株(FERM
P−18687)である請求項1記載の変異株である。
請求項3記載の本発明は、γ−ポリグルタミン酸分解酵
素欠損変異株が、化学的変異処理もしくは物理的変異処
理によりγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子に
変異を誘起したバチルス・ズブチリスNAF M5−0
01株(FERM P−18694)である請求項1記
載の変異株である。
【0007】請求項4記載の本発明は、γ−ポリグルタ
ミン酸生産微生物において、γ−ポリグルタミン酸ハイ
ドラーゼ遺伝子が変異していることを特徴とするγ−ポ
リグルタミン酸分解酵素欠損変異株である。請求項5記
載の本発明は、γ−ポリグルタミン酸生産微生物が、γ
−ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子にエリスロマイ
シン耐性遺伝子が挿入されたバチルス・ズブチリスNA
F M60株(FERM P−18696)である請求
項4記載の変異株である。
【0008】請求項6記載の本発明は、γ−ポリグルタ
ミン酸生産微生物において、γ−グルタミルトランスペ
プチダーゼ遺伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドラー
ゼ遺伝子が変異していることを特徴とするγ−ポリグル
タミン酸分解酵素欠損変異株である。請求項7記載の本
発明は、γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株が、
γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子にスペクチ
ノマイシン耐性遺伝子が挿入され、かつγ−ポリグルタ
ミン酸ハイドラーゼ遺伝子にエリスロマイシン耐性遺伝
子が挿入されたバチルス・ズブチリスNAF M61株
(FERM P−18688)である請求項6記載の変
異株である。請求項8記載の本発明は、γ−ポリグルタ
ミン酸分解酵素欠損変異株が、化学的変異処理もしくは
物理的変異処理によりγ−グルタミルトランスペプチダ
ーゼ遺伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝
子に変異を誘起したバチルス・ズブチリスNAF M5
−005株(FERM P−18695)である請求項
6記載の変異株である。
【0009】請求項9記載の本発明は、請求項1〜8の
いずれかに記載のγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変
異株を培地に培養し、培養物からγ−ポリグルタミン酸
を採取することを特徴とするγ−ポリグルタミン酸の製
造法である。
【0010】請求項10記載の本発明は、配列表の配列
番号1記載の塩基配列からなるγ−ポリグルタミン酸ハ
イドロラーゼ遺伝子である。
【0011】請求項11記載の本発明は、配列表の配列
番号2記載のオリゴDNAプローブを用いてバチルス・
ズブチリスのゲノムDNAライブラリーからγ−グルタ
ミルトランスペプチダーゼ遺伝子をクローニングし、当
該遺伝子のStu I 部位にスペクチノマイシン耐性遺伝子
を挿入することを特徴とする請求項1又は2記載のγ−
ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株の取得方法であ
る。請求項12記載の本発明は、γ−ポリグルタミン酸
生産微生物を化学物質による化学的変異処理もしくは紫
外線等の照射による物理的変異処理を行い、γ−グルタ
ミルトランスペプチダーゼ遺伝子を変異させることを特
徴とする請求項1又は3記載のγ−ポリグルタミン酸分
解酵素欠損変異株の取得方法である。
【0012】請求項13記載の本発明は、配列表の配列
番号4記載のオリゴDNAプローブを用いてバチルス・
ズブチリスのゲノムDNAライブラリーからγ−ポリグ
ルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子をクローニングし、当
該遺伝子のBcl I 部位にエリスロマイシン耐性遺伝子を
挿入することを特徴とする請求項4又は5記載のγ−ポ
リグルタミン酸分解酵素欠損変異株の取得方法である。
【0013】請求項14記載の本発明は、配列表の配列
番号2記載のオリゴDNAプローブを用いてバチルス・
ズブチリスのゲノムDNAライブラリーからγ−グルタ
ミルトランスペプチダーゼ遺伝子をクローニングし、配
列表の配列番号4記載のオリゴDNAプローブを用いて
バチルス・ズブチリスのゲノムDNAライブラリーから
γ−ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子をクローニン
グし、前者の遺伝子のStu I 部位にスペクチノマイシン
耐性遺伝子を挿入し、後者の遺伝子のBcl I 部位にエリ
スロマイシン耐性遺伝子を挿入することを特徴とする請
求項6又は7記載のγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損
変異株の取得方法である。請求項15記載の本発明は、
γ−ポリグルタミン酸生産微生物を化学物質による化学
的変異処理もしくは紫外線等の照射による物理的変異処
理を行い、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子
及びγ−ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子を変異さ
せることを特徴とする請求項6又は8記載のγ−ポリグ
ルタミン酸分解酵素欠損変異株の取得方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に係るγ−ポリ
グルタミン酸分解酵素欠損変異株は、γ−ポリグルタミ
ン酸生産微生物において、γ−グルタミルトランスペプ
チダーゼ遺伝子が変異している微生物である。当該変異
株は、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子が変
異しており、γ−ポリグルタミン酸をエキソ型に分解す
るγ−グルタミルトランスペプチダーゼ活性を持ってい
ない。そのため、当該微生物によって生産されたγ−ポ
リグルタミン酸は、グルタミン酸に分解されず、培養物
中に蓄積されるので、目的とするγ−ポリグルタミン酸
を大量に、かつ安定的に生産することができる。なお、
この変異株によって生産されるγ−ポリグルタミン酸
は、分子量が約10万ダルトン(0.1MDa)であ
る。
【0015】また、本発明の請求項4に係るγ−ポリグ
ルタミン酸分解酵素欠損変異株は、γ−ポリグルタミン
酸生産微生物において、γ−ポリグルタミン酸ハイドラ
ーゼ遺伝子が変異していることを特徴とするγ−ポリグ
ルタミン酸分解酵素欠損変異株である。この変異株は、
エンド型のγ−ポリグルタミン酸分解酵素であるγ−ポ
リグルタミン酸ハイドラーゼ活性を持たない。そのた
め、培養物中に生産されたγ−ポリグルタミン酸の急激
な低分子化は起こらない。しかしながら、γ−ポリグル
タミルトランスペプチダーゼ活性を持っているため、生
産されたγ−ポリグルタミン酸は徐々に低分子化し、一
部は消失する。そのため、この変異株を用いて得られる
γ−ポリグルタミン酸の分子量分布は、500万ダルト
ン(5MDa)から5000ダルトン(5kDa)まで
広い範囲に分布する。
【0016】本発明の請求項6に係るγ−ポリグルタミ
ン酸分解酵素欠損変異株は、γ−ポリグルタミン酸生産
微生物において、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ
遺伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子
が共に変異している微生物である。当該変異株は、γ−
ポリグルタミン酸をエキソ型に分解するγ−グルタミル
トランスペプチダーゼ及びγ−ポリグルタミン酸をエン
ド型に分解するγ−ポリグルタミルハイドロラーゼの両
者を欠損している。当該変異株も、エキソ型及びエンド
型のγ−ポリグルタミン酸分解酵素活性を持っていない
ため、γ−ポリグルタミン酸を大量に、かつ安定的に生
産することができる。この変異株は、培養物中に分子量
が約200万ダルトン(2MDa)のγ−ポリグルタミ
ン酸を蓄積し、その蓄積量は、野性株の最大生産量の1
0倍に達する。
【0017】本発明者らの知見によると、上記の二重変
異株は、最小培地(8%グリセロール、0.7%塩化ア
ンモニウム、1.5%クエン酸ナトリウム、0.05%
リン酸水素2カリウム、0.05%硫酸マグネシウム、
0.003%塩化第二鉄、0.015%塩化カルシウ
ム、0.01%塩化マンガン、0.5mg/Lビオチン
を含む)で1リットル当たり10gのγ−ポリグルタミ
ン酸を蓄積し、栄養培地(GSP培地 グルコース1.
5%、L−グルタミン酸1.5%、フィトンペプトン
1.5%)では、1リットル当たり30gのγ−ポリグ
ルタミン酸を蓄積する。なお、グリセロールやグルコー
ス等の炭素源は、γ−ポリグルタミン酸の生産を増強す
る効果があり、その効果は0.5%以上で顕著である。
【0018】次に、γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損
変異株の取得方法について述べる。対象とされる微生物
は、γ−ポリグルタミン酸生産能を有するもので、例え
ば納豆菌を含むバチルス・ズブチリスやバチルス・リケ
ニホルミスなどを挙げることができる。これらの微生物
において、上記の酵素遺伝子の転写・翻訳が正常に行わ
れないように、変異を誘起させることによって、目的と
する変異株を取得することができる。納豆生産菌は、2
種類のプラスミドを持っており(Nagai et al., Gen. A
ppl.Microbiol., 43:139-143, 1997)、内因性プラスミ
ドの存在は形質転換体の解析の妨げとなる。そのため、
本発明ではこれを除いたNAF M5株を野性型納豆菌
として用いている。現在納豆の製造に用いられている代
表的な納豆菌は、宮城野菌、高橋菌、成瀬菌であるが、
これらは共通の菌株に由来することが分子遺伝学的手法
で確認されている(Nagai T., Phan Tran L.S., Inatsu
Y., Itoh Y.,J. Bacteriol., 182:2387-2392,2000)。
【0019】γ−ポリグルタミン酸分解酵素遺伝子に変
異を誘起させる方法としては、当該酵素遺伝子に他の遺
伝子や適当な塩基数を有する塩基配列を挿入する方法、
当該遺伝子のすべて又は一部を欠損又は欠失させる方法
及び化学的又は物理的変異処理によって塩基置換を起こ
させる方法が挙げられる。例えば、他の遺伝子を挿入す
る場合には、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝
子及び/又はγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝
子をクローニングした後、γ−グルタミルトランスペプ
チダーゼ遺伝子のStu I 部位にスペクチノマイシン耐性
遺伝子を、γ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子
のBcl I 部位にエリスロマイシン耐性遺伝子を挿入する
ことによって、当該分解酵素遺伝子の機能を失った変異
株を取得することができる。さらに、挿入する遺伝子を
適宜選択することによって、変異株を取得する際にマー
カーとして使用することもできる。また、当該遺伝子内
又はプロモーター領域内にマーカー遺伝子の挿入部位を
適宜選択することによって、当該遺伝子の機能や発現能
を失った変異株を取得することができる。γ−ポリグル
タミン酸分解酵素遺伝子に変異を誘起させる方法として
は、上記方法の他に、対象の微生物をエチルメタンスル
フォネート(以下、EMSと略記することもある。)や
ニトロソグアニジンなどの変異誘起化学物質により化学
的な変異処理や紫外線や放射線処理などの物理的な変異
処理する方法もある。この化学的もしくは物理的な変異
処理には、自然変異も含まれる。
【0020】γ−グルタミルトランスペプチダーゼ欠損
変異株の取得方法の1例を以下に示す。まず、納豆菌バ
チルス・ズブチリスの培養上清から精製したγ−ポリグ
ルタミルトランスペプチダーゼのN末端アミノ酸配列を
もとにデザインしたオリゴDNAプローブ(配列表の配
列番号2)を用いて、λファージで構築したバチルス・
ズブチリスのゲノムDNAライブラリー(Sambrook et
al., Molecular cloning, 2nd edition, 1989 Cold Sp
ring Harbor Laboratry Press)から、オリゴヌクレオチ
ドECLラベリングディテクションキット(アマーシャ
ム バイオサイエンス社製)や5’末端を32Pで標識す
る方法(Sambrook et al., Molecular cloning, 2nd e
dition, 1989 Cold Spring Harbor Laboratry Press)を
用いたプラークハイブリダイゼーション法に従ってγ−
グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子を選抜する。こ
のγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子の塩基配
列をシークエンサー等の定法で解析したところ、配列表
の配列番号3記載の塩基配列及びアミノ酸配列を有して
いた。
【0021】次に、γ−グルタミルトランスペプチダー
ゼ遺伝子を含むSsp I-Bgl II断片をプラスミドpUC 118
のHinc II-Bam HI部位にクローニングする。クローニン
グしたγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子のSt
u I 部位に、プラスミドpDG 1726 (A. M. Guerout-Fleu
ry, K. Shazard, N. Frandsen andP. Stragier Gene 16
7:335-336, 1995) から単離したスペクチノマイシン耐
性遺伝子を含むEco RV-Hinc II断片を挿入して、該遺伝
子を破壊したプラスミドを構築する。このプラスミドを
用いて、定法によりバチルス・ズブチリスを形質転換さ
せ(L. S. P. Tran, T. Nagai and Y. Itoh, Molecular
Microbiol., 37(5), 1159-1171, 2000) 、形質転換体を
得る。得られた形質転換体をLB培地にて30〜40
℃、好ましくは35〜37℃で12〜24時間、好まし
くは18時間培養し(Sambrook et al., Molecular clo
ning, 2nd edition, 1989 Cold Spring Harbor Labora
try Press)、γ−グルタミルトランスペプチダーゼの酵
素活性を指標として、γ−グルタミルトランスペプチダ
ーゼ遺伝子欠損変異株を選抜する。
【0022】γ−グルタミルトランスペプチダーゼの酵
素活性の測定は、発色基質であるγ−グルタミルパラニ
トロアニリドの分解を指標として行うことができる。す
なわち培養液50mLを遠心分離(6000rpm)し
て得た培養上清を試料として用い、以下の反応系を調製
し、これを37℃で30分間保持した後、反応液の吸光
度を波長410nmで測定することによって行う。ここ
で、パラニトロアニリドの分子吸光係数を8800とし
て、1分間に1μモルのパラニトロアニリドを遊離する
活性を1Uとする。
【0023】 培養上清 50μL 1mM γ−グルタミルパラニトロアニリド 250μL 1M トリス塩酸緩衝液 50μL 滅菌脱イオン水 200μL (合計 550μL)
【0024】上記のγ−グルタミルトランスペプチダー
ゼの酵素活性を測定することにより、該酵素の著しく低
い又は活性を持たない菌株をγ−グルタミルトランスペ
プチダーゼ遺伝子欠損変異株として選抜し、これをバチ
ルス・ズブチリスNAF M13株と命名した。本菌
は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託セン
ターに、受託番号FERM P−18687として寄託
されている。
【0025】次に、γ−ポリグルタミン酸ハイドロラー
ゼ遺伝子欠損変異株の取得方法の1例を以下に示す。ま
ず、γ−グルタミル基を切断する様々な酵素の相同性を
比較することによって得られるオリゴDNA−A(配列
表の配列番号4)をプローブとして、上記のバチルス・
ズブチリスのゲノムDNAライブラリーを検索する。そ
の結果、オリゴDNA−Aと交雑する3つのクローンが
得られた。得られたクローンの塩基配列をシークエンサ
ー等の定法により決定し、DDBJ等のデータベースを
利用して既知の塩基配列との相同性を検索した結果、1
つのクローンが完全長の新規な遺伝子を含むことが判明
した。そこで、この新規な遺伝子をpghA、当該遺伝
子によってコードされる酵素をγ−ポリグルタミン酸ハ
イドロラーゼと、それぞれ命名した。なお、上記の塩基
配列において1もしくは数個の塩基が置換、欠失、挿
入、付加された、もしくは逆位を含む塩基配列であって
も、同様の機能を有する限りγ−ポリグルタミン酸ハイ
ドロラーゼ遺伝子に包含される。
【0026】上記によって単離したγ−ポリグルタミン
酸ハイドロラーゼ(pghA)遺伝子のBcl I 部位にプ
ラスミドpDG646(A. M. Guerout-Fleury, K. Shazard,
N. Frandsen and P. Stragier Gene 167:335-336, 199
5)から単離したエリスロマイシン耐性遺伝子を含むBam
HI断片を導入して、当該遺伝子を破壊したプラスミドを
構築する。このプラスミドを用いて、定法によりバチル
ス・ズブチリスを形質転換し、形質転換体を得る。得ら
れた形質転換体をLB培地にて30〜37℃、好ましく
は35〜37℃で12〜24時間、好ましくは18時間
培養し、エリスロマイシン耐性とγ−ポリグルタミン酸
の分解能を指標に、γ−ポリグルタミン酸ハイドロラー
ゼ遺伝子欠損変異株を選抜する。
【0027】γ−ポリグルタミン酸の分解能は、以下の
方法で測定することができる。変異処理したバチルス・
ズブチリスを最小培地(8%グリセロール、0.7%塩
化アンモニウム、1.5%クエン酸ナトリウム、0.0
5%リン酸水素2カリウム、0.05%硫酸マグネシウ
ム、0.003%塩化第二鉄、0.015%塩化カルシ
ウム、0.01%塩化マンガン、0.5mg/Lビオチ
ン)に接種し、4〜8日間、好ましくは7日間培養す
る。培養終了後、培養物について遠心分離(6000r
pm)を行い、培養上清を得る。得られた培養上清に、
その1/5容の5M食塩水と2倍容のエタノールを加え
て、生産されたγ−ポリグルタミン酸を沈殿させる(Nag
ai et al., J. Gne.Appl. Microbiol. 43, 139-143, 19
97)。
【0028】得られたγ−ポリグルタミン酸を400μ
Lのリン酸緩衝液に溶解し、10μLを1%アガロース
電気泳動(20V/cm、30分)に供して、分子量で
分画する。分画後、メチレンブルー(pH9.5の30
%エタノールに溶解)にて、アガロース上に展開したγ
−グルタミン酸を染色し、検出する。γ−ポリグルタミ
ン酸が分解されていれば、低分子化したγ−ポリグルタ
ミン酸の移動度が大きくなることから容易に検出するこ
とができる。電気泳動の結果から、γ−ポリグルタミン
酸の分解能が著しく低下している菌株を、γ−ポリグル
タミン酸ハイドロラーゼ遺伝子欠損変異株として選抜
し、これをバチルス・ズブチリスNAF M60株と命
名した。本菌は、独立行政法人産業技術総合研究所特許
生物寄託センターに受託番号FERM P−18696
として寄託されている。
【0029】また、γ−グルタミルトランスペプチダー
ゼ遺伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝
子が共に変異しているγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠
損変異株の取得方法の1例を示すと、前述した遺伝子を
破壊したプラスミド2種類を用いて、上記の方法にした
がって形質転換することによって取得することができ
る。γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子又はγ
−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子の欠損変異株
を作成した後に、当該変異株を化学的又は物理的変異処
理を行って、選抜することによっても得ることができ
る。化学的又は物理的手段によって変異処理して取得し
たγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子又はγ−
ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子の欠損変異株
を、さらに変異処理して両者の酵素活性を失った変異株
を得ることもできる。なお、頻度は極めて低いが、人為
的な変異処理を行わずに自然変異で生じた当該酵素欠損
株を取得することも可能である。このようにして、選抜
した微生物をNAF M61株、NAF M5−005
株と命名した。これら菌株は、独立行政法人産業技術総
合研究所特許生物寄託センターに、それぞれ受託番号F
ERM P−18688、FERM P−18695と
して寄託されている。
【0030】化学的もしくは物理的に変異を誘起する処
理を行い変異株を取得する方法について、EMSを使用
する場合を例として説明すると、納豆菌などのγ−ポリ
グルタミン酸生産菌の培養物にEMSを加えて変異誘起
処理を行う。その後、生理食塩水で希釈した培養液をL
B寒天培地などの固形培地に塗布して培養する。次い
で、形成したコロニーを単離し、液体培地に接種して培
養し、得られた培養物についてγ−グルタミルパラニト
ロアニリド等の基質を用いて酵素活性を測定し、活性が
消失もしくは著しく低下している菌株を選抜する。γ−
ポリグルタミン酸の分解活性は、アガロースゲル電気泳
動で確かめることができる。このようにして、請求項
1、3、4、6及び8に記載の変異株を取得することが
できる。
【0031】本発明に係る変異株を用いてγ−ポリグル
タミン酸を製造するには、当該微生物が良く生育し得る
培地に培養し、生産されたγ−ポリグルタミン酸を培養
物から採取すればよい。この際に用いる培地としては、
グリセロール、グルコース、フルクトース、マンニトー
ル、キシロース、アラビノースなどの当該微生物が好む
炭素源を含むものが好適である。培養は、30〜45
℃、好ましくは35〜40℃で穏やかな振盪(1分間当
たり120〜150回転)条件下で行う。また、グルタ
ミン酸ナトリウムを適宜(0.5〜1.5%)添加する
ことによって、γ−ポリグルタミン酸の生産を増大する
ことができる。
【0032】次に、γ−ポリグルタミン酸の製造例を示
す。γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株を、最小
培地(8%グリセロール、0.7%塩化アンモニウム、
1.5%クエン酸ナトリウム、0.05%リン酸水素2
カリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.003%
塩化第二鉄、0.015%塩化カルシウム、0.01%
塩化マンガン、0.5mg/Lビオチン)や栄養培地で
あるGSP培地(1.5%グルコース、1.5%L−グ
ルタミン酸、1.5%フィトペプトン)に接種し、30
〜45℃、好ましくは37℃で、60〜160時間、好
ましくは140時間培養し、γ−ポリグルタミン酸の蓄
積量が最大となった時点で培養を終了することによっ
て、γ−ポリグルタミン酸を大量に生産させることがで
きる。
【0033】本発明のγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠
損変異株は、γ−ポリグルタミン酸を分解する酵素が活
性を失っているので、生産されたγ−ポリグルタミン酸
は分解されない。そのため、γ−ポリグルタミン酸の生
産量が向上する上に、特定の分子量のものが得られる。
また、当該変異株を用いて納豆を製造すると、糸引きの
強い、粘りのある納豆が得られる。培養物からのγ−ポ
リグルタミン酸の採取は、1Mとなるように食塩を加え
た後、エタノールで沈殿させる等の定法を適用すればよ
く、これによって、γ−ポリグルタミン酸を大量に、か
つ簡便に得ることができる。純度の高いγ−ポリグルタ
ミン酸は、上記エタノール沈殿を繰り返すことや、高速
液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略記するこ
ともある。)によるゲルろ過等の定法の精製法で得るこ
とができる。
【0034】本発明により得られるγ−ポリグルタミン
酸は、その機能性に着目して様々な用途に用いることが
できる。例えば、カルシウム吸収促進剤の他、微生物の
培養に使用するバイオフィルム、食品や化粧品等のコー
ティング剤、水分吸収・保持剤、とろみを付けるための
食品添加物等として利用することができる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1(γ−グルタミルトランスペプチダーゼ欠損変
異株の取得方法) 納豆菌バチルス・ズブチリス(宮城野株)の培養上清か
ら精製したγ−グルタミルトランスペプチダーゼのN末
端アミノ酸配列をもとにデザインしたオリゴDNAプロ
ーブ(配列表の配列番号2)を用いて、λファージで構
築したバチルス・ズブチリスのゲノムDNAライブラリ
ーからγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子を定
法(Sambrook et al., Molecular cloning, 2nd editi
on, 1989Cold Spring Harbor Laboratry Press)に従っ
て選抜した。このγ−グルタミルトランスペプチダーゼ
遺伝子の塩基配列をシークエンサー等の定法により解析
したところ、配列表の配列番号3記載の塩基配列及びア
ミノ酸配列を有していた。次に、γ−グルタミルトラン
スペプチダーゼ遺伝子を含むSsp I-Bgl II断片をプラス
ミドpUC 118 (Toyobo社製)のHinc II-Bam HI部位にク
ローニングした。
【0036】クローニングしたγ−グルタミルトランス
ペプチダーゼ遺伝子のStu I 部位に、プラスミドpDG 17
26 (A. M. Guerout-Fleury, K. Shazard, N. Frandsen
andP. Stragier Gene 167:335-336, 1995) から単離し
たスペクチノマイシン耐性遺伝子を含むEco RV-Hinc II
断片を挿入して、当該遺伝子を破壊したプラスミドを構
築した。このプラスミドを用いて、バチルス・ズブチリ
スを形質転換させ(L. S. P. Tran, T. Nagai and Y. It
oh Molecular Microbiol. 37(5), 1159-1171, 2000) 、
形質転換体を得た。得られた形質転換体をLB培地にて
37℃で18時間培養し(Sambrook et al., Molecular
cloning, 2nd edition, 1989 Cold Spring Harbor La
boratry Press )、γ−グルタミルトランスペプチダー
ゼの酵素活性を指標として、γ−グルタミルトランスペ
プチダーゼ遺伝子欠損変異株を選抜した。本菌をバチル
ス・ズブチリスNAF M13株(FERM P−18
687)と命名した。
【0037】γ−ポリグルタミルトランスペプチダーゼ
の酵素活性の測定は、発色基質であるγ−グルタミルパ
ラニトロアニリドの分解を指標として行った。すなわ
ち、上記の培養液50mLを遠心分離(6000rp
m)して得た培養上清を試料として用いて以下の反応系
を調製し、これを37℃で30分間保持した後の吸光度
を波長410nmで測定することによって行った。結果
を表1に示す。なお、パラニトロアニリドの分子吸光係
数を8800として、1分間に1μモルのパラニトロア
ニリドを遊離する活性を1Uとする。活性の算出には、
検量線としてパラニトロアニリドを用い、野生型納豆菌
についても、同様にγ−グルタミルトランスペプチダー
ゼ活性を測定した。
【0038】 培養上清 50μL 1mM γ−グルタミルパラニトロアニリド 250μL 1M トリス塩酸緩衝液 50μL 滅菌脱イオン水 200μL (合計 550μL)
【0039】実施例2(γ−グルタミルトランスペプチ
ダーゼ欠損変異株の取得方法) 納豆菌バチルス・ズブチリスをLB培地2mL(Sambro
ok et al., Molecularcloning, 2nd edition, 1989 Co
ld Spring Harbor Laboratry Press)にて37℃で5時
間培養した後、EMS(SIGMA 社製)を2%(v/v)
となるように加え、さらに15分間振盪培養し、変異誘
起処理を行った。変異誘起処理した後、生理食塩水で1
万分の1となるように希釈した培養液を、LB寒天培地
(Sambrook et al., Molecular cloning, 2nd editio
n, 1989 Cold Spring Harbor Laboratry Press)に塗布
し、これを37℃で一夜培養した。培養終了後、LB寒
天培地上に形成したコロニーを単離し、2mLのLB培
地に接種し、これを37℃で14時間培養した。培養物
から遠心分離(6000rpm)により菌体を除去する
ことによって得た培養上清について、実施例1と同様
に、γ−グルタミルパラニトロアニリドを基質に用い
て、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ活性を測定し
た。結果を表1に示す。酵素活性が消失もしくは著しく
低下している菌株を選抜し、この変異株をバチルス・ズ
ブチリスNAFM5−001株(FERM P−186
94)と命名した。
【0040】
【表1】表1
【0041】表1から明らかなように、実施例1、2に
よって得られたγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺
伝子に変異を導入して得た変異株は、γ−グルタミルト
ランスペプチダーゼ活性が検出限界以下である。このこ
とから、いずれの変異誘起方法においても、γ−グルタ
ミルトランスペプチダーゼ遺伝子に変異を誘起できるこ
とが示された。
【0042】実施例3(γ−ポリグルタミン酸ハイドロ
ラーゼ遺伝子の調製) γ−ポリグルタミル基を切断する様々な酵素の相同性の
比較を行い、配列表の配列番号4のオリゴDNAを含む
数種類のオリゴDNAプライマーを作成し、実施例1の
バチルス・ズブチリスゲノムDNAライブラリーを検索
した。その結果、配列表の配列番号4のオリゴDNA−
Aプローブと交雑する3つのクローンが得られた。得ら
れたクローンについて、ダイターミネータサイクルシー
クエンスキット(ABI社製)を用いて塩基配列(配列
表の配列番号1)を決定し、これをもとにDDBJのデ
ータベースにて塩基配列の相同性を比較した結果、この
ものは新規な機能を有する遺伝子であることが判明し
た。そこで、この遺伝子をpghA遺伝子と名づけ、当
該遺伝子によってコードされる酵素をγ−ポリグルタミ
ン酸ハイドロラーゼと命名した。
【0043】実施例4(γ−ポリグルタミン酸ハイドロ
ラーゼ欠損変異株の取得方法) 実施例3で調製したγ−ポリグルタミン酸ハイドロラー
ゼ(pghA)遺伝子のBcl I 部位にプラスミドpDG 64
6 (A. M. Guerout-Fleury, K. Shazard,N. Frandsen an
d P. Stragier Gene 167:335-336, 1995) から単離した
エリスロマイシン耐性遺伝子を含むBam HI断片を導入し
て、当該遺伝子を破壊したプラスミドを構築した。この
プラスミドで納豆菌バチルス・ズブチリスを定法により
形質転換し、エリスロマイシン耐性とγ−ポリグルタミ
ン酸分解能を指標に、γ−ポリグルタミン酸ハイドロラ
ーゼ欠損変異株を取得した。すなわち、形質転換したバ
チルス・ズブチリスをエリスロマイシン1μg/mlを
添加したLB培地にて37℃で18時間培養した。その
結果、培地上にコロニーを形成した菌株をエリスロマイ
シン耐性菌株として選抜した。
【0044】続いて、エリスロマイシン耐性菌株につい
て、γ−ポリグルタミン酸の分解能を以下の方法で測定
した。まず、当該変異納豆菌バチルス・ズブチリスを最
小培地(8%グリセロール、0.7%塩化アンモニウ
ム、1.5%クエン酸ナトリウム、0.05%リン酸水
素2カリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.00
3%塩化第二鉄、0.015%塩化カルシウム、0.0
1%塩化マンガン、0.5mg/Lビオチン)2mLに
接種し、7日間培養した。培養後、遠心分離(6000
rpm)を行い、培養上清を得た。こうして得た培養上
清に、培養上清の1/5容の5M食塩水と2倍容のエタ
ノールを加え、生産されたγ−ポリグルタミン酸を沈殿
させた(Nagai et al., J. Gne. Appl. Microbiol. 43,
139-143, 1997)。
【0045】得られたγ−ポリグルタミン酸を400μ
Lのリン酸緩衝液に溶解し、10μLを1%アガロース
電気泳動(20V/cm、30分)に供する。泳動動、
メチレンブルー(pH9.5の30%エタノールに溶
解)にて、アガロース上に展開したγ−グルタミン酸を
染色し、検出した。電気泳動の結果から、γ−ポリグル
タミン酸の分解能が著しく低下している菌株を、γ−ポ
リグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子欠損変異株として
選抜し、これをバチルス・ズブチリスNAF M60株
(FERM P−18696)と命名した。また、実施
例2と同様にEMSを用いて変異誘起処理を行って得た
変異株についても、同様の結果が得られた。
【0046】実施例5(γ−グルタミルトランスペプチ
ダーゼ及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子
欠損変異株の取得方法) γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子及びγ−ポ
リグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子の両者を欠損して
いる変異株を、実施例1、3で調製した遺伝子を破壊し
たプラスミド2種類を用いて、納豆菌バチルス・ズブチ
リスを定法に従って形質転換することによって得た。ま
た、実施例2と同様に、EMSによって変異処理して得
た欠損変異株についても、同様に以下の操作を行った。
得られた形質転換体について、実施例1と同様に発色基
質パラニトロアニリド分解活性を指標としてγ−グルタ
ミルトランスペプチダーゼを、また実施例3と同様にア
ガロースゲル電気泳動によるγ−ポリグルタミン酸の分
解能を指標としてγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ
の有無を判定することによって目的とする変異株を選抜
した。このようにして、二重変異株NAF M61株
(FERMP−18688)及びNAF M5−005
株(FERM P−18695)を得た。結果を表2に
示す。図1は、アガロース電気泳動を行った電気泳動像
を示したものである。
【0047】
【表2】表2
【0048】この結果、実施例5で得られた欠損変異株
は、実施例1、2で得られた欠損変異株と同様に、γ−
グルタミルトランスペプチダーゼ活性を測定して得られ
た結果から、酵素活性が検出限界以下であることが明ら
かとなった。また、アガロースゲル電気泳動の結果か
ら、γ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼの活性が失わ
れていることが明らかとなった。これらのことから、本
発明の方法によって二重変異株が取得できることが分か
った。
【0049】実施例6(γ−ポリグルタミン酸分解酵素
欠損変異株を用いたγ−ポリグルタミン酸の大量生産) 実施例5で得たγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺
伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子欠
損変異株を、前記最小培地あるいはGSP培地100m
Lに接種し、37℃で2〜7日間培養した。なお、比較
のため野生型納豆菌及び実施例1で得たγ−グルタミル
トランスペプチダーゼ遺伝子欠損変異株についても、同
様に試験を行った。培養終了後、菌体を遠心分離(60
00rpm)によって除去し、培養上清を得た。得られ
た培養上清に、2倍容のエタノールを加えてγ−ポリグ
ルタミン酸を沈殿させた後、遠心分離(12000rp
m)によって回収した。このエタノールによる沈殿操作
を2回繰り返したのち、定法により減圧乾燥を行ってγ
−ポリグルタミン酸を得た。
【0050】上記のγ−ポリグルタミン酸について、抗
γ−ポリグルタミン酸(PGA)血清を用いた2次元免
疫電気泳動法(Uchida et al., Mol. Microbiol., 9:48
7-496, 1993)を行い、分子量分布の分析を行った。2次
元免疫電気泳動法において、1次元目は1.2%アガロ
ース、2次元目は10%(v/v)の抗γ−PGA血清
(Uchida et al., Mol. Microbiol., 9:487-496, 1993)
を含む1.2%アガロースを用いて電気泳動を行った。
電気泳動終了後、アガロースゲルを生理食塩水で洗浄し
た後、アミドブラックで染色し、泳動像を分析して培養
期間中のγ−ポリグルタミン酸の分子量の変化を検討し
た。図2は、2次元免疫電気泳動終了後のγ−ポリグル
タミン酸の泳動像である。また、精製したγ−ポリグル
タミン酸を試料としてHPLCに供し、生産されたγ−
ポリグルタミン酸の濃度と分子量を求めた(Nagai et a
l., J. Gne. Appl.Microbiol. 43, 139-143, 1997) 。
HPLCで用いたカラムはAsahipack GAF-7M(昭和電工
社製)であり、溶媒(50mM リン酸ナトリウム、1
00mM 硫酸ナトリウム、pH6.8)、流速0.6
ml/分の条件で実施した。
【0051】野生型納豆菌を用いて生産されたγ−ポリ
グルタミン酸は、当該納豆菌によって産生されるγ−ポ
リグルタミン酸分解酵素(γ−グルタミルトランスペプ
チダーゼ及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ)に
より分解されるため、得られるγ−ポリグルタミン酸量
は極めて少ないだけでなく、最終的にはグルタミン酸に
まで完全に分解されてしまうことが明らかとなった。ま
た、実施例1で得たγ−グルタミルトランスペプチダー
ゼ欠損変異株NAFM13(FERM P−1868
7)によって生産されるγ−ポリグルタミン酸は、γ−
ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ活性の影響を受けて分
解し、平均分子量が10万ダルトン(0.1MDa)の
γ−ポリグルタミン酸となることが明らかとなった。
【0052】実施例5で得たγ−グルタミルトランスペ
プチダーゼ及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺
伝子の欠損変異株NAF M61株(FERM P−1
8688)及びNAF M5−005株(FERM P
−18695)によって生産されるγ−ポリグルタミン
酸は、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ及びγ−ポ
リグルタミン酸ハイドロラーゼの両酵素活性が殆ど残存
していないため、平均分子量が200万ダルトン(2M
Da)のγ−ポリグルタミン酸が蓄積していることが明
らかとなった。これに対して、γ−グルタミン酸ハイド
ロラーゼ遺伝子欠損変異株によって生産されるγ−ポリ
グルタミン酸は、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ
の酵素活性が残存しているため、分子量が500万ダル
トン(5MDa)から5000ダルトン(5kDa)と
いう広い範囲に分布していることが分かった。
【0053】図2から明らかなように、野生型納豆菌で
は、培養期間を通してγ−ポリグルタミン酸の蓄積量は
少なく、培養期間が長くなるほど、γ−ポリグルタミン
酸が分解されて分子量が小さくなる傾向であった。ま
た、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子欠損変
異株では、培養2日目には、500万ダルトン(5MD
a)のγ−ポリグルタミン酸が生産されているが、培養
7日目になると、10万ダルトン(0.1MDa)のも
のが平均となり、かつ生産量も野生型納豆菌に比べ、大
量に蓄積することが判明した。さらに、γ−グルタミル
トランスペプチダーゼ遺伝子及びγ−ポリグルタミン酸
ハイドロラーゼ遺伝子欠損変異株では、培養7日目には
分子量が500万ダルトン(5MDa)のγ−ポリグル
タミン酸が存在し、平均分子量が200万ダルトン(2
MDa)を示している。このことから、野生型納豆菌や
γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子欠損変異株
と比べて、分子量の大きいγ−ポリグルタミン酸が大量
に得られることが明らかとなった。
【0054】実施例7(γ−ポリグルタミン酸分解酵素
欠損変異株の変異遺伝子の同定法) 実施例1〜4で得られたγ−ポリグルタミン酸分解酵素
欠損変異株が、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺
伝子、γ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子の変
異に起因することを、当該遺伝子を使った相補性試験で
確認した。すなわち、実施例1で調製したバチルス・ズ
ブチリスのγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子
(Ssp I-Bgl II断片)及び実施例3で調製したγ−ポリ
グルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子(Hind III断片)
を、pDG 1662等のインテグレーション用プラスミドベク
ターに常法によりクローニングし、プラスミド(図3)
を得た。
【0055】このプラスミドを用いて、γ−ポリグルタ
ミン酸分解酵素欠損変異株のアミラーゼ遺伝子(amy
E)座位に定法(Anne-Marie et al., Gene, 180:57-6
1, 1996)を用いて組み込み、形質転換したバチルス・
ズブチリスを得た。こうして得た形質転換体のバチルス
・ズブチリスのγ−ポリグルタミン酸の分解能を評価す
ることによって、γ−ポリグルタミン酸分解酵素の欠損
が、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子あるい
はγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子の変異を
原因とすることを判定する。
【0056】γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝
子欠損変異株の相補性試験は、実施例1と同様に培養し
て得た培養上清について、γ−グルタミルパラニトロア
ニリドの分解を指標として、γ−グルタミルトランスペ
プチダーゼの活性を測定することにより行った。このと
き、形質転換株の当該酵素活性が、野生型納豆菌と同等
のレベルに回復している場合、当該変異はγ−グルタミ
ルトランスペプチダーゼ遺伝子の変異であることが証明
できる。
【0057】次に、γ−ポリグルタミン酸ハイドロラー
ゼ遺伝子欠損変異の相補性試験は、実施例3と同様に、
エタノール沈殿させたγ−ポリグルタミン酸についてア
ガロース電気泳動法により行った。アガロース電気泳動
を行って得た泳動像において、野生型納豆菌と同等にγ
−ポリグルタミン酸が分解されていれば、当該変異がγ
−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子に由来するこ
とが証明できる。
【0058】また、相補性試験は、pHB 201(Bacillus g
enetic stock center Ohio, U.S.A)等の大腸菌−納豆菌
シャトルベクターを用いても行った。プラスミドpHB 20
1 のマルチクローニングサイトに、納豆菌のγ−グルタ
ミルトランスペプチダーゼ遺伝子(Ssp I-Bgl II断片)
及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子(Hind
III断片)を定法によりクローニングし、これを用いて
大腸菌DH5α株を形質転換し、該大腸菌をLB培地で
18時間培養することによって該プラスミドを増殖させ
た。
【0059】増殖させた該プラスミドを用いて、γ−ポ
リグルタミン酸分解酵素欠損変異株を形質転換した。す
なわち、この操作により、γ−ポリグルタミン酸分解酵
素欠損変異株にγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺
伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子を
再度導入することとなる。これによってγ−ポリグルタ
ミン酸の分解活性が野生型納豆菌の分解レベルと同等で
あれば、γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株の変
異はγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子あるい
はγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子の変異で
あると特定できる。
【0060】以上の相補性試験の結果、いずれの場合も
γ−ポリグルタミン酸の分解能は野生型納豆菌と同等の
レベルに回復していたことから、本発明のγ−ポリグル
タミン酸分解酵素欠損変異株におけるγ−ポリグルタミ
ン酸の生産量の増大は、γ−グルタミルトランスペプチ
ダーゼ遺伝子あるいはγ−ポリグルタミン酸ハイドロラ
ーゼ遺伝子の変異に起因するものであることが判明し
た。
【0061】
【発明の効果】本発明に係るγ−ポリグルタミン酸分解
酵素欠損変異株は、大量のγ−ポリグルタミン酸を安定
的に生産することができる。しかも、糸引きが強く、粘
りのあるため、納豆の製造に利用することができる。本
発明で開発された変異株は、γ−ポリグルタミン酸分解
酵素活性を失っているため、当該微生物によって生産さ
れたγ−ポリグルタミン酸は分解されない。従って、本
発明の変異株を用いることによって、収量の安定したγ
−ポリグルタミン酸の生産が可能となる。さらに、γ−
ポリグルタミン酸が分解されないために、大幅な収量の
増大も達成できる。また、平均分子量が0.1MDa、
2MDaのγ−ポリグルタミン酸が得られるので、それ
ぞれの性質に応じた用途に使用することができる。
【0062】γ−ポリグルタミン酸は、バイオフィル
ム、食品や化粧品等に使用するコーティング剤、水分吸
収・保持剤、とろみを付けるための食品添加剤等の既知
の用途の他に、カルシウム吸収促進作用等の機能性が着
目されており、本発明は、かかる用途に関係する商品の
開発に大きな効果をもたらすことが期待される。
【0063】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> 独立行政法人 食品総合研究所 <120> γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株、その取得法及び該変異株を用 いたγ−ポリグルタミン酸の製造法 <130> P131243K <160> 4 <210> 1 <211> 3477 <212> DNA <213> Bacillus subtilis <400> 1 ccatttatat ttattgaccg cttcatggcg gatcagcgga atcacggaag gtccgccgcc 60 gaaccctaat atgccggtgc gaaccattgc ggccgtcata tcccgataag gatggttttt 120 cattcgtttc tctcctttac agcttcattc ccatacggct tttgtatcgt ttgatcagca 180 tctggcaatc aacactgacg acgcctcgca atggatacag ccgttttgtt aaaaattctt 240 ccatttcttg atcgttggca aagatcccat gcatatgcag cttgctcggg cctgtcatgt 300 gataaaggct ggtgaccgca ggctcttcct caagcttaag agcgacctct tctaaaaatt 360 gcggttctac ctcgacattg aaaaacacgg aaacatgaat gccgatttta gcgggattga 420 tgacagcggt gaatttttca ataacaccgg cttcaattaa ttggttgata cgggcctgca 480 cggcgacccg tgacaaatcg actcttttgc caagatccgt ataagaaatt ctgccttctt 540 catgcaaaat cgtgagaatt tgtttatcag tctcatcaag tacaaggttg gggatttgat 600 attcatgact caattgctcc acctgctttc gtagcctttt agcaatcatt ttatcacaaa 660 agttacgtat cgaaataata atttttcatt tgttttcgaa atgaacgaaa aaatatcttg 720 ttatttgcga aaagtagaaa gttcgtcagt ttttctgccg gatcagtaga tgtgaaaaat 780 caggctccct atactgaaga aaatttctta aaaaagggga cttgtg atg aac aga 835 Met Asn Arg 1 tct gtc atc ggt aca aag caa atg gtc gtc agt ccg cat tac ctc gct 883 Ser Val Ile Gly Thr Lys Gln Met Val Val Ser Pro His Tyr Leu Ala 5 10 15 tct caa gcc gga aac cgc ata cta gac aag gga ggc aac gcg ttt gac 931 Ser Gln Ala Gly Asn Arg Ile Leu Asp Lys Gly Gly Asn Ala Phe Asp 20 25 30 35 gct gct gtt gcg gtg agt gct tgt ctt gcg gtt gtg tat ccg cat atg 979 Ala Ala Val Ala Val Ser Ala Cys Leu Ala Val Val Tyr Pro His Met 40 45 50 acc gga ctt ggc ggg gat tcc ttt tgg cta acc ttt cac cag gaa aca 1027 Thr Gly Leu Gly Gly Asp Ser Phe Trp Leu Thr Phe His Gln Glu Thr 55 60 65 aag gca gta aaa gtc tac aat ggc agc ggc cgt tca gga aaa aac gta 1075 Lys Ala Val Lys Val Tyr Asn Gly Ser Gly Arg Ser Gly Lys Asn Val 70 75 80 acg aga gat gta tat aag gga aaa agc gcg att ccg ctg cgg ggg att 1123 Thr Arg Asp Val Tyr Lys Gly Lys Ser Ala Ile Pro Leu Arg Gly Ile 85 90 95 gac agt gcc att acc gtg ccg gga atg gtt gat agc tgg gat gcg gtc 1171 Asp Ser Ala Ile Thr Val Pro Gly Met Val Asp Ser Trp Asp Ala Val 100 105 110 115 ctg aag gag tac ggg cgt ctg tct ctt gca gat gta ttg gag ccc gca 1219 Leu Lys Glu Tyr Gly Arg Leu Ser Leu Ala Asp Val Leu Glu Pro Ala 120 125 130 cgc gat tat gcc caa aat ggg ttt cct gta tca gct gat cag tgt cgt 1267 Arg Asp Tyr Ala Gln Asn Gly Phe Pro Val Ser Ala Asp Gln Cys Arg 135 140 145 cac aca gaa aag aat att gaa ttg ctg gct tcc acg cct tac acg gct 1315 His Thr Glu Lys Asn Ile Glu Leu Leu Ala Ser Thr Pro Tyr Thr Ala 150 155 160 gac atc ttc acg aga agg ggc aaa gca cct gtc ccg gga gag cgg ttt 1363 Asp Ile Phe Thr Arg Arg Gly Lys Ala Pro Val Pro Gly Glu Arg Phe 165 170 175 ttg caa aaa gag ctt gca gac agt ctg aat gtg att gct gaa aaa gga 1411 Leu Gln Lys Glu Leu Ala Asp Ser Leu Asn Val Ile Ala Glu Lys Gly 180 185 190 195 aga agc gca ttt tat gaa gga gat ctc gct cag cgg att gtc tca cat 1459 Arg Ser Ala Phe Tyr Glu Gly Asp Leu Ala Gln Arg Ile Val Ser His 200 205 210 tta cag aat aac ggc agt tac atg aca atc gat gat ttt aaa gcg cat 1507 Leu Gln Asn Asn Gly Ser Tyr Met Thr Ile Asp Asp Phe Lys Ala His 215 220 225 cgg ggt gag tgg gca gcg cct gta tca agt gat tat cga gga tac agt 1555 Arg Gly Glu Trp Ala Ala Pro Val Ser Ser Asp Tyr Arg Gly Tyr Ser 230 235 240 gtg tat cag gcg ccg ccg aat tct cag gga ttt acc ggt tta tta aca 1603 Val Tyr Gln Ala Pro Pro Asn Ser Gln Gly Phe Thr Gly Leu Leu Thr 245 250 255 ctg aac att ttg gaa aac tat gat ttc acc caa atc gag cac ggt tca 1651 Leu Asn Ile Leu Glu Asn Tyr Asp Phe Thr Gln Ile Glu His Gly Ser 260 265 270 275 ttt gag tat tat cat gtg ctt gtg gag gcg ttg aaa aag agt ttt gta 1699 Phe Glu Tyr Tyr His Val Leu Val Glu Ala Leu Lys Lys Ser Phe Val 280 285 290 gat cgg aat gcc ttt ttg act gac cct gcg ttt gct gac att ccg ctt 1747 Asp Arg Asn Ala Phe Leu Thr Asp Pro Ala Phe Ala Asp Ile Pro Leu 295 300 305 gaa agg ctt tta gat aaa aat tat gcg aaa cga ttg gcg gga gaa atc 1795 Glu Arg Leu Leu Asp Lys Asn Tyr Ala Lys Arg Leu Ala Gly Glu Ile 310 315 320 ggc tat ctg gca gaa ccg gca gaa agc agg ccg gtg gga agt gat acg 1843 Gly Tyr Leu Ala Glu Pro Ala Glu Ser Arg Pro Val Gly Ser Asp Thr 325 330 335 gca tat gcg gcc gta atc gat gcg gat ggc aac gca gtg tca ttc att 1891 Ala Tyr Ala Ala Val Ile Asp Ala Asp Gly Asn Ala Val Ser Phe Ile 340 345 350 355 caa agc ctg tac ttt gaa ttt ggc tcg gca gtc act gcc ggt gat aca 1939 Gln Ser Leu Tyr Phe Glu Phe Gly Ser Ala Val Thr Ala Gly Asp Thr 360 365 370 ggc ata tta ctg caa aac cgc gga tca ttt ttc tca ctg gat gaa aat 1987 Gly Ile Leu Leu Gln Asn Arg Gly Ser Phe Phe Ser Leu Asp Glu Asn 375 380 385 cat gtc aac acg ctt gaa ccg aga aag cgc acc ttc cat acg ttg atg 2035 His Val Asn Thr Leu Glu Pro Arg Lys Arg Thr Phe His Thr Leu Met 390 395 400 ccg gct atg gtc tgt aaa ggc gga aag cca aaa att ctg tac ggc aca 2083 Pro Ala Met Val Cys Lys Gly Gly Lys Pro Lys Ile Leu Tyr Gly Thr 405 410 415 caa ggc ggc gaa ggc cag ccg cag acc cag acg gcc atc att acc cga 2131 Gln Gly Gly Glu Gly Gln Pro Gln Thr Gln Thr Ala Ile Ile Thr Arg 420 425 430 435 atg ctg gac tac gga atg cat cca cag cag gca att agc gaa ccg cgc 2179 Met Leu Asp Tyr Gly Met His Pro Gln Gln Ala Ile Ser Glu Pro Arg 440 445 450 tgg gta tgg ggc aga acg tgg gga gag gaa tac gaa ggt ctc aga gtc 2227 Trp Val Trp Gly Arg Thr Trp Gly Glu Glu Tyr Glu Gly Leu Arg Val 455 460 465 gag ggc aga ttc aca gac aaa aca atc caa aaa ctg aaa gac agc ggg 2275 Glu Gly Arg Phe Thr Asp Lys Thr Ile Gln Lys Leu Lys Asp Ser Gly 470 475 480 cat ctc gtg gag gtt gtc ggt gac tat gat ccg ctg atg gga caa gcg 2323 His Leu Val Glu Val Val Gly Asp Tyr Asp Pro Leu Met Gly Gln Ala 485 490 495 gct gca atc aaa gtt gat gaa gaa ggc ttt ctc caa gcc gga gcc gat 2371 Ala Ala Ile Lys Val Asp Glu Glu Gly Phe Leu Gln Ala Gly Ala Asp 500 505 510 515 cct cgg gga gac gga gcg gct gtg ggg ata taa ataactatag ggtacaaata 2424 Pro Arg Gly Asp Gly Ala Ala Val Gly Ile 520 525 taaatcaaaa gcataaacat aagggagacc tctacaatgt ggtacatata ctgtttatct 2484 tcaggtctat aatgccactc cataaaaatt cgtattgagt caatcacaat aaaaaataaa 2544 agaagcaaat attcaactgg aaaaaaggag agtgaaaata caaacaaaat aagtaaagtg 2604 atttcgatcc atttgtgtgt attgctgaca tgcttatatc gccagccgga tttatcaata 2664 ccgtattttt tctttataaa aaattgagag gcgagactga tggtaatagc gatcagcatt 2724 aaaatccaaa agtttgtcat tccaattcct cctcatctac ctttatacga agaaaaagga 2784 aaaacgtttc ataaaagaac accccgagct tactctgggt gttctttttt ttgatatttt 2844 ttcagttatt tacaggcgat attttgtaat cataaggtct ttttgactag tttcttctat 2904 ttaaatagtc cttctcttca gctgggacga atcagtgtga attcttcccc cagcttggca 2964 tagtgatttc ccgccaatcg tgaggcaggt tttaattcat ccgttaaaat atatcccttt 3024 tctgcatcat acaccttttc atctaggtgg aagcagacaa cccttccgat gagcagatct 3084 gctgtagtga tgccttgatc attgtcaaag gtaatatgcc gctgctaatt tgcactcaaa 3144 gcgaacgcgg gcttccttaa tgccgggaac tgaaacagct ttgctttcaa caggatgaag 3204 cgaggtgcgt gtaagctcgc tttcatccgg ccttaagctt gcagctgttt cattgatatc 3264 ttcaatgatg gcttcatcac tgacatgaac gacaaattct ccgttctcca ctgcgtttcg 3324 cgctgtatct ttttggcgtc cttgccgtgc ctgttaacag aaatactgag aagcggagga 3384 tctgagctga cgacgttata aaaactgaaa ggcgcggcat tgaccgctcc ttctgaagaa 3444 agtgttgtca caaatgcaat ggggcgggga aaa 3477 <210> 2 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 2 gatgagtaca aacaagtaga t 21 <210> 3 <211> 2829 <212> DNA <213> Bacillus subtilis <400> 3 aagctttaca tctcttgggt acttatcccc ctactaatca tcaaaaaacc tcttaaaacg 60 aaatctgaag ctcccaattt tctggagctt ccgcaaaaaa catacaaaaa aagacacaat 120 ttcaaattgt gtcctaatcc tcatccttta catcaatatc ttccgggatc ggttcattta 180 atatttcctg caccagtgct ttgtaattct ccagctgttc gagatgcgtt ttgaactgtt 240 ccttataaat caaaaattgc tccccgtcat gaacggctct gattttccct tcgagcacca 300 agcttttaat ataatcctct gaaagatttg tatattctgc tgtttcttca atcgttaaat 360 acatatagca gtcccttctt aatccgtatg ctgattctaa tatagcacat ggctcatatc 420 aatataatca attttgcaca gaaaaacggc tttatgtact atataatata ccatttgtca 480 cttgtgaaaa cgctgtaatt tttttacgct aagattgtaa caatacaact tcatatagga 540 gggagaac atg aaa aga acg tgg aac gtc tgt tta aca gct ctg ctt agt 590 Met Lys Arg Thr Trp Asn Val Cys Leu Thr Ala Leu Leu Ser 1 5 10 gtt ctg tta gtc gct gga agt gtc cct ttt cac gcg gaa gct aaa aaa 638 Val Leu Leu Val Ala Gly Ser Val Pro Phe His Ala Glu Ala Lys Lys 15 20 25 30 ccg ccc aaa agc tac gat gag tac aaa caa gta gat gtt gga aaa gac 686 Pro Pro Lys Ser Tyr Asp Glu Tyr Lys Gln Val Asp Val Gly Lys Asp 35 40 45 ggc atg gtt gcg acc gca cat gct ctt gct tct gaa atc ggt gct gat 734 Gly Met Val Ala Thr Ala His Ala Leu Ala Ser Glu Ile Gly Ala Asp 50 55 60 gtg ctg aaa aaa gga gga aat gct att gac gca gcg gtt gcc att caa 782 Val Leu Lys Lys Gly Gly Asn Ala Ile Asp Ala Ala Val Ala Ile Gln 65 70 75 ttt gca ctc aat gta aca gag ccg atg atg tca ggt att ggc ggc ggc 830 Phe Ala Leu Asn Val Thr Glu Pro Met Met Ser Gly Ile Gly Gly Gly 80 85 90 ggt ttt atg atg gtg tat gac gga aaa acg aag gat aca acg ata atc 878 Gly Phe Met Met Val Tyr Asp Gly Lys Thr Lys Asp Thr Thr Ile Ile 95 100 105 110 gac agc cgt gag cgt gct cca gca ggc gca act cct gat atg ttt ctg 926 Asp Ser Arg Glu Arg Ala Pro Ala Gly Ala Thr Pro Asp Met Phe Leu 115 120 125 gac gaa aac ggc aaa gca att cct ttc tct gaa cgt gta aca aaa ggt 974 Asp Glu Asn Gly Lys Ala Ile Pro Phe Ser Glu Arg Val Thr Lys Gly 130 135 140 act gcc gtt ggt gtt cca ggc act ctg aaa ggg ctg gaa gaa gcc ttg 1022 Thr Ala Val Gly Val Pro Gly Thr Leu Lys Gly Leu Glu Glu Ala Leu 145 150 155 gac aaa tgg gga acc cgt tcg atg aag cta tta att acc cct tct att 1070 Asp Lys Trp Gly Thr Arg Ser Met Lys Leu Leu Ile Thr Pro Ser Ile 160 165 170 aaa ctc gct gaa aaa ggc ttt ccg att gat tcg gtg ttg gca gat gcc 1118 Lys Leu Ala Glu Lys Gly Phe Pro Ile Asp Ser Val Leu Ala Asp Ala 175 180 185 190 att tct gat tat cag gaa aaa ctt tca cgg act gcc gca aaa gat gta 1166 Ile Ser Asp Tyr Gln Glu Lys Leu Ser Arg Thr Ala Ala Lys Asp Val 195 200 205 ttt tta cca aat ggc gaa ccg ctt aaa gaa gga gat acc ctt att caa 1214 Phe Leu Pro Asn Gly Glu Pro Leu Lys Glu Gly Asp Thr Leu Ile Gln 210 215 220 aag gat ttg gct aaa aca ttt aag ctt att cgc tcc aaa ggc act gac 1262 Lys Asp Leu Ala Lys Thr Phe Lys Leu Ile Arg Ser Lys Gly Thr Asp 225 230 235 gct ttt tat aaa gga aaa ttc gcc aag acg ctt tct gac act gtc cag 1310 Ala Phe Tyr Lys Gly Lys Phe Ala Lys Thr Leu Ser Asp Thr Val Gln 240 245 250 gat ttc ggc gga tca atg aca gaa aaa gat tta gaa aat tac gac att 1358 Asp Phe Gly Gly Ser Met Thr Glu Lys Asp Leu Glu Asn Tyr Asp Ile 255 260 265 270 aca att gat gaa ccg att tgg gga gac tat caa ggc tat caa atc gct 1406 Thr Ile Asp Glu Pro Ile Trp Gly Asp Tyr Gln Gly Tyr Gln Ile Ala 275 280 285 act act cct cct cca agc tcc ggc ggt att ttc tta ttg caa atg ctg 1454 Thr Thr Pro Pro Pro Ser Ser Gly Gly Ile Phe Leu Leu Gln Met Leu 290 295 300 aaa atc ctt gat gat ttt aac ctt tca caa tac gat gtc cgc tca tgg 1502 Lys Ile Leu Asp Asp Phe Asn Leu Ser Gln Tyr Asp Val Arg Ser Trp 305 310 315 gaa aaa tat cag ctg ctt gct gaa acg atg cat ttg tca tat gcc gac 1550 Glu Lys Tyr Gln Leu Leu Ala Glu Thr Met His Leu Ser Tyr Ala Asp 320 325 330 cgt gcg tct tac gca ggt gat ccc gaa ttt gta aat gtt cct ctc aaa 1598 Arg Ala Ser Tyr Ala Gly Asp Pro Glu Phe Val Asn Val Pro Leu Lys 335 340 345 350 ggc ctg ctt cac ccc gat tat att aaa gaa cgc cag caa tta atc aac 1646 Gly Leu Leu His Pro Asp Tyr Ile Lys Glu Arg Gln Gln Leu Ile Asn 355 360 365 cta gat caa gtg aat aaa aaa ccg aaa gcc ggt gac cct tgg aaa tac 1694 Leu Asp Gln Val Asn Lys Lys Pro Lys Ala Gly Asp Pro Trp Lys Tyr 370 375 380 caa gaa gga tca gca aac tat aaa caa gtt gaa cag ccg aaa gac aaa 1742 Gln Glu Gly Ser Ala Asn Tyr Lys Gln Val Glu Gln Pro Lys Asp Lys 385 390 395 gta gaa ggc caa aca acc cac ttt aca gtt gct gat cga tgg gga aat 1790 Val Glu Gly Gln Thr Thr His Phe Thr Val Ala Asp Arg Trp Gly Asn 400 405 410 gtt gtt tct tac aca aca aca atc gaa cag cta ttc gga acg ggt att 1838 Val Val Ser Tyr Thr Thr Thr Ile Glu Gln Leu Phe Gly Thr Gly Ile 415 420 425 430 atg gtc cct gat tac ggt gtt att tta aac aat gaa tta acg gat ttt 1886 Met Val Pro Asp Tyr Gly Val Ile Leu Asn Asn Glu Leu Thr Asp Phe 435 440 445 gat gcg ata cca ggc gga gct aac gaa gta cag cca aac aaa cgg cct 1934 Asp Ala Ile Pro Gly Gly Ala Asn Glu Val Gln Pro Asn Lys Arg Pro 450 455 460 tta agc agc atg acc ccg acg att tta ttt aag gat gac aag cct gtc 1982 Leu Ser Ser Met Thr Pro Thr Ile Leu Phe Lys Asp Asp Lys Pro Val 465 470 475 ctc act gtt gga tct cct ggc ggg gcc aca att att tca tcc gtt ttg 2030 Leu Thr Val Gly Ser Pro Gly Gly Ala Thr Ile Ile Ser Ser Val Leu 480 485 490 caa acc att ctc tac cac att gaa tat ggt atg gaa tta aaa gca gct 2078 Gln Thr Ile Leu Tyr His Ile Glu Tyr Gly Met Glu Leu Lys Ala Ala 495 500 505 510 gtt gaa gag ccg aga att tac aca aac agt atg agc tct tac cgt tac 2126 Val Glu Glu Pro Arg Ile Tyr Thr Asn Ser Met Ser Ser Tyr Arg Tyr 515 520 525 gaa gac gga gtt cct aaa gat gtc ctc agc aag ctg aac ggt atg ggc 2174 Glu Asp Gly Val Pro Lys Asp Val Leu Ser Lys Leu Asn Gly Met Gly 530 535 540 cac aaa ttc ggc aca agt ccg gtg gat atc gga aac gtg caa agc ata 2222 His Lys Phe Gly Thr Ser Pro Val Asp Ile Gly Asn Val Gln Ser Ile 545 550 555 tcg atc gac cat gaa aac gga acc ttt aaa ggc gta gct gat tca agc 2270 Ser Ile Asp His Glu Asn Gly Thr Phe Lys Gly Val Ala Asp Ser Ser 560 565 570 aga aac ggc gcg gcg atc ggc att aat tta aaa cgt aaa taa attaaaaaa 2321 Arg Asn Gly Ala Ala Ile Gly Ile Asn Leu Lys Arg Lys 575 580 585 ctgtactcgc ttcaaatgag tacagttttt tcatgcagat cttaacatta ccgatgagat 2381 cgcgccgaga gtcggtgttt gggtaggctc cggtatcgga ggacttgaaa cactagagtc 2441 tcaatttgaa atcttcttaa caaaaggctc aagacgggta agcccgtttt tcgtgccaat 2501 gatgattcct gacatggcga caggccagat ttctattgca ttaggagcaa aaggggtgaa 2561 ctcttgtacg gttacagcat gtgctacagg aacgaactcc atcggtgacg cgtttaaggt 2621 tattcagcgc ggtgatgcag acgtgatggt cacaggcgga acagaagcgc cgctgacaag 2681 aatgtcattc gccggcttta gtgccaacaa agcgctgtct actaatccag atccgaaaac 2741 agcgagccgc ccgttcgata aaaaccgtga tggctttgtc atgggggaag gtgcagggat 2801 tatcgttctt gaagaacttg agcatgcc 2829 <210> 4 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 aagggaggca acgcgtttga c 21
【図面の簡単な説明】
【図1】 アガロース電気泳動終了後のγ−ポリグルタ
ミン酸の泳動像を示したものである。図中、Aはγ−グ
ルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子及びγ−ポリグル
タミン酸ハイドロラーゼ遺伝子の欠損変異株の培養液か
ら精製したγ−ポリグルタミン酸試料(10μL)を、
Bはγ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子欠損変
異株の培養液から精製したγ−ポリグルタミン酸試料
(10μL)を、Cは野生型納豆菌の培養液から精製し
たγ−ポリグルタミン酸試料(10μL)を、それぞれ
表す。
【図2】 2次元免疫電気泳動終了後のγ−ポリグルタ
ミン酸の泳動像を示したものである。図中、Aは野生型
納豆菌の培養物から得たγ−ポリグルタミン酸を、Bは
γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子欠損変異株
の培養物から得たγ−ポリグルタミン酸を、Cはγ−グ
ルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子及びγ−ポリグル
タミン酸ハイドロラーゼ遺伝子欠損変異株の培養物から
得たγ−ポリグルタミン酸を、それぞれ表す。
【図3】 相補性試験に用いるアミラーゼ遺伝子(am
yE)座位インテグレーション用ベクターの模式図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 啓太郎 茨城県つくば市竹園3丁目302−906 (72)発明者 伊藤 義文 茨城県つくば市並木3丁目14−18 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA05 BA80 CA04 DA07 EA04 FA02 FA20 GA11 4B064 AG01 CA02 CA19 CC24 DA01 DA10 4B065 AA19X AA19Y AB01 AC14 BA02 BA24 CA24 CA41 CA44

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−ポリグルタミン酸生産微生物におい
    て、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子が変異
    していることを特徴とするγ−ポリグルタミン酸分解酵
    素欠損変異株。
  2. 【請求項2】 γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異
    株が、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子にス
    ペクチノマイシン耐性遺伝子が挿入されたバチルス・ズ
    ブチリスNAF M13株(FERM P−1868
    7)である請求項1記載の変異株。
  3. 【請求項3】 γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異
    株が、化学的変異処理もしくは物理的変異処理によりγ
    −グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子に変異を誘起
    したバチルス・ズブチリスNAF M5−001株(F
    ERM P−18694)である請求項1記載の変異
    株。
  4. 【請求項4】 γ−ポリグルタミン酸生産微生物におい
    て、γ−ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子が変異し
    ていることを特徴とするγ−ポリグルタミン酸分解酵素
    欠損変異株。
  5. 【請求項5】 γ−ポリグルタミン酸生産微生物が、γ
    −ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子にエリスロマイ
    シン耐性遺伝子が挿入されたバチルス・ズブチリスNA
    F M60株(FERM P−18696)である請求
    項4記載の変異株。
  6. 【請求項6】 γ−ポリグルタミン酸生産微生物におい
    て、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子及びγ
    −ポリグルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子が変異している
    ことを特徴とするγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変
    異株。
  7. 【請求項7】 γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異
    株が、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子にス
    ペクチノマイシン耐性遺伝子が挿入され、かつγ−ポリ
    グルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子にエリスロマイシン耐
    性遺伝子が挿入されたバチルス・ズブチリスNAF M
    61株(FERM P−18688)である請求項6記
    載の変異株。
  8. 【請求項8】 γ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異
    株が、化学的変異処理もしくは物理的変異処理によりγ
    −グルタミルトランスペプチダーゼ遺伝子及びγ−ポリ
    グルタミン酸ハイドラーゼ遺伝子に変異を誘起したバチ
    ルス・ズブチリスNAF M5−005株(FERM
    P−18695)である請求項6記載の変異株。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載のγ−ポ
    リグルタミン酸分解酵素欠損変異株を培地に培養し、培
    養物からγ−ポリグルタミン酸を採取することを特徴と
    するγ−ポリグルタミン酸の製造法。
  10. 【請求項10】 配列表の配列番号1記載の塩基配列か
    らなるγ−ポリグルタミン酸ハイドロラーゼ遺伝子。
  11. 【請求項11】 配列表の配列番号2記載のオリゴDN
    Aプローブを用いてバチルス・ズブチリスのゲノムDN
    Aライブラリーからγ−グルタミルトランスペプチダー
    ゼ遺伝子をクローニングし、当該遺伝子のStu I 部位に
    スペクチノマイシン耐性遺伝子を挿入することを特徴と
    する請求項1又は2記載のγ−ポリグルタミン酸分解酵
    素欠損変異株の取得方法。
  12. 【請求項12】 γ−ポリグルタミン酸生産微生物を化
    学物質による化学的変異処理もしくは紫外線等の照射に
    よる物理的変異処理を行い、γ−グルタミルトランスペ
    プチダーゼ遺伝子を変異させることを特徴とする請求項
    1又は3記載のγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異
    株の取得方法。
  13. 【請求項13】 配列表の配列番号4記載のオリゴDN
    Aプローブを用いてバチルス・ズブチリスのゲノムDN
    Aライブラリーからγ−ポリグルタミン酸ハイドロラー
    ゼ遺伝子をクローニングし、当該遺伝子のBcl I 部位に
    エリスロマイシン耐性遺伝子を挿入することを特徴とす
    る請求項4又は5記載のγ−ポリグルタミン酸分解酵素
    欠損変異株の取得方法。
  14. 【請求項14】 配列表の配列番号2記載のオリゴDN
    Aプローブを用いてバチルス・ズブチリスのゲノムDN
    Aライブラリーからγ−グルタミルトランスペプチダー
    ゼ遺伝子をクローニングし、配列表の配列番号4記載の
    オリゴDNAプローブを用いてバチルス・ズブチリスの
    ゲノムDNAライブラリーからγ−ポリグルタミン酸ハ
    イドラーゼ遺伝子をクローニングし、前者の遺伝子のSt
    u I 部位にスペクチノマイシン耐性遺伝子を挿入し、後
    者の遺伝子のBcl I 部位にエリスロマイシン耐性遺伝子
    を挿入することを特徴とする請求項6又は7記載のγ−
    ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株の取得方法。
  15. 【請求項15】 γ−ポリグルタミン酸生産微生物を化
    学物質による化学的変異処理もしくは紫外線等の照射に
    よる物理的変異処理を行い、γ−グルタミルトランスペ
    プチダーゼ遺伝子及びγ−ポリグルタミン酸ハイドラー
    ゼ遺伝子を変異させることを特徴とする請求項6又は8
    記載のγ−ポリグルタミン酸分解酵素欠損変異株の取得
    方法。
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