JP2003151559A - 有機電解液電池 - Google Patents
有機電解液電池Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 負荷特性および高温貯蔵特性の両方にすぐれ
た有機電解液電池を提供することを目的とする。 【解決手段】 負極2と正極1と有機電解液4を含む有
機電解液電池において、負極活物質として比表面積が
1.0m2/g以上のリチウム含有材料を用い、電池の規
格容量に対し90%の充電状態での負極が、X線光電子
分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜
287eVのピ−クから求められる炭素原子の量が6.
5原子%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく1
33〜135eVのピ−クから求められるリン原子の量
が1原子%以上であるか、あるいは、BOx由来のホウ
素に基づく192〜193eVのピ−クから求められる
ホウ素原子の量が1原子%以上であることを特徴とする
有機電解液電池。
た有機電解液電池を提供することを目的とする。 【解決手段】 負極2と正極1と有機電解液4を含む有
機電解液電池において、負極活物質として比表面積が
1.0m2/g以上のリチウム含有材料を用い、電池の規
格容量に対し90%の充電状態での負極が、X線光電子
分光分析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜
287eVのピ−クから求められる炭素原子の量が6.
5原子%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく1
33〜135eVのピ−クから求められるリン原子の量
が1原子%以上であるか、あるいは、BOx由来のホウ
素に基づく192〜193eVのピ−クから求められる
ホウ素原子の量が1原子%以上であることを特徴とする
有機電解液電池。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機電解液電池に
関し、さらに詳しくは、負荷特性および高温貯蔵特性の
両方にすぐれた有機電解液二次電池に関する。 【0002】 【従来の技術】リチウムイオン電池に代表される有機電
解液電池は、高電圧、高エネルギー密度であるため、ま
すます需要が増えている。従来、この種の有機電解液電
池は、負極にグラファイトなどの炭素材料を結着剤とと
もに金属箔上に設けたものが用いられ、電解液にLiP
F6 などを有機溶媒に溶かしたものが用いられている。
しかし、この電池は、負荷特性が悪く、これを改善する
ため、負極活物質として比表面積の大きいカーボン材料
を用いる試みがなされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような比表面積の
大きいカーボン材料を用いると、負荷特性は改善される
ものの、この電池を充電状態で高温貯蔵すると、活物質
表面と電解液との過剰な副反応により、容量劣化が大き
くなるという問題があった。 【0004】本発明は、上記事情に照らし、比表面積の
大きい負極活物質を用いて負荷特性を改善する場合の高
温貯蔵特性の劣化を回避し、負荷特性および高温貯蔵特
性の両方にすぐれた有機電解液電池を得ることを目的と
している。 【0005】 【課題を解決するための手段】従来構成の電池を分解
し、充電状態の負極表面をX線光電子分光分析により観
察すると、286〜287eVの範囲に炭素原子に基づ
くピ−クが確認される。充電状態の負極表面は、Li2
O、LiF、Li2 CO3 、アルコキシド、アルキルカ
ーボネートなどで構成されたSEI(Solid El
ectrolyte Interface)被膜で覆わ
れ、これにより電解液と負極との過剰な副反応が防がれ
ていることが知られている。上記ピ−クは、このSEI
被膜の構成成分であるアルコキシドに由来する、つまり
C−O由来の炭素原子に基づくピ−クである。 【0006】本発明者らは、上記ピ−クの由来となるア
ルコキシド、とくに低分子量のアルコキシドに着目し、
これが高温下では電解液に対する安定性に劣り、このこ
とが原因となって高温貯蔵時にSEI被膜が劣化し、比
表面積の大きい負極活物質を用いた場合の電解液と負極
との過剰な副反応を防げなくなり、電池の容量劣化を招
くものと考えた。そこで、この問題に対し、負極活物質
やこれを用いた負極をリン酸またはホウ酸で処理するな
どして、アルコキシドのリチウムをリンまたはホウ素で
置換し、SEI被膜中にリン酸(POx)由来のリン原
子またはホウ酸(BOx)由来のホウ素原子を一定量結
合させたところ、高温貯蔵時のSEI被膜の劣化防止に
好ましい結果が得られることを見い出した。 【0007】これを要するに、本発明者らは、上記方法
で、充電状態での負極表面を、X線光電子分光分析によ
るC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVの
ピ−クから求められる炭素原子の量が一定値以下とな
り、POx由来のリンに基づく133〜135eVのピ
−クから求められるリン原子の量またはBOx由来のホ
ウ素に基づく192〜193eVのピ−クから求められ
るホウ素原子の量が一定値以上となるようにしたとき
に、比表面積の大きい負極活物質を使用したときの高温
貯蔵時のSEI被膜の劣化が防止され、負荷特性および
高温貯蔵特性の両方にすぐれた電池が得られることを見
い出したものである。 【0008】本発明は、上記の知見をもとにして、完成
されたものである。すなわち、本発明は、負極と正極と
有機電解液を含む有機電解液電池において、負極活物質
として比表面積が1.0m2/g以上のリチウム含有材料
を用い、電池の規格容量に対し90%の充電状態での負
極が、X線光電子分光分析(以下、単にXPS分析とい
う)によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜28
7eVのピ−クから求められる炭素原子の量が6.5原
子%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく133
〜135eVのピ−クから求められるリン原子の量が1
原子%以上であるか、あるいは、BOx由来のホウ素に
基づく192〜193eVのピ−クから求められるホウ
素原子の量が1原子%以上であることを特徴とする有機
電解液電池に係るものである。 【0009】なお、本発明において、XPS分析は、電
池を規格容量の90%に充電して、1日放置後、不活性
雰囲気中で分解して負極を取り出し、24時間真空乾燥
後、外気に触れない状態で、測定したものである。ま
た、XPS分析は、アルバックファイ社製の「PHI5
500MC」にて、400WでAl−Kα線を用いて測
定し、ピーク分割を行って、各ピークの原子の量を、全
構成原子中の割合(%)として、算出したものであ
る。。ここで、上記の「全構成原子」とは、負極表面部
を構成する全原子、つまり、SEI被膜を構成する全原
子を意味している。時代の変遷により、上記分析機器が
無くなった場合には、それに相当する分析機器および条
件で、測定できることはいうまでもない。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明において、負極活物質に
は、比表面積が1.0m2/g以上、好ましくは2.0m2
/g以上(通常、5.0m2/gまで)のリチウム含有材
料が用いられる。このようなリチウム含有材料による
と、負荷特性にすぐれた有機電解液電池が得られる。比
表面積が1.0m2/g未満では、負荷特性が不十分とな
る。 【0011】上記のリチウム含有材料には、乱層構造を
有する炭素材料、天然黒鉛、人造黒鉛、ガラス状炭素な
どの炭素質材料が用いられる。これらは、電池の製造時
にはリチウムを含んでいないものもあるが、少なくとも
負極活物質として作用するときは、化学的手段、電気化
学的手段によりリチウムを含有した状態になる。これら
以外のリチウム含有材料として、リチウム金属や、リチ
ウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−ビスマ
ス、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチ
ウム−インジウム−ガリウムなどのリチウム合金や、こ
れら合金以外の各種のリチウム含有化合物を使用しても
よい。 【0012】本発明において、負極は、上記の負極活物
質に、必要に応じて、鱗片状黒鉛、カーボンブラックな
どの電子伝導助剤を加え、さらにバインダーと溶剤を加
え、これらをよく混合して塗料を調製し、これを導電性
基体上に塗布し、乾燥して、塗膜を形成することによ
り、作製される。上記塗料の調製に当たり、バインダー
はあらかじめ有機溶剤、水、水溶液に溶解させた溶液と
して用い、上記負極活物質などの固体粒子と混合して塗
料を調製するのが好ましい。 【0013】バインダーには、ポリビニリデンフルオラ
イド系ポリマー、ゴム系ポリマー、セルロース系ポリマ
ーなどの中から、その1種または2種以上が用いられ
る。これらのバインダーは、塗膜中、0.2〜20重量
%、とくに0.5〜10重量%であるのが好ましい。バ
インダーが過少では、塗膜の機械的強度が不足して、塗
膜が導電性基体から剥離するおそれがあり、また過多と
なると、塗膜中の負極活物質の量が減少して、電池容量
が低下するおそれがある。 【0014】上記のポリビニリデンフルオライド系ポリ
マーは、ビニリデンフルオライドを80重量%以上含有
する含フッ素モノマー群の重合体である。具体的には、
ビニリデンフルオライドの単独重合体、ビニリデンフル
オライドと他の含フッ素モノマー(ビニルフルオライ
ド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、へキサフルオロプロピレ
ン、フルオロアルキルビニルエーテルなど)の少なくと
も1種との共重合体が用いられる。 【0015】また、上記のゴム系ポリマーには、スチレ
ンブタジェンゴム、エチレンプロピレンジェンゴム、フ
ッ素ゴムなどが用いられる。さらに、上記のセルロース
系ポリマーには、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどが用いられる。 【0016】塗料を塗布する導電性基体としては、アル
ミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属製導電
材料を、網、パンチドメタル、フォームメタルとしたも
の、また板状に加工した箔などが用いられる。これらの
導電性基体上に塗料を塗布する際には、押し出しコータ
ー、リバースローラー、ドクターブレード、アプリケー
ターなどをはじめ、各種の塗布方法を採用することがで
きる。 【0017】本発明においては、このように作製される
負極を、これと正極と有機電解液を含む電池の規格容量
に対し90%の充電状態において、XPS分析によるC
−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピ−
クから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下(通
常、2.0原子%以上)となり、かつPOx由来のリン
に基づく133〜135eVのピ−クから求められるリ
ン原子の量が1原子%以上(通常、3原子%以下)とな
るか、あるいは、BOx由来のホウ素に基づく192〜
193eVのピ−クから求められるホウ素原子の量が1
原子%以上(通常、5原子%以下)となるようにしたこ
とを特徴とする。高温貯蔵特性をより良く改善するため
には、上記C−O由来の炭素原子の量が6.0原子%以
下で、上記POx由来のリン原子の量が1.5原子%以
上となるようにするか、あるいは、上記C−O由来の炭
素原子の量が6.0原子%以下、とくに4.0原子%以
下で、上記BOx由来のホウ素原子の量が1.5原子%
以上、とくに2.5原子%以上となるようにするのが、
望ましい。 【0018】このような構成とすることにより、負荷特
性および高温貯蔵特性の両方にすぐれた有機電解液電池
を得ることができる。これに対して、上記C−O由来の
炭素原子の量が6.5原子%より大きく、上記POx由
来のリン原子の量または上記BOx由来のホウ素原子の
量が1%未満となると、負極表面のSEI被膜の高温で
の安定性が不十分となり、高温貯蔵特性が改善されな
い。 【0019】本発明において、負極を上記のように構成
するには、たとえば、POx由来のリン原子を含ませる
場合、リン酸やリン酸塩の溶液に負極活物質または負極
を一定時間浸積乾燥する方法、リン酸やリン酸塩の溶液
を負極作製時の負極活物質、バインダーなどを含む塗料
中に混ぜ込む方法、電解液中に添加する方法などが挙げ
られる。また、同様に、BOx由来のホウ素原子を含ま
せる場合、ホウ酸やホウ酸塩の溶液に負極活物質または
負極を一定時間浸積乾燥する方法、ホウ酸やホウ酸塩の
溶液を負極作製時の負極活物質、バインダーなどを含む
塗料中に混ぜ込む方法、電解液中に添加する方法などが
挙げられる。 【0020】本発明において、正極活物質には、リチウ
ムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム
マンガン酸化物(これらは、通常、LiNiO2 、Li
CoO2 、LiMn2 O4 で表されるが、LiとNiの
比、LiとCoとの比、LiとMnとの比は、それぞ
れ、化学量論組成からずれている場合が多い)などのリ
チウム含有複合金属酸化物の中から、その1種を単独で
または2種以上の混合物として、あるいはそれらの固溶
体として用いられる。 【0021】正極は、上記の正極活物質に、必要に応じ
て、鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝導助剤
を加え、さらにバインダーを含ませた塗料を調製し、こ
れを導電性基体上に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する
ことにより、作製される。上記のバインダーには、負極
作製の場合と同様のバインダーが同様の使用量で用いら
れる。また、塗料を塗布する導電性基体、これに塗料を
塗布する方法なども、負極作製の場合と同様の導電性基
体や塗布方法が用いられる。 【0022】本発明において、有機電解液には、有機溶
媒中に電解質を溶解させた溶液が用いられる。電解質と
しては、一般式:LiMFn(式中、MはP、As、S
bまたはBであり、nはMがP、AsまたはSbのとき
は6、MがBのときは4である)で表される無機リチウ
ム塩、含フッ素有機リチウムイミド塩などが用いられ
る。この電解質の濃度としては、2種類以上の異なる電
解質を含んでいても、全体として0.4〜1.6モル/
リットルであるのが好ましいが、とくに0.6〜1.4
モル/リットルであるのが好ましい。 【0023】電解質を溶解させる有機溶媒には、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメ
トキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル
類、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチル
カーボネート、エチルメチルカーボネートなどのエステ
ル類、さらにスルフォランなどが単独でまたは2種以上
の混合溶媒として用いられる。これらのうち、エステル
類は高電圧下でも正極活物質との反応性が少なく貯蔵特
性を向上させる効果が大きいため、好ましい。このエス
テル類は、全有機溶媒中、30体積%以上であるのが望
ましく、全有機溶媒をエステル類が占めていてもよい。 【0024】本発明の有機電解液電池は、たとえば、上
記した負極と正極との間にセパレータを介在させて渦巻
状に捲回作製した渦巻状電極体を、ニッケルメッキを施
した鉄やステンレス鋼製の電池ケース内に挿入し、上記
の有機電解液を注入し、封口することにより、作製され
る。上記のセパレータには、厚さが10〜50μmで開
孔率が30〜70%である微多孔性ポリエチレンフィル
ムまたは微多孔性ポリプロピレンフィルムなどが好適に
用いられる。 【0025】また、この有機電解液電池には、一般に、
電池内部に発生したガスをある一定圧力まで上昇した段
階で電池外部に排出して、電池の高圧下での破裂を防止
するための防爆機構が取り入れられる。 【0026】 【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例のみに
限定されるものではない。また、以下において、部とあ
るのは重量部を意味するものとする。 【0027】実施例1 <シート状負極の作製>負極活物質として比表面積2.
5m2/gの黒鉛を94部用い、バインダーとしてポリビ
ニリデンフルオライド6部をN−メチルピロリドンに溶
解させたものを用い、負極塗膜形成用の塗料を調製し
た。この塗料を、厚さが18μmの銅箔の表面側上にア
プリケーターにより塗布し、100〜120℃で乾燥し
て、塗膜を形成した。銅箔の裏面側にも、上記塗料を塗
布乾燥して、塗膜を形成した。その後、100℃で8時
間真空乾操したのち、ロールプレスして、シート状負極
を作製した。このときの塗膜の密度は1.55g/cm3
であった。つぎに、このように作製したシート状負極
を、室温で1.0重量%リン酸水溶液に30分浸積後、
3時間真空乾燥した。 【0028】<シート状正極の作製>水酸化リチウム
(LiOH・H2 O)と酸化ニッケル(Ni2 O3 )
を、Li/Ni=1/1.05(モル比)となるように
秤量し、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合した。これを
酸素気流中において500℃で2時間予備加熱したの
ち、昇温速度50℃/時間以下で、700℃で20時間
加熱して焼成した。得られるリチウムニッケル酸化物
(LiNiO2 )は、水分に対して弱いため、上記粉砕
などの取扱いはArガスの雰囲気で行った。このリチウ
ムニッケル酸化物90部と、電子伝導助剤としての鱗片
状黒鉛6部と、バインダーとしてのポリビニリデンフル
オライド4部をN−メチルピロリドンに溶解させたもの
とを用いて、正極塗膜形成用の塗料を調製した。すなわ
ち、まず、N−メチルピロリドンにポリビニリデンフル
オライドを溶解したバインダー溶液をつくり、これに正
極活物質のリチウムニッケル酸化物と電子伝導助剤とし
ての鱗片状黒鉛を加え、よく混合して、塗料を調製し
た。つぎに、この塗料を、厚さが20μmのアルミニウ
ム箔の表面側にアプリケーターにて塗布し、100〜1
20℃で乾燥して、塗膜を形成した。アルミニウム箔の
裏面側にも、上記塗料を塗布乾燥して、塗膜を形成し
た。その後、100℃で8時間真空乾操したのち、ロー
ルプレスして、シート状正極を作製した。このときの塗
膜の密度は3.20g/cm3 であった。 【0029】<筒型電池の作製>有機電解液としてLi
PF6 をエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネ
ートとの体積比1:2の混合溶媒に1.2モル/リット
ル濃度で溶解したものを、帯状セパレータとして厚みが
25μmで開孔率が50%の微多孔性ポリプロピレンフ
ィルムを使用し、以下のように、筒型電池を組み立て
た。最初に、上記のシート状正極を幅28mm×長さ22
0mmの帯状に切断し、また上記のシート状負極を幅30
mm×長さ260mmの帯状に切断した。それぞれの電極端
部の塗膜の一部を剥がし、金属箔が露出した部分に、ア
ルミニウム製のリード体を抵抗溶接し、帯状セパレータ
を上記正極と負極の間に介在させ、渦巻状に捲回して渦
巻状電極体を作製した。つぎに、この渦巻状電極体をス
テンレス鋼製の電池ケースに挿入した。負極側のリード
体の先端を絶縁体を貫通させて電池ケースの底部に溶接
し、また電池ケースの開口部に絶縁体を挿入し、溝を形
成したのち、封口板と正極側のリード体を溶接した。こ
のようにして作製した缶体を60℃で10時間真空乾燥
し、乾燥雰囲気中で有機電解液2mlを注入したのち、
封口して、図1に示す筒型のR5型電池(外径:14.
95mm、高さ:39.7mm)を作製した。 【0030】図1に示す筒型電池について、さらに詳し
く説明する。1は前記の正極で、2は負極である。ただ
し、図1においては、煩雑化を避けるために、正極1や
負極2の作製にあたり使用した導電性基体としての金属
箔などは図示していない。3はセパレータで、4は有機
電解液である。5はステンレス鋼製の電池ケースであ
り、この電池ケース5は負極端子を兼ねている。前記の
正極1、負極2およびセパレータ3からなる渦巻状電極
体や、有機電解液4などは、この電池ケース5内に収容
されている。この電池ケース5の底部には、上記の渦巻
状電極体の挿入に先立って、ポリプロピレンシートから
なる絶縁体6が配置されている。封口板7は、アルミニ
ウム製で円板状であり、その中央部に薄肉部7aが設け
られているとともに、この薄肉部7aの周囲に電池内圧
を防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての
孔が設けられている。この薄肉部7aの上面に防爆弁9
の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成してい
る。端子板8は、圧延鋼製で、表面にニッケルメッキが
施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしており、この
端子板8にはガス排出口8aが設けられている。防爆弁
9は、アルミニウム製で円板状であり、その中央部には
発電要素側(図1では、下側)に先端部を有する突出部
9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設けられており、上
記突出部9aの下面が、前記したように、封口板7の薄
肉部7aの上面に溶接されて、溶接部分11を構成して
いる。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製で環状
であり、封口板7の周縁部の上部に配置され、その上部
に防爆弁9が配置されている。環状ガスケット12はポ
リプロピレン製である。リード体13はアルミニウム製
であり、前記の封口板7と正極1とを接続している。ま
た、渦巻状電極体の上部には絶縁体14が配置されてい
る。さらに、負極2と電池ケース5の底部とは、ニッケ
ル製のリード体15で接続されている。この電池におい
ては、過充電によって発熱するなど、電池に異常事態が
起こり、電池内部にガスが発生して電池の内圧が上昇し
たとき、その内圧上昇により、防爆弁9の中央部が内圧
方向(図1では、上側の方向)に変形し、この防爆弁9
に設けられている薄肉部9bが開裂して、ガスを端子板
8のガス排出口8aから電池外部に排出させ、電池の破
裂を防止できるように、設計されている。 【0031】実施例2 シート状負極を、室温で0.5重量%リン酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0032】実施例3 シート状負極を、室温で1.0重量%ホウ酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0033】実施例4 シート状負極を、室温で0.5重量%ホウ酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0034】実施例5 負極活物質として比表面積1.4m2/gの黒鉛を用い
て、実施例1と同様に作製したシート状負極を、室温で
1.0重量%リン酸水溶液に30分浸積後、3時間真空
乾燥した以外は、実施例1と同様にして、筒型電池を作
製した。 【0035】比較例1 シート状負極を、リン酸水溶液に浸積処理せずに、その
まま用いた以外は、実施例1と同様にして、筒型電池を
作製した。 【0036】比較例2 シート状負極を、室温で0.2重量%リン酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0037】比較例3 シート状負極を、室温で0.2重量%ホウ酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0038】比較例4 負極活物質として比表面積0.6m2/gのの黒鉛を用い
て、実施例1と同様に作製したシート状負極を、室温で
1.0重量%リン酸水溶液に30分浸積後、3時間真空
乾燥した以外は、実施例1と同様にして、筒型電池を作
製した。 【0039】上記の実施例1〜5および比較例1〜4の
各筒型電池について、充放電電流をCで表示した場合、
R5形で600mAを1Cとして充放電を行った。充電
は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電圧で行
い、放電は電池の電極間電圧が3.0Vに低下するまで
行った。このときの電池の充放電繰り返しにおいて、1
0サイクル目に90%充電を行ったのち、電池を室温で
1日放置し、不活性雰囲気中で分解して、負極を取り出
した。これを外気に触れない状態で24時間真空乾燥
後、XPS分析を行った。XPS分析は、アルバックフ
アイ社製の「PHI5500MC」により、400Wで
Al−Kα線を用いて測定し、ピーク分割を行い、各ピ
ークの原子の量を、算出した。結果は、表1に示される
とおりであった。 【0040】 【0041】つぎに、上記の実施例1〜5および比較例
1〜4の各筒型電池について、下記の方法により、負荷
特性試験および充電時の60℃高温貯蔵特性試験を行っ
た。これらの結果は、表2に示されるとおりであった。 【0042】<負荷特性試験>充放電電流をCで表示し
た場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を行っ
た。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電
圧で行い、放電は電池の電極間電圧が2.75Vに低下
するまで行った。このときの電池の充放電の繰り返しに
おいて、100サイクル目に2Cの放電を行い、101
サイクル目から再び1Cの放電を行った。この100サ
イクル目の2Cの放電容量を、101サイクル目の1C
の放電容量で割った値に100をかけたものを、負荷特
性〔2C/1C〕(%)として、表2に示した。 【0043】<高温貯蔵特性試験>充放電電流をCで表
示した場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を
行った。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの
定電圧で行い、放電は電池の電極間電圧が3.0Vに低
下するまで行った。このときの電池の充放電繰り返しに
おいて、10サイクル目に4.2Vの充電状態で試験を
止め、60℃の恒温漕に2週間貯蔵した。その後、電池
を取り出し室温まで戻したのち、10サイクル目の放電
を行った。この貯蔵後の10サイクル目の放電容量を9
サイクル目の貯蔵前の放電容量で割った値に100をか
けたものを、自己放電率(%)として、表2に示した。
また、自己放電率測定後の電池を再充電し、放電を行い
(11サイクル目)、この11サイクル目の放電容量を
9サイクル目の貯蔵前の放電容量で割った値に100を
かけたものを、容量維持率(%)として、表2に示し
た。 【0044】【0045】上記の表1および表2の結果から明らかな
ように、本発明の実施例1〜5の各筒型電池は、負荷特
性および高温貯蔵特性の両方にすぐれていることがわか
る。これに対して、本発明の構成とは異なる比較例1〜
4の筒型電池では、負荷特性または高温貯蔵特性のいず
れかの特性に劣っている。 【0046】 【発明の効果】以上のように、本発明は、負極表面のS
EI被膜中にPOx由来のリン原子やBOx由来のホウ
素原子を一定量含ませる構成としたことにより、負荷特
性および高温貯蔵特性にすぐれた有機電解液電池を提供
することができる。
関し、さらに詳しくは、負荷特性および高温貯蔵特性の
両方にすぐれた有機電解液二次電池に関する。 【0002】 【従来の技術】リチウムイオン電池に代表される有機電
解液電池は、高電圧、高エネルギー密度であるため、ま
すます需要が増えている。従来、この種の有機電解液電
池は、負極にグラファイトなどの炭素材料を結着剤とと
もに金属箔上に設けたものが用いられ、電解液にLiP
F6 などを有機溶媒に溶かしたものが用いられている。
しかし、この電池は、負荷特性が悪く、これを改善する
ため、負極活物質として比表面積の大きいカーボン材料
を用いる試みがなされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】このような比表面積の
大きいカーボン材料を用いると、負荷特性は改善される
ものの、この電池を充電状態で高温貯蔵すると、活物質
表面と電解液との過剰な副反応により、容量劣化が大き
くなるという問題があった。 【0004】本発明は、上記事情に照らし、比表面積の
大きい負極活物質を用いて負荷特性を改善する場合の高
温貯蔵特性の劣化を回避し、負荷特性および高温貯蔵特
性の両方にすぐれた有機電解液電池を得ることを目的と
している。 【0005】 【課題を解決するための手段】従来構成の電池を分解
し、充電状態の負極表面をX線光電子分光分析により観
察すると、286〜287eVの範囲に炭素原子に基づ
くピ−クが確認される。充電状態の負極表面は、Li2
O、LiF、Li2 CO3 、アルコキシド、アルキルカ
ーボネートなどで構成されたSEI(Solid El
ectrolyte Interface)被膜で覆わ
れ、これにより電解液と負極との過剰な副反応が防がれ
ていることが知られている。上記ピ−クは、このSEI
被膜の構成成分であるアルコキシドに由来する、つまり
C−O由来の炭素原子に基づくピ−クである。 【0006】本発明者らは、上記ピ−クの由来となるア
ルコキシド、とくに低分子量のアルコキシドに着目し、
これが高温下では電解液に対する安定性に劣り、このこ
とが原因となって高温貯蔵時にSEI被膜が劣化し、比
表面積の大きい負極活物質を用いた場合の電解液と負極
との過剰な副反応を防げなくなり、電池の容量劣化を招
くものと考えた。そこで、この問題に対し、負極活物質
やこれを用いた負極をリン酸またはホウ酸で処理するな
どして、アルコキシドのリチウムをリンまたはホウ素で
置換し、SEI被膜中にリン酸(POx)由来のリン原
子またはホウ酸(BOx)由来のホウ素原子を一定量結
合させたところ、高温貯蔵時のSEI被膜の劣化防止に
好ましい結果が得られることを見い出した。 【0007】これを要するに、本発明者らは、上記方法
で、充電状態での負極表面を、X線光電子分光分析によ
るC−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVの
ピ−クから求められる炭素原子の量が一定値以下とな
り、POx由来のリンに基づく133〜135eVのピ
−クから求められるリン原子の量またはBOx由来のホ
ウ素に基づく192〜193eVのピ−クから求められ
るホウ素原子の量が一定値以上となるようにしたとき
に、比表面積の大きい負極活物質を使用したときの高温
貯蔵時のSEI被膜の劣化が防止され、負荷特性および
高温貯蔵特性の両方にすぐれた電池が得られることを見
い出したものである。 【0008】本発明は、上記の知見をもとにして、完成
されたものである。すなわち、本発明は、負極と正極と
有機電解液を含む有機電解液電池において、負極活物質
として比表面積が1.0m2/g以上のリチウム含有材料
を用い、電池の規格容量に対し90%の充電状態での負
極が、X線光電子分光分析(以下、単にXPS分析とい
う)によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜28
7eVのピ−クから求められる炭素原子の量が6.5原
子%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく133
〜135eVのピ−クから求められるリン原子の量が1
原子%以上であるか、あるいは、BOx由来のホウ素に
基づく192〜193eVのピ−クから求められるホウ
素原子の量が1原子%以上であることを特徴とする有機
電解液電池に係るものである。 【0009】なお、本発明において、XPS分析は、電
池を規格容量の90%に充電して、1日放置後、不活性
雰囲気中で分解して負極を取り出し、24時間真空乾燥
後、外気に触れない状態で、測定したものである。ま
た、XPS分析は、アルバックファイ社製の「PHI5
500MC」にて、400WでAl−Kα線を用いて測
定し、ピーク分割を行って、各ピークの原子の量を、全
構成原子中の割合(%)として、算出したものであ
る。。ここで、上記の「全構成原子」とは、負極表面部
を構成する全原子、つまり、SEI被膜を構成する全原
子を意味している。時代の変遷により、上記分析機器が
無くなった場合には、それに相当する分析機器および条
件で、測定できることはいうまでもない。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明において、負極活物質に
は、比表面積が1.0m2/g以上、好ましくは2.0m2
/g以上(通常、5.0m2/gまで)のリチウム含有材
料が用いられる。このようなリチウム含有材料による
と、負荷特性にすぐれた有機電解液電池が得られる。比
表面積が1.0m2/g未満では、負荷特性が不十分とな
る。 【0011】上記のリチウム含有材料には、乱層構造を
有する炭素材料、天然黒鉛、人造黒鉛、ガラス状炭素な
どの炭素質材料が用いられる。これらは、電池の製造時
にはリチウムを含んでいないものもあるが、少なくとも
負極活物質として作用するときは、化学的手段、電気化
学的手段によりリチウムを含有した状態になる。これら
以外のリチウム含有材料として、リチウム金属や、リチ
ウム−アルミニウム、リチウム−鉛、リチウム−ビスマ
ス、リチウム−インジウム、リチウム−ガリウム、リチ
ウム−インジウム−ガリウムなどのリチウム合金や、こ
れら合金以外の各種のリチウム含有化合物を使用しても
よい。 【0012】本発明において、負極は、上記の負極活物
質に、必要に応じて、鱗片状黒鉛、カーボンブラックな
どの電子伝導助剤を加え、さらにバインダーと溶剤を加
え、これらをよく混合して塗料を調製し、これを導電性
基体上に塗布し、乾燥して、塗膜を形成することによ
り、作製される。上記塗料の調製に当たり、バインダー
はあらかじめ有機溶剤、水、水溶液に溶解させた溶液と
して用い、上記負極活物質などの固体粒子と混合して塗
料を調製するのが好ましい。 【0013】バインダーには、ポリビニリデンフルオラ
イド系ポリマー、ゴム系ポリマー、セルロース系ポリマ
ーなどの中から、その1種または2種以上が用いられ
る。これらのバインダーは、塗膜中、0.2〜20重量
%、とくに0.5〜10重量%であるのが好ましい。バ
インダーが過少では、塗膜の機械的強度が不足して、塗
膜が導電性基体から剥離するおそれがあり、また過多と
なると、塗膜中の負極活物質の量が減少して、電池容量
が低下するおそれがある。 【0014】上記のポリビニリデンフルオライド系ポリ
マーは、ビニリデンフルオライドを80重量%以上含有
する含フッ素モノマー群の重合体である。具体的には、
ビニリデンフルオライドの単独重合体、ビニリデンフル
オライドと他の含フッ素モノマー(ビニルフルオライ
ド、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレ
ン、テトラフルオロエチレン、へキサフルオロプロピレ
ン、フルオロアルキルビニルエーテルなど)の少なくと
も1種との共重合体が用いられる。 【0015】また、上記のゴム系ポリマーには、スチレ
ンブタジェンゴム、エチレンプロピレンジェンゴム、フ
ッ素ゴムなどが用いられる。さらに、上記のセルロース
系ポリマーには、カルボキシメチルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルメチルセルロースなどが用いられる。 【0016】塗料を塗布する導電性基体としては、アル
ミニウム、ステンレス鋼、チタン、銅などの金属製導電
材料を、網、パンチドメタル、フォームメタルとしたも
の、また板状に加工した箔などが用いられる。これらの
導電性基体上に塗料を塗布する際には、押し出しコータ
ー、リバースローラー、ドクターブレード、アプリケー
ターなどをはじめ、各種の塗布方法を採用することがで
きる。 【0017】本発明においては、このように作製される
負極を、これと正極と有機電解液を含む電池の規格容量
に対し90%の充電状態において、XPS分析によるC
−O由来の炭素原子に基づく286〜287eVのピ−
クから求められる炭素原子の量が6.5原子%以下(通
常、2.0原子%以上)となり、かつPOx由来のリン
に基づく133〜135eVのピ−クから求められるリ
ン原子の量が1原子%以上(通常、3原子%以下)とな
るか、あるいは、BOx由来のホウ素に基づく192〜
193eVのピ−クから求められるホウ素原子の量が1
原子%以上(通常、5原子%以下)となるようにしたこ
とを特徴とする。高温貯蔵特性をより良く改善するため
には、上記C−O由来の炭素原子の量が6.0原子%以
下で、上記POx由来のリン原子の量が1.5原子%以
上となるようにするか、あるいは、上記C−O由来の炭
素原子の量が6.0原子%以下、とくに4.0原子%以
下で、上記BOx由来のホウ素原子の量が1.5原子%
以上、とくに2.5原子%以上となるようにするのが、
望ましい。 【0018】このような構成とすることにより、負荷特
性および高温貯蔵特性の両方にすぐれた有機電解液電池
を得ることができる。これに対して、上記C−O由来の
炭素原子の量が6.5原子%より大きく、上記POx由
来のリン原子の量または上記BOx由来のホウ素原子の
量が1%未満となると、負極表面のSEI被膜の高温で
の安定性が不十分となり、高温貯蔵特性が改善されな
い。 【0019】本発明において、負極を上記のように構成
するには、たとえば、POx由来のリン原子を含ませる
場合、リン酸やリン酸塩の溶液に負極活物質または負極
を一定時間浸積乾燥する方法、リン酸やリン酸塩の溶液
を負極作製時の負極活物質、バインダーなどを含む塗料
中に混ぜ込む方法、電解液中に添加する方法などが挙げ
られる。また、同様に、BOx由来のホウ素原子を含ま
せる場合、ホウ酸やホウ酸塩の溶液に負極活物質または
負極を一定時間浸積乾燥する方法、ホウ酸やホウ酸塩の
溶液を負極作製時の負極活物質、バインダーなどを含む
塗料中に混ぜ込む方法、電解液中に添加する方法などが
挙げられる。 【0020】本発明において、正極活物質には、リチウ
ムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム
マンガン酸化物(これらは、通常、LiNiO2 、Li
CoO2 、LiMn2 O4 で表されるが、LiとNiの
比、LiとCoとの比、LiとMnとの比は、それぞ
れ、化学量論組成からずれている場合が多い)などのリ
チウム含有複合金属酸化物の中から、その1種を単独で
または2種以上の混合物として、あるいはそれらの固溶
体として用いられる。 【0021】正極は、上記の正極活物質に、必要に応じ
て、鱗片状黒鉛、カーボンブラックなどの電子伝導助剤
を加え、さらにバインダーを含ませた塗料を調製し、こ
れを導電性基体上に塗布し、乾燥して、塗膜を形成する
ことにより、作製される。上記のバインダーには、負極
作製の場合と同様のバインダーが同様の使用量で用いら
れる。また、塗料を塗布する導電性基体、これに塗料を
塗布する方法なども、負極作製の場合と同様の導電性基
体や塗布方法が用いられる。 【0022】本発明において、有機電解液には、有機溶
媒中に電解質を溶解させた溶液が用いられる。電解質と
しては、一般式:LiMFn(式中、MはP、As、S
bまたはBであり、nはMがP、AsまたはSbのとき
は6、MがBのときは4である)で表される無機リチウ
ム塩、含フッ素有機リチウムイミド塩などが用いられ
る。この電解質の濃度としては、2種類以上の異なる電
解質を含んでいても、全体として0.4〜1.6モル/
リットルであるのが好ましいが、とくに0.6〜1.4
モル/リットルであるのが好ましい。 【0023】電解質を溶解させる有機溶媒には、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメ
トキシプロパン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロ
フラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル
類、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジメチル
カーボネート、エチルメチルカーボネートなどのエステ
ル類、さらにスルフォランなどが単独でまたは2種以上
の混合溶媒として用いられる。これらのうち、エステル
類は高電圧下でも正極活物質との反応性が少なく貯蔵特
性を向上させる効果が大きいため、好ましい。このエス
テル類は、全有機溶媒中、30体積%以上であるのが望
ましく、全有機溶媒をエステル類が占めていてもよい。 【0024】本発明の有機電解液電池は、たとえば、上
記した負極と正極との間にセパレータを介在させて渦巻
状に捲回作製した渦巻状電極体を、ニッケルメッキを施
した鉄やステンレス鋼製の電池ケース内に挿入し、上記
の有機電解液を注入し、封口することにより、作製され
る。上記のセパレータには、厚さが10〜50μmで開
孔率が30〜70%である微多孔性ポリエチレンフィル
ムまたは微多孔性ポリプロピレンフィルムなどが好適に
用いられる。 【0025】また、この有機電解液電池には、一般に、
電池内部に発生したガスをある一定圧力まで上昇した段
階で電池外部に排出して、電池の高圧下での破裂を防止
するための防爆機構が取り入れられる。 【0026】 【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例のみに
限定されるものではない。また、以下において、部とあ
るのは重量部を意味するものとする。 【0027】実施例1 <シート状負極の作製>負極活物質として比表面積2.
5m2/gの黒鉛を94部用い、バインダーとしてポリビ
ニリデンフルオライド6部をN−メチルピロリドンに溶
解させたものを用い、負極塗膜形成用の塗料を調製し
た。この塗料を、厚さが18μmの銅箔の表面側上にア
プリケーターにより塗布し、100〜120℃で乾燥し
て、塗膜を形成した。銅箔の裏面側にも、上記塗料を塗
布乾燥して、塗膜を形成した。その後、100℃で8時
間真空乾操したのち、ロールプレスして、シート状負極
を作製した。このときの塗膜の密度は1.55g/cm3
であった。つぎに、このように作製したシート状負極
を、室温で1.0重量%リン酸水溶液に30分浸積後、
3時間真空乾燥した。 【0028】<シート状正極の作製>水酸化リチウム
(LiOH・H2 O)と酸化ニッケル(Ni2 O3 )
を、Li/Ni=1/1.05(モル比)となるように
秤量し、メノウ製の乳鉢で粉砕しつつ混合した。これを
酸素気流中において500℃で2時間予備加熱したの
ち、昇温速度50℃/時間以下で、700℃で20時間
加熱して焼成した。得られるリチウムニッケル酸化物
(LiNiO2 )は、水分に対して弱いため、上記粉砕
などの取扱いはArガスの雰囲気で行った。このリチウ
ムニッケル酸化物90部と、電子伝導助剤としての鱗片
状黒鉛6部と、バインダーとしてのポリビニリデンフル
オライド4部をN−メチルピロリドンに溶解させたもの
とを用いて、正極塗膜形成用の塗料を調製した。すなわ
ち、まず、N−メチルピロリドンにポリビニリデンフル
オライドを溶解したバインダー溶液をつくり、これに正
極活物質のリチウムニッケル酸化物と電子伝導助剤とし
ての鱗片状黒鉛を加え、よく混合して、塗料を調製し
た。つぎに、この塗料を、厚さが20μmのアルミニウ
ム箔の表面側にアプリケーターにて塗布し、100〜1
20℃で乾燥して、塗膜を形成した。アルミニウム箔の
裏面側にも、上記塗料を塗布乾燥して、塗膜を形成し
た。その後、100℃で8時間真空乾操したのち、ロー
ルプレスして、シート状正極を作製した。このときの塗
膜の密度は3.20g/cm3 であった。 【0029】<筒型電池の作製>有機電解液としてLi
PF6 をエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネ
ートとの体積比1:2の混合溶媒に1.2モル/リット
ル濃度で溶解したものを、帯状セパレータとして厚みが
25μmで開孔率が50%の微多孔性ポリプロピレンフ
ィルムを使用し、以下のように、筒型電池を組み立て
た。最初に、上記のシート状正極を幅28mm×長さ22
0mmの帯状に切断し、また上記のシート状負極を幅30
mm×長さ260mmの帯状に切断した。それぞれの電極端
部の塗膜の一部を剥がし、金属箔が露出した部分に、ア
ルミニウム製のリード体を抵抗溶接し、帯状セパレータ
を上記正極と負極の間に介在させ、渦巻状に捲回して渦
巻状電極体を作製した。つぎに、この渦巻状電極体をス
テンレス鋼製の電池ケースに挿入した。負極側のリード
体の先端を絶縁体を貫通させて電池ケースの底部に溶接
し、また電池ケースの開口部に絶縁体を挿入し、溝を形
成したのち、封口板と正極側のリード体を溶接した。こ
のようにして作製した缶体を60℃で10時間真空乾燥
し、乾燥雰囲気中で有機電解液2mlを注入したのち、
封口して、図1に示す筒型のR5型電池(外径:14.
95mm、高さ:39.7mm)を作製した。 【0030】図1に示す筒型電池について、さらに詳し
く説明する。1は前記の正極で、2は負極である。ただ
し、図1においては、煩雑化を避けるために、正極1や
負極2の作製にあたり使用した導電性基体としての金属
箔などは図示していない。3はセパレータで、4は有機
電解液である。5はステンレス鋼製の電池ケースであ
り、この電池ケース5は負極端子を兼ねている。前記の
正極1、負極2およびセパレータ3からなる渦巻状電極
体や、有機電解液4などは、この電池ケース5内に収容
されている。この電池ケース5の底部には、上記の渦巻
状電極体の挿入に先立って、ポリプロピレンシートから
なる絶縁体6が配置されている。封口板7は、アルミニ
ウム製で円板状であり、その中央部に薄肉部7aが設け
られているとともに、この薄肉部7aの周囲に電池内圧
を防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての
孔が設けられている。この薄肉部7aの上面に防爆弁9
の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成してい
る。端子板8は、圧延鋼製で、表面にニッケルメッキが
施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしており、この
端子板8にはガス排出口8aが設けられている。防爆弁
9は、アルミニウム製で円板状であり、その中央部には
発電要素側(図1では、下側)に先端部を有する突出部
9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設けられており、上
記突出部9aの下面が、前記したように、封口板7の薄
肉部7aの上面に溶接されて、溶接部分11を構成して
いる。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製で環状
であり、封口板7の周縁部の上部に配置され、その上部
に防爆弁9が配置されている。環状ガスケット12はポ
リプロピレン製である。リード体13はアルミニウム製
であり、前記の封口板7と正極1とを接続している。ま
た、渦巻状電極体の上部には絶縁体14が配置されてい
る。さらに、負極2と電池ケース5の底部とは、ニッケ
ル製のリード体15で接続されている。この電池におい
ては、過充電によって発熱するなど、電池に異常事態が
起こり、電池内部にガスが発生して電池の内圧が上昇し
たとき、その内圧上昇により、防爆弁9の中央部が内圧
方向(図1では、上側の方向)に変形し、この防爆弁9
に設けられている薄肉部9bが開裂して、ガスを端子板
8のガス排出口8aから電池外部に排出させ、電池の破
裂を防止できるように、設計されている。 【0031】実施例2 シート状負極を、室温で0.5重量%リン酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0032】実施例3 シート状負極を、室温で1.0重量%ホウ酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0033】実施例4 シート状負極を、室温で0.5重量%ホウ酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0034】実施例5 負極活物質として比表面積1.4m2/gの黒鉛を用い
て、実施例1と同様に作製したシート状負極を、室温で
1.0重量%リン酸水溶液に30分浸積後、3時間真空
乾燥した以外は、実施例1と同様にして、筒型電池を作
製した。 【0035】比較例1 シート状負極を、リン酸水溶液に浸積処理せずに、その
まま用いた以外は、実施例1と同様にして、筒型電池を
作製した。 【0036】比較例2 シート状負極を、室温で0.2重量%リン酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0037】比較例3 シート状負極を、室温で0.2重量%ホウ酸水溶液に3
0分浸積後、3時間真空乾燥した以外は、実施例1と同
様にして、筒型電池を作製した。 【0038】比較例4 負極活物質として比表面積0.6m2/gのの黒鉛を用い
て、実施例1と同様に作製したシート状負極を、室温で
1.0重量%リン酸水溶液に30分浸積後、3時間真空
乾燥した以外は、実施例1と同様にして、筒型電池を作
製した。 【0039】上記の実施例1〜5および比較例1〜4の
各筒型電池について、充放電電流をCで表示した場合、
R5形で600mAを1Cとして充放電を行った。充電
は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電圧で行
い、放電は電池の電極間電圧が3.0Vに低下するまで
行った。このときの電池の充放電繰り返しにおいて、1
0サイクル目に90%充電を行ったのち、電池を室温で
1日放置し、不活性雰囲気中で分解して、負極を取り出
した。これを外気に触れない状態で24時間真空乾燥
後、XPS分析を行った。XPS分析は、アルバックフ
アイ社製の「PHI5500MC」により、400Wで
Al−Kα線を用いて測定し、ピーク分割を行い、各ピ
ークの原子の量を、算出した。結果は、表1に示される
とおりであった。 【0040】 【0041】つぎに、上記の実施例1〜5および比較例
1〜4の各筒型電池について、下記の方法により、負荷
特性試験および充電時の60℃高温貯蔵特性試験を行っ
た。これらの結果は、表2に示されるとおりであった。 【0042】<負荷特性試験>充放電電流をCで表示し
た場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を行っ
た。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの定電
圧で行い、放電は電池の電極間電圧が2.75Vに低下
するまで行った。このときの電池の充放電の繰り返しに
おいて、100サイクル目に2Cの放電を行い、101
サイクル目から再び1Cの放電を行った。この100サ
イクル目の2Cの放電容量を、101サイクル目の1C
の放電容量で割った値に100をかけたものを、負荷特
性〔2C/1C〕(%)として、表2に示した。 【0043】<高温貯蔵特性試験>充放電電流をCで表
示した場合、R5形で700mAを1Cとして充放電を
行った。充電は1Cの電流制限回路を設けて4.2Vの
定電圧で行い、放電は電池の電極間電圧が3.0Vに低
下するまで行った。このときの電池の充放電繰り返しに
おいて、10サイクル目に4.2Vの充電状態で試験を
止め、60℃の恒温漕に2週間貯蔵した。その後、電池
を取り出し室温まで戻したのち、10サイクル目の放電
を行った。この貯蔵後の10サイクル目の放電容量を9
サイクル目の貯蔵前の放電容量で割った値に100をか
けたものを、自己放電率(%)として、表2に示した。
また、自己放電率測定後の電池を再充電し、放電を行い
(11サイクル目)、この11サイクル目の放電容量を
9サイクル目の貯蔵前の放電容量で割った値に100を
かけたものを、容量維持率(%)として、表2に示し
た。 【0044】【0045】上記の表1および表2の結果から明らかな
ように、本発明の実施例1〜5の各筒型電池は、負荷特
性および高温貯蔵特性の両方にすぐれていることがわか
る。これに対して、本発明の構成とは異なる比較例1〜
4の筒型電池では、負荷特性または高温貯蔵特性のいず
れかの特性に劣っている。 【0046】 【発明の効果】以上のように、本発明は、負極表面のS
EI被膜中にPOx由来のリン原子やBOx由来のホウ
素原子を一定量含ませる構成としたことにより、負荷特
性および高温貯蔵特性にすぐれた有機電解液電池を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電解液電池の一例を模式的に示す
断面図である。 【符号の説明】 1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 有機電解液 5 電池ケース 6 絶縁体 7 封口板 7a 薄肉部 8 端子板 8a ガス排出口 9 防爆弁 9a 突出部 10 絶縁パッキング 11 溶接部分 12 環状ガスケット 13 リード体 14 絶縁体 15 リード体
断面図である。 【符号の説明】 1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 有機電解液 5 電池ケース 6 絶縁体 7 封口板 7a 薄肉部 8 端子板 8a ガス排出口 9 防爆弁 9a 突出部 10 絶縁パッキング 11 溶接部分 12 環状ガスケット 13 リード体 14 絶縁体 15 リード体
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フロントページの続き
Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ04 AK03 AK18 AL06
AL07 AL12 AM03 AM04 AM05
AM07 BJ02 BJ13 BJ14 CJ08
CJ22 DJ08 DJ16 DJ17 EJ03
HJ00 HJ01 HJ07 HJ19
5H050 AA02 AA10 CA08 CA09 CA29
CB07 CB08 CB12 DA03 DA09
EA01 FA04 FA05 FA17 FA18
FA19 GA10 GA22 HA00 HA01
HA07 HA19
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 負極と正極と有機電解液を含む有機電解
液電池において、負極活物質として比表面積が1.0m2
/g以上のリチウム含有材料を用い、電池の規格容量に
対して90%の充電状態での負極が、X線光電子分光分
析によるC−O由来の炭素原子に基づく286〜287
eVのピ−クから求められる炭素原子の量が6.5原子
%以下であり、かつPOx由来のリンに基づく133〜
135eVのピ−クから求められるリン原子の量が1原
子%以上であるか、あるいは、BOx由来のホウ素に基
づく192〜193eVのピ−クから求められるホウ素
原子の量が1原子%以上であることを特徴とする有機電
解液電池。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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-
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- 2001-11-14 JP JP2001348699A patent/JP2003151559A/ja not_active Withdrawn
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