JP2003146784A - 熔融固化体の製造方法 - Google Patents
熔融固化体の製造方法Info
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- JP2003146784A JP2003146784A JP2001342421A JP2001342421A JP2003146784A JP 2003146784 A JP2003146784 A JP 2003146784A JP 2001342421 A JP2001342421 A JP 2001342421A JP 2001342421 A JP2001342421 A JP 2001342421A JP 2003146784 A JP2003146784 A JP 2003146784A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 汚水を処理する際に形成されるリン酸マグネ
シウムアンモニウムと、汚泥等の廃棄物を原料として利
用し、衛生的にも優れ、肥料として用いることができる
熔融固化体を製造する方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 汚水を浄化する際に発生するスラリ状汚
泥の処理工程で生じる排水にマグネシウムイオンを注入
し、晶出・分離することにより得られるリン酸マグネシ
ウムアンモニウムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを
原料として用い、これらを混合する混合工程と、前記混
合工程において形成された混合物を酸素の存在下で13
50℃以上で熔融する熔融工程と、前記熔融工程で形成
された熔融物を冷却固化することにより熔融固化体を形
成する冷却固化工程と、を有する熔融固化体の製造方法
を提供する。
シウムアンモニウムと、汚泥等の廃棄物を原料として利
用し、衛生的にも優れ、肥料として用いることができる
熔融固化体を製造する方法を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 汚水を浄化する際に発生するスラリ状汚
泥の処理工程で生じる排水にマグネシウムイオンを注入
し、晶出・分離することにより得られるリン酸マグネシ
ウムアンモニウムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを
原料として用い、これらを混合する混合工程と、前記混
合工程において形成された混合物を酸素の存在下で13
50℃以上で熔融する熔融工程と、前記熔融工程で形成
された熔融物を冷却固化することにより熔融固化体を形
成する冷却固化工程と、を有する熔融固化体の製造方法
を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、生活排水や下水
等の汚水を浄化する際に発生する汚泥の処理工程で形成
されるリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物
を含有する廃棄物とを有効に利用して、熔融固化体を製
造する方法に関するものである。
等の汚水を浄化する際に発生する汚泥の処理工程で形成
されるリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物
を含有する廃棄物とを有効に利用して、熔融固化体を製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、屎尿や下水などの汚水処理で
の有機性汚泥物質(例えば、BODやCOD等)の処理
の問題や、河川、湖沼、海などの水域での富栄養化の問
題の原因となる物質の一つとして、これらの水溶液中に
含有するリンが挙げられている。したがって、近年にお
いては、これらの水溶液中からのリン除去方法が種々開
発されている。
の有機性汚泥物質(例えば、BODやCOD等)の処理
の問題や、河川、湖沼、海などの水域での富栄養化の問
題の原因となる物質の一つとして、これらの水溶液中に
含有するリンが挙げられている。したがって、近年にお
いては、これらの水溶液中からのリン除去方法が種々開
発されている。
【0003】例えば、下水汚泥を処理する際のリン除去
方法としては、凝集沈殿法、晶析脱リン法(接触脱リン
法)、生物学的脱リン法(嫌気・好気法)、およびこれ
らの組み合わせ等がある。そして、これらの方法は、複
数の工程により行われるのが一般的であり、それぞれの
工程により処理された水溶液をフィードバックさせて数
回にわたって処理することにより徐々にリンを除去して
いる(以下、フィードバックされる水溶液を返流水とい
う。)。
方法としては、凝集沈殿法、晶析脱リン法(接触脱リン
法)、生物学的脱リン法(嫌気・好気法)、およびこれ
らの組み合わせ等がある。そして、これらの方法は、複
数の工程により行われるのが一般的であり、それぞれの
工程により処理された水溶液をフィードバックさせて数
回にわたって処理することにより徐々にリンを除去して
いる(以下、フィードバックされる水溶液を返流水とい
う。)。
【0004】しかしながら、このようなリン除去方法に
おいては、返流水中に多くのリンが含有されていること
が多く、したがって処理すべき水溶液中から効率よくリ
ンの除去を行うことは困難であった。
おいては、返流水中に多くのリンが含有されていること
が多く、したがって処理すべき水溶液中から効率よくリ
ンの除去を行うことは困難であった。
【0005】このような状況において、返流水からリン
を除去する方法として、返流水にマグネシウムイオンを
添加することにより、返流水中のリンをリン酸マグネシ
ウムアンモニウムの結晶として析出せしめ、これを分離
することによりリンを除去する方法が近年開発研究され
ている。この方法によれば、返流水中のリンをリン酸マ
グネシウムアンモニウムの結晶として分離することが可
能であるため、効率よくリンの除去ができるとともに、
リン酸マグネシウムアンモニウムは緩効性肥料として有
効に利用することができる。
を除去する方法として、返流水にマグネシウムイオンを
添加することにより、返流水中のリンをリン酸マグネシ
ウムアンモニウムの結晶として析出せしめ、これを分離
することによりリンを除去する方法が近年開発研究され
ている。この方法によれば、返流水中のリンをリン酸マ
グネシウムアンモニウムの結晶として分離することが可
能であるため、効率よくリンの除去ができるとともに、
リン酸マグネシウムアンモニウムは緩効性肥料として有
効に利用することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
方法により生成されるリン酸マグネシウムアンモニウム
は、汚泥処理の返流水から製造したものであるため、病
原菌やウィルスを含んでいる可能性があり衛生的に安全
であるとはいえない。現在は、肥料会社に化学肥料の原
料として安価で販売されているのが現状である。このリ
ン酸マグネシウムアンモニウムを熱処理することにより
消毒、殺菌をし、直接肥料として用いることも考えられ
るが、リン酸マグネシウムアンモニウムは熱に弱く40
℃程度でアンモニアを放出し、悪臭を発生してしまうた
め衛生的に安全なものとすることができない。
方法により生成されるリン酸マグネシウムアンモニウム
は、汚泥処理の返流水から製造したものであるため、病
原菌やウィルスを含んでいる可能性があり衛生的に安全
であるとはいえない。現在は、肥料会社に化学肥料の原
料として安価で販売されているのが現状である。このリ
ン酸マグネシウムアンモニウムを熱処理することにより
消毒、殺菌をし、直接肥料として用いることも考えられ
るが、リン酸マグネシウムアンモニウムは熱に弱く40
℃程度でアンモニアを放出し、悪臭を発生してしまうた
め衛生的に安全なものとすることができない。
【0007】また、これとは別に、従来から汚泥や汚泥
の焼却処理の際に生じる焼却灰、高炉スラグなどの廃棄
物については、これらを有効利用する方法について模索
されている。
の焼却処理の際に生じる焼却灰、高炉スラグなどの廃棄
物については、これらを有効利用する方法について模索
されている。
【0008】本発明は、このような状況においてなされ
たものであり、汚水を処理する際に形成されるリン酸マ
グネシウムアンモニウムと、汚泥等の廃棄物を原料とし
て利用し、衛生的にも優れており肥料として用いること
ができる熔融固化体を製造する方法を提供することを課
題とする。
たものであり、汚水を処理する際に形成されるリン酸マ
グネシウムアンモニウムと、汚泥等の廃棄物を原料とし
て利用し、衛生的にも優れており肥料として用いること
ができる熔融固化体を製造する方法を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、請求項1において、汚水を浄化する際に
発生するスラリ状汚泥の処理工程で生じる排水にマグネ
シウムイオンを注入し、晶出・分離することにより得ら
れるリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物を
含有する廃棄物とを原料として用い、これらを混合する
混合工程と、前記混合工程において形成された混合物を
酸素の存在下で1350℃以上で熔融する熔融工程と、
前記熔融工程で形成された熔融物を冷却固化することに
より熔融固化体を形成する冷却固化工程と、を有するこ
とを特徴とする熔融固化体の製造方法を提供する。
決するために、請求項1において、汚水を浄化する際に
発生するスラリ状汚泥の処理工程で生じる排水にマグネ
シウムイオンを注入し、晶出・分離することにより得ら
れるリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物を
含有する廃棄物とを原料として用い、これらを混合する
混合工程と、前記混合工程において形成された混合物を
酸素の存在下で1350℃以上で熔融する熔融工程と、
前記熔融工程で形成された熔融物を冷却固化することに
より熔融固化体を形成する冷却固化工程と、を有するこ
とを特徴とする熔融固化体の製造方法を提供する。
【0010】この発明によれば、汚水を浄化する際に発
生するスラリ状汚泥の処理工程で生じる排水にマグネシ
ウムイオンを注入し、晶出・分離することにより得られ
るリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物を含
有する廃棄物とを原料として用い、これらを混合する混
合工程を有しているので、従来は肥料会社に安価で引き
取られていたリン酸マグネシウムアンモニウムと、処理
方法が模索されていた廃棄物とを有効に利用することが
できる。なお、最終的に熔融固化体を製造するために
は、珪素化合物が必須の成分であるため、原料として用
いられる廃棄物は珪素化合物を含有するものである必要
がある。また、この発明によれば、前記混合工程におい
て形成された混合物を酸素の存在下で1350℃以上で
熔融する熔融工程を有しているので、上記原料を熔融す
るのと同時に、従来衛生面から問題となっていたリン酸
マグネシウムアンモニウムを熱消毒することができる。
さらに、この発明によれば、前記熔融工程で形成された
熔融物を冷却固化することにより熔融固化体を形成する
冷却固化工程を有しているので、上記2つの原料を原料
として用い、植物の肥料として有用であり、かつ衛生的
な熔融固化体を製造することができる。
生するスラリ状汚泥の処理工程で生じる排水にマグネシ
ウムイオンを注入し、晶出・分離することにより得られ
るリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物を含
有する廃棄物とを原料として用い、これらを混合する混
合工程を有しているので、従来は肥料会社に安価で引き
取られていたリン酸マグネシウムアンモニウムと、処理
方法が模索されていた廃棄物とを有効に利用することが
できる。なお、最終的に熔融固化体を製造するために
は、珪素化合物が必須の成分であるため、原料として用
いられる廃棄物は珪素化合物を含有するものである必要
がある。また、この発明によれば、前記混合工程におい
て形成された混合物を酸素の存在下で1350℃以上で
熔融する熔融工程を有しているので、上記原料を熔融す
るのと同時に、従来衛生面から問題となっていたリン酸
マグネシウムアンモニウムを熱消毒することができる。
さらに、この発明によれば、前記熔融工程で形成された
熔融物を冷却固化することにより熔融固化体を形成する
冷却固化工程を有しているので、上記2つの原料を原料
として用い、植物の肥料として有用であり、かつ衛生的
な熔融固化体を製造することができる。
【0011】上記請求項1に記載の発明においては、請
求項2に記載するように、前記珪素化合物を含有する廃
棄物が、汚泥、汚泥の焼却灰、汚水処理で使用される沈
砂池から発生する沈砂、建設残土、脱水汚泥ケーキ、脱
水汚泥ケーキの乾燥物、高炉スラグ、転炉スラグ、脱珪
スラグ、からなる群から選択される1又は2以上の廃棄
物であることが好ましい。
求項2に記載するように、前記珪素化合物を含有する廃
棄物が、汚泥、汚泥の焼却灰、汚水処理で使用される沈
砂池から発生する沈砂、建設残土、脱水汚泥ケーキ、脱
水汚泥ケーキの乾燥物、高炉スラグ、転炉スラグ、脱珪
スラグ、からなる群から選択される1又は2以上の廃棄
物であることが好ましい。
【0012】この発明によれば、前記珪素化合物を含有
する廃棄物が、汚泥、汚泥の焼却灰、汚水処理で使用さ
れる沈砂池から発生する沈砂、建設残土、脱水汚泥ケー
キ、脱水汚泥ケーキの乾燥物、高炉スラグ、転炉スラ
グ、脱珪スラグ、からなる群から選択される1又は2以
上の廃棄物であるので、これまで有効な利用手段がな
く、その処理方法が模索されているこれらの廃棄物を有
効利用することができる。また、これらの廃棄物中には
熔融固化体を製造するために必要な珪素化合物が含有さ
れているため、本発明の方法に好適に利用することがで
きる。
する廃棄物が、汚泥、汚泥の焼却灰、汚水処理で使用さ
れる沈砂池から発生する沈砂、建設残土、脱水汚泥ケー
キ、脱水汚泥ケーキの乾燥物、高炉スラグ、転炉スラ
グ、脱珪スラグ、からなる群から選択される1又は2以
上の廃棄物であるので、これまで有効な利用手段がな
く、その処理方法が模索されているこれらの廃棄物を有
効利用することができる。また、これらの廃棄物中には
熔融固化体を製造するために必要な珪素化合物が含有さ
れているため、本発明の方法に好適に利用することがで
きる。
【0013】さらに、上記請求項1又は請求項2に記載
の発明においては、請求項3に記載するように、前記混
合工程において、リン酸マグネシウムアンモニウムと、
珪素化合物を含有する廃棄物とを混合する際に、熔融固
化体の成分として、Si(SiO2換算モル数)とAl
(Al2O3換算モル数)の和に対するCa(CaO換算
モル数)とMg(MgO換算モル数)の和の比が1以上
となるように混合することが好ましい。
の発明においては、請求項3に記載するように、前記混
合工程において、リン酸マグネシウムアンモニウムと、
珪素化合物を含有する廃棄物とを混合する際に、熔融固
化体の成分として、Si(SiO2換算モル数)とAl
(Al2O3換算モル数)の和に対するCa(CaO換算
モル数)とMg(MgO換算モル数)の和の比が1以上
となるように混合することが好ましい。
【0014】この発明によれば、前記混合工程におい
て、リン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物を
含有する廃棄物とを混合する際に、熔融固化体の成分と
して、Si(SiO2換算モル数)とAl(Al2O3換
算モル数)の和に対するCa(CaO換算モル数)とM
g(MgO換算モル数)の和の比が1以上となるように
混合されているので、熔融工程の温度が1350〜14
50℃で流動性の良い熔融物とすることができる。ま
た、これらの成分の割合を調整することにより熔融固化
体の成分を、おおよそCaO、MgO等のアルカリ土類
のアルカリ成分が40%以上、ク溶性苦土が12%以
上、ク溶性リン酸が17%以上とすることができ、肥料
取締法における熔成リン肥と同様の性質をもつ肥料とし
て利用することができる。なお、熔成リン肥は、酸性土
壌の多い日本の農業事情に適したリン酸質肥料として広
く使用されており、したがって、本発明により、リン酸
マグネシウムアンモニウムと珪素化合物とを原料として
製造することで、安価に熔成リン肥とほぼ同一成分を有
する肥料を提供することができる。
て、リン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物を
含有する廃棄物とを混合する際に、熔融固化体の成分と
して、Si(SiO2換算モル数)とAl(Al2O3換
算モル数)の和に対するCa(CaO換算モル数)とM
g(MgO換算モル数)の和の比が1以上となるように
混合されているので、熔融工程の温度が1350〜14
50℃で流動性の良い熔融物とすることができる。ま
た、これらの成分の割合を調整することにより熔融固化
体の成分を、おおよそCaO、MgO等のアルカリ土類
のアルカリ成分が40%以上、ク溶性苦土が12%以
上、ク溶性リン酸が17%以上とすることができ、肥料
取締法における熔成リン肥と同様の性質をもつ肥料とし
て利用することができる。なお、熔成リン肥は、酸性土
壌の多い日本の農業事情に適したリン酸質肥料として広
く使用されており、したがって、本発明により、リン酸
マグネシウムアンモニウムと珪素化合物とを原料として
製造することで、安価に熔成リン肥とほぼ同一成分を有
する肥料を提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の熔融固化体の製
造方法についてさらに具体的に説明する。
造方法についてさらに具体的に説明する。
【0016】本発明の熔融固化体の製造方法は、(1)
汚水を浄化する際に発生するスラリ状汚泥の処理工程で
生じる排水にマグネシウムイオンを注入し、晶出・分離
することにより得られるリン酸マグネシウムアンモニウ
ムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを原料として用
い、これらを混合する混合工程と、(2)前記混合工程
において形成された混合物を酸素の存在下で1350℃
以上で熔融する熔融工程と、(3)前記熔融工程で形成
された熔融物を冷却固化することにより熔融固化体を形
成する冷却固化工程と、を有することが特徴である。以
下にそれぞれの工程毎に説明する。
汚水を浄化する際に発生するスラリ状汚泥の処理工程で
生じる排水にマグネシウムイオンを注入し、晶出・分離
することにより得られるリン酸マグネシウムアンモニウ
ムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを原料として用
い、これらを混合する混合工程と、(2)前記混合工程
において形成された混合物を酸素の存在下で1350℃
以上で熔融する熔融工程と、(3)前記熔融工程で形成
された熔融物を冷却固化することにより熔融固化体を形
成する冷却固化工程と、を有することが特徴である。以
下にそれぞれの工程毎に説明する。
【0017】(1)混合工程
本発明の熔融固化体の製造方法における混合工程とは、
原料となるリン酸マグネシウムアンモニウムと廃棄物と
を混合し、以下で説明する熔融工程で用いる混合物を形
成するための工程である。まず、原料としてのリン酸マ
グネシウムアンモニウムと廃棄物とについてそれぞれ説
明する。
原料となるリン酸マグネシウムアンモニウムと廃棄物と
を混合し、以下で説明する熔融工程で用いる混合物を形
成するための工程である。まず、原料としてのリン酸マ
グネシウムアンモニウムと廃棄物とについてそれぞれ説
明する。
【0018】(1−1)リン酸マグネシウムアンモニウ
ム 本発明の熔融固化体の製造方法における原料の一つとし
て用いられるリン酸マグネシウムアンモニウム(MgN
H4PO4・6H2O)は、当業者の間ではMAPとも呼
ばれており、従来から行われている一連の汚水処理工程
中で、リンの除去を目的として形成される沈殿物であ
る。
ム 本発明の熔融固化体の製造方法における原料の一つとし
て用いられるリン酸マグネシウムアンモニウム(MgN
H4PO4・6H2O)は、当業者の間ではMAPとも呼
ばれており、従来から行われている一連の汚水処理工程
中で、リンの除去を目的として形成される沈殿物であ
る。
【0019】汚水を浄化する場合にはスラリ状の汚泥が
生じるため、当該スラリ状の汚泥を処理する必要があ
る。このスラリ状汚泥を処理する方法としては、凝集沈
殿法、晶析脱リン法(接触脱リン法)、生物学的脱リン
法(嫌気・好気法)およびこれらの組み合わせ等があ
る。これらの方法は、複数の工程により行われるのが一
般的であり、それぞれの工程により処理された水溶液を
フィードバックさせ、この返流水を数回にわたって処理
することで徐々にリンを除去している。
生じるため、当該スラリ状の汚泥を処理する必要があ
る。このスラリ状汚泥を処理する方法としては、凝集沈
殿法、晶析脱リン法(接触脱リン法)、生物学的脱リン
法(嫌気・好気法)およびこれらの組み合わせ等があ
る。これらの方法は、複数の工程により行われるのが一
般的であり、それぞれの工程により処理された水溶液を
フィードバックさせ、この返流水を数回にわたって処理
することで徐々にリンを除去している。
【0020】ここで、本発明において原料として用いら
れるリン酸マグネシウムアンモニウムは、この返流水に
含有されるリンを除去するために、返流水中にマグネシ
ウムイオンを注入して、晶出・分離することにより得ら
れるものである。これを化学反応式で表すと以下の通り
である。
れるリン酸マグネシウムアンモニウムは、この返流水に
含有されるリンを除去するために、返流水中にマグネシ
ウムイオンを注入して、晶出・分離することにより得ら
れるものである。これを化学反応式で表すと以下の通り
である。
【0021】
【化1】
【0022】上記式からも分かるように、本発明におい
て用いられるリン酸マグネシウムアンモニウムは、返流
水中に含有されているアンモニウムイオン(NH4 +)
と、リン酸水素イオン(HPO4 2-)と、当該返流水に
注入するマグネシウムイオン(Mg2+)とから形成され
るものである。
て用いられるリン酸マグネシウムアンモニウムは、返流
水中に含有されているアンモニウムイオン(NH4 +)
と、リン酸水素イオン(HPO4 2-)と、当該返流水に
注入するマグネシウムイオン(Mg2+)とから形成され
るものである。
【0023】このように汚水を浄化する際に生じる汚泥
から上記式に示す反応によってリン酸マグネシウムアン
モニウム、いわゆるMAPを形成する方法については従
来から研究開発されている。本発明においては、返流水
中に含有するアンモニウムイオン(NH4 +)と、リン酸
水素イオン(HPO4 2-)と、当該返流水に注入するマ
グネシウムイオン(Mg2+)とから形成されたリン酸マ
グネシウムアンモニウムであれば特に限定されることは
なく、凝集沈殿法、晶析脱リン法(接触脱リン法)、生
物学的脱リン法(嫌気・好気法)およびこれらの組み合
わせなどのいかなる方法で汚泥を処理した際に形成され
たリン酸マグネシウムアンモニウムをも用いることがで
きる。
から上記式に示す反応によってリン酸マグネシウムアン
モニウム、いわゆるMAPを形成する方法については従
来から研究開発されている。本発明においては、返流水
中に含有するアンモニウムイオン(NH4 +)と、リン酸
水素イオン(HPO4 2-)と、当該返流水に注入するマ
グネシウムイオン(Mg2+)とから形成されたリン酸マ
グネシウムアンモニウムであれば特に限定されることは
なく、凝集沈殿法、晶析脱リン法(接触脱リン法)、生
物学的脱リン法(嫌気・好気法)およびこれらの組み合
わせなどのいかなる方法で汚泥を処理した際に形成され
たリン酸マグネシウムアンモニウムをも用いることがで
きる。
【0024】(1−2)珪素化合物を含有する廃棄物
本発明の熔融固化体の製造方法において用いられる、珪
素化合物を含有する廃棄物は、上述したリン酸マグネシ
ウムアンモニウムと混合工程により混合され、さらに後
述する熔融工程及び冷却固化工程でそれぞれの処理がさ
れることによって熔融固化体を製造するために必要な原
料の一つである。
素化合物を含有する廃棄物は、上述したリン酸マグネシ
ウムアンモニウムと混合工程により混合され、さらに後
述する熔融工程及び冷却固化工程でそれぞれの処理がさ
れることによって熔融固化体を製造するために必要な原
料の一つである。
【0025】本発明の熔融固化体の製造方法は、廃棄物
を原料として用いることができ、さらに上述したリン酸
マグネシウムアンモニウムは汚水を浄化する際に生じる
汚泥から形成することが可能であるので、従来その処理
が問題となっていた汚水及び汚泥等の廃棄物から農業等
に有用な熔融固体を製造することができる。
を原料として用いることができ、さらに上述したリン酸
マグネシウムアンモニウムは汚水を浄化する際に生じる
汚泥から形成することが可能であるので、従来その処理
が問題となっていた汚水及び汚泥等の廃棄物から農業等
に有用な熔融固体を製造することができる。
【0026】本発明において用いる廃棄物としては、珪
素化合物を含有していることが必要である。珪素化合物
としては、二酸化珪素や珪酸アルミニウムなどの珪酸塩
が好ましい。熔融固化体を製造する際には塩基度を調整
する必要がある。
素化合物を含有していることが必要である。珪素化合物
としては、二酸化珪素や珪酸アルミニウムなどの珪酸塩
が好ましい。熔融固化体を製造する際には塩基度を調整
する必要がある。
【0027】ここで塩基度とは、以下の数式(数1)に
より求められるものである。
より求められるものである。
【0028】
【数1】
【0029】上記数式(数1)で算出される塩基度をモ
ル比(mol/mol)で1以上に調整することにより
熔融温度が1350〜1450℃で流動性の良い熔融体
を作ることができる。
ル比(mol/mol)で1以上に調整することにより
熔融温度が1350〜1450℃で流動性の良い熔融体
を作ることができる。
【0030】一般に熔融体は、液相と結晶相からなるこ
とが知られている。P2O5、CaO、SiO2、Al2O
3を含む系について、熱力学解析ソフト(Chem-Sage)
と、データベース(GAYEモデル:Gaye-Kapoor-Froh
berg excess model)を使用して、熔融体の結晶相の生
成について計算した結果、塩基度が1.0未満の場合、
1300〜1400℃では、3CaO・P2O5結晶相が
多く生成することが示唆された。また、塩基度が1.0
以上では、結晶相の生成は1400℃では少なく、15
00℃以上ではほとんど生成しないことも示唆された。
また、結晶相の生成により、熔融スラグの粘性は高くな
り、流動性は悪くなる。
とが知られている。P2O5、CaO、SiO2、Al2O
3を含む系について、熱力学解析ソフト(Chem-Sage)
と、データベース(GAYEモデル:Gaye-Kapoor-Froh
berg excess model)を使用して、熔融体の結晶相の生
成について計算した結果、塩基度が1.0未満の場合、
1300〜1400℃では、3CaO・P2O5結晶相が
多く生成することが示唆された。また、塩基度が1.0
以上では、結晶相の生成は1400℃では少なく、15
00℃以上ではほとんど生成しないことも示唆された。
また、結晶相の生成により、熔融スラグの粘性は高くな
り、流動性は悪くなる。
【0031】以上のことから、塩基度が1.0以上で
は、一般的な熔融処理温度(特殊な耐火物や構造を必要
としない)である1350〜1450℃において流動性
の良い熔融体を得ることができる。なお、塩基度が2.
5以上になると、緩効性肥料としての性能が低下するの
で好ましくない。
は、一般的な熔融処理温度(特殊な耐火物や構造を必要
としない)である1350〜1450℃において流動性
の良い熔融体を得ることができる。なお、塩基度が2.
5以上になると、緩効性肥料としての性能が低下するの
で好ましくない。
【0032】本発明の方法において好適に用いることが
可能な廃棄物としては、汚泥、汚泥の焼却灰、汚水処理
で使用される沈砂池から発生する沈砂、建設残土、脱水
汚泥ケーキ、脱水汚泥ケーキの乾燥物、高炉スラグ、転
炉スラグ、脱珪スラグ、を挙げることができ、さらに、
前記廃棄物が2種以上混合された廃棄物であってもよ
い。そして、これらの廃棄物の中でも特に汚泥、又は汚
泥の焼却灰を廃棄物として用いることが好ましい。汚泥
や汚泥の焼却灰中には、肥料として有用なリン成分(例
えば、五酸化二リンなど)が含有されているからであ
る。ここで、本発明の方法においては、汚泥の焼却灰の
みならず、汚泥そのものを原料として用いることが可能
であるが、それは、後述する熔融工程は、1350℃以
上で溶融するので、汚泥そのものを用いた場合でも当該
熔融工程で結果的に焼却灰とすることができるからであ
る。
可能な廃棄物としては、汚泥、汚泥の焼却灰、汚水処理
で使用される沈砂池から発生する沈砂、建設残土、脱水
汚泥ケーキ、脱水汚泥ケーキの乾燥物、高炉スラグ、転
炉スラグ、脱珪スラグ、を挙げることができ、さらに、
前記廃棄物が2種以上混合された廃棄物であってもよ
い。そして、これらの廃棄物の中でも特に汚泥、又は汚
泥の焼却灰を廃棄物として用いることが好ましい。汚泥
や汚泥の焼却灰中には、肥料として有用なリン成分(例
えば、五酸化二リンなど)が含有されているからであ
る。ここで、本発明の方法においては、汚泥の焼却灰の
みならず、汚泥そのものを原料として用いることが可能
であるが、それは、後述する熔融工程は、1350℃以
上で溶融するので、汚泥そのものを用いた場合でも当該
熔融工程で結果的に焼却灰とすることができるからであ
る。
【0033】本発明の方法における混合工程は、上述し
てきたリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物
を含有する廃棄物とを十分に混合することができれば、
特に限定されることはなく、従来公知の混合装置等を用
いることができる。
てきたリン酸マグネシウムアンモニウムと、珪素化合物
を含有する廃棄物とを十分に混合することができれば、
特に限定されることはなく、従来公知の混合装置等を用
いることができる。
【0034】また、本発明の方法においては、混合工程
で上記2つの原料を混合して混合物を形成した場合にお
いて、当該混合物の塩基度が原料としての廃棄物に含有
される珪素化合物のみでは調整できない場合には、混合
物中に二酸化珪素や酸化アルミニウム(Al2O3)など
からなる砂分を混入することで塩基度を調整してもよ
い。
で上記2つの原料を混合して混合物を形成した場合にお
いて、当該混合物の塩基度が原料としての廃棄物に含有
される珪素化合物のみでは調整できない場合には、混合
物中に二酸化珪素や酸化アルミニウム(Al2O3)など
からなる砂分を混入することで塩基度を調整してもよ
い。
【0035】(2)熔融工程
次に熔融工程について説明する。本発明の熔融固化体の
製造方法における熔融工程とは、前記混合工程において
形成された混合物を酸素の存在下で1350℃以上で熔
融することにより熔融物を形成する工程である。
製造方法における熔融工程とは、前記混合工程において
形成された混合物を酸素の存在下で1350℃以上で熔
融することにより熔融物を形成する工程である。
【0036】本発明における熔融工程については、上記
の条件下で熔融物を形成することができればよく、その
他を特に限定されるものではない。したがって、従来公
知の溶融炉を用いることが可能である。
の条件下で熔融物を形成することができればよく、その
他を特に限定されるものではない。したがって、従来公
知の溶融炉を用いることが可能である。
【0037】また、本発明の方法における熔融工程にお
いては、1350以上で溶融するので、廃棄物中の病原
菌やウィルスを死滅せしめることができるため、衛生的
にも優れた熔融固化体を製造することができる。
いては、1350以上で溶融するので、廃棄物中の病原
菌やウィルスを死滅せしめることができるため、衛生的
にも優れた熔融固化体を製造することができる。
【0038】(3)冷却固化工程
次に冷却固化工程について説明する。本発明の熔融固化
体の製造方法における冷却固化工程とは、前記熔融工程
において形成された熔融物を冷却固化することにより、
本発明の最終目的物たる熔融固化体を製造するための工
程である。
体の製造方法における冷却固化工程とは、前記熔融工程
において形成された熔融物を冷却固化することにより、
本発明の最終目的物たる熔融固化体を製造するための工
程である。
【0039】本発明における冷却固化工程については、
上記目的を達成することができればよく、その具体的方
法や装置について特に限定されるものではない。例え
ば、熔融物を冷却固化する方法としては、水中に熔融物
を導入する水冷法が単純かつ安価であるため好ましく、
水冷法を用いた場合には、冷却され固化した熔融固化体
を乾燥機により乾燥し、その後粉砕機によって、肥料と
して用いる際に好適な大きさに粉砕してもよい。
上記目的を達成することができればよく、その具体的方
法や装置について特に限定されるものではない。例え
ば、熔融物を冷却固化する方法としては、水中に熔融物
を導入する水冷法が単純かつ安価であるため好ましく、
水冷法を用いた場合には、冷却され固化した熔融固化体
を乾燥機により乾燥し、その後粉砕機によって、肥料と
して用いる際に好適な大きさに粉砕してもよい。
【0040】ここで、本発明の方法においては、前記で
説明した混合工程において、リン酸マグネシウムアンモ
ニウムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを混合する際
に、熔融固化体の成分として、CaO、MgO等のアル
カリ土類のアルカリ成分が40%以上、ク溶性苦土が1
2%以上、ク溶性リン酸が17%以上となるように混合
することもできる。このような成分を有する熔融固化体
は熔成リン肥として用いることができるからである。
説明した混合工程において、リン酸マグネシウムアンモ
ニウムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを混合する際
に、熔融固化体の成分として、CaO、MgO等のアル
カリ土類のアルカリ成分が40%以上、ク溶性苦土が1
2%以上、ク溶性リン酸が17%以上となるように混合
することもできる。このような成分を有する熔融固化体
は熔成リン肥として用いることができるからである。
【0041】熔成リン肥の成分は、肥料取締法によっ
て、ク溶性燐酸17%以上、アルカリ分40%以上、ク
溶性苦土12%以上と定められているが、本発明の方法
における混合工程において当該成分となるように調整し
て混合することにより熔成リン肥を製造することができ
る。
て、ク溶性燐酸17%以上、アルカリ分40%以上、ク
溶性苦土12%以上と定められているが、本発明の方法
における混合工程において当該成分となるように調整し
て混合することにより熔成リン肥を製造することができ
る。
【0042】ここで、上記の成分に調整する方法として
は、原料として用いるリン酸マグネシウムアンモニウ
ム、及び珪素化合物を含有する廃棄物のそれぞれに含有
されている各成分(CaO、MgO等のアルカリ土類の
アルカリ成分、ク溶性苦土、ク溶性リン酸)の量を予め
測定しておき、不足分を補充する方法がある。
は、原料として用いるリン酸マグネシウムアンモニウ
ム、及び珪素化合物を含有する廃棄物のそれぞれに含有
されている各成分(CaO、MgO等のアルカリ土類の
アルカリ成分、ク溶性苦土、ク溶性リン酸)の量を予め
測定しておき、不足分を補充する方法がある。
【0043】例えば、CaO、MgO等のアルカリ土類
のアルカリ成分40%以上、ク溶性苦土12%以上とな
るように補充する物質としては、CaO、MgOおよび
/またはその塩の材料として、製鉄所等で発生するマグ
ネシア系耐火物の廃材、ドロマイト系耐火物の廃材およ
び転炉滓を利用することができる。一方、ク溶性リン酸
が17%以上となるように補充する物質としては、リン
酸および/またはその塩の材料として、金属の表面処理
等に使用した廃リン酸または廃リン酸塩を利用すること
ができる。
のアルカリ成分40%以上、ク溶性苦土12%以上とな
るように補充する物質としては、CaO、MgOおよび
/またはその塩の材料として、製鉄所等で発生するマグ
ネシア系耐火物の廃材、ドロマイト系耐火物の廃材およ
び転炉滓を利用することができる。一方、ク溶性リン酸
が17%以上となるように補充する物質としては、リン
酸および/またはその塩の材料として、金属の表面処理
等に使用した廃リン酸または廃リン酸塩を利用すること
ができる。
【0044】
【実施例】(実施例1)従来公知の「汚泥を浄化する際
に発生するスラリ状汚泥の処理工程」を行うことにより
得られたリン酸マグネシウムアンモニウムを準備した。
このリン酸マグネシウムアンモニウムの成分を以下の表
1に示す。
に発生するスラリ状汚泥の処理工程」を行うことにより
得られたリン酸マグネシウムアンモニウムを準備した。
このリン酸マグネシウムアンモニウムの成分を以下の表
1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】混合工程において、上記リン酸マグネシウ
ムアンモニウムと混合するための、珪素化合物を含有す
る廃棄物として、下水汚泥焼却灰、脱珪スラグ、脱リン
スラグ、を用いた。それぞれの成分を以下の表2〜4に
示す。
ムアンモニウムと混合するための、珪素化合物を含有す
る廃棄物として、下水汚泥焼却灰、脱珪スラグ、脱リン
スラグ、を用いた。それぞれの成分を以下の表2〜4に
示す。
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】上記のリン酸マグネシウムアンモニウム、
下水汚泥焼却灰、脱珪スラグ、脱リンスラグを重量比で
34:25:3:38で混合し(混合工程)、この混合
物(約10kg)をるつぼに入れて、酸素の存在下で1
400℃で溶融した(熔融工程)。
下水汚泥焼却灰、脱珪スラグ、脱リンスラグを重量比で
34:25:3:38で混合し(混合工程)、この混合
物(約10kg)をるつぼに入れて、酸素の存在下で1
400℃で溶融した(熔融工程)。
【0051】次に、前記工程で得られた熔融物を水槽に
滴下して冷却固化した(冷却固化工程)後、水槽の底部
から砂状の熔融固化体を回収し、ボールミルで破砕・整
粒し、本発明の実施例1の熔融固化体を得た。
滴下して冷却固化した(冷却固化工程)後、水槽の底部
から砂状の熔融固化体を回収し、ボールミルで破砕・整
粒し、本発明の実施例1の熔融固化体を得た。
【0052】本発明の実施例1の熔融固化体の成分を以
下の表5に示す。
下の表5に示す。
【0053】
【表5】
【0054】この熔融固化体の塩基度は約2である。上
記表5からも分かるように、本発明の実施例1の熔融固
化体は、肥料として必要な成分が充分に含有されてお
り、また、ク溶性リン酸は18%であった。この結果よ
り、この熔融固化体は熔成リン肥と同等の良好な肥料で
あると考えられる。
記表5からも分かるように、本発明の実施例1の熔融固
化体は、肥料として必要な成分が充分に含有されてお
り、また、ク溶性リン酸は18%であった。この結果よ
り、この熔融固化体は熔成リン肥と同等の良好な肥料で
あると考えられる。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
汚水を浄化する際に発生するスラリ状汚泥の処理工程で
生じる排水にマグネシウムイオンを注入し、晶出・分離
することにより得られるリン酸マグネシウムアンモニウ
ムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを原料として用
い、これらを混合する混合工程を有しているので、従来
は肥料会社に安価で引き取られていたリン酸マグネシウ
ムアンモニウムと、処理方法が模索されていた廃棄物と
を有効に利用することができる。また、この発明によれ
ば、前記混合工程において形成された混合物を酸素の存
在下で1350℃以上で熔融する熔融工程を有している
ので、上記原料を溶融するのと同時に、従来衛生面から
問題となっていたリン酸マグネシウムアンモニウムを安
全なものとすることができる。さらに、この発明によれ
ば、前記熔融工程で形成された熔融物を冷却固化するこ
とにより熔融固化体を形成する冷却固化工程を有してい
るので、上記2つの原料を原料として用い、植物の肥料
として有用であり、かつ衛生的な熔融固化体を製造する
ことができる。
汚水を浄化する際に発生するスラリ状汚泥の処理工程で
生じる排水にマグネシウムイオンを注入し、晶出・分離
することにより得られるリン酸マグネシウムアンモニウ
ムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを原料として用
い、これらを混合する混合工程を有しているので、従来
は肥料会社に安価で引き取られていたリン酸マグネシウ
ムアンモニウムと、処理方法が模索されていた廃棄物と
を有効に利用することができる。また、この発明によれ
ば、前記混合工程において形成された混合物を酸素の存
在下で1350℃以上で熔融する熔融工程を有している
ので、上記原料を溶融するのと同時に、従来衛生面から
問題となっていたリン酸マグネシウムアンモニウムを安
全なものとすることができる。さらに、この発明によれ
ば、前記熔融工程で形成された熔融物を冷却固化するこ
とにより熔融固化体を形成する冷却固化工程を有してい
るので、上記2つの原料を原料として用い、植物の肥料
として有用であり、かつ衛生的な熔融固化体を製造する
ことができる。
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C02F 11/10 C05B 13:00
//(C05G 1/00 C05D 3:04
C05B 13:00 5:00
C05D 3:04 9:00
5:00 B09B 3/00 303D
9:00) 303K
303P
303L
(72)発明者 南條 行雄
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日
本鋼管株式会社内
(72)発明者 宇山 清
神奈川県横浜市鶴見区弁天町3番地7 エ
ヌケーケープラント建設株式会社内
Fターム(参考) 4D004 AA02 AA32 AA36 AA43 BA04
CA15 CA29 CA32 CC11 DA03
DA06 DA10
4D038 AA08 AB29 AB48
4D059 AA03 AA09 BB04 BD00 BE00
BG00 BJ00 CC01 DA70
4H061 AA02 BB41 CC08 CC14 CC15
GG05 GG20 GG23 GG41 HH41
LL02
Claims (3)
- 【請求項1】 汚水を浄化する際に発生するスラリ状汚
泥の処理工程で生じる排水にマグネシウムイオンを注入
し、晶出・分離することにより得られるリン酸マグネシ
ウムアンモニウムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを
原料として用い、これらを混合する混合工程と、 前記混合工程において形成された混合物を酸素の存在下
で1350℃以上で熔融する熔融工程と、 前記熔融工程で形成された熔融物を冷却固化することに
より熔融固化体を形成する冷却固化工程と、 を有することを特徴とする熔融固化体の製造方法。 - 【請求項2】 前記珪素化合物を含有する廃棄物が、汚
泥、汚泥の焼却灰、汚水処理で使用される沈砂池から発
生する沈砂、建設残土、脱水汚泥ケーキ、脱水汚泥ケー
キの乾燥物、高炉スラグ、転炉スラグ、脱珪スラグ、か
らなる群から選択される1又は2以上の廃棄物であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の熔融固化体の製造方
法。 - 【請求項3】 前記混合工程において、リン酸マグネシ
ウムアンモニウムと、珪素化合物を含有する廃棄物とを
混合する際に、熔融固化体の成分として、Si(SiO
2換算モル数)とAl(Al2O3換算モル数)の和に対
するCa(CaO換算モル数)とMg(MgO換算モル
数)の和の比が1以上となるように混合することを特徴
とする請求項1又は請求項2に記載の熔融固化体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001342421A JP2003146784A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | 熔融固化体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001342421A JP2003146784A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | 熔融固化体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003146784A true JP2003146784A (ja) | 2003-05-21 |
Family
ID=19156281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001342421A Pending JP2003146784A (ja) | 2001-11-07 | 2001-11-07 | 熔融固化体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003146784A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014104432A (ja) * | 2012-11-28 | 2014-06-09 | Swing Corp | 汚泥処理装置およびリンの製造方法 |
CN103936489A (zh) * | 2014-04-29 | 2014-07-23 | 昆明隆祥化工有限公司 | 一种生产磷酸铵镁缓释肥料的方法 |
CN105152708A (zh) * | 2015-06-01 | 2015-12-16 | 广西大学 | 一种中药废渣物的发酵方法 |
CN105859090A (zh) * | 2016-04-11 | 2016-08-17 | 娈疯 | 市政污泥综合处理工艺 |
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---|---|---|---|---|
JPS63139088A (ja) * | 1986-12-01 | 1988-06-10 | 株式会社荏原製作所 | 汚泥肥料の製造方法 |
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JP2000169269A (ja) * | 1998-12-04 | 2000-06-20 | Nkk Plant Engineering Corp | 汚泥溶融固化体の製造方法 |
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-
2001
- 2001-11-07 JP JP2001342421A patent/JP2003146784A/ja active Pending
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CN105859090A (zh) * | 2016-04-11 | 2016-08-17 | 娈疯 | 市政污泥综合处理工艺 |
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