JP2003033774A - フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の処理方法 - Google Patents
フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の処理方法Info
- Publication number
- JP2003033774A JP2003033774A JP2001223046A JP2001223046A JP2003033774A JP 2003033774 A JP2003033774 A JP 2003033774A JP 2001223046 A JP2001223046 A JP 2001223046A JP 2001223046 A JP2001223046 A JP 2001223046A JP 2003033774 A JP2003033774 A JP 2003033774A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fluorine
- agent
- wastewater
- double
- containing wastewater
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Landscapes
- Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
- Removal Of Specific Substances (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 容易かつ低コストで、フッ素含有排水から効
率よくフッ素を除去し得るフッ素含有排水用処理薬剤お
よびフッ素含有排水の処理方法を提供する。 【解決手段】 下記A剤と、下記B剤と、からなること
を特徴とするフッ素含有排水用処理薬剤である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩 また、フッ素を含有する排水に、下記A剤と下記B剤と
を添加することでこれらを反応させて複塩化し、前記排
水中から前記フッ素を除去する複塩化処理工程を含むこ
とを特徴とするフッ素含有排水の処理方法である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩 前記A剤の添加量は、アルミニウム含有量として10〜
1000ppmであることが好ましい。
率よくフッ素を除去し得るフッ素含有排水用処理薬剤お
よびフッ素含有排水の処理方法を提供する。 【解決手段】 下記A剤と、下記B剤と、からなること
を特徴とするフッ素含有排水用処理薬剤である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩 また、フッ素を含有する排水に、下記A剤と下記B剤と
を添加することでこれらを反応させて複塩化し、前記排
水中から前記フッ素を除去する複塩化処理工程を含むこ
とを特徴とするフッ素含有排水の処理方法である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩 前記A剤の添加量は、アルミニウム含有量として10〜
1000ppmであることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場排水等の排水
処理に使用される薬剤および排水処理方法であって、特
に、フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の
処理方法に関する。
処理に使用される薬剤および排水処理方法であって、特
に、フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の塗装前処理ライン等の金属表面
処理工程や、半導体集積回路、液晶ディスプレー等の電
子部品の製造工程、その他メッキ工程においては、表面
処理剤やエッチング剤としてフッ素を含有する薬剤を使
用するため、フッ素を含有する排水が発生する。水質汚
濁防止法排水基準が新たに8mg/リットル以下と規制
され、多くの自治体では、さらに厳しい上乗せ基準を設
けており、それらの基準の大部分は、1〜8mg/リッ
トル以下とされている。
処理工程や、半導体集積回路、液晶ディスプレー等の電
子部品の製造工程、その他メッキ工程においては、表面
処理剤やエッチング剤としてフッ素を含有する薬剤を使
用するため、フッ素を含有する排水が発生する。水質汚
濁防止法排水基準が新たに8mg/リットル以下と規制
され、多くの自治体では、さらに厳しい上乗せ基準を設
けており、それらの基準の大部分は、1〜8mg/リッ
トル以下とされている。
【0003】フッ素を含有する排水からフッ素を除去す
る排水処理技術としては、石灰を前記排水中に添加し、
フッ化カルシウムの沈殿を生成させて、これを除去する
フッ化カルシウム沈殿除去法が一般的である。しかし、
フッ化カルシウムの水に対する溶解度は、1.6mg/
100g(18℃)であるため、前記フッ化カルシウム
沈殿除去法では、理論的には、16mg/リットル(フ
ッ素として約7.8mg/リットル)までしかフッ素を
除去することができない。しかも、実際にはその理論量
までフッ素を除去することは容易でない。
る排水処理技術としては、石灰を前記排水中に添加し、
フッ化カルシウムの沈殿を生成させて、これを除去する
フッ化カルシウム沈殿除去法が一般的である。しかし、
フッ化カルシウムの水に対する溶解度は、1.6mg/
100g(18℃)であるため、前記フッ化カルシウム
沈殿除去法では、理論的には、16mg/リットル(フ
ッ素として約7.8mg/リットル)までしかフッ素を
除去することができない。しかも、実際にはその理論量
までフッ素を除去することは容易でない。
【0004】また、前記フッ化カルシウム沈殿除去法
で、石灰の代わりにマグネシウムを含んだドロマイト石
灰を使用する方法(ドロマイト石灰中和法)もあるが、
当該方法では、排水中のフッ素含有量を10mg/リッ
トルまでにしか低減させることができず、上記上乗せ基
準を満足することはできない。
で、石灰の代わりにマグネシウムを含んだドロマイト石
灰を使用する方法(ドロマイト石灰中和法)もあるが、
当該方法では、排水中のフッ素含有量を10mg/リッ
トルまでにしか低減させることができず、上記上乗せ基
準を満足することはできない。
【0005】その他の排水処理技術としては、イオン交
換樹脂やキレート樹脂のような樹脂;活性アルミナ;等
に吸着させて排水からフッ素を除去する方法がある。こ
のような方法では、フッ素含有量を数mg/リットル以
下にまで低減させることができるが、溶離したフッ素の
処理を必要とし、排水量が多くなるため排水処理コスト
が高くなる欠点があった。
換樹脂やキレート樹脂のような樹脂;活性アルミナ;等
に吸着させて排水からフッ素を除去する方法がある。こ
のような方法では、フッ素含有量を数mg/リットル以
下にまで低減させることができるが、溶離したフッ素の
処理を必要とし、排水量が多くなるため排水処理コスト
が高くなる欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上から、本発明は、
容易かつ低コストで、フッ素含有排水から効率よくフッ
素を除去し得るフッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素
含有排水の処理方法を提供することを目的とする。
容易かつ低コストで、フッ素含有排水から効率よくフッ
素を除去し得るフッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素
含有排水の処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく鋭
意研究の結果、本発明者は、マグネシウム塩やアルミニ
ウム塩の添加によるフッ素除去効果に着目し、両者が混
合されて得られる複塩により、フッ素含有排水から、フ
ッ素を効率良く除去できることを見出した。すなわち、
本発明は、 <1> 下記A剤と、下記B剤と、からなることを特徴
とするフッ素含有排水用処理薬剤である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩
意研究の結果、本発明者は、マグネシウム塩やアルミニ
ウム塩の添加によるフッ素除去効果に着目し、両者が混
合されて得られる複塩により、フッ素含有排水から、フ
ッ素を効率良く除去できることを見出した。すなわち、
本発明は、 <1> 下記A剤と、下記B剤と、からなることを特徴
とするフッ素含有排水用処理薬剤である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩
【0008】<2> フッ素を含有する排水に、下記A
剤と下記B剤とを添加することでこれらを反応させて複
塩化し、前記排水中から前記フッ素を除去する複塩化処
理工程を含むことを特徴とするフッ素含有排水の処理方
法である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩
剤と下記B剤とを添加することでこれらを反応させて複
塩化し、前記排水中から前記フッ素を除去する複塩化処
理工程を含むことを特徴とするフッ素含有排水の処理方
法である。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩
【0009】<3> 前記A剤の添加量が、アルミニウ
ム含有量として10〜1000ppmであることを特徴
とする<2>に記載のフッ素含有排水の処理方法であ
る。
ム含有量として10〜1000ppmであることを特徴
とする<2>に記載のフッ素含有排水の処理方法であ
る。
【0010】<4> 前記複塩化処理工程に先立ち、前
記フッ素を含有する排水に、カルシウムイオンを含む溶
液を添加することでフッ化物の沈殿を生成させてフッ素
を1次除去する1次処理工程を含むことを特徴とする<
2>または<3>のいずれかに記載のフッ素含有排水の
処理方法である。
記フッ素を含有する排水に、カルシウムイオンを含む溶
液を添加することでフッ化物の沈殿を生成させてフッ素
を1次除去する1次処理工程を含むことを特徴とする<
2>または<3>のいずれかに記載のフッ素含有排水の
処理方法である。
【0011】<5> 前記複塩化処理工程を経た後、さ
らに高分子凝集剤を添加する後処理工程を含むことを特
徴とする<2>〜<4>のいずれかに記載のフッ素含有
排水の処理方法である。
らに高分子凝集剤を添加する後処理工程を含むことを特
徴とする<2>〜<4>のいずれかに記載のフッ素含有
排水の処理方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
<本発明の作用機構>まず、本発明の作用機構につい
て、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、および、
酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを用いた例
を挙げて説明する。
て、アルミン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、および、
酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを用いた例
を挙げて説明する。
【0013】フッ素を含有する排水(以下、単に「排
水」と略す場合がある)中に、アルミン酸ナトリウムお
よび炭酸ナトリウムを含有する水溶液を添加し、さらに
酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを添加する
と、下記反応式(1)または(2)に示すようにして、
炭酸マグネシウムアルミニウムの複塩が生成する。
水」と略す場合がある)中に、アルミン酸ナトリウムお
よび炭酸ナトリウムを含有する水溶液を添加し、さらに
酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを添加する
と、下記反応式(1)または(2)に示すようにして、
炭酸マグネシウムアルミニウムの複塩が生成する。
【0014】反応式(1):
2NaAlO2+2MgO+Na2CO3+8H2O→ M
g2Al2(OH)8CO3・4H2O+4NaOH 反応式(2): 2NaAlO2+6Mg(OH)2+Na2CO3+8H2
O→ Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O+4NaO
H
g2Al2(OH)8CO3・4H2O+4NaOH 反応式(2): 2NaAlO2+6Mg(OH)2+Na2CO3+8H2
O→ Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O+4NaO
H
【0015】生成した上記複塩を前記排液から分離する
ことで、フッ素を除去することができる。これは、複塩
が生成する際に、当該複塩中に排液中のフッ素が取り込
まれたり、フッ素が吸着したりするためと推定される。
ことで、フッ素を除去することができる。これは、複塩
が生成する際に、当該複塩中に排液中のフッ素が取り込
まれたり、フッ素が吸着したりするためと推定される。
【0016】<本発明のフッ素含有排水用処理薬剤>本
発明のフッ素含有排水用処理薬剤は、アルミニウムイオ
ンおよび炭酸イオンを含む溶液(A剤)と、マグネシウ
ム塩(B剤)と、からなる。また、前記A剤としては、
アルミニウムイオンを含む溶液(A’剤)と、炭酸イオ
ンを含む薬剤(A”剤)と、の2液から分離していても
よい。かかる処理薬剤を排水に添加することで、上記の
ような炭酸マグネシウムアルミニウムの複塩を生成させ
ることができる。
発明のフッ素含有排水用処理薬剤は、アルミニウムイオ
ンおよび炭酸イオンを含む溶液(A剤)と、マグネシウ
ム塩(B剤)と、からなる。また、前記A剤としては、
アルミニウムイオンを含む溶液(A’剤)と、炭酸イオ
ンを含む薬剤(A”剤)と、の2液から分離していても
よい。かかる処理薬剤を排水に添加することで、上記の
ような炭酸マグネシウムアルミニウムの複塩を生成させ
ることができる。
【0017】上記A剤またはA’剤に含まれるアルミニ
ウムイオンの前駆体としては、前記アルミン酸ナトリウ
ムの他に、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化ア
ルミニウム等を使用することが可能で、これらを2以上
混合して使用してもよい。なお、前記アルミン酸ナトリ
ウムは、例えば、アルミニウムイオンを含む水溶液に水
酸化ナトリウム溶液を添加することで得られる。上記A
剤またはA”剤に含まれる炭酸イオンの前駆体として
は、前記炭酸ナトリウムの他に、炭酸水素ナトリウム等
を使用することが可能であり、これらを混合して使用し
てもよい。
ウムイオンの前駆体としては、前記アルミン酸ナトリウ
ムの他に、硫酸バンド、塩化アルミニウム、ポリ塩化ア
ルミニウム等を使用することが可能で、これらを2以上
混合して使用してもよい。なお、前記アルミン酸ナトリ
ウムは、例えば、アルミニウムイオンを含む水溶液に水
酸化ナトリウム溶液を添加することで得られる。上記A
剤またはA”剤に含まれる炭酸イオンの前駆体として
は、前記炭酸ナトリウムの他に、炭酸水素ナトリウム等
を使用することが可能であり、これらを混合して使用し
てもよい。
【0018】上記A剤は、取り扱いやすさ等を考慮し、
上記アルミニウムイオンの前駆体と上記炭酸イオンの前
駆体とを所定の割合で水等に混合した状態とする。アル
ミニウムイオン濃度は、液安定性や使用するアルミニウ
ムイオンの前駆体等により適宜調整することが好まし
い。このときの混合割合としては、上記反応式(1)お
よび(2)に示されるように、複塩が生成するような化
学量論比となるようにすることが好ましい。また、液安
定性等のため水酸化ナトリウム等の添加剤を適宜添加し
てもよい。上記A剤としては、例えば、アルミン酸ナト
リウムおよび炭酸ナトリウムから1リットルのA剤を調
製するには、硫酸アルミニウム18水塩123gを水に
溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液をアルミニウム
の沈殿物が溶解するまで加え、さらに炭酸ナトリウム2
9.2gを溶解すればよい。なお、上記重量比がほぼ維
持されていれば、上記重量に限定されるものではない。
上記アルミニウムイオンの前駆体と上記炭酸イオンの前
駆体とを所定の割合で水等に混合した状態とする。アル
ミニウムイオン濃度は、液安定性や使用するアルミニウ
ムイオンの前駆体等により適宜調整することが好まし
い。このときの混合割合としては、上記反応式(1)お
よび(2)に示されるように、複塩が生成するような化
学量論比となるようにすることが好ましい。また、液安
定性等のため水酸化ナトリウム等の添加剤を適宜添加し
てもよい。上記A剤としては、例えば、アルミン酸ナト
リウムおよび炭酸ナトリウムから1リットルのA剤を調
製するには、硫酸アルミニウム18水塩123gを水に
溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液をアルミニウム
の沈殿物が溶解するまで加え、さらに炭酸ナトリウム2
9.2gを溶解すればよい。なお、上記重量比がほぼ維
持されていれば、上記重量に限定されるものではない。
【0019】上記B剤(マグネシウム塩)としては、上
記水酸化マグネシウムおよび酸化マグネシウムの他に、
炭酸マグネシウム等を使用することが可能であり、これ
らを2以上混合して使用してもよい。例示した水酸化マ
グネシウム、酸化マグネシウム等は、粉末状もしくはス
ラリー状で工業用のものを使用することができる。
記水酸化マグネシウムおよび酸化マグネシウムの他に、
炭酸マグネシウム等を使用することが可能であり、これ
らを2以上混合して使用してもよい。例示した水酸化マ
グネシウム、酸化マグネシウム等は、粉末状もしくはス
ラリー状で工業用のものを使用することができる。
【0020】<本発明のフッ素含有排水の処理方法>本
発明のフッ素含有排水の処理方法は、少なくとも、複塩
化処理工程を含み、該複塩化処理工程に先立ち1次処理
工程を設けてもよく、前記複塩化処理工程の後に後処理
工程を設けてもよい。以下、各処理工程について説明す
る。
発明のフッ素含有排水の処理方法は、少なくとも、複塩
化処理工程を含み、該複塩化処理工程に先立ち1次処理
工程を設けてもよく、前記複塩化処理工程の後に後処理
工程を設けてもよい。以下、各処理工程について説明す
る。
【0021】(複塩化処理工程)複塩化処理工程は、フ
ッ素を含有する排水に、既述のA剤およびB剤を添加す
ることでこれらを反応させて複塩化し、前記排水中から
前記フッ素を除去する工程である。このとき、前記A剤
の代わりに、既述のアルミニウムイオンを含む溶液
(A’剤)および炭酸イオンを含む薬剤(A”剤)を使
用してもよい。また、前記フッ素を含有する排水として
は、自動車の塗装前処理ライン等の金属表面処理工程
や、半導体集積回路、液晶ディスプレー等の電子部品の
製造工程、その他メッキ工程等で発生する排水に限ら
ず、種々の工業用排水や実験排水等が挙げられる。
ッ素を含有する排水に、既述のA剤およびB剤を添加す
ることでこれらを反応させて複塩化し、前記排水中から
前記フッ素を除去する工程である。このとき、前記A剤
の代わりに、既述のアルミニウムイオンを含む溶液
(A’剤)および炭酸イオンを含む薬剤(A”剤)を使
用してもよい。また、前記フッ素を含有する排水として
は、自動車の塗装前処理ライン等の金属表面処理工程
や、半導体集積回路、液晶ディスプレー等の電子部品の
製造工程、その他メッキ工程等で発生する排水に限ら
ず、種々の工業用排水や実験排水等が挙げられる。
【0022】A剤の添加量は、多くすればより多量のフ
ッ素を除去することが可能となるが、発生する沈殿物も
多くなり、固液分離に時間を要し、かつ薬剤コストも高
くなる。従って、A剤の添加量は、排水中のアルミニウ
ム含有量が10〜1000ppmとなるようにすること
が好ましく、50〜500ppmとなるようにすること
がより好ましく、200ppm前後となるようにするこ
とが最も好ましい。添加量が、10ppm未満では、生
成する複塩が少量となるため、十分にフッ素を除去する
ことができない場合があり、1000ppmを超える
と、生成する沈殿物が多量となるため、効率のよい排水
処理を施すことができない場合がある。A剤の代わりに
A’剤およびA”剤を使用する場合は、A’剤の添加量
をA剤と同様にし、A”剤の添加量は、所望の複塩が生
成する化学量論比から設定することが好ましい。
ッ素を除去することが可能となるが、発生する沈殿物も
多くなり、固液分離に時間を要し、かつ薬剤コストも高
くなる。従って、A剤の添加量は、排水中のアルミニウ
ム含有量が10〜1000ppmとなるようにすること
が好ましく、50〜500ppmとなるようにすること
がより好ましく、200ppm前後となるようにするこ
とが最も好ましい。添加量が、10ppm未満では、生
成する複塩が少量となるため、十分にフッ素を除去する
ことができない場合があり、1000ppmを超える
と、生成する沈殿物が多量となるため、効率のよい排水
処理を施すことができない場合がある。A剤の代わりに
A’剤およびA”剤を使用する場合は、A’剤の添加量
をA剤と同様にし、A”剤の添加量は、所望の複塩が生
成する化学量論比から設定することが好ましい。
【0023】B剤の添加量もA剤もしくはA’剤の添加
量に応じ、所望の複塩が生成する化学量論比となるよう
にすることが好ましいが、実際的には、A剤もしくは
A’剤中のアルミニウムモル数とマグネシウムモル数と
の比(アルミニウムモル数/マグネシウムモル数)が、
3/1〜1/3となるようにすることが好ましく、2/
1〜1/2となるようにすることがより好ましい。
量に応じ、所望の複塩が生成する化学量論比となるよう
にすることが好ましいが、実際的には、A剤もしくは
A’剤中のアルミニウムモル数とマグネシウムモル数と
の比(アルミニウムモル数/マグネシウムモル数)が、
3/1〜1/3となるようにすることが好ましく、2/
1〜1/2となるようにすることがより好ましい。
【0024】A剤(または「A’剤およびA”剤」)と
B剤とは、別々に排水に添加する必要がある。A剤(ま
たは「A’剤およびA”剤」)とB剤とを混合した状態
で排水に添加しようとすると、A剤およびA”剤はアル
カリ性であるため、マグネシウム塩が溶解しにくくなっ
たり、フッ素を除去する(排水に添加する)前に複塩が
薬剤中で生成してしまい、フッ素除去効率が低下してし
まうからである。
B剤とは、別々に排水に添加する必要がある。A剤(ま
たは「A’剤およびA”剤」)とB剤とを混合した状態
で排水に添加しようとすると、A剤およびA”剤はアル
カリ性であるため、マグネシウム塩が溶解しにくくなっ
たり、フッ素を除去する(排水に添加する)前に複塩が
薬剤中で生成してしまい、フッ素除去効率が低下してし
まうからである。
【0025】アルミニウム、マグネシウムおよび炭酸イ
オンからなる複塩としては、水酸化炭酸アルミニウムマ
グネシウム、珪酸炭酸アルミニウムマグネシウム、塩基
性炭酸アルミニウムマグネシウム、硫酸炭酸アルミニウ
ムマグネシウム、酸化アルミニウムマグネシウム等が挙
げられるが、フッ素を除去するには、水等の溶媒に対し
て不溶性であることが必要不可欠である。不溶性の複塩
としては、珪酸炭酸アルミニウムマグネシウム、塩基性
炭酸アルミニウムマグネシウム、酸化アルミニウムマグ
ネシウムが挙げられる。さらに排水処理におけるフッ素
除去の観点からは、これらの水不溶性複塩から塩基性炭
酸アルミニウムマグネシウムが選択される。珪酸炭酸ア
ルミニウムマグネシウムや酸化アルミニウムマグネシウ
ムは水溶液中で生成しにくく、塩基性炭酸アルミニウム
マグネシウムは水溶液中で生成することができるためで
ある。かかる複塩を生成し得るA剤とB剤との組合せを
表1に例示する。
オンからなる複塩としては、水酸化炭酸アルミニウムマ
グネシウム、珪酸炭酸アルミニウムマグネシウム、塩基
性炭酸アルミニウムマグネシウム、硫酸炭酸アルミニウ
ムマグネシウム、酸化アルミニウムマグネシウム等が挙
げられるが、フッ素を除去するには、水等の溶媒に対し
て不溶性であることが必要不可欠である。不溶性の複塩
としては、珪酸炭酸アルミニウムマグネシウム、塩基性
炭酸アルミニウムマグネシウム、酸化アルミニウムマグ
ネシウムが挙げられる。さらに排水処理におけるフッ素
除去の観点からは、これらの水不溶性複塩から塩基性炭
酸アルミニウムマグネシウムが選択される。珪酸炭酸ア
ルミニウムマグネシウムや酸化アルミニウムマグネシウ
ムは水溶液中で生成しにくく、塩基性炭酸アルミニウム
マグネシウムは水溶液中で生成することができるためで
ある。かかる複塩を生成し得るA剤とB剤との組合せを
表1に例示する。
【0026】
【表1】
【0027】なお、後述する1次処理工程の有無や、排
水の種類等により排水に含まれるフッ素濃度が異なる場
合があるため、A剤またはA’剤等の添加量をフッ素濃
度に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、1次
処理後のフッ素残留濃度は多くの場合15〜20ppm
程度なので、それに合わせると(多少多く見積もって)
A剤またはA’剤の添加量は、アルミニウム含有量とし
て200ppm前後となるようにすることが好ましい。
そして、このときのB剤(MgOを使用した場合)は、
マグネシウム含有量として300ppm前後となるよう
に添加すればよい。なお、MgOは不溶性で100%反
応に寄与することはないため、この場合も化学量論比よ
り多く添加することになる。また、当該例では、反応式
(1)に示される反応が進行する。
水の種類等により排水に含まれるフッ素濃度が異なる場
合があるため、A剤またはA’剤等の添加量をフッ素濃
度に応じて適宜調整することが好ましい。例えば、1次
処理後のフッ素残留濃度は多くの場合15〜20ppm
程度なので、それに合わせると(多少多く見積もって)
A剤またはA’剤の添加量は、アルミニウム含有量とし
て200ppm前後となるようにすることが好ましい。
そして、このときのB剤(MgOを使用した場合)は、
マグネシウム含有量として300ppm前後となるよう
に添加すればよい。なお、MgOは不溶性で100%反
応に寄与することはないため、この場合も化学量論比よ
り多く添加することになる。また、当該例では、反応式
(1)に示される反応が進行する。
【0028】以上のようにして、複塩化した後はろ過等
の公知の固液分離手段により、複塩を排水から分離す
る。このように複塩を生成しこれを分離することで、排
水からフッ素を除去しその残留量を低くすることができ
る。
の公知の固液分離手段により、複塩を排水から分離す
る。このように複塩を生成しこれを分離することで、排
水からフッ素を除去しその残留量を低くすることができ
る。
【0029】(1次処理工程)1次処理工程は、フッ素
を含有する排水に、石灰やドロマイト石灰等のカルシウ
ムイオンを含む溶液を添加し、フッ化カルシウムの沈殿
を生成させて、フッ素をフッ化カルシウムの沈殿として
1次除去する工程である。当該1次処理工程は、必要に
応じて複塩化処理工程に先立ち設けられる。既述のよう
に、複塩化処理工程を設けることにより、排水中からフ
ッ素を効率良く除去することが可能となるが、フッ素が
多量に存在する場合に複塩化処理工程のみにより排水を
処理しようとすると薬剤の使用量が多くなるため、高コ
ストとなることがある。そこで、複塩化処理工程の前
に、1次処理工程を設けることで、前記複塩化処理に使
用する薬剤量を少なくすることができる。
を含有する排水に、石灰やドロマイト石灰等のカルシウ
ムイオンを含む溶液を添加し、フッ化カルシウムの沈殿
を生成させて、フッ素をフッ化カルシウムの沈殿として
1次除去する工程である。当該1次処理工程は、必要に
応じて複塩化処理工程に先立ち設けられる。既述のよう
に、複塩化処理工程を設けることにより、排水中からフ
ッ素を効率良く除去することが可能となるが、フッ素が
多量に存在する場合に複塩化処理工程のみにより排水を
処理しようとすると薬剤の使用量が多くなるため、高コ
ストとなることがある。そこで、複塩化処理工程の前
に、1次処理工程を設けることで、前記複塩化処理に使
用する薬剤量を少なくすることができる。
【0030】フッ素を1次除去する際の排水のpHは、
フッ素除去効率の観点から高い方が好ましいが。高すぎ
ると過剰のカルシウムイオンが反応を阻害し、複塩化処
理工程でのアルミニウムとマグネシウムとの複塩化が阻
害されることがある。従って、前記pHは、6.5〜
8.2とすることが好ましく、7.8〜8.2とするこ
とがより好ましい。pHが8.2より高いと、既述のよ
うに複塩化処理工程でのアルミニウムとマグネシウムと
の複塩化が阻害されることがあり、6.5より低いと、
フッ化カルシウムの沈殿が生成しにくくなるため、フッ
素の除去効率が低くなることがある。前記カルシウムイ
オンを含む溶液におけるカルシウムイオンの前駆体とし
ては、消石灰(水酸化カルシウム)、炭酸カルシウム、
生石灰(CaO)等を使用することができる。
フッ素除去効率の観点から高い方が好ましいが。高すぎ
ると過剰のカルシウムイオンが反応を阻害し、複塩化処
理工程でのアルミニウムとマグネシウムとの複塩化が阻
害されることがある。従って、前記pHは、6.5〜
8.2とすることが好ましく、7.8〜8.2とするこ
とがより好ましい。pHが8.2より高いと、既述のよ
うに複塩化処理工程でのアルミニウムとマグネシウムと
の複塩化が阻害されることがあり、6.5より低いと、
フッ化カルシウムの沈殿が生成しにくくなるため、フッ
素の除去効率が低くなることがある。前記カルシウムイ
オンを含む溶液におけるカルシウムイオンの前駆体とし
ては、消石灰(水酸化カルシウム)、炭酸カルシウム、
生石灰(CaO)等を使用することができる。
【0031】(後処理工程)後処理工程は、前記複塩化
処理工程を経た後、さらに高分子凝集剤を添加してフッ
素を凝集沈殿除去する工程である。なお、使用する高分
子凝集剤は公知のものを挙げることが可能で、具体的に
は、パーカフロックA40、アコフロックA110、コ
ーナンフロックLTX−10S等を挙げることができ
る。
処理工程を経た後、さらに高分子凝集剤を添加してフッ
素を凝集沈殿除去する工程である。なお、使用する高分
子凝集剤は公知のものを挙げることが可能で、具体的に
は、パーカフロックA40、アコフロックA110、コ
ーナンフロックLTX−10S等を挙げることができ
る。
【0032】以上のようにして処理された排水は、最終
的に放流する場合はpHを略中性にする必要があり、こ
の時点で沈殿が発生する場合はさらに固液分離が必要と
なる。
的に放流する場合はpHを略中性にする必要があり、こ
の時点で沈殿が発生する場合はさらに固液分離が必要と
なる。
【0033】上記のように、本発明によれば、今後厳し
い環境基準に基づくフッ素排出規制が施行されてもクリ
アーすることが可能である。また、特殊な技術を必要と
しないので、既存の凝集沈殿に用いられる設備と同じ設
備で処理することが可能で、かつ高価な薬品を使用しな
いため低コストで排水処理を行うことができる。
い環境基準に基づくフッ素排出規制が施行されてもクリ
アーすることが可能である。また、特殊な技術を必要と
しないので、既存の凝集沈殿に用いられる設備と同じ設
備で処理することが可能で、かつ高価な薬品を使用しな
いため低コストで排水処理を行うことができる。
【0034】
【実施例】本発明を以下に示す実施例により具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各操作は全て室温(25℃)にて行った。また、
排水中のフッ素の含有量は、工場排水試験方法JIS−
K−0102(1993)の34項フッ素 34.1項
の水蒸気蒸留後、イオンクロマトグラフ法に準じた。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、各操作は全て室温(25℃)にて行った。また、
排水中のフッ素の含有量は、工場排水試験方法JIS−
K−0102(1993)の34項フッ素 34.1項
の水蒸気蒸留後、イオンクロマトグラフ法に準じた。
【0035】(実施例1)日本パーカライジング(株)
愛知工場より採取しためっき排水について、以下に説明
するようにしてフッ素含有排水(フッ素含有量:315
0mg/リットル)の処理を行った。
愛知工場より採取しためっき排水について、以下に説明
するようにしてフッ素含有排水(フッ素含有量:315
0mg/リットル)の処理を行った。
【0036】まず、上記排水1m3に10%硫酸を添加
してpHを約4とし、消石灰のスラリー溶液を添加して
pHを8.0〜8.2として、フッ化カルシウムの沈殿
を生成させた。生成した沈殿をろ過により分離した(1
次処理工程)。分離後の溶液について、フッ素の含有量
を測定したところ、14.1mg/リットルであった。
してpHを約4とし、消石灰のスラリー溶液を添加して
pHを8.0〜8.2として、フッ化カルシウムの沈殿
を生成させた。生成した沈殿をろ過により分離した(1
次処理工程)。分離後の溶液について、フッ素の含有量
を測定したところ、14.1mg/リットルであった。
【0037】上記溶液について、アルミニウム含有量
が、200ppmとなるように硫酸アルミニウム18水
塩(A)剤を添加した。その後、酸化マグネシウム(B
剤)を、0.5g/リットルとなるように添加し、60
分間撹拌し複塩を生成させ、生成した複塩をろ過により
分離した(複塩化処理工程)。複塩化させた際のpH
は、11.5であった。ろ過後の溶液に、10%硫酸を
添加することで溶液のpHを7.5〜8.0に調整し
た。得られた処理済排水中のフッ素の含有量を測定した
ところ、3.4mg/リットルであった。
が、200ppmとなるように硫酸アルミニウム18水
塩(A)剤を添加した。その後、酸化マグネシウム(B
剤)を、0.5g/リットルとなるように添加し、60
分間撹拌し複塩を生成させ、生成した複塩をろ過により
分離した(複塩化処理工程)。複塩化させた際のpH
は、11.5であった。ろ過後の溶液に、10%硫酸を
添加することで溶液のpHを7.5〜8.0に調整し
た。得られた処理済排水中のフッ素の含有量を測定した
ところ、3.4mg/リットルであった。
【0038】(実施例2)実施例1において、複塩化処
理工程の後で、ろ過をせずに10%硫酸を添加してpH
を7.5〜8.0に調整した後、ろ過を行った。得られ
た処理済排水中のフッ素の含有量を測定したところ、
7.8mg/リットルであった。
理工程の後で、ろ過をせずに10%硫酸を添加してpH
を7.5〜8.0に調整した後、ろ過を行った。得られ
た処理済排水中のフッ素の含有量を測定したところ、
7.8mg/リットルであった。
【0039】(実施例3)日本パーカライジング(株)
愛知工場より採取した別のメッキ排水(フッ素含有量:
750mg/リットル)について、実施例1と同様にし
て排水処理を行った。1次処理工程を経た後の排水中の
フッ素含有量は、19.6mg/リットルであり、複塩
化処理工程を経た後の処理済排水中のフッ素含有量は、
2.7mg/リットルであった。
愛知工場より採取した別のメッキ排水(フッ素含有量:
750mg/リットル)について、実施例1と同様にし
て排水処理を行った。1次処理工程を経た後の排水中の
フッ素含有量は、19.6mg/リットルであり、複塩
化処理工程を経た後の処理済排水中のフッ素含有量は、
2.7mg/リットルであった。
【0040】(実施例4)実施例3において、複塩化処
理工程の後で、ろ過をせずに10%硫酸を添加してpH
を7.5〜8.0に調整した後、ろ過を行った。得られ
た処理済排水中のフッ素の含有量を測定したところ、
5.4mg/リットルであった。
理工程の後で、ろ過をせずに10%硫酸を添加してpH
を7.5〜8.0に調整した後、ろ過を行った。得られ
た処理済排水中のフッ素の含有量を測定したところ、
5.4mg/リットルであった。
【0041】(実施例5)日本パーカライジング(株)
総合技術研究所より採取した排水にフッ化ナトリウムを
添加した模擬排水(フッ素含有量:20mg/リット
ル)について、該模擬排水200リットルにアルミニウ
ム含有量として200ppmとなるように硫酸アルミニ
ウム18水塩(A剤)を添加した。その後、酸化マグネ
シウム(B剤)を0.5g/リットルとなるように添加
して、60分間撹拌し複塩を生成させた。生成した複塩
をろ過により分離した(複塩化処理工程)。複塩化させ
た際のpHは、11.0であった。ろ過後の溶液に、1
0%硫酸を添加することで溶液のpHを7.5〜8.0
に調整した。得られた処理済排水中のフッ素の含有量を
測定したところ、3.7mg/リットルであった。
総合技術研究所より採取した排水にフッ化ナトリウムを
添加した模擬排水(フッ素含有量:20mg/リット
ル)について、該模擬排水200リットルにアルミニウ
ム含有量として200ppmとなるように硫酸アルミニ
ウム18水塩(A剤)を添加した。その後、酸化マグネ
シウム(B剤)を0.5g/リットルとなるように添加
して、60分間撹拌し複塩を生成させた。生成した複塩
をろ過により分離した(複塩化処理工程)。複塩化させ
た際のpHは、11.0であった。ろ過後の溶液に、1
0%硫酸を添加することで溶液のpHを7.5〜8.0
に調整した。得られた処理済排水中のフッ素の含有量を
測定したところ、3.7mg/リットルであった。
【0042】(実施例6)実施例5において、複塩化処
理工程の後で、ろ過をせずに10%硫酸を添加してpH
を7.5〜8.0に調整した後、ろ過を行った。得られ
た処理済排水中のフッ素の含有量を測定したところ、
6.0mg/リットルであった。
理工程の後で、ろ過をせずに10%硫酸を添加してpH
を7.5〜8.0に調整した後、ろ過を行った。得られ
た処理済排水中のフッ素の含有量を測定したところ、
6.0mg/リットルであった。
【0043】以上から、1次処理工程のみでは、いずれ
の実施例でも14mg/リットル以上のフッ素が残留す
るが、その後、A剤とB剤とを使用した場合、複塩化処
理工程を経ると8mg/リットル以下とすることができ
た。
の実施例でも14mg/リットル以上のフッ素が残留す
るが、その後、A剤とB剤とを使用した場合、複塩化処
理工程を経ると8mg/リットル以下とすることができ
た。
【0044】
【発明の効果】本発明のフッ素含有排水用処理薬剤およ
びフッ素含有排水の処理方法によれば、容易かつ低コス
トで、フッ素含有排水から効率よくフッ素を除去するこ
とができる。
びフッ素含有排水の処理方法によれば、容易かつ低コス
トで、フッ素含有排水から効率よくフッ素を除去するこ
とができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記A剤と、下記B剤と、からなること
を特徴とするフッ素含有排水用処理薬剤。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩 - 【請求項2】 フッ素を含有する排水に、下記A剤と下
記B剤とを添加することでこれらを反応させて複塩化
し、前記排水中から前記フッ素を除去する複塩化処理工
程を含むことを特徴とするフッ素含有排水の処理方法。 A剤・・・アルミニウムイオンおよび炭酸イオンを含む
溶液、 B剤・・・マグネシウム塩 - 【請求項3】 前記A剤の添加量が、アルミニウム含有
量として10〜1000ppmであることを特徴とする
請求項2に記載のフッ素含有排水の処理方法。 - 【請求項4】 前記複塩化処理工程に先立ち、前記フッ
素を含有する排水に、カルシウムイオンを含む溶液を添
加することでフッ化物の沈殿を生成させてフッ素を1次
除去する1次処理工程を含むことを特徴とする請求項2
または3のいずれかに記載のフッ素含有排水の処理方
法。 - 【請求項5】 前記複塩化処理工程を経た後、さらに高
分子凝集剤を添加する後処理工程を含むことを特徴とす
る請求項2〜4のいずれかに記載のフッ素含有排水の処
理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001223046A JP2003033774A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001223046A JP2003033774A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003033774A true JP2003033774A (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=19056442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001223046A Withdrawn JP2003033774A (ja) | 2001-07-24 | 2001-07-24 | フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003033774A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012200687A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Kurita Water Ind Ltd | ケイフッ化水素酸含有廃液の処理方法 |
CN111977768A (zh) * | 2020-09-04 | 2020-11-24 | 深圳市长隆科技有限公司 | 一种用于含氟废水处理的高效除氟剂 |
CN118598305A (zh) * | 2024-06-05 | 2024-09-06 | 中蓝长化工程科技有限公司 | 一种酸性含氟废水的处理药剂及其使用方法 |
-
2001
- 2001-07-24 JP JP2001223046A patent/JP2003033774A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012200687A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Kurita Water Ind Ltd | ケイフッ化水素酸含有廃液の処理方法 |
CN111977768A (zh) * | 2020-09-04 | 2020-11-24 | 深圳市长隆科技有限公司 | 一种用于含氟废水处理的高效除氟剂 |
CN118598305A (zh) * | 2024-06-05 | 2024-09-06 | 中蓝长化工程科技有限公司 | 一种酸性含氟废水的处理药剂及其使用方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101340161B1 (ko) | 고농도 불산 폐수 처리 방법 | |
JP2004141799A (ja) | シリカを含有する排水の処理方法 | |
JP4631425B2 (ja) | リン酸を含むフッ素含有排水の処理方法及び処理装置 | |
JP2010269309A (ja) | ホウ素含有排水の処理方法及び処理装置 | |
JP2007301456A (ja) | ホウ素含有排水の処理方法及び処理装置 | |
JP2000202461A (ja) | 重金属錯体含有排液の処理方法 | |
JP4293520B2 (ja) | フッ素イオンの除去方法及び除去剤 | |
JPWO2005100253A1 (ja) | 有害物質を含有する強酸性廃水の処理方法 | |
TWI263623B (en) | Effluent water treatment method | |
JP2003033774A (ja) | フッ素含有排水用処理薬剤およびフッ素含有排水の処理方法 | |
JP4289451B2 (ja) | フッ素含有排水の処理方法及びそれに使用する薬剤 | |
KR101293283B1 (ko) | 붕불산을 함유하는 폐수로부터 불소를 제거하는 방법 | |
JP2005324137A (ja) | 排水中のフッ素イオン除去方法 | |
JP2009095810A (ja) | ホウ素含有排水の処理方法及び処理装置 | |
JP2923212B2 (ja) | 排水の処理方法 | |
JP2004000963A (ja) | ホウ素含有排水の処理方法及びそれに使用する薬剤 | |
JP2005262186A (ja) | ホウ素含有排水の処理方法 | |
JP2007283217A (ja) | ホウ素含有排水の処理方法 | |
JP4631420B2 (ja) | フッ素含有水の処理方法 | |
JP4696017B2 (ja) | ホウ素含有廃水の処理方法 | |
JP3788782B2 (ja) | 排水を処理して銅を除去回収する方法及びこれに用いる薬剤 | |
JP2008178860A (ja) | ホウ素処理剤およびホウ素含有排水の処理方法 | |
JP4003832B2 (ja) | 凝集剤及びその製造方法 | |
JP2003251367A (ja) | セレン酸含有排水の処理方法及びこれに用いる処理剤 | |
JP4110295B2 (ja) | 銅エッチング廃液とレジスト廃液を同時に処理する方法及びそれに使用する薬剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20081007 |