JP2003026437A - 光導波路の製造方法 - Google Patents
光導波路の製造方法Info
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Classifications
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 紫外光透過率の高い光導波路を製造できる方
法を提供する。 【解決手段】 本発明の方法は、フッ素が添加された石
英ガラスからなるコア部と石英ガラスからなるクラッド
部とを有するプリフォーム2を加熱溶融し、このプリフ
ォームから光導波路8を線引する。プリフォームを約1
800℃以下の温度で加熱溶融すると、プリフォームの
コア部に添加されたフッ素の抜けが十分に防止される。
このようにして光導波路のコア内におけるガラス欠陥生
成が抑えられるので、紫外光透過率が高まる。
法を提供する。 【解決手段】 本発明の方法は、フッ素が添加された石
英ガラスからなるコア部と石英ガラスからなるクラッド
部とを有するプリフォーム2を加熱溶融し、このプリフ
ォームから光導波路8を線引する。プリフォームを約1
800℃以下の温度で加熱溶融すると、プリフォームの
コア部に添加されたフッ素の抜けが十分に防止される。
このようにして光導波路のコア内におけるガラス欠陥生
成が抑えられるので、紫外光透過率が高まる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光導波路の製造方法
に関し、特に紫外光伝送用の光導波路を製造する方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】300nm以下の波長を有する紫外光
は、近年、フォトリソグラフィ、レーザー加工、殺菌、
消毒等の分野において利用価値が高まっている。特に半
導体チップの微細化に伴って、より短波長の紫外光を伝
送する技術の開発が進められている。現在は248nm
の波長を有するKrFエキシマレーザ光が主に使用され
ているが、193nm波長のArFエキシマレーザ光や
157nm波長のF2レーザ光が今後は主流になるもの
と思われる。紫外光伝送用の光導波路の典型的な例は光
ファイバであり、実際に医療や微細加工等の分野で利用
されている。 【0003】紫外光伝送用の光ファイバとしては、石英
ガラスをコアとする石英系光ファイバが一般的である。
石英系光ファイバの紫外光に対する透過率は、光通信で
使用される1.3μmや1.55μmといった波長の光
に対する透過率よりも低く、また、伝送光の波長が短く
なるにつれてその透過率が低くなる。 【0004】石英系光ファイバの紫外光透過率が低い原
因は、ガラスの結合欠陥にあると言われている。本明細
書においてガラスの結合欠陥とは、ガラスネットワーク
構造の一部の結合が完全に切断された状態、もしくはネ
ットワークの一部に歪が加わることにより結合距離が大
きく引き延びたりして極めて切断されやすい状態になっ
ていることをいう。図2に現在報告されている石英ガラ
スのガラス欠陥のうち数例を示す。このうち紫外線領域
の光を吸収する代表的なものとして≡Si・(E′セン
ター)や≡Si−Si≡といった酸素欠損型欠陥が挙げ
られる。E′センター欠陥は215nmを中心とした波
長域の光を吸収し、Si−Si結合は163nmを中心
とした波長域の光を吸収すると考えられている。石英系
光ファイバのコアに存在するこれらの欠陥が紫外光を吸
収する結果、紫外光透過率が低くなると考えられてい
る。 【0005】石英ガラスの紫外光透過率を高める様々な
技法が従来から提案されている。たとえば米国特許第5
679125号には、ガラス欠陥により生じる紫外光吸
収をなくして高い透過率を確保するために石英ガラスに
フッ素を添加することが開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】伝送光の短波長化に伴
って紫外光透過率のいっそうの上昇が求められており、
これに応じて、紫外光透過率の高い光導波路を得るため
に光導波路製造技術の最適化が必要になっている。 【0007】本発明は、上記に鑑みなされたもので、紫
外光透過率の高い光導波路を製造することの可能な方法
を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素が添加
された石英ガラスからなるコア部と石英ガラスからなる
クラッド部とを有するプリフォームを加熱溶融する第1
工程と、このプリフォームから光導波路を線引する第2
工程とを備える紫外光伝送用光導波路の製造方法を提供
する。なお、「光導波路」とは、光をコアに閉じ込めて
伝送する回路または線路をいい、光ファイバや複数本の
光ファイバを束ねた構造のバンドルファイバなどが含ま
れる。 【0009】本発明では、第1工程はプリフォームを約
1800℃以下の温度で加熱溶融する。従来の加熱温度
である2000℃よりも低い温度でプリフォームを加熱
することにより、コア部に添加されたフッ素の抜けが防
止される。これにより、線引される光導波路のコア内に
おけるガラス欠陥生成が抑えられ、紫外光透過率が高ま
る。 【0010】 【発明の実施の形態】[実施形態1]以下では、図1を
参照しながら本発明の第1の実施形態に係る光導波路製
造方法を具体的に説明する。ここで図1は、本実施形態
の方法で使用される線引装置1の構成を模式的に示して
いる。本実施形態では、ArFエキシマレーザ光源から
出力されるArFエキシマレーザ光(波長193nm)
を伝送するように設計された光ファイバを製造する。 【0011】本実施形態では、線引装置1を用いてプリ
フォーム2から光ファイバを線引する。このプリフォー
ム2は、略円柱状のコア部と、このコア部の側面に密着
してコア部を同心状に包囲する略円管状のクラッド部を
有している。コア部およびクラッド部は石英ガラスから
構成されており、クラッド部はコア部より低い屈折率を
有している。本実施形態では、コア部にフッ素が1重量
%含まれており、クラッド部にフッ素が3重量%含まれ
ている。上述のように、石英ガラスに添加されたフッ素
はガラス欠陥による紫外光吸収を低減し、石英ガラスの
紫外光透過率を高める。 【0012】プリフォーム2は加熱炉4によって加熱さ
れる。これによりプリフォーム2の先端が溶融して粘度
が下がる。粘度の下がったガラスは加熱炉内で徐々に縮
径してほぼ一定の直径となって加熱炉の外に出る。加熱
炉の外に出た石英ガラスは冷却されて光ファイバ8とな
る。こうして光ファイバ8が線引される。 【0013】矢印9で示されるように、光ファイバ8は
その長手方向に沿って下方に移動し、外径測定器6によ
りその外径を測定された後、コーティングダイ10を通
過する。光ファイバ8は、コーティングダイ10を通る
ことにより、第1および第2の紫外線硬化型樹脂がそれ
ぞれ所定の厚さで一括して塗布される。この後、高圧水
銀灯などの硬化装置12によって光ファイバ8に紫外線
が照射され、第1および第2紫外線硬化型樹脂が一括し
て硬化させられる。これにより光ファイバ8の樹脂被覆
が完了し、第1紫外線硬化型樹脂からなる内側被覆と第
2紫外線硬化型樹脂からなる外側被覆を備える光ファイ
バ、すなわち光ファイバ素線14が得られる。 【0014】この光ファイバ素線14は、キャプスタン
16によって引き取られ、ガイドローラ18を介して巻
き取りドラム20によって巻き取られる。光ファイバ8
および光ファイバ素線14には、キャプスタン16によ
って所定の張力が印加される。外径測定器6およびキャ
プスタン16には外径制御装置22が接続されている。
外径制御装置22は、入力される光ファイバ8の外径測
定値に応じてキャプスタンの回転速度を制御し、光ファ
イバ8が所定の外径を有するようにする。 【0015】従来の石英系光ファイバの線引では加熱炉
内の温度が約2000℃に設定されるのに対し、本実施
形態では加熱炉4内の温度が約1800℃以下に設定さ
れる。加熱炉4内でプリフォーム2を高温で加熱すると
プリフォーム2内のフッ素が外部に拡散しやすくなる。
プリフォーム2のコア部からフッ素が抜けるとそこにガ
ラス欠陥が生成されやすくなり、その結果、線引により
得られる光ファイバ素線14の紫外光透過率が低くな
る。そこで本実施形態では、加熱炉4内の温度を比較的
低くすることにより、フッ素の拡散および抜けを防止し
ている。これにより、得られる光ファイバの紫外光透過
率が高くなる。そして本発明者の知見によれば、プリフ
ォームを約1800℃以下の温度で加熱溶融することに
より、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対
する初期透過率が十分に高い光ファイバを製造すること
ができる。 【0016】なお、加熱炉4内の温度の下限は、線引が
可能な程度にプリフォーム2を溶融して軟化させること
が可能な温度であり、本実施形態では約1700℃であ
る。また、線引速度は加熱炉4内の温度が約1800℃
のときに約6.5m/分とする。加熱温度をより低く設
定したときは、線引速度をより遅くすると光ファイバを
切断することなく線引を行うことができる。 【0017】加熱炉の温度と得られた光ファイバの紫外
光透過率を以下に示す。ここで、透過率の測定に使用し
た紫外光の波長は193nmであり、光ファイバの長さ
は1mである。 加熱炉温度 紫外光透過率 2000℃ 17% 1800℃ 27% 1700℃ 30% 【0018】以上、本発明をその実施形態に基づいて具
体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形
が可能である。たとえば、上記実施形態では光ファイバ
を製造するが、線引により製造できる他の光導波路も同
様に製造することが可能である。また、光導波路の屈折
率分布構造については特に限定されるところはなく、モ
ノコア、マルチコア、シングルモード、マルチモードの
いずれでもよい。 【0019】 【発明の効果】本発明では、従来よりも低い温度でプリ
フォームを加熱して線引を行い、あるいは従来よりも大
きな線引速度で線引を行うことにより、光導波路のコア
を構成する石英ガラスからのフッ素の抜けを防止する。
これにより、光導波路のコア内におけるガラス欠陥生成
が抑えられるので、紫外光透過率の高い光導波路を製造
することができる。
に関し、特に紫外光伝送用の光導波路を製造する方法に
関する。 【0002】 【従来の技術】300nm以下の波長を有する紫外光
は、近年、フォトリソグラフィ、レーザー加工、殺菌、
消毒等の分野において利用価値が高まっている。特に半
導体チップの微細化に伴って、より短波長の紫外光を伝
送する技術の開発が進められている。現在は248nm
の波長を有するKrFエキシマレーザ光が主に使用され
ているが、193nm波長のArFエキシマレーザ光や
157nm波長のF2レーザ光が今後は主流になるもの
と思われる。紫外光伝送用の光導波路の典型的な例は光
ファイバであり、実際に医療や微細加工等の分野で利用
されている。 【0003】紫外光伝送用の光ファイバとしては、石英
ガラスをコアとする石英系光ファイバが一般的である。
石英系光ファイバの紫外光に対する透過率は、光通信で
使用される1.3μmや1.55μmといった波長の光
に対する透過率よりも低く、また、伝送光の波長が短く
なるにつれてその透過率が低くなる。 【0004】石英系光ファイバの紫外光透過率が低い原
因は、ガラスの結合欠陥にあると言われている。本明細
書においてガラスの結合欠陥とは、ガラスネットワーク
構造の一部の結合が完全に切断された状態、もしくはネ
ットワークの一部に歪が加わることにより結合距離が大
きく引き延びたりして極めて切断されやすい状態になっ
ていることをいう。図2に現在報告されている石英ガラ
スのガラス欠陥のうち数例を示す。このうち紫外線領域
の光を吸収する代表的なものとして≡Si・(E′セン
ター)や≡Si−Si≡といった酸素欠損型欠陥が挙げ
られる。E′センター欠陥は215nmを中心とした波
長域の光を吸収し、Si−Si結合は163nmを中心
とした波長域の光を吸収すると考えられている。石英系
光ファイバのコアに存在するこれらの欠陥が紫外光を吸
収する結果、紫外光透過率が低くなると考えられてい
る。 【0005】石英ガラスの紫外光透過率を高める様々な
技法が従来から提案されている。たとえば米国特許第5
679125号には、ガラス欠陥により生じる紫外光吸
収をなくして高い透過率を確保するために石英ガラスに
フッ素を添加することが開示されている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】伝送光の短波長化に伴
って紫外光透過率のいっそうの上昇が求められており、
これに応じて、紫外光透過率の高い光導波路を得るため
に光導波路製造技術の最適化が必要になっている。 【0007】本発明は、上記に鑑みなされたもので、紫
外光透過率の高い光導波路を製造することの可能な方法
を提供することを課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素が添加
された石英ガラスからなるコア部と石英ガラスからなる
クラッド部とを有するプリフォームを加熱溶融する第1
工程と、このプリフォームから光導波路を線引する第2
工程とを備える紫外光伝送用光導波路の製造方法を提供
する。なお、「光導波路」とは、光をコアに閉じ込めて
伝送する回路または線路をいい、光ファイバや複数本の
光ファイバを束ねた構造のバンドルファイバなどが含ま
れる。 【0009】本発明では、第1工程はプリフォームを約
1800℃以下の温度で加熱溶融する。従来の加熱温度
である2000℃よりも低い温度でプリフォームを加熱
することにより、コア部に添加されたフッ素の抜けが防
止される。これにより、線引される光導波路のコア内に
おけるガラス欠陥生成が抑えられ、紫外光透過率が高ま
る。 【0010】 【発明の実施の形態】[実施形態1]以下では、図1を
参照しながら本発明の第1の実施形態に係る光導波路製
造方法を具体的に説明する。ここで図1は、本実施形態
の方法で使用される線引装置1の構成を模式的に示して
いる。本実施形態では、ArFエキシマレーザ光源から
出力されるArFエキシマレーザ光(波長193nm)
を伝送するように設計された光ファイバを製造する。 【0011】本実施形態では、線引装置1を用いてプリ
フォーム2から光ファイバを線引する。このプリフォー
ム2は、略円柱状のコア部と、このコア部の側面に密着
してコア部を同心状に包囲する略円管状のクラッド部を
有している。コア部およびクラッド部は石英ガラスから
構成されており、クラッド部はコア部より低い屈折率を
有している。本実施形態では、コア部にフッ素が1重量
%含まれており、クラッド部にフッ素が3重量%含まれ
ている。上述のように、石英ガラスに添加されたフッ素
はガラス欠陥による紫外光吸収を低減し、石英ガラスの
紫外光透過率を高める。 【0012】プリフォーム2は加熱炉4によって加熱さ
れる。これによりプリフォーム2の先端が溶融して粘度
が下がる。粘度の下がったガラスは加熱炉内で徐々に縮
径してほぼ一定の直径となって加熱炉の外に出る。加熱
炉の外に出た石英ガラスは冷却されて光ファイバ8とな
る。こうして光ファイバ8が線引される。 【0013】矢印9で示されるように、光ファイバ8は
その長手方向に沿って下方に移動し、外径測定器6によ
りその外径を測定された後、コーティングダイ10を通
過する。光ファイバ8は、コーティングダイ10を通る
ことにより、第1および第2の紫外線硬化型樹脂がそれ
ぞれ所定の厚さで一括して塗布される。この後、高圧水
銀灯などの硬化装置12によって光ファイバ8に紫外線
が照射され、第1および第2紫外線硬化型樹脂が一括し
て硬化させられる。これにより光ファイバ8の樹脂被覆
が完了し、第1紫外線硬化型樹脂からなる内側被覆と第
2紫外線硬化型樹脂からなる外側被覆を備える光ファイ
バ、すなわち光ファイバ素線14が得られる。 【0014】この光ファイバ素線14は、キャプスタン
16によって引き取られ、ガイドローラ18を介して巻
き取りドラム20によって巻き取られる。光ファイバ8
および光ファイバ素線14には、キャプスタン16によ
って所定の張力が印加される。外径測定器6およびキャ
プスタン16には外径制御装置22が接続されている。
外径制御装置22は、入力される光ファイバ8の外径測
定値に応じてキャプスタンの回転速度を制御し、光ファ
イバ8が所定の外径を有するようにする。 【0015】従来の石英系光ファイバの線引では加熱炉
内の温度が約2000℃に設定されるのに対し、本実施
形態では加熱炉4内の温度が約1800℃以下に設定さ
れる。加熱炉4内でプリフォーム2を高温で加熱すると
プリフォーム2内のフッ素が外部に拡散しやすくなる。
プリフォーム2のコア部からフッ素が抜けるとそこにガ
ラス欠陥が生成されやすくなり、その結果、線引により
得られる光ファイバ素線14の紫外光透過率が低くな
る。そこで本実施形態では、加熱炉4内の温度を比較的
低くすることにより、フッ素の拡散および抜けを防止し
ている。これにより、得られる光ファイバの紫外光透過
率が高くなる。そして本発明者の知見によれば、プリフ
ォームを約1800℃以下の温度で加熱溶融することに
より、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に対
する初期透過率が十分に高い光ファイバを製造すること
ができる。 【0016】なお、加熱炉4内の温度の下限は、線引が
可能な程度にプリフォーム2を溶融して軟化させること
が可能な温度であり、本実施形態では約1700℃であ
る。また、線引速度は加熱炉4内の温度が約1800℃
のときに約6.5m/分とする。加熱温度をより低く設
定したときは、線引速度をより遅くすると光ファイバを
切断することなく線引を行うことができる。 【0017】加熱炉の温度と得られた光ファイバの紫外
光透過率を以下に示す。ここで、透過率の測定に使用し
た紫外光の波長は193nmであり、光ファイバの長さ
は1mである。 加熱炉温度 紫外光透過率 2000℃ 17% 1800℃ 27% 1700℃ 30% 【0018】以上、本発明をその実施形態に基づいて具
体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形
が可能である。たとえば、上記実施形態では光ファイバ
を製造するが、線引により製造できる他の光導波路も同
様に製造することが可能である。また、光導波路の屈折
率分布構造については特に限定されるところはなく、モ
ノコア、マルチコア、シングルモード、マルチモードの
いずれでもよい。 【0019】 【発明の効果】本発明では、従来よりも低い温度でプリ
フォームを加熱して線引を行い、あるいは従来よりも大
きな線引速度で線引を行うことにより、光導波路のコア
を構成する石英ガラスからのフッ素の抜けを防止する。
これにより、光導波路のコア内におけるガラス欠陥生成
が抑えられるので、紫外光透過率の高い光導波路を製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態で使用する線引装置の構成を示す模
式図である。 【図2】ガラスの結合欠陥の例を、正常なガラス構造お
よび欠陥に水素を固定した安定構造とともに示す図であ
る。 【符号の説明】 2…プリフォーム、4…加熱炉、6…外径測定器、8…
光ファイバ、10…コーティングダイ、12…硬化装
置、14…光ファイバ素線、16…キャプスタン、18
…ガイドローラ、20…巻き取りドラム、22…外径制
御装置。
式図である。 【図2】ガラスの結合欠陥の例を、正常なガラス構造お
よび欠陥に水素を固定した安定構造とともに示す図であ
る。 【符号の説明】 2…プリフォーム、4…加熱炉、6…外径測定器、8…
光ファイバ、10…コーティングダイ、12…硬化装
置、14…光ファイバ素線、16…キャプスタン、18
…ガイドローラ、20…巻き取りドラム、22…外径制
御装置。
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(72)発明者 宍戸 資彦
神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電
気工業株式会社横浜製作所内
Fターム(参考) 4G021 HA01 HA02 HA04 HA05
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 フッ素が添加された石英ガラスからなる
コア部と石英ガラスからなるクラッド部とを有するプリ
フォームを加熱溶融する第1工程と、 前記プリフォームから光導波路を線引する第2工程と、
を備える紫外光伝送用光導波路の製造方法であって、 前記第1工程は、前記プリフォームを約1800℃以下
の温度で加熱溶融する、光導波路製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001211234A JP2003026437A (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 光導波路の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001211234A JP2003026437A (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 光導波路の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003026437A true JP2003026437A (ja) | 2003-01-29 |
Family
ID=19046587
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001211234A Pending JP2003026437A (ja) | 2001-07-11 | 2001-07-11 | 光導波路の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003026437A (ja) |
-
2001
- 2001-07-11 JP JP2001211234A patent/JP2003026437A/ja active Pending
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