JP2003021172A - 一方向クラッチならびにプーリユニット - Google Patents
一方向クラッチならびにプーリユニットInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】一方向クラッチにおいて、潤滑条件を良好と
し、耐久性の向上を図る。 【解決手段】ころ31を用いる一方向クラッチ3におい
て、許容トルクと噛み合い特性を考慮してくさび角度を
設定したうえで、ころ31の直径を大きめにして、ころ
31の使用数を少なく設定することにより、潤滑剤の封
入可能な空間容積を増大させている。この空間容積に対
する潤滑剤の封入率も特定すれば、一方向クラッチ3の
耐久性向上ならびに動作安定化が可能になる。
し、耐久性の向上を図る。 【解決手段】ころ31を用いる一方向クラッチ3におい
て、許容トルクと噛み合い特性を考慮してくさび角度を
設定したうえで、ころ31の直径を大きめにして、ころ
31の使用数を少なく設定することにより、潤滑剤の封
入可能な空間容積を増大させている。この空間容積に対
する潤滑剤の封入率も特定すれば、一方向クラッチ3の
耐久性向上ならびに動作安定化が可能になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ころを用いた一方
向クラッチならびに、一方向クラッチを備えたプーリユ
ニットに関する。
向クラッチならびに、一方向クラッチを備えたプーリユ
ニットに関する。
【0002】
【従来の技術】上記一方向クラッチの使用対象の一つと
して、例えば自動車エンジンのクランクシャフトやそれ
に付設される補機などに装着されるプーリユニットが挙
げられる。
して、例えば自動車エンジンのクランクシャフトやそれ
に付設される補機などに装着されるプーリユニットが挙
げられる。
【0003】このプーリユニットでは、プーリと軸との
間の対向環状間隙に対して一方向クラッチを介装し、さ
らに一方向クラッチの軸方向両側に転がり軸受を介装し
ている。動作としては、プーリと軸との回転速度差に応
じて、一方向クラッチが、プーリと軸とを同期回転させ
るロック状態(動力伝達状態)と、相対回転させるフリ
ー状態(動力遮断状態)とに切り替わるようになってい
る。
間の対向環状間隙に対して一方向クラッチを介装し、さ
らに一方向クラッチの軸方向両側に転がり軸受を介装し
ている。動作としては、プーリと軸との回転速度差に応
じて、一方向クラッチが、プーリと軸とを同期回転させ
るロック状態(動力伝達状態)と、相対回転させるフリ
ー状態(動力遮断状態)とに切り替わるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記プーリユニットの
耐久性は一方向クラッチの耐久性に依存し、一方向クラ
ッチの耐久性は潤滑条件により決まる。したがって、一
方向クラッチに対する潤滑剤の封入量は、攪拌抵抗を増
加させない程度で多いほうが好ましい。
耐久性は一方向クラッチの耐久性に依存し、一方向クラ
ッチの耐久性は潤滑条件により決まる。したがって、一
方向クラッチに対する潤滑剤の封入量は、攪拌抵抗を増
加させない程度で多いほうが好ましい。
【0005】しかしながら、上記プーリユニットについ
て、プーリや軸の回転数増加を図るために、小径化を進
める場合、一方向クラッチにおいて潤滑剤を封入するた
めの空間容積を十分に確保できなくなる。
て、プーリや軸の回転数増加を図るために、小径化を進
める場合、一方向クラッチにおいて潤滑剤を封入するた
めの空間容積を十分に確保できなくなる。
【0006】これに対し、本願出願人は、潤滑剤の封入
容積を拡大するために、一方向クラッチや転がり軸受の
有効軌道範囲を外した場所に潤滑剤貯溜用の凹部を設け
るなどしているが、この凹部の大きさは寸法的な制約に
より十分に大きくできないことが多い。このようなこと
から、潤滑剤の封入量を増加させるために、何らかの改
良の余地が有る。
容積を拡大するために、一方向クラッチや転がり軸受の
有効軌道範囲を外した場所に潤滑剤貯溜用の凹部を設け
るなどしているが、この凹部の大きさは寸法的な制約に
より十分に大きくできないことが多い。このようなこと
から、潤滑剤の封入量を増加させるために、何らかの改
良の余地が有る。
【0007】このような事情に鑑み、本発明は、一方向
クラッチやそれを用いるプーリユニットにおいて、潤滑
条件を良好とし、耐久性の向上を図ることを目的として
いる。
クラッチやそれを用いるプーリユニットにおいて、潤滑
条件を良好とし、耐久性の向上を図ることを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明第1のプーリユニ
ットは、請求項1に示すように、同心に配設される内・
外輪間の対向環状間隙における円周数ヶ所にくさび状空
間を設け、このくさび状空間個々にころを周方向転動可
能に収納し、これら内・外輪の回転速度差に応じて、こ
ろをくさび状空間の狭い側へ食い込ませて前記内・外輪
を同期回転させるロック状態と、ころをくさび状空間の
広い側へ変位させて前記内・外輪を相対回転させるフリ
ー状態とに切り換えるものであり、前記くさび状空間の
くさび角度が4度〜9度に設定されるとともに、直径4
mm以上のころが10個以下用いられている。
ットは、請求項1に示すように、同心に配設される内・
外輪間の対向環状間隙における円周数ヶ所にくさび状空
間を設け、このくさび状空間個々にころを周方向転動可
能に収納し、これら内・外輪の回転速度差に応じて、こ
ろをくさび状空間の狭い側へ食い込ませて前記内・外輪
を同期回転させるロック状態と、ころをくさび状空間の
広い側へ変位させて前記内・外輪を相対回転させるフリ
ー状態とに切り換えるものであり、前記くさび状空間の
くさび角度が4度〜9度に設定されるとともに、直径4
mm以上のころが10個以下用いられている。
【0009】本発明第2のプーリユニットは、請求項2
に示すように、同心に配設される内・外輪のうち、内輪
の外周面における円周数ヶ所に平坦なカム面を設けるこ
とにより、この各カム面と外輪の円筒形の内周面との間
にくさび状空間を確保し、このくさび状空間個々にころ
を周方向転動可能に収納し、これら内・外輪の回転速度
差に応じて、ころをくさび状空間の狭い側へ食い込ませ
て前記内・外輪を同期回転させるロック状態と、ころを
くさび状空間の広い側へ変位させて前記内・外輪を相対
回転させるフリー状態とに切り換えるものであり、前記
くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定されると
ともに、直径4mm以上のころが10個以下用いられて
いる。
に示すように、同心に配設される内・外輪のうち、内輪
の外周面における円周数ヶ所に平坦なカム面を設けるこ
とにより、この各カム面と外輪の円筒形の内周面との間
にくさび状空間を確保し、このくさび状空間個々にころ
を周方向転動可能に収納し、これら内・外輪の回転速度
差に応じて、ころをくさび状空間の狭い側へ食い込ませ
て前記内・外輪を同期回転させるロック状態と、ころを
くさび状空間の広い側へ変位させて前記内・外輪を相対
回転させるフリー状態とに切り換えるものであり、前記
くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定されると
ともに、直径4mm以上のころが10個以下用いられて
いる。
【0010】本発明第3のプーリユニットは、請求項3
に示すように、内周面が円筒形に形成される外輪と、外
輪の内周に挿通され円周数ヶ所に前記外輪の円筒形内周
面との間でくさび状空間を形成するカム面が設けられる
内輪と、前記くさび状空間それぞれに1つずつ配置され
る複数のころと、前記内・外輪の対向環状間隙に介装さ
れかつ前記ころそれぞれが周方向での転動範囲を規制さ
れた状態で収納されるポケットを有する保持器リング
と、この保持器リングのポケットに配設されて前記ころ
をくさび状空間の狭い側に弾発付勢する弾性体とを含
み、前記くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定
されるとともに、直径4mm以上のころが10個以下用
いられている。
に示すように、内周面が円筒形に形成される外輪と、外
輪の内周に挿通され円周数ヶ所に前記外輪の円筒形内周
面との間でくさび状空間を形成するカム面が設けられる
内輪と、前記くさび状空間それぞれに1つずつ配置され
る複数のころと、前記内・外輪の対向環状間隙に介装さ
れかつ前記ころそれぞれが周方向での転動範囲を規制さ
れた状態で収納されるポケットを有する保持器リング
と、この保持器リングのポケットに配設されて前記ころ
をくさび状空間の狭い側に弾発付勢する弾性体とを含
み、前記くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定
されるとともに、直径4mm以上のころが10個以下用
いられている。
【0011】本発明第1のプーリユニットは、請求項4
に示すように、同心に配設される軸体および環体と、軸
体と環体との間の対向環状間隙に介装される一方向クラ
ッチと、前記対向環状間隙において一方向クラッチの両
側に配設される転がり軸受とを備え、かつ、前記一方向
クラッチおよび2つの転がり軸受を収納する対向環状間
隙に、前記一方向クラッチおよび2つの転がり軸受に対
する共通の潤滑剤が封入されるものであり、前記一方向
クラッチが、前記軸体と環体に対してそれぞれ一体化さ
れる内・外輪間の対向環状間隙における円周数ヶ所にく
さび状空間を設け、このくさび状空間個々にころを周方
向転動可能に収納し、これら内・外輪の回転速度差に応
じて、ころをくさび状空間の狭い側へ食い込ませて前記
内・外輪を同期回転させるロック状態と、ころをくさび
状空間の広い側へ変位させて前記内・外輪を相対回転さ
せるフリー状態とに切り換えるものとされ、前記くさび
状空間のくさび角度が4度〜9度に設定されるととも
に、直径4mm以上のころが10個以下用いられること
により、前記対向環状間隙に対する潤滑剤の封入可能な
空間容積が5000mm3以上確保されるとともに、こ
の空間容積に対する潤滑剤の封入率が40%以上に設定
される。
に示すように、同心に配設される軸体および環体と、軸
体と環体との間の対向環状間隙に介装される一方向クラ
ッチと、前記対向環状間隙において一方向クラッチの両
側に配設される転がり軸受とを備え、かつ、前記一方向
クラッチおよび2つの転がり軸受を収納する対向環状間
隙に、前記一方向クラッチおよび2つの転がり軸受に対
する共通の潤滑剤が封入されるものであり、前記一方向
クラッチが、前記軸体と環体に対してそれぞれ一体化さ
れる内・外輪間の対向環状間隙における円周数ヶ所にく
さび状空間を設け、このくさび状空間個々にころを周方
向転動可能に収納し、これら内・外輪の回転速度差に応
じて、ころをくさび状空間の狭い側へ食い込ませて前記
内・外輪を同期回転させるロック状態と、ころをくさび
状空間の広い側へ変位させて前記内・外輪を相対回転さ
せるフリー状態とに切り換えるものとされ、前記くさび
状空間のくさび角度が4度〜9度に設定されるととも
に、直径4mm以上のころが10個以下用いられること
により、前記対向環状間隙に対する潤滑剤の封入可能な
空間容積が5000mm3以上確保されるとともに、こ
の空間容積に対する潤滑剤の封入率が40%以上に設定
される。
【0012】本発明第2のプーリユニットは、請求項5
に示すように、上記第1の構成において、前記軸体が、
前記一方向クラッチおよび2つの転がり軸受の各内輪と
して、また、前記環体が、前記一方向クラッチおよび2
つの転がり軸受の各外輪としてそれぞれ兼用されてい
る。
に示すように、上記第1の構成において、前記軸体が、
前記一方向クラッチおよび2つの転がり軸受の各内輪と
して、また、前記環体が、前記一方向クラッチおよび2
つの転がり軸受の各外輪としてそれぞれ兼用されてい
る。
【0013】要するに、上記第1から第3の一方向クラ
ッチでは、くさび角度、ころの直径やころ使用数を特定
することにより、一方向クラッチの本来の機能を損なう
ことなく、一方向クラッチの内部空間に存在する構成要
素の占める容積を可及的に減らせるようにして、潤滑剤
の封入容積を可及的に増やせるようにしている。これに
より、一方向クラッチのころがロック動作を繰り返して
も、内・外輪の摩耗が抑制されることになり、長期にわ
たる動作の安定化に貢献できる。
ッチでは、くさび角度、ころの直径やころ使用数を特定
することにより、一方向クラッチの本来の機能を損なう
ことなく、一方向クラッチの内部空間に存在する構成要
素の占める容積を可及的に減らせるようにして、潤滑剤
の封入容積を可及的に増やせるようにしている。これに
より、一方向クラッチのころがロック動作を繰り返して
も、内・外輪の摩耗が抑制されることになり、長期にわ
たる動作の安定化に貢献できる。
【0014】なお、上記第2、第3の構成では、カム面
を内輪外周面に対して設けたことを限定したものであ
り、回転遠心力の影響を受けにくくなって、ころのロッ
ク動作を安定化するうえで有利となる。
を内輪外周面に対して設けたことを限定したものであ
り、回転遠心力の影響を受けにくくなって、ころのロッ
ク動作を安定化するうえで有利となる。
【0015】また、第1,第2のプーリユニットでは、
上記第1から第3の一方向クラッチを備えているから、
一方向クラッチと2つの転がり軸受を密封する空間の潤
滑剤封入量が増えることになり、一方向クラッチだけで
なく転がり軸受の動作安定化と耐久性の向上が図れる。
上記第1から第3の一方向クラッチを備えているから、
一方向クラッチと2つの転がり軸受を密封する空間の潤
滑剤封入量が増えることになり、一方向クラッチだけで
なく転がり軸受の動作安定化と耐久性の向上が図れる。
【0016】特に、第2のプーリユニットは、軸体を一
方向クラッチと2つの転がり軸受の各内輪として、ま
た、環体を、一方向クラッチと2つの転がり軸受の各外
輪としてそれぞれ兼用した構造を採用しているから、部
品点数を少なくできて、無駄を省ける。
方向クラッチと2つの転がり軸受の各内輪として、ま
た、環体を、一方向クラッチと2つの転がり軸受の各外
輪としてそれぞれ兼用した構造を採用しているから、部
品点数を少なくできて、無駄を省ける。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の詳細を図面に示す実施形
態に基づいて説明する。
態に基づいて説明する。
【0018】図1から図5に本発明の一実施形態を示し
ている。図1は、プーリユニットを軸方向に沿って断面
にした図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視
図、図3は、一方向クラッチにおける内輪および保持器
リングを示す斜視図、図4は、一方向クラッチのころの
ロック、フリー状態を示す説明図、図5は、急加減速テ
ストの結果を示す図表である。
ている。図1は、プーリユニットを軸方向に沿って断面
にした図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視
図、図3は、一方向クラッチにおける内輪および保持器
リングを示す斜視図、図4は、一方向クラッチのころの
ロック、フリー状態を示す説明図、図5は、急加減速テ
ストの結果を示す図表である。
【0019】図示例のプーリユニットは、プーリ1、軸
2、一方向クラッチ3、玉軸受4、ころ軸受5を有して
いる。
2、一方向クラッチ3、玉軸受4、ころ軸受5を有して
いる。
【0020】この実施形態のプーリユニットでは、一方
向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5の各外輪を
プーリ1で兼用させて、一方向クラッチ3、玉軸受4な
らびにころ軸受5の各内輪を軸2で兼用させることによ
り、一方向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5の
各内・外輪を省略している。
向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5の各外輪を
プーリ1で兼用させて、一方向クラッチ3、玉軸受4な
らびにころ軸受5の各内輪を軸2で兼用させることによ
り、一方向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5の
各内・外輪を省略している。
【0021】プーリ1は、例えば自動車エンジンのクラ
ンク軸によりVリブ形状のベルト6を介して回転駆動さ
れるもので、その外周にはベルト6が巻き掛けられる波
状溝が形成されている。
ンク軸によりVリブ形状のベルト6を介して回転駆動さ
れるもので、その外周にはベルト6が巻き掛けられる波
状溝が形成されている。
【0022】軸2は、中心に貫通孔を有し、この貫通孔
に対して図示しないが自動車エンジンに付設される補機
の入力軸(例えばオルタネータのロータ)などが挿入固
定される。この軸2は、プーリ1の内周に同心に挿通さ
れている。
に対して図示しないが自動車エンジンに付設される補機
の入力軸(例えばオルタネータのロータ)などが挿入固
定される。この軸2は、プーリ1の内周に同心に挿通さ
れている。
【0023】一方向クラッチ3は、プーリ1と軸2との
間の対向環状間隙の軸方向中央に介装されるもので、複
数のころ31と、それを保持する合成樹脂製の保持器リ
ング32と、弾性部材として楕円形のコイルバネ33と
を備える構成になっている。保持器リング32は、軸2
に対して周方向ならびに軸方向に位置決めされた状態で
外装されるもので、その円周数ヶ所には、径方向内外に
貫通形成されるポケット32aが設けられている。この
ポケット32aに対してころ31が収納されている。コ
イルバネ33は、保持器リング32のポケット32a間
に存在する各柱部32bの内壁面に一体形成される突起
32cに対して装着されていて、ころ31を軸2のカム
面21とプーリ1の内周面とで形成するくさび状空間の
狭い側(ロック側)へ押圧するものである。
間の対向環状間隙の軸方向中央に介装されるもので、複
数のころ31と、それを保持する合成樹脂製の保持器リ
ング32と、弾性部材として楕円形のコイルバネ33と
を備える構成になっている。保持器リング32は、軸2
に対して周方向ならびに軸方向に位置決めされた状態で
外装されるもので、その円周数ヶ所には、径方向内外に
貫通形成されるポケット32aが設けられている。この
ポケット32aに対してころ31が収納されている。コ
イルバネ33は、保持器リング32のポケット32a間
に存在する各柱部32bの内壁面に一体形成される突起
32cに対して装着されていて、ころ31を軸2のカム
面21とプーリ1の内周面とで形成するくさび状空間の
狭い側(ロック側)へ押圧するものである。
【0024】玉軸受4は、プーリ1と軸2との間の対向
環状間隙において一方向クラッチ3の軸方向一側、ここ
では軸2の基端側に配設されており、複数の玉41と、
それを保持する冠形保持器リング42とを備える構成に
なっている。
環状間隙において一方向クラッチ3の軸方向一側、ここ
では軸2の基端側に配設されており、複数の玉41と、
それを保持する冠形保持器リング42とを備える構成に
なっている。
【0025】ころ軸受5は、プーリ1と軸2との間の対
向環状間隙において一方向クラッチ3の軸方向他側、こ
こでは軸2の自由端側に配設されており、複数のころ5
1と、それを保持する保持器リング52とを備える構成
になっている。
向環状間隙において一方向クラッチ3の軸方向他側、こ
こでは軸2の自由端側に配設されており、複数のころ5
1と、それを保持する保持器リング52とを備える構成
になっている。
【0026】なお、上記プーリ1の軸方向両端には、シ
ールリング7,7が装着されており、一方向クラッチ
3、玉軸受4ならびにころ軸受5が配置される対向環状
間隙内に所定の潤滑剤が封入されている。
ールリング7,7が装着されており、一方向クラッチ
3、玉軸受4ならびにころ軸受5が配置される対向環状
間隙内に所定の潤滑剤が封入されている。
【0027】ところで、上記プーリ1および軸2の形状
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
【0028】まず、軸2において軸方向中間領域X1の
円周数カ所には、一方向クラッチ3に用いられる平坦な
カム面21が形成され、その軸方向両側領域X2,X3
には、玉軸受4ところ軸受5の内輪軌道部が確保されて
いる。なお、この例では、軸2の中間領域X1に8つの
カム面21を設けているので、外径形状が八角形になっ
ている。また、軸2の一側領域X2には玉41群の軌道
溝22が形成されており、また、他側領域X3は円筒形
に形成されている。
円周数カ所には、一方向クラッチ3に用いられる平坦な
カム面21が形成され、その軸方向両側領域X2,X3
には、玉軸受4ところ軸受5の内輪軌道部が確保されて
いる。なお、この例では、軸2の中間領域X1に8つの
カム面21を設けているので、外径形状が八角形になっ
ている。また、軸2の一側領域X2には玉41群の軌道
溝22が形成されており、また、他側領域X3は円筒形
に形成されている。
【0029】そして、プーリ1と軸2との間に、一方向
クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5を軸方向一方
から順番に簡単に組み込めるようにするために、軸2に
おいて玉軸受4の内輪軌道部となる領域X2の軌道溝両
側の外径寸法は、ころ軸受5の内輪軌道部とする領域X
3の外径寸法よりも大きく設定されている。
クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5を軸方向一方
から順番に簡単に組み込めるようにするために、軸2に
おいて玉軸受4の内輪軌道部となる領域X2の軌道溝両
側の外径寸法は、ころ軸受5の内輪軌道部とする領域X
3の外径寸法よりも大きく設定されている。
【0030】また、プーリ1の内周面および軸2の外周
面において小径に設定した軸方向他端側の領域X3に
は、位置決め溝23が設けられており、この位置決め溝
23に対してころ軸受5の保持器リング52の内周に設
けられてある径方向内向きの輪状突起52aが係入され
ることにより、当該保持器リング52が軸方向に位置決
めされるようになっている。
面において小径に設定した軸方向他端側の領域X3に
は、位置決め溝23が設けられており、この位置決め溝
23に対してころ軸受5の保持器リング52の内周に設
けられてある径方向内向きの輪状突起52aが係入され
ることにより、当該保持器リング52が軸方向に位置決
めされるようになっている。
【0031】そして、一方向クラッチ3の保持器リング
32における内周面は、軸2の外周面において軸方向中
間領域X1の外形形状と合致する形状つまり八角形に形
成されており、この保持器リング32にころ31それぞ
れを保持させた状態で軸2の軸方向中間領域X1に外嵌
されることにより、周方向に回り止めされている。この
保持器リング32は、軸2における中間領域X1のカム
面21と大径の領域X2とを連接するテーパ状段差部2
4によって、玉軸受4側への動きが封じられ、軸2に対
して軸方向で位置決めされたころ軸受5の保持器リング
52によってころ軸受5側への動きが封じられるように
なっている。
32における内周面は、軸2の外周面において軸方向中
間領域X1の外形形状と合致する形状つまり八角形に形
成されており、この保持器リング32にころ31それぞ
れを保持させた状態で軸2の軸方向中間領域X1に外嵌
されることにより、周方向に回り止めされている。この
保持器リング32は、軸2における中間領域X1のカム
面21と大径の領域X2とを連接するテーパ状段差部2
4によって、玉軸受4側への動きが封じられ、軸2に対
して軸方向で位置決めされたころ軸受5の保持器リング
52によってころ軸受5側への動きが封じられるように
なっている。
【0032】次に、上記プーリユニットの動作を説明す
る。要するに、プーリ1の回転速度が軸2よりも相対的
に速くなると、図4の仮想線で示すように、一方向クラ
ッチ3のころ31がくさび状空間の狭い側へ食い込んで
ロック状態となるので、プーリ1と軸2とが一体化して
同期回転する。しかし、プーリ1の回転速度が軸2より
も相対的に遅くなると、図4の実線で示すように、一方
向クラッチ3のころ31がくさび状空間のロック位置か
ら外れてフリー状態に切り換わるので、プーリ1から軸
2へ回転動力の伝達が遮断されることになって軸2が回
転慣性力のみで回転を継続するようになる。
る。要するに、プーリ1の回転速度が軸2よりも相対的
に速くなると、図4の仮想線で示すように、一方向クラ
ッチ3のころ31がくさび状空間の狭い側へ食い込んで
ロック状態となるので、プーリ1と軸2とが一体化して
同期回転する。しかし、プーリ1の回転速度が軸2より
も相対的に遅くなると、図4の実線で示すように、一方
向クラッチ3のころ31がくさび状空間のロック位置か
ら外れてフリー状態に切り換わるので、プーリ1から軸
2へ回転動力の伝達が遮断されることになって軸2が回
転慣性力のみで回転を継続するようになる。
【0033】ちなみに、上記プーリユニットを自動車エ
ンジンのオルタネータに利用する場合だと、ベルト6の
駆動源となるエンジンのクランク軸の回転変動に関係な
く、オルタネータのロータの回転を高回転域に維持し
て、発電効率を高めるようにすることができる。つま
り、クランク軸の回転数が上昇するとき、一方向クラッ
チ3がロック状態となって軸2をプーリ1と同期回転さ
せるようにし、一方、クランク軸の回転数が低下すると
き、一方向クラッチ3がフリー状態となって軸2をプー
リ1の減速と無関係に自身の回転慣性力により回転継続
させるようにすればよい。
ンジンのオルタネータに利用する場合だと、ベルト6の
駆動源となるエンジンのクランク軸の回転変動に関係な
く、オルタネータのロータの回転を高回転域に維持し
て、発電効率を高めるようにすることができる。つま
り、クランク軸の回転数が上昇するとき、一方向クラッ
チ3がロック状態となって軸2をプーリ1と同期回転さ
せるようにし、一方、クランク軸の回転数が低下すると
き、一方向クラッチ3がフリー状態となって軸2をプー
リ1の減速と無関係に自身の回転慣性力により回転継続
させるようにすればよい。
【0034】この実施形態のプーリユニットでは、上述
した一方向クラッチ3におけるくさび角度、ころ31の
使用数や直径などを特定することにより、プーリ1と軸
2との間の対向環状間隙において潤滑剤の封入可能な空
間容積を拡大するとともに、この空間容積に対する潤滑
剤の封入率を適正化していることに特徴がある。以下に
おいて詳細に説明する。
した一方向クラッチ3におけるくさび角度、ころ31の
使用数や直径などを特定することにより、プーリ1と軸
2との間の対向環状間隙において潤滑剤の封入可能な空
間容積を拡大するとともに、この空間容積に対する潤滑
剤の封入率を適正化していることに特徴がある。以下に
おいて詳細に説明する。
【0035】つまり、一方向クラッチ3について、くさ
び角度を4度〜9度に、また、ころ31の使用数を8〜
10個とし、ころ31の直径を4mm以上に設定するこ
とにより、プーリ1と軸2との間の対向環状間隙におい
て構成要素の体積を除いた空間容積、つまり潤滑剤の封
入可能な空間容積を5000mm3以上確保するととも
に、この空間容積に対する潤滑剤の封入率を40%〜6
0%に設定している。
び角度を4度〜9度に、また、ころ31の使用数を8〜
10個とし、ころ31の直径を4mm以上に設定するこ
とにより、プーリ1と軸2との間の対向環状間隙におい
て構成要素の体積を除いた空間容積、つまり潤滑剤の封
入可能な空間容積を5000mm3以上確保するととも
に、この空間容積に対する潤滑剤の封入率を40%〜6
0%に設定している。
【0036】ちなみに、くさび角度が9度より大きい
と、一方向クラッチ3の許容トルクは大きくなるが、一
方向クラッチ3の噛み合い特性が低下し、くさび角度が
4度より小さいと、一方向クラッチ3の許容トルクが低
下するが一方向クラッチ3の噛み合い特性が良くなる。
と、一方向クラッチ3の許容トルクは大きくなるが、一
方向クラッチ3の噛み合い特性が低下し、くさび角度が
4度より小さいと、一方向クラッチ3の許容トルクが低
下するが一方向クラッチ3の噛み合い特性が良くなる。
【0037】具体的に、この実施形態では、くさび角度
を5.5度に設定し、直径4mmのころ31を8個用い
ている。なお、プーリ1の内径寸法をφ36mmに設定
している。この他、プーリ1と軸2との間の対向環状空
間において、図1に示すように、プーリ1の内周面にお
いて玉軸受4と一方向クラッチ3との間の領域に周溝1
aを設けたり、玉軸受4の保持器リング42における円
環部の内外周肩部に面取りを設けたり、ころ軸受5の保
持器リング52における軸方向一方の外周肩部を小径に
したり、玉軸受4と一方向クラッチ3の保持器リング3
2との間の隙間を大きくしたり、さらに一方向クラッチ
3の保持器リング32の軸方向両端部分における内周肩
部の円周数ヶ所に凹部32dを設けたりすることによ
り、主として図1に示すような貯溜空間Z1〜Z4を確
保するようにしている。この貯溜空間Z1〜Z4では潤
滑剤が攪拌されにくいので、ここから必要に応じて潤滑
剤の必要な領域に供給されるようになる。ちなみに、こ
のようなことにより、プーリ1と軸2との間の対向環状
間隙において潤滑剤を封入可能な空間容積としては、7
000mm3確保することができる。
を5.5度に設定し、直径4mmのころ31を8個用い
ている。なお、プーリ1の内径寸法をφ36mmに設定
している。この他、プーリ1と軸2との間の対向環状空
間において、図1に示すように、プーリ1の内周面にお
いて玉軸受4と一方向クラッチ3との間の領域に周溝1
aを設けたり、玉軸受4の保持器リング42における円
環部の内外周肩部に面取りを設けたり、ころ軸受5の保
持器リング52における軸方向一方の外周肩部を小径に
したり、玉軸受4と一方向クラッチ3の保持器リング3
2との間の隙間を大きくしたり、さらに一方向クラッチ
3の保持器リング32の軸方向両端部分における内周肩
部の円周数ヶ所に凹部32dを設けたりすることによ
り、主として図1に示すような貯溜空間Z1〜Z4を確
保するようにしている。この貯溜空間Z1〜Z4では潤
滑剤が攪拌されにくいので、ここから必要に応じて潤滑
剤の必要な領域に供給されるようになる。ちなみに、こ
のようなことにより、プーリ1と軸2との間の対向環状
間隙において潤滑剤を封入可能な空間容積としては、7
000mm3確保することができる。
【0038】このような条件において、急加減速耐久テ
ストを行ったので、説明する。
ストを行ったので、説明する。
【0039】まず、プーリ1から軸2に対して回転動力
を伝達したり遮断したりする場合とし、プーリ1の回転
数を9000r/minと18000r/minとの間
で、1サイクル10秒、相対回転速度7500r/mi
nで急加減速するものとする。雰囲気温度は110℃で
あった。
を伝達したり遮断したりする場合とし、プーリ1の回転
数を9000r/minと18000r/minとの間
で、1サイクル10秒、相対回転速度7500r/mi
nで急加減速するものとする。雰囲気温度は110℃で
あった。
【0040】そして、テストは、プーリ1と軸2との間
の対向環状間隙における空間容積に対する潤滑剤の封入
率をいろいろ変えて、テストしている。
の対向環状間隙における空間容積に対する潤滑剤の封入
率をいろいろ変えて、テストしている。
【0041】結果としては、図4に示すように、封入率
が40%よりも少ないと、耐久時間が低下することにな
るが、40%以上であれば、耐久時間はほぼ一定に保た
れる。このことから、封入率の下限を40%に設定し
た。しかし、封入率の上限は、玉軸受4ならびにころ軸
受5の攪拌抵抗が増加してトルク増加につながることを
考慮し、60%以下に設定するのが妥当と考えた。
が40%よりも少ないと、耐久時間が低下することにな
るが、40%以上であれば、耐久時間はほぼ一定に保た
れる。このことから、封入率の下限を40%に設定し
た。しかし、封入率の上限は、玉軸受4ならびにころ軸
受5の攪拌抵抗が増加してトルク増加につながることを
考慮し、60%以下に設定するのが妥当と考えた。
【0042】以上説明したように、一方向クラッチ3の
許容トルクと噛み合い特性を考慮してくさび角度を設定
したうえで、ころ31の直径を大きめにして、ころ31
の使用数を少なく設定することにより、潤滑剤の封入可
能な空間容積を増大させており、それによってプーリユ
ニットのプーリ1と軸2との間の対向環状間隙における
潤滑剤の封入可能な空間容積を可及的に増大させるよう
にしているから、一方向クラッチ3そのものの耐久性な
らびに動作安定化を図ることができて、プーリユニット
の耐久性ならびに信頼性の向上に貢献できるようにな
る。
許容トルクと噛み合い特性を考慮してくさび角度を設定
したうえで、ころ31の直径を大きめにして、ころ31
の使用数を少なく設定することにより、潤滑剤の封入可
能な空間容積を増大させており、それによってプーリユ
ニットのプーリ1と軸2との間の対向環状間隙における
潤滑剤の封入可能な空間容積を可及的に増大させるよう
にしているから、一方向クラッチ3そのものの耐久性な
らびに動作安定化を図ることができて、プーリユニット
の耐久性ならびに信頼性の向上に貢献できるようにな
る。
【0043】ところで、上記実施形態では、軸2を一方
向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5の各内輪と
して、また、プーリ1を、一方向クラッチ3、玉軸受4
ならびにころ軸受5の各外輪としてそれぞれ兼用した構
造を採用しているから、部品点数を少なくできて、コス
ト削減に効果を発揮する。
向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5の各内輪と
して、また、プーリ1を、一方向クラッチ3、玉軸受4
ならびにころ軸受5の各外輪としてそれぞれ兼用した構
造を採用しているから、部品点数を少なくできて、コス
ト削減に効果を発揮する。
【0044】また、上記実施形態で示したように、プー
リ1の内周面を円形として軸2の外周面にカム面21を
設けることによってくさび状空間を形成していれば、フ
リー状態において、ころ31が回転遠心力によってくさ
び状空間の間隔大の側へずれ動きにくくなる点で有利と
なる。但し、一方向クラッチ3のカム面21をプーリ1
つまり外輪要素側に設けたものも本発明に含まれる。
リ1の内周面を円形として軸2の外周面にカム面21を
設けることによってくさび状空間を形成していれば、フ
リー状態において、ころ31が回転遠心力によってくさ
び状空間の間隔大の側へずれ動きにくくなる点で有利と
なる。但し、一方向クラッチ3のカム面21をプーリ1
つまり外輪要素側に設けたものも本発明に含まれる。
【0045】さらに、図6に示すように、プーリ1や軸
2を、一方向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5
の各内・外輪としてそれぞれ兼用しない構造も本発明に
含まれる。この例では、一方向クラッチ3と玉軸受4な
らびにころ軸受4,5のそれぞれに、内輪34,43,
53と外輪35,44,54を装備させている。そし
て、一方向クラッチ3の外輪35については、軸方向両
側に長く延出しており、この延出部分の内周に対して、
玉軸受4ならびにころ軸受5の外輪44,54を圧入に
より嵌合固定するようにしている。このような構造にお
いても、一方向クラッチ3の特徴構成については上述し
た実施形態と同様である。なお、この構造では、一方向
クラッチ3の保持器リング32において円周2ヶ所に径
方向内向きの突片32dを、また、内輪34の端面にお
いて円周2ヶ所に対して切欠き34aをそれぞれ設け、
それらを係合させることにより、保持器リング32およ
びころ31を軸方向に位置決めするようにしている。
2を、一方向クラッチ3、玉軸受4ならびにころ軸受5
の各内・外輪としてそれぞれ兼用しない構造も本発明に
含まれる。この例では、一方向クラッチ3と玉軸受4な
らびにころ軸受4,5のそれぞれに、内輪34,43,
53と外輪35,44,54を装備させている。そし
て、一方向クラッチ3の外輪35については、軸方向両
側に長く延出しており、この延出部分の内周に対して、
玉軸受4ならびにころ軸受5の外輪44,54を圧入に
より嵌合固定するようにしている。このような構造にお
いても、一方向クラッチ3の特徴構成については上述し
た実施形態と同様である。なお、この構造では、一方向
クラッチ3の保持器リング32において円周2ヶ所に径
方向内向きの突片32dを、また、内輪34の端面にお
いて円周2ヶ所に対して切欠き34aをそれぞれ設け、
それらを係合させることにより、保持器リング32およ
びころ31を軸方向に位置決めするようにしている。
【0046】さらにまた、上記実施形態では、プーリユ
ニットについて説明しているが、本発明は、一方向クラ
ッチ3の単品でも成立することはいうまでもない。
ニットについて説明しているが、本発明は、一方向クラ
ッチ3の単品でも成立することはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】請求項1から3の発明に係る一方向クラ
ッチでは、そのくさび角度、ころの使用数や直径などを
特定することにより、内・外輪間の対向環状間隙におけ
る空間容積を拡大するとともに、この空間容積に対する
潤滑剤の封入率を適正化しているので、クラッチ動作を
阻害することなく、耐久性を向上することができる。
ッチでは、そのくさび角度、ころの使用数や直径などを
特定することにより、内・外輪間の対向環状間隙におけ
る空間容積を拡大するとともに、この空間容積に対する
潤滑剤の封入率を適正化しているので、クラッチ動作を
阻害することなく、耐久性を向上することができる。
【0048】特に、請求項2,3の発明に係る一方向ク
ラッチは、カム面を内輪外周面に対して設けたことを限
定したものであり、回転遠心力の影響を受けにくくなっ
て、ころのロック動作の安定化に有利となる。
ラッチは、カム面を内輪外周面に対して設けたことを限
定したものであり、回転遠心力の影響を受けにくくなっ
て、ころのロック動作の安定化に有利となる。
【0049】また、請求項4,5のプーリユニットで
は、上記請求項1から3の発明に係る一方向クラッチを
備えているから、一方向クラッチと2つの転がり軸受を
密封する空間の潤滑剤封入量が増えることになり、一方
向クラッチだけでなく転がり軸受の動作安定化と耐久性
の向上が図れて、プーリユニットの耐久性ならぴに信頼
性の向上に貢献できるようになる。
は、上記請求項1から3の発明に係る一方向クラッチを
備えているから、一方向クラッチと2つの転がり軸受を
密封する空間の潤滑剤封入量が増えることになり、一方
向クラッチだけでなく転がり軸受の動作安定化と耐久性
の向上が図れて、プーリユニットの耐久性ならぴに信頼
性の向上に貢献できるようになる。
【0050】特に、請求項5の発明に係るプーリユニッ
トは、軸体を一方向クラッチと2つの転がり軸受の各内
輪として、また、環体を、一方向クラッチと2つの転が
り軸受の各外輪としてそれぞれ兼用した構造を採用して
いるから、部品点数を少なくできて、コスト削減に貢献
できて、好ましい。
トは、軸体を一方向クラッチと2つの転がり軸受の各内
輪として、また、環体を、一方向クラッチと2つの転が
り軸受の各外輪としてそれぞれ兼用した構造を採用して
いるから、部品点数を少なくできて、コスト削減に貢献
できて、好ましい。
【図1】本発明の一実施形態に係るプーリユニットの軸
方向に沿う断面図
方向に沿う断面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】図1中の軸および一方向クラッチの保持器リン
グを示す斜視図
グを示す斜視図
【図4】一方向クラッチのころのロック、フリー状態を
示す説明図
示す説明図
【図5】プーリユニットの急加減速テストの結果を示す
図表
図表
【図6】本発明の他の実施形態に係るプーリユニットの
軸方向に沿う断面図
軸方向に沿う断面図
1 プーリ
2 軸
3 一方向クラッチ
31 一方向クラッチのころ
4,5 転がり軸受
Claims (5)
- 【請求項1】同心に配設される内・外輪間の対向環状間
隙における円周数ヶ所にくさび状空間を設け、このくさ
び状空間個々にころを周方向転動可能に収納し、これら
内・外輪の回転速度差に応じて、ころをくさび状空間の
狭い側へ食い込ませて前記内・外輪を同期回転させるロ
ック状態と、ころをくさび状空間の広い側へ変位させて
前記内・外輪を相対回転させるフリー状態とに切り換え
る一方向クラッチであって、 前記くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定され
るとともに、直径4mm以上のころが10個以下用いら
れていることを特徴とする一方向クラッチ。 - 【請求項2】同心に配設される内・外輪のうち、内輪の
外周面における円周数ヶ所に平坦なカム面を設けること
により、この各カム面と外輪の円筒形の内周面との間に
くさび状空間を確保し、このくさび状空間個々にころを
周方向転動可能に収納し、これら内・外輪の回転速度差
に応じて、ころをくさび状空間の狭い側へ食い込ませて
前記内・外輪を同期回転させるロック状態と、ころをく
さび状空間の広い側へ変位させて前記内・外輪を相対回
転させるフリー状態とに切り換える一方向クラッチであ
って、 前記くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定され
るとともに、直径4mm以上のころが10個以下用いら
れていることを特徴とする一方向クラッチ。 - 【請求項3】内周面が円筒形に形成される外輪と、 外輪の内周に挿通され円周数ヶ所に前記外輪の円筒形内
周面との間でくさび状空間を形成するカム面が設けられ
る内輪と、 前記くさび状空間それぞれに1つずつ配置される複数の
ころと、 前記内・外輪の対向環状間隙に介装されかつ前記ころそ
れぞれが周方向での転動範囲を規制された状態で収納さ
れるポケットを有する保持器リングと、 この保持器リングのポケットに配設されて前記ころをく
さび状空間の狭い側に弾発付勢する弾性体とを含み、 前記くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定され
るとともに、直径4mm以上のころが10個以下用いら
れていることを特徴とする一方向クラッチ。 - 【請求項4】同心に配設される軸体および環体と、軸体
と環体との間の対向環状間隙に介装される一方向クラッ
チと、前記対向環状間隙において一方向クラッチの両側
に配設される転がり軸受とを備え、かつ、前記一方向ク
ラッチおよび2つの転がり軸受を収納する対向環状間隙
に、前記一方向クラッチおよび2つの転がり軸受に対す
る共通の潤滑剤が封入されるプーリユニットであって、 前記一方向クラッチが、前記軸体と環体に対してそれぞ
れ一体化される内・外輪間の対向環状間隙における円周
数ヶ所にくさび状空間を設け、このくさび状空間個々に
ころを周方向転動可能に収納し、これら内・外輪の回転
速度差に応じて、ころをくさび状空間の狭い側へ食い込
ませて前記内・外輪を同期回転させるロック状態と、こ
ろをくさび状空間の広い側へ変位させて前記内・外輪を
相対回転させるフリー状態とに切り換えるものとされ、 前記くさび状空間のくさび角度が4度〜9度に設定され
るとともに、直径4mm以上のころが10個以下用いら
れることにより、前記対向環状間隙に対する潤滑剤の封
入可能な空間容積が5000mm3以上確保されるとと
もに、この空間容積に対する潤滑剤の封入率が40%以
上に設定されることを特徴とするプーリユニット。 - 【請求項5】請求項4のプーリユニットにおいて、 前記軸体が、前記一方向クラッチおよび2つの転がり軸
受の各内輪として、また、前記環体が、前記一方向クラ
ッチおよび2つの転がり軸受の各外輪としてそれぞれ兼
用されていることを特徴とするプーリユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209563A JP2003021172A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | 一方向クラッチならびにプーリユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209563A JP2003021172A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | 一方向クラッチならびにプーリユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003021172A true JP2003021172A (ja) | 2003-01-24 |
Family
ID=19045196
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001209563A Pending JP2003021172A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | 一方向クラッチならびにプーリユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003021172A (ja) |
Cited By (3)
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2001
- 2001-07-10 JP JP2001209563A patent/JP2003021172A/ja active Pending
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