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JP2003020516A - 炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維及びその製造方法 - Google Patents

炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維及びその製造方法

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JP2003020516A
JP2003020516A JP2001203262A JP2001203262A JP2003020516A JP 2003020516 A JP2003020516 A JP 2003020516A JP 2001203262 A JP2001203262 A JP 2001203262A JP 2001203262 A JP2001203262 A JP 2001203262A JP 2003020516 A JP2003020516 A JP 2003020516A
Authority
JP
Japan
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fiber
water
polyacrylonitrile
carbon fiber
soluble protein
Prior art date
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Pending
Application number
JP2001203262A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Tanaka
勝 田中
Katsumi Yamasaki
勝巳 山▲さき▼
Masashi Tokuda
政志 徳田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表層部の結晶性を抑制して、マトリックス樹脂
との接着が良好で、かつ、曲げ強度の高い黒鉛化繊維を
得るための、ポリアクリロニトリル系前駆体繊維および
その製造方法を提供する。 【解決手段】少なくとも表層に水溶性タンパク質を含有
することを特徴とする炭素繊維用ポリアクリロニトリル
系前駆体繊維。ポリアクリロニトリル系重合体を湿式ま
たは乾湿式紡糸して得た水膨潤繊維に水溶性タンパク質
を付与し、その後乾燥緻密化することを特徴とする炭素
繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マトリックス樹脂
との接着性に優れ、かつ、コンポジットの実用特性であ
る曲げ強度の高い黒鉛化繊維を提供するためのポリアク
リロニトリル系前駆体繊維およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、その比強度、比弾性率が高
い特徴を生かしてあらゆる用途に展開されてきている。
特にポリアクリロニトリル(以下PANと表示)系前駆
体繊維を出発原料とした炭素繊維は比強度が高く加工性
も優れているため、広く利用されている。炭素繊維は熱
硬化樹脂や熱可塑樹脂をマトリックスとする複合材料と
して使用されるのが一般的である。複合材料において炭
素繊維の強度や弾性率を有効に利用するためには、炭素
繊維とマトリックスである樹脂が強固に接着することが
必要である。そのために炭素繊維の製造工程の仕上げと
して酸化処理を施して炭素繊維表面に官能基を付与する
ことが一般的である。しかしながら、炭化温度を高くし
て弾性率を上げていくと、炭素繊維と樹脂との接着が悪
くなるという現象が認められる。この原因は炭化温度を
上げるに従って、炭素繊維のグラファイト構造の結晶が
大きくなり、酸化され難くなる。これに伴い、樹脂との
接着に十分な官能基が付与されにくくなるためと推定さ
れる。このようなことから、弾性率の高い炭素繊維ほ
ど、より強い酸化処理が必要となるが、酸化処理だけで
は十分な樹脂との接着力が得られにくいという問題があ
った。また、炭化温度を上げ、弾性率を高くするほど曲
げ強度が低下するという問題があった。この問題は、炭
素繊維をさらに2000℃程度以上の温度で焼成するこ
とにより得られる黒鉛化繊維において、その結晶サイズ
の大きさ故に特に顕著なものとなる。
【0003】曲げ強度は、繊維軸方向に垂直な方向に撓
みを加えた際の破壊に至るまでの強度を示す。撓みを加
える際、その物には「引張り、圧縮、剪断」の各応力が
加わり、各強度の中で最も弱い所から破壊が開始する。
よって曲げ強度が高いということは、「引張り、圧縮、
剪断」の各強度のバランスが良いことを示し、実用特性
として重要視される強度である。
【0004】炭素繊維の結晶性は、単繊維断面の半径方
向において必ずしも均一ではなく、内層部に対して表層
部の方が高いことが多い。これに伴い単繊維の表層部の
弾性率が高くなる、つまり、伸びにくくなる。この場
合、繊維束に応力を加えると、単繊維の内部と比べて表
層部に高い応力が分布することになり、繊維表面の欠陥
による強度低下がより助長されるという問題があった。
この原因として、PAN系前駆体繊維を加熱空気中で耐
炎化する工程で、酸素が繊維表面から拡散するため、表
層部の方が耐炎化進行度が高く、耐熱性の高い構造とな
るためと推定される。
【0005】上記問題を解決し、マトリックス樹脂との
接着に寄与する繊維表層部の結晶性を低下させ、酸化処
理を容易にすると同時に、炭素繊維の強度を向上させる
手段として、PAN系前駆体繊維の繊維表層部にホウ素
などの耐炎化遅延元素を存在させる提案がなされている
(特開平10−88430号公報)。
【0006】しかしながら、ホウ素などの元素は、炭化
温度が高くなり、2000℃以上の黒鉛化領域になる
と、黒鉛化を促進する触媒的作用が発揮されるようにな
るため、むしろ表層部の結晶性がより高くなり、接着性
や曲げ強度が低下するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の背景に鑑み、表層部の結晶性を抑制してマトリッ
クス樹脂との接着が良好で、かつ、曲げ強度の高い黒鉛
化繊維を提供するためのPAN系前駆体繊維、およびそ
の製造方法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のPAN系前駆体
繊維は、上記課題を解決するために、次の構成を有す
る。すなわち、少なくとも表層に水溶性タンパク質を含
有することを特徴とする炭素繊維用PAN系前駆体繊維
である。
【0009】また、本発明のPAN系前駆体繊維の製造
方法は、上記課題を解決するために、次の構成を有す
る。すなわち、PAN系重合体を湿式、乾湿式紡糸して
得た水膨潤繊維に水溶性タンパク質を付与し、その後乾
燥緻密化することを特徴とする炭素繊維用PAN系前駆
体繊維の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記観点から鋭意
検討を重ね、PAN系前駆体繊維の表層部に、種々の物
質を含有させて、これを焼成してみたところ、水溶性タ
ンパク質を含有させた系において炭素繊維の表層部のグ
ラファイト構造の非晶部分を増加させ、表層部の平均的
な結晶性を抑制することができる事を見いだした。これ
により、マトリックス樹脂との接着が良好で、かつ、曲
げ強度の高い黒鉛化繊維を提供することができるとい
う、前記課題を一挙に解決することを究明したものであ
る。
【0011】本発明でいう炭素繊維とは前駆体繊維を不
活性雰囲気中1000℃以上の温度にて焼成したものを
指し、黒鉛化繊維とは、弾性率をさらに上げる目的で不
活性雰囲気中2000℃以上の温度で焼成したものを指
す。本発明の効果は、炭素繊維の表層の結晶性を水溶性
タンパク質を含有させた前駆体繊維を用いることにより
制御することで得られるものであり、結晶性の高い黒鉛
化繊維において特に顕著となる。
【0012】本発明のPAN系前駆体繊維は、少なくと
もその表層に水溶性タンパク質を含有しているものであ
る。
【0013】本発明で用いるタンパク質としては、水溶
性であることが必要である。非水溶物では、繊維表層部
に含浸することが困難なため好ましくない。水溶性であ
るとは、水に均一な状態にて溶解若しくは分散している
状態を指し、水に可溶なタンパク質を用いることも、水
に不溶なタンパク質を界面活性剤等にて強制的に分散さ
せた物などをも用いることができる。また、前駆体繊維
に含有する水溶性タンパク質は、前駆体繊維を焼成し、
炭素繊維に転換する際、その熱により分解し飛散する。
この分解が急激な場合、炭素繊維表面での欠陥の原因と
なり、強度低下を招く恐れがある。耐熱性の指標とし
て、炭化残存率が5重量%以上であることが好ましい。
【0014】かかる水溶性タンパク質としては、例えば
ゼラチン、ペプトン、ペプチドなどが好ましく使用され
るが、これらに限定されるものではない。
【0015】該水溶性タンパク質の適正な含有量は、使
用するタンパク質により異なるため、いちがいに言い難
いが、大まかには繊維重量当たり0.5〜10重量%が
好ましい。0.5重量%未満では、表層部の結晶性を抑
制する効果が不足し、10重量%を越えると、平均的な
結晶性の低下が大きく、炭素繊維の弾性率の低下が大き
くなる事がある。
【0016】また、かかる水溶性タンパク質の含有効果
をより有効に発揮するためには、単繊維の断面半径方向
において、主に表層部に偏って含有されていることがよ
り好ましい。
【0017】本発明のPAN系前駆体繊維は次の方法に
より製造することができる。すなわち、PAN系重合体
を湿式、乾湿式紡糸してPAN系前駆体繊維を製造する
に際して、乾燥緻密化前の水膨潤繊維に水溶性タンパク
質を付与してから、乾燥緻密化するのである。かかる紡
糸方法としては、湿式、あるいは乾湿式のどちらも使用
される。
【0018】PAN系重合体としては、特に限定される
ものではないが、アクリロニトリルを、好ましくは90
重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含有する
ものがよい。必要に応じて、アクリトニトリルと共重合
可能な第二成分を加えて共重合することも可能である。
前記重合体は、紡糸にあたって、溶媒に溶解した紡糸原
液として使用できる。
【0019】上記重合体の溶媒としては、特に限定され
るものではないが、例えば塩化亜鉛やチオシアン酸ナト
リウムなどの無機塩系、ジメチルスルホキシド、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドンなどの有機系のものを使用することができる。
【0020】かかる重合体を溶媒に溶解した紡糸原液
は、通常、湿式あるいは乾湿式紡糸して繊維化される。
次いで、水洗した後に浴延伸、あるいは浴延伸した後に
水洗を施して、膨潤度が50〜300重量%の水膨潤繊
維を得る。該膨潤度を決定する要因としては、重合体の
親水性、紡糸原液濃度、溶媒の種類、凝固浴の溶媒濃
度、凝固浴温度、浴延伸温度、浴延伸倍率などがあるた
め、生産性を損なわない範囲で、繊維の膨潤度が50〜
300重量%になるようにこれらの要因を適正に設定す
る事ができる。水溶性タンパク質を繊維の表層部に含有
させるためには、乾燥緻密化前の膨潤度が50〜300
重量%の水膨潤繊維に水溶性タンパク質を付与すること
が好ましい。膨潤度が50重量%未満では、水溶性タン
パク質が繊維の表層部から浸入しにくく本発明の顕著な
効果を十分に発揮出来ない事があり、300重量%を越
えると、逆に繊維内層部まで浸入し、焼成後の炭素繊維
全体の弾性率が低下する可能性がある。
【0021】次いで、該膨潤繊維に水溶性タンパク質を
付与する。付与方法は特に限定されないが、水溶性タン
パク質を水に溶解したものを例えばディップ法、噴霧
法、タッチロ−ル法、ガイド供給法などが採用される
が、処理が容易なディップ法が好ましく使用される。処
理液の濃度は、最終の前駆体繊維が水溶性タンパク質を
0.5〜10重量%含有するように設定する。水溶性タ
ンパク質を含有させるためには、水溶性タンパク質の濃
度を2.0〜10重量%の範囲で調整すれば問題ないこ
とが多い。また、水溶性タンパク質と同時に、単繊維間
の接着を防止するための油剤を付与することができる。
あるいは、タンパク質を付与した後に、単繊維間の接着
を防止するための油剤を付与することができる。単繊維
間の接着を防止するための油剤としては、特に限定され
ないが、各種の官能基で変成されたシリコーン系化合物
が好ましく使用される。
【0022】タンパク質が付与された膨潤繊維は、次い
で、乾燥緻密化されるが、乾燥温度は130〜200℃
が好ましい。乾燥温度が130℃未満では、水の蒸発が
遅く、タンパク質が単繊維の内層部まで拡散し、繊維全
体として弾性率の低下を招く可能性がある。また、乾燥
温度が200℃を越える高温度では、単繊維間の接着が
発生し易くなる。
【0023】乾燥緻密化後、必要に応じて加圧スチーム
などの加熱熱媒中で延伸して、配向を調整し、また、必
要に応じてさらに130〜200℃の熱処理を施し、巻
き取ってPAN系前駆体繊維として提供される。
【0024】本発明のPAN系前駆体繊維から炭素繊維
を製造するに際しては、前記したような方法によって得
られるPAN系繊維を、200〜300℃、好ましくは
230〜270℃の空気等の酸化性雰囲気中、0.95
〜1.05倍に延伸して耐炎化繊維へと変換させた後、
最高温度が600〜900℃、好ましくは700〜80
0℃の窒素等の不活性雰囲気中、1.0〜1.1倍に延
伸し、さらに最高温度が1000〜1800度の窒素等
不活性雰囲気中、0.95〜1.0倍に延伸して炭素繊
維とすることができる。
【0025】また、このようにして得られた炭素繊維
を、最高温度が2000〜3000℃、好ましくは20
00〜2800℃の窒素等の不活性雰囲気中、1.01
〜1.2倍に延伸し、必要に応じて表面酸化処理、好ま
しくは酸又はアルカリ水溶液中で10〜200クーロン
/gの電解酸化処理を行い、繊維表面に接着性を高める
官能基を生じさせて黒鉛化繊維とする。
【0026】このようにして得られた黒鉛化繊維は、マ
トリックス樹脂との接着性に優れ、かつ、曲げ強度が高
いという優れた特性を有することとなる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて、さらに具体
的に説明する。 <ストランド強度、弾性率の測定>炭素繊維束に下記組
成の樹脂を含浸させ、130℃35分間硬化させた後、
JIS R7601に準じて引っ張り試験を行った。
【0028】 (1)樹脂組成 ・エポキシ樹脂ERL−4221(ユニオン・カーバイド社製) 100部 ・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(BF3・MEA) 3部 ・アセトン 4部 <層間剪断強度(以下ILSSと表示)、曲げ強度の測
定>金枠に巻き取った炭素繊維を、炭素繊維の体積含有
率(Vf)が60%になるように凸凹かみ合わせの溝幅
6mmの凹側金型に入れ、樹脂を流し込んだ後、加熱し
て真空脱泡した。脱泡後、プレス機にセットし厚さ2.
5mmのスペーサーをはさんで凸凹金型をかみ合わせ
て、加圧しながら加熱して樹脂を硬化させ、幅6mm、
厚さ2.5mmの試験片を作成した。測定はインストロ
ン試験機を用い、曲げ強度に対してはVf=60%に換
算した。
【0029】 (1)樹脂組成 ・Ep828(ペトロケミカルズ(株)製) 100部 ・3フッ化ホウ素モノエチルアミン 3部 (2)成型条件 脱法 ;真空(10mmHg以下)下、80
℃×4時間 成型 ;プレス圧4.9MPa、170℃×
1時間 アフターキュアー;金型から試験片を取り出した後、1
70℃×2時間 (3)測定条件 ILSS;試験片の長さを18mmにカットし、3点曲
げ治具を用い、支持スパンを試験片の厚みの4倍として
n=6測定し、平均値を求めた。
【0030】曲げ強度;試験片の長さを90mmにカッ
トし、3点曲げ治具を用い、支持スパンを試験片の厚み
の24倍としてn=5測定し、平均値を求めた。 (実施例1) アクリロニトリル99.0重量%、イタコン酸1.0重
量%の共重合組成で、極限粘度が1.7の共重合体の2
0重量%ジメチルスルホキシド(以下DMSO)溶液に
アンモニアガスを吹き込みPHを8.0に調整して紡糸
原液とした。該紡糸原液を3000ホールの口金を通し
てDMSO濃度60重量%、温度60℃の水系凝固浴中
に導き、10m/分の速度で引き取った。
【0031】次いで、55〜75℃の6段温水浴中でト
ータル1.15倍の延伸比を保持しながら水洗した後、
熱水浴中で3.91倍延伸し、膨潤度が200%の水膨
潤繊維を得た。
【0032】次いで、水溶性タンパク質として濃度2重
量%、温度20℃における粘度が30cPであるゼラチ
ン(和光純薬工業(株)社製、1級、077−0315
5)を用い、この2重量%の水溶液を70℃に保持しな
がら水膨潤繊維にディップ処理し、ニップロールで余分
の表面付着液を除去後、さらにオイル粘度が3000c
Stのアミノ変成シリコーンの水分散処理液に通した
後、再度ニップロールを通し、表面温度が150℃の加
熱ローラによって乾燥緻密化した。
【0033】次いで、145℃の加圧スチーム中で2.
89倍延伸した後、表面温度が170℃の加熱ローラで
乾燥熱処理して、単繊維繊度が0.8dtexの前駆体
繊維を巻き取った。
【0034】該前駆体繊維を245℃、次いで255℃
の加熱空気中を延伸比1.0で通過させ、繊維比重が
1.34になるまで加熱して耐炎化繊維を得た。
【0035】次いで、得られた耐炎化繊維を最高温度が
750℃の窒素雰囲気で延伸比1.05で通過させ、次
いで、最高温度が1700℃の窒素雰囲気中で延伸比
0.97で通過させ、次いで、最高温度が2300℃の
窒素雰囲気で延伸比1.03で通過させた。
【0036】次いで、希硫酸を電解液として40クーロ
ン/gの表面電解処理を行い、水洗、乾燥して黒鉛化繊
維を得た。
【0037】樹脂含浸ストランド強度、弾性率を評価し
た結果、それぞれ4.65GPa、420GPaであっ
た。またILSS、曲げ強度を測定した結果、それぞれ
72.1MPa、1650MPaと高いものであった。 (比較例1)水溶性タンパク質を付与しない以外は、実
施例1と同様にして黒鉛化繊維を得た。樹脂含浸ストラ
ンド強度、弾性率を評価した結果、それぞれ4.60G
Pa、425GPaであった。またILSS、曲げ強度
を測定した結果、それぞれ65.1MPa、1430M
Paであった。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂との接着性および
コンポジットの曲げ強度に優れた黒鉛化繊維を安定して
提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも表層に水溶性タンパク質を含有
    することを特徴とする炭素繊維用ポリアクリロニトリル
    系前駆体繊維。
  2. 【請求項2】前記水溶性タンパク質が、ゼラチンである
    請求項1記載の炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆
    体繊維。
  3. 【請求項3】前記水溶性タンパク質が、ポリアクリロニ
    トリル系前駆体繊維に対して0.5〜10重量%含有さ
    れてなる請求項1または2に記載の炭素繊維用ポリアク
    リロニトリル系前駆体繊維。
  4. 【請求項4】ポリアクリロニトリル系重合体を湿式また
    は乾湿式紡糸して得た水膨潤繊維に水溶性タンパク質を
    付与し、その後乾燥緻密化することを特徴とする炭素繊
    維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】前記水溶性タンパク質が、濃度2.0〜1
    0重量%の水溶液として付与されるものである請求項4
    記載の炭素繊維用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の
    製造方法。
  6. 【請求項6】前記水膨潤繊維は、その膨潤度が50〜3
    00重量%である請求項4記載の炭素繊維用ポリアクリ
    ロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
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