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JP2007113154A - 炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体ならびに炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体ならびに炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法 Download PDF

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JP2007113154A
JP2007113154A JP2005308120A JP2005308120A JP2007113154A JP 2007113154 A JP2007113154 A JP 2007113154A JP 2005308120 A JP2005308120 A JP 2005308120A JP 2005308120 A JP2005308120 A JP 2005308120A JP 2007113154 A JP2007113154 A JP 2007113154A
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Masashi Sudo
真史 須藤
Masashi Ise
昌史 伊勢
Makoto Endo
真 遠藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】
生産性、プロセス性を損なうことなく、引張強度、引張弾性率の優れた炭素繊維を製造する方法を提供する。
【解決手段】
極限粘度[η]が1.5〜2.2であって、耐炎化処理時の酸化深さDが3.6〜6.0μmかつDSCにより測定される湿熱下融点Tmが191〜200℃である炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体、ならびにそれを用いた炭素繊維前駆体繊維および炭素繊維の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、引張強度および引張弾性率に優れた炭素繊維の製造方法に関するものである。更には、前記した高性能な炭素繊維を製造するのに好適な、炭素繊維前駆体繊維用重合体および炭素繊維前駆体繊維の製造方法に関するものである。
炭素繊維は、その優れた力学特性および電気特性からさまざまな用途に利用されている。近年では、従来のゴルフクラブや釣竿などのスポーツ用途、航空機用途に加え、自動車部材、CNGタンク、建造物の耐震補強、船舶部材などいわゆる一般産業用途への展開が進んでいるため、力学特性の高い炭素繊維を安定して得る技術が望まれている。
かかる炭素繊維は、アクリロニトリル系重合体よりなる前駆体繊維を耐炎化および炭化処理して得られるが、アクリロニトリル系重合体の共重合組成を特定することによって、上記性質を有する炭素繊維を得る方法が報告されている。
例えば、アクリロニトリル系重合体において、共重合成分としてアクリル酸もしくはメタクリル酸のエステル誘導体を用いることで、前駆体繊維の耐炎化処理時に酸素透過性を向上させ、耐炎化繊維内の酸素濃度分布を均一に制御することで単繊維内を均一に耐炎化させ、得られる炭素繊維の引張強度および引張弾性率を向上させる技術が提案されている(特許文献1参照)。本技術は炭素繊維前駆体繊維の側鎖に立体障害の大きな官能基を導入することで、炭素繊維前駆体繊維の分子間相互作用を弱め、耐炎化工程における酸素透過性を向上させるものであるが、この方法には共重合するモノマーによりポリマー分子間の相互作用が弱くなるため炭素繊維前駆体繊維の湿熱下融点が低下し、スチーム延伸工程において単繊維切れが生じやすくなり、それによって得られる炭素繊維において毛羽発生量が多くなり品位が低下するという問題があった。
さらに例えば、アクリロニトリル系重合体において、熱的に架橋可能なビニル単体量を用いて、重合体を構成する高分子鎖間を架橋させて湿熱下融点を向上させることで、製糸工程および耐炎化工程での糸切れや融着を抑制し、炭素繊維を安定して得る技術が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、本技術は架橋によって分子運動が抑制されることで、前駆体繊維の単繊維内への酸素透過性が低くなるため、十分な強度及び弾性率の炭素繊維を得ることができないという問題があった。
特開平2−84505号公報 特公昭48−43579号
本発明の目的は、生産性およびプロセス性を損なうことなく、引張強度、引張弾性率の優れた炭素繊維を製造する方法を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明の炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体は次の構成を有する。すなわち、極限粘度[η]が1.5〜2.2であって、耐炎化処理時の酸化深さDが3.6〜6.0μm、かつ示差走査熱量計により測定される湿熱下融点Tmが191〜200℃である炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体である。
また、本発明の炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体においては、次の一般式(1)で示され、かつモル体積が50〜400cm/molであるビニル化合物を、アクリロニトリル100モル部に対して0.1〜1.5モル部共重合してなるのが好ましい。
Figure 2007113154
(一般式(1)中、R1〜R6は水素、炭素、窒素、酸素、もしくは硫黄原子よりなる原子団より構成される)
また、本発明の炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体においては、さらに耐炎化促進成分を、アクリロニトリル100モル部に対して0.1〜1.0モル部共重合してなることも好ましい。
前記目的を達成するために、本発明の炭素繊維前駆体繊維の製造方法は次の構成を有する。すなわち、前記のポリアクリロニトリル系重合体を、湿式または乾湿式法により紡糸し、乾燥熱処理後、スチーム延伸する炭素繊維前駆体繊維の製造方法であって、前記Tm(℃)、乾燥熱処理の温度Td(℃)およびスチーム延伸の温度Ts(℃)が次の式(2)および式(3)を満たす炭素繊維前駆体繊維の製造方法である。
(Tm−30)≦Td≦(Tm−10) (2)
(Tm−50)≦Ts≦(Tm−30) (3)
また、前記目的を達成するために、本発明の炭素繊維の製造方法は次の構成を有する。すなわち、前記の方法で製造された炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の空気中において延伸比0.90〜1.20で耐炎化処理した後、300〜800℃の不活性雰囲気中において延伸比1.00〜1.30で予備炭化処理し、1000〜2000℃の不活性雰囲気中において延伸比0.97〜1.10で炭化処理する炭素繊維の製造方法である。
本発明によれば、生産性、プロセス性を損なうことなく、焼成工程での高延伸を実現でき、それにより引張強度、引張弾性率さらには圧縮強度に優れた炭素繊維を製造できる。

本発明は、用いる重合体の極限粘度、酸素透過性及び湿熱下の耐熱性を特定の範囲に制御することで、可紡性の高い重合体とできるばかりか、均一な耐炎構造が得られために炭化工程における延伸性が向上することで高い力学物性の炭素繊維を得ることができることに加えて、製糸工程において糸切れや単繊維間接着の少ない効率的で安定したスチーム延伸や乾熱延伸が可能になり、安定性良く、高強度高弾性率な炭素繊維を得ることができるのである。
本発明のアクリロニトリル系重合体は、その極限粘度が1.5〜2.2、好ましくは1.4〜2.0、より好ましくは1.5〜1.9であることが必須である。極限粘度が小さすぎると、凝固時の可紡性が低下し、大きすぎると、重合体がゲル化しやすくなり安定した紡糸が困難になる。ここでポリアクリロニトリル系重合体の極限粘度は以下のようにして求めることができる。すなわち、予め120℃で2時間熱処理し絶乾したポリアクリロニトリル系重合体150mgを、25℃において50mlのチオシアン酸ナトリウム0.1mol/リットル添加ジメチルフォルムアミドに溶解した。得られた溶液を、25℃に温調し、予め25℃に温調してあるオストワルド粘度計を用いて標線間の落下時間を1/100秒の精度で測定し、その時間をt(秒)とした。同様に、ポリアクリロニトリル系重合体を溶解していないチオシアン酸ナトリウム0.1mol/リットル添加ジメチルフォルムアミドについても測定し、その落下時間をt0(秒)とした。次式を用いて極限粘度[η]を算出した。なお、後述する実施例では、チオシアン酸ナトリウムとジメチルフォルムアミドは、いずれも和光純薬社製特級を用いた。
[η]={(1+1.32×ηsp)^(1/2)―1}/0.198
ηsp=(t/t0)−1
ポリアクリロのトリル系重合体の極限粘度は重合時のモノマー濃度、開始剤や連鎖移動剤の量などによって制御することができる。開始剤としてはアゾビスブチロニトリル、アゾビスメチルバレロニトリル、アゾビスー4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどが好ましく用いられる。また、連鎖移動剤はドデシルメルカプタン、モノチオグリコールなどのメルカプト化合物、メチルペンチルアミンのような2級アミン、トリエチルアミン、n−トリプロピルアミンのような3級アミン、次亜リン酸のようなリン酸化合物などが好ましく用いられる。
本発明のポリアクリロニトリル系重合体は、その耐炎化処理時の酸化深さDが、炭化工程における延伸性を向上させる観点から、3.6〜6.0μm、好ましくは3.8〜5.8μm、より好ましくは4.0〜5.5μmである。酸化深さDが小さすぎると、焼成工程における延伸性向上効果が明確に発揮されず、得られる炭素繊維の引張強度、引張弾性率を向上させることができないことがある一方で、大きすぎると、耐炎化工程における酸化反応が過剰に進み、つづく炭化工程での延伸性が低下したり、得られる炭素繊維の収率が低下したりするおそれがある。ポリアクリロニトリル系重合体の耐炎化処理時の酸化深さDは次のようにして測定する。まず、重合体をジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアミドなどのポリアクリロニトリル可溶な溶媒に、重量濃度で25%となるよう溶解し、次に該溶液をガラス板上にキャストして、ベーカー式アプリケーターで一定の厚みになるように塗布する。次に、重合体を塗布したガラス板を、熱風乾燥機を用いて、120℃で6時間乾燥し、溶媒をとばし、厚み20〜40μmのフィルムとする。得られたフィルムを、熱風乾燥機を用いて、240℃で60分、さらに250℃で60分熱処理し、耐炎化処理を行う。得られた耐炎化フィルムを、樹脂包埋した上で、研磨し、その垂直断面を光学顕微鏡を用いて、倍率800倍で観察する。酸化が進んだ部分と、そうでない部分が明暗の差で区別できるので、フィルム表面から一定の明るさを持つ部分の厚みを少なくとも5点計測し、その算術平均を酸化深さD(μm)とする。
また、本発明のポリアクリロニトリル系重合体は、示差走査熱量計(以下、DSCと称す)により測定される湿熱下融点Tmが、得られる炭素繊維前駆体繊維の耐熱性、ひいては、製糸工程におけるスチーム延伸性を向上させる観点から、191〜200℃であることが必要である。Tmが高すぎると、スチーム延伸の際に、より高温すなわちより高圧力のスチームが必要となり、その高圧力による繊維の破断が顕著となるため、結果として生産性の低下および得られる炭素繊維の品位、力学物性の低下が生じる。逆にTmが小さすぎると、単繊維間の接着が顕著となり、製糸工程における乾燥およびスチーム延伸処理時の温度を低下させなくてはならず、より長時間の処理が必要となり、結果として生産性の低下および得られる炭素繊維の品位、力学物性の低下が生じる。ポリアクリロニトリル系重合体の湿熱下融点Tmは次のようにして測定することができる。まず重合体を、凍結粉砕し、粒度100メッシュの粉体とする。該粉体を5mg精秤し、耐圧2MPa以上の密閉可能なDSC用サンプルパンに、5mgの純水とともに密封する。10℃/分の昇温速度で、室温から220℃まで示差熱量を測定し、150〜200℃付近に現れる吸熱ピークの頂点を湿熱下融点Tmとする。
ポリアクリロニトリル系重合体において、耐炎化処理時の酸化深さや、湿熱下融点Tmを前記した範囲にするためには、次の一般式(1)で示される化合物であって、分子のモル体積が50〜400cm/mol、好ましくは80〜350cm/mol、より好ましくは100〜300cm/molであるビニル化合物を共重合することで達成することができる。
Figure 2007113154
(一般式(1)中、R1〜R6は水素、炭素、窒素、酸素、もしくは硫黄原子よりなる原子団より構成される)
ここで、モル体積とは、分子量を20℃における比重で割った値であり、モノマーのかさ高さに対応する指標である。一般にモル体積が大きいほど、酸素透過性向上効果を大きくでき、それが小さすぎると、酸素透過性の効果は低くなる一方で、あまりに大きすぎると、分子がかさ高すぎるため、アクリロニトリルに対する重合性の低下や、湿熱下融点の大幅な低下による製糸延伸時の糸切れの増加、耐炎化時に酸化が進みすぎることによる収率の低下、さらには得られる炭素繊維の緻密性の低下が顕著となる場合がある。
一般式(1)で示され、かつ、モル体積が100〜300cm/molである化合物としては、2,3−ジメチル1,3−ブタジエン、1,4−ジフェニル1,3−ブタジエン、ペンタジエナール、1,3−ヘキサジエン、2,5−ジメチル2,4−ヘキサジエン、2,4−ジメチル1,3−ペンタジエン、2,4−ヘキサジエナール、1,6−ジフェニル1,3,5−ヘキサトリエン、1−イソプロピル4−メチル1,3−シクロヘキサジエン、ヘプタジエナール、1,3,5−シクロヘプタトリエン、7−メチル3−メチレン1,6−オクタジエン、2,4−デカジエン1−オール、2,4−デカジエナール、ジビニルベンゼンが例示され、また、一般式(1)で示され、かつ、モル体積が80〜350cm/molの化合物としては、上記化合物群の他に、イソプレン、3−メチル1,2−ブタジエン、ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエンが例示され、さらに、一般式(1)で示され、かつ、モル体積が50〜400cm/molである化合物としては、上記記載化合物の他に、フラン、ブタジエンジエポキサイド、1,1,4,4−テトラフェニル1,3−ブタジエン、1,2,3,4−テトラフェニル1,3−シクロペンタジエン、テトラフェニルシクロペンタジエノンを例示することができる。 本発明のポリアクリロニトリル系重合体において、耐炎化処理時の酸化深さや、湿熱下融点Tmを前記した範囲にするためには、前述したビニル化合物の共重合量を、アクリロニトリル100モル部に対して0.1〜1.5モル部、好ましくは0.2〜1.2モル部、より好ましくは0.3〜1.0モル部とするのが良い。かかる共重合量が少なすぎると、炭素繊維前駆体繊維の酸素透過性向上効果が少なくなり、逆に多すぎると、炭素繊維前駆体繊維の分子間架橋量が多くなることで、酸素透過性が低下し、高強度高弾性率な炭素繊維が得られないことがある。
本発明においてポリアクリロニトリル系重合体は、共重合成分として、前記したビニル化合物に加えて、耐炎化促進成分を、アクリロニトリル100モル部に対して0.1〜1.0モル部、好ましくは0.12〜0.4モル部、より好ましくは0.15〜0.30モル部の範囲含むことが望ましい。耐炎化促進成分を共重合することは、速やかな耐炎化によって耐炎化工程の処理時間を短縮することができるため、生産性を高める目的から望ましい。かかる耐炎化促進成分の共重合量が少なすぎると、その効果である耐炎化促進効果が小さくなる。耐炎化促進成分の共重合量を多くするほど、耐炎化反応が促進されるが、あまりに多すぎると、発熱速度が大きくなるため反応熱の蓄熱によって暴走反応が引きおこされる危険が生じることがある。
耐炎化促進成分の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、エタクリル酸、マレイン酸、メサコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミドなどが好ましく例示される。炭素繊維前駆体用アクリル繊維の湿熱下融点を高める観点からは、耐炎化促進能の高い化合物を少量加えることによって、湿熱下融点の低下を抑制することで製糸性を維持することが望ましい。その観点からは、耐炎化促進成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、エタクリル酸、マレイン酸、メサコン酸が好ましく、イタコン酸、マレイン酸、メサコン酸がさらに好ましく用いられる。
本発明における炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体を製造する重合方法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合など公知の重合方法を選択することができるが、共重合成分を均一に重合するという観点からは、溶液重合を用いることが好ましい。溶液重合で行う場合の溶液としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのポリアクリロニトリルが可溶な有機溶媒を用いるのが一般的である。
次に、本発明の炭素繊維前駆体繊維の製造方法について説明する。
本発明の炭素繊維前駆体繊維は、前記した炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体を用いる。通常、かかる重合体をジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのポリアクリロニトリル可溶な溶媒に溶解し、紡糸原液とする。溶液重合を用いる場合、重合に用いる溶媒と紡糸原液に用いる溶媒を同じものにしておくと、再溶解する工程が不要となり好ましい。紡糸原液中の重合体の濃度は、原液安定性の観点から、10〜40重量%であることが好ましい。
かかる紡糸原液を紡糸の前に目開き1μm以下のフィルターに通しポリマー原料および各工程において混入した不純物を除去することが高強度な炭素繊維を得るのに好ましい。
紡糸原液を、湿式紡糸法または乾湿式紡糸法により口金から紡出し、凝固浴に導入して繊維を凝固せしめる。得られる炭素繊維前駆体繊維の緻密性を高める観点からは、乾湿式紡糸法が、より好ましい。
本発明において、前記凝固浴には、紡糸原液に溶媒として用いた、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどの溶媒と、いわゆる凝固促進成分を含ませることが好ましい。凝固促進成分としては、前記重合体を溶解せず、かつ紡糸原液に用いる溶媒と相溶性があるものが使用できる。具体的には、水を使用するのが好ましい。
凝固浴中に導入して糸条を凝固せしめた後、水洗し、浴中延伸や油剤付与を必要に応じて行った後、乾燥熱処理、スチーム延伸を経て、炭素繊維前駆体繊維が得られる。
ここで、凝固後の糸条は、水洗せずに直接延伸浴中で延伸しても良いし、溶媒を水洗除去後に浴中で延伸しても良い。かかる浴中延伸は、通常、30〜98℃に温調された単一又は複数の延伸浴中で行われ、延伸倍率としては1〜5倍、好ましくは2〜4倍であるのが良い。
浴延伸の後、単繊維同士の接着を防止する目的から、糸条にシリコーン等からなる油剤を付与するのが好ましい。かかるシリコーン油剤は、変性シリコーンで、かつ、耐熱性の高いアミノ変性シリコーンを含有するものが好ましい。
本発明の炭素繊維前駆体繊維の製造方法において、乾燥熱処理およびスチーム延伸は、ポリアクリロニトリル系重合体のDSCにより測定される湿熱下融点をTm(℃)とすると、乾燥熱処理温度Td(℃)およびスチーム延伸温度Ts(℃)を下記式の範囲内に設定することが必須である。
(Tm―30)≦Td≦(Tm−10)
(Tm―50)≦Ts≦(Tm−30)
また、より好ましくは、
(Tm―20)≦Td≦(Tm−10)
(Tm―40)≦Ts≦(Tm−30)
である。一般に、ポリアクリロニトリルは乾熱下では融点を示さないものの、水が共存していると、その融点が降下することが知られている。乾燥熱処理およびスチーム延伸は、水共存下で行われるため、その処理温度が用いるポリアクリロニトリル系重合体の湿熱下融点Tmを上回ると、融解がおき、プロセス性および得られる炭素繊維前駆体繊維、ひいては炭素繊維の力学物性が低下する。前記したように、用いるポリアクリロニトリル系重合体の共重合成分やその共重合量によって、湿熱下融点Tmは変化するため、そのTmに合わせて、熱処理温度を設定することが、高い引張強度、高い引張弾性率を持つ炭素繊維を生産性よく得るために重要である。
また、一方で乾燥熱処理温度Tsが高いほど、乾燥効率、得られる炭素繊維前駆体繊維の緻密性、の観点から有利であり、また、スチーム延伸性温度Tsが高いほど、可塑化が進みやすく延伸性向上に有利であることから、前記範囲にTdおよびTsを制御することにより、本発明のポリアクリロニトリル系重合体のポテンシャルを最大限に引き出すことができるのである。
本発明において、スチーム延伸における延伸倍率は、生産性および得られる炭素繊維の力学物性の観点から3倍以上、より好ましくは4倍以上、さらに好ましくは5倍以上であるのがよい。
本発明において炭素繊維前駆体繊維の単繊維繊度は0.5〜1.5dtex、好ましくは0.55〜1.0dtex、より好ましくは0.6〜0.8dtexとするのが良い。単繊維繊度が小さすぎると、可紡性やプロセス安定性が低下することがあり、大きすぎると、耐炎化における内外構造差が大きくなり、つづく炭化工程での工程通過性が低下したり、得られる炭素繊維の引張強度、引張弾性率が低下することがある。
また、本発明において炭素繊維前駆体繊維の1糸条当たりのフィラメント数は、1,000〜3,000,000、好ましくは12,000〜3,000,000、より好ましくは24,000〜2,500,000、最も好ましくは36,000〜2,000,000であるのが良い。フィラメント数は、生産性の観点からは、多い方が好ましいが、あまりに多すぎると束内部まで均一に耐炎化処理できないことがある。
次に、本発明の炭素繊維の製造方法について説明する。
本発明の炭素繊維の製造方法は、前記したようにして得られた炭素繊維前駆体繊維を200〜300℃の空気中において延伸比0.90〜1.20で耐炎化処理した後、300〜800℃の不活性雰囲気中において延伸比1.00〜1.30で予備炭化処理し、1000〜2000℃の不活性雰囲気中において延伸比0.97〜1.10で炭化処理するものである。引き続き、このようにして得られた炭素繊維を不活性雰囲気中、2,000〜3,000℃で黒鉛化処理することによって、より高い弾性率を有した黒鉛化繊維とすることもできる。
本発明において、耐炎化処理における延伸比は、0.90〜1.20、好ましくは0.95〜1.15、より好ましくは0.97〜1.10とする必要がある。かかる延伸比が小さすぎると、得られる耐炎化繊維の配向度が不十分となり、得られる炭素繊維の力学物性が低下し、逆に大きすぎると、毛羽発生、糸切れ発生により工程通過性が低下する。
本発明において、耐炎化処理の処理時間は、10〜100分の範囲で適宜選択することができるが、得られる耐炎化繊維の比重が1.3〜1.35の範囲となるよう設定するのが、つづく予備炭化工程の工程通過性、および得られる炭素繊維の力学物性の観点から好ましい。
本発明において、予備炭化処理、炭化処理、黒鉛化処理は不活性雰囲気中で行うが、用いるガスとしては、窒素、アルゴン、キセノンなどが好ましく例示でき、経済的な観点からは窒素が好ましく用いられる。
本発明において、予備炭化工程における温度は300〜800℃とする必要があるが、その範囲における昇温速度は500℃/分以下とするのが良い。
本発明において、予備炭化工程の延伸比は1.00〜1.30、好ましくは1.05〜1.25、より好ましくは1.08〜1.20とする必要がある。かかる延伸比が小さすぎると、得られる予備炭化繊維の配向度が不十分となり、得られる炭素繊維の力学物性が低下する一方で、大きすぎると、毛羽発生、糸切れ発生により工程通過性が低下する。
本発明において、炭化処理における最高温度は所望する炭素繊維の力学物性に応じて、1000〜2000℃の範囲内で設定する必要がある。一般に炭化処理の最高温度が高いほど、得られる炭素繊維の引張弾性率が高くなるものの、引張強度は1500℃付近で極大となる。引張強度と引張弾性率の両方を高めるという観点からは、炭化処理の最高温度は1200〜1700℃がより好ましく、1300〜1600℃であるのがさらに好ましい。
本発明において、炭化処理の延伸比は延伸比0.970〜1.100、好ましくは0.975〜1.005、より好ましくは0.980〜1.000とする必要がある。かかる延伸比が小さすぎると、得られる炭素繊維の配向度や緻密性が不十分となり、力学物性が低下する一方で大きすぎると、毛羽発生、糸切れ発生により工程通過性が低下する。
本発明において、黒鉛化処理を行う場合、そこでの延伸比は1.000〜1.200、好ましくは1.005〜1.150、より好ましくは1.010〜0.1.100とする。かかる延伸比が小さすぎると、得られる黒鉛化繊維の配向度や緻密性が不十分となり、力学物性が低下し、大きすぎると、毛羽発生、糸切れ発生により工程通過性が低下する。
得られた炭素繊維や黒鉛化繊維はその表面改質のため、電解処理することができる。電解処理に用いる電解液には、硫酸、硝酸、塩酸等の酸性溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウムといったアルカリ又はそれらの塩を水溶液として使用することができる。ここで、電解処理に要する電気量は、適用する炭素繊維、黒鉛化繊維の炭化度に応じて適宜選択することができる。
かかる電解処理により、得られる複合材料において炭素繊維、黒鉛繊維とマトリックスとの接着性が適正化でき、接着が強すぎることによる複合材料のブリトルな破壊や、繊維方向の引張強度が低下する問題や、繊維方向における引張強度は高いものの、樹脂との接着性に劣り、非繊維方向における強度特性が発現しないといった問題が解消され、得られる複合材料において、繊維方向と非繊維方向の両方向にバランスのとれた強度特性が発現されるようになる。
かかる電解処理の後、得られる炭素繊維、黒鉛化繊維に集束性を付与するため、サイジング処理をすることもできる。サイジング剤には、使用する樹脂の種類に応じて、樹脂との相溶性の良いサイジング剤を適宜選択することができる。
本発明によりこのようにして得られる炭素繊維は、ストランド引張強度が6GPa以上、ストランド弾性率が30GPa以上であることが好ましく、ストランド引張強度が6.6GPa以上、ストランド弾性率が330GPa以上がより好ましく、ストランド引張強度が7.0GPa以上、ストランド弾性率が350GPa以上がさらに好ましい。
また、本発明によりこのようにして得られる黒鉛化繊維は、ストランド引張強度が5GPa以上、ストランド弾性率が400GPa以上であることが好ましく、ストランド引張強度が5.5GPa以上、ストランド弾性率が450GPa以上がより好ましく、ストランド引張強度が6GPa以上、ストランド弾性率が500GPa以上がさらに好ましい。
本発明により得られる炭素繊維や黒鉛化繊維は、引張強度および引張弾性率が高いすなわち高伸度であり、また、相対的に低い焼成温度で高い弾性率が得られるため、圧縮強度も高いレベルを発現することができる。従って、プリプレグとしてオートクレーブ成形したり、織物などのプリフォームとしてレジントランスファーモールディングで成形したり、フィラメントワインディングで成形したりして、航空機部材、圧力容器部材、自動車部材、釣り竿、ゴルフシャフトなどのスポーツ部材として、好適に用いることができる。
本発明をより具体的に説明する。なお、本発明において各種物性値は以下に記載の方法により求めることができる。
<極限粘度>
予め120℃で2時間熱処理し絶乾したポリアクリロニトリル系重合体150mgを、25℃において50mlのチオシアン酸ナトリウム0.1mol/リットル添加ジメチルフォルムアミドに溶解する。得られた溶液を、25℃に温調し、予め25℃に温調してあるオストワルド粘度計を用いて標線間の落下時間を1/100秒の精度で測定し、その時間をt(秒)とする。同様に、炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体を溶解していないチオシアン酸ナトリウム0.1mol/リットル添加ジメチルフォルムアミドについても測定し、その落下時間をt0(秒)とした。次式を用いて極限粘度[η]を算出する。
[η]={(1+1.32×ηsp)1/2―1}/0.198
ηsp=(t/t0)−1
なお、本実施例では、チオシアン酸ナトリウムとジメチルフォルムアミドのいずれも和光純薬社製特級を用いた。
<耐炎化処理時の酸化深さD>
測定に供するポリアクリロニトリル系重合体を、ジメチルスルホキシドに重量濃度で25%となるよう溶解して溶液となし、次にその溶液をガラス板上にキャストして、ベーカー式アプリケーターを用いて約80μmの厚みになるように塗布する。次に、重合体溶液を塗布したガラス板を、熱風乾燥機を用いて空気中120℃で6時間乾燥し、ジメチルスルホキシドを蒸発させて、厚み約20μmのフィルムとする。得られたフィルムを、熱風乾燥機を用いて、空気中240℃で60分、さらに空気中250℃で60分熱処理し、耐炎化処理を行う。得られた耐炎化フィルムを樹脂包埋した上で研磨し、そのフィルム表面に対して垂直な断面を光学顕微鏡を用いて倍率800倍で観察し、写真撮影する。断面において酸化が進んだ部分は暗い層として、進んでいない部分は明るい層として観察されるので、フィルム表面から、暗い層と明るい層の境界までの距離を、写真上で5点計測し、その算術平均を酸化深さD(μm)とする。
<湿熱下融点Tm>
測定に供するポリアクリロニトリル系重合体を、液体窒素中で凍結粉砕した後、目開き0.5mmの篩いを通し粉体を得る。この粉体を5mg精秤し、DSC用中圧パン(耐圧2MPa)に、5mgの純水とともに密封する。DSC装置を用いて、10℃/分の昇温速度で、室温から220℃までDSC測定し、150〜200℃付近に現れる吸熱ピークの頂点に対応する温度を読み取り、湿熱下融点Tm(℃)とする。なお、本実施例では、DSC用中圧パンとしてメトラー社製DSC用中圧パンME29990を、DSC装置としてブルカー社製DSC3100SAを用いた。
<耐炎化繊維比重>
JIS R7601(1986)記載の方法に従う。すなわち、1.0〜1.5gの繊維を採取し、熱風乾燥機を用い、空気中120℃で2時間絶乾する。絶乾質量A(g)を測定した後、比重既知(比重ρ)のエタノールに含浸し、エタノール中の繊維質量B(g)を測定し、次式、繊維比重=(A×ρ)/(A−B)により繊維比重Dを求める。なお、本実施例では、エタノールとして和光純薬社製特級を精製せずに用いた。
<炭素繊維のストランド引張強度及びストランド引張弾性率>
JIS R7601(1986)「樹脂含浸ストランド試験法」に従って求める。
本実施例では、測定する炭素繊維の樹脂含浸ストランドは、ユニオンカーバイド(株)製、”BAKELITE(登録商標)”ERL4221(100重量部)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(3重量部)/アセトン(4重量部)を、炭素繊維に含浸させ、130℃、30分熱処理し硬化させて作製した。また、ストランドの測定本数は6本とし、各測定結果の算術平均値を、その炭素繊維の引張強度、引張弾性率とした。
<製糸工程におけるスチーム延伸性>
被評価糸条を、145℃の加圧スチーム中にて延伸倍率を0.1倍ずつ変えながら糸切れの有無を測定し、糸切れの発生しない最大倍率をスチーム延伸性(倍)とする。
<炭化毛羽個数>
炭化工程の出側において、走行中の糸条の毛羽数を長さ30mに亘って目視により計測し、その1m当たりの毛羽数を炭化毛羽個数(個/m)とする。
[実施例1〜4、比較例1〜6]
アクリロニトリル100モル部に、表1に示す第2成分のビニル化合物と耐炎化促進成分を表1に示す共重合比率で、ジメチルスルホキシドを溶媒とする溶液重合法により、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤としてラジカル重合し、ポリアクリロニトリル系重合体を得た。得られた重合体について、酸化深さD(μm)、湿熱下融点Tm(℃)、およびガラス転移点Tg(℃)を測定した。
得られたそれぞれの重合体の濃度が、ジメチルスルホキシド中、25重量%となるよう調製した後、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込むことで、イタコン酸を中和しつつ、アンモニウム基をポリアクリロニトリル系共重合体に導入し、紡糸原液を作製した。得られた紡糸原液を、目開き0.5μmのフィルター通過後、40℃で、単孔の直径0.15mm、孔数6,000の紡糸口金を用い、一旦空気中に吐出し、約4mmの空間を通過させた後、3℃にコントロールした35重量%ジメチルスルホキシドの水溶液からなる凝固浴に導入する乾湿式紡糸法により凝固糸条とした。この凝固糸条を、水洗した後、温水中で3.5倍に延伸し、さらにアミノ変性シリコーン系油剤を付与して単繊維繊度2.6dtexの浴中延伸糸を得た。この浴中延伸糸を、165℃に加熱したローラーを用いて乾燥熱処理を行い、次に145℃の加圧スチーム中にて3.7倍延伸し、全延伸倍率13倍、単繊維繊度0.7dtex、フィラメント数6,000の炭素繊維前駆体繊維を得た。なお、乾燥熱処理した糸条についてスチーム延伸性を評価した。
得られた炭素繊維前駆体繊維を4本合糸し、トータルフィラメント数24,000とした上で、240〜260℃の空気中において延伸比1.0で延伸しながらで耐炎化処理し、比重1.35の耐炎化繊維を得た。
得られた耐炎化繊維を、続いて300〜700℃の窒素雰囲気中において、延伸比1.15で延伸しながら予備炭化処理を行い、さらに最高温度1500℃の窒素雰囲気中において、延伸比を0.99に設定して炭化処理を行い、比重1.80〜1.83の炭素繊維を得た。この際、炭化工程の出側において、炭化毛羽個数を測定した。また、得られた炭素繊維について、ストランド引張強度およびストランド引張弾性率を測定した。
重合体についての酸化深さD(μm)、湿熱下融点Tm(℃)、およびガラス転移点Tg(℃)、製糸工程におけるスチーム延伸性、炭素繊維の炭化毛羽個数、ストランド引張強度およびストランド引張弾性率について得られた結果を表2にまとめて示す。
Figure 2007113154
Figure 2007113154

Claims (6)

  1. 極限粘度[η]が1.5〜2.2であって、耐炎化処理時の酸化深さDが3.6〜6.0μm、かつ示差走査熱量計により測定される湿熱下融点Tm(℃)が191〜200℃である炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体。
  2. 次の一般式(1)で示され、かつモル体積が50〜400cm/molであるビニル化合物を、アクリロニトリル100モル部に対して0.1〜1.5モル部共重合してなる請求項1に記載の炭素繊維前駆体繊維用ポリアクリロニトリル系重合体。
    Figure 2007113154
    (一般式(1)中、R1〜R6は水素、炭素、窒素、酸素、もしくは硫黄原子よりなる原子団より構成される)
  3. さらに耐炎化促進成分を、アクリロニトリル100モル部に対して0.1〜1.0モル部共重合してなる請求項2に記載の炭素繊維前駆体繊維用アクリロニトリル系重合体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリアクリロニトリル系重合体を、湿式または乾湿式法により紡糸し、乾燥熱処理後、スチーム延伸する炭素繊維前駆体繊維の製造方法であって、前記Tm(℃)、乾燥熱処理の温度Td(℃)およびスチーム延伸の温度Ts(℃)が次の式(2)および式(3)を満たす炭素繊維前駆体繊維の製造方法。
    (Tm−30)≦Td≦(Tm−10) (2)
    (Tm−50)≦Ts≦(Tm−30) (3)
  5. 請求項4に記載の方法で製造された炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の空気中において延伸比0.90〜1.20で耐炎化処理した後、300〜800℃の不活性雰囲気中において延伸比1.00〜1.30で予備炭化処理し、1000〜2000℃の不活性雰囲気中において延伸比0.97〜1.10で炭化処理する炭素繊維の製造方法。
  6. 請求項4に記載の方法で製造された炭素繊維前駆体繊維を、200〜300℃の空気中において延伸比0.90〜1.20で耐炎化処理した後、300〜800℃の不活性雰囲気中において延伸比1.00〜1.30で予備炭化処理し、1000〜2000℃の不活性雰囲気中において延伸比0.97〜1.10で炭化処理し、さらに2000〜3000℃の不活性雰囲気中において延伸比1.00〜1.20で黒鉛化処理する黒鉛化繊維の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101876267B1 (ko) * 2016-07-04 2018-07-11 재단법인 포항산업과학연구원 탄소섬유 전구체의 불융화 방법, 이를 포함하는 탄소섬유 제조방법, 및 불융화된 탄소섬유 전구체
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