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JP2008308777A - 炭素繊維、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法 - Google Patents

炭素繊維、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法 Download PDF

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JP2008308777A
JP2008308777A JP2007155977A JP2007155977A JP2008308777A JP 2008308777 A JP2008308777 A JP 2008308777A JP 2007155977 A JP2007155977 A JP 2007155977A JP 2007155977 A JP2007155977 A JP 2007155977A JP 2008308777 A JP2008308777 A JP 2008308777A
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spinning
carbon fiber
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JP2007155977A
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Masashi Ise
昌史 伊勢
Kengo Hayashida
賢吾 林田
Makoto Endo
真 遠藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】
生産性とプロセス性を損なうことなく、圧縮強度および引張弾性率の優れた炭素繊維を製造する方法を提供する。
【解決手段】
湿式紡糸法により、紡糸口金から吐出させ紡糸する紡糸工程と、該紡糸工程で得られた繊維を乾燥熱処理する乾燥熱処理工程と、該乾燥熱処理工程で得られた繊維をスチーム延伸するスチーム延伸工程とからなる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、極限粘度が2.0乃至10.0であるポリアクリロニトリル系重合体を含み、かつ、該ポリアクリロニトリル系重合体の濃度が5乃至25重量%である紡糸原液を、下記式を満足する吐出線速度で紡糸口金から吐出させ紡糸することを特徴とする炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
16≦V<350×C^(−0.8)
V:紡糸口金からの吐出線速度(m/分)
C:紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度(重量%)
【選択図】 なし

Description

本発明は、圧縮強度および引張弾性率に優れた炭素繊維、および、その製造方法に関する。更に、本発明は、前記炭素繊維の製造に用いられる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法に関する。
炭素繊維は、その優れた力学特性および電気特性から、さまざまな用途に利用されている。近年では、従来のゴルフクラブや釣竿などのスポーツ用途や航空機用途に加え、自動車部材、圧縮天然ガス(CNG)用タンク、建造物の耐震補強部材および船舶部材などいわゆる一般産業用途への展開が進み、それに伴い、求められる力学特性のレベルも高まっている。例えば、航空機用途では、軽量化のため構造部材の多くが炭素繊維強化プラスチックに置き換えられつつあり、そのため圧縮強度と引張弾性率が高いレベルで両立した炭素繊維が求められている。
炭素繊維は、工業的には、ポリアクリロニトリルなどの重合体からなる前駆体繊維を、200乃至300℃の温度の空気中で熱処理する耐炎化工程、および、前記耐炎化工程で得られた耐炎化繊維を300乃至3,000℃の温度の不活性雰囲気中で熱処理する炭化工程を経て製造される。一般に、前記炭化工程における最高温度を高くするほど、得られる炭素繊維の引張弾性率は高くできるものの、黒鉛結晶の成長に伴い、得られる炭素繊維の圧縮強度は低下する。すなわち、炭素繊維の引張弾性率と圧縮強度とは、トレードオフの関係にある。このトレードオフの関係をうち破るため、炭化温度の制御以外で、圧縮強度および引張弾性率を高める技術について、これまでいくつかの提案がなされている。
炭素繊維の圧縮強度を向上させる技術としては、例えば、炭素繊維にイオン注入を施し、黒鉛結晶を非晶化する技術や、用いられる前駆体繊維の横断面形状を非円形化し、断面二次モーメントを増加させる技術が提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。しかしながら、前者の提案は、炭素繊維を高真空下において少量ずつでしか処理できず、また、後者の提案は、安定した断面形状を維持することが難しく、最終的な製品の均一性の面で問題があり、いずれの提案も工業的に適用することは困難である。
炭素繊維の引張弾性率を向上させるためには、焼成時に繊維を延伸することにより、得られる炭素繊維の配向度を高めることが有効であることが知られている。しかし、単に延伸倍率を高めるだけでは、毛羽の発生や糸切れを誘発し、操業性の低下や、得られる炭素繊維の品位の低下が避けられない。焼成条件を制御することにより、延伸の安定化を図る技術も提案されている(特許文献3および特許文献4参照)。しかし、その延伸レベルは高いとは言えず、延伸による引張弾性率の向上効果もわずかである。
用いられる前駆体繊維の酸素透過性を向上させ、耐炎化工程における単繊維内の反応を均一化することにより、得られる炭素繊維の引張弾性率を高くする技術が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、この提案によれば、確かに引張弾性率の向上効果が認められるものの、酸素透過性を高めるために、1.5%を超える多くの共重合成分を用いており、そのため前駆体繊維の耐熱性が低下してしまうと云う問題がある。耐熱性の低下は、製糸工程における乾燥熱処理工程やスチーム延伸工程、耐炎化や炭化のような焼成工程における単繊維同士の接着発生の増加を誘起し、操業性や得られる炭素繊維の引張強度や圧縮強度を低下させる。
特開平3−180514号公報 特開平3−185121号公報 特開2004−91961号公報 特開2004−197278号公報 特開平2−84505号公報
本発明の目的は、生産性およびプロセス性を損なうことなく、圧縮強度と引張弾性率が共に優れた炭素繊維とその製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、前記炭素繊維の製造に用いられる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法は、湿式紡糸法により、紡糸口金から吐出させ紡糸する紡糸工程と、該紡糸工程で得られた繊維を乾燥熱処理する乾燥熱処理工程と、該乾燥熱処理工程で得られた繊維をスチーム延伸するスチーム延伸工程とからなる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、極限粘度が2.0乃至10.0であるポリアクリロニトリル系重合体を含み、かつ、該ポリアクリロニトリル系重合体の濃度が5乃至25重量%である紡糸原液を、下記式を満足する吐出線速度で紡糸口金から吐出させ紡糸することを特徴とする炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
16≦V<350×C^(−0.8)
V:紡糸口金からの吐出線速度(m/分)
C:紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度(重量%)
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、前記ポリアクリロニトリル系重合体の示差走査熱量計により測定される湿熱下融点Tmが、186乃至200℃であることが好ましい。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、前記ポリアクリロニトリル系重合体が、アクリロニトリルと共重合可能な成分を含む共重合体であり、該共重合可能な成分の量が、0.1乃至0.5mol%であることが好ましい。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、前記炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の単繊維繊度が、0.7乃至1.0dtexであることが好ましい。
上記の目的を達成するための本発明の炭素繊維の製造方法は、前記炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法により製造された炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を、200乃至300℃の温度の空気中において延伸比0.80乃至1.20で延伸しながら耐炎化する耐炎化工程と、該耐炎化工程で得られた繊維を、300乃至800℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比1.00乃至1.30で延伸しながら予備炭化する予備炭化工程と、該予備炭化工程で得られた繊維を、1,000乃至2,000℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比0.96乃至1.05で延伸しながら炭化する炭化工程とからなる。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法により製造された炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を用いることにより、炭素繊維製造工程における生産性とプロセス性を損なうことなく、炭素繊維製造工程における繊維の高延伸を安定して実現することができる。その結果、圧縮強度、引張弾性率、更には、引張強度、および、品位の優れた炭素繊維を低コストで製造することができる。
本発明者らは、特定範囲の極限粘度を有するポリアクリロニトリル系重合体を、特定範囲の重合体濃度に調整した紡糸原液とし、該紡糸原液を特定範囲の吐出線速度で紡糸口金から吐出させ紡糸することにより製造した炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維が、炭素繊維を製造するための焼成工程における高い延伸性を有することを見出し、本発明に到達した。
すなわち、第1に、極限粘度を高める、すなわち、分子量を大きくすることにより分子鎖を長くし、繊維軸方向の分子同士のつながりを強化し、第2に、紡糸原液のポリアクリロニトリル系重合体濃度を制御することにより、分子間のからみ合い、すなわち、分子同士のつながりを強化し、そして、第3に、紡糸口金からの紡糸原液の吐出線速度を制御することにより、分子間のからみ合いを解消することなく紡糸原液を繊維化することによって、炭素繊維を製造するための焼成工程における延伸時の繊維の破断を抑制できることを見出したものである。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法は、湿式紡糸法により、紡糸口金から吐出させ紡糸する紡糸工程と、該紡糸工程で得られた繊維を乾燥熱処理する乾燥熱処理工程と、該乾燥熱処理工程で得られた繊維をスチーム延伸するスチーム延伸工程とからなる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、極限粘度が2.0乃至10.0であるポリアクリロニトリル系重合体を含み、かつ、該ポリアクリロニトリル系重合体の濃度が5乃至25重量%である紡糸原液を、前記ポリアクリロニトリル系重合体の前記紡糸口金からの吐出線速度が、下記式を満足する吐出線速度で紡糸口金から吐出させ紡糸することを特徴とするものである。
16≦V<350×C^(−0.8)
V:紡糸口金からの吐出線速度(m/分)
C:紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度(重量%)
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法に用いられるポリアクリロニトリル系重合体は、極限粘度が2.0乃至10.0である必要がある。より好ましい極限粘度は、2.3乃至8.0であり、更に好ましい極限粘度は、2.5乃至6.0である。
極限粘度が2.0を下回るような低分子量のポリアクリロニトリル系重合体の場合、繊維軸方向の分子同士のつながりが低下するため、焼成工程における延伸性を向上させると云う本発明の効果が減少する。また、極限粘度は高い方が好ましいが、10.0を超えるような高分子量のポリアクリロニトリル系重合体を得るのは、紡糸原液のゲル化が顕著となるため、事実上困難である。ポリアクリロニトリル系重合体の極限粘度は、重合時のモノマー、開始剤および連鎖移動剤などの量を変えることにより制御することができる。具体的には、重合開始時のモノマー濃度を高くする、開始剤濃度を低くする、連鎖移動剤の濃度を少なくすることにより、極限粘度を高めることができる。なお、本発明においてポリアクリロニトリル系重合体とは、少なくともアクリロニトリルが重合体骨格の主構成成分となっているものをいい、主構成成分とは、通常、重合体骨格の95乃至100mol%を占めることを言う。
本発明に用いられるポリアクリロニトリル系重合体の示差走査熱量計(以下、DSCと略すことがある。)により測定される湿熱下融点Tmは、186乃至200℃であることが好ましく、より好ましくは188乃至198℃であり、更に好ましくは190乃至195℃である。湿熱下融点Tmが186℃を下回ると、単繊維間の接着が顕著となり、結果として焼成工程における延伸性が向上すると云う本発明の効果を得にくくなることがある。また、湿熱下融点Tmが200℃を超えると、スチーム延伸の際に、より高温、すなわち、より高圧力のスチームが必要となり、その高圧力による繊維の破断が顕著となるため、結果として生産性の低下、得られる炭素繊維の品位、力学物性の低下が生じることがある。
湿熱下融点Tmとは、アクリロニトリル系重合体の水共存下における融点であり、後述の方法で測定される。
湿熱下融点Tmは、主に用いられるポリアクリロニトリル系重合体中の共重合可能な成分の種類および該成分の量などで制御することができる。湿熱下融点Tmは、一般に、共重合可能な成分の量が多いほど低下する傾向にあるが、その低下の度合いは、共重合可能な成分の種類により異なる。該成分の量は、好ましくは0.5mol%以下であり、より好ましくは0.4mol%以下であり、更に好ましくは0.3mol%以下である。耐炎化反応を、速やかに進める目的から、少なくとも0.1mol%以上の耐炎化促進成分を共重合可能な成分として共重合させることが好ましい。
係る共重合可能な成分により、炭素繊維と成すための焼成時に効果的に耐炎化を促進することや、延伸性といった製糸プロセス性を改善することが可能である。
共重合可能な成分として、耐炎化を促進する目的としては、例えば、カルボキシル基またはアミド基を一つ以上有するものが好ましく用いられる。該成分の共重合量を多くするほど、耐炎化反応が促進され、短時間で耐炎化処理でき、生産性を高める目的から好ましい。しかしながら一方で、該成分の共重合量が多くなるほど、湿熱下融点Tmが低下したり、発熱速度が大きくなり、暴走反応の危険が生じることがある。従って、共重合量は、0.5mol%を超えない範囲とすることが好ましい。共重合量は、より好ましくは0.1乃至0.4mol%であり、更に好ましくは0.1乃至0.3mol%である。
耐炎化促進するための共重合可能な成分の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、エタクリル酸、マレイン酸、メサコン酸、アクリルアミドおよびメタクリルアミドがある。湿熱下融点Tmの低下を防止すると云う目的からは、耐炎化促進効果の高いモノマーを少量用いることが好ましく、アミド基よりもカルボキシル基を有する成分を用いることが好ましい。
また、含有されるアミド基とカルボキシル基の数は、1つよりも2つ以上であることがより好ましく、その観点からは、耐炎化を促進するための共重合可能な成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、シトラコン酸、エタクリル酸、マレイン酸およびメサコン酸が好ましく、イタコン酸、マレイン酸およびメサコン酸がより好ましく、中でも、イタコン酸が最も好ましい。
本発明において、製糸延伸性を向上させる目的から、アクリレートやメタクリレートなどを、共重合可能な成分として用いても良い。しかし、湿熱下融点Tmの低下を防止すると云う目的からは、アクリロニトリル以外の共重合可能な成分のトータル量は、0.5mol%を超えないことが好ましく、0.4mol%を超えないことがより好ましく、0.3mol%を超えないことが更に好ましい。
本発明で用いられるポリアクリロニトリル系重合体を製造する重合方法としては、溶液重合、懸濁重合、および、乳化重合など公知の重合方法を選択することができるが、共重合成分を均一に重合する目的からは、溶液重合を用いることが好ましい。
溶液重合で用いられる溶液としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどのポリアクリロニトリルが可溶な溶媒を用いることが好ましい。中でも、生成したポリアクリロニトリル系重合体の溶解性の観点から、ジメチルスルホキシドが好ましく用いられる。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法には、前記したポリアクリロニトリル系重合体の溶液が紡糸原液として用いられる。前記ポリアクリロニトリル系重合体を、ジメチルスルホキシド、ジメチルフォルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどのポリアクリロニトリルが可溶な溶媒に溶解し、紡糸原液とする。溶液重合を用いる場合、重合に用いられる溶媒と紡糸に用いられる溶媒(紡糸溶媒)とを同じものにしておくと、得られたポリアクリロニトリル系重合体を分離し紡糸溶媒に再溶解する工程が不要となるので好ましい。
紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度は、5乃至25重量%であることが必須である。濃度は、8乃至23重量%であることが好ましく、14乃至21重量%であることがより好ましい。重合体濃度が5重量%を下回ると、紡糸原液中における分子間のからみ合いが低下し、紡糸して得られる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の半径方向の分子同士のつながりが弱くなり、本発明の焼成工程における延伸性が向上すると云う効果を得られない。重合体濃度は高いほど、前記した分子同士のつながりが強くなり好ましいが、25重量%を超えると、紡糸原液のゲル化が顕著となり、安定した紡糸が困難となる。重合体濃度は、ポリアクリロニトリル系重合体に対する、紡糸溶媒の割合により調整することができる。
本発明では、高強度な炭素繊維を得るため、かかる紡糸原液を紡糸する前に目開き1μm以下のフィルターに通し、ポリアクリロニトリル系重合体原料および各工程において混入した不純物を除去することが好ましい。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、紡糸原液は、湿式紡糸法により紡糸口金から吐出され、凝固浴に導入されて凝固し、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を形成する。ここで湿式紡糸法は、紡糸口金を凝固浴中に配置し、紡糸原液を、直接凝固浴に導入する紡糸法のことを言い、一旦、空気中に吐出した後、凝固浴に導入する、いわゆる乾湿式紡糸法は含まない。
本発明において、紡糸口金から紡糸原液を吐出する際の吐出線速度V(m/分)は、紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度をC(重量%)とすると、下記式を満足することが必須である。
16≦V<350×C^(−0.8)
本発明において、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の焼成工程での延伸性を高めると云う目的からは、吐出線速度は小さいほど好ましく、吐出線速度が上記式の上限を超えると、焼成工程において明確な延伸性向上効果が得られないが、その上限は、紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度に応じて異なる。また、吐出線速度を小さくしていくと、吐出時の安定性が低下し、繊度ムラや糸切れなどが発生しやすくなり、吐出線速度が16m/分を下回ると安定して製糸することが困難となる。
吐出線速度を、紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度に応じて特定の範囲に制御することにより、焼成工程での延伸性が向上する理由については、必ずしも明確ではないが、次のように推定される。吐出線速度を小さくすると、吐出時の紡糸口金の吐出孔におけるせん断速度が小さくなり、それに伴い、吐出時のせん断による分子間のからみ合いの解消が抑制されると考えられる。従って、前記した特定範囲に極限粘度と重合体濃度を制御することにより、分子間に適度な絡み合いを持たせた状態が、吐出によって大きく変化することなく、そのまま繊維構造に反映されるためと考えられる。分子間に適度な絡み合いを持たせたポリアクリロニトリル系重合体からなる繊維を前駆体繊維として用いることにより、焼成工程における分子間および結晶子間のつながりを発達させることができ、焼成工程における延伸性が向上しているものと考えられる。紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度が高いほど、吐出線速度の上限を小さくした方が良い理由は、該濃度が高いほど分子間の絡み合いが強いため、吐出時のせん断の影響がより大きくなるためと考えられる。
従来、吐出線速度と引き取り速度との比であるドラフトを特定範囲に制御することにより、製糸工程におけるプロセス性や、得られる炭素繊維の引張強度を向上させる技術は知られていた。しかしながら、本発明者らは、焼成工程における延伸性を向上させると云う課題に対して、ドラフトのような吐出後の状態を制御するのではなく、吐出前の状態を制御することが効果的であることを見出したのである。
吐出線速度は、紡糸原液の紡糸口金からの吐出量をA(ml/分)、紡糸口金の吐出孔径をd(mm)、吐出孔数をnとすると、次のように定義される。
吐出線速度(m/分)=A/((d/2)×π×n)
従って、一定のフィラメント数の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束を製造する場合、吐出線速度は、吐出量を変更するか、および/または、吐出孔径を変更することにより、任意の値に設定することができる。吐出量の増減は、得られる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の単繊維繊度や、製糸設備の生産性の増減につながる場合があるため、必要な吐出量に合わせて、適切な吐出孔径を設定することが、より好ましい。
本発明において、紡糸工程において用いられる凝固浴には、紡糸原液の溶媒として用いたジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどの溶媒と、いわゆる凝固促進成分を含ませることが好ましい。凝固促進成分としては、ポリアクリロニトリル系重合体を溶解せず、かつ、紡糸原液に用いる溶媒と相溶性があるものを使用することができる。具体的には、凝固促進成分として水を使用することが好ましい。
紡糸口金から紡糸された多数本のフィラメントからなる繊維束を凝固浴中に導入して各フィラメントを凝固せしめた後、常法に従い水洗工程、浴中延伸工程、油剤付与工程、乾燥熱処理工程、および、スチーム延伸工程を経て、炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維が得られる。
ただし、凝固浴から導出された繊維束を、水洗工程を省略して、直接浴中延伸工程に導入しても良いし、溶媒を水洗工程において除去した後に浴中延伸工程に導入しても良い。かかる浴中延伸は、通常、30乃至98℃の温度に維持された単一または複数の延伸浴中で行うことが好ましい。該浴中延伸温度は、より好ましくは50〜95℃、さらにこのましくは、70〜95℃である。延伸倍率は、1乃至5倍であることが好ましく、2乃至4倍であることがより好ましい。
浴中延伸工程の後、単繊維同士の接着を防止する目的から、繊維束にシリコーン等からなる油剤を付与することが好ましい。かかるシリコーン油剤は、変性されたシリコーンを用いることが好ましい。シリコーン油剤として、耐熱性の高いアミノ変性シリコーンを含有する油剤を用いることができる。
乾燥熱処理の温度は、120乃至200℃であることが好ましく、130乃至198℃であることがより好ましく、140乃至195℃であることが更に好ましい。乾燥熱処理の温度が160℃を下回ると、得られる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の緻密性が不十分となり、本発明の効果が得にくくなる場合がある。また、乾燥熱処理の温度が200℃を超えると、単繊維間の融着が顕著となり、得られる炭素繊維の引張強度が低下することがある。
乾燥熱処理は、繊維束を加熱されたローラーに接触させて行っても、加熱された雰囲気中を走行させて行っても良いが、乾燥効率と云う観点からは、加熱されたローラーに接触させ行うのが好ましい。
スチーム延伸は、加圧スチーム中において、繊維束を、好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上、更に好ましくは5倍以上延伸することにより行われる。水洗工程、浴中延伸工程、および、スチーム延伸工程の全体に亘る延伸倍率(トータル延伸倍率)は、得られる炭素繊維の力学物性を高める目的から、8乃至15倍であることが好ましい。トータル延伸倍率は、より好ましくは10乃至14.5倍であり、更に好ましくは11乃至14倍である。トータル延伸倍率が8倍を下回ると、得られる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の配向度が低下し、続く炭素繊維を製造するための焼成工程において、高い延伸性が得られないことがある。また、トータル延伸倍率が15倍を超えると、延伸中におけるフィラメント切れが顕著となり、得られる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維および炭素繊維の品位が低下することがある。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の単繊維繊度は、0.7乃至1.0dtexであることが好ましい。単繊維繊度が0.7dtexを下回ると、製糸工程における可紡性低下により操業性が低下したり、吐出孔数当たりの生産性が低下し、コストアップが顕著となることがある。一方、単繊維繊度が1.0dtexを超えると、得られる耐炎化繊維束を形成している各フィラメントおける内外構造差が顕著となり、得られる炭素繊維の引張強度とストランド引張弾性率が低下することがある。該単繊維繊度は、前述した紡糸口金からの紡糸原液吐出量や製糸工程における延伸倍率などにより調整てきる。
炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束を形成するフィラメントの本数は、好ましくは1,000乃至3,000,000、より好ましくは6,000乃至3,000,000、更に好ましくは12,000乃至2,500,000、最も好ましくは24,000乃至2,000,000である。フィラメントの本数は、生産性の向上の目的からは、1,000以上で多い方が好ましいが、3,000,000を超えると炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束の内部まで均一に耐炎化処理できないことがある。
次に、本発明の炭素繊維の製造方法について説明する。
本発明の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法で製造された炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維は、200乃至300℃の温度の空気中において耐炎化した後、300乃至800℃の温度の不活性雰囲気中において予備炭化し、1,000乃至2,000℃の温度の不活性雰囲気中において炭化することにより、炭素繊維とすることができる。
200乃至300℃の温度の空気中において耐炎化する際の延伸比は、0.80乃至1.20であることが好ましく、0.85乃至1.20であることがより好ましく、0.90乃至1.10であることが更に好ましい。延伸比が0.80を下回ると、得られる耐炎化繊維の配向度が不十分となり、また、得られる炭素繊維のストランド引張弾性率が低下することがある。また、延伸比が1.20を超えると、毛羽発生、糸切れ発生により、プロセス性が低下することがある。
前記耐炎化の処理時間は、10乃至100分の範囲で適宜選択することができるが、続く予備炭化のプロセス性、および、得られる炭素繊維の力学物性向上の目的から、得られる耐炎化繊維の比重が1.3乃至1.38の範囲となるように設定することが好ましい。
予備炭化、および、炭化は、不活性雰囲気中で行なわれるが、用いられる不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン、および、キセノンなどが用いられる。経済的な観点からは、窒素が好ましく用いられる。
予備炭化工程は炉外温度から予備炭化炉内の最高温度までの温度勾配を有するが、該最高温度は、700乃至900℃であることが好ましく、本工程における300℃から500℃までの温度領域では、被熱処理糸条の昇温速度が、500℃/分以下に設定されることが好ましい。
予備炭化を行う際の延伸比は、1.00乃至1.30であることが好ましく、1.10乃至1.30であることがより好ましく、1.10乃至1.20であることが更に好ましい。延伸比が1.00を下回ると、得られる予備炭化繊維の配向度が不十分となり、炭素繊維のストランド引張弾性率が低下することがある。また、延伸比が1.30を超えると、毛羽発生や糸切れ発生により、プロセス性が低下することがある。
炭化の温度は、1,000乃至2,000℃であることが好ましく、1,200乃至1800℃であることがより好ましく、1,300乃至1,600℃であることが更に好ましい。炭化の最高温度が高いほど、ストランド引張弾性率は高まるものの、黒鉛化が進行し、結晶サイズが高まり、その結果、圧縮強度の低下が生じることがあるので、両者のバランスを勘案して、炭化の温度を設定する。
炭化を行う際の延伸比は、0.96乃至1.05であることが好ましく、0.97乃至1.05であることがより好ましく、0.98乃至1.03であることが更に好ましい。延伸比が0.96を下回ると、得られる炭素繊維の配向度や緻密性が不十分となり、ストランド引張弾性率が低下することがある。また、延伸比が1.05を超えると、毛羽発生や糸切れ発生により、プロセス性が低下することがある。
得られた炭素繊維は、その表面を改質するために、電解処理されても良い。電解処理に用いられる電解液としては、硫酸、硝酸および塩酸等の酸性溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、炭酸アンモニウムおよび重炭酸アンモニウムのようなアルカリまたはそれらの塩の水溶液を使用することができる。電解処理に要する電気量は、適用する炭素繊維の炭化度に応じて、適宜選択することができる。
かかる電解処理により、得られる複合材料において、炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性が適正化でき、接着が強すぎることによる複合材料のブリトルな破壊や、繊維方向の引張強度が低下する問題や、繊維方向における引張強度は高いものの、樹脂との接着性に劣り、非繊維方向における強度特性が発現しないと云うような問題が解消され、得られる複合材料において、繊維方向と非繊維方向の両方向にバランスのとれた強度特性が発現されるようになる。
かかる電解処理の後、得られた炭素繊維に集束性を付与するため、サイジング処理をすることができる。サイジング剤としては、複合材料に使用されるマトリックス樹脂の種類に応じて、マトリックス樹脂との相溶性の良いサイジング剤を適宜選択することができる。
本発明により得られる炭素繊維は、高い圧縮強度およびストランド引張弾性率を有する。従って、本発明の炭素繊維は、プリプレグを用いたオートクレーブ成形法、織物などのプリフォームを用いたレジントランスファーモールディング成形法、フィラメントワインディング成形法などの種々の成形法に適用可能であり、これらの成形法を用いた、航空機部材、圧力容器部材、自動車部材、釣り竿およびゴルフシャフトなどのスポーツ部材の成形に、好適に用いられる。
本明細書に記載の各種物性値の測定方法は、次の通りである。
<極限粘度>
120℃の温度で2時間熱処理し乾燥したポリアクリロニトリル系重合体150mgを、60℃の温度において、50mlのチオシアン酸ナトリウム0.1mol/リットル添加ジメチルフォルムアミドに溶解する。得られた溶液について、25℃の温度においてオストワルド粘度計を用いて標線間の落下時間を1/100秒の精度で測定する。測定した落下時間をt(秒)とする。同様に、ポリアクリロニトリル系重合体を溶解していないチオシアン酸ナトリウム0.1mol/リットル添加ジメチルフォルムアミドについても測定し、その落下時間をt0(秒)とする。次式を用いて、極限粘度[η]を算出する。
[η]={(1+1.32×ηsp)(1/2)―1}/0.198
ηsp=(t/t0)−1
上記測定を3回行い、その算術平均を、そのポリアクリロニトリル系重合体の極限粘度[η]とする。
なお、後述の実施例および比較例においては、上記チオシアン酸ナトリウム、および、ジメチルフォルムアミドとして、いずれも和光純薬社製特級を用いた。
<湿熱下融点Tm>
測定に供するポリアクリロニトリル系重合体を、液体窒素中で凍結粉砕した後、目開き0.5mmの篩いを通し該重合体の粉体を得る。得られた粉体を5mg精秤し、DSC測定用サンプルを用意する。用意したサンプルを、耐圧2MPa以上の密閉可能なDSC用サンプルパンに、5mgの純水とともに密封する。次いで、このサンプルパンを用いて、10℃/分の昇温速度で、室温から220℃の温度までDSCを測定し、150乃至200℃の温度付近に現れる吸熱ピークの頂点に対応する温度を読み取り、湿熱下融点Tm(℃)とする。上記測定を3回行い、その算術平均を、そのポリアクリロニトリル系重合体の湿熱下融点Tmとする。
なお、後述の実施例および比較例においては、上記DSC用サンプルパンとして、メトラー社製DSC用中圧パンME29990(耐圧2MPa)を用い、上記DSCの測定装置として、ブルカー社製DSC3100SAを用いた。
<紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体濃度>
測定に供する紡糸原液約10gを、その太さが2mm以下となるように水中に滴下し、凝固させる。凝固させた重合体を80℃の流水中で4時間洗浄する。洗浄した重合体を、熱風乾燥機により、120℃で2時間乾燥する。水中に滴下した紡糸原液の重量をA(g)、洗浄、乾燥後の重合体の重量をB(g)とし、次式により、紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体濃度(%)を求める。
紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体濃度(%)=B/A×100
上記測定を3回行い、その算術平均を、その紡糸原液のポリアクリロニトリル系重合体濃度とする。
<耐炎化繊維比重>
耐炎化繊維の比重は、JIS R7601(1986)記載の方法に従い、液置換法により測定する。浸せき液は、エタノールを精製せずに用いる。1.0乃至1.5gの耐炎化繊維を採取し、熱風乾燥機を用い、空気中120℃の温度で2時間乾燥する。乾燥質量A(g)を測定した後、比重既知(比重ρ)のエタノールに浸せきし、エタノール中の繊維質量B(g)を測定し、次式により、耐炎化繊維比重を求める。
耐炎化繊維比重=(A×ρ)/(A−B)
上記測定を3回行い、その算術平均を、その耐炎化繊維の比重とする。
なお、後述の実施例および比較例においては、上記エタノールとして、和光純薬社製特級を用いた。

<炭素繊維比重>
炭素繊維の比重は、JIS R7601(1986)記載の方法に従い、液置換法により測定する。浸せき液は、オルトジクロロベンゼンを精製せずに用いる。1.0乃至1.5gの炭素繊維を採取し、該炭素繊維の重量を精秤し、繊維質量A(g)とする。引き続き、該炭素繊維を比重既知(比重ρ)のオルトジクロロベンゼンに浸せきし、オルトジクロロベンゼン中の繊維質量B(g)を測定し、次式により、炭素繊維比重を求める。
炭素繊維比重=(A×ρ)/(A−B)
上記測定を3回行い、その算術平均を、その炭素繊維の比重とする。
なお、後述の実施例および比較例においては、上記オルトジクロロベンゼンとして、和光純薬社製特級を用いた。
<炭素繊維のストランド引張強度および引張弾性率>
炭素繊維のストランド引張弾性率は、JIS R7601(1986)「樹脂含浸ストランド試験法」に従って求める。なお、試験片は、次の樹脂組成物を炭素繊維に含浸し、130℃で35分熱処理の硬化条件により作製した。
樹脂組成:3、4−エポキシシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシ−シクロヘキサン−カルボキシレート(100重量部)/3フッ化ホウ素モノエチルアミン(3重量部)/アセトン(4重量部)
また、ストランドの測定本数は6本とし、各測定結果の算術平均値を、その炭素繊維のストランド引張強度およびストランド引張弾性率とする。
なお、後述の実施例および比較例においては、上記3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−シクロヘキサン−カルボキシレートとして、ユニオンカーバイド(株)製、“BAKELITE(登録商標)”ERL4221を用いた。
<炭素繊維の結晶サイズ>
測定に供する炭素繊維を引き揃え、コロジオン・アルコール溶液を用いて固めることにより、長さ4cm、1辺の長さが1mmの四角柱の測定試料を用意する。用意された測定試料について、広角X線回折装置を用いて、次の条件により測定を行う。
・X線源:CuKα線(管電圧40kV、管電流30mA)
・検出器:ゴニオメーター+モノクロメーター+シンチレーションカウンター
・走査範囲:2θ=10乃至40°
・走査モード:ステップスキャン、ステップ単位0.02°、計数時間2秒。
得られた回折パターンにおいて、2θ=25乃至26°付近に現れるピークについて、半値幅を求め、この値から、次のシェラー(Scherrer)の式により結晶サイズを算出する。
結晶サイズ(nm)=Kλ/βcosθ
但し、
K:1.0、λ:0.15418nm(X線の波長)
β:(β −β 1/2
β:見かけの半値幅(測定値)rad、β:1.046×10−2rad
θ:Braggの回析角。
上記測定を3回行い、その算術平均を、その炭素繊維の結晶サイズとする。
なお、後述の実施例および比較例においては、上記広角X線回折装置として、島津製作所製XRD-6100を用いた。
<炭素繊維の平均単繊維径>
測定する多数本の炭素フィラメントからなる炭素繊維束について、単位長さ当たりの重量A(g/m)および比重B(g/cm)を求める。測定する炭素繊維束のフィラメント数をCとし、炭素繊維の平均単繊維径(μm)を、下記式で算出する。
炭素繊維の平均単繊維径(μm)
=((A/B/C)/π)(1/2)×2×10
上記測定を3回行い、その算術平均を、その炭素繊維の平均単繊維径とする。
包括的実施例:
アクリロニトリルと表1に示した共重合量(mol%)の共重合可能な成分とを、ジメチルスルホキシドを溶媒とし、2,2'-アゾビスイソブチロニトリルを開始剤としたラジカル重合により共重合させ、表1に示した極限粘度を有するポリアクリロニトリル系共重合体(以下、単に、ポリアクリロニトリル系重合体と記載する場合がある)を製造した。製造されたポリアクリロニトリル系重合体について、湿熱下融点Tm(℃)を測定した。測定結果を表1に示す。
得られたポリアクリロニトリル系重合体の紡糸原液中における重合体濃度(重量%)が表1に示す値となるように、重合体濃度を調製した後、アンモニアガスをpHが8.5になるまで吹き込むことにより、イタコン酸を中和しつつ、アンモニウム基をポリアクリロニトリル系共重合体に導入し、紡糸原液を作製した。
得られた紡糸原液を、目開き0.5μmのフィルターを通過させた後、紡糸原液の温度を65℃に維持して、吐出孔数6,000の紡糸口金から、紡糸原液を温度60℃にコントロールした60重量%ジメチルスルホキシドの水溶液からなる凝固浴に導入し、凝固した繊維束を製造した。この際、表1に示す吐出線速度(m/分)となるように紡糸原液の吐出量を設定した。得られた繊維束を、常法により水洗した後、温水中で3.5倍に延伸し、更に、アミノ変性シリコーン系シリコーン油剤を付与した。
得られた延伸繊維束を、温度140℃に加熱したローラーに接触させて走行させ、乾燥熱処理を行った。次いで、温度140乃至170℃の加圧スチーム中で、3.7倍延伸し、トータル延伸倍率13倍、単繊維繊度0.73dtex、フィラメント数6,000のポリアクリロニトリル系前駆体繊維を得た。得られたポリアクリロニトリル系前駆体繊維について、極限粘度、湿熱下融点(℃)を測定した。測定結果を表1に示す。
次に、得られたポリアクリロニトリル系前駆体繊維を4本合糸し、トータルフィラメント数を24,000の炭素繊維製造用の前駆体繊維束を作成した。前駆体繊維束を、温度240乃至260℃の空気中において、延伸比1.0で延伸しながらで耐炎化処理し、比重1.35の耐炎化繊維束を得た。得られた耐炎化繊維束を、温度300乃至700℃の窒素雰囲気中において、延伸比1.15で延伸しながら予備炭化処理を行い、予備炭化繊維束を得た。
得られた予備炭化繊維束を、最高温度1,500℃の窒素雰囲気中において、延伸比を0.960から0.001ずつ上げていき、糸切れが生じない最高の延伸比、すなわち、炭化限界延伸比を見出し、この炭化限界延伸比において、予備炭化繊維束の炭化処理を行い炭素繊維束を得た。炭化限界延伸比は、表2に示す。
[実施例1]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例1の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を424ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.06mmとした。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、および、結晶サイズ(nm)を測定した。各測定結果を表2に示す。
[実施例2]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例2の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、および、結晶サイズ(nm)を測定した。各測定結果を表2に示す。
[実施例3]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例3の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、および、結晶サイズ(nm)を測定した。各測定結果を表2に示す。
[実施例4]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例4の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、および、結晶サイズ(nm)を測定した。各測定結果を表2に示す。
[実施例5]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例5の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、および、結晶サイズ(nm)を測定した。各測定結果を表2に示す。
[実施例6]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例6の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、および、結晶サイズ(nm)を測定した。各測定結果を表2に示す。
[比較例1]
モノマー濃度に対する開始剤濃度の比率を小さくすることにより、極限粘度を11.0としたこと以外は、実施例1と同様に製糸した。しかしながら、凝固工程での糸切れが多発し、安定した製糸ができなかった。
[比較例2]
紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体濃度を30%とし、吐出線速度を20m/分としたこと以外は、実施例1と同様に製糸した。しかしながら、凝固工程での糸切れが多発し、安定した製糸ができなかった。
[比較例3]
モノマー濃度に対する開始剤濃度の比率を大きくすることにより、極限粘度を1.6としたこと以外は、実施例1と同様に製糸し、焼成し、評価を行った。得られた結果を、表1および表2に示す。極限粘度を小さくすることにより、紡糸し、焼成して得られる予備炭化糸の炭化限界延伸比が低く、得られる炭素繊維のストランド引張弾性率も低くなることがわかった。
[比較例4]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を458ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.09mmに変更したことにより、吐出線速度を12m/分としたこと以外は、実施例1と同様に製糸を行った。しかしながら、凝固工程での糸切れが多発し、安定した製糸ができなかった。
[比較例5]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を679ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.06mmに変更したことにより、吐出線速度を40m/分としたこと以外は、実施例1と同様に製糸し、焼成し、評価を行った。得られた結果を、表1および表2に示す。吐出線速度を大きくすることにより、紡糸し、焼成して得られる予備炭化糸の炭化限界延伸比が低く、得られる炭素繊維のストランド引張弾性率も低くなることがわかった。
[比較例6]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を458ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.09mmに変更したことにより、吐出線速度を12m/分としたこと以外は、実施例2と同様に製糸を行った。しかしながら、凝固工程での糸切れが多発し、安定した製糸ができなかった。
[実施例7]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例7の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。なお、 紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を594ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.06mmに変更したことにより、吐出線速度を35m/分とした。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、および、結晶サイズ(nm)を測定した。各測定結果を表2に示す。
[比較例7]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を589ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.05mmに変更したことにより、吐出線速度を50m/分としたこと以外は、実施例2と同様に製糸し、焼成し、評価を行った。得られた結果を、表2に示す。吐出線速度を大きくすることにより、紡糸し、焼成して得られる予備炭化糸の炭化限界延伸比が低く、得られる炭素繊維のストランド引張弾性率も低くなることがわかった。
[比較例8]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を458ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.09mmに変更したことにより、吐出線速度を12m/分としたこと以外は、実施例5と同様に製糸を行った。しかしながら、凝固工程での糸切れが多発し、安定した製糸ができなかった。
[実施例8]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例8の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。なお、紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を471ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.05mmに変更したことにより、吐出線速度を40m/分とした。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、結晶サイズ(nm)、およびを測定した。各測定結果を表2に示す。
[実施例9]
上記包括的実施例において、表1および表2の実施例9の列に記載の条件を採用して、炭素繊維束を製造した。なお、紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を452ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.04mmに変更したことにより、吐出線速度を60m/分とした。得られた炭素繊維束について、ストランド引張強度(GPa)、ストランド引張弾性率(GPa)、比重、平均単繊維径(μm)、結晶サイズ(nm)、およびを測定した。各測定結果を表2に示す。
[比較例9]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を754ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.04mmに変更したことにより、吐出線速度を100m/分としたこと以外は、実施例5と同様に製糸し、焼成し、評価を行った。得られた結果を、表2に示す。吐出線速度を大きくすることにより、紡糸し、焼成して得られる予備炭化糸の炭化限界延伸比が低く、得られる炭素繊維のストランド引張弾性率も低くなることがわかった。
[比較例10]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を204ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.06mmに変更したことにより、吐出線速度を12m/分としたこと以外は、比較例3と同様に製糸を行った。しかしながら、凝固工程での糸切れが多発し、安定した製糸ができなかった。
[比較例11]
紡糸原液の紡糸口金からの吐出量を679ml/分、紡糸口金の吐出孔径を0.06mmに変更したことにより、吐出線速度を40m/分としたこと以外は、比較例3と同様に製糸し、焼成し、評価を行った。得られた結果を、表2に示す。ポリアクリロニトリル系重合体の極限粘度が小さいと、吐出線速度を大きくした場合の、紡糸し、焼成して得られる予備炭化糸の炭化限界延伸比の変化幅が小さいことがわかった。
Figure 2008308777
Figure 2008308777
ポリアクリロニトリル重合体の極限粘度が高く、かつ、紡糸原液中の該重合体の濃度に応じた特定の吐出線速度で紡糸し、焼成することにより、得られる予備炭化糸の炭化限界延伸比を高められ、同一炭化温度で焼成して得られる炭素繊維のストランド引張弾性率が高められることがわかった。
本発明によれば、生産性とプロセス性を損なうことなく、焼成工程での高延伸を安定して実現することができ、それにより圧縮強度、ストランド引張弾性率更には引張強度および品位の優れた炭素繊維を低コストで製造することができる。
本発明により得られる炭素繊維は、高い圧縮強度およびストランド引張弾性率を有する。従って、本発明の炭素繊維は、プリプレグを用いたオートクレーブ成形法、織物などのプリフォームを用いたレジントランスファーモールディング成形法、フィラメントワインディング成形法など種々の成形法に適用可能であり、これらの成形法を用いた、航空機部材、圧力容器部材、自動車部材、釣り竿およびゴルフシャフトなどのスポーツ部材の成形に、好適に用いられる。

Claims (5)

  1. 湿式紡糸法により、紡糸口金から吐出させ紡糸する紡糸工程と、該紡糸工程で得られた繊維を乾燥熱処理する乾燥熱処理工程と、該乾燥熱処理工程で得られた繊維をスチーム延伸するスチーム延伸工程とからなる炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法において、極限粘度が2.0乃至10.0であるポリアクリロニトリル系重合体を含み、かつ、該ポリアクリロニトリル系重合体の濃度が5乃至25重量%である紡糸原液を、下記式を満足する吐出線速度で紡糸口金から吐出させ紡糸することを特徴とする炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
    16≦V<350×C^(−0.8)
    V:紡糸口金からの吐出線速度(m/分)
    C:紡糸原液中のポリアクリロニトリル系重合体の濃度(重量%)
  2. 前記ポリアクリロニトリル系重合体の示差走査熱量計により測定される湿熱下融点Tmが、186乃至200℃である請求項1に記載の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  3. 前記ポリアクリロニトリル系重合体が、アクリロニトリルと共重合可能な成分を含む共重合体であり、その共重合可能な成分の量が、0.1乃至0.5mol%である請求項1あるいは2に記載の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  4. 前記炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の単繊維繊度が、0.7乃至1.0dtexである請求項1乃至3に記載の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維の製造方法により製造された炭素繊維製造用ポリアクリロニトリル系前駆体繊維を、200乃至300℃の温度の空気中において延伸比0.80乃至1.20で延伸しながら耐炎化する耐炎化工程と、該耐炎化工程で得られた繊維を、300乃至800℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比1.00乃至1.30で延伸しながら予備炭化する予備炭化工程と、該予備炭化工程で得られた繊維を、1,000乃至2,000℃の温度の不活性雰囲気中において延伸比0.96乃至1.05で延伸しながら炭化する炭化工程とからなる炭素繊維の製造方法。
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