【発明の詳細な説明】
ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻害のための
ベンゾ(5,6)シクロヘプタ(1,2-B)ピリジン誘導体背景
Rasオンコジーンの生物学的重要性、ならびに正常細胞からガン細胞への変換
におけるRasおよびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼとして公知の酵
素の両方の役割は、PCT国際公報第WO95/00497号およびWO95/10516号中に記載さ
れている。これらの公報のそれぞれはまた、酵素ファルネシルタンパク質トラン
スフェラーゼの活性を阻害し、そしてそれによりRasタンパク質のファルネシル
化(farnesylation)を阻害する、異なるクラスの化合物を記載する。
PCT国際公報第WO95/10516号は、以下の一般式(1.0)の三環式アミドおよび尿
素化合物:
ならびにRas機能および細胞の異常増殖を阻害するための方法におけるそれらの
使用に関する。式(1.0)の化合物の多数のサブジェネリッククラスが開示され
、これらには、以下の式(5.0c)、(5.1c)、および(5.2a)の化合物:ならびに化合物(5.0c)および(5.1c)の11-R-異性体および11-S-異性体が挙げ
られる。それぞれのこのようなサブジェネリックの範囲内にある多数の特定の化
合物、ならびにそれらの化合物の生物学的活性もまた、該公報中に記載されてい
る。発明の要旨
本発明は、以下からなる群から選択される、新規な三環式アミド化合物あるい
はその薬学的に受容可能な塩または溶媒和物を提供する:
化合物((+)-または(-)-)の光学回転は、メタノールまたはエタノール中で、
25℃にて測定される。
本発明は、非結晶状態または結晶状態の上記化合物を包含する。
従って、本発明の化合物には、以下からなる群から選択される化合物が挙げら
れる:化合物1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、7.0、および6.0、またはそれらの薬学
的に受容可能な塩(ここで、上記化合物は、上記で定義したとおりである)。
本発明の化合物にはまた、以下からなる群から選択される化合物が挙げられる
:化合物10.0、11.0、12.0、13.0、16.0、17.0、18.0、19.0、20.0、21.0、およ
び22.0、またはそれらの薬学的に受容可能な塩(ここで、上記化合物は、上記で
定義したとおりである)。
本発明の化合物にはまた、以下からなる群から選択される化合物が挙げられる
:化合物8.0、9.0、14.0、および15.0、またはそれらの薬学的に受容可能な塩(
ここで、上記化合物は、上記で定義したとおりである)。
本発明の化合物にはまた、以下からなる群から選択される化合物が挙げられる
:化合物23.0、25.0、26.0、27.0、28.0、29.0、30.0、31.0、32.0、33.0、34.0
、60.0、61.0、62.0、63.0、および64.0、またはそれらの薬学的に受容可能な塩
(ここで、上記化合物は、上記で定義したとおりである)。
本発明の化合物にはまた、以下からなる群から選択される化合物が挙げられる
:化合物23.OA、24.0,35.0、36.0、37.0、38.0,39.0、40.0、41.0,42.0、47.
0,48.0、49.0、50.0、51.0、52.0、53.0、54.0、55.0、56.0、57.0、58.0、59.
0、および65.0、またはそれらの薬学的に受容可能な塩(ここで、上記化合物は
、上記で定義したとおりである)。
本発明の化合物にはまた、以下からなる群から選択される化合物が挙げられる
:化合物43.0、44.0、45.0、および46.0、またはそれらの薬学的に受容可能な塩
(ここで、上記化合物は、上記で定義したとおりである)。
好ましい化合物には、化合物5.0、7.0、25.0、27.0、29.0、および34.0が挙げ
られる。
好ましい化合物にはまた、化合物51.0および53.0が挙げられる。
好ましい化合物には、化合物40.0および42.0が挙げられる。
より好ましい化合物は、化合物25.0、27.0、51.0、および53.0である。
当業者は、三環式環系が番号付けされることを理解する: 当業者はまた、C-11結合におけるSおよびR立体化学は、以下の通りであるこ
とを理解する:
本発明の三環式化合物によるファルネシルタンパク質トランスフェラーゼの阻
害は、以前には報告されていない。従って、本発明は、本発明の三環式化合物を
用いてファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻害するための方法を提供
し、この化合物は、(i)インビトロで、ファルネシルタンパク質トランスフェラ
ーゼを強力に阻害するが、ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラーゼIは
阻害しない;(ii)ファルネシル受容体であるトランスフォーミングRasの形態に
より誘導される表現型変化をブロックするが、ゲラニルゲラニル受容体であるよ
うに設計されたトランスフォーミングRasの形態により誘導される表現型変化は
ブロックしない;(iii)ファルネシル受容体であるRasの細胞内プロセッシングを
ブロックするが、ゲラニルゲラニル受容体であるように設計されたRasの細胞内
プロセッシングはブロックしない;そして(iv)トランスフォーミングRasにより
誘導される培地中での異常な細胞増殖をブロックする。
本発明は、本発明の化合物の有効量を投与することによって、細胞の異常増殖
(形質転換細胞を包含する)を阻害または処置する方法を提供する。細胞の異常増
殖とは正常な調節機構とは独立した細胞の増殖をいう(例えば、接触阻害の欠如)
。これは以下の細胞の異常増殖を包含する:(1)活性化Rasオンコジーンを発現す
る腫瘍細胞(腫瘍);(2)Rasタンパク質が他の遺伝子の発癌性変異の結果として活
性
化される腫瘍細胞;および(3)異常なRas活性化が生じる他の増殖性疾患の良性お
よび悪性の細胞。
本発明はまた、肺瘍の増殖(癌)を阻害または処置するための方法を提供する
。この方法は、そのような処置を必要とする哺乳類(例えばヒト)に、有効量の本
明細書に記載の三環式化合物を投与することによってなされる。特に本発明は、
上記化合物の有効量を投与することによって活性化Rasオンコジーンを発現する
腫瘍の増殖を阻害または処置する方法を提供する。阻害または処置され得る腫瘍
の例としては、肺癌(例えば肺腺癌)、膵臓癌(例えば膵臓癌(例えば外分泌性膵臓
癌など))、結腸癌(例えば結腸直腸癌(例えば結腸腺癌および結腸腺腫など))、骨
髄白血病(例えば、急性骨髄性白血病(AML))、甲状腺濾胞腫瘍、脊髄形成異常症
候群(MDS)、膀胱癌、表皮癌、乳癌および前立腺癌が挙げられるが、これらに限
定されない。
本発明はまた、増殖性疾患(良性および悪性の両方)を阻害するための方法を提
供すると考えられる。ここでRasタンパク質は他の遺伝子中の発癌性変異の結果
として異常に活性化される(すなわちRas遺伝子自体が変異によって発癌性形態に
活性化されているのではない)。この阻害は、本明細書に記載の三環式化合物の
有効量をそのような処置を必要とする哺乳類(例えばヒト)に投与することによっ
て達成される。例えば、良性の増殖性異常である神経線維腫症、または変異また
はチロシンキナーゼオンコジーン(例えば、neu.src、abl、lckおよびfyn)の過
剰発現によってRasが活性化される腫瘍が、本明細書に記載の三環式化合物によ
って阻害され得る。
本発明の化合物は、ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼおよびオンコ
ジーンタンパク質Rasのファルネシル化を阻害する。本発明はさらに、哺乳類(特
にヒト)中のrasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを、上記三環式化合
物の有効量を投与することによって阻害する方法を提供する。ファルネシルタン
パク質トランスフェラーゼを阻害するために本発明の化合物を被験体に投与する
ことは、上記の癌の処置に有用である。
本発明の方法で有用な三環式化合物は細胞の異常増殖を阻害する。理論に拘束
されることを望むものではないが、これらの化合物は、ras p21のようなGタンパ
ク質の機能の阻害をGタンパク質のイソプレニル化をブロックすることによって
機能し得、その結果これらの化合物は腫瘍の増殖または癌のような増殖性疾患の
処置に有用なものなるものと考えられる。理論に拘束されることを望むものでは
ないが、これらの化合物はrasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼを阻
害し、それゆえras形質転換細胞に対する抗増殖活性を示すと考えられる。発明の詳細な説明
本明細書において、以下の用語は他に断りのない限り下記で定義されるように
使用される:
M+は、マススペクトル中の分子の分子イオンを表す;
MH+は、マススペクトル中の分子の分子イオンおよび水素を表す;
ピリジルN-オキシドは、本明細書中で、以下の基により表される:
以下の溶媒および試薬は、本明細書中で、以下に示す略号で呼ばれる:テトラ
ヒドロフラン(THF);エタノール(EtOH);メタノール(MeOH);酢酸(HOAc
またはAcOH);酢酸エチル(EtOAc);N,N-ジメチルホルムアミド(DMF);トリフ
ルオロ酢酸(TFA);無水トリフルオロ酢酸(TFAA);1-ヒドロキシベンゾトリアゾ
ール(HOBT);m-クロロ過安息香酸(MCPBA);トリエチルアミン(Et3N);ジエ
チルエーテル(Et2O);エチルクロロホルメート(ClCO2Et);1-(3-ジメチルア
ミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(DEC);水素化ジイソブチルアル
ミニウム(DIBAL);イソプロパノール(iPrOH);ジメチルスルホキシド(DMSO)
。
本発明の特定の化合物は、アトロプ異性体(すなわち、7員環が固定されたコ
ンフォメーションをとり、その結果、10-ブロモ置換基の存在に起因して、11-炭
素原子が、縮合ベンゼン環平面の上または下に位置するような化合物)を包含す
る異なる異性体の形態(例えば、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体)で
存在し得る。本発明は、純粋な形態および混合物(ラセミ混合物を包含する)の
形態の両方であるような異性体の全てを包含する。エノール形態もまた包含され
る。
特定の塩基性三環式化合物もまた薬学的に受容可能な塩、例えば酸付加塩を形
成する。例えば、ピリド窒素原子は強酸との塩を形成し得る。塩の形成に適した
酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチ
ル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンス
ルホン酸ならびに当業者に周知の他の無機酸およびカルボン酸である。塩は遊離
塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて、従来の方法で塩を生成することに
よって調製される。遊離塩基形態は、塩を適切な希薄塩基水溶液、例えばNaOH、
炭酸カリウム、アンモニア、および重炭酸ナトリウムの希薄水溶液で処理するこ
とによって再生され得る。遊離塩基形態はある種の物理特性、例えば極性溶媒へ
の溶解度において、その対応の塩形態といくぶん異なるが、酸および塩基の塩は
それ以外はその対応する遊離塩基形態と本発明の目的に関して同等である。
このような塩はすべて、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であることが
意図され、そして塩はすべて本発明の目的に関して対応の化合物の遊離形態と等
価であると見なされる。
本発明の化合物は、以下に記載の手順により調製され得る。
ピペリジン化合物の調製
ピペリジン環(環IV)を有する本発明の化合物:
は、当業者に周知の技術により、対応する未酸化ピリジル化合物から調製され得
る:従って、本発明の化合物は、以下から調製され得る:
本発明のピペリジン化合物(式I)は、メタ−クロロ過安息香酸を用いた酸化
により、上記のピリジル化合物から調製され得る。この反応は、三環式系の環I
の1位にN-O置換基を有する本発明の化合物を製造するための、適切な有機溶媒
(例えば、ジクロロメタン(通常無水物)または塩化メチレン)中で、適切な温
度にて実行される。
一般的には、出発三環式反応物の有機溶媒溶液は、m−クロロ過安息香酸を添
加する前に、約0℃まで冷却される。次いで、反応系は反応期間中、室温まで加
温される。所望の生成物は、標準分離手段で回収され得る。例えば、反応混合物
は適切な塩基(例えば、飽和炭酸水素ナトリウムまたはNaOH(例えば、1N NaOH))
の水溶液で洗浄され、次いで無水硫酸マグネシウムで乾燥され得る。生成物を含
む溶液を、減圧濃縮し得る。生成物を標準的な手段(例えば、シリカゲルを使用
するクロマトグラフィー(例えば、フラッシュカラムクロマトグラフィー))によ
り精製し得る。
あるいは、本発明のピペリジン化合物(式I)は、m-クロロ過安息香酸を用い
る酸化手順を用いて、式1.1〜65.1の中間体化合物から製造され得る。次いで、
酸化された中間体化合物は、当該分野で公知の方法により反応させられて、本発
明の化合物を生じる。例えば、3,8-ジハロ化合物は、中間体から製造され得る:
これは、以下のピリジル化合物を、m-クロロ過安息香酸で酸化することにより作
製される: 3,7,8-トリハロ化合物、3,8,10-トリハロ化合物、3,8-ジハロ化合物、および3
,10-ジハロ化合物は、それぞれ、以下の中間体から製造され得る:
化合物III〜VIは、m-クロロ過安息香酸および以下のピリジル化合物をそれぞ
れ用いる上記酸化手順を用いて、調製され得:以下の化合物をそれぞれ生じる:
次いで、化合物XI〜XIVは、当該分野で周知の方法により、それぞれ化合物III〜
VIに転化され得る。
上記化合物において、点線(---)は任意の結合を表し、Xは、任意の結合が
存在しない場合CHを表し、そして任意の結合が存在する場合、XはCを表す。
次いで、N-O中間体は、さらに反応させられて、本発明の化合物を生じる。
当業者は、酸化反応がラセミ混合物を導き得、次いで異性体は公知の技術で分
離され得るか、または異性体をまず分離し、次いで対応するN-酸化物に酸化され
得ることを理解する。
当業者は酸化反応がピペリジン環IV(例えば、化合物5.1、6.1、9.1など)へ
のC-11二重結合を有する化合物上で行われる場合、過剰のm-クロロ過安息香酸を
避けることが好ましいことを理解する。これらの反応において、過剰のm-クロロ
過安息香酸はC-11二重結合のエポキシ化を生じ得る。
中間体化合物VII、VIII、IX、およびXは、例えば、WO 95/10516、米国特許5,
151,423号に開示された当該分野で公知の方法、および以下に記載された方法に
より調製される。例えば、化合物VII〜Xは、以下の化合物をそれぞれ、不活性
溶媒(例えば、CH2Cl2)中で、C2H5OCOClおよびEt3Nと反応させることにより調
製され得る:
三環式構造中のピリジン環のC-3位がブロモで置換された中間体化合物XV、XVI
、XVII、およびXVIIIもまた、以下の工程を包含する手順により調製され得る:
(a)式
のアミドにこでR11aはBrであり、R5aは水素であり、かつR6aはC1-C6アルキル、
アリールまたはヘテロアリールである;R5aはC1-C6アルキル、アリールまたはヘ
テ
ロアリールであり、かつR6aは水素である;R5aおよびR6aは独立してC1-C6アルキ
ルおよびアリールからなる群から選択される;あるいはR5aおよびR6aはそれらが
結合する窒素と一緒になって、4個から6個の炭素原子、または3個から5個の炭素
原子を含み、そして-0-および-NR9a-(ここでR9aはH、C1-C6アルキルまたはフェ
ニル)からなる群から選択される1個のヘテロ部分を含む環を形成する)を式
の化合物(ここでR1a、R2a、R3aおよびR4aは独立して水素およびハロからなる群
から選択され、そしてR7aはClまたはBrである)と、強塩基の存在下で反応させて
、式
の化合物を得る工程;
(b)工程(a)の化合物を
(i)POCl3と反応させて、式
のシアノ化合物を得る工程;あるいは
(ii)DIBALHと反応させて、式
のアルデヒドを得る工程;
(c)上記シアノ化合物またはアルデヒドを式
のピペリジン誘導体(ここでLはClおよびBrからなる群から選択される脱離基であ
る)と反応させて、各々、下式
のケトンまたはアルコールを得る工程;
(d)(i)このケトンをCF3SO3Hを用いて環化し、以下の式の化合物を得る工程(
ここで、点線は、二重結合を表す);または
(d)(ii)このアルコールをポリリン酸を用いて環化して、中間体化合物を得る
工程(ここで、点線は、単結合を表す)。
WO95/10516、米国特許第5,151,423号に開示され、そして後に説明する中間
体の化合物の調製方法は、三環式ケトン中間体を用いる。式
のこのような中間体(ここでR11b、R1a、R2a、R3aおよびR4aは独立して、水素お
よびハロからなる群から選択される)は以下のプロセスによって調製され得る。
このプロセスは下記の工程を包含する:
(a)式
の化合物を
(i)式NHR5aR6aのアミン(ここでR5aおよびR6aは上記プロセス中で定義した通
り)と、パラジウム触媒および一酸化炭素の存在下で反応させて、式:
のアミドを得る工程;または
(ii)式R10aOHのアルコール(ここでR10aはC1-C6低級アルキルまたはC3-C6シ
クロアルキルである)と、パラジウム触媒および一酸化炭素の存在下で反応させ
て、式:
のエステルを得、次いでこのエステルを式NHR5aR6aのアミンと反応させて、アミ
ドを得る工程:
(b)上記アミドを式
のヨード置換ベンジル化合物(ここでR1a、R2a、R3a、R4aおよびR7aは上記の通り
である)と、強塩基の存在下で反応させて、式
の化合物を得る工程;および
(c)工程(b)の化合物を、式R8aMgL(ここでR8aはC1-C8アルキル、アリールまた
はヘテロアリールであり、そしてLはBrまたはClである)の試薬で環化する工程(
ただし環化に先だって、R5aまたはR6aが水素である化合物を適切なN-保護基と反
応させる)。
以下の式XVIの化合物の(+)-異性体(ここでXはCHである)は、エステル交換を触媒する酵素を含むプロセスを用いることによって、高いエ
ナンチオ選択性を有して調製され得る。好ましくは、式XVIのラセミ化合物(ここ
でXはCであり、二重結合が存在する)を、酵素(例えば、Toyobo LIP-300)および
アシル化剤(例えば、トリフルオロエチル(trifluoroethly)イソブチレート)と反
応させる;次いで、得られる(+)-アミドを加水分解(例えばH2SO4のような酸と還
流することにより)して、対応する光学的に富化された(+)-異性体(ここでXはCH
である)を得る。あるいは、まず、式XVIのラセミ化合物(ここでXはCであり、二
重結合が存在する)は、対応する式XVIのラセミ化合物(ここでXはCHである)に還
元され、次いで酵素(Toyobo LIP-300)および上記のようなアシル化剤で処理され
て、(+)-アミドを得、これを加水分解して光学的に富化された(+)-異性体を得る
。
調製実施例21の化合物は、結晶状態で得られる。当業者は、非結晶状態で得ら
れる化合物は、非結晶物質を、当業者に周知の手順に従って溶媒(例えば、アセ
トン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エタノール、2-プロパノール、tert-ブ
チルエーテル、水など)または溶媒の混合物から結晶化することにより、結晶状
態で得られ得ることを理解する。
当業者はまた、化合物11.0のラセミ混合物は、以下に記載の手順に従って作製
され得ることを理解する。例えば、調製実施例6の中間体は、化合物11.0を調製
するのに用いられ得る。
ピペラジン化合物の調製
ピペラジン環を有する本発明の化合物:は、以下の三環式ケトンから調製され得る:
ケトンXXは、対応するピリジル化合物のm-クロロ過安息香酸を用いた酸化によ
り調製され得る:
ケトンXXは、対応するC-11ヒドロキシ化合物に転化され得、これは続いて、対
応するC-11クロロ化合物に転化され得る:
次いで、化合物XXIIIは、ピペラジンと反応させられて、中間体を生成し得る
: 次いで、中間体XXIVは、所望の最終生成物を提供する試薬と反応させられ得る
。
上記反応は、当業者に周知であり、そして以下の実施例中で例示される。
以下の実施例は、本発明を例示することを意図しており、このような実施例は
、開示または本発明を限定するものと解釈されるべきではない。調製実施例1 工程A: 4-ピリジル酢酸エチル10g(60.5mmol)および乾燥CH2Cl2(120mL)を、-20℃
にて合わせ、MCPBA 10.45g(60.5mmol)を添加し、そして-20℃にて1時間撹拌
し、次いで25℃で67時間撹拌する。追加のMCPBA 3.48g(20.2mmol)を添加し、
そして25℃で24時間撹拌する。CH2Cl2を用いて希釈し、そして飽和NaHCO3(水性
)を用いて洗浄し、次いで水で洗浄する。MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮して
残渣とし、そしてクロマトグラフィー(シリカゲル、2%〜5.5%(MeOH中の10%
NH4OH)/CH2Cl2)にかけて、生成化合物8.12gを得る。マススペクトル:MH+=182
.15。工程B: 工程Aの生成物3.5g(19.3mmol)、EtOH 17.5mL、および10% NaOH(水性)9
6.6mLを合わせ、この混合物を67℃にて2時間加熱する。2N HCl(水性)を添
加し、pH=2.37に調整し、そして真空中で濃縮して、残渣を得る。200mLの乾燥E
燥EtOH(2×50ml)を用いて洗浄する。合わせた濾過物を、真空中で濃縮して、
表題化合物2.43gを得る。調製実施例2 表題化合物は、PCT国際公開第WO95/10516に開示されたプロセスにより調製さ
れる。
調製実施例3 工程A: 8-クロロ-11-(1-エトキシ-カルボニル-4-ピペリジニル)-11H-ベンゾ[5,6]シ
クロヘプタ[1,2-b]ピリジン(14.95g、39mmol)とCH2Cl2(150mL)とを合わせ、次
いで(nBu)4NNO3(13.07g、42.9mmol)を添加し、そしてこの混合物を0℃に冷
却する。CH2Cl2(20mL)中のTFAA(6.09mL、42.9mmol)の溶液を1.5時間にわた
ってゆっくりと添加(滴下)する。この混合物を一晩0℃に維持し、次いで飽和
NaHCO3(水溶液)、水およびブラインで連続して洗浄する。有機溶液をN
a2SO4で乾燥し、減圧下で残渣となるまで濃縮し、そしてこの残渣をクロマト
グラフ(シリカゲル、EtOAc/ヘキサンの勾配)して、2つの生成化合物3A(i
)および3A(ii)をそれぞれ4.32gおよび1.90g得る。
化合物3A(i)の質量スペクトル:MH+=428.2。
化合物3A(ii)の質量スペクトル:MH+=428.3。工程B: 工程Aからの生成物3A(i)(22.0g、51.4mmol)、85%EtOH(水溶液)(1
50mL)、Fe粉末(25.85g、0.463mole)およびCaCl2(2.42g、21.8mmol)を合
わせ、そして還流下で一晩加熱する。Fe粉末(12.4g、0.222mole)およびCa
Cl2(1.2g、10.8mmol)を添加し、そして還流下で2時間加熱する。別のFe粉
末(12.4g、0.222mole)およびCaCl2(1.2g、10.8mmol)を添加し、そし
する。無水EtOH(100mL)を添加し、残渣となるまで濃縮し、そして残渣を
クロマトグラフ(シリカゲル、MeOH/CH2Cl2の勾配)して、16.47gの
生成化合物を得る。MH+=398。工程C: 工程Bからの生成物(16.47g、41.4mmol)と48%HBr(水溶液)(150mL)とを
合わせ、そして−3℃に冷却する。臭素(18mL)をゆっくりと添加(滴下)し、次
いでNaNO2(8.55g、0.124mole)の水(85mL)溶液をゆっくりと添加(滴下)す
る。45分間−3℃〜0℃で撹拌し、次いで50%NaOH(水溶液)を添加するこ
とによってpH=10に調整する。EtOAcで抽出し、この抽出物をブラインで洗浄し
、そしてこの抽出物をNa2SO4で乾燥する。残渣となるまで濃縮し、そしてク
ロマトグラフ(シリカゲル、EtOAc/ヘキサンの勾配)して、2つの生成化合物
3C(i)および3C(ii)をそれぞれ10.6gおよび3.28g得る。
化合物3C(i)の質量スペクトル:MH+=461.2。
化合物3C(ii)の質量スペクトル:MH+=539。工程D: 工程Cの生成物3C(i)を、濃HClに溶解することによって加水分解し、そし
て約100℃に16時間加熱する。この混合物を冷却し、次いで1M NaOH(水溶
液)で中和する。CH2Cl2で抽出し、この抽出物をMgSO4で乾燥し、濾過し、
そして減圧下で濃縮し標題化合物を得る。質量スペクトル:MH+=466.9。
調製実施例4 工程A: 4-(8-クロロ-3-ブロモ-5,6-ジヒドロ-11H-ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2-b
]ピリジン-11-イリデン)-1-ピペリジン-1-カルボン酸エチルエステル(25.86g
、55.9mmol)と濃H2SO4(250mL)とを-5℃で合わせ、次いでNaNO3(4.8g、5
6.4mmol)を添加し、そして2時間撹拌する。この混合物を氷(600g)に注ぎ、そ
して濃NH4OH(水溶液)で塩基性化する。この混合物を濾過し、水(300mL)で
洗浄し、次いでCH2Cl2(500mL)で抽出する。抽出物を水(200mL)で洗浄し、MgS
O4で乾燥し、次いで濾過し、そして減圧下で残渣となるまで濃縮する。この残
渣をクロマトグラフ(シリカゲル、10%EtOAc/CH2Cl2)して、24.4g(収率86
%)の生成物を得る。m.p.=165〜167℃、質量スペクトル:MH+=506(CI)
。
元素分析: 計算値−C,52.13;H,4.17;N,8.29。
測定値−C,52.18;H,4.51;N,8.16。工程B: 工程Aの生成物(20g、40.5mmol)と濃H2SO4(200mL)とを20℃で合わせ、次
いでこの混合物を0℃に冷却する。1,3-ジブロモ-5,5-ジメチル-ヒダントイン(7
.12g、24.89mmol)をこの混合物に添加し、そして3時間20℃で撹拌する。0℃に
冷却し、追加のジブロモヒダントイン(1.0g、3.5mmol)を添加し、そして20℃で
2時間撹拌する。この混合物を氷(400g)に注ぎ、濃NH4OH(水溶液)を用い
て0℃で塩基性化し、そして得られた固体を濾過によって収集する。この固体を
水(300mL)で洗浄し、アセトン(200mL)中でスラリー化し、そして濾過し、19.79
g(収率85.6%)の生成物を得る。m.p.=236〜237℃、質量スペクトル:M
H+=584(CI)。
元素分析: 計算値−C,45.11;H,3.44;N,7.17。
測定値−C,44.95;H,3.57;N,7.16。工程C: Feやすりくず(filing)(25g、447mmol)、CaCl2(10g(90mmol))、およ
び90:10EtOH/水(700mL)中での工程Bの生成物(20g、34.19mmol)の懸
過し、そして濾過ケーキを熱EtOH(2×200mL)で洗浄する。濾液と洗浄液と
を合わせ、そして減圧下で残渣となるまで濃縮する。残渣をCH2Cl2(600mL)で抽
出し、水(300mL)で洗浄し、そしてMgSO4で乾燥する。濾過し、そして減圧下
で残渣となるまで濃縮し、次いでクロマトグラフ(シリカゲル、30%EtOAc/CH2
Cl2)して、11.4g(収率60%)の生成物を得る。m.p.=211〜212℃、質量ス
ペクトル:MH+=554(CI)。
元素分析: 計算値−C,47.55;H,3.99;N,7.56。
測定値−C,47.45;H,4.31;N,7.49。工程D: 工程Cの生成物(20g、35.9mmol)を、−10℃で、NaNO2(8g、116mmol)の
濃HCl(120mL)水溶液にゆっくりと(分割して)添加する。得られた混合物を0℃
で2時間撹拌し、次いで50%H3PO2(150mL、1.44mole)に0℃で1時間かけて
ゆっくりと添加(滴下)する。0℃で3時間撹拌し、次いで氷(600g)に注ぎ、
そして濃NH4OH(水溶液)で塩基性化する。CH2Cl2(2×300mL)で抽出し、こ
の抽出物をMgSO4で乾燥し、次いで濾過し、そして減圧下で残渣となるまで
濃縮する。この残渣をクロマトグラフ(シリカゲル、25%EtOAc/ヘキサン)し
て、13.67g(収率70%)の生成物を得る。m.p.=163〜165℃、質量スペクト
ル:MH+=539(CI)。
元素分析: 計算値−C,48.97;H,4.05;N,5.22。
測定値−C,48.86;H,3.91;N,5.18。工程E: 工程Dの生成物(6.8g、12.59mmol)と濃HCl(水溶液)(100mL)とを合わせ、そ
して85℃で一晩撹拌する。この混合物を冷却し、氷(300g)に注ぎ、そして濃N
H4OH(水溶液)で塩基性化する。CH2Cl2(2×300mL)で抽出し、そしてこの抽
出物をMgSO4で乾燥する。濾過し、そして減圧下で残渣となるまで濃縮し、
クロマトグラフ(シリカゲル、10%MeOH/EtOAc+2%NH4OH(水溶液)
)して、5.4g(収率92%)の標題化合物を得る。m.p.=172〜174℃、質量ス
ペクトル:MH+=467。
元素分析: 計算値−C,48.69;H,3.65;N,5.97。
測定値−C,48.83;H,3.80;N,5.97。
調製実施例5 工程A: 調製実施例3、工程Dに記載されたのと実質的に同じ手順により、4-(8-ク
ロロ-3-ブロモ-5,6-ジヒドロ-11H-ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2-b]ピリジン-1
1-イリデン)-1-ピペリジン-1-カルボン酸エチルエステル(2.42g)を加水分解
し、1.39g(収率69%)の生成物を得る。MH+=389。工程B: 工程Aの生成物(1g、2.48mmol)と乾燥トルエン(25mL)とを合わせ、トルエン
中の1M DIBAL(2.5mL)を添加し、そしてこの混合物を還流下で加熱する。
0.5時間後、トルエン中の1M DABAL(2.5mL)をさらに添加し、そして還流
下で1時間加熱する。(反応を、50%MeOH/CH2Cl2+NH4OH(水溶液)
を用いるTLCによってモニタリングする。)この混合物を室温まで冷却し、50
mLの1N HCl(水溶液)を添加し、そして5分間撹拌する。1N NaOH(水溶
液)(100mL)を添加し、次いでEtOAc(3×l50mL)で抽出する。この抽出物をMg
SO4で乾燥し、濾過し、そして減圧主で濃縮し、1.1gの標題化合物を得る。MH+
=391。
調製実施例6 調製実施例4の工程Dの生成物の16.6g(0.03mol)を、CH3CNおよび水の3.1溶
液(212.65mL CH3CNおよび70.8mLの水)と合わせ、そして得られるスラリーを室
温にて一晩撹拌する。32.833g(0.153mol)のNaIO4次いで0.31g(2.30mmol)のR
uO2を添加し、そして室温にて撹拌する。(RuOの添加は、発熱反応を伴い、そし
て温度は、20℃〜30℃に上昇する。)混合物を1.3時間撹拌し(温度は約30分後2
5℃まで戻った)、次いで濾過して固体を除去し、そしてCH2Cl2で固体を洗浄す
る。濾液を真空下で残渣まで濃縮し、そして残渣をCH2Cl2に溶解する。不溶性固
体を濾過して除去し、そしてCH2Cl2で固体を洗浄する。濾液を水で洗浄し、約20
0mLの容量に濃縮し、そして漂白剤で、次いで水で洗浄する。6N HCl(水性)で
抽出する。水性抽出物を0℃に冷却し、そして50%NaOH(水性)をゆっくり添加
して温度を<30℃に保ちながらpH=4に調節する。CH2Cl2で2回抽出し、MgSO4で
乾燥し、そして真空下で残渣まで濃縮する。20mLのEtOH中で残渣をスラリーにし
、そして0℃まで冷却する。濾過によって得られる固体を集め、そして真空下で
固体を乾燥して7.95gの生成物を得る。
調製実施例7 工程A: 15g(38.5mmol)の4-(8-クロロ-3-ブロモ-5,6-ジヒドロ-11H-ベンゾ[5,6]シク
ロヘプタ[1,2-b]ピリジン-11-イリデン)-1-ピペリジン-1-カルボン酸エチルエス
テルおよび150mLの濃H2SO4を−5℃にて合わせ、次いで3.89g(38.5mmol)のKNO3
を添加し、そして4時間撹拌する。混合物を3Lの氷に注ぎ、そして50%NaOH(
水性)で塩基性にする。CH2Cl2で抽出し、MgSO4で乾燥させ、次いで濾過しそし
て真空下で残渣まで濃縮する。残渣をアセトンから再結晶して、6.69gの生成物
を得る。 工程B: 工程Aの生成物の6.69g(13.1mmol)および100mLの85% EtOH/水を合わせ、次
いで0.66g(5.9mmol)のCaCl2および6.56g(117.9mmol)のFeを添加し、そして
濾過ケーキを熱EtOHでリンスする。真空下で濾液を濃縮して、7.72gの生成物を
得る。マススペクトル:MH+=476.0工程C: 工程Bの生成物の7.70gおよび35mLのHOAcを合わせ、次いでHOAc中のBr2の溶液
(45mL)を添加し、そして混合物を室温にて一晩撹拌する。300mLの1N NaOH(水性
)、次いで75mLの50%NaOH(水性)を添加し、そしてEtOAcで抽出する。抽出物
をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で残渣まで濃縮する。残渣をクロマトグラフ
にかけ(シリカゲル、20%〜30%EtOAc/ヘキサン)、3.47gの生成物を(他の1.
28gの部分精製した生成物とともに)得る。マススペクトル:MH+=554。
工程D: 0.557g(5.4mmol)のt-ブチルニトライトおよび3mLのDMFを合わせ、そして混
合物を60℃〜70℃で加熱する。工程Cの生成物の2.00g(3.6mmol)および4mLのD
MFの混合物をゆっくり添加し(一滴ずつ)、次いで混合物を室温まで冷却する。
40℃でさらに0.64mLのt-ブチルニトライトを添加し、そして混合物を60℃〜70℃
まで0.5時間再加熱する。室温まで冷却し、そして混合物を150mLの水に注ぐ。CH2
Cl2で抽出し、抽出物をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で残渣まで濃縮する。
残渣をクロマトグラフにかけ(シリカゲル、10%〜20%EtOAc/ヘキサン)、0.74
gの生成物を得る。マススペクトル:MH+=539.0。
工程E: 工程Dの生成物の0.70g(1.4mmol)および8mLの濃HCl(水性)を合わせ、そし
て混合物を還流で一晩加熱する。30mLの1N NaOH(水性)、次いで5mLの50%NaOH
(水性)を添加し、そしてCH2Cl2で抽出する。抽出物をMgSO4で乾燥させ、そし
て真空下で濃縮して0.59gの表題の化合物を得る。マススペクトル:MH+=467。
融点=123.9℃〜124.2℃。
調製実施例8 [ラセミならびに(+)-および(-)-エナンチオマー]工程A: 調製実施例7からの8.1gの表題の化合物のトルエン溶液を調製し、そしてトル
エン中17.3mLのDIBALの1M溶液を添加する。混合物を還流で加熱し、そしてさら
に21mLの1M DIBAL/トルエン溶液を40分間かけてゆっくり添加する(一滴ずつ)
。反応混合物を約0℃まで冷却し、そして700mLの1M HCl(水性)を添加する。
有機相を分離しそして捨てる。水相をCH2Cl2で洗浄し、抽出物を捨て、次いで50
%NaOH(水性)を添加することによって水相を塩基性にする。CH2Cl2で抽出し、
抽出物をMgSO4で乾燥させ、そして真空下で濃縮して7.30gの表題の化合物を得、
これはエナンチオマーのラセミ混合物である。MH+=469。工程B−エナンチオマーの分離: 工程Aのラセミ表題化合物を、調製用キラルクロマトグラフィー(Chiralpack
AD,5cm×50cmカラム、20%iPrOH/ヘキサン+0.2%ジエチルアミンを使用する
)によって分離して、表題化合物の(+)-エナンチオマーおよび(-)-エナンチオマ
ーを得る。
(+)-エナンチオマーについての物理化学データ:融点=148.8℃;マススペク
トルMH+=469;[α]D 25=+65.6°(12.93mg/2mL MeOH)。
-(-)-エナンチオマーについての物理化学データ:融点=112℃;マススペクトルM
H+=469;[α]D 25=−65.2°(3.65mg/2mL MeOH)。調製実施例9 工程A: 40.0g(0.124mol)の出発ケトンおよび200mLのH2SO4を合わせ、そして0℃ま
で冷却する。13.78g(0.136mol)のKNO3を1.5時間かけてゆっくり添加し、次い
で室温まで温め、そして一晩撹拌する。調製実施例4の工程Aの記載と実質的に
同じ手順を使用して反応を行う。クロマトグラフ(シリカゲル、20%、30%、40
%、50%EtOAc/ヘキサン、次いで100%EtOAc)にかけて、28gの9-ニトロ生成物
を、より少量の7-ニトロ生成物ならびに19gの7-ニトロおよび9-ニトロ化合物の
混合物とともに得る。MH+(9-ニトロ)=367。工程B: 調製実施例4の工程Cの記載と実質的に同じ手順を使用して、工程Aの28g(7
6.2mmol)の9-ニトロ生成物、400mLの85%EtOH/水、3.8g(34.3mmol)のCaCl2、
および38.28g(0.685mol)のFeを反応させて、24gの生成物を得る。MH+=337。工程C: 工程Bの13g(38.5mmol)の生成物、140mLのHOAcを合わせ、そしてHOAc(10mL)
中のBr2(2.95mL,57.8mmol)の溶液を20分かけてゆっくり添加する。反応混合物
を室温にて撹拌し、次いで真空下で残渣まで濃縮する。CH2Cl2および水を添加し
、次いで50%NaOH(水性)でpH=8〜9に調節する。有機相を水、次いでブライン
で洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥させる。真空下で濃縮して、11.3gの生成物を得
る。
工程D: 100mLの濃HCl(水性)を0℃まで冷却し、次いで5.61g(81.4mmol)のNaNO2を
添加し、そして10分間撹拌する。工程Cの11.3g(27.1mmol)の生成物をゆっく
り添加し(一部ずつ)、そして混合物を0℃〜3℃にて2.25時間撹拌する。180m
Lの50%H3PO2(水性)をゆっくり添加し(一滴ずつ)、そして混合物を0℃にて
一晩放置する。150mLの50%NaOHを30分かけてゆっくり添加して(一滴ずつ)、p
H=9に調節し、次いでCH2Cl2で抽出する。抽出物を水、次いでブラインで洗浄し
、そしてNa2SO4で乾燥させる。真空下で残渣まで濃縮し、そしてクロマトグラフ
(シリカゲル、2%EtOAc/CH2Cl2)にかけて8.6gの生成物を得る。MH+=399.9。
調製実施例10 [ラセミならびに(+)-および(-)-エナンチオマー]工程A: 調製実施例4の工程Dからの13g(33.3mmol)の表題化合物および300mLのトル
エンを20℃にて合わせ、次いでトルエン中の32.5mL(32.5mmol)のDIBALの1M溶
液を添加する。混合物を還流で1時間加熱し、20℃まで冷却し、さらに32.5mLの
1M DIBAL溶液を添加し、そして還流で1時間加熱する。混合物を20℃まで冷却し
、そしてこれを400gの氷、500mLのEtOAc、および300mLの10%NaOH(水性)の混
合物中に注ぐ。水層をCH2Cl2(3×200mL)で抽出し、有機層をMgSO4で乾燥させ
、次いで真空下で残渣まで濃縮する。クロマトグラフ(シリカゲル、12%MeOH/C
H2Cl2+4%NH4OH)にかけて、10.4gの表題化合物をラセミ体として得る。マス
スペクトル:MH+=469(FAB)。
工程B−エナンチオマーの分離: 工程Aのラセミ表題化合物を、調製用キラルクロマトグラフィー(Chiralpack
AD,5cm×50cmカラム、5%iPrOH/ヘキサン+0.2%ジエチルアミンを使用する
)によって分離して、表題化合物の(+)-エナンチオマーおよび(-)-エナンチオマ
ーを得る。
(+)-エナンチオマーについての物理化学データ:マススペクトルMH+=469(FA
Bs);[α]D 25=+43.5°(c=0.402、EtOH);
(-)-エナンチオマーについての物理化学データ:マススペクトルMH+=469(FA
B);[α]D 25=−41.8°(c=0.328EtOH);
調製実施例11 工程A: 調製実施例3からの1.160g(2.98mmol)の表題化合物を20mLのDMFに溶解し、室温
で攪拌し、そして0.3914g(3.87mmol)の4-メチル-モルホリン、0.7418g(3.87mmol
)のDEC、0.5229g(3.87mmol)のHOBT、および0.8795g(3.87mmol)の1-N-t-ブトキシ
カルボニルピペリジニル-4-酢酸を加える。混合物を室温で2日間攪拌し、次に減
圧濃縮して残渣を得、そしてこの残渣をCH2Cl2と水との間で分配する。有機相を
順次、飽和NaHCO3(水性)、10%NaH2PO4(水性)およびブラインで洗浄する。有機
相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮して残渣を得る。この残渣をクロ
マトグラフ(シリカゲル、2%MeOH/CH2Cl2+NH3)にかけて、1.72gの生成物を得る
。
融点=94.0-94.5℃、マススペクトル:MH+=614。
工程B: 1.67g(2.7mmol)の工程Aの生成物と20mLのCH2Cl2とを合わせ、0℃で攪拌する。
20mLのTFAを加え、混合物を2時間攪拌し、次に混合物を1NのNaOH(水性)で塩基性
化する。CH2Cl2で抽出し、有機相をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮し
て1.16gの生成物を得る。融点=140.2-140.8℃、マススペクトル:MH+=514。工程C: 0.50gの工程Bの生成物、20mLのCH2Cl2および4.5当量の(CH3)3SiNCOを合わせ、
そして室温で3時間攪拌する。混合物を飽和NaHCO3(水性)で抽出し、そして有機
相をMgSO4で乾燥する。濾過および減圧濃縮して0.8gの粗生成物を得る。粗生成
物をクロマトグラフ(シリカゲル、5%MeOH/CH2Cl2+NH3)にかけて0.26gの生成
物を得る。融点=170.2-170.5℃、マススペクトル:MH+=557。調製実施例12 0.5g(1.06mmol)の調製実施例4の表題化合物、0.4g(2.6lmmol)の調製実施例1の
表題化合物、5mLの乾燥DMF、および0.5mL(4.53mmol)の4-メチルモルホリンを0℃
で合わせ、次に0.6g(3.12mmol)のDECおよび0.4g(2.96mmol)のHOBTを加え、そし
て混合物を一晩20℃で攪拌する。減圧濃縮して残渣を得、そしてこの残渣をCH2C
l2(2×50mL)で抽出する。抽出物を25mLの水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、次に減圧
濃縮して残渣を得、そしてクロマトグラフ(シリカゲル、10%MeOH/EtOAc+2%N
H4OH(水性))にかけて、0.6g(93.7%収率)の表題化合物を得る。マススペクトル
:MH+=602(FABS);
調製実施例13 5.9g(9.78mmol)の調製実施例12の表題化合物を300mLの1:5CH2Cl2/EtOAcに0
℃で溶解する。3mLの4N HCl(水性)をゆっくりと加え(滴下)、そして混合物を0℃
で5分間攪拌する。200mLのEt2Oを加え、得られる固体を濾過により採集し、そし
てこの固体を50mLのEt2Oで洗浄する。固体を20℃および0.2mmHgで乾燥して5.9g(
96%収率)の表題化合物を得る。マススペクトル:MH+=602(FAB)。
調製実施例14 工程A: 0.501g(1.28mmol)の調製実施例5の表題化合物および20mLの乾燥DMFを合わせ、
次に0.405g(1.664mmol)の1-N-t-ブトキシカルボニルピペリジニル-4-酢酸、0.31
9g(1.664mmol)のDEC、0.225g(1.664mmol)のHOBT、および0.168g(1.664mmol)の4-
メチルモルホリンを加え、そして混合物を室温で一晩攪拌する。混合物を減圧濃
縮して残渣を得、次にこの残渣を150mLのCH2Cl2と150mLの飽和NaHCO3(水性)との
間で分配する。水相をさらに150mLのCH2Cl2で抽出する。有機相をMgSO4で乾燥し
、そして減圧濃縮して残渣を得る。残渣をクロマトグラフ(シリカゲル、500mLヘ
キサン、1Lの1%MeOH/CH2Cl2+0.1%NH4OH(水性)、次いで1Lの2%MeOH/CH2Cl2
+0.1%NH4OH(水性))にかけて0.575gの生成物を得る。融点=115-125℃;マスス
ペクトル:MH+=616。工程B 0.555g(0.9mmol)の工程Aの生成物および15mLのCH2Cl2を合わせ、そして混合物
を0℃まで冷却する。15mLのTFAを加え、そして0℃で2時間攪拌する。40−45℃
で減圧濃縮して残渣を得、次に残渣を150mLのCH2Cl2と100mLの飽和NaHCO3(水性)
と
の間で分配する。水層を100mLのCH2Cl2で抽出し、抽出物を合わせてMgSO4で乾燥
する。減圧濃縮して0.47gの生成物を得る。融点=140−150℃;マススペクトル
:MH+=516。工程C: 0.449g(0.87mmol)の工程Bの生成物、20mLのCH2Cl2および0.501g(0.59mmol)の(
CH3)3SiNCOを合わせ、そして室温で一晩攪拌する。50−75mLの飽和NaHCO3(水性)
を加え、そして0.5時間攪拌する。CH2Cl2で希釈し、層を分離し、そして水層を2
×100mLのCH2Cl2で抽出する。合わせたCH2Cl2抽出物をMgSO4で乾燥し、そして減
圧濃縮して残渣を得る。残渣をクロマトグラフ(シリカゲル、500mLCH2Cl2;1Lの
1%MeOH/CH2Cl2+0.1%NH4OH;1Lの2%MeOH/CH2Cl2+0.2%NH4OH;次に3%のM
eOH/CH2Cl2+0.3%NH4OH)にかけて、0.33gの表題化合物を得る。融点=145−15
5℃;マススペクトル:MH+=559。
調製実施例15 調製実施例7の表題化合物と調製実施例1の表題化合物とを調製実施例12で記載
したのと実質的に同じ手順を用いて反応させて、0.25gの表題化合物を得る。こ
れはアトロプ異性体のラセミ混合物である。マススペクトル:MH+=602。融点=
167.2−167.8℃。
調製実施例15の表題化合物のHCl塩を、HCl/CH2Cl2と共に1時間攪拌すること
によって調製し、次に減圧濃縮して塩を得る。
調製実施例16Aおよび16B 実施例15の表題化合物はアトロプ異性体のラセミ混合物である。これらのアト
ロプ異性体を分取クロマトグラフィー(HPLC)で、Chiralpack ADカラム(5cm×50c
m)、そして40%のi-PrOH/ヘキサン+0.2%ジエチルアミンを移動相として用い
て分離し、(+)−および(−)−エナンチオマーである実施例16Bおよび16Aを各々
得る。
(−)−エナンチオマーである実施例l6Aの物理化学的データ:融点=114.2−11
4.8℃;[α]D 25=−154.6°(8.73mg/2mL、MeOH)。
(+)−エナンチオマーである実施例16Bの物理化学的データ:融点=112.6−11
3.5℃;[α]D 25=+159.7°(10.33mg/2mL、MeOH)。調製実施例17 工程A: 6.0g(12.8mmol)の調製実施例7の表題化合物と3.78g(16.6mmol)の1-N-t-ブトキ
シカルボニルピペリジニル-4-酢酸とを調製実施例14、工程Aで記載したのと実
質的に同じ手順を用いて反応させて、8.52gの生成物を得る。マススペクトル:M
H+=692(FAB)。
工程B: 8.50gの工程Aの生成物および60mLのCH2Cl2を合わせ、次に0℃まで冷却し、そ
して55mLのTFAを加える。混合物を3時間、0℃で攪拌し、次に500mLの1N NaOH(水
性)を加え、次いで30mLの50%NaOH(水性)を加える。CH2Cl2で抽出し、MgSO4で乾
燥し、そして減圧濃縮して7.86gの生成物を得る。マススペクトル:MH+=592(FA
B)。
工程C: 7.80g(13.1mmol)の工程Bの生成物を12.1g(105mmol)の(CH3)3SiNCOで、調製実
施例14、工程Cで記載したのと実質的に同じ手順を用いて処理し、5.50gの表題化
合物を得る。これはアトロプ異性体のラセミ混合物である。融点=163.6−164.0
℃。マススペクトル:MH+=635(FAB)。 調製実施例18Aおよび18B 調製実施例17の表題化合物はアトロプ異性体のラセミ混合物である。これらの
アトロプ異性体を分取クロマトグラフィー(HPLC)で、Chiralpack ADカラム(5cm
×50cm)、そして20%のi-PrOH/ヘキサン+0.2%ジエチルアミンを流速100mL/
分で移動相として用いて分離し、(+)−および(−)−エナンチオマーである実施
例18Bおよび18Aを各々得る。
(−)−エナンチオマーである実施例18Aの物理化学的データ:融点=142.9−14
3.5℃;[α]D 25=−151.7°(11.06mg/2mL、MeOH)。
(+)−エナンチオマーである実施例18Bの物理化学的データ:融点=126.5−12
7.0℃;[α]D 25=+145.6°(8.38mg/2mL、MeOH)。調製実施例19 3.32gの調製実施例8、工程Bの表題化合物の(+)−エナンチオマー、2.38gの調
製実施例1の表題化合物、1.92gのHOBT、2.70gのDEC、1.56mLのN-メチルモルホリ
ンおよび50mLの乾燥DMFを合わせ、そして25℃で24時間攪拌する。減圧濃縮し、
次に残渣をCH2Cl2で希釈する。1N NaOH(水性)で、次に飽和NaH2PO4(水性)で洗浄
し、そしてMgSO4で乾燥する。減圧濃縮して残渣を得、これをクロマトグラフ(シ
リカゲル、2%MeOH/CH2Cl2+NH4OH)にかけて、3.82gの表題化合物を得る。マス
スペクトルMH+=604(FAB)。
塩酸塩を、調製実施例19からの表題化合物を塩化水素で飽和したジクロロメタ
ン中に溶解することによって調製した。減圧濃縮して、調製実施例19からの表題
化合物をHCl塩として得た。融点166.5℃;[α]D 22=+70.8°(9.9mg/2mL MeOH)
。
調製実施例20Aおよび20B 調製実施例8、工程Bの表題化合物の(−)−エナンチオマー(3.38g)を2.20gの調
製実施例1の表題化合物と、調製実施例19で記載したのと実質的に同じ手順によ
って反応させて、3.58gの調製実施例20Aの表題化合物を得る。
調製実施例20Aの表題化合物のHCl塩を、表題化合物をCH2Cl2に溶解し、CH2Cl2
中の6M HCl(g)を加え、次いで減圧濃縮して塩を得ることによって調製する。融
点=129℃;[α]D 25=−72.3°(3.32mg/2mL MeOH)。
調製実施例8、工程Aのラセミの表題化合物を調製実施例1の表題化合物と、調
製実施例2OAで記載したのと実質的に同じ手順で反応させて、調製実施例20Bの表
題化合物を得る。融点=145.0℃。
調製実施例21 工程A: 1.33gの調製実施例8、工程Bの表題化合物の(+)−エナンチオマーを1.37gの1-
N-t-ブトキシ-カルボニルピペリジニル-4-酢酸と、調製実施例14の工程Aで記載
したのと実質的に同じ手順を用いて反応させ、2.78gの生成物を得る。マススペ
クトル:MH+=694.0(FAB);[α]D 25=+34.1°(5.45mg/2mL MeOH)。工程B: 2.78gの工程Aの生成物を調製実施例17、工程Bで記載したのと実質的に同じ手
順により処理して、1.72gの生成物を得る。融点=104.1℃;マススペクトル:MH+
=594;[α]D 25=+53.4°(11.42mg/2mL MeOH)。工程C: -1.58gの工程Bの生成物を6mLの(CH3)3SiNCOで調製実施例14の工程Cで記載した
のと実質的に同じ手順を用いて処理して、1.40gの表題化合物を得る。融点=140
℃;マススペクトル:MH+=637;[α]D 25=+49.1°(4.24mg/2mL MeOH)。
アセトンからの再結晶により表題化合物を固体として得た。融点=214.5−215
.9℃。調製実施例22Aおよび22B 調製実施例8、工程Bの表題化合物の(−)−エナンチオマー(3.38g)を、調製実
施例21の工程A−Cで記載したのと実質的に同じ手順によって表題化合物(調製実
施例22A)に転化して、実施例22Aの表題化合物を得る。融点=152℃;マススペク
トル:MH+=637;[α]D 25=−62.5°(1.12mg/2mL MeOH)。
調製実施例8、工程Aのラセミの表題化合物を調製実施例10の工程A−Cで記載し
たのと実質的に同じ手順によって表題化合物(調製実施例22B)に転化して、調製
実施例22Bの表題化合物を得る。融点=111.2℃(分解)。
調製実施例23 工程A: 1.35gの調製実施例10、工程Bの表題化合物の(−)−エナンチオマーを1.4gの1-
N-t-ブトキシカルボニルピペリジニル-4-酢酸と、調製実施例14の工程Aで記載し
たのと実質的に同じ手順に従って反応させて、2.0gの生成物を得る。マススペク
トル:MH+=694(FAB)。
工程B: 1.95gの工程Aの生成物を調製実施例17の工程Bで記載したのと実質的に同じ手
順によって処理して、1.63gの生成物を得る。マススペクトルMH+=594(FAB)。 工程C: 1.6gの工程Bの生成物を1.3mLの(CH3)3SiNCOで調製実施例14の工程Cで記載した
のと実質的に同じ手順を用いて処理して、1.27gの表題化合物を得る。マススペ
クトル:MH+=637(FABS);[α]D 25=−33.1°(c=0.58 EtOH)。
調製実施例24Aおよび24B 調製実施例10、工程Bからの表題化合物の(+)−エナンチオマー(2.1g)を調製
実施例21の工程A−Cで記載したのと実質的に同じ手順によって表題化合物に転化
して、調製実施例24Aの表題化合物を得る。マススペクトル:MH+=637(FABS);[
α]D 25=+32.4°(c=0.57 EtOH)。 調製実施例10、工程Aからのラセミの表題化合物を調製実施例24Bのラセミの表
題化合物に同様の方法で転化する。
調製実施例25 2.6gの調製実施例10、工程Bの表題化合物の(+)−エナンチオマーおよび1.68g
の調製実施例1の表題化合物を調製実施例19で記載したのと実質的に同じ手順に
従って反応させて、2.10gの表題化合物を得る。マススペクトル:MH+=604(FAB)
;[α]D 25=+34.1°(10.98mg/2mL EtOH)
調製実施例25の表題化合物のHCl塩を調製するために、700mgの表題化合物を4m
LのCH2Cl2に溶解し、4mLのEt2Oを加え、0℃まで冷却し、そして1mLのジオキサン
中HCl(g)をゆっくりと添加する(滴下)。2mLのEt2Oを加え、0℃で7分間攪拌する
。30mLのEt2Oで希釈し、濾過して、固体生成物回収し、そして30mLのEt2Oで洗浄
す
る。固体を減圧乾燥して、0.836gの実施例14のHCl塩を得る。[α]D 25=+64.8°
(9.94mg/2mL EtOH)。
調製実施例26Aおよび26B 調製実施例10、工程Bの表題化合物の(−)−エナンチオマー(0.60g)を0.39gの
調製実施例1の表題化合物と、調製実施例19で記載したのと実質的に同じ手順に
よって反応させて、0.705gの表題化合物を得る。マススペクトル:MH+=604(FAB
S);[α]D 25=−41.8°(EtOH)。
調製実施例26Aの表題化合物のHCl塩を調製実施例25で記載したのと実質的に同
じ手順によって調製する。[α]D 25=−63.2°(EtOH)。
調製実施例10、工程Aからのラセミの表題化合物を調製実施例26Bのラセミの表
題化合物に、調製実施例19で記載したのと実質的に同じ手順に従って、転化する
。 調製実施例27 調製実施例4の表題化合物を調製実施例17の工程A−Cで記載したのと実質的に
同じ方法によって反応させて、表題化合物を得る。これはラセミ体である。マス
スペクトル:MH+=635(FAB)。
調製実施例28 工程A: 9.90g(18.9mmol)の調製実施例7、工程Bの生成物を150mLのCH2Cl2および200mL
のCH3CNに溶解し、そして60℃まで加熱する。2.77g(20.8mmol)のN-クロロスクシ
ンイミドを加え、そして3時間加熱還流し、反応をTCL(30%EtOAc/H2O)で反応を
モニターする。さらに2.35g(10.4mmol)のN-クロロスクシンイミドを加え、そし
てさらに45分間還流する。反応混合物を室温まで冷却し、そして1NのNaOHおよび
CH2Cl2で抽出する。CH2Cl2層をMgS04で乾燥し、濾過し、そしてフラッシュクロ
マトグラフィー(1200mL順相シリカゲル、30%EtOAC/H2Oで溶出)で精製して、6.
24gの所望の生成物を得る。融点193−195.4℃。MH+=510。工程B: −10℃で160mLの濃HClに、2.07g(30.1mmol)のNaNO2を加え、そして10分間攪拌
する。5.18g(10.1mmol)の工程Aの生成物を加え、そして反応混合物を−10℃から
0℃まで2時間加温する。反応系を−10℃まで冷却し、そして100mLのH3PO2を加え
、そして一晩静置する。反応混合物を抽出するために、砕氷上に注ぎ、そして50
%のNaOH/CH2Cl2で塩基性化する。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃
縮乾
燥する。フラッシュクロマトグラフィー(600mLの順相シリカゲル、20%のEtOAc
/ヘキサンで溶出)で精製して、3.98gの生成物を得る。マススペクトル:MH+=4
95。工程C: 3.9gの工程Bの生成物を100mLの濃HClに溶解し、そして一晩還流する。混合物
を冷却し、50%w/wNaOHで塩基性化し、そして得られる混合物をCH2Cl2で抽出す
る。CH2Cl2層をMgSO4で乾燥し、溶媒をエバポレートし、そして減圧乾燥して3.0
9gの所望の生成物を得る。マススペクトル:MH+=423。工程D: 調製実施例8で記載したのと同様の手順を用いて、1.73gの所望の生成物を得る
。融点169.6−170.1℃;[α]D 25=+48.2°(c=1 MeOH)。MH+=425。工程E:
調製実施例14と同様の手順を用いて、工程Dの生成物を出発物質として用いて
、表題化合物を得る。融点152.3−153.3℃;[α]D 25=+53.0°(c=1 MeOH)。MH+
=593。調製実施例29 工程A: 15.0g(44.4mmol)の調製実施例9、工程Bの生成物を6.52g(48.9mmol)のN-クロロ
スクシンイミドで調製実施例28の工程Aで記載したのと同様の方法で処理し、そ
して記載のように抽出して、16.56gの所望の生成物を得る。融点234.7−235.0℃
。MH+=370。工程B: 16.95g(45.6mmol)の工程Aの生成物を調製実施例28の工程Bで記載したのと同様
の方法で処理して、13.07gの所望の生成物を得る。融点191.7−192.1℃。MH+=3
56。調製実施例30 200mgのシアノ出発物質を17gのポリリン酸中で190−200℃で45分間加熱する。
得られる混合物を氷に注ぎ、30%のHClを加え、そして30分間攪拌する。CH2Cl2
で抽出し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮する。分取
TLCで精製し、EtOAc/ヘキサンで溶出して、21mgの所望の生成物を得る(また、5
9mgの10-クロロ生成物を得る)。
調製実施例31 工程A: 10.0g(29.6mmol)の調製実施例9、工程Bの生成物を150mLのCH2Cl2および200mL
のCH3CN中に室温で溶解する。混合物を60℃まで加熱し、10.45g(32.6mmo1)の1-
フルオロ-4-ヒドロキシ-1,4-ジアゾニアビシクロ[2,2,2]オクタンビス(テトラフ
ルオロボレート)を加え、そして4時間加熱還流する。混合物を室温まで冷却し、
CH2Cl2および1N NaOHで抽出する。CH2Cl2層でMgSO4で乾燥し、濾過し、そして乾
燥
までエバポレートする。得られる残渣を1400mLの順相シリカゲルを用いるフラッ
シュクロマトグラフィーで、10%のEtOAc−CH2Cl2+2滴のNH4OHで溶出して精製
し、2.00gの生成物を得る。融点103.2−103.5℃。MH+=355。工程B: 実質的に調製実施例9の工程Dで記載されたような手順を用いて、1.80g(5.1mmo
l)の工程Aの生成物を処理する。粗生成物を、200mLの順相シリカゲルを用いるフ
ラッシュクロマトグラフィーで、20%EtOAc/ヘキサンで溶出して、精製する。
マススペクトル:MH+=339。
調製実施例32
適切な出発物質および上記の手順を用いて、以下の化合物を作製し得る:
調製実施例33 工程A: 3-ブロモ-8-クロロ-5,6-ジヒドロ-11H-ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2-b]ピリ
ジン-11-オン(2g)(6.2mmol)の無水ジクロロメタン(14ml)溶液に0℃かつアルゴン
雰囲気下で、3-クロロ過安息香酸(1.76g)(10.4mmol)の無水ジクロロメタン(35ml
)の溶液を30分間かけて滴下した。混合物を室温に加温し、そして18時間後、追
加の無水ジクロロメタン(25ml)中の3-クロロ過安息香酸(0.88g)(5.2mmol)を加え
、そして混合物を全部で42時間攪拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し、そ
して1NのNaOH(200ml)で洗浄した。水層を追加のジクロロメタン(2×200ml)で抽
出し、そして合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥
までエバポレートした。生成物をシリカゲル上で0.25%−0.5%−1%(メタノー
ル中の10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いてクロマトグラフにかけ
て、表題化合物を得る(収率:1.386g、66%):ESIMS;m/z 338.1(MH+);
工程B: 調製実施例33Aの表題化合物(1.3422g)(3.96mmol)をメタノール(18ml)に溶解し
、そしてジクロロメタン(20ml)およびホウ水素化ナトリウム(0.219g)(5.79mmol)
を
加えた。混合物をアルゴン下0℃で1時間攪拌し、そして次に25℃まで1時間にわ
たって温度を上げた。混合物をジクロロメタン(800ml)で希釈し、そして1NのNaO
H(150ml)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×100ml)で抽出し、そして合わせ
た有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして乾燥までエバポレートし
た。生成物を、シリカゲル上で1%(メタノール中の10%濃NH4OH)ジクロロメタン
を溶出液として用いてクロマトグラフにかけて、表題化合物を得た(収率:1.24g
、92%):
工程C 調製実施例33Bの表題化合物(1.19g)(3.49mmol)を無水トルエン(22.5ml)に溶解
し、そして溶液を0℃までアルゴン下、冷却した。無水トルエン(5ml)中の塩化チ
オニル(0.472ml)(6.46mmol)を加え、そして混合物を0℃で1時間攪拌した。混合
物を25℃まで2.5時間にわたって加温した。溶液を20%の酢酸エチルのジクロロ
メタン(800ml)溶液中に注ぎ、そして混合物を1N NaOHで洗浄した。水層をジクロ
ロメタン(2×200ml)で抽出し、そして合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥
し、濾過し、そしてエバポレートして生成物を得、これをさらに精製することな
く用いた。工程D: 調製実施例33Cからの表題化合物(3.49mmol)を無水THF(10ml)に溶解し、そして
ピペラジン(1.505g)(17.47mmol)の無水THF(20ml)溶液を加え、そして混合物をア
ルゴン下25℃で69時間攪拌した。混合物をジクロロメタン(800ml)に注ぎ、そし
て1N NaOH(125ml)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2×200ml)で抽出し、そし
て合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、乾燥までエバポレート
した。生成物をシリカゲル上で5%(メタノール中の10%濃NH4OH)ジクロロメタン
を溶出液として用いてクロマトグラフにかけ、表題化合物を得た(収率:1.2772g
、89%):
工程E 上記工程Dからの表題ラセミ化合物(1g)をChiralpak AD HPLCカラム(内径5cmお
よび長さ50cm;粒子サイズ20μ)上で、溶出液として2-プロパノール:ヘキサン
:ジエチルアミン(30:70:0.2を2L通した後、40:60:0.2まで段階的に上げる)
を用いて分離し、R(+)エナンチオマーを第1の溶出画分(0.486g)として得た:次にS(−)エナンチオマーを第2の溶出画分(0.460g)として得た:
実施例1 調製実施例33Dからの表題化合物(0.4g)(0.979mmol)、4-ピリジル酢酸N1-オキ
シド(0.1948g)(1.27mmol)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイ
ミド塩酸塩(0.244g)(1.27mmol)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.172g)(1.2
7mmol)および4-メチルモルホリン(0.14ml)(1.27mmol)を無水DMF(15ml)に溶解し
、そして混合物を25℃で18時間攪拌した。溶液をジクロロメタン(800ml)中に注
ぎ、そして1N NaOHで洗浄した。水層をジクロロメタン(2×200ml)で抽出し、そ
して
合わせた有機層を乾燥までエバポレートした。残渣をシリカゲル上で、3.5%(メ
タノール中の10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いて、クロマトグラ
フにかけ、表題化合物を得た(収率:0.4806g、90%): 実施例2 調製実施例21、工程Cの生成物(1.06g、1.65mmol)のジクロロメタン溶液(50mL)
にメタ−クロロ過安息香酸(0.5gの57−86%純度、1当量)を加えた。室温で5時間
後、追加の0.23gのメタ−クロロ過安息香酸を加え、そして得られた混合物を室
温で一晩攪拌した。反応混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過および減圧濃縮して、淡黄色泡状物を得た。フ
ラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)で水酸化アンモニウムで飽和し
た5%メタノール−ジクロロメタンを用いて精製し、表題化合物を得た(0.60g、5
6%収率、融点170.5−175℃)。[α]D 21 ℃=+116.2°(c=0.113メタノール)。実施例3 実施例2の手順に従い、ただし、調製実施例19の生成物を調製実施例21、工程C
の生成物の代わりに用いて、生成物を白色固体として得た。融点=174.2℃
実施例4 m-クロロ過安息香酸(50% 1.5g、4.36mmol)を調製実施例23、工程Cからの生成
物(1.0g、1.48mmol)の塩化メチレン(15ml)溶液に0℃で加え、次に0℃で5時間攪
拌し、そして室温で3時間攪拌する。水(50ml)、水酸化アンモニウム(10ml、濃)
を加え、そして混合物を塩化メチレン(2×200ml)で抽出した。有機層を分離し、
硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒をエバポレートし、固体を得、
これをシリカゲル上で、2%水酸化アンモニウムを含む10%v/vメタノール:塩化
メチレンを用いて溶出して、クロマトグラフを行い、表題生成物を白色固体とし
て得た(700mg、70%)[α]D 24 ℃=−68.9°(c=0.352エタノール)。 実施例5 実施例4と同じ手順に従い、ただし当量の調製実施例26Aを調製実施例23、工程
Cの生成物の代わりに用いて、表題化合物を白色固体として得た(73%収率)。
[α]D 24 ℃=−76.6°(c=0.197エタノール)。
実施例6 調製実施例12の手順に従い、ただし、調製実施例3、工程Dの生成物を調製実施
例4の化合物の代わりに用いて、出発反応物を得る。実施例4の手順に従い、ただ
し上記反応物を調製実施例23、工程Cからの生成物の代わりに用いて、表題化合
物を白色固体として得た(100%)。
実施例7 調製実施例33、工程Eからの表題化合物、R(+)エナンチオマー(360.4mg、0.88
2mmol)、4-ピリジル酢酸N1-オキシド(175.5mg、1.146mmol)、1-(3-ジメチルアミ
ノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(220mg、1.146mmol)、1-ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(155mg、1.146mmol)および4-メチルモルホリン(0.126mL、1.
146mmol)を無水DMF(11mL)に溶解し、そして混合物を25℃で18時間攪拌した。反
応物を実施例1で記載のように処理し、そして生成物をシリカゲル上で4%(メタ
ノール中の10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いて、クロマトグラフ
にかけて、表題化合物を得た(収率:441.1mg、92%): 実施例8 調製実施例33、工程Eからの表題化合物のS(−)エナンチオマー(374.8mg、0.91
7mmol)、4-ピリジル酢酸N1-オキシド(182.6mg、1.192mmol)、1-(3-ジメチルアミ
ノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(229mg、1.192mmol)、1-ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール(161mg、1.192mmol)および4-メチルモルホリン(0.131mL、1.
192mmol)を無水DMF(11mL)に溶解し、そして混合物を25℃で18時間攪拌した。反
応系を実施例1に記載のように処理し、そして生成物をシリカゲル上で4%(メタ
ノール中10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いてクロマトグラフにか
け、表題化合物を得た(収率:467.3mg、94%)
実施例9 工程A: 調製実施例33、工程D、(±)の表題化合物(789.1mg、1.93mmol)、1-tert-ブト
キシカルボニル-4-ピペリジニル酢酸(610.6mg、2.51mmol)、1-(3-ジメチルアミ
ノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(481.2mg、2.51mmol)、1-ヒドロキ
シベンゾトリアゾール(339.2mg、2.51mmol)および4-メチルモルホリン(0.276mL
、2.51mmol)を無水DMF(30mL)に溶解し、そして混合物を25℃で21時間攪拌した。
反応系を実施例1に記載のように処理し、そして生成物をシリカゲル上で0.5%−
1%(メタノール中10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いてクロマトグ
ラフにかけ、表題化合物を得た(収率:1.22g、100%):
工程B: 上記工程Aの表題化合物(1.21g、1.91mmol)をメタノール(10.6mL)、およびジオ
キサン(26mL)中の10%(v/v)濃H2SO4に溶解し、そして混合物をアルゴン下25℃で
1.5時間攪拌した。溶液を濃縮し、そしてCH2Cl2で希釈し、そして1N水性NaOHで
塩基性化した。CH2Cl2抽出物(生成物の水溶解度のために、生成物の一部しか含
まない)を乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして乾燥までエバポレートした。生成物を
シリカゲルで10%(MeOH中10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いてク
ロマトグラフにかけ、表題化合物を得た(収率:87.7mg、10%):
工程C 上記工程Bの表題化合物(99.1mg、0.189mmol)およびトリメチルシリルイソシア
ネート(0.384mL、2.83mmol)を無水ジクロロメタン(3mL)中に溶解し、そして混合
物を25℃でアルゴン下20時間攪拌した。追加のトリメチルシリルイソシアネート
(0.0768mL、0.567mmol)を加え、そして反応をさらに5時間進行させた。混合物を
ジクロロメタンで希釈し、そして飽和水性NaHCO3で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾
過し、そして乾燥までエバポレートした。生成物をシリカゲル上で3.5%(メタノ
ール中10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いてクロマトグラフにかけ
、表題化合物を得た(収率:80.4mg、81%):
実施例10 工程A 調製実施例33、工程Eからの表題化合物のR(+)-エナンチオマー(1g、2.45mmol
)、1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル酢酸(487mg、3.181mmol)、1-(3-
ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(6l0mg、3.181mmol)、
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(430mg、3.181mmol)および4-メチルモルホリン
(0.35mL、3.181mmol)を無水DMF(30.5mL)に溶解し、そして混合物を25℃で66時間
攪拌した。反応系を実施例1に記載のように処理し、そして生成物をシリカゲル
上で1%(メタノール中10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いてクロマ
トグラフにかけ、表題化合物を得た(収率:1.25g、81%):
工程B 上記工程Aからの表題化合物(1.l49g、1.812mmol)を、メタノール(9.5mL)、お
よびジオキサン(24.7mL)中の10%(v/v)濃H2SO4に溶解し、そして混合物をアルゴ
ン下、25℃で1時間攪拌した。混合物をBioRad AG1-X8(OH-形)イオン交換樹脂床
に通し、そして樹脂をメタノールで洗浄した。合わせた溶出液を乾燥までエバポ
レートし、そして生成物をシリカゲルで10%(MeOH中10%濃NH4OH)ジクロロメタ
ンを溶出液として用いて、クロマトグラフにかけ、表題化合物を得た(収率:762
.9mg、79%):
工程C 上記工程Bからの表題化合物(550mg、1.03mmol)およびトリメチルシリルイソシ
アネート(2.092mL、15.45mmol)を無水ジクロロメタン(16.4mL)中に溶解し、そし
て混合物を25℃、アルゴン下で18時間攪拌した。混合物をジクロロメタンで希釈
し、そして飽和水性NaHCO3で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして乾燥まで
エバポレートした。生成物をシリカゲル上で3.5%(メタノール中10%濃NH4OH)ジ
クロロメタンを溶出液として用いてクロマトグラフにかけて、表題化合物を得た
(収率:570.3mg、99%):
実施例11 工程A 調製実施例33、工程Eからの表題化合物のS(−)エナンチオマー(1g、2.45mmol)
、1-tert-ブトキシカルボニル-4-ピペリジニル酢酸(487mg、3.181mmol)、1-(3-
ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(6l0mg、3.181mmol)、
1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(430mg、3.181mmol)および4-メチルモルホリン
(0.35mL、3.181mmol)を無水DMF(30.5mL)に溶解し、そして混合物を25℃で66時間
攪拌した。反応系を実施例1に記載のように処理し、そして生成物をシリカゲル
上で1%(メタノール中10%濃NH4OH)ジクロロメタンを溶出液として用いて、クロ
マトグラフにかけ、表題化合物を得た(収率:1.204g、78%):
工程B 上記工程Aの表題化合物(1.104g、1.741mmol)を、メタノール(9.13mL)、および
ジオキサン(23.75mL)中の10%(v/v)濃H2SO4に溶解し、そして混合物をアルゴン
下、25℃で1時間攪拌した。混合物をBioRad AG1-X8(OH-形)イオン交換樹脂床に
通し、そして樹脂をメタノールで洗浄した。合わせた溶出液を乾燥までエバボレ
ニトし、そして生成物をシリカゲルで10%(MeOH中の10%濃NH4OH)ジクロロメタ
ンを溶出液として用いてクロマトグラフにかけ、表題化合物を得た(収率:771.6
mg、83%):
工程C 上記工程Bからの表題化合物(550mg、1.03mmol)およびトリメチルシリルイソシ
アネート(2.092mL、15.45mmol)を無水ジクロロメタン(16.4mL)に溶解し、そして
混合物を25℃でアルゴン下、18時間攪拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し
、そして飽和水性NaHCO3で洗浄し、乾燥(MgSO4)し、濾過し、そして乾燥までエ
バポレートした。生成物をシリカゲル上で3.5%(メタノール中10%濃NH4OH)ジク
ロロメタンを溶出液として用いて、表題化合物を得た(収率:571.5mg、99%):
実施例12 出発反応物(0.1g、0.18mmol)をCH2Cl2(5mL)に溶解し、そして次に−18℃まで
冷却した。m-クロロ過安息香酸(0.18g、1.07mmol)を次に加え、そして反応混合
物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をCH2Cl2と飽和NaHCO3(水性)との間で分配
した。水相をさらにCH2Cl2で抽出した。合わせたCH2Cl2画分をMgSO4で乾燥し、
そして減圧濃縮して残渣を得、これをシリカプレート上で、10%MeOH(飽和NH3)
−CH2Cl2溶出液で溶出して、クロマトグラフにかけ、表題化合物を白色固体とし
て得た(0.013g、13%収率、融点=146.8−147.4℃、MH+=577)。
出発反応物を調製実施例14の手順および上記のキラルクロマトグラフィー分離
手順によって得る。
実施例13 表題化合物を、実施例12で記載したのと本質的に同じ手順によって調製した(m
p=120−121℃、MH+=577)。
実施例14 実施例12で記載したのと本質的に同じ酸化手順に従い、出発反応物をm-クロロ
過安息香酸で酸化して、表題化合物を得る(融点=109−110℃、MH+=542)。
出発反応物を、調製実施例3の表題化合物のS(−)異性体を調製実施例1の表題
化合物と、調製実施例12で記載したのと本質的に同じ手順によって反応させるこ
とにより得る。調製実施例3のラセミ体のS(−)異性体を、上記のキラルクロマト
グラフィー分離手順によって得る。
実施例15 表題化合物を実施例14に記載の手順と本質的に同じ手順で調製した(融点=125
.5−126.3℃、MH+=542)。アッセイ -FPT IC50(ファルネシルタンパク質トランスフエラーゼの阻害、インビトロ
酵素アッセイ)を、WO 95/10516(1995年4月20日に公表)に記載のアッセイ手
順に従って決定した。GGPT IC50(ゲラニルゲラニルタンパク質トランスフェラ
ーゼの阻害、インビトロ酵素アッセイ)、COS細胞IC50(細胞ベースのアッセイ
)、Cell Mat Assay、および抗腫瘍活性(インビボ抗腫瘍研究)を、WO 95/1051
6に記載のアッセイ手順によって決定し得た。WO 95/10516の開示は、参考として
本明細書に援用される。
追加のアッセイを、T24-BAG細胞の代わりに代替のインジケーター腫瘍細胞株
の置換以外は、上記と本質的に同じ手順に従って行い得る。アッセイを、活性化
K-ras遺伝子を発現するDLD-1-BAGヒト結腸ガン腫細胞または活性化K-ras遺伝子
を発現するSW620-BAGヒト結腸ガン腫細胞のいずれかを使用して行い得る。当該
技術分野で公知の他の腫瘍細胞株を使用して、ガン細胞の他のタイプに対する本
発明の化合物の活性を証明し得た。
軟寒天アッセイ:
足場非依存性増殖は、腫瘍発生細胞株の特徴である。ヒド腫瘍細胞を、0.3%
アガロースおよび所定の濃度のファルネシルトランスフェラーゼインヒビターを
含む増殖培地に懸濁し得る。溶液を、上部層と同じ濃度のファルネシルトランス
フェラーゼインヒビターを含む0.6%アガロースで凝固した増殖培地上に積層し
得る。上部層を凝固した後、プレートを、5%CO2下で37℃にて10〜16日間イン
キュベートしてコロニーを生長させ得る。インキュベーション後、コロニーを、
MTT(3-[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミ
ド、チアゾリルブルー)の溶液(PBS中1mg/mL)を寒天に積層することによって
染色し得る。コロニーを計数し得、そしてIC50を決定し得る。
FPT pM IC50 アッセイ
酵素反応を、50mMのTris、5μmのZnCl2、5mMのMgCl2、0.01% Triton X-100
、5mMのジチオールトレイトール(DTT)中(pH7.7(Buffer R))で、37℃にて、
1時間実行する。精製したヒトFPT(95%より高い純度)は、Baculovirus/Sf-9
発現系由来であった。使用されたペプチド基質は、ビオチン-CVLS(SynPep Corp
.,Dublin,CA)であり、そして(1-3H)-FPP(21.5Ci/mmol)は、New England Nu
clear Life Science Products(Boston、MA)から入手した。化合物を、最初に
溶解させて、100%DMSO中4mg/mlの最終濃度とし、次いで、100%DMSO中0.25μg
/mlの濃度とした。引き続く化合物の希釈は、Buffer R中で実行した。
酵素反応は、100μlの最終容積中で実行される。反応を、96ウェルプレートフ
ォーマット内で実行する。ヒトFPT、FPP、およびビオチン-CVLSの最終濃度は、1
00μlの容積中、それぞれ30pM、176nM、および100nMであった。代表的な反応は
、室温にて15分間のFPTおよびFPP(40μl中)のプレ平衡化(prequilibration)
、続いて、試験化合物を含む溶液40μlの添加を包含する。これを、室温でさら
に1
5分平衡化(equilibrate)する。酵素反応を、ビオチン-CVLSペプチド基質(20
μl)を添加することにより開始し、そして37℃で1時間進行させる。反応を、1
50μlのStop Solution(シンチレーションビーズ(ストレプトアビジン(strepav
idin)でコーティングしたシンチレーション充填(proximity)ビーズ(Amersham
(Arlington Heights,IL)1.3mg/ml、EDTA 250mM(pH8.0)および0.5% BSAか
ら構成される)を用いて停止させる。放射活性を、室温で20分後に測定する。
反応の濃度依存性%阻害を測定することにより、化合物を、それらが反応を阻
害する能力について評価した。0.25μg/mlにおける化合物ストック(DMSO)を、
Buffer R中に希釈し、次いで、上記の反応混合物で希釈して、反応混合物中、0.
01、0.003、0.001、0.0003、0.0001、および0.00003μg/mlの最終濃度を得る。
酵素活性を、Wallac 1204 Betaplate BS液体シンチレーションカウンターを用い
てCPM/ウェルを測定することにより記録した。対照実験をインヒビター非存在下
で実行し、非阻害反応についてのCPM値を得た。さらに、反応を、ビオチン-CVLS
の非存在下で実行し、バックグラウンドCPM値についてのシグナルを得た。バッ
クグラウンドについてのシグナルを補正した後、各インヒビター濃度について%
阻害を計算し、そしてIC50値を、阻害の線形領域内でデータを最小二乗分析する
ことから挿間した。
実施例1〜15の化合物および化合物54.0は、0.7nM〜174nMを越える範囲内のFP
T IC50を有した。
実施例7の化合物は、0.44nMのFPT pM IC50値を有し、そして実施例10の化合
物は、0.41nMのFPT pM IC50を有した。
実施例2、3、および7の化合物は、9nM〜85nMの範囲内のCOS Cell IC50を
有し、そして25nM〜183nMの範囲内のSoft Agar IC50を有した。
本発明によって記載される化合物から薬学的組成物を調製するために、不活性
で薬学的に受容可能なキャリアは、固体または液体のいずれかであり得る。固体
形態調製物は、粉末、錠剤、分散顆粒、カプセル、オブラート、および座薬を含
む。粉末および錠剤を、約5〜約70%の活性な成分から構成し得る。適切な固体
キャリア(例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖
、ラクトース)は、当該分野で公知である。錠剤、粉末、オブラート、およびカ
プ
セルを、経口投与のために適切な固体投薬形態として使用し得る。
座薬を調製するために、低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドの混合物
またはココアバター)を、まず溶融し、そして活性成分を、撹拌することによっ
てその中に均一に分散させる。次いで、溶融した均一な混合物を、都合の良い大
きさの鋳型に注ぎ、冷却させ、そしてそれによって凝固させる。
液体形態調製物は、溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含む。例として、非
経口的注入のためには、水または水−プロピレングリコール溶液が、言及され得
る。
液体形態調製物はまた、鼻内投与のための溶液を含み得る。
吸入剤に適切なエアロゾル調製物は、溶液および粉末形態の固体を含み得、そ
れは薬学的に受容可能なキャリア(例えば、不活性な圧縮ガス)との組合せであ
り得る。
使用する少し前に、経口または非経口投与のいずれかのために液体形態調製物
に変換されることを意図される固体形態調製物もまた含まれる。このような液体
形態は、溶液、懸濁液、およびエマルジョンを含む。
本発明の化合物はまた、経皮的に送達され得る。経皮組成物は、クリーム、ロ
ーション、エアロゾル、および/またはエマルジョンの形態をとり得、そしてこ
の目的のために当該分野では従来通りのマトリックスまたはリザーバータイプの
経皮パッチ中に含まれ得る。
好ましくは、化合物を、経口的に投与する。
好ましくは、薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態では、調
製物は、適切な量(例えば、所望の目的を達成するために有効な量)の活性成分
を含有する単位用量に再分割される。
調製物の単位用量中の活性化合物の量を、特定の適用に従って約0.1mg〜1000m
g、より好ましくは約1mg〜300mgに変動され得るかまたは調節され得る。
実際に用いる投薬量は、患者の条件および処置する症状の重度に依存して変動
され得る。特定の状況のための適切な投薬量の決定は、当業者の範囲内である。
一般に、処置は、化合物の最適な用量未満である、より少量の投薬で開始される
。その後、投薬量は、その状況下の最適な効果が達せられるまで、少量ずつ増加
さ
せる。便宜上、所望ならば、全一日投薬を分割し得、そして一日の間分配して投
与し得る。
本発明の化合物およびその薬学的に受容可能な塩の投与の量および頻度は、患
者の年齢、状態、および大きさならびに処置する症状の重度のような要因を考慮
する担当臨床医の判断に従って調節される。代表的な推薦投薬処方は、肺瘍増殖
をブロックする2〜4分割投薬で、10mg/日〜2000mg/日、好ましくは、10mg/日
〜1000mg/日の経口投与である。この投薬量範囲内で投与された場合、化合物は
無毒である。
以下は、本発明の化合物を含む薬学的投薬形態の例である。薬学的組成物局面
における本発明の範囲は、提供された例によって限定されるものではない。
薬学的投薬形態の例 実施例A 錠剤 製造方法
適切なミキサーで品目番号1および2を、10〜15分間混合する。品目番号3を
用いて混合物を顆粒化する。必要に応じて、湿顆粒を粗いふるい(例えば、1/4"
,0.63cm)を通して製粉する。湿顆粒を乾燥させる。必要に応じて、乾燥した顆
粒をふるいにかけ、そして品目番号4と混合し、そして10〜15分間混合する。品
目番号5を添加し、そして1〜3分間混合する。混合物を適切な大きさに圧縮し
、
そして適切な錠剤機械で計量する。
実施例B カプセル 製造方法
適切なブレンダー中で品目番号1、2、および3を10〜15分間混合する。品目
番号4を添加し、そして1〜3分間混合する。混合物を、適切なカプセル化機械
で適切な2片硬ゼラチンカプセル中に充填する。
本発明は上記の特定の実施態様に結びつけて記載されているが、その多くの代
替、改変、および変更は、当業者に明らかである。全てのこのような代替、改変
、および変更は、本発明の精神および範囲内にあると意図される。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07D 401/12 C07D 401/12
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY,
DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I
T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ
,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,
NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L
S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ
,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL
,AM,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,
CA,CN,CZ,EE,GE,GW,HU,ID,I
L,IS,JP,KG,KR,KZ,LC,LK,LR
,LT,LV,MD,MG,MK,MN,MX,NO,
NZ,PL,RO,RU,SG,SI,SK,SL,T
J,TM,TR,TT,UA,UZ,VN,YU
(72)発明者 マラムス,アラン ケイ.
アメリカ合衆国 ニュージャージー
07840,ハケッツタウン,キングス ハイ
ウェイ 147
(72)発明者 ニョロージ,エフ.ジョージ
アメリカ合衆国 ニュージャージー
07083,ユニオン,ジュリアット プレイ
ス 2597
(72)発明者 レミゼウスキー,ステイシー ダブリュ
ー.
アメリカ合衆国 ニュージャージー
07675,ワシントン タウンシップ,ハニ
ーサックル ドライブ 147
(72)発明者 タベラス,アーサー ジー.
アメリカ合衆国 ニュージャージー
07866,ロッカウェイ,クレストウッド
ロード 43
【要約の続き】