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JP2002363471A - 孔版印刷用w/o型エマルションインキ - Google Patents

孔版印刷用w/o型エマルションインキ

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JP2002363471A
JP2002363471A JP2001175963A JP2001175963A JP2002363471A JP 2002363471 A JP2002363471 A JP 2002363471A JP 2001175963 A JP2001175963 A JP 2001175963A JP 2001175963 A JP2001175963 A JP 2001175963A JP 2002363471 A JP2002363471 A JP 2002363471A
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oil
ink
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weight
emulsion ink
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JP2001175963A
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Yukako Konno
由佳子 今野
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温保存安定性にすぐれ、かつ輪転孔版印刷
機でも充分使用できる孔版印刷用W/O型エマルション
インキを提供する。 【解決手段】 油相10〜90重量%および水相90〜
10重量%によって構成される孔版印刷用W/O型エマ
ルションインキであって、前記水相中に電解質を含有さ
せるとともに、前記油相中に(1)ストロンチウムレッ
ド2BとジスアゾオレンジPMP、または(2)ブリリ
アントファストスカーレットとナフトールカーミンFB
を含有させたことを特徴とする。この孔版印刷用W/O
型エマルションインキでは、油相中に他の顔料を含有さ
せることができる。また、水相中の電解質としては硫酸
マグネシウムの使用が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に高温(60
℃)保存安定性に優れた孔版印刷用W/O型エマルショ
ンインキに関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷方法は周知のように、孔版印刷
原紙を用い、この原紙の穿孔部を介して原紙の一方の側
より他方の側ヘインキを移動させることにより、紙など
の被印刷物面に印刷を行なうものである。従来より用い
られている孔版印刷用インキは油中水型(W/O型)の
エマルションインキであるが、これは揮発性溶剤、不揮
発性溶剤、樹脂、着色剤、界面活性剤、水、凍結防止
剤、電解質、防腐剤等より構成されている。
【0003】近年、輪転孔版印刷機もマイクロコンピュ
ーター等による自動化が進み、操作も簡単になり、国内
外での孔版印刷の一般利用が増加している。このため、
インキの流通過程での保管環境は夏期のテント内や輸出
の際の船積みなど、高温(60℃)になる事が多く、そ
の際のインキの安定性が問題となっている。
【0004】こうした問題に対処する手段として、水相
中に硫酸マグネシウムなどの電解質を含有することによ
り、高温(60℃)保存安定性を改善することが提案さ
れている。ところが、従来、例えば赤色用エマルション
インキの顔料としては、黄色味を帯びた赤色で着色力が
大きいレーキレッドC(バリウム・トナー)が好まれて
使用されているが、該顔料を硫酸マグネシウム水相系で
使用した場合、硫酸バリウムの針状結晶を生成し、水分
離をおこすという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
従来技術の欠点を除去し、輪転孔版印刷機にも充分使用
でき、また高温(60℃)保存安定性に優れた孔版印刷
用W/O型エマルシヨンインキを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
達成するため種々研究を行った結果、油相中に赤色顔料
であるストロンチウムレッド2BとジスアゾオレンジP
MPを含有すること、または油相中に赤色顔料としてブ
リリアントファストスカーレットとナフトールカーミン
FBを含有することにより、赤色ないし金赤の色味をも
ち高温(60℃)保存安定性を有する孔版印刷用W/O
型エマルションインキが得られ、さらにこれらに加え
て、水相中に電解質である硫酸マグネシウムを含有させ
ることにより、より高温(60℃)保存安定性に優れた
孔版印刷用W/O型エマルションインキが得られること
を見出した。本発明はこれに基づいてなされたものであ
る。
【0007】従って、本発明によれば、第一に、油相1
0〜90重量%および水相90〜10重量%によって構
成される孔版印刷用W/O型エマルションインキであっ
て、前記水相中に電解質を含有させるとともに、前記油
相中にストロンチウムレッド2BとジスアゾオレンジP
MPを含有させたことを特徴とする孔版印刷用W/O型
エマルションインキが提供される。
【0008】第二に、油相10〜90重量%および水相
90〜10重量%によって構成される孔版印刷用W/O
型エマルションインキであって、前記水相中に電解質を
含有させるとともに、前記油相中にブリリアントファス
トスカーレットとナフトールカーミンFBを含有させた
ことを特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションイン
キが提供される。
【0009】第三に、前記油相中に他の顔料を含有させ
ることを特徴とする前記第一又は第二の孔版印刷用W/
O型エマルションインキが提供される。
【0010】第四に、前記電解質が硫酸マグネシウムで
あることを特徴とする前記第一〜第三のいずれかに記載
の孔版印刷用W/Oエマルションインキが提供される。
【0011】上記のように、本発明のエマルションイン
キが高温(60℃)保存安定性にすぐれることの効果
は、赤色顔料(ないしは金赤顔料)として特定の二種類
の顔料が使用されることに加え、また水相中に硫酸マグ
ネシウムを含有することにより、乳化剤の親水基は強固
にW/Oエマルションの内相である水相に拘束され、親
油基は油相中に相溶伸直し界面膜強度が上昇し、高温
(60℃)保存安定性を向上させていると考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明をさらに詳細に説明
する。本発明の孔版印刷用エマルションインキは、油相
10〜90重量%と水相90〜10重量%とからなる油
中水型エマルションからなるが、前記エマルションの油
相は、油成分、顔料分散剤、顔料、体質顔料、樹脂、乳
化剤等により構成され、水相は、水、電解質、防黴剤、
水蒸発防止剤、水溶性高分子、水中油型樹脂エマルショ
ンなどから構成される。これらの構成成分には、エマル
ションの形成を阻害しない公知のものが使用される。
【0013】本発明で用いられる赤色顔料はストロンチ
ウムレッド2BとジスアゾオレンジPMPとの併用か、
ブリリアントファストスカーレットとナフトールカーミ
ンFBとの併用である。このことにより、レーキレッド
Cの顔料がもつ金赤の色味をもち、さらに硫酸マグネシ
ウム等の電解質を含んだ水相と乳化を行っても、結晶化
による水分離は認められず、高温(60℃)保存安定性
に優れたものとなる。ここで、ストロンチウムレッド2
BとジスアゾオレンジPMPとの混合割合(重量比)は
10:90〜90:10が適当である。また、ブリリア
ントファストスカーレットとナフトールカーミンFBと
の混合割合(重量比)は10:90〜90:10が適当
である。なお、上記の顔料だけが使用されている場合は
エマルションインキは赤色あるいは金赤色であるが、こ
れに他の顔料例えば青色顔料を加えれば紺色のエマルシ
ョンインキが得られる。従って、本発明においては上記
の顔料以外の顔料を混ぜることは自由である。また、そ
のような他の顔料を混ぜた場合にも依然として高温(6
0℃)保存安定性は優れたものである。
【0014】本発明で使用される油成分は、例えば、石
油系溶剤、流動パラフィン、スピンドル油、マシン油、
潤滑油などの鉱物油;あまに油、トール油、とうもろこ
し油、オリーブ油、ナタネ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ
油、大豆油、やし油等の植物油等が使用される。また、
本発明においては安全性、保存安定性を阻害しない範囲
で合成油も併用できる。合成油を使用する場合、種々の
化合物が利用できる。
【0015】代表的な合成ビヒクルには、ポリイソブチ
レン類、水素化ポリデセン類、トリメチロールプロパン
エステル類、ネオペンチルエステル及びペンタエリトリ
トールエステル、ジ(2−エチルヘキシル)セバケー
ト、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジブチルフ
タレート、フルオロカーボン類、珪素エステル類、シラ
ン類、リン含有酸類のエステル類、液体尿素、フェロセ
ン誘導体類、水素化合成油類、鎖状ポリフェニル類、シ
ロキサン類及びシリコン類(ポリシロキサン類)、ブチ
ル置換ビス(p−フェノキシフェニル)エーテル類に代
表されるアルキル置換ジフェニルエーテル類、フェノキ
シフェニルエーテル類などが挙げられる。
【0016】本発明で使用されるパラフィン系オイル
は、モービル石油社製のガーゴオイルアークティックシ
リーズ、日本石油社製の日石スパーオイルシリーズ、出
光興産社製のダイアナプロセスオイル、ダイアナフレシ
アシリーズ等があげられる。
【0017】ナフテン系オイルは、環分析によるナフテ
ン成分の炭素含有量(CN)が30%以上、かつ芳香族
成分の炭素の含有量(CA)が20%以下かつパラフイ
ン成分の炭素含有量(CP)が55%以下である鉱物油
であって、モービル石油社製のガーゴオイルアークティ
ックオイル155および300ID、ガーゴオイルアー
クティックオイルライト及びガーゴオイルアークティッ
クオイルCヘビー、出光興産社製のダイアナプロセスオ
イル、ダイアナフレシアシリーズ、日本サン石油社製の
サンセンオイルシリーズ等が挙げられる。
【0018】安全性の高い石油系溶剤としては、エクソ
ン化学社製のアイソパーシリーズ及びエクソール、日本
石油社製のAFソルベントシリーズ等があげられる。
【0019】これらの油成分は安定性を考慮した場合、
3環以上の縮合芳香族環を含む芳香族炭化水素である多
環芳香族成分が3重量%未満のものを使用する事が望ま
しい。
【0020】さらに、変異原性指数MIが1.0未満、
アロマ分(%CA)が20〜55%、アニリン点が10
0℃以下であって、かつオイル全重量基準でベンゾ
[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベ
ンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテ
ン、ベンゾ[a]ピレン、ジベンゾ[a,j]アクリジ
ン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、7H−ジベンゾ
[c,g]カルバゾール、ジベンゾ[a,e]ピレン等
の多環芳香族の含有量がそれぞれ個々に10重量ppm
以下であり、含有量の合計量が50重量ppm以下であ
る、安全性の高いアロマー系オイル(特開平11−80
640号公報)も必要であれば使用しても良い。これら
の油は単独でも2種類以上混合して使用してもよい。
【0021】本発明で用いられる乳化剤は、油中水型の
エマルションを形成する目的で使用され、好ましくは非
イオン系界面活性剤であり、たとえば、ソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポ
リオキシエチレン硬化ヒマシ油及び高級アルコール等が
あげられる。これらは、単独あるいはこれらのHLBの
異なるものを2種類以上あわせて安定性の高いエマルシ
ョンを調整する。添加量はインキ重量の1〜8重量%、
好ましくは2〜5.5重量%とすればよい。
【0022】油相に添加される樹脂は、ロジン;重合ロ
ジン、水素化ロジン、ロジンエステル、ロジンポリエス
テル樹脂、水素化ロジンエステル等のロジン系樹脂;ロ
ジン変性アルキド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂;ロ
ジン変性フェノール樹脂等のロジン変性樹脂;マレイン
酸樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;環化ゴムなどのゴ
ム誘導体樹脂;テルペン樹脂;アルキド樹脂;重合ひま
し油等を1種または2種以上を混合して添加して良い。
【0023】油相中に樹脂を添加する場合の樹脂使用量
は、インキのコストおよび印刷適正から油相の2〜50
重量%、より好ましくは5〜20重量%である。また、
樹脂の重量平均分子量が低い場合及び添加量が少ない場
合には定着性への効果が小さいこと、また重量平均分子
量が高すぎたり、樹脂の添加量が多い場合にはインキの
塑性粘度が高くなり、ドラム後端からインキが漏れるな
どの印刷適性の問題が生じる。
【0024】アルキド樹脂は油脂と多塩基酸と多価アル
コールから構成されるが、油脂としてはヤシ油、パーム
油、オリーブ油、ひまし油、米糠油、綿実油等のヨウ素
価80以下の不乾性油あるいは半乾性油およびこれらの
脂肪酸が挙げられるが、大豆油、アマニ油、キリ油等の
乾性油もアルキド樹脂のヨウ素価が80以下の範疇では
一部使用しても良い。多塩基酸としては無水フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、テトラヒドロフタル酸等の飽和多塩基酸、
およびマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、無水シトラコン酸等の不飽和多塩基酸があげられ
る。多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、ネオペンチルグリコー
ル、ジグリセリン、トリグリセリン、ペンタエリスリッ
ト、ジペンタエリスリット、マンニット、ソルビット等
があげられる。
【0025】アルキド樹脂の油長は油脂中の脂肪酸がト
リグリセライドで存在したときの樹脂中の重量%で示さ
れる。アルキド樹脂は分散安定性、および皮膜形成によ
る版胴スクリーンの目詰まり等の問題から、油長60〜
90、ヨウ素価80以下であることが好ましい。アルキ
ド樹脂の重量平均分子量は好ましくは3万未満、より好
ましくは1万以下である。
【0026】油相に使用する着色剤分散剤としてはエマ
ルションの形成を阻害しない物が使用でき、前記の乳化
剤用非イオン性界面活性剤及び水溶性高分子も使用する
ことができる。この他、着色剤分散剤としてはアルキル
アミン系高分子化合物、アルミニウムキレート系化合
物、スチレン−無水マレイン酸系共重合高分子化合物、
ポリカルボン酸エステル型高分子化合物、脂肪族系多価
カルボン酸、高分子ポリエステルのアミン塩類、エステ
ル型アニオン界面活性剤、高分子量ポリカルボン酸の長
鎖アミン塩類、長鎖ポリアミノアミドと高分子酸ポリエ
ステルの塩、ポリアミド系化合物、燐酸エステル系界面
活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩類、α−オレフィ
ンスルホン酸塩類、ジオクチルスルホコハク酸塩類、ポ
リエチレンイミン、アルキロールアミン塩、及びアルキ
ド樹脂などの不溶性着色剤分散能を有する樹脂などもあ
げられる。この他にもインキの保存安定性を阻害しない
範囲であればイオン性界面活性剤、両性界面活性剤など
も挙げられる。
【0027】これらの着色剤分散剤は単独または2種類
以上混合して添加すれば良く、高分子及び樹脂以外の着
色剤分散剤の添加量は着色剤全重量の40重量%以下、
好ましくは2〜35重量%とすれば良い。
【0028】なお、アルキド樹脂は高分子量の樹脂を添
加するときに不溶性着色剤の分散安定性に特に効果があ
るが、アルキド樹脂を単独または他の着色剤分散剤と併
用して使用する場合のアルキド樹脂の添加量は、不溶性
着色剤1重量部に対して0.05重量部以上であること
が好ましい。
【0029】ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化
してインキの保存安定性、定着性、流動性を向上させる
役割をもち、本発明のインキに添加されるゲル化剤とし
ては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。こ
のような化合物を例示すると、Li,Na,K,Al,
Ca,Co,Fe,Mn,Mg,Pb,Zn,Zr等の
金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石鹸オ
リゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニウム
等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナフテ
ン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸塩、ア
ルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセトアセテ
ート等の有機キレート化合物等が挙げられる。これらの
ゲル化剤は、1種または2種類以上を油相に添加すれば
良く、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、好
ましくは5〜10重量%である。
【0030】油相に添加される酸化防止剤は、ジブチル
ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロ
キシアニソール等であり、これらの添加によって油相中
のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインキ
の粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はイン
キ中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重
量%である。なお酸化防止剤は単独でも2種類以上を混
合して使っても良い。
【0031】またインキ中には滲み防止、あるいは粘度
調整のために体質顔料も添加できる。インキ中に添加さ
れる体質顔料としては白土、シリカ、タルク、クレー、
炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナ
ホワイト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アル
ミニウム等の無機微粒子、およびポリアクリル酸エステ
ル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リスチレンポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂等の有機微粒子またはこれらの共重合体からなる微
粒子が挙げられる。これらは油相、水相また両相に添加
しても良く、添加量はインキに対して0.1〜50重量
%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。
【0032】本発明において、エマルションの高温(6
0℃)保存安定性を高めるために水相に添加される電解
質としては特に硫酸マグネシウムの使用が好ましいもの
である。従って、電解質により影響を受ける材料が水相
に存在しない場合に使用するのが望ましい。その添加量
は水相の0.1から2重量%、好ましくは0.5〜1.
5重量%である。
【0033】本発明に使用される電解質は、上記の硫酸
マグネシウム以外に保存安定性などを阻害しない範囲で
他の電解質を併用してもよい。その併用されてもよい電
解質はクエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸イオン、酢
酸イオン等の陰イオンあるいはアルカリ金属イオンやア
ルカリ土類金属イオンなどを含む電解質であることが好
ましい。従って添加される電解質としては、硫酸マグネ
シウム以外に、硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、
リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム等が好ましい。
【0034】また、エマルションインキの水相には、保
湿や増粘及び不溶性着色剤、体質顔料の分散および固着
のために、水溶性高分子やO/W樹脂エマルションを添
加しても良い。
【0035】水溶性高分子としては具体的には下記の天
然または合成高分子が添加される。例えば、デンプン、
マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタン、トラガント
ガム、アラビアガム、ブルラン、デキストラン、キサン
タンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等
の天然高分子;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデ
ンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデン
プン等の半合成高分子;アクリル酸樹脂およびポリアク
リル酸ナトリウムなどの中和物、ポリビニルイミド、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチ
レンイミン、ポリアクリルアミド、ポリN−アクリロイ
ルピロリジンやポリN−イソプロピルアクリルアミドな
どのポリN−アルキル置換アクリルアミド、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−
無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合
体及びこれらをアルキル基で部分的に疎水した高分子、
またアクリルアミド系ポリマーおよびアクリル系のポリ
マーに関しては置換基を部分的にアルキル基で疎水化し
た共重合タイプのポリマーでも良い。またポリエチレン
とポリプロピレンまたはポリブチレンとのブロックコポ
リマーを用いることができる。これらの水溶性高分子は
単独でも2種類以上混合しても良く、インキに含まれる
水の25重量%以下、好ましくは0.5〜15重量%が
添加される。
【0036】O/W樹脂エマルションとしては合成高分
子でも天然高分子でもよい。高分子としてはポリ酢酸ビ
ニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、塩
化ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル
−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、塩化ビニリデン−アクリル酸エステ
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ウレタ
ン等が挙げられる。天然のものとしては油相に添加でき
る高分子等が挙げられる。これらは油中水型エマルショ
ンインキの安定性を阻害しない範囲であれば2種類以上
を併用してもよく、また分散方法も分散剤、保護コロイ
ド、界面活性剤を添加していてもよく、またソープフリ
ー乳化重合によって合成した物でも良い。これらのO/
W樹脂エマルションの最低造膜温度は40℃以下である
ことが望ましく、インキに含まれる水の30重量%以
下、好ましくは0.2〜15重量%が添加される。
【0037】水相に添加される防腐・防かび剤は、エマ
ルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加
され、エマルションを長期保存する場合は防腐・防かび
剤を添加するのが望ましい。その添加量は、インキ中に
含まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2
重量%とするのが良い。また防腐・防かび剤としてはサ
リチル酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、
p−オキシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物
およびその塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢
酸等が使用され、これらは単独でも2種類以上混合して
使っても良い。
【0038】水の蒸発防止剤と凍結防止剤は兼用可能で
あり、これらの目的で添加される薬品はエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等
のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ブイタノール、イソブタノール等の低級飽和一価
アルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコ
ール等である。これらの薬品は1種または2種以上を添
加すれば良く、その添加量はインキ中の水重量の15重
量%以下、好ましくは4〜12重量%である。
【0039】水相に添加されるpH調整剤は、トリエタ
ノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等で
あり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相の
pHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範
囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されて
いる場合にはその効果が損なわれる等の問題がある。
【0040】上記のほか、本発明の孔版印刷用油中水型
エマルションインキには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラ
ムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上が
り防止のために、油相にワックスを添加することができ
る。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナト
リウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度化
を更に増進させることができる。さらに、水相に防錆剤
や消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインキによって
錆びたり、インキが泡立つことを防止することができ
る。これらの添加剤は、孔版印刷用インキに添加されて
いる公知品を必要に応じて添加すれば良く、その添加量
は従来品の場合と同程度でよい。
【0041】本発明のエマルションインキは、従来のエ
マルションインキ製造時と同様にして油相及び水相液を
調製し、この両方を公知の乳化機内で乳化させてインキ
とすればよい。すなわち、着色剤、乳化剤及び必要に応
じて添加される樹脂等の添加物を良く分散させた油相を
調製し、これに着色剤、防腐、防かび剤や水溶性高分子
等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添加し
て乳化すれば良い。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定される
ものではない。なお、ここでの部は重量基準である。
【0043】(実施例1、2、3及び比較例1)下表1
に示される処方の原料を用いて孔版印刷用W/O型エマ
ルションインキを調製した。ここで、油相に顔料を含有
するW/O型エマルションインキは、顔料、オイル、顔
料分散剤を3本ロールで練肉することで顔料分散体の調
整を行い、この顔料分散体に乳化用界面活性剤、オイル
と樹脂等のワニスを加え油相とし、これに水、凍結防止
剤、抗菌剤、電解質あるいは水溶性樹脂などからなる水
相を加え乳化することにより孔版印刷機用エマルジョン
インキとした。必要に応じ体質顔料などの他の成分を加
えても良い。インキの粘度は撹拌条件によっても調節可
能であり、システムにあった粘度であれば良く特に規定
はないが、23℃でずり速度20l/sの時の粘度が3
〜40Pa・sが望ましく、好ましくは10〜30Pa
・sであることが望ましい。
【0044】実施例及び比較例で使用している材料は、
ストロンチウムレッド2Bが東洋インキ社製のLINO
L RED CPA、レーキレッドCが東洋インキ社製
のLINOL RED C−FG3100、ジスアゾオ
レンジPMPが東洋インキ社製のLINOL ORAN
GE B、ブリリアントファストスカーレットが東洋イ
ンキ社製のORIENTAL RED CONC、ナフ
トールカーミンFBが東洋インキ社製のORIENTA
L RED FB、フタロシアニンブルーが東洋インキ
社のCYANINE BLUE PRPL、顔料分散剤
が味の素社製のプレーンアクトAL−M、乳化剤(ソル
ビタンオレエート)が市販のソルビタンセスキオレエー
ト、パラフィン系オイルがモービル社製のガーゴオイル
アークティックシリーズ(1010、1046)、その
他エチレングリコール、硫酸マグネシウム、p−オキシ
安息香酸メチルは市販品を使用した。
【0045】
【表1】
【0046】続いて、これらのエマルションインキの評
価を行ったところ、下表2の結果が得られた。この評価
結果から、本発明のエマルションインキが高温(60
℃)保存安定性を有していることが判る。
【0047】(エマルションインキの評価)インキの高
温(60℃)保存安定性は、5日間60℃で保存し、針
状結晶を生成したものを×、しないものを○として評価
した。
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】請求項1、2及び3記載の孔版印刷用W
/O型エマルションインキは、良好な色調を有し、高温
(60℃)保存安定性に優れたものである。請求項4記
載の孔版印刷用W/O型エマルションインキは良好な色
調を有し、硫酸マグネシウムを含有した水相系でも結晶
の生成が認められず、さらに高温(60℃)保存安定性
に優れたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相10〜90重量%および水相90〜
    10重量%によって構成される孔版印刷用W/O型エマ
    ルションインキであって、前記水相中に電解質を含有さ
    せるとともに、前記油相中にストロンチウムレッド2B
    とジスアゾオレンジPMPを含有させたことを特徴とす
    る孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
  2. 【請求項2】 油相10〜90重量%および水相90〜
    10重量%によって構成される孔版印刷用W/O型エマ
    ルションインキであって、前記水相中に電解質を含有さ
    せるとともに、前記油相中にブリリアントファストスカ
    ーレットとナフトールカーミンFBを含有させたことを
    特徴とする孔版印刷用W/O型エマルションインキ。
  3. 【請求項3】 前記油相中に他の顔料を含有させること
    を特徴とする請求項1又は2記載の孔版印刷用W/O型
    エマルションインキ。
  4. 【請求項4】 前記電解質が硫酸マグネシウムであるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の孔版印
    刷用W/Oエマルションインキ。
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