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JP2002363253A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料

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JP2002363253A
JP2002363253A JP2001176873A JP2001176873A JP2002363253A JP 2002363253 A JP2002363253 A JP 2002363253A JP 2001176873 A JP2001176873 A JP 2001176873A JP 2001176873 A JP2001176873 A JP 2001176873A JP 2002363253 A JP2002363253 A JP 2002363253A
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JP
Japan
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epoxy resin
resin composition
resin
epoxy
fiber
Prior art date
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JP2001176873A
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Norimitsu Natsume
憲光 夏目
Hiroaki Sakata
宏明 坂田
Hiroaki Ninomiya
宏明 二宮
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Publication of JP2002363253A publication Critical patent/JP2002363253A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高耐熱性、および高室温下、高温高湿下で高い
弾性率と低い吸水率を有する硬化物を与えるエポキシ樹
脂組成物、及びこれを用いてなるプリプレグ、さらにこ
のエポキシ樹脂組成物と強化繊維からなる繊維強化複合
材料を提供すること。 【解決手段】構成要素[A]、[B]、及び[C]を含
んでなるエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ樹脂
組成物に含まれる構成要素[A]のエポキシ樹脂をx重
量%、構成要素[B]のエポキシ樹脂をy重量%、該エ
ポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂をz重
量%としたとき、次式(I)および(II)を満たすエポキシ
樹脂組成物。 [A]:分子内に3個以上のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂 [B]:特定の構造式で表されるエポキシ樹脂 [C]:骨格中に1ないし4個のフェニル基を有し、そ
のうちの少なくとも1個以上のフェニル基がメタ位にア
ミノ基を有するフェニル基である芳香族ジアミン化合物 0.05≦y/x≦10・・・(I) 0.7≦(x+y)/z≦1・・・(II)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂組成
物、プリプレグ、及び繊維強化複合材料に関する。さら
に詳しくは、圧縮系の機械特性、特に高温高湿下の圧縮
系の機械特性に優れ、構造材料として好適な繊維強化複
合材料を与えるエポキシ樹脂、およびそれから得られる
プリプレグ、繊維強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】強化繊維とマトリックス樹脂からなるポ
リマー基複合材料は、軽量で優れた機械特性を有するた
めに、スポーツ用品用途、航空宇宙用途、一般産業用途
等に広く用いられている。繊推強化複合材料の製造に
は、各種の方法が用いられているが、強化繊維に未硬化
のマトリックス樹脂が含浸されたシート状中間基材であ
るプリプレグを用いる方法が広く用いられている。この
方法では、通常、プリプレグを複数枚積層した後、加熱
することによって複合材料の成形物が得られる。プリプ
レグに用いられるマトリックス樹脂としては、熱硬化性
樹脂、熱可塑性樹脂がともに使用されるが、ほとんどの
場合、取扱い性の優れる熱硬化性樹脂が用いられ、その
なかでもエポキシ樹脂が最も多く使用されている。ま
た、マレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂およびこ
れらを組合わせたものもよく使用されている。
【0003】また、一般にポリマー系の材料は、高温高
湿条件下で強度や弾性率が低下する。したがって、ポリ
マーをマトリックスとする繊維強化複合材料の強度など
の物性も、高温高湿条件下で低下しやすい。しかし、複
合材料を航空機、車両、船舶などの構造材料として適用
する場合は、高温高湿条件下でも物性を十分保持するこ
とが要求される。
【0004】繊維強化複合材料を構造材料として用いる
場合、圧縮強度は、特に重要な物性である。圧縮強度の
測定には、無孔板、有孔板、円筒などの試験片を用いて
行われるが、実際の使用においては、ボルト穴を設けた
板材の形にすることが多いため、特に有孔板の圧縮強
度、なかでも高温高湿条件での強度が重要になる。しか
し、従来のポリマー基複合材料では、軽量という利点を
有するものの、高温あるいは高湿条件下での圧縮強度が
十分でないことがあり、適用可能な用途が制限されるこ
とがあった。
【0005】高温、高湿条件での圧縮強度を向上させる
には、マトリックス樹脂の弾性率を向上させることが有
効であり、さらには高温、高湿条件での弾性率低下を抑
制することが重要である。そして樹脂弾性率を向上させ
るにはエポキシ樹脂を高架橋密度とすること、高温高湿
条件での弾性率低下の抑制には吸水率の低減といった手
段が提案されてきた。
【0006】耐熱性と靱性、衝撃強さに優れた樹脂組成
物として、特開昭63−86758号公報には、テトラ
グリシジルジアミノジフェニルメタンと、反応性希釈剤
としてジグリシジルアニリンなどの低分子量エポキシ樹
脂、およびジアミノジフェニルスルホンからなるエポキ
シ樹脂組成物が開示されている。
【0007】しかしながら、ジグリシジルアニリンなど
の低分子量エポキシ樹脂を用いた樹脂組成物では、23
℃における衝撃強さや圧縮強度の向上が実現できるもの
の、樹脂組成物の高温高湿時の樹脂弾性率は高くないた
め、高温高湿下における圧縮強度については何ら解決さ
れていない。
【0008】高温高湿下における圧縮強度に優れた樹脂
組成物として、WO96−17006号公報には、テト
ラグリシジルジアミノジフェニルメタンと、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂やジグリシジルレゾルシノールな
どの2官能エポキシ樹脂、および3,3’−ジアミノジ
フェニルスルホンからなるエポキシ樹脂組成物が開示さ
れている。
【0009】しかし、テトラグリシジルジアミノジフェ
ニルメタンと3,3’−ジアミノジフェニルスルホンか
らなるエポキシ樹脂組成物の樹脂弾性率は十分でない
上、ビスフェノールAエポキシ樹脂やジグリシジルレゾ
ルシノールなどのグリシジルエーテル型2官能エポキシ
樹脂の配合により樹脂弾性率が低下するため、圧縮強度
の低下を招いてしまう。そのため、さらなる圧縮強度の
向上が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
欠点を改良し、室温および高温高湿条件において優れた
圧縮強度、特に有孔板の圧縮強度を有する繊維強化複合
材料を与える樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、本発明のエポキシ樹脂組成物は次の構成を有す
る。すなわち、次の構成要素[A]、[B]、及び
[C]を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、該エ
ポキシ樹脂組成物に含まれる構成要素[A]のエポキシ
樹脂の含有率をx重量%、構成要素[B]のエポキシ樹
脂の含有率をy重量%、該エポキシ樹脂組成物に含まれ
る全てのエポキシ樹脂の含有率をz重量%としたとき、
次式(I)および(II)を満たすエポキシ樹脂組成物であ
る。 [A]:分子内に少なくとも3個以上のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂 [B]:次式(III)で表されるエポキシ樹脂
【0012】
【化7】
【0013】(式中、R1〜R5は、それぞれ水素、ハロ
ゲン、炭素数1〜8のアルキル基から選ばれる置換基で
ある。) [C]:骨格中に1〜4個のフェニル基を有し、そのう
ちの少なくとも1個以上のフェニル基がメタ位にアミノ
基を有するフェニル基である芳香族ジアミン化合物 0.05≦y/x≦10・・・(I) 0.7≦(x+y)/z≦1・・・(II) また、本発明によるプリプレグは次の構成を有する。す
なわち、前記エポキシ樹脂組成物が、強化繊維に含浸さ
れてなるプリプレグである。
【0014】さらに、本発明による繊維強化複合材料
は、次の構成を有する。すなわち、前記エポキシ樹脂組
成物の硬化物と、強化繊維からなる繊維強化複合材料で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では室温および高温高湿条
件において優れた圧縮強度を有する繊維強化複合材料を
与えるために、マトリックス樹脂として、高い耐熱性を
有し、かつ高い室温下および高温高湿下においても吸水
率が低く、弾性率の高い硬化物を与える樹脂組成物を用
いることを特徴とする。
【0016】本発明において、構成要素[A]は分子内
に少なくとも3個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹
脂であり、高い耐熱性を有する硬化物を与えるために必
要な成分である。分子内に2個以下のエポキシ基を有す
る場合であると、十分な耐熱性を有する硬化物を与えに
くくなるため好ましくない。
【0017】分子内に3個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ノボラック型エ
ポキシ樹脂(ノボラックとエピクロロヒドリンの反応に
より得られるエポキシ樹脂)やテトラキス(グリシジル
オキシフェニル)エタンやトリス(グリシジルオキシ)
メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、及
び、テトラグリシジルキシリレンジアミンのようなグリ
シジルアミン型エポキシ樹脂、およびそれらのハロゲ
ン、アルキル置換物等が挙げられる。
【0018】これらのなかでも、優れた耐熱性および弾
性率を与えることから、次式(IV)および/または(V)よ
り選ばれるグリシジルアミン型エポキシ樹脂が好ましく
用いられる。
【0019】
【化8】
【0020】(式中、R6〜R9は、それぞれ水素、ハロ
ゲン、炭素数1〜8のアルキル基から選ばれる置換基で
ある。)
【0021】
【化9】
【0022】(式中、R10〜R17は、それぞれ水素、ハ
ロゲン、炭素数1〜8のアルキル基から選ばれる置換基
であり、X1は−CO−、−S−、−SO2−、−O−、
または下記式(VI)ないし(VII)のいずれかで表される二
価の結合基を表す。)
【0023】
【化10】
【0024】(ここで、R18〜R19は独立して水素また
は炭素数4以下のアルキル基を表わす。)
【0025】
【化11】
【0026】(ここで、R20〜R23は独立して水素、ハ
ロゲンまたは炭素数4以下のアルキル基を表し、X2
3は独立して−CO−、−S−、−SO2−、−O−、
または下記式(VIII)で表される二価の結合基を表わ
す。)
【0027】
【化12】
【0028】(ここで、R24〜R25は独立して水素また
は炭素数4以下のアルキル基を表わす。) 式(IV)の具体例としてはテトラグリシジルジアミノジフ
ェニルメタンなど、一般式(V)の具体例としてはトリグ
リシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレ
ゾールなどをそれぞれ挙げることができる。
【0029】本発明において、優れた耐熱性および弾性
率を有する樹脂組成物を得るためには、本発明のエポキ
シ樹脂組成物に含まれる構成要素[A]100重量%の
うち、85〜100重量%が式(IV)および/または(V)
より選ばれるエポキシ樹脂であることが好ましく、90
〜100重量%であることがより好ましい。
【0030】本発明において、構成要素[B]は次式(I
II)で表されるエポキシ樹脂であり、高い室温下および
高温高湿下においても低い吸水率を有し、弾性率の高い
硬化物を与えるために必要な成分である。
【0031】
【化13】
【0032】(式中、R1〜R5は、それぞれ水素、ハロ
ゲン、炭素数1〜8のアルキル基から選ばれる置換基で
ある。) 一般式(III)で表されるエポキシ樹脂は、例えば、アニ
リン又はその置換基誘導体とエピクロロヒドリンの反応
により得られうるものであり、具体的には、N,N−ジ
グリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルo−トルイ
ジン等が挙げられる。
【0033】また、本発明では構成要素[A]や構成要
素[B]以外のエポキシ樹脂として、2官能エポキシ樹
脂使用することもできる。2官能エポキシを配合するこ
とにより、得られる樹脂硬化物の架橋点間距離を大きく
し、樹脂伸度や樹脂靭性を向上させることができる。例
えば、具体例としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ビスフェノールAとエピクロロヒドリンの反応により
得られるエポキシ樹脂)、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂(ビスフェノールFとエピクロロヒドリンの反応に
より得られるエポキシ樹脂)、ビスフェノールS型エポ
キシ樹脂(ビスフェノールSとエピクロロヒドリンの反
応により得られるエポキシ樹脂)等を挙げることができ
る。の前記した構成要素[A]や[B]以外の2官能エ
ポキシ樹脂もそれぞれの目的に応じて使用できる。(な
お、本発明ではエポキシ基を1個以上有する樹脂をエポ
キシ樹脂と称し、エポキシ基1個について1官能と称
し、例えば、分子内に2個のエポキシ基を有するエポキ
シ樹脂を2官能エポキシ樹脂と称する。) 本発明では、分子内における2個のエポキシ基の距離が
特に大きな2官能エポキシ樹脂、例えば、エポキシ当量
が350以上の2官能エポキシ樹脂を好ましく用いるこ
とができる。(以降かかる2官能エポキシ樹脂を構成要
素[D]のエポキシ樹脂と称する。)構成要素[D]の
エポキシ樹脂を用いることにより、樹脂硬化物における
架橋点間距離がさらに大きくなるだけでなく、後述する
熱可塑性樹脂を配合した場合では、エポキシ樹脂と熱可
塑性樹脂の相溶性が高められるため、樹脂硬化物の曲げ
たわみ量や引張伸度や、樹脂靱性が大きく向上するので
好ましい。
【0034】構成要素[D]のエポキシ樹脂のエポキシ
当量は好ましくは400〜10000、より好ましくは
400〜6000の範囲内であるのが良い。10000
を越えると、得られる繊維強化複合材料(以下、複合材
料という)の耐熱性が低下したり、樹脂組成物の粘度が
上昇し、プリプレグの取り扱い性が悪化することがある
ので好ましくない。400未満では樹脂硬化物の引張伸
度や樹脂靭性の向上効果が小さいため好ましくない。
【0035】構成要素[D]のエポキシ樹脂はミキサー
やニーダー等で直接、構成要素[A]および構成要素
[B]のエポキシ樹脂と配合しても良いし、構成要素
[D]のエポキシ樹脂を炭素繊維のサイジング剤として
付着させ、プリプレグ作製時に構成要素[A]および構
成要素[B]のエポキシ樹脂へ配合させても良い。
【0036】高い耐熱性、低い吸水率、および、高い室
温下および高温高湿下にて高い弾性率を有する樹脂硬化
物を与えるためには、本発明のエポキシ樹脂組成物に含
まれる構成要素[A]のエポキシ樹脂の含有率をx重量
%、構成要素[B]のエポキシ樹脂の含有率をy重量
%、該エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹
脂の含有率をz重量%としたとき、次式(I)および(II)
を満たすことが必要である。
【0037】0.05≦y/x≦10・・・(I) 0.7≦(x+y)/z≦1・・・(II) y/zは本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる構成要
素[A]のエポキシ樹脂と構成要素[B]のエポキシの
重量配合比であり、この値が式(I)の範囲内にあること
により、高い耐熱性、低い吸水率、および、高い室温下
および高温高湿下にて高い弾性率を有する樹脂硬化物を
与える樹脂組成物を得ることができる。
【0038】y/xが0.05よりも小さい場合、得ら
れる樹脂硬化物の室温下および高温高湿下での弾性率が
小さくなるので好ましくない。また、y/xが10より
も大きい場合は得られる樹脂硬化物の吸水率が高くなる
だけでなく、樹脂硬化物の耐熱性が低下するので好まし
くない。好ましくはy/xが0.1以上3以下であり、
より好ましくはy/xが0.1以上1以下である。
【0039】また、(x+y)/zは本発明のエポキシ
樹脂組成物に含まれる全てのエポキシ樹脂に対する、構
成要素[A]のエポキシ樹脂および構成要素[B]のエ
ポキシ樹脂が占める重量割合であり、この値が式(II)の
範囲内にあることにより、構成要素[A]および構成要
素[B]を配合したことによる高い耐熱性、低い吸水
率、および、高い室温下および高温高湿下での高い弾性
率などの特徴を有する樹脂硬化物を与える樹脂組成物を
得ることができる。
【0040】(x+y)/zが0.7より小さい場合、
樹脂硬化物の吸水率が高くなるだけでなく、樹脂硬化物
の室温下および高温高湿下弾性率および耐熱性が低下す
るので好ましくない。好ましくは(x+y)/zが0.
8以上1以下であり、さらに好ましくは(x+y)/z
が0.9以上1以下である。
【0041】また、本発明のエポキシ樹脂組成物に含ま
れる構成要素[D]のエポキシ樹脂をd重量%としたと
き、d/zは0.25より小さいことが好ましい。0.
25以上になると得られる樹脂硬化物の耐熱性が低下す
るので好ましくない。d/zは0.15より小さければ
より好ましい。
【0042】本発明において、構成要素[C]は骨格中
に1ないし4個のフェニル基を有し、そのうちの少なく
とも1個のフェニル基がメタ位にアミノ基を有するフェ
ニル基である芳香族ジアミン化合物であり、エポキシ樹
脂硬化剤として作用し、高い室温下および高温高湿下で
高い弾性率および低い吸水率を与えるために必要な成分
である。
【0043】かかる芳香族ジアミン化合物の好ましい例
として、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメ
タン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびそ
のアルキル置換誘導体が挙げられる。なかでも、3,
4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミ
ノジフェニルスルホンが特に可使時間が長いためさらに
好ましく使用できる。これら、スルホン酸基(−SO2
−)を有するものはアミノ基のエポキシ基との反応性を
スルホン酸基の求電子効果により弱めるため、可使時間
が長いという利点がある。中でも3,3’−ジアミノジ
フェニルスルホンは可使時間が長いことに加え、高温高
湿時の圧縮強度が向上する効果が最も顕著に発現される
点で好ましい。
【0044】本発明のエポキシ樹脂組成物では、構成要
素[C]以外の芳香族ジアミン化合物を配合することも
できる。かかる構成要素[C]以外の芳香族ジアミン化
合物としては4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどが挙げられ
る。
【0045】高い室温下および高温高湿下にて高い弾性
率および低い吸水率を有する樹脂硬化物を与えるために
は、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれる全芳香族ジ
アミン化合物中、構成要素[C]の芳香族ジアミン化合
物が50重量%以上含まれることが好ましく、80重量
%以上含まれることがより好ましく、90重量%以上で
あればさらに好ましい。
【0046】これら芳香族ジアミン化合物の配合方法
は、溶媒を用いてエポキシ中にジアミン化合物を均一に
溶解する配合方法、または溶媒を使用せずに混練し、エ
ポキシ樹脂中に分散させる配合方法があるが、溶解では
なく分散させる方が可使時間がより長くなる利点がある
ため、後者の配合方法が好ましい。一方、プリプレグの
製造過程で樹脂フィルムのコーティングや炭素繊維への
含浸を行う際に、粒径の大きなものがあるとコーティン
グマシンのロール間につまったり、炭素繊維間に含浸し
ないため、芳香族ジアミン化合物の粒径は40μm 以
下であることが好ましい。
【0047】また、本発明のエポキシ樹脂組成物では、
硬化性を向上させるため、芳香族ジアミン化合物以外の
エポキシ樹脂硬化剤を配合することができる。アニリ
ン、o−トルイジンや、アニリンをホルムアルデヒドで
縮合して得られる化合物のようなジアミン化合物以外の
芳香族アミン、イソホロンジアミン等の脂肪族アミン、
イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチル
グアニジン、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物のよう
なカルボン酸無水物、アジピン酸ヒドラジド等のカルボ
ン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化
合物、ポリメルカプタン、三フッ化ホウ素エチルアミン
錯体のようなルイス酸錯体等を使用することができる。
【0048】本発明では、これらエポキシ樹脂硬化剤と
エポキシ樹脂とを反応させて得られる、硬化活性の高い
付加化合物(アダクト化合物)を用いることもできる。
また、これら硬化剤をマイクロカプセル化したものは、
プリプレグの保存安定性を高める観点から好ましい。
【0049】本発明において、構成要素[C]を含め、
これらエポキシ樹脂硬化剤の配合量は、本発明の樹脂組
成物に含まれるエポキシ基のモル数をe、活性水素のモ
ル数をf(ジシアンジアミドでは1分子内に7つの活性
水素を含むと計算する)とそれぞれおいたとき、e/f
が0.3以上1.5以下であることが好ましい。e/f
が0.3未満の場合、エポキシ樹脂が十分に硬化せず、
高い弾性率を有する樹脂硬化物が得られないことがある
ので好ましくなく、また1.5よりも大きい場合、反応
せずに残った活性水素と大気中などに存在する水分が水
素結合により結合し、樹脂硬化物の吸水率が高くなるこ
とがあるので好ましくない。e/fは0.5以上1.2
以下であることがより好ましい。
【0050】これらエポキシ樹脂硬化剤には、樹脂の硬
化活性を高めるため、硬化促進剤を組み合わせて用いる
ことができる。例えば、芳香族ジアミン化合物やジシア
ンジアミドに、硬化促進剤として尿素誘導体又はイミダ
ゾール誘導体を組み合わせる手法や、カルボン酸無水物
やポリフェノール化合物に、硬化促進剤として第三アミ
ンやイミダゾール誘導体を組み合わせる手法等が挙げら
れる。
【0051】尿素誘導体としては、第二アミンとイソシ
アネートの反応により得られる化合物、例えば、3- フ
ェニル- 1, 1- ジメチル尿素、3−(3, 4−ジクロ
ロフェニル)−1, 1−ジメチル尿素(DCMU)、3
−(3−クロロ−4- メチルフェニル)- 1, 1- ジメ
チル尿素、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、2,
4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、4,
4’−メチレンビス(フェニルジメチル尿素)等が好ま
しく用いられる。
【0052】本発明では、エポキシ樹脂組成物に、高分
子化合物、有機粒子、無機粒子等の任意の成分をそれぞ
れの目的に応じて配合することができる。
【0053】高分子化合物としては、エポキシ樹脂に可
溶な熱可塑性樹脂が好適に用いられる。かかる熱可塑性
樹脂の配合により、樹脂粘弾性の制御、プリプレグの取
り扱い性向上、又はマトリックス樹脂と強化繊維との接
着性向上などの効果を付与することができる。
【0054】エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂として
は、エポキシ樹脂との相溶性及び強化繊維との接着性の
観点から、水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が
好ましい。
【0055】水素結合性の官能基としては、アルコール
性水酸基、アミド基、イミド基、スルホニル基等が挙げ
られる。また、アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹
脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラ
ール等のポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂
等、アミド基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミ
ド等、イミド基を有する熱可塑性樹脂としてはポリイミ
ド等、スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポ
リスルホン等がそれぞれ挙げられる。かかるポリアミ
ド、ポリイミド及びポリスルホンは、主鎖にエーテル結
合、カルボニル基等の官能基を有するものでも良く、ま
た、ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置換基を有す
るものでも良い。
【0056】水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂
の市販品としては、例えば、ポリビニルアセタール樹脂
として、“デンカブチラール”及び“デンカホルマー
ル”(電気化学工業(株)製)、“ビニレック”(チッ
ソ(株)製)、フェノキシ樹脂として、“UCAR”P
KHP(ユニオンカーバイド社製)、ポリアミド樹脂と
して“マクロメルト”(ヘンケル白水(株)製)、“ア
ミラン”CM4000(東レ(株)製)、ポリイミドと
して“ウルテム”(ジェネラル・エレクトリック社
製)、“Matrimid”5218(チバ社製)、ポリスルホ
ンとして“スミカエクセル”(住友化学工業(株)
製)、“UDEL”及び“RADEL”(BPアモコ社
製)等を使用することができる。
【0057】これら水素結合性の官能基を有する熱可塑
性樹脂の中でも、高い耐熱性、および、高温高湿下で高
い弾性率を有する樹脂硬化物を与えるという点で、ポリ
イミド及びポリスルホンがさらに好ましく用いられる。
【0058】本発明では、エポキシ樹脂に可溶な熱可塑
性樹脂は、エポキシ樹脂組成物に適度な粘弾性を与え、
良質な複合材料が得られるため、全エポキシ樹脂100
重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは1〜25
重量部配合するのが好ましい。
【0059】また、エポキシ樹脂に可溶な熱可塑性樹脂
の配合方法としては、エポキシ樹脂に予め溶解しておい
てもよいし、粉末状態でエポキシ中に分散させておき、
成形時に溶解させてもよい。
【0060】本発明では、樹脂の靭性や、得られる複合
材料の耐衝撃性を高めるため、エポキシ樹脂組成物にゴ
ム粒子及び熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子を配合するこ
とができる。
【0061】ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、及び架
橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコ
アシェルゴム粒子が、取り扱い性等の観点から好ましく
用いられる。
【0062】架橋ゴム粒子の市販品としては、カルボキ
シル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架
橋物からなるXER−91(日本合成ゴム工業社製)、
アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ(日本
触媒(株)製)、YR−500シリーズ(東都化成
(株)製)等を使用することができる。
【0063】コアシェルゴム粒子の市販品としては、例
えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共
重合物からなる“パラロイド”EXL−2655(呉羽
化学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル
酸エステル共重合体からなる“スタフィロイド”AC−
3355、TR−2122(武田薬品工業(株)製)、
アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からな
る“PARALOID”EXL-2611、EXL-3387(Rohm&Haas社製)
等を使用することができる。
【0064】熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミド粒
子やポリイミド粒子が好ましく用いられ、ポリアミド粒
子の市販品として、東レ(株)製、SP−500、ATOC
HEM社製“オルガソール”等を使用することができる。
【0065】本発明では、ゴム粒子及び熱可塑性樹脂粒
子等の有機粒子は、得られる樹脂硬化物の弾性率と靱性
を両立させる点から、全エポキシ樹脂100重量部に対
して、0.1〜30重量部が好ましく、1〜15重量部
配合するのがさらに好ましい。
【0066】本発明では、樹脂組成物の増粘等の粘弾性
制御、揺変性付与のため、エポキシ樹脂組成物にシリ
カ、アルミナ、スメクタイト、合成マイカ等の無機粒子
を配合することができる。
【0067】本発明では、無機粒子はエポキシ樹脂組成
物に適度な粘弾性を与え、優れた取り扱い性のプリプレ
グ、良質な複合材料が得られるため、全エポキシ樹脂1
00重量部に対して、好ましくは0.001〜20重量
部、より好ましくは0.01〜10重量部配合するのが
好ましい。
【0068】本発明において用いる強化繊維としては、
ガラス繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ボロ
ン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が好ましい。
これらの繊維を2種以上混合して用いても構わないが、
より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るために、炭
素繊維や黒鉛繊維を用いるのが良い。
【0069】本発明においては、用途に応じてあらゆる
種類の炭素繊維や黒鉛繊維を用いることが可能である
が、耐衝撃性に優れ、高い剛性および機械強度を有する
複合材料を得られることから、JIS R 7601に記載の方法
によるストランド引張試験における引張弾性率が200
GPa以上、引張強度4 .4GPa以上 、引張伸度
1.7%以上の高強度高伸度炭素繊維が最も適してい
る。
【0070】炭素繊維の断面形状に関しては、従来から
ある円形断面糸には特に限定されないが、特開平4−2
02815号公報、特開平3−185121号公報、特
開平3−97917号公報に開示されているような断面
形状が三角形、四角形、中空、多葉形、H 型等の異形
断面の炭素繊維は、円形断面の炭素繊維に比較して繊維
の座屈が起こりにくく、得られる繊維強化複合材料の圧
縮特性を向上させるため好ましく用いられる。
【0071】このような異形断面の炭素繊維を用いる場
合、単繊維の断面形状が3〜5葉の多葉形であり、それ
ぞれの葉がその付け根から先端に向かって一旦膨らみを
有する実質的に複数個の円が接合した形であるものが好
ましく用いられる。さらには繊維断面形状の外接円半径
R と内接円半径rとの比R /rで定義される異形度が
1.5 〜3であるものが、座屈を防ぐ効果が大きいた
めより好ましい。
【0072】強化繊維の形態は特に限定されるものでは
なく、たとえば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織
物、マット、ニット、組み紐などが用いられる。また、
特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途に
は強化繊維が単一方向に引き揃えられた配列が最も適し
ているが、取り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も
本発明には適している。
【0073】本発明のプリプレグは、マトリックス樹脂
をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して
低粘度化し、含浸させるウエット法と、加熱により低粘
度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)等によ
り作製することができる。
【0074】ウェット法は、強化繊維をエポキシ樹脂組
成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用い
て溶媒を蒸発させる方法であり、ホットメルト法は、加
熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊
維に含浸させる方法、又は一旦エポキシ樹脂組成物を離
型紙等の上にコーティングしたフィルムを作成してお
き、次いで強化繊維の両側又は片側から前記フィルムを
重ね、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸さ
せる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ
中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
【0075】得られたプリプレグを積層後、積層物に圧
力を付与しながら樹脂を加熱硬化させる方法等により、
本発明による複合材料が作製される。
【0076】ここで熱及び圧力を付与する方法には、プ
レス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形
法、ラッピングテープ法、内圧成形法等が採用される
尚、本発明の繊維強化複合材料は、プリプレグを介さ
ず、エポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させた
後、加熱硬化せしめる方法、例えばハンド・レイアップ
法、フィラメント・ワインディング法、プルトルージョ
ン法、レジン・インジェクション・モールディング法、
レジン・トランスファー・モールディング法等の成形法
によっても作製できる。これら方法では、エポキシ樹脂
からなる主剤と硬化剤との2液を使用直前に混合して樹
脂組成物を調製するのが好ましい。
【0077】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、配合比率の算出、樹脂硬化物の曲げ弾性
率、曲げたわみ量、耐熱性の測定、プリプレグの作製、
複合材料の作製、0度圧縮強度、90度引張伸度の測定
は次のような条件で行った。また、特に断りのない限
り、23℃、相対湿度50%の環境で測定を行った。 A.配合比率の算出 エポキシ樹脂組成物に含まれる構成要素[A]のエポキ
シ樹脂をx重量%、構成要素[B]のエポキシ樹脂をy
重量%、該エポキシ樹脂組成物に含まれる全てのエポキ
シ樹脂をz重量%とした。これらを用いてy/x、(x
+y)/zを算出した。 B.樹脂硬化物の室温曲げ弾性率 樹脂組成物を80℃に加熱して、モールドに注入し、1
80℃のオーブンで2時間硬化して、厚さ2mmの樹脂
硬化物の板を作成した。次に、樹脂硬化物の板より、幅
10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、スパン間
32mmの3点曲げを測定し、JIS K7203に従
い曲げ弾性率を求めた。 C.樹脂硬化物の高温吸湿下(以下H/Wと称する)曲
げ弾性率 B.と同様に樹脂硬化物の板を作製し、樹脂硬化物の板
より、幅10mm、長さ60mmの試験片を切り出し、
試験片を沸水中に20時間浸漬した。その後、90℃に
加熱したオーブン中でスパン間32mmの3点曲げを測
定し、JISK7203に従いH/W曲げ弾性率を求め
た。 D.樹脂硬化物の耐熱性 B.で作製した樹脂硬化物の板から、樹脂硬化物を7m
g取り出し、メトラー社製DSCを用いて、30℃〜3
50℃温度範囲を昇温速度10℃/分にて、測定を行
い、Tgを求め耐熱性を評価した。 E.プリプレグの作製 エポキシ樹脂組成物をリバースロールコーターを用いて
離型紙上に塗布して樹脂フィルムを作製した。次にシー
ト状に一方向に配列させた引張弾性率240GPa、引
張強度4.9GPa、引張伸度2.0%の炭素繊維“ト
レカ”T700G(東レ(株)製)に樹脂フィルム2枚
を炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧により樹脂を含浸
させ、炭素繊維の目付が190g/m2、マトリックス
樹脂の重量分率が35.5%の一方向プリプレグを作製
した。 F.複合材料の作製 一方向プリプレグを強化繊維の方向が同一になるよう所
定枚数積層後、オートクレーブを用いて180℃で2時
間、0.59MPaで成形し複合材料の板状体を得た。 G.複合材料の有孔板圧縮強度 プリプレグを16プライ疑似等方的に積層・成形して得
られた疑似等方積層板を縦305mm、横25.4mm
に切削して、中央部に直径6.35mmの孔を穿孔して
有孔板に加工し、BSS7260に従って、圧縮強度を
測定した。また、H/W有孔板圧縮強度として、72℃
の温水中に2週間浸漬した試験片について、82℃の雰
囲気下で圧縮強度を測定した。 (実施例1〜11)表1〜3に示す、構成要素[A]お
よび[B]のエポキシ樹脂と構成要素[C]の芳香族ジ
アミン化合物に、その他樹脂成分を加を混合し、ニーダ
ーで混練して樹脂組成物を調製した。
【0078】さらに、この樹脂組成物から上述の方法に
より樹脂硬化物の板状体を作製し、その曲げ弾性率、吸
水率を測定した。
【0079】表1〜3に示すとおり、いずれも高い室温
およびH/W弾性率、耐熱性、および低い吸水率を示し
た。次いで、これらの樹脂組成物を用いて上述した方法
により一方向プリプレグを作製し、これらを積層、硬化
せしめて複合材料を作製し、有孔板圧縮強度を測定し
た。
【0080】表1〜3に示すとおり、いずれの例も高い
室温およびH/W有孔板圧縮強度を示した。 (比較例1)表3の比較例1に示す構成要素[C]を含
まない樹脂組成物について、実施例1〜11と同様に樹
脂硬化物の曲げ弾性率、吸水率、および複合材料有孔板
圧縮強度を測定した。
【0081】表3に示すとおり、樹脂硬化物については
吸水率が高い値を示し、室温およびH/W弾性率が低い
値を示した。また、複合材料有孔板圧縮強度も低い値、
特にH/W有孔板圧縮強度が低い値を示した。 (比較例2)表3の比較例2に示す(x+y)/zが
0.7より小さい樹脂組成物について、実施例1〜11
と同様に樹脂硬化物の曲げ弾性率、吸水率、および複合
材料有孔板圧縮強度を測定した。
【0082】表3に示すとおり、樹脂硬化物については
吸水率が高い値を示し、室温およびH/W弾性率が低い
値を示した。また複合材料有孔板圧縮強度も低い値を示
した。 (比較例3)表3の比較例3に示すy/xが10より大
きい樹脂組成物について、実施例1〜11と同様に樹脂
硬化物の曲げ弾性率、吸水率、および複合材料有孔板圧
縮強度を測定した。
【0083】表3に示すとおり樹脂硬化物については吸
水率が高い値を示した上、耐熱性が低く、H/W弾性率
測定を行う際、測定開始前に変形が発生し、測定を行う
ことができなかった。また、同様の理由で複合材料H/
W有孔板圧縮強度も測定することができなかった。 (比較例4)表3の比較例4に示すy/xが0.05よ
り小さい樹脂組成物について、実施例1〜11と同様に
樹脂硬化物の曲げ弾性率、吸水率、および複合材料有孔
板圧縮強度を測定した。
【0084】表3に示すとおり樹脂硬化物については吸
水率が高い値を示し、低いH/W弾性率を示した。ま
た、複合材料有孔板圧縮強度も低い値、特にH/W有孔
板圧縮強度が低い値を示した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、高い耐熱性、および高
い室温下および高温高湿下で高い弾性率および低い吸水
率を有する硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物、及びこ
れを用いてなるプリプレグ、さらには該エポキシ樹脂組
成物と強化繊維を構成要素とする、室温および高温高湿
条件下において優れた圧縮強度、特に有孔板の圧縮強度
に優れた繊維強化複合材料を提供することができ、かか
る複合材料は、スポーツ用途、航空宇宙用途、一般産業
用途等、極めて広範囲な用途に好ましく適用できる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA04 AA07 AB06 AB08 AB09 AB10 AB22 AB24 AB28 AB29 AB30 AD27 AD30 AF28 AG03 AH02 AH04 AH31 AJ04 AK02 AK11 AK13 AL09 4J036 AA05 AC02 AC03 AF06 AH02 AH07 AH09 DC03 DC10 DC11 DC14 DD04 DD05 JA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成要素[A]、[B]、及び[C]
    を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、該エポキシ
    樹脂組成物に含まれる構成要素[A]のエポキシ樹脂の
    含有率をx重量%、構成要素[B]のエポキシ樹脂の含
    有率をy重量%、該エポキシ樹脂組成物に含まれる全て
    のエポキシ樹脂の含有率をz重量%としたとき、次式
    (I)および(II)を満たすことを特徴とするエポキシ樹脂
    組成物。 [A]:分子内に少なくとも3個以上のエポキシ基を有
    するエポキシ樹脂 [B]:次式(III)で表されるエポキシ樹脂 【化1】 (式中、R1〜R5は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数
    1〜8のアルキル基から選ばれる置換基である。) [C]:骨格中に1〜4個のフェニル基を有し、そのう
    ちの少なくとも1個以上のフェニル基がメタ位にアミノ
    基を有するフェニル基である芳香族ジアミン化合物 0.05≦y/x≦10・・・(I) 0.7≦(x+y)/z≦1・・・(II)
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂組成物に含まれる構成要素
    [A]100重量%のうち、85〜100重量%が次式
    (IV)および/または(V)より選ばれるエポキシ樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成
    物。 【化2】 (式中、R6〜R9は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素数
    1〜8のアルキル基から選ばれる置換基である。) 【化3】 (式中、R10〜R17は、それぞれ水素、ハロゲン、炭素
    数1〜8のアルキル基から選ばれる置換基であり、X1
    は−CO−、−S−、−SO2−、−O−、または下記
    式(VI)ないし(VII)のいずれかで表される二価の結合基
    である。) 【化4】 (式中、R18〜R19は独立して水素または炭素数4以下
    のアルキル基である。) 【化5】 (式中、R20〜R23は独立して水素、ハロゲンまたは炭
    素数4以下のアルキル基であり、X2、X3は独立して−
    CO−、−S−、−SO2−、−O−、または下記式(VI
    II)で表わされる二価の結合基である。) 【化6】 (式中、R24〜R25は独立して水素または炭素数4以下
    のアルキル基である。)
  3. 【請求項3】構成要素[C]が3,3’−ジアミノジフ
    ェニルスルホンおよび/または3,4’−ジアミノジフ
    ェニルスルホンであることを特徴とする請求項1または
    2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ
    樹脂組成物が、強化繊維に含浸されてなることを特徴と
    するプリプレグ。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ
    樹脂組成物の硬化物と、強化繊維からなることを特徴と
    する繊維強化複合材料。
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