JP2002302716A - 強度および靱性に優れる電縫鋼管およびその製造方法 - Google Patents
強度および靱性に優れる電縫鋼管およびその製造方法Info
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Abstract
とともに、高靱性であるラインパイプ用電縫鋼管の提
供。 【解決手段】C:0.04〜0.10%、Mn:0.8
〜1.6%、Nb:0.005〜0.06%およびT
i:0.005〜0.05%を含有し、または更にCu、
Ni、Cr、MoおよびVの1種以上を含有し、かつ金属組織
が主としてベイニティックフェライトである熱延鋼板を
電縫溶接した後に、熱処理を施して、(1)式で表される
外内面HAZ幅比(H)を1.1〜1.5とし、かつ電縫溶接
部の金属組織を主としてフェライトとする電縫鋼管の製
造方法。 H=HOUT/HIN …(1) (2)式で表されるA値が15μm以下である同方法で製造
した電縫鋼管。 A=0.43×(DL+0.90×DC) …(2) 但し、HOUT及びHINは、管内外面の熱影響部幅、ま
た、DL及びDCは、圧延方向に平行及び垂直な断面の
ベイニティックフェライトの平均長さ(μm)を示す。
Description
用される電縫鋼管およびその製造方法に係り、特に、肉
厚が10mm以上の電縫鋼管においても、その溶接部および
母材部の全体にわたりAPI規格における5L−X60グ
レード以上の高い強度を確保するとともに、高靱性であ
る電縫鋼管およびその製造方法に関する。
て、使用される鋼管には厚肉化および高強度化が進んで
いるが、同時に、万一の破断事故発生時にも破断が短い
長さで停止するように、高い靱性が求められている。
化する傾向があるが、強度および靱性を両立させる唯一
の方法である金属組織の微細化に関して種々の知見が開
示されてきた。熱間圧延時に金属組織を微細化するのに
有力な方法は、未再結晶γ域での強圧下であり、これ
は、γ結晶粒内にフェライトまたはベイナイト等の変態
生成物の核生成サイトを増加させる方法である。
イトを主体とする組織の場合には均一な微細組織が得ら
れるものの、ベイニティックフェライトを主体とする組
織の場合には圧延方向に平行に扁平な様相を呈する金属
組織となり、圧延方向に亀裂が進展する場合の破壊抵抗
性の低下や圧延方向に平行な方向の強度が低下する懸念
があった。
を所定の範囲内に調整するとともに、その結晶粒の最大
長さが20μm以下である鋼が開示されている。しかし、
同公報に記載される鋼は、そのミクロ組織がフェライト
+MAコンスティテュウエントの2相組織であり、ベイ
ナイト組織が混在することにより靱性が劣化するとして
いる。また、特開平8-85841号公報には、所定の化学組
成を有し、ミクロ組織がベイナイトである鋼が開示され
ているが、結晶粒度について触れていない。
マージアーク溶接管等の溶融溶接鋼管と比較して劣って
いると考えられており、敷設に際しては電縫溶接部での
破断をある程度想定して、隣り合うパイプの溶接部の円
周方向の位置をずらして溶接するのが一般的である。し
かし、近年の敷設環境では、安全性に加えて環境問題ま
で考慮すると破断事故が許容されるような場所は皆無に
等しい。また、実際のラインパイプの使用環境では、母
材部にも溶接部にも同様に内圧や他の環境因子が作用す
るため、溶接部が母材部よりも先に破断しないようにす
るためには、溶接部が母材部以上の引張強度を有すると
ともに、靱性についても同等以上である必要がある。し
かし、母材部および溶接部の限界性能を総合的に検討し
た例はほとんどない。
を所定の範囲に調整し、母材と電縫溶接部の性能差が小
さいことを特徴とする鋼が開示されているが、溶接によ
る性能劣化を小さくするにとどまり、破壊に対して溶接
部に母材部よりも優れた性能を得ようとするものではな
い。特開平6-158177号公報には、所定の化学組成を有す
る鋼板を電縫溶接した後、溶接部を850〜1050℃に加熱
し、冷却速度5〜20℃/secで冷却することを特徴とした
電縫鋼管の製造方法が開示されている。この方法を採用
すれば、溶接部の性能を母材部の性能に近づけることが
できるとされているが、靱性について母材部との比較が
なされていない。
であって、ベイニティックフェライトを主体とする金属
組織を有する鋼板を使用することにより、鋼管全体にわ
たりAPI5L-X60グレード以上の強度と靱性を確保し、溶
接部における靱性が母材部の靱性と同等以上の電縫鋼管
およびその製造方法を提供することを目的とする。
およびに示す電縫鋼管、および下記のに示す電縫
鋼管の製造方法にある。
〜1.6%、Nb:0.005〜0.06%およびTi:0.005〜0.05%
を含有し、かつ金属組織が主としてベイニティックフェ
ライトである熱延鋼板を電縫溶接した後に、電縫溶接部
を一旦オーステナイト化する温度まで加熱した後、加速
冷却および焼戻処理を施して、下記の(1)式で表される
外内面HAZ幅比(H)を1.1〜1.5とし、かつ電縫溶接
部の金属組織を主としてフェライトとすることを特徴と
する電縫鋼管の製造方法である。但し、HOUTは、管
外面のAC1熱影響部幅を示し、HINは、管内面のA
C1熱影響部幅を示す。 H=HOUT/HIN …(1)
〜1.6%、Nb:0.005〜0.06%およびTi:0.005〜0.05%
であり、Cu:0.10〜0.8%、Ni:0.10〜1.5%、Cr:0.10
〜0.8%、Mo:0.05〜0.8%およびV:0.02〜0.08%から
選択される1種以上を含有し、かつ金属組織が主として
ベイニティックフェライトである熱延鋼板を電縫溶接し
た後に、電縫溶接部を一旦オーステナイト化する温度ま
で加熱した後、加速冷却および焼戻処理を施して、上記
の(1)式で表される外内面HAZ幅比(H)を1.1〜1.5と
し、かつ電縫溶接部の金属組織を主としてフェライトと
することを特徴とする電縫鋼管の製造方法である。
下であることを特徴とする上記のまたはの方法によ
って製造された電縫鋼管である。但し、DLは、圧延方
向に平行な断面で観察したときの母材部におけるベイニ
ティックフェライトの平均長さ(μm)を示し、D
Cは、圧延方向に垂直な断面で観測したときの母材部に
おけるベイニティックフェライトの平均長さ(μm)を
示す。 A=0.43×(DL+0.90×DC) …(2)
成分についての限定理由を説明する。なお、各成分の%
は質量%を意味する。
L-X60グレード以上の高い強度を得るためには、その含
有量を0.04%以上とする必要がある。一方、その含有量
が0.10%を超える場合には、鋼管の母材部および溶接部
ともに靱性が劣化する。従って、Cの含有量を0.04〜0.
10%とした。望ましくは、0.04〜0.08%である。
元素である。API5L-X60グレード以上の高い強度を得る
ためには、その含有量を0.8%以上とする必要がある。
一方、Mnの含有量が1.6%を超えると、靱性の劣化が著
しくなる。従って、Mnの含有量を0.8〜1.6%とした。な
お、Mnの含有量がSiの含有量と比較して少なくなるほ
ど、溶接部にペネレータと呼ばれる酸化物欠陥が発生し
溶接部の靱性が劣化するため、Mnの含有量はSiの含有量
の4倍以上である必要がある。望ましくは6倍以上であ
る。
よりγ結晶粒を微細化するとともに、析出したNb炭窒化
物は、鋼板が圧延されたときの未再結晶γ粒の回復およ
び再結晶を抑制するので、母材部および溶接部の靱性を
確保するのに有効な元素である。この効果を得るために
は、その含有量を0.005%以上とする必要がある。一
方、その含有量が0.06%を超えると、逆に母材部および
溶接部の靱性を劣化させる。従って、Nbの含有量を0.00
5〜0.06%とした。
よび溶接部の靱性を向上させるのに不可欠な元素であ
る。また、連続鋳造時の鋳片の横ひび割れを防止する観
点からも必須の添加元素である。これらの効果を得るた
めには、その含有量を0.005%以上とする必要がある。
一方、その含有量が0.05%を超えると、母材部および溶
接部における靱性が劣化する。従って、Tiの含有量を0.
005〜0.05%とした。
上記の化学成分に加え、Cu:0.10〜0.8%、Ni:0.10〜
1.5%、Cr:0.10〜0.8%、Mo:0.05〜0.8%およびV:
0.02〜0.08%から選択される1種以上を含有してもよ
い。以下、これらの元素を含有させる場合の限定理由を
述べる。
な元素であり、本発明の電縫鋼管に含有させてもよい。
この効果を得るためには、その含有量を0.10%以上とす
ればよい。しかし、その含有量が0.8%を超えると、鋼
の靱性および溶接性が劣化する。従って、Cuを含有させ
る場合には、その含有量を0.10〜0.8%とすればよい。
の電縫鋼管に含有させてもよい。この効果を得るために
は、その含有量を0.10%以上とすればよい。しかし、Ni
は高価な元素であるので経済性の観点から、その含有量
を1.5%以下に制限するのが望ましい。従って、Niを含
有させる場合には、その含有量を0.10〜1.5%とすれば
よい。
な元素であり、本発明の電縫鋼管に含有させてもよい。
この効果を得るためには、その含有量を0.10%以上とす
ればよい。しかし、その含有量が0.8%を超えると強度
が高くなりすぎて溶接性が悪くなる。従って、Crを含有
させる場合には、その含有量を0.10〜0.8%とすればよ
い。
り、鋼の強度を向上させるのに有効な元素であるので、
本発明の電縫鋼管に含有させてもよい。この効果を得る
ためには、その含有量を0.05%以上とすればよい。しか
し、その含有量が0.8%を超えると、強度が高くなりす
ぎて溶接性が劣化する。従って、Moを含有させる場合に
は、その含有量を0.05〜0.8%とすればよい。
効な元素であり、本発明の電縫鋼管に含有させてもよ
い。この効果を得るためには、その含有量を0.02%以上
とすればよい。しかし、その含有量が0.08%を超える
と、母材部および溶接部の靱性が劣化する。従って、V
の含有量を0.02〜0.08%とすればよい。
上記の化学成分の他に、通常、脱酸のために添加される
元素を含有してもよく、特に、Si:0.05%以下および/
またはAl:0.06%以下を含有するのが望ましい。
剰な場合には、溶接部の靱性を低下させるため、Siを含
有させる場合には、その含有量を0.5%以下に制限する
のが望ましい。なお、鋼の脱酸は、Alの添加によっても
行えるため、Siの含有量は不純物レベルであってもよ
い。
剰な場合には、溶接性が悪くなるため、Alを含有させる
場合には、その含有量を0.06%以下に制限するのが望ま
しい。なお、鋼の脱酸は、Siによっても行えるため、そ
の含有量は不純物レベルであってもよい。
鋼板は、上記の化学組成を有し、残部がFeおよび不可避
的不純物からなり、かつ不純物中のPが0.020%以下、
Sが0.005%以下であるのが望ましい。
の含有量はできるだけ少ない方がよい。特に、Pの含有
量が0.020%を超えると、結晶粒界に偏析して鋼の靱性
を劣化させる。従って、Pの含有量は0.020%以下に制
限する必要がある。
であり、その含有量はできるだけ少ない方がよい。特
に、Sの含有量が0.005%を超えると、介在物清浄度を
悪化して鋼の靱性を劣化させる。従って、Sの含有量は
0.005%以下に制限する必要がある。
熱延鋼板は、上記の化学組成を有し、かつその金属組織
が主としてベイニティックフェライトである必要があ
る。
ックフェライト 本発明において「金属組織が主としてベイニティックフ
ェライトである」とは、金属組織の60vol%以上がベイ
ニティックフェライトであるものをいうものとする。本
発明によれば、このような金属組織を有する鋼を使用し
ても管全体にわたる強度に優れるとともに、母材部およ
び溶接部における靱性に優れる電縫鋼管を提供できるか
らである。
金属組織を有する熱延鋼板を電縫溶接した後に、引き続
いて当該溶接部を一旦オーステナイト化する温度まで加
熱した後、加速冷却することによって溶接部における組
織を完全に変態をさせる。なお、加速冷却とは、空冷を
超える速度で冷却することをいい、噴霧、水冷、油冷等
の冷却方法を採用すればよい。本発明では、このような
加熱および加速冷却を施した後、焼戻処理を施すことと
している。これは、焼戻処理が溶接部の内部応力を除去
して、溶接部の靱性を向上させるからである。この焼戻
処理は、溶接部のみに施しても良いが、母材部も含めた
鋼管全体に施してもよい。
は、一般に管の外面側に設置されており、内面側の加熱
は、熱伝導や磁束の浸透により確保される。従って、肉
厚が10mm以上であるような熱延鋼板を使用して電縫鋼管
を製造する際には、管の外面付近と内面付近とでは、か
なりの温度差が生じる可能性があり、管を肉厚断面で観
察すると、管の外面付近と内面付近との金属組織が異な
る場合がある。
果、熱処理条件を調整することによって、下記の(1)式
で表される外内面HAZ幅比(H)を1.1〜1.5とし、か
つ溶接部の金属組織を主としてフェライトとすれば、溶
接部における靱性が母材部の靱性と同等以上の電縫鋼管
を製造できることに到達した。但し、下記の(1)式中のH
O UTは、管外面のAC1熱影響部幅を示し、HINは、
管内面のAC1熱影響部幅を示す。 H=HOUT/HIN …(1)
れのAC1熱影響部幅は、溶接方向に垂直な断面を研磨
した後、エッチングした状態で変態の境界線を確認する
ことによって得ることができる。このとき、焼戻処理に
よる変態境界線は無視することとする。
に熱処理を施すと、外面付近における溶接部の組織がベ
イナイトとなり、溶接部の外面側における靱性が劣化す
る。一方、外内面幅比が1.5を超えるような条件で溶接
部に熱処理を施すと、内面付近における溶接部の組織が
十分に改善されず、溶接部の内面側における靱性が劣化
する。従って、外内面HAZ幅比が1.1〜1.5となるよう
な条件で、溶接部に熱処理を施さなければならない。な
お、熱処理条件は、使用される加熱器の種類、仕様、配
置、周波数、加熱パターンによって変化するが、当業者
であればこれらを調整して、使用される設備に対応した
外内面HAZ幅比を1.1〜1.5とする設定条件を見出すこ
とができる。
ては、熱処理条件を調整することによって、溶接部の金
属組織を主としてフェライトとする必要がある。
属組織の微細化が必須であり、通常、板材の場合には圧
下によって組織の微細化を実現できるが、電縫鋼管の場
合には圧下をかけることができないため、ベイナイト組
織では細粒化が困難となる。従って、溶接部に施す熱処
理条件を調整して、溶接部の金属組織を主としてフェラ
イトとする必要がある。
ェライト」とは、溶接部の外表面付近にベイナイトの析
出を許容するものである。具体的には、管外面の表面下
1mmの位置において、ベイナイトが50%未満である場合
も本発明の範囲である。これは、通常、熱源が管の外面
側にあるため、溶接部が高温になって管外面にベイナイ
トが発生する場合もあるが、フェライト組織中に微細な
ベイナイトが現れる程度であれば、極端に靱性が劣化す
ることはないからである。
によれば、溶接部における靱性が母材部の靱性と同等以
上である電縫鋼管を製造することができるのである。更
に、本発明者は、電縫鋼管の母材部における靱性をさら
に向上させることについても検討した結果、下記の(2)
式で表されるA値が15μm以下である電縫鋼管に想到し
た。但し、(2)式中のDLは、圧延方向に平行な断面で
観察したときの母材部におけるベイニティックフェライ
トの平均長さ(μm)を示し、DCは、圧延方向に垂直
な断面で観測したときの母材部におけるベイニティック
フェライトの平均長さ(μm)を示す。 A=0.43×(DL+0.90×DC) …(2)
ためには結晶粒の微細化が有効であることは、前述した
とおりであるが、圧延鋼板の結晶粒の大きさは、圧延方
向に平行な面における金属組織を観察することによって
求められるのが一般的である。しかし、このような面で
金属組織を観察した結果、それぞれのフェライト粒やベ
イナイト組織が微細であって、かつその結晶粒同士の方
位が異なっていても、圧延方向に垂直な断面において
は、結晶粒同士の方位差が小さく、ラインパイプとして
十分な強度や靱性を有する微細組織となっていない場合
がある。ラインパイプの破壊抵抗性は、いかなる方向か
らの亀裂に対しても十分な性能を満足する必要がある。
そのためには、圧延方向に平行な断面における結晶粒を
観測するだけでなく、圧延方向に垂直な断面における結
晶粒をも観測して、両断面における結晶粒の大きさを総
合的に判断する必要がある。本発明者は、このような観
点から電縫鋼管の母材部における結晶粒の大きさについ
て検討し、上記の(2)式を規定した。上記の(2)式に基づ
いて、既知の実験データを整理したところ、(2)式で表
されるA値が15μmを超える場合に、母材部での靱性の
劣化が著しくなることを確認し本発明の電縫鋼管を完成
した。
延鋼板を製造した。
Bによって、電縫鋼管を製造し、それぞれの電縫鋼管に
熱処理を施した。これらの製造条件を表2に示す。
する熱延鋼板を用いて、電縫溶接によって外径:406.4m
m、肉厚:15.9mmの鋼管を製造し、溶接直後に周波数:5
00〜1,000Hzの高周波加熱機5台を用いてそれぞれの鋼
管の溶接部を加熱し、水冷によって加速冷却した後、周
波数:500〜1,000Hzの高周波加熱機2台を用いて焼戻処
理を施した。なお、いずれの鋼管も製管速度を10m/min
の一定として製管した。
する熱延鋼板を用いて、電縫溶接によって外径:168.3m
m、肉厚:10.3mmの鋼管を製造し、溶接直後に周波数:5
00〜1,000Hzの高周波加熱機3台を用いてそれぞれの鋼
管の溶接部を加熱し、水冷によって加速冷却した後、炉
熱処理により鋼管全体に焼戻処理を施した。なお、いず
れの鋼管も製管速度を10m/minの一定として製管した。
ラメータ(A)および上記の製管ラインAまたはBで製
造したそれぞれの鋼管の外内面HAZ幅比(H)をそれ
ぞれ下記の方法によって求め、これらの結果を表2に併
記した。
の測定方法:それぞれの電縫鋼管から試験片を切り出
し、圧延方向に平行な断面および圧延方向に垂直な断面
における金属組織を光学顕微鏡によって倍率:1,000倍
で観察し、それぞれの断面におけるベイニティックフェ
ライトの長さ(μm)を測定した。同様の方法によって
20視野の観察を繰り返し、圧延方向に平行な断面で観察
したときの母材部におけるベイニティックフェライトの
平均長さ(DL)および圧延方向に垂直な断面で観察し
たときの母材部におけるベイニティックフェライトの平
均長さ(DC)を算出した。これらの値を下記の(2)式
に代入して、それぞれの電縫鋼管における金属組織の大
きさを示すパラメータ(A)を求めた。 A=0.43×(DL+0.90×DC) …(2)
ぞれの電縫鋼管の溶接方向に垂直な断面を研磨し、ナイ
タールでエッチングした状態で変態の境界線を確認する
ことによって、管外面および管内面におけるAC1熱影
響部幅を測定した。これらのAC1熱影響部幅
(HOUT)および管内面におけるAC1熱影響部幅(H
IN)の値を下記の(1)式に代入して、それぞれの電縫
鋼管における外内面HAZ幅比を求めた。 H=HOUT/HIN …(1)
したがって、管外面および管内面の表面下1mm位置の組
織を観察し、その金属組織がフェライトであるものを
「F」、フェライトおよび微細なベイナイトであるもの
を「F+B」、ベイナイトであるものを「B」、および
マルテンサイトであるものを「M」として表2に併記し
た。
溶接部における管円周方向から切り出したAPI引張試験
片を用いて、常温における引張強さ(TS)を測定し、
それぞれの電縫鋼管における引張強さの差(ΔTS、
〔溶接部TS〕−〔母材部TS〕)を求め、表2に併記
した。さらに、それぞれの電縫鋼管の母材部および溶接
部における管円周方向から切り出したフルサイズのシャ
ルピー試験片を用いて、試験温度を変化させて破面遷移
温度(vTrs)を測定した。この結果も表2に併記した。
ずれも、溶接部における引張強さが母材部のそれを上回
るとともに、母材部および溶接部の双方における破面遷
移温度が−41℃以下と低い値を確保しており、本発明例
においては、溶接部および母材部ともに強度および靱性
に優れることが確認できた。特に、本発明例1〜12は、
そのA値が15μm以下であるため、本発明例13〜17と比
較しても母材部の靱性が更に優れることも確認できた。
一方、比較例1〜12はいずれも、溶接部における靱性が
劣る。特に、比較例1〜4は、本発明で規定する化学組成
の範囲内にあるにもかかわらず、外内面HAZ幅比が本
発明で規定する範囲内にないため、溶接部の破面遷移温
度が高く、溶接部における靱性が劣る。
鋼管においても、API5L-X60グレード以上の高い強度を
確保するとともに、溶接部における靱性が母材部におけ
る靱性と同等以上である電縫鋼管を製造することができ
るので、内圧に対して溶接部での破断は発生しない。従
って、パイプラインの操業トラブル等により内圧が限界
まで上昇した場合でも、溶接部が母材部より先に破断す
ることがなく、破壊が母材部の性能に支配されるため、
一般に不安とされる溶接部性能を考慮する必要がない。
Claims (3)
- 【請求項1】質量%で、C:0.04〜0.10%、Mn:0.8〜
1.6%、Nb:0.005〜0.06%およびTi:0.005〜0.05%を
含有し、かつ金属組織が主としてベイニティックフェラ
イトである熱延鋼板を電縫溶接した後に、電縫溶接部を
一旦オーステナイト化する温度まで加熱した後、加速冷
却および焼戻処理を施して、下記の(1)式で表される外
内面HAZ幅比(H)を1.1〜1.5とし、かつ電縫溶接部
の金属組織を主としてフェライトとすることを特徴とす
る電縫鋼管の製造方法。 H=HOUT/HIN …(1) 但し、HOUTは、管外面のAC1熱影響部幅を示し、H
INは、管内面のAC1熱影響部幅を示す。 - 【請求項2】質量%で、C:0.04〜0.10%、Mn:0.8〜
1.6%、Nb:0.005〜0.06%およびTi:0.005〜0.05%で
あり、Cu:0.10〜0.8%、Ni:0.10〜1.5%、Cr:0.10〜
0.8%、Mo:0.05〜0.8%およびV:0.02〜0.08%から選
択される1種以上を含有し、かつ金属組織が主としてベ
イニティックフェライトである熱延鋼板を電縫溶接した
後に、電縫溶接部を一旦オーステナイト化する温度まで
加熱した後、加速冷却および焼戻処理を施して、下記の
(1)式で表される外内面HAZ幅比(H)を1.1〜1.5と
し、かつ電縫溶接部の金属組織を主としてフェライトと
することを特徴とする電縫鋼管の製造方法。 H=HOUT/HIN …(1) 但し、HOUTは、管外面のAC1熱影響部幅を示し、H
INは、管内面のAC1熱影響部幅を示す。 - 【請求項3】下記の(2)式で表されるA値が15μm以下
であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法
によって製造された電縫鋼管。 A=0.43×(DL+0.90×DC) …(2) 但し、DLは、圧延方向に平行な断面で観察したときの
母材部におけるベイニティックフェライトの平均長さ
(μm)を示し、DCは、圧延方向に垂直な断面で観測
したときの母材部におけるベイニティックフェライトの
平均長さ(μm)を示す。
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