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JP2002253638A - 固形薬剤を内封する可撓性薬剤容器およびその製造方法 - Google Patents

固形薬剤を内封する可撓性薬剤容器およびその製造方法

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Publication number
JP2002253638A
JP2002253638A JP2001109292A JP2001109292A JP2002253638A JP 2002253638 A JP2002253638 A JP 2002253638A JP 2001109292 A JP2001109292 A JP 2001109292A JP 2001109292 A JP2001109292 A JP 2001109292A JP 2002253638 A JP2002253638 A JP 2002253638A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
drug
flexible
medicine
port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001109292A
Other languages
English (en)
Inventor
Yutaka Matsuzawa
豊 松沢
Takashi Morimura
孝史 森村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukoku Co Ltd
Original Assignee
Fukoku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukoku Co Ltd filed Critical Fukoku Co Ltd
Priority to JP2001109292A priority Critical patent/JP2002253638A/ja
Publication of JP2002253638A publication Critical patent/JP2002253638A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂製の可撓性薬剤容器でありながら、凍
結乾燥製剤に適する固形薬剤を内封する薬剤容器の提供
および製造が容易で、大きな設備を必要とせず、安価に
製造し得る可撓性薬剤容器の提供すること。 【解決手段】 凍結乾燥により得られた固形薬剤10
を無菌的に収納し密封する可撓性薬剤容器21であっ
て、水分遮蔽性およびガス遮蔽性に優れた樹脂材よりな
る容器本体部22に、ゴム栓24などによって施栓可能
な薬剤取出口部23を備え、容器内部と外部を連通する
乾燥ポート25を設けたことを特徴とする。また、上記
乾燥ポート25は、端部または内部に除菌フィルタ26
を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、凍結乾燥によって
得られる固形薬剤を収納し密封する(内封する)可撓性
薬剤容器に関する。特に、個別に溶解液を内封した輸液
容器と、薬剤を内封した薬剤容器とを、連通針などの連
通手段を内蔵して、あるいは連通手段部を介して、非連
通状態で接続し、薬液調整時に上記連通手段によって連
通可能とした所謂輸液キットに用いる薬剤容器に適す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、点滴などの輸液においては、長期
的に安定して保管が可能であることから固形薬剤を使用
直前に溶解液に溶解し、調整して使用することが一般的
である。上記固形薬剤のうち、抗生物質などの熱に対し
て変質し易い薬剤は、液体を無菌充填後に凍結乾燥によ
って得られる凍結乾燥製剤が用いられる。
【0003】一般に、凍結乾燥製剤は、一旦調整した薬
液(薬剤の溶液又は分散液等)をバイアル等のガラス製
薬剤容器に無菌状態で充填し、別途滅菌処理したゴム栓
を上記薬剤容器口に中途状態で嵌装して、薬剤容器内と
薬剤容器外で通気可能な状態(以下、半打栓状態とい
う)とし、次にこれを凍結乾燥器内に入れて、凍結乾燥
による脱液固形化を行ない、固形化完了後に、凍結乾燥
器内に装備された可動器具でゴム栓を押し下げて薬剤容
器に完全に嵌装(打栓を完了)し、ガラス製薬剤容器に
密封された状態で得ることができる。次に、凍結乾燥器
より取り出した上記ガラス製薬剤容器は、ゴム栓が容易
にはずれることがないように、上記薬剤容器の口頭部を
包み込む冠の様に金属薄板製の緊締リングを冠装してカ
シメによる緊締がなされる。
【0004】上記工程は、打栓完了までは薬剤が直接空
気に触れるため無菌環境下で行われるが、打栓後は、薬
剤が直接外気にさらされないため、空調管理された通常
の環境下で作業可能である。
【0005】従来のガラス製薬剤容器に封入した固形薬
剤を使用した輸液キットは、例えば、図7に示すような
ものがある。図7は、固形薬剤を用時溶解液に溶解させ
て調整して使用するタイプの一体型輸液キットの側面図
である。1は輸液容器であって、この輸液容器1は溶解
液2を無菌的に密封した袋体である。この輸液容器1
は、インフレーション成形されたチューブを用いて扁平
形状に製造されており、所定長さの樹脂フィルム製チュ
ーブの一方に別途成形された樹脂製の液剤取出口部材3
を配置し、他方に、別途成形された樹脂製の連結部筒体
4を配置し、液剤取出口部材3および連結部筒体4とと
もに上記チューブ端部を熱溶着により溶着して封止し、
袋体としている。そして、上記連結部筒体4は、内部が
輸液容器側の連通路5となっており、この連通路5内に
は中空の連通針6を内蔵している。この連通針6は、輸
液容器側に押圧部7を有し、押圧部7を一定圧力以上で
押した場合には、連通路5端部に設けられた隔膜8を突
き破って移動可能な状態で連通路5内に係止されてい
る。
【0006】9は樹脂材などからなる薬剤容器ホルダで
あって、この薬剤容器ホルダ9は、凍結乾燥によって得
られた固形薬剤10をゴム栓11により封入したガラス
製薬剤容器であるガラスバイヤル12を内蔵している。
【0007】13は連結部であって、この連結部13は
上記輸液容器1と上記薬剤容器ホルダ9を連結するとと
もに、その接続部内に連通路が構成される。この連通路
の薬剤容器ホルダ9側端部にはガラスバイヤル12のゴ
ム栓11が配置されて、連通路端部を閉塞している。上
記連通針6は、連通路の一部をなす連通路5内に係止さ
れているので、用事には連通手段として機能する。
【0008】上記輸液キットは、用時において、上記連
通針6の押圧部7を押すことにより、薬剤容器ホルダ側
へ移動して、隔膜8と薬剤容器のゴム栓11を突き破
り、輸液容器内部と薬剤容器内部を連通させる。連通
後、溶解液2をガラスバイヤル12へ送り込み、固形薬
剤10を溶解させて、薬液となし、再び輸液容器1に調
整された上記薬液を戻す。次に、下方となる位置に設け
た液剤取出口部材3の図示せぬ栓体を破って図示せぬ送
輸管を接続して調整した薬液を取り出し可能とし、患者
に点滴をおこなう。
【0009】従来の輸液キットなどに使用される薬剤容
器は、バイアルなどのガラス製薬剤容器が用いられるこ
とが多い。これは、上記に説明したように凍結乾燥製剤
の製造時において、薬液を充填し、そのまま凍結乾燥し
て固形薬剤を得ることができ、製品化できるため、容
器の移し替えの必要が無く、無菌状態を保ちやすいこ
と。また、ガラス製薬剤容器は、堅く位置安定性が良い
ため、打栓に際しての固定器具等が必要なく、凍結乾燥
機内の狭い空間に入るような小さく簡単な装置で打栓容
易であるので、密閉するために凍結乾燥器外へ搬出する
必要もない。よって、凍結乾燥器内の狭い空間を無菌
状態に保てばよいこと。加えて、ガラス製バイアル
は、水分遮断性およびガス遮断性に優れること。また、
一般に薬剤用の容器、特に輸液に使用する薬剤用容器
は、外部から目視にて薬剤の変質、変色や異物の混入な
どが確認できることが求められているので、内封する
薬剤の内容が確認できる程度の透明性を有すること、な
どの理由による。
【0010】また、従来の薬剤容器としては、例えば、
特開平6−254136号公報には、樹脂材より成形さ
れた樹脂製薬剤容器が記載されている。また、特開平8
−52196号公報には、袋状の可撓性薬剤容器が記載
されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ガラス製薬剤容器においては、凍結乾燥製剤の薬剤容器
として適するが、使用後、薬液容器を廃棄する前に、不
燃物である金属製の緊締リングを薬剤容器から取り外す
作業、それに続いて容器及び廃緊締リング、ゴム栓とを
分別する作業が必要である。さらに輸液キットに用いら
れた場合には、上記分別作業に加えて、ガラス製薬剤容
器の固定具やホルダなどを分解する必要があり、手間を
要するものであった。更に、従来のガラス製あるいは硬
質樹脂製の薬剤容器は可撓性容器ではないので容器自体
が全く変形することができないため、薬剤容器内に内封
された固形薬剤を溶解液などに溶かすために密封状態の
薬剤容器内に溶解液を入れる場合には、薬剤容器内の圧
力が高くなるので、溶解液を充填しづらいことがあり、
また、薬剤を溶かし終えた薬液を薬剤容器から取り出す
場合には、薬液を吸引することになるため、取り出し操
作が困難であることがあった。
【0011】また、従来の樹脂製薬剤容器においては、
使用後、薬液容器を廃棄する前に、分別は必要としない
が、ガラス製薬剤容器に比べ強度が低いため、凍結乾燥
器内での打栓が難しく、余分な固定器具等が必要とな
り、大きな槽を有する凍結乾燥器が必要となるので、凍
結乾燥製剤を内封する薬剤容器には向かないなどの問題
があった。
【0012】そこで、本発明の目的は、樹脂製の可撓性
薬剤容器でありながら、凍結乾燥製剤に適する固形薬剤
を内封する薬剤容器の提供を目的としている。本発明の
他の目的は、製造が容易で、大きな設備を必要とせず、
安価に製造し得るようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、凍結乾燥により得られた固
形薬剤を無菌的に収納し密封する可撓性薬剤容器であっ
て、水分遮蔽性およびガス遮蔽性に優れた樹脂材よりな
る容器本体部に、ゴム栓などによって施栓可能な薬剤取
出口部を備え、容器内部と外部を連通する乾燥ポートを
設けたこととしたものである。さらに、請求項2記載の
発明は、請求項1記載の発明において、上記乾燥ポート
は、端部または内部に除菌フィルタを設けたこととした
ものである。さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
または2記載の発明において、可撓性薬剤容器は、薬液
または薬剤の充填ポートを設けたこととしたものであ
る。さらに、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の発明において、 上記可撓性薬剤容
器は、水蒸気、酸素バリア性を有するフィルムからなる
密封袋体により覆うこととしたものである。
【0014】また、上記目的を達成するために、請求項
5記載の発明の製造方法は、薬剤取出口部が一端に設け
られ、閉塞可能な充填ポートおよび除菌フィルタを備え
た乾燥ポートを設けられた可撓性薬剤容器を準備し、上
記可撓性薬剤容器を滅菌処理する第1の工程と、上記充
填ポートより可撓性薬剤容器に薬液を充填する第2の工
程と、上記充填ポートを閉塞手段により閉塞する第3の
工程と、上記薬液入り可撓性薬剤容器を凍結乾燥装置に
入れて、凍結乾燥させることにより、上記乾燥ポートよ
り薬液の水分を薬剤容器内から排出させて、固形薬剤を
得る第4の工程とからなる固形薬剤を内封する可撓性薬
剤容器としたものである。
【0015】本発明における乾燥ポートとは、薬液を薬
剤容器にいれたまま、凍結乾燥により固形薬剤を得ると
きに発生する水分を薬剤容器外へ排出する排出口であ
り、薬剤容器内部から外界へ連通する。乾燥ポートを凍
結乾燥工程後閉塞する場合には、この乾燥ポートをチュ
ーブ状にすることで、熱溶着あるいは超音波溶着などの
閉塞手段により容易に閉塞することが出来る。また、チ
ューブ状であるから小型の閉塞手段で閉塞することが出
来るので、凍結乾燥器内でも作業が容易である。また、
上記乾燥ポートの口部あるいは乾燥ポート内部に、除菌
フィルタを設置する場合には、薬剤容器内へ空気の流入
があっても細菌の侵入を防止することが出来るので、細
菌に対して密閉が保たれるので乾燥ポートを閉塞する必
要がない。
【0016】上記除菌フィルタは、市販されているメン
ブランフィルタなどがあり、フィルタ膜の孔径が0.2
μm以下で、かつ水蒸気が透過できるものであれば、菌
の侵入を除去するとともに凍結乾燥に使用することが出
来る。なお、液体と接触した状態でも水蒸気を含むエア
が透過出来るものを使用したときには、凍結乾燥時に薬
液がフィルタに接触していても水分の除去ができるの
で、フィルタ位置を自由に設定できる。除菌フィルタの
材質として、ポリフッ化ビニルあるいはビニリデン樹
脂、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルフォン系樹
脂、セルロース系樹脂などが挙げられる。
【0017】また、本発明における充填ポートとは、溶
液状態の薬剤液を薬剤容器内部へ充填するときに用いる
充填口であり、薬剤容器内部から外界へ連通する連通路
を有するチューブ形状が望ましい。上記チューブ形状と
することで、薬剤液を充填した後、熱溶着あるいは超音
波溶着などの閉塞手段により容易に連通路を遮断し、密
封することが出来る。また、特に充填ポートを設けず薬
剤取出口部を使用することもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の薬剤容器
の第1実施例を示す斜視図であり、図2は、図1の側面
部分断面図である。図1および図2において、21は、
可撓性薬剤容器であり、この可撓性薬剤容器21は、樹
脂材よりなる容器本体部22を有し、この溶器本体部2
2の一端には薬剤取出口部23が設けられ、この薬剤取
出口部23は、ゴム栓24にて施栓され、密封されてい
る。さらに、薬剤取出口部23およびゴム栓24の無菌
性を維持するため、図示せぬキャップ部材が上記薬剤取
出口部23および上記ゴム栓24を覆うように装着され
ている。25は、乾燥ポートであり、この乾燥ポート2
5は、上記薬剤容器本体部22の上記薬剤取出口部23
と同じ面にチューブ状に突出して形成され、容器本体内
部と外界を連通している。その開口頂部には除菌フィル
タ26が溶着され、封止されている。この除菌フィルタ
26は、水蒸気および空気は透過させ得るが細菌は透過
することはできない。27は、充填ポートであり、この
充填ポート27は、上記薬剤容器本体部22の上記薬剤
取出口部23と同じ面にチューブ状に突出して形成さ
れ、容器本体内部と外界を連通している。さらに、上記
可撓性薬剤容器21は、点滴使用時に吊り下げ使用でき
る吊下部28が、溶器本体部22の上方端部に設けられ
ている。
【0019】上記可撓性薬剤容器21の容器本体部22
は、樹脂材より扁平形状にブロー成形により成形され
る。このとき、上記薬剤取出口部23,乾燥ポート2
5,充填ポート27および吊り下げ部28が同時に形成
されている。上記樹脂材としては、低密度ポリエチレン
樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチ
レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、軟質ポリエステル樹
脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂あるいは
これらの複合樹脂などの樹脂材料が好適である。また、
上記樹脂を単層構造で用いても、複数の多層構造で用い
ても良い。
【0020】次に、図1および2に示す固形薬剤を内封
する可撓性薬剤容器を得る手順を説明する。上記可撓性
薬剤容器21は、樹脂ブロー成形により略円筒形状のパ
リソンを成形し、ついで薬剤取出口部23、充填ポート
27、乾燥ポート25および吊り下げ部28を一体に備
えた容器本体22をブロー成形にて成形する。乾燥ポー
ト25の開口頂部に除菌フィルタ26を熱溶着にて固定
し、乾燥ポートを閉塞する。次に薬剤取出口部23にゴ
ム栓24を施栓し、薬剤取出口部23を閉鎖する。つい
で、可撓性薬剤容器21をオートクレーブつまり高圧蒸
気滅菌処理装置により滅菌された可撓性薬剤容器21を
準備する。なお、上記可撓性薬剤容器21の滅菌処理と
しては、エチレンオキサイドガス滅菌や過酸化水素ガス
滅菌、γ線滅菌、電子線滅菌、UV滅菌などを適用して
も良い。
【0021】次に、無菌環境下にて、充填ポート27の
先端部を切断し、凍結乾燥用に調整された薬液を先端部
の切断されて開封された充填ポート27より上記可撓性
薬剤容器21に充填し、充填ポート27を熱溶着により
充填ポートの樹脂材を溶融させて閉塞する。この時点で
本発明の可撓性薬剤容器25は細菌に対して密閉される
ので、これ以後の無菌環境レベルを下げることが可能に
なる。また、内部の薬液変質が生じない範囲で、保存す
ることが可能になる。但し、無菌環境レベルを下げた場
合には、輸液キットなどに接続する際に問題になるの
で、少なくとも薬剤取出口の滅菌処理を再度行うか、接
続部位についてキャップ部材を装着するなどして無菌状
態の維持手段を講じておくことが望ましい。
【0022】次に、薬液を封入した上記可撓性薬剤容器
21を凍結乾燥器に入れ、真空引きしながら凍結乾燥さ
せて、固形薬剤を得る。このとき、薬液の水分は水蒸気
となって乾燥ポート25に設けられた除菌フィルタ26
を透過して、溶器本体内より排出される。そして、凍結
乾燥終了後、凍結乾燥器内にクリーンエアをもどし、凍
結乾燥器より取り出せば、固形薬剤を内封する可撓性薬
剤容器を得ることが出来る。このとき、乾燥ポート25
より外気が可撓性薬剤容器25内に流入するが、除菌フ
ィルタ26によって細菌が濾過されるため、可撓性薬剤
容器25内には細菌が入ることはない。なお、凍結乾燥
器に空気を戻す際に、クリーンエアを戻すのは、真空解
除したときに薬剤容器25が外気を吸入するので、流入
する空気が汚い場合には、除菌フィルタ25の外側に細
菌が貯まってしまうので、これを防止するためである。
【0023】なお、上記実施例に於いて、凍結乾燥完了
後、凍結乾燥器内に空気を戻した後、熱溶着などにより
乾燥ポートを密閉することとした場合には、乾燥ポート
25に除菌フィルタ26を設ける必要はない。但し、こ
の場合には、乾燥ポートの閉塞まで、高度な無菌環境と
低湿度の環境を維持する必要がある。また、充填ポート
を設けず、薬剤取出口部より薬液を充填してから、施栓
することとしても良い。但し、この場合には、容器本体
とゴム栓を別途滅菌処理しておく必要がある。また、上
記実施例に於いては、薬剤取出口部の施栓手段としてゴ
ム栓を用いたが、薬剤容器を確実に密閉できればよいの
で、樹脂成形時に刺通可能な薄膜を本体容器と一体の薄
膜を設けることとしてもよい。
【0024】図3は、本発明の可撓性薬剤容器の第2実
施例を示す部分断面図であり、この可撓性薬剤容器29
は、前述した第1実施例と構造が一部相違しており、共
通する部材には同一の符号を記載する(以下の実施例も
同様)。図において、可撓性薬剤容器29は、容器本体
22の吊下部28側に乾燥ポート30をL字型チューブ
形状として形成し、この乾燥ポート30の開口部には除
菌フィルタ26を設けている。さらに、充填ポート31
を上記乾燥ポート30の一部を共有し、かつ本体容器2
2に対して充填ポート31の開口部と本体容器側開口部
をストレートに連通する形状として一体に形成したもの
である。上記乾燥ポート30と充填ポート31は、容器
本体22との接続部を共通としているため、乾燥ポート
と充填ポートの接続部を別体として設ける場合に比べ
て、本体容器上の設置位置についての自由度が増す。
【0025】また、充填ポート31を本体容器22に対
してストレート形状としているので、薬液の充填が容易
である。本実施例に於いては、乾燥ポート30をL字型
チューブ形状として形成したが、このL字形状に限定さ
れるものではなく、直接充填ポート31あるいは薬剤取
出口の側面に開口部を形成して、除菌フィルタ26を溶
着などにて設け、乾燥ポートとしても良い。
【0026】図4は、本発明の可撓性薬剤容器の第3実
施例を示す部分断面図であり、この可撓性薬剤容器32
は、除菌フィルタ26付きの乾燥ポート25および充填
ポート27、薬剤取出口部材34を一端に配置し、イン
フレーション成形した樹脂フィルムより製袋し、略扁平
の袋体とした本体容器33を有する。上記可撓性薬剤容
器32の薬剤取出口部材34は、樹脂材よりなる管形状
をなし、この管内にはこの管を閉塞する隔膜35を設け
ている。この隔膜35は、用時に開口しやすいように連
通針などにより破壊しやすい強度としている。
【0027】図5は、上記実施例を用いた、連通針を内
蔵するタイプの輸液キットの部分断面拡大図である。な
お、従来例と共通する部材には同一の符号を記載する。
図において、36は輸液容器1に溶着して設けた連結部
材であり、この連結部材36は、内部に中空の連通路3
7を有し、この連通路37は輸液容器1内部と連通し、
かつ連通針6を保持部材38により移動可能に保持して
いる。さらに、連結部材36の先端部には連通針6にて
破壊可能な隔膜35を有し、上記連通路37を閉塞して
いる。
【0028】上記輸液容器1は、本発明の可撓性薬剤容
器33の薬剤取出口部材34の筒状内部39に差し込ま
れ、連結部材36の外周面に設けた係合部40にて固定
され、パッキン41にて上記筒状内部は密閉される。こ
の連結作業は無菌環境下で行われるので、輸液容器内
部、連通路37、薬剤容器内部そして筒状内部39は、
無菌状態が維持されている。なお、42は充填ポート2
7の開口部を熱溶着にて閉塞した溶着閉塞部である。
【0029】図6は、本発明の可撓性薬剤容器の第4実
施例を示す部分切り欠き側面図である。図において、4
3は、可撓性薬剤容器を示し、この可撓性薬剤容器43
は、容器本体部33に関して、除菌フィルタ26および
乾燥ポート25を吊下使用時上方に設け、さらに密封袋
体44にて乾燥剤45とともに密封包装したものであ
る。その他の構成は図4に示す実施例と同様であり、イ
ンフレーション成形されたチューブを用いて略扁平形状
に成形されたものである。上記密封袋体44は、水蒸気
および酸素バリア性に優れた材質の袋体状であり、可撓
性薬剤容器43に内封される固形薬剤が水分や酸素によ
って変質しやすい場合には有用となる。密封袋体44は
可撓性薬剤容器43よりも十分に大きい第1および第2
のフィルムシートからなり、上記2枚のフィルムシート
をあわせた状態のもとで、上端部44a、側部44b、
44cを熱溶着によって下端部44dが開口された袋体
状を形成する。次にこの袋体状の密封袋体44の開口部
から可撓性薬剤容器43および乾燥剤45を差し入れ、
下端部44dを可撓性薬剤容器43の薬剤取出口部材3
4の表面とともに熱溶着させて密封するとともに、密封
袋体44を可撓性薬剤容器43に固定する。密封袋体4
4を可撓性薬剤容器43に固定することにより、密封袋
体44の上端部44aに吊下部28を形成すれば、安定
して使用することが出来る。図6においては、ハッチン
グした部位が溶着部を示し、熱溶着した部位よりも内側
の一部を切り欠き表示している。
【0030】上記実施例においては、乾燥剤を同封した
が、内封される薬剤に応じて脱酸素剤をいれることもで
きるし、必要がなければ入れなくともよいのはもちろん
である。上記密封袋体44に用いるフィルム材として
は、第1のフィルムとして、外層側から、ポリプロピレ
ン/シリカ蒸着ポリエチレンテレフタレート/ポリエチ
レンのラミネートフィルムと、第2のフィルムとして、
外層側から、ポリプロピレン/アルミ箔/ポリエチレン
のラミネートフィルムが適するが、内封する薬剤と可撓
性薬剤容器自体の材質によっても適当なフィルムの組合
せを選ぶことができる。可撓性薬剤容器に収納される薬
剤が水分や酸素によって変質しやすいものである場合、
可撓性薬剤容器の材質は、製造上可能であれば、なるべ
く水分や酸素を透過しにくいものを選定することが好ま
しいが、可撓性薬剤容器の製造上の困難さや製造コスト
の関係から、密封袋体に水蒸気、酸素バリア性をもたせ
れば可撓性薬剤容器の材質は適当なものを選定すること
ができるのである。
【0031】密封袋体に適用可能な材質は、水蒸気バリ
ア性に優れたものとしては、ポリ塩化ビニリデン樹脂な
どがあり、フィルム材から成形する場合には、ポリ塩化
ビニリデン樹脂製のフィルムの他に、前述した薬剤容器
に適する樹脂材などを用いたアルミ箔のラミネートフィ
ルム、シリカ蒸着フィルム、アルミナ蒸着フィルム、又
はそれらのラミネートフィルムが使用可能である。ま
た、酸素バリア性に優れたものとしては、上記樹脂材お
よびフィルムに加えて、ポリビニルアルコール樹脂、ポ
リアクリロニトリル(PAN)樹脂およびそのアルミ箔
のラミネートフィルム、シリカ蒸着フィルム、アルミナ
蒸着フィルム、又はそれらのラミネートフィルムが使用
可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、可撓性薬剤容器に乾燥
ポートを設けたので、軟質な可撓性容器であっても、凍
結乾燥器内で容易に施栓可能であるので、乾燥凍結製剤
を内封する薬剤容器として使用することができる。さら
に、上記乾燥ポートに除菌フィルタを設けた場合には、
凍結乾燥器内で施栓工程が必要ないので、乾燥凍結製剤
を内封する薬剤容器として使用することができる。さら
に、充填ポートを設けた場合には、薬液を充填後閉鎖作
業が容易とすることができる。また、本発明によれば、
可撓性薬剤容器を使用した場合に於いても、凍結乾燥器
内における位置決めが必要なく無菌環境レベルを低くし
ても問題が生じないので、製造工程が簡単になり容易に
低コストで製造することが出来る。さらに、薬剤容器を
水蒸気、酸素バリア性に優れたフィルムで密閉包装する
ことにより、薬剤容器自体の水蒸気、酸素バリア性を気
にしなくともよいので、薬剤容器の材質の自由度が増
す。さらに、薬剤容器を単独で包装することが出来るの
で、薬剤を充填した薬剤容器を単独で、薬剤が変質する
ことなく長期にわたり保存することが出来るなどの効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可撓性薬剤容器の第1実施例を示
す斜視図である。
【図2】図1における側面部分断面図である。
【図3】本発明に係る可撓性薬剤容器の第2実施例を示
す部分断面図である。
【図4】本発明に係る可撓性薬剤容器の第3実施例を示
す部分断面図である。
【図5】本発明に係る可撓性薬剤容器の第3実施例を用
いた輸液キットの部分断面拡大図である。
【図6】本発明に係る可撓性薬剤容器の第4実施例を示
す部分切り欠き側面図である。
【図7】従来の一体型輸液キットの側面図である。
【符号の説明】
1・・・輸液容器 2、22、33・・・薬剤容器本体部 5、37・・・連通路 8、35・・・隔膜 10・・・ 固形薬剤 11、24・・・ゴム栓 21、29、32、43・・・可撓性薬剤容器 23、34・・・薬剤取出口部材 25、30・・・乾燥ポート 26・・・除菌フィルタ 27、31・・・充填ポート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凍結乾燥により得られた固形薬剤を無
    菌的に収納し密封する可撓性薬剤容器であって、水分遮
    蔽性およびガス遮蔽性に優れた樹脂材よりなる容器本体
    部に、ゴム栓などによって施栓可能な薬剤取出口部を備
    え、容器内部と外部を連通する乾燥ポートを設けたこと
    を特徴とする固形薬剤を内封する可撓性薬剤容器。
  2. 【請求項2】 上記乾燥ポートは、端部または内部に
    除菌フィルタを設けたことを特徴とする請求項1に記載
    の固形薬剤を内封する可撓性薬剤容器。
  3. 【請求項3】 上記可撓性薬剤容器は、薬液または薬
    剤の充填ポートを設けたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の固形薬剤を内封する可撓性薬剤容器。
  4. 【請求項4】 上記可撓性薬剤容器は、水蒸気、酸素
    バリア性を有するフィルムからなる密封袋体により覆う
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    固形薬剤を内封する可撓性薬剤容器。
  5. 【請求項5】 薬剤取出口部が一端に設けられ、閉塞
    可能な充填ポートおよび除菌フィルタを備えた乾燥ポー
    トを設けられた可撓性薬剤容器を準備し、上記可撓性薬
    剤容器を滅菌処理する第1の工程と、上記充填ポートよ
    り可撓性薬剤容器に薬液を充填する第2の工程と、上記
    充填ポートを閉塞手段により閉塞する第3の工程と、上
    記薬液入り可撓性薬剤容器を凍結乾燥装置に入れて、凍
    結乾燥させることにより、上記乾燥ポートより薬液の水
    分を薬剤容器内から排出させて、固形薬剤を得る第4の
    工程とからなる固形薬剤を内封する可撓性薬剤容器の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014160085A (ja) * 2006-04-24 2014-09-04 Medical Instill Technologies Inc 針貫通可能かつレーザ再密閉可能な凍結乾燥装置およびこれに関連する方法
KR20200019511A (ko) * 2018-08-14 2020-02-24 한영훈 약 복용 리마인더 iot시스템

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