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JP2002213286A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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Publication number
JP2002213286A
JP2002213286A JP2001007071A JP2001007071A JP2002213286A JP 2002213286 A JP2002213286 A JP 2002213286A JP 2001007071 A JP2001007071 A JP 2001007071A JP 2001007071 A JP2001007071 A JP 2001007071A JP 2002213286 A JP2002213286 A JP 2002213286A
Authority
JP
Japan
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temperature
nox catalyst
reducing agent
exhaust gas
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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Application number
JP2001007071A
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English (en)
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Inventor
Tomohiro Kaneko
智洋 金子
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JP2002213286A publication Critical patent/JP2002213286A/ja
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の排気中に還元剤を添加供給してN
Ox触媒の機能調整を図る内燃機関の排気浄化装置にあ
って、NOx触媒内の温度分布の変動の影響を受けるこ
となく必要量の還元剤を的確に添加することにより、排
気特性を好適な状態に保持することにある。 【解決手段】 エンジン100の電子制御装置(EC
U)80は、排気温度が上昇して触媒活性領域に移行
し、且つ、後行程噴射の実施に関する他の適合条件が満
たされている場合には、後行程噴射量がその後辿る推移
態様を予め決定する。すなわち、先ず、目標値としての
要求噴射量と、実際の後行程噴射量を徐々に増大させ要
求噴射量に至らしめるために適用する一次遅れ要素の時
定数とを求める。次に、要求噴射量と時定数との関係か
ら、後行程噴射量の推移曲線を時間軸上に想定し、この
推移曲線に従い後行程噴射量を逐次補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希薄燃焼可能な内
燃機関の排気系内であって、同排気系内に設けられた還
元触媒上流に還元剤を供給し、排気中の有害成分の浄化
を促す内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンや希薄燃焼を行うガ
ソリンエンジンでは、高い空燃比(リーン雰囲気)の混
合気を燃焼に供して機関運転を行う運転領域が、全運転
領域の大部分を占める。この種のエンジン(内燃機関)
では一般に、排気中の窒素酸化物(NOx)を還元浄化
する機能を酸素存在下で保持することのできる還元触媒
(NOx触媒)がその排気系(排気流路)の流路途中に
備えられる。このようなNOx触媒を排気系に備える内
燃機関では、当該機関の運転時、排気系内のNOx触媒
上流に還元剤(例えば燃料)を間欠的あるいは継続的に
添加することにより、当該NOx触媒を介した反応過程
を通じて排気に含まれるNOxの還元(浄化)を行う。
【0003】例えば、特開平8−151920号公報に
記載された装置は、内燃機関への燃料の噴射供給に関
し、燃焼に供して出力を得るための燃料噴射(主噴射)
とは別途に、これと異なるタイミングで副噴射を実行す
ることで、排気(燃焼ガス)に燃料(還元剤)を添加
し、排気系に設けられたNOx触媒に供給する制御を行
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報記
載の装置も含め、NOx触媒の触媒作用を通じて排気中
のNOxを浄化する排気浄化装置では、効率的なNOx
の浄化を行うためには当該NOx触媒が十分活性化され
た状態にあることが前提条件となる。NOx触媒は、そ
の床温が所定温度を上回ることによって活性化される。
このため、例えば上記公報記載の装置では、NOx触媒
の床温を代表するパラメータとして排気温度を観測し、
当該排気温度が所定温度を上回っている(以下、排気温
度が触媒活性領域にあるという)場合にのみ内燃機関へ
の副噴射を実行するようにしている。
【0005】ところが、排気温度が触媒活性領域にある
か否かといった判断のみに基づいて内燃機関への副噴射
を実行した場合、副噴射によって供給された燃料に由来
するHC成分が、排気系のNOx触媒下流に吹き抜ける
現象が頻発するようになることが、発明者によって確認
されている。
【0006】例えば、図8(a)、(b)及び(c)
は、排気系にNOx触媒を備えた内燃機関の搭載車両
を、車速を変更しつつ平地走行させた場合に観測される
各種パラメータの推移態様を同一時間軸上に示すタイム
チャートである。ここで、図8(a)には当該車両の車
速の推移を示す。図8(b)には、排気系のNOx触媒
下流に吹き抜けるHC成分の量(以下、燃料排出量とい
う)THCの推移を示す。図8(c)には、NOx触媒
内の異なる部位(排気の入口近傍及び出口近傍)の温度
の推移を示す。なお、この観測期間中には、排気系のN
Ox触媒上流若しくは下流でモニタされる排気温度が触
媒活性領域にあれば、所定時間毎(例えば10秒毎)に
副噴射を実行することとした。時間軸上に示す各時刻t
1〜t17は、実際に副噴射が実行されたタイミングに相
当する。
【0007】先ず、図8(a)及び図8(b)に示すよ
うに、副噴射の実行タイミングに同期して、時間軸上に
燃料排出量THCの極大値が出現する。このような燃料
排出量THCの極大値の出現は、下記の現象に起因する
ものと考えられる。
【0008】NOx触媒の床温の変化は、基本的には当
該NOx触媒に流入する排気の温度変化に支配される。
すなわち、NOx触媒に流入する排気の温度が上昇すれ
ばこれに追従して当該NOx触媒の床温も上昇し、NO
x触媒に流入する排気の温度が下降すればこれに追従し
て当該NOx触媒の床温も下降する。しかし、NOx触
媒内の温度分布は全体に均一であるとは限らず、むしろ
不均一であることの方が多い。
【0009】例えば、図8(c)に示すように、NOx
触媒内の排気流路の沿って下流に位置する(排気の出口
に近い)部位の温度(一点鎖線にて図示)は、上流に位
置する(排気の入口に近い)部位の温度(実線にて図
示)に比して高くなっている傾向がある。このため、排
気温度のように一般に触媒全体の床温をよく反映するパ
ラメータが触媒活性化温度を上回ったとしても、実際に
はNOx触媒の一部(例えば出口近傍)のみが暖まって
いる場合、すなわち、NOx触媒内において、触媒触媒
活性化温度(破線にて図示)を上回った状態にある部位
が局在している場合もある。
【0010】このような条件下で、燃料をNOx触媒に
添加供給すると、添加供給された燃料のうち、相当量の
燃料(HC成分)が触媒内での反応過程を経ることなく
排出される(吹き抜ける)ようになる。ちなみに、車両
の加速時には、排気系内の空間速度が増し、添加供給さ
れた燃料がNOx触媒内を通過する速度も増すため、こ
のような燃料の吹き抜けが一層助長され、燃料排出量T
HCが増大する傾向がある(図8(a)および図8
(b)を併せ参照)。
【0011】なお、内燃機関の機関燃焼に供される燃料
を噴射供給する燃料噴射弁が、副噴射を通じNOx触媒
への燃料の添加供給を行う装置構成のみならず、独立し
た噴射弁を介し排気系に直接還元剤を添加供給するよう
な装置構成を採用する排気浄化装置にあっても、上記実
情は、かねがね共通したものとなっていた。
【0012】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、内燃機関の
排気中に還元剤を添加供給してNOx触媒の機能調整を
図る内燃機関の排気浄化装置にあって、NOx触媒内の
温度分布の変動の影響を受けることなく必要量の還元剤
を的確に添加することにより、排気特性を好適な状態に
保持することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、内燃機関の排気系に設けられ、当該排気
系を通じて導入される排気中の窒素酸化物を還元成分の
存在下で浄化するNOx触媒と、前記NOx触媒に導入
される排気中に還元剤を供給する還元剤供給手段と、少
なくとも前記NOx触媒の温度に関する事項が含まれる
当該内燃機関の運転状態に基づいて、前記還元剤供給手
段による還元剤の供給が可能であるか否かを判断する可
否判断手段と、前記還元剤供給手段による還元剤の供給
量の目標値を決定する目標値決定手段と、前記排気系の
前記NOx触媒上流における温度を観測する温度観測手
段と、前記還元剤の供給に際し、前記NOx触媒の温度
に関する初期条件を設定する初期条件設定手段と、前記
還元剤の供給が可能であると判断された場合、その判断
時に観測された前記NOx触媒上流の温度の変化率と、
前記設定される初期条件とに基づいて決定される変更率
に従い、前記還元剤供給手段による還元剤の供給量が目
標値に達するまで、当該還元剤の供給量を逐次補正する
補正手段とを有することを要旨とする。
【0014】前記NOx触媒内には、前記排気系の前記
NOx触媒上流における温度が上昇することで、温度が
比較的すみやかに上昇する部位(活性化され易い部位)
と、温度が比較的上昇しにくい部位(活性化され難い部
位)とが存在する。このため、前記排気系の前記NOx
触媒上流における温度が持続的に上昇した場合、この温
度上昇に追従し、前記NOx触媒内で、活性化された部
分が徐々に拡大していくようになる。
【0015】同構成によれば、NOx触媒の温度条件を
支配するパラメータ(例えば排気温度)が変動する場合
であれ、NOx触媒が部分的にしか活性化しておらず、
十分な浄化機能を発揮するには至っていない状態から、
NOx触媒全体が隈無く活性化して、十分な浄化機能を
発揮するに至っている状態まで、当該NOx触媒の時々
の状態に対応する必要量の還元剤が的確に添加されるよ
うになる。よって、排気系を通じてNOx触媒に導入さ
れた還元剤(HC成分)が当該NOx触媒を吹き抜ける
こともなく、効率的に活用されるようになる。従って、
排気特性の向上が図られるとともに、還元剤の消費量も
好適に節減されるようになる。
【0016】また、前記初期条件設定手段は、前記還元
剤の前回の供給完了時から今回の供給開始時に至る当該
還元剤の供給停止時間に基づいて前記初期条件の設定を
行うのが好ましい。
【0017】前記還元剤の供給は、基本的に、NOx触
媒の床温が所定温度を上回っている場合に実行される。
ここで、NOx触媒の床温の上昇は、当該NOx触媒に
導入される排気の成分や温度のような外的な要因が、当
該NOx触媒に及ぼす作用である。つまり、前回還元剤
の供給されていない期間というのは、NOx触媒に対し
て、こうした外的な要因による昇温作用がほとんど及ぼ
されていない期間であると考えることができる。従っ
て、前記還元剤の前回の供給完了時から今回の供給開始
時に至る当該還元剤の供給停止時間は、NOx触媒の床
温の低下量と有意に相関することとなる。すなわち、同
構成によれば、前記NOx触媒の温度の低下量と有意に
相関するパラメータに基づき、当該NOx触媒の温度に
関し精度の高い初期条件が設定され、当該NOxを吹き
抜けることなく効率的に活用される還元剤の量が正確に
求められるようになる。
【0018】また、前記初期条件設定手段は、例えば当
該内燃機関を搭載した車両の速度や、吸気系や排気系内
のガス流速等、前記還元剤による前記NOx触媒の吹き
抜けに直接関与するパラメータを考量して初期条件を設
定してもよい。
【0019】また、前記補正手段は、前記還元剤の供給
停止時間が長いほど、また、前記観測される温度の変化
率が大きいほど、前記変更率を小さく設定するのがよ
い。前記還元剤の供給が停止されている期間中はNOx
触媒の床温が低下していくことになるため、前記還元剤
の供給停止時間が長くなるほど前記NOx触媒の床温の
低下量は大きくなる。また、前記排気系の前記NOx触
媒上流における温度が上昇するとこの温度上昇に追従し
て当該NOxの床温も上昇する(活性化された部分も拡
大する)が、その追従性は前記変化率が大きくなるほど
低下する。
【0020】同構成によれば、前記NOx触媒が部分的
にしか活性化しておらず、十分な浄化機能を発揮するに
は至っていない状態から、NOx触媒全体が隈無く活性
化して、十分な浄化機能を発揮するに至っている状態ま
で、当該NOx触媒の時々の状態に対応する還元剤の量
が、各時刻において一層正確に算出されるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
排気浄化装置を、ディーゼルエンジンシステムに適用し
た一実施の形態について説明する。
【0022】図1において、内燃機関(以下、エンジン
という)100は、燃料供給系10、燃焼室20、吸気
系30及び排気系40等を主要部として構成される直列
4気筒のディーゼルエンジンシステムである。
【0023】先ず、燃料供給系10は、サプライポンプ
11、コモンレール12、燃料噴射弁13及び機関燃料
通路P1等を備えて構成される。サプライポンプ11
は、燃料タンク(図示略)から汲み上げた燃料を高圧に
し、機関燃料通路P1を介してコモンレール12に供給
する。コモンレール12は、サプライポンプ11から供
給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室
としての機能を有し、この蓄圧した燃料を4本の燃料噴
射弁13に分配する。燃料噴射弁13は、その内部に電
磁ソレノイド(図示略)を備えた電磁駆動式の開閉弁で
あり、気筒#1,#2,#3,#4に形成された4つの
燃焼室20に対応して設けられる。各燃料噴射弁13
は、適宜開弁することにより、各々が対応する燃焼室2
0内に燃料を噴射供給する。
【0024】吸気系30は、各燃焼室20内に供給され
る吸入空気の通路(吸気通路)を形成する。他方、排気
系40は、上流から下流にかけ、排気ポート40a、排
気マニホールド40b、触媒上流側通路40c、触媒下
流側通路40dといった各種通路部材が順次接続されて
構成され、各燃焼室20から排出される排気ガスの通路
(排気通路)を形成する。
【0025】また、このエンジン100には、周知の過
給機(ターボチャージャ)50が設けられている。ター
ボチャージャ50は、シャフト51を介して連結された
2つのタービンホイール52,53を備える。一方のタ
ービンホイール(吸気側タービンホイール)52は、吸
気系30内の吸気に晒され、他方のタービンホイール
(排気側タービンホイール)53は排気系40内の排気
に晒される。このような構成を有するターボチャージャ
50は、排気側タービンホイール52が受ける排気流
(排気圧)を利用して吸気側タービンホイール53を回
転させ、吸気圧を高めるといったいわゆる過給を行う。
【0026】吸気系30において、ターボチャージャ5
0に設けられたインタークーラ31は、過給によって昇
温した吸入空気を強制冷却する。インタークーラ31よ
りもさらに下流に設けられたスロットル弁32は、その
開度を無段階に調節することができる電子制御式の開閉
弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を
絞り、同吸入空気の供給量を調整(低減)する機能を有
する。
【0027】また、エンジン100には、燃焼室20の
上流(吸気系30)及び下流(排気系40)をバイパス
する排気還流通路(EGR通路)60が形成されてい
る。このEGR通路60は、排気の一部を適宜吸気系3
0に戻す機能を有する。EGR通路60には、電子制御
を通じて無段階に開閉調節され、同通路60を流れる排
気流量を自在に変更することができるEGR弁61と、
EGR通路60を通過(還流)する排気を冷却するため
のEGRクーラ62とが設けられている。
【0028】また、排気系40において、同排気系40
及びEGR通路60の連絡部位の下流には、吸蔵還元型
NOx触媒(以下、単に触媒という)41を収容した触
媒ケーシング42が設けられている。触媒ケーシング4
2に収容されたNOx触媒41は、例えばアルミナ(A
23)を担体とし、この担体上に例えばカリウム
(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシ
ウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシ
ウムCaのようなアルカリ土類、ランタン(La)、イ
ットリウム(Y)のような希土類と、白金Ptのような
貴金属とが担持されることによって構成される。
【0029】このNOx触媒41は、排気中に多量の酸
素が存在している状態においてはNOxを吸収し、排気
中の酸素濃度が低く還元成分(例えば燃料の未燃成分
(HC))が十分量存在している状態においてはNOx
をNO2若しくはNOに還元して放出する。NO2やNO
として放出されたNOxは、排気中のHCやCOと速や
かに反応することによってさらに還元されてN2とな
る。ちなみにHCやCOは、NO2やNOを還元するこ
とで、自身は酸化されてH2OやCO2となる。すなわ
ち、触媒ケーシング42(NOx触媒41)に導入され
る排気中の酸素濃度やHC成分を適宜調整すれば、排気
中のHC、CO、NOxを浄化することができることに
なる。
【0030】また、エンジン100の各部位には、当該
部位の環境条件やエンジン100の運転状態に関する信
号を出力する各種センサが取り付けられている。すなわ
ち、レール圧センサ70は、コモンレール12内に蓄え
られている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。エ
アフロメータ72は、吸気系30内のスロットル弁32
下流において吸入空気の流量(吸気量)Gaに応じた検
出信号を出力する。排気温センサ74aは、排気系40
の触媒ケーシング42上流における排気温度TexUに
応じた検出信号を出力する。排気温センサ74bは、排
気系40の触媒ケーシング42(NOx触媒41)下流
における排気温度TexLに応じた検出信号を出力す
る。空燃比(A/F)センサ73は、排気系40の触媒
ケーシング42(NOx触媒41)下流において排気中
の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力す
る。また、アクセル開度センサ75はエンジン100の
アクセルペダル(図示略)に取り付けられ、同ペダルに
対する踏み込み量Accに応じた検出信号を出力する。
クランク角センサ76は、エンジン100の出力軸(ク
ランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パ
ルス)を出力する。これら各センサ70〜76は、電子
制御装置(ECU)80と電気的に接続されている。
【0031】ECU80は、中央処理装置(CPU)8
1、読み出し専用メモリ(ROM)82、ランダムアク
セスメモリ(RAM)83及びバックアップRAM8
4、タイマーカウンタ85等を備え、これら各部81〜
85と、A/D変換器を含む外部入力回路86と、外部
出力回路87とが双方向性バス88により接続されて構
成される論理演算回路を備える。
【0032】このように構成されたECU80は、上記
各種センサの検出信号を外部入力回路を介して入力し、
これら信号に基づいて、エンジン100の燃料噴射に関
する燃料噴射制御や、EGR弁の開閉弁操作に関するE
GR制御等、エンジン100の運転状態を決定づける各
種制御を実施する。
【0033】また、燃料噴射弁13を通じて各気筒に燃
料を供給する機能を備えた燃料供給系10、排気系40
に備えられたNOx触媒41、およびこれら燃料供給系
10やNOx触媒41の機能を制御するECU80等
は、併せて本実施の形態にかかるエンジン100の排気
浄化装置を構成する。
【0034】次に、本実施の形態にかかる燃料噴射制御
についてその概要を説明する。ECU80は、各種セン
サの検出信号から把握されるエンジン100の運転状態
に基づき燃料噴射制御を実施する。本実施の形態におい
て燃料噴射制御とは、各燃料噴射弁13を通じて気筒#
1〜#4の各燃焼室20内へ燃料噴射の実施に関し、燃
料の噴射量(噴射時間)、噴射時期、噴射パターン(時
間軸上にみられる微小時間当たりの噴射量の波形)とい
ったパラメータを設定し、これら設定されたパラメータ
に基づいて個々の燃料噴射弁13の開閉弁操作を実行す
る一連の処理をいう。
【0035】ECU80は、このような一連の処理を、
エンジン100の運転中所定時間毎に繰り返し行う。燃
料の噴射量及び噴射時期は、基本的にはアクセルペダル
に対する踏み込み量Accおよびエンジン回転数NEに
基づき、予め設定されたマップ(図示略)を参照して決
定する。
【0036】また、燃料の噴射パターンの設定に関し、
ECU80は、圧縮上死点近傍での燃料噴射を主噴射と
して各気筒について行うことで機関出力を得る他、主噴
射に後続する燃料噴射(以下、後行程噴射という)を副
噴射として、適宜選択された時期、選択された気筒につ
いて行う。
【0037】後行程噴射によって燃焼室20内に供給さ
れる燃料は、燃焼ガス中で軽質なHCに改質され、排気
系40に排出される。すなわち、還元剤として機能する
軽質なHCが、後行程噴射を通じて排気系40のNOx
触媒41上流に添加され、NOx触媒41に流入する排
気中の還元成分濃度を高めることとなる。
【0038】一般に、ディーゼルエンジンでは、燃焼室
内で燃焼に供される燃料及び空気の混合気が、ほとんど
の運転領域で高酸素濃度状態(リーン雰囲気の状態)に
ある。
【0039】燃焼に供される混合気の酸素濃度は、燃焼
に供された酸素を差し引いてそのまま排気中の酸素濃度
に反映されるのが通常であり、混合気中の酸素濃度(空
燃比)が高ければ、排気中の酸素濃度(空燃比)も基本
的には同様に高くなる。一方、上述したように、吸蔵還
元型NOx触媒は排気中の酸素濃度が高ければNOxを
吸収し、低ければNOxをNO2若しくはNOに還元し
て放出する特性を有するため、排気中の酸素が高濃度状
態にある限りNOxを吸収し、これを保持(吸蔵)する
こととなる。ただし、当該触媒のNOx吸蔵量には限界
量が存在し、同触媒が限界量のNOxを吸蔵した状態で
は、もはや排気中のNOxが同触媒に吸収されず触媒ケ
ーシング42内を素通りすることとなる。
【0040】そこで、適宜のタイミング、適宜の気筒に
ついて後行程噴射が実施されると、一時的に排気中の空
燃比が低下(リッチ化)し、NOx触媒41が、これま
でに吸収したNOxをNO2若しくはNOに還元して放
出し、自身のNOx吸収能力を回復(再生)するように
なる。放出されたNO2やNOが、HCやCOと反応し
て速やかにN2に還元されることは上述した通りであ
る。
【0041】ここで、上記後行程噴射の実施に際し、噴
射量(以下、後行程噴射量という)の決定、実行タイミ
ングの決定、対象となる気筒の選択等、ECU80が行
う各種設定について詳述する。
【0042】基本的に後行程噴射は、NOx触媒41が
活性化された状態にあり、しかも当該NOx触媒41内
のNOx吸蔵量が所定量を上回っていると推定される時
期を選択して実施される。そこでECU80は、排気系
40の触媒ケーシング42上流における排気温度Tex
Uが所定の温度領域(以下、触媒活性領域という)にあ
る場合、NOx触媒41は十分に活性化された状態にあ
り、後行程噴射の実施が可能であると判断する。また、
前回の後行程噴射が実施された後、NOx触媒41を通
過した排気中のHC成分の総量が所定量を上回った場
合、NOx触媒41内のNOx吸蔵量が所定量を上回っ
たものと推定する。例えばアクセルペダルに対する踏み
込み量Accやエンジン回転数NE等に代表されるエン
ジン100の運転状態が定常状態にあり、且つ排気温度
TexUが触媒活性領域内で安定している場合、ECU
80は、通常数十秒以内のインターバルで後行程噴射を
行い、マップ等に基づいて求められる目標量(以下、要
求噴射量という)の燃料を周期的にNOx触媒41に供
給する。
【0043】ところで、NOx触媒41に流入する排気
の温度変化に起因してNOx触媒41の床温が変化する
場合、NOx触媒41全体の温度が同等の態様で変化す
るとは限らず、むしろ、NOx触媒41の各部位が相互
に異なる態様で変化することが多い。例えば、NOx触
媒41の床温よりも高い温度の排気が触媒ケーシング4
2に流入してくると、通常、NOx触媒41内の排気の
流路に沿って下流側(排気の出口側)に近い部位ほど速
い速度で昇温することが発明者によって確認されてい
る。つまり、たとえ排気温度TexUが上昇して触媒活
性領域内に移行しても、その時点でNOx触媒41全体
の温度が触媒活性領域にあるとは限らず、むしろ、NO
x触媒41の一部(通常は排気の出口近傍)のみの温度
が触媒活性領域内に達している場合が多い。そして、高
温の排気がNOx触媒41内に流入する状態がその後も
持続すれば、触媒活性領域内の温度に達した部分が徐々
に拡大し、最終的には全域に及ぶようになる。
【0044】そこで、本実施の形態にかかるエンジン1
00では、排気温度TexUが上昇して触媒活性領域内
に移行しても、NOx触媒41全体の温度が触媒活性領
域にあると想定した場合の目標値(要求噴射量)を後行
程噴射量として直ちに採用するのではなく、「0」若し
くは微量の噴射量をその初期値として、所定時間に亘り
所定量ずつ増量補正を行いながら周期的な後行程噴射を
実施する。すなわち、各回の後行程噴射において実際に
採用する後行程噴射量を、所定期間に亘って徐々に変更
(徐変)させながら要求噴射量に近づける。
【0045】図2は、排気温度TexUが上昇して触媒
活性領域に移行した場合に、各回の後行程噴射に採用さ
れる後行程噴射量の推移態様を示すタイムチャートであ
る。なお、同図中において、時刻tAは、排気温度Te
xUが触媒活性領域に移行した時刻に相当する。また、
同図に示す期間中、後行程噴射の実施に関する他の適合
条件は全て満たされているものとする。
【0046】同図2に示すように、後行程噴射量QHC
は、時刻tA以降徐々に増量し、時刻tCにおいて要求噴
射量に達する。時刻tA〜時刻tCにかけての期間(以
下、徐変補正期間という)TD中、後行程噴射量QHC
が辿ることになる推移態様は、基本的には演算式(i)
に基づいて設定する。
【0047】 QHC=QHCD×(1−e-tx/TC)…(i) ただし、 QHCD:要求噴射量 tx :時刻tA以降の経過時間 TC :一次遅れ要素の時定数 なお、上記式(i)に従う態様で後行程噴射量QHCを
推移させる場合(初期値は「0」とする)に、後行程噴
射量QHCが要求噴射量QHCDの約63%に達するまで
の時間が、一次遅れ要素の時定数(以下、単に時定数と
いう)TCに相当する。すなわち、上記式(i)の経過
時間txに時定数TCを代入すると、後行程噴射量QH
Cと要求噴射量QHCDとの間には、 QHC=QHCD×(1−e-TC/TC) =QHCD×(1−e-1) ≒QHCD×0.63 といった関係が成立する。
【0048】ここで、時定数TCが大きくなるほど徐変
補正期間TDは長くなり、後行程噴射量QHCが要求噴
射量QHCDに達するまでに辿る推移曲線αの傾き(後
行程噴射量QHCの変更率)は小さくなる。
【0049】そこでECU80は、排気温度TexUが
上昇して触媒活性領域に移行し、且つ、後行程噴射の実
施に関する他の適合条件が満たされている場合には、後
行程噴射量QHCがその後辿る推移態様を以下の手順に
従って設定する。 (1)要求噴射量QHCDを決定する。 (2)時定数TCを決定する。 (3)要求噴射量QHCDと、時定数TCとの関係か
ら、後行程噴射量QHCの推移曲線αを時間軸上に想定
し(図2参照)、当該推移曲線αに従い後行程噴射量Q
HCを逐次補正する。実際には、図2中において経過時
間txと後行程噴射量QHCとの関係から定義づけられ
る3つの座標A、B、Cのみを設定し、座標A−B間、
及び座標B−C間は、後行程噴射量QHCを直線的に変
化させるように補間し、後行程噴射量QHCの推移態様
を、近似的に推移曲線αと一致させる。
【0050】次に、本実施の形態において採用する時定
数TCの特性について詳述する。図3は、排気温度Te
xUの推移態様を例示するタイムチャートである。上述
したように、排気温度TexUが上昇して触媒活性領域
内に移行しても、その時点でNOx触媒41全体の温度
が触媒活性領域にあるとは限らず、むしろ、NOx触媒
41の一部(通常は排気の出口近傍)のみの温度が触媒
活性領域内に達している場合が多い。そして、高温の排
気がNOx触媒41内に流入する状態がその後も持続す
れば、触媒活性領域内の温度に達した部分が徐々に拡大
し、最終的には全域に及ぶようになることも上述した通
りである。
【0051】本実施の形態では、排気温度TexUが上
昇して触媒活性領域内に移行した場合、その時点(以
下、活性化時刻という)以降、NOx触媒41内の温度
分布がどのように変化するのかを把握する上で、NOx
触媒41の温度に関する初期条件と、NOx触媒41が
晒される温度条件といった2つのパラメータを採用す
る。
【0052】先ず、NOx触媒41に関する初期条件と
しては、前回後行程噴射を実施した時点から、現在に至
るまでの経過時間(以下、副噴射停止時間という)POST
OFFtimeを適用する。後行程噴射を実施すると、当該後
行程噴射によって供給される燃料が、排気系40(とく
にNOx触媒41)内で燃焼することになるため、NO
x触媒41の床温は一時的に上昇する。高負荷領域での
機関運転が持続するような場合を除き、後行程噴射の実
施によって上昇したNOx触媒41の床温は、その後単
調に下降していく傾向を示す。従って、後行程噴射の実
施後に長時間が経過するほど、言い換えれば、副噴射停
止時間POSTOFFtimeが長くなるほどNOx触媒41の床
温も低くなる。
【0053】次に、NOx触媒41が晒される温度条件
としては、排気温度が上昇して触媒活性領域に移行する
際に観測される排気温度の上昇速度(以下、単に排気温
度上昇率という)TVcaを適用する。以下、図面を参
照して、排気温度上昇率TVcaの求め方およびその特
性について説明する。
【0054】図3は、活性化時刻近傍における排気温度
TexUの推移態様の一例を示すタイムチャートであ
る。同図に示すように、排気温度TexUが上昇し、時
刻t100(図2中の活性化時刻tAに相当)において触媒
活性化領域(斜線部)内に移行したとする。このとき、
所定時間Δtにおける排気温度TexUの変化量ΔTe
xUを把握し、次式(ii)に従って排気温度上昇率TV
caを算出する。
【0055】TVca=ΔTexU/Δt…(ii) 活性化時刻(t100)における排気温度TexUが同等
であっても、当該活性化時刻近傍における排気温度Te
xの変化態様が異なると、NOx触媒41の温度分布は
異なる態様で変化するようになる。例えば、排気温度T
exUが比較的緩やかに上昇して触媒活性領域に移行す
る場合(排気温度上昇率TVcaが小さい場合)、NO
x触媒41の温度分布の変化が当該排気温度TexUの
変化に十分追従するため、NOx触媒41各部位の温度
が一様に、しかも排気温度TexUの変化にほぼ同期し
て上昇する。一方、排気温度TexUが比較的急速に上
昇して触媒活性領域に移行する場合(排気温度上昇率T
Vcaが大きい場合)、NOx触媒41の温度分布の変
化が当該排気温度TexUの変化に追従できず、NOx
触媒41の温度のが排気温度TexUよりも遅れて上昇
することになる。しかも、NOx触媒41各部位の温度
分布は不均一な状態になる。
【0056】本実施の形態にかかるエンジン100のE
CU80は、上記「前回後行程噴射を実施した時点か
ら、現在に至るまでの経過時間」と「排気温度上昇率T
Vca」とを併せ参照して後行程噴射量QHCの修正を
行う。そして、こうした修正を行うことにより、NOx
触媒41全体のうち、活性化された部位の占める占有率
に応じた量の還元剤(燃料)をNOx触媒41に供給す
る。言い換えれば、NOx触媒41全体の温度が触媒活
性領域内に移行しておらず、一部のみの温度が触媒活性
領域内に移行しているような場合であれ、活性化時刻以
降、各時刻において、NOx触媒41の発揮できる浄化
能力に応じた量の還元剤(燃料)を供給する。
【0057】以下、後行程噴射量QHCの算出に関し、
ECU80によるその具体的な処理手順についてフロー
チャートを参照して説明する。図4は、燃料噴射制御の
一環として、個々の気筒について後行程噴射に供される
燃料(還元剤)の噴射量を算出するための「後行程噴射
量算出ルーチン」を示すフローチャートである。
【0058】同ルーチンは、ECU80を通じてエンジ
ン100の始動と同時にその実行が開始され、エンジン
100の運転期間中、所定周期で繰り返し実行される。
同ルーチンに処理が移行すると、ECU80は先ずステ
ップS101において、還元剤添加(後行程噴射)の要
求があるか否かを判断する。後行程噴射は、例えば以下
の条件(A1)〜(A3)が全て成立したときに行う。 (A1)NOx触媒のNOx吸収量が所定量を上回って
いること。NOx触媒によるNOx吸収量がその限界値
にある程度まで近づいたことを意味する。この吸収量
は、前回の後行程噴射の完了時からの経過時間や、排気
空燃比A/F及び排気温度TexU,TexLの履歴等
に基づいて推定すればよい。 (A2)エンジン回転数NE及びアクセルの踏み込み量
Accの関係等からエンジン100の運転状態が後行程
噴射に適していると判断される。これは、エンジン10
0の運転状態が、後行程噴射を実行してもトルク変動等
の不具合が生じない領域にある条件にあたる。 (A3)排気温度TexUが予め設定される触媒活性領
域(例えば200〜400℃)にあること。
【0059】すなわち、上記条件(A1)〜(A3)が
全て成立していれば、ECU80は「後行程噴射の要求
あり。」と判断し、その処理をステップS102に移行
する。一方、上記条件(A1)〜(A3)のうち何れか
1つでも成立していなければ、ECU80は「後行程噴
射の要求なし。」と判断し、本ルーチンを一旦抜ける。
【0060】ステップS102においてECU80は、
要求噴射量QHCDを算出する。要求噴射量QHCD
は、後行程噴射を通じて排気系40に添加供給する還元
成分(HC)量の目標値であり、NOx触媒41を通過
する排気流量GexとNOx触媒41上流における排気温
度TexUとに基づき、予め設定されたマップ等を参照
して求める。なお、NOx触媒41を通過する排気流量
Gexは吸気量Ga等に基づいて推定する。
【0061】図5は、要求噴射量、NOx触媒41を通
過する排気流量Gex、およびNOx触媒41上流の排気
温度TexUについて、予め設定されるマップ上におけ
る関係を概略的に示す関係図である。なお、図中に示す
曲線L1,L2,L3,L4は、各々が要求噴射量QHCD
の等量線に相当する。ちなみに、等量線L1,L2,L
3,L4上の要求噴射量QHCD1,QHCD2,QHCD
3,QHCD4は、相互間で、QHCD1>QHCD2>Q
HCD3>QHCD4なる関係を有する。
【0062】同図5に示すように、NOx触媒41を通
過する排気流量Gexが大きくなるほど要求噴射量QHC
Dは小さくなる傾向にマップを設定することで、NOx
触媒41の浄化効率が好適に保持されることが発明者に
よって確認されている。NOx触媒41を通過する排気
流量Gexが大きくなると、添加されたHCが排気中で広
範囲に分散し、より効率的にNOx触媒41に作用する
ようになるためと考えられる。一方、NOx触媒41上
流の排気温度TexUが高くなるほど要求噴射量QHC
Dは大きくなる傾向にマップを設定することで、NOx
触媒41の浄化効率が好適に保持されることが同じく発
明者によって確認されている。NOx触媒41が十分に
活性化している温度条件の下、同NOx触媒41に流入
する排気の温度(排気温度TexU)が高くなると、N
Ox触媒41に吸蔵された状態にあり、本来は、HC
(還元成分)存在下で同NOx触媒41から放出されつ
つN 2に還元されるはずのNOxが、N2に還元されるこ
となくNOx触媒41下流に流出する傾向が増大するた
めと考えられる。
【0063】ステップS103においてECU80は、
現在、後行程噴射の実施に際して後行程噴射量の補正を
行っているか否か、言い換えると、現時点が徐変補正期
間(図2を参照)TDであるか否かを判断する。そし
て、その判断が否定であれば処理をステップS104に
移行し、その判断が肯定であれば処理をステップS10
5に移行する。なお、上記ステップS103での判断が
否定であるということは、「現時点が、先の図2のタイ
ムチャート上で、点A(時刻tO)と一致しているこ
と」若しくは「現時点が、先の図2のタイムチャート上
で、点C(時刻t2)以降の期間内にあること」の何れ
かを意味する。
【0064】そこで、ステップS104においてECU
80は、「現時点が、先の図2のタイムチャート上にお
ける点A(活性化時刻tA)と一致している」か否かを
判断し、その判断が肯定であれば、処理をステップS1
06に移行する。
【0065】ステップS106においては、徐変補正期
間TD中、後行程噴射の実施にあたり適用する後行程噴
射量QHCを決定づける時定数TCを決定する(演算式
(i)を参照)。時定数TCは、上述の排気温度上昇率
TVcaおよび副噴射停止時間POSTOFFtimeに基づき、
予め設定されたマップ等を参照して決定する。
【0066】図6は、時定数TC、排気上昇率TVca
および排気温度TexUについて、予め設定されるマッ
プ上における関係を概略的に示す関係図である。なお、
図中に示す曲線L11,L12,L13,L14は、各々が時定
数TCの等量線に相当する。ちなみに、等量線L11,L
12,L13,L14上のTC11,TC12,TC13,TC14
は、相互間で、TC11>TC12>TC13>TC14なる関
係を有する。
【0067】副噴射停止時間POSTOFFtimeが長くなるほ
どNOx触媒41の床温も低くなることは上述した通り
である。また、排気温度上昇率TVcaが大きくなる
と、排気温度TexUの変化に対するNOx触媒41の
温度分布の変化の追従性が低くくなるため、NOx触媒
41の温度の変化が排気温度TexUの変化よりも遅
れ、当該触媒各部位の温度は不均一となることも上述し
た通りである。
【0068】同図6に示すように、本実施の形態にかか
るエンジン100では、副噴射停止時間POSTOFFtimeが
長くなるほど、また、排気温度上昇率TVcaが大きく
なるほど、時定数TCをより大きな値に設定する。時定
数TCが大きくなると、後行程噴射量QHCが徐変され
要求噴射量QHCDに近づく際の変化速度(変化率)は
小さくなる。この場合、徐変補正期間TD中、適宜の時
刻において採用される後行程噴射量QHCは、NOx触
媒41の床温が低い状態、NOx触媒41の温度の変化
が排気温度TexUの変化よりも遅れている状態、NO
x触媒各部位の温度が不均一となっている状態と好適に
対応する。これと同様に、本実施の形態にかかるエンジ
ン100では、副噴射停止時間POSTOFFtimeが短くなる
ほど、また、排気温度上昇率TVcaが小さくなるほ
ど、時定数TCをより小さな値に設定する。時定数TC
が小さくなると、後行程噴射量QHCが徐変され要求噴
射量QHCDに近づく際の変化速度(変化率)は大きく
なる。この場合、徐変補正期間TD中、適宜の時刻にお
いて採用される後行程噴射量QHCは、NOx触媒41
の床温が高い状態、NOx触媒41の温度の変化が排気
温度TexUの変化に好適に追従している状態、そして
NOx触媒各部位の温度が一様に均一な状態に対応す
る。
【0069】次に、ECU80は、以上のようにして求
めた時定数TCを先の演算式(i)に含まれる定数とし
て採用することにより、現時点(活性化時刻t0)以
降、後行程噴射量QHCの辿ることになる推移曲線αを
時間軸上に想定する(図2参照)。
【0070】この場合、次回以降のルーチンでは、ステ
ップS103において肯定(補正の実行期間中である
旨)の判断を行い、ステップS105に移行することと
なる。次回以降のルーチンにおいてステップS105で
は、今回のルーチンにおいて上記ステップS106で求
めた推移曲線α(若しくは当該曲線に近似する直線等)
上に存在する数値を徐変補正期間TD中の後行程噴射量
QHCとして採用するように、逐次、後行程噴射量QH
Cを徐変(補正)する。
【0071】なお、先のステップS104における判断
が否定であった場合、すなわち、「現時点が、先の図2
のタイムチャート上で、点C(時刻t2)以降の期間内
にある」と判断した場合、ECU80は、後行程噴射量
QHCとして要求噴射量QHCDを適用する(ステップ
S107)。
【0072】上記ステップS105,S106及びS1
07のうち何れかにおける処理を実行した後、ECU8
0は本ルーチンを一旦抜ける。上記処理手順に基づき、
本ルーチンでは、還元剤添加の要求に応じて実行される
後行程噴射に関し、エンジン100の全気筒#1〜#4
に供給する総燃料量に相当する後行程噴射量QHCを算
出する。
【0073】なお、ECU80は、ここで算出された後
行程噴射量を採用し、各気筒への後行程噴射を別途ルー
チン(図示略)に従い実行することとなる。各気筒への
後行程噴射によって供給する燃料量は、後行程噴射量Q
HCの4分の1の量に相当し、気筒#1〜#4全てに一
回ずつ後行程噴射が実行されることで、NOx触媒41
にとって、吸蔵されているNOxの放出及び還元浄化
と、自身のNOx吸収能力の再生とに今回必要とされる
還元剤(燃料)の添加供給が完了する。
【0074】ここで、従来の排気浄化装置では、NOx
触媒内の特定部分の温度や、排気温度のようにNOx触
媒の床温を代表するパラメータが触媒活性領域に移行す
ればNOx触媒が活性化した状態にあるといった判断を
行い、周期的な後行程噴射を直ちに開始するのが一般的
であった。そして、こうした触媒活性領域への移行直後
における後行程噴射に際し、その移行時点(活性化時
刻)、或いはそれ以降推移していく触媒内の温度分布、
詳しくは温度分布に関する不均一さの度合いについて何
ら考慮することなく、当該触媒全体が活性化した状態に
ある場合の触媒能力(還元・浄化能力)に応じた後行程
噴射量を直ちに適用していた。
【0075】このため、NOx触媒全体のうち活性化し
ている領域が一部にすぎないような場合に、過剰な燃料
が後行程噴射を通じてNOx触媒に供給されてしまい、
結果として当該NOx触媒を吹き抜けてしまうこととな
っていた。このような燃料の吹き抜けは、燃料(還元
剤)の浪費につながる他、外部に過剰なHC成分を排出
してしまう結果を招いていた。
【0076】この点、本実施の形態にかかるエンジン1
00の排気浄化装置では、排気温度Texが上昇して触
媒活性領域に移行した場合、各回の後行程噴射に適用す
る後行程噴射量QHCを徐々に増量して要求噴射量QH
CDに近づける。さらに、そのような徐変増量を行うに
あたり、NOx触媒41の温度に関する初期条件(副噴
射噴射停止時間)POSTOFFtimeと、NOx触媒41が晒
される温度条件(排気温度上昇率)TVcaとに基づい
て各時刻における後行程噴射量QHCを逐次更新するの
で、活性化時刻におけるNOx触媒41の温度分布の状
態、さらに、当該温度分布の状態のその後の変化に対応
して推移(増大)する、NOx触媒41の活性度合い
(触媒全体のうち活性化された部位の占める占有率)と
正確に対応する燃料(還元剤)を当該NOx触媒41に
供給することができるようになる。
【0077】すなわち、NOx触媒41の温度条件を支
配するパラメータ(例えば排気温度TexU)が変動す
る場合であれ、NOx触媒41が部分的にしか活性化し
ておらず、十分な浄化機能を発揮するには至っていない
状態から、NOx触媒41全体が隈無く活性化して、十
分な浄化機能を発揮するに至っている状態まで、当該N
Ox触媒41の時々の状態に対応する必要量の燃料が、
後行程噴射を通じて的確に添加されるようになる。
【0078】結果として、排気系40を通じてNOx触
媒41に導入された燃料が当該NOx触媒41を吹き抜
けることもなく、効率的に活用されるようになる。従っ
て、排気特性の向上が図られるとともに、燃料の消費量
も好適に節減されるようになる。
【0079】なお、本実施の形態においては、活性化時
刻以降、一次遅れ要素を加味した変化態様(基本的に
は、演算式(i)に従う変化態様)で後行程噴射量QH
Cが徐変増量されるように、当該後行程噴射量QHCの
推移曲線αを設定することとした。これに対し、活性化
時刻の直後に適用される後行程噴射量QHCの初期値
(例えば「0」)と、後行程程噴射量QHCが要求噴射
量QHCDに至までの時間とを、副噴射停止時間POSTOF
Ftimeや排気温度上昇率TVca等に基づいて設定し、
要求噴射量QHCDと同値に至るまで直線的に後行程噴
射量QHCを徐変増量させるようにしてもよい。さら
に、副噴射停止時間POSTOFFtimeや排気温度上昇率TV
ca等に基づいて決定づけられる他の関数やマップ等に
基づいて、活性化時刻以降、後行程噴射量QHCを徐変
増量させるように制御を行うこととしても、本実施の形
態に準ずる効果を奏することはできる。
【0080】また、副噴射停止時間POSTOFFtimeに替
え、排気温度TexUやNOx触媒41の床温、排気流
量、若しくは機関負荷の履歴等、現在のNOx触媒41
の床温を決定づける他のパラメータを、NOx触媒41
の温度に関する初期条件として適用してもよい。
【0081】また、本実施の形態において、排気温度上
昇率TVcaの算出にあたり、NOx触媒41上流に設
けられた排気温センサ74aの出力信号を適用したの
は、NOx触媒41に流れ込む排気の熱が、当該NOx
触媒41の温度条件を過渡的に変動させる主たる外的要
因であると考えられるからである。ただし、排気温度上
昇率TVcaを、触媒ケーシング42内に設ける温度セ
ンサ(当該触媒の入口近傍が好ましい)によって検出さ
れる温度の変化率、エンジン100の各気筒に対し、主
噴射を通じて供給される燃料量の変化率等、NOx触媒
41の温度条件(特に当該触媒上流の温度条件)を過渡
的に変動させる他のパラメータから推定することとして
も、本実施の形態に準ずる効果を奏することはできる。
【0082】さらに、活性化時刻以降における後行程噴
射量QHCの変化態様を決定する上で、例えば、エンジ
ン回転数NEの上昇率、アクセルの踏み込み量Acc、
若しくは排気流量等、NOx触媒41に対するHC成分
の吹き抜け易さを代表するような他のパラメータを加味
してもよい。
【0083】また、本実施の形態においては、排気系4
0のNOx触媒41上流における排気温度TexUに基
づき、NOx触媒41の温度が活性化領域に移行したか
否か(活性化時刻)を判断することとした。これに対
し、排気系40のNOx触媒41下流における排気温度
TexL、或いは両部位における排気温度TexU,T
exLの平均等に基づき、NOx触媒41の温度が活性
化領域に移行したか否かを判断すること(活性化時刻を
判断すること)としてもよい。触媒ケーシング42に温
度センサを直接取り付けることにより、NOx触媒41
の温度を直接観測し、この観測されるNOx触媒の温度
に基づいて、NOx触媒41の温度が活性化領域に移行
したか否かを判断すること(活性化時刻を判断するこ
と)としてもよい。
【0084】さらに、機関負荷等、エンジン100の運
転状態の履歴に基づいて、NOx触媒41の温度が活性
化領域に移行したか否かを判断すること(活性化時刻を
推定すること)としてもよい。(他の実施の形態)な
お、上記実施の形態において説明した制御構造、すなわ
ち後行程噴射算出手順と同等の制御手順を用いてNOx
触媒へ還元剤を供給する制御構造を、図1におけるエン
ジン100とは異なる構成を有するエンジンシステムに
適用することもできる。
【0085】図7に示すように、エンジン100’は、
上記実施の形態にかかるエンジン100の基本構成に、
気筒#1の排気ポート40aに取り付けられた燃料添加
ノズル17や、同燃料添加ノズル17に燃料を移送する
添加燃料通路P2等を付加したディーゼルエンジンシス
テムである。
【0086】エンジン100’において、サプライポン
プ11は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を添加
燃料通路P2を介して燃料添加ノズル(還元剤噴射ノズ
ル)17に供給する。添加燃料通路P2の通路途中に
は、サプライポンプ11から燃料添加ノズル17に向か
って遮断弁14及び調量弁16が順次配設されている。
遮断弁14は、緊急時において添加燃料通路P2を遮断
し、燃料供給を停止する。調量弁16は、燃料添加ノズ
ル17に供給する燃料の圧力(燃圧)を制御する。燃料
添加ノズル17は所定圧以上の燃圧(例えば0.2MP
a)が付与されると開弁し、排気系40(排気ポート4
0a)内に燃料を噴射供給する機械式の開閉弁である。
すなわち調量弁16により燃料添加ノズル17上流の燃
圧が制御されることにより、所望の燃料が適宜のタイミ
ングで燃料添加ノズル17より噴射供給(添加)され
る。
【0087】このように構成されたエンジン100’で
は、燃料添加ノズル17を通じて排気系40のNOx触
媒41上流に添加される燃料の添加量や添加タイミング
がECU80を通じて制御されることにより、NOx触
媒41に導入される排気中の酸素濃度やHC成分が調整
される。
【0088】当該他の実施の形態においては、排気系4
0に設けられたNOx触媒41、NOx触媒41に導入
される排気中の成分を調整する燃料添加装置10a、さ
らに燃料添加装置10aに燃料を圧送供給する燃料供給
系10等が、ECU80と併せて、エンジン100’の
排気浄化装置としての機能を担う。
【0089】すなわち、エンジン100’のECU80
は、燃料添加装置10aを通じ、適宜のタイミングで気
筒#1の排気ポート40a内に燃料を噴射供給すること
で、各気筒への後行程噴射と同様に、排気中へ還元成分
(HC)を添加する制御を実施する。
【0090】具体的な制御手順に関しては、上記実施の
形態において説明した「後行程噴射量算出ルーチン」
(図4参照)とほぼ同様の処理手順に従い、燃料添加装
置10aを通じた排気ポート40aへの燃料噴射に供さ
れる燃料量(後行程噴射量に相当)を算出し、調量弁1
6の開閉弁制御を通じて定量的に燃料噴射を実施する。
【0091】なお、燃料添加装置10aを適用する燃料
添加の実施態様では、還元剤添加の要求が有るか否かの
判断(図4中のステップS101を参照)に関し、還元
剤添加に伴うトルク変動等を生じさせないといった観点
から設定される実施条件は、後行程噴射よりも緩和され
ることとなる。
【0092】また、燃料添加装置10aを適用する燃料
添加の実施態様では、1回の燃料噴射で添加することの
できる燃料量が比較的多いため、必要量(後行程噴射量
QHC)の燃料を気筒#1〜#4に分割して供給しなく
とも、1回の燃料噴射によってNOx触媒41に供給す
ることのできる場合も多い。
【0093】当該他の実施の形態によっても、排気系4
0下流のNOx触媒41にとって、所望量の還元剤(排
気中の還元成分)が有効に、且つ安定して作用するよう
になり、結果として、同NOx触媒41に、安定した浄
化機能が保証されるようになる。
【0094】なお、上記他の実施の形態において、NO
x触媒41への還元成分(HC)の供給にあたり、燃料
添加装置10aによる排気ポート40aへの燃料噴射
と、各気筒#1〜#4内での後行程噴射とを併用しても
よい。後行程噴射の実施により、間接的に排気中へ還元
成分(HC)を供給する態様では、当該後行程噴射によ
り気筒内に噴射された燃料が高温条件に晒されて軽質化
し、NOx触媒41に対してより有効に作用するが、エ
ンジンの運転状態(トルクや出力)に影響を及ぼしやす
い傾向があるため、エンジンの運転状態が比較的安定し
ているとき(或いは運転領域)において適用されるのが
好ましい。一方、燃料添加装置10aによるように、排
気系40におけるNOx触媒41上流に直接還元成分
(HC)を添加供給する態様では、当該添加供給による
エンジンの運転状態への影響は小さく、1回の添加で大
量の還元成分(HC)をNOx触媒41に供給すること
ができ、それが適用可能な運転領域も広い。そこで、後
行程噴射と、燃料添加装置とを通じた還元成分の供給
を、各々の特性に応じて適宜使い分けるように制御ロジ
ックを構成し、両者について、EGR回り込みガス及び
浄化寄与ガスの分配比が反映される還元剤噴射量の算出
方法(制御手順)を適用することとしてもよい。
【0095】また、上記他の実施の形態における燃料添
加装置10aのように、内燃機関の排気系に還元剤を直
接添加する装置構成を適用する場合、還元剤としてディ
ーゼルエンジンの燃料(軽油)を適用する他、ガス中の
還元成分としてNOxを還元する機能を有するものであ
れば、他の還元剤、例えばガソリン、灯油等を用いても
構わない。
【0096】また、上記他の実施の形態においては、燃
料タンクからコモンレール12へ燃料を供給するサプラ
イポンプ11を用いて、サプライポンプ11の汲み上げ
た燃料の一部を排気系40内に添加供給する装置構成を
適用することとした。しかし、こうした装置構成に限ら
ず、例えば添加燃料を燃料タンク、或いは他の燃料(還
元剤)供給源から供給する独立した供給系を備える装置
構成を適用してもよい。
【0097】また、上記他の実施の形態において、燃料
の排気系への添加にあたり、添加燃料通路P2を介して
供給される燃料の圧力を調量弁16によって制御し、そ
の圧力制御によって燃料添加ノズル17の開閉弁動作を
制御する構成を適用している。これに対し、例えば燃料
噴射弁13のように、ECU80による通電を通じて直
接開閉弁動作を制御される電磁弁等を燃料添加を行う噴
射弁として適用してもよい。
【0098】また、上記各実施の形態においては、本発
明の排気浄化装置を内燃機関としての直列4気筒のディ
ーゼルエンジンに適用することとしたが、希薄燃焼を行
うガソリンエンジンにも好適に本発明を適用することが
できる。また、直列4気筒の内燃機関に限らず、搭載気
筒数の異なる内燃機関にも本発明を適用することはでき
る。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれ
ば、、排気系を通じてNOx触媒に導入された還元剤が
当該NOx触媒を吹き抜けることもなく、効率的に活用
されるようになる。従って、排気特性の向上が図られる
とともに、還元剤の消費量も好適に節減されるようにな
る。
【0100】また、NOx触媒の温度の低下量と有意に
相関するパラメータに基づき、当該NOx触媒の温度に
関し精度の高い初期条件が設定され、当該NOxを吹き
抜けることなく効率的に活用される還元剤の量が正確に
求められるようになる。
【0101】また、NOx触媒が部分的にしか活性化し
ておらず、十分な浄化機能を発揮するには至っていない
状態から、NOx触媒全体が隈無く活性化して、十分な
浄化機能を発揮するに至っている状態まで、当該NOx
触媒の時々の状態に対応する還元剤の量が、各時刻にお
いて一層正確に算出されるようになる。
【0102】従って、NOx触媒内の温度分布の変動の
影響を受けることなく必要量の還元剤が的確に添加さ
れ、もって排気特性を好適な状態に保持することができ
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるディーゼルエン
ジンシステムを示す概略構成図。
【図2】同実施の形態において、排気温度が上昇して触
媒活性領域に移行した場合に、各回の後行程噴射に採用
される後行程噴射量の推移態様を示すタイムチャート
【図3】活性化時刻近傍における排気温度の推移態様の
一例を示すタイムチャート
【図4】本発明の一実施の形態における後行程噴射量算
出手順を示すフローチャート。
【図5】要求噴射量、触媒を通過する排気流量、及び触
媒上流の排気温度について、マップ上における相互間の
関係を示す関係図。
【図6】気筒別排気寄与率、排気温度変化率、及び副噴
射停止時間について、マップ上における相互間の関係を
示す関係図。
【図7】本発明の他の実施の形態にかかるディーゼルエ
ンジンシステムを示す概略構成図。
【図8】排気系にNOx触媒を備えた内燃機関の搭載車
両について、車速、排気系のNOx触媒下流に吹き抜け
るHC成分の量、及び排気温度の推移態様を同一時間軸
上に示すタイムチャート。
【符号の説明】
10 燃料供給系 11 サプライポンプ 12 コモンレール 13 燃料噴射弁 14 遮断弁 16 調量弁 17 燃料添加ノズル 20 燃焼室 30 吸気系 31 インタークーラ 32 スロットル弁 40 排気系 41 吸蔵還元型NOx触媒(還元触媒) 42 触媒ケーシング 50 ターボチャージャ 51 シャフト 52 排気側タービンホイール 53 吸気側タービンホイール 60 EGR通路 61 EGR弁 62 EGRクーラ 70 レール圧センサ 71 燃圧センサ 72 エアフロメータ 73 空燃比センサ 74a,74b 排気温センサ 75 アクセル開度センサ 76 クランク角センサ 80 電子制御装置(ECU;可否判断手段、目標値決
定手段、温度観測手段、初期条件設定手段、補正手段等
を構成) 81 中央処理装置(CPU) 82 読み出し専用メモリ(ROM) 86 外部入力回路 87 外部出力回路 88 双方向性バス 100 エンジン(内燃機関) P1 機関燃料通路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/36 F01N 3/36 R F02D 41/04 380 F02D 41/04 380M 45/00 312 45/00 312Z Fターム(参考) 3G084 BA11 BA13 BA15 DA10 EA11 EB22 EC01 EC03 FA00 FA07 FA10 FA27 FA29 FA38 3G091 AA02 AA10 AA11 AA18 AB06 AB09 BA14 CA18 CB02 CB03 DB09 DB10 DC03 EA00 EA01 EA05 EA07 EA08 EA09 EA17 EA34 GB02W GB03W GB04W GB05W GB10X GB17X HA37 3G301 HA02 HA04 HA06 HA11 HA13 JA00 JA25 LB11 MA11 MA27 PA01Z PA11Z PB03A PB03Z PB05A PB05Z PB08Z PD02Z PD11Z PE01Z PE03Z PF03Z

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気系に設けられ、当該排気
    系を通じて導入される排気中の窒素酸化物を還元成分の
    存在下で浄化するNOx触媒と、 前記NOx触媒に導入される排気中に還元剤を供給する
    還元剤供給手段と、 少なくとも前記NOx触媒の温度に関する事項が含まれ
    る当該内燃機関の運転状態に基づいて、前記還元剤供給
    手段による還元剤の供給が可能であるか否かを判断する
    可否判断手段と、 前記還元剤供給手段による還元剤の供給量の目標値を決
    定する目標値決定手段と、 前記排気系の前記NOx触媒上流における温度を観測す
    る温度観測手段と、前記還元剤の供給に際し、前記NO
    x触媒の温度に関する初期条件を設定する初期条件設定
    手段と、 前記還元剤の供給が可能であると判断された場合、その
    判断時に観測された前記NOx触媒上流の温度の変化率
    と、前記設定される初期条件とに基づいて決定される変
    更率に従い、前記還元剤供給手段による還元剤の供給量
    が目標値に達するまで、当該還元剤の供給量を逐次補正
    する補正手段とを有することを特徴とする内燃機関の排
    気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記初期条件設定手段は、前記還元剤の
    前回の供給完了時から今回の供給開始時に至る当該還元
    剤の供給停止時間に基づいて前記初期条件の設定を行う
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装
    置。
  3. 【請求項3】 前記補正手段は、前記還元剤の供給停止
    時間が長いほど、また、前記観測される温度の変化率が
    大きいほど、前記変更率を小さく設定することを特徴と
    する請求項1又は2記載の内燃機関の排気浄化装置。
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