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JP6642545B2 - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気通路内に尿素を供給する尿素供給装置と、供給された尿素から生成されるアンモニアの還元作用によりNOxを浄化するNOx選択還元触媒(以下、SCR触媒という)とを備えたエンジンの排気浄化装置に関する。
尿素(アンモニア)の供給を受けてNOxを浄化するSCR触媒は、SCR触媒の温度が高くなるほどアンモニアの上限吸着量(飽和吸着量)が低下するという性質がある。このため、例えばエンジンが高負荷運転された直後にエンジンが停止されたような場合には、SCR触媒のアンモニア吸着量が少ない状態で次のエンジン始動を迎えることになるので、このエンジン始動からしばらくの間NOx浄化性能を十分に確保できないという問題がある。
そこで、例えば下記特許文献1のように、エンジンを停止する操作が行われた後もエンジンの運転を継続するとともに、この継続運転中にSCR触媒の温度(床温)を低下させた上で尿素を供給することが提案されている。このようにすれば、次にエンジンが始動されたときにSCR触媒には十分な量のアンモニアが吸着しているので、始動時のNOx浄化性能を十分に確保することができる。
特開2009−197728号公報
上述した特許文献1の方法では、ドライバーがエンジンを停止する操作(イグニッション・オフ操作)を行った後もしばらくの間エンジンの運転が継続されることになるので、燃費性能が悪化したり、ドライバーが違和感を覚えたりする等の問題があった。
一方で、エンジンが始動された直後速やかにSCR触媒にアンモニアを吸着させることができれば、イグニッション・オフ後にエンジンを継続運転する必要性がそもそも生じないので、上述した問題を避けることができる。しかしながら、特にエンジン始動直後は排気系の温度が全体的に低く、またSCR触媒の温度も低いので、尿素供給装置から尿素を供給してもその尿素を十分にアンモニアに変換することができない。このため、SCR触媒のアンモニア吸着量がなかなか増えず、結局のところNOxの浄化性能が始動後長期に亘って低下するという問題がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、エンジン始動後速やかにNOx浄化性能を回復させることが可能なエンジンの排気浄化装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するためのものとして、本発明のエンジンの排気浄化装置は、エンジン本体から排出される排気ガスが流通する排気通路と、前記排気通路内に尿素を供給する尿素供給装置と、前記尿素供給装置よりも下流側の排気通路に設けられ、尿素から生成されるアンモニアの還元作用により排気ガス中のNOxを浄化するSCR触媒と、前記SCR触媒の温度が予め定められた基準温度以上である場合に、前記尿素供給装置に尿素を供給させるとともに、当該尿素の供給量を、前記SCR触媒のアンモニア吸着量が予め定められた目標吸着量になるように調整する尿素供給制御部と、エンジンの始動時に、前記SCR触媒のアンモニア吸着量が前記目標吸着量よりも少なく、かつ前記SCR触媒の温度が前記基準温度未満であるという特定条件が成立した場合に、当該特定条件の非成立時よりも速い昇温速度で前記SCR触媒の温度を上昇させる昇温制御を実行する触媒温度制御部とを備え、前記目標吸着量は、前記SCR触媒の温度に応じて可変的に設定され、前記昇温制御は、前記SCR触媒の温度が前記基準温度に上昇するまで継続される、ことを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、エンジン始動後速やかにSCR触媒のNOx浄化性能を回復させることができる。すなわち、アンモニア吸着量が目標吸着量未満でかつSCR触媒の温度が基準温度未満という特定条件がエンジン始動時に成立したということは、アンモニア吸着量が目標吸着量以下であるにもかかわらず尿素供給装置からSCR触媒に尿素を供給できないことを意味する。このような状態が続くと、SCR触媒からアンモニアが枯渇してNOxの浄化性能が大幅に低下するおそれがある。これに対し、本発明では、前記特定条件の成立時に、昇温制御によってSCR触媒の温度が迅速に上昇させられるので、ほどなくSCR触媒の温度が基準温度以上となり、尿素供給装置から尿素を供給できるようになる。これにより、エンジン始動後に尿素が供給されない期間を可及的に短縮することができ、SCR触媒のNOx浄化性能を速やかに回復させることができる。
また、SCR触媒の温度が基準温度以上である通常運転時に、SCR触媒のアンモニア吸着量が目標吸着量になるように尿素の供給量調整されるので、目標吸着量もしくはこれに近い量のアンモニアがSCR触媒に吸着された状態を維持することができ、通常運転時のNOx浄化性能を良好に確保することができる。一方、目標吸着量は、エンジン始動時に前記特定条件の成否を判定するための閾値としても用いられるので、この特定条件の成立に伴って前記昇温制御が実行されることにより、アンモニア吸着量を速やかに目標吸着量まで高めることができ、エンジン始動時のNOx浄化性能を良好に確保することができる。
さらに、SCR触媒の温度に応じて目標吸着量が可変的に設定されるので、アンモニアの上限吸着量(飽和吸着量)が温度に応じて変化するというSCR触媒の性質を反映した適切な量のアンモニアをSCR触媒に吸着させることができる。
前記目標吸着量は、前記SCR触媒の温度が予め定められた第1温度以下のときに一定となり、かつ前記SCR触媒の温度が前記第1温度に対し上昇するほど低下するように設定することが好ましい(請求項2)。この場合、前記基準温度は、前記第1温度よりも低い値に設定することができる(請求項3)。
前記エンジンが車両に搭載された車載エンジンであり、かつ前記車両の速度を含む所定のパラメータに基づいて前記SCR触媒の温度を推定する温度推定部がさらに設けられる場合、前記温度推定部は、前記車両の速度が低いほど前記SCR触媒の温度が高いと推定することが好ましい(請求項4)。
このように、車両の速度(車速)が低いほどSCR触媒の温度が高いと推定するようにした場合には、SCR触媒からの放熱量が車速に依存して変化することを考慮してSCR触媒の温度を精度よく推定することができる。
前記エンジンがディーゼルエンジンである場合、前記触媒温度制御部は、前記昇温制御として、前記エンジン本体に導入される空気量を減少させるとともに、前記エンジン本体に噴射される燃料の一部の噴射時期を膨張行程まで遅らせる制御(いわゆるポスト噴射)を実行することが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、空気量の減少による空燃比のリッチ化と、燃料のポスト噴射による排気ガス中の未燃成分の増大(詳しくは当該未燃成分と酸素との反応熱)とにより、排気ガスの温度を効果的に上昇させることができ、この高温化された排気ガスによりSCR触媒を速やかに昇温させることができる。
前記構成において、より好ましくは、前記触媒温度制御部は、前記特定条件が成立する場合であっても、前記エンジン本体の温度が所定温度未満である場合には、前記昇温制御の実行を禁止する(請求項6)。
この構成によれば、ポスト噴射による昇温効果がほとんど得られない状況下で無駄にポスト噴射が行われるのを回避でき、燃費性能の悪化を抑制することができる。例えば、エンジン本体の温度がかなり低い条件でポスト噴射を実行したとしても、当該ポスト噴射により排気通路に供給された未燃燃料は、その多くが酸素と反応しないまま排気通路の壁面に付着し、SCR触媒の温度を上昇させる効果をもたらさない。これに対し、前記構成では、エンジン本体の温度が所定温度未満の場合は前記ポスト噴射を含む昇温制御の実行が禁止されるので、前記のように未燃燃料の多くが無駄になる(SCR触媒の昇温効果をもたらさない)事態を回避でき、燃費性能の悪化を抑制することができる。
以上説明したように、本発明のエンジンの排気浄化装置によれば、エンジン始動後速やかにNOx浄化性能を回復させることができる。
本発明の排気浄化装置が適用されたエンジンの好ましい実施形態を示すシステム図である。 エンジンの制御系統を示すブロック図である。 エンジンの通常運転時に行われるドージング制御の具体的手順を示すフローチャートである。 SCR触媒の温度を推定する手順を模式的に示す説明図である。 SCR触媒の温度とアンモニアの上限吸着量および目標吸着量との関係を示すグラフである。 尿素水の噴射量を決定する手順を模式的に示す説明図である。 エンジン始動時に行われるドージング制御の具体的手順を示すフローチャートである。 SCR触媒の温度とアンモニア変換率との関係を示すグラフである。
(1)エンジンの全体構成
図1は、本発明の排気浄化装置が適用されたエンジンの好ましい実施形態を示すシステム図である。本図に示されるエンジンは、走行用の動力源として車両に搭載された4サイクルのディーゼルエンジンであり、エンジン本体1と、エンジン本体1に導入される吸気が流通する吸気通路30と、エンジン本体1から排出された排気ガスが流通する排気通路40と、吸気通路30を流通する吸気を圧縮しつつエンジン本体1に送り出す過給装置50と、排気通路40を流通する排気ガスの一部を吸気通路30に還流するEGR装置70とを備えている。
エンジン本体1は、列状に並ぶ複数の気筒2(図1には1つの気筒のみが示される)を有する直列多気筒型のものであり、当該複数の気筒2が内部に形成されたシリンダブロック3と、各気筒2を上から閉塞するようにシリンダブロック3の上面に取り付けられたシリンダヘッド4と、各気筒2にそれぞれ往復動可能に挿入された複数のピストン5とを有している。なお、各気筒2の構造は同一であるため、以下では基本的に1つの気筒2のみに注目して説明を進める。
ピストン5の上方には燃焼室6が画成されている。この燃焼室6には、後述する燃料噴射弁15からの噴射により、軽油を主成分とする燃料が供給される。そして、供給された燃料が圧縮着火により燃焼(拡散燃焼)し、その燃焼による膨張力で押し下げられたピストン5が上下方向に往復運動する。
ピストン5の下方には、エンジン本体1の出力軸であるクランク軸7が設けられている。クランク軸7は、ピストン5とコネクティングロッド8を介して連結され、ピストン5の往復運動(上下運動)に応じて中心軸回りに回転駆動される。
シリンダブロック3には、クランク軸7の角度(クランク角)およびクランク軸7の回転速度(エンジン回転速度)を検出するクランク角センサSN1が設けられている。また、シリンダヘッド4には、エンジン本体1(シリンダブロック3およびシリンダヘッド4)の内部を流通する冷却水の温度を検出する水温センサSN2が設けられている。なお、この水温センサSN2により検出される冷却水の温度は、請求項にいう「エンジン本体の温度」の一例に該当する。
シリンダヘッド4には、燃焼室6に開口する吸気ポート9および排気ポート10と、吸気ポート9を開閉する吸気弁11と、排気ポート10を開閉する排気弁12と、吸気弁11および排気弁12をクランク軸7の回転に連動して開閉駆動する動弁機構13,14とが設けられている。
シリンダヘッド4には、さらに、燃焼室6に燃料(軽油)を噴射する燃料噴射弁15が設けられている。燃料噴射弁15は、例えば、燃焼室6の天井面の中央部から放射状に燃料を噴射する多噴孔型の噴射弁である。なお、図示を省略するが、ピストン5の冠面には、燃料噴射弁15から噴射された燃料を受け入れるための凹部(キャビティ)が形成されている。
吸気通路30は、吸気ポート9と連通するようにシリンダヘッド4の一側面に接続されている。この吸気通路30には、吸気中の異物を除去するエアクリーナ31と、過給装置50により圧縮された吸気を冷却するインタークーラ32と、吸気の流量を調整する開閉可能なスロットル弁33と、サージタンク34とが、吸気通路30の上流側(エンジン本体1から遠い側)からこの順に設けられている。
吸気通路30におけるエアクリーナ31よりも下流側の部分には、吸気通路30を通じてエンジン本体1に導入される空気(新気)の流量を検出するエアフローセンサSN3が設けられている。また、サージタンク34には、その内部の吸気の圧力を検出する吸気圧センサSN4が設けられている。
排気通路40は、排気ポート10と連通するようにシリンダヘッド4の他側面に接続されている。この排気通路40には、排気ガスに含まれる各種の有害成分を浄化するための複数の触媒41〜44が設けられている。具体的に、当実施形態では、酸化触媒41と、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルタ)42と、SCR触媒43と、スリップ触媒44とが、排気通路40の上流側(エンジン本体1に近い側)からこの順に設けられている。また、排気通路40におけるDPF42とSCR触媒43との間の部分には、尿素インジェクタ45とミキシングプレート47とが設けられている。
酸化触媒41は、排気ガス中のCOおよびHCを酸化して無害化する(COおよびHOに変換する)ための触媒であり、例えば、多孔質性の担体と、当該担体に担持された白金やパラジウム等の触媒物質とを有している。
DPF42は、排気ガス中のスート(煤)を捕集するためのフィルタである。このDPF42には、フィルタ再生時の高温条件下でスートを燃焼させるための白金等の触媒物質が含まれている。
尿素インジェクタ45は、高純度の尿素を溶解した尿素水を排気通路40の内部に噴射する噴射弁である。尿素インジェクタ45には、尿素水を貯留するタンク46から供給管46aを通じて尿素水が供給される。尿素インジェクタ45から排気通路40内に尿素水が噴射されると、この尿素水に含まれる尿素は、高温下での加水分解によりアンモニア(NH)に変換されて、下流側のSCR触媒43に吸着される。なお、尿素インジェクタ45は、請求項にいう「尿素供給装置」に相当する。
ミキシングプレート47は、排気通路40を前後に仕切る板状の部材であり、排気通路40における尿素インジェクタ45とSCR触媒43との間の部分に設けられている。ミキシングプレート47には、排気ガスの流れを撹拌するための複数の開口が形成されている。このようなミキシングプレート47は、尿素インジェクタ45から噴射された尿素水に含まれる尿素を均一に分散させつつ下流側(SCR触媒43)に送出する役割を果たす。
SCR触媒43は、排気ガス中のNOxを還元して無害化する(NやHOに変換する)ための触媒であり、例えば、多孔質性の担体と、当該担体に担持されたバナジウム、タングステン、またはゼオライト等の触媒物質とを有している。上述したとおり、SCR触媒43には、尿素インジェクタ45が噴射した尿素水から生成されるアンモニアが吸着される。SCR触媒43は、このアンモニアを還元剤として用いた化学反応により、排気ガス中のNOxをNやHOに変換させる。
スリップ触媒44は、SCR触媒43からスリップした(つまりNOxの還元に使われないまま下流側に流出した)アンモニアを酸化するための酸化触媒である。このスリップ触媒44としては、例えば酸化触媒41と同様の構造のものを用いることができる。
排気通路40におけるDPF42とSCR触媒43との間の部分には、排気ガスに含まれるNOxの濃度を検出するNOx濃度センサSN5が設けられている。また、このNOx濃度センサSN5よりも下流側であってSCR触媒43の直上流に位置する部分の排気通路40(ミキシングプレート47とSCR触媒43との間の部分)には、排気ガスの温度を検出する排気温センサSN6が設けられている。
過給装置50は、いわゆる2ステージ型の過給装置であり、直列に配置された第1過給機51および第2過給機52を有している。
第1過給機51は、いわゆるターボ過給機であり、排気通路40を流通する排気ガスにより回転駆動されるタービン61と、タービン61と連動して回転可能に設けられ、吸気通路30を流通する吸気を圧縮する第1コンプレッサ62とを有している。第1コンプレッサ62は、吸気通路30におけるエアクリーナ31とインタークーラ32との間の部分に配置され、タービン61は、排気通路40における酸化触媒41よりも上流側の部分に配置されている。排気通路40には、タービン61をバイパスするためのバイパス通路63が設けられており、このバイパス通路63には開閉可能なウェストゲート弁64が設けられている。
第2過給機52は、いわゆる電動過給機であり、電気式の駆動モータ66と、駆動モータ66により回転駆動されることで吸気を圧縮する第2コンプレッサ67とを有している。第2コンプレッサ67は、吸気通路30における第1コンプレッサ62よりも下流側(第1コンプレッサ62とインタークーラ32との間)の部分に配置されている。吸気通路30には、第2コンプレッサ67をバイパスするためのバイパス通路68が設けられており、このバイパス通路68には開閉可能なバイパス弁69が設けられている。
EGR装置70は、排気通路40と吸気通路30とを接続するEGR通路71と、EGR通路71に設けられたEGRクーラ72およびEGR弁73とを有している。EGR通路71は、排気通路40におけるタービン61よりも上流側の部分と、吸気通路30におけるスロットル弁33とサージタンク34との間の部分とを互いに接続している。EGRクーラ72は、例えばエンジンの冷却水を利用した熱交換器であり、EGR通路71を通じて排気通路40から吸気通路30に還流される排気ガス(EGRガス)を冷却する。EGR弁73は、EGR通路71におけるEGRクーラ72よりも下流側(吸気通路30に近い側)の部分に設けられ、EGR通路71を流通する排気ガスの流量を調整する。
(2)制御系統
図2は、当実施形態のエンジンの制御系統を示すブロック図である。本図に示されるコントローラ100は、エンジンを統括的に制御するためのマイクロプロセッサであり、周知のCPU、ROM、RAM等から構成されている。なお、コントローラ100は、単一のプロセッサである必要はなく、電気的に接続された(相互に連携可能な)複数のプロセッサを含んでいてもよい。例えば、コントローラ100は、主にエンジン本体1を制御するための第1のプロセッサと、尿素インジェクタ45等を制御するための第2のプロセッサとを含んでいてもよい。
コントローラ100には各種センサによる検出情報が入力される。具体的に、コントローラ100は、上述したクランク角センサSN1、水温センサSN2、エアフローセンサSN3、吸気圧センサSN4、NOx濃度センサSN5、および排気温センサSN6と電気的に接続されており、これらのセンサによって検出された各種情報、例えばクランク角、エンジン回転速度、エンジン水温、吸気流量、吸気圧(過給圧)、排気ガス中のNOx濃度、および排気ガスの温度等の情報が、それぞれコントローラ100に入力される。
また、車両には、当該車両の走行速度(以下、車速という)を検出する車速センサSN7と、車両を運転するドライバーにより操作されるアクセルペダルの開度(以下、アクセル開度という)を検出するアクセルセンサSN8と、外気温を検出する外気温センサSN9とが設けられており、これら車速センサSN7、アクセルセンサSN8、および外気温センサSN9による検出情報もコントローラ100に入力される。
コントローラ100は、上記各センサSN1〜SN9からの入力情報に基づいて種々の判定や演算等を実行しつつエンジンの各部を制御する。すなわち、コントローラ100は、燃料噴射弁15、スロットル弁33、尿素インジェクタ45、ウェストゲート弁64、駆動モータ66、バイパス弁69、およびEGR弁73等と電気的に接続されており、上記演算の結果等に基づいてこれらの機器にそれぞれ制御用の信号を出力する。
上記制御に関する機能的要素として、コントローラ100は、主制御部101と、SCR状態推定部102と、ドージング制御部103とを有している。
主制御部101は、エンジン本体1での燃焼制御を司る制御モジュールである。例えば、主制御部101は、クランク角センサSN1により検出されるエンジン回転速度と、アクセルセンサSN8の検出値(アクセル開度)から特定されるエンジン負荷(要求トルク)と、エアフローセンサSN3により検出される吸気流量とに基づいて、燃料噴射弁15からの燃料の噴射量および噴射タイミングを決定し、その決定に従って燃料噴射弁15を制御する。また、主制御部101は、上記エンジン回転速度/負荷等に基づいて目標過給圧を設定するとともに、吸気圧センサSN4により検出される吸気圧(過給圧)がこの目標過給圧に一致するように、ウェストゲート弁64およびバイパス弁69の各開度や駆動モータ66の回転を制御する。さらに、主制御部101は、EGR率(気筒2に導入される全ガスに対するEGRガスの割合)の目標値である目標EGR率を上記エンジン回転速度/負荷等に基づいて設定し、この目標EGR率が実現されるようにスロットル弁33およびEGR弁73の各開度を制御する。なお、主制御部101は、後述する昇温制御(図7のステップS15)の際には、SCR触媒43を昇温させるために排気ガスの温度を上昇させる制御を実行する。このような主制御部101は、請求項にいう「触媒温度制御部」に相当する。
SCR状態推定部102は、SCR触媒43の状態を推定する処理を司る制御モジュールである。例えば、SCR状態推定部102は、NOx濃度センサSN5により検出される排気ガス中のNOx濃度と、排気温センサSN6により検出される排気ガスの温度と、尿素インジェクタ45からの尿素水の噴射量とに基づいて、SCR触媒43の温度やアンモニア吸着量を推定する。なお、SCR状態推定部102は、請求項にいう「温度推定部」に相当する。また、このSCR状態推定部102により推定されるSCR触媒43の温度は、請求項にいう「指標温度」の一例に該当する。
ドージング制御部103は、尿素インジェクタ45による尿素水の噴射制御を司る制御モジュールである。例えば、ドージング制御部103は、SCR状態推定部102により推定されるSCR触媒43の温度に基づいて尿素水の噴射量を決定し、その決定に従って尿素インジェクタ45を制御する。なお、ドージング制御部103は、請求項にいう「尿素供給制御部」に相当する。
(3)通常運転時のドージング制御
次に、エンジンの通常運転時(後述する始動時等を除く運転時)に行われるドージング制御について説明する。この通常運転時のドージング制御では、SCR触媒43の温度に応じてアンモニアの目標吸着量(図5のQa)を設定し、この目標吸着量に応じた量の尿素水を尿素インジェクタ45から噴射するといった制御が実行される。以下、詳しく説明する。
図3は、通常運転時のドージング制御の具体的手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す制御がスタートすると、コントローラ100は、ステップS1において、SCR触媒43の温度Tsを推定する。なお、SCR触媒43の温度Tsは、典型的には、SCR触媒43の担体の温度、つまり床温のことである。
図4は、上記ステップS1においてSCR触媒43の温度Tsを推定する手順を模式的に示す図である(図中ではSCR触媒のことを単にSCRと略記している)。本図に示すように、コントローラ100は、まず、排気温センサSN6により検出されるSCR触媒43の直前の排気ガスの温度と、排気ガスの流量とに基づいて、SCR触媒43への入熱量を算出する。なお、排気ガスの流量は、エアフローセンサSN3により検出される吸気流量やEGR弁73の開度等から推定することができる。次に、コントローラ100は、車速センサSN7により検出される車速と、外気温センサSN9により検出される外気温とに基づいて、SCR触媒43からの放熱量を算出する。そして、このようにして算出されたSCR触媒43の入熱量および放熱量と、予め記憶されているSCR触媒43の熱容量とに基づいて、SCR触媒43の温度Tsを算出する。具体的に、SCR触媒43の温度Tsは、入熱量が大きいかまたは放熱量が小さいほど高い値に算出され、入熱量が小さいかまたは放熱量が大きいほど低い値に算出される。
ここで、SCR触媒43からの放熱量は、車速が高いほど大きいものとして扱うことができる。これは、車速が高いほどSCR触媒43にあたる走行風が増えて放熱が促進されるからである。逆に、放熱量は、車速が低いほど小さくなるので、SCR触媒43の温度Tsは、車速が低いほど高いと推定されることになる。
次いで、コントローラ100は、ステップS2に移行して、SCR触媒43に吸着させるべきアンモニアの目標吸着量Qaを決定する。目標吸着量Qaは、図5のグラフに示すように、SCR触媒43の温度(SCR温度)Tsに応じて可変的に設定される。コントローラ100は、SCR触媒43の温度Tsと目標吸着量Qaとの関係を定めたマップを予め記憶しており、上記ステップS1で推定されたSCR触媒43の温度Tsをこのマップに照合することにより、目標吸着量Qaを決定する。
アンモニアの目標吸着量Qaは、同じく図5に示すアンモニアの上限吸着量Qxよりも小さい値に設定される。上限吸着量Qxとは、SCR触媒43に吸着させることが可能な上限のアンモニア吸着量であり、飽和吸着量とも呼ばれるものである。SCR触媒43は、その温度が高くなるほどアンモニアを吸着し難くなるという性質がある。このため、図5の上限吸着量Qxのラインは、全体として、高温側(右側)ほど吸着量が少なくなる(右下がりの)傾向を有している。
上記のような上限吸着量Qxの傾向に合わせて、アンモニアの目標吸着量Qaも、SCR触媒43の温度Tsが高いほど低くなる(逆に温度Tsが低いほど高くなる)ように設定される。ただし、このように温度に依存して目標吸着量Qaが変化するのは第1所定温度T1から第2所定温度T2までの範囲だけであり、第1所定温度T1以下となる低温側の範囲では目標吸着量Qaが一律にQ1に設定され、第2所定温度T2以上となる高温側の範囲では目標吸着量Qaが一律にゼロに設定される。なお、前者のように低温側(Ts≦T1)で目標吸着量Qaが一定値Q1とされるのは、Q1程度のアンモニアが吸着されていればNOxの浄化性能が十分に良好になるので、Q1よりもさらに吸着量を増やす意味がないからである。
次いで、コントローラ100は、ステップS3に移行して、現時点でSCR触媒43に吸着されているアンモニアの量である現アンモニア吸着量Qcを推定する。後述するステップS5で詳しく説明するように、現アンモニア吸着量Qcは、尿素インジェクタ45からの尿素水の噴射量を決定する過程で使用されるパラメータである。このため、現アンモニア吸着量Qcは、これまでの尿素水の噴射量の履歴から逆算により求めることができる。すなわち、尿素水の噴射量の履歴から求められる各時点のアンモニア供給量から、SCR触媒43での各時点のアンモニア消費量(後述するステップS4で算出)を差し引いた分が、SCR触媒43に都度蓄積されることになるので、この蓄積分を時間ごとに積算したものを現アンモニア吸着量Qcとして算出することができる。
次いで、コントローラ100は、ステップS4に移行して、SCR触媒43において消費されるアンモニアの量であるアンモニア消費量Wを推定する。具体的に、コントローラ100は、NOx濃度センサSN5により検出される排気ガス中のNOx濃度と、演算により推定される排気ガスの流量(吸気流量の検出値やEGR弁73の開度等から求められる値)とに基づいて、SCR触媒43に流入するNOxの量を算出し、このNOxの流入量に基づいて、SCR触媒43でNOx還元のために消費されるアンモニアの量つまりアンモニア消費量Wを算出する(後述する図6の一部参照)。
次いで、コントローラ100は、ステップS5,S6に移行して、尿素インジェクタ45から噴射すべき尿素水の噴射量Uを決定し、この決定した噴射量Uに相当する尿素を尿素インジェクタ45から噴射させる。
図6は、上記ステップS5において噴射量Uを決定する手順を模式的に示す図である。本図に示すように、コントローラ100は、上記ステップS4で求められたアンモニア消費量Wと、アンモニアの要求余剰供給量Qdとに基づいて、尿素水の噴射量Uを算出する。ここで、アンモニアの要求余剰供給量Qdとは、SCR触媒43においてアンモニア吸着量Qcを目標吸着量Qaまで高めるのに必要なアンモニアの余剰供給量のことであり、上記ステップS2で決定されたアンモニアの目標吸着量Qaから、上記ステップS3で算出された現アンモニア吸着量Qcを差し引くことで得られる値である。尿素水の噴射量Uは、要求余剰供給量Qdおよびアンモニア消費量Wのいずれが多い場合でも大きい値として算出される。
(4)エンジン始動時のドージング制御
次に、エンジン始動時のドージング制御について説明する。エンジン始動時におけるSCR触媒43の温度Tsは、通常、直近のエンジン停止時のSCR触媒43の温度Tsよりも下がっている。この場合において、エンジン停止時のSCR触媒43の温度Tsがかなり高温(例えば図5のグラフにおける第2所定温度T2に近い温度)であったと仮定すると、エンジン始動時におけるSCR触媒43のアンモニア吸着量Qcは非常に少ないことになる。このため、エンジン始動後直ちに尿素水を噴射してSCR触媒43にアンモニアを供給することが望まれるが、SCR触媒43の温度Tsが低い期間(後述する図8に示す基準温度Xよりも低い期間)はそもそも尿素水を噴射することができない。そこで、このようなケースを想定して、エンジン始動時は通常運転時とは異なるドージング制御が実行される。以下、詳しく説明する。
図7は、エンジン始動時のドージング制御の具体的手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す制御は、車両に搭乗したドライバーにより図外のイグニッションスイッチがオン操作されることでスタートする。まず、コントローラ100は、ステップS11において、イグニッションスイッチのオン操作(つまりエンジンの始動操作)が行われてから所定期間が経過したか否かを判定する。この所定期間は、エンジン回転が安定せずかつエンジン各部の温度が急激に変化するような始動時のごく初期を除く目的で設定されている。
上記ステップS11でYESと判定されて始動操作から所定期間が経過したことが確認された場合、コントローラ100は、ステップS12に移行して、SCR触媒43の温度Tsが基準温度X未満であるか否かを判定する。ここで、SCR触媒43の温度Tsは、上述した図3のステップS1と同様、排気ガスの温度や流量等の各種パラメータから演算により推定される値である。また、この温度Tsと比較される基準温度Xは、尿素インジェクタ45からの尿素水の噴射の可否を決定するための閾値であり、尿素水に含まれる尿素がアンモニアに変換される割合を考慮して予め定められている。なお、基準温度Xは、図5のマップに示した第1所定温度T1(アンモニアの目標吸着量Qaが最大値をとる温度)よりも低い値に設定されている。
図8は、SCR触媒43の温度(SCR温度)Tsと、尿素からアンモニアに変換される割合(アンモニア変換率)との関係を示すグラフである。この図8のグラフに示すように、アンモニア変換率は、SCR触媒43の温度Tsが高いほど高くなり、逆に温度Tsが低いほど低くなる。このことは、SCR触媒43の温度Tsがかなり低い状態で尿素水を噴射しても、尿素の多くがアンモニアとしてSCR触媒43に吸着されない(つまり噴射した尿素水の多くが無駄になる)ことを意味する。そこで、当実施形態では、SCR触媒43の温度Tsについて基準温度Xを設定し、この基準温度X未満では尿素水の噴射を禁止するようにしている。
上記ステップS12でNOと判定されてSCR触媒43の温度Tsが基準温度X以上であることが確認された場合、つまり尿素水の噴射が許可される条件であるとき、コントローラ100は、図3に示した通常運転時のドージング制御に移行する。
一方、上記ステップS12でYESと判定されてSCR触媒43の温度Tsが基準温度X未満であることが確認された場合(つまり尿素水を噴射できない条件であるとき)、コントローラ100は、ステップS13に移行して、SCR触媒43のアンモニア吸着量Qcが目標吸着量Qaよりも少ないか否かを判定する。図3のステップS3で説明したように、当実施形態では、エンジンの運転中にSCR触媒43のアンモニア吸着量(現アンモニア吸着量)Qcを常時算出し、更新している。上記ステップS13では、このように逐次更新されるアンモニア吸着量Qcと、SCR触媒43の温度Tsに応じて設定される目標吸着量Qa(図5)とが比較され、前者が後者よりも少ないか否かが判定される。
上記ステップS13でYESと判定されてSCR触媒43のアンモニア吸着量Qcが目標吸着量Qaよりも少ないことが確認された場合、コントローラ100は、ステップS14に移行して、水温センサSN2により検出されるエンジンの冷却水の温度(エンジン水温)が所定温度Y未満であるか否かを判定する。所定温度Yは、エンジンの暖機が完了したとみなせるエンジン水温(例えば80℃)よりも低い値(例えば20〜40℃程度)であり、後述するステップS14の昇温制御において実行されるポスト噴射の有効性を考慮して予め定められている。
上記ステップS14でYESと判定されてエンジン水温が所定温度Y未満であることが確認された場合、コントローラ100は、ステップS15に移行して、SCR触媒43を加熱するために排気ガスの温度を上昇させる制御(以下、これを昇温制御という)を実行する。具体的に、コントローラ100は、当該昇温制御として、スロットル弁33の開度を低減させる等によりエンジン本体1の各気筒2に導入される空気量(新気量)を減少させるとともに、燃料噴射弁15から噴射される燃料の一部の噴射時期を膨張行程まで遅らせる制御(いわゆるポスト噴射)を実行する。なお、ポスト噴射による噴射時期は、噴射された燃料の多くが気筒2から未燃のまま排出されるような時期であり、例えば膨張行程の中期または後期とされる。
上記昇温制御では、気筒2への導入空気量が低減されることにより、気筒2内の混合気の空燃比(A/F)が相対的にリッチにされるとともに、気筒2の内部ガス(混合気およびEGRガスを含めた全ガス)の熱容量が低下する。これにより、気筒2での燃焼温度が上昇するとともに、気筒2から排出される排気ガスの温度が上昇する。また、上記昇温制御では、膨張行程の中期または後期に燃料のポスト噴射が行われることにより、未燃のまま排気通路40に排出される燃料の量が増える。この排出された未燃の燃料成分は、排気通路40の途中で酸素と反応して発熱し、排気ガスの温度を上昇させる。このように、上記昇温制御(ステップS15)では、空気量の低減操作とポスト噴射との相乗効果により、排気ガスの温度が十分に高められる。この結果、SCR触媒43の温度Tsは、昇温制御を行う前に比べて速い昇温速度で上昇するようになる。
次いで、コントローラ100は、ステップS16に移行して、SCR触媒43の温度Tsが上述した基準温度X(図8)以上になったか否かを判定する。そして、ここでの判定がNO(つまりTs<X)である間、コントローラ100は、上記ステップS15の昇温制御を継続する。
上記ステップS16でYESと判定されてSCR触媒43の温度Tsが基準温度X以上に上昇したことが確認された場合、コントローラ100は、ステップS17に移行して、尿素インジェクタ45から尿素水を噴射する制御を開始する。
次いで、コントローラ100は、ステップS18に移行して、SCR触媒43のアンモニア吸着量(現アンモニア吸着量)Qcが図5に示した目標吸着量Qa以上になったか否かを判定する。そして、ここでの判定がNO(つまりQc<Qa)である間、コントローラ100は、上記ステップS17の尿素水の噴射制御を継続する。
(5)作用効果
以上説明したように、当実施形態では、エンジンの始動時において、(i)SCR触媒43の温度Tsが基準温度X未満であること、および、(ii)SCR触媒43のアンモニア吸着量Qcが目標吸着量Qa未満であることの双方が成立したことを条件に(以下、これを特定条件という)、SCR触媒43の温度Tsを上昇させる昇温制御(S15)が実行される。そして、この昇温制御では、気筒2への導入空気量を減少させる操作とポスト噴射とが実行されることにより、上記特定条件の非成立よりも排気ガスの温度が高められ、これによってSCR触媒43の昇温速度が速められる。このような構成によれば、エンジン始動後速やかにSCR触媒43のNOx浄化性能を回復させることができるという利点がある。
すなわち、エンジン始動時に上記特定条件が成立したということは、SCR触媒43のアンモニア吸着量Qcが目標吸着量Qa以下であるにもかかわらず尿素インジェクタ45から尿素水を噴射できないことを意味する。このような状態が続くと、SCR触媒43からアンモニアが枯渇してNOxの浄化性能が大幅に低下するおそれがある。これに対し、上記実施形態では、上記特定条件の成立時に、昇温制御によってSCR触媒43の温度Tsが迅速に上昇させられるので、ほどなくSCR触媒43の温度Tsが基準温度X以上となり、尿素インジェクタ45から尿素水を噴射できるようになる。これにより、エンジン始動後に尿素水が噴射されない期間を可及的に短縮することができ、SCR触媒43のNOx浄化性能を速やかに回復させることができる。
また、上記実施形態では、SCR触媒43の温度Tsが基準温度X以上である通常運転時に、SCR触媒43のアンモニア吸着量Qcが目標吸着量Qaになるように尿素インジェクタ45からの尿素水の噴射量が調整されるので、目標吸着量Qaもしくはこれに近い量のアンモニアがSCR触媒43に吸着された状態を維持することができ、通常運転時のNOx浄化性能を良好に確保することができる。一方、目標吸着量Qaは、エンジン始動時に上記特定条件の成否を判定するための閾値としても用いられるので、この特定条件の成立に伴って上記昇温制御が実行されることにより、アンモニア吸着量Qcを速やかに目標吸着量Qaまで高めることができ、エンジン始動時のNOx浄化性能を良好に確保することができる。
また、上記実施形態では、アンモニアの目標吸着量QaがSCR触媒43の温度Tsに応じて可変的に(温度Tsが高いほど低くなるように)設定されるので、アンモニアの上限吸着量Qx(飽和吸着量)が温度に応じて変化するというSCR触媒43の性質を反映した適切な量のアンモニアをSCR触媒43に吸着させることができる。
ここで、SCR触媒43の温度Tsは、車速が低いほど高くなり易い。これは、車速が低いほどSCR触媒43からの放熱量が減少する(SCR触媒43に熱がこもり易くなる)からである。これに対し、上記実施形態では、SCR触媒43の温度Tsを演算により推定する際に、車速が低いほどSCR触媒43の温度Tsが高いと推定されるので、上述した現象(車速と放熱量との関係)を考慮してSCR触媒43の温度Tsを精度よく推定することができる。
また、上記実施形態では、上記特定条件が成立する場合(ステップS12,S13でともにYES)であっても、エンジン水温が所定温度Y未満(ステップS14でYES)である場合には、上記昇温制御(ステップS15)の実行が禁止されるので、ポスト噴射による昇温効果がほとんど得られない状況下で無駄にポスト噴射が行われるのを回避でき、燃費性能の悪化を抑制することができる。例えば、エンジン水温がかなり低い条件でポスト噴射を実行したとしても、当該ポスト噴射により排気通路40に供給された未燃燃料は、その多くが酸素と反応しないまま排気通路40の壁面に付着し、SCR触媒43の温度Tsを上昇させる効果をもたらさない。これに対し、上記実施形態では、エンジン水温が所定温度Y未満の場合は上記ポスト噴射を含む昇温制御の実行が禁止されるので、上記のように未燃燃料の多くが無駄になる(SCR触媒43の昇温効果をもたらさない)事態を回避でき、燃費性能の悪化を抑制することができる。
(6)変形例
上記実施形態では、SCR触媒43の温度Tsを各種パラメータに基づき演算により推定したが(図4)、当該温度Tsをセンサを用いて直接検出するようにしてもよい。
上記実施形態では、SCR触媒43の温度Tsが基準温度X以上である場合にのみ尿素インジェクタ45からの尿素水の噴射を許可する(基準温度X未満の場合は噴射を禁止する)ようにしたが、尿素水の噴射の可否は、尿素インジェクタ45から排気通路40に供給された尿素の周囲温度を代表する温度(請求項にいう「指標温度」)に基づいて決定すればよく、SCR触媒43の温度Tsとは異なる別の指標温度に基づいて尿素水の噴射の可否を決定してもよい。例えば、尿素インジェクタ45からSCR触媒43までの間を流れる排気ガスの温度(上記実施形態でいえば排気温センサSN6により検出される排気ガスの温度)に基づいて尿素水の噴射の可否を決定してもよい。
上記実施形態では、エンジン始動時に、SCR触媒43のアンモニア吸着量Qcが目標吸着量Qaよりも少ないことを含む特定条件が成立した場合に、SCR触媒43の昇温速度を速めるための昇温制御(ポスト噴射等により排気ガスの温度を上昇させる制御)を実行するようにしたが、この特定条件の成否を判定するための基準となるアンモニア吸着量(請求項にいう「基準量」)は、必ずしも目標吸着量Qa(図5)でなくてもよく、この目標吸着量Qaとは異なる別の吸着量(例えば触媒温度Tsに依存しない一定の吸着量)を上記基準量として用いてもよい。
上記実施形態では、エンジン始動時のSCR触媒43の昇温(昇温制御)を、ポスト噴射等による燃焼制御により実現するようにしたが、例えば通電等に応じて発熱する発熱手段をSCR触媒43に設け、この発熱手段よりSCR触媒43を昇温させるようにしてもよい。
上記実施形態では、軽油を主成分とする燃料を圧着着火させるディーゼルエンジンに本発明の排気浄化装置を適用した例について説明したが、本発明を適用可能なエンジンは、NOxを浄化するためにSCR触媒を設ける必要のあるエンジンであればよく、例えばガソリンを主成分とする燃料をリーンな空燃比下で燃焼させるリーンバーンガソリンエンジンに本発明を適用してもよい。
1 エンジン本体
40 排気通路
43 SCR触媒
45 尿素インジェクタ(尿素供給装置)
101 主制御部(触媒温度制御部)
102 SCR状態推定部(温度推定部)
103 ドージング制御部(尿素供給制御部)
Qa (アンモニアの)目標吸着量
X 基準温度

Claims (6)

  1. エンジン本体から排出される排気ガスが流通する排気通路と、
    前記排気通路内に尿素を供給する尿素供給装置と、
    前記尿素供給装置よりも下流側の排気通路に設けられ、尿素から生成されるアンモニアの還元作用により排気ガス中のNOxを浄化するSCR触媒と、
    前記SCR触媒の温度が予め定められた基準温度以上である場合に、前記尿素供給装置に尿素を供給させるとともに、当該尿素の供給量を、前記SCR触媒のアンモニア吸着量が予め定められた目標吸着量になるように調整する尿素供給制御部と、
    エンジンの始動時に、前記SCR触媒のアンモニア吸着量が前記目標吸着量よりも少なく、かつ前記SCR触媒の温度が前記基準温度未満であるという特定条件が成立した場合に、当該特定条件の非成立時よりも速い昇温速度で前記SCR触媒の温度を上昇させる昇温制御を実行する触媒温度制御部とを備え
    前記目標吸着量は、前記SCR触媒の温度に応じて可変的に設定され、
    前記昇温制御は、前記SCR触媒の温度が前記基準温度に上昇するまで継続される、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記目標吸着量は、前記SCR触媒の温度が予め定められた第1温度以下のときに一定となり、かつ前記SCR触媒の温度が前記第1温度に対し上昇するほど低下するように設定されている、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記基準温度は、前記第1温度よりも低い値に設定されている、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記エンジンは車両に搭載された車載エンジンであり、
    前記車両の速度を含む所定のパラメータに基づいて前記SCR触媒の温度を推定する温度推定部がさらに設けられ、
    前記温度推定部は、前記車両の速度が低いほど前記SCR触媒の温度が高いと推定する、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記エンジンはディーゼルエンジンであり、
    前記触媒温度制御部は、前記昇温制御として、前記エンジン本体に導入される空気量を減少させるとともに、前記エンジン本体に噴射される燃料の一部の噴射時期を膨張行程まで遅らせる制御を実行する、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  6. 請求項5に記載のエンジンの排気浄化装置において、
    前記触媒温度制御部は、前記特定条件が成立する場合であっても、前記エンジン本体の温度が所定温度未満である場合には、前記昇温制御の実行を禁止する、ことを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
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