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JP2001152832A - 内燃機関 - Google Patents

内燃機関

Info

Publication number
JP2001152832A
JP2001152832A JP33821299A JP33821299A JP2001152832A JP 2001152832 A JP2001152832 A JP 2001152832A JP 33821299 A JP33821299 A JP 33821299A JP 33821299 A JP33821299 A JP 33821299A JP 2001152832 A JP2001152832 A JP 2001152832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amount
soot
reducing agent
combustion
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33821299A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Ito
和浩 伊藤
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP33821299A priority Critical patent/JP2001152832A/ja
Publication of JP2001152832A publication Critical patent/JP2001152832A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/13Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories
    • F02M26/14Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories in relation to the exhaust system
    • F02M26/15Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories in relation to the exhaust system in relation to engine exhaust purifying apparatus
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/02EGR systems specially adapted for supercharged engines
    • F02M26/04EGR systems specially adapted for supercharged engines with a single turbocharger
    • F02M26/06Low pressure loops, i.e. wherein recirculated exhaust gas is taken out from the exhaust downstream of the turbocharger turbine and reintroduced into the intake system upstream of the compressor
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B29/00Engines characterised by provision for charging or scavenging not provided for in groups F02B25/00, F02B27/00 or F02B33/00 - F02B39/00; Details thereof
    • F02B29/04Cooling of air intake supply
    • F02B29/0406Layout of the intake air cooling or coolant circuit
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M26/00Engine-pertinent apparatus for adding exhaust gases to combustion-air, main fuel or fuel-air mixture, e.g. by exhaust gas recirculation [EGR] systems
    • F02M26/02EGR systems specially adapted for supercharged engines
    • F02M26/09Constructional details, e.g. structural combinations of EGR systems and supercharger systems; Arrangement of the EGR and supercharger systems with respect to the engine
    • F02M26/10Constructional details, e.g. structural combinations of EGR systems and supercharger systems; Arrangement of the EGR and supercharger systems with respect to the engine having means to increase the pressure difference between the exhaust and intake system, e.g. venturis, variable geometry turbines, check valves using pressure pulsations or throttles in the air intake or exhaust system
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
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    • F02M26/13Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories
    • F02M26/22Arrangement or layout of EGR passages, e.g. in relation to specific engine parts or for incorporation of accessories with coolers in the recirculation passage
    • F02M26/23Layout, e.g. schematics

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1の燃焼時に還元剤が必要以上に供給され
るのを阻止しつつ、第2の燃焼時に還元剤が不足してN
Oxが十分に還元されなくなってしまうのを阻止する。 【解決手段】 燃焼室5内に供給されるEGRガス量を
増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達
し、燃焼室5内に供給されるEGRガス量を更に増大し
ていくと煤がほとんど発生しなくなり、煤の発生量がピ
ークとなるEGRガス量よりも燃焼室5内に供給される
EGRガス量が多く煤がほとんど発生しない第1の燃焼
が機関の低負荷運転領域で行われ、煤の発生量がピーク
となるEGRガス量よりも燃焼室5内に供給されるEG
Rガス量が少ない第2の燃焼が機関の高負荷運転領域で
行われ、排気管24に還元剤供給弁60を設け、第2の燃焼
時に還元剤を供給し、第1の燃焼時に還元剤の供給を中
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃焼室内に供給される不活性ガス
の量を増大していくと煤の発生量が次第に増大してピー
クに達し、燃焼室内に供給される不活性ガスの量を更に
増大していくと燃焼室内における燃焼時の燃料およびそ
の周囲のガス温が煤の生成温度よりも低くなって煤がほ
とんど発生しなくなる内燃機関であって、煤の発生量が
ピークとなる不活性ガスの量よりも燃焼室内に供給され
る不活性ガスの量が多く煤がほとんど発生しない第1の
燃焼が機関の低負荷運転領域にて行われ、煤の発生量が
ピークとなる不活性ガスの量よりも燃焼室内に供給され
る不活性ガスの量が少ない第2の燃焼が機関の高負荷運
転領域にて行われる内燃機関が知られている。この種の
内燃機関の例としては、例えば特開平11−10786
1号公報に記載されたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平11
−107861号公報には、機関排気通路に三元触媒や
NOx吸収剤が配置され得る旨が記載されているが、ど
のようなタイミングで還元剤を供給すべきかについて開
示されていない。一方、第1の燃焼の下では燃焼時の燃
料及びその周囲のガス温を低くするために空燃比が比較
的リッチにされ還元機能を有するHCが余っており、第
2の燃焼の下では空燃比が比較的リーンにされHCが不
足している。従って、第1の燃焼が行われるときには、
余っているHCによりNOxが還元されるため、HCと
は別に還元剤を供給してもNOxの還元には使用されな
い。また、第2の燃焼が行われるときには、HCが不足
しているため、HCとは別に還元剤が供給されないとN
Oxが十分に還元されない。つまり、特開平11−10
7861号公報に記載された内燃機関では、第1の燃焼
時に還元剤が必要以上に供給されるのを阻止しつつ、第
2の燃焼時に還元剤が不足してNOxが十分に還元され
なくなってしまうのを阻止することができない。
【0004】前記問題点に鑑み、本発明は第1の燃焼時
に還元剤が必要以上に供給されるのを阻止しつつ、第2
の燃焼時に還元剤が不足してNOxが十分に還元されな
くなってしまうのを阻止することができる内燃機関を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、燃焼室内に供給される不活性ガスの量を増大し
ていくと煤の発生量が次第に増大してピークに達し、前
記燃焼室内に供給される不活性ガスの量を更に増大して
いくと前記燃焼室内における燃焼時の燃料およびその周
囲のガス温が煤の生成温度よりも低くなって煤がほとん
ど発生しなくなる内燃機関であって、煤の発生量がピー
クとなる不活性ガスの量よりも前記燃焼室内に供給され
る不活性ガスの量が多く煤がほとんど発生しない第1の
燃焼が機関の低負荷運転領域にて行われ、煤の発生量が
ピークとなる不活性ガスの量よりも前記燃焼室内に供給
される不活性ガスの量が少ない第2の燃焼が機関の高負
荷運転領域にて行われる内燃機関において、機関排気通
路に還元剤供給手段を設け、第2の燃焼が行われるとき
に還元剤を供給し、第1の燃焼が行われるときに還元剤
の供給を中止するようにした内燃機関が提供される。
【0006】請求項1に記載の内燃機関では、機関排気
通路に還元剤供給手段が設けられ、第2の燃焼が行われ
るときに還元剤が供給される。そのため、第2の燃焼時
に還元剤が不足してNOxが十分に還元されなくなって
しまうのを阻止することができる。更に、第1の燃焼が
行われるときに還元剤の供給が中止される。そのため、
還元機能を有するHCが余っている第1の燃焼時に還元
剤が無駄に供給されるのを阻止することができる。つま
り、第1の燃焼と第2の燃焼とを切り換えて行い得る内
燃機関において、第1の燃焼時に還元剤が無駄に供給さ
れるのと、第2の燃焼時に還元剤が不足してNOxが十
分に還元されなくなってしまうのとを同時に阻止するこ
とができる。
【0007】請求項2に記載の発明によれば、前記機関
排気通路に還元触媒を配置し、還元剤が供給されるとき
に還元剤を前記還元触媒の上流側に添加するようにした
請求項1に記載の内燃機関が提供される。
【0008】請求項2に記載の内燃機関では、還元剤が
機関排気通路内の還元触媒の上流側に添加される。つま
り、排気ガス温度が比較的高い側である機関排気通路の
上流側に還元剤が添加される。そのため、還元触媒の暖
機を促進し、還元機能を高めることができる。
【0009】請求項3に記載の発明によれば、前記還元
触媒の下流側に還元剤検出手段を配置し、前記還元剤検
出手段の出力値に基づき還元剤の供給量を調節するよう
にした請求項2に記載の内燃機関が提供される。
【0010】請求項3に記載の内燃機関では、還元触媒
の下流側に還元剤検出手段が配置されるため、還元剤が
過剰に供給されているか否かを判断することができる。
更に、還元剤検出手段の出力値に基づき還元剤の供給量
が調節されるため、還元剤が必要以上に供給されてしま
うのを阻止することができる。
【0011】請求項4に記載の発明によれば、前記還元
触媒の上流側に煤反応手段を配置した請求項3に記載の
内燃機関が提供される。
【0012】請求項4に記載の内燃機関では、煤反応手
段が還元触媒の上流側、つまり、排気ガス温度が比較的
高い側である機関排気通路の上流側に配置される。その
ため、煤の温度が低下してしまった場合に比べ、煤を容
易に燃焼させ、煤が機関排気通路から外に排出されてし
まうのを阻止することができる。
【0013】請求項5に記載の発明によれば、前記煤反
応手段の上流側に煤加熱手段を配置した請求項4に記載
の内燃機関が提供される。
【0014】請求項5に記載の内燃機関では、煤反応手
段の上流側に煤加熱手段が配置される。そのため、排気
ガスの有する熱だけでは煤の温度を十分に高い温度に維
持できない場合であっても、煤が容易に燃焼できるよう
に煤の温度を十分に高い温度に維持することができる。
【0015】請求項6に記載の発明によれば、前記煤加
熱手段が排気マニホルドに配置された触媒である請求項
5に記載の内燃機関が提供される。
【0016】請求項6に記載の内燃機関では、煤加熱手
段が排気マニホルドに配置された触媒である。つまり、
煤加熱手段が機関本体のすぐ下流側に配置される。その
ため、排気ガスの有する熱だけでは煤の温度を十分に高
い温度に維持できない機関始動直後の冷間時であって
も、煤が容易に燃焼できるように煤の温度を十分に高い
温度に維持することができる。
【0017】請求項7に記載の発明によれば、前記排気
マニホルドに配置された触媒にNOx吸着剤が担持され
ている請求項6に記載の内燃機関が提供される。
【0018】請求項7に記載の内燃機関では、排気マニ
ホルドに配置された触媒にNOx吸着剤が担持されてい
る。そのため、供給される還元剤によりNOxが還元さ
れることに加え、NOxの浄化を更に補助することがで
きる。
【0019】請求項8に記載の発明によれば、前記還元
触媒にHC吸着剤が担持されている請求項1〜7のいず
れか一項に記載の内燃機関が提供される。
【0020】請求項8に記載の内燃機関では、還元触媒
にHC吸着剤が担持されているため、NOxの還元に使
用されたHCが余ったときであっても、そのHCがHC
吸着剤により吸着される。その結果、HCが機関排気通
路から外に排出されてしまうのを阻止することができ
る。
【0021】請求項9に記載の発明によれば、前記還元
触媒の下流側に加熱手段を配置した請求項1に記載の内
燃機関が提供される。
【0022】請求項9に記載の内燃機関では、還元触媒
の下流側に加熱手段が配置されるため、NOxの還元に
使用されたHCが余ったときであっても、そのHCが加
熱手段により燃焼される。その結果、HCが機関排気通
路から外に排出されてしまうのを阻止することができ
る。
【0023】請求項10に記載の発明によれば、前記煤
反応手段に並列にバイパス通路を設け、前記還元触媒を
暖機すべきときに、排気ガスが前記バイパス通路を通過
するようにした請求項4に記載の内燃機関が提供され
る。
【0024】請求項10に記載の内燃機関では、還元触
媒を暖機すべきときに、排気ガスが煤反応手段に並列に
設けられたバイパス通路を通過せしめられる。そのた
め、還元触媒を暖機すべきときに、排気ガスが煤反応手
段を通過することにより排気ガス温度が低下せしめら
れ、還元触媒を暖機できなくなってしまうのを回避する
ことができる。
【0025】請求項11に記載の発明によれば、ターボ
チャージャを具備し、前記バイパス通路が、ウエイスト
ゲートバルブと前記還元触媒とを連通する連通路である
請求項10に記載の内燃機関が提供される。
【0026】請求項11に記載の内燃機関では、ウエイ
ストゲートバルブと還元触媒とを連通する連通路がバイ
パス通路とされる。そのため、ウエイストゲートバルブ
と還元触媒とを連通する連通路とは別個にバイパス通路
を設ける場合に比べ、内燃機関全体のコストを削減する
ことができる。
【0027】請求項12に記載の発明によれば、前記還
元剤供給手段を前記バイパス通路に配置した請求項10
に記載の内燃機関が提供される。
【0028】請求項12に記載の内燃機関では、還元剤
供給手段がバイパス通路に配置される。そのため、還元
剤供給手段がバイパス通路に配置されず煤反応手段の付
近に配置されてしまう場合に比べ、還元剤供給手段が高
温にさらされてしまうのを回避することができ、還元剤
の分散度を向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。
【0030】図1は本発明を4ストローク圧縮着火式内
燃機関に適用した第一の実施形態を示している。図1を
参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3
はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電
気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9
は排気弁、10は排気ポートを夫々示す。吸気ポート8
は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連
結され、サージタンク12は吸気ダクト13及びインタ
ークーラ14を介して過給機、例えば排気ターボチャー
ジャ15のコンプレッサ16の出口部に連結される。コ
ンプレッサ16の入口部は空気吸込管17を介してエア
クリーナ18に連結され、空気吸込管17内にはステッ
プモータ19により駆動されるスロットル弁20が配置
される。また、スロットル弁20上流の空気吸込管17
内には、吸入空気の質量流量を検出するための質量流量
検出器21が配置される。
【0031】一方、排気ポート10は排気マニホルド2
2を介して排気ターボチャージャ15の排気タービン2
3の入口部に連結され、排気タービン23の出口部は排
気管24を介して酸化機能を有する触媒25を内蔵した
触媒コンバータ26に連結される。排気マニホルド22
内には空燃比センサ27が配置される。排気管24には
例えば尿素由来の還元剤のような還元剤を供給するため
の還元剤供給弁60が配置され、還元剤供給弁60の下
流側には還元触媒61が配置される。つまり、還元剤は
還元触媒61の上流側に添加される。還元触媒61の下
流側には還元触媒61を通過した還元剤を検出するため
の還元剤センサ62が配置される。また、還元触媒61
の上流側には、煤を反応させるためのディーゼルパティ
キュレートリアクタ(DPR)63及び還元触媒61内
に流入する排気ガス温度を検出するための触媒入ガス温
度センサ64が配置される。
【0032】触媒コンバータ26の出口部に連結された
排気管28とスロットル弁20下流の空気吸込管17と
は排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路29を介
して互いに連結され、EGR通路29内にはステップモ
ータ30により駆動されるEGR制御弁31が配置され
る。また、EGR通路29内にはEGR通路29内を流
れるEGRガスを冷却するためのEGRクーラ32が配
置される。図1に示される実施形態では機関冷却水がE
GRクーラ32内に導びかれ、機関冷却水によってEG
Rガスが冷却される。
【0033】一方、燃料噴射弁6は燃料供給管33を介
して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール34に連結さ
れる。このコモンレール34内へは電気制御式の吐出量
可変な燃料ポンプ35から燃料が供給され、コモンレー
ル34内に供給された燃料は各燃料供給管33を介して
燃料噴射弁6に供給される。コモンレール34にはコモ
ンレール34内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ
36が取付けられ、燃料圧センサ36の出力信号に基づ
いてコモンレール34内の燃料圧が目標燃料圧となるよ
うに燃料ポンプ35の吐出量が制御される。
【0034】電子制御ユニット40はデジタルコンピュ
ータからなり、双方向性バス41によって互いに接続さ
れたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ラン
ダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッ
サ)44、入力ポート45及び出力ポート46を具備す
る。質量流量検出器21の出力信号は対応するAD変換
器47を介して入力ポート45に入力され、空燃比セン
サ27の出力信号は対応するAD変換器47を介して入
力ポート45に入力され、燃料圧センサ36の出力信号
は対応するAD変換器(図示せず)を介して入力ポート
45に入力され、還元剤センサ62及び触媒入ガス温度
センサ64の出力信号もそれぞれ対応するAD変換器4
7を介して入力ポート45に入力される。アクセルペダ
ル50にはアクセルペダル50の踏込み量Lに比例した
出力電圧を発生する負荷センサ51が接続され、負荷セ
ンサ51の出力電圧は対応するAD変換器47を介して
入力ポート45に入力される。また、入力ポート45に
はクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パ
ルスを発生するクランク角センサ52が接続される。機
関回転数は入力されたクランク角センサ52からの出力
信号に基づいて算出される。一方、出力ポート46は対
応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、スロットル
弁制御用ステップモータ19、EGR制御弁制御用ステ
ップモータ30、燃料ポンプ35及び還元剤供給弁60
に接続される。
【0035】図2は機関低負荷運転時にスロットル弁2
0の開度及びEGR率を変化させることにより空燃比A
/F(図2の横軸)を変化させたときの出力トルクの変
化、及びスモーク、HC,CO,NOxの排出量の変化
を示す実験例を表している。図2からわかるようにこの
実験例では空燃比A/Fが小さくなるほどEGR率が大
きくなり、理論空燃比(≒14.6)以下のときにはE
GR率は65パーセント以上となっている。図2に示さ
れるようにEGR率を増大することにより空燃比A/F
を小さくしていくとEGR率が40パーセント付近とな
り空燃比A/Fが30程度になったときにスモークの発
生量が増大を開始する。次いで、更にEGR率を高め、
空燃比A/Fを小さくするとスモークの発生量が急激に
増大してピークに達する。次いで更にEGR率を高め、
空燃比A/Fを小さくすると今度はスモークが急激に低
下し、EGR率を65パーセント以上とし、空燃比A/
Fが15.0付近になるとスモークがほぼ零となる。即
ち、煤がほとんど発生しなくなる。このとき機関の出力
トルクは若干低下し、またNOxの発生量がかなり低く
なる。一方、このときHC,COの発生量は増大し始め
る。
【0036】図3(A)は空燃比A/Fが21付近でス
モークの発生量が最も多いときの燃焼室5内の燃焼圧変
化を示しており、図3(B)は空燃比A/Fが18付近
でスモークの発生量がほぼ零のときの燃焼室5内の燃焼
圧の変化を示している。図3(A)と図3(B)とを比
較すればわかるようにスモークの発生量がほぼ零である
図3(B)に示す場合はスモークの発生量が多い図3
(A)に示す場合に比べて燃焼圧が低いことがわかる。
尚、図示しないが図3と同様の実験結果から、煤の発生
量がピークとなるEGRガスの量よりも燃焼室5内に供
給されるEGRガスの量が多く煤がほとんど発生しない
第1の燃焼(低温燃焼)時の燃焼圧の極大値(ピーク)
は、煤の発生量がピークとなるEGRガスの量よりも燃
焼室5内に供給されるEGRガスの量が少ない第2の燃
焼(従来の燃焼方法による燃焼)時の燃焼圧の極大値
(ピーク)よりも低いことが判っている。そのことか
ら、第1の燃焼時の爆発に伴う機関回転むらは第2の燃
焼時の爆発に伴う機関回転むらよりも小さいと言える。
【0037】図2及び図3に示される実験結果から次の
ことが言える。即ち、まず第1に空燃比A/Fが15.
0以下でスモークの発生量がほぼ零のときには図2に示
されるようにNOxの発生量がかなり低下する。NOx
の発生量が低下したということは燃焼室5内の燃焼温度
が低下していることを意味しており、従って煤がほとん
ど発生しないときには燃焼室5内の燃焼温度が低くなっ
ていると言える。同じことが図3からも言える。即ち、
煤がほとんど発生していない図3(B)に示す状態では
燃焼圧が低くなっており、従ってこのとき燃焼室5内の
燃焼温度は低くなっていることになる。
【0038】第2にスモークの発生量、即ち煤の発生量
がほぼ零になると図2に示されるようにHC及びCOの
排出量が増大する。このことは炭化水素が煤まで成長せ
ずに排出されることを意味している。即ち、燃料中に含
まれる図4に示されるような直鎖状炭化水素や芳香族炭
化水素は酸素不足の状態で温度上昇せしめられると熱分
解して煤の前駆体が形成され、次いで主に炭素原子が集
合した固体からなる煤が生成される。この場合、実際の
煤の生成過程は複雑であり、煤の前駆体がどのような形
態をとるかは明確ではないがいずれにしても図4に示さ
れるような炭化水素は煤の前駆体を経て煤まで成長する
ことになる。従って、上述したように煤の発生量がほぼ
零になると図2に示される如くHC及びCOの排出量が
増大するがこのときのHCは煤の前駆体又はその前の状
態の炭化水素である。
【0039】図2及び図3に示される実験結果に基づく
これらの考察をまとめると燃焼室5内の燃焼温度が低い
ときには煤の発生量がほぼ零になり、このとき煤の前駆
体又はその前の状態の炭化水素が燃焼室5から排出され
ることになる。このことについて更に詳細に実験研究を
重ねた結果、燃焼室5内における燃料及びその周囲のガ
ス温度が或る温度以下である場合には煤の成長過程が途
中で停止してしまい、即ち煤が全く発生せず、燃焼室5
内における燃料及びその周囲の温度が或る温度以上にな
ると煤が生成されることが判明したのである。
【0040】ところで煤の前駆体の状態で炭化水素の生
成過程が停止するときの燃料及びその周囲の温度、即ち
上述の或る温度は燃料の種類や空燃比の圧縮比等の種々
の要因によって変化するので何度であるかということは
言えないがこの或る温度はNOxの発生量と深い関係を
有しており、従ってこの或る温度はNOxの発生量から
或る程度規定することができる。即ち、EGR率が増大
するほど燃焼時の燃料及びその周囲のガス温度は低下
し、NOxの発生量が低下する。このときNOxの発生
量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったときに煤がほ
とんど発生しなくなる。従って上述の或る温度はNOx
の発生量が10p.p.m 前後又はそれ以下になったときの
温度にほぼ一致する。一旦、煤が生成されるとこの煤は
酸化機能を有する触媒を用いた後処理でもって浄化する
ことはできない。これに対して煤の前駆体又はその前の
状態の炭化水素は酸化機能を有する触媒を用いた後処理
でもって容易に浄化することができる。このように酸化
機能を有する触媒による後処理を考えると炭化水素を煤
の前駆体又はその前の状態で燃焼室5から排出させる
か、或いは煤の形で燃焼室5から排出させるかについて
は極めて大きな差がある。本発明において採用されてい
る新たな燃焼システムは燃焼室5内において煤を生成さ
せることなく炭化水素を煤の前駆体又はその前の状態の
形でもって燃焼室5から排出させ、この炭化水素を酸化
機能を有する触媒により酸化せしめることを核としてい
る。
【0041】さて、煤が生成される前の状態で炭化水素
の成長を停止させるには燃焼室5内における燃焼時の燃
料及びその周囲のガス温度を煤が生成される温度よりも
低い温度に抑制する必要がある。この場合、燃料及びそ
の周囲のガス温度を抑制するには燃料が燃焼した際の燃
料周りのガスの吸熱作用が極めて大きく影響することが
判明している。即ち、燃料周りに空気しか存在しないと
蒸発した燃料はただちに空気中の酸素と反応して燃焼す
る。この場合、燃料から離れている空気の温度はさほど
上昇せず、燃料周りの温度のみが局所的に極めて高くな
る。即ち、このときには燃料から離れている空気は燃料
の燃焼熱の吸熱作用をほとんど行わない。この場合には
燃焼温度が局所的に極めて高くなるために、この燃焼熱
を受けた未燃炭化水素は煤を生成することになる。
【0042】一方、多量の不活性ガスと少量の空気の混
合ガス中に燃料が存在する場合には若干状況が異なる。
この場合には蒸発燃料は周囲に拡散して不活性ガス中に
混在する酸素と反応し、燃焼することになる。この場合
には燃焼熱は周りの不活性ガスに吸収されるために燃焼
温度はさほど上昇しなくなる。即ち、燃焼温度を低く抑
えることができることになる。即ち、燃焼温度を抑制す
るには不活性ガスの存在が重要な役割を果しており、不
活性ガスの吸熱作用によって燃焼温度を低く抑えること
ができることになる。この場合、燃料及びその周囲のガ
ス温度を煤が生成される温度よりも低い温度に抑制する
にはそうするのに十分な熱量を吸収しうるだけの不活性
ガス量が必要となる。従って燃料量が増大すれば必要と
なる不活性ガス量はそれに伴なって増大することにな
る。なお、この場合、不活性ガスの比熱が大きいほど吸
熱作用が強力となり、従って不活性ガスは比熱の大きな
ガスが好ましいことになる。この点、CO2 やEGRガ
スは比較的比熱が大きいので不活性ガスとしてEGRガ
スを用いることは好ましいと言える。
【0043】図5は不活性ガスとしてEGRガスを用
い、EGRガスの冷却度合を変えたときのEGR率とス
モークとの関係を示している。即ち、図5において曲線
AはEGRガスを強力に冷却してEGRガス温をほぼ9
0℃に維持した場合を示しており、曲線Bは小型の冷却
装置でEGRガスを冷却した場合を示しており、曲線C
はEGRガスを強制的に冷却していない場合を示してい
る。図5の曲線Aで示されるようにEGRガスを強力に
冷却した場合にはEGR率が50パーセントよりも少し
低いところで煤の発生量がピークとなり、この場合には
EGR率をほぼ55パーセント以上にすれば煤がほとん
ど発生しなくなる。
【0044】一方、図5の曲線Bで示されるようにEG
Rガスを少し冷却した場合にはEGR率が50パーセン
トよりも少し高いところで煤の発生量がピークとなり、
この場合にはEGR率をほぼ65パーセント以上にすれ
ば煤がほとんど発生しなくなる。また、図5の曲線Cで
示されるようにEGRガスを強制的に冷却していない場
合にはEGR率が55パーセントの付近で煤の発生量が
ピークとなり、この場合にはEGR率をほぼ70パーセ
ント以上にすれば煤がほとんど発生しなくなる。なお、
図5は機関負荷が比較的高いときのスモークの発生量を
示しており、機関負荷が小さくなると煤の発生量がピー
クとなるEGR率は若干低下し、煤がほとんど発生しな
くなるEGR率の下限も若干低下する。このように煤が
ほとんど発生しなくなるEGR率の下限はEGRガスの
冷却度合や機関負荷に応じて変化する。
【0045】図6は不活性ガスとしてEGRガスを用い
た場合において燃焼時の燃料及びその周囲のガス温度を
煤が生成される温度よりも低い温度にするために必要な
EGRガスと空気の混合ガス量、及びこの混合ガス量中
の空気の割合、及びこの混合ガス中のEGRガスの割合
を示している。なお、図6において縦軸は燃焼室5内に
吸入される全吸入ガス量を示しており、鎖線Yは過給が
行われないときに燃焼室5内に吸入しうる全吸入ガス量
を示している。また、横軸は要求負荷を示している。
【0046】図6を参照すると空気の割合、即ち混合ガ
ス中の空気量は噴射された燃料を完全に燃焼せしめるの
に必要な空気量を示している。即ち、図6に示される場
合では空気量と噴射燃料量との比は理論空燃比となって
いる。一方、図6においてEGRガスの割合、即ち混合
ガス中のEGRガス量は噴射燃料が燃焼せしめられたと
きに燃料及びその周囲のガス温度を煤が形成される温度
よりも低い温度にするのに必要最低限のEGRガス量を
示している。このEGRガス量はEGR率で表すとほぼ
55パーセント以上であり、図6に示す実施形態では7
0パーセント以上である。即ち、燃焼室5内に吸入され
た全吸入ガス量を図6において実線Xとし、この全吸入
ガス量Xのうちの空気量とEGRガス量との割合を図6
に示すような割合にすると燃料及びその周囲のガス温度
は煤が生成される温度よりも低い温度となり、斯くして
煤が全く発生しなくなる。また、このときのNOx発生
量は10p.p.m 前後、又はそれ以下であり、従ってNO
xの発生量は極めて少量となる。
【0047】燃料噴射量が増大すれば燃料が燃焼した際
の発熱量が増大するので燃料及びその周囲のガス温度を
煤が生成される温度よりも低い温度に維持するためには
EGRガスによる熱の吸収量を増大しなければならな
い。従って図6に示されるようにEGRガス量は噴射燃
料量が増大するにつれて増大せしめなければならない。
即ち、EGRガス量は要求負荷が高くなるにつれて増大
する必要がある。
【0048】ところで過給が行われていない場合には燃
焼室5内に吸入される全吸入ガス量Xの上限はYであ
り、従って図6において要求負荷がLo よりも大きい領
域では要求負荷が大きくなるにつれてEGRガス割合を
低下させない限り空燃比を理論空燃比に維持することが
できない。云い換えると過給が行われていない場合に要
求負荷がLo よりも大きい領域において空燃比を理論空
燃比に維持しようとした場合には要求負荷が高くなるに
つれてEGR率が低下し、斯くして要求負荷がLo より
も大きい領域では燃料及びその周囲のガス温度を煤が生
成される温度よりも低い温度に維持しえなくなる。
【0049】ところが図1に示されるようにEGR通路
29を介して過給機の入口側即ち排気ターボチャージャ
15の空気吸込管17内にEGRガスを再循環させると
要求負荷がLo よりも大きい領域においてEGR率を5
5パーセント以上、例えば70パーセントに維持するこ
とができ、斯くして燃料及びその周囲のガス温度を煤が
生成される温度よりも低い温度に維持することができ
る。即ち、空気吸込管17内におけるEGR率が例えば
70パーセントになるようにEGRガスを再循環させれ
ば排気ターボチャージャ15のコンプレッサ16により
昇圧された吸入ガスのEGR率も70パーセントとな
り、斯くしてコンプレッサ16により昇圧しうる限度ま
で燃料及びその周囲のガス温度を煤が生成される温度よ
りも低い温度に維持することができる。従って、低温燃
焼を生じさせることのできる機関の運転領域を拡大する
ことができることになる。要求負荷がLo よりも大きい
領域でEGR率を55パーセント以上にする際にはEG
R制御弁31が全開せしめられる、スロットル弁20が
若干閉弁せしめられる。
【0050】前述したように図6は燃料を理論空燃比の
もとで燃焼させる場合を示しているが空気量を図6に示
される空気量よりも少くしても、即ち空燃比をリッチに
しても煤の発生を阻止しつつNOxの発生量を10p.p.
m 前後又はそれ以下にすることができ、また空気量を図
6に示される空気量よりも多くしても、即ち空燃比の平
均値を17から18のリーンにしても煤の発生を阻止し
つつNOxの発生量を10p.p.m 前後又はそれ以下にす
ることができる。
【0051】即ち、空燃比がリッチにされると燃料が過
剰となるが燃焼温度が低い温度に抑制されているために
過剰な燃料は煤まで成長せず、斯くして煤が生成される
ことがない。また、このときNOxも極めて少量しか発
生しない。一方、平均空燃比がリーンのとき、或いは空
燃比が理論空燃比のときでも燃焼温度が高くなれば少量
の煤が生成されるが本発明では燃焼温度が低い温度に抑
制されているので煤は全く生成されない。更に、NOx
も極めて少量しか発生しない。
【0052】このように、低温燃焼が行われているとき
には空燃比にかかわらずに、即ち空燃比がリッチであろ
うと、理論空燃比であろうと、或いは平均空燃比がリー
ンであろうと煤が発生されず、NOxの発生量が極めて
少量となる。従って燃料消費率の向上を考えるとこのと
き平均空燃比をリーンにすることが好ましいと言える。
【0053】ところで燃焼室内における燃焼時の燃料及
びその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止す
る温度以下に抑制しうるのは燃焼による発熱量が比較的
少ない機関中低負荷運転時に限られる。従って本発明に
よる実施形態では機関中低負荷運転時には燃焼時の燃料
及びその周囲のガス温度を炭化水素の成長が途中で停止
する温度以下に抑制して第1の燃焼、即ち低温燃焼を行
い得るようにし、機関高負荷運転時には第2の燃焼、即
ち従来より普通に行われている燃焼を行うようにしてい
る。但し、機関中低負荷運転時であっても、機関運転状
態によっては第2の燃焼が行われる。なお、ここで第1
の燃焼、即ち低温燃焼とはこれまでの説明から明らかな
ように煤の発生量がピークとなる不活性ガス量よりも燃
焼室内の不活性ガス量が多く煤がほとんど発生しない燃
焼のことを言い、第2の燃焼、即ち従来より普通に行わ
れている燃焼とは煤の発生量がピークとなる不活性ガス
量よりも燃焼室内の不活性ガス量が少い燃焼のことを言
う。
【0054】図7は第1の燃焼、即ち低温燃焼が行われ
得る第1の運転領域Iと、第2の燃焼、即ち従来の燃焼
方法による燃焼が行われる第2の運転領域IIとを示して
いる。なお、図7において縦軸Lはアクセルペダル50
の踏込み量、即ち要求負荷を示しており、横軸Nは機関
回転数を示している。また、図7においてX(N)は第
1の運転領域Iと第2の運転領域IIとの第1の境界を示
しており、Y(N)は第1の運転領域Iと第2の運転領
域IIとの第2の境界を示している。第1の運転領域Iか
ら第2の運転領域IIへの運転領域の変化判断は第1の境
界X(N)に基づいて行われ、第2の運転領域IIから第
1の運転領域Iへの運転領域の変化判断は第2の境界Y
(N)に基づいて行われる。
【0055】即ち、機関の運転状態が第1の運転領域I
にあって低温燃焼が行われているときに要求負荷Lが機
関回転数Nの関数である第1の境界X(N)を越えると
運転領域が第2の運転領域IIに移ったと判断され、従来
の燃焼方法による燃焼が行われる。次いで要求負荷Lが
機関回転数Nの関数である第2の境界Y(N)よりも低
くなると運転領域が第1の運転領域Iに移ったと判断さ
れ、再び低温燃焼が行われ得る。
【0056】このように第1の境界X(N)と第1の境
界X(N)よりも低負荷側の第2の境界Y(N)との二
つの境界を設けたのは次の二つの理由による。第1の理
由は、第2の運転領域IIの高負荷側では比較的燃焼温度
が高く、このとき要求負荷Lが第1の境界X(N)より
低くなったとしてもただちに低温燃焼を行えないからで
ある。即ち、要求負荷Lがかなり低くなったとき、即ち
第2の境界Y(N)よりも低くなったときでなければた
だちに低温燃焼が開始されないからである。第2の理由
は第1の運転領域Iと第2の運転領域II間の運転領域の
変化に対してヒステリシスを設けるためである。
【0057】ところで機関の運転領域が第1の運転領域
Iにあって低温燃焼が行われているときには煤はほとん
ど発生せず、その代り未燃炭化水素が煤の前駆体又はそ
の前の状態の形でもって燃焼室5から排出される。この
とき燃焼室5から排出された未燃炭化水素は酸化機能を
有する触媒25により良好に酸化せしめられる。触媒2
5としては酸化触媒を用いることができる。
【0058】図8は空燃比センサ27の出力を示してい
る。図8に示されるように空燃比センサ27の出力電流
Iは空燃比A/Fに応じて変化する。従って空燃比セン
サ27の出力電流Iから空燃比を知ることができる。
【0059】次に図9を参照しつつ第1の運転領域I及
び第2の運転領域IIにおける運転制御について概略的に
説明する。図9は要求負荷Lに対するスロットル弁20
の開度、EGR制御弁31の開度、EGR率、空燃比、
噴射時期及び噴射量を示している。図9に示されるよう
に要求負荷Lの低い第1の運転領域Iではスロットル弁
20の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて全閉近くか
ら2/3開度程度まで徐々に増大せしめられ、EGR制
御弁31の開度は要求負荷Lが高くなるにつれて全閉近
くから全開まで徐々に増大せしめられる。また、図9に
示される例では第1の運転領域IではEGR率がほぼ7
0パーセントとされており、空燃比はわずかばかりリー
ンなリーン空燃比とされている。
【0060】言い換えると第1の運転領域IではEGR
率がほぼ70パーセントとなり、空燃比がわずかばかり
リーンなリーン空燃比となるようにスロットル弁20の
開度及びEGR制御弁31の開度が制御される。また、
第1の運転領域Iでは圧縮上死点TDC前に燃料噴射が
行われる。この場合、噴射開始時期θSは要求負荷Lが
高くなるにつれて遅くなり、噴射完了時期θEも噴射開
始時期θSが遅くなるにつれて遅くなる。
【0061】なお、アイドル運転時にはスロットル弁2
0は全閉近くまで閉弁され、このときEGR制御弁31
も全閉近くまで閉弁せしめられる。スロットル弁20を
全閉近くまで閉弁すると圧縮始めの燃焼室5内の圧力が
低くなるために圧縮圧力が小さくなる。圧縮圧力が小さ
くなるとピストン4による圧縮仕事が小さくなるために
機関本体1の振動が小さくなる。即ち、圧縮圧力を小さ
くすることにより機関本体1の振動を小さくするため
に、アイドル運転時にはスロットル弁20が全閉近くま
で閉弁せしめられる。一方、機関低回転時の回転は機関
高回転時の回転よりも爆発に伴う回転むらが大きいため
に回転数を低下させると機関本体1の振動の問題が大き
くなるという背景もある。そのため、アイドル運転時の
目標回転数は、圧縮圧力に伴う振動と機関回転むらに伴
う振動とを考慮して設定されている。
【0062】一方、機関の運転領域が第1の運転領域I
から第2の運転領域IIに変わるとスロットル弁20の開
度が2/3開度程度から全開方向へステップ状に増大せ
しめられる。このとき図9に示す例ではEGR率がほぼ
70パーセントから40パーセント以下までステップ状
に減少せしめられ、空燃比がステップ状に大きくされ
る。即ち、EGR率が多量のスモークを発生するEGR
率範囲(図5)を飛び越えるので機関の運転領域が第1
の運転領域Iから第2の運転領域IIに変わるときに多量
のスモークが発生することがない。
【0063】第2の運転領域IIでは従来から行われてい
る燃焼が行われる。この第2の運転領域IIではスロット
ル弁20は一部を除いて全開状態に保持され、EGR制
御弁31の開度は要求負荷Lが高くなると次第に小さく
される。また、この運転領域IIではEGR率は要求負荷
Lが高くなるほど低くなり、空燃比は要求負荷Lが高く
なるほど小さくなる。ただし、空燃比は要求負荷Lが高
くなってもリーン空燃比とされる。また、第2の運転領
域IIでは噴射開始時期θSは圧縮上死点TDC付近とさ
れる。
【0064】図10(A)は第1の運転領域Iにおける
目標空燃比A/Fを示している。図10(A)におい
て、A/F=15.5,A/F=16,A/F=17,
A/F=18で示される各曲線は夫々目標空燃比が1
5.5,16,17,18であるときを示しており、各
曲線間の空燃比は比例配分により定められる。図10
(A)に示されるように第1の運転領域Iでは空燃比が
リーンとなっており、更に第1の運転領域Iでは要求負
荷Lが低くなるほど目標空燃比A/Fがリーンとされ
る。
【0065】即ち、要求負荷Lが低くなるほど燃焼によ
る発熱量が少くなる。従って要求負荷Lが低くなるほど
EGR率を低下させても低温燃焼を行うことができる。
EGR率を低下させると空燃比は大きくなり、従って図
10(A)に示されるように要求負荷Lが低くなるにつ
れて目標空燃比A/Fが大きくされる。目標空燃比A/
Fが大きくなるほど燃料消費率は向上し、従ってできる
限り空燃比をリーンにするために本発明による実施形態
では要求負荷Lが低くなるにつれて目標空燃比A/Fが
大きくされる。
【0066】なお、図10(A)に示される目標空燃比
A/Fは図10(B)に示されるように要求負荷L及び
機関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42
内に記憶されている。また、空燃比を図10(A)に示
す目標空燃比A/Fとするのに必要なスロットル弁20
の目標開度STが図11(A)に示されるように要求負
荷L及び機関回転数Nの関数としてマップの形で予めR
OM42内に記憶されており、空燃比を図10(A)に
示す目標空燃比A/Fとするのに必要なEGR制御弁3
1の目標開度SEが図11(B)に示されるように要求
負荷L及び機関回転数Nの関数としてマップの形で予め
ROM42内に記憶されている。
【0067】図12(A)は第2の燃焼、即ち従来の燃
焼方法による普通の燃焼が行われるときの目標空燃比A
/Fを示している。なお、図12(A)においてA/F
=24,A/F=35,A/F=45,A/F=60で
示される各曲線は夫々目標空燃比24,35,45,6
0を示している。図12(A)に示される目標空燃比A
/Fは図12(B)に示されるように要求負荷L及び機
関回転数Nの関数としてマップの形で予めROM42内
に記憶されている。また、空燃比を図12(A)に示す
目標空燃比A/Fとするのに必要なスロットル弁20の
目標開度STが図13(A)に示されるように要求負荷
L及び機関回転数Nの関数としてマップの形で予めRO
M42内に記憶されており、空燃比を図12(A)に示
す目標空燃比A/Fとするのに必要なEGR制御弁31
の目標開度SEが図13(B)に示されるように要求負
荷L及び機関回転数Nの関数としてマップの形で予めR
OM42内に記憶されている。
【0068】また、第2の燃焼が行われているときには
燃料噴射量Qは要求負荷L及び機関回転数Nに基づいて
算出される。この燃料噴射量Qは図14に示されるよう
に要求負荷L及び機関回転数Nの関数としてマップの形
で予めROM42内に記憶されている。
【0069】次に図15及び図16を参照しつつ本実施
形態の運転制御について説明する。図15及び図16を
参照すると、まず初めにステップ100において機関の
運転状態が第1の運転領域Iであることを示すフラグI
がセットされているか否かが判別される。フラグIがセ
ットされているとき、即ち機関の運転状態が第1の運転
領域Iであるときにはステップ101に進んで要求負荷
Lが第1の境界X(N)よりも大きくなったか否かが判
別される。L≦X(N)のときにはステップ105に進
み、第1の燃焼(低温燃焼)が行われる。一方、ステッ
プ101においてL>X(N)になったと判別されたと
きにはステップ102に進んでフラグIがリセットさ
れ、次いでステップ111に進み、第2の燃焼(通常燃
焼、つまり、従来の燃焼方法による燃焼)が行われる。
【0070】ステップ100において、フラグIがセッ
トされていないとき、即ち機関の運転状態が第2の運転
領域IIにあるときにはステップ103に進んで要求負荷
Lが第2の境界Y(N)よりも低くなったか否かが判別
される。L≧Y(N)のときにはステップ111に進
み、第2の燃焼が行われる。一方、ステップ103にお
いてL<Y(N)になったと判別されたときにはステッ
プ104に進んでフラグIがセットされ、次いでステッ
プ105に進み、第1の燃焼が行われる。
【0071】ステップ105では図11(A)に示すマ
ップからスロットル弁20の目標開度STが算出され、
スロットル弁20の開度がこの目標開度STとされる。
次いでステップ106では図11(B)に示すマップか
らEGR制御弁31の目標開度SEが算出され、EGR
制御弁31の開度がこの目標開度SEとされる。次いで
ステップ107では質量流量検出器21により検出され
た吸入空気の質量流量(以下、単に吸入空気量と称す)
Gaが取込まれ、次いでステップ108では図10
(B)に示すマップから目標空燃比A/Fが算出され
る。次いでステップ109では吸入空気量Gaと目標空
燃比A/Fに基づいて空燃比を目標空燃比A/Fとする
のに必要な燃料噴射量Qが算出される。
【0072】このように低温燃焼が行われているときに
は要求負荷L又は機関回転数Nが変化するとスロットル
弁20の開度およびEGR制御弁31の開度がただちに
要求負荷Lおよび機関回転数Nに応じた目標開度ST,
SEに一致せしめられる。従って例えば要求負荷Lが増
大せしめられるとただちに燃焼室5内の空気量が増大せ
しめられ、斯くして機関の発生トルクがただちに増大せ
しめられる。一方、スロットル弁20の開度又はEGR
制御弁31の開度が変化して吸入空気量が変化するとこ
の吸入空気量Gaの変化が質量流量検出器21により検
出され、この検出された吸入空気量Gaに基づいて燃料
噴射量Qが制御される。即ち、吸入空気量Gaが実際に
変化した後に燃料噴射量Qが変化せしめられることにな
る。
【0073】次いでステップ109において、低温燃焼
の下では還元機能を有するHCが余っているため、還元
剤供給弁60から還元剤が供給されるのが中止される。
【0074】一方、ステップ111では図14に示され
るマップから目標燃料噴射量Qが算出され、燃料噴射量
がこの目標燃料噴射量Qとされる。次いでステップ11
2では図13(A)に示すマップからスロットル弁20
の目標開度STが算出される。次いでステップ113で
は図13(B)に示すマップからEGR制御弁31の目
標開度SEが算出され、EGR制御弁31の開度がこの
目標開度SEとされる。次いでステップ114では質量
流量検出器21により検出された吸入空気量Gaが取込
まれる。
【0075】次いでステップ115では燃料噴射量Qと
吸入空気量Gaから実際の空燃比(A/F)R が算出さ
れる。次いでステップ116では図12(B)に示すマ
ップから目標空燃比A/Fが算出される。次いでステッ
プ117では実際の空燃比(A/F)R が目標空燃比A
/Fよりも大きいか否かが判別される。(A/F)R
A/Fのときにはステップ118に進んでスロットル開
度の補正値ΔSTが一定値αだけ減少せしめられ、次い
でステップ120へ進む。これに対して(A/F)R
A/Fのときにはステップ119に進んで補正値ΔST
が一定値αだけ増大せしめられ、次いでステップ120
に進む。ステップ120ではスロットル弁20の目標開
度STに補正値ΔSTを加算することにより最終的な目
標開度STが算出され、スロットル弁20の開度がこの
最終的な目標開度STとされる。即ち、実際の空燃比
(A/F)R が目標空燃比A/Fとなるようにスロット
ル弁20の開度が制御される。
【0076】このように第2の燃焼が行われているとき
には要求負荷L又は機関回転数Nが変化すると燃料噴射
量がただちに要求負荷Lおよび機関回転数Nに応じた目
標燃料噴射量Qに一致せしめられる。例えば要求負荷L
が増大せしめられるとただちに燃料噴射量が増大せしめ
られ、斯くして機関の発生トルクがただちに増大せしめ
られる。一方、燃料噴射量Qが増大せしめられて空燃比
が目標空燃比A/Fからずれると空燃比が目標空燃比A
/Fとなるようにスロットル弁20の開度が制御され
る。即ち、燃料噴射量Qが変化した後に空燃比が変化せ
しめられることになる。
【0077】これまで述べた実施形態では低温燃焼が行
われているときに燃料噴射量Qはオープンループ制御さ
れ、第2の燃焼が行われているときに空燃比がスロット
ル弁20の開度を変化させることによって制御される。
しかしながら低温燃焼が行われているときに燃料噴射量
Qを空燃比センサ27の出力信号に基づいてフィードバ
ック制御することもできるし、また第2の燃焼が行われ
ているときに空燃比をEGR制御弁31の開度を変化さ
せることによって制御することもできる。
【0078】本実施形態の説明に戻り、次いでステップ
121において、空燃比が比較的リーンに維持される低
温燃焼の下ではHCが余っていないため、NOxを還元
すべく還元剤供給弁60からの還元剤の供給が開始され
る。次いでステップ122では、還元剤センサ62によ
り検出された還元剤濃度Rが読み込まれる。次いでステ
ップ123では還元剤濃度Rが閾値R1より高いか否か
が判断される。NOのとき、つまり、還元剤供給弁60
から供給された還元剤がNOxの還元のためにすべて使
用され、還元剤供給量SRが不足していると判断された
ときには、ステップ124において還元剤供給量SRが
増加せしめられる(SR←SR+ΔSR)。一方、YE
Sのとき、つまり、NOxの還元に必要とされる以上に
還元剤供給弁60から還元剤が供給され、還元剤供給量
SRが過剰であると判断されたときには、ステップ12
5において還元剤供給量SRが減少せしめられる(SR
←SR−ΔSR)。
【0079】本実施形態によれば、排気管24に還元剤
供給弁60が設けられ、第2の燃焼が行われるときにス
テップ121において還元剤が供給され、必要に応じて
ステップ124にて還元剤供給量SRが増加せしめられ
る。そのため、第2の燃焼時に還元剤が不足してNOx
が十分に還元されなくなってしまうのを阻止することが
できる。更に、第1の燃焼が行われるときにステップ1
10において還元剤の供給が中止される。そのため、還
元機能を有するHCが余っている第1の燃焼時に還元剤
が無駄に供給されるのを阻止することができる。つま
り、第1の燃焼と第2の燃焼とを切り換えて行い得る内
燃機関において、第1の燃焼時に還元剤が無駄に供給さ
れるのと、第2の燃焼時に還元剤が不足してNOxが十
分に還元されなくなってしまうのとを同時に阻止するこ
とができる。
【0080】更に本実施形態によれば、還元剤供給弁6
0により還元剤が排気管24内の還元触媒61の上流側
に添加される。つまり、機関本体1に近く、排気ガス温
度が比較的高い側である排気管24の上流側に還元剤が
添加される。そのため、還元触媒の暖機を促進し、還元
機能を高めることができる。
【0081】また本実施形態によれば、還元触媒61の
下流側に還元剤センサ62が配置されるため、ステップ
123において還元剤が過剰に供給されているか否かを
判断することができる。更に、ステップ124及びステ
ップ125において還元剤センサ62の出力値に基づき
還元剤供給量SRが調節されるため、還元剤が必要以上
に供給されてしまうのを阻止することができる。
【0082】また本実施形態によれば、煤を反応させる
ためのDPR63が還元触媒61の上流側、つまり、排
気ガス温度が比較的高い側である排気管24の上流側に
配置される。そのため、煤の温度が低下してしまった場
合に比べ、煤を容易に燃焼させ、煤が排気管28から外
に排出されてしまうのを阻止することができる。
【0083】以下、本発明の内燃機関の第二の実施形態
について説明する。図17は本発明の内燃機関の第二の
実施形態の概略構成図である。図17に示すように、本
実施形態の構成は図1に示した第一の実施形態のものと
ほぼ同様であるが、還元剤供給弁60、還元触媒61及
びDPR63が排気タービン23の下流側に配置され、
排気タービン23の上流側の排気管24内にスタートキ
ャット(StartCatalyst)65が配置され
ている点で第一の実施形態のものと異なる。スタートキ
ャット65は、機関始動直後の冷間時に排気ガス中の有
害ガスをいち速く清浄化する役目を果たす。本実施形態
によっても、第一の実施形態とほぼ同様の効果を奏する
ことができる。
【0084】以下、本発明の内燃機関の第三の実施形態
について説明する。図18は本発明の内燃機関の第三の
実施形態の概略構成図である。図18に示すように、本
実施形態の構成は図1に示した第一の実施形態のものと
ほぼ同様であるが、還元剤供給弁60、還元触媒61及
びDPR63が排気タービン23の下流側に配置され、
DPR63の上流側に加熱装置66が配置され、排気タ
ービン23の上流側の排気管24内に加熱装置67が配
置され、還元触媒61の下流側に加熱装置68が配置さ
れている点で第一の実施形態のものと異なる。本実施形
態によっても、第一の実施形態とほぼ同様の効果を奏す
ることができる。
【0085】更に本実施形態によれば、DPR63の上
流側に煤を加熱するための加熱装置66が配置されるた
め、排気ガスの有する熱だけでは煤の温度を十分に高い
温度に維持できない場合であっても、煤が容易に燃焼で
きるように煤の温度を十分に高い温度に維持することが
できる。また、加熱装置66により硫黄化合物を除去す
ることも可能になる。
【0086】本実施形態では加熱装置66が排気タービ
ン23の下流側の排気管24内に配置されているが、本
実施形態の変形例では、加熱装置66の代わりに排気マ
ニホルド22内に煤を燃焼させるための触媒が配置され
る。つまり、煤を加熱するための触媒が機関本体1のす
ぐ下流側に配置される。そのため、排気ガスの有する熱
だけでは煤の温度を十分に高い温度に維持できない機関
始動直後の冷間時であっても、煤が容易に燃焼できるよ
うに煤の温度を十分に高い温度に維持することができ
る。
【0087】更に本実施形態の変形例では、排気マニホ
ルド22内に配置されたその触媒にNOx吸着剤が担持
されている。そのため、供給される還元剤によりNOx
が還元されることに加え、NOxの浄化を更に補助する
ことができる。また本実施形態の変形例では、還元触媒
61にHC吸着剤が担持されている。そのため、NOx
の還元に使用されたHCが余ったときであっても、その
HCがHC吸着剤により吸着される。その結果、HCが
排気管28から外に排出されてしまうのを阻止すること
ができる。
【0088】本実施形態の説明に戻り、更に本実施形態
によれば、還元触媒61の下流側に加熱装置68が配置
されるため、NOxの還元に使用されたHCが余ったと
きや、還元剤供給弁60から供給された還元剤が余った
ときであっても、そのHCや還元剤が加熱装置68によ
り燃焼される。その結果、HCや還元剤が排気管28か
ら外に排出されてしまうのを阻止することができる。ま
た、加熱装置68により還元触媒61で生成したCOを
浄化することも可能になる。
【0089】以下、本発明の内燃機関の第四の実施形態
について説明する。図19は本発明の内燃機関の第四の
実施形態の概略構成図である。図19に示すように、本
実施形態の構成は図1に示した第一の実施形態のものと
ほぼ同様であるが、還元剤供給弁60、還元触媒61及
びDPR63が排気タービン23の下流側に配置され、
排気タービン23の出口部と還元触媒61とがバイパス
通路69とバルブ70とを介して連通され、還元剤供給
弁60がそのバイパス通路69の途中に配置されている
点で第一の実施形態のものと異なる。本実施形態によっ
ても、第一の実施形態とほぼ同様の効果を奏することが
できる。
【0090】更に本実施形態によれば、還元触媒61を
暖機すべきときに、排気ガスがDPR63に並列に設け
られたバイパス通路69を通過せしめられる。そのた
め、還元触媒61を暖機すべきときに、排気ガスがDP
R63を通過することにより排気ガス温度が低下せしめ
られ、還元触媒61を暖機できなくなってしまうのを回
避することができる。
【0091】更に本実施形態によれば、還元剤供給弁6
0がバイパス通路69の途中に配置される。そのため、
還元剤供給弁60がバイパス通路69に配置されずDP
R63の付近に配置されてしまう場合に比べ、還元剤供
給弁60が高温にさらされてしまうのを回避することが
でき、還元剤の分散度を向上させることができる。
【0092】以下、本発明の内燃機関の第五の実施形態
について説明する。図20は本発明の内燃機関の第五の
実施形態の概略構成図である。図20に示すように、本
実施形態の構成は図1に示した第一の実施形態のものと
ほぼ同様であるが、還元触媒61及びDPR63が排気
タービン23の下流側に配置され、ウエイストゲートバ
ルブ71と還元触媒61とを連通する連通路72の途中
に還元剤供給弁60が配置されている点で第一の実施形
態のものと異なる。本実施形態によっても、第一の実施
形態とほぼ同様の効果を奏することができる。
【0093】更に本実施形態によれば、ウエイストゲー
トバルブ71と還元触媒61とを連通する連通路72が
DPR63をバイパスするバイパス通路とされる。その
ため、ウエイストゲートバルブ71と還元触媒61とを
連通する連通路72とは別個にバイパス通路を設ける場
合に比べ、内燃機関全体のコストを削減することができ
る。
【0094】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、第2の
燃焼時に還元剤が不足してNOxが十分に還元されなく
なってしまうのを阻止することができる。更に、還元機
能を有するHCが余っている第1の燃焼時に還元剤が無
駄に供給されるのを阻止することができる。つまり、第
1の燃焼と第2の燃焼とを切り換えて行い得る内燃機関
において、第1の燃焼時に還元剤が無駄に供給されるの
と、第2の燃焼時に還元剤が不足してNOxが十分に還
元されなくなってしまうのとを同時に阻止することがで
きる。
【0095】請求項2に記載の発明によれば、還元触媒
の暖機を促進し、還元機能を高めることができる。
【0096】請求項3に記載の発明によれば、還元剤が
過剰に供給されているか否かを判断することができる。
更に、還元剤が必要以上に供給されてしまうのを阻止す
ることができる。
【0097】請求項4に記載の発明によれば、煤の温度
が低下してしまった場合に比べ、煤を容易に燃焼させ、
煤が機関排気通路から外に排出されてしまうのを阻止す
ることができる。
【0098】請求項5に記載の発明によれば、排気ガス
の有する熱だけでは煤の温度を十分に高い温度に維持で
きない場合であっても、煤が容易に燃焼できるように煤
の温度を十分に高い温度に維持することができる。
【0099】請求項6に記載の発明によれば、排気ガス
の有する熱だけでは煤の温度を十分に高い温度に維持で
きない機関始動直後の冷間時であっても、煤が容易に燃
焼できるように煤の温度を十分に高い温度に維持するこ
とができる。
【0100】請求項7に記載の発明によれば、供給され
る還元剤によりNOxが還元されることに加え、NOx
の浄化を更に補助することができる。
【0101】請求項8に記載の発明によれば、HCが機
関排気通路から外に排出されてしまうのを阻止すること
ができる。
【0102】請求項9に記載の発明によれば、HCが機
関排気通路から外に排出されてしまうのを阻止すること
ができる。
【0103】請求項10に記載の発明によれば、還元触
媒を暖機すべきときに、排気ガスが煤反応手段を通過す
ることにより排気ガス温度が低下せしめられ、還元触媒
を暖機できなくなってしまうのを回避することができ
る。
【0104】請求項11に記載の発明によれば、ウエイ
ストゲートバルブと還元触媒とを連通する連通路とは別
個にバイパス通路を設ける場合に比べ、内燃機関全体の
コストを削減することができる。
【0105】請求項12に記載の発明によれば、還元剤
供給手段がバイパス通路に配置されず煤反応手段の付近
に配置されてしまう場合に比べ、還元剤供給手段が高温
にさらされてしまうのを回避することができ、還元剤の
分散度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態の圧縮着火式内燃機関の全体図
である。
【図2】スモークおよびNOxの発生量等を示す図であ
る。
【図3】燃焼圧を示す図である。
【図4】燃料分子を示す図である。
【図5】スモークの発生量とEGR率との関係を示す図
である。
【図6】噴射燃料量と混合ガス量との関係を示す図であ
る。
【図7】第1の運転領域Iおよび第2の運転領域IIを示
す図である。
【図8】空燃比センサの出力を示す図である。
【図9】スロットル弁の開度等を示す図である。
【図10】第1の運転領域Iにおける空燃比等を示す図
である。
【図11】スロットル弁等の目標開度のマップを示す図
である。
【図12】第2の燃焼における空燃比等を示す図であ
る。
【図13】スロットル弁等の目標開度のマップを示す図
である。
【図14】燃料噴射量のマップを示す図である。
【図15】第一の実施形態の機関の運転を制御するため
のフローチャートである。
【図16】第一の実施形態の機関の運転を制御するため
のフローチャートである。
【図17】第二の実施形態の圧縮着火式内燃機関の全体
図である。
【図18】第三の実施形態の圧縮着火式内燃機関の全体
図である。
【図19】第四の実施形態の圧縮着火式内燃機関の全体
図である。
【図20】第五の実施形態の圧縮着火式内燃機関の全体
図である。
【符号の説明】
5…燃焼室 6…燃料噴射弁 20…スロットル弁 24…排気管 29…EGR通路 31…EGR制御弁 60…還元剤供給弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 25/07 570 F02M 25/07 570J 570P Fターム(参考) 3G062 AA01 AA03 AA06 BA02 BA04 BA05 BA06 BA08 CA06 DA01 DA02 GA01 GA04 GA06 GA17 3G091 AA02 AA10 AA11 AA18 AA28 AB02 AB05 AB13 BA14 BA15 BA19 CA13 CA16 CB02 CB07 DA01 DA02 DA08 DB10 EA00 EA01 EA03 EA05 EA07 EA31 EA34 FA12 FA13 FA14 FB10 HA09 HA16 HA36 HA37 HB03 HB05 HB06 3G301 HA02 HA04 HA06 HA11 HA13 HA15 JA24 JA25 JA26 KA06 LA03 LB11 MA01 MA11 MA18 NA06 NA07 NA08 NE15 PA01A PA01B PA01Z PA11A PA11B PA11Z PA17A PA17B PA17Z PD02A PD02B PD02Z PE01A PE01B PE01Z PE03A PE03B PE03Z PF03A PF03B PF03Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に供給される不活性ガスの量を
    増大していくと煤の発生量が次第に増大してピークに達
    し、前記燃焼室内に供給される不活性ガスの量を更に増
    大していくと前記燃焼室内における燃焼時の燃料および
    その周囲のガス温が煤の生成温度よりも低くなって煤が
    ほとんど発生しなくなる内燃機関であって、煤の発生量
    がピークとなる不活性ガスの量よりも前記燃焼室内に供
    給される不活性ガスの量が多く煤がほとんど発生しない
    第1の燃焼が機関の低負荷運転領域にて行われ、煤の発
    生量がピークとなる不活性ガスの量よりも前記燃焼室内
    に供給される不活性ガスの量が少ない第2の燃焼が機関
    の高負荷運転領域にて行われる内燃機関において、機関
    排気通路に還元剤供給手段を設け、第2の燃焼が行われ
    るときに還元剤を供給し、第1の燃焼が行われるときに
    還元剤の供給を中止するようにした内燃機関。
  2. 【請求項2】 前記機関排気通路に還元触媒を配置し、
    還元剤が供給されるときに還元剤を前記還元触媒の上流
    側に添加するようにした請求項1に記載の内燃機関。
  3. 【請求項3】 前記還元触媒の下流側に還元剤検出手段
    を配置し、前記還元剤検出手段の出力値に基づき還元剤
    の供給量を調節するようにした請求項2に記載の内燃機
    関。
  4. 【請求項4】 前記還元触媒の上流側に煤反応手段を配
    置した請求項3に記載の内燃機関。
  5. 【請求項5】 前記煤反応手段の上流側に煤加熱手段を
    配置した請求項4に記載の内燃機関。
  6. 【請求項6】 前記煤加熱手段が排気マニホルドに配置
    された触媒である請求項5に記載の内燃機関。
  7. 【請求項7】 前記排気マニホルドに配置された触媒に
    NOx吸着剤が担持されている請求項6に記載の内燃機
    関。
  8. 【請求項8】 前記還元触媒にHC吸着剤が担持されて
    いる請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関。
  9. 【請求項9】 前記還元触媒の下流側に加熱手段を配置
    した請求項1に記載の内燃機関。
  10. 【請求項10】 前記煤反応手段に並列にバイパス通路
    を設け、前記還元触媒を暖機すべきときに、排気ガスが
    前記バイパス通路を通過するようにした請求項4に記載
    の内燃機関。
  11. 【請求項11】 ターボチャージャを具備し、前記バイ
    パス通路が、ウエイストゲートバルブと前記還元触媒と
    を連通する連通路である請求項10に記載の内燃機関。
  12. 【請求項12】 前記還元剤供給手段を前記バイパス通
    路に配置した請求項10に記載の内燃機関。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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