JP2002212109A - 有機ハロゲン化合物の処理方法 - Google Patents
有機ハロゲン化合物の処理方法Info
- Publication number
- JP2002212109A JP2002212109A JP2001010274A JP2001010274A JP2002212109A JP 2002212109 A JP2002212109 A JP 2002212109A JP 2001010274 A JP2001010274 A JP 2001010274A JP 2001010274 A JP2001010274 A JP 2001010274A JP 2002212109 A JP2002212109 A JP 2002212109A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- organic halogen
- halogen compound
- reaction solution
- treating
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、有機ハロゲン化合物及び有機ハロゲ
ン化合物を含む被処理油の脱ハロゲン化処理する際に、
被処理油及び脱ハロゲン化物の分離精製を容易にし、再
利用しやすいものとすることを課題とする。 【解決手段】本発明の手段は、本発明の有機ハロゲン化
合物の処理方法において、有機ハロゲン化合物にアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属を反応させた後、反応液中
に残存する未反応の前記アルカリ金属又はアルカリ土類
金属固形分を反応液より分離する方法による。
ン化合物を含む被処理油の脱ハロゲン化処理する際に、
被処理油及び脱ハロゲン化物の分離精製を容易にし、再
利用しやすいものとすることを課題とする。 【解決手段】本発明の手段は、本発明の有機ハロゲン化
合物の処理方法において、有機ハロゲン化合物にアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属を反応させた後、反応液中
に残存する未反応の前記アルカリ金属又はアルカリ土類
金属固形分を反応液より分離する方法による。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ塩化ビフェニ
ル(以下、PCBと略記する)等の有機ハロゲン化合物
の処理方法に関する。
ル(以下、PCBと略記する)等の有機ハロゲン化合物
の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PCB等の有機ハロゲン化合物、又は該
有機ハロゲン化合物によって汚染された油等(以下、被
処理油ともいう)は、図6に示したような処理方法によ
って処理されるのが一般的である。即ち、ナトリウム等
のアルカリ金属又はアルカリ土類金属(以下、アルカリ
金属等という)の粒子を溶媒中に分散させ(以下、分散
体ともいう)、該分散体と被処理油とを混合することに
よって、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属等分散体と
を反応させて有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化処理す
るというものである。
有機ハロゲン化合物によって汚染された油等(以下、被
処理油ともいう)は、図6に示したような処理方法によ
って処理されるのが一般的である。即ち、ナトリウム等
のアルカリ金属又はアルカリ土類金属(以下、アルカリ
金属等という)の粒子を溶媒中に分散させ(以下、分散
体ともいう)、該分散体と被処理油とを混合することに
よって、有機ハロゲン化合物とアルカリ金属等分散体と
を反応させて有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化処理す
るというものである。
【0003】このような有機ハロゲン化合物の処理にお
いては、処理後の有機ハロゲン化合物含有濃度を所定値
以下にまで低下させるため、又はできるだけ処理時間を
短縮させるために、過剰のアルカリ金属等の分散体の存
在下で処理されることが多く、脱ハロゲン化反応が終了
した後に、余剰したアルカリ金属等分散体が残存する状
態となる。このように、反応液中に反応性の高いアルカ
リ土類金属等が残存していると、後処理が困難となるた
め、従来技術によれば、該反応液に水を添加して未反応
のアルカリ土類金属等を水和処理し、さらに酸を添加し
てアルカリ溶液を中和処理することによって安定化させ
た後、油水分離によって回収油と廃水とに分離して処理
している。
いては、処理後の有機ハロゲン化合物含有濃度を所定値
以下にまで低下させるため、又はできるだけ処理時間を
短縮させるために、過剰のアルカリ金属等の分散体の存
在下で処理されることが多く、脱ハロゲン化反応が終了
した後に、余剰したアルカリ金属等分散体が残存する状
態となる。このように、反応液中に反応性の高いアルカ
リ土類金属等が残存していると、後処理が困難となるた
め、従来技術によれば、該反応液に水を添加して未反応
のアルカリ土類金属等を水和処理し、さらに酸を添加し
てアルカリ溶液を中和処理することによって安定化させ
た後、油水分離によって回収油と廃水とに分離して処理
している。
【0004】このようにして得られた回収油は、燃料油
や絶縁油等として再利用することが検討されているが、
これらの用途への使用可否は該回収油の性状および特性
によって決定されるため、劣化させずに回収することが
好ましい。
や絶縁油等として再利用することが検討されているが、
これらの用途への使用可否は該回収油の性状および特性
によって決定されるため、劣化させずに回収することが
好ましい。
【0005】また、回収油を安全に再利用するために
も、有機ハロゲン化合物を可能な限り低濃度となるよう
に脱ハロゲン化処理することが好ましい。
も、有機ハロゲン化合物を可能な限り低濃度となるよう
に脱ハロゲン化処理することが好ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術による処理方法によれば、回収された油
が劣化すること、あるいは種々の副生成物が混在するこ
とがあり、回収油の分離精製が煩雑あるいは困難になる
という問題がある。
ような従来技術による処理方法によれば、回収された油
が劣化すること、あるいは種々の副生成物が混在するこ
とがあり、回収油の分離精製が煩雑あるいは困難になる
という問題がある。
【0007】そこで、本発明は、このような有機ハロゲ
ン化合物及び有機ハロゲン化合物を含む被処理油の脱ハ
ロゲン化処理する際に、被処理油及び脱ハロゲン化物の
分離精製を容易にし、再利用しやすいものとすることを
課題とする。
ン化合物及び有機ハロゲン化合物を含む被処理油の脱ハ
ロゲン化処理する際に、被処理油及び脱ハロゲン化物の
分離精製を容易にし、再利用しやすいものとすることを
課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、脱ハロゲン化処理
後、反応液中に残存する未反応のアルカリ金属等に水を
加えて水和処理する際に、アルカリ金属と水との反応で
発生する水素や水酸化アルカリが、共存する反応液と反
応し、回収油等の品質を悪化させるという知見を得た。
題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、脱ハロゲン化処理
後、反応液中に残存する未反応のアルカリ金属等に水を
加えて水和処理する際に、アルカリ金属と水との反応で
発生する水素や水酸化アルカリが、共存する反応液と反
応し、回収油等の品質を悪化させるという知見を得た。
【0009】そこで、本発明の有機ハロゲン化合物の処
理方法は、有機ハロゲン化合物にアルカリ金属又はアル
カリ土類金属を反応させた後、反応液中の固形分を反応
液より分離することを特徴とするものである。
理方法は、有機ハロゲン化合物にアルカリ金属又はアル
カリ土類金属を反応させた後、反応液中の固形分を反応
液より分離することを特徴とするものである。
【0010】有機ハロゲン化合物にアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属を反応させて脱ハロゲン化処理した後に
は、反応液中に未反応のアルカリ金属等や、あるいはア
ルコラート等の固形分が共存することとなるが、これら
を水和処理する前に分離除去することによって、水和処
理による悪影響を受けることなく油を回収することがで
きる。
ルカリ土類金属を反応させて脱ハロゲン化処理した後に
は、反応液中に未反応のアルカリ金属等や、あるいはア
ルコラート等の固形分が共存することとなるが、これら
を水和処理する前に分離除去することによって、水和処
理による悪影響を受けることなく油を回収することがで
きる。
【0011】例えば、前記有機ハロゲン化合物がPCB
である場合には、脱ハロゲン化処理されることによって
ビフェニル化合物類が生成されるが、前記従来技術によ
れば残存するアルカリ金属等を水和処理する際に該ビフ
ェニル化合物類が水素化されるか、あるいはベンゼン環
が開環されてしまい、ビフェニル化合物類の化学構造が
変化することとなる。しかしながら、本発明に係る有機
ハロゲン化合物の処理方法においては、残存するアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属、又はアルコラート等の固
形分と、ビフェニル化合物類を含有した反応液とを予め
分離した後、各々別に処理するため、反応液はその後の
水和処理による影響を受けることなく、前記ビフェニル
化合物類を変質させずに回収することができる。
である場合には、脱ハロゲン化処理されることによって
ビフェニル化合物類が生成されるが、前記従来技術によ
れば残存するアルカリ金属等を水和処理する際に該ビフ
ェニル化合物類が水素化されるか、あるいはベンゼン環
が開環されてしまい、ビフェニル化合物類の化学構造が
変化することとなる。しかしながら、本発明に係る有機
ハロゲン化合物の処理方法においては、残存するアルカ
リ金属又はアルカリ土類金属、又はアルコラート等の固
形分と、ビフェニル化合物類を含有した反応液とを予め
分離した後、各々別に処理するため、反応液はその後の
水和処理による影響を受けることなく、前記ビフェニル
化合物類を変質させずに回収することができる。
【0012】また、本発明に係る有機ハロゲン化合物の
処理方法は、反応液を遠心濾過して前記固形分を分離す
ることを特徴とするものである。
処理方法は、反応液を遠心濾過して前記固形分を分離す
ることを特徴とするものである。
【0013】前記固形分は非常に細かい微粒子の分散体
として反応液中に存在し、且つ反応液も比較的粘性の高
いものであるため、そのままの状態では分離し難い状態
であるが、これを遠心濾過することによって反応液と固
形分とを効率的に分離することが可能となる。
として反応液中に存在し、且つ反応液も比較的粘性の高
いものであるため、そのままの状態では分離し難い状態
であるが、これを遠心濾過することによって反応液と固
形分とを効率的に分離することが可能となる。
【0014】さらに、本発明に係る有機ハロゲン化合物
の処理方法は、分離された反応液をさらに水で洗浄した
後、油水分離して油を回収することを特徴とする。固形
分を分離除去した後の反応液中には、脱ハロゲン化反応
によって生成した塩類や、その他の不純物が含有されて
いるため、斯かる反応液に水を加えて洗浄した後、油水
分離することによってこれらの不純物を除去でき、清浄
な油を回収することができる。
の処理方法は、分離された反応液をさらに水で洗浄した
後、油水分離して油を回収することを特徴とする。固形
分を分離除去した後の反応液中には、脱ハロゲン化反応
によって生成した塩類や、その他の不純物が含有されて
いるため、斯かる反応液に水を加えて洗浄した後、油水
分離することによってこれらの不純物を除去でき、清浄
な油を回収することができる。
【0015】また、本発明に係る有機ハロゲン化合物の
処理方法は、分離された固形分に水を加えて水和処理す
ることを特徴とするものである。斯かる処理方法によっ
て、固形分中に含まれる未反応のアルカリ金属又はアル
カリ土類金属等を水和分解することができ、後処理を安
全且つ容易なものとすることができる。
処理方法は、分離された固形分に水を加えて水和処理す
ることを特徴とするものである。斯かる処理方法によっ
て、固形分中に含まれる未反応のアルカリ金属又はアル
カリ土類金属等を水和分解することができ、後処理を安
全且つ容易なものとすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に係る有機ハロゲン化合物
の処理方法の一実施形態として、PCBを含有する被処
理油をナトリウム分散体を用いて処理する場合の概略フ
ローシートを図1に示す。以下、該実施形態について詳
細に説明する。
の処理方法の一実施形態として、PCBを含有する被処
理油をナトリウム分散体を用いて処理する場合の概略フ
ローシートを図1に示す。以下、該実施形態について詳
細に説明する。
【0017】まず、PCBを含有した被処理油に、絶縁
油を分散媒とするナトリウム分散体、および必要に応じ
てアルコール等の水素供与体(図示せず)を添加し、脱
ハロゲン化処理する。これによって被処理油中のPCB
はナトリウム分散体と反応して脱塩素化され、ビフェニ
ル化合物類が生成される。また、ナトリウム分散体とP
CB中の塩素が反応することによって塩が生成される。
脱ハロゲン化率を高め、且つ未反応ナトリウムを回収す
ることを考慮すると、前記ナトリウムの添加量は、塩素
に対して2.0〜5.0倍モルとすることが好ましい。
油を分散媒とするナトリウム分散体、および必要に応じ
てアルコール等の水素供与体(図示せず)を添加し、脱
ハロゲン化処理する。これによって被処理油中のPCB
はナトリウム分散体と反応して脱塩素化され、ビフェニ
ル化合物類が生成される。また、ナトリウム分散体とP
CB中の塩素が反応することによって塩が生成される。
脱ハロゲン化率を高め、且つ未反応ナトリウムを回収す
ることを考慮すると、前記ナトリウムの添加量は、塩素
に対して2.0〜5.0倍モルとすることが好ましい。
【0018】このようにして、ナトリウム分散体は脱ハ
ロゲン化反応の促進を考慮して、理論量より多く加えら
れるものであるため、前記脱ハロゲン化処理後には反応
液中に未反応のナトリウム分散体が残存した状態とな
る。また、水素供与体として水又はアルコール等を添加
するが、アルコール等を添加した場合には該アルコール
とナトリウム分散体とが反応してナトリウムアルコラー
トが生成される。
ロゲン化反応の促進を考慮して、理論量より多く加えら
れるものであるため、前記脱ハロゲン化処理後には反応
液中に未反応のナトリウム分散体が残存した状態とな
る。また、水素供与体として水又はアルコール等を添加
するが、アルコール等を添加した場合には該アルコール
とナトリウム分散体とが反応してナトリウムアルコラー
トが生成される。
【0019】このようなナトリウム分散体およびナトリ
ウムアルコラート等は、固形分として反応液中に存在す
るものであるため、一般的な濾過法によって分離するこ
とが可能である。即ち、反応液と固形分との比重の違い
を利用した分離方法によって、最も容易に分離すること
ができる。特に、分散体の粒径は極めて小さく、また反
応液の粘性も高い場合には、遠心分離や遠心濾過等の方
法を用いることが好ましく、斯かる方法によって効率的
に分離することが可能となる。遠心分離においては、高
速で長時間操作することによってより高精度に分離する
ことができる。また、分離する際の温度としては、金属
ナトリウムの軟化点である90℃以下とすることが好ま
しい。
ウムアルコラート等は、固形分として反応液中に存在す
るものであるため、一般的な濾過法によって分離するこ
とが可能である。即ち、反応液と固形分との比重の違い
を利用した分離方法によって、最も容易に分離すること
ができる。特に、分散体の粒径は極めて小さく、また反
応液の粘性も高い場合には、遠心分離や遠心濾過等の方
法を用いることが好ましく、斯かる方法によって効率的
に分離することが可能となる。遠心分離においては、高
速で長時間操作することによってより高精度に分離する
ことができる。また、分離する際の温度としては、金属
ナトリウムの軟化点である90℃以下とすることが好ま
しい。
【0020】固形分が分離された後には、被処理油と脱
ハロゲン化されたビフェニル化合物類等が反応液として
回収される。該反応液には、脱ハロゲン化によって生成
した塩類などの不純物が含まれているため、該不純物を
除去することが好ましい。
ハロゲン化されたビフェニル化合物類等が反応液として
回収される。該反応液には、脱ハロゲン化によって生成
した塩類などの不純物が含まれているため、該不純物を
除去することが好ましい。
【0021】そこで、該反応液に水を加えて攪拌するこ
とにより、前記不純物等を水相へ溶解させ、さらに該水
を油水分離によって除去することにより、清浄な被処理
油とビフェニル化合物類とを回収油として回収すること
ができる。
とにより、前記不純物等を水相へ溶解させ、さらに該水
を油水分離によって除去することにより、清浄な被処理
油とビフェニル化合物類とを回収油として回収すること
ができる。
【0022】一方、分離された固形分については、水を
加えてアルカリ金属を水和して分解し、更に必要に応じ
てCO2等によって中和した後、廃液として処理する。
加えてアルカリ金属を水和して分解し、更に必要に応じ
てCO2等によって中和した後、廃液として処理する。
【0023】斯かる有機ハロゲン化合物の処理方法によ
れば、予め分離された反応液は、未反応のアルカリ金属
等分散体の水和処理による激しい化学反応の影響を受け
る虞がないため、該反応によって品質を悪化させること
なく、また、不用意に副生成物を生成させることなく、
該油等を回収することが可能となる。
れば、予め分離された反応液は、未反応のアルカリ金属
等分散体の水和処理による激しい化学反応の影響を受け
る虞がないため、該反応によって品質を悪化させること
なく、また、不用意に副生成物を生成させることなく、
該油等を回収することが可能となる。
【0024】尚、処理対象である前記被処理油として
は、トランスやコンデンサーに使用された絶縁油、その
他有機ハロゲン化合物を含有する任意の油が適用可能で
ある。
は、トランスやコンデンサーに使用された絶縁油、その
他有機ハロゲン化合物を含有する任意の油が適用可能で
ある。
【0025】(実施例1)攪拌器および温度計を取り付
けた2000ml四つ口フラスコに、絶縁油を分散媒と
する濃度30wt%の金属ナトリウム分散体200gを
絶縁油50gとともに仕込み、窒素ガスで反応器内を置
換した後、PCB(鐘淵化学工業(株)製、商品名カネク
ロール1000(以下、KC−1000と略称))50
g、水素供与体としてイソプロピルアルコール(以下、
IPAと略称)69g、そして絶縁油400gの混合液
を添加し、90℃、3時間の条件下で反応させた。
けた2000ml四つ口フラスコに、絶縁油を分散媒と
する濃度30wt%の金属ナトリウム分散体200gを
絶縁油50gとともに仕込み、窒素ガスで反応器内を置
換した後、PCB(鐘淵化学工業(株)製、商品名カネク
ロール1000(以下、KC−1000と略称))50
g、水素供与体としてイソプロピルアルコール(以下、
IPAと略称)69g、そして絶縁油400gの混合液
を添加し、90℃、3時間の条件下で反応させた。
【0026】反応後、50℃以下に冷却した後、反応液
を遠心濾過器((株)三陽理化学器械製作所製 小型遠
心濾過機15A)によって遠心分離し、残存している金
属ナトリウムおよびナトリウムアルコラート等の固形分
を分離除去した。その後、反応液は蒸留水により数回に
わたって洗浄し、回収油として回収した。尚、分離され
た固形分については水1100mlを加え、残存する金
属ナトリウムを分解し、反応生成物である塩化ナトリウ
ム等は水に溶解させた後、廃液とした。
を遠心濾過器((株)三陽理化学器械製作所製 小型遠
心濾過機15A)によって遠心分離し、残存している金
属ナトリウムおよびナトリウムアルコラート等の固形分
を分離除去した。その後、反応液は蒸留水により数回に
わたって洗浄し、回収油として回収した。尚、分離され
た固形分については水1100mlを加え、残存する金
属ナトリウムを分解し、反応生成物である塩化ナトリウ
ム等は水に溶解させた後、廃液とした。
【0027】(実施例2)実施例1と同様の方法で金属
ナトリウム分散体200gおよび絶縁油50gをフラス
コに仕込んだ後、KC−1000を50g、IPAを9
0g、絶縁油を400g添加し、120℃、3時間の条
件下で反応させた。他は実施例1と同様にして処理し
た。
ナトリウム分散体200gおよび絶縁油50gをフラス
コに仕込んだ後、KC−1000を50g、IPAを9
0g、絶縁油を400g添加し、120℃、3時間の条
件下で反応させた。他は実施例1と同様にして処理し
た。
【0028】(比較例1)上記実施例1において、反応
後50℃に冷却した後、反応液を水1100mlに攪拌
しながら添加し、残存している金属ナトリウムを分解し
た。
後50℃に冷却した後、反応液を水1100mlに攪拌
しながら添加し、残存している金属ナトリウムを分解し
た。
【0029】(比較例2)上記実施例2において、反応
後50℃に冷却した後、反応液を水1100mlに攪拌
しながら添加し、残存している金属ナトリウムを分解し
た。
後50℃に冷却した後、反応液を水1100mlに攪拌
しながら添加し、残存している金属ナトリウムを分解し
た。
【0030】(試験方法)脱ハロゲン化処理する前の処
理前油および脱ハロゲン化処理後の処理後油(即ち、前
記実施例1、2および比較例1、2によって得られた回
収油)を、赤外線吸収スペクトル分析装置(日本電子
(株)製、JIR-100型 フーリエ変換赤外分光光度計)
を用いて溶液法によって測定した。分析条件は、分解
能:4cm-1、積算回数:100回とした。処理後油に
ついてのスペクトルから処理前油についてのスペクトル
を差し引くことによって絶縁油に由来する吸収スペクト
ルを削除し、反応によって生じた生成物についての分析
結果(図2、3)を得た。
理前油および脱ハロゲン化処理後の処理後油(即ち、前
記実施例1、2および比較例1、2によって得られた回
収油)を、赤外線吸収スペクトル分析装置(日本電子
(株)製、JIR-100型 フーリエ変換赤外分光光度計)
を用いて溶液法によって測定した。分析条件は、分解
能:4cm-1、積算回数:100回とした。処理後油に
ついてのスペクトルから処理前油についてのスペクトル
を差し引くことによって絶縁油に由来する吸収スペクト
ルを削除し、反応によって生じた生成物についての分析
結果(図2、3)を得た。
【0031】また、比較のために、ビフェニルおよび1
−フェニル−1−クロロヘキサンについて公知な赤外線
吸収スペクトルを、図4および図5にそれぞれ示す。
−フェニル−1−クロロヘキサンについて公知な赤外線
吸収スペクトルを、図4および図5にそれぞれ示す。
【0032】実施例1および2に対して得られた図2の
結果をみると、ビフェニルに対するの赤外線吸収スペク
トルである図4に特徴的な吸収帯(図4中の○印)と同
じ形状の吸収帯を有していることから、本実施例では、
PCBの脱ハロゲン化によって生成されたビフェニル
が、変質されずに残存していることがわかる。
結果をみると、ビフェニルに対するの赤外線吸収スペク
トルである図4に特徴的な吸収帯(図4中の○印)と同
じ形状の吸収帯を有していることから、本実施例では、
PCBの脱ハロゲン化によって生成されたビフェニル
が、変質されずに残存していることがわかる。
【0033】一方、比較例1および2に対して得られた
図3の結果をみると、ビフェニルに対する赤外線吸収ス
ペクトルである図4とは異なり、例えば、1−フェニル
−1−クロロヘキサンの赤外線吸収スペクトルである図
5に特徴的な吸収帯(図5中の○印)を有することがわ
かる。従って、比較例においては、PCBの脱ハロゲン
化によって生成されたビフェニルは、水和処理の際に変
質されて該1−フェニル−1−クロロヘキサン等の他の
水素化物に変化したと考えられる。
図3の結果をみると、ビフェニルに対する赤外線吸収ス
ペクトルである図4とは異なり、例えば、1−フェニル
−1−クロロヘキサンの赤外線吸収スペクトルである図
5に特徴的な吸収帯(図5中の○印)を有することがわ
かる。従って、比較例においては、PCBの脱ハロゲン
化によって生成されたビフェニルは、水和処理の際に変
質されて該1−フェニル−1−クロロヘキサン等の他の
水素化物に変化したと考えられる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る有機ハロゲ
ン化合物の処理方法によれば、反応液が水和処理による
悪影響を及ぼされることなく、よって回収油の品質の低
下を防ぐことができ、該油の分離再製および再利用を容
易なものとすることができる。
ン化合物の処理方法によれば、反応液が水和処理による
悪影響を及ぼされることなく、よって回収油の品質の低
下を防ぐことができ、該油の分離再製および再利用を容
易なものとすることができる。
【図1】本発明に係る有機ハロゲン化合物の処理方法の
一実施形態を示す概略フロー図。
一実施形態を示す概略フロー図。
【図2】実施例1および2に対して得られた吸収スペク
トルの結果を示した図。
トルの結果を示した図。
【図3】比較例1および2に対して得られた吸収スペク
トルの結果を示した図。
トルの結果を示した図。
【図4】ビフェニルの赤外線吸収スペクトルを示した
図。
図。
【図5】1−フェニル−1−クロロヘキサンの赤外線吸
収スペクトルを示した図。
収スペクトルを示した図。
【図6】従来技術に係る有機ハロゲン化合物の処理方法
の一例を示す概略フロー図。
の一例を示す概略フロー図。
Claims (5)
- 【請求項1】 有機ハロゲン化合物にアルカリ金属又は
アルカリ土類金属を反応させた後、反応液中の固形分を
反応液より分離することを特徴とする有機ハロゲン化合
物の処理方法。 - 【請求項2】 前記固形分が、残存する未反応の前記ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属であることを特徴とす
る請求項1記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。 - 【請求項3】 反応液を遠心濾過して前記固形分を分離
することを特徴とする請求項1又は2記載の有機ハロゲ
ン化合物の処理方法。 - 【請求項4】 前記分離された反応液を水で洗浄した
後、油水分離して油を回収することを特徴とする請求項
1〜3記載の有機ハロゲン化合物の処理方法。 - 【請求項5】 前記分離された固形分に水を加えて水和
処理することを特徴とする請求項1〜4記載の有機ハロ
ゲン化合物の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001010274A JP2002212109A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 有機ハロゲン化合物の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001010274A JP2002212109A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 有機ハロゲン化合物の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002212109A true JP2002212109A (ja) | 2002-07-31 |
Family
ID=18877617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001010274A Pending JP2002212109A (ja) | 2001-01-18 | 2001-01-18 | 有機ハロゲン化合物の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002212109A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004337649A (ja) * | 2003-05-13 | 2004-12-02 | Hitachi Ltd | 有機塩素化合物処理装置 |
JP2013056066A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
JP2013056067A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
JP2013056062A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
JP2013056065A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
EP2703378A1 (en) | 2008-03-12 | 2014-03-05 | Dow Global Technologies LLC | Polyphenolic compounds and epoxy resins comprising cycloaliphatic moieties and process for the production thereof |
US8729181B2 (en) | 2008-03-12 | 2014-05-20 | Dow Global Technologies Llc | Aromatic polycyanate compounds and process for the production thereof |
CN107987098A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-05-04 | 湖北省化学工业研究设计院 | 一种降低二苯基二甲氧基硅烷中多氯联苯含量的方法 |
-
2001
- 2001-01-18 JP JP2001010274A patent/JP2002212109A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004337649A (ja) * | 2003-05-13 | 2004-12-02 | Hitachi Ltd | 有機塩素化合物処理装置 |
EP2703378A1 (en) | 2008-03-12 | 2014-03-05 | Dow Global Technologies LLC | Polyphenolic compounds and epoxy resins comprising cycloaliphatic moieties and process for the production thereof |
US8729181B2 (en) | 2008-03-12 | 2014-05-20 | Dow Global Technologies Llc | Aromatic polycyanate compounds and process for the production thereof |
JP2013056066A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
JP2013056067A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
JP2013056062A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
JP2013056065A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | ハロゲン化合物含有油の無害化処理方法及び無害化処理装置 |
CN107987098A (zh) * | 2017-11-30 | 2018-05-04 | 湖北省化学工业研究设计院 | 一种降低二苯基二甲氧基硅烷中多氯联苯含量的方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA1201283A (en) | Method for reducing the content of halogenated aromatics in hydrocarbon solutions | |
DK169377B1 (da) | Fremgangsmåde til destruktion af halogenerede arylforbindelser | |
CA1229568A (en) | Removal of pcbs and other halogenated organic compounds from organic fluids | |
CA1190501A (en) | Removal of pcbs and other halogenated organic compounds from organic fluids | |
JP2002212109A (ja) | 有機ハロゲン化合物の処理方法 | |
WO2009087994A1 (ja) | 芳香族ハロゲン化物の脱ハロゲン化方法 | |
CA2114840A1 (en) | Method of removing halogenated aromatic compound from hydrocarbon oil | |
JP4514284B2 (ja) | 有機ハロゲン化合物の処理方法 | |
JP2001294539A (ja) | 有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化処理法 | |
JP4084073B2 (ja) | 有機ハロゲン化合物の無害化処理方法 | |
JP3935758B2 (ja) | 有機ハロゲン化合物の無害化処理方法及び無害化処理システム | |
JPH0426632A (ja) | 有機化合物の脱ハロゲン化方法 | |
JP3918182B2 (ja) | 電気絶縁油中の無機成分分離方法 | |
JP4018173B2 (ja) | 電気絶縁油中の無機成分分離法 | |
JP4381575B2 (ja) | 有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化生成物から塩類を除去する方法 | |
EP0107404A1 (en) | Removal of halogenated organic compounds from organic fluids | |
JP2002035159A (ja) | 有機ハロゲン化合物汚染油の処理方法及びその処理装置 | |
JP2001302552A (ja) | 有機ハロゲン化合物処理方法 | |
JPH07289656A (ja) | ハロゲン化芳香族化合物のアルカリ分解方法 | |
JP2001231882A (ja) | 有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化処理方法 | |
CA1231725A (en) | Destruction of polychlorinated biphenyls and other hazardous halogenated hydrocarbons | |
US4793936A (en) | Method of recovering alkali metal fluorides from organic slurry | |
JPS62192179A (ja) | ポリハロゲン化芳香族化合物の分解法 | |
JPH09215920A (ja) | ハロゲン化合物の処理方法 | |
JP3197818B2 (ja) | 有機塩素化合物の脱塩素化方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040706 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050601 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050610 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060113 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |