JP2002198044A - 水素吸蔵合金系活物質、水素吸蔵合金電極およびニッケル−水素蓄電池 - Google Patents
水素吸蔵合金系活物質、水素吸蔵合金電極およびニッケル−水素蓄電池Info
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Abstract
高率放電特性が良好なニッケル−水素蓄電池を安価に達
成可能な水素吸蔵合金系活物質を実現する。 【解決手段】 水素吸蔵合金系活物質は、AB5系の水
素吸蔵合金と、二酸化セリウムとを含み、水素吸蔵合金
は、A側の元素として少なくとも80重量%のランタン
を含んでいる。この活物質は、例えば、水素吸蔵合金1
00重量部に対し、二酸化セリウムを0.1〜5重量部
含んでいる。
Description
素吸蔵合金系活物質に関する。
いた正極と、水素吸蔵合金を活物質として用いた負極と
を備えたニッケル−水素蓄電池は、低公害でエネルギー
密度が高く、しかも正極と負極との電気化学反応におい
て活物質成分の溶解や析出を伴わないことから、ニッケ
ル−カドミウム蓄電池に代わる高容量、高充放電サイク
ル寿命の蓄電池として、各種の機器類、特に携帯用の電
子・電気機器類に多用されつつある。
れる水素吸蔵合金は、主に、LaNi5系やMmNi5系
をはじめとするAB5系の水素吸蔵合金である。この種
の水素吸蔵合金は、A側の元素においてランタン(L
a)の含有量を増加させると、格子体積が増加し、ま
た、平衡圧が低下することになるため、一般には容量
(水素吸蔵量)が増大することが知られている。したが
って、この種の水素吸蔵合金の高容量化を達成するため
には、A側の元素においてLaの含有量を高めるのが好
ましい。ところが、Laの含有量が高まるに従って、電
池反応による水素吸蔵合金の微粉化が促進され、蓄電池
のサイクル寿命が大幅に低下してしまう。このため、A
B5系の水素吸蔵合金について、高容量化と高サイクル
寿命とを同時に達成するための改良が種々試みられてい
る。
を高めつつ、同時にB側の元素の一部をコバルト(C
o)、マンガン(Mn)又はアルミニウム(Al)等の
元素に置換した水素吸蔵合金が知られている(例えば、
特開昭60−250558号公報参照)。この水素吸蔵
合金は、電池反応による水素吸蔵合金の微粉化と腐蝕と
を抑制することができ、結果的に蓄電池の高サイクル寿
命化を達成できるが、B側に異種元素を含むため容量が
低下する。また、A側とB側との化学量論比をB側にシ
フトさせた水素吸蔵合金も知られている(例えば、特開
平10−188972号公報参照)が、この種のもの
も、蓄電池の高サイクル寿命化に寄与し得るものの容量
が低下する。したがって、AB5系の水素吸蔵合金は、
その組成を調整することのみにより、ニッケル−水素蓄
電池の高容量化と高サイクル寿命化とを同時に達成する
のは困難である。
ル寿命化とを同時に達成することを目的とした水素吸蔵
合金系の活物質として、AB5系の水素吸蔵合金に対
し、各種の添加材を混合したものが提案されている。例
えば、特開平10−183279号公報には、A側元素
として例えば80重量%のLaを含むLaNi5系水素
吸蔵合金に対し、希土類元素の複合酸化物又は複合水酸
化物からなる群の中から選択された少なくとも1種のも
のを混合した水素吸蔵合金組成物が開示されている。こ
の組成物は、ニッケル−水素蓄電池の過充電時に正極か
ら発生する酸素ガスによる酸化劣化が抑制され、その結
果、AB5系の水素吸蔵合金が本来達成可能な高容量を
維持しつつ高サイクル寿命を同時に達成することができ
る。ところが、この組成物に含まれる複合酸化物又は複
合水酸化物を構成する、セリウム以外の希土類元素は、
電池反応時においてアルカリ電解液中で水酸化物に変換
され易く、電池反応を妨げる可能性がある。このため、
この組成物を負極に用いたニッケル−水素蓄電池は、高
率放電特性が不十分になる。
には、水素吸蔵合金粉末に対し、炭素粒子と炭素粒子の
表面を部分的に被覆する希土類化合物(例えば、酸化セ
リウム)からなる複合体粒子粉末とを導電剤として混合
した水素吸蔵合金系の活物質が提案されている。そし
て、この活物質を用いたアルカリ蓄電池は、充電時にお
ける電池の内圧上昇を抑制することができ、また、高率
での放電容量が大きく、充放電サイクル特性を改善でき
るとされている。この活物質は、そこで用いられる水素
吸蔵合金をA側の元素にLaを含むものに限定していな
いため、各種の水素吸蔵合金について所要の目的を達成
可能な汎用性を有しているが、導電剤、特に、その中に
含まれる複合体粒子粉末の構成が複雑であってその製造
も煩雑であることから高価であり、高容量で充放電サイ
クル寿命の長いニッケル−水素蓄電池を安価に実現する
のは困難である。
寿命が長く、しかも高率放電特性が良好なニッケル−水
素蓄電池を安価に達成可能な水素吸蔵合金系活物質を実
現することにある。
活物質は、AB5系の水素吸蔵合金と、二酸化セリウム
とを含み、水素吸蔵合金は、A側の元素として少なくと
も80重量%のランタンを含んでいる。この水素吸蔵合
金系活物質は、例えば、水素吸蔵合金100重量部に対
し、二酸化セリウムを0.1〜5重量部含んでいる。
当該集電体に配置された活物質とを備えている。ここで
用いられる活物質は、AB5系の水素吸蔵合金と二酸化
セリウムとを含み、水素吸蔵合金はA側の元素として少
なくとも80重量%のランタンを含んでいる。
ル系活物質を含む正極と、水素吸蔵合金系活物質を含む
負極とを備えている。ここで用いられる水素吸蔵合金系
活物質は、AB5系の水素吸蔵合金と二酸化セリウムと
を含み、水素吸蔵合金はA側の元素として少なくとも8
0重量%のランタンを含んでいる。
は、AB5系の水素吸蔵合金と、二酸化セリウムとを含
んでいる。ここで用いられるAB5系の水素吸蔵合金
は、A側の元素としてLa(ランタン)を主成分として
含み、また、B側の元素としてNi(ニッケル)を主成
分として含む、LaNi5をベースとする合金である。
は、Laと、それ以外の元素、例えば、Ti(チタ
ン)、Zr(ジルコニウム)、Ce(セリウム)、Pr
(プラセオジム)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウ
ム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、
Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Ho
(ホルミウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウ
ム)、Yb(イッテルビウム)、Lu(ルテチウム)お
よびY(イットリウム)からなる元素群から選択された
少なくとも1つとの混合物や複合体であってもよい。こ
のようなA側の元素としては、例えば、La、Ce、P
rおよびNdの複合体であるMm(ミッシュメタル)を
挙げることができる。
%以上のLaを含む必要がある。Laの含有量が80重
量%未満の場合は、水素吸蔵合金の格子体積が減少する
と共に平衡圧が高まり、吸蔵可能な水素の量が低下する
ことになる。この結果、高容量の活物質を達成するのが
困難になる可能性がある。
素で置換したものが用いられてもよい。他の元素として
は、例えば、Co(コバルト)、Al(アルミニウ
ム)、Si(ケイ素)、Mn(マンガン)、Cu
(銅)、Cr(クロム)およびFe(鉄)からなる群か
ら選択された少なくとも1つを挙げることができる。
に公知のものであって市販されていることから容易に入
手することができ、各種のニッケル−水素蓄電池におい
て利用されている。但し、本発明では、このような水素
吸蔵合金として、二酸化セリウムと均一に混合可能な粉
末状のもの、特に、75μm以下程度の粉末状のものを
用いるのが好ましい。このような粉末状の水素吸蔵合金
は、例えば、上述の水素吸蔵合金をジェットミル、ボー
ルミル、パルベライザー等を用いて粉砕すると製造する
ことができる。
いて用いられる二酸化セリウム(CeO2)は、上述の
水素吸蔵合金と均一に混合可能であり、しかも水素吸蔵
合金粒子の表面に均一に分散可能な粉末状のもの、特
に、1μm以下程度の粉末状のものが好ましい。二酸化
セリウムがこのような粉末状でない場合は、二酸化セリ
ウムが後述するような触媒機能を水素吸蔵合金に対して
発揮しにくい可能性があり、その結果、水素吸蔵合金の
耐食性を効果的に高めるのが困難になるおそれがある。
また、このような粉末状の二酸化セリウムは、比表面積
が少なくとも10m2/g(すなわち、10m2/g以
上)のものが好ましく、少なくとも50m2/g(すな
わち、50m2/g以上)のものがより好ましい。比表
面積が10m 2/g未満の場合は、二酸化セリウムが水
素吸蔵合金に対して後述するような触媒機能を有効に発
揮しにくい場合があり、その結果、水素吸蔵合金の耐食
性を効果的に高めるのが困難になるおそれがある。
ムは、二酸化セリウムをジェットミル、ボールミル、パ
ルベライザー等を用いて粉砕すると製造することができ
る。また、上述の比表面積は、BET法により求めるこ
とができる値である。
水素吸蔵合金と二酸化セリウムとを公知の攪拌、混合手
段を用いて均一に混合すると製造することができる。こ
の際、水素吸蔵合金と二酸化セリウムとの混合割合は、
水素吸蔵合金100重量部に対し、二酸化セリウムを
0.1〜5重量部に設定するのが好ましい。二酸化セリ
ウムの割合が0.1重量部未満の場合は、水素吸蔵合金
に対する二酸化セリウムの後述するような触媒機能が十
分に達成されないおそれがあり、本発明の目的が達成さ
れない可能性がある。逆に、この割合が5重量部を超え
る場合は、活物質中に占める水素吸蔵合金量が相対的に
低下し、また、水素吸蔵合金間の導電性低下を招きやす
くなるため、活物質の単位容積当りまたは単位重量当り
の容量低下を招くおそれがある。
必要に応じ、水素吸蔵合金粒子間の導電性を高めるため
の導電助剤、例えばニッケル粉末を含んでいてもよい。
元素におけるLaの量が一定量以上に設定された特定の
水素吸蔵合金を用いているため、吸蔵可能な水素量が多
く、高容量化を達成することができる。また、この活物
質に含まれる二酸化セリウムは、高い酸素触媒機能を発
揮するものであるため、ニッケル−水素蓄電池の充放電
時(特に、過充電時)において正極から発生する酸素ガ
スを効果的にイオン化することができる。このため、こ
の二酸化セリウムは、発生した酸素ガスと、水素吸蔵合
金に吸蔵されている水素とを効果的に結合させて水を生
成させることができるため、正極から発生した酸素ガス
による蓄電池の内圧上昇を効果的に防止し、また、水素
吸蔵合金の酸化劣化を効果的に抑制することができる。
しかも、二酸化セリウムは、電解液中に溶出した後、水
素吸蔵合金の表面に再度析出して水酸化セリウム(Ce
(OH)3)の不動態層を形成し得る。この不動態層
は、正極からの酸素ガスによる水素吸蔵合金の酸化を抑
制可能である。これらの結果、本発明の活物質は、充放
電サイクルの繰り返しにおいて酸化劣化されたり微粉化
するのが有効に抑制され、ニッケル−水素蓄電池の充放
電サイクル寿命を高めることができる。また、活物質中
に含まれる二酸化セリウムに由来して電解液中又は水素
吸蔵合金の表面に形成される水酸化セリウムは、セリウ
ム以外の元素、特に希土類元素の水酸化物とは異なり、
電池反応を妨げにくい。したがって、この活物質は、高
率放電特性を損なうことなく、蓄電池の高容量化と高充
放電サイクル寿命化とを達成することができる。しか
も、この活物質は、市販されている所定の水素吸蔵合金
と二酸化セリウムとを適宜粉砕等して混合するだけで製
造することができるため、安価に提供することができ
る。
金系活物質を用いたニッケル−水素蓄電池について説明
する。図において、ニッケル−水素蓄電池1は、ケース
2と、当該ケース2内に配置された正極3、負極4、セ
パレータ5および電解液(図示せず)を主に備えてい
る。
ね円筒状の容器であり、その底面部が負極端子に設定さ
れている。正極3、負極4およびセパレータ5は、いず
れも柔軟性を有する帯状の部材であり、正極3と負極4
とはセパレータ5を挟みつつ渦巻き状に巻き取られた状
態でケース2内に配置されている。また、ケース2の開
口部2aは、ケース2内に電解液が注入された状態で、
絶縁ガスケット6を挟んで封口板7により液密に封鎖さ
れている。なお、封口板7は、上面に正極端子8を有し
ている。この正極端子8は、封口板7と正極3とを電気
的に接続するリード9により、正極3に接続されてい
る。
て用いられる正極3は、公知の各種のニッケル−水素蓄
電池において用いられるニッケル系活物質を含むもので
あり、特に限定されるものではないが、通常は金属製の
多孔体、網状体または多孔板などの柔軟性を有する集電
体に対して水酸化ニッケル系の活物質を配置したもので
ある。なお、ここで用いられる水酸化ニッケル系の活物
質としては、水酸化ニッケル粒子の表面に水酸化コバル
トの被覆層を配置したものが特に好ましい。
または多孔板などの柔軟性を有する集電体に対して上述
の水素吸蔵合金系活物質を配置した水素吸蔵合金電極で
ある(本発明に係る水素吸蔵合金電極の一例)。
対して上述の水素吸蔵合金系活物質を配置すると製造す
ることができる。ここでは、先ず、上述の活物質に水を
加えてペーストを調製する。この際、必要に応じてカル
ボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース
(MC)などの増粘剤を予め水中に溶解しておいてもよ
い。また、必要に応じて、ポリテトラフルオロエチレン
やスチレンブタジエンゴムなどの結着剤を添加してもよ
い。次に、調製したペーストを集電体に対して塗布し、
乾燥する。なお、集電体が上述のような金属製の多孔
体、網状体または多孔板の場合、乾燥後に加圧し、集電
体の内部に負極活物質を密に充填するのが好ましい。
的に絶縁しかつ電解液を保持するためのものであって、
公知の各種のニッケル−水素蓄電池において用いられる
ものであり、特に限定されるものではないが、通常は合
成樹脂繊維からなる不織布が用いられる。
おいて用いられる各種のアルカリ水溶液であり、特に限
定されるものではないが、例えば、水酸化カリウム、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウムなどの少なくとも1つ
が溶解された水溶液である。但し、このニッケル−水素
蓄電池1においては、電解液として水酸化カリウム水溶
液または水酸化カリウム水溶液に水酸化リチウムおよび
水酸化ナトリウムの一方または両方を添加して溶解した
ものを用いるのが好ましい。
極4として本発明に係る上述の水素吸蔵合金系活物質を
含む水素吸蔵合金電極を用いているため、安価に提供で
き、高容量であって高率放電特性も良好である。しか
も、この蓄電池1は、負極4が腐食しにくく、また、正
極3で発生した酸素ガスを効果的に処理して内圧の上昇
を抑制し、液漏れによる電解液の消失を抑えることがで
きるため、充放電サイクル寿命が長い。
l、Mn)5で示されるAB5系の水素吸蔵合金の粉末を
用意した。なお、Mmは、La、Ce、PrおよびNd
の複合体であるミッシュメタルである。また、この水素
吸蔵合金の組成は表1に示す通りである。
し、粒径が1μm以下の二酸化セリウム粉末(比表面積
=150m2/g)を表1に示す割合で添加して均一に
混合し、水素吸蔵合金系活物質粉末を得た。
に、増粘剤であるメチルセルロースを溶解した水溶液
と、結着剤であるスチレンブタジエンゴム2重量%とを
加えてペーストを調製した。このペーストを、穿孔鋼鈑
の両面に塗布して乾燥後にプレスし、厚さ0.40mm
の電極を得た。
素吸蔵合金の粉末100gに対し、二酸化セリウム(C
eO2)と酸化イットリウム(Y2O3)とを重量比1:
1の割合で含む複合酸化物(CeO2・Y2O3)の粉末
1gを添加して均一に混合し、水素吸蔵合金系活物質を
得た。ここで用いた複合酸化物は、セリウム酸化物とイ
ットリウム酸化物とを硝酸水溶液に溶解して攪拌した
後、これにシュウ酸を添加して得られた共沈物をろ過、
水洗して900℃の大気中で焼成することにより得たも
のである。
リビニルアルコール(平均重合度=2,000、ケン化
度=98モル%)の3重量%水溶液を加えてペーストを
調製した。そして、このペーストを穿孔鋼鈑の両面に塗
布して乾燥後にプレスし、厚さ0.4mmの電極を得
た。
し、これにアンモニア水を加えてpH6の酸化セリウム
溶液を得た。一方、黒鉛粉末(ロンザ社の人造黒鉛、商
品コード「KS−15」)200gを300mlの蒸留
水中に添加、混合し、懸濁液を調製した。この懸濁液中
に上述の酸化セリウム溶液を加え、これを攪拌しながら
pHが9以上になるまでアンモニア水を滴下し、黒鉛粉
末の粒子表面にセリウムの水酸化物を析出させた。これ
により得られた物質は、ろ過、水洗および乾燥した後、
発光分光分析、走査型電子顕微鏡分析、電子プローブ微
小分析およびX線回折分析により調べたところ、黒鉛粒
子の表面がセリウムの水酸化物で部分的に被覆されてい
る、セリウム含有率が5重量%の粒子粉末であることが
確認された。続いて、この粒子粉末を、250℃に加熱
された空気中において3時間加熱処理した。これにより
得られた物質は、同様の分析法により分析したところ、
黒鉛粒子の表面が二酸化セリウムにより部分的に被覆さ
れている、セリウム含有率が5重量%の複合体粒子粉末
であることが確認された。
ものと同じ水素吸蔵合金の粉末100gに対し、得られ
た複合体粒子粉末1gを添加して均一に混合し、水素吸
蔵合金系活物質を得た。この水素吸蔵合金系活物質に増
粘剤であるメチルセルロースの水溶液と結着剤であるス
チレンブタジエンゴム2重量%とを加えてペーストを調
製した。そして、このペーストを穿孔鋼鈑の両面に塗布
して乾燥後にプレスし、厚さ0.4mmの電極を得た。
い、それを正極と組み合わせて開放型セルを組み立て
た。ここでは、正極として、負極の4倍の容量を有す
る、ニッケル90重量%、コバルト5重量%および亜鉛
5重量%を含むシンター式正極を用いた。また、開放型
セルは、開放型の電槽内に負極と正極とを配置し、電槽
内に電解液として6.8Nの水酸化カリウム水溶液と
0.8Nの水酸化リチウム水溶液との混合液を注入して
作成した。
下、0.1Cの充電電流(5mA/cm2)で電池容量
の150%まで充電し、続いて0.2Cの放電電流(1
0mA/cm2)で終止電圧が−0.6V(Hg/Hg
O参照電極)まで放電する充放電サイクルを繰返し、1
0サイクル目の容量を調べた。また、放電電流を3C
(150mA/cm2)に変更した点以外、同条件で同
様の充放電サイクルを繰返して10サイクル目の容量を
調べ、高率放電特性を評価した。結果を表2に示す。表
2より、各実施例の電極を負極として用いた開放型セル
は容量が大きく、また、高率放電特性も良好なことがわ
かる。
酸化ニッケル粒子の表面に水酸化コバルトを被覆した活
物質を用意した。この活物質において、水酸化コバルト
の割合は水酸化ニッケルの7重量%に設定した。この活
物質に増粘剤であるカルボキシメチルセルロースを溶解
した水溶液を加えてペーストを調製した。このペースト
をニッケル発泡基板に充填して乾燥した後にプレスし、
厚さが0.66mmに設定された正極を得た。
電極を負極とし、これに上述の正極を組み合わせ、容量
が1,500mAhでAAサイズの円筒形ニッケル−水
素蓄電池を製造した。ここでは、負極と、その1.6倍
の容量を有する正極とをセパレータを挟んで渦巻き状に
巻取り、これを円筒状の金属ケース内に収容した。そし
て、当該金属ケース内に電解液を2ml注入した後、安
全弁を備えた蓋体で金属ケースを封口した。なお、ここ
で用いた電解液は、6.8Nの水酸化カリウム水溶液と
0.8Nの水酸化リチウム水溶液との混合液である。
20℃の温度環境下、1/50C(30mA)の電流で
10時間初充電し、続いて1/4C(375mA)の電
流で5時間充電した後、1/4C(375mA)の電流
で終止電圧が1.0Vまで放電する化成処理を実施し
た。そして、このようにして化成処理された蓄電池につ
いて、充放電サイクルを繰返した。ここでは、20℃の
温度環境下において、1C(1,500mA)の電流で
電池容量の115%まで充電し、続いて1C(1,50
0mA)の電流で終止電圧が1.0Vまで放電する充放
電サイクルを繰返した。
した後、15回目の充電開始時に、蓄電池に内圧測定用
センサーを取付けた。そして、20℃の温度環境下、1
Cの充電電流で電池容量の200%まで充電した場合の
内圧を測定した。また、放電後、電池を解体し、振動型
磁力計を用いて負極の磁化率を測定した。なお、磁化率
は、負極の腐食状況を評価するための基準となり得る。
すなわち、負極に含まれる水素吸蔵合金は、腐食が進行
すると、そのA側元素が水酸化物になり、また、B側の
元素に含まれるニッケルおよびコバルトが金属として負
極中に析出し、磁性が高まる。したがって、負極は、腐
食が進行するに従って、磁化率が高まることになる。こ
れらの結果を表2に示す。
においてランタンの含有量が増加すると内圧が上昇する
傾向にあることが分かるが、これは二酸化セリウムの添
加により抑制可能なことが分かる。二酸化セリウムが、
蓄電池内において発生する酸素ガスをイオン化する触媒
として効果的に機能しているためと考えられる。また、
負極の水素吸蔵合金のA側元素においてランタンの含有
量が増加すると磁化率も高まる(すなわち、水素吸蔵合
金が腐食し易くなる)傾向にあることも分かるが、これ
も二酸化セリウムの添加により抑制可能なことが分か
る。これは、充放電過程において、二酸化セリウムが三
価と四価との間で酸化還元反応を繰返し、水素吸蔵合金
の腐食を抑制したこと、および、水素吸蔵合金の表面が
水酸化セリウム(Ce(OH)3)の不動態層により被
覆され、それにより水素吸蔵合金の腐食が抑制されたこ
とによるものと考えられる。
ついて、充放電サイクル寿命を調べた。ここでは、20
℃の温度環境下、1Cの充電電流で電池容量の115%
まで充電し、その後1Cの放電電流で終止電圧が1.0
Vまで放電する充放電サイクルを繰返し、電池容量が初
期容量の80%(寿命)になるまでの充放電サイクル数
を調べた。結果を表2に示す。
ル−水素蓄電池は充放電サイクル寿命が良好なことがわ
かる。これは、評価2において説明したように、負極を
構成する水素吸蔵合金の腐食が抑制される結果、蓄電池
において電解液の消失と放電リザーブ量の増大(充電リ
ザーブ量の減少)とが抑制されたことによるものと考え
られる。
量以上のLaをA側元素に含むAB5系の水素吸蔵合金
と二酸化セリウムとを含むため、高容量で充放電サイク
ル寿命が長く、しかも高率放電特性が良好なニッケル−
水素蓄電池を安価に実現することができる。
体に対して本発明の水素吸蔵合金系活物質を配置したも
のであるため、高容量で充放電サイクル寿命が長く、し
かも高率放電特性が良好なニッケル−水素蓄電池を安価
に実現することができる。
は、負極に本発明の水素吸蔵合金電極を用いているた
め、安価に提供することがでるにも拘わらず、高容量で
充放電サイクル寿命が長く、しかも高率放電特性が良好
である。
電池の斜視切欠き図。
Claims (4)
- 【請求項1】AB5系の水素吸蔵合金と、 二酸化セリウムとを含み、 前記水素吸蔵合金は、A側の元素として少なくとも80
重量%のランタンを含む、水素吸蔵合金系活物質。 - 【請求項2】前記水素吸蔵合金100重量部に対し、前
記二酸化セリウムを0.1〜5重量部含む、請求項1に
記載の水素吸蔵合金組成物。 - 【請求項3】集電体と、 前記集電体に配置された活物質とを備え、 前記活物質は、AB5系の水素吸蔵合金と二酸化セリウ
ムとを含み、前記水素吸蔵合金はA側の元素として少な
くとも80重量%のランタンを含む、水素吸蔵合金電
極。 - 【請求項4】ニッケル系活物質を含む正極と、 水素吸蔵合金系活物質を含む負極とを備え、 前記水素吸蔵合金系活物質は、AB5系の水素吸蔵合金
と二酸化セリウムとを含み、前記水素吸蔵合金はA側の
元素として少なくとも80重量%のランタンを含む、ニ
ッケル−水素蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000397347A JP2002198044A (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 水素吸蔵合金系活物質、水素吸蔵合金電極およびニッケル−水素蓄電池 |
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