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JP2002137331A - 高成形性シートラミネート金属板 - Google Patents

高成形性シートラミネート金属板

Info

Publication number
JP2002137331A
JP2002137331A JP2000335040A JP2000335040A JP2002137331A JP 2002137331 A JP2002137331 A JP 2002137331A JP 2000335040 A JP2000335040 A JP 2000335040A JP 2000335040 A JP2000335040 A JP 2000335040A JP 2002137331 A JP2002137331 A JP 2002137331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
adhesive layer
metal plate
bending
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000335040A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Kakimoto
英樹 柿本
Yasushi Maeda
恭志 前田
Tetsuya Yamamoto
哲也 山本
Tadashige Nakamoto
忠繁 中元
Takashi Saito
隆司 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2000335040A priority Critical patent/JP2002137331A/ja
Publication of JP2002137331A publication Critical patent/JP2002137331A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Bending Of Plates, Rods, And Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 苛酷な条件での曲げ加工においても、シート
状材料の破断や剥離といった成形不良の生じない高成形
性シートラミネート金属板を提供する。 【解決手段】 厚みが3mm以下の金属板に粘着剤層ま
たは接着剤層を介してシート状材料を積層したシートラ
ミネート金属板であって、前記シートラミネート金属板
に特定条件を満たす曲げ加工を施した際に、 (γ×K)/(σp×p)<0.058 を満足するシートラミネート金属板である。ここで、
γ:前記曲げ加工によって発生する前記粘着剤層または
接着剤層のひずみ(mm),K:前記粘着剤または接着
剤の引張せん断試験をした際に得られるせん断応力−せ
ん断ひずみ曲線における直線部の傾き「∂τ/∂γ」
(N/mm2,τ:せん断応力),σp:前記シート状材
料を引張速度5mm/min、温度25℃で引張試験を
した際の破断強さ(N/mm2),p:前記シート状材
料の厚み(mm)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属板に紙やフィ
ルムなどのシート状材料が積層された高成形性シートラ
ミネート金属板に関するものである。本発明の高成形性
シートラミネート金属板は、住宅や構造物における屋根
材、外壁材、雨戸、シャッター、ドアなどの外装材や、
内壁材、床材、天井材、パネルなどの内装材などの建築
材料や各種家具材として、また、各種電気製品の外装部
材や自動車や車両の内装材として、さらには容器材料と
してなど、様々な分野に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】金属板に意匠性を付与する目的で種々の
被覆層を形成する技術が開発されている。その中で、ポ
リ塩化ビニル、ポリオレフィン、アクリル樹脂などから
なるフィルムを積層してフィルムの持つ特徴と機能を活
用するフィルム積層金属板(ラミネート金属板)が、意
匠性、耐食性、耐久性などの特性から、高機能材料とし
て注目を集めており、近年、生産量、用途ともに着実に
拡大している。
【0003】しかしながら、ラミネート金属板の中でも
特に多用されているいわゆる「塩ビ鋼板」は、燃焼によ
って有毒ガスを発生するポリ塩化ビニルフィルムをラミ
ネートしているため、環境汚染の点で使用を削減する必
要がある。
【0004】こうした事情の下で、ポリ塩化ビニルに変
えて、他の非塩素系プラスチックフィルムや、紙、布な
どのシート状材料を積層したシートラミネート金属板が
開発されている。しかし、これらのシート状材料では、
その延性が金属基材に比べて不足しているため、シート
ラミネート金属板を、シート状材料を外側(金属板を内
側)にして曲げ加工すると、シート状材料が金属板の伸
びに追随できず、曲げ部分で破断したり、シート状材料
が金属板から剥離したりするといった問題が生じてい
た。
【0005】このうち、樹脂層と金属板との接着面の剥
離を防止する技術として、例えば、特開平9−4808
5号公報に、高分子樹脂を二枚の鋼板の間に介在させて
なる複合型制振鋼板において、該高分子樹脂として、一
定条件下で測定した動的弾性率と伸び率が一定の関係を
満たすような熱硬化性樹脂を用いた場合には、高分子樹
脂層と金属板との耐剥離性が向上する旨が開示されてい
る。ここで、上記熱硬化性樹脂は、シートラミネート金
属板において、シート状材料と金属板とを付着させる接
着剤に該当するものであり、この熱硬化性樹脂からなる
高分子樹脂層と金属板との耐剥離性が向上すれば、シー
ト状材料と金属板との剥離を抑制することも可能であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シート
ラミネート金属板に用いられる接着剤あるいは粘着剤の
特性は、シートラミネート金属板の曲げ加工時における
温度をはじめとする加工条件によって種々変化するた
め、任意の加工条件においてシート状材料の破断や剥離
などの成形不良が生ずるか否かは、必ずしも曲げ加工前
(より正確にはシート状材料を金属板に貼り付ける前)
の粘着剤・接着剤の特性のみから判断できるものではな
い。従って、加工条件によっては、上記特開平9−48
085号公報に開示の技術を用いても、シート状材料の
破断や剥離を十分に抑制することは困難である。
【0007】本発明は、上記の事情の下でなされたもの
であり、その目的は、苛酷な条件での曲げ加工において
も、シート状材料の破断や剥離といった成形不良の生じ
ない高成形性シートラミネート金属板を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の高成形性シートラミネート金属板は、厚みが3m
m以下の金属板に粘着剤層または接着剤層を介してシー
ト状材料を積層したシートラミネート金属板であって、
前記シートラミネート金属板に下記の条件を満たす曲げ
加工を施した際に、 (γ×K)/(σp×p)<0.058 を満足するところに要旨を有する。
【0009】ここで、 γ:下式(1)で示される、曲げ加工によって発生する
前記粘着剤層または接着剤層のひずみ, K:前記曲げ加工と同じ加工速度および加工温度で、前
記粘着剤層または接着剤層を形成する粘着剤または接着
剤の引張せん断試験をした際に得られるせん断応力−せ
ん断ひずみ曲線における直線部の傾き「∂τ/∂γ」
(N/mm2,τ:せん断応力), σp:前記シート状材料を引張速度5mm/min、温
度25℃で引張試験をした際に得られる破断強さ(N/
mm2), p:前記シート状材料の厚み(mm)であり、前記曲げ
加工条件は、 曲げ半径R:0.1mm以上, 下式(2)で示される金属板外縁部のひずみεθ:0.
2以上, 前記粘着剤層または接着剤層のひずみγ:100以下
【0010】
【数2】
【0011】であり、t:金属板の厚み(mm),θ:
曲げ角度(degree),h:粘着剤層または接着剤
層の厚み(mm)である。
【0012】なお、上記粘着剤・接着剤の引張せん断試
験は、2枚の25mm×100mm×0.5mmの鋼板
に、25mm×25mm×0.045mmの粘着剤・接
着剤を図2のように挟んで付着させ、両鋼板を図2中矢
印の方向に引張って行った。
【0013】ここで、上記「曲げ加工と同じ加工速度」
とは、「引張せん断試験での引張せん断速度が、シート
ラミネート金属板の曲げ加工速度と同じ」という意味で
ある。
【0014】また、本発明の高成形性シートラミネート
金属板においては、上記K値が0.030N/mm2
満であることが好ましく、また、粘着剤層・接着剤層を
形成する粘着剤・接着剤はそのガラス転移温度が0℃以
下であることが推奨される。さらに、上記のシート状材
料としては紙が好ましく用いられる。
【0015】
【発明の実施の形態】金属板を曲げると、曲げた部分の
金属板外縁部にひずみ「εθ=(t/2)/ρ」が発生
する。なお、ρ:曲率半径(mm)である。ここで、シ
ートラミネート金属板を曲げ加工した際に、金属板に貼
り付けたシート状材料は伸びないものとし、シート状材
料と金属板とを付着させている粘着剤層・接着剤層のず
りによって変形が生ずるものとする。
【0016】図1に、本発明のシートラミネート金属板
を曲げ半径Rで曲げ加工した場合を示す。
【0017】曲げ加工による金属板長手方向のひずみε
θは、その中立軸からの距離η(mm)の位置では、
「εθ=η/ρ」で表される。ここで、曲率半径ρは、
曲げ半径Rと金属板の厚みtを用いて、下式(3)で表
されるため、金属板外縁部での上記ひずみεθは上式
(2)となる。
【0018】
【数3】
【0019】ここで、図1のT部でシート状材料と金属
板とが固定されていると仮定する。このとき、シート状
材料は伸びないので、TU曲げ部の中立軸の長さをL3
(mm)とすると、金属板とシート状材料とのずれλ
(mm)は下式(4)で表される。
【0020】
【数4】
【0021】上記金属板とシート状材料とのずれλは、
既述の通り、粘着剤層・接着剤層のずり(可塑性に基づ
く変形あるいはこれらの破壊を伴う変形)によるもので
あるため、粘着剤層・接着剤層の厚みhを用いて粘着剤
層・接着剤層のせん断ひずみγが下式(5)により、さ
らに粘着剤層・接着剤層のせん断応力τ(N/mm2
が加工硬化式を用いて下式(6)により求まる。
【0022】
【数5】
【0023】以上、シート状材料と金属板とが図1のT
部(不動部)で固定されていると仮定していたが、現実
には、図1のST部およびUV部の長さによって、シー
ト状材料と金属板とが相対的に動かない不動部の場所が
異なると考えられる。そこで、図1のT’部がシート状
材料と金属板との不動部であるとし、このT’部を境に
して図1中A側とB側のシート状材料に作用する力の釣
合いを考える。
【0024】上記A側において、シートラミネート金属
板の曲げ角度のうち、TT’曲げ部の角度をφ(deg
ree)とすると、TT’曲げ部の粘着剤層・接着剤層
のひずみγ3は「γ3=αφ」で表されるので、TT’曲
げ部の粘着剤層・接着剤層のせん断応力τ3(N/m
2)および金属板外縁部の長さL3’(mm)は、下式
(7)および(8)で表される。
【0025】
【数6】
【0026】これらから、TT’曲げ部で粘着剤層・接
着剤層に作用する力、すなわちシート状材料に作用する
力F’A(N/mm2)が下式(9)で表される。ここで
θ1:TT’部の曲げ角度(degree)である。
【0027】
【数7】
【0028】次に、図1のST直線部の粘着剤層・接着
剤層のひずみγ1およびせん断応力τ1(N/mm2)は
下式(10)および(11)の通りであり、ST直線部
の長さをL1(mm)とすると、ST直線部で粘着剤層
・接着剤層に作用する力、すなわちシート状材料に作用
する力F’’A(N/mm2)は下式(12)より求ま
る。
【0029】
【数8】
【0030】同様に、上記B側において、UT’曲げ部
でシート状材料に作用する力F’B(N/mm2)、およ
びUV直線部でシート状材料に作用する力F’’B(N
/mm2)も下式(13)および(14)で表される。
ここで、θ2:UT’曲げ部の曲げ角度(degre
e),L2:UV直線部の長さ(mm)である。
【0031】
【数9】
【0032】上記の通り、T’部はシート状材料と金属
板とが相対的に動かない不動部なので、A側に作用する
力F’AとF’’Aの和とB側に作用する力F’B
F’’Bの和が釣り合うこととなり、T’部において、
下式(15)が成立する。
【0033】
【数10】
【0034】よって、このシート状材料のT’部に作用
する力が、シート状材料の引張破断強さよりも小さけれ
ば、シート状材料が破断することはない。シート状材料
のT’部に作用する力のうちA側の力を、上式(6),
(9),(11),(12)を用いて求めると、下式
(16)で表される。
【0035】
【数11】
【0036】一方、シート状材料の断面積をs(m
2)とすると、該シート状材料の引張破断強さは「s
×σp」で表され、該断面積をシート状材料の厚みpと
幅Yの関数として表現すると、該引張破断強さは「Y×
p×σp」で表すことができる。既述の通り、シート状
材料のT’部に作用する力が上記引張破断強さよりも小
さい場合には、該シート状材料が破断することはない。
【0037】本発明においては、K値、すなわち粘着剤
・接着剤のせん断応力−せん断ひずみ曲線における直線
部の傾きを用いて解析しており、上記加工硬化式(6)
においても初期の立ちあがりの傾きのみを考慮するの
で、n=1とすれば良い。従って、下式(17)が成立
する場合には、シート状材料は破断しない。本発明者ら
は、この下式(17)を満足し得るような定数「Y/
X」を見出すべく鋭意検討を重ね、本発明を完成するに
至ったのである。
【0038】
【数12】
【0039】本発明において、「(γ×K)/(σp×
p)」の値は0.058未満、好ましくは0.038未
満、さらに好ましくは0.030未満である。「(γ×
K)/(σp×p)」の値が上記範囲を超えると、シー
トラミネート金属板の曲げ加工の際にシート状材料が破
断する。なお、「(γ×K)/(σp×p)」の値の下
限は特に限定されず、γ,K,σpおよびpの各値から
適宜決定される値で良い。
【0040】なお、本発明のシートラミネート金属板に
おいて、基材となる金属板の厚みtを3mm以下とした
のは、これを超える厚みの金属板を用いたシートラミネ
ート金属板では、曲げ加工の際のシート状材料の破断の
抑制が困難となるからである。好ましくは2.5mm以
下である。
【0041】また、曲げ加工条件として、曲げ半径Rを
0.1mm以上としたのは、曲げ半径がこれを下回る条
件での加工では、シート状材料の破断の抑制が困難とな
るからである。好ましくは0.2mm以上である。
【0042】さらに曲げ加工条件として、金属板外縁部
のひずみεθを0.2以上としたのは、これを下回るよ
うな条件での曲げ加工の際にシート状材料の破断を抑制
するのは従来技術を用いても容易であり、本発明におい
ては、従来技術ではシート状材料の破断の抑制が困難な
条件での加工の際にも、良好な成形性を示すシートラミ
ネート金属板の提供を目的としているからである。
【0043】さらに曲げ加工条件として、曲げ加工によ
って発生する粘着剤層・接着剤層のひずみγを100以
下としたのは、曲げ加工条件と同じ加工速度および加工
温度で粘着剤・接着剤のせん断試験によって得られるせ
ん断ひずみの値が100を超えることはないからであ
る。好ましくは10以下である。
【0044】また、本発明において、K値は0.030
N/mm2未満、好ましくは0.026N/mm2未満、
さらに好ましくは0.024N/mm2未満であること
が推奨される。本発明はシート状材料と粘着剤・接着剤
の特性からなる「(γ×K)/(σp×p)」の値を規
定することにより良好な加工性を有するシートラミネー
ト金属板を提供するものであり、K値は粘着剤・接着剤
の特性を表すものであるが、K値が上記範囲を超えるよ
うな粘着剤・接着剤を採用すると、「(γ×K)/(σ
p×p)」の値が好ましい範囲となるシート状材料の選
択が困難となるからである。なお、本発明においては、
上記「(γ×K)/(σp×p)」の値は、より小さい
ことが好ましい。よってK値も、より小さいことが推奨
され、その下限は、粘着剤・接着剤としての機能を損な
わない範囲であれば、特に限定されるものではない。
【0045】本発明で用いられるシート状材料は、紙、
織布、不織布、プラスチックフィルム、金属箔などであ
る。伸び易いシート状材料の場合は曲げ加工を行っても
破断することが少ないので、本発明を適用して破断を防
ぐ必要があまりないと考えられるため、本発明において
は、シート状材料に比較的伸びが小さい(伸びにくい)
材料を採用する場合において顕著に発揮される。実用
上、意匠性や耐久性を考慮すると、紙、織布、ポリプロ
ピレンフィルムやポリエステル系フィルム、金属箔など
が好ましい。また、シート状材料は単一素材の1層品だ
けでなく、異種素材が複数層積層されたものでもよい。
さらに印刷や、エンボス加工、カレンダー加工などの物
理的加工、あるいは保護層を設けるなどの化学的加工な
どが施されたものも採用できる。
【0046】金属板としては、鋼板、銅板、アルミ板、
チタン板、各種合金板などが挙げられ、クロメート処理
のような公知の防食用表面処理を施していても良い。
【0047】また、本発明において、粘着剤・接着剤は
0℃以下、好ましくは−10℃以下、さらに好ましくは
−30℃以下のガラス転移温度を有するものが推奨され
る。ガラス転移温度が上記範囲を超えると、曲げ加工の
際に、シート状材料が破断し易い傾向にある。他方、上
記ガラス転移温度の下限については、特に限定されるも
のではないが、あまりに低い粘着剤・接着剤を用いると
シート状材料が剥離し易くなる傾向にあるため、−10
0℃以上、好ましくは−80℃以上、さらに好ましくは
−50℃以上のものが推奨される。
【0048】具体的には、ポリ酢酸ビニルや酢酸ビニル
−エチレン共重合体(EVA)などのポリ酢酸ビニル
系、ポリ(メタ)アクリル酸および/またはそのエステ
ルや、これとポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビ
ニルなどとの共重合体などのアクリル樹脂系、ポリウレ
タン樹脂系、ポリエステル樹脂系、ゴム系、ポリオレフ
ィン系、SBSやSIBSなどのポリスチレン系、エポ
キシ樹脂系、フェノール樹脂系、その他公知の粘着剤・
接着剤が使用できる。
【0049】粘着剤・接着剤の塗布量は、良好な付着力
を確保するため、乾燥後の付着量として4g/m2
上、好ましくは10g/m2以上が推奨される。また、
その上限は特に限定されないが、あまりに多いと耐疵付
き性や不燃性が低下する傾向にあるので、100g/m
2以下が好ましい。なお、凝集破壊の際に夫々の部材に
付着する粘着剤・接着剤の量が同量である必要はない
が、耐剥離性向上の観点から、夫々の部材には2g/m
2以上、好ましくは4g/m2以上付着した状態で凝集破
壊するような粘着剤・接着剤であることが推奨される。
凝集破壊の際の付着量が上記範囲を下回るようなもので
は、界面剥離に近くなり、シート状材料の再接着性が劣
ることがある。ちなみに、ここでいう再接着性とは、曲
げ加工の際のせん断力により粘着剤層・接着剤層中で一
旦生じた破断部分が、曲げ加工終了後にずれた位置で再
接着する機能に基づくものをいう。
【0050】粘着剤・接着剤は金属板に直接塗布する
か、粘着剤・接着剤のフィルムを金属板にラミネートす
る。塗布する場合の塗布方法は特に限定されず、ロール
コーティング、スプレーコーティング、ノズルコーティ
ング、ディップコーティング法などが採用できる。無溶
剤型以外の粘着剤・接着剤を用いるときは、塗布後に熱
風乾燥炉を通過させるなどの方法で、溶媒あるいは分散
媒の一部または全部を揮発させた後、シート状材料を積
層することが好ましい。また、粘着剤・接着剤が乾燥
(溶媒の揮発)あるいは硬化してしまう前にシート状材
料をラミネートすることもできる。ラミネートした後
は、熱風乾燥炉を通過させるなどの方法で、粘着剤・接
着剤が完全に乾燥・硬化するように、板温60〜120
℃で、25〜300秒間、加熱乾燥することが好まし
い。
【0051】本発明のシートラミネート金属板は、以上
説明した通り、非常に高い成形性(曲げ加工性)を有し
ており、密着曲げを行うことも可能である。従って、住
宅やその他構造物に用いられる建材、具体的には、屋根
材、外装材、間仕切りユニット、内壁材、天井材、床
材、ドア、サッシの枠材などや、蝶番やヒンジ、錠など
の金属性の金物類に利用することができる。また机、椅
子、ロッカー、キャビネット、スタンド、本棚、書庫、
パーティション、ベッドなどのスチール家具として製品
化されている家具に適用可能である。さらにテレビ、冷
蔵庫、洗濯機、クーラー、照明器具などの家電製品の外
装部材などにも利用することができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べ
る。但し、下記実施例は本発明を制限するものではな
く、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施するこ
とは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0053】表1に示す金属板、粘着剤・接着剤および
シート状材料の組合せのシートラミネート金属板を得
た。金属板には厚み0.5mmのものを用い、粘着剤・
接着剤は、その層の厚みが0.045mmになるように
塗布した。なお、表1中、シート状材料の引張破断伸
び、およびσpはシート状材料の引張試験により求めた
ものである。引張試験は、長さ50mm、幅10mmの
平行部の長さ方向の両端につかみ部分を備えた厚み0.
1mmの試料を試験片とし、ORIENTEC COR
PORATION製TENSILON VCT-1Tを
用いて引張速度5mm/min、測定温度25℃で行っ
た。また、表1中、「アクリル系」とはアクリル系の粘
着剤・接着剤を、「ポリウレタン系」とは、ポリウレタ
ン系の粘着剤・接着剤を、「酢酸ビニル系」とはポリ酢
酸ビニル系の粘着剤・接着剤を、「ポリエステル系」と
はポリエステル系の粘着剤・接着剤を夫々意味する。
【0054】得られたシートラミネート金属板につい
て、表2に示す条件および曲げ半径R:1mmで、シー
ト状材料が外側になるように曲げ加工を行い、「(γ×
K)/(σp×p)」値を求めると共に、曲げ加工後の
シート状材料の破断状況を下記の基準に従って目視で判
定し、シートラミネート金属板の成形性を評価した。 ◎:シート状材料に破断が発生しない。 ○:シート状材料に微小な割れは発生するが、製品には
影響を与えない。 ×:シート状材料の破断が大きく、製品不良と判断され
る。 結果を表2に示す。なお、表2中、K値は、図2に示し
た試料を用いて、表2に示す加工温度および加工速度で
粘着剤・接着剤の引張せん断試験を行い、得られたせん
断応力−せん断ひずみ曲線から求めたものである。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】表2中、No.1,3,5〜9,11,1
3〜17のシートラミネート金属板は本発明の要件を満
足する実施例であり、良好な成形性を有している。特
に、No.8は、曲げ角度が180℃と厳しい加工条件
であり、また、No.14はシート状材料の厚みが非常
に薄いものであるが、これらにおいても、K値が本発明
の範囲を満たしていることから、良好な成形性を示して
いる。
【0058】他方、表2中、No.2,4,10,1
2,22のシートラミネート金属板は本発明の要件を満
足しない比較例であり、その成形性が低下している。
【0059】また、表2中、No.18〜21のシート
ラミネート金属板は、「(γ×K)/(σp×p)」値
については本発明の要件を満たすものの、その他の要件
を満足しない参考例である。
【0060】No.18,19のシートラミネート金属
板では、K値、粘着剤・接着剤のガラス転移温度のいず
れも本発明の範囲を超えるが、シート状材料にσp値の
大きい金属箔を使用しているため、成形性が良好であ
る。
【0061】No.20,21のシートラミネート金属
板では、K値、粘着剤・接着剤のガラス転移温度のいず
れも本発明の範囲を超えており、成形性が、実用上問題
のないレベルではあるがやや劣る。
【0062】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されており、
従来のシートラミネート金属板ではシート状材料の破断
の抑制が困難であったような厳しい加工条件において
も、シート状材料の破断が見られず、高い成形性を有
し、様々な分野に適用し得るシートラミネート金属板を
提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシートラミネート金属板を曲げ加工し
た場合の説明図である。
【図2】粘着剤・接着剤の引張せん断試験試料の説明図
である。
【符号の説明】
1 金属板 2 粘着剤・接着剤 3 中立面 4 シート状材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 哲也 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 中元 忠繁 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 斉藤 隆司 東京都品川区北品川5丁目9番12号 株式 会社神戸製鋼所東京本社内 Fターム(参考) 2E162 CB02 CB08 CB10 CB11 CB21 CC06 CD11 4E063 AA02 MA11 MA12 4F100 AB01A AB01C AB03 AB18 AB33C AK01C AK22 AK22G AK25 AK25G AK41 AK41G AK51 AK51G AR00B AT00C BA02 BA03 BA10A BA10C BA25A BA25C CB00 CB05 DG10C EH711 GB07 GB08 GB81 JA05B JK02B JK02C JL01 JL11B JL13B YY00A YY00B YY00C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚みが3mm以下の金属板に粘着剤層ま
    たは接着剤層を介してシート状材料を積層したシートラ
    ミネート金属板であって、前記シートラミネート金属板
    に下記の条件を満たす曲げ加工を施した際に、 (γ×K)/(σp×p)<0.058 を満足することを特徴とする高成形性シートラミネート
    金属板。ここで、 γ:下式(1)で示される曲げ加工によって発生する前
    記粘着剤層または接着剤層のひずみ, K:前記曲げ加工と同じ加工速度および加工温度で、前
    記粘着剤層または接着剤層を形成する粘着剤または接着
    剤の引張せん断試験をした際に得られるせん断応力−せ
    ん断ひずみ曲線における直線部の傾き「∂τ/∂γ」
    (N/mm2,τ:せん断応力), σp:前記シート状材料を引張速度5mm/min、温
    度25℃で引張試験をした際に得られる破断強さ(N/
    mm2), p:前記シート状材料の厚み(mm),であり、 前記曲げ加工条件は、 曲げ半径R:0.1mm以上, 下式(2)で示される金属板外縁部のひずみεθ:0.
    2以上, 前記粘着剤層または接着剤層のひずみγ:100以下 【数1】 であり、t:金属板の厚み(mm),θ:曲げ角度(d
    egree),h:粘着剤層または接着剤層の厚み(m
    m)である。
  2. 【請求項2】 前記K値が0.030N/mm2未満で
    ある請求項1に記載のシートラミネート金属板。
  3. 【請求項3】 前記粘着剤層または接着剤層を形成する
    粘着剤または接着剤のガラス転移温度が0℃以下である
    請求項1または2に記載のシートラミネート金属板。
  4. 【請求項4】 前記シート状材料が紙である請求項1〜
    3のいずれかに記載のシートラミネート金属板。
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