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JP2002121413A - 紺藍色顔料の製造方法 - Google Patents

紺藍色顔料の製造方法

Info

Publication number
JP2002121413A
JP2002121413A JP2000317800A JP2000317800A JP2002121413A JP 2002121413 A JP2002121413 A JP 2002121413A JP 2000317800 A JP2000317800 A JP 2000317800A JP 2000317800 A JP2000317800 A JP 2000317800A JP 2002121413 A JP2002121413 A JP 2002121413A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper phthalocyanine
type copper
pigment
blue
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000317800A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Katsube
浩史 勝部
Aiko Arai
愛子 荒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2000317800A priority Critical patent/JP2002121413A/ja
Publication of JP2002121413A publication Critical patent/JP2002121413A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高彩度で鮮明性に優れた紺藍色顔料を得る。 【解決手段】 β型銅フタロシアニン(A)磨砕物及び
ε型銅フタロシアニン(B)磨砕物との混合物、または
β型銅フタロシアニン(A)及びε型銅フタロシアニン
(B)の混合物の磨砕物を顔料化処理して、紺藍色顔料
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばグラビア・
フレキソインキなどの着色剤として有用な紺藍色顔料の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グラビア・フレキソインキ分野、
塗料分野などにおいて紺藍色調のインキ・塗料は、青色
顔料より製造されたインキ・塗料と紫色顔料より製造さ
れたインキ・塗料の混合により紺藍色を得る方法と、青
色顔料と紫色顔料を配合した配合顔料のインキ化・塗料
化によって紺藍色を得る方法で行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記記
載方法には多くの問題が存在する。例えば、上記した各
色の顔料の混色又は各色のインキの混色により紺藍色調
のグラビア・フレキソインキを得る方法には次のような
欠点がある。
【0004】(1)各々別々に調製した青色顔料と紫色
顔料もしくは紺藍色調を有するα型銅フタロシアニン顔
料やε型銅フタロシアニン顔料とを混合する様にして
も、その混合により色相が不鮮明になり、各々顔料が有
する鮮明性が得られない。 (2)インキ化工程では、(1)の欠点に加えて青色と
紫色もしくは紺藍色調を有するα型銅フタロシアニン顔
料やε型銅フタロシアニン顔料の2種のインキを製造す
る必要があり工程が煩雑である。 (3)紫色顔料、α型銅フタロシアニン顔料やε型銅フ
タロシアニン顔料は一般的に青色顔料で使用されている
β型銅フタロシアニン顔料に比べて高価であるため、コ
ストアップにつながる。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは安価で直接紺藍色顔料を製造する方法につ
いて鋭意検討した結果、例えばβ型銅フタロシアニン磨
砕物及びε型銅フタロシアニン磨砕物の混合物を顔料化
処理することにより、先に記した欠点を有さずに高彩
度、鮮明で結果的に着色力が高く分散性が良好な紺藍色
顔料を得られることを見出し、本発明に到達したもので
ある。
【0006】即ち本発明は、β型銅フタロシアニン
(A)磨砕物及びε型銅フタロシアニン(B)磨砕物の
混合物、或いは、β型銅フタロシアニン(A)及びε型
銅フタロシアニン(B)との混合物の磨砕物を顔料化処
理することを特徴とする紺藍色顔料の製造方法を提供す
るものである。
【0007】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明では、紺藍色顔料を得るに当たり、最終顔料同士を
混合して紺藍色となすのではなく、磨砕物たる顔料前駆
体の段階で混合してから顔料化するのを最大の特徴とす
る。
【0008】本発明で顔料化に用いるのは、β型銅フタ
ロシアニン(A)磨砕物及びε型銅フタロシアニン
(B)磨砕物の混合物、或いは、β型銅フタロシアニン
(A)及びε型銅フタロシアニン(B)との混合物の磨
砕物である。
【0009】本発明に使用されるβ型銅フタロシアニン
(A)及びε型銅フタロシアニン(B)としては、公知
慣用のものがいずれも使用できる。これらは、いずれも
従来公知の方法で製造することが出来る。
【0010】本発明に使用されるβ型銅フタロシアニン
(A)は、X線回折スペクトル(CuKα線)によるブ
ラッグ角2θ(許容範囲0.2度)7.0、9.2、1
8.1、18.6、23.7度等に比較的強いピークを
有するものであることが知られており、その粗製物は、
例えば次の様な方法で製造できる。 (1)無水フタル酸もしくはその誘導体,尿素もしくは
その誘導体および銅源とを反応させる(ワイラー法)。 (2)フタロジニトリルおよび銅源を反応させる(フタ
ロジニトリル法)。
【0011】これら反応において、フタル酸誘導体とし
ては、例えばフタル酸塩、無水フタル酸、フタルイミ
ド、フタルアミド酸及びその塩またはそのエステル、フ
タロニトリル等、尿素誘導体としては、例えば尿素、ア
ンモニア等、銅源としては、例えば金属銅、第一銅また
は第二銅のハロゲン化物、酸化銅、硫酸銅、硫化銅、水
酸化銅等が挙げられる。
【0012】上記反応において用いることの出来る触媒
としては、例えばモリブデン酸アンモニウム、酸化モリ
ブデン等のモリブデン化合物、四塩化チタン、チタン酸
エステル等のチタン化合物、塩化ジルコニウム、炭酸ジ
ルコニウム等のジルコニウム化合物、酸化アンチモン、
ホウ酸等が、有機溶剤としては、例えばアルキルベンゼ
ン、アルキルナフタレン等の芳香族炭化水素、アルキル
シクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素、デカ
ン、ドデカン等の脂肪族炭化水素、ニトロベンゼン、ニ
トロトルエン等の芳香族ニトロ化合物、トリクロロベン
ゼン、クロルナフタレン等の芳香族ハロゲン化炭化水素
等が挙げられる。
【0013】上記した製造方法(1)または(2)の反
応によりβ型銅フタロシアニンを製造するに当たって
は、上記各原料に対して、必要に応じ触媒を加え、有機
溶剤の存在下あるいは不存在下で、例えば180℃〜3
00℃で、1〜5時間加熱すればよい。
【0014】こうして得られた粗製物を結晶変化させる
ことにより、β型銅フタロシアニン(A)とすることが
出来る。
【0015】本発明に使用されるε型銅フタロシアニン
(B)は、X線回折スペクトル(CuKα線)によるブ
ラッグ角2θ(許容範囲0.2度)7.7、9.3等に
比較的強いピークを有するものであることが知られてお
り、例えば次の様な方法で製造できる。 (1)α型銅フタロシアニンを乾式磨砕し、α型銅フタ
ロシアニンとε型銅フタロシアニンの混合物となし、こ
れを大過剰の有機溶剤中で加熱攪拌させる(英国特許第
1411880号明細書)。尚、ここでα型銅フタロシアニン
は、X線回折スペクトル(CuKα線)によるブラッグ
角2θ(許容範囲0.2度)6.8、7.3等に比較的
強いピークを有するものであることが知られており、ア
シッドペースティング法やアシッドスラリー法、具体的
には、例えば上記各製造方法で得た銅フタロシアニンを
濃硫酸に溶解または懸濁させ、それを水に注入する様に
して、再沈殿させて、中性となるまで洗浄して取り出す
ことにより製造することが出来る。 (2)銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を含む有機溶
剤中でフタロシアニン環を形成し得る有機化合物と、銅
化合物とを反応させる(特開昭57-149358号公報)。
【0016】ε型銅フタロシアニン(A)の製造方法と
しては、前記(1)の方法は、製造がより容易であり、
安価であるという経済的に有利な特徴をも有しており好
ましい。
【0017】本発明においては、上記β型銅フタロシア
ニン(A)のみを磨砕した磨砕物とε型銅フタロシアニ
ン(B)のみを磨砕した磨砕物との混合物、或いは、β
型銅フタロシアニン(A)とε型銅フタロシアニン
(B)との混合物の磨砕物を顔料化する。
【0018】β型銅フタロシアニン(A)のみを磨砕し
た磨砕物は、α型銅フタロシアニンとβ型銅フタロシア
ニンとを含む混合物となり、ε型銅フタロシアニン
(B)のみを磨砕した磨砕物は、α型銅フタロシアニン
とε型銅フタロシアニンとを含む混合物となる。
【0019】ここで、ε型銅フタロシアニン(B)磨砕
物としては、ε型銅フタロシアニン(A)を乾式磨砕し
たものが最も好適に使用できるが、ε型銅フタロシアニ
ン(A)と、別途アシッドペースティング法等により製
造されたα型銅フタロシアニンを混合させたものを用い
ることもできる。また、ε型銅フタロシアニン(A)に
代えて、従来公知の方法で製造されたε型銅フタロシア
ニン顔料を用いることもできる。
【0020】β型銅フタロシアニン(A)及び/又はε
型銅フタロシアニン(B)は、磨砕することにより、磨
砕前より、より小さい平均一次粒子径、例えば0.00
1〜0.1μmとすることができる。得られる磨砕物が
その効果を有効に示すには、磨砕物の平均一次粒子径が
0.001〜0.005μmとなる様にするのが好まし
い。
【0021】尚、本発明において平均一次粒子径は、透
過型電子顕微鏡にて、顔料を不活性液媒体に超音波分散
させて顔料を解し、それを写真撮影して二次元画像視野
内に存在する顔料粒子50個につき、その長径を測定し
た結果を平均したものである。
【0022】以下の顔料化には、β型銅フタロシアニン
(A)、ε型銅フタロシアニン(B)単独で各々同一所
定平均一次粒子径となる様に磨砕されたものの混合物
(磨砕物の混合物という)、或いは、β型銅フタロシア
ニン(A)とε型銅フタロシアニン(B)の混合物を所
定平均一次粒子径となる様に磨砕したもの(混合物の磨
砕物という)を使用することができ、併用することも出
来る。これらは、平均一次粒子径が同一であれば、どれ
も同様な効果を与える。
【0023】磨砕物の混合物または混合物の磨砕物を得
る際の仕込状態におけるβ型銅フタロシアニン(A)と
ε型銅フタロシアニン(B)の重量割合は、前者
(A):後者(B)=80:20〜97:3とするのが
好ましい。
【0024】前記磨砕物の混合物及び/又は混合物の磨
砕物を得る場合には、公知慣用の磨砕手段が採用し得
る。磨砕手段としては、湿式磨砕よりは乾式磨砕が過度
の凝集が起こりにくい点、より容易に結晶変換が行える
点、かつ作業性にも優れる点でより好ましい。
【0025】乾式磨砕は、例えば、銅フタロシアニンと
反応性を有さず、それらを溶解しない食塩、芒硝等の水
溶性無機塩の存在下あるいは不存在下、アトライター、
ボールミル、振動ミル等を用いて容易に実施できる。乾
式磨砕としては磨砕助剤存在下、ガラスビーズ、金属ビ
ーズ等の分散メディアの存在下で行うのがより好まし
い。この際の乾式磨砕には前記水溶性無機塩を用いない
ほうが好ましいが、用いた場合は、水洗等により除去す
る様にする。
【0026】顔料化処理は、従来公知の、銅フタロシア
ニンの顔料化法と同じ方法で行うことができる。顔料化
処理としては、具体的には以下の方法が挙げられる。 (1)ソルベント法 前記磨砕物の混合物及び/又は混合物の磨砕物を、結晶
転移及び/又は結晶成長の効果のある有機溶剤を必須成
分とした液媒体の大過剰と混合し攪拌する。 (2)ソルベントミリング法 前記磨砕物の混合物及び/又は混合物の磨砕物を、比較
的少量の有機溶剤を必須成分した液媒体とともに機械的
に磨砕する。有機溶剤には水を併用する様にして液媒体
を調製することも出来る。この際、有機溶剤に前記水溶
性無機塩を併用する場合が好ましい(これがソルベント
ソルトミリング法である)。 (3)アシッドペースト法(アシッドスラリー法) 前記磨砕物の混合物及び/又は混合物の磨砕物を、濃硫
酸に溶解または懸濁した後、水に注入し再沈殿する。
尚、上記(1)または(2)の方法において有機溶剤
は、1種のみを用いても2種以上を併用する様にしても
良い。
【0027】本発明では、上記(1)または(2)の方
法が、X線回折スペクトルにてβ型を示す銅フタロシニ
アニン顔料を製造し本発明の効果を得る手段としても有
効な顔料化法であり、顔料粒子のアスペクト比より小さ
くなる(針状ではなく粒状の結晶が得られる)点で、中
でも最も好ましいのは、上記(2)のうちのソルベント
ソルトミリング法である。
【0028】上記操作により、結晶転移及び/又は結晶
成長が行われ、例えば0.02〜0.2μmの紺藍色を
呈する銅フタロシアニン顔料を得ることが出来る。この
銅フタロシアニン顔料は、X線回折スペクトル上はβ型
銅フタロシアニン顔料と同一となり、ε型銅フタロシア
ニン(B)として銅フタロシアニン誘導体を含むものを
用いた場合には、この誘導体は赤外線吸収スペクトル
(IR)にてその存在を確認できる。こうしてβ型銅フ
タロシアニン顔料でありながら、色相がL** *表色
系におけるa*値が−20〜−25の範囲である紺藍色
顔料が得られる。。
【0029】本発明に有効である顔料化処理法である、
ソルベント法では、安定なβ型結晶に結晶転移可能な有
機溶剤が必須に使用される。その処理方法は有機溶剤の
みからなる液媒体が用いられる場合、有機溶剤と水とを
含む液媒体が用いられる場合がある。このような処理は
室温で行ってもよいが、好ましくは加熱下で行われる。
【0030】この際の液媒体の使用量は、磨砕物の混合
物または混合物の磨砕物100重量部に対し、300〜
1500重量部とする。また、有機溶剤と水をと含む液
媒体を使用する場合、水との親和性がない有機溶剤は界
面活性剤でエマルションにして用いてもよい。
【0031】この際の有機溶剤としては、トルエン、キ
シレン、ミネラルスピリッツ等の炭化水素類;メチルエ
チルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン等のケトン類;プロパノール、
ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブタノー
ル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、シクロヘキ
サノール等のアルコール類;トリクロロエタン、トリク
ロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライム、ア
ニソール等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブ
アセテート等のエステル類;ジメチルホルムアマイド、
N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。さ
らに、これらの溶剤2種類以上の混合物を用いることも
できる。また、これらの溶剤に水を加え、水溶液または
液−液二相系の形態で用いることもできる。
【0032】この液媒体処理後は、蒸留操作や減圧操作
等による脱溶剤を行った後、有機溶剤処理のみの場合は
乾燥顔料が得られ、有機溶剤−水の水溶液、または液−
液二相系の場合には水スラリーにして、濾過工程、乾燥
工程を経て乾燥顔料を得ることができる。また、有機溶
剤−水の水溶液の場合、蒸留や減圧等の操作を行わずに
直接濾過し、顔料中の有機溶剤分を完全に除去するまで
洗浄した後、乾燥工程を経て乾燥顔料を得ることもでき
る。または洗浄水を含んだ分散液の状態で、スプレード
ライヤー等で乾燥することも可能である。
【0033】本発明に有効であるもう一つの顔料化処理
法たるソルベントミリング法のうち、最適なソルベント
ソルトミリング法では、有機溶剤に不溶で水溶性の無機
塩と有機溶剤を、磨砕物の混合物及び/又は混合物の磨
砕物が最も効果的に磨砕粘調性が得られるように調整
し、例えば磨砕機で機械的磨砕を行った後、磨砕物を水
中に取り出し濾過によって無機塩、有機溶剤を除去する
顔料化を行うことにより、紺藍色顔料を得ることが出来
る。
【0034】磨砕物を最も効果的に磨砕粘調性が得られ
る条件は、磨砕機の種類等により適宜調節され、予め種
種の条件で磨砕を実施してみて、その中から実際に磨砕
効率が最も高くなる条件を選択する様にすればよい。
【0035】ここでの無機塩としては、上記したものが
使用できるし、有機溶剤としては、上記した銅フタロシ
アニンと反応性を有さず、それらを溶解しない有機溶剤
を用いることが出来る。
【0036】より具体的には、磨砕物の混合物または混
合物の磨砕物100重量部に対し、無機塩100〜10
00重量部と有機溶剤100〜150重量部を含ませ
て、例えばニーダー、バンバリーミキサー等の磨砕機で
2〜10時間機械的磨砕を行って、磨砕物を水中に取り
出し濾過によって無機塩、有機溶剤を除去し顔料を得る
方法が挙げられる。
【0037】無機塩と有機溶剤を除去した後には、必要
に応じて水洗や湯洗を繰り返して行って、濾過すること
により、無機塩や不純物等をより低減させることができ
る。例えば洗浄に当たっては、洗浄水が比伝導度が10
0S/m×10-4以下となるまで行うのが好ましい。
【0038】こうして得られた湿潤物は、例えば乾燥機
等で例えば50〜200℃で乾燥することにより、乾燥
した紺藍色顔料とすることが出来る。勿論、上記濾過を
行った後再び水を加えた分散液の状態で、または洗浄水
を含んだ分散液の状態で、スプレードライヤー等で乾燥
することも可能である。
【0039】顔料化により得られた乾燥顔料は、そのま
まで使用に供することができる程度に容易にほぐれる
が、必要であれば、さらに粉砕を行ってもよいし、粒子
径分布をシャープとするために、分級を行ってもよい。
【0040】こうして得られた紺藍色顔料は、アスペク
ト比が3〜15であるが、上記したソルベントソルトミ
リング法にて製造した紺藍色顔料は3〜6となり、その
他の製造方法にて製造したものより、より小さなアスペ
クト比となるので好ましい。
【0041】尚、本発明においてアスペクト比は、平均
一次粒子径と同様にして測定した短径の結果を平均し、
その短径に対する前記平均一次粒子径(長径)との比
(長径/短径)をもって表す。
【0042】本発明の紺藍色顔料は、公知慣用の分野、
例えばグラビアインキ、フレキソインキ等の汎用イン
キ、焼付塗料、UV塗料、常乾塗料等の汎用塗料、熱可
塑性成形品の着色、電子写真用トナー、ジェットプリン
ターインキ、カラーフィルター等の記録材料の公知慣用
な用途に使用可能である。
【0043】本発明の紺藍色顔料は、グラビアインキま
たはフレキソインキの調製用として特に好適である。
【0044】グラビアインキまたはフレキソインキは、
例えば、ベヒクルに本発明で得られる紺藍色顔料を分散
させることにより調製することが出来る。ベヒクルは、
通常樹脂、水及び/又は有機溶剤を主成分としてその他
添加剤を均一混合することにより調製される。油性イン
キを調製する際には、溶剤として疎水性有機溶剤、当該
溶剤に溶解する樹脂を用い、水性インキを調製する際に
は、溶剤として水または水と親水性有機溶剤、当該溶剤
に安定に溶解するか分散する樹脂を用いられる。
【0045】水性フレキソインキは、油性フレキソイン
キよりは、火災や公害発生を起こしにくいので好まし
い。本発明によって得られた紺藍色顔料は、水性フレキ
ソインキにおいてその特徴を最も有効に示すものであ
る。水性フレキソインキは、各種グラビアインキ、各種
フレキソインキの中で最も優れた流動性を要求されるも
のであり、前記した様にアスペクト比がより小さい顔料
を用いることより、得られる水性フレキソインキの粘度
を下げることが出来、その流動性もより良好なものとす
ることが出来るからである。
【0046】水性フレキソインキに用いるベヒクルは、
通常樹脂、溶剤、可塑剤、ワックス、及び滑剤、消泡剤
その他を用いて調製される。
【0047】ここで樹脂としては、例えば天然樹脂系の
シェラック、合成樹脂系のロジン変成マレイン酸樹脂、
スチレン−アクリル酸樹脂、アクリル酸−アクリル酸エ
ステル樹脂、ポリエステル樹脂の他、水溶性ポリアミド
樹脂、水性ポリウレタン樹脂などが挙げられる。溶剤は
水のみでも良いが、親水性有機溶剤が併用されるのが一
般的である。親水性有機溶剤としては、例えばメタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコ
ール系溶剤が好適に用いられる。
【0048】インキの調製に当たっては、樹脂不揮発分
100重量部当たり、本発明の顔料組成物200〜60
0重量部となる様に調製される。
【0049】こうして得られたインキは、公知慣用な被
印刷媒体に塗布し乾燥することにより印刷することがで
きる。被印刷媒体としては、例えば紙、樹脂コート紙、
合成樹脂フィルムやシート等が挙げられる。
【0050】
【実施例】以下に実施例、参考例、比較例を挙げる。実
施例、参考例および比較例中、部とあるのは重量部であ
り、%とあるのは重量%である。
【0051】ワイラー法に従ってβ型銅フタロシアニン
(A)を得て、これをアトライターミル装置にて乾式磨
砕して、平均一次粒子径0.002μmの磨砕物を得
た。このβ型銅フタロシアニン磨砕物は、α型銅フタロ
シアニンとβ型銅フタロシアニンとの混合物であった。
【0052】常法に従ってε型銅フタロシアニン(B)
を得て、これをアトライターミル装置にて乾式磨砕し
て、平均一次粒子径0.002μmの磨砕物を得た。こ
のε型銅フタロシアニン磨砕物は、α型銅フタロシアニ
ンとε型銅フタロシアニンの混合物であった。
【0053】実施例1 前記β型銅フタロシアニン磨砕物95%と前記ε型銅フ
タロシアニン磨砕物5%との混合物60部、水200
部、イソブタノール100部をそれぞれ環流管付きセパ
ラブルフラスコに仕込み、温度89℃で6時間環流操作
を行った。その後、蒸留操作は徐々に温度を上げ、水湿
潤液が100℃になるようにすることで完全にイソブタ
ノールを除去した。その後、濾過及び多量の水で洗浄し
た後、乾燥し紺藍色顔料58部を得た。この紺藍色顔料
は、X線回折スペクトル図によれば、β型であった。こ
の顔料の平均一次粒子径は、0.1μm、アスペクト比
は11であった。
【0054】実施例2 前記β型銅フタロシアニン磨砕物を90%と前記ε型銅
フタロシアニン磨砕物10%の混合物にした以外の操作
は実施例1と同様にして行い、紺藍色顔料58部を得
た。この紺藍色顔料は、X線回折スペクトル図によれ
ば、β型であった。この顔料の平均一次粒子径は、0.
05μm、アスペクト比は9であった。
【0055】実施例3 前記β型銅フタロシアニン磨砕物を85%と前記ε型銅
フタロシアニン磨砕物15%の混合物にした以外の操作
は実施例1と同様にして行い、紺藍色顔料58部を得
た。この紺藍色顔料は、X線回折スペクトル図によれ
ば、β型であった。この顔料の平均一次粒子径は、0.
03μm、アスペクト比は8であった。
【0056】実施例4 前記β型銅フタロシアニン磨砕物95%と前記ε型銅フ
タロシアニン磨砕物5%との混合物300部と食塩21
00部を8L双腕型ニーダーに仕込み、ジエチレングリ
コールを磨砕物が最も効果的に磨砕されるように調整し
ながら添加し、90℃で7時間磨砕し顔料化処理を行っ
た。次に、磨砕物を水中に取り出し充分攪拌し、濾過及
び多量の水で洗浄した後、乾燥し、295部の紺藍色顔
料を得た。この紺藍色顔料は、X線回折スペクトル図に
よれば、β型であった。この顔料の平均一次粒子径は、
0.05μm、アスペクト比は5であった。
【0057】実施例5 前記β型銅フタロシアニン磨砕物を90%と前記ε型銅
フタロシアニン磨砕物10%の混合物にした以外の操作
は実施例4と同様にして行い、紺藍色顔料296部を得
た。この紺藍色顔料は、X線回折スペクトル図によれ
ば、β型であった。この顔料の平均一次粒子径は、0.
05μm、アスペクト比は4であった。
【0058】実施例6 前記β型銅フタロシアニン磨砕物を85%と前記ε型銅
フタロシアニン磨砕物15%の混合物にした以外の操作
は実施例4と同様にして行い、紺藍色顔料295部を得
た。この紺藍色顔料は、X線回折スペクトル図によれ
ば、β型であった。この顔料の平均一次粒子径は、0.
03μm、アスペクト比は3.5であった。
【0059】参考例 前記β型銅フタロシアニン磨砕物を60部、水200
部、イソブタノール100部をそれぞれ環流管付きセパ
ラブルフラスコに仕込み、温度89℃で6時間環流操作
を行った。その後、蒸留操作は徐々に温度を上げ、水湿
潤液が100℃になるようにすることで完全にイソブタ
ノールを除去した。その後、濾過及び多量の水で洗浄し
た後、乾燥し紺藍色顔料を得た。この紺藍色顔料は、X
線回折スペクトル図によれば、β型であった。この顔料
の平均一次粒子径は、0.05μmであった。この平均
一次粒子径は、0.2μm、アスペクト比は14であっ
た。
【0060】水性フレキソインキの作成 実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、
実施例6で得られた紺藍色顔料と参考例で得られた銅フ
タロシアニン顔料、およびε型銅フタロシアニン顔料
(大日本インキ化学工業社製ファーストゲンブルーEP
−7S)40部、ベヒクル(ジョンソンワックス社製ジ
ョンクリル61J、スチレン−(メタ)アクリル酸−
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の水分散液。不揮
発分31%)34.5部、IPA(イソプロパノール)
34.5部、消泡剤0.2部を1/8スチールビーズ2
50部とともに250cc容器に入れペイントミル(東
洋精機社製)で30分間運転し各々紺藍色水性フレキソ
インキを得た。
【0061】比較例1 参考例で得られた銅フタロシアニン顔料から得られた水
性フレキソインキ95%とε型銅フタロシアニン顔料か
ら得られた水性フレキソインキ5%を前出のペイントミ
ルで10分間混合して紺藍色水性フレキソインキを得
た。
【0062】比較例2 参考例で得られた銅フタロシアニン顔料から得られた水
性フレキソインキ90%とε型銅フタロシアニン顔料か
ら得られた水性フレキソインキ10%を前出のペイント
ミルで10分間混合して紺藍色水性フレキソインキを得
た。
【0063】比較例3 参考例で得られた銅フタロシアニン顔料から得られた水
性フレキソインキ85%とε型銅フタロシアニン顔料か
ら得られた水性フレキソインキ15%を前出のペイント
ミルで10分間混合して紺藍色水性フレキソインキを得
た。
【0064】以上の方法により水性フレキソインキを作
成した。また、その結果を表1に示す。評価は水性フレ
キソインキで示した。
【0065】尚、水性フレキソインキの流動性はB型粘
度計(RB80L粘度計)で測定した。その結果、実施
例4の粘度(352mPa・s)に対して実施例1の水
性フレキソインキの粘度(1356mPa・s)よりも
優れていた。同様に、実施例5(1286mPa・s)
に対して実施例2(312mPa・s)、実施例6(1
182mPa・s)に対して実施例3(273mPa・
s)はインキ流動性が優れていた。
【0066】
【表1】表1
【0067】評価方法 ※1 鮮明性 得られた水性フレキソインキを0.15mmバーコータ
ーを用いて上質紙に展色し鮮明性を目視により判定し
た。
【0068】※2 光沢 鮮明性評価に使用した展色物を、haze-gloss meter(BY
K・Gardner社製)で光沢の測定を行った。比較例1を1
00(標準)として実施例1、実施例2、実施例3、実
施例4、実施例5、実施例6、比較例2、比較例3の比
較を数値化した。
【0069】※3 着色力 鮮明性評価で得た各々水性フレキソインキ1.5部、白
インキ(ダイフレックスACT709白、大日本インキ
化学工業社製)35部を100cc容器にいれ良く混合
して淡色インキを得た。得られた淡色インキを0.15
mmバーコーターを用いて上質紙に展色し、SPECTRAFLA
SH500(data color社製)で着色力を測定した。比較
例1を100(標準)として実施例1、実施例2、実施
例3、実施例4、実施例5、実施例6、比較例2、比較
例3の比較を数値化した。
【0070】※4 色相 着色力評価で得られた淡色インキ展色物をSPECTRAFLASH
500(data color社製)でa*値を実施例1、実施例
2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、比較例
1、比較例2、比較例3について測定した。ここで、a
*値は数値が大きい程(青色の場合、0に近づく程)、
赤味傾向が大きく、顔料単価の高いε型銅フタロシアニ
ン顔料の調色が少なくなり、紺藍色顔料としてはユーザ
ー要求の高い顔料となる。
【0071】
【発明の効果】このようにして得られた本発明の紺藍色
顔料は、β型銅フタロシアニン(A)磨砕物及びε型銅
フタロシアニン(B)磨砕物の混合物、或いは、β型銅
フタロシアニン(B)及びε型銅フタロシアニン(B)
との混合物の磨砕物を顔料化処理して得るので、青色顔
料と紫色顔料とを配合して紺藍色となした混合顔料のイ
ンキ化品や、青色顔料インキと紫色顔料インキの配合品
に比べ、色相が鮮明でa *値が大きく、更には高着色力
を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β型銅フタロシアニン(A)磨砕物及び
    ε型銅フタロシアニン(B)磨砕物の混合物、或いは、
    β型銅フタロシアニン(B)及びε型銅フタロシアニン
    (B)との混合物の磨砕物を顔料化処理することを特徴
    とする紺藍色顔料の製造方法。
  2. 【請求項2】 β型銅フタロシアニン(A)磨砕物及び
    ε型銅フタロシアニン(B)磨砕物の混合物、或いは、
    β型銅フタロシアニン(B)及びε型銅フタロシアニン
    (B)との混合物の磨砕物を顔料化処理することを特徴
    とするグラビア・フレキソインキ用紺藍色顔料の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 顔料化処理の方法が、ソルベント法また
    はソルベントミリング法である請求項1または2記載の
    紺藍顔料の製造方法。。
  4. 【請求項4】 グラビア・フレキソインキが、水性フレ
    キソインキである請求項2記載の顔料の製造方法。
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