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JP2002120752A - 自動車の前部車体構造 - Google Patents

自動車の前部車体構造

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Publication number
JP2002120752A
JP2002120752A JP2000319237A JP2000319237A JP2002120752A JP 2002120752 A JP2002120752 A JP 2002120752A JP 2000319237 A JP2000319237 A JP 2000319237A JP 2000319237 A JP2000319237 A JP 2000319237A JP 2002120752 A JP2002120752 A JP 2002120752A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
front side
side frames
power train
vehicle
rigid member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000319237A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Sunakawa
孝之 砂川
Hiroko Fujii
裕子 藤井
Akiko Nakamoto
晶子 中本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2000319237A priority Critical patent/JP2002120752A/ja
Publication of JP2002120752A publication Critical patent/JP2002120752A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】左右一対のフロントサイドフレームを備えた自
動車の前部車体構造において、通常時にはフロントサイ
ドフレームを補強し、衝突時には、車体の減速度の上昇
を防止して、乗員に付勢される荷重値を低下させる。 【解決手段】左右一対のフロントサイドフレーム11,
11を備えた自動車の前部車体構造であって、上記左右
のフロントサイドフレーム11,11にエンジン26ま
たはパワートレーン25を支持し、上記エンジン26ま
たはパワートレーン25の後方部において左右のフロン
トサイドフレーム11,11を車幅方向に連結する剛性
部材40を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、左右一対のフロ
ントサイドフレームを備えた自動車の前部車体構造に関
し、特に正面衝突時に乗員に作用する減速度を低減する
ことができる自動車の前部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例の自動車の前部車体構造と
しては、例えば特開2000−53022号公報に記載
のものがある。すなわち、図13、図14に示すように
車体前部において車両の前後方向に延びる左右一対のフ
ロントサイドフレーム91,91を設け、これら両フロ
ントサイドフレーム91,91の前端部には車幅方向に
延びるバンパレインフォースメント92を設けている。
【0003】また、上述の左右一対のフロントサイドフ
レーム91,91間にはエンジン93を設ける一方、こ
のエンジン93の車両後方端に半円状のシーブ94(she
ave、滑車)を固定し、エンジン93の側方と対応するフ
ロントサイドフレーム91,91の所定部位にはワイヤ
ブラケット95,95を取付け、これら一対のワイヤブ
ラケット95,95と上述のシーブ94との間にワイヤ
96を張架したものである。
【0004】この従来構造によれば、車両の衝突時に図
13に示す状態(非衝突時の状態)から図14に示すよう
にエンジン93が矢印x方向へ相対移動し、ワイヤ96
には図14に点線矢印yで示す方向の張力が発生し、こ
れをトリガ(trigger、切っ掛け)としてフロントサイド
フレーム91,91を図14に実線で示す如く車体内方
側へ座屈させ、衝突車体つぶれ後半での減速度(いわゆ
る車体G)の上昇を防止して、乗員に付勢される荷重値
の低下を図るものである。
【0005】しかし、上述のワイヤブラケット95、シ
ーブ94、ワイヤ96の各要素を設ける程度の構成で
は、衝突初期におけるフロントサイドフレーム91の耐
力を向上させることができず、また通常時(非衝突時)に
おいて車体剛性の向上を図ることも不可能となる問題点
があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、エンジン
またはパワートレーンの後方部において左右のフロント
サイドフレームを車幅方向に連結する剛性部材を設ける
ことで、通常時(非衝突時)においては剛性部材にてフロ
ントサイドフレームを補強して、車体剛性の向上を図る
ことができ、衝突初期においては耐力の向上によりエネ
ルギ吸収荷重の増加を図り、しかも衝突車体つぶれ後半
においてはエンジンまたはパワートレーンと剛性部材と
の衝合により該剛性部材を変形させ、これによりフロン
トサイドフレームを車体内方側または車体外方側へ折曲
げて、フロントサイドフレームの耐力低下とクラッシュ
スペースの拡大とによって、減速度(車体G)の上昇を防
止して、乗員に付勢される荷重値を低下させることがで
きる自動車の前部車体構造の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明による自動車の
前部車体構造は、左右一対のフロントサイドフレームを
備えた自動車の前部車体構造であって、上記左右のフロ
ントサイドフレームにエンジンまたはパワートレーンを
支持し、上記エンジンまたはパワートレーンの後方部に
おいて左右のフロントサイドフレームを車幅方向に連結
する剛性部材を設けたものである。上記構成の剛性部材
は、角パイプや丸パイプ等のパイプ部材に設定すること
ができる。
【0008】上記構成によれば、エンジンまたはパワー
トレーンの後方部において左右のフロントサイドフレー
ムを剛性部材で連結したので、通常時(非衝突時)におい
ては該剛性部材にてフロントサイドフレームを補強し
て、車体剛性の向上を図ることができる。
【0009】また、剛性部材の連結によりフロントサイ
ドフレームの衝撃に対する耐力が向上するので、正面衝
突時にフロントサイドフレームは所定の荷重まで座屈、
破断せず、衝突初期のエネルギ吸収荷重を増加させるこ
とができる。
【0010】しかも、衝突車体つぶれ後半においてはエ
ンジンまたはパワートレーンと剛性部材との衝合により
該剛性部材が変形して、フロントサイドフレームを車体
内方側または車体外方側へ折曲げて、フロントサイドフ
レームの耐力低下とクラッシュスペースの拡大(フロン
トサイドフレームの折曲がりにより、その後の変形が容
易となること)とによって、減速度(車体G)の上昇を防
止して、乗員に付勢される荷重値を低下させることがで
きる。
【0011】さらに、上記剛性部材により、エンジンま
たはパワートレーンの相対的な後退(エンジンまたはパ
ワートレーンが車室方向へ移動すること)が減少し、安
全性の向上を図ることができる。
【0012】この発明の一実施態様においては、上記剛
性部材はトルクボックスの前方位置において左右のフロ
ントサイドフレーム間に張架されたものである。上記構
成によれば、トルクボックス前方位置においてフロント
サイドフレームの幅が狭くなった部位すなわち曲げやす
い位置に剛性部材を張架したので、車体強度部材として
のフロントサイドフレームを適確に折曲げることができ
る。
【0013】この発明の一実施態様においては、上記剛
性部材の車幅方向の中間部に該剛性部材変形の起動とな
るトリガ部が設けられたものである。上記構成のトリガ
部は、凹部または脆弱部等に設定することができる。
【0014】上記構成によれば、エンジンまたはパワー
トレーンと剛性部材との衝合時に、上述のトリガ部が該
剛性部材変形の起動(つまりトリガ)として作用するの
で、フロントサイドフレームを確実に折曲げることがで
きる。
【0015】この発明の一実施態様においては、上記剛
性部材は衝突時にフロントサイドフレームを車体外方側
に折曲げるべくその中央部が前方に位置し、左右両端部
が後方に位置するように構成されたものである。上記構
成の剛性部材は平面から見て略V字状に設定することが
できる。
【0016】上記構成によれば、エンジンまたはパワー
トレーンが剛性部材の中央部に衝合した時、トグル(tog
gle)作用により左右一対の車体強度部材としてのフロン
トサイドフレームを車体外方へ確実に折曲げて、衝突車
体つぶれ後半において減速度(車体G)の上昇を防止する
ことができる。
【0017】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。図面は自動車の前部車体構造を示し、図1〜図
4において車両の前後方向に延びる左右一対の鋼板製の
フロントサイドフレーム11,11を設け、これら各フ
ロントサイドフレーム11,11の後部にはフロアフレ
ーム部12,12を一体的に形成している。
【0018】上述のフロントサイドフレーム11,11
の前端部には接合フランジ部13,13を設ける一方、
後端部に接合フランジ部14,14が形成された連結部
材15,15を設けて、フロントサイドフレーム11前
端の接合フランジ部13と連結部材15後端の接合フラ
ンジ部14とを連結固定することで、フロントサイドフ
レーム11,11の前端に上述の連結部材15,15を
取付けている。
【0019】また左右一対の連結部材15,15相互間
には車幅方向に延びるバンパレインフォースメント16
を張架している。
【0020】ここで、上述のバンパレインフォースメン
ト16およびフロントサイドフレーム11は何れも閉断
面構造を有する強度部材であり、また上述の連結部材1
5はクラッシュカン等の衝撃吸収部材で構成することが
できる。
【0021】上述のフロントサイドフレーム11の後部
上方には図4に示すように、車幅方向に延びるダッシュ
ロアパネル17が設けられ、このダッシュロアパネル1
7よりも前部がエンジンルーム18に設定され、ダッシ
ュロアパネル17よりも後部が車室19に設定されてい
る。
【0022】一方、図1においてダッシュロアパネル1
7の下部位置と対応するようにフロントサイドフレーム
11,11間には車幅方向に延びるダッシュロアレイン
フォースメント20が設けられている。
【0023】またフロアフレーム部12,12の車外側
には該フロアフレーム部12,12と略平行になるよう
にサイドシル21,21が設けられ、これらサイドシル
21の前端部とダッシュロアレインフォースメント20
の両端と対応するフロントサイドフレーム11外面との
間には、車体のねじれを防止する部材としてのトルクボ
ックス22が張架されている。
【0024】ところで、上述のエンジンルーム18内に
おいて左右一対のフロントサイドフレーム11,11に
は複数のマウント部23,24を介してパワートレーン
25が支持されている。
【0025】このパワートレーン25はエンジン26と
ミッション部27とを備えて、上述のフロントサイドフ
レーム11,11の間の位置において横置きに支持され
ている。ここで上記複数のマウント部23,24のうち
のエンジン26側のマウント部23は、エンジン26側
のブラケット23aと、右側のフロントサイドフレーム
11に設けられたブラケット23b,23bと、マウン
トラバー部材23cとを備えている。
【0026】またミッション部27側のマウント部24
は、ミッション部27側のブラケット24aと、左側の
フロントサイドフレーム11に設けられたブラケット2
4b,24bと、マウントラバー24c,24cとを備
えている。なお、パワートレーン25は上部マウント部
23,24の他に別の一つのマウント部(図示せず)を用
いて合計3点で支持される。
【0027】一方、上述のフロントサイドフレーム11
の下部にはエンジン26を含むパワートレーン25およ
びフロントサスペンションを支持する鋼板製のペリメー
タフレーム30(perimeter frame、枠型フレーム)が設
けられている。
【0028】このペリメータフレーム30は図5に示す
ように、フロントサイドフレーム11,11の前部間に
おいて車幅方向に延びる前側部材31と、ダッシュロア
パネル17の近傍位置においてフロントサイドフレーム
11,11間に車幅方向に延びる後側部材32と、右側
のフロントサイドフレーム11の下方において車両の略
前後方向に延びる右側部材33と、左側のフロントサイ
ドフレーム11の下方において車両の略前後方向に延び
る左側部材34とを、略井桁状に一体形成した枠型フレ
ームである。
【0029】ここで、上述のペリメータフレーム30に
おける右側部材33および左側部材34の前部には上方
へ隆起するブラケット35,35を介してマウント部3
6,36が設けられ、上記両部材33,34の後部には
マウント部37,37(但し、これらの各マウント部3
6,37は何れもマウントラバーを有さないものであ
る。)が設けられ、前側のマウント部36,36はその
上下方向に対向するフロントサイドフレーム11,11
の下部に取付けられ、後側のマウント部37,37は車
体側のダッシュロアレインフォースメント20に取付け
られている。
【0030】なお、上述の後側のマウント部37,37
を車体側のトルクボックス22,22に取付けるべく、
ペリメータフレーム30の平面視形状を変更してもよい
ことは勿論である。
【0031】ところで、図1〜図4に示すように、パワ
ートレーン25の後方部において左右一対のフロントサ
イドフレーム11,11を車幅方向に延びる剛性部材と
しての金属製の連結パイプ40で互に連結し、この連結
パイプ40でフロントサイドフレーム11,11を補強
して、車体剛性(動剛性および静剛性)の向上を図るよう
に構成している。
【0032】上述の連結パイプ40は角パイプにより構
成され、図1に示す如くこの連結パイプ40はトルクボ
ックス22,22の前方位置において左右のフロントサ
イドフレーム11,11間にパワートレーン25と離間
するように張架されたものである。
【0033】さらに詳しくは、上述の連結パイプ40の
取付け位置は、図1に示すように、前車輪(いわゆるタ
イヤ)の操舵に干渉しないようにフロントサイドフレー
ム11が細く形成された部分に設定されており、連結パ
イプ40とフロントサイドフレーム11とは溶接接合ま
たはフランジ接合される。
【0034】ここで、上述のペリメータフレーム30に
おける右側部材33と左側部材34との前後方向の所定
部として上記連結パイプ40の取付け部と上下方向に対
応する部分には、初期荷重を高め、かつ低歪みで破断し
得る表面処理部(表面硬化処理部)としての焼入れ処理部
が左右の各部材34,33で対向するように形成される
ことが望ましい。
【0035】このように構成した自動車の前部車体構造
の作用を、以下に詳述する。図6に示す荷重特性図にお
いて時点t0で車両の正面衝突が発生すると、バンパレ
インフォースメント16等を介してフロントサイドフレ
ーム11に衝突荷重が入力されるが、このフロントサイ
ドフレーム11は連結パイプ40によりその初期荷重が
高められているので、連結パイプ40を有さない従来の
特性bに対して、この実施例の特性aを実線で示すよう
に、高い荷重cまで耐えることができ、この分、エネル
ギ吸収量の増大を図ることができる。
【0036】また、衝突によりエンジン26を含むパワ
ートレーン25が相対的に後退し、図7に示すようにパ
ワートレーン25と連結パイプ40とが衝合すると、こ
の連結パイプ40は同図に示すようにその中間部が矢印
dで示す後方へ折曲がり変形し、この折曲がり変形によ
り左右一対のフロントサイドフレーム11,11を図7
に仮想線αで示す通常時の状態から矢印eで示すように
内方へ強制的に引込むので、該フロントサイドフレーム
11,11は車体内方へ座屈(屈曲)する。
【0037】図6の時点t1で左右一対のフロントサイ
ドフレーム11,11が車体内方へ座屈開始すると、こ
のフロントサイドフレーム11はさらに図7の状態から
大きく座屈し、車体に作用する荷重(車体減速度に相当)
は図6の時点t1から時点t2にかけて減少し、衝突車
体つぶれ後半での減速度の上昇を防止する。なお、図6
は横軸に時間をとり、縦軸に荷重(車体減速度)をとって
示す特性図であって、図6において横軸と特性aとの間
の断面積がエネルギ吸収量となる。
【0038】このように図1〜図7で示した実施例の自
動車の前部車体構造は、左右一対のフロントサイドフレ
ーム11,11を備えた自動車の前部車体構造であっ
て、上記左右のフロントサイドフレーム11,11にパ
ワートレーン25を支持し、上記パワートレーン25の
後方部において左右のフロントサイドフレーム11,1
1を車幅方向に連結する剛性部材(連結パイプ40参照)
を設けたものである。
【0039】この構成によれば、パワートレーン25の
後方部において左右のフロントサイドフレーム11,1
1を剛性部材(連結パイプ40参照)で連結したので、通
常時(非衝突時)においては該剛性部材(連結パイプ40
参照)にてフロントサイドフレーム11,11を補強し
て、車体剛性の向上を図ることができる。
【0040】また、剛性部材(連結パイプ40参照)の連
結によりフロントサイドフレーム11,11の衝撃に対
する耐力が向上するので、正面衝突時にフロントサイド
フレーム11,11は所定の荷重c(図6参照)まで座
屈、破断せず、衝突初期のエネルギ吸収荷重を増加させ
ることができる。
【0041】しかも、衝突車体つぶれ後半においてはパ
ワートレーン25と剛性部材(連結パイプ40参照)との
衝合により該剛性部材(連結パイプ40参照)が折れ曲が
り変形して、フロントサイドフレーム11,11を車体
内方側へ折曲げて、フロントサイドフレーム11,11
の耐力低下とクラッシュスペースの拡大(フロントサイ
ドフレーム11,11の折曲がりにより、その後の変形
が容易となること)とによって、減速度(車体G)の上昇
を防止して、乗員に付勢される荷重値を低下させること
ができる。
【0042】さらに、上記剛性部材(連結パイプ40参
照)により、パワートレーン25の相対的な後退(パワー
トレーン25が車室19方向へ移動すること)が減少
し、安全性の向上を図ることができる。
【0043】加えて、上記剛性部材(連結パイプ40参
照)はトルクボックス22の前方位置において左右のフ
ロントサイドフレーム11,11間に張架されたもので
ある。この構成によれば、トルクボックス22の前方位
置においてフロントサイドフレーム11,11の幅が狭
くなった部位すなわち曲げやすい位置に剛性部材(連結
パイプ40参照)を張架しているので、車体強度部材と
してのフロントサイドフレーム11,11を適確に折曲
げることができる。
【0044】なお、上述の剛性部材を角パイプ等の連結
パイプ40で構成すると、車体重量の過度な増加を招く
ことなく、上記の各効果を達成することができるが、上
記剛性部材はパイプ部材に限定されるものではなく、所
定断面積の棒状部材や板状部材であってもよい。
【0045】図8は自動車の前部車体構造の他の実施例
を示し、パワートレーン25の後方部において左右一対
のフロントサイドフレーム11,11を車幅方向に延び
る金属丸パイプ製の連結パイプ40で互に連結したもの
である。
【0046】このように構成しても、その他の構成、作
用、効果については先の実施例と同様であるから、図8
において前図と同一の部分には同一符号を付して、その
詳しい説明を省略する。
【0047】図9は自動車の前部車体構造のさらに他の
実施例を示し、この実施例では図1〜図7で示した先の
実施例の構成に加えて、剛性部材としての金属角パイプ
製の連結パイプ40の車幅方向の中間部に該連結パイプ
40の変形の起動となる凹部41(トリガ部)を設けたも
のである。
【0048】このように構成すると、エンジン26を含
むパワートレーン25と剛性部材(連結パイプ40参照)
との衝合時に、上述の凹部41(トリガ部)が該連結パイ
プ40変形の起動(つまりトリガ)として作用するので、
フロントサイドフレーム11,11をより一層確実に折
曲げることができる。なお、連結パイプ40に形成され
るトリガ部は上記凹部41に代えて脆弱部であってもよ
い。
【0049】この図9に示す実施例においても、その他
の構成、作用、効果については図1〜図7で示した先の
実施例とほぼ同様であるから、図9において前図と同一
の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略す
る。
【0050】図10、図11は自動車の前部車体構造の
さらに他の実施例を示し、図1〜図9で示した各実施例
にあっては連結パイプ40により左右一対のフロントサ
イドフレーム11,11を車体内方側へ強制的に引き込
んで座屈させるように構成したが、図10、図11に示
すこの実施例では連結パイプ42により左右一対のフロ
ントサイドフレーム11,11を車体外方側へ強制的に
押し広げて座屈させるように構成したものである。
【0051】すなわち、パワートレーン25の後方部に
おいて左右のフロントサイドフレーム11,11を略車
幅方向に延びる金属角パイプ製の連結パイプ42で互に
連結すると共に、この連結パイプ42は車両の衝突時
(詳しくはパワートレーン25との干渉時)にフロントサ
イドフレーム11,11を車体外方側に折曲げるべくそ
の中央部42aが前方に位置し、左右両端部42b,4
2bが後方に位置するように、平面から見て略V字状に
構成したものである。また通常時(非衝突時)にあっては
上述の連結パイプ42の中央部42aとパワートレーン
25の背面部とは互に離間されている。
【0052】このように構成すると、衝突によりエンジ
ン26を含むパワートレーン25が相対的に後退し、パ
ワートレーン25と連結パイプ42の中央部42aとが
衝合すると、この連結パイプ42は図10に示す状態か
ら図11に示すようにその中央部42aが矢印fで示す
後方へ変形し、この変形により左右一対のフロントサイ
ドフレーム11,11を図11に仮想線βで示す通常時
の状態から矢印hで示すように外方へ強制的に押し広げ
るので、該フロントサイドフレーム11,11は車体外
方への座屈(屈曲)を開始し、この図11に示す状態から
さらに大きく座屈して、衝突車体つぶれ後半での減速度
の上昇を防止する。
【0053】このように図10、図11で示す実施例の
連結パイプ42は衝突時にフロントサイドフレーム1
1,11を車体外方側に強制的に折曲げるべくその中央
部42aが前方に位置し、左右両端部42b,42bが
後方に位置するように構成されたものである。
【0054】上記構成によれば、パワートレーン25が
連結パイプ42の中央部42aに衝合した時、トグル(t
oggle)作用により左右一対の車体強度部材としてのフロ
ントサイドフレーム11,11を車体外方へ確実に折曲
げて、衝突車体つぶれ後半において減速度(車体G)の上
昇を防止することができる。
【0055】なお、図10、図11に示すこの実施例に
おいても、その他の点については先の実施例と同様であ
るから、図10、図11において前図と同一の部分には
同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0056】図12は自動車の前部車体構造のさらに他
の実施例を示し、図1〜図7で示した先の実施例の構成
に加えて、パワートレーン25の前方部からバンパレイ
ンフォースメント16と対応する位置まで前方に延びる
エネルギ吸収部材43,43を設けて、正突時に衝突初
期のエネルギ吸収荷重をさらに高めるように構成したも
のである。
【0057】すなわち、上述のパワートレーン25にお
いてエンジン26の前方部と、ミッション部27の前方
部とに荷重受け部26a,27aを一体的に設け、これ
ら両荷重受け部25a,27aから車両前後方向の前方
へ延びるエネルギ吸収部材43,43を設けている。
【0058】上述の各エネルギ吸収部材43,43は、
つぶれ初期荷重の向上を図るべく円筒状のフレーム部材
によって構成され、これらの両エネルギ吸収部材43,
43はパワートレーン25の前方左部と前方右部との両
部から互に平行に前方へ延設されている。
【0059】また上述のエネルギ吸収部材43の前端は
バンパレインフォースメント16の前端と上下方向で略
対応する位置まで前方へ延設されていて、これら両エネ
ルギ吸収部材43の前端はブラケット44を用いてバン
パレインフォースメント16の前端に取付けられてい
る。
【0060】さらに上述の各エネルギ吸収部材43,4
3の長手方向中間部の下面はペリメーフレーム30にお
ける前側部材31の上面に前後方向に移動可能(後退動
可能)に支持されている。つまり上記複数のエネルギ吸
収部材43,43の中間部下面はペリメータフレーム3
0を構成する前側部材31の上面に後退動可能に上戴さ
れている。
【0061】そして、上述の各エネルギ吸収部材43,
43の後端とパワートレーン25におけるエンジン26
前方部の荷重受け部26aとの間、並びにミッション部
27前方部の荷重受け部27aとの間には、パワートレ
ーン25の振動を許容するための間隙(図示せず)が設け
られており、通常時(非衝突時)においては、これら各荷
重受け部26a、27aの前面とエネルギ吸収部材4
3,43の後端とが離反し、車両衝突時にあってはエネ
ルギ吸収部材43,43の後端が荷重受け部26a,2
7a前面の凸部(図示せず)に嵌まり込んで該エネルギ吸
収部材43,43の後端が左右方向に位置ずれしないよ
うに構成している。
【0062】このように構成すると、車両の正面衝突時
に上述のエネルギ吸収部材43,43に入力された荷重
入力をパワートレーン25に伝達することができる。こ
のため正突時に衝突初期のエネルギ吸収荷重(つぶれ初
期の減速度)を図6の荷重cよりもさらに高めて、乗員
に付勢される荷重値をさらに低減することができる。
【0063】また、エネルギ吸収部材43,43の前端
をバンパレインフォースメント16前端と略同位置まで
延設すると、衝突時のエネルギ吸収荷重を衝突初期から
立ち上げることができ、つぶれ初期の減速度をより一層
良好に高めることができる。
【0064】さらに、上記エネルギ吸収部材43,43
の後端とパワートレーン25との間に、該パワートレー
ン25の振動を許容する間隙を設けると、この間隙42
によりパワートレーン25の振動が許容され、エネルギ
吸収部材43,43はパワートレーン25の振動を受け
ず、かつ、車両衝突時にはエネルギ吸収部材43,43
の後退により上記間隙がなくなって、入力荷重をパワー
トレーン25に確実に伝達することができる。
【0065】しかも、衝突によるパワートレーン25の
相対的な後退動により、既述したように連結パイプ40
を介して左右一対のフロントサイドフレーム11,11
が車体内方側へ折がって、これら左右のフロントサイド
フレーム11,11の耐力低下とクラッシュスペースの
拡大とによって、衝突車体つぶれ後半における減速度
(車体G)の上昇を防止して、乗員に付勢される荷重値を
低下させることができる。
【0066】要するに図12に示すこの実施例にあって
は、エネルギ吸収部材43による衝突初期のエネルギ吸
収荷重の増大と、連結パイプ40による衝突車体つぶれ
後半の減速度の上昇防止との両立を図ることができる。
なお、図12において前図と同一の部分には同一符号を
付して、その詳しい説明を省略している。
【0067】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の剛性部材は、実施例の連結パイプ
40,42に対応し、以下同様に、トリガ部は、凹部4
1に対応し、エンジンまたはパワートレーンは、横置き
状に搭載されたパワートレーン25に対応するものであ
るが、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定され
るものではない。
【0068】例えば上記構成の自動車の前部車体構造
は、実施例で示した横置きエンジンに代えて、縦置きエ
ンジンまたはパワートレーンを備えた車両に適用しても
よいことは勿論である。
【0069】
【発明の効果】この発明によれば、エンジンまたはパワ
ートレーンの後方部において左右のフロントサイドフレ
ームを車幅方向に連結する剛性部材を設けたので、通常
時(非衝突時)においては剛性部材にてフロントサイドフ
レームを補強して、車体剛性の向上を図ることができ、
衝突初期においては耐力の向上によりエネルギ吸収荷重
の増加を図り、しかも衝突車体つぶれ後半においてはエ
ンジンまたはパワートレーンと剛性部材との衝合により
該剛性部材を変形させ、これによりフロントサイドフレ
ームを車体内方側または車体外方側へ折曲げて、フロン
トサイドフレームの耐力低下とクラッシュスペースの拡
大とによって、減速度(車体G)の上昇を防止して、乗員
に付勢される荷重値を低下させることができる効果があ
る。
【0070】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の自動車の前部車体構造を示す概略平
面図。
【図2】 前部車体構造を示す斜視図。
【図3】 前部車体構造を斜め下方から見た状態で示す
斜視図。
【図4】 前部車体構造の側面図。
【図5】 ペリメータフレームの斜視図。
【図6】 荷重変化を示す特性図。
【図7】 衝突時におけるフロントサイドフレームの折
曲がりを示す平面図。
【図8】 本発明の自動車の前部車体構造の他の実施例
を示す側面図。
【図9】 本発明の自動車の前部車体構造のさらに他の
実施例を示す平面図。
【図10】 本発明の自動車の前部車体構造のさらに他
の実施例を示す平面図。
【図11】 衝突時におけるフロントサイドフレームの
折曲がりを示す平面図。
【図12】 本発明の自動車の前部車体構造のさらに他
の実施例を示す斜視図。
【図13】 従来の自動車の前部車体構造を示す平面
図。
【図14】 従来構造の衝突時の状態を示す平面図。
【符号の説明】
11…フロントサイドフレーム 22…トルクボックス 25…パワートレーン 26…エンジン 40,42…連結パイプ(剛性部材) 41…凹部(トリガ部)
フロントページの続き (72)発明者 中本 晶子 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3D003 AA01 AA05 BB01 CA09 CA59 DA02 DA03 DA29

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】左右一対のフロントサイドフレームを備え
    た自動車の前部車体構造であって、上記左右のフロント
    サイドフレームにエンジンまたはパワートレーンを支持
    し、上記エンジンまたはパワートレーンの後方部におい
    て左右のフロントサイドフレームを車幅方向に連結する
    剛性部材を設けた自動車の前部車体構造。
  2. 【請求項2】上記剛性部材はトルクボックスの前方位置
    において左右のフロントサイドフレーム間に張架された
    請求項1記載の自動車の前部車体構造。
  3. 【請求項3】上記剛性部材の車幅方向の中間部に該剛性
    部材変形の起動となるトリガ部が設けられた請求項1ま
    たは2記載の自動車の前部車体構造。
  4. 【請求項4】上記剛性部材は衝突時にフロントサイドフ
    レームを車体外方側に折曲げるべくその中央部が前方に
    位置し、左右両端部が後方に位置するように構成された
    請求項1または2記載の自動車の前部車体構造。
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