[go: up one dir, main page]

JP2002105826A - 開孔不織布及びその製造方法 - Google Patents

開孔不織布及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002105826A
JP2002105826A JP2000295560A JP2000295560A JP2002105826A JP 2002105826 A JP2002105826 A JP 2002105826A JP 2000295560 A JP2000295560 A JP 2000295560A JP 2000295560 A JP2000295560 A JP 2000295560A JP 2002105826 A JP2002105826 A JP 2002105826A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
adhesive
nonwoven fabric
weight
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000295560A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4446579B2 (ja
Inventor
Kazunori Ozaki
和則 尾崎
Masa Motoki
雅 元木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2000295560A priority Critical patent/JP4446579B2/ja
Publication of JP2002105826A publication Critical patent/JP2002105826A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4446579B2 publication Critical patent/JP4446579B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた柔軟性と優れた耐磨耗性とを兼ねそな
えた、ふき取り布、おむつ部材、壁装材、内装材、ガー
ゼ、水切りシート及び袋、排水溝ゴミ取りシート、簡易
液体フィルター、マスク内ろ材などに用いられ、特にふ
き取り布に好適な開孔不織布及びその製造法を提供する
ことを課題とする。 【解決手段】 接着性繊維5〜30重量%と該接着性繊
維以外の繊維70〜95重量%からなり、繊維が3次元
的に絡合された開孔不織布であって、該開孔不織布の表
面層と裏面層において該接着性繊維の重量比率が5%以
上異なり、かつ該表面層と該裏面層において該接着性繊
維が繊維接着している開孔不織布とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた柔軟性と優
れた耐摩耗性とを兼ね備えた、ふき取り布、おむつ部
材、壁装材、内装材、ガーゼ、水切りシート及び袋、排
水溝ゴミ取りシート、簡易液体フィルター、マスク内ろ
材などに用いられ、特にふき取り布に好適な開孔不織布
及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】柔軟性があり、強度のある不織布とし
て、水流絡合により繊維間を交絡させ熱接着性繊維によ
って繊維交点を接着させた様々な不織布が、従来より提
案されている。たとえば、特開平10−237751号
公報には、潜在捲縮性複合繊維20〜50%と非熱接着
繊維80〜50%からなるウエブを、水流絡合により繊
維を交絡させ、熱処理を施して、潜在捲縮複合繊維の捲
縮を発現すると同時に低融点成分を熱接着させた、柔軟
性と触感に優れた不織布が提案されている。しかし、こ
の不織布は開孔していないため、拭き取り性や通気性や
通水性に劣るものであった。また、特開平9−3025
62号公報には、高圧流体流の作用により繊維同士が交
絡し、かつ繊維が再配列されて開孔が形成された不織布
が、横方向に伸長されてなる開孔不織布であって、熱可
塑性繊維の一部が熱融着している開孔不織布が提案され
ている。しかし、このような不織布は、ドレープ性の向
上と横方向の強度向上はみられるものの、熱融着した熱
可塑性繊維の比率が少ない場合は繊維の抜けが多く耐摩
耗性に劣り、熱融着した熱可塑性繊維の比率が多い場合
は、風合いが硬く柔軟性に劣るものであった。さらに開
孔不織布を生産するに際して、開孔形成用支持体より開
孔不織布を剥離する際に、開孔形成用支持体に一部絡ん
でいた繊維が引っ張られ、開孔形成用支持体に接した面
で毛羽が発生してしまうという問題があった。そして、
このような開孔不織布を、ふき取り布、おむつ部材、壁
装材、内装材、ガーゼ、水切りシート及び袋、排水溝ゴ
ミ取りシート、簡易液体フィルター、マスク内ろ材等に
用いると毛羽の多い面が耐摩耗性に劣るという問題があ
った。また、この発生した毛羽を止めるため、開孔不織
布全体の接着性繊維の比率を多くすると、風合いが硬く
なり、柔軟性に劣ってしまうという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたものであり、相反す
る特性である優れた柔軟性と優れた耐摩耗性とを兼ねそ
なえた、しかも両面ともに耐摩耗性に優れた、ふき取り
布、おむつ部材、壁装材、内装材、ガーゼ、水切りシー
ト及び袋、排水溝ゴミ取りシート、簡易液体フィルタ
ー、マスク内ろ材などに用いられ、特にふき取り布に好
適な開孔不織布及びその製造法を提供することを課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、接着
性繊維5〜30重量%と該接着性繊維以外の繊維70〜
95重量%からなり、繊維が3次元的に絡合された開孔
不織布であって、該開孔不織布の表面層と裏面層におい
て該接着性繊維の重量比率が5%以上異なり、かつ該表
面層と該裏面層において該接着性繊維が繊維接着してい
ることを特徴とする開孔不織布である。すなわち、本発
明では繊維が3次元的に絡合されているため、風合いが
柔軟であり拭き取り布などとしての実用的な強度のある
繊維構造物となっており、さらに繊維間が接着性繊維に
よって接着されているため耐摩耗性のある繊維構造物と
なっている。また、前記接着性繊維は前記繊維構造物全
体の5〜30重量%であるため前記接着性繊維の熱接着
による風合いの変化は大きくなく実用に適合した柔軟な
風合いが維持できる。また、前記繊維構造物は水流の作
用等によって繊維配向を変えられて作られた表面から裏
面に貫通する開孔を有しているため、拭き取り性、通気
性、通水性に優れた構造となっている。さらに本発明で
は、水流の作用により繊維が3次元的に絡合される際
に、前記繊維構造物において毛羽が多くでる面側、すな
わち開孔形成用支持体に接する面側に属する層(表面層
または裏面層)に含まれる接着性繊維の重量比率が反対
面に属する層(裏面層または表面層)に含まれる接着性
繊維の重量比率よりも5%以上多くなっているため、開
孔形成用支持体に接する面である、毛羽が多くでる面で
の毛羽立ちが防止され耐摩耗性が向上し、他の面と同様
の耐摩耗性を示すことができる。また前記繊維構造物に
おいて1本の繊維に注目すると、この繊維は3次元的に
絡合されているため、表面層と裏面層の両層において他
の繊維と交絡点を持っている。そして、毛羽が多くでる
面側に属する層では接着性繊維との交絡点において接着
が充分に行われるため、繊維の抜けが起こりにくくな
る。その結果、前記繊維構造物は毛羽が多くでる面の反
対面においても繊維の抜けが起こりにくくなり、良好な
耐摩耗性を呈することができる。そしてまた、毛羽が多
くでる面の反対面に属する層に含まれる接着繊維の重量
比率が毛羽が多くでる面に属する層より5%以上少ない
ため、反対面も接着繊維が同じ重量比率である場合と比
較して、前記繊維構造物全体の接着点は少なくなり、前
記繊維構造物はより柔軟な風合となる。このように、本
発明では、接着点を多く持つ層を片面に偏在させること
によって、偏在させない場合の耐摩耗性と同等の耐摩耗
性を両面ともに保ちながら、風合いをさらに柔軟にする
ことができるため、ふき取り布、おむつ部材、壁装材、
内装材、ガーゼ、水切りシート及び袋、排水溝ゴミ取り
シート、簡易液体フィルター、マスク内ろ材などに好適
な開孔不織布を提供することができる。また、本発明の
開孔不織布をふき取り布に用いると、開孔部分にゴミを
補足することができ、また開孔不織布とふき取りされる
面との間の接触面積が少なくなるので、摩擦による抵抗
が少なくふき取り易い。このため本発明の開孔不織布は
特にふき取り布に好適である。
【0005】請求項2の発明は、接着性繊維が5〜20
重量%と該接着性繊維以外の繊維が80〜95重量%か
らなることを特徴とする請求項1に記載の開孔不織布で
あり、請求項1に記載の開孔不織布において、接着性繊
維を5〜20重量%とすることにより、特に柔軟性に優
れた開孔不織布を得ることができる。
【0006】請求項3の発明は、接着性繊維が潜在捲縮
性繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載
の開孔不織布である。すなわち、請求項1または2に記
載の開孔不織布において、例えば、芯鞘タイプの複合繊
維で、鞘部分が芯部分より低融点の重合体であり、加熱
処理により捲縮を発現するのみならず鞘部分が他の繊維
と接着するような繊維を用いることによって、接着性繊
維としての働きにより、請求項1または2に記載の開孔
不織布を得ることができるとともに、捲縮発現により毛
羽立ち防止の効果があるため、特に毛羽立ちの少ない開
孔不織布を得ることができる。
【0007】請求項4の発明は、親水性繊維を30重量
%以上含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載の開孔不織布であり、請求項1〜3のいずれかに記
載の開孔不織布において、親水性繊維を30重量%以上
含むことにより、ふき取り布、おむつ部材、壁装材、内
装材、ガーゼ、水切りシート及び袋、排水溝ゴミ取りシ
ート、簡易液体フィルター、マスク内ろ材などの用途の
うち特に親水性の要求される場合に好適な開孔不織布を
得ることができる。
【0008】請求項5の発明は、絡合が水流絡合法によ
るものである請求項1〜4のいずれかに記載の開孔不織
布であり、請求項1〜4のいずれかに記載の開孔不織布
において、絡合を水流絡合法によって形成することによ
り、絡合と同時に開孔を形成することができ、またニー
ドルパンチ法では得ることのできない重量の低い開孔不
織布を得ることができる。
【0009】請求項6の発明は、接着性繊維と該接着性
繊維以外の繊維からなる繊維ウエブAと、繊維ウエブA
よりも接着性繊維の重量比率が5%以上少ない繊維ウエ
ブBとを形成するに際して、繊維ウエブAと繊維ウエブ
Bとに含まれる合計の繊維に対して、該接着性繊維が5
〜30重量%及び該接着性繊維以外の繊維が70〜95
重量%となるように形成した後、繊維ウエブAが最下層
に、繊維ウエブBが最上層になるように、開孔形成用支
持体の上に繊維ウエブを積層載置した後、積層した繊維
ウエブに水流処理により積層した繊維ウエブを絡合及び
開孔させた後、該接着性繊維の繊維接着処理を行う開孔
不織布の製造方法であり、絡合と開孔により開孔不織布
に柔軟性を与え、さらに繊維接着処理により繊維の抜け
を防ぎ開孔不織布の耐摩耗性を向上させることができ
る。また、開孔形成用支持体より剥離する際に生じた、
繊維ウエブAから発生した毛羽は、繊維ウエブA中の接
着性繊維の配合比率が多いため、充分に押さえることが
できる。また、接着性繊維は片面のみが多くなっている
ので開孔不織布全体が硬くなることはない。このよう
に、接着点を多く持つ層を片面に偏在させることによっ
て、偏在させない場合の耐摩耗性と同等の耐摩耗性を両
面ともに保ちながら、偏在させない場合よりも風合いを
柔軟にする効果を得ることができるため、ふき取り布、
おむつ部材、壁装材、内装材、ガーゼ、水切りシート及
び袋、排水溝ゴミ取りシート、簡易液体フィルター、マ
スク内ろ材などに好適な開孔不織布を提供することがで
きる。また、本発明の開孔不織布をふき取り布に用いる
と、開孔部分にゴミを補足することができ、また開孔不
織布とふき取りされる面との間の接触面積が少なくなる
ので、摩擦による抵抗が少なくふき取り易い。このため
本発明の開孔不織布は特にふき取り布に好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、接着性繊維5〜30重
量%と該接着性繊維以外の繊維70〜95重量%からな
り、繊維が3次元的に絡合された開孔不織布であって、
該開孔不織布の表面層と裏面層において該接着性繊維の
重量比率が5%以上異なり、かつ該表面層と該裏面層に
おいて該接着性繊維が繊維接着していることを特徴とす
る開孔不織布である。
【0011】また本発明は、接着性繊維と該接着性繊維
以外の繊維からなる繊維ウエブAと、繊維ウエブAより
も接着性繊維の重量比率が5%以上少ない繊維ウエブB
とを形成するに際して、繊維ウエブAと繊維ウエブBと
に含まれる合計の繊維に対して、該接着性繊維が5〜3
0重量%及び該接着性繊維以外の繊維が70〜95重量
%となるように形成した後、繊維ウエブAが最下層に、
繊維ウエブBが最上層になるように、開孔形成用支持体
の上に繊維ウエブを積層載置した後、積層した繊維ウエ
ブに水流処理により積層した繊維ウエブを絡合及び開孔
させた後、該接着性繊維の繊維接着処理を行う開孔不織
布の製造方法である。
【0012】本発明に使用する接着性繊維は、該接着性
繊維以外の繊維よりも好ましくは10°C以上低い融点
で溶融する繊維であり、1種類の熱可塑性樹脂からなる
合成繊維か、または融点が好ましくは10°C以上異な
る2種類以上の樹脂が複合された複合繊維であって、繊
維の表面に該接着性繊維以外の繊維よりも低い融点で溶
融する樹脂を有する複合繊維が好ましく、このような接
着性繊維を加熱した時、該接着性繊維の少なくとも一部
が80°C以上、好ましくは100°C以上で溶融する
繊維が適している。1種類の熱可塑性樹脂からなる合成
繊維としては、例えばポリオレフィン繊維、ポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維などの熱可塑性
樹脂からなる合成繊維がある。また融点の異なる2種類
以上の樹脂が複合された複合繊維としては、例えば、共
重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレ
ン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポ
リエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエ
ステル、ポリエチレン/ポリエステルなどの樹脂の組み
合わせからなる複合繊維がある。
【0013】また、本発明に使用する接着性繊維は、上
記の複合繊維であるとともに潜在捲縮性繊維であること
がさらに好ましい。このような潜在捲縮性を併せ持つ複
合繊維としては、例えば温度特性の異なる複数の樹脂成
分から成る芯鞘型もしくはサイドバイサイド型といった
複合構造を有する繊維であって、樹脂成分中の1成分と
他の樹脂成分との間で熱収縮率及び溶融温度が、異なる
組み合わせとなっており、1つの樹脂成分が軟化して収
縮し、しかも他の樹脂成分が実質的に収縮しない温度で
熱処理を施すことによって、個々の繊維がコイル状(ま
たは、スパイラル状)の捲縮を持つようになる複合繊維
であり、さらに、この複合繊維は樹脂成分中の1成分の
溶融する温度まで熱処理を行えば接着繊維としても用い
ることができる複合繊維をあげることができる。このよ
うな複合繊維は、最適な捲縮発現条件を選んだ場合に、
外力がかからない状態で発現後の捲縮数が発現前の室温
での捲縮数の少なくとも2倍以上に増加するものが望ま
しく、例えば、室温で10〜20個/インチの捲縮数
が、繊維単独で外力がかからない状態で110〜170
℃で15分間加熱した場合に、40〜200個/インチ
程度に増加するものが好ましい。
【0014】このような接着性と潜在捲縮性を併せ持つ
複合繊維としては、例えば、共重合ポリエステル/ポリ
エステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポ
リプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピ
レン、ポリプロピレン/ポリエステル、ポリエチレン/
ポリエステルなどの樹脂の組み合わせからなる複合繊維
がある。このような複合繊維を加熱処理して捲縮を発現
させると、接着性繊維としての働きにより、本発明によ
る開孔不織布を得ることができるとともに、捲縮発現に
よる毛羽立ち防止の効果が生じて、特に毛羽立ちの少な
い開孔不織布を得ることができる。
【0015】本発明に使用する接着性繊維以外の繊維
は、該接着性繊維を構成する樹脂のうち接着成分となる
樹脂の融点より、好ましくは10°C以上高い融点で溶
融する樹脂または成分から構成された繊維であり、合成
繊維や半合成繊維や天然繊維など繊維の種類は問わず適
宜選択できる。このような接着性繊維以外の繊維は、合
成繊維の場合は、1種類の熱可塑性樹脂からなる合成繊
維であっても、異なる2種類以上の樹脂が複合された複
合繊維であっても適宜選択して使用することができる。
【0016】本発明に使用する親水性繊維は、水に対し
て濡れ性の良い繊維が好ましく、吸水性の優れたものは
特に好ましく、合成繊維や半合成繊維や天然繊維など繊
維の種類は問わず適宜選択できる。このような親水性繊
維としては、例えばレーヨン繊維、コットン繊維、アセ
テート繊維、アクリル繊維などがある。本発明では、こ
のような親水性繊維を30重量%以上含むことにより、
特に親水性の要求される、ふき取り布、おむつ部材、ガ
ーゼ、水切りシート及び袋、排水溝ゴミ取りシート、簡
易液体フィルター、マスク内ろ材などに好適な開孔不織
布を得ることができる。
【0017】本発明の開孔不織布では、接着性繊維5〜
30重量%と該接着性繊維以外の繊維70〜95重量%
からなる必要があるが、接着性繊維5〜20重量%と該
接着性繊維以外の繊維80〜95重量%からなる場合、
柔軟性と耐摩耗性がともに優れ、好適である。接着性繊
維が5重量%未満である場合は、実用的な強度が不足
し、毛羽止めも不充分であり、また耐摩耗性のある開孔
不織布を得ることはできない。また接着性繊維が30重
量%を超えると、風合いが硬くなり、本発明が目標とす
る各用途における柔軟性の要求を満たすことができな
い。
【0018】本発明の開孔不織布は、親水性繊維を30
重量%以上含むことが望ましく、特に親水性の要求され
る、ふき取り布、おむつ部材、ガーゼ、水切りシート及
び袋、排水溝ゴミ取りシート、簡易液体フィルター、マ
スク内ろ材などに好適な開孔不織布を得ることができ
る。
【0019】本発明の開孔不織布は、表面層と裏面層に
おいて該接着性繊維の重量比率が5%以上異なる必要が
ある。すなわち開孔形成用支持体に接する面側に属する
層(表面層または裏面層)に含まれる接着性繊維の重量
比率が反対面に属する層(裏面層または表面層)に含ま
れる接着性繊維の重量比率よりも5%以上多くなってい
ると、開孔形成用支持体に接する面である、毛羽が多く
でる面での毛羽立ちが防止され耐摩耗性が向上し、他の
面と同様の耐摩耗性を示すことができる。もし重量比率
の差を5%より少なくして、しかも耐摩耗性を両面同等
にしようとすると、開孔不織布中に含まれる接着繊維の
重量比率が必要以上に多くなってしまい、風合いが硬く
なり、本発明が目標とする各用途における柔軟性の要求
を満たすことができない。
【0020】本発明では、繊維層を積層する方法は、公
知の乾式法、湿式法、溶融紡糸法等のいずれかの繊維ウ
エブ形成法により積層するか、これらの方式を組み合わ
せて積層することができる。繊維ウエブを積層するに際
しては、接着性繊維5重量%以上からなる繊維ウエブを
繊維ウエブAとし、接着性繊維5重量%以上からなる繊
維ウエブであって、繊維ウエブAよりも接着性繊維の重
量比率が5%以上少ない繊維ウエブを繊維ウエブBとす
ると、繊維ウエブAと繊維ウエブBに含まれる合計の繊
維に対して、該接着性繊維が5〜30重量%及び該接着
性繊維以外の繊維が70〜95重量%となるように繊維
ウエブを積層する方法が望ましい。また、繊維ウエブA
は接着性繊維20〜30重量%と該接着性繊維以外の繊
維80〜70重量%からなるのが好適であり、繊維ウエ
ブBは接着性繊維5〜15重量%と該接着性繊維以外の
繊維95〜85重量%からなるのが好適である。
【0021】本発明では、積層した繊維層に絡合処理と
開孔処理を行う方法には、水流絡合法等における流体流
により絡合と開孔を同時に行う方法や、ニードルパンチ
法等により絡合させた後、例えば先の尖ったロールとブ
ラシロールの間に絡合された繊維層を通して繊維の配向
を変えながら開孔する方法等があるが、高速生産可能な
水流絡合法が好適である。
【0022】水流絡合法による場合は、前記繊維ウエブ
Aが最下層に、前記繊維ウエブBが最上層なるように積
層した繊維層を開孔形成用支持体の上に載置する。開孔
形成用支持体は、金属またはプラスチックのネットから
なるコンベアーベルトや前記ネットを巻いた水透過性の
ドラムを用いるか、または金属、プラスチックでできた
孔の開いた水透過性のドラム等を用いることができる。
ネットの場合は、平織り、綾織り等各種の織り構造のネ
ットを用いることができ、5〜60メッシュの織り組織
が適しているが、特に柔軟な風合いを得るには5〜30
メッシュが適している。もし、60メッシュを超える織
り組織を用いた場合は、開孔した不織布を形成するのが
困難となる。また、孔開きドラムを用いる場合は開孔面
積率が10〜80%の孔開きドラムが適している。
【0023】次に、開孔形成用支持体上に載置した繊維
層の上部より高速水流を噴射して、繊維層を絡合させる
とともに開孔した繊維構造物を形成する。高速水流の発
生には、水圧3〜20MPaの高圧水を、直径0.1〜
0.3mmのノズル孔が0.3〜3mm間隔で配列した
1本または複数本のノズルプレートより噴射させて、高
速水流とする方法が適している。
【0024】尚、上記の水流絡合法による開孔処理にお
いて、上記繊維層を上記開孔形成用支持体とは別の開孔
のある支持体の上に載置して、予め高速水流で予備的な
絡合処理を行ってから、上記の水流絡合による開孔処理
を行ってもよい。この予備的処理に用いる開孔のある支
持体は、上記開孔形成用支持体のメッシュや、開孔面積
率の値にこだわらず、任意の開孔のある支持体を選択し
て用いることができる。また、この予備的な絡合処理で
は、上記繊維層を開孔のある支持体の上に載置するに際
して上記繊維ウエブAが最上層になっても、最下層にな
っても、どちらでも可能である。但し、この予備的な絡
合処理では、高速水流の噴射前の圧力は、予備処理後に
開孔を形成させる時の圧力よりも低くするのが望まし
く、またノズルプレートの使用本数を少なくするのが望
ましい。
【0025】本発明では、繊維層に絡合処理と開孔処理
を行った後、形成された繊維構造物に含まれる接着性繊
維による繊維接着処理を行う。繊維接着処理は実質的に
凹凸のないコンベアー上に繊維構造物を載置して熱風を
吹き付ける方法や、実質的に凹凸のないコンベアーまた
はドラム状の支持体の上に載置した後に熱風を繊維構造
物とその支持体を通過させる方法や、加熱したドラム状
の支持体の上に繊維構造物を載置する方法等によって行
うことが望ましい。
【0026】このようにして形成された開孔不織布の開
孔は、繊維構造物の表面から裏面まで貫通していている
部分の面積が全表面の10〜80%であるのが好適であ
り、10〜50%が最適である。10%未満では風合い
が硬く、80%を超えると形態安定性を失うので好まし
くない。
【0027】以上のようにして形成された開孔不織布
は、絡合と開孔による柔軟性保持効果と繊維接着処理に
よる耐摩耗性の向上効果に加えて、接着点を多く持つ層
を片面に偏在させることによって、偏在させない場合の
耐摩耗性と同等の耐摩耗性を両面ともに保ちながら、風
合いをさらに柔軟にする効果を得ることができるため、
ふき取り布、おむつ部材、壁装材、内装材、ガーゼ、水
切りシート及び袋、排水溝ゴミ取りシート、簡易液体フ
ィルター、マスク内ろ材などに好適な開孔不織布を提供
することができる。また、本発明の開孔不織布をふき取
り布に用いると、開孔部分にゴミを補足することがで
き、また開孔不織布とふき取りされる面との間の接触面
積が少なくなるので、摩擦による抵抗が少なくふき取り
易い。このため本発明の開孔不織布は特にふき取り布に
好適である。
【0028】つぎに、実施例及び比較例により本発明を
具体的に説明するが、この実施例は本発明が理解できる
程度に特定の条件を例示して説明するものであって、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。尚、実施
例及び比較例の柔軟性、耐摩耗性、引張強度、引張伸度
に関する評価には次の試験方法を使用した。 (剛軟度)得られた不織布より、20mmX200mm
の試験片をタテ方向及びヨコ方向にそれぞれ3枚採取
し、JIS L1096(一般織物試験方法)の6.1
9.1A法(45°カンチレバー法)に準じて剛軟度の
測定を行い、タテ方向及びヨコ方向の測定値のそれぞれ
の平均値を求め、これらの平均値をさらに平均して剛軟
度とした。本発明の開孔不織布が目的とする用途に要求
される剛軟度は、好ましくは100mm以下であり、さ
らに好ましくは85mm以下である。
【0029】(ピリング性)得られた不織布をJIS
L1076(織物及び編物のピリング試験方法)のC法
(アピアランス・リテンション形試験機を用いる方法)
に準じて試験した。試料ホルダの底面積は約26c
2、押圧荷重は約6.40N(650gf)で100
回転した後、ピリング判定標準写真4の評価基準である
H号、M号、L号、N号を準用してピリング性を評価し
た。但し、織物及び編物におけるH号の状態は、本発明
のような開孔不織布に関しては得られず、かわりに毛羽
が抜けて毛羽同士が中央で絡まった状態が得られるの
で、この状態をH’号として本発明の評価基準に用い
た。すなわち本発明では、H’級(ピリング性劣る)、
M級(ピリング性やや劣る)、L級(ピリング性優れ
る)、N級(ピリング性特に優れる)の4段階評価とし
た。
【0030】(引張強さ及び伸び率)得られた不織布よ
り25OmmX50mmの試験片をタテ方向及びヨコ方
向にそれぞれ3枚採取し、JIS L1096(一般織
物試験方法)の6.12.1A法(ストリップ法)に準
じて引張強さ及び伸び率の測定を行った。試験機には、
定速引張試験機(テンシロンUCT−500、オリエン
テックコーポレーション製)を用いて、巾50mm、つ
かみ間隔200mm、引張速度200mm/分で伸長さ
せ、試料が破断するまでに最も大きい荷重とその時の伸
び率を測定し、タテ方向及びヨコ方向について、それぞ
れの平均値を求め、引張強さ及び伸び率とした。
【0031】
【実施例】(実施例1)乾式法のウエブ形成装置によ
り、繊度2.2デシテックス、繊維長44mmのポリプ
ロピレン/低融点ポリプロピレンサイドバイサイド型の
接着性繊維である潜在捲縮性複合繊維20%と繊度1.
7デシテックス、繊維長38mmのレーヨン繊維80%
からなる重量30g/m2のクロスレイされた繊維ウエ
ブAを作成した。次に、繊度2.2デシテックス、繊維
長44mmのポリプロピレン/低融点ポリプロピレンサ
イドバイサイド型の接着性繊維である潜在捲縮性複合繊
維5%と繊度1.7デシテックス、繊維長38mmのレ
ーヨン繊維95%からなる重量30g/m2のクロスレ
イされた繊維ウエブBを作成して、繊維ウエブAの上に
積層した。この積層した繊維ウエブを80メッシュ平織
り金網のコンベアーベルトからなる開孔のある支持体上
に載置して、繊維ウエブの上部より、水圧4MPaの高
圧水を、直径0.13mmのノズル孔が0.6mm間隔
で直線状に配列されたノズルプレート1本より噴射さ
せ、高速水流となし、繊維ウエブにあて、繊維ウエブに
第一回目の予備的絡合処理を行った。次に、この予備処
理された繊維ウエブを反転させて、第一回目と同じ開孔
のある支持体上に載置して、第一回目の予備処理と同じ
方法で第二回目の予備的絡合処理を行った。次に、繊維
ウエブAが開孔形成用支持体と接触するように、この予
備処理された繊維ウエブを再び反転させて10メッシュ
平織り横ナックルタイプの、プラスチックのコンベアー
ベルトからなる開孔形成用支持体上に載置して、繊維ウ
エブの上部より、水圧8MPaの高圧水を、直径0.1
3mmのノズル孔が0.6mm間隔で直線状に配列され
たノズルプレート2本より噴射させ、高速水流となし、
繊維ウエブにあて、繊維ウエブを絡合処理すると同時に
開孔処理した。次に、この開孔及び、絡合処理した繊維
ウエブを平織り金網からなるコンベアーベルトの上に載
置して、エアースルー型のドライヤーの中で、潜在捲縮
性複合繊維の接着成分である低融点ポリプロピレン樹脂
が溶融するように、155°Cの温度で、潜在捲縮発現
処理と熱接着処理を行い開孔不織布を得た。この開孔不
織布の重量は59.7g/m 2であり、厚さは0.86
mm、破断時の引張強さは、タテ方向が80.2N/5
0mm巾、ヨコ方向が31.6N/50mm巾、破断時
の伸び率は、タテ方向が30.8%、ヨコ方向が53.
0%、カンチレバー法による剛軟度は68mm、ピリン
グテストによる耐摩耗性の度合いは、表(ウエブA側の
面であり、接着性繊維の混合比率の多い面)がL級、裏
(ウエブB側の面であり、接着性繊維の混合比率の少な
い面)がL級であった。
【0032】(実施例2)実施例1の繊度2.2デシテ
ックス、繊維長44mmのポリプロピレン/低融点ポリ
プロピレンサイドバイサイド型の接着性繊維である潜在
捲縮性複合繊維のかわりに、繊度1.7デシテックス、
繊維長51mmのポリプロピレン/ポリエチレンサイド
バイサイド型接着性複合繊維を用いて、接着性複合繊維
の接着成分であるポリエチレン樹脂が溶融するように、
140°Cの温度で、熱接着処理を行ったこと以外は実
施例1と同様にして、開孔不織布を得た。この開孔不織
布の重量は59.3g/m2であり、厚さは0.87m
m、破断時の引張り強さは、タテ方向が74.9N/5
0mm巾、ヨコ方向が29.7N/50mm巾、破断時
の伸び率は、タテ方向が30.3%、ヨコ方向が62.
3%、カンチレバー法による剛軟度は77mm、ピリン
グテストによる耐摩耗性の度合いは、表(ウエブA側の
面であり、接着性繊維の混合比率の多い面)がL級、裏
(ウエブB側の面であり、接着性繊維の混合比率の少な
い面)がL級であった。
【0033】(実施例3)実施例1の繊維ウエブAのか
わりに、繊度2.2デシテックス、繊維長44mmのポ
リプロピレン/低融点ポリプロピレンサイドバイサイド
型の接着性繊維である潜在捲縮性複合繊維30%と繊度
1.7デシテックス、繊維長38mmのレーヨン繊維7
0%からなる重量30g/m2のクロスレイされた繊維
ウエブAを作成したこと以外は実施例1と同様にして、
開孔不織布を得た。この開孔不織布の重量は60.1g
/m2であり、厚さは0.86mm、破断時の引張り強
さは、タテ方向が94.4N/50mm巾、ヨコ方向が
37.4N/50mm巾、破断時の伸び率は、タテ方向
が41.5%、ヨコ方向が59.8%、カンチレバー法
による剛軟度は77mm、ピリングテストによる耐摩耗
性の度合いは、表(ウエブA側の面であり、接着性繊維
の混合比率の多い面)がN級、裏(ウエブB側の面であ
り、接着性繊維の混合比率の少ない面)がL級であっ
た。
【0034】上記の実施例1〜3の結果を表1にまとめ
た。これらの結果から明らかなように、本発明の開孔不
織布は剛軟度の値が小さく風合いが柔軟であり、しかも
両面ともにピリング性がL級以上で耐摩耗性に優れ、さ
らに両面同等に耐摩耗性に優れているため、ふき取り
布、おむつ部材、壁装材、内装材、ガーゼ、水切りシー
ト及び袋、排水溝ゴミ取りシート、簡易液体フィルタ
ー、マスク内ろ材などに好適である。
【0035】(比較例1)実施例1の繊維ウエブAのか
わりに、繊度2.2デシテックス、繊維長44mmのポ
リプロピレン/低融点ポリプロピレンサイドバイサイド
型の接着性繊維である潜在捲縮性複合繊維5%と繊度
1.7デシテックス、繊維長38mmのレーヨン繊維9
5%からなる重量30g/m2のクロスレイされた繊維
ウエブAを作成したこと以外は実施例1と同様にして、
開孔不織布を得た。この開孔不織布の重量は56.0g
/m2であり、厚さは0.85mm、破断時の引張り強
さは、タテ方向が74.4N/50mm巾、ヨコ方向が
28.9N/50mm巾、破断時の伸び率は、タテ方向
が30.8%、ヨコ方向が60.8%、カンチレバー法
による剛軟度は43mm、ピリングテストによる耐摩耗
性の度合いは、表(ウエブA側の面)がH’級、裏(ウ
エブB側の面)がL級であった。このように、繊維構造
物全体に占める接着性繊維の重量比率が少なく、しかも
表面層と裏面層の接着性繊維の重量比率の差が5%未満
である比較例1の開孔不織布は、表面の耐摩耗性が劣
り、本発明が目的とする用途には使用できないものであ
った。
【0036】(比較例2)実施例1の繊維ウエブAのか
わりに、繊度2.2デシテックス、繊維長44mmのポ
リプロピレン/低融点ポリプロピレンサイドバイサイド
型の接着性繊維である潜在捲縮性複合繊維40%と繊度
1.7デシテックス、繊維長38mmのレーヨン繊維6
0%からなる重量30g/m2のクロスレイされた繊維
ウエブAを作成したこと、及び繊維ウエブBのかわり
に、繊度2.2デシテックス、繊維長44mmのポリプ
ロピレン/低融点ポリプロピレンサイドバイサイド型の
接着性繊維である潜在捲縮性複合繊維40%と繊度1.
7デシテックス、繊維長38mmのレーヨン繊維60%
からなる重量30g/m2のクロスレイされた繊維ウエ
ブBを作成したこと以外は実施例1と同様にして、開孔
不織布を得た。この開孔不織布の重量は58.1g/m
2であり、厚さは0.90mm、破断時の引張り強さ
は、タテ方向が105.3N/50mm巾、ヨコ方向が
39.2N/50mm巾、破断時の伸び率は、タテ方向
が42.0%、ヨコ方向が71.3%、カンチレバー法
による剛軟度は124mm、ピリングテストによる耐摩
耗性の度合いは、表(ウエブA側の面)がN級、裏(ウ
エブB側の面)がN級であった。このように、繊維構造
物全体に占める接着性繊維の重量比率が30重量%を超
え、しかも表面層と裏面層の接着性繊維の重量比率の差
が5%未満である比較例2の開孔不織布は、両面の耐摩
耗性は優れるものの、剛軟度の値が高く柔軟性に劣るた
め、本発明が目的とする用途には使用できないものであ
った。
【0037】(比較例3)実施例2の繊維ウエブAのか
わりに、繊度1.7デシテックス、繊維長51mmのポ
リプロピレン/ポリエチレンサイドバイサイド型接着性
複合繊維5%と繊度1.7デシテックス、繊維長38m
mのレーヨン繊維95%からなる重量30g/m2のク
ロスレイされた繊維ウエブAを作成したこと以外は実施
例2と同様にして、開孔不織布を得た。この開孔不織布
の重量は60.3g/m2であり、厚さは0.93m
m、破断時の引張り強さは、タテ方向が69.3N/5
0mm巾、ヨコ方向が29.5N/50mm巾、破断時
の伸び率は、タテ方向が26.3%、ヨコ方向が57.
3%、カンチレバー法による剛軟度は61mm、ピリン
グテストによる耐摩耗性の度合いは、表(ウエブA側の
面)がH’級、裏(ウエブB側の面)がL級であった。
このように、繊維構造物全体に占める接着性繊維の重量
比率が少なく、しかも表面層と裏面層の接着性繊維の重
量比率の差が5%未満である比較例3の開孔不織布は、
表面の耐摩耗性が劣り、本発明が目的とする用途には使
用できないものであった。
【0038】表1.開孔不織布の評価(実施例1〜3)
【0039】表2.開孔不織布の評価(比較例1〜3)
【0040】
【発明の効果】本発明は、接着性繊維5〜30重量%と
該接着性繊維以外の繊維70〜95重量%からなり、繊
維が3次元的に絡合された開孔不織布であって、該開孔
不織布の表面層と裏面層において該接着性繊維の重量比
率が5%以上異なり、かつ該表面層と該裏面層において
該接着性繊維が繊維接着していることを特徴とする開孔
不織布であり、絡合と開孔による柔軟性保持効果と繊維
接着処理による耐摩耗性の向上効果に加えて、接着点を
多く持つ層を片面に偏在させることによって、偏在させ
ない場合の耐摩耗性と同等の耐摩耗性を両面ともに保ち
ながら、風合いをさらに柔軟にする効果を得ることがで
きるため、ふき取り布、おむつ部材、壁装材、内装材、
ガーゼ、水切りシート及び袋、排水溝ゴミ取りシート、
簡易液体フィルター、マスク内ろ材などに好適な開孔不
織布を提供することができる。また、本発明の開孔不織
布をふき取り布に用いると、開孔部分にゴミを補足する
ことができ、また開孔不織布とふき取りされる面との間
の接触面積が少なくなるので、摩擦による抵抗が少なく
ふき取り易い。このため本発明の開孔不織布は特にふき
取り布に好適である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04H 1/46 D04H 1/46 A 1/54 1/54 B Fターム(参考) 3B074 AA02 AA08 AB01 AC03 BB04 4D019 AA01 AA03 BA13 BB03 CB06 4L047 AA14 AA27 AA28 AB02 BA04 BA05 BA09 BB02 BB09 CA02 CA10 CA15 CC03 CC04 CC10 CC12 CC16 DA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着性繊維5〜30重量%と該接着性繊
    維以外の繊維70〜95重量%からなり、繊維が3次元
    的に絡合された開孔不織布であって、該開孔不織布の表
    面層と裏面層において該接着性繊維の重量比率が5%以
    上異なり、かつ該表面層と該裏面層において該接着性繊
    維が繊維接着していることを特徴とする開孔不織布。
  2. 【請求項2】 接着性繊維が5〜20重量%と該接着性
    繊維以外の繊維が80〜95重量%からなることを特徴
    とする請求項1に記載の開孔不織布。
  3. 【請求項3】 接着性繊維が潜在捲縮性繊維であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の開孔不織布。
  4. 【請求項4】 親水性繊維を30重量%以上含むことを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の開孔不織
    布。
  5. 【請求項5】 絡合が水流絡合法によるものである請求
    項1〜4のいずれかに記載の開孔不織布。
  6. 【請求項6】 接着性繊維と該接着性繊維以外の繊維か
    らなる繊維ウエブAと、繊維ウエブAよりも接着性繊維
    の重量比率が5%以上少ない繊維ウエブBとを形成する
    に際して、繊維ウエブAと繊維ウエブBとに含まれる合
    計の繊維に対して、該接着性繊維が5〜30重量%及び
    該接着性繊維以外の繊維が70〜95重量%となるよう
    に形成した後、繊維ウエブAが最下層に、繊維ウエブB
    が最上層になるように、開孔形成用支持体の上に繊維ウ
    エブを積層載置した後、積層した繊維ウエブに水流処理
    により積層した繊維ウエブを絡合及び開孔させた後、該
    接着性繊維の繊維接着処理を行う開孔不織布の製造方
    法。
JP2000295560A 2000-09-28 2000-09-28 開孔不織布及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4446579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000295560A JP4446579B2 (ja) 2000-09-28 2000-09-28 開孔不織布及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000295560A JP4446579B2 (ja) 2000-09-28 2000-09-28 開孔不織布及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002105826A true JP2002105826A (ja) 2002-04-10
JP4446579B2 JP4446579B2 (ja) 2010-04-07

Family

ID=18777969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000295560A Expired - Fee Related JP4446579B2 (ja) 2000-09-28 2000-09-28 開孔不織布及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4446579B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005177320A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Nippon Acp Kk 衛生用マスク
JP2005520059A (ja) * 2001-12-21 2005-07-07 インビスタ・テクノロジーズ・エス・エイ・アール・エル 高バルク複合体シートの作製方法
JP2006116522A (ja) * 2004-09-22 2006-05-11 Japan Vilene Co Ltd フィルタエレメント
JP2008264335A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Frontier Sangyo Kk 脱臭エアフィルター及びその製法
JP2009287158A (ja) * 2008-04-28 2009-12-10 Daiwabo Holdings Co Ltd 不織布およびその製造方法、並びに拭き取り材
WO2011125143A1 (ja) * 2010-04-08 2011-10-13 Yamada Kikuo 清掃用シート
JP2016007267A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 旭化成ケミカルズ株式会社 ウェットワイパー
JP2017113653A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 タイガースポリマー株式会社 不織布濾過材及びエアクリーナエレメント
JP2019107521A (ja) * 2019-03-18 2019-07-04 旭化成アドバンス株式会社 ウェットワイパー
JP2020133041A (ja) * 2019-02-19 2020-08-31 白元アース株式会社 立体型マスク
WO2022163187A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 花王株式会社 衛生マスク用シート

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005520059A (ja) * 2001-12-21 2005-07-07 インビスタ・テクノロジーズ・エス・エイ・アール・エル 高バルク複合体シートの作製方法
JP2005177320A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Nippon Acp Kk 衛生用マスク
JP2006116522A (ja) * 2004-09-22 2006-05-11 Japan Vilene Co Ltd フィルタエレメント
JP2008264335A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Frontier Sangyo Kk 脱臭エアフィルター及びその製法
JP2009287158A (ja) * 2008-04-28 2009-12-10 Daiwabo Holdings Co Ltd 不織布およびその製造方法、並びに拭き取り材
WO2011125143A1 (ja) * 2010-04-08 2011-10-13 Yamada Kikuo 清掃用シート
JP2011229871A (ja) * 2010-04-08 2011-11-17 Kikuo Yamada 清掃用シート
JP2016007267A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 旭化成ケミカルズ株式会社 ウェットワイパー
JP2017113653A (ja) * 2015-12-21 2017-06-29 タイガースポリマー株式会社 不織布濾過材及びエアクリーナエレメント
CN106955528A (zh) * 2015-12-21 2017-07-18 泰贺斯聚合物股份有限公司 无纺布滤材和空气滤清器滤芯
CN106955528B (zh) * 2015-12-21 2020-10-09 泰贺斯聚合物股份有限公司 无纺布滤材和空气滤清器滤芯
JP2020133041A (ja) * 2019-02-19 2020-08-31 白元アース株式会社 立体型マスク
JP7382722B2 (ja) 2019-02-19 2023-11-17 白元アース株式会社 立体型マスク
JP2019107521A (ja) * 2019-03-18 2019-07-04 旭化成アドバンス株式会社 ウェットワイパー
WO2022163187A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 花王株式会社 衛生マスク用シート
JP2022115800A (ja) * 2021-01-28 2022-08-09 花王株式会社 衛生マスク用シート
JP7218076B2 (ja) 2021-01-28 2023-02-06 花王株式会社 衛生マスク用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP4446579B2 (ja) 2010-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6903034B1 (en) Hydroentanglement of continuous polymer filaments
CA2155315C (en) Stitchbonded articles and method of making same
AU2007279816A1 (en) Stretch nonwoven fabric and tapes
KR20000010731A (ko) 내구성 스펀레이스 구조 직물
JP2002105826A (ja) 開孔不織布及びその製造方法
EP1360357B2 (en) Hydroentanglement of continuous polymer filaments
JP2001521846A (ja) 耐久性・吸収性のスパンレ−ス布構造体
JP5329860B2 (ja) 複合シートおよびその製造方法
AU2001229480A1 (en) Hydroentanglement of continuous polymer filaments
JP3134044B2 (ja) 嵩高性不織布およびその製造方法
JP3912177B2 (ja) 起毛様不織布、その製造方法及びそれを用いた繊維製品
JP5902257B2 (ja) 複合不織シートの製造方法
JP3277046B2 (ja) 水流交絡不織布及びその製造法
WO2005052237A2 (en) Three-dimensional nonwoven fabric with improved loft and resiliency
JP3967848B2 (ja) 清掃用不織布およびその製造方法
JP3102451B2 (ja) 三層構造不織布及びその製造方法
JP2002263043A (ja) ワイピング用不織布
JP3102450B2 (ja) 三層構造不織布及びその製造方法
JP3278288B2 (ja) 絡合不織布およびこれを用いた芯地
JPH0931857A (ja) 積層不織布及びその製造方法
JP3666828B2 (ja) 帯状割繊区域を持つ不織布及びその製造方法
JP2783411B2 (ja) 高強度湿式不織布及びその製造方法
JP2989249B2 (ja) 高強度極細繊維不織布とその製造方法
JPH0841762A (ja) 積層不織布及びその製造方法
JP4149610B2 (ja) 複合弾性シートおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070621

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100105

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100119

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees