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JP2002105788A - コード材及びタイヤ - Google Patents

コード材及びタイヤ

Info

Publication number
JP2002105788A
JP2002105788A JP2000294487A JP2000294487A JP2002105788A JP 2002105788 A JP2002105788 A JP 2002105788A JP 2000294487 A JP2000294487 A JP 2000294487A JP 2000294487 A JP2000294487 A JP 2000294487A JP 2002105788 A JP2002105788 A JP 2002105788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
carcass
cord material
cord
dtex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000294487A
Other languages
English (en)
Inventor
Taku Shimada
卓 島田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2000294487A priority Critical patent/JP2002105788A/ja
Publication of JP2002105788A publication Critical patent/JP2002105788A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気入りタイヤのカーカスに好適で、高強度
で寸法安定性に優れたコード材、及び走行耐久性を維持
しつつユニフォミティーに優れた空気入りタイヤの提
供。 【解決手段】 ポリエステル繊維で形成され、1.98
(cN/dtex)荷重下における中間伸度(M)が
4.5〜6.5%であり、かつ177℃で30分間、5
0gの初期荷重を負荷した状態における乾熱収縮率
(S)が次式、A+9.7<S(%)<A+10.5、
(A=(0.17×M2)−(2.5×M))を満たす
コード材である。撚り係数Kが0.36〜0.62であ
るのが好ましい。ビード部にトロイド状をなして連なる
カーカスを少なくとも有してなり、該カーカスが、前記
コード材で形成された空気入りタイヤである。ビード部
の内側から巻き上げられて外側に折返配置されたカーカ
スの一端がリムのフランジの外周よりもタイヤ中心側に
位置するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強材として各種
分野において使用可能であり、特にタイヤのカーカスに
好適なコード材、及び該コード材をカーカスに用いたタ
イヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、乗用車の空気入りラジアルタ
イヤにおけるカーカスプライには、ナイロン繊維コード
や、ポリエステル繊維コード、レーヨン繊維コードが使
用されてきている。しかしながら、前記ナイロン繊維コ
ードは、低弾性、高乾熱収縮率、高クリープであるた
め、該ナイロン繊維コードをカーカスプライに使用する
場合、寸法安定性に劣り、フラットスポットが生じ、使
用量を低減せざるを得ないという問題がある。一方、前
記レーヨン繊維コードは、前記ナイロン繊維コードに比
べて強度が低いため、該レーヨン繊維コードをカーカス
プライに使用する場合、その使用量を多くせざるを得
ず、タイヤ重量が増し、転がり抵抗等の諸特性が低下し
てしまうという問題がある。また、原料がパルプである
ため、原料入手が将来困難になる可能性もある。このた
め、両者の欠点を補うポリエステル繊維が主にカーカス
プライに使用されてきている。しかし、近年、乗用車用
の空気入りラジアルタイヤにおいては、タイヤ諸特性を
高次元でバランス良く充たすことが望まれており、従来
よりも高速走行の機会が多い近時、走行中にタイヤが振
動することに起因する振動乗り心地性の低下抑制や操縦
安定性の改善が特に重要な問題となってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、各種分野におけるゴム製品
等の補強材として、特にタイヤにおけるカーカスに好適
であり、高強度で寸法安定性に優れたコード材、及び、
走行耐久性を維持しつつユニフォミティーに優れ、振動
乗り心地性、操縦安定性等のタイヤ諸特性をバランス良
く充たすタイヤを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すべく、
本発明者が鋭意検討の結果、以下の知見を得た。即ち、
乗用車のタイヤにおける前記振動乗り心地性や前記操縦
安定性は、タイヤのユニフォミティーに大きな影響を受
ける。そして、このタイヤのユニフォミティーは、タイ
ヤ径方向に巻回配置されるカーカスプライの物性や長さ
・重量分布等に特に大きな影響を受ける。しかし、この
カーカスプライに、前記ナイロン繊維コードや前記レー
ヨン繊維コードを使用すると前記問題があることから、
これらに代わりに、高強度で寸法安定性に優れたポリエ
ステル繊維コードを、前記タイヤにおけるカーカスプラ
イに使用することにより、高速走行時に発生する振動を
抑制することができる。そして、前記ポリエステル繊維
コードにおいては、中間伸度を大きくすると熱収縮率が
小さくなり、中間伸度を小さくすると熱収縮率が大きく
なり、即ち中間伸度と熱収縮率とは相反する関係にあ
り、両者の関係が所定の範囲にある場合に、高強度で寸
法安定性に優れる。これを、タイヤにおけるカーカスに
使用すると、タイヤ不均一性(真円性からの崩れ)を示
すラジアルフォースバリエーション(以下「RFV」と
称する)の値を小さくすることができ、タイヤの不均一
性に起因する振動乗り心地性、操縦安定性等のタイヤ諸
特性に優れたタイヤが得られるという知見である。
【0005】本発明は、本発明者による前記知見に基づ
くものであり、前記課題を解決するための手段は、以下
の通りである。即ち、 <1> ポリエステル繊維で形成され、1.98(cN
/dtex)荷重下における中間伸度(M)が4.5〜
6.5%であり、かつ、177℃で30分間、50gの
初期荷重を負荷した状態における乾熱収縮率(S)が次
式を満たすことを特徴とするコード材である。 A+9.7<S(%)<A+10.5 但し、前記式中、A=(0.17×M2)−(2.5×
M)、である。 <2> 撚り係数Kが0.36〜0.62である前記<
1>に記載のコード材である。
【0006】
【数2】
【0007】但し、前記式中、Nは、撚り数(回/10
cm)を表す。Dは、総表示デシテックス数(dte
x)を表す。ρは、比重を表す。 <3> ポリエステル繊維がポリエチレンテレフタレー
ト繊維である前記<1>又は<2>に記載のコード材で
ある。 <4> タイヤのカーカスに用いられる前記<1>から
<3>のいずれかに記載のコード材である。 <5> ビード部にトロイド状をなして連なるカーカス
を少なくとも有してなり、該カーカスが、前記<1>か
ら<4>のいずれかに記載のコード材で形成されたこと
を特徴とするタイヤである。 <6> リムに組込まれた際、ビード部の内側から巻き
上げられて外側に折返配置されたカーカスの一端が、該
リムのフランジの外周よりもタイヤ中心側に位置する前
記<6>に記載のタイヤである。
【0008】前記<1>に記載のコード材は、ポリエス
テル繊維で形成され、1.98(cN/dtex)荷重
下における中間伸度(M)が4.5〜6.5%であり、
かつ、177℃で30分間、50gの初期荷重を負荷し
た状態における乾熱収縮率(S)が次式、A+9.7<
S(%)<A+10.5 (但し、前記式中、A=
(0.17×M2)−(2.5×M)、である。)、を
満たす。該コード材は、ポリエステル繊維で形成されて
いるので、剛性等の機械的特性、熱特性等に優れ、各種
分野におけるゴム製品等の補強材として、特にタイヤに
おけるカーカスとして好適に使用できる一方、前記ナイ
ロン繊維コードの場合のように、寸法安定性に劣り、フ
ラットスポットが生じ使用量を低減せざるを得ないとい
う問題がなく、前記レーヨン繊維コードの場合のよう
に、使用量を多くせざるを得ずタイヤ重量が増し、転が
り抵抗等の諸特性が低下してしまうという問題がない。
そして、前記中間伸度(M)が4.5〜6.5%であ
り、このとき熱収縮率が適度であり、乾熱収縮率(S)
が前記式を満たすので、加硫中におけるコード材の伸縮
量が適度であり、前記RFVが小さい。このため、該コ
ード材は、特にタイヤにおけるカーカスとして好適に使
用することができ、該コード材をカーカスに使用したタ
イヤは、振動乗り心地性、操縦安定性等のタイヤ諸特性
に優れる。
【0009】前記<2>に記載のコード材は、前記<1
>において、前記撚り係数Kが0.36〜0.62であ
る。この場合、該コード材をタイヤにおけるカーカスに
使用すると、該タイヤは走行耐久性に優れる。
【0010】前記<3>に記載のコード材は、前記<1
>又は<2>において、ポリエステル繊維がポリエチレ
ンテレフタレート繊維である。このため、該コード材
は、寸法安定性、強度、製造性に優れる。このため、該
コード材は、各種分野における補強材として、特にタイ
ヤにおけるカーカスとして好適に使用され得る。
【0011】前記<4>に記載のコード材は、前記<1
>から<3>のいずれかにおいて、タイヤのカーカスに
用いられる。この場合、該タイヤは、走行耐久性を維持
しつつユニフォミティーに優れ、振動乗り心地性、操縦
安定性に優れる。
【0012】前記<5>に記載のタイヤは、ビード部に
トロイド状をなして連なるカーカスを少なくとも有して
なり、該カーカスが、前記<1>から<4>のいずれか
に記載のコード材で形成されたことを特徴とする。この
場合、該カーカスは、寸法安定性に優れ、高強度であ
り、高性能であるので、該コード材をカーカスに用いた
タイヤは、走行耐久性を維持しつつユニフォミティーに
優れ、振動乗り心地性、操縦安定性に優れる。
【0013】前記<6>に記載のタイヤは、前記<5>
において、リムのフランジに組込まれた際、ビード部の
内側から巻き上げられて外側に折返配置されたカーカス
の一端が、該リムのフランジの外周よりもタイヤ中心側
に位置する。このため、該タイヤは、走行耐久性に特に
優れる。
【0014】
【発明の実施の形態】(コード材)本発明のコード材
は、ポリエステル繊維で形成され、1.98(cN/d
tex)荷重下における中間伸度(M)が4.5〜6.
5%であり、かつ、177℃で30分間、50gの初期
荷重を負荷した状態における乾熱収縮率(S)が次式を
満たすことが必要である。 A+9.7<S(%)<A+10.5 但し、前記式中、A=(0.17×M2)−(2.5×
M)、である。
【0015】前記コード材が、前記中間伸度(M)と前
記乾熱収縮率(S)との関係を充たす場合は、両者の関
係図である図1において、該コード材における両者の関
係を示す軌跡が斜線部分に含まれる場合である。この斜
線部分に含まれる本発明のコード材は、高強度で寸法安
定性に優れる。該コード材をタイヤにおけるカーカスに
使用した場合、熱と張力とが負荷される加硫時からポス
ト・キュア・インフレーションまでの間における熱収縮
が小さくすることができるため、該コード材は、タイヤ
におけるカーカスに特に好適に使用され得る。
【0016】一方、従来のタイヤのカーカスに使用され
ているコード材の場合には、前記中間伸度(M)と前記
乾熱収縮率(S)との関係を示す軌跡は、図1における
斜線部分には含まれず、該斜線部よりも上方に位置す
る。この場合、該コード材の前記RFVは大きく、該コ
ード材をカーカスに使用したタイヤは、振動乗り心地
性、操縦安定性等のタイヤ諸特性に劣る。
【0017】前記中間伸度(M)としては、上述の通
り、4.5〜6.5%である必要があり、5.0〜6.
0%が好ましい。前記中間伸度(M)が、4.5%未満
であると、該コード材の熱収縮率が大きく、該コード材
をタイヤにおけるカーカスに使用すると前記RFVが大
きくなり、ユニフォミティーに劣り、振動乗り心地性、
操縦安定性等に劣り、一方、6.5%を超えると、該コ
ード材の加硫後におけるポスト・キュア・インフレーシ
ョンの間における該コード材の伸び量が大きいため、該
コード材をタイヤにおけるカーカスに使用すると前記R
FVが大きくなり、ユニフォミティーに劣り、振動乗り
心地性、操縦安定性等に劣る。
【0018】前記中間伸度(M)は、JIS L 10
17に従って、室温(25℃±2℃)で引張り、1.9
8(cN/dtex)荷重下における伸度(%)を測定
することにより得られる。なお、ここでの「dtex」
は、撚糸前の原糸の「dtex」の値である。
【0019】前記乾熱収縮率(S)は、上述の通り、A
+9.7<S(%)<A+10.5(但し、前記式中、
A=(0.17×M2)−(2.5×M)、である)を
充たす必要がある。前記乾熱収縮率(S)が、前記(A
+9.7)以下であると、該コード材は強度が低く、耐
熱劣化性、耐圧縮疲労性に劣り、カーカス等に好適では
なく、該コード材をカーカスに使用したタイヤは、走行
耐久性に劣り、一方、前記(A+10.5)以上である
と、該コード材の熱収縮率が大きく、該コード材をタイ
ヤにおけるカーカスに使用すると前記RFVが大きくな
り、ユニフォミティーに劣り、振動乗り心地性、操縦安
定性等に劣る。
【0020】前記乾熱収縮率(S)は、例えば、オーブ
ン中で、該コード材に50gの初期荷重を負荷した状態
で、177℃で30分間放置して熱収縮させた後、その
熱収縮した長さを測定し、熱収縮前のコードの長さで除
し、その値の百分率(%)として算出することができ
る。
【0021】前記コード材は、少なくともポリエステル
繊維を原糸として、該ポリエステル繊維に下撚り、上撚
りを施すことにより、双撚生コードとして得られ、必要
に応じて、その表面に接着剤等が塗布され、熱処理等さ
れてなる。
【0022】前記ポリエステル繊維としては、特に制限
はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例え
ば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナ
フタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、な
どが挙げられる。これらの中でも、通常より高速、高応
力で紡績したポリエチレンテレフタレート繊維のコスト
パフォーマンスの点で好ましい。これらのポリエステル
繊維は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0023】前記原糸としての前記ポリエステル繊維の
デシテックス数としては、500〜3000dtex程
度であり、1000〜2500dtexが好ましい。
【0024】前記コード材の下記式で表される撚係数K
としては、0.36〜0.62が好ましく、0.40〜
0.55がより好ましい。前記撚り係数Kが、0.36
未満であると、タイヤのカーカスに好適でなく、該コー
ド材をカーカスに使用したタイヤは、走行耐久性に劣る
ことがあり、0.62を超えると、タイヤのカーカスに
好適でなく、該コード材をカーカスに使用したタイヤ
は、走行耐久性に劣ることがある。
【0025】
【数3】
【0026】但し、前記式中、Nは、撚り数(回/10
cm)を表す。Dは、総表示デシテックス数を表す。ρ
は、比重を表す。
【0027】前記コード材における総デシテックス数D
としては、1000〜6000dtexが好ましく、2
000〜5000dtexがより好ましい。前記コード
材における総デシテックス数Dが、1000dtex未
満であると、細すぎて打ち込み数が密となり過ぎること
があり、6000dtexを超えると、コードが太過ぎ
て、ジョイント部の凹凸が目立ってしまうことがある。
【0028】前記接着剤としては、特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができ、2液型反応性接着
剤、1液型非反応性接着剤などが挙げられるが、前記ポ
リエステル繊維とゴムとの接着性を良好にすることがで
きる点で、RFL(レゾルシン−ホルマリン樹脂−ラテ
ックス)接着剤が好適に挙げられる。
【0029】前記接着剤の塗布の方法としては、特に制
限はなく、公知の方法を採用することができるが、例え
ば、浸漬法、バーコート法、ニーダーコート法、カーテ
ンコート法、ローラコート法、スピンコート法、などが
挙げられる。
【0030】前記熱処理としては、乾燥処理、熱固定処
理(ヒートセット処理)及びノルマライジング処理が挙
げられ、これらの熱処理をこれらの順に施すのが好まし
い。これらの熱処理は、連続的に行ってもよいし、バッ
チ式で行ってもよいが、製造効率の点で連続的に行うの
が好ましい。前記熱処理を連続的に行う方法としては、
特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
るが、例えば、前記各処理を行うための加熱炉を連続し
て配置し、該加熱炉の中(ゾーン)をコンベア等を用い
て連続的に通過させる方法などが挙げられる。
【0031】前記乾燥処理、前記熱固定処理及びノルマ
ライジング処理における熱処理条件、張力条件等として
は、得られる前記コード材における中間伸度及び乾熱収
縮率が前記関係を充たすようにして適宜選択することが
できる。
【0032】前記ゴムは、該コード材がタイヤにおける
カーカスに使用される場合に、複数本並列された該コー
ド材の表面に被覆されるゴムであり、該ゴムとしては、
特に制限はなく、天然ゴムであってもよいし、合成ゴム
であってもよいし、あるいはこれらのブレンドであって
もよく、目的に応じて公知のゴムの中から適宜選択する
ことができる。
【0033】前記コード材をタイヤにおけるカーカスと
して使用する場合、該カーカスの幅等については、特に
制限はなく、用途等に応じて適宜選択することができ
る。また、該カーカスにおける前記コード材の打込み数
としては、30〜80本/cm程度であり、40〜60
本/cmが好ましい。
【0034】前記コード材は、各種分野におけるゴム製
品等の補強材として好適に使用することができ、以下の
本発明のタイヤのカーカスに特に好適に使用することが
できる。
【0035】(タイヤ)本発明のタイヤは、ビード部に
トロイド状をなして連なるカーカスを少なくとも有して
なり、該カーカスが前記本発明のコード材で形成されて
いること以外は、その形状、構造、大きさ、材料等につ
いて特に制限はなく、公知の構成を適宜採用することが
できる。本発明のタイヤは、気体が充填された空気入り
タイヤとして用いることができ、該気体としては、例え
ば、空気、窒素などが挙げられる。
【0036】前記タイヤの前記カーカス以外の構成とし
ては、例えば、1対のビード部、該カーカスのクラウン
部をたが締めするベルト層、トレッドなどが挙げられ
る。
【0037】前記タイヤは、ラジアルタイヤであっても
よいし、バイアスタイヤであってもよいが、ラジアルタ
イヤであるのが好ましい。
【0038】前記タイヤにおいては、該タイヤがリムに
組込まれた際、ビード部の内側から巻き上げられて折返
配置されたカーカスの一端が、該リムの外周よりもタイ
ヤ中心側に位置するのが好ましい。この場合、該タイヤ
は、走行耐久性に優れる点で好ましい。
【0039】本発明のタイヤは、走行耐久性を維持しつ
つユニフォミティーに優れ、振動乗り心地性、操縦安定
性等に優れるため、高速走行の機会が多い乗用車用タイ
ヤとして好適に使用することができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0041】(実施例1)実施例1におけるタイヤ(空
気入りラジアルタイヤ)は、リムフランジに嵌合される
1対のビードと、該ビードの周りにタイヤ内側から外側
に折返して係止されるカーカスと、該ビードを中心にし
て折返されたカーカスに収容されたビードフィラーと、
該カーカスのクラウン部に位置するトレッド部と、該ビ
ードを埋設したサイドウォール部と、該カーカスの内側
に配置されたインナーライナー層と、該トレッド部の内
側に配置されたベルト層と、該ベルト層の外周側であっ
てその全幅に配置されたキャッププライ層と、を備えて
なる。
【0042】実施例1におけるタイヤ(空気入りラジア
ルタイヤ)は、205/65R15のチューブレス構造
であり、該タイヤの製造は、加硫条件170℃×13
分、ポスト・キュア・インフレーション条件内圧2.5
kg/cm2、26分で行った。
【0043】該タイヤにおけるカーカスには、1100
dtex/2(1100デシテックス2本撚り)の撚り
数(下撚り×上撚り)47×47(回/10cm)のポ
リエステル(ポリエチレンテレフタレート)繊維コード
を使用したものを1枚、打込み数が55.0本/5cm
のものを用いた。該カーカスは、実質的にタイヤ周方向
と直交する方向に配置させた。
【0044】なお、前記ポリエステル繊維コードは、本
発明のコード材であり、その中間伸度(M)及び乾熱収
縮性(S)の詳細は表1に示した通りである。前記カー
カスは、該ポリエステル繊維コードをゴム(天然ゴムを
主体としたコーティングゴム)引きしたものである。
【0045】なお、カーカスに用いたコード材としての
前記ポリエステル繊維コードは、以下のようにして得た
ものである。即ち、硫酸相対粘度3.2のポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート)の溶融物を、通常より
高速の引取り速度である2500m/分以上で紡糸し、
その後、235℃の熱処理温度で適当な熱延伸、リラッ
クス、冷却等を行うことにより、1100dtexのポ
リエステル(ポリエチレンテレフタレート)の原糸を得
た。次に、リング撚糸機を用いて前記原糸に47×47
回/10cmの撚り数をかけ、1100dtex/2の
双撚生コードを得た。そして、この双撚生コードを、1
液エポキシ水溶液と、2液RFL(レゾルシン−ホルマ
リン樹脂−ラテックス)水溶液接着剤とに各々浸漬し、
乾燥処理し、熱処理した。前記乾燥処理(乾燥ゾーン)
の際の温度を140℃とし、処理時間を120秒間とし
た。また、前記熱処理の際の温度を235℃とし、処理
時間を90秒間とした。また、ヒートセットの際のコー
ド張力を1.0g/dとした。
【0046】また、前記タイヤにおける、ベルト層とし
ては、1×3×0.24mm(素線径0.3mm)構造
のスチールコードベルトを2枚配置し、打込み角度は、
周方向に対して左右それぞれ25°、打込み数が40.
0本/5cmのものを用いた。ベルト層16は、スチー
ル繊維コードがタイヤ周方向(タイヤの赤道面)に対し
25°の傾斜角度で配置されており、少なくとも2枚、
コードが異なる方向に交差するように重ね合わされた。
【0047】実施例1におけるタイヤ(空気入りラジア
ルタイヤ)のカーカスに用いたコード材ついて、中間伸
度、乾熱収縮率(%)を以下のようにして評価し、該タ
イヤのユニフォミティー、走行耐久性を以下のようにし
て評価した。これらの結果を、表1に示した。なお、該
タイヤにおいては、ビード部の内側から巻き上げられて
折返配置されたカーカスの一端が、該タイヤがリムに組
み込まれた際の該リムの外周よりもタイヤ中心側に位置
している。
【0048】<コード材の中間伸度(M)の測定>前記
タイヤから、表面ゴムの付いたままのカーカスを切出
し、表面の余分なゴム片を可能な限り挟みで削ぎ落とし
た後、JIS L 1017−1998に従いオートグ
ラフにて、室温(25℃±2℃)で引張り、1.98
(cN/dtex)荷重下における伸度(%)を測定し
た。なお、ここでの「dtex」は、撚糸前の原糸の
「dtex」の値を用いた。
【0049】<コード材の乾熱収縮率(S)の測定>前
記タイヤから、表面ゴムの付いたままのカーカスを切出
し、表面の余分なゴム片を可能な限り挟みで削ぎ落とし
た後、オーブン中で、該カーカスのコード材に50gの
初期荷重を負荷した状態で、177℃で30分間放置し
て熱収縮させた後、その熱収縮した長さを測定し、熱収
縮前のコードの長さで除し、その値の百分率(%)とし
て算出した。
【0050】<タイヤのユニフォミティー(RFV値)
の測定>自動車規格JASO C 607「自動車用タ
イヤのユニフォミティー試験方法」に準拠して測定し
た。
【0051】<タイヤの走行耐久性の測定>ドラム表面
が平滑な網製で、直径が1.707mであるドラム試験
機を使用して、周辺温度を30±3℃に制御し、内圧2
9.4kPa、荷重12.74kNの条件にて、故障が
発生するまでタイヤを走行させた。この走行距離が長い
程、走行耐久性に優れることを意味する。結果は、比較
例1のタイヤの走行耐久性を「100」として指数表示
し、60未満のものを「×」とし、60以上100未満
のものを「△」とし、100以上のものを「○」とし
た。
【0052】(実施例2〜10及び比較例1〜5)実施
例1において、コード材における中間伸度及び乾熱収縮
率が表1の通り異なる以外は、実施例1と同様にした。
結果を表1に示した。なお、各タイヤにおいて、ビード
部の内側から巻き上げられて折返配置されたカーカスの
一端が、該タイヤがリムに組み込まれた際の該リムの外
周よりもタイヤ中心側に位置している(リムライン下)
か、それともタイヤ外周側に位置している(リムライン
上)かを表1に示した。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果から、本発明のコード材をカー
カスに用いた本発明のタイヤでは、比較例のタイヤの場
合と比べて、走行耐久性を維持しつつRFVが小さいこ
とが明らかである。
【0055】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記諸問
題を解決することができ、各種分野におけるゴム製品等
の補強材として、特にタイヤにおけるカーカスに好適で
あり、高強度で寸法安定性に優れたコード材、及び、走
行耐久性を維持しつつユニフォミティーに優れ、振動乗
り心地性、操縦安定性等のタイヤ諸特性をバランス良く
充たすタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、タイヤのカーカスに用いられる本発明
のコード材の、中間伸度と熱収縮率との関係を示す図で
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル繊維で形成され、1.98
    (cN/dtex)荷重下における中間伸度(M)が
    4.5〜6.5%であり、かつ、177℃で30分間、
    50gの初期荷重を負荷した状態における乾熱収縮率
    (S)が次式を満たすことを特徴とするコード材。 A+9.7<S(%)<A+10.5 但し、前記式中、A=(0.17×M2)−(2.5×
    M)、である。
  2. 【請求項2】 撚り係数Kが0.36〜0.62である
    請求項1に記載のコード材。 【数1】 但し、前記式中、Nは、撚り数(回/10cm)を表
    す。Dは、総表示デシテックス数(dtex)を表す。
    ρは、比重を表す。
  3. 【請求項3】 ポリエステル繊維がポリエチレンテレフ
    タレート繊維である請求項1又は2に記載のコード材。
  4. 【請求項4】 タイヤのカーカスに用いられる請求項1
    から3のいずれかに記載のコード材。
  5. 【請求項5】 ビード部にトロイド状をなして連なるカ
    ーカスを少なくとも有してなり、該カーカスが、請求項
    1から4のいずれかに記載のコード材で形成されたこと
    を特徴とするタイヤ。
  6. 【請求項6】 リムに組込まれた際、ビード部の内側か
    ら巻き上げられて外側に折返配置されたカーカスの一端
    が、該リムのフランジの外周よりもタイヤ中心側に位置
    する請求項5に記載のタイヤ。
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