JP2002105606A - Fe−Cr−Al系合金 - Google Patents
Fe−Cr−Al系合金Info
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Abstract
が良好、かつ製造性が良好なFe-Cr-Al系合金を提供す
る。 【解決手段】 質量%で、Cr:15%以上28%以下、Al:4.5%
以上10.0%以下、Y:0.01%以上0.3%以下、Zr、Hfの1種ま
たは2種を(Zr+Hf/2)として0.01%以上0.2%以下であり、
不可避的不純物として、C:0.02%以下、N:0.02%以下、C+
N:0.03%以下、S:0.003%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以
下、Ti、Nb、Ta及びVの合計が0.03%未満、Ce:0.005%未
満かつYを除く希土類元素の合計が0.01%未満を含有し、
残部はFeからなり、かつ下記(1)、(2)式を満足する、耐
酸化性と靭性に優れたFe-Cr-Al系合金である。 0.01≦(%Zr)+(%Hf)/2-2×(%Ti)-(%Nb)-(%Ta)/2-2×(%V) …(1) {(%Al)-4}2×{2×(%Zr)+(%Hf)}/(%Y)<20 …(2)
Description
及び靭性に優れたFe-Cr-Al系合金に関する。
担体として、耐熱合金製の外筒に同合金製のハニカム体
を嵌入したメタル担体が、近年多用されるようになって
きた。ハニカム体は厚さ50μm程度の平箔と、該平箔を
コルゲート加工した波箔とを、交互に積層して形成さ
れ、平箔と波箔を交互に積層したものや、帯状の平箔と
波箔を重ねて渦巻状に巻き回したもの等が使用されてい
る。
害成分(HC、NOx、CO等)の大半が、触媒が加熱されず活
性化されていないエンジン始動初期に放出されていた。
これに対し、メタル担体は、従来のセラミック製担体と
比較して熱容量が小さいので、排ガスそれ自体が持つ熱
エネルギーによって、触媒が作用する温度に早く加熱さ
れ、エンジン始動初期の排ガス浄化能力が優れている
等、多くの利点を有する。近年、自動車排ガス規制が、
米国、欧州、日本において、さらに厳しくなる傾向にあ
り、触媒をさらに早期に活性化する要求が高まってきて
いる。この背景から、さらにメタル担体の熱容量を低下
する必要性があり、箔厚を従来の50μmよりもさらに薄
くした箔素材が求められてきている。
-20質量%Cr-5質量%Al等、Fe-Cr-Al系の合金が多く採用
されている。この合金は、高温酸化雰囲気に曝されたと
きに、表面に緻密なAl2O3が形成され、このAl2O3皮膜が
形成されると酸化進行の速度が遅くなり、耐酸化性の点
で極めて有利である。しかしながら、Fe-Cr-Al系合金そ
れ自体は、固溶炭素あるいは固溶窒素に起因する靭性の
低下に伴う加工性の劣化や、Al2O3皮膜が剥離しやすい
ことに起因する耐酸化性の低下が生じるため、他の元素
を添加することにより、これら合金の特性を改善するこ
とが試みられている。
のうち少なくとも1種を全体で1質量%以下添加すること
により、高温耐酸化性が向上することが開示されている
が、規定量を超えると加工性が劣化するとしている。
報には、0.1〜3質量%のYを添加することにより、酸化皮
膜の密着性が向上、すなわち耐酸化性が向上することが
述べられている。
質量%のCe、La、Nd、Prを含む0.06質量%までの希土類元
素を添加して、酸化皮膜の密着性を向上させ、該合金の
安定化のためにZr、高温強度確保のためにNbを、炭素、
窒素量に応じて添加することが効果的であるとしてい
る。
量%のYの添加により、異常酸化発生に対する抵抗を増加
し、炭素、窒素量に応じたTi、Nbを添加することによ
り、高温強度確保と熱延板靭性の向上を図っている。特
公平6-8486号あるいは特開平9-279311号公報において
は、炭素、窒素量に応じたTiの添加により、熱延板靭性
を向上せしめ、さらにP量とランタノイド元素量を調節
することにより、異常酸化に対する寿命を向上させてい
る。
中でも特にLa、Ndを0.05〜0.2質量%添加することが耐酸
化性向上に効果があり、さらにC濃度の5倍〜0.1質量%の
Tiが、炭素を固定して靭性を改善するとしている。ま
た、特許第2991296号公報には、前記公報と同様に0.05
〜0.2質量%のLa及びNdが、耐酸化性向上に効果があり、
さらにC濃度の8倍〜0.3質量%のZrが、炭素を固定して靭
性を改善するともしている。
中から選んだ1種以上を合計で1質量%以下に制限して含
有させることで、酸化皮膜の剥離特性を向上させて、酸
化皮膜の生成速度を抑制することが述べられている。
の向上や、耐酸化性の向上の方法が提案されている。
体の熱容量低減のため、最近では、従来用いられてきた
50μmの半分以下の厚さ、すなわち25μm以下の薄箔でハ
ニカムを構成することが求められている。一方、箔の厚
さが薄いと、耐酸化性を維持するCrとAlの絶対保有量が
少なくなるため、箔の耐酸化性は、同一化学組成のもの
ではその厚さに比例する。したがって、一般に薄箔の耐
酸化性は低下し、特に25μm以下の薄箔では、従来の箔
にも増して耐酸化性が最高になるように合金設計しなけ
ればならない。25μm以下の薄箔では、Al量として4.5質
量%以上、好ましくは6質量%以上であることが好まし
い。しかしながら、量産できるFe-Cr-Al系合金のAl量
は、圧延性の問題等から自ずから制限があり、これらの
単なる増量による耐酸化性の向上手段はとれない。
きく影響する希土類元素と、製造性、特に、熱延板の靭
性を改善するために添加されるC、N固定元素の最適化で
ある。後者は、酸化皮膜中にも析出して、その耐酸化性
にも影響する。
解決のためになされたものであって、熱延板靭性を保持
しつつ、極薄箔であっても耐酸化性に優れたFe-Cr-Al系
合金、及びこれを用いた極薄合金箔並びに触媒担体(メ
タル担体)、触媒装置を提供することを目的とする。
m以下の薄箔でも、十分な耐酸化性を発揮するFe-Cr-Al
系合金箔の合金設計を種々検討した結果、添加する希土
類元素や、熱延板靭性改善のために添加するC、N固定元
素が、次のいずれかに該当する場合に耐酸化性に悪影響
を及ぼすことを見出した。
素分圧によって異なる組成式を取り得るため、結果とし
て、酸化物の酸素含有量に広い幅を有する。
箔に添加されていた希土類元素の内、Ceは、酸化物がCe
O2とCe2O3の2種類の形態を有するため、むしろ耐酸化性
を劣化させる。また、熱延板の靭性を改善するために添
加されるC、N固定元素の内、TiやNbは、それらの酸化物
が酸素分圧により、TiO、TiO2、Ti2O3等、あるいはNb
O、Nb2O5等の状態に変化し得るため、酸化物の酸素含有
量に広い幅を有する。また、Nb、V、Taは、酸素との親
和力がAlより低い。
の如き元素を含有しているFe-Cr-Al系合金は、近年求め
られているような25μm厚以下の極薄箔での耐酸化性を
克服することができない。
性も十分に発揮するFe-Cr-Al系合金を鋭意検討した結
果、Ti、Nb、V、Ta、Ceのような耐酸化性を悪化させる
元素を含有させず、希土類元素としては、酸素との親和
力が最も高く、かつ、その酸化物が酸素分圧によって変
化しない、Yの添加が効果的であり、また熱延板靭性向
上のためのC、N固定元素として、Ti、Nb、V、Taよりも
C、Nとの親和力が高く、かつ酸素との親和力がAlのそれ
と同等又はそれ以上であり、さらにその酸化物が酸素分
圧によって異なる組成式をとらないZr及び/又はHfを添
加することが必要であることを知見し、さらに、Y元素
それ自体が、Al濃度増加による熱延板靭性低下を抑制す
る効果があることを見出し、本発明を完成させたもので
ある。
r:15%以上28%以下、Al:4.5%以上10.0%以下、Y:0.01%以
上0.3%以下、Zr、Hfの1種または2種を(Zr+Hf/2)とし
て0.01%以上0.2%以下であり、不可避的不純物として、
C:0.02%以下、N:0.02%以下、C+N:0.03%以下、S:0.003%
以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Ti、Nb、Ta及びVの
合計が0.03%未満、Ce:0.005%未満かつYを除く希土類元
素の合計が0.01%未満を含有し、残部はFeからなり、か
つ下記(1)、(2)式を満足することを特徴とするFe-Cr-Al
系合金である。さらに、質量%で、Ti、Nb、Ta及びVの
合計が0.01%未満であり、さらに下記(3)式を満足する前
記Fe−Cr−Al系合金である。
以下、Y:0.01%以上0.3%以下、Zr、Hfの1種または2種
を(Zr+Hf/2)として0.01%以上0.2%以下であり、不可避的
不純物として、C:0.02%以下、N:0.02%以下、C+N:0.03%
以下、S:0.003%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下を含有
し、残部はFeからなり、かつYを除く希土類元素、Ti、N
b、V及びTaを含有しないことを特徴とするFe-Cr-Al系合
金である。
ある前記Fe-Cr-Al系合金である。
らなる、厚さ25μm以下のFe-Cr-Al系合金箔であり、ま
た前記Fe-Cr-Al系合金箔を用いた触媒担体であり、さら
に、該触媒担体に触媒を担持してなる触媒装置である。
において優れた耐酸化性を得るには、まず、Ti、Nb、
V、Ta、Ceといった、Alよりも酸素との親和力が弱い
か、あるいは、当該添加元素の酸化物の組成式が酸素分
圧によって変化するような合金元素を極力排除しなけれ
ばならない。
る合金元素は、一般的にAlよりも酸素との親和力が強い
ものであり、耐酸化性を向上させるための元素として、
Yあるいは希土類元素(原子番号57〜71のランタノイド)
が有効であることは公知であるが、特に、Yは酸素との
親和力が強く、LaやNdといったY以外の希土類元素より
もさらに大きい耐酸化性向上効果が得られる。
化し、冷間圧延時に圧延ができない問題が生じる。そこ
で、熱延板靭性を向上させるためには、第一に、炭素あ
るいは窒素との親和力が高い元素を添加して、炭素、窒
素を固定する必要がある。Ti、Nb、Ta、Vは、炭素ある
いは窒素との親和力が高く、合金の靭性を向上させる効
果が高いが、本発明においては、耐酸化性を劣化させる
ので、排除すべき元素である。そこで、Ti、Nb、Ta、V
よりも炭素、窒素との親和力が高く、さらにFe-Cr-Al系
合金の耐酸化性を阻害しない、即ち、Alよりも酸素との
親和力が高く、かつその酸化物の組成式が酸素分圧によ
って変化しない元素を、熱延板靭性向上のための元素と
して添加する必要があり、これを満たす元素がZr及び/
又はHfである。ただし、Zr又はHfの単独添加、あるいは
ZrとHfの複合添加のみでは、耐酸化性を向上させる効果
はさほど大きくなく、YとZr及び/又はHfとの組み合わせ
で使用することにより、初めて優れた耐酸化性が得られ
る。
明者らは、Yの添加が熱延板靭性の改善に有効であるこ
とを見出した。前述したように耐酸化性を向上させるた
めの元素として、Yあるいは希土類元素(原子番号57〜71
のランタノイド)が有効であることは公知であるが、熱
延板靭性を改善する効果があるのはYのみで、それ以外
の希土類元素では、熱延板靭性の改善効果は認められな
かった。一方、希土類元素の過剰添加は、熱延時の割れ
を引き起こすため、Yを単独で用いることで、高いAl含
有量の鋼の熱延板靭性と耐酸化性の向上を期待できる。
特に、Ceは耐酸化性を損なうので、積極的に排除する必
要があるが、その他のLa、Nd等の希土類元素において
も、耐酸化性向上効果がYより低く、熱延割れを防止の
観点からは添加しないほうがよい。
複合添加することにより初めて、近年要求されてきてい
る耐酸化性の水準に応えられるようなFe-Cr-Al系合金
を、量産性をも確保しつつ得られるのである。
V、Taを積極的に排除し、かつYとZr及び/又はHfを組み
合わせて耐酸化性を得ることは、従来技術にはなく、例
えば特公昭48-3927公報では、Ti、Zr、Ce、Yの少なくと
も1種を添加することで効果があるとしており、ZrとYは
含まれているものの、Ti、Ceの如き耐酸化性に悪影響を
及ぼす元素とZr、Yのような耐酸化性に好影響を及ぼす
元素の区別が全くなされていない。
る1種以上の元素と、Yを所定量含有させることによっ
て、また、耐酸化性を劣化させるY以外の希土類元素、
特にCe、Ti、Nb、V、Taを添加成分から除外することに
より、優れた耐酸化性と熱延板靭性が得られる。各元素
の成分限定理由は以下の通りである。
り、15質量%未満では耐酸化性を確保できず、28質量%を
超えると熱延板靭性が低下する。
確保する基本元素であって、本発明の4.5質量%未満では
酸化皮膜の保護性が悪く、たやすく異常酸化する。一
方、10質量%を超えて含まれると、熱延板の靭性が極度
に低下し、製造性が損なわれることに加え、箔の熱膨張
係数が大きくなり、触媒担体として使用した場合には、
加熱冷却の繰り返しによる熱疲労が大きくなる。さら
に、Alが6質量%以上ではさらに耐酸化性向上の効果が大
きく、8質量%以下であれば熱延板靭性の低下も小さいの
で、Al量を6質量%以上、8質量%以下にすると耐酸化性と
熱延板靭性の特性がバランスして、箔等の製造性に優れ
ている。
る。また、他の希土類元素と異なり、熱延板靭性を向上
させる効果がある。含有量が0.01質量%未満では、耐酸
化性を確保することができず、逆に、0.3質量%を超える
と、熱延中に割れを生じ製造が困難になるので、0.3質
量%を上限値とする。
述したC及びNの熱延板靭性に与える悪影響を防止し、併
せて特に排気ガス中での耐酸化性を向上する有用な元素
である。熱延板靭性を改善するためには少なくとも(Zr+
Hf/2)の値が0.01質量%以上になるように添加することが
必要である。一方、Zr、Hfの添加が、CあるいはN量に対
し過剰であると、ZrNあるいはHfNのような析出物が大き
くなり過ぎ、破壊の起点となって、却って靭性を低下さ
せてしまう欠点を有する。そこで、(Zr+Hf/2)の上限値
は0.2質量%に制限される。特に、高Al鋼では、(Zr+Hf/
2)の値が0.2質量%以下であっても、十分な熱延板靭性値
をとれない場合があり、AlとYの含有量との関係から下
記(2)式を満足する必要がある。 {(%Al)-4}2×{2×(%Zr)+(%Hf)}/(%Y)<20 …(2) 上式は実験的に求められた式であり、即ち、Alの含有量
が多いと熱延板靭性が低下し、過剰のZr、Hfも同様に熱
延板靭性の低下を引き起こすが、Yが添加されることに
より熱延板靭性を改善する。
下する元素である。本発明にあっては、前述したZr、Hf
との関係によって、この作用を抑制することができる
が、それぞれ0.02質量%を超えて、またC+Nで0.03質量%
を超える場合には、Zr、Hf添加によっても熱延板靭性が
満足な値まで回復しない。したがって、C、Nはそれぞれ
0.02質量%以下で、C+Nの総量は0.03質量%以下とする必
要がある。
明においては不純物として0.003質量%以下に抑制するこ
とが好ましい。
あり、上限値は0.5質量%である。ただし、耐酸化性を改
善する効果もあるので、0.5質量%以下であれば、含有し
ているほうが好ましい。
Ti、Nb、V、Taほどではないが、耐酸化性を劣化させる
元素である。ただし、転炉製鋼においては不可避の不純
物であり、完全に除去することはコストアップにつなが
る。したがって、極力抑制して、不純物として最大でも
1.0質量%以下に抑制することが好ましい。
らの元素は、熱延板靭性を改善する元素ではあるが、耐
酸化性を悪化させる元素であり、本発明の目的に対して
は好ましくなく、極力排除することが必要である。不純
物として含有される場合も下記の式を満足するように、
原料の配合に細心の注意が必要である。また、不可避的
に含有されたとしても、Ti、Nb、V及びTaの合計が0.03
質量%未満、好ましくは0.01質量%未満であることが必要
である。Ti、Nb、V及びTaの合計が0.03質量%未満、好ま
しくは0.01質量%未満であっても、ZrとHfの量が十分で
ないと、やはり十分な耐酸化性が得られないため、さら
に、下記(1)式も満足する必要がある。 0.01≦(%Zr)+(%Hf)/2-2×(%Ti)-(%Nb)-(%Ta)/2-2×(%V) …(1) さらに、上述のMn、Siと合わせ、下記(3)式を満足すれ
ば、さらに好ましい。
には、Zr、Hfの過剰添加を招き、熱延板靭性の低下を引
き起こしてしまう。
を改善する効果がなく、また耐酸化性向上に対してもY
の効果を阻害する場合がある。そのため、希土類元素と
してYを単独で添加するのが好ましい。他の希土類元素
とYを同時に添加した場合は、Yと希土類元素が合計で0.
3質量%を超えると熱延割れが生じてしまうため、Yの含
有量が制限されてしまう。従って、本発明においてはY
以外の希土類元素は不純物として扱い、極力含有しない
ようにする必要がある。Y以外の希土類元素合計は、0.0
1質量%未満にするのが好ましい。また、Ceは、Yの耐酸
化性向上効果を著しく損なうので、特に、Ceの含有量は
0.005質量%未満にする必要がある。
合金は、通常のフェライト系ステンレス鋼の量産工程と
同様の溶解、熱間圧延、冷間圧延の工程に、必要に応じ
て適宜焼鈍工程を組み合わせることにより、25μm以下
の箔厚にまで製造可能である。また、このような薄い箔
あるいは当該箔に触媒を担持してなる低熱容量の排ガス
浄化触媒担体および触媒装置も、高温の燃焼排ガス雰囲
気中でも異常酸化の発生する抵抗が著しく大きく、近年
の厳しい排ガス規制に十分応え得る機能を有する。ただ
し、箔厚が薄すぎると、いかに本発明のFe-Cr-Al系合金
箔といえども耐酸化性が劣化するため、本発明に係るFe
-Cr-Al系合金箔からなる触媒担体は、5μm以上の厚さの
箔で構成することが好ましい。
説明する。
及び比較材の化学成分を質量%で示す。これらの実施例
(記号1〜15)は、いずれもFe-Cr-Al系合金をベースに、
耐酸化性と熱延板靭性の両方の特性を得るために、YとZ
r及び/又はHfを所定量複合添加したものである。比較例
(記号16〜43)は、本発明の添加元素の成分限定範囲から
外れた例及び従来材である。表1に示す成分の鋼を100kg
真空溶解炉にて溶解、鋳造後、1200℃に加熱して30%の
圧延後空冷し、さらに1150℃に1時間保定後直ちに熱間
圧延し、厚さ4mmまで仕上げて自然放冷した。さらに、
この熱延板をショットブラスト、酸洗等により脱スケー
ルし、冷間圧延、焼鈍、脱スケールを繰り返し、板厚25
μmの箔コイルを作製した。
延後の板の観察によって、耳割れおよび表面割れが認め
られた。このような耳割れ、表面割れが生じた例につい
ては、熱間圧延性を×と判定し。耳割れ、表面割れが観
察されなかった場合には熱間圧延性合格(○)と判断し
た。
熱延板靭性の評価を行った。これらの熱延板の靭性は、
以下のように調査した。JIS規格に準拠したサブサイズ
(厚み2.5mm)のVノッチシャルピー試験片を圧延方向と平
行に採取して、衝撃試験を行い、一試験温度における衝
撃吸収エネルギーの3点の最低値が20Nm/cm2を超える温
度で評価した。それが150℃以下のものを合格(○)と
し、150℃超のものを熱延板靭性悪(×)として、表中に
記した。
らに、耐酸化性の評価を行った。各箔材の耐酸化性の評
価は、以下のように行った。箔コイルから板厚25μm、
幅20mm、長さ25mmの試験片を採取し、大気雰囲気の加熱
炉中で酸化試験を行った。この際、1100℃で25時間加熱
後放冷する試験を、各箔材に異常酸化が発生するまで行
った。異常酸化とは、Fe-Cr-Al系合金の酸化がAl2O3形
成主導からCr2O3形成主導、さらにはFeCr2O4形成主導へ
移行し、酸化速度が急激に増大する現象のことで、異常
酸化寿命が200時間以上のものを○、200時間未満の箔材
を×と判定した。
いずれも熱間圧延性が良好で、しかも熱延板靭性に優
れ、工場での大量生産が比較的容易であり、製造性に優
れることが示された。また、本実施例の鋼箔は、優れた
耐酸化性を示し、いずれも1100℃で200時間以上の長寿
命を有し、自動車用排気処理用の触媒担体としての使用
にも十分耐え得ることが明らかになった。
での加工性および熱延板靭性が良好で箔等の製造性に優
れているとともに、耐酸化性においても箔厚が25μm以
下と非常に薄いにも関わらず、優れた耐酸化性を示す。
しかも、本発明の合金箔を使用した自動車排気処理用の
触媒担体は、非常に熱容量が小さくなり、触媒が早期活
性化することにより、厳しい排ガス規制に応えることが
できるものである。
Claims (8)
- 【請求項1】 質量%で、Cr:15%以上28%以下、Al:4.5%
以上10.0%以下、Y:0.01%以上0.3%以下、Zr、Hfの1種ま
たは2種を(Zr+Hf/2)として0.01%以上0.2%以下であり、
不可避的不純物として、C:0.02%以下、N:0.02%以下、C+
N:0.03%以下、S:0.003%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以
下、Ti、Nb、Ta及びVの合計が0.03%未満、Ce:0.005%未
満、かつYを除く希土類元素の合計が0.01%未満を含有
し、残部はFeからなり、かつ下記(1)、(2)式を満足する
ことを特徴とするFe-Cr-Al系合金。 0.01≦(%Zr)+(%Hf)/2-2×(%Ti)-(%Nb)-(%Ta)/2-2×(%V) …(1) {(%Al)-4}2×{2×(%Zr)+(%Hf)}/(%Y)<20 …(2) - 【請求項2】 質量%で、Ti、Nb、Ta、Vの合計が0.01%
未満であることを特徴とする請求項1記載のFe-Cr-Al系
合金。 - 【請求項3】 さらに、下記(3)式を満足する請求項1又
は2記載のFe-Cr-Al系合金。 0.01≦(%Zr)+(%Hf)/2+0.05×(%Si)-2×(%Ti) -(%Nb)-(%Ta)/2-2×(%V)-0.05×(%Mn)…(3) - 【請求項4】 質量%で、Cr:15%以上28%以下、Al:4.5%
以上10.0%以下、Y:0.01%以上0.3%以下、Zr、Hfの1種ま
たは2種を(Zr+Hf/2)として0.01%以上0.2%以下であり、
不可避的不純物として、C:0.02%以下、N:0.02%以下、C+
N:0.03%以下、S:0.003%以下、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以
下を含有し、残部はFeからなり、かつYを除く希土類元
素、Ti、Nb、V及びTaを含有しないことを特徴とするFe-
Cr-Al系合金。 - 【請求項5】 質量%で、Al:6.0%以上8.0%以下である請
求項1〜4のいずれかの項に記載のFe-Cr-Al系合金。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかの項に記載のFe-C
r-Al系合金からなる、厚さ25μm以下のFe-Cr-Al系合金
箔。 - 【請求項7】 請求項6に記載のFe-Cr-Al系合金箔を用
いてなる触媒担体。 - 【請求項8】 請求項7記載の触媒担体に触媒を担持し
てなる触媒装置。
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