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JP2002056973A - 有機電界発光素子および感光性高分子 - Google Patents

有機電界発光素子および感光性高分子

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Publication number
JP2002056973A
JP2002056973A JP2001062327A JP2001062327A JP2002056973A JP 2002056973 A JP2002056973 A JP 2002056973A JP 2001062327 A JP2001062327 A JP 2001062327A JP 2001062327 A JP2001062327 A JP 2001062327A JP 2002056973 A JP2002056973 A JP 2002056973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
organic electroluminescent
electroluminescent device
photosensitive
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001062327A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiko Ichinosawa
晶子 市野澤
Yoshiharu Sato
佳晴 佐藤
Tomoyuki Ogata
朋行 緒方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001062327A priority Critical patent/JP2002056973A/ja
Publication of JP2002056973A publication Critical patent/JP2002056973A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/151Copolymers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/11OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED] characterised by the electroluminescent [EL] layers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂層の膜厚を調節することにより光干
渉効果を利用して、色純度の高い有機電界発光素子を提
供する。また該樹脂層の形成に適した、感光性高分子を
提供する。を提供する。 【解決手段】 基板上に、異なる発光色を示す2以上の
最小発光単位を有し、各最小発光単位が陽極−陰極間に
樹脂層を有し、該樹脂層の膜厚が色毎に異なることを特
徴とする有機電界発光素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電界発光素子及
び新規な感光性高分子に関するものである。詳しくは、
有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出す
る、薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜型の電界発光(EL)素子と
しては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZn
S、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類
元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが
一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子
は、 1)交流駆動が必要(50〜1000Hz)、 2)駆動電圧が高い(〜200 V)、 3)フルカラー化が困難(特に青色)、 4)周辺駆動回路のコストが高い、 という問題点を有している。
【0003】近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜
を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特
に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入
の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳
香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノ
リンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機
電界発光素子の開発(Appl. Phys. Lett., 51 巻, 913
頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を
用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなさ
れ、実用特性に近づいている。
【0004】上記の様な低分子材料を用いた電界発光素
子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレ
ンビニレン)(Nature, 347 巻, 539 頁, 1990年他)、
ポリ[2-メトキシ-5- (2-エチルヘキシルオキシ)-1,4
- フェニレンビニレン](Appl. Phys. Lett., 58 巻,
1982頁, 1991年他)、ポリ(3-アルキルチオフェン)
(Jpn. J. Appl. Phys, 30巻, L1938 頁, 1991年他)等
の高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニ
ルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移
動材料を混合した素子(応用物理, 61巻, 1044頁, 1992
年)の開発も行われている。
【0005】有機電界発光素子を用いたフルカラーまた
はマルチカラーディスプレイにとって重要な課題の一つ
が、素子の発光色純度の改善である。色純度の改善に光
干渉効果を利用することが報告されている(Synthetic
Metals, 111-112巻, 1頁, 2000年)。光干渉効果を用い
て色純度を改善するためには、各色最小発光単位、例え
ば一つの画素を形成するRGB各サブピクセル毎に、光
路長、すなわち膜厚を最適化する必要がある。
【0006】図1に光干渉効果の原理を示す。発光層を
出た光と、発光層を出た後ITO/ガラス界面で反射さ
れた光が、相互に干渉する。図1に示す構造の場合、I
TO/ガラス基板界面での反射を考えると、直接光と反
射光の光学的距離の差Lとすると、干渉条件は以下の式
で表される: 2L=mλ/2 ここで、L=L22+L332:正孔輸送層の屈折率 n3:ITOの屈折率 λ:発光波長 m:整数 また、3原色に対応する発光波長における、有機層、I
TO電極層、ガラス基板の屈折率分散の値を下記表に示
す。
【0007】
【表1】
【0008】(なお本発明において、「有機層」とは
「陽極−陰極間に存在する有機化合物からなる層」全般
を意味し、例えば後述する発光層や正孔注入層などがこ
れにあたる。) 図2に、青(460nm)、緑(520nm)、赤(625nm)の各
三原色に対応する発光波長において、ITOの膜厚を1
00nmとして計算した光干渉特性の結果を示す。図2
から、この技術の問題点として、以下の点が挙げられ
る: 1.素子の最適膜厚が発光色で異なる:例えば青色の発
光強度が極大値となる正孔輸送層膜厚において、赤色の
発光強度は極小値となる。
【0009】2.図3から明らかなように、青色および
緑色の発光波長において、発光強度が極大値となる最初
の正孔輸送層膜厚は50nm以下となり、素子の短絡可能性
を考えると実用的な膜厚ではない。次に発光強度が極大
値となる正孔輸送層の膜厚は150nm程度であり、現状の
正孔輸送材料の導電率では駆動電圧増加を引き起こすお
それがある。
【0010】3.通常は、シャドーマスクを用いた蒸着
工程により画素を形成するため、マルチカラーもしくは
フルカラーディスプレイに適用する場合、サブピクセル
毎に蒸着膜厚を変えねばならず、蒸着プロセスに手間が
かかる。 4.シャドーマスクを用いてサブピクセルのパターニン
グを行う場合、機械的なマスクの位置合わせ精度に限界
(約5ミクロン)がある。このため、高精細なパターニ
ングに限界があり、また有効画素面積が減少する。
【0011】発光色純度の改善に加え、有機電界発光素
子をフラットパネル・ディスプレイやバックライト等の
光源に応用するためには、素子の信頼性を十分に確保す
る必要がある。しかしながら、従来の有機電界発光素子
では耐熱性が不十分であり、素子の環境温度やプロセス
温度の上昇により、電流−電圧特性が高電圧側にシフト
したり、素子駆動時の局所的なジュール発熱により寿命
が低下したり、非発光部分(ダークスポット)の発生及
び増加等の劣化が避けられなかった。
【0012】これらの不安定性の原因はいくつか存在す
るが、劣化の主原因は、有機層の薄膜形状の劣化であ
る。この薄膜形状の劣化は、素子駆動時の発熱等による
温度上昇により生じる、有機非晶質薄膜の結晶化(また
は凝集)等に起因すると考えられている。この耐熱性の
低さは、主に材料のガラス転移温度(以下Tgと略す)の
低さに由来すると考えられる。低分子量(分子量が 400
から 600程度)の化合物、特に正孔輸送材料について
は、融点が低く対称性が高いものが多い。例えばN,N'-
ジフェニル-N,N'-(3-メチルフェニル)-1,1'-ビフェニ
ル-4,4'-ジアミン(通常TPDと呼ばれる)のTgは60
℃、スターバースト型芳香族トリアミンのTgは75℃(J.
Phys. Chem.,97巻,6240頁,1993年)、また、α−ナ
フチル基を導入した4,4'- ビス[N-(1-ナフチル)-N-
フェニルアミノ]ビフェニルのTgは96℃(電子情報通信
学会技術研究報告,OME95ー54,1995年)であり、いずれ
も対称性が高い構造である。これらの芳香族アミン化合
物から形成される有機非晶質薄膜は、温度上昇により結
晶化したり、正孔輸送層と発光層の2層型素子構造にお
いて相互拡散現象を起こしたりする。この結果、素子の
発光特性、特に、輝度低下や駆動電圧の増加等の劣化現
象が現われ、最終的には駆動寿命の低下につながる。ま
た、素子の駆動時以外でも、素子作製時において、蒸
着、ベーキング(アニール)、配線、封止等の工程で温
度上昇が見込まれるので、一般にTgは高いことが望まし
い。
【0013】一方、低分子量化合物の代わりに高分子材
料を用いて、有機電界発光素子の正孔輸送層を形成する
試みも行われている。例えばポリビニルカルバゾール
(電子情報通信学会技術研究報告,OME90-38,1990
年)、ポリシラン(Appl. Phys. Lett. ,59巻,2760
頁,1991年)、ポリフォスファゼン(第42回高分子学会
年次大会,I-8-07及びI-8-08,1993年)等が報告されて
いる。
【0014】しかし、ポリビニルカルバゾールは 200℃
と高いTgを有するものの、正孔をトラップする等の問題
があり耐久性は低い。ポリシランは光劣化等により駆動
寿命が数秒と短い。ポリフォスファゼンはイオン化ポテ
ンシャルが高く、従来の芳香族ジアミンを凌ぐ特性は示
していない。この他に、芳香族ジアミン化合物をポリカ
ーボネートやPMMAに30から80重量%分散させた正孔
輸送層も検討されているが(Jpn. J. Appl. Phys. ,31
巻,L960頁,1992年)、低分子化合物が可塑剤として作
用しTgを下げ、素子特性も芳香族ジアミン化合物を単独
で使用した場合と比較して低下している。
【0015】また、正孔輸送性ポリマーである芳香族ジ
アミン含有ポリエーテルでは、 200℃を越えるTgを持つ
ものが開示されているが、素子の発光特性および安定性
は十分ではない(特開平9−188756号公報参照)。この
他、架橋構造を持つ有機バインダー中に、正孔輸送材料
が分散された正孔輸送膜の報告(特開平7−23537
9号公報)がある。この場合、膜中に分散される正孔輸
送材料が少ないと正孔輸送性が不十分であり、逆に割合
が大きくなってしまうと可塑剤の様に働いて膜全体の耐
久性や熱特性が下がり、正孔輸送材料の凝集、結晶化の
おそれがある。さらに、バインダーと正孔輸送材料の相
溶性を確保することも要求され、材料に対する制約が増
えるため、実用上困難となる。
【0016】このように、有機バインダー中に正孔輸送
材料を分散させる方法では、十分な特性を出すには至っ
ていない。更に、従来の有機電界発光素子において、駆
動電圧の上昇を抑えることも重要な課題であり、それに
は陽極と正孔輸送層のコンタクトが重要である。そこ
で、陽極と正孔輸送層のコンタクトを向上させるため、
両層の間に正孔注入層を設けることが提案されている。
正孔注入層に用いられる材料に要求される条件として
は、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成できる
こと、熱的に安定、すなわち、融点及びガラス転移温度
が高いことが挙げられる。さらに、イオン化ポテンシャ
ルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度
が大きいことが挙げられる。
【0017】この様な材料としては種々のものが検討さ
れており、例えばポルフィリン誘導体やフタロシアニン
化合物(特開昭63−295695号公報)、スターバスト型芳
香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ポリチエ
ニレンビニレンやポリ−p−フェニレンビニレン(特開
平4−145192号公報)、ポリアニリン(Appl. Phys.Let
t., 64 巻,1245 頁, 1994年)等の有機化合物や、スパ
ッタ・カーボン膜(特開平8−31573号公報)や、バナ
ジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等
の金属酸化物(第43回応用物理学関係連合講演会,27a-
SY-9,1996年)などが報告されている。
【0018】しかしながら、ポルフィリン誘導体やフタ
ロシアニン化合物を正孔注入層として用いた場合、これ
らの膜自体による光吸収のために、素子の発光スペクト
ルが変化したり、外観上着色して素子が透明でなくなる
という問題がある。スターバスト型芳香族トリアミン
は、イオン化ポテンシャルが低く透明性がよいという利
点はあるものの、ガラス転移点や融点が低いために耐熱
性に劣り、連続駆動時の局所加熱に対する安定性が悪
く、輝度低下や電圧上昇が問題になる。
【0019】ポリチエニレンビニレン、ポリ−p−フェ
ニレンビニレン、ポリアニリン等の共役系ポリマーで
は、可溶性が不十分であるため、製造プロセス上の問題
がある。上記の問題を改善するために、正孔輸送性ポリ
マーと電子受容性化合物の混合物を用いて、正孔注入層
を形成することにより、低電圧駆動が可能なことが開示
されている(特開2000− 36390号公報)。しかしなが
ら、この方法では、スピンコートやディップコートによ
り、該正孔注入層が形成されるため、電極取り出し端子
部にも成膜される。従って、実際のパネル作製工程にお
いて、外部回路とのコンタクト形成に課題を残してい
た。
【0020】真空蒸着法により、低分子の正孔輸送材料
と電子受容性化合物とからなる正孔注入層を形成するこ
とも開示されているが(特開平11−251067号公報)、電
子受容性化合物が熱分解したり、真空蒸着装置内を腐食
させる等の弊害がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述の理由から、有機
電界発光素子は実用化に向けて、色純度および素子の安
定性の改善に大きな問題を抱えているのが実状である。
有機電界発光素子の駆動時における電圧が高く、耐熱性
を含めた安定性や発光特性が不安定なことは、ファクシ
ミリ、複写機、液晶ディスプレイのバックライト等の光
源としては大きな問題であり、色純度が低いことはフル
カラー・ディスプレイ等の表示素子としても望ましくな
い特性である。特に、車載用表示への応用を考える上で
は深刻である。
【0022】本発明者は上記実状に鑑み、鋭意検討した
結果、導電性を有する樹脂層を用い、該層の膜厚を調整
することにより、素子の駆動電圧の上昇を伴わずに、各
色毎に、光干渉効果が最大となる素子を形成することが
できることを見出した。また、感光性基と電子供与性基
双方を同一分子内に有する高分子は熱特性や耐久性、正
孔輸送性がそれぞれ優れていることを見出し、この高分
子を用いることにより、前記膜厚調整を容易に行える
上、素子の安定性に関する上記課題をも解決することが
できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0023】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の要旨
は、基板上に、異なる発光色を示す2つ以上の最小発光
単位を有し、各最小発光単位が、少なくとも陽極と陰極
との間に、発光層および必要に応じて任意の層を有する
積層構造となっており、前記発光層または任意の層が、
感光性組成物を用いて形成された樹脂層であり、異なる
発光色を示す最小発光単位間では、前記樹脂層の膜厚が
異なることを特徴とする、有機電界発光素子に存する。
【0024】また本発明の要旨は基板上に、少なくとも
陽極、陰極、および樹脂層を有する有機電界発光素子で
あり、該樹脂層が感光性組成物を用いてパターン形成さ
れており、該感光性組成物が、側鎖に感光性基を有し、
かつ主鎖または側鎖に電荷輸送性基を有する感光性高分
子を含有することを特徴とする、有機電界発光素子に存
する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、素子中に設けられた樹
脂層の厚みを調整することにより、効果的に各最小発光
単位の色純度を改善する。今、有機電界発光素子で標準
的に用いられる8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム
錯体にて形成された発光層を有し、図1に示す構造の有
機電界発光素子において、光干渉効果を導入した結果を
図3に示す。
【0026】ITOの膜厚は100nmとし、波長52
0nmに対する干渉効果を極大化させると正孔輸送層膜
厚は180nmとなる。通常、光干渉効果を考慮しない
素子において、正孔輸送層の膜厚は70nm程度であ
る。これら異なる膜厚の正孔輸送層を有する素子の、発
光スペクトルを図3に示す。干渉効果を考慮し、膜厚を
最適化した素子では、最適化しない素子と比べて長波長
側の発光部分が減少し、スペクトルの半値幅が狭まって
いる。CIE色度座標の値も、膜厚70nmの正孔輸送
層をもつ素子が(0.347,0.536)であるのに対し、膜厚
180nmの正孔輸送層をもつ素子では(0.310,0.56
2)であり、黄緑色領域から緑色領域へと改善されてい
る。
【0027】原理的には、この光干渉効果を用いた手法
を、赤色発光や青色発光に適用することは可能であり、
フルカラーディスプレイの実現に有効な方法であると言
うことができる。ここでは、RGBの3色の最小発光単
位を設ける場合を例に説明したが、同一基板上に2色以
上の最小発光単位を有する有機電界発光素子であれば、
本発明の効果は生かされる。色もRGB以外であって
も、もちろんかまわない。
【0028】なお、一般的な有機化合物(低分子および
高分子)の抵抗率は109〜1012Ω・cm程度であ
る。このような材料を用いて本発明の樹脂層を形成した
場合、層が厚いと、前述したように素子の駆動電圧が高
くなるおそれがある。よって樹脂層の抵抗率は104
108Ω・cm程度であることが好ましい。このような
有機電界発光素子は、側鎖に感光性基を有し、かつ主鎖
または側鎖に電荷輸送性基を有する感光性高分子を含ん
だ感光性組成物を用いることにより、容易に製造するこ
とができる。
【0029】例えば、 1)感光性組成物の塗布工程、 2)最小発光単位形成用フォトマスクを介して、塗布膜
に光照射する工程(露光工程)、 3)未硬化部分を除去する現像工程 を繰り返してパターニングすることにより、各色最小発
光単位に順次樹脂層を形成する。1)の塗布工程で、最
小発光単位各色につき最適の膜厚を選択することによ
り、色毎に膜厚の異なる樹脂層を形成することができ
る。具体的には、例えば塗布液の濃度(粘度)やスピン
コーターの回転数を色毎に調節すればよい。
【0030】このように、色毎にパターン形成された樹
脂層は、陽極と陰極の間に直接、または必要に応じて設
けられた任意の層を介して挟持される。該樹脂層は発光
層として、または必要に応じて陽極−陰極間に設けられ
る任意の層として使用される。中でも該層を、発光層と
して、または陽極と発光層との間に、正孔注入・輸送性
の層として設けられた構造が好ましい。正孔注入・輸送
性の層として設けた構造が、最も好ましい。
【0031】本発明において使用する感光性組成物は、
光硬化型でも光可溶化型でも良いが、好ましくは光硬化
型であり、以下、光硬化型について説明する。光硬化型
の感光性組成物を用いて形成された層は、光架橋などに
より硬化・不溶化し、層の耐久性を向上させると共に、
不溶化しなかった部分を溶媒などで除去することによ
り、層のパターニングが可能になり、素子作製プロセス
が簡便になる。
【0032】また本発明の感光性高分子は、同一分子中
に電荷輸送性基を有し、該電荷輸送性基は電子供与性で
も電子受容性でもかまわないが、通常電子供与性であ
る。以下、電子供与性基を有する場合について説明す
る。本発明の感光性高分子は、同一分子中に電子供与性
基を含有することから自身が正孔輸送性を有するため、
通常の感光性樹脂を含む組成物に、電子供与性の化合物
を分散させて形成された層(以下、分散型で形成された
膜、と称す)を用いる場合と異なり、製膜性により組成
比(組成物中の感光性基と電子供与性基の割合)が限定
されないので、正孔輸送性を高く保つことが出来る。さ
らに、同じ層中に電子受容性化合物を含有させることに
より、層の導電性を高め、素子の低電圧化が出来る。
【0033】つまり、本発明の樹脂層形成用組成物とし
て、同一分子内に光架橋性基(感光性基)と正孔輸送性
基(電子供与性基)を有する感光性高分子を用いること
により、パターン形成による最小発光単位の形成と正孔
輸送の二つの役割を一材料で果たすことが出来、特性を
十分に発揮することが出来る。更に本発明の、感光性組
成物を用いて製膜され光照射によりパターニングして得
られた層は、溶剤に不要である。従って該層の上に、溶
剤を使用した塗布法にて層を形成することが可能であ
る。低分子化合物を主成分とする層は溶剤に可溶である
ため、電極上に1つ以上層を設けた上に、高分子化合物
を主成分とする層を積層することができなかった。しか
し本発明の有機電界発光素子の場合、感光性組成物を用
いて形成された樹脂層の上には、更に高分子系の層を形
成することが可能であるため、例えば高分子系の発光層
を使用することも可能である。よって、有機電界発光素
子の材料の選択の幅が広がり、素子設計の自由度が増す
ため好ましい。
【0034】本発明の感光性高分子における感光性基と
しては、該感光性基を有する高分子が露光により硬化又
は可溶化する作用を発現する基であればよい。これに限
定されるものではないが、例えばフォトレジストなどに
用いられている感光性基が挙げられ、光重合型、光二量
化型、光分解型などがある。中でも、ガス発生や体積収
縮がないため、光重合型、光二量化型等が好ましい。特
に、シンナモイル基、シンナミリデン基、ビニル基、ア
クリロイル基などのエチレン性不飽和二重結合を含む基
が好ましい。
【0035】ここで電子供与性基とは、共鳴効果や誘起
効果によって相手に電子を与え、正孔が生じる基を表
し、ハメットの規則における置換基定数σがσ<0であ
る傾向があるものである。これに対し、電子受容性基と
は相手から電子を引きつける基であり、σ>0である傾
向があるものを指す。本発明の感光性高分子における電
子供与性基としては、これに限定されるものではない
が、例えばアルキル基、アルコキシ基、第1、2、3級
アミノ基を有する基が挙げられる。電子供与性基は感光
性高分子の主鎖に含まれていても、側鎖として有してい
てもよいが、好ましくは側鎖として、2価の芳香族基を
介して主鎖に結合している場合である。特に好ましく
は、第1、2または3級アミノ基を有する基が2価の芳
香族基を介して主鎖に結合している場合である。
【0036】本発明の感光性高分子の主鎖としてはビニ
ル性重合体が好ましく、中でも下記重合構造単位(II)
および(III)を有する共重合体が特に好ましい。
【0037】
【化6】
【0038】(式中、Ar1は、置換基を有していてもよ
い2価の芳香族基を示し、Ar2およびAr3は各々独立し
て置換基を有していてもよい芳香族基を示し、R1 〜R
5 は各々独立して水素原子、置換基を有していてもよい
アルキル基または芳香族基を示す。YおよびZは直接結
合あるいは2価の連結基を示す。) 本発明の有機電界発光素子における樹脂層を、発光層と
して用いる場合は、必要に応じて蛍光色素をも含む層と
してもよい。
【0039】次に、本発明の感光性組成物を用いて形成
された層を、正孔注入・輸送性の層として使用する場合
について説明する。一般に、正孔注入・輸送性の層形成
材料に要求される条件としては、陽極からの正孔注入効
率が高いこと、かつ、注入された正孔を効率よく輸送す
ることができる材料であることが挙げられる。そのため
には、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対
して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに
安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時
に発生しにくいことが要求される。
【0040】本発明の前記重合構造単位(II)及び(II
I)を有する感光性高分子において、好ましくは、Ar1
は置換基を有していてもよい2価のベンゼン環、ナフタ
レン環、アントラセン環またはビフェニル基を示し、前
記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等
の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等のアルケニル
基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の
炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、
エトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;フェノキ
シ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエ
チルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキル
アミノ基を示す。前記置換基として、より好ましくは炭
素数1〜3のアルキル基が、特に好ましくはメチル基が
挙げられる。
【0041】Ar2およびAr3は、好ましくは、各々独立
して置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル
基、アントリル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジ
ル基、キノキサリル基、チエニル基またはビフェニル基
を示し、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、
エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;ビニル基等の
アルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;メ
トキシ基、エトキシ基等の炭素数2〜7のアルコキシ
基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオ
キシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等
のジアルキルアミノ基;ジフェニルアミノ基、ジトリル
アミノ基などのジアリールアミノ基を示す。
【0042】R1 からR5は、各々独立して水素原子、
置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を
有していてもよい芳香族基である。アルキル基の置換基
としてはメトキシ基又はフッ素原子、塩素原子、臭素原
子等のハロゲン原子が挙げられ、また芳香族基の置換基
としてはメチル基、メトキシ基、又はフッ素原子、塩素
原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられる。
【0043】R1〜R5として好ましくは、水素原子、メ
チル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;フェ
ニル基、ナフチル基、アントリル基、トリル基等の芳香
族環基、特に好ましくはアリール基を示す。Y及びZ
は、直接結合、あるいは2価の連結基を示す。連結基と
しては、−CR2=CR34基に対し、−CO−基また
は−CR=CR′−基(R、R′は任意)で結合してい
る基が、両基間で共役系を形成するため好ましい。連結
基として、具体的には以下に示す基が挙げられる。kは
1以上の整数を表し、好ましくは1〜4である。
【0044】
【化7】
【0045】1分子中における(II)構造と(III)構
造の割合は、主に(II)構造に起因する感光性および主に
(III)構造に起因する正孔輸送性の高低により異なる
が、通常1:9〜9:1である。本発明の一般式(II)
及び(III)で表される重合構造単位を有する感光性高
分子は、該重合構造単位を有していれば、本発明の性能
を阻害しない範囲で、他のラジカル重合性のモノマー由
来の繰り返し単位を有していても良く、また一般式(I
I)及び(III)に相当する複数種の重合構造単位を含ん
でいても良い。一般に、(II)構造や(III)構造以外
の繰り返し単位は、多く含みすぎると感光性高分子の光
硬化性や正孔輸送性が低下することから、モノマー換算
で1分子中に50モル%以下、好ましくは20モル%以
下、更に好ましくは0モル%である。
【0046】なお、感光性高分子の重量平均分子量に特
に制限はないが、通常1,000 〜1,000,000 程度である。
車載表示用の応用を考えた場合、素子には90℃以上の耐
熱性が要求される。このため本発明の感光性高分子とし
ては90℃以上のTgを有するものが好ましい。本発明の感
光性高分子は、例えば、電子供与性基置換のビニルモノ
マーと、感光性基置換のビニルモノマーとを、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’
−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などの公知の
光重合開始剤を用いて、トルエンなどの有機溶媒中でラ
ジカル共重合することにより合成される。
【0047】前記一般式(II)及び(III)で表される
重合構造単位の、好ましい具体例を表−1および表−2
に示すが、これらに限定するものではない。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】
【表8】
【0055】
【表9】
【0056】
【表10】
【0057】
【表11】
【0058】
【表12】
【0059】
【表13】
【0060】
【表14】
【0061】
【表15】
【0062】
【表16】
【0063】
【表17】
【0064】
【表18】
【0065】
【表19】
【0066】
【表20】
【0067】
【表21】
【0068】
【表22】
【0069】
【表23】
【0070】
【表24】
【0071】
【表25】
【0072】
【表26】
【0073】
【表27】
【0074】
【表28】
【0075】
【表29】
【0076】
【表30】
【0077】
【表31】
【0078】
【表32】
【0079】
【表33】
【0080】
【表34】
【0081】
【表35】
【0082】
【表36】
【0083】
【表37】
【0084】
【表38】
【0085】
【表39】
【0086】
【表40】
【0087】
【表41】
【0088】
【表42】
【0089】
【表43】
【0090】
【表44】
【0091】
【表45】
【0092】
【表46】
【0093】
【表47】
【0094】
【表48】
【0095】
【表49】
【0096】
【表50】
【0097】
【表51】
【0098】
【表52】
【0099】前記感光性高分子を含有する感光性組成物
を用いることにより、Tgが実効的に90℃以上である樹脂
層を形成することができる。このように、耐熱性が向上
し容易には結晶化しない非晶質薄膜からなる樹脂層を、
正孔注入・輸送性の層として用いることにより、特に該
層が発光層と接する構成の素子に於いては、発光層との
界面での分子の相互拡散を 90℃以上の高温下でも十分
に抑制することが出来る。
【0100】また本発明の感光性組成物は、更に電子受
容性化合物を含有していてもよい。高いTgを有する感光
性高分子と、電子受容性化合物を混合して用いること
で、耐熱性と同時に素子の発光特性をも改善することが
可能となる。すなわち電子供与性基含有高分子に電子受
容性化合物を混合することにより、電荷移動が起こり、
結果としてフリーキャリアである正孔が生成し、該層の
電気伝導度が高くなる。このような組成の層は、有機層
と陽極との電気的接合を改善することができるため、該
層を陽極と接する層、いわゆる正孔注入層として使用し
た場合、駆動電圧が低下すると同時に連続駆動時の安定
性も向上するので特に好ましい。
【0101】電子受容性化合物の含有量は、感光性高分
子に対し、0.1 〜50重量%の範囲にあることが好まし
い。さらに好ましくは、1〜30重量%の濃度範囲が実用
特性上望ましい。電子受容性化合物は、上述の感光性高
分子との間で電荷移動を起こすものであればよいが、本
発明者らが検討した結果、感光性高分子のイオン化ポテ
ンシャル:IP(高分子)と、電子受容性化合物(アク
セプタ)の電子親和力:EA(アクセプタ)の2つの物
性値が、 IP(高分子)−EA(アクセプタ)≦ 0.7eV の関係式で表される場合に、本発明の目的に有効である
ことを見いだした。
【0102】このことを図4のエネルギー準位図を用い
て説明する。一般に、イオン化ポテンシャル及び電子親
和力は真空準位を基準として決定される。イオン化ポテ
ンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベル
にある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギー
で定義され、電子親和力は真空準位にある電子が物質の
LUMO(最低空分子軌道)レベルに落ちて安定化する
エネルギーで定義される。
【0103】本発明において、図4に示す感光性高分子
のHOMOレベルのイオン化ポテンシャルと、電子受容
性化合物のLUMOレベルの電子親和力の差が0.7e
V以下であることが好ましい。イオン化ポテンシャルは
光電子分光法で直接測定されるか、電気化学的に測定し
た酸化電位を基準電極に対して補正しても求められる。
後者の方法の場合は、例えば、飽和甘コウ電極(SC
E)を基準電極として用いたとき、 イオン化ポテンシャル=酸化電位(vs.SCE)+4.3e
V で表される(“Molecular Semicond
uctors”,Springer−Verlag,1
985年、98頁)。電子親和力は、上述のイオン化ポ
テンシャルから光学的バンドギャップを差し引いて求め
られるか、電気化学的な還元電位から上記の式で同様に
求められる。
【0104】前記イオン化ポテンシャルと電子親和力の
関係式は、酸化電位と還元電位を用いて、 高分子の酸化電位−アクセプタの還元電位≦0.7eV と表現することもできる。なおIP(高分子)−EA
(アクセプタ)の値の下限値は、通常−0.7eV程度
である。
【0105】本発明における電子受容性化合物として
は、上記関係式を満たすものであれば特に限定はされな
いが、好ましくは下記一般式(I)
【0106】
【化8】
【0107】(式中、Xはハロゲン原子を表し、環A、
BおよびCは、各々独立に、置換基有していても良いフ
ェニル基を表す。)で表される化合物が挙げられる。前
記一般式(I)で表される電子受容性化合物の具体例と
しては、以下に示す化合物が挙げられる。
【0108】
【化9】
【0109】また、一般式(I)で表される化合物以外
で、本発明の電子受容性化合物として好ましい例を、以
下に省略名とともに示す。
【0110】
【化10】
【0111】なお本発明の感光性組成物は必要に応じ
て、該樹脂層や感光性組成物の性能を行わない範囲で、
上述の感光性高分子以外のバインダー樹脂や、電子受容
性化合物以外の各種添加剤など、他の成分を含有してい
てもかまわない。つぎに、本発明の有機電界発光素子に
ついて、図面を参照しながら説明するが、もちろん本発
明の有機電界発光素子は、明細書中に記載した構造(層
構成)に限定されない。
【0112】図5は、本発明の有機電界発光素子の一構
造例を、模式的に示す断面図であり、本発明の有機電界
発光素子は、この構造に限られない。図中、1は基板、
2は陽極、3は正孔注入層、5は発光層、7は陰極を各
々表わす。以下、図1を用いて、本発明の特徴である
「樹脂層」を正孔注入層3として有する素子を例に、本
発明を説明する。
【0113】基板1は有機電界発光素子の支持体となる
ものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラ
スチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラ
ス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好
ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリア性
に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が低すぎる
と、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化
することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂
基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化
膜等を設けてガスバリア性を確保する方法も好ましい方
法の一つである。
【0114】基板1上には陽極2が設けられるが、陽極
2は正孔注入層3への正孔注入の役割を果たすものであ
る。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケ
ル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/また
はスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロ
ゲン化金属、カーボンブラック、あるいは、ポリ(3-メ
チルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリン等の導
電性高分子などにより構成される。陽極2の形成は通
常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われる
ことが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅など
の微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒
子、導電性高分子微粉末などは、適当なバインダー樹脂
溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を
形成することもできる。さらに、導電性高分子の場合は
電解重合により直接基板1上に薄膜を形成したり、基板
1上に導電性高分子を塗布して陽極2を形成することも
できる(Appl. Phys. Lett., 60 巻, 2711頁, 1992
年)。陽極2は、異なる物質を積層して形成された多層
構造であってもよい。陽極2の厚みは、必要とする透明
性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光
の透過率を、通常、60%以上、好ましくは80%以上とす
ることが望ましく、この場合、厚みは、通常、5 〜1000
nm、好ましくは10〜500nm 程度である。不透明でよい場
合は陽極2は基板1と同程度の厚みでもよい。
【0115】陽極2の上には、本発明の感光性高分子
と、必要に応じて電子受容性化合物を含む感光性組成物
を用いて形成された正孔注入層3が設けられる。塗布法
により正孔注入層を形成する場合、先ず前記感光性高分
子と、必要に応じて電子受容性化合物、正孔のトラップ
にならないバインダー樹脂、塗布性改良剤等の添加剤な
どを混合し、適当な溶剤に溶解して感光性組成物を調製
する。これを、スピンコート法やディップコート法など
公知の塗布方法により陽極2上に塗布し、乾燥する。次
にハロゲンランプなどの露光光源を用い、フォトマスク
を介して、乾燥された感光性組成物層に光照射する。不
溶化しなかった部分(未硬化部分)を溶媒などで除去す
ることによりパターニングし、望む図面のパターンを得
る(パターン形成)。パターニングすることにより、素
子作製プロセスが簡便になり、また光架橋することによ
り層が硬化するため、層の耐久性向上にも役立つ。
【0116】図5に示す構造の素子において、正孔注入
層3の膜厚は、通常、5〜1000nm、好ましくは10〜500
nmである。なお、本発明の樹脂層を公知の塗布法にて形
成する場合、いわゆる塗布ムラが生じ、個々の最小発光
単位において樹脂層の膜厚が微妙に異なることが予想さ
れる。しかし塗布ムラによる膜厚変動は、通常、設定膜
厚の10%以下であり、本発明の樹脂層における膜厚の
差異はもっと大きい。つまり本発明では、同色の最小発
光単位間での膜厚の差異以上に、異色の最小発光単位間
での膜厚に差を設けることになる。
【0117】正孔注入層3の上には発光層5が設けられ
る。図5の層構成をもつ素子においては、発光層5は、
電界を与えられた電極間において陰極からの電子を効率
よく正孔注入層3の方向に輸送することができる化合物
より形成される。そのためには、電子親和力が大きく、
しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れトラッ
プとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくい化合物
であることが要求される。
【0118】このような条件を満たす材料としては、8
−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯
体(特開昭59−194393号公報)、10-ヒドロキシベンゾ
[h]キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、
ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公
報、同2−222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘
導体(特開平2−247278号公報)、(2-ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8−315983
号公報)、シロール誘導体等が挙げられる。
【0119】また、素子の発光効率を向上させるととも
に発光色を変える目的で、例えば、発光層において8−
ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料と
して、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること
(J. Appl. Phys., 65巻, 3610頁, 1989年)等が行われ
ており、これは本発明の有機電界発光素子においても有
効である。この方法の利点としては、 1)高効率の蛍光色素により発光効率が向上、 2)蛍光色素の選択により発光波長が可変、 3)濃度消光を起こす蛍光色素も使用可能、 4)薄膜性のわるい蛍光色素も使用可能、 等が挙げられる。
【0120】なお、これは素子の駆動寿命を改善する目
的においても有効である。例えば、8−ヒドロキシキノ
リンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料と
して、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特開平
4−335087号公報)、キナクリドン誘導体(特開平5−
70773号公報)、ペリレン等の縮合多環芳香族環(特開
平5−198377号公報)などを、ホスト材料に対して 0.1
〜10重量%ドープすることにより、素子の発光特性、特
に駆動安定性を大きく向上させることができる。
【0121】発光層5の膜厚は、通常、10〜200 nm、好
ましくは30〜100 nmである。発光層5も正孔注入層3と
同様に塗布方法で形成することができるが、上記したよ
うな低分子化合物を用いる場合は、通常は真空蒸着法が
用いられる。発光層材料(ホスト材料)に上記ナフタセ
ン誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素
をドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源
を予め所定の濃度で混合しておく方法がある。
【0122】上記各ドーパント(蛍光色素)は、通常発
光層の膜厚方向において均一にドープされるが、膜厚方
向において濃度分布があっても構わない。例えば、正孔
注入層との界面近傍にのみドープしたり、逆に、陰極界
面近傍にドープしてもよい。なお、本発明の感光高分子
に蛍光性が見られる場合、発光層に用いても良い。その
場合は、先に正孔注入層3の項で述べた様に、前記感光
性高分子と、必要に応じて他のバインダ樹脂や各種添加
剤、蛍光色素などを含む感光性組成物用い、公知の塗布
法にて感光性組成物膜を形成した後、これを露光・現像
し、層形成するとよい。本発明の特徴である「樹脂層」
を発光層として使用する場合、その好ましい膜厚は色毎
に異なるが、通常5〜1000nm、好ましくは10〜500 nmで
ある。
【0123】樹脂層を発光層5として使用する場合は、
正孔注入層3を、本発明の感光性組成物を用いて形成し
てもよいし、また公知の正孔注入・輸送性材料を用いて
形成してもよい。発光層5の上には陰極7が設けられ
る。陰極7は、発光層5に電子を注入する役割を果た
す。陰極7として用いられる材料としては、前記陽極2
に使用される材料が挙げられる。
【0124】効率よく電子注入を行なうには、仕事関数
の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウ
ム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属また
はそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネ
シウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アル
ミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げ
られる。
【0125】また、陰極7にインジウム酸化物(IT
O)などの透明電極を使用することにより、発光層5で
発した光を陰極側に取り出すことができ、また陽極・陰
極ともに透明電極を使用することにより、透明な素子と
することも可能であるため、デザイン面等からは好まし
い。陰極7の膜厚は通常、陽極2と同様である。
【0126】低仕事関数金属から成る陰極を保護する目
的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安
定な金属層を積層することは素子の安定性を増すため好
ましい。この目的のために、アルミニウム、銀、ニッケ
ル、クロム、金、白金等の金属が使われる。図5の構成
の素子では、正孔注入層は陽極から正孔を受けとる(正
孔注入)機能と、受けとった正孔を発光層へ運ぶ(正孔
輸送)機能を果たしており、発光層は発光機能ととも
に、陰極から電子を受けとる(電子注入)機能、受けと
った電子を発光層中で正孔と結合する所まで運ぶ(電子
輸送)機能をも果たしている。しかし本発明の素子の発
光特性を向上させるために、例えば図6に示す様に、正
孔注入層3と発光層5の間に正孔輸送層4を設けたり、
さらには、図7に示す様に電子輸送層6を発光層5と陰
極7の間に設けるなど機能毎に層を分ける構造、すなわ
ち機能分離型の素子にすることも可能である。
【0127】図6及び図7の機能分離型素子において、
図1の構成の素子と同様に本発明の感光性高分子を含む
層を、正孔注入層3として形成し、該正孔注入層3と発
光層5の間に別途正孔輸送層4を設けても良いし、本発
明の感光性高分子を含む層を正孔輸送層4として、別途
設けられた正孔注入層3と発光層5の間に設けても良
い。
【0128】正孔輸送層4の材料は、注入された正孔を
効率よく輸送することができる材料であることが必要で
ある。また、正孔注入層3からの正孔注入効率が高いと
なお好ましい。そのためには正孔移動度が大きく安定性
に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生
しにくいことが要求される。さらにイオン化ポテンシャ
ルが小さいと、より好ましい。また、発光層と直接接す
る層であるために、発光を消光する物質が含まれていな
いことが望ましい。
【0129】このような正孔輸送材料としては、例え
ば、4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]
ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2
個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジア
ミン(特開平5−234681号公報)、4,4',4"-トリス(1-
ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスタ
ーバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumi
n., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの
四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem. Commun., 2
175頁、1996年)、2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニル
アミノ)-9,9'-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(S
ynth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられ
る。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、必要に
応じて、各々、混合して用いてもよい。
【0130】上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料
として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェ
ニルアミン(特開平7− 53953号公報)、テトラフェニ
ルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホ
ン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分
子材料が挙げられる。上記材料を塗布法あるいは真空蒸
着法により前記正孔注入層3上に積層することにより正
孔輸送層4を形成する。
【0131】塗布法の場合は、前述の正孔注入層3と同
様に形成できる。バインダー樹脂としては、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられ
る。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下
させるので、少ない方が望ましく、通常50重量%以下
が好ましい。真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真
空容器内に設置されたルツボに入れ、真空容器内を適当
な真空ポンプで10-4Pa程度にまで排気した後、ルツボを
加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、ルツボと向き合っ
て置かれた、正孔注入層3が形成された基板1上に正孔
輸送層4を形成させる。
【0132】正孔輸送層4の膜厚は、通常、10〜300nm
、好ましくは30〜100nm である。この様に薄い膜を一
様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いら
れる。図7に示すように、発光層5の上にさらに電子輸
送層6を積層することにより、有機電界発光素子の発光
効率をさらに向上させることができる。この電子輸送層
6に用いられる化合物には、陰極からの電子注入が容易
で、電子の輸送能力がさらに大きいことが要求される。
この様な電子輸送材料としては、既に発光層材料として
挙げた8−ヒドロキシキノリンのアルミ錯体、オキサジ
アゾール誘導体(Appl. Phys. Lett., 55 巻, 1489頁,
1989年他)やそれらをポリメタクリル酸メチル(PMM
A)等の樹脂に分散した系(Appl. Phys. Lett. ,61
巻,2793頁, 1992年)、フェナントロリン誘導体(特開
平5−331459号公報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'- ジシア
ノアントラキノンジイミン(Phys. Stat. Sol. (a),14
2 巻, 489 頁, 1994年)、n型水素化非晶質炭化シリコ
ン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
電子輸送層6の膜厚は、通常、5 〜200nm 、好ましくは
10〜100 nmである。
【0133】さらに、陰極と有機層(図5および図6の
構造では発光層5、図7では電子輸送層6)の界面にLi
F 、Li2O等の極薄膜(0.1 〜5nm )を挿入することによ
り、素子の効率を更に向上させることができるので好ま
しい(Appl. Phys. Lett., 70 巻,152 頁,1997年;IE
EE Trans. Electron. Devices ,44巻,1245頁,1997
年)。
【0134】尚、図5とは逆の構造、すなわち、基板上
に陰極7、発光層5、正孔注入層3、陽極2の順に積層
することも可能であり、既述したように少なくとも一方
が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光
素子を設けることも可能である。同様に、図6及び図7
に示した各層構成とは逆の順に積層することも可能であ
る。
【0135】本明細書は、日本出願特願2000−60
045(平成12年3月6日出願)および特願2000
−158072(平成12年5月29日出願)に基づい
て作成されており、両出願の内容は本願に継承されてい
る。
【0136】
【実施例】次に、本発明を合成例および実施例によって
更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。 実施例1 表−1の重合構造単位(33)、および表−2の重合構
造単位(156)含有高分子の製造例を以下に述べる。
【0137】2-シンナモイロキシエチルメタクリレート
1.9g、4-(N,N-ビス(4-メチルフェニル))アミノフェニ
ルメタクリレート2.4gを17mlの乾燥トルエンに溶かし、
重合開始剤として2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリ
ル)64mgを加え、窒素下、 107℃で7時間重合させた。反
応終了後、メタノール150ml中に反応溶液を放出し、析
出した薄灰色粗生成物をテトラヒドロフランに溶解さ
せ、多量のメタノール中に放出、再沈させ、精製し、1.
8gの薄灰色粉末状の物を得た。収率は43%であった。
構造を以下に示す。
【0138】
【化11】
【0139】このポリマーの数平均分子量は3900であり
重量平均分子量は32000であった。1H−NMRにより、
組成比m:n=1:1であることを確認した。1H−N
MRスペクトルを図8に示す。セイコー電子社製DSC-20
により示差熱分析測定したところTgは91℃と高い値を示
した。 試験例1 アセトンで超音波洗浄、純水で水洗、イソプロピルアル
コールで超音波洗浄、乾燥窒素で乾燥、およびUV/オ
ゾン洗浄を行ったガラス基板上に、実施例1にて得られ
た高分子を、下記の条件でスピンコートした: 溶媒 クロロホルム 塗布液濃度 20 [mg/ml] スピナ回転数 1000[rpm ] スピナ回転時間 30[秒] 乾燥条件 窒素雰囲気常温乾燥 上記のスピンコートにより、可視光領域において透明な
170nmの膜厚の均一な薄膜が形成された。この薄膜試料
のイオン化ポテンシャルを理研計器(株)製の紫外線電
子分析装置(AC−1)を用いて測定したところ、5.25
eVの値を示した。薄膜の吸収スペクトルから求めた、こ
の高分子の光学的バンドギャップは3.19eVだったので、
電子親和力は2.06eVとなる。
【0140】次に、同様に処理したガラス基板上に、実
施例1にて得られた高分子と、電子受容性化合物である
TBPAH(トリス(4−ブロモフェニル)アルミニウムヘ
キサクロロアンチモネート)とを含む塗布液(感光性組
成物)を下記条件でスピンコートした: 溶媒 クロロホルム 本発明高分子 107mg TBPAH 7.4mg 塗布液濃度 11 [mg/ml] スピナ回転数 2000[rpm ] スピナ回転時間 30[秒] 乾燥条件 大気中常温乾燥 上記のスピンコートにより膜厚40nmの均一な、TBPAH を
6.5重量%含む、可視光領域において透明な薄膜が形成
された。
【0141】なお、上記電子受容性化合物TBPAHについ
ては、還元電位は1.06eV(vs SCE)と報告されているの
で、電子親和力は5.36eVとなる。従って、上記芳香族ア
ミノ基含有高分子のイオン化ポテンシャルとの差は−0.
11eVである。 試験例2 実施例1にて得られた高分子と、蛍光色素であるクマリ
ン510を含む塗布液(感光性組成物)を調製し、下記
条件で、ガラス基板上にスピンコートした: 溶媒 クロロホルム 本発明高分子 49.4mg クマリン510 4.4mg 塗布液濃度 13 [mg/ml] スピナ回転数 500[rpm ] スピナ回転時間 60[秒] 乾燥条件 大気中常温乾燥 上記のスピンコートにより、クマリン510を8.2重量%含
む、膜厚200nmの均一な薄膜が形成された。この薄膜試
料を、紫外線露光装置(ウシオ電機(株)製UX−10
00SM)を用いて、キセノンランプを光源とし、フォ
トマスクを介して波長366nmの光を3J/cm2照射した後、
クロロホルムを20重量%含む2-プロパノール溶液で1分
現像した。停止液として2-プロパノールを用いてパター
ン形成した。
【0142】この膜に365nmの紫外線ランプを照射した
ところ、フォトマスクのパターン通りにクマリン510の
発光が見られ、パターン形成された薄膜層が形成されて
いることが確認された。 実施例2 表−1の重合構造単位(5)および表−2の重合構造単
位(156)含有高分子の製造例を以下に述べる。
【0143】2-シンナモイロキシエチルメタクリレート
0.4g、4-(N,N-ビス(4-メチルフェニル))アミノスチレ
ン0.5gを12mlの乾燥トルエンに溶かし、重合開始剤とし
て2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)31mgを加
え、窒素下、 107℃で5時間重合させた。反応終了後、
メタノール150ml中に反応溶液を放出し、析出した薄灰
色粗生成物をテトラヒドロフランに溶解させ、多量のメ
タノール中に放出、再沈させ、精製し、0.3gの薄黄色
粉末状の物を得た。収率は22%であった。構造を以下に
示す。
【0144】
【化12】
【0145】このポリマーの数平均分子量は4200であり
重量平均分子量は7200であった。1H−NMRにより、
組成比m:n=2.3:1であることを確認した。1H−N
MRスペクトルを図9に示す。セイコー電子社製DSC-20
により示差熱分析測定したところTgは98℃と高い値を示
した。 試験例3 アセトンで超音波洗浄、純水で水洗、イソプロピルアル
コールで超音波洗浄、乾燥窒素で乾燥、およびUV/オ
ゾン洗浄を行った後ガラス基板上に実施例2にて得られ
た高分子を、下記の条件でスピンコートした: 溶媒 クロロホルム 塗布液濃度 10 [mg/ml] スピナ回転数 2000[rpm ] スピナ回転時間 30[秒] 乾燥条件 大気雰囲気常温乾燥 上記のスピンコートにより、膜厚60nmの均一な薄膜が形
成された。この薄膜試料を、紫外線露光装置(ウシオ電
機(株)製UX−1000SM)を用いて、キセノンラ
ンプを光源とし、フォトマスクを介して波長366nmの光
を4J/cm2照射した後、クロロホルムを20重量%含む2-プ
ロパノール溶液で1分現像した。停止液として2-プロパ
ノールを用いてパターン形成した。この膜に紫外線ラン
プを照射したところ、フォトマスクのパターンが形成さ
れていることが確認された。
【0146】試験例4 実施例2にて得られた高分子19mgと、電子受容性化
合物であるTBPAH(トリス(4−ブロモフェニル)アル
ミニウムヘキサクロロアンチモネート)2mgを1,2
−ジクロロエタン4mlに溶解した後、0.2μmのP
TFEメンブランフィルターで濾過し、感光性組成物を
得た。これをITO付きガラス基板上に1500rpm
でスピンコートし、乾燥窒素中で1時間乾燥した。乾燥
塗布膜の膜厚は40nmであった。この上に膜厚80n
mの銀膜を蒸着して電極を形成し、試料を作成した。
【0147】得られた試料につき、電圧特性を測定し
た。結果を図10に示す。感光性組成物を用いて形成さ
れた樹脂層の導電率は8.5×10-7Ω-1・cm-1、つ
まり抵抗率は1.2×106Ω・cmであった。 実施例3 図5に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法
で作製した。
【0148】ガラス基板上1にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を 120nm堆積したもの(ジオマテ
ック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常
のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2
mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成し
た。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超
音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールに
よる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、
最後に紫外線オゾン洗浄を行った。実施例1で得られた
本発明高分子を以下の条件で上記ITO基板上にスピン
コートして、室温で90分間自然乾燥することにより、60
nmの膜厚の均一な薄膜が形成された。
【0149】 溶媒 クロロホルム 塗布液濃度 20 [mg/ml] スピナ回転数 1000[rpm ] スピナ回転時間 30[秒] 乾燥条件 窒素雰囲気常温乾燥 得られた薄膜に対し窒素雰囲気下、紫外線露光装置(試
験例2と同じもの)を用いて2J/cm2で露光を行
い、光架橋して正孔注入層3を形成した。
【0150】次に、正孔注入層3を形成した基板を真空
蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポン
プにより行った後、装置内の真空度が2x10-6Torr(約2.
7x10 -4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油
拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置された
セラミックるつぼに入れた発光層5の材料、以下の構造
式に示すアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体、
Al(C96NO)3(E−1)
【0151】
【化13】
【0152】の蒸着を行った。この時のアルミニウムの
8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は 304〜324
℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は2.3x10-6Torr(約
3.1x10- 4Pa)、蒸着速度は0.1〜0.7nm/秒で、蒸着され
た発光層の膜厚は75nmであった。上記の発光層5を真空
蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0153】ここで、発光層5までの蒸着を行った素子
を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰
極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドー
マスクを、陽極2のITOストライプとは直交するよう
に素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有
機層と同様にして装置内の真空度が2x10-6Torr(約2.7x
10-4Pa)以下になるまで排気した。続いて、陰極7とし
て、マグネシウムと銀の合金電極を2元同時蒸着法によ
って膜厚44nmとなるように蒸着した。蒸着はモリブデン
ボートを用いて、真空度1x10-5Torr(約1.3x10-3Pa)、
蒸着時間3分20秒で行った。また、マグネシウムと銀の
原子比は10:1.5 とした。さらに続いて、装置の真空を
破らないで、アルミニウムをモリブデンボートを用いて
40nmの膜厚でマグネシウム・銀合金膜の上に積層して陰
極7を完成させた。アルミニウム蒸着時の真空度は1.5x
10-5Torr(約2.0x10-3Pa)、蒸着時間は1分20秒であっ
た。以上のマグネシウム・銀合金とアルミニウムの2層
型陰極の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
【0154】以上の様にして、2mmx2mm のサイズの発光
面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。得られ
た素子の特性を表−3に示す。 参考例1 正孔注入層3を形成する際に、露光による光架橋を行わ
なかったこと以外は実施例3と同様に素子を製造した。
これらの素子の発光特性を表−3に示す。表−3におい
て、発光輝度は250mA /cm2 の電流密度での値、発光効
率は 100cd/m2での値、輝度/電流は輝度−電流密度特
性の傾きを、電圧は 100cd/m2での値を各々示す。
【0155】実施例4 正孔注入層3に、実施例2で得られた本発明高分子を用
いた他は、実施例3と同様に素子を作製した。この素子
の発光特性を表−3に示す。 参考例2 正孔注入層3に、実施例2で得られた本発明高分子を用
いた他は、参考例1と同様に素子を作製した。この素子
の発光特性を表−3に示す。
【0156】表−3における実施例3と参考例1、およ
び実施例4と参考例2(それぞれ、同じ材料・層構成
で、感光性組成物層が光架橋しているか否かのみ異なる
素子)の発光輝度、発光効率、輝度/電流の値を比較す
ると、本発明の感光性高分子を含む感光性組成物にて形
成された正孔注入層3が光架橋することによって、素子
特性は低下していないことがわかる。
【0157】
【表53】
【0158】実施例5 図6に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法
で作製した。ガラス基板1上にインジウム・スズ酸化物
(ITO)透明導電膜を 120nm堆積したもの(ジオマテ
ック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常
のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2
mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成し
た。
【0159】パターン形成したITO基板を、アセトン
による超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアル
コールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾
燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。実施例1で
得られた本発明高分子とTBPAHの混合溶液を以下の条件
で上記ITO基板上にスピンコートして、120℃で60分
間乾燥することにより、60nmの膜厚の均一な薄膜が形成
された。
【0160】 溶媒 クロロホルム 本発明高分子 107mg TBPAH 7.4mg 塗布液濃度 11 [mg/ml] スピナ回転数 2000[rpm ] スピナ回転時間 30[秒] 乾燥条件 大気中常温乾燥 得られた薄膜に対し、窒素雰囲気下、紫外線露光装置
(試験例2と同じもの)を用いて5J/cm2で露光を
行い、光架橋して正孔注入層3を形成した。
【0161】次に、正孔注入層3を形成した基板を真空
蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポン
プにより行った後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約
2.7×10-4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備え
た油拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置さ
れたセラミックるつぼに入れた4,4'- ビス[N-(1-ナフ
チル)-N- フェニルアミノ]ビフェニル(H−1)
【0162】
【化14】
【0163】を加熱して蒸着を行った。蒸着時の真空度
は 2.8×10-6Torr(約 3.7×10-4Pa)で、膜厚20nmの膜
を正孔注入層3の上に積層して正孔輸送層4を完成させ
た。引続き、発光層5以降は実施例3と同様に作製し
た。以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部
分を有する有機電界発光素子が得られた。得られた素子
の発光特性を表−4に示す。
【0164】
【表54】
【0165】
【発明の効果】本発明の有機電界発光素子は、樹脂層の
膜厚を制御することにより、低分子蒸着膜を用いた場合
と較べて、素子における光路長制御(光干渉効果の有効
利用)が容易である。また、本発明の感光性組成物を用
いて形成された層は、各色の最小発光単位につき独立に
膜厚制御することが容易であるため、色毎に、発光波長
の干渉を効果的に起こさせるよう設計することが簡単に
できる。
【0166】また感光性高分子として、重合構造単位
(II)および(III)を含む高分子を使用することによ
り、これを含む感光性組成物を用いて形成された樹脂層
は、フォトリソグラフィ工程によりパターンニングして
も、有機電界発光素子としての特性が劣化せず、生産性
と、素子としての各種特性を両立させることができる。
従って、本発明による有機電界発光素子はフラットパネ
ル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛け
テレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例え
ば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバック
ライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、特
に、高耐熱性が要求される車載用表示素子としては、そ
の技術的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子における、光干渉効
果を説明する図。
【図2】青、緑、赤に対応する発光波長における光干渉
特性を示す図。
【図3】光干渉効果の有無による、有機電界発光素子の
発光スペクトル形状の相違を示す図。
【図4】イオン化ポテンシャルと電子親和力の関係を示
したエネルギー準位図。
【図5】本発明の有機電界発光素子の一例を示した模式
断面図。
【図6】本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模
式断面図。
【図7】本発明の有機電界発光素子の別の例を示した模
式断面図。
【図8】実施例1にて得られた本発明高分子の1H−N
MRスペクトル。
【図9】実施例2にて得られた本発明高分子の1H−N
MRスペクトル。
【図10】試験例4にて得られた試料の電圧特性を示す
図。
【符号の説明】 1 基板 2 陽極 3 正孔注入層 4 正孔輸送層 5 発光層 6 電子輸送層 7 陰極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/12 H05B 33/12 B 33/14 33/14 B (72)発明者 緒方 朋行 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 3K007 AB02 AB03 AB04 AB18 BA06 CA01 CB01 DA01 DB03 EB00 FA01 4J002 AA071 BC101 BE041 BF011 BG031 BG071 EN136 FD206 GP03 4J100 AB07P AB07Q AG08P AG15P AL08P AL08Q BA04Q BA12P BA15P BA46Q BC43P BC43Q BC44Q CA04 JA37 JA38

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、異なる発光色を示す2つ以上
    の最小発光単位を有し、 各最小発光単位が、少なくとも陽極と陰極との間に、発
    光層および必要に応じて任意の層を有する積層構造とな
    っており、 前記発光層または任意の層が、感光性組成物を用いて形
    成された樹脂層であり、 異なる発光色を示す最小発光単位間では、前記樹脂層の
    膜厚が異なることを特徴とする、有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 最小発光単位が、基板上に平面配置され
    た青、緑、または赤の発光色を示すものである、請求項
    1記載の有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 感光性組成物が、側鎖に感光性基を有
    し、かつ主鎖または側鎖に電荷輸送性基を有する感光性
    高分子を含有することを特徴とする、請求項1または2
    記載の有機電界発光素子。
  4. 【請求項4】 電荷輸送性基が電子供与性基である、請
    求項3記載の有機電界発光素子。
  5. 【請求項5】 感光性基がエチレン性不飽和二重結合で
    ある、請求項3または4記載の有機電界発光素子。
  6. 【請求項6】 感光性高分子の主鎖がビニル性重合体で
    ある、請求項3ないし5のいずれかに記載の有機電界発
    光素子。
  7. 【請求項7】 感光性高分子が、下記重合構造単位(I
    I)および(III)を有することを特徴とする、請求項4
    ないし6のいずれかに記載の有機電界発光素子。 【化1】 (式中、Ar1は、置換基を有していてもよい2価の芳香
    族基を示し、Ar2およびAr3は各々独立して置換基を有
    していてもよい芳香族基を示し、R1 〜R5 は各々独立
    して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、
    または置換基を有していてもよい芳香族基を示す。Yお
    よびZは直接結合あるいは2価の連結基を示す。)
  8. 【請求項8】 感光性組成物が、更に電子受容性化合物
    を含有することを特徴とする、請求項4ないし7のいず
    れかに記載の有機電界発光素子。
  9. 【請求項9】 感光性高分子のイオン化ポテンシャルか
    ら、電子受容性化合物の電子親和力を引いた値が0.7
    eV以下である、請求項8記載の有機電界発光素子。
  10. 【請求項10】 電子受容性化合物が、下記一般式
    (I)で表される化合物である、請求項8または9記載
    の有機電界発光素子。 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、環A,BおよびC
    は、各々独立して、置換基を有していても良いフェニル
    基を表す。)
  11. 【請求項11】 基板上に、少なくとも陽極、陰極、お
    よび樹脂層を有する有機電界発光素子であり、 該樹脂層が、感光性組成物を用いてパターン形成されて
    おり、該感光性組成物が、側鎖に感光性基を有し、かつ
    主鎖または側鎖に電荷輸送性基を有する感光性高分子を
    含有することを特徴とする、有機電界発光素子。
  12. 【請求項12】 電荷輸送性基が電子供与性基である、
    請求項11記載の有機電界発光素子。
  13. 【請求項13】 感光性基がエチレン性不飽和二重結合
    である、請求項11または12記載の有機電界発光素
    子。
  14. 【請求項14】 感光性高分子の主鎖がビニル性重合体
    である、請求項11ないし13のいずれかに記載の有機
    電界発光素子。
  15. 【請求項15】 感光性高分子が、下記重合構造単位
    (II)および(III)を有することを特徴とする、請求
    項12ないし14のいずれかに記載の有機電界発光素
    子。 【化3】 (式中、Ar1は、置換基を有していてもよい2価の芳香
    族基を示し、Ar2およびAr3は各々独立して置換基を有
    していてもよい芳香族基を示し、R1 〜R5 は各々独立
    して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、
    または置換基を有していてもよい芳香族基を示す。Yお
    よびZは直接結合あるいは2価の連結基を示す。)
  16. 【請求項16】 感光性組成物が、更に電子受容性化合
    物を含有することを特徴とする、請求項12ないし15
    のいずれかに記載の有機電界発光素子。
  17. 【請求項17】 感光性高分子のイオン化ポテンシャル
    から、電子受容性化合物の電子親和力を引いた値が0.
    7eV以下である、請求項16記載の有機電界発光素
    子。
  18. 【請求項18】 電子受容性化合物が、下記一般式
    (I)で表される化合物である、請求項16または17
    記載の有機電界発光素子。 【化4】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、環A,BおよびC
    は、各々独立して、置換基を有していても良いフェニル
    基を表す。)
  19. 【請求項19】 下記重合構造単位(II)および(II
    I)を有する、感光性高分子。 【化5】 (式中、Ar1は、置換基を有していてもよい2価の芳香
    族基を示し、Ar2およびAr3は各々独立して置換基を有
    していてもよい芳香族基を示し、R1 〜R5 は各々独立
    して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、
    または置換基を有していてもよい芳香族基を示す。Yお
    よびZは直接結合あるいは2価の連結基を示す。)
JP2001062327A 2000-03-06 2001-03-06 有機電界発光素子および感光性高分子 Pending JP2002056973A (ja)

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