JP4023204B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機電界発光素子に関するものであり、詳しくは、有機化合物から成る発光層に電界をかけて光を放出する薄膜型デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜型の電界発光(EL)素子としては、無機材料のII−VI族化合物半導体であるZnS、CaS、SrS等に、発光中心であるMnや希土類元素(Eu、Ce、Tb、Sm等)をドープしたものが一般的であるが、上記の無機材料から作製したEL素子は、
1)交流駆動が必要(一般に50〜1000Hz)、
2)駆動電圧が高い(200V程度)、
3)フルカラー化が困難で特に青色に問題がある、
4)周辺駆動回路のコストが高い、
という問題点を有している。
【0003】
しかし、近年、上記問題点の改良のため、有機薄膜を用いたEL素子の開発が行われるようになった。特に、発光効率を高めるため、電極からのキャリアー注入の効率向上を目的として電極の種類の最適化を行い、芳香族ジアミンから成る正孔輸送層と8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体から成る発光層とを設けた有機電界発光素子の開発(Appl. Phys. Lett., 51巻, 913頁,1987年)により、従来のアントラセン等の単結晶を用いたEL素子と比較して発光効率の大幅な改善がなされ、実用特性に近づいている。
【0004】
上記のような低分子材料を用いた電界発光素子の他にも、発光層の材料として、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ(3-アルキルチオフェン)、ポリフルオレン等の共役系高分子材料を用いた電界発光素子の開発や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に低分子の発光材料と電子移動材料を混合分散した素子の開発も行われている。
【0005】
ところで、有機電界発光素子の大きな課題は、駆動電圧の低下である。例えば、携帯機器の表示素子では、バッテリーからの低電圧駆動が要請され、また、携帯用途以外の一般的用途においても、駆動ICのコストは駆動電圧に依存し、駆動電圧が低い方が低コストになる。
【0006】
そこで、陽極と正孔輸送層のコンタクトを向上させるため両層の間に正孔注入層を設け、駆動電圧を低下させることが検討されている。正孔注入層に用いられる材料に要求される条件としては、陽極とのコンタクトがよく均一な薄膜が形成でき、熱的に安定、即ち、融点及びガラス転移温度(Tg)が高いこと、好ましくは 250℃以上の融点と85℃以上のガラス転移温度を有することが要求される。さらに、イオン化ポテンシャルが低く陽極からの正孔注入が容易なこと、正孔移動度が大きいことが挙げられる。正孔注入層の材料としても種々のものが検討されており、例えばポルフィン誘導体やフタロシアニン化合物(特開昭63−295695号公報)、スターバースト型芳香族トリアミン(特開平4−308688号公報)、ポリチエニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等の有機化合物や、スパッタ・カーボン膜や、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、モリブデン酸化物等の金属酸化物などが報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
また、電子受容性化合物を混合していない共役系高分子を正孔注入層に用いることが行われているが(特開平4−145192号公報)、駆動電圧28〜35Vで3,000〜5,000cd/m2と駆動電圧が高い。
【0008】
このことを解決するために、正孔輸送性化合物に電子受容性化合物を少量混合して用いることが試みられている。例えば、非共役系の正孔輸送性高分子に、電子受容性化合物としてTBPAH(トリス(4−ブロモフェニル)アミニウムヘキサクロロアンチモネート)を混合することで、低電圧駆動が可能なことが開示されているが(特開平11−283750号公報)、TBPAH は蒸着時に熱分解するため、共蒸着による正孔注入層への添加には不適当である。このため、通常は、塗布法により正孔輸送材料と混合されるが、該化合物は溶媒への溶解性が低いため、塗布法にも適さないという課題を有している。また、この電子受容性化合物は臭素原子を有するために、長期の安定性に対しても問題があると考えられる。
【0009】
また、電子受容性化合物としてFeCl3 を真空蒸着法により正孔輸送性化合物にドープすることも開示されているが(特開平11−251067号公報)、この電子受容性化合物は腐食性を有し、真空蒸着装置にダメージを与えるので好ましくない。
【0010】
このように有機電界発光素子の駆動時における電圧が高く、耐熱性を含めた安定性が低いことは、ファクシミリ、複写機、液晶ディスプレイのバックライト等の光源としては大きな問題であり、特にフルカラーフラットパネル・ディスプレイ等の表示素子としても望ましくない。
【0011】
また、従来の有機電界発光素子において、陽極として一般的に用いられるインジウム・スズ酸化物(ITO)は、その表面粗さが10nm程度の粗さ(Ra)を有するのに加えて、局所的に突起を有することが多く、素子作製時に短絡欠陥を生じるという問題もあった。
【0012】
従って、本発明は、上記従来の問題点を解決し、低電圧、高発光効率で駆動させることができ、かつ良好な耐熱性を有し、長期間に亙って安定な発光特性を維持することができる有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0013】
本発明はまた、上述の陽極の表面粗さに起因する素子作製時の短絡欠陥を防止することができる有機電界発光素子を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機電界発光素子は、基板上に、陽極、陰極及び該両極間に存在する発光層を有する有機電界発光素子において、該発光層と陽極との間に、下記一般式(I)で表されるホウ素原子を含有する電子受容性化合物と、正孔輸送性化合物とを含有する層が設けられていることを特徴とする。
【0015】
【化2】
【0016】
((I)式中、Ar1〜Ar3は各々独立に、ハメット定数(σ m および/またはσ p )が正の値を示す置換基を有していても良い芳香族炭化水素環基または芳香族複素環基を表す。)
【0017】
即ち、本発明者らは、従来の問題点を解決し、低電圧で動作可能な有機電界発光素子を提供するべく鋭意検討した結果、基板上に、陽極、陰極及び該両極間に存在する発光層を有する有機電界発光素子において、該発光層と陽極との間に、上記一般式(I)で表されるホウ素原子を含有する電子受容性化合物と、正孔輸送性化合物とを含む層を設けることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
本発明においては、正孔輸送性化合物と特定の電子受容性化合物を併用することで、素子の発光特性と耐熱性を同時に改善することを可能とした。即ち、正孔輸送性化合物に上記特定のホウ素を含有する電子受容性化合物が混合することにより、電荷移動が起こり、結果としてフリーキャリアである正孔が生成し、この層の電気電導度を高めることができる。このような層を設けることで、発光層と陽極との電気的接合が改善され、駆動電圧が低下すると同時に連続駆動時の安定性も向上する。また、特に、85℃以上のガラス転移温度を有する正孔輸送性化合物を用いた場合には、素子の耐熱性も大きく改善される。
【0019】
しかも、本発明で用いる上記一般式(I)で表されるホウ素を含有する電子受容性化合物は、高い電子受容性を有すると共に、昇華性を有するため真空蒸着による層形成にも使用でき、また溶媒に対する溶解性が高いため湿式塗布法による層形成にも使用でき、素子設計の自由度を拡大することができる。
【0020】
なお、本発明に係る正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含む層は、正孔輸送性を示す層であり、陽極と発光層との間であればどこに設けても良く、後掲の図1〜3に示す如く、陽極上に直接設けるものに何ら限定されないが、陽極(無機材料)との電気的接合が良く、耐熱性が高いというこの層の長所を十分に生かすためには、陽極と接する位置に形成するのが最も有利である。
【0021】
この場合において、高分子材料を母体とする層を塗布プロセスにより陽極上に形成することにより、前述の陽極の表面粗さが緩和され、良好な表面平滑化効果が得られ、素子作製時の短絡欠陥が防止されるという効果も奏される。
【0022】
本発明において、電子受容性化合物はルイス酸であることが好ましい。また、電子受容性化合物の電子親和力は4eV以上であることが好ましい。
【0023】
また、前記一般式(I)におけるAr1ないしAr3の少なくとも1つ、好ましくはすべてが、ハメット定数(σmおよび/またはσp)が正の値を示す置換基を有することが好ましい。
【0024】
本発明において、正孔輸送性化合物としては、次のようなものが好ましい。
【0025】
▲1▼ 芳香族三級アミン化合物、または芳香族三級アミノ基を有する化合物、好ましくは芳香族三級アミノ基を含有する分子量1,000〜1,000,000の化合物
▲2▼ ポルフィン誘導体またはフタロシアニン誘導体
▲3▼ 共役系高分子
【0026】
本発明において、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物とを含む層中の電子受容性化合物の含有量は、これを含む層を形成する材料全体に対して0.1〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0027】
また、正孔輸送性化合物のイオン化ポテンシャルから、電子受容性化合物の電子親和力を引いた値が 0.7eV以下であることが好ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の有機電界発光素子の実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
図1〜3は本発明の有機電界発光素子の実施の形態を示す模式的な断面図であり、1は基板、2は陽極、3は正孔注入層、4は正孔輸送層、5は発光層、6は電子輸送層、7は陰極を各々表す。
【0030】
基板1は有機電界発光素子の支持体となるものであり、石英やガラスの板、金属板や金属箔、プラスチックフィルムやシートなどが用いられる。特にガラス板や、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂の板が好ましい。合成樹脂基板を使用する場合にはガスバリヤ性に留意する必要がある。基板のガスバリヤ性が低すぎると、基板を通過する外気により有機電界発光素子が劣化することがあるので好ましくない。このため、合成樹脂基板のどちらか片側もしくは両側に緻密なシリコン酸化膜等を設けてガスバリヤ性を確保する方法も好ましい方法の一つである。
【0031】
基板1上には陽極2が設けられるが、陽極2は正孔注入層3への正孔注入の役割を果たすものである。この陽極は、通常、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金等の金属、インジウム及び/またはスズの酸化物などの金属酸化物、ヨウ化銅などのハロゲン化金属、カーボンブラック等により構成される。陽極2の形成は通常、スパッタリング法、真空蒸着法などにより行われることが多い。また、銀などの金属微粒子、ヨウ化銅などの微粒子、カーボンブラック、導電性の金属酸化物微粒子等を適当なバインダー樹脂溶液に分散し、基板1上に塗布することにより陽極2を形成することもできる。陽極2は異なる物質で積層して形成することも可能である。陽極2の厚みは、必要とする透明性により異なる。透明性が必要とされる場合は、可視光の透過率を、通常60%以上、好ましくは80%以上とすることが望ましく、この場合、厚みは、通常10〜1000nm、好ましくは20〜500nm 程度である。不透明で良い場合は陽極2は基板1と同一でも良い。また、さらには上記の陽極2の上に異なる導電材料を積層することも可能である。
【0032】
図1〜3の素子構造においては、陽極2の上に正孔注入層3が設けられる。この正孔注入層3に用いられる材料に要求される条件としては、陽極2からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが挙げられる。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、可視光の光に対して透明性が高く、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。上記の一般的な要求以外に、携帯表示用の応用を考えた場合、素子にはさらに85℃以上の耐熱性が要求される。
【0033】
本発明の有機電界発光素子は、好ましくはこの正孔注入層3を、前記一般式(I)で表されるホウ素原子を含む電子受容性化合物と、正孔輸送性化合物とを含有する層とする。
【0034】
本発明においては、正孔輸送性化合物と特定の電子受容性化合物を併用することで、素子の発光特性を改善することを可能とした。即ち、電子供与性の正孔輸送性化合物に電子受容性化合物が混合することにより、電荷移動が起こり、結果としてフリーキャリアである正孔が生成し、正孔注入層3の電気電導度が高くなる。このため、このような正孔注入層3を設けることで、発光層5と陽極2との電気的接合が改善され、駆動電圧が低下すると同時に連続駆動時の安定性も向上する。また、特に85℃以上のガラス転移温度を有する正孔輸送性化合物を正孔注入層3の母体とすることにより、素子の耐熱性も大きく改善される。従って、本発明で用いる正孔輸送性化合物のガラス転移温度は85℃以上であることが好ましい。
【0035】
前記一般式(I)で表される電子受容性化合物は、ルイス酸であることが好ましい。また、該化合物の電子親和力は4eV以上であることが好ましく、5eV以上であればより好ましい。
【0036】
電子受容性化合物を表す前記一般式(I)において、好ましくは、Ar1〜Ar3は各々独立に、置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基等の、5または6員環の単環、またはこれらが2〜3個縮合及び/または直接結合してなる芳香族炭化水素環基、或いは置換基を有していても良いチエニル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基等の、5または6員環の単環、またはこれらが2〜3個縮合及び/または直接結合してなる芳香族複素環基を表し、前記置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、アセチル基等のアシル基、トリフルオロメチル基等のハロアルキル基、シアノ基等が挙げられる。置換基としては、ハメット定数(σm、σp)が正の値を有する置換基である("Lange's Handbook of Chemistry",McGraw-Hill,14th Ed.,Section9参照)。
【0037】
前記一般式(I)で表される化合物として、より好ましくは、Ar1ないしAr3の少なくとも1つが、ハメット定数(σmおよび/またはσp)が正の値を示す置換基を有する化合物であり、特に好ましくは、Ar1ないしAr3が、いずれもハメット定数(σmおよび/またはσp)が正の値を示す置換基を有する化合物である。このような、電子吸引性の置換基を有することにより、該化合物の電子受容性が向上するため、好ましい。
【0038】
前記一般式(I)で表されるホウ素を含む電子受容性化合物の好ましい具体例を以下に示すが、これらに限定するものではない。
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】
【化5】
【0042】
式(I)で表される化合物は1種を単独で用いても良く、複数種を併用しても良い。また、本発明の特性を損なわない限り、公知の電子受容性化合物を併用しても良い。
【0043】
前記電子受容性化合物が混合される母体となる正孔輸送性化合物としては、0.0001cm2/V・秒以上の正孔移動度を有する材料であれば良い。
【0044】
この目的に適う材料として、芳香族三級アミン化合物または芳香族三級アミノ基を有する化合物のような芳香族三級アミンを構成単位と有するものが先ず挙げられる。例えば、4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の三級アミノ基を含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン化合物(特開平5−234681号公報)、4,4',4"-トリス(1-ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族三級アミン化合物(J. Lumin., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族三級アミン化合物(Chem.Commun., 2175頁、1996年)、2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。さらに、ジアリールアミノ基を有する8−ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体(特開平11−204260号公報)が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じて、各々、混合して用いても良い。
【0045】
正孔輸送性化合物としては、分子量1,000〜1,000,000の芳香族三級アミノ基を有する化合物が好ましい。このような芳香族三級アミノ基を有する化合物としては、芳香族三級アミノ基を構成単位として主骨格に含む高分子化合物が挙げられ、具体例として、以下の一般式(II)及び(III) で表される構造を繰り返し単位として有する正孔輸送性化合物が挙げられる。
【0046】
【化6】
【0047】
((II)式中、Ar4〜Ar7は、各々独立して置換基を有していても良い2価の芳香族環基を示し、R1 〜R2 は置換基を有していても良い1価の芳香族環基を示し、Xは直接結合、または下記の連結基から選ばれる。なお、本発明において、「芳香族環基」とは、「芳香族炭化水素環由来の基」及び「芳香族複素環由来の基」の両方を含む。)
【0048】
【化7】
【0049】
【化8】
【0050】
((III)式中、Ar8は置換基を有していても良い2価の芳香族環基を示し、Ar9は置換基を有していても良い1価の芳香族環基を示す。)
【0051】
前記一般式(II)において、Ar4〜Ar7は、好ましくは、各々独立して置換基を有していても良い2価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニルであり、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。前記置換基としては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が、特に好ましくはメチル基が挙げられる。
【0052】
R1〜R2は、好ましくは、各々独立して置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基、チエニル基、ビフェニル基であり、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。
【0053】
前記一般式(II)で表される構造を繰り返し単位として有する化合物は、例えば、城戸らの方法(Polymers for Advanced Technologies, 7巻,31頁,1996年;特開平9−188756号公報)に開示されている経路で合成される。
【0054】
前記一般式(III)において、Ar8は、置換基を有していても良い2価の芳香族環基、好ましくは正孔輸送性の面からは芳香族炭化水素環基であり、具体的には置換基を有していても良い2価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル、ターフェニル等が挙げられ、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。前記置換基としては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が、特に好ましくはメチル基が挙げられる。
【0055】
Ar9は、置換基を有していても良い芳香族環基、好ましくは正孔輸送性の面からは芳香族炭化水素環基であり、具体的には、置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基、チエニル基、ビフェニル基等が挙げられ、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。
【0056】
前記一般式(III)で表される構造を繰り返し単位として有する化合物は、例えば、以下の原料及び反応式に従って、キシレン等の有機溶媒中、パラジウム触媒の存在下で、 110℃で16時間反応させることにより合成することができる。
【0057】
【化9】
【0058】
芳香族三級アミノ基を側鎖として含む正孔輸送性化合物としては、例えば、以下の一般式(IV)及び(V)で表される構造を有する繰り返し単位として有する化合物が挙げられる。
【0059】
【化10】
【0060】
(式中、Ar10 は置換基を有していても良い2価の芳香族環基を示し、Ar11〜Ar12は置換基を有していても良い1価の芳香族環基を示し、R3〜R5は、各々独立して水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有していても良い1価の芳香族環基を示す。)
【0061】
【化11】
【0062】
(式中、Ar13〜Ar17は、各々独立して置換基を有していても良い2価の芳香族環基を示し、R6〜R7は置換基を有していても良い芳香族環基を示し、Yは直接結合、または下記の連結基から選ばれる。)
【0063】
【化12】
【0064】
前記一般式(IV)において、Ar10は、好ましくは、各々置換基を有していても良い2価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニルであり、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基、特に好ましくはメチル基が挙げられる。
【0065】
Ar11及びAr12は、好ましくは、各々独立してフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基、チエニル基、ビフェニル基であり、これらは置換基を有していても良い。置換基としては例えば、ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。
【0066】
R3〜R5は、好ましくは、各々独立して、水素原子;ハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェニル基;トリル基である。
【0067】
前記一般式(IV)で表される構造を繰り返し単位として有する化合物は、例えば、特開平1-105954号公報に開示されている経路で合成される。
【0068】
前記一般式(V)において、Ar13〜Ar17は、好ましくは、各々独立して置換基を有していても良い2価のベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニルであり、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。前記置換基としては、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基が、特に好ましくはメチル基が挙げられる。
【0069】
R6〜R7は、好ましくは、各々独立して置換基を有していても良いフェニル基、ナフチル基、アントリル基、ピリジル基、トリアジル基、ピラジル基、キノキサリル基、チエニル基、ビフェニル基であり、前記置換基としてはハロゲン原子;メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシカルボニル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルコキシ基;フェノキシ基、ベンジルオキシ基などのアリールオキシ基;ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のジアルキルアミノ基が挙げられる。
【0070】
前記一般式(V)で表される化合物は、例えば、城戸らの方法(Polymers for Advanced Technologies, 7巻,31頁,1996年;特開平9−188756号公報)に開示されている経路で合成される。
【0071】
前記一般式(II)〜(V)で示される構造のうち好ましい例を以下に示すが、何らこれらに限定されない。
【0072】
【化13】
【0073】
本発明に係る正孔輸送性化合物は前記一般式(II)〜(V)のいずれかで表される構造のホモポリマーであることが最も好ましいが、他の任意のモノマーとの共重合体(コポリマー)であっても良い。共重合体である場合、前記一般式(II)〜(V)で表される構成単位を50モル%以上、特に70モル%以上含有することが好ましい。
【0074】
なお、本発明に係る正孔輸送性化合物は、一化合物中に、前記一般式(II)〜(V)で表される構造を複数種含有していても良い。また、前記一般式(II)〜(V)で表される構造を含む化合物を、複数種併用して用いても良い。
【0075】
正孔輸送性化合物としては、さらに、共役系高分子が挙げられる。この目的のために、ポリフルオレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレンビニレンが好適である。
【0076】
この他に、正孔輸送性化合物としては、フタロシアニン誘導体もしくはポルフィン誘導体が挙げられる。好ましいこれらの化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる:
ポルフィリン
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンコバルト(II)
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン銅(II)
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィン亜鉛(II)
5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンバナジウム(IV)オキシド
5,10,15,20-テトラ(4-ピリジル)-21H,23H-ポルフィン
29H,31H-フタロシアニン
銅(II)フタロシアニン
亜鉛(II)フタロシアニン
チタンフタロシアニンオキシド
マグネシウムフタロシアニン
鉛フタロシアニン
銅(II)4,4',4'',4'''-テトラアザ-29H,31H-フタロシアニン
【0077】
6−T等のオリゴチオフェン誘導体も、その他の好ましい正孔輸送性化合物として例示される。
【0078】
本発明において、上記例示化合物のうち、正孔輸送性化合物として特に好ましい化合物は、芳香族三級アミン化合物または芳香族三級アミノ基を有する化合物、とりわけ分子量1,000〜1,000,000の化合物である。
【0079】
上述の正孔輸送性化合物と、本発明に係る電子受容性化合物との組み合わせに、特に制限はなく、両化合物の間で電荷移動を起こすものであれば良いが、正孔輸送性化合物のイオン化ポテンシャルIP(HTM)と電子受容性化合物(アクセプタ)の電子親和力EA(アクセプタ)の2つの物性値が、
IP(HTM)−EA(アクセプタ)≦0.7eV
の関係式で表される場合に、本発明の目的に特に有効である。このことを図4のエネルギー準位図を用いて説明する。
【0080】
一般に、イオン化ポテンシャル及び電子親和力は真空準位を基準として決定される。イオン化ポテンシャルは物質のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、電子親和力は真空準位にある電子が物質のLUMO(最低空分子軌道)レベルに落ちて安定化するエネルギーで定義される。本発明においては、図4に示す正孔輸送性化合物のHOMOレベルのイオン化ポテンシャルと、電子受容性化合物のLUMOレベルの電子親和力の差が0.7eV以下であることが好ましい。イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定されるか、電気化学的に測定した酸化電位を基準電極に対して補正しても求められる。後者の方法の場合は、例えば、飽和甘コウ電極(SCE)を基準電極として用いたとき、
イオン化ポテンシャル=酸化電位(vs.SCE)+4.3eV
で表される("Molecular Semiconductors", Springer-Verlag, 1985年、98頁)。電子親和力は、上述のイオン化ポテンシャルから光学的バンドギャップを差し引いて求められるか、電気化学的な還元電位から上記の式で同様に求められる。
【0081】
前記イオン化ポテンシャルと電子親和力の関係式は、酸化電位と還元電位を用いて、
正孔輸送性化合物の酸化電位−電子受容性化合物の還元電位≦0.7V
と表現することもできる。
【0082】
なお、本発明の特徴である、前記一般式(I)で表されるホウ素原子を含有する電子受容性化合物と正孔輸送性化合物を含む層は、後述するように、バインダ樹脂や各種添加剤を含んでいても良いが、実質的に該電子受容性化合物と、正孔輸送性化合物とで構成されることが好ましい。
【0083】
このような正孔注入層3における電子受容性化合物の含有量は、 0.1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。この「好ましい含有量」は、該層が素子における「正孔注入層」以外の層として設けられた場合も同様である。
【0084】
前記正孔輸送性化合物と前記一般式(I)で表されるホウ素原子を含有する電子受容性化合物を含有する正孔注入層3は、これらの化合物が低分子化合物の場合は塗布法または真空蒸着法により、高分子化合物の場合は塗布法により前記陽極2上に形成される。
【0085】
即ち、上記一般式(I)で表されるホウ素を含有する電子受容性化合物は、前述の如く、高い電子受容性を有すると共に、昇華性を有し、かつ適当な溶媒に可溶であるため、真空蒸着による層形成にも、湿式塗布法による層形成にも対応可能である。
【0086】
真空蒸着法による層形成の場合には、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を真空容器内に設置された別々のるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、各々のるつぼを加熱して、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物を独立に蒸発量を制御して蒸発させ、るつぼと向き合って置かれた、基板の陽極2上に膜を形成させる。
【0087】
塗布法による層形成の場合には、正孔輸送性化合物と電子受容性化合物の所定量を、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加して、適当な溶媒に溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法やディップコート法などの方法により陽極2上に塗布し、乾燥して正孔注入層3を形成する。
【0088】
このような正孔注入層3の膜厚は通常5〜1000 nm、好ましくは10〜500 nmである。
【0089】
正孔注入層3の上には発光層5が設けられる。発光層5は、電界を与えられた電極間において陰極からの注入された電子と正孔注入層3から輸送された正孔を効率よく再結合し、かつ、再結合により効率よく発光する材料から形成される。
【0090】
このような条件を満たす材料としては、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体(特開昭59−194393号公報)、10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯体(特開平6−322362号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(特開平1−245087号公報、同2−222484号公報)、ビススチリルアリーレン誘導体(特開平2−247278号公報)、(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾールの金属錯体(特開平8−315983号公報)、シロール誘導体等が挙げられる。これらの発光層材料は、通常は真空蒸着法により正孔注入層3上に積層される。
【0091】
素子の発光効率を向上させるとともに発光色を変える目的で、例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体をホスト材料として、クマリン等のレーザ用蛍光色素をドープすること(J. Appl. Phys., 65巻, 3610頁, 1989年)等が行われている。
【0092】
素子の駆動寿命を改善する目的においても、前記発光層材料をホスト材料として、蛍光色素をドープすることは有効である。例えば、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウム錯体などの金属錯体をホスト材料として、ルブレンに代表されるナフタセン誘導体(特開平4−335087号公報)、キナクリドン誘導体(特開平5− 70773号公報)、ペリレン等の縮合多環芳香族環(特開平5−198377号公報)を、ホスト材料に対して 0.1〜10重量%ドープすることにより、素子の発光特性、特に駆動安定性を大きく向上させることができる。発光層のホスト材料に上記ナフタセン誘導体、キナクリドン誘導体、ペリレン等の蛍光色素をドープする方法としては、共蒸着による方法と蒸着源を予め所定の濃度で混合しておく方法がある。
【0093】
高分子系の発光層材料としては、先に挙げたポリ(p-フェニレンビニレン)、ポリ[2-メトキシ-5-(2-エチルヘキシルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン]、ポリ(3-アルキルチオフェン)等の高分子材料や、ポリビニルカルバゾール等の高分子に発光材料と電子移動材料を混合した系等が挙げられる。これらの材料は正孔注入層3と同様にスピンコートやディップコート等の方法により正孔注入層3上に塗布して薄膜形成される。
【0094】
このようにして形成される発光層5の膜厚は、通常10〜200 nm、好ましくは30〜100 nmである。
【0095】
素子の発光特性を向上させるために、図2,3に示すように、正孔輸送層4を正孔注入層3と発光層5との間に設けたり、さらには、図3に示すように電子輸送層6を発光層5と陰極7との間に設けるなど機能分離型にすることが行われる。
【0096】
図2及び図3の機能分離型素子において、正孔輸送層4の材料としては、正孔注入層3からの正孔注入効率が高く、かつ、注入された正孔を効率よく輸送することができる材料であることが必要である。そのためには、イオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時や使用時に発生しにくいことが要求される。また、発光層5と直接接する層であるために、発光を消光する物質が含まれていないことが望ましい。
【0097】
このような正孔輸送材料としては、例えば、4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルで代表される2個以上の3級アミンを含み2個以上の縮合芳香族環が窒素原子に置換した芳香族ジアミン(特開平5−234681号公報)、4,4',4"-トリス(1-ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン等のスターバースト構造を有する芳香族アミン化合物(J. Lumin., 72-74巻、985頁、1997年)、トリフェニルアミンの四量体から成る芳香族アミン化合物(Chem.Commun., 2175頁、1996年)、2,2',7,7'-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン等のスピロ化合物(Synth. Metals, 91巻、209頁、1997年)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いても良いし、必要に応じて、各々、混合して用いても良い。
【0098】
上記の化合物以外に、正孔輸送層4の材料として、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルトリフェニルアミン(特開平7− 53953号公報)、テトラフェニルベンジジンを含有するポリアリーレンエーテルサルホン(Polym. Adv. Tech., 7巻、33頁、1996年)等の高分子材料が挙げられる。
【0099】
正孔輸送層4は、上記の正孔輸送材料を塗布法あるいは真空蒸着法により前記正孔注入層3上に積層することにより形成される。
【0100】
塗布法の場合は、正孔輸送材料を1種または2種以上に、必要により正孔のトラップにならないバインダー樹脂や塗布性改良剤などの添加剤を添加し、溶解して塗布溶液を調製し、スピンコート法などの方法により正孔注入層3上に塗布し、乾燥して正孔輸送層4を形成する。バインダー樹脂としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル等が挙げられる。バインダー樹脂は添加量が多いと正孔移動度を低下させるので、少ない方が望ましく、通常50重量%以下が好ましい。
【0101】
真空蒸着法の場合には、正孔輸送材料を真空容器内に設置されたるつぼに入れ、真空容器内を適当な真空ポンプで10−4Pa程度にまで排気した後、るつぼを加熱して、正孔輸送材料を蒸発させ、るつぼと向き合って置かれた、陽極2及び正孔注入層3が形成された基板1上に正孔輸送層4を形成させる。
【0102】
このようにして形成される正孔輸送層4の膜厚は、通常10〜300nm、好ましくは30〜100nmである。このように薄い膜を一様に形成するためには、一般に真空蒸着法がよく用いられる。
【0103】
有機電界発光素子の発光効率をさらに向上させる方法として、図3に示すように発光層4の上にさらに電子輸送層6を積層することもできる。この電子輸送層6に用いられる化合物には、陰極7からの電子注入が容易で、電子の輸送能力がさらに大きいことが要求される。このような電子輸送材料としては、既に発光層材料として挙げた8−ヒドロキシキノリンのアルミ錯体、オキサジアゾール誘導体(Appl. Phys. Lett., 55巻, 1489頁, 1989年) やそれらをポリメタクリル酸メチル(PMMA)等の樹脂に分散した系、フェナントロリン誘導体(特開平5−331459号公報)、2-t-ブチル-9,10-N,N'-ジシアノアントラキノンジイミン、n型水素化非晶質炭化シリコン、n型硫化亜鉛、n型セレン化亜鉛等が挙げられる。
【0104】
このような電子輸送層6の膜厚は、通常5〜200nm、好ましくは10〜100 nmである。
【0105】
陰極7は、発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極7として用いられる材料は、前記陽極2に使用される材料を用いることが可能であるが、効率よく電子注入を行なうには、仕事関数の低い金属が好ましく、スズ、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀等の適当な金属またはそれらの合金が用いられる。具体例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、アルミニウム−リチウム合金等の低仕事関数合金電極が挙げられる。
【0106】
陰極7の膜厚は通常、陽極2と同様である。低仕事関数金属から成る陰極を保護する目的で、この上にさらに、仕事関数が高く大気に対して安定な金属層を積層することは素子の安定性を増す上で有効である。この目的のために、アルミニウム、銀、銅、ニッケル、クロム、金、白金等の金属が使われる。
【0107】
さらに、陰極7と発光層5または電子輸送層6の界面にLiF、MgF2、Li2O等の極薄絶縁膜(膜厚0.1〜5nm)を挿入することも、素子の効率を向上させる有効な方法である(Appl. Phys. Lett., 70巻,152頁,1997年;特開平10− 74586号公報;IEEE Trans. Electron. Devices,44巻,1245頁,1997年)。
【0108】
図1〜3は、本発明で採用される素子構造の一例であって、本発明は何ら図示のものに限定されるものではない。例えば、図1とは逆の構造、即ち、基板1上に陰極7、発光層5、正孔注入層3、陽極2の順に積層することも可能であり、既述したように少なくとも一方が透明性の高い2枚の基板の間に本発明の有機電界発光素子を設けることも可能である。同様に、図2及び図3に示したものについても、前記各構成層を逆の構造に積層することも可能である。また、各層間に前述の層以外の任意の層が形成されていても良い。
【0109】
【実施例】
次に、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
【0110】
実施例1
図2に示す構造を有する有機電界発光素子を以下の方法で作製した。
【0111】
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を 120nm堆積したもの(シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて 2mm幅のストライプにパターニングして陽極2を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
【0112】
先ず、下記構造の構成単位のみからなる高分子(Tg=212℃,重量平均分子量4000,ホモポリマー)と前記電子受容性化合物(2)の混合物(混合物中の電子受容性化合物(2)の割合は40重量%)を、クロロホルムを溶媒として上記ITOガラス基板上にスピンコートした。
【0113】
【化14】
【0114】
このスピンコートにより20nmの膜厚の均一な薄膜形状を有する正孔注入層3を形成した。
【0115】
次に、上記正孔注入層3を塗布成膜した基板1を真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)以下になるまで液体窒素トラップを備えた油拡散ポンプを用いて排気した。上記装置内に配置されたセラミックるつぼに入れた下記構造式で示される芳香族アミン化合物:4,4'-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニルを加熱して蒸着を行った。蒸着時の真空度は2.0×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)、蒸着速度は0.3nm/秒で、膜厚20nmの膜を正孔注入層3の上に積層して正孔輸送層4を完成させた。
【0116】
【化15】
【0117】
引続き、発光層5の材料として、下記構造式で示されるアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体:Al(C9H6NO)3を正孔輸送層4と同様にして蒸着を行った。この時のアルミニウムの8−ヒドロキシキノリン錯体のるつぼ温度は265〜275℃の範囲で制御し、蒸着時の真空度は1.5×10−6Torr(約2.0×10−4Pa)、蒸着速度は0.5nm/秒で、蒸着された発光層の膜厚は70nmであった。
【0118】
【化16】
【0119】
なお、上記の正孔輸送層4及び発光層5を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
【0120】
ここで、発光層5までの蒸着を行った素子を一度前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして 2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極2のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機層と同様にして装置内の真空度が2×10−6Torr(約2.7×10−4Pa)以下になるまで排気した。その後、陰極7の形成に先立ち、界面にまずLiFを蒸着した後、陰極7として、アルミニウムを膜厚100nmに成膜した。
【0121】
以上のようにして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機電界発光素子が得られた。この素子の発光特性を表1に示す。表1に示す通り、この素子では駆動電圧10Vで32,600cd/m2という高輝度が得られた。
【0122】
実施例2
正孔注入層の電子受容性化合物として、前記電子受容性化合物(16)を電子受容性化合物(2)の代わりに用いた他は、実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表1に示す。表1より明らかなように、実施例1と同様低電圧高輝度化が観測された。
【0123】
比較例1
正孔注入層を形成しない他は、実施例1と同様にして素子を作製した。この素子の発光特性を表1に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
【発明の効果】
以上詳述した通り、発光層と陽極との間に、特定の電子受容性化合物と正孔輸送性化合物とを含有する層を形成した本発明の有機電界発光素子によれば、低電圧、高発光効率で駆動させることができ、かつ良好な耐熱性を有し、長期間に亙って安定な発光特性を維持することができる素子が提供される。
【0126】
従って、本発明による有機電界発光素子は、フラットパネル・ディスプレイ(例えばOAコンピュータ用や壁掛けテレビ)や面発光体としての特徴を生かした光源(例えば、複写機の光源、液晶ディスプレイや計器類のバックライト光源)、表示板、標識灯への応用が考えられ、特に、高耐熱性が要求される車載用表示素子として、その技術的価値は大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の他の例を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の有機電界発光素子の実施の形態の別の例を示す模式的な断面図である。
【図4】イオン化ポテンシャルと電子親和力の関係を説明する、エネルギー準位の図である。
【符号の説明】
1 基板
2 陽極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 陰極
Claims (9)
- 前記電子受容性化合物がルイス酸である、請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記電子受容性化合物の電子親和力が4eV以上である、請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
- 前記正孔輸送性化合物が、芳香族三級アミン化合物であるか、または芳香族三級アミノ基を有する化合物である、請求項1ないし3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記正孔輸送性化合物が、芳香族三級アミノ基を含有し、分子量が1,000〜1,000,000の化合物である、請求項4に記載の有機電界発光素子。
- 前記正孔輸送性化合物が、ポルフィン誘導体またはフタロシアニン誘導体である、請求項1ないし3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記正孔輸送性化合物が、共役系高分子である、請求項1ないし3のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記電子受容性化合物が含有される層における、該電子受容性化合物の含有量が、0.1〜50重量%の範囲である、請求項1ないし7のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記正孔輸送性化合物のイオン化ポテンシャルから、電子受容性化合物の電子親和力を引いた値が0.7eV以下である、請求項1ないし8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
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