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JP2002040232A - 光学フィルム、偏光板及び表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板及び表示装置

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Publication number
JP2002040232A
JP2002040232A JP2000218987A JP2000218987A JP2002040232A JP 2002040232 A JP2002040232 A JP 2002040232A JP 2000218987 A JP2000218987 A JP 2000218987A JP 2000218987 A JP2000218987 A JP 2000218987A JP 2002040232 A JP2002040232 A JP 2002040232A
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JP
Japan
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group
optical film
atom
film
polarizing plate
Prior art date
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Application number
JP2000218987A
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Isamu Michihashi
勇 道端
Osamu Ishige
修 石毛
Kaori Ono
香織 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
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Publication of JP2002040232A publication Critical patent/JP2002040232A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離ロールや搬送ロールに不着するといった
欠陥のない優れた紫外線吸収剤を採用した光学フィルム
を効率的に提供すること、又その光学フィルムを利用し
た偏光板、或いは表示装置を提供することにある。 【解決手段】 下記一般式1で示される紫外線吸収剤を
含有することを特徴とする光学フィルム。 【化1】 式中、R11は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、又はカル
ボニル基を介してベンゼン環上に置換する基を表し、R
12は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を
表し、R13〜R16は各々、水素原子、脂肪族基、芳香族
基、又はヘテロ環基を表す。R11〜R16で示される基は
ハロゲン原子で置換されることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用途に利用さ
れる光学フィルムに関するものであり、特に液晶表示装
置等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィル
ム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用い
られる反射防止フィルムなどの各種機能フィルム、又、
有機ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルム
等にも利用することができる光学フィルムに関するもの
である。更に詳しくは、特定のUV吸収剤を含む、保存
時の着色が少なく生産性に優れた光学フィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ノートパソコンの高精細化、薄型
軽量化の開発が進んでいる。それに伴って、液晶用偏光
板用の保護フィルムもますます高性能化、薄膜化の要求
が強くなってきている。偏光板用保護フィルムには、一
般的に透明性、屈折率などの理由から、セルロースエス
テルフィルムが広く使用されている。しかしながら、セ
ルロースエステルフィルムを単純に薄膜にすると、いろ
いろ問題が発生する。
【0003】即ち、従来偏光板用保護フィルムに使用さ
れるセルロースエステルフィルムには、偏光子や液晶を
紫外線から守る目的で、紫外線吸収剤が使用されてい
る。このセルロースエステルフィルムを単純に薄膜化し
てしまうと、十分に紫外線をカットすることができず、
薄膜化された分だけ、紫外線吸収剤を増量しなければな
らない。
【0004】紫外線吸収剤に関しては、特開平6−13
0226号、同7−11056号などが提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
に提案されている紫外線吸収剤を単純に増量すると、セ
ルロースエステルフィルム製膜工程で剥離ロールや搬送
ロールに紫外線吸収剤が付着し、故障の原因となり、生
産性を大きく低下させてしまうという、新たな問題を引
き起こすことが判明した。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は偏光板用保護フィルムに不可欠な紫外
線吸収剤として、上記した剥離ロールや搬送ロールに不
着するという欠陥のない優れた紫外線吸収剤を採用した
光学フィルムを提供すること、又その光学フィルムを利
用した偏光板、或いは表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記従
来の課題を解決することが出来る紫外線吸収剤を含む光
学フィルムについて鋭意検討した結果、その詳しい理由
は解明されてはいないが、特定の構造及び物性を有する
紫外線吸収剤を用いることにより、ロール汚れが改良で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明の上記目的は以下の手段により達成される。
【0008】1.上記一般式1で示される紫外線吸収剤
を含有することを特徴とする光学フィルム。
【0009】2.380nmに於けるモル吸光係数が1
000以上であり、かつ380nmに於けるモル吸光係
数に対する400nmに於けるモル吸光係数の比が20
以上である紫外線吸収剤を含有することを特徴とする光
学フィルム。
【0010】3.前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤であることを特徴とする2記載の光学
フィルム。
【0011】4.前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤が上記一般式2で示されることを特徴とする3記載の
光学フィルム。
【0012】5.上記一般式3で示される紫外線吸収剤
を含有することを特徴とする光学フィルム。
【0013】6.前記紫外線吸収剤が、380nmに於
けるモル吸光係数が1000以上であり、かつ380n
mに於けるモル吸光係数に対する400nmに於けるモ
ル吸光係数の比が20以上であることを特徴とする5記
載の光学フィルム。
【0014】7.1次平均粒子径が3〜20nmであ
り、かつ見かけ比重が70〜300g/リットルである
二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする1〜6の
何れか1項記載の光学フィルム。
【0015】8.光学フィルムがセルロースエステルフ
ィルムであることを特徴とする1〜7の何れか1項記載
の光学フィルム。
【0016】9.前記セルロースエステルフィルムがセ
ルロースアセテートプロピオネートフィルムであること
を特徴とする8記載の光学フィルム。
【0017】10.光学フィルムの膜厚が20〜65μ
mであることを特徴とする1〜9の何れか1項記載の光
学フィルム。
【0018】11.第1の光学フィルム、偏光子、第2
の光学フィルムを有する偏光板において、前記第1又は
第2の光学フィルムが1〜10の何れか1項記載の光学
フィルムであることを特徴とする偏光板。
【0019】12.偏光板を用いる表示装置に於いて、
11に記載の偏光板を用いることを特徴とする表示装
置。
【0020】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。 (紫外線吸収剤)一般式1、及び一般式3に於て、
11、R31は酸素原子若しくは窒素原子、硫黄原子、カ
ルボニル基を介してベンゼン環上に置換する基を表す。
【0021】酸素原子を介してベンゼン環上に置換する
基としては、ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えばメ
トキシ基、エトキシ基、t−ブトキシ基、2−エトキシ
エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ
基、2,4−ジ−t−アミルフェノキシ基、4−(4−
ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ基等)、複
素環オキシ基(例えば4−ピリジルオキシ基、2−ヘキ
サヒドロピラニルオキシ基等)、カルボニルオキシ基
(例えばアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキ
シ基、ピバロイルオキシ基等のアルキルカルボニルオキ
シ基、ベンゾイルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイル
オキシ基等のアリールオキシ基等)、ウレタン基(例え
ばN,N−ジメチルウレタン基等のアルキルウレタン
基、N−フェニルウレタン基、N−(p−シアノフェニ
ル)ウレタン基等のアリールウレタン基)、スルホニル
オキシ基(例えばメタンスルホニルオキシ基、トリフル
オロメタンスルホニルオキシ基、n−ドデカンスルホニ
ルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、ベンゼン
スルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基
等のアリールスルホニルオキシ基)等が挙げられるが、
炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、特に炭素数2
〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0022】窒素原子を介してベンゼン環上に置換する
基としては、ニトロ基、アミノ基(例えばジメチルアミ
ノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ドデシルアミノ基
等のアルキルアミノ基、アニリノ基、p−t−オクチル
アニリノ基等のアリールアミノ基等)、スルホニルアミ
ノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ヘプタフルオ
ロプロパンスルホニルアミノ基、ヘキサデシルスルホニ
ルアミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基、p−トル
エンスルホニルアミノ基、ペンタフルオロベンゼンスル
ホニルアミノ等のアリールスルホニルアミノ基)、スル
ファモイルアミノ基(例えばN,N−ジメチルスルファ
モイルアミノ基等のアルキルスルファモイルアミノ基、
N−フェニルスルファモイルアミノ基等のアリールスル
ファモイルアミノ基)、アシルアミノ基(例えばアセチ
ルアミノ基、ミリストイルアミノ基等のアルキルカルボ
ニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等アリールカルボニ
ルアミノ基)、ウレイド基(例えばN,N−ジメチルア
ミノウレイド基等のアルキルウレイド基、N−フェニル
ウレイド基、N−(p−シアノフェニル)ウレイド基等
のアリールウレイド基)等が挙げられるが、アシルアミ
ノ基が好ましい。
【0023】硫黄原子を介してベンゼン環上に置換する
基としては、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、t
−オクチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニ
ルチオ基等)、複素環チオ基(例えば1−フェニルテト
ラゾール−5−チオ基、5−メチル−1,3,4−オキ
サジアゾール−2−チオ基等)、スルフィニル基(例え
ばメタンスルフィニル基、トリフルオロメタンスルフィ
ニル基等のアルキルスルフィニル基、及びp−トルエン
スルフィニル基等のアリールスルフィニル基)、スルホ
ニル基(例えばメタンスルホニル基、トリフルオロメタ
ンスルホニル基等のアルキルスルホニル基、及びp−ト
ルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基)、スル
ファモイル基(例えばジメチルスルファモイル基、4−
(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)ブチルアミノス
ルホニル基等のアルキルスルファモイル基、フェニルス
ルファモイル基等のアリールスルファモイル基)が挙げ
られるが、スルフィニル基が好ましく、特に炭素数4〜
12のアルキルスルフィニル基が好ましい。
【0024】カルボニル基を介してベンゼン環上に置換
する基としては、カルボニル基(例えばアセチル基、ト
リフルオロアセチル基、ピバロイル基等のアルキルカル
ボニル基、ベンゾイル基、ペンタフルオロベンゾイル
基、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイ
ル基等のアリールカルボニル基等)、オキシカルボニル
基(例えばメトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキ
シカルボニル基、n−ドデシルオキシカルボニル基等の
アルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、
2,4−ジ−t−アミルフェノキシカルボニル基、1−
ナフチルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボ
ニル基、及び2−ピリジルオキシカルボニル基、1−フ
ェニルピラゾリル−5−オキシカルボニル基などの複素
環オキシカルボニル基等)、カルバモイル基(例えばジ
メチルカルバモイル基、4−(2,4−ジ−t−アミル
フェノキシ)ブチルアミノカルボニル基等のアルキルカ
ルバモイル基、フェニルカルバモイル基、1−ナフチル
カルバモイル基等のアリールカルバモイル基)が挙げら
れる。
【0025】一般式1、及び一般式3に於いて、R11
31で示される基としては、酸素原子を介してベンゼン
環上に置換する基が好ましく、特に炭素数1〜12のア
ルコキシ基が好ましく、更に炭素数2〜6のアルコキシ
基が好ましい。
【0026】一般式1、及び一般式3に於いて、R12
32は水素原子、脂肪族基(例えばアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基等)、芳香族基(例えばフェニル
基、p−クロロフェニル基等)、ヘテロ環基(例えば2
−テトラヒドロフリル基、2−チオフェニル基、4−イ
ミダゾリル基、インドリン−1−イル基、及び2−ピリ
ジル基等)を表す。R12、R32としては水素原子及びア
ルキル基が好ましい。
【0027】一般式1及び一般式3に於いて、nは1〜
4迄の整数を表すが、1及び2が好ましい。
【0028】一般式1に於いて、R13〜R16は各々独立
に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、ヘテロ環基を表
し、具体的な置換基としてはR12で例示した基が挙げら
れる。又R13及びR15としては水素原子若しくは、炭素
数1〜12のアルキル基が好ましく、特にi−プロピル
基、t−ブチル基、t−アミル基の様な分岐アルキル基
が好ましい。一方R14及びR16としては水素原子が好ま
しい。
【0029】本願発明者らは、上記一般式1で示される
様な分子内にハロゲン原子を有さず、かつR11〜R16
示される特定の置換基を有する構造の紫外線吸収剤を用
いることにより、搬送時のロール汚れを改良できること
を見出したが、更に鋭意検討を進めた結果、特定の構造
に係らず以下のような性質を有する紫外線吸収剤を用い
ることにより、一般式1で示される紫外線吸収剤と同様
に搬送時のロール汚れを改良できることも見出した。
【0030】即ち、380nmに於けるモル吸光係数が
1000以上であり、かつ380nmに於けるモル吸光
係数に対する400nmに於けるモル吸光係数の比が2
0以上である紫外線吸収剤を少なくとも1種含有するこ
とによっても、搬送時のロール汚れを改良でき、押され
故障の少ない光学フィルムが得られる。
【0031】ここで押され故障とは、光学フィルムの表
面にある30〜500μm程度の凹状の故障で、通常の
異物故障と違いフィルムを顕微鏡などで観察しても故障
の核が見られないものである。
【0032】380nmに於けるモル吸光係数が100
0以上である場合、紫外線吸収性能が良好であることを
示し、紫外光を遮断しうるのに充分な効果が得られ、よ
って光学フィルム自身が黄色く着色してしまう等の問題
も改善され、光学フィルム自身の透明性は向上する。
【0033】本発明に於ける紫外線吸収剤としては、3
80nmに於けるモル吸光係数が4000以上、好まし
くは8000以上、更に好ましくは10000以上のも
のを使用するのが良い。尚、380nmに於けるモル吸
光係数が1000未満の場合、所望のUV吸収性能を得
るために多量の添加が必要となり、ヘイズの上昇或いは
紫外線吸収剤の析出等により透明性の低下が著しく、フ
ィルム強度が低下する傾向となる。
【0034】上記紫外線吸収剤としては、例えばサリチ
ル酸系紫外線吸収剤(フェニルサリシレート、p−te
rt−ブチルサリシレート等)或いはベンゾフェノン系
紫外線吸収剤(2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾ
フェノン等)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(2
−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−
ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ア
ミル−フェニル)ベンゾトリアゾール等)、シアノアク
リレート系紫外線吸収剤(2’−エチルへキシル−2−
シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エチル−2
−シアノ−3−(3’,4’−メチレンジオキシフェニ
ル)−アクリレート等)、トリアジン系紫外線吸収剤
(2−(2’−ヒドロキシ−4’−へキシルオキシフェ
ニル)−4,6−ジフェニルトリアジン等)或いは特開
昭58−185677号、同59−149350号記載
の化合物等が知られている。
【0035】このような公知の様々なタイプの紫外線吸
収剤のうち、380nmに於けるモル吸光係数が100
0以上であり、かつ380nmに於けるモル吸光係数に
対する400nmに於けるモル吸光係数の比が20以上
である紫外線吸収剤が、本発明の効果を有する光学フィ
ルム用の紫外線吸収剤として好適に用いられる。この比
が20未満の場合、着色が大きく光学フィルム用途に適
さない。
【0036】即ちより可視域に近い、400nm付近の
光の吸収を抑え、所望のUV吸収性能を得るためには、
可能な限り紫外光を吸収しうる性能を有する紫外線吸収
剤を含有することが本発明においては好ましい。
【0037】本発明に用いられる紫外線吸収剤として
は、それ自身の安定性の点でベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤が好ましく、特に一般式2で示される紫外線吸
収剤が好ましい。
【0038】一般式2に於いて、R21はハロゲン原子
(例えば塩素原子、臭素原子等)、酸素原子、窒素原
子、又は硫黄原子を介してベンゼン環上に置換する基を
表す。酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を介してベン
ゼン環上に置換する基としては、一般式1のR11で説明
した基と同様の基が例示される。R21がハロゲン原子の
場合、塩素原子が好ましい。R21の好ましいものとして
は炭素数1〜12、更に好ましくは2〜6のアルコキシ
基である。
【0039】R22は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又
はヘテロ環基を表す。R22としては水素原子、又はアル
キル基が好ましい。
【0040】一般式2に於いて、nは1〜4迄の整数を
表す。nの数によってR21又はR22が複数存在する場
合、複数のR21及びR22は同じであっても、異なってい
ても良い。好ましくはnは1又は2である。
【0041】一般式2及び一般式3に於いて、R23、R
25、R26、R33、R35、R36は各々独立に水素原子、又
はベンゼン環上に置換可能な基を表す。R23、R25、R
33、R35としては水素原子、又は炭素数1〜12のアル
キル基が好ましく、特にi−プロピル基、t−ブチル
基、t−アミル基の様な分岐アルキル基が好ましい。R
26、R36としては水素原子が好ましい。
【0042】一般式2及び一般式3に於いて、R24、R
34は酸素原子又は窒素原子を介してベンゼン環上に置換
する基を表す。R24、R34の具体的置換基としては一般
式1のR11で示した酸素原子又は窒素原子を介してベン
ゼン環上に置換する基と同様の置換基が挙げられる。R
24、R34が酸素原子を介してベンゼン環上に置換する基
である場合、炭素数1〜12のアルコキシ基が好まし
く、特にi−プロポキシ基、t−ブトキシ基、2−エチ
ルへキシルオキシ基等の分岐アルコキシ基が好ましい。
24、R34が窒素原子を介してベンゼン環上に置換する
基で有る場合、アシルアミノ基が好ましく、特にN−ア
ルキルアシルアミノ基が好ましい。
【0043】上記一般式3で示される様な分子内にハロ
ゲン原子を有さず、かつR31〜R36で示されるような特
定の置換基を有した構造の紫外線吸収剤を用いることに
より、特に搬送時のロール汚れが改良される。更に驚く
べきことに上記一般式3で示される紫外線吸収剤を用い
ると、光学フィルム自身の耐久性も改良される。
【0044】光学フィルムへの上記紫外線吸収剤の添加
方法は直接添加してもよいが、生産性の優れるインライ
ン添加が好ましい。インライン添加は、予め有機溶剤
(例えばメタノール、メチレンクロライドなど)に溶解
したものに、少量のセルロースエステルを添加、溶解し
た後、インラインのミキサーでドープ組成中に添加する
のがよい。好ましいセルロースエステルの量は、溶剤1
00質量部に対して1〜10質量部、より好ましくは、
3〜5質量部である。セルロースエステルを添加する
と、紫外線吸収剤含有液の粘度が高くなり、インライン
で多く添加することが容易になる。
【0045】上記紫外線吸収剤の使用量は化合物の種
類、使用条件などにより一様ではないが、通常は光学フ
ィルム1m2当り0.2g〜2.0gが好ましく、0.
4g〜1.5gが更に好ましく、0.6g〜1.0gが
特に好ましい。
【0046】以下に本発明に好ましく用いられる紫外線
吸収剤の代表例を例示するが、これらに限定されるもの
ではない。
【0047】
【化4】
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】
【化7】
【0051】
【化8】
【0052】
【化9】
【0053】
【化10】
【0054】本発明に用いられる紫外線吸収剤及びその
中間体は公知の文献を参照して合成することが出来る。
例えば米国特許第3,072,585号、同4,02
8,331号、同5,683,861号;ヨーロッパ特
許第86,300,416号;特開昭63−22757
5号、同63−185969号、Polymer Bu
lletin.V.20(2),169−176及びC
hemical Abstracts V.109,N
o.191389等を参照して合成することが出来る。
【0055】(セルロースエステル)本発明の光学フィ
ルムに用いられるセルロースエステルは、セルロースの
低級脂肪酸エステルであることが好ましい。セルロース
の低級脂肪酸エステルに於ける低級脂肪酸とは炭素原子
数が6以下の脂肪酸を意味し、例えば、セルロースアセ
テート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレ
ート等や、特開平10−45804号、同8−2317
61号、米国特許第2,319,052号等に記載され
ているようなセルロースアセテートプロピオネート、セ
ルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸エステル
を用いることが出来る。上記の中でも、特に好ましく用
いられるセルロースの低級脂肪酸エステルはセルロース
トリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート
である。
【0056】セルローストリアセテートの場合には、フ
ィルム強度の観点から、特に重合度250〜400、平
均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが
好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が5
8.0〜62.5%のセルローストリアセテートであ
る。
【0057】最も好ましいセルロースの低級脂肪酸エス
テルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有
し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又は
ブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び
(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロ
ースエステルである。
【0058】式(I) 2.6≦X+Y≦3.0 式(II) 0≦X≦2.5 この内特にセルロースアセテートプロピオネートが好ま
しく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5であり、0.
1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で置換
されていない部分は通常水酸基として存在しているのも
のである。これらは公知の方法で合成することができ
る。
【0059】セルロースエステルは綿花リンター、木材
パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエ
ステルを単独或いは混合して用いることができる。ベル
トやドラムからの剥離性がもし問題になれば、ベルトや
ドラムからの剥離性が良い綿花リンターから合成された
セルロースエステルを多く使用すれば生産性が高く好ま
しい。木材パルプから合成されたセルロースエステルを
混合し用いた場合、綿花リンターから合成されたセルロ
ースエステルの比率が40質量%以上で剥離性の効果が
顕著になるため好ましく、60質量%以上が更に好まし
く、剥離性の効果という点では綿花リンター単独で使用
することが最も好ましい。
【0060】本発明に用いられる偏光板の主たる構成要
素である偏光膜とは、一定方向の偏波面の光だけを通す
素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリ
ビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニル
アルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色
性染料を染色させたものがある。これらは、ポリビニル
アルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色
するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ
素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
該偏光膜の面上に偏光板用保護フィルムとして、本発明
の光学フィルムである透明なプラスチックフィルムが張
り合わされて偏光板を形成する。
【0061】光学フィルムの製造方法について説明す
る。本発明の光学フィルムは、主としてセルロースエス
テルを用い、紫外線吸収剤を含有する溶液とセルロース
エステルが溶解しているドープ液とがインラインで混
合、攪拌されたものを製膜することで得られる。
【0062】本発明に於いてセルロースエステルが溶解
しているドープ液とは、セルロースエステルが溶剤(溶
媒)に溶解している状態にある溶液であり、前記ドープ
液には可塑剤、必要によりこの他の添加剤を加えること
も出来る。該ドープ液中のセルロースエステルの濃度と
しては10〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、
18〜20質量%である。
【0063】本発明で用いられる溶剤は単独でも併用で
もよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生
産効率の点で好ましく、更に好ましくは、良溶剤と貧溶
剤の混合比率は良溶剤の70〜95質量%に対し、貧溶
剤は30〜5質量%である。
【0064】本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、
使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良
溶剤、単独で膨潤するか又は溶解しないものを貧溶剤と
定義している。そのため、セルロースエステルの結合酢
酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセ
トンを溶剤として用いるときには、セルロースエステル
の結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量60
%では貧溶剤となってしまう。
【0065】本発明に用いられる良溶剤としては、メチ
レンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン
類が挙げられる。セルロースエステルの結合酢酸量によ
っては、良溶剤にも、貧溶剤にもなる溶剤としては、ア
セトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどが挙げられる。
【0066】本発明に用いられる貧溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロ
ヘキサン等が好ましく用いられる。
【0067】上記のドープ液を調製する時の、セルロー
スエステルの溶解方法としては一般的な方法を用いるこ
とができるが、好ましい方法としては、セルロースエス
テルを貧溶剤と混合し、湿潤或いは膨潤させ、更に良溶
剤と混合する方法が挙げられる。このとき加圧下、溶剤
の常温での沸点以上、かつ溶剤が沸騰しない範囲の温度
で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコ
と呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止できるため、より
好ましい。
【0068】加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入す
る方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行っ
てもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えば
ジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好
ましい。
【0069】溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の
沸点以上、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好まし
く、例えば60℃以上、特に70〜110℃の範囲に設
定するのが好適である。又、圧力は設定温度で、溶剤が
沸騰しないように調整される。
【0070】次に、このセルロースエステル溶液を濾紙
などの適当な濾過材を用いて濾過する。本発明に於ける
濾過材としては、不溶物などを除去するために絶対濾過
精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎ
ると濾過材の目詰まりが発生しやすいという問題点あ
る。このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が
好ましく、0.001〜0.008mmの範囲の濾材が
より好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾
材が更に好ましい。
【0071】濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材
を使用することが出来るが、ポリプロピレン、テフロン
(登録商標)等のプラスチック製の濾材やステンレス等
の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
【0072】ドープ液の濾過は通常の方法で行うことが
出来るが、加圧下、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤
が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法
が、濾過材前後の差圧(以下、濾圧とすることがある)
の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度範囲は45〜
120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜
55℃の範囲であることが更に好ましい。
【0073】濾圧は小さい方が好ましく、1.6×10
6Pa以下であることが好ましく、1.2×106Pa以
下であることがより好ましく、1.0×106Pa以下
であることが更に好ましい。
【0074】溶解後は冷却しながら容器から取り出す
か、又は容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで
冷却し、これを製膜に供する。このときの冷却温度は常
温まで冷却してもよいが、沸点より5〜10℃低い温度
まで冷却し、その温度のままキャスティングを行うほう
が、ドープ液の粘度を低減できるためより好ましい。
【0075】流延(キャスト)工程に於ける支持体はベ
ルト状もしくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした
支持体が好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の
温度は一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で
流延することができるが、0〜30℃の支持体上に流延
するほうが、ドープをゲル化させ剥離限界時間を短くで
きるため好ましく、5〜15℃の支持体上に流延するこ
とが更に好ましい。剥離限界時間とは透明で平面性の良
好な光学フィルムを連続的に得られる流延速度の限界に
於いて、流延されたドープ液が支持体上にある時間をい
う。剥離限界時間は短い方が生産性に優れていて好まし
い。
【0076】流延(キャスト)される側の支持体の表面
温度は10〜55℃、溶液の温度は25〜60℃が好ま
しく、更に溶液の温度を支持体の温度と同じ又はそれ以
上の温度にすることが好ましく、5℃以上の温度に設定
することが更に好ましい。
【0077】溶液温度、支持体温度は高いほど溶媒の乾
燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎると
発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
【0078】前記支持体温度の更に好ましい範囲は20
〜40℃、溶液温度の更に好ましい範囲は35〜45℃
である。
【0079】又、剥離する際の支持体温度を10〜40
℃、更に好ましくは15〜30℃にすることで光学フィ
ルムと支持体との密着力を低減できるので好ましい。
【0080】製造時の光学フィルムが良好な平面性を示
すためには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は10
〜150%が好ましく、更に好ましくは80〜150%
であり、特に好ましくは、100〜130%である。残
留溶剤中に含まれる良溶剤の比率は50〜90%が好ま
しく、更に好ましくは60〜90%であり、特に好まし
くは70〜80%である。
【0081】残留溶剤量はヘッドスペースサンプラーを
接続したガスクロマトグラフィーで測定することができ
る。本発明では、ヒューレット・パッカード社製ガスク
ロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペ
ースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条
件で行った。
【0082】ヘッドスペースサンプラー加熱条件:12
0℃、20分 GC導入温度:150℃ 昇温:40℃、5分間保持後、100℃(8℃/分)へ カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、
長さ30m) 本発明に於いては、残留溶媒量は下記式で定義される。
【0083】残留溶剤量=(光学フィルムに含まれる溶
剤質量)/(加熱処理後の光学フィルム質量)×100
% 尚、残留溶剤量を測定する際の加熱処理とは、ガスクロ
マトグラフィーで測定後の光学フィルムを更に115℃
で1時間の加熱処理を行うことを表す。
【0084】前記支持体と光学フィルムを剥離する際の
剥離張力は、通常196〜245N/mで剥離が行われ
るが、セルロースエステルの単位質量当たりの紫外線吸
収剤の含有量が多く、且つ、従来よりも薄膜化されてい
る本発明の光学フィルムは、剥離の際にシワが入りやす
いため、剥離できる最低張力から167N/m以内の力
で剥離することが好ましく、更に好ましくは、最低張力
から137N/m以内の力で剥離することである。
【0085】又、光学フィルムの乾燥工程に於いては、
支持体より剥離した光学フィルムを更に乾燥し、残留溶
媒量を3質量%以下にすることが好ましく、更に好まし
くは、0.5質量%以下である。
【0086】光学フィルム乾燥工程では一般にロール懸
垂方式、又はピンテンター方式で該フィルムを搬送しな
がら乾燥する方式が採られる。液晶表示部材用として
は、ピンテンター方式で幅を保持しながら乾燥させるこ
とが、寸法安定性を向上させるために好ましい。特に支
持体より剥離した直後の残留溶剤量の多いところで幅保
持を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮するた
め特に好ましい。
【0087】光学フィルムを乾燥させる手段は特に制限
なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波
等で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥
温度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分け
て、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃
の範囲で行うことが寸法安定性を良くするため更に好ま
しい。
【0088】本発明に於いて、上記のようにして製膜さ
れた光学フィルムの面内方向に於けるレターデーション
0(nm)は小さいほど好ましい。本発明の光学フィ
ルムは用途により1000nm未満ものが適宜用いられ
る。偏光板保護フィルムとしては、R0が20nm未満
のものが好ましく、更に好ましくは10nm未満である
ことが望まれる。特に好ましくは0〜5nmのものが用
いられる。
【0089】本発明の光学フィルムでは、製膜方向(長
手方向に相当する)と、フィルムの遅相軸とのなす角度
θが0度(長手方向)或いは90度(幅手方向)に近い
ほど好ましい。ただし、θは製膜方向と遅相軸とがなす
狭い角度である。
【0090】好ましくはθと面内方向のレターデーショ
ンR0が下記の関係にあることがより好ましい。
【0091】P≦1−sin2(2πθ/180)・s
in2(πR0/λ) Pは0.999、λはR0及びθを求めるための三次元
屈折率測定の際の光の波長590nmである。更に好ま
しくはPが0.9995であるときにθとR0が上式を
満たすことが好ましく、更に好ましくはPが0.999
8であるときにθとR0が上式を満たすことが好まし
い。
【0092】又、本発明のセルロースエステルフィルム
では厚み方向のリターデーションRtは0〜300nm
であるものが好ましく、更に30〜150nmのものが
好ましく、特に40〜120nmであるものが特に好ま
しく用いられる。Rtは液晶表示装置の設計に合わせ
て、適宜好ましい値のものが用いられる。
【0093】尚、R0、Rt、θは下記の方法で求める
ことができる。レターデーション値(Rt、R0)及び
遅相軸角度の測定自動複屈折率計KOBRA−21AD
H(王子計測機器(株)製)を用いて試料を23℃、5
5%RHの環境下で、590nmの波長に於いて3次元
屈折率測定を行い、遅相軸角θ及び屈折率Nx、Ny、
Nzを求める。下記式(1)及び(2)に従って厚み方
向のレターデーション値Rtと面内方向のレターデーシ
ョン値R0を算出する。
【0094】式(1) Rt値=((Nx+Ny)/2−Nz)×d 式(2) R0値=(Nx−Ny)×d 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
はフィルム面内の進相軸方向の屈折率、Nzはフィルム
の厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそ
れぞれ表す。
【0095】本発明の光学フィルムを位相差板(例えば
1/4λ板、1/2λ板等)として利用する場合は、R
0が100〜500nmのものが好ましく用いられ、θ
は約0度(長尺方向)、約45度、約90度(幅手方
向)であるものが用途或いは使用方法に応じて適宜選択
される。例えば、2枚の偏光板保護フィルムで偏光子を
サンドイッチして作られる偏光板に於いて、一方の偏光
板保護フィルムを1/4λ板とし、偏光子の透過軸方向
と1/4λ板の遅相軸方向とが約45°となるように配
置されることによって円偏光板を得ることができる。
【0096】本発明の光学フィルムには、セルロースエ
ステル以外のポリマーを含有させることが好ましい。本
発明に用いられるポリマーとは、モノマーを重合してな
るMwが400〜5000の高分子であり、オリゴマー
と呼ばれるものも含んでいる。重量平均分子量Mwは4
00〜3000であることがより好ましく、400〜2
000が更に好ましい。
【0097】該ポリマーのMw/Mnは特に限定されな
いが、1〜5の範囲にあることが好ましく、2〜5の範
囲がより好ましく、3〜5の範囲が更に好ましい。
【0098】該ポリマーのMz/Mwは特に限定されな
いが、1〜3の範囲にあることが好ましく、1〜2.5
の範囲がより好ましい。
【0099】Mw、Mn、MzはGPC(Gel Pe
rmeation Chromatography)を
用いて通常の方法で測定することが出来る。
【0100】該ポリマーの添加量は特に限定されない
が、セルロースエステルに対して15〜50質量%含有
することが好ましく、15〜45質量%がより好まし
く、20〜40質量%が更に好ましい。
【0101】本発明に用いられるポリマーの種類は特に
限定されないが、ポリエステル、ポリエステルエーテ
ル、ポリエステルウレタン、ポリウレタン、ビニルポリ
マー、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、及
びこれらの共重合体などが挙げられる。これらのポリマ
ーの中でも、ポリエステル、ポリエステルエーテル、ビ
ニルポリマーが特に好ましい。
【0102】ポリエステルの種類は特に限定されない
が、例えば以下のようなものを好ましく用いることが出
来る。好ましい多塩基性酸としてはアジピン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、又はそれらの組み合わせ物などを挙げるこ
とが出来る。好ましい多価アルコールの例としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、又はそれらの組み合わせなどを挙げることが出来
る。ポリマーの末端は1価の酸又は1価のアルコールで
修飾しても良い。
【0103】ポリエステルエーテルの種類は特に限定さ
れないが、例えば上記ポリエステルとエーテル単位を組
み合わせたものや、上記二塩基性酸とエーテル単位を重
合したポリエステルエーテルなどを好ましく用いること
が出来る。エーテル単位としては特に限定されないが、
例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエ
チレンエーテルグリコール、又はそれらの組み合わせな
どを挙げることが出来る。ポリマーの末端は1価の酸又
は1価のアルコールで修飾しても良い。
【0104】ビニルポリマーの種類は特に限定されない
が、例えば酢酸ビニルを含むビニルポリマーを好ましく
用いることが出来る。酢酸ビニルを含むビニルポリマー
は酢酸ビニルのホモポリマーでも良いし、他のモノマー
と共重合しても良い。共重合に用いられるモノマーは特
に限定されないが、例えばマレイン酸エステル、フマル
酸エステル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルア
ルコールエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステルなどを挙げることが出来る。各モノマーは、炭
素数1〜4のアルキル基、又はベンゼン環を有する酸又
はアルコールでエステル化されていることが好ましい。
【0105】本発明に於いて、ポリマー以外に低分子の
可塑剤を添加してもよい。本発明に用いることのできる
低分子の可塑剤としては特に限定されないが、例えばリ
ン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、グ
リコレート系可塑剤などを好ましく用いることが出来
る。リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジ
フェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフ
ェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル
系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチル
フタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレ
ート、グリコレート系可塑剤ではブチルフタリルブチル
グリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メ
チルフタリルエチルグリコレート等を好ましく用いるこ
とができる。これらの可塑剤は単独或いは2種以上混合
して用いることができる。
【0106】低分子可塑剤の使用量は、フィルム性能、
加工性等の点で、セルロースエステルに対して0〜20
質量%が好ましい。液晶表示部材用としては、寸法安定
性の観点から1〜15質量%が更に好ましく、特に好ま
しくは、2〜12質量%である。
【0107】加工性とはベースフィルムや液晶表示部材
をスリット加工や打ち抜き加工する際の加工のしやすさ
のことで、加工性が悪いと切断面がノコギリ状になり切
り屑が発生し、製品に付着して異物故障となるため好ま
しくない。
【0108】本発明の光学フィルムは、高い寸法安定
性、良好な紫外線カット性能から液晶表示用部材に用い
られるのが好ましい。液晶表示用部材とは液晶表示装置
に使用される部材のことで、例えば、偏光板、偏光板用
保護フィルム、位相差板、反射板、視野角拡大フィル
ム、防眩フィルム、無反射フィルム、反射防止フィル
ム、帯電防止フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられ
る。上記記載の中でも、寸法安定性に対しても厳しい要
求のある偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、視
野角拡大フィルムに於いて、本発明の光学フィルムは更
に好ましく用いられる。
【0109】本発明に用いられる光学フィルムには、必
要ならばマット剤として微粒子を加えてもよい。本発明
に使用される微粒子の内、無機化合物の例として、二酸
化珪素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、ク
レイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸
カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム
及びリン酸カルシウムを挙げることができる。微粒子は
ケイ素を含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に
二酸化珪素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平
均粒子径が20nm以下であり、かつ見かけ比重が70
g/リットル以上であるものが好ましい。1次平均粒子
径は5〜16nmが好ましく、更に5〜12nmが好ま
しい。1次粒子の平均径が小さい方がヘイズが低く好ま
しい。見かけ比重は90〜200g/リットルが好まし
く、100〜200g/リットルが更に好ましい。見か
け比重が大きい程高濃度の分散液を作ることが可能にな
り、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
【0110】マット剤の添加量は1m2当たり0.01
〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ま
しく、0.04〜0.1gが最も好ましい。
【0111】二酸化珪素の微粒子は、例えばアエロジル
R972、R972V、R974、R812、200、
200V、300、R202、OX50、TT600
(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されて
おり、使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒
子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上
日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、
使用することができる。
【0112】ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗
素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができるが、シリ
コーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有する
ものが好ましく、例えば、トスパール103、同10
5、同108、同120、同145、同3120及び同
240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販
されており、使用することができる。
【0113】これらの中でアエロジル200V、アエロ
ジルR972Vが光学フィルムの濁度を低く保ちなが
ら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましい。
【0114】(3)偏光板の作製方法 偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例え
ば、本発明の光学フィルムをアルカリケン化処理し、沃
素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面に、完全
ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わ
せる方法がある。アルカリケン化処理とは、このときの
水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向上させるため
に、セルロースエステルフィルムを高温の強アルカリ液
中に浸ける処理のことをいう。
【0115】特に前記偏光板としては、第1の光学フィ
ルム、偏光子、第2の光学フィルムで形成され、前記第
1又は第2の光学フィルムが上述した本発明の光学フィ
ルムであることが好ましい。第1の光学フィルム又は第
2の光学フィルムを本発明の光学フィルムにすることに
よって、偏光膜を紫外線から保護することができる。更
に本発明の光学フィルムから作られた偏光板を液晶表示
装置に使用することによって、液晶セルを紫外線から保
護することができるため好ましい。
【0116】
【実施例】以下、実施例により本発明の態様を具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
ない。尚、以下の「部」は「質量部」を表す。
【0117】表1に実施例に使用される紫外線吸収剤の
分光吸収データを示す。
【0118】
【表1】
【0119】表1に於いて、ε(380nm)は380
nmに於けるモル吸光係数を表し、ε(380nm)/
ε(400nm)は380nmに於けるモル吸光係数に
対する400nmに於けるモル吸光係数の比を表す。
尚、分光吸収の測定は塩化メチレン溶媒で行った。
【0120】表中の比較UV−1及び比較UV−2の構
造を下記に示す。
【0121】
【化11】
【0122】 実施例1 〈試料1〜11の作製〉 (酸化珪素分散液) アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 10部 (一次粒子の平均径12nm、見掛け比重100g/リットル) エタノール 90部 以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マント
ンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は93pp
mであった。
【0123】 (添加液Aの作製) 紫外線吸収性ポリマー 比較UV−2(表1に記載) 10部 メチレンクロライド 100部 以上を密閉容器に投入し、加熱・撹拌しながら、完全に
溶解し、濾過した。これに酸化珪素分散液10部を撹拌
しながら加えて、更に30分間撹拌した後、濾過し、添
加液Aを調製した。
【0124】 (ドープ液Aの調製) リンター綿から合成されたセルローストリアセテート 85部 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 15部 アジピン酸−1,3ブチレングリコールのポリエステル(Mw=600) 11.5部 メチレンクロライド 475部 エタノール 50部 以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全
に溶解し、濾過し、ドープ液Aを調製した。
【0125】(製膜工程)ドープ液A100部に対して
添加液Aを2部を加えて、インラインミキサー(東レ静
止型管内混合機 Hi−Mixer、SWJ)で十分混
合し、濾過した。次いで、ベルト流延装置を用い、温度
33℃、1500mm幅でステンレスバンド支持体に均
一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶媒量
が100%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力127
N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。剥離
したセルローストリアセテートフィルムを1300mm
幅にスリットし、その後、ピンテンターで幅方向に1.
05倍延伸し、その後、乾燥ゾーンを多数のロールで搬
送させながら乾燥を終了させ、1100mm幅にスリッ
トし、セルローストリアセテートフィルム試料1を得
た。このときのセルローストリアセテートフィルムの膜
厚は40μmであった。
【0126】試料1の塗布液Aの紫外線吸収剤比較UV
−2に換えて、表2に示すような紫外線吸収剤にした以
外は同様にして試料2〜11を作製した。
【0127】〈評価〉得られた試料を下記に示す測定方
法に従って評価した。結果を下記の表2に示す。
【0128】《測定方法》 ・UV性能 Spectrophotometer U−3200
(日立製作所製)を用い、フィルムの分光吸収スペクト
ルを測定し、500nmと380nmにおける透過率を
求め、以下のようにランク分けを行った。500nmの
透過率は高い程優れており、380nmの透過率は低い
程優れている。 (500nm透過率) A・・・透過率92%以上 B・・・透過率90%以上92%未満 C・・・透過率85%以上90%未満 D・・・透過率85%未満 (380nm透過率) A・・・透過率3%未満 B・・・透過率3%以上6%未満 C・・・透過率6%以上10%未満 D・・・透過率10%以上 ・輝点異物 偏光板2枚を直交状態(クロスニコル)に配置し、その
間に上記試料を置き、顕微鏡で25mm2当たりの輝点
異物(白く抜けて見える異物)の数を100ヶ所測定
し、その平均値を求めた。この時の顕微鏡の条件は倍率
30倍で透過光源であった。輝点異物の数は少ないほど
良好な特性である。 ・耐久性 フィルム試料を80℃、90%RHの高温高湿雰囲気下
に1000時間放置前後のYIを評価し、YI変化を下
記のレベルにわけた。変化が少ないほど優れている。 (YI変化) ◎・・・変化が0.3未満 ○・・・変化が0.3以上0.6未満 △・・・変化が0.6以上1.0未満 ×・・・変化が1.0以上 尚、YIの求め方は、Spectrophotomet
er U−3200(日立製作所製)を用い、JIS
K7103に定められるフィルムのYI(Yellow
ness Index:黄色みの指数)を下記式により
求める。
【0129】YI=100(1.28X−1.06Z)
/Y ここで、X、Y、ZはJIS Z8701に定められた
光源色の三刺激値。
【0130】A・・・1.0未満 B・・・1.0以上1.5未満 C・・・1.5以上 ・ロール汚れ 10000mのセルロースエステルフィルムを作製した
後、ステンレスバンド支持体から剥離したフィルムが接
する一本目のロールの汚れ具合を目視で観察し、以下の
ランクに分けて評価した。尚、A〜Cは生産が続けられ
るレベルであり、Dは生産を中断してロールを清掃する
レベルである。
【0131】A・・・ロールが汚れているのが全くわか
らない B・・・ロールが部分的に汚れているのがかすかにわか
る C・・・ロールが全面的に汚れているのがかすかにわか
る D・・・ロールが全面的に汚れているのがはっきりわか
る ・押され故障 10000mのセルロースエステルフィルムを作製した
時点で、該フィルムをサンプリングし、得られたフィル
ム1m2上に存在する30μm以上の押され故障の数を
数えて求めた。 ・偏光板収率 10000mセルロースエステルフィルムを作製した時
点で、1500m巻のセルロースエステルフィルム原反
を作製し、下記に記載するアルカリケン化処理、偏光板
の作製を行った。得られた偏光板を15インチに打ち抜
き、1枚ずつ目視による外観検査を行った。外観検査は
偏光板1枚中に30μm以上の欠陥が3個以上あった場
合に不良品とした。収率は下記の式で求めた。
【0132】収率(%)=(良品枚数/(良品枚数+不
良品枚数))×100 (アルカリケン化処理) ケン化工程 2mol/L−NaOH 50℃ 90秒 水洗工程 水 30℃ 45秒 中和工程 10質量%HCl 30℃ 45秒 水洗工程 水 30℃ 45秒 上記条件でフィルム試料をケン化、水洗、中和、水洗の
順に行い、次いで80℃で乾燥を行った。 (偏光板の作製)厚さ120μmのポリビニルアルコー
ルフィルムを、沃素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液
100kgに浸漬し、50℃で6倍に延伸して偏光膜を
作った。この偏光膜の両面にアルカリケン化処理を行っ
たセルロースエステルフィルム試料を完全ケン化型ポリ
ビニルアルコール5%水溶液を粘着剤として各々貼り合
わせ偏光板を作製した。 ・画質 15型TFT型カラー液晶ディスプレイLA−1529
HM(NEC製)の偏光板を剥がし、液晶セルを挟むよ
うにして、前記作製した偏光板2枚を偏光板の偏光軸が
元と変わらないように互いに直交するように貼り付け、
15型TFT型カラー液晶ディスプレイを作製した。こ
のうち偏光板の1枚の片面にはアンチグレア加工を行っ
た。アンチグレア加工はアクリル系紫外線硬化樹脂に
0.2μmと3.0μmの二酸化珪素を分散した加工液
を作製し、乾燥膜厚2μmになるように塗布し、紫外線
ランプで硬化処理を行った。アンチグレア加工した面は
液晶ディスプレイの最表面になるように貼り付けた。
【0133】この液晶ディスプレイをホワイト表示にし
て以下の基準で目視による画質の評価を行った。
【0134】A・・・アンチグレア加工のムラが無く、
画面が見やすい B・・・アンチグレア加工のムラがかすかにあり、画面
がやや見えにくい C・・・アンチグレア加工のムラがあり、画面が明らか
に見えにくい
【0135】
【表2】
【0136】表2から明らかなように、本発明に於ける
紫外線吸収剤を使用した試料は偏光板として使用しても
充分実用に適していることが分かる。即ち、紫外線吸収
性能が充分でありながら剥離ロールや搬送ロールに不着
するという欠陥のないという優れた効果を奏している。
又、これを偏光板として使用しても、更に液晶表示装置
として使用しても優れた効果が得られることは上記から
明白である。
【0137】
【発明の効果】本発明によれば、光学フィルム表面から
紫外線吸収剤が析出するなどして剥離ロールや搬送ロー
ルに不着するという欠陥のない優れた紫外線吸収剤を採
用したため、良好な光学フィルムを効率的に提供するこ
とができるという顕著に優れた効果を奏する。又その光
学フィルムを利用した場合には、偏光板、或いは液晶表
示装置についても優れたものを製造することが可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 5/30 G02B 5/30 Fターム(参考) 2H048 CA04 CA13 CA17 CA27 2H049 BA06 BA25 BA27 BB03 BB13 BB14 BB43 BB49 BB51 BB66 BC03 BC14 BC22 4F071 AA09 AB26 AC12 AE05 AE17 AH12 BA03 BB02 BC01 BC12 4J002 AB021 BF022 BG042 BG052 CF032 CF092 CK022 DE097 DE137 DE147 DE237 DH047 DJ007 DJ017 DJ037 DJ047 EU176 FD017 FD020 FD056 GP00 GQ00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式1で示される紫外線吸収剤を
    含有することを特徴とする光学フィルム。 【化1】 式中、R11は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、又はカル
    ボニル基を介してベンゼン環上に置換する基を表し、R
    12は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を
    表し、R13〜R16は各々、水素原子、脂肪族基、芳香族
    基、又はヘテロ環基を表す。R11〜R16で示される基は
    置換基を有しても良いが、ハロゲン原子で置換されるこ
    とはない。nは1から4迄の整数を表す。
  2. 【請求項2】 380nmに於けるモル吸光係数が10
    00以上であり、かつ380nmに於けるモル吸光係数
    に対する400nmに於けるモル吸光係数の比が20以
    上である紫外線吸収剤を含有することを特徴とする光学
    フィルム。
  3. 【請求項3】 前記紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール
    系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項2記載の
    光学フィルム。
  4. 【請求項4】 前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
    が下記一般式2で示されることを特徴とする請求項3記
    載の光学フィルム。 【化2】 式中、R21はハロゲン原子、酸素原子、窒素原子、又は
    硫黄原子を介してベンゼン環上に置換する基を表し、R
    22は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を
    表し、R23、R25及びR26は各々独立に水素原子、又は
    ベンゼン環上に置換可能な基を表し、R24は酸素原子、
    又は窒素原子を介してベンゼン環上に置換する基を表
    す。nは1から4迄の整数を表す。
  5. 【請求項5】 下記一般式3で示される紫外線吸収剤を
    含有することを特徴とする光学フィルム。 【化3】 式中、R31は酸素原子、窒素原子、硫黄原子、又はカル
    ボニル基を介してベンゼン環上に置換する基を表し、R
    32は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又はヘテロ環基を
    表し、R33、R35及びR36は各々独立に水素原子、又は
    ベンゼン環上に置換可能な基を表し、R34は酸素原子、
    又は窒素原子を介してベンゼン環上に置換する基を表
    す。nは1から4迄の整数を表す。
  6. 【請求項6】 前記紫外線吸収剤が、380nmに於け
    るモル吸光係数が1000以上であり、かつ380nm
    に於けるモル吸光係数に対する400nmに於けるモル
    吸光係数の比が20以上であることを特徴とする請求項
    5記載の光学フィルム。
  7. 【請求項7】 1次平均粒子径が3〜20nmであり、
    かつ見かけ比重が70〜300g/リットルである二酸
    化珪素微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜6
    の何れか1項記載の光学フィルム。
  8. 【請求項8】 光学フィルムがセルロースエステルフィ
    ルムであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項
    記載の光学フィルム。
  9. 【請求項9】 前記セルロースエステルフィルムがセル
    ロースアセテートプロピオネートフィルムであることを
    特徴とする請求項8記載の光学フィルム。
  10. 【請求項10】 光学フィルムの膜厚が20〜65μm
    であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項記載
    の光学フィルム。
  11. 【請求項11】 第1の光学フィルム、偏光子、第2の
    光学フィルムを有する偏光板において、前記第1又は第
    2の光学フィルムが請求項1〜10の何れか1項記載の
    光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
  12. 【請求項12】 偏光板を用いる表示装置に於いて、請
    求項11に記載の偏光板を用いることを特徴とする表示
    装置。
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