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JP2002169020A - 光学フィルム、偏光板及びこれを用いた表示装置 - Google Patents

光学フィルム、偏光板及びこれを用いた表示装置

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Publication number
JP2002169020A
JP2002169020A JP2000368247A JP2000368247A JP2002169020A JP 2002169020 A JP2002169020 A JP 2002169020A JP 2000368247 A JP2000368247 A JP 2000368247A JP 2000368247 A JP2000368247 A JP 2000368247A JP 2002169020 A JP2002169020 A JP 2002169020A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical film
ultraviolet
absorbing
monomer
ethylenically unsaturated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000368247A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Ishige
修 石毛
Isamu Michihashi
勇 道端
Kaori Ono
香織 大野
Kimihiko Okubo
公彦 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2000368247A priority Critical patent/JP2002169020A/ja
Publication of JP2002169020A publication Critical patent/JP2002169020A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は分光吸収に優れ、ブリードア
ウトが少なく、着色が無く透明性に優れ、充分な紫外線
吸収能力を有し、長期耐候性に優れた紫外線吸収性ポリ
マーを含有する光学フィルムを提供する事にある。また
液晶表示装置等に用いられる偏光板として最適な光学フ
ィルムを得ることにある。 【解決手段】 紫外線吸収性モノマー及びエチレン性不
飽和モノマー単位を有する、塩化メチレン溶媒中で測定
した最大吸収波長が345nm以上、360nm以下の
範囲にある紫外線吸収性共重合体、及び、該紫外線吸収
性共重合体よりも、最大吸収波長が5nm以上短い紫外
線吸収剤を含有する事を特徴とする光学フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線吸収性ポリマ
ーを含有する光学フィルムに関するものであり、特に液
晶表示装置等に用いられる偏光板用保護フィルム、位相
差フィルム、視野角拡大フィルム、防眩フィルム、輝度
向上フィルム、光拡散フィルム、防曇フィルム、帯電防
止フィルムや各種基板、プラズマディスプレイに用いら
れる反射防止フィルム等の各種機能フィルム、また有機
ELディスプレイ等で使用される各種機能フィルム等に
も利用する事が出来る光学フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】透明樹脂は、ガラス製に比べて軽量であ
るために、光学レンズの他、プリズム、光ファイバー或
いは種々の光学フィルムとして、非常に多くの光学分野
で使用されている。しかしながら、一般に透明樹脂は紫
外線を含む光に晒されると分解が促進され強度低下を惹
き起こすと同時に、変色により透明度が低下すると言う
問題を抱えていた。
【0003】このために、透明性が求められる光学フィ
ルムでは、予めベンゾトリアゾール系化合物或いはベン
ゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、サ
リチル酸系化合物等の紫外線吸収剤を混入した透明樹脂
組成物を用いてフィルム形成し、紫外線による劣化を防
止していた。しかしながら、これら従来の紫外線吸収剤
は低分子量化合物であり、ブリードアウトが生じ易い、
或いはフィルム上で析出しやすい、ヘイズが上昇し透明
性が低下する、更には加熱加工時の蒸散により添加量が
減少し紫外線吸収性能が低下するとともに、製造工程が
汚染される等、様々な問題を有していた。
【0004】上記紫外線吸収剤に重合可能な置換基を導
入し、単独重合若しくは共重合を行って、紫外線吸収性
ポリマーとする事で、それらの欠点を解消しようとする
試みが、特開昭60−38411号公報、同62−18
1360号公報、特開平3−281685号公報及び同
7−90184号公報に記載されている。また光学フィ
ルムとして、偏光板用保護フィルムに紫外線吸収性ポリ
マーを含有させた例が特開平6−148430号に記載
されている。
【0005】それらの特許に記載された紫外線吸収性ポ
リマーは、確かにブリードアウト、析出防止及び蒸散防
止等にはある程度効果があったが、紫外線吸収能力が充
分では無く、所望の紫外線吸収性能を得るためには多量
の添加量が必要であり、紫外線吸収性ポリマーを多量に
添加した場合に、樹脂との相溶性が充分では無いため、
充分な透明度が得られない、フィルム自身が黄色く着色
してしまう、或いは長期間保存した場合紫外線吸収能力
が低下する等の問題が生じ、光学フィルムとして実用化
するのは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的は分光吸収に優れ、
ブリードアウトが少なく、着色が無く透明性に優れ、充
分な紫外線吸収能力を有し、長期耐候性に優れた紫外線
吸収性ポリマーを含有する光学フィルムを提供する事に
ある。また液晶表示装置等に用いられる偏光板として最
適な光学フィルムを得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は以下
の構成により達成された。
【0008】1.紫外線吸収性モノマー及びエチレン性
不飽和モノマー単位を有する、塩化メチレン溶媒中で測
定した最大吸収波長が345nm以上、360nm以下
の範囲にある紫外線吸収性共重合体、及び、該紫外線吸
収性共重合体よりも、最大吸収波長が5nm以上短い紫
外線吸収剤を含有する事を特徴とする光学フィルム。
【0009】2.紫外線吸収性モノマー及びエチレン性
不飽和モノマー単位を有する、塩化メチレン溶媒中で測
定した最大吸収波長が345nm以上、360nm以下
の範囲にある前記紫外線吸収性共重合体よりも、最大吸
収波長が5nm以上短い紫外線吸収剤が、紫外線吸収性
モノマー及びエチレン性不飽和モノマー単位を有する紫
外線吸収性共重合体である事を特徴とする前記1に記載
の光学フィルム。
【0010】3.塩化メチレン溶媒中で測定した最大吸
収波長が345nm以上、360nm以下の範囲にある
紫外線吸収性モノマー(A)、紫外線吸収性モノマー
(A)より最大吸収波長が5nm以上短い紫外線吸収性
モノマー(B)及びエチレン性不飽和モノマー単位を有
する紫外線吸収性共重合体を含有する事を特徴とする光
学フィルム。
【0011】4.紫外線吸収性モノマー、親水性のエチ
レン性不飽和モノマー及び分子中に親水性基を有しない
エチレン性不飽和モノマー単位を有する紫外線吸収性共
重合体を含有する事を特徴とする光学フィルム。
【0012】5.エチレン性不飽和モノマーが、親水性
のエチレン性不飽和モノマー及び分子中に親水性基を有
さないエチレン性不飽和モノマーからなる事を特徴とす
る前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
【0013】6.紫外線吸収性共重合体中の親水性のエ
チレン性不飽和モノマー単位が0.1から50質量%で
ある事を特徴とする前記4または5に記載の光学フィル
ム。
【0014】7.親水性のエチレン性不飽和モノマー
が、水酸基若しくはカルボキシル基を分子内に有するア
クリレート又はメタアクリレート系モノマーである事を
特徴とする前記4〜6のいずれか1項に記載の光学フィ
ルム。
【0015】8.紫外線吸収性モノマーが、分子内にア
ルコール性水酸基若しくはカルボキシル基を有する事を
特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の光学フィ
ルム。
【0016】9.1次平均粒子径が3〜20nmであ
り、かつ見かけ比重が70〜300g/リットルである
二酸化珪素微粒子を含有することを特徴とする前記1〜
8の何れか1項に記載の光学フィルム。
【0017】10.セルロースエステルフィルムである
ことを特徴とする前記1〜9の何れか1項に記載の光学
フィルム。
【0018】11.セルロースエステルがセルロースア
セテートプロピオネートであることを特徴とする前記1
0に記載の光学フィルム。
【0019】12.膜厚が20〜65μmであることを
特徴とする前記1〜11の何れか1項に記載の光学フィ
ルム。
【0020】13.第1の光学フィルム、偏光子、第2
の光学フィルムを有する偏光板に於いて、該第1又は第
2の光学フィルムが前記1〜12の何れか1項に記載の
光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
【0021】14.前記13に記載の偏光板を用いたこ
とを特徴とする表示装置。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明者らは、上記の課題を解決する事が
出来る紫外線吸収性ポリマー及びそれを含む光学フィル
ムについて鋭意検討した結果、特定の物性及び構造、組
成を有する紫外線吸収性共重合ポリマーを用いる事によ
り、蒸散やブリードアウト、析出が生ずることがなく、
透明性に優れ、長期耐候性に優れた光学フィルムが得ら
れる事を見いだし本発明を完成するに至った。
【0023】即ち、本発明は、紫外線吸収性モノマー及
びエチレン性不飽和モノマー単位を有する、塩化メチレ
ン溶媒中で測定した最大吸収波長が345nm以上36
0nm以下の範囲にある紫外線吸収性共重合体、及び最
大吸収波長が該紫外線吸収性共重合体より5nm以上短
い紫外線吸収剤を含有せしめれば、上記の課題を改善し
た光学フィルムが得られるというものである。更に本発
明で用いる紫外線吸収性共重合体の構成成分の一部に親
水性の置換基を導入する事によって、相溶性が改善さ
れ、より分光吸収に優れ、ブリードアウトが少なく、着
色が無く透明性に優れるなど、充分な紫外線吸収能力を
有し、長期耐候性に優れた光学フィルムが得られるとい
うものである。
【0024】光学フィルムに求められる特性として、3
80nm以下の紫外光を充分に遮断する事と同時に40
0nm以上の光を充分に透過する事が求められる。最大
吸収波長が345nm以上、360nm以下の範囲にあ
る紫外線吸収性共重合体及びそれより5nm以上短い紫
外線吸収剤を併用することによって、380nm以下の
紫外光を充分に遮断する効果が得られる。最大吸収波長
が345nm以下である紫外線吸収性共重合体では、3
80nm付近の吸収が少なく、所望の紫外線吸収性能を
得るためには多量の添加を必要とし、光学フィルムの透
明性が劣化する。最大吸収波長が345nm以上、36
0nm以下の範囲にある紫外線吸収性共重合体単独で
は、より短波な領域の紫外線を充分遮断する事が出来な
いため、所望の紫外線吸収性能を得るためには多量の添
加を必要とし、光学フィルムの透明性が劣化する。また
360nmより長波の紫外線吸収性共重合体では、40
0nm以上の領域に吸収を有し、光学フィルム自身が黄
色く着色してしまう。
【0025】更に紫外線吸収性共重合体を添加した光学
フィルムを作製する場合、一般に紫外線吸収性共重合体
の相溶性が低いため、充分な量を添加する事が困難な場
合が多い。即ち所望の紫外線吸収性能が得られるだけの
多量の紫外線吸収性共重合体を添加した場合、ヘイズの
上昇或いは析出等により透明性の低下が著しく、フィル
ム強度が低下する傾向となる。また充分相溶する程度の
添加量に抑えた場合、充分な紫外線吸収性能が得られな
い。
【0026】相溶性を改善し、所望の量の紫外線吸収性
共重合体を添加出来るようにする為には、紫外線吸収性
共重合体の構成成分の一部に親水性の置換基を導入する
事が好ましい。
【0027】以下、本発明に用いられる紫外線吸収性共
重合体および紫外線吸収剤について詳述する。 a.紫外線吸収性モノマー及びエチレン性不飽和モノマ
ー単位を有する、塩化メチレン溶媒中で測定した最大吸
収波長が345nm以上、360nm以下の範囲にある
紫外線吸収性共重合体に用いられる紫外線吸収性モノマ
ー 紫外線吸収性共重合体及びモノマーについては、例えば
特開昭60−38411号、及び特開昭58−1783
51号、同58−185677号、同56−50133
8号、同62−24247、同62−81376号、同
62−230759号、同63−53544号、同63
−55542号、同63−55543号、同63−20
1116号、同63−227575号、特開平4−19
3869、同8−179464号、同7−90184号
等多数の特許及び文献に記載されている。本発明に用い
られる、最大吸収波長が345nm以上360nm以下
である紫外線吸収性共重合体に用いられる紫外線吸収性
モノマーは、それらの中から、分光光度計を用いて紫外
分光吸収を測定する事により適宜選択する事が出来る。
【0028】最大吸収波長が345nm以上360nm
以下の範囲にある紫外線吸収性共重合体に用いられる紫
外線吸収性モノマーとしては、塩化メチレン溶媒中で測
定した最大吸収波長が345nm以上、360nm以下
である紫外線吸収性モノマーを用いればよく、塩化メチ
レン溶媒中で測定した最大吸収波長が345nm以上、
360nm以下の範囲にある紫外線吸収性モノマーとし
ては、好ましくは4′位にオキシアルキレン基を介して
重合性基と結合した、2−(2′−ヒドロキシ)フェニ
ルベンゾトリアゾール類から導かれる共重合体から選択
される事が好ましい。そのような紫外線吸収性モノマー
の例は、特開平9−34057号及び米国特許第4,9
43,519号、同第5,099,027号、同第5,
455,152号、ヨーロッパ特許190003号、特
願2000−214134号等に記載されている。
【0029】本発明の上記紫外線吸収性共重合体を構成
する紫外線吸収性モノマーとしては、下記一般式1で示
されるベンゾトリアゾール系のモノマーが特に好まし
い。
【0030】
【化1】
【0031】式中Lは置換基を有しても良い2価の連結
基を表し、Pは重合可能な不飽和二重結合を有する基を
表し、Xはハロゲン原子を表し、R1及びR2は各々置換
基を表し、n及びmは0から3の整数を表す。
【0032】Lとしては、炭素数2〜12の置換基を有
しても良いアルキレン基が好ましく、特にエチレン基、
プロピレン基及びブチレン基が好ましい。最大吸収波長
の点では特にブチレン基が好ましい。
【0033】一般式1で表されるモノマーが親水性基を
有する場合、親水性基はL上に置換する事が好ましい。
この場合、Lとしては水酸基若しくはカルボキシル基の
置換したアルキレン基が好ましい。Pとしては、アクリ
ロイル基又はメタアクリロイル基が好ましい。R1とし
てはハロゲン原子若しくはアルコキシ基が好ましく、R
2としてはアルキル基、特に分岐アルキル基が好まし
い。n及びmは0若しくは1が好ましい。
【0034】以下に、特に好ましい紫外線吸収性モノマ
ーを例示するが、これらに限定されるものでは無い。
【0035】
【化2】
【0036】
【化3】
【0037】b.紫外線吸収性モノマー及びエチレン性
不飽和モノマー単位を有する、塩化メチレン溶媒中で測
定した最大吸収波長が345nm以上、360nm以下
の範囲にある紫外線吸収性共重合体と併用する紫外線吸
収剤 a.で記載した紫外線吸収性共重合体と併用する紫外線
吸収剤は、塩化メチレン溶媒中で測定した最大吸収波長
が該紫外線吸収性共重合体より5nm以上短い紫外線吸
収剤である。そのような紫外線吸収剤は、公知の紫外線
吸収剤のなかから、分光光度計を用いて紫外分光吸収を
測定する事により、適宜選択する事が出来る。紫外線吸
収剤としては、例えばサリチル酸系紫外線吸収剤(フェ
ニルサリシレート、p−tert−ブチルサリシレート
等)或いはベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2,4−ジ
ヒドロキシベンゾフェノン等)、ベンゾトリアゾール系
紫外線吸収剤(2−(2′−ヒドロキシ−3′−ter
t−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−ter
t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等)、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤(2′−エチルへキシル 2−シアノ−
3,3−ジフェニルアクリレート、エチル 2−シアノ
−3−(3′,4′−メチレンジオキシフェニル)−2
−アクリレート等)、トリアジン系紫外線吸収剤(2−
(2′−ヒドロキシ−4′−へキシルオキシフェニル)
−4,6−ジフェニルトリアジン等)が知られている
が、保存安定性の点でベンゾトリアゾール系の紫外線吸
収剤が好ましい。特に2−(2′−ヒドロキシ)フェニ
ルベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤でベンゾトリア
ゾールのベンゼン環部分が無置換のものが好ましく、更
に3′位に置換基の無いものが好ましい。
【0038】ブリードアウトを低減するためには、最大
吸収波長が前記紫外線吸収性共重合体より5nm以上短
い紫外線吸収剤も紫外線吸収性モノマー及びエチレン性
不飽和モノマー単位を有する共重合体で有ることが好ま
しい。そのような紫外線吸収性共重合体は、a項で例示
した紫外線吸収性共重合体の特許等に記載された紫外線
吸収性モノマーの中から、分光光度計を用いて紫外分光
吸収を測定する事により、当該紫外線吸収性共重合体よ
り5nm以上短いモノマーを適宜選択し用いて、これを
エチレン性不飽和モノマーと共に共重合する事によって
得られる。構造は特に選ばないが、特に好ましい紫外線
吸収性モノマーは下記構造のモノマーである。
【0039】
【化4】
【0040】c.分子内にアルコール性水酸基若しくは
カルボキシル基を有する紫外線吸収性モノマー 本発明の目的を達成する為には、紫外線吸収性モノマー
及びエチレン性不飽和モノマー単位を有する紫外線吸収
性共重合体に用いられる紫外線吸収性モノマー自身が、
分子内にアルコール性水酸基若しくはカルボキシル基を
有する親水性のモノマーであっても良い。このような親
水性の紫外線吸収性モノマーとしては、好ましくは、ア
ルコール性水酸基若しくはカルボキシル基の置換した連
結基を介して重合可能な不飽和二重結合を有する紫外線
吸収性モノマーである。このような親水性の紫外線吸収
性モノマーは、ソフトコンタクトレンズ用のモノマーと
して知られており、例えば特開平2−63463号及び
同3−139590号等に記載されている化合物を挙げ
る事が出来る。
【0041】以下に、特に好ましい親水性の紫外線吸収
性モノマーを例示するが、これらに限定されるものでは
無い。
【0042】
【化5】
【0043】d.紫外線吸収性共重合体 本発明の目的を達成する為には、a.及びb.で記載し
た紫外線吸収性モノマーから各々導かれる2種の紫外線
吸収性共重合体を混合して用いても良く、またa.及び
b.各々のモノマー成分を同時に共重合させて得られる
紫外線吸収性共重合体を用いても良い。
【0044】また、塩化メチレン溶媒中で測定した最大
吸収波長が345nm以上、360nm以下の範囲にあ
る紫外線吸収性共重合体、若しくは最大吸収波長が該紫
外線吸収性共重合体より5nm以上短い紫外線吸収性共
重合体の両方或いは何れか一方が、c.で記載した様な
親水性の紫外線吸収性モノマーから成る共重合体で有っ
ても良い。
【0045】紫外線吸収性モノマーと共重合可能なエチ
レン性不飽和モノマーとしては、例えばメタクリル酸エ
ステル誘導体(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタク
リル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタク
リル酸ベンジル等)、或いはアクリル酸エステル誘導体
(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プ
ロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸i−ブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル等)、アルキルビ
ニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等)、アルキルビニルエ
ステル(ギ酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロ
ン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等)、アクリロニトリ
ル、塩化ビニル、スチレン等を挙げる事が出来る。
【0046】また紫外線吸収性モノマーと共重合可能な
親水性のエチレン性不飽和モノマーとしては、親水性で
分子中に重合可能な不飽和二重結合を有するもので有れ
ば特に制限されず、例えばアクリル酸或いはメタクリル
酸等の不飽和カルボン酸、若しくはヒドロキシル基又は
エーテル結合を有するアクリル酸若しくはメタクリル酸
エステル(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル
酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、2,3−
ジヒドロキシ−2−メチルプロピルメタクリレート、ア
クリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−エト
キシエチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシ
レート、アクリル酸3−メトキシブチル)、アクリルア
ミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の
(N−置換)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルオキサゾリドン等が挙げられる。
【0047】親水性のエチレン性不飽和モノマーとして
は、水酸基若しくはカルボキシル基を分子内に有するア
クリレートまたはメタアクリレートが好ましい。
【0048】上記紫外線吸収性モノマー及び、これと共
重合可能な親水性エチレン性不飽和モノマー及び分子中
に親水性基を有しないエチレン性不飽和モノマーの使用
割合は、得られる紫外線吸収性共重合ポリマーと透明樹
脂との相溶性、光学フィルムの透明性や機械的強度に対
する影響を考慮して選択される。
【0049】好ましくは紫外線吸収性共重合体中に、紫
外線吸収性モノマーが20質量%以上、50質量%以
下、更に好ましくは20質量%以上、40質量%以下の
比率で含有される様に両者を配合するのが良い。紫外線
吸収性モノマーの含有量が20質量%未満の場合、所望
のUV吸収性能を得るために多量の添加が必要となり、
ヘイズの上昇或いは析出等により透明性が低下し、フィ
ルム強度が低下する傾向となる。紫外線吸収性モノマー
の含有量が50質量%より大きい場合、透明樹脂との相
溶性が悪くなる傾向に有り、また溶媒に対する溶解度が
小さくなり、フィルム形成する場合の作業性に劣る。
【0050】また、親水性エチレン性不飽和モノマーは
上記紫外線吸収性共重合体中に、0.1質量%から50
質量%含まれる事がセルロースエステルとの相溶性が改
良され、ヘイズを低く出来るため好ましい。更に好まし
い含量は1質量%以上、20質量%以下であり、最も好
ましい含量は3質量%以上、10%質量以下である。
【0051】紫外線吸収性モノマー自身に親水性基が置
換している場合、親水性の紫外線吸収性モノマーと、親
水性エチレン性不飽和モノマーの合計の含量が上記範囲
内に有ることが好ましい。
【0052】紫外線吸収性モノマー及び親水性エチレン
性不飽和モノマーの好ましい含有量を満たすために、両
者に加え更に分子中に親水性基を有さないエチレン性不
飽和モノマーを共重合させる事が好ましい。
【0053】紫外線吸収性モノマー及び、(非)親水性
エチレン性不飽和モノマーは各々2種以上混合して共重
合させても良い。
【0054】本発明に用いる紫外線吸収性共重合体の重
量平均分子量は2000以上20000以下が好まし
く、更に好ましくは7000以上15000以下であ
る。重量平均分子量が2000未満の場合、フィルム表
面への滲出が起こる傾向が有ると同時に、経時で着色す
る傾向が認められた。また20000より大きい場合、
フィルム樹脂との相溶性が悪く成る傾向がある。 e.重合方法 本発明の紫外線吸収性共重合ポリマーの重合方法は特に
問わないが、従来公知の方法を広く採用する事ができ、
例えばラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合など
が挙げられる。ラジカル重合法の開始剤としては、例え
ば、アゾ化合物、過酸化物等が挙げられ、アゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソブチル酸ジ
エステル誘導体、過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。
重合溶媒は特に問わないが、例えば、トルエン、クロロ
ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロエタン、
クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチ
ルホルムアミド等のアミド系溶媒、メタノール等のアル
コール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系
溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ンなどのケトン系溶媒、水溶媒等が挙げられる。溶媒の
選択により、均一系で重合する溶液重合、生成したポリ
マーが沈澱する沈澱重合、ミセル状態で重合する乳化重
合を行うこともできる。
【0055】本発明の紫外線吸収性共重合ポリマーの重
量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整する事が
出来る。そのような分子量調節方法としては、例えば四
塩化炭素、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オ
クチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。
重合温度は通常室温から130℃、好ましくは50℃か
ら100℃で行われる。
【0056】本発明に用いられる紫外線吸収性共重合ポ
リマーは、光学フィルムを形成する透明樹脂(例えば三
酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、メ
タクリル樹脂、アクリル樹脂、ノルボルネン系樹脂等)
に対し、0.01〜40質量%の割合で混ぜることが好
ましく、更に好ましくは0.5〜10質量%の割合で混
ぜることが好ましい。この時、光学フィルムを形成した
ときのヘイズが0.5以下であれば特に制限はされない
が、好ましくは、ヘイズが0.2以下である。更に好ま
しくは、光学フィルムを形成したときのヘイズが0.2
以下、かつ380nmにおける透過率が10%以下であ
ることである。
【0057】また、本発明の紫外線吸収性共重合ポリマ
ーは透明樹脂に混合する際に、必要に応じて他の低分子
化合物若しくは高分子化合物、無機化合物などと一緒に
用いることもできる。例えば、本発明の紫外線吸収性共
重合ポリマーと、他の低分子紫外線吸収剤を透明樹脂に
同時に混合することも好ましい態様の一種である。同様
に酸化防止剤、可塑剤、難燃剤等の添加剤を同時に混合
することも好ましい態様の一種である。
【0058】本発明に用いられる、光学フィルムを形成
する透明樹脂としては、例えばセルロースエステル、ポ
リカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ノルボルネン系樹脂等がある。それらの内、
最も好ましいものとしてセルロースエステルがあげられ
る。
【0059】本発明に用いられるセルロースエステル
は、セルロースの低級脂肪酸エステルであることが好ま
しい。セルロースの低級脂肪酸エステルに於ける低級脂
肪酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例え
ば、セルロースアセテート、セルロースプロピオネー
ト、セルロースブチレート等や、特開平10−4580
4号、同8−231761号、米国特許第2,319,
052号等に記載されているようなセルロースアセテー
トプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等
の混合脂肪酸エステルを用いることが出来る。上記の中
でも、特に好ましく用いられるセルロースの低級脂肪酸
エステルはセルローストリアセテート、セルロースアセ
テートプロピオネートである。
【0060】セルローストリアセテートの場合には、フ
ィルム強度の観点から、特に重合度250〜400、平
均酢化度(結合酢酸量)54.0〜62.5%のものが
好ましく用いられ、更に好ましいのは、平均酢化度が5
8.0〜62.5%のセルローストリアセテートであ
る。
【0061】最も好ましいセルロースの低級脂肪酸エス
テルは炭素原子数2〜4のアシル基を置換基として有
し、アセチル基の置換度をXとし、プロピオニル基又は
ブチリル基の置換度をYとした時、下記式(I)及び
(II)を同時に満たすセルロースエステルを含むセルロ
ースエステルである。
【0062】式(I) 2.6≦X+Y≦3.0 式(II) 0≦X≦2.5 このうち特にセルロースアセテートプロピオネートが好
ましく用いられ、中でも1.9≦X≦2.5であり、
0.1≦Y≦0.9であることが好ましい。アシル基で
置換されていない部分は通常水酸基として存在している
のものである。これらのセルロースエステルは公知の方
法で合成することができる。
【0063】セルロースエステルは綿花リンター、木材
パルプ、ケナフ等を原料として合成されたセルロースエ
ステルを単独或いは混合して用いることができる。ベル
トやドラムからの剥離性がもし問題になれば、ベルトや
ドラムからの剥離性が良い綿花リンターから合成された
セルロースエステルを多く使用すれば生産性が高く好ま
しい。木材パルプから合成されたセルロースエステルを
混合し用いた場合、綿花リンターから合成されたセルロ
ースエステルの比率が40質量%以上で剥離性の効果が
顕著になるため好ましく、60質量%以上が更に好まし
く、剥離性の効果という点では綿花リンター単独で使用
することが最も好ましい。
【0064】本発明の光学フィルムとして好ましいセル
ロースエステルフィルム(単にフィルムともいう)の製
造方法について説明する。
【0065】本発明に用いられるセルロースエステルフ
ィルムは、本発明の紫外線吸収性共重合体又は紫外線吸
収剤等の混合物を含有する溶液とセルロースエステルが
溶解しているドープ液とをインラインで混合、攪拌・混
合したものを製膜することで得られる。
【0066】本発明に於いてセルロースエステルが溶解
しているドープ液とは、セルロースエステルが溶剤(溶
媒)に溶解している状態にある溶液であり、前記ドープ
液には可塑剤や必要によりその他の添加剤を加えること
も出来る。該ドープ液中のセルロースエステルの濃度と
しては10〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、
18〜20質量%である。
【0067】本発明で用いられる溶剤は単独でも併用で
もよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが生
産効率の点で好ましく、更に好ましくは、良溶剤と貧溶
剤の混合比率は良溶剤の70〜95質量%に対し、貧溶
剤は30〜5質量%である。
【0068】本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、
使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良
溶剤、単独で膨潤するか又は溶解しないものを貧溶剤と
定義している。そのため、セルロースエステルの結合酢
酸量によっては、良溶剤、貧溶剤が変わり、例えばアセ
トンを溶剤として用いるときには、セルロースエステル
の結合酢酸量55%では良溶剤になり、結合酢酸量60
%では貧溶剤となってしまう。
【0069】本発明に用いられる良溶剤としては、メチ
レンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン
類が挙げられる。セルロースエステルの結合酢酸量によ
っては、良溶剤にも、貧溶剤にもなる溶剤としては、ア
セトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどが挙げられる。
【0070】本発明に用いられる貧溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロ
ヘキサン等が好ましく用いられる。
【0071】上記のドープ液を調製する時の、セルロー
スエステルの溶解方法としては一般的な方法を用いるこ
とができるが、好ましい方法としては、セルロースエス
テルを貧溶剤と混合し、湿潤或いは膨潤させ、更に良溶
剤と混合する方法が挙げられる。このとき加圧下、溶剤
の常温での沸点以上、かつ溶剤が沸騰しない範囲の温度
で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコ
と呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止できるため、より
好ましい。
【0072】加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入す
る方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行っ
てもよい。加熱は外部から行うことが好ましく、例えば
ジャケットタイプのものは温度コントロールが容易で好
ましい。
【0073】溶剤を添加しての加熱温度は、使用溶剤の
沸点以上、かつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好まし
く、例えば60℃以上、特に70〜110℃の範囲に設
定するのが好適である。又、圧力は設定温度で、溶剤が
沸騰しないように調整される。
【0074】次に、このセルロースエステル溶液を濾紙
などの適当な濾過材を用いて濾過する。本発明に於ける
濾過材としては、不溶物などを除去するために絶対濾過
精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎ
ると濾過材の目詰まりが発生しやすいという問題点あ
る。このため絶対濾過精度0.008mm以下の濾材が
好ましく、0.001〜0.008mmの範囲の濾材が
より好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾
材が更に好ましい。
【0075】濾材の材質は特に制限はなく、通常の濾材
を使用することが出来るが、ポリプロピレン、テフロン
(登録商標)等のプラスチック製の濾材やステンレス等
の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく好ましい。
【0076】ドープ液の濾過は通常の方法で行うことが
出来るが、加圧下、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤
が沸騰しない範囲の温度で加熱しながら濾過する方法
が、濾過材前後の差圧(以下、濾圧とすることがある)
の上昇が小さく、好ましい。好ましい温度範囲は45〜
120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜
55℃の範囲であることが更に好ましい。
【0077】濾圧は小さい方が好ましく、1.6×10
6Pa以下であることが好ましく、1.2×106Pa以
下であることがより好ましく、1.0×106Pa以下
であることが更に好ましい。
【0078】溶解後は冷却しながら容器から取り出す
か、又は容器からポンプ等で抜き出して熱交換器などで
冷却し、これを製膜に供する。このときの冷却温度は常
温まで冷却してもよいが、沸点より5〜10℃低い温度
まで冷却し、その温度のままキャスティングを行うほう
が、ドープ液の粘度を低減できるためより好ましい。
【0079】流延(キャスト)工程に於ける支持体はベ
ルト状もしくはドラム状のステンレスを鏡面仕上げした
支持体が好ましく用いられる。キャスト工程の支持体の
温度は一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で
流延することができるが、0〜30℃の支持体上に流延
するほうが、ドープをゲル化させ剥離限界時間を上げら
れるため好ましく、5〜15℃の支持体上に流延するこ
とが更に好ましい。剥離限界時間とは透明で平面性の良
好なフィルムを連続的に得られる流延速度の限界に於い
て、流延されたドープ液が支持体上にある時間をいう。
剥離限界時間は短い方が生産性に優れていて好ましい。
【0080】溶液温度、支持体温度は高いほど溶媒の乾
燥速度が速くできるので好ましいが、あまり高すぎると
発泡したり、平面性が劣化する場合がある。
【0081】又、剥離する際の支持体温度を10〜40
℃、更に好ましくは15〜30℃にすることでフィルム
と支持体との密着力を低減できるので好ましい。
【0082】製造時のフィルムが良好な平面性を示すた
めには、支持体から剥離する際の残留溶媒量は10〜1
50質量%が好ましく、更に好ましくは80〜150質
量%であり、特に好ましくは、100〜130質量%で
ある。残留溶剤中に含まれる良溶剤の比率は50〜90
質量%が好ましく、更に好ましくは60〜90質量%で
あり、特に好ましくは70〜80質量%である。
【0083】残留溶剤量はヘッドスペースサンプラーを
接続したガスクロマトグラフィーで測定することができ
る。本発明では、ヒューレット・パッカード社製ガスク
ロマトグラフィー5890型SERISIIとヘッドスペ
ースサンプラーHP7694型を使用し、以下の測定条
件で行った。
【0084】 ヘッドスペースサンプラー加熱条件:120℃、20分 GC導入温度:150℃ 昇温:40℃、5分保持後、100℃(8℃/分)まで カラム:J&W社製DB−WAX(内径0.32mm、
長さ30m) 本発明に於いては、残留溶剤量は下記式で定義される。
【0085】残留溶剤量=(フィルムに含まれる溶剤質
量)/(加熱処理後のフィルム質量)×100% 尚、残留溶剤量を測定する際の加熱処理とは、ガスクロ
マトグラフィーで測定後のフィルムを更に115℃で1
時間の加熱処理を行うことを表す。
【0086】前記支持体とフィルムを剥離する際の剥離
張力は、通常196〜245N/mで剥離が行われる
が、セルロースエステルの単位質量当たりの紫外線吸収
剤の含有量が多く、且つ、従来よりも薄膜化されている
本発明のセルロースエステルフィルムは、剥離の際にシ
ワが入りやすいため、剥離できる最低張力から167N
/m以内の力で剥離することが好ましく、更に好ましく
は、最低張力から137N/m以内の力で剥離すること
である。
【0087】又、セルロースエステルフィルムの乾燥工
程に於いては、支持体より剥離したフィルムを更に乾燥
し、残留溶媒量を3質量%以下にすることが好ましく、
更に好ましくは、0.5質量%以下である。
【0088】フィルム乾燥工程では一般にロール懸垂方
式、又はテンター方式でフィルムを搬送しながら乾燥す
る方式が採られる。液晶表示部材用としては、テンター
方式で幅を保持しながら乾燥させることが、寸法安定性
を向上させるために好ましい。特に支持体より剥離した
直後の残留溶剤量の多いところで幅保持を行うことが、
寸法安定性向上効果をより発揮するため特に好ましい。
【0089】フィルムを乾燥させる手段は特に制限な
く、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等
で行う。簡便さの点で熱風で行うのが好ましい。乾燥温
度は40〜150℃の範囲で3〜5段階の温度に分け
て、段々高くしていくことが好ましく、80〜140℃
の範囲で行うことが寸法安定性を良くするため更に好ま
しい。
【0090】本発明に於いて、上記のようにして製膜さ
れたセルロースエステルフィルムの面内方向に於けるレ
ターデーションR0(nm)は小さいほど好ましい。本
発明のセルロースエステルフィルムは用途により100
0nm未満ものが適宜用いられる。偏光板保護フィルム
としては、R0が20nm未満のものが好ましく、更に
好ましくは10nm未満であることが望まれる。特に好
ましくは0〜5nmのものが用いられる。
【0091】本発明に用いられるセルロースエステルフ
ィルムでは、製膜方向(長手方向に相当する)と、フィ
ルムの遅相軸とのなす角度θが0°(長手方向)或いは
90°(幅手方向)に近いほど好ましい。
【0092】好ましくはθと面内方向のレターデーショ
ンR0が下記の関係にあることがより好ましい。
【0093】P≦1−sin2(2πθ/180)×s
in2(πR0/λ) Pは0.999、λはR0及びθを求めるための三次元
屈折率測定の際の光の波長590nmである。更に好ま
しくはPが0.9995であるときにθとR0が上式を
満たすことが好ましく、更に好ましくはPが0.999
8であるときにθとR0が上式を満たすことが好まし
い。
【0094】又、本発明のセルロースエステルフィルム
では厚み方向のレターデーションRtは0〜300nm
であるものが好ましく、更に30〜150nmのものが
好ましく、特に40〜120nmであるものが特に好ま
しく用いられる。Rtは液晶表示装置の設計に合わせ
て、適宜好ましい値のものが用いられる。
【0095】尚、R0、Rt、θは下記の方法で求める
ことができる。 レターデーション値(Rt、R0)及び遅相軸角度の測
定 自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器
(株)製)を用いて試料を23℃、55%RHの環境下
で、590nmの波長に於いて3次元屈折率測定を行
い、遅相軸角θ及び屈折率Nx、Ny、Nzを求める。
下記式(1)及び(2)に従って厚み方向のレターデー
ション値Rtと面内方向のレターデーション値R0を算
出する。
【0096】式(1) Rt値=((Nx+Ny)/2−Nz)×d 式(2) R0値=(Nx−Ny)×d 式中、Nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率、Ny
はフィルム面内の進相軸方向の屈折率、Nzはフィルム
の厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそ
れぞれ表す。
【0097】本発明のセルロースエステルフィルムを位
相差板(例えば1/4λ板、1/2λ板等)として利用
する場合は、R0が100〜500nmのものが好まし
く用いられ、θは約0°(長尺方向)、約45°、約9
0°(幅手方向)であるものが用途或いは使用方法に応
じて適宜選択される。例えば、2枚の偏光板保護フィル
ムで偏光子をサンドイッチして作られる偏光板に於い
て、一方の偏光板保護フィルムを1/4λ板とし、偏光
子の透過軸方向と1/4λ板の遅相軸方向とが約45°
となるように配置されることによって円偏光板を得るこ
とができる。
【0098】本発明のセルロースエステルフィルムに
は、セルロースエステル以外のポリマーを含有させるこ
とが好ましい。本発明に用いられるポリマーとは、モノ
マーを重合してなるMwが400〜5000の高分子で
あり、オリゴマーと呼ばれるものも含んでいる。重量平
均分子量Mwは400〜3000であることがより好ま
しく、400〜2000が更に好ましい。
【0099】該ポリマーのMw/Mnは特に限定されな
いが、1〜5の範囲にあることが好ましく、2〜5の範
囲がより好ましく、3〜5の範囲が更に好ましい。
【0100】該ポリマーのMz/Mwは特に限定されな
いが、1〜3の範囲にあることが好ましく、1〜2.5
の範囲がより好ましい。
【0101】Mw、Mn、MzはGPC(Gel Pe
rmeation Chromatography)を
用いて通常の方法で測定することが出来る。
【0102】該ポリマーの添加量は特に限定されない
が、セルロースエステルに対して15〜50質量%含有
することが好ましく、15〜45質量%がより好まし
く、20〜40質量%が更に好ましい。
【0103】本発明に用いられるポリマーの種類は特に
限定されないが、ポリエステル、ポリエステルエーテ
ル、ポリエステルウレタン、ポリウレタン、ビニルポリ
マー、アクリル酸ポリマー、メタクリル酸ポリマー、及
びこれらの共重合体などが挙げられる。これらのポリマ
ーの中でも、ポリエステル、ポリエステルエーテル、ビ
ニルポリマーが特に好ましい。
【0104】ポリエステルの種類は特に限定されない
が、例えば以下のようなものを好ましく用いることが出
来る。好ましい多塩基性酸としてはアジピン酸、セバシ
ン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメ
リット酸、ピロメリット酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、又はそれらの組み合わせ物などを挙げるこ
とが出来る。好ましい多価アルコールの例としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プ
ロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコ
ール、1,4−ブチレングリコール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、又はそれらの組み合わせなどを挙げることが出来
る。ポリマーの末端は1価の酸又は1価のアルコールで
修飾しても良い。
【0105】ポリエステルエーテルの種類は特に限定さ
れないが、例えば上記ポリエステルとエーテル単位を組
み合わせたものや、上記二塩基性酸とエーテル単位を重
合したポリエステルエーテルなどを好ましく用いること
が出来る。エーテル単位としては特に限定されないが、
例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエ
チレンエーテルグリコール、又はそれらの組み合わせな
どを挙げることが出来る。ポリマーの末端は1価の酸又
は1価のアルコールで修飾しても良い。
【0106】ビニルポリマーの種類は特に限定されない
が、例えば酢酸ビニルを含むビニルポリマーを好ましく
用いることが出来る。酢酸ビニルを含むビニルポリマー
は酢酸ビニルのホモポリマーでも良いし、他のモノマー
と共重合しても良い。共重合に用いられるモノマーは特
に限定されないが、例えばマレイン酸エステル、フマル
酸エステル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルア
ルコールエステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸
エステルなどを挙げることが出来る。各モノマーは、炭
素数1〜4のアルキル基、又はベンゼン環を有する酸又
はアルコールでエステル化されていることが好ましい。
【0107】本発明に於いて、ポリマー以外に低分子の
可塑剤を添加してもよい。本発明に用いることのできる
低分子の可塑剤としては特に限定されないが、例えばリ
ン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、グ
リコレート系可塑剤などを好ましく用いることが出来
る。リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジ
フェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフ
ェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル
系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチル
フタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレー
ト、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレ
ート、グリコレート系可塑剤ではブチルフタリルブチル
グリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メ
チルフタリルエチルグリコレート等を好ましく用いるこ
とができる。これらの可塑剤は単独或いは2種以上混合
して用いることができる。
【0108】低分子可塑剤の使用量は、フィルム性能、
加工性等の点で、セルロースエステルに対して0〜20
質量%が好ましい。液晶表示部材用としては、寸法安定
性の観点から1〜15質量%が更に好ましく、特に好ま
しくは、2〜12質量%である。
【0109】加工性とはベースフィルムや液晶表示部材
をスリット加工や打ち抜き加工する際の加工のしやすさ
のことで、加工性が悪いと切断面がノコギリ状になり切
り屑が発生し、製品に付着して異物故障となるため好ま
しくない。
【0110】本発明の光学フィルムは、高い寸法安定
性、良好な紫外線カット性能から液晶表示用部材に用い
られるのが好ましい。液晶表示用部材とは液晶表示装置
に使用される部材のことで、例えば、偏光板、偏光板用
保護フィルム、位相差板、反射板、視野角拡大フィル
ム、防眩フィルム、無反射フィルム、反射防止フィル
ム、帯電防止フィルム、輝度向上フィルム等が挙げられ
る。上記記載の中でも、寸法安定性に対しても厳しい要
求のある偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、視
野角拡大フィルムに於いて、本発明の光学フィルムは更
に好ましく用いられる。
【0111】本発明の光学フィルムには、必要ならばマ
ット剤として微粒子を加えてもよい。本発明に使用され
る微粒子の内、無機化合物の例として、二酸化珪素、二
酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭
酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成
カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウ
ム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン
酸カルシウムを挙げることができる。微粒子はケイ素を
含むものが濁度が低くなる点で好ましく、特に二酸化珪
素が好ましい。二酸化珪素の微粒子は、1次平均粒子径
が3〜20nmであり、かつ見かけ比重が70〜300
g/リットルであるものが好ましい。1次平均粒子径は
5〜16nmが好ましく、更に5〜12nmが好まし
い。1次粒子の平均径が小さい方がヘイズが低く好まし
い。見かけ比重は90〜200g/リットルが好まし
く、100〜200g/リットルが更に好ましい。見か
け比重が大きい程高濃度の分散液を作ることが可能にな
り、ヘイズ、凝集物が良化するため好ましい。
【0112】マット剤の添加量は1m2当たり0.01
〜1.0gが好ましく、0.03〜0.3gが更に好ま
しく、0.04〜0.1gが最も好ましい。
【0113】二酸化珪素の微粒子は、例えばアエロジル
R972、R972V、R974、R812、200、
200V、300、R202、OX50、TT600
(以上日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されて
おり、使用することができる。酸化ジルコニウムの微粒
子は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上
日本アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、
使用することができる。
【0114】ポリマーの例として、シリコーン樹脂、弗
素樹脂及びアクリル樹脂を挙げることができるが、シリ
コーン樹脂が好ましく、特に三次元の網状構造を有する
ものが好ましく、例えば、トスパール103、同10
5、同108、同120、同145、同3120及び同
240(以上東芝シリコーン(株)製)の商品名で市販
されており、使用することができる。
【0115】これらの中でアエロジル200V、アエロ
ジルR972Vが光学フィルムの濁度を低く保ちなが
ら、摩擦係数を下げる効果が大きいため特に好ましい。
【0116】本発明の光学フィルムは液晶表示装置にお
いて用いられる偏光板に、偏光板用保護フィルムとして
有利に用いられるが、偏光板の作製方法について以下に
説明する。
【0117】偏光板は、一般的な方法で作製することが
できるが、先ず、偏光板の主たる構成要素である偏光膜
について説明する。
【0118】偏光膜は一定方向の偏波面の光だけを通す
素子であり、現在知られている代表的な偏光膜は、ポリ
ビニルアルコール系偏光フィルムで、これはポリビニル
アルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色
性染料を染色させたものがある。これらは、ポリビニル
アルコール水溶液を製膜し、これを一軸延伸させて染色
するか、染色した後一軸延伸してから、好ましくはホウ
素化合物で耐久性処理を行ったものが用いられている。
【0119】この様にして作製された偏光膜の面上に偏
光板用保護フィルムとして、本発明の光学フィルムであ
る透明なプラスチックフィルムが張り合わされて偏光板
が形成される。例えば、本発明のセルロースエステルフ
ィルム(本発明の光学フィルム)をアルカリケン化処理
し、上記のようにして沃素溶液中に浸漬延伸して作製し
た偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール
水溶液を用いて貼り合わせる。アルカリケン化処理と
は、このときの水系接着剤の濡れを良くし、接着性を向
上させるために、セルロースエステルフィルムを高温の
強アルカリ液中に浸ける処理のことをいう。
【0120】特に前記偏光板としては、第1の光学フィ
ルム、偏光子、第2の光学フィルムで形成され、前記第
1又は第2の光学フィルムが上述した本発明の光学フィ
ルムであることが好ましい。第1の光学フィルム又は第
2の光学フィルムを本発明の光学フィルムにすることに
よって、偏光膜を紫外線から保護することができる。更
に本発明の光学フィルムから作られた偏光板を液晶表示
装置に使用することによって、液晶セルを紫外線から保
護することができるため好ましい。
【0121】
【実施例】以下、実施例により本発明の態様を具体的に
説明するが、本発明はこれらにより限定されるものでは
無い。尚、以下の「部」は「質量部」を表す。
【0122】合成例 以下に本発明に用いられる紫外線吸収性共重合体の合成
例を示す。
【0123】〈UVP−2の合成〉紫外線吸収性モノマ
ーUVM−1は特開平9−34057号記載の方法に従
って合成する事が出来る。以下にUVM−1とHEMA
(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル)及びMMA(メ
タクリル酸メチル)との重合方法を示す。
【0124】テトラヒドロフラン100mlにUVM−
1を6.0g、HEMAを1.0g及びMMAを13.
0g加え、次いでアゾイソブチロニトリル2.52gを
溶解したテトラヒドロフラン60mlを加えた。窒素雰
囲気下、70℃で9時間重合した。テトラヒドロフラン
を減圧留去した後、30mlのテトラヒドロフランに再
溶解し、大過剰のメタノールに滴下した。析出した沈殿
を濾取し、40℃で真空乾燥した。17.0gの灰白色
紛状重合体を得た。このものは、標準ポリスチレンを基
準とするGPC分析により、重量平均分子量8000の
ものと確認した。またNMRスペクトル及びUVスペク
トルから、該重合体がUVM−1とHEMA及びMMA
の共重合体である事を確認した。該重合体の組成は略、
UVM−1:HEMA:MMA=30:5:65であっ
た。
【0125】〈UVP−8の合成〉紫外線吸収性モノマ
ーUVM−14は特開平2−63463号記載の方法に
従って合成する事が出来る。以下にUVM−14とMM
A(メタクリル酸メチル)との重合方法を示す。
【0126】テトラヒドロフラン100mlにUVM−
14を4.0g及びMMAを16.0g加え、次いでア
ゾイソブチロニトリル2.0gを溶解したテトラヒドロ
フラン60mlを加えた。窒素雰囲気下、70℃で9時
間重合した。テトラヒドロフランを減圧留去した後、3
0mlのテトラヒドロフランに再溶解し、大過剰のメタ
ノールに滴下した。析出した沈殿を濾取し、40℃で真
空乾燥した。16.5gの灰白色紛状重合体を得た。こ
のものは、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析に
より、重量平均分子量9500のものと確認した。また
NMRスペクトル及びUVスペクトルから、該重合体が
UVM−14とMMAの共重合体である事を確認した。
該重合体の組成は略、UVM−14:MMA=20:8
0であった。
【0127】〈UVP−12の合成〉テトラヒドロフラ
ン100mlにUVM−1を4.0g、UVM−12を
2.0g及びMMAを14.0g加え、次いでアゾイソ
ブチロニトリル2.52gを溶解したテトラヒドロフラ
ン60mlを加えた。窒素雰囲気下、70℃で9時間重
合した。テトラヒドロフランを減圧留去した後、30m
lのテトラヒドロフランに再溶解し、大過剰のメタノー
ルに滴下した。析出した沈殿を濾取し、40℃で真空乾
燥した。17.5gの灰白色紛状重合体を得た。このも
のは、標準ポリスチレンを基準とするGPC分析によ
り、重量平均分子量12000のものと確認した。また
NMRスペクトル及びUVスペクトルから、該重合体が
UVM−1とUVM−12及びMMAの共重合体である
事を確認した。該重合体の組成は略、UVM−1:UV
M−12:MMA=20:10:70であった。
【0128】本発明に用いる他の紫外線吸収性モノマー
及び紫外線吸収性共重合ポリマーは同様の操作によっ
て、或いは公知の文献を参照して合成することが出来
る。
【0129】表1に以下の実施例で用いる、本発明の紫
外線吸収性共重合ポリマーの構造、組成及び塩化メチレ
ン中で測定した最大吸収波長を示す。
【0130】
【表1】
【0131】表1に於てUVモノマーは紫外線吸収性モ
ノマーを表し、親水性モノマーは該紫外線吸収性モノマ
ーと共重合させる親水性のエチレン性不飽和モノマーを
表し、非親水性モノマーは、分子中に親水性基を有さな
いエチレン性不飽和モノマーを表す。尚、表中の略称は
以下の通りである。 MMA:メタクリル酸メチル,HEMA:メタクリル酸
2−ヒドロキシエチル,HEA:アクリル酸2−ヒドロ
キシエチル,MA:アクリル酸メチル。
【0132】実施例1 〈試料1〜29の作製〉以下の如く試料1〜29を作製
した。
【0133】 (酸化珪素分散液) アエロジル200V(日本アエロジル(株)製) 10部 (一次粒子の平均径12nm、見掛け比重100g/リットル) エタノール 90部 以上をディゾルバーで30分間撹拌混合した後、マント
ンゴーリンで分散を行った。分散後の液濁度は93pp
mであった。液濁度は、T−2600DA(東京電色工
業(株)社製)を使用して測定した。
【0134】 (添加液Aの作製) 紫外線吸収剤 UVP−1(表1に記載) 7部 紫外線吸収剤 Ti−171 1部 メチレンクロライド 100部 以上を密閉容器に投入し、加熱・撹拌しながら、完全に
溶解し、濾過した。これに酸化珪素分散液10部を撹拌
しながら加えて、更に30分間撹拌した後、濾過し、添
加液Aを調製した。
【0135】(添加液B〜Vの作製)添加液Aの紫外線
吸収剤および添加量を表2に示す様に代えた添加液B〜
Vを作製した。
【0136】
【表2】
【0137】Ti−171:チヌビン171(チバ・ス
ペシャリティケミカルズ(株)製) 最大吸収波長342.5nm Ti−109:チヌビン109(チバ・スペシャリティ
ケミカルズ(株)製) 最大吸収波長351.0nm Ti−326:チヌビン326(チバ・スペシャリティ
ケミカルズ(株)製) 最大吸収波長351.6nm Ti−328:チヌビン328(チバ・スペシャリティ
ケミカルズ(株)製) 最大吸収波長345.0nm (ドープ液Aの調製) リンター綿から合成されたセルローストリアセテート 85部 木材パルプから合成されたセルローストリアセテート 15部 アジピン酸−1,3−ブチレングリコールの ポリエステル(Mw=600) 10.0部 化合物KS−1 10.0部 メチレンクロライド 475部 エタノール 50部 以上を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全
に溶解し、濾過し、ドープ液Aを調製した。
【0138】
【化6】
【0139】(製膜工程)ドープ液A100部に対して
添加液Aを、表3に示すような添加量で加えて、インラ
インミキサー(東レ静止型管内混合機 Hi−Mixe
r、SWJ)で十分混合し、濾過した。次いで、ベルト
流延装置を用い、温度33℃、1500mm幅でステン
レスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド
支持体で、残留溶媒量が100%になるまで溶媒を蒸発
させ、剥離張力130N/mでステンレスバンド支持体
上から剥離した。剥離したセルローストリアセテートフ
ィルムを1300mm幅にスリットし、その後、テンタ
ーで幅方向に1.05倍延伸し、その後、乾燥ゾーンを
多数のロールで搬送させながら乾燥を終了させ、110
0mm幅にスリットし、セルローストリアセテートフィ
ルム試料1を得た。このときのセルローストリアセテー
トフィルムの膜厚は40μmであった。
【0140】試料1の添加液Aを表3に示すような添加
液および添加量に変えた以外は同様にして試料2〜24
を作製した。
【0141】〈評価〉得られた試料2〜24を下記に示
す測定方法に従って評価した。結果を表3、4に示す。
【0142】《測定方法》 (UV性能)Spectrophotometer U
−3200(日立製作所製)を用い、フィルム試料の分
光吸収スペクトルを測定し、500nmと380nmに
於ける透過率を求め、以下のようにランク分けを行っ
た。500nmの透過率は高い程優れており、380n
mの透過率は低い程優れている。 (500nm透過率) A・・・透過率92%以上 B・・・透過率90%以上92%未満 C・・・透過率85%以上90%未満 D・・・透過率85%未満 (380nm透過率) A・・・透過率3%未満 B・・・透過率3%以上6%未満 C・・・透過率6%以上10%未満 D・・・透過率10%以上 (ヘイズ)フィルム試料4枚を重ね合わせ、ASTM−
D1003−52に従って、東京電色工業(株)社製T
−2600DAを使用して測定した。
【0143】(ロール汚れ)10000mのセルロース
エステルフィルムを作製した後、ステンレスバンド支持
体から剥離したフィルムが接する一本目のロールの汚れ
具合を目視で観察し、以下のランクに分けて評価した。
尚、A〜Cは生産が続けられるレベルであり、Dは生産
を中断してロールを清掃するレベルである。
【0144】 A・・・ロールが汚れているのが全くわからない B・・・ロールが部分的に汚れているのがかすかにわか
る C・・・ロールが全面的に汚れているのがかすかにわか
る D・・・ロールが全面的に汚れているのがはっきりわか
る (耐久性)フィルム試料をキセノンロングライフウェー
ザーメーターで、照度7万ルクス、60℃で1000時
間放置前後の分光透過率の評価を行った。耐久性前後の
分光透過率の変化を下記のレベルに分けた。変化が少な
いほど優れている。
【0145】 ◎・・・変化が3%未満 ○・・・変化が3%以上5%未満 △・・・変化が5%以上10%未満 ×・・・変化が10%以上 (レターデーション値の測定)自動複屈折率計KOBR
A−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて試料
を23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長に
於いて3次元屈折率測定を行い、遅相軸角θ及び屈折率
Nx、Ny、Nzを求め、前記式(1)及び(2)によ
り厚み方向のレターデーション値Rtと面内方向のレタ
ーデーション値R0を各試料について算出した。
【0146】(輝点異物)偏光板2枚を直交状態(クロ
スニコル)に配置し、その間に上記試料をおき、顕微鏡
で25mm2当たりの輝点異物(白く抜けて見える異
物)の数を100ヶ所測定し、その平均値を求めた。こ
の時の顕微鏡の条件は倍率30倍で透過光源であった。
輝点異物の数は少ないほど良好な特性である。
【0147】(偏光板収率)10000mセルロースエ
ステルフィルムを作製した時点で、1500m巻のセル
ロースエステルフィルム原反を作製し、下記に記載する
アルカリケン化処理、偏光板の作製を行った。得られた
偏光板を15インチに打ち抜き、1枚ずつ目視による外
観検査を行った。外観検査は偏光板1枚中に30μm以
上の欠陥が3個以上あった場合に不良品とした。収率は
下記の式で求めた。
【0148】収率(%)=(良品枚数/(良品枚数+不
良品枚数))×100 アルカリケン化処理 ケン化工程 2mol/l−NaOH 50℃ 90秒 水洗工程 水 30℃ 45秒 中和工程 10質量%HCl 30℃ 45秒 水洗工程 水 30℃ 45秒 上記条件でフィルム試料をケン化、水洗、中和、水洗の
順に行い、次いで80℃で乾燥を行った。 偏光板の作製 厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、沃
素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液100kgに浸漬
し、50℃で6倍に延伸して偏光膜を作製した。この偏
光膜の両面にアルカリケン化処理を行ったセルロースエ
ステルフィルム試料を完全ケン化型ポリビニルアルコー
ル5%水溶液を粘着剤として各々貼り合わせ偏光板を作
製した。
【0149】(画質)15型TFT型カラー液晶ディス
プレイLA−1529HM(NEC製)の偏光板を剥が
し、液晶セルを挟むようにして、前記作製した偏光板2
枚を偏光板の偏光軸が元と変わらないように互いに直交
するように貼り付け、15型TFT型カラー液晶ディス
プレイを作製した。このうち偏光板の1枚の片面にはア
ンチグレア加工を行った。アンチグレア加工はアクリル
系紫外線硬化樹脂に0.2μmと3.0μmの二酸化珪
素を分散した加工液を作製し、乾燥膜厚2μmになるよ
うに塗布し、紫外線ランプで硬化処理を行った。アンチ
グレア加工した面は液晶ディスプレイの最表面になるよ
うに貼り付けた。
【0150】この液晶ディスプレイをホワイト表示にし
て以下の基準で目視による画質の評価を行った。
【0151】 A・・・アンチグレア加工後にムラが無く、画面が見や
すい B・・・アンチグレア加工後にムラがかすかにあり、画
面がやや見えにくい C・・・アンチグレア加工後にムラがあり、画面が明ら
かに見えにくい
【0152】
【表3】
【0153】
【表4】
【0154】表3及び表4から明らかなように、本発明
に於ける紫外線吸収性共重合ポリマーを使用した試料は
偏光板として使用しても充分実用に適していることが分
かる。即ち、紫外線吸収性能が充分でありながらヘイ
ズ、ロール汚れが生じず透明性に優れ、かつ長期耐候性
に優れており、光学フィルムとして最適である。又、こ
れを偏光板として使用しても、更には液晶表示装置とし
て使用しても優れた効果が得られることは上記から明白
である。
【0155】
【発明の効果】液晶表示装置等に用いられる偏光板用保
護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プ
ラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルム等の
各種機能フィルム、また有機ELディスプレイ等で使用
される各種機能フィルム等にも利用する事が出来る紫外
線吸収性ポリマーを含有する光学フィルムが得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/00 104 C09K 3/00 104C G02F 1/1335 500 G02F 1/1335 500 510 510 (72)発明者 大久保 公彦 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H049 BA03 BA06 BA25 BA27 BB03 BB13 BB33 BB43 BB51 BC03 BC09 BC14 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA32X FA34X FA37X FB02 GA06 GA16 LA02 LA03 LA17 4F071 AA04 AA09 AA33 AB26 AD02 AE05 AF04 AF30 AF30Y AH16 BA02 BB02 BC01 BC12 4J002 AA032 AB021 BC122 BG041 BG051 BG072 BK001 CF001 CG001 DJ017 EE036 EJ066 ET006 EU176 EU186 FD020 FD056 GP00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収性モノマー及びエチレン性不
    飽和モノマー単位を有する、塩化メチレン溶媒中で測定
    した最大吸収波長が345nm以上、360nm以下の
    範囲にある紫外線吸収性共重合体、及び、該紫外線吸収
    性共重合体よりも、最大吸収波長が5nm以上短い紫外
    線吸収剤を含有する事を特徴とする光学フィルム。
  2. 【請求項2】 紫外線吸収性モノマー及びエチレン性不
    飽和モノマー単位を有する、塩化メチレン溶媒中で測定
    した最大吸収波長が345nm以上、360nm以下の
    範囲にある前記紫外線吸収性共重合体よりも、最大吸収
    波長が5nm以上短い紫外線吸収剤が、紫外線吸収性モ
    ノマー及びエチレン性不飽和モノマー単位を有する紫外
    線吸収性共重合体である事を特徴とする請求項1に記載
    の光学フィルム。
  3. 【請求項3】 塩化メチレン溶媒中で測定した最大吸収
    波長が345nm以上、360nm以下の範囲にある紫
    外線吸収性モノマー(A)、紫外線吸収性モノマー
    (A)より最大吸収波長が5nm以上短い紫外線吸収性
    モノマー(B)及びエチレン性不飽和モノマー単位を有
    する紫外線吸収性共重合体を含有する事を特徴とする光
    学フィルム。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収性モノマー、親水性のエチレ
    ン性不飽和モノマー及び分子中に親水性基を有しないエ
    チレン性不飽和モノマー単位を有する紫外線吸収性共重
    合体を含有する事を特徴とする光学フィルム。
  5. 【請求項5】 エチレン性不飽和モノマーが、親水性の
    エチレン性不飽和モノマー及び分子中に親水性基を有さ
    ないエチレン性不飽和モノマーからなる事を特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  6. 【請求項6】 紫外線吸収性共重合体中の親水性のエチ
    レン性不飽和モノマー単位が0.1から50質量%であ
    る事を特徴とする請求項4または5に記載の光学フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 親水性のエチレン性不飽和モノマーが、
    水酸基若しくはカルボキシル基を分子内に有するアクリ
    レート又はメタアクリレート系モノマーである事を特徴
    とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の光学フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 紫外線吸収性モノマーが、分子内にアル
    コール性水酸基若しくはカルボキシル基を有する事を特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィ
    ルム。
  9. 【請求項9】 1次平均粒子径が3〜20nmであり、
    かつ見かけ比重が70〜300g/リットルである二酸
    化珪素微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜8
    の何れか1項に記載の光学フィルム。
  10. 【請求項10】 セルロースエステルフィルムであるこ
    とを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の光学
    フィルム。
  11. 【請求項11】 セルロースエステルがセルロースアセ
    テートプロピオネートであることを特徴とする請求項1
    0に記載の光学フィルム。
  12. 【請求項12】 膜厚が20〜65μmであることを特
    徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の光学フィ
    ルム。
  13. 【請求項13】 第1の光学フィルム、偏光子、第2の
    光学フィルムを有する偏光板に於いて、該第1又は第2
    の光学フィルムが請求項1〜12の何れか1項に記載の
    光学フィルムであることを特徴とする偏光板。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の偏光板を用いたこ
    とを特徴とする表示装置。
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