JP2001510670A - 識別トランスポンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 主として有機材料より成る集積回路として構成した識別符号発生器（１０）を有する識別トランスポンダ。前記集積回路は、ＬＣ共振回路（３、４）を収容する盗難防止ステッカー（５）上に設けることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 識別トランスポンダ 本発明は、識別トランスポンダに関するものである。本発明の識別（ＩＤ）ト ランスポンダは、製品、物品又はこれらに設けられた他の種類のアイテムに、電 子的に符号化された独自の識別符号をラベル付する。ＩＤ符号により、このよう にラベル付されたアイテムの所在を時間的に追跡及びモニタして、これと関連す る後方業務を改善するか、或いは、値段のような属性をこのアイテムに関連させ ることができる。識別トランスポンダは電子識別タグ又は電子バーコード等とも 称されている。 本発明のＩＤトランスポンダの第１の例は、識別符号発生器及びＬＣ共振回路 を有する。ＬＣ共振回路を存在させると、無線周波数（ＲＦ）範囲内とするのが 最も適した電磁放射によりトランスポンダがある距離で非接触で質疑応答を行い うるようになる。基地局又はスキャナ等がＲＦ信号を送出し、この信号がＬＣ共 振回路でピックアップされ、従って、このＬＣ共振回路がＩＤ符号発生器に対す る電源電圧を発生する。ＩＤ符号発生器が直流電圧電源を必要とする場合には、 ＬＣ共振回路から出力される信号を整流するために１つ以上のダイオードが用い られる。ＩＤ符号発生器はＬＣ共振回路を周期的に減衰させる。この減衰特性は 特定のＩＤ符号発生器でプログラミングされた独自のＩＤ符号によって決定され る。この減衰特性は基地局により通常のようにして検出されるものであり、従っ てＩＤ符号を基地局が受信しうるようにする。 識別（ＩＤ）符号は識別符号発生器においてビットパターンとして符号化され る。ビットパターンにおける個々のビットの値を設定することを含む符号化は、 集積回路（ＩＣ）を製造する際に、又はその後の工程で行うことができるも、後 者の場合には、識別符号発生器はプログラマブル符号発生器である。ＩＤ符号発 生器は通常の設計のものとすることができる。適切な例のＩＤ符号発生器は、ク ロック発生器と、アドレスカウンタと、個々の各ＲＯＭセル（１つのＲＯＭセル はビットパターン中の１ビットである）を順次にアドレスしうる選択論理回路と を有するプログラマブルＲＯＭである。動作中、ＩＤ符号発生器はビットパター ンに応じて繰返される一連のビット列を発生する。 ＩＤ符号発生器は、主として有機材料より成るＩＣとして構成する。特にこの 材料は重合体材料を有する。（有機及び／又は重合体）材料を適切に選択するこ とにより、シリコンを基礎材料とする装置よりも著しく低い価格で極めて簡単な 処理を用いて可撓性薄膜のＩＤ符号発生器のＩＣやトランスポンダを製造しうる 。低価格である為に、トランスポンダは使い捨ての電子ＩＤタグとして用いうる ようになる。このような使い捨てのＩＤタグの有効な適応分野としては、値札付 の小売製品、郵便によって配達すべき荷札付の郵便物のような種々の分野がある 。曲げられた場合でも依然として動作しうるこのような可撓性薄膜トランスポン ダは、可撓性の包装材を用いて包装される可撓性の物品上に適切に設けることが できる。 特定の例では、ＩＤ符号発生器を、ＬＣ共振回路を有する既知の型の盗難防止 ステッカーと組合せる。 本発明のＩＤトランスポンダの第２の例は、識別符号発生器を有し、この識別 符号発生器と基地局との間を容量結合することにより、基地局がＩＤトランスポ ンダに供給する交流電圧を整流することにより発生される直流電圧をこの識別符 号発生器が受けるようにする。識別符号発生器は、直流電圧を受けると、この直 流電圧に対して負荷トランジスタをスイッチオン及びスイッチオフすることによ りビットパターンに応じてこの直流電圧を変調する。 本発明の上述した及びその他の特徴や利点は、以下の添付図面を用いた本発明 の実施例の説明から明らかとなるであろう。図面中、 図１は、本発明によるＲＦ（無線周波）識別トランスポンダの一実施例を示す 平面図であり、 図２は、識別トランスポンダを基地局に容量的に結合した本発明による識別ト ランスポンダの一実施例の回路線図である。 図１は本発明によるＲＦ識別トランスポンダ１の一実施例の平面図を示す。こ のトランスポンダは、既知の型の盗難防止ステッカー５を有する。このステッカ ーは、インダクタンスＬを有するコイル３を構成する導電性巻線と、キャパシタ ンスＣを有するキャパシタ４とが設けられた紙又は合成樹脂のシート２より成っ ている。コイル３とキャパシタ４とは、ＬＣ共振回路を構成するように接続され ている。このトランスポンダ１は更に、集積回路として構成したプログラマブル ＩＤ（識別）符号発生器１０を有し、このＩＤ符号発生器は整流ダイオード１１ を経てＬＣ共振回路（線図的に示す）に接続されている。 ＩＤ符号発生器１０は、クロック発生器と、アドレスカウンタと、選択論理回 路とを有するプログラマブル１５ビットＲＯＭであり、選択論理回路は個々のＲ ＯＭセルを３０ビット／秒の速度で順次にアドレスしうるものである。 ＩＤ符号発生器１０は、主として有機材料より成るＩＣ（集積回路）として構 成されている。このＩＣのレイアウトは、このＩＣが２７mm²の面積を有すると ともに、３００本の縦方向の相互接続ラインにより接続された３２６個の薄膜上 部ゲートＭＩＳＦＥＴを有するようなものである。このＩＣは１０Ｖの直流電圧 で駆動するのに適している。 ＭＩＳＦＥＴ及び横方向の相互接続ラインは欧州特許出願第97202587.8号（国 際公開パンフレットWO99/10939;特願平11-514099号）明細書に概説されている処 理に応じて製造される。同様な処理は欧州特許出願第97202589.4号(国際公開パ ンフレットWO99/10929;特願平11-514100号)に概説されている。種々の層の材料 や厚さはこれらの欧州特許出願明細書に記載されているのと同一である。 （ホトリソグラフィー技術のような適切ないかなる通常の処理によっても製造 しうる）縦方向の相互接続ラインは欧州特許出願第97202589.4号明細書に概説さ れている方法に応じて製造する。 ＩＤ符号を表すビットパターンは、製造中又はその後の適切ないかなる時にも プログラミングすることができる。本実施例では、１５ビットのビットパターン を、欧州特許出願第97202589.4号明細書に記載された種類のものであってこの明 細書に記載された機械的方法を用いてプログラミングする或いはプログラミング しうる１５本の縦方向の相互接続領域により導入する。プログラミングは手操作 により、又はプローブアナライザ或いは目的に応じて構成した装置のような通常 の装置を用いて自動的に実行することができる。電気的に識別しうるようにす る必要のあるアイテムにトランスポンダを取付ける時にＩＤ符号発生器をプログ ラミングする必要がある場合に、上記の機械的方法が特に適している。 トランスポンダ１が、このトランスポンダにより発生される信号を検出するよ うに設定された通常の型のＲＦ基地局（図示せず）の近くに位置し、（例えば8. 2MHzの）ＲＦ信号がこの基地局により送出される場合には、ＩＤ符号は基地局に 首尾よく伝送される。 図２は、識別符号を読出すために基地局ＢＳに容量的に結合しうる識別トラン スポンダＩＤＴを示す。この識別トランスポンダＩＤＴは、基地局ＢＳの対応す る接点パッドＰ３及びＰ４にそれぞれ容量的に結合しうる２つの接点パッドＰ１ 及びＰ２を有する。この容量結合は、基地局ＢＳと識別トランスポンダＩＤＴと の間の無接触結合を可能にする。基地局ＢＳはインダクタＬ又は抵抗Ｒ（図示せ ず）を介して接点パッドＰ３に接続された交流電圧発生器を有する。接点パッド Ｐ３及びＰ４間にはキャパシタＣ２が接続されている。接点パッドＰ３には復調 器ＤＥＭＯＤも接続されている。識別トランスポンダＩＤＴは、図１の識別符号 発生器１０に相当するとともに図１に関して説明したのと同様にして製造しうる 識別符号発生器ＩＤＣＧを有する。この識別符号発生器ＩＤＣＧは読出し専用メ モリＲＯＭと変調器ＭＯＤとを有し、これらの双方は正電源端子ＶＰ及び負電源 端子ＶＮから直流動作電圧を受ける。正電源端子ＶＰ及び負電源端子ＶＮ間には 平滑キャパシタＣ１が接続されている。接点パッドＰ１は、電流がこの接点パッ ドＰ１から正電源端子ＶＰに流れるような極の向きとしたダイオードＤ２を介し て正電源端子ＶＰに接続され、一方、接点パッドＰ２は負電源端子ＶＮに直接接 続されている。接点パッドＰ１と接点パッドＰ２との間にはダイオードＤ１が接 続されており、このダイオードＤ１は電流を接点パッドＰ２から接点パッドＰ１ に流す。変調器ＭＯＤは、正電源端子ＶＰ及び負電源端子ＶＮ間に接続された負 荷トランジスタＴＬのゲートを駆動する。ダイオードＤ１及びＤ２は、後述する ように、又図２にＦＥＴで示すように、ダイオード接続ＭＩＳＦＥＴを以て構成 するのが好ましい。 接点パッドＰ１／Ｐ３及び接点パッドＰ２／Ｐ４はキャパシタンスを形成し、 基地局ＢＳ及び識別トランスポンダＩＤＴの無接触容量性結合を可能にする。発 振器ＯＳＣは、例えば、１０〜５０ＫＨｚの範囲内の周波数を有する、例えば、 １０〜１００ボルトの交流電圧を発生する。識別トランスポンダの読出しに当っ ては、基地局ＢＳが接点パッドＰ１／Ｐ３及び接点パッドＰ２／Ｐ４より成るキ ャパシタンス、代表的に１０〜２０ｐＦを介して識別トランスポンダＩＤＴに結 合される。この容量は、１cm²の面積、１００μｍの接点パッドの間隔及び接点 パッド間の誘電体材料としての紙に相当する。読出し中、交流電圧はダイオード Ｄ１及びＤ２により整流され、動作電圧を識別符号発生器ＩＤＣＧに供給するた めに正電源端子ＶＰ及び負電源端子ＶＮで直流動作電圧に変換される。前記変調 器ＭＯＤは、直流動作電圧を受けると、前記読出し専用メモリＲＯＭに蓄積され たビットパターンに応じて負荷トランジスタＴＬを導通状態に駆動するか非導通 状態にする。この負荷トランジスタＴＬの切換により、このビットパターンに応 じて接点パッドＰ３及びＰ４における負荷インピーダンスを変化させ、この変化 が基地局ＢＳにおける復調器ＤＥＭＯＤにより検出されてデータ信号に再変換さ れる。読出し専用メモリＲＯＭにおけるビットパターンはレーザーによりプログ ラミングしうる。 有機材料を以て構成すること、及び容量性結合を行うことにより、機械的な柔 軟性があり、厚さが薄く、紙又は布に導入するのに適した識別トランスポンダが 得られる。識別トランスポンダは、銀行券、パスポート等や、衣服、時計、宝石 等の識別タグとして用いることができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．識別トランスポンダにおいて、この識別トランスポンダが、主として有機材 料より成る集積回路として構成した識別符号発生器を有していることを特徴と する識別トランスポンダ。 ２．主として有機材料より成る集積回路として構成した識別符号発生器を有して いる識別トランスポンダにおいて、前記集積回路が、ＬＣ共振回路を収容する 盗難防止ステッカー上に設けられていることを特徴とする識別トランスポンダ 。 ３．請求の範囲１に記載の識別トランスポンダにおいて、この識別トランスポン ダが更に、識別トランスポンダを基地局の対応する接点パッドに容量的に結合 するとともに基地局から交流電圧を受けるための第１及び第２接点パッドと、 前記交流電圧を整流して識別符号発生器に対する直流動作電圧を発生する手段 と、前記識別符号発生器により発生される識別符号に応答してこの識別符号発 生器により駆動され、直流動作電圧をローディングする負荷トランジスタとを 具えていることを特徴とする識別トランスポンダ。 ４．請求の範囲３に記載の識別トランスポンダにおいて、交流電圧を整流して直 流動作電圧を発生する前記手段が、前記第１及び第２接点パッド間に接続され た第１ダイオードと、前記第１接点パッド及び前記直流動作電圧の第１電源端 子間に接続された第２ダイオードと、前記第１電源端子及び前記直流動作電圧 の第２電源端子間に接続された容量性素子とを有していることを特徴とする識 別トランスポンダ。 ５．請求の範囲４に記載の識別トランスポンダにおいて、前記第１及び第２ダイ オードが、ダイオード接続有機物電界効果型トランジスタであることを特徴と する識別トランスポンダ。