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JP2001303504A - 保水性舗装体の形成方法及び保水性舗装体 - Google Patents

保水性舗装体の形成方法及び保水性舗装体

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JP2001303504A
JP2001303504A JP2000123287A JP2000123287A JP2001303504A JP 2001303504 A JP2001303504 A JP 2001303504A JP 2000123287 A JP2000123287 A JP 2000123287A JP 2000123287 A JP2000123287 A JP 2000123287A JP 2001303504 A JP2001303504 A JP 2001303504A
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Japan
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water
cement
filler
pavement
porous
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JP2000123287A
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Masaru Omichi
賢 大道
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Nisshin Kasei KK
Original Assignee
Nisshin Kasei KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の保水性舗装体では、吸水率が低く、ま
た連続した舗装体を得ることができず歩道用舗装体とし
ては利用することはできるが車道舗装体には適用が困難
であるという問題があった。また、従来の保水性舗装体
はその強度に問題があった。 【解決手段】 成形された多孔質コンクリートの空隙中
に、セメントと多孔質フィラーとを混合したスラリー状
充填材4を注入する。または、セメントに多孔質フィラ
ーを分散させてモルタル状にした締結材5を、骨材2に
加えて混合した保水性舗装体1を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な空隙中に保
水性の高い物質を充填することにより、路面温度の上昇
を抑制する保水性舗装体の形成方法及び保水性舗装体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市部では地表面の多くが建造物
又は舗装道路等の人工物で覆われており、これらが日中
に太陽エネルギーを吸収し熱せられて環境温度が上昇す
るいわゆるヒートアイランド現象が問題となっている。
【0003】この対策として従来、保水性を有するセ
ラミックタイル又はセラミックブロックを用いた舗装体
半たわみ性舗装の注入グラウトとして多量の余剰水分
を含むセメントペーストに鉱物質微粉末(シルト材)を
混入したものを用い、注入材が硬化乾燥することで、水
分が存在していた箇所に微細空隙を得るようにしたも
の、等舗装体にミクロな連続空隙を生じさせ当該連続空
隙内に降雨時等における水分を保水し、さらに毛管上昇
作用により、舗装体に保水した水分を舗装体表面に移動
し、舗装体表面にて水分を蒸発させることによって舗装
体の表面温度上昇を抑制しようとするものである。
【0004】さらに、本願出願人が特願平10−283
09号で示したようにシルト質及び粘土質の土を0.0
74から〜2.00mmの粒度、所謂砂の粒度に加工し
透水性舗装体、排水性舗装体等マクロな連続空隙を有す
る舗装体の空隙中に充填することにより、適度な透水性
を有し降雨等の水分を素早く舗装体内に取り込み、砂の
間隙の毛管上昇を利用し、舗装体中の空隙又は砂の間隙
に保水した水分を舗装体表面へ移動させ、舗装体の表面
温度上昇を抑制した舗装体等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、セラミックタ
イル又はセラミックブロックを用いた舗装体では、連続
した舗装体を得ることができないので、歩道用舗装体と
しては利用することはできるが車道舗装体には適用が困
難であるという問題があった。またセメントペーストの
水分を余剰にし、硬化させた舗装体では、舗装体の構造
にミクロな連続空隙が生じその強度には問題があった。
【0006】本発明は斯かる事情に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは保水能力及び温度上昇抑
制効果を低下させることなく連続した舗装体を得ること
ができ、またセメントペーストの強度を上昇させ、車道
においても耐え得る保水性舗装体の形成方法及び保水性
舗装体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る保水性舗
装体の形成方法は、多孔質コンクリートを成形し、多孔
質コンクリート成形体の空隙中にセメントと多孔質フィ
ラーとを混合したスラリー状充填材を注入することを特
徴とする。
【0008】第2発明に係る保水性舗装体は、成形され
た多孔質コンクリートの空隙中に、セメントと多孔質フ
ィラーとを混合したスラリー状充填材を注入したことを
特徴とする。
【0009】第1発明及び第2発明にあっては、セメン
トと吸水率が非常に高い多孔質フィラーとを配合したス
ラリー状充填材をつくり、そしてこのスラリー状充填材
を成型された多孔質コンクリートの空隙内に注入するよ
うにしたので、保水能力の向上により路面の温度上昇を
抑制することができ、また車道用としても使用可能な強
度の高い保水性舗装体の形成方法及び保水性舗装体を提
供することができる。さらに、本発明による保水性舗装
体を用いることによって夏期の路面温度上昇を抑え都市
部のヒートアイランド現象を緩和することができる。
【0010】第3発明に係る保水性舗装体は、前記コン
クリートが、空隙率が15%乃至30%の透水性アスフ
ァルトコンクリートであり、前記スラリー状充填材が、
前記セメントと前記多孔質フィラーとの重量比が、前記
セメント100部に対して多孔質フィラーが25部乃至
65部であり、Pロート試験で9秒乃至15秒間粘度を
調整してあることを特徴とする。
【0011】吸水率を向上させるためにはより多くの多
孔質フィラーを添加するのが好ましいが、過度の添加は
強度上問題がある。そこで、第3発明にあっては、充填
材としての多孔質フィラーを重量比でセメント100部
に対して65部以下にするようにして曲げ強度及び圧縮
強度を確保するようにした。また、充填材としての多孔
質フィラーを重量比でセメント100部に対して25部
以上にするようにして吸水機能を確保するようにした。
同様に強度を確保すべく透水性アスファルトコンクリー
トの空隙率は30%以下、粘度はPロート試験で15秒
以下とし、吸水機能を確保すべく透水性アスファルトコ
ンクリートの空隙率は15%以上、粘度はPロート試験
で9秒以上とするようにしたので、保水能力が高く、車
道用としても使用可能な強度の高い保水性舗装体を提供
することができる。
【0012】第4発明に係る保水性舗装体の形成方法
は、セメントに多孔質フィラーを分散させてモルタル状
にした締結材を骨材に加えて混合し、該骨材と締結材と
の混合物を地盤上に敷設することを特徴とする。
【0013】第5発明に係る保水性舗装体は、セメント
に多孔質フィラーを分散させてモルタル状にした締結材
を、骨材に加えて混合しことを特徴とする。
【0014】第4発明及び第5発明にあっては、吸水率
が非常に高い多孔質フィラーを充填材としてではなく締
結材として使用するようにしたので、セメントモルタ
ル、セメントコンクリート及び透水性セメントコンクリ
ート等にも適用することができ様々な保水性舗装体の形
成方法及び保水性舗装体を提供することができる。
【0015】第6発明に係る保水性舗装体は、前記締結
剤が、前記セメントと前記多孔質フィラーとの重量比
が、前記セメント100部に対して多孔質フィラーが1
5部乃至25部であることを特徴とする。
【0016】吸水率を向上させるためにはより多くの多
孔質フィラーを添加するのが好ましいが、過度の添加は
強度上問題がある。そこで、第6発明にあっては、曲げ
強度及び圧縮強度を確保するために、締結材としての多
孔質フィラーを重量比でセメント100部に対して25
部以下にするようにした。また、吸水機能を確保するた
めに、締結材としての多孔質フィラーを重量比でセメン
ト100部に対して15部以上にするようにしたので、
保水能力が高く、また車道用としても使用可能な強度の
高い保水性舗装体を提供することができる。
【0017】第7発明に係る保水性舗装体は、前記多孔
質フィラーが、吸水率が100%以上、粒径が1μm以
上5μm以下であることを特徴とする。
【0018】第7発明にあっては、充填材及び締結剤と
して、砂(粒径75μm〜2mm)及びシルト材(粒径
5μm〜75μm)よりも更に小径の粘土に分類される
粒径が1μm以上5μm以下の多孔質フィラーを用い
る。多孔質フィラーは吸水率が100%以上と非常に高
いので保水能力の高い保水性舗装体を提供することがで
きる。
【0019】第8発明に係る保水性舗装体は、前記セメ
ントが、発泡セメントであることを特徴とする。
【0020】第8発明にあっては、セメントに発泡材を
加えた発泡セメントを用いる。発泡セメントは通常のセ
メント(早強セメント)と比較して微細な空隙を多く有
するため、保水性が高い。したがって、多孔質フィラー
の保水能力と相俟って更に保水性の高い保水性舗装体を
提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。
【0022】実施の形態1 図1は多孔質フィラー(図示せず)を充填材4として使
用した保水性舗装体1の構造を示す模式的断面図であ
る。図中1は本発明に係る保水性舗装体である。保水性
舗装体1はアスファルト3によって結合された砂利等の
骨材2で構成されている。この骨材2、2…の隙間に
は、セメントに多孔質フィラーを分散させてスラリー状
にした充填材4が注入されている。
【0023】多孔質フィラーとはセピオライト、ケイソ
ウ土又はアラゴナイト質針柱状炭酸カルシウムの一次粒
子が3次元的に不規則に絡み合ったウニ状又はマリモ状
の多孔質炭酸カルシウム等であって数10-10 m〜数百10
-10 mの細孔を無数に備えた高吸水率を有する吸着性フ
ィラーと称される鉱物をいう。通常多孔質フィラーは吸
水率が100%を上回るものであるが、吸水率が高くて
も例えばシリカゲルの如く100℃以上の温度を加えな
いと水分を放出しない材料は良好な水分の蒸発が得られ
ず好ましくない。また、吸水によって体積変化を起こ
す、例えばベントナイト等は強度低下をもたらすことと
なり好ましくない。
【0024】表1に今回の試験に用いる多孔質フィラー
の種類及び性状を示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示すとおり、吸水率が100%を越
えるものはフィラーC及びフィラーDである。
【0027】半たわみ性舗装に用いる試料No1乃至N
o4を作成し、それぞれの試料の曲げ強度、圧縮強度、
最大吸水率及び5cm吸い上げ時間を検出した。結果は
表2に示すとおりである。
【0028】
【表2】
【0029】表2から明らかなようにNo3が最も5c
m吸い上げ時間が早く、しかも曲げ強度、圧縮強度の低
下も小さく抑制できていることが確認できた。しかし、
吸水率が高い繊維状のフィラーDではセメントの硬化が
不十分となり良好な結果は得られなかった。表2中曲げ
強度及び圧縮強度はJISR5201に準じて求めた値
である。また最大吸水率は(供試体を24時間水に浸し
た後の重量−供試体の乾燥重量)÷供試体体積×100
で求められる。また、5cm吸い上げ時間は、5cmの
水を供試体が吸収する時間を測定したものであり短けれ
ば短い程良い。正確には、5cm吸い上げ時間は、供試
体の高さ×(各吸水時間の吸水重量÷最大吸水重量)の
関係をグラフ化し、グラフから5cm吸い上げた時間を
求めた。
【0030】次に、早強セメントに対するフィラーCの
添加率(早強セメント:フィラー)を変化させ半たわみ
性舗装に用いる試料No5乃至No8を作成し、曲げ強
度、圧縮強度及び最大吸水率を検出した。結果は表3に
示すとおりである。
【0031】
【表3】
【0032】表3から明らかなように、フィラーの添加
率を高くすれば最大吸水率が上昇する。しかし、曲げ強
度は強度上の問題より1.0N/mm2 以上必要とされ
るところ、早強セメント100部に対してフィラーを6
6部添加したNo8は曲げ強度が0.3N/mm2 であ
り、強度上問題がある。今回の試験により曲げ強度を
1.0N/mm2 以上とするためにはフィラーは65部
以下としなければならないことが明らかになった。ま
た、最大吸水率は少なくとも40%以上必要とされると
ころ、早強セメント100部に対してフィラーを25部
添加したNo6は最大吸水率が43.1%であるが、フ
ィラーが24部以下のもの(No5など)は最大吸水率
が40%以下であり保水機能が不十分である。今回の試
験により吸水率を40%以上とするためにはフィラーは
25部以上としなければならないことが明らかになっ
た。
【0033】次に、フィラーCのみ、フィラーDのみ及
びフィラーCとDとを適宜配合した半たわみ性舗装体の
試料No9乃至No12を作成し、曲げ強度、圧縮強
度、最大吸水率及び5cm吸い上げ時間を検出した。結
果は表4に示すとおりである。
【0034】
【表4】
【0035】表4から明らかなように、フィラーDのみ
を配合した試料No10では硬化不良が発生したが、フ
ィラーCとDとを混合させた試料No11及びNo12
は、フィラーCのみを配合した試料No9よりも曲げ強
度又は圧縮強度がそれぞれ上昇していることが分かる。
つまり、フィラーDを単独で使用することは困難である
が、フィラーCと適宜混合することによってより強度の
高い保水性舗装体1を得ることができる。
【0036】図2は保水性舗装体1の日照試験による表
面温度変化を示すグラフである。グラフ(1)は母体ア
スファルトコンクリート、グラフ(2)は半たわみ性舗
装体、グラフ(3)は本発明に係る保水性舗装体1(試
料No3)の日照時間に対する舗装体の表面温度の変化
をそれぞれ示したものである。図2のグラフから明らか
なように実施の形態1に係る保水性舗装体1(試料No
3)を用いることにより、従来の母体アスファルトコン
クリート(1)及び半たわみ性舗装体(2)と比較して
大幅に表面温度上昇を低減することが可能となった。
【0037】実施の形態2 実施の形態1ではセメントに多孔質フィラーを分散させ
たスラリー状充填材4を、コンクリートの空隙に充填す
る保水性舗装体1について述べたが、実施の形態2では
セメントに多孔質フィラーを分散させてモルタル状にし
た締結剤5を、骨材2に加えて混合する保水性舗装体
1、つまり多孔質フィラーを締結剤5として使用する場
合について詳述する。
【0038】図3は多孔質フィラーを締結材5として使
用した保水性舗装体1の構造を示す模式的断面図であ
る。図において5は、セメントに多孔質フィルタを分散
させてモルタル状にした締結材である。実施の形態2の
保水性舗装体1は、骨材2、2…とモルタル状の締結材
5とを混合し、この混合物を地盤上に敷設することによ
り完成する。
【0039】早強セメント、フィラーC及びDの混合
物、珪砂及び水から構成される締結剤5と骨材2とを混
合した保水性舗装体No13乃至No16を作成し、曲
げ強度、圧縮強度及び5cm吸い上げ時間を検出した。
結果は表5に示すとおりである。
【0040】
【表5】
【0041】表5から明らかなように、早強セメント1
00部に対してフィラー29部の試料No16は曲げ強
度が目標値である1.0とほぼ同様であり強度上問題が
あるということがわかった。つまり、今回の実験では確
実に強度を確保するためにはフィラーは25部以下であ
ることが必要であることが明らかになった。また、5c
m吸い上げ時間は450秒以下であることが要求される
ところ、No13(フィラー16部)では420秒であ
り保水性舗装体としての機能を満たしているが、フィラ
ーが15部以下では5cm吸い上げ時間が450秒以上
となり保水性舗装体としての機能を発揮し得ないことが
明らかになった。
【0042】図4は骨材2と締結材5とを混合した保水
性舗装体1の日照試験による表面温度変化を示すグラフ
である。図3のグラフと同じく、グラフ(1)は母体ア
スファルトコンクリート、グラフ(2)は半たわみ性舗
装体、グラフ(3)は実施の形態1に係る保水性舗装体
(試料No3)、グラフ(4)は実施の形態2に係る保
水性舗装体(試料No15)の日照時間に対する舗装体
の表面温度の変化をそれぞれ示したものである。図4の
グラフから明らかなように実施の形態2に係る保水性舗
装体(試料No15)を用いることにより、従来の母体
アスファルトコンクリート(1)及び半たわみ性舗装体
(2)と比較して大幅に表面温度上昇を低減することが
可能となった。
【0043】本実施の形態2は以上の如き構成としてあ
り、その他の構成及び作用は実施の形態1と同様である
ので、対応する部分には同一の参照番号を付してその詳
細な説明を省略する。
【0044】実施の形態3 早強セメントに多孔質フィラーCを混合した試料(No
17)と発泡剤(図示せず)を加えた発砲セメントに多
孔質フィラーCを混合した試料(No18)とを作成
し、曲げ強度、圧縮強度、最大吸水率及び5cm吸い上
げ時間を検出した。結果は表6に示すとおりである。
【0045】
【表6】
【0046】表6から明らかなように、今回の実験によ
り試料No17と比較して発泡材を加えた試料No18
は最大吸水率が上昇し、また5cm吸い上げ時間も大幅
に短縮していること明らかとなった。
【0047】図5は発泡材を混合した保水性舗装体1の
日照試験による表面温度変化を示すグラフである。図3
及び図4のグラフと同じく、グラフ(1)は母体アスフ
ァルトコンクリート、グラフ(2)は半たわみ性舗装
体、グラフ(3)は保水性舗装体(試料No3)、グラ
フ(5)は実施の形態3に係る発泡材を加えた保水性舗
装体(試料No18)の日照時間に対する舗装体の表面
温度の変化をそれぞれ示したものである。図5のグラフ
から明らかなように実施の形態3に係る発泡材を加えた
保水性舗装体(試料No18)を用いることにより、従
来の母体アスファルトコンクリート(1)及び半たわみ
性舗装体(2)及び保水性舗装体(試料No3)(3)
と比較して表面温度上昇を低減することが可能となっ
た。
【0048】本実施の形態3は以上の如き構成としてあ
り、その他の構成及び作用は実施の形態1及び実施の形
態2と同様であるので、対応する部分には同一の参照番
号を付してその詳細な説明を省略する。
【0049】
【発明の効果】以上の詳述した如く、第1発明及び第2
発明にあっては、セメントと吸水率が非常に高い多孔質
フィラーとを配合したスラリー状充填材をつくり、そし
てこのスラリー状充填材を成型された多孔質コンクリー
トの空隙内に注入するようにしたので、保水能力の向上
により路面の温度上昇を抑制することができ、また車道
用としても使用可能な強度の高い保水性舗装体の形成方
法及び保水性舗装体を提供することができる。さらに、
本発明による保水性舗装体を用いることによって夏期の
路面温度上昇を抑え都市部のヒートアイランド現象を緩
和することができる。
【0050】第3発明にあっては、充填材としての多孔
質フィラーを重量比でセメント100部に対して65部
以下にするようにして曲げ強度及び圧縮強度を確保する
ようにした。また、充填材としての多孔質フィラーを重
量比でセメント100部に対して25部以上にするよう
にして吸水機能を確保するようにした。同様に強度を確
保すべく透水性アスファルトコンクリートの空隙率は3
0%以下、粘度はPロート試験で15秒以下とし、吸水
機能を確保すべく透水性アスファルトコンクリートの空
隙率は15%以上、粘度はPロート試験で9秒以上とす
るようにしたので、保水能力が高く、車道用としても使
用可能な強度の高い保水性舗装体を提供することができ
る。
【0051】第4発明及び第5発明にあっては、吸水率
が非常に高い多孔質フィラーを充填材としてではなく締
結材として使用するようにしたので、セメントモルタ
ル、セメントコンクリート及び透水性セメントコンクリ
ート等にも適用することができ様々な保水性舗装体の形
成方法及び保水性舗装体を提供することができる。
【0052】第6発明にあっては、曲げ強度及び圧縮強
度を確保するために、締結材としての多孔質フィラーを
重量比でセメント100部に対して25部以下にするよ
うにした。また、吸水機能を確保するために、締結材と
しての多孔質フィラーを重量比でセメント100部に対
して15部以上にするようにしたので、保水能力が高
く、また車道用としても使用可能な強度の高い保水性舗
装体を提供することができる。
【0053】第7発明にあっては、充填材及び締結剤と
して、砂(粒径75μm〜2mm)及びシルト材(粒径
5μm〜75μm)よりも更に小径の粘土に分類される
粒径が1μm以上5μm以下の多孔質フィラーを用い
る。多孔質フィラーは吸水率が100%以上と非常に高
いので保水能力の高い保水性舗装体を提供することがで
きる。
【0054】第8発明にあっては、セメントに発泡材を
加えた発泡セメントを用いる。発泡セメントは通常のセ
メント(早強セメント)と比較して微細な空隙を多く有
するため、保水性が高い。したがって、多孔質フィラー
の保水能力と相俟って更に保水性の高い保水性舗装体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質フィラーを充填材として使用した保水性
舗装体の構造を示す模式的断面図である。
【図2】保水性舗装体の日照試験による表面温度変化を
示すグラフである。
【図3】多孔質フィラーを締結材として使用した保水性
舗装体の構造を示す模式的断面図である。
【図4】骨材と締結材とを混合した保水性舗装体の日照
試験による表面温度変化を示すグラフである。
【図5】発泡材を混合した保水性舗装体の日照試験によ
る表面温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 保水性舗装体 2 骨材 3 アスファルト 4 充填材 5 締結材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質コンクリートを成形し、 多孔質コンクリート成形体の空隙中にセメントと多孔質
    フィラーとを混合したスラリー状充填材を注入すること
    を特徴とする保水性舗装体の形成方法。
  2. 【請求項2】 成形された多孔質コンクリートの空隙中
    に、 セメントと多孔質フィラーとを混合したスラリー状充填
    材を注入したことを特徴とする保水性舗装体。
  3. 【請求項3】 前記コンクリートは、 空隙率が15%乃至30%の透水性アスファルトコンク
    リートであり、 前記スラリー状充填材は、 前記セメントと前記多孔質フィラーとの重量比が、前記
    セメント100部に対して多孔質フィラーが25部乃至
    65部であり、 Pロート試験で9秒乃至15秒間粘度を調整してあるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の保水性舗装体。
  4. 【請求項4】 セメントに多孔質フィラーを分散させて
    モルタル状にした締結材を骨材に加えて混合し、 該骨材と締結材との混合物を地盤上に敷設することを特
    徴とする保水性舗装体の形成方法。
  5. 【請求項5】 セメントに多孔質フィラーを分散させて
    モルタル状にした締結材を、骨材に加えて混合したこと
    を特徴とする保水性舗装体。
  6. 【請求項6】 前記締結剤は、 前記セメントと前記多孔質フィラーとの重量比が、前記
    セメント100部に対して多孔質フィラーが15部乃至
    25部であることを特徴とする請求項5に記載の保水性
    舗装体。
  7. 【請求項7】 前記多孔質フィラーは、 吸水率が100%以上、粒径が1μm以上5μm以下で
    あることを特徴とする請求項2,3,5又は6に記載の
    保水性舗装体。
  8. 【請求項8】 前記セメントは、 発泡セメントであることを特徴とする請求項2,3,
    5,6又は7に記載の保水性舗装体。
JP2000123287A 2000-04-24 2000-04-24 保水性舗装体の形成方法及び保水性舗装体 Expired - Fee Related JP4005759B2 (ja)

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