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JP2001056090A - 推進管の保護方法 - Google Patents

推進管の保護方法

Info

Publication number
JP2001056090A
JP2001056090A JP11230241A JP23024199A JP2001056090A JP 2001056090 A JP2001056090 A JP 2001056090A JP 11230241 A JP11230241 A JP 11230241A JP 23024199 A JP23024199 A JP 23024199A JP 2001056090 A JP2001056090 A JP 2001056090A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective layer
mold
reaction
anticorrosion
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11230241A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirotoshi Tanimoto
博利 谷本
Shintaro Ikeda
新太郎 池田
Toru Fukusato
亨 福里
Yoshihiro Okano
嘉宏 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Nippon Kokan Koji KK
JFE Engineering Corp
Original Assignee
Nippon Kokan Koji KK
Nippon Zeon Co Ltd
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Koji KK, Nippon Zeon Co Ltd, NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical Nippon Kokan Koji KK
Priority to JP11230241A priority Critical patent/JP2001056090A/ja
Publication of JP2001056090A publication Critical patent/JP2001056090A/ja
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の方法は、推進管継手部における保護
層を、より高耐損傷性のあるものとすることを目的とす
る。 【解決手段】 本発明は、上記目的を達成するために、
推進管の現地継手部に防食材料による防食層を形成する
防食層形成工程と、前記防食層を被包して金型を配置
し、前記防食層を含む前記推進管の外側周面と、前記金
型とが形成する空隙部に、ノルボルネン単量体、メタセ
シス触媒、および活性剤を含む反応液を注入する反応液
注入工程と、前記反応液注入工程により注入された反応
液を硬化して、前記外側周面を被覆する保護層を形成す
る保護層形成工程と、を有することを特徴とする推進管
の保護方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、推進管の防食保護
方法に関する。更に詳しくは、施工現場において、推進
管の管端を次々と溶接して、直押し推進工事を進めてい
くときに、推進管の継手部において、短時間で、耐久性
が優れた保護層を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、道路などを横断して配管を埋設す
る工法として、直押し推進工法が採用されている。この
工法は、地表から道路堀削を行わなくても、道路を横断
した状態で配管を埋設することができるので、工事に際
しては道路を遮断しなくてもよいという利点を備えてい
る。
【0003】この直押し推進工法は概ね次のように行わ
れる。すなわち道路の両側の適宜な箇所に竪穴を掘り、
一方の竪穴から他方の竪穴へ向かって、所定の長さの配
管を例えばジャッキによって地中に直接押し込んで、道
路を横断させる。このとき、順次土中に押し込まれる配
管は、一方の竪穴で互いの管体が溶接される。そして、
工事終了後には、全体として、1本の長い配管が道路を
横断した状態で地中に埋設されることになる。
【0004】ここで、上述したような直押し推進工法で
用いられる配管には、通常鋼管などの金属管の外表面
に、その管端から約150mmの長さの部分を除いて、
ポリエチレン、ポリウレタンなどの樹脂からなる所定厚
みの防食被覆が施されている。また、管端の約150m
mの長さの部分に被覆が施されていないのは、配管を次
々と溶接していくための溶接しろでありこの部分が継手
部となる。
【0005】したがって、この継手部は防食被覆で覆わ
れていないため、直ちに継手部の外側周面を被覆する防
食層を形成して、当該継手部に防食処理を施す必要があ
る。通常この防食層としては、ポリエチレンの熱収縮チ
ューブが用いられている。しかしながら、熱収縮チュー
ブは、管体の防食被覆に比べて被覆膜厚が小さく、直押
し推進を行うと、地中のレキ等により激しく摩耗し、損
傷することもある。
【0006】このため、この防食層は、被覆硬度が高
く、上記のような摩耗を受けても損傷しにくい材料で保
護されることが要求される。また、工事現場で迅速に形
成することができ、推進工事の時間短縮に資することが
できることも要求される。
【0007】特公平7−6595号公報で開示されてい
る方法は、継手部の外側周辺をポリエチレンまたはポリ
ウレタンの防食層を設け、保護層としては、ガラス繊維
もしくは金属繊維を混入したポリエステル樹脂またはエ
ポキシアクリレート樹脂からなる被覆を施している。
【0008】また、前記公報で開示されている方法にお
いては、推進工事の時間を短縮することを目的として、
保護層の形成に関しては次のような提案がされている。
つまり、保護層のポリエステル樹脂またはエポキシアク
リルレート樹脂の硬化反応を促進させるため加熱するこ
とを開示している。すなわち、ポリエチレンの熱収縮チ
ューブまたはシートを加熱して防食層を形成し、防食層
が40℃以上の残熱を有している状態で保護層を形成す
るものである。しかしながら、この処理においては、保
護層を形成するための作業開始時間が防食層の残熱状態
により制限される。したがって、この処理は現場作業に
おいて効率的ではない。
【0009】特開平9−14574号公報には、推進管
の継手部に形成する防食保護層の材料として、ノルボル
ネン系単量体、メタセシス触媒および活性剤を含む反応
液を用いることにより、防食保護層の形成に要する時間
を極めて短時間とすることができることが開示されてい
る。また、さらに、継手部熱収縮チューブやシートを防
食層として形成しその上に反応液の硬化層を保護層とし
て形成すれば、優れた防食保護効果が得られるとしてい
る。
【0010】しかしながら、推進時の土質が非常にレキ
が多い場合には、特開平9−14574号公報に開示さ
れた防食保護方法では、保護層に損傷が生じることがあ
り、より高い耐損傷性が要求されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特公平7−
6595号公報に開示される推進管継手部の保護層形成
における問題点を解決し、推進管継手部に、短時間で高
い耐損傷性の保護層を形成することができる推進管の保
護方法を提供することを目的とする。
【0012】また、本発明は、特開平9−14574号
公報に開示された推進管の防食保護方法を更に改良し、
より優れた防食保護効果を奏する推進管の保護方法を提
供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1において、推進管の現地継手部
に防食材料による防食層を形成する防食層形成工程と、
前記防食層を被包して金型を配置し、前記防食層を含む
前記推進管の外側周面と、前記金型とが形成する空隙部
に、ノルボルネン単量体、メタセシス触媒、および活性
剤を含む反応液を注入する反応液注入工程と、前記反応
液を硬化して、前記外側周面を被覆する保護層を形成す
る保護層形成工程とを有することを特徴とする推進管の
保護方法を提供する。
【0014】本発明の方法で用いる反応液は、硬化反応
速度が速いため保護層の形成に要する時間を短時間とす
ることができる。さらに前記保護層は、高硬度で高い耐
損傷性を有していることから、本発明の方法は、推進工
事における防食保護のための現場作業に極めて有用であ
る。
【0015】また、本発明においては、請求項2に記載
するように、前記推進管が、その管体の被覆端部に段差
を設けられている推進管であることが好ましい。
【0016】管体の被覆端部に被覆膜厚を小さくした段
差を設けることにより、保護層が管体外周面より外側に
凸となっている凸部の高さを小さくし、保護層の端部か
らのめくれを防止し、推進時の土質に非常にレキが多
く、高い耐損傷性が要求される場合に高い耐損傷性を有
することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】図1、図2に示すように、推進管1は、鋼
管1aとその外周を被覆するプラスチック被覆1bとか
ら形成される。プラスチック被覆として、ポリエチレン
を厚さ3〜12mmに被覆するものが用いられる。前記
推進管の溶接、防食層形成後の推進管継手部の一部断面
図が前記図1であり、また推進管継手部の拡大図が図2
である。
【0019】継手部2の防食層3は、図示しない内層材
と外層材とから形成される。内層材としては、ホットメ
ルト接着剤(変性ポリオレフィン系、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体系、ポリアミド系)、あるいは粘着材(ブチ
ルゴム系、アスファルト系、それらの混合系)が厚さ
0.2〜3.0mmで塗布されたものが好適である。ま
た、外層材としては、架橋ポリエチレンからなり、厚さ
0.5〜6.0mmを有する熱収縮チューブ、あるいは
熱収縮シートをバーナーなどの加熱手段により、加熱収
縮させ推進管継手部2に密着させ被覆して用いることが
できる。(加熱収縮後の防食層の膜厚は0.6〜7.0
mmとなる。)また、図1、2中の符号4は、溶接部分
を表している。
【0020】前記防食層3を含む前記推進管1の外側周
面に図3で示すように金型5を配置する。この金型5は
図4に示したように全体として円筒形状をしていて、径
方向で2つに割れるようになっており(5a、5b)、
上側の金型5aと下側の金型5bはボルト6とナット7
で緊締できるようになっている。下側の金型5bには後
述する反応液を注入するための注入口8が取り付けら
れ、上側の金型5aには空気孔9が形成されている。金
型5の全長は、図2で示した防食層3の長さよりも長
く、その両端部はそれぞれ、推進管1の管体被覆層を圧
接できるような口径になっており、また、両端部近傍の
型面はいずれも端部高さが小さくなるようなテーパー面
になっている。
【0021】図3に示す通り、継手部2の外側に金型5
を配置すると防食層3を取り囲んだ状態で空隙部10が
形成される。管体に被覆したプラスチック被覆1bや継
手部防食層3の表面を粒度20〜120番程度のサンド
ペーパーを用いて粗面化すると、その上に形成される保
護層との密着性が向上して好適である。なお、状況に応
じては、プライマー処理、熱処理、酸処理などを行って
もよい。
【0022】プライマー処理としては、ポリオレフィン
の塩素化物、ポリオレフィンやエチレン酢酸ビニル共重
合体に不飽和ジカルボン酸等で極性を付与したもの、不
飽和ジカルボン酸のグラフト重合体および不飽和ジカル
ボン酸のグラフト重合体の塩素化物のうち2種以上をブ
レンドした物質等が好適である。これらのプライマー処
理は、通常下地のポリエチレン被覆との密着性を確保す
るために、加熱処理が必要であるが、本発明の場合、保
護層の形成施工時に重合反応により発熱し、プライマー
処理面が加熱されるため、加熱処理が不要である。
【0023】プライマー処理は、刷毛、ローラー等の塗
布手段により管体のプラスチック被覆、継手部防食層の
うち少なくとも1つの表面に膜厚を2〜100μmとす
るように、塗布量20〜1200g/m2で塗布され、
自然乾燥または加熱により強制乾燥される。管体のプラ
スチック被覆へのプライマー処理は、継手部の溶接が行
われるまでの適当な時期に予め行ってもよい。
【0024】この状態で、金型5の注入口8から反応液
を空隙部10に注入する。本発明方法で用いる反応液と
は、ノルボルネン系単量体とメタセシス触媒と活性剤
と、更に必要に応じては後述する任意成分とを含むもの
であって、ノルボルネン系単量体が開環して塊状重合を
起こすものである。上記した各成分を2液以上に分割し
て反応原液を用意しておき、1液の原液のみではノルボ
ルネン系単量体の塊状重合が起こらないようにし、金型
5への注入作業の直前でこれら各反応原液を混合するも
のである。
【0025】この反応液は、反応原液を混合した直後の
粘度が約300cpsと低く非常に流動性に富んでい
る。したがって、反応液を金型5の空隙部10に注入す
るときには、反応液に大きな圧力を加えて注入すること
は不要であり、注入作業の開始とともに、反応液は迅速
に空隙部10の隅々にまで流れ込んでいき、しかも空気
を巻き込むことなく均質な状態で注入される。
【0026】そして、約60℃程度の温度に加熱される
と、急速に、発熱硬化して5分以内の時間で固化する。
この硬化反応の過程は開環重合であるため、分解ガスな
どは発生せず、しかも、圧縮硬度、伸び、曲げ弾性率な
どの機械的な強度特性は硬化反応の初期段階から確実に
発現しはじめ、硬化反応開始後、約10分以内で最終特
性値の50%以上の値にまで到達する。
【0027】ここで、ノルボルネン系単量体としては、
ノルボルネン環を有すものであれば特に限定されるもの
ではないが、例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン
のような二環体;ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシ
クロペンタジエンのような三環体;テトラシクロドデセ
ンのような四環体;トリシクロペンタジエンのような五
環体;テトラシクロペンタジエンのような七環体;これ
らに対し、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどのア
ルキル、ビニルなどのアルケニル、エチリデンなどのア
ルキリデン、フェニル、トリル、ナフチルなどのアリー
ルで置換して成る置換体;更には、エステル基、エーテ
ル基、シアノ基、ハロゲン原子などの極性基を有する置
換体;等をあげることができる。
【0028】これらの単量体は、それぞれ単独で用いて
もよく、また2種以上を適宜に混合して用いてもよい。
これらのうち、入手が容易であり、反応性が優れ、反応
終了後の硬化物の耐熱性が優れているという点で、三環
体、四環体または五環体を好適なものとしてあげること
ができる。このノルボルネン系単量体は開環重合して樹
脂化し、固化していくが、そのときに、生成させる開環
重合体を熱硬化型にすることが好ましい。そのために
は、用いるノルボルネン系単量体のうち、10重量%以
上、好ましくは30重量%以上が架橋可能である単量体
を使用すればよい。この架橋可能な単量体は、反応性2
重結合を1分子内に2個以上有する多環ノルボルネン系
単量体であって、具体的には、ジシクロペンタジエン、
トリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンな
どをあげることができる。
【0029】メタセシス触媒は、上記したノルボルネン
系単量体の開環重合を進めるための触媒であって、その
種類は格別限定されるものではなく複分解してノルボル
ネン系単量体を開環重合させるものであればよく、例え
ば、タングステン、モリブデン、タンタルなどのハロゲ
ン化物、オキシハロゲン化物、酸化物またはアンモニウ
ム塩などをあげることができる。
【0030】このメタセシス触媒の使用量は、用いる反
応液におけるノルボルネン系単量体1モルに対し、通
常、0.01〜50ミリモル、好ましくは、0.1〜2
0ミリモルに設定される。この使用量が少なすぎると、
ノルボルネン系単量体を開環重合させるための活性が低
すぎて開環重合に多大な時間がかかるため、金型内での
硬化が迅速に進行しなくなり、また、使用量が多すぎる
と開環重合が激しく進んでしまい、反応液が金型の空隙
部に注入されている過程で硬化してしまったり、またメ
タセシス触媒が析出して反応液を均質な状態で保存する
ことが困難になる。
【0031】このような反応液には、更に、メタセシス
触媒の触媒活性を高めることができる活性剤が配合され
ている。活性剤としては、メタセシス触媒を活性化でき
るものであれば特に限定されるものではなく、例えば、
アルキルアルミニウム、アルキルアルミニウムハライ
ド、アルコキシアルキルアルミニウムハライド、アリー
ルオキシアルキルアルミニウムハライド、有機すず化合
物などをあげることができる。
【0032】この活性剤の使用量は、格別限定されるも
のではないが、通常、反応液におけるメタセシス触媒1
モルに対し、1〜10モルに設定される。この使用量が
少なすぎたり、また多すぎたりすると、メタセシス触媒
の場合と同じような不都合を生ずるからである。更に、
反応液には、公知の酸化防止剤、充填剤、顔料、着色
剤、発泡剤、難燃化剤、黒鉛のような固体潤滑剤など他
の任意成分が配合されていてもよい。
【0033】また、この反応液に、ポリブタジエン、ス
チレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−
スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共
重合体のようなジエン系エラストマーや、天然ゴム、ポ
リイソプレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリ
マーなどを配合すると、得られた硬化物の耐衝撃性が向
上するので好適である。上記ジエン系エラストマーを配
合する場合、その配合量は、反応液におけるノルボルネ
ン系単量体の重量に対し、15重量%以下、好ましくは
10重量%以下に設定される。配合量が多くなりすぎる
と、反応液は高粘性になって金型内への注入が困難にな
るとともに、硬化物の耐熱性や剛性の低下が起こりはじ
めるからである。上記したような成分から成る反応液
は、前記したように、1液のみではノルボルネン系単量
体の開環重合反応が起こらないように、2液以上に分割
した状態で反応原液を調製しておき、金型への注入作業
の直前で混合されるものであって、そのときはじめてノ
ルボルネン系単量体の開環重合反応が起こって硬化反応
が進行する。
【0034】例えば、ノルボルネン系単量体とメタセシ
ス触媒と他の任意成分とから成る反応原液A、またノル
ボルネン系単量体と活性剤と他の任意成分とから成る反
応原液Bは、それぞれは単独で硬化反応を起こすことは
ない。しかし、反応原液Aと反応原液Bを混合すると、
そのときには、開環重合反応に必要な成分、すなわち、
ノルボルネン系単量体、メタセシス触媒および活性剤の
全てがそろっている反応液になり、ノルボルネン系単量
体の開環重合反応が開始する。本発明においては、反応
原液を混合して反応液とし、これを直ちに金型の空隙部
に注入して硬化させる。
【0035】このような反応液の金型への注入は、通
常、図3および図4に示す金型5の注入口8に、図示し
ない反応射出成形機のミキシング・ヘッドを装着し、こ
のミキシング・ヘッド内に前記した2種以上の反応原液
を同時に射出することにより衝突混合させて反応液を調
製し、そのまま金型5の空隙部10へと注入する。本発
明方法は、施工現場で適用されるので、その作業性の面
を考慮すると、2種類の反応原液を用いて反応液を調製
する方法が好ましいが、3種類以上の反応原液を用いて
反応液を調製してもよい。
【0036】なお、この場合、反応原液を混合したのち
にノルボルネン系単量体と各成分が互いに充分混合して
開環重合が進行するために、混合前の各反応原液には、
いずれも、ノルボルネン系単量体を含有させておくこと
が好ましい。しかし、混合前の反応原液に、ノルボルネ
ン系単量体、メタセシス触媒および活性剤の3者を含有
させておくと、混合前にノルボルネン系単量体の開環重
合が開始するので、通常は、メタセシス触媒と活性剤を
1つの反応原液に共存させることはしない。
【0037】用いる反応原液の粘度は格別限定されるも
のではないが、粘度が高すぎても低すぎても、反応原液
間の混合や金型内への注入作業が困難になるので、その
粘度は、通常50〜2000cps、好ましくは100
〜1000cpsの範囲内に設定される。図3で示した
金型5の空隙部10に、上記した反応原液を混合して成
る反応液を注入すると、空隙部10で、ノルボルネン系
単量体の開環重合反応が進行し、注入された反応液は硬
化物になる。
【0038】なお、金型5の外面または内面に図示しな
い面状発熱体を取りつけたり、また金型5の肉厚部に図
示しない発熱体を埋め込み、反応液の注入に先立ち、こ
れら面状発熱体で金型5の内面を例えば60℃の温度に
予熱しておくと、注入された反応液は、金型5と接触し
た部分から硬化反応を進めて発熱し、そのときの発熱も
加わって注入反応液は内部にまで急速に硬化していくこ
とができるので好適である。
【0039】金型5内での反応液の硬化反応が終了した
時点で、金型5を取り外すと、図5で示したように、継
手部防食層3とプラスチック被覆1bを被覆し、また両
端部の外面には金型5のテーパ面が転写した形状のテー
パ面11を有する保護層12が形成される。この保護層
12は高硬度であり、推進時の損耗は少ない。また、こ
の保護層12は反応液を金型5に注入するだけで形成さ
れ、しかも作業開始後、わずか5分以内で形成されるの
で、現場作業にとっては非常に好適なものである。
【0040】推進時の土質に非常にレキが多く、保護層
12に対してより高い耐損傷性が要求される場合には、
耐損傷性をさらに向上させるために、図6に示すよう
に、管体防食被覆1bの端部に被覆膜厚を小さくした段
差13を設け、保護層12の凸部高さを小さくし、推進
時の摩擦抵抗を小さくし、保護層12の損傷を小さく
し、保護層12の端部からのめくれを防止することも可
能である。管体防食被覆の段差加工処理は、処理後の残
存する管体被覆層の膜厚が、防食性能上問題の生じない
膜厚、すなわち1〜10mmとすればよい。例えば、元
膜厚が6mmのものから、研削機械、工具等により、残
存膜厚が4mmとなるように2mm削り込む処理を行
う。管体被覆端部の段差加工処理を行う長さは、一方の
管体の段差位置から他方の管体の段差位置までの長さが
保護層を形成させる長さに相当する長さとする。
【0041】また、段差加工を施す位置は、図6に示す
ように、管体防食被覆の端部位置から防食層端部までの
長さと防食層端部から段差までの長さがほぼ等しく
なる位置に段差を設けることが好ましく、防食層端部か
ら100mm以内の場所が好適である。
【0042】
【実施例】以下、本発明について、実施例を通じてさら
に詳述する。 (実施例1)図7(a)は、実施例1を示したものであ
り、ポリエチレン被覆1bで被覆された推進管1の継手
部2の断面拡大図であり以下に示すように保護層を形成
した。
【0043】厚み6mmのポリエチレン被覆1bで被覆
されている外径165mmの鋼管1aの管端を突き合わ
せ溶接した。この溶接部4近傍の鋼管1aとポリエチレ
ン被覆1bに厚さ2mmのポリエチレンからなる熱収縮
チューブをバーナーにより加熱収縮させ、防食層3を形
成した。
【0044】一方、ジシクロペンタジエン75重量部と
非対称型シクロペンタジエン三量体25重量部を混合
し、ここにスチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体(商品名、クレイトン1170、シエル社製)5
重量部、およびフェノール系酸化防止剤(商品名、イル
ガノックス1010、チバガイギー社製)2重量部を溶
解し、得られた溶液を2つの液に分割し、一方の液に
は、1リットル当り、ジエチルアルミニウムクロリド
(活性剤)40ミリモル、n−プロパノール44ミリモ
ル、四塩化ケイ素20ミリモルを配合して反応原液Aを
調製し、他方の液には、1リットル当り、トリ(トリデ
シル)アンモニウムモリブデート(メタセシス触媒)1
0ミリモルを配合して反応原液Bを調製した。反応原液
A,Bはいずれも温度30℃で待機させた。
【0045】ポリエチレン被覆1bの表面を粒度80番
程度のサンドペーパで粗面化したのち、継手部2の外側
に、両端部の口径が181mm、中央部の内径が187
mm、型内面の全長が630mmで、型面直下の肉厚部
に面状発熱体が埋設されている2つ割り構造の金型5を
配置した(図3を参照)。
【0046】したがって、金型5内の空隙部10の厚み
は、例えば、継手部防食層3との間で約9mmになる。
ついで、金型5の内面の温度を60℃に調整し、前記し
た反応原液Aと反応原液Bの同容量を反応射出成形機を
用いて混合して反応液とし、それをただちに、金型5の
注入口8から空隙部10に注入した。
【0047】注入された反応液は温度60℃の金型内面
と接触した部分でまず硬化反応が始まり、そのときの発
熱で内部の硬化反応が急激に誘発され、最終的には5分
程度で硬化反応を終了して固化する。反応液注入後10
分経過してから金型を取り外した。継手部の外側に、図
5で示したような保護層12が形成された。このように
して、実施例1の試験材を作製した。
【0048】この保護層12につき、JISK7215
に準拠してショア硬度(TYPE−D)を測定した。値
は80であった。この硬度は、推進時の損耗に充分耐え
られる値である。また、この保護層の曲げ弾性率を測定
したところ、その値は17000〜19000kg/c
2の間にあり、推進時において充分に耐えられる値で
ある。
【0049】また、管体被覆層1bの表面温度は初期の
段階(反応開始約2分後)で140℃程度の温度まで上
昇するので、被覆層のポリエチレンの軟化点よりも充分
に高い温度になっている。したがって、形成された保護
層と被覆層とは熱融着し、粗面化処理の効果とも相俟っ
て、両層の間には非常に優れた耐剥離性と耐引き裂き性
が発現することになり、推進工事にとって好適である。 (実施例2)管体被覆にプライマー処理として、中国製
塗料サーモタックE300をハケ塗りにて、塗布量を1
75g/m2、乾燥膜厚を約15μmとなるように塗布
した。その他は、(実施例1)と同様な方法で(実施例
2)の試験材を作製した(図示しない。)。 (実施例3)実施例3では、管体被覆端部より165m
mの長さまでの部分をグラインダーにて管体被覆を研削
し段差加工した。段差の深さは2mmである。金型5の
内面に厚さ2mmのゴム板を貼って空隙寸法を小さくし
て使用した。保護層の管体皮覆から凸となる高さは、実
施例1では5mmであるのに対して、実施例3では3m
mである(図7(b)参照)。その他は、実施例1と同
様な方法で実施例3の試験材を作製した。
【0050】このように、本発明では、短時間で高硬度
の保護層を継手部に形成することが可能であり、推進工
事における新規な、継手部の保護処理として有用であ
る。
【0051】次に、比較のため同様の管体にポリエチレ
ン熱収縮チューブにより防食層を形成した後、エポキシ
樹脂(商品名、エピコート801、エピキュア322
0、油化シェル社製)にガラス繊維を混入したものを膜
厚5mmとなるように被覆して保護層を形成し、比較材
を作製した。
【0052】上記実施例および比較例の試験材につい
て、次のような耐久性試験を行った。すなわち、図8に
示すように、継手部2を有する試験材20の一方に油圧
シリンダ21を取り付け、試験材20を土槽22中にセ
ットして固定したのち、土槽内にレキを60%程度含む
土壌23を隙間のないように試験材20の周辺に充填し
た。
【0053】ついで、土槽22の上部からジャッキ24
で約2kgf/cm2の圧力を印加し、その状態で油圧
シリンダ21を作動して、試験材20を約36cm/m
inの速度で推進長さ200mに相当する長さを摺動さ
せた。試験後、試験材20を取出し、外観観測を行い、
絶縁抵抗を測定した。その結果を表1に示す。また、土
槽22内にレキを80%以上含む土壌23を充填して同
様の試験を行い、その結果も表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1に示すように、レキを60%程度含む
土壌では実施例1、2及び3の試験材は試験後も保護層
外面に傷は無く、保護層端部のめくれも無く、強固に管
体皮覆に付着しており、絶縁抵抗も試験前と変化無く、
100万Ω以上の値を維持していることが確認でき、レ
キを含む土壌の推進工事において優れた耐久性を有する
保護層であることを確認した。
【0056】一方、ガラス繊維を含むエポキシ樹脂から
なる保護層を形成した比較例では、保護層の表面に無数
の傷が生じ鋼面に達する傷もあり、絶縁抵抗は測定不能
であった。また、保護層端部にめくれが生じており、レ
キを含む土壌を推進する管の保護層として性能が不十分
であることが明らかになった。
【0057】また、レキを80%以上含むレキの非常に
多い土壌での試験では、実施例3の試験材が傷が無く、
保護層端部のめくれも無く、絶縁抵抗の変化も無く、管
体被覆端部に段差を設け、保護層の凸になっている寸法
を小さくすることにより、より好ましい優れた耐久性能
を発揮することが確認できた。
【0058】上述してきた推進管の保護方法は、本発明
の方法の一例であり、本発明はこれに限定されるもので
はなく、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と
実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するも
のはいかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含
される。
【0059】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
おいては、推進管の継手部に形成する保護層として、ノ
ルボルネン単量体、メタセシス触媒、および活性剤を含
む反応液を用いているので、保護層の形成に要する時間
は短時間で、保護層は高硬度で高耐損傷性を有してい
る。すなわち、本発明方法は、推進工事における現地継
手部の保護に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】推進管継手部の断面図である。
【図2】推進管継手部の拡大断面図である。
【図3】推進管の外側周面に金型を配置した時の一部断
面視した正面図である。
【図4】金型の正面図である。
【図5】本発明の方法により、保護層を形成したときの
推進管継手部の拡大断面図である。
【図6】本発明の方法により、保護層を形成したときの
推進管継手部の拡大断面図である(段差あり)。
【図7】本発明の実施例および比較例の推進管継手部の
拡大断面図である。
【図8】本発明の方法により形成した実施例において、
保護層の耐久性を試験する方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1…推進管、 1a…鋼管、 1b…プラスチック被覆、 2…継手部、 3…防食層、 4…溶接部分、 5…金型、 5a…上側の金型、 5b…下側の金型、 6…ボルト、 7…ナット、 8…注入口、 9…空気孔、 10…空隙部、 11…テーパー面、 12…保護層、 13…段差、 14…シュリングチューブ、 20…試験材、 21…油圧シリンダ、 22…土槽、 23…土壌、 24…ジャッキ。
フロントページの続き (72)発明者 池田 新太郎 神奈川県横浜市鶴見区小野町88番地 日本 鋼管工事株式会社内 (72)発明者 福里 亨 神奈川県横浜市鶴見区小野町88番地 日本 鋼管工事株式会社内 (72)発明者 岡野 嘉宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 2D054 AC18 AD28 3H024 EA02 EA04 EC04 EC07 ED04 ED07 EE02 EF09 EF15 EF19 4D075 CA33 DA14 DA20 DB02 DC05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 推進管の現地継手部に防食材料による防
    食層を形成する防食層形成工程と、 前記防食層を被包して金型を配置し、前記防食層を含む
    前記推進管の外側周面と、前記金型とが形成する空隙部
    に、ノルボルネン単量体、メタセシス触媒、および活性
    剤を含む反応液を注入する反応液注入工程と、 前記反応液を硬化して、前記外側周面を被覆する保護層
    を形成する保護層形成工程と、 を有することを特徴とする推進管の保護方法。
  2. 【請求項2】 前記推進管が、その管体の被覆端部に段
    差を設けられている推進管であることを特徴とする請求
    項1に記載する推進管の保護方法。
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