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JP2001026293A - 粉粒体運搬船及びスライド式接続ダクト - Google Patents

粉粒体運搬船及びスライド式接続ダクト

Info

Publication number
JP2001026293A
JP2001026293A JP11201046A JP20104699A JP2001026293A JP 2001026293 A JP2001026293 A JP 2001026293A JP 11201046 A JP11201046 A JP 11201046A JP 20104699 A JP20104699 A JP 20104699A JP 2001026293 A JP2001026293 A JP 2001026293A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hold
duct
granular material
groove
separator
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11201046A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Chikaishi
康司 近石
Toru Sato
徹 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Hakko Co Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Hakko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd, Hakko Co Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP11201046A priority Critical patent/JP2001026293A/ja
Publication of JP2001026293A publication Critical patent/JP2001026293A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全く新たな粉粒体運搬船及びスライド式接続
ダクトを提供する。 【解決手段】 船倉(20)底上を移動自在に粉粒体(F) を
掻き寄せる粉粒体掻寄機(42)と、粉粒体掻寄機(42)で掻
き寄せた粉粒体(F) の近傍で開口するように粉粒体掻寄
機(42)と一体的に設けた第1吸引口(431) を備え、掻き
寄せた粉粒体(F)を空気(A) と共に粉粒体空気混合体(F
A)として第1吸引口(431) から船倉(20)外へ吸引する第
1ダクト(43)と、第1ダクト(43)から粉粒体空気混合体
(FA)を受けて粉粒体(F) と空気(A) とに分離する分離機
(47)と、分離機(47)から粉粒体(F)を受けて一旦貯留自
在とすると共に、貯留した粉粒体(F) を圧縮空気(Ap)に
よって船外へ送出自在とするタンク(49)とを有する荷役
装置(40)を備える粉粒体運搬船。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に粉粒体運搬船
に関する。
【0002】
【従来の技術】粉粒体運搬船は、屋根付き船倉を備え、
船倉内に船外から粉粒体を荷積み自在に、かつ荷積みし
た船倉内の粉粒体を船倉底で掻き寄せ船外へ荷卸し自在
とする荷役装置を備える。粉粒体には鉱石、石炭等の微
粉の幾らかに見られるように爆発性を有するもの、石
灰、フライアッシュ、セメント等のように雨、雪によっ
て固化するものがある。また、粉粒体は総じて船外の大
気、海中へ漏出し、投棄されて公害化する。そこで船倉
は船外との気密性を確保すべく屋根付きである。具体的
には次の通り。
【0003】従来の粉粒体運搬船例を図8に示す。荷役
装置は荷積装置と荷卸装置とを備える。荷積装置は、船
倉20上方に船首側から船尾側にかけて架設した散布管
61を備える(尚、屋根は省略)。散布管61は下壁に
散布孔62を複数備える。そこで荷積作業は、散布管6
1上部に備けたホッパ63に投入した粉粒体Fを、各散
布孔62から船倉20内に散布して行う。荷卸装置は、
テーパ底の船倉20の最低部に船首側から船尾側にかけ
て備けた溝71と、溝71内の船底80上に備けたコン
ベア72と、コンベア72の船首側先端部の近傍から船
倉20壁に沿って立設したバケット式等のエキスカベー
タ73と、エキスカベータ73から粉粒体Fを受けて一
旦貯留自在とすると共に、貯留した粉粒体Fを圧縮空気
Apによってダクト74を経て船外へ送出自在とするタ
ンク75とを備える。そこで荷卸作業は、コンベア72
上に直接落下した、及びテーパ底面上を滑って落下した
粉粒体Fをコンベア72によって船首側先端部まで運
び、エキスカベータ73で揚上し、タンク75内に貯留
し、そしてタンク75の粉粒体投入口を閉め、かつタン
ク75をダクト74に連通させたのち、タンク75内に
圧縮空気Apを与えて粉粒体Fをダクト74から船外へ
送出して行う。
【0004】尚、コンベア72上への上記自然落下を強
制落下とし、これにより粉粒体Fの集荷効果を高めた粉
粒体運搬船が特開平6−191475号公報に開示され
ている。これは、図9に示すように、平底21の船倉2
0底中央に船首側から船尾側にかけて溝71を設け、溝
71上方に山形屋根22を設け、溝71と山形屋根22
との間で溝71に沿って移動自在に、かつ平底21上で
回転自在にされて船倉20内の粉粒体を掻き寄せる回転
ホイール23(詳細不記載)を設けてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで近時、粉粒体
運搬船には次のような改良が要請され、また、要請が予
想される。
【0006】(1)従来の荷卸装置は、上記の通り、船
倉20底にコンベア72、エキスカベータ73、回転ホ
イール23等の固定装置を備える。従って、これらの上
に荷積みした粉粒体Fによってこれらが故障し易い。ま
た、荷積状態で故障すると、粉粒体下部に位置するこれ
らの点検修理が困難である。そこで船倉20を浅くし、
船底80との間を作業者が通れる程の空間とし点検修理
を容易にしている。ところがこのようにすると、船倉2
0が小さくなり不経済である。他方、エキスカベータ7
3は機械式であるから船倉20外で荷こぼれが生じ、船
内環境を悪くする。即ち粉粒体Fの特性を活かして故障
し難く、環境を悪くせず、粉粒体Fを高効率、かつ経済
的に荷卸しできる荷卸装置が要請されている。
【0007】(2)従来の荷役装置は、上記の通り、荷
積装置と荷卸装置とが互いに独立している。このため両
装置に対する制御及び管理が個別化し不経済であるとの
指摘がある。即ち両装置を一体化した荷役装置が要請さ
れる。
【0008】(3)従来の粉粒体運搬船では総じて荷積
作業よりも荷卸作業の方が効率が悪い。荷積作業が単な
る船倉20内への粉粒体散布だけで済むのに対し、荷卸
作業では船倉20内に粉粒体Fができるだけ残らないよ
うに荷卸しするためである。そこで外航船などの大形粉
粒体運搬船では、集荷のほぼ完了時点でトリミングドー
ザ(粉粒体掻寄専用のブルドーザ)を船倉20内に下ろ
して完全集荷を図っている。また、小形、中形の内航船
では、上記従来のように、船倉20底をテーパ底とした
り、山形屋根22及び回転ホイール23を備けている。
ところがこれでは上記(1)の問題が生ずることとな
る。即ち残留粉粒体の少ない荷卸装置が要請される。
【0009】(4)従来の粉粒体運搬船は、上記の通
り、船倉20底部にコンベア72を備える。また、船倉
20底がテーパ底のものもある。また、たとえ船倉20
底が平底2でも山形屋根22と回転ホイール23とを備
える。また、粉粒体Fを保護し、かつ船倉20外から密
閉する屋根(不図示)を備える。従って、鉱石、石炭、
砂利等のばら物をばら積みすると、コンベア72、山形
屋根22、回転ホイール23が破損する。また、コンテ
ナ、各種設備機械等を荷積みしようにも、屋根が邪魔し
て荷積みできない。仮に荷積みしても、テーパ底では積
荷が傾いたり、また、滑って安定しない。平底21では
傾かず、かつ滑り難いものの山形屋根22や回転ホイー
ル23を避けるように積荷を配置しなければならず、荷
役作業の効率は勿論のこと、場積効率が低下し、また危
険すら伴う。即ち従来の粉粒体運搬船は粉粒体運搬専用
船であって、往路に粉粒体Fを運搬しても帰路は空荷航
行となる。従って、往路に粉粒体Fを運搬し、帰路にば
ら物、コンテナ、各種設備機械等を安全に、かつ安定し
て運搬できる粉粒体運搬船が要請される。
【0010】本願発明は、上記要請の少なくとも一つを
織り込み改良された、又は全く新たな粉粒体運搬船の提
供を第1課題とする。また、この改良された、又は全く
新たな粉粒体運搬船において使用し、かつ粉粒体運搬船
以外の各種設備に対しても独立して使用可能な全く新た
な要素(例えば、ダクト)を抽出し、かつこの提供を第
2課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記第1課
題を達成するため、本発明に係わる第1構成の粉粒体運
搬船は、屋根付き船倉を備え、船倉内に船外から粉粒体
を荷積み自在に、かつ荷積みした船倉内の粉粒体を船倉
底で掻き寄せ船外へ荷卸し自在とする荷役装置を備える
粉粒体運搬船において、荷役装置は、船倉底上を移動自
在に粉粒体を掻き寄せる粉粒体掻寄機と、粉粒体掻寄機
で掻き寄せた粉粒体の近傍で開口するように粉粒体掻寄
機と一体的に設けた第1吸引口を備え、掻き寄せた粉粒
体を空気と共に粉粒体空気混合体として第1吸引口から
船倉外へ吸引する第1ダクトと、第1ダクトから粉粒体
空気混合体を受けて粉粒体と空気とに分離する分離機
と、分離機から粉粒体を受けて一旦貯留自在とすると共
に、貯留した粉粒体を圧縮空気によって船外へ送出自在
とするタンクとを有することを特徴としている。
【0012】上記第1構成の粉粒体運搬船によれば、粉
粒体掻寄機が船倉底上を移動して粉粒体を掻き寄せる。
掻き寄せた粉粒体は空気と共に第1ダクトを経て分離機
に吸引され、ここで粉粒体と空気とに分離されている。
タンクは分離機から粉粒体を受けて一旦貯留自在とする
と共に、貯留した粉粒体を圧縮空気によって船外へ送出
自在とする。即ち次のような効果を奏する。 (1)船倉に従来のコンベア72、エキスカベータ7
3、回転ホイール23等の固定装置がないので、これら
の破損は当然になく、かつ船倉を深くできる。船底を船
倉底にもできる。即ち荷積容量が増大し、船体構造も簡
素化し、経済上有益である。尚、粉粒体掻寄機は船倉底
上を移動自在である。また粉粒体掻寄機には第1ダクト
の第1吸引口部位を固設してある。従って、第1ダクト
及び粉粒体掻寄機は粉粒体から退避でき、損傷も故障も
生じ難い。 (2)荷卸作業は船倉から船外まで吸引と圧縮空気との
順で行われる。即ち圧縮空気と粉粒体とが流れる部位だ
けを漏れ防止すればよい。そして空圧技術では漏れ防止
は基礎技術であり取り立てて問題なく、従って粉粒体F
の荷こぼれによる船内環境の悪化は全く考慮外としてよ
い。即ちクリーンな荷卸作業を行える。 (3)荷卸作業は船倉から船外まで吸引と圧縮空気との
順で行っている。即ちいずれも空圧技術であるため自動
化が容易であり、一気に、そして船倉内に粉粒体を余す
ことなく荷卸作業することが容易となる。即ち荷卸作業
を高速で行え、従来のトリミングドーザを不要とするこ
とができる。
【0013】第2構成の粉粒体運搬船は、上記第1構成
の粉粒体運搬船において、分離機は、第1ダクトから粉
粒体空気混合体を受けて粉粒体と粉粒体を微量含む微量
粉粒体空気混合体とに分離するサイクロン式分離機と、
サイクロン式分離機から微量粉粒体空気混合体の一部を
受けて粉粒体と空気とに分離して空気を船外に開放する
濾過式分離機とを備え、他方、船倉は、サイクロン式分
離機と濾過式分離機との接続間から延設された第2ダク
トに接続され、サイクロン式分離機から残りの微量粉粒
体空気混合体を戻され自在とされていることを特徴とし
ている。
【0014】上記第2構成の粉粒体運搬船によれば、第
1ダクトからの粉粒体空気混合体は先ずサイクロン式分
離機で粉粒体と微量粉粒体空気混合体とに分離される。
粉粒体は落下してタンクに貯留されるが、微量粉粒体空
気混合体は、その一部が濾過式分離機に流入して粉粒体
と空気とに分離される。粉粒体は落下してタンクに貯留
自在とされ、空気は船外の大気に開放される。尚、微量
粉粒体空気混合体の残りは第2ダクトを経て船倉に戻さ
れている。即ち次のような効果を奏する。 (1)濾過式分離機は濾過式であるから、ここから開放
される空気に粉粒体は含まれないと見做してよい。即ち
船外で公害化しない。 (2)但し濾過式分離機には目詰まりと言う大きな問題
がある。特に粉粒体運搬船は扱う粉粒体が多量であるか
ら、濾過式分離機の早期目詰まりは由々しき問題であ
り、分離機を濾過式分離機だけで構成するのでは濾過式
分離機が大形化する。また大形化しても保守点検を繰り
返し行う必要があり、作業効率上、また、経済上の不利
益が大きい。ところが本構成は先ずサイクロン式分離機
によって粉粒体を粉粒体空気混合体から分離する。この
サイクロン式分離機は単旋回式だけの単純構成でも約5
0%程度分離でき、複旋回式だけの構成でも80%以上
分離でき、これらの組み合わせならば95%以上分離で
き、しかも目詰まり問題は構成上全く発生しない。ま
た、保守点検も基本的には不要である(いわゆる「丈夫
で長持ち」する)。但しサイクロン式分離機は濾過式分
離機と比べれば、粉粒体分離後の空気に未だ多量の粉粒
体を含む(これを本構成では「微量粉粒体空気混合体」
としている)。かかる微量粉粒体空気混合体を船外にそ
のまま開放すると、直ちに公害化する。そこで本構成で
はサイクロン式分離機の下流側に濾過式分離機を設けて
いる。ところがそれでも、上記の通り粉粒体運搬船の扱
う粉粒体が多量であるから、濾過式分離機が早期目詰ま
りする。目詰まりすれば、濾過式分離機自体の分離効率
の低下だけでなく、作業全体が停止する事態が生ずる。
そこで微量粉粒体空気混合体の一部だけを濾過式分離機
に流し、残りを第2ダクトから船倉に戻している。即ち
「還流分離」を達成可能としている。尚、還流分離にお
いて全量戻すと、船倉の内圧が粉粒体の減少分しか低下
せず、このため、戻り風によって粉粒体が船倉内で舞い
上がる。そして舞い上がった粉粒体が船倉と屋根(即ち
天井)との隙間等から船外へ漏出し、公害化する。とこ
ろが本構成では船倉内の吸気空気Aの一部を濾過式分離
機から船外に開放するためその分、船倉の内圧が低下す
る。従って、船倉内への戻り風によって粉粒体が舞い上
がっても、これら舞い上がった粉粒体が天井との隙間等
から船外へ漏出して公害化することがない。
【0015】第3構成の粉粒体運搬船は、上記第1又は
第2構成の粉粒体運搬船において、第1ダクトは、下流
側ダクトと、上流側ダクトとを有し、下流側ダクトは、
船倉の上縁に沿って船首側から船尾側にかけて固設した
溝と、溝の上面開口を塞ぐように溝上に延設した一枚の
可撓帯とを備えて船倉外へと導出され、他方、上流側ダ
クトは、粉粒体掻寄機で掻き寄せた粉粒体の近傍で開口
するように粉粒体掻寄機と一体的に設けた第1吸引口を
先端部に備えると共に後端部の下面に下面開口を備え、
かつこの下面開口が溝の上面開口に常時合致するように
溝と可撓帯との間に後端部を挿入され、かつこの挿入に
よって持ち上がる可撓帯と溝との隙間を塞ぐ部材を後端
部に備え、これにより下面開口が溝の上面開口に連通し
つつ、溝上をその長手方向へスライド自在に下流側ダク
トに対して接続されていることを特徴としている。
【0016】上記第3構成の粉粒体運搬船は第1ダクト
の特定である。即ち第1ダクトは、上記第1構成に記載
の通り、「粉粒体掻寄機で掻き寄せた粉粒体の近傍で開
口するように粉粒体掻寄機と一体的に設けた第1吸引口
を備え、掻き寄せた粉粒体を空気と共に粉粒体空気混合
体として第1吸引口から船倉外へ吸引する」ものであ
る。しかもこの第1ダクトは粉粒体掻寄機と共に第1吸
引口が移動するものでもある。ここで粉粒体掻寄機の移
動距離の最大は略船倉長さとなり大形の粉粒体運搬船で
は数十m以上となる。従って第1ダクトもまたこれに応
じて長大なものとなり、また、多量の粉粒体空気混合体
が流れることからその内径も太いものとなる。かかる第
1ダクトを単純に折り曲げ自在に備えることは経済上、
技術上困難であり、それなりに最適なものを準備する必
要がある。即ち第1ダクトは、本第3構成に記載の通
り、粉粒体運搬船に対し経済上、技術上で過不足なく構
成されている。作用的には上流側ダクトは下流側ダクト
上をスライド自在に接続されているから、粉粒体掻寄機
の移動に追従してスライド移動し、もって第1吸引口か
らの粉粒体空気混合体を船倉外へ吸引する。
【0017】第4構成の粉粒体運搬船は、上記第1、第
2又は第3構成の粉粒体運搬船において、タンクはさら
に、船外から粉粒体を受け入れ自在とされて一旦貯留自
在とすると共に、貯留した粉粒体を圧縮空気によって船
倉上部から船倉内に散布する第3ダクトに接続自在とさ
れ、第1ダクトはさらに、船倉上部で開口する第2吸引
口と、第2吸引口を閉じると共に第1吸引口を船倉外へ
連通させる第1位置と第1吸引口を閉じると共に第2吸
引口を船倉外へ連通させる第2位置とを有してこれら第
1、第2位置間で切換え自在とされた三方弁式のシャッ
タとを備えたことを特徴としている。
【0018】上記第4構成の粉粒体運搬船によれば、タ
ンクは分離機からでも、船外からでも粉粒体を受けて一
旦貯留自在とされている。即ちタンクは分離機からの粉
粒体に対しては第1、第2又は第3構成での荷卸装置と
なるが、船外から粉粒体に対しては荷積装置として使用
できることになる。但しタンク構成だけでは荷積装置と
ならないために、タンクは圧縮空気によって船倉上部か
ら船倉内に粉粒体を散布する第3ダクトに接続自在とさ
れている。尚、かかる構成で粉粒体を散布すると、密閉
された船倉の内圧が高くなり、天井との隙間から船外へ
と散布中の粉粒体が大漏出し公害化する。そこで三方弁
式のシャッタを第1ダクトに設けてある。即ち荷卸作業
では三方弁式のシャッタを第1位置にし、他方、荷積作
業では第2位置に切換える。第1位置では上記第1、第
2又は第3構成に対して説明した作用効果が生ずる。他
方、第2位置では、第1ダクトは吸引するのであるか
ら、船倉上部の空気を第2吸引口から吸引する。従って
荷積作業での散布中でも、第1ダクトの吸引によって密
閉された船倉の内圧が低くなり、天井との隙間から船外
へと粉粒体が漏出することがなく船外での公害化はな
い。尚、散布量と圧縮空気との単位時間当たりの総量を
第1ダクトからの単位時間当たり吸気量よりも少なくす
る必要があることは説明を要さない。即ち次のような効
果を奏する。尚、三方弁式のシャッタとしたのは、三方
弁式シャッタではいわゆる一つの三方弁と誤解されるか
らである。要するに、第1、第2吸引口へのそれぞれに
シャッタを設け、かつこれら2つのシャッタを第1、第
2位置となるように同期切換えする方式もこの三方弁式
のシャッタに含まれる。即ち次のような効果を奏する。 (1)本構成によれば、荷役装置が荷積装置と荷卸装置
とで一体化している。従って、両装置に対する制御、管
理を一本化でき、経済上の利益が極めて大きい。尚、港
湾に常設の粉粒体運搬船への粉粒体用荷役設備は荷積設
備と荷卸設備とが互いに独立している。本構成はかかる
荷役設備との間で粉粒体Fを授受できるが、これら荷積
設備と荷卸設備を本構成の荷役装置の一体化に伴い一体
化した荷役設備とすることもできる。即ち港湾での両装
置に対する場積問題の解決、制御、管理の一本化等、そ
の二次効果も大きい。 (2)本構成によれば、荷役装置が荷積装置と荷卸装置
とを一体化し、しかも荷積作業は圧縮空気で行い、荷卸
作業は吸引と圧縮空気とで行う。従って、両作業を同効
率で行うこともでき、従来のように荷積作業よりも荷卸
作業の方が作業効率が悪い等と言うアンバランス作業を
解消できる。
【0019】第5構成の粉粒体運搬船は、上記第1、第
2、第3又は第4構成の粉粒体運搬船において、屋根は
開閉自在とされていることを特徴としている。
【0020】屋根が開閉自在であろうとなかろうと、こ
の程度のことは普通は問題にならない。ところが粉粒体
運搬船では事情が全く異なる。即ち前記した通り、粉粒
体には鉱石、石炭等の微粉の幾らかに見られるように爆
発性を有するもの、石灰、フライアッシュ、セメント等
のように雨、雪によって固化するものがある。また、粉
粒体は総じて船外の大気、海中へ漏出、投棄されて公害
化する。そこで船倉は船外との気密性を確保すべく屋根
付きとされている。そして従来の粉粒体運搬船は、船倉
20底部にコンベア72を備える。また、船倉20底が
テーパ底のものもある。また、たとえ船倉20底が平底
2でも山形屋根22と回転ホイール23とを備える。ま
た、粉粒体Fを保護し、かつ船倉20外から密閉する屋
根(不図示)を備える。従って、鉱石、石炭、砂利等の
ばら物をばら積みすると、コンベア72、山形屋根2
2、回転ホイール23が破損する。また、コンテナ、各
種設備機械等を荷積みしようにも、屋根が邪魔して荷積
みできない。仮に荷積みしても、テーパ底では積荷が傾
いたり、また、滑って安定しない。平底21では傾か
ず、かつ滑り難いものの山形屋根22や回転ホイール2
3を避けるように積荷を設置しなければならず、荷役作
業の効率は勿論のこと、場積効率が低くなり、危険すら
伴う。即ち従来の粉粒体運搬船は粉粒体運搬専用船であ
って、往路に粉粒体Fを運搬しても、帰路は空荷航行と
なる。ところが本構成は、上記第1、第2、第3又は第
4構成の粉粒体運搬船において、屋根が開閉自在とされ
ている。即ち次のような効果を奏する。 (1)船倉に従来のコンベア72、エキスカベータ7
3、回転ホイール23等の固定装置がないので、これら
の破損は当然にない。従って、移動自在の粉粒体掻寄機
を船倉壁近傍に退避させて屋根を開けば、鉱石、石炭、
砂利等のばら物のばら積も、コンテナ、各種設備機械等
を荷積みも何ら支障なく行え、また粉粒体掻寄機が損傷
することもない。航海中は屋根を閉じておけば、風雪、
風雨を凌ぐことができる。 (2)即ち往路に粉粒体を運搬し、帰路にはばら物、コ
ンテナ、各種設備機械等を安全に、かつ安定して運搬で
きる粉粒体運搬船となる。つまり従来のように、帰路が
空荷航行となる不経済から解放される。
【0021】第6構成はスライド式接続ダクトであり、
これは上記第2課題の達成例である。即ち上記第3構成
の粉粒体運搬船において使用した第1ダクト43は、粉
粒体運搬船以外の各種設備に対しても独立して使用自在
である。尚、上記第3構成の粉粒体運搬船において使用
した第1ダクト43は「上流側ダクト(43b) の後端部が
下流側ダクト(43a) に接続される」が、ダクトの機能
上、後端部に限定する必要はなく、従って、この第6構
成は「所定部位」とし限定してない。また両ダクトを
「上流」と「下流」とに限定する必要もなく、従って限
定していない。即ち第6構成は上記第3構成の粉粒体運
搬船において使用した第1ダクト43の上位概念となっ
ている。
【0022】
【発明の実施の形態及び実施例】図1〜図7を参照し実
施例を説明する。図1は実施例なる粉粒体運搬船を示
し、(a)は一部断面側面図、(b)は(a)のA−A
断面正面図、(c)は一部断面平面図である。尚、
(a)では屋根10等を省略し、(b)ではブリッジ等
を省略してある。本実施例は各種粉粒体Fの運搬を主と
し、さらに各種ばら物、コンテナ、各種設備機械等を運
搬できる内航船となっている。以下では粉粒体Fとし
て、フライアッシュ(真比重2.0〜2.2、みかけ比
重(地山状態)0.8〜1.0)を例示して説明する。
尚、フライアッシュは、知られる通り、火力発電所等の
微粉炭燃焼ボイラーから採取した灰であり、セメント原
料、セメント混和材とされる。本実施例はこのフライア
ッシュFを採取地近傍の第1港からセメントプラント近
傍の第2港まで海上運搬し、第2港から第1港まで各種
ばら物、コンテナ、各種設備機械等を運搬する。
【0023】図1に示す通り、実施例は船首から船尾に
かけて中央に屋根10付き船倉20を備え、船倉20か
ら船尾にかけて第1荷役装置30を備え、船倉20から
船首にかけて第2荷役装置40を備える。
【0024】屋根10は、図1(b)、(c)に示す通
り、船倉20の後方上部と、前方上部(不図示)とにそ
れぞれ格納自在、かつ張り出し自在とされた蛇腹式又は
重ね式等であり、所望時に船倉20上の全域を船尾側か
ら、かつ船首側から覆う。また、所望時に船倉20上の
任意域を半開自在に覆う。即ち屋根10は開閉自在であ
る。
【0025】船倉20は平底21である。
【0026】第1荷積装置30は舷に沿ったデッキ上に
敷設したレール31上を移動自在とされたクラムシェル
32であり(図1(c)では右舷側は省略)、鉱石、石
炭、砂利等のばら物又はコンテナ、各種設備機械等を、
屋根10を開けて船倉20内に荷積み、船倉20内から
荷卸しするときに用いる。尚、港湾のクレーンによって
荷役してもよく、従って、この第1荷積装置30が無け
れば荷役できないと言うものでもない。
【0027】そして第2荷役装置40は、その回路図で
ある図2を併せ参照し説明すれば、仕切り板41、粉粒
体掻寄機42、第1〜第4ダクト43〜46、分離機4
7、スクリューコンベア48、2基のタンク69(第
1、第2タンク49a、49b)、コンプレッサ50、
第1、第2ブロワ51a、51b、サイレンサ52及び
ホッパ53を備える。詳しくは次の通り。
【0028】船倉20底には、図2、図3に示すよう
に、仕切り板41がその左右端面を船倉20左右壁にほ
ぼ密接するように立設している。仕切り板41は駆動機
構(不図示)を備え、船倉20底上を船首尾間で往復移
動自在である。図2では、仕切り板41を境に船尾側に
粉粒体なるフライアッシュFを荷積みされ、船首側をほ
ぼ空としてある。即ち仕切り板41はフライアッシュF
の堰止め板である。仕切り板41の高さは船倉20上を
屋根10で覆ったときに、天井よりも低い。つまり仕切
り板41の上縁と天井との間には、図1(b)に示すよ
うに程よい隙間δが生ずる。また、仕切り板41は、図
2、3に示すように、その下部中央に船首尾間を連通す
る開口41aを備える。この開口41aの左右それぞれ
に、かつ船倉20底に接地するように粉粒体掻寄機42
を備え、また、開口41a直上に第1ダクト43を立設
してある。そして仕切り板41は、図3(b)に示す通
り粉粒体掻寄機42と開口41aとを越えた船首側方向
の位置に、油圧シリンダ42dによって船倉20底に対
してを昇降自在とされたブレード42cを有する。
【0029】粉粒体掻寄機42はフライアッシュFを掻
き寄せるものである。この粉粒体掻寄機42は、図3に
詳記する通り、仕切り板41の下部左右にそれぞれに回
転自在に配置した回転部材42a、42bを主要部とす
る。各回転部材42a、42bは、外周にラグ42a
1、42b1を順次固設したチェーン42a2、42b
12を備えると共に、互いに離間配置され、かつ各チェ
ーン42a2、42b2をそれぞれ巻き回された縦軸モ
ータ42a3、42b3のスプロケット(不図示)と縦
軸誘導輪42a4、42b4とを備えて構成される。各
縦軸モータ42a3、42b3は正逆回転自在とされ、
両回転部材42a、42bが互いに逆方向へ回転するこ
とによりフライアッシュFを開口41a内に掻き寄せ
る。掻き寄せたフライアッシュFは開口41a直上の第
1ダクト43の第1吸引口431に空気Aと共に粉粒体
空気混合体FAとして吸引される。即ち仕切り板41を
船尾側へ後退させるときは、油圧シリンダ42dによっ
てブレード42cを船倉20底上に降ろして船倉20底
上に接地させ、これにより粉粒体掻寄機42によって掻
き寄せた船尾側のフライアッシュFが開口41aを抜け
て船首側に残留しないように堰止めしつつ、第1吸引口
431からフライアッシュFを吸引する。逆に詳細は後
述するが船倉20内の船首側に戻ってきたフライアッシ
ュFを第1吸引口431から吸引するときは、仕切り板
41を船首側へ前進させてブレード42cによってフラ
イアッシュFを船首側端に押し集め、そののち油圧シリ
ンダ42dによってブレード42cを船倉20底上から
昇げたのち、仕切り板41を船首側へ漸時前進させつ
つ、粉粒体掻寄機42を後退時とは逆の方向に回転させ
てフライアッシュFを開口41a近傍に掻き寄せ、第1
吸引口431から吸引する。
【0030】第1ダクト43は、上記の通り、第1に荷
卸作業時に粉粒体掻寄機42によって掻き寄せた船倉2
0内のフライアッシュFを第1吸引口431から空気A
と共に粉粒体空気混合体FAとして船倉20外の分離機
47へ吸引するものである。ところでこの第1ダクト4
3は、図2に示すように、船倉20の船首側上部で開口
する第2吸引口432を備えると共に、三方弁式のシャ
ッタ433を備える。シャッタ433は、第2吸引口4
32を閉じると共に第1吸引口431を船倉20外へ連
通させる第1位置と、第1吸引口431を閉じると共に
第2吸引口432を船倉20外へ連通させる第2位置と
の第1、第2位置間を切り換え自在とされている。詳細
は後述するが、第1位置は荷卸作業時に用い、第2位置
は荷積作業時に用いる。尚、シャッタ433は、第1吸
引口431側と第2吸引口432側とにそれぞれ設けた
2つのシャッタで構成してもよい(これも三方弁式のシ
ャッタである)。
【0031】第1ダクト43の第1具体例を図4を参照
し説明する。尚、図4では第1、第2吸引口431、4
32及び三方弁式のシャッタ433等を省略し、以下で
はその記述説明も省略する(上記において既説のためで
ある)。即ち図4の第1ダクト43は、下流側ダクト4
3aaに上流側ダクト43bbを矢視X方向にスライド
自在に接合し構成した。詳しくは次の通り。
【0032】下流側ダクト43aaは、箱体434a
と、2枚の可撓帯436F、436Rとを備えて構成さ
れる。箱体434aは船倉20の上縁に沿って船首側か
ら船尾側(矢視X方向)にかけて固設してある。箱体4
34aは船倉20側で側面開口435aしている。可撓
帯436Fは、箱体434aの側面開口435aを塞ぐ
ように、かつスライド自在に箱体434aから船首方向
へ延設してある。他方、可撓帯436Rは、同じく箱体
434aの側面開口435aを塞ぐように、かつスライ
ド自在に箱体434aから船尾方向へ延設してある。上
流側ダクト43bbは、その先端部(不図示)を粉粒体
掻寄機42に付設され、先端に粉粒体掻寄機42によっ
て掻き寄せた粉粒体Fを空気Aと共に吸引する第1吸引
口431を備える。また、上流側ダクト43bbは、そ
の後端部に後部開口437Fを備え、この後部開口43
7Fの前後外壁に可撓帯436F、436Rの端部を固
設している。
【0033】尚、船尾側可撓帯436Rは、箱体434
aの船尾側端において、図1に示すように、船尾側モー
タ439Rの縦軸回りに巻き回され、船首側の可撓帯4
36Fは、箱体434aの船首側端において船首側モー
タ439Fの縦軸回りに巻き回されている。
【0034】通常、両モータ439F、439Rは回転
自由とされている。ところが、仕切り板41をその駆動
機構(不図示)によって船尾方向へ後退させると、別途
備えたマイコン等の制御器(不図示)が船尾側モータ4
39Rを仕切り板41の後退に同期して回転させて可撓
帯436Rを仕切り板41の後退速度と同速度で巻き取
る。このとき、船首側モータ437Fは回転自由とさ
れ、従って、可撓帯436Fは自ずと巻き出される。逆
に、仕切り板41を船首方向へ前進させると、前記制御
器が船首側モータ439Fを仕切り板41の前進に同期
して回転させて可撓帯436Fを仕切り板41の前進速
度と同速度で巻き取る。このとき、船尾側モータ439
Rは回転自由とされ、従って、可撓帯436Rは自ずと
巻き出される。以上のように、図4の第1ダクト43
は、開口435a、437F間で連通しつつ、上流側ダ
クト43bbが下流側ダクト43aa上をスライドする
というスライド式接続ダクトを構成している。
【0035】分離機47は船倉20外に設けてあり、第
1ダクト43から粉粒体空気混合体FAを受けてフライ
アッシュFと空気Aとに分離し、フライアッシュFを落
下させる。本実施例での分離機47は、図2に示す通
り、並列配置した4基のサイクロン式分離機47a(第
1〜第4サイクロン式分離機47a1〜47a4)と、
サイクロン式分離機47aの下流側に設けた1基の濾過
式分離機47bとを備えて構成される。
【0036】サイクロン式分離機47aとしては各種準
備できるが、本実施例ではフライアッシュFを効率よく
分離するために、図5のものを準備している。このサイ
クロン式分離機47aは、同図5(a)に示す通り、上
部から下部へ向けて順に上段、中段、下段サイクロン分
離機47aa〜47acを内蔵する。
【0037】上段サイクロン分離機47aaは、外筒a
1と内筒a2とで主構成される。第1ダクト43からの
粉粒体空気混合体FAは、外筒a1のほぼ接線方向に外
筒a1内上部に吸引されて第1旋回流となる。この第1
旋回流によって粉粒体空気混合体FA内のフライアッシ
ュFの約50%が外筒a1と内筒a2との隙間δ1から
落下する。残りの約50%のフライアッシュFを含んだ
粉粒体空気混合体FAは中段サイクロン分離機47ab
へと吸引される。
【0038】中段サイクロン分離機47abは、内筒a
2と、詳細を後述する下段サイクロン分離機47acの
外壁a3とで主構成される。内筒a2上部は開口a4
し、この開口a4の内周壁に旋回流生成翼a5を複数枚
植設してある。従って、開口a4から吸引された粉粒体
空気混合体FAは各旋回流生成翼a5によって第2旋回
流となる。この第2旋回流によって粉粒体空気混合体F
A内の約55%のフライアッシュFが内筒a2と外壁a
3とのδ2から落下する。即ち当初の粉粒体空気混合体
FAから約77.5%のフライアッシュFを分離する。
残りの約22.5%のフライアッシュFを含んだ粉粒体
空気混合体FAは下段サイクロン分離機47acの上部
開口a6に吸引される。尚、中段サイクロン分離機47
abの分離率(約55%)が上段サイクロン分離機47
aaの分離率(約50%)よりも高いのは、内筒a2の
内径が外筒a1の内径よりも小さいために中段サイクロ
ン分離機47ab内でのフライアッシュFの旋回速度が
速くなるからである。つまりその分、フライアッシュF
の遠心力が大きくなり、外側壁に衝突し易くなり、そし
て落下するからである。
【0039】下段サイクロン分離機47acは、内筒a
2に間隙を有して内嵌され、同図5(b)に示す通り並
列配置した数十の小形サイクロン分離機47ad、・・・・
で構成される。この形式で、粉粒体空気混合体FAから
約85%のフライアッシュFを分離する。
【0040】即ち図5のサイクロン式分離機47aによ
れば、当初の粉粒体空気混合体FAから約96.6%の
フライアッシュFを分離できる。換言すれば、サイクロ
ン式分離機47aによって分離した空気Aには約3.4
%のフライアッシュFが含まれている(以下、この空気
Aを「微量粉粒体空気混合体fA」とする)。
【0041】他方、濾過式分離機47bは、図2に示す
通り、サイクロン式分離機47a(正確には下段サイク
ロン分離機47ac)から微量粉粒体空気混合体fAを
受けてフライアッシュFと空気Aとをほぼ完全分離し、
フライアッシュFを回転バルブVRを介してスクリュー
コンベア48上に落下させる。他方、空気Aは第1ブロ
ワ51a(本実施例では送気量250m3/min)とサ
イレンサ52とを経て船外に開放される。尚、回転バル
ブVRは、濾過式分離機47b底部にフライアッシュF
を堆積させつつ所定量だけ定量し、その回転によって順
次、詳細を後述するスクリューコンベア48上に落下さ
せるものである。換言すれば、回転バルブVRは、濾過
式分離機47b底部にフライアッシュFを堆積させるこ
とにより、スクリューコンベア48から濾過式分離機4
7bへの吸引を阻止する逆止弁の機能も果たす。
【0042】そしてサイクロン式分離機47aから濾過
式分離機47bまでの接続間には、図2に示す通り、サ
イクロン式分離機47aからの微量粉粒体空気混合体f
Aの一部を船倉20の船首側上部で開口して船倉20内
に戻す第2ダクト44の一端が接続されている。この第
2ダクト44は第2ブロワ51b(本実施例では送気量
700m3/min)を備えている。
【0043】即ち船倉20からのフライアッシュFの吸
引源は、総送気量950m3/min(=250m3/mi
n+700m3/min)の第1、第2ブロワ51a、5
1bである。つまり第1ブロワ51aは総送気量の約2
6%を船倉20内から吸気し船外に開放する。他方、第
2ブロワ51bは総送気量の約74%を船倉20内から
吸気し船倉20内に戻す。尚、フライアッシュFは空気
流によって敏感に流動し、第1ダクト43での総吸気量
950m3/minには約6〜7.5t/ minが含まれ
る。このフライアッシュFの単位時間当たりの容積は、
前記みかけ比重(地山状態)0.8〜1.0から見て約
6〜9.4m3/minに相当する。つまり第1ダクト4
3での粉粒体空気混合体FAは約956〜960m3/m
inとなっている。
【0044】即ち約956〜960m3/minの粉粒体
空気混合体FAに含まれる約6〜7.5t/ min(約
約6〜9.4m3/min)のフライアッシュFは、サイ
クロン式分離機47aにおいて約96.6%分離され、
濾過式分離機47bにおいて約0.9%(≒3.4%×
O.26)分離され、船倉20へは約2.5%(≒3.
4%×O.74)戻る。従って、濾過式分離機47bの
目詰まり寿命が大幅に延長される。ところで上記第1、
第2ブロワ51a、51bの吸引配分率を「26:7
4」とした理由を次に説明する。
【0045】本実施例において吸引配分率に直接関係す
るのは、回路内発熱と、濾過式分離機47bの目詰まり
とである。尚、両者はそれぞれ個別に計量化でき、計数
化できるものの、互いに全く異なる事象であるため同一
スケールで比較できない。そこで吸引配分率の決定目安
の好適例を図6を参照し説明する。
【0046】図6において横軸は、濾過式分離機47b
での船外への大気開放率(%)である。縦軸の上向きは
第1、第2自然空冷率P1、P2(%)であり、利点で
ある。第1自然空冷率P1は、大気開放率(%)毎の吸
引によって生ずる船外から船倉20内への大気(冷気)
導入に基づく値であり、図示上はほぼ「0〜100%」
の間で変化する。第2自然空冷率P2は、船倉20内の
フライアッシュFの減少に伴う船倉20内の負圧から生
ずる船倉20内への大気(冷気)導入に基づく値であ
り、大気開放率(%)に係わりない一定値であり、図示
上は「約0.6〜1.0%(≒6〜9.4/956〜9
60)」である(尚、このP1は基本的には無視してよ
い)。そして縦軸の下向きは発熱率P3と、目詰率P4
とである。発熱率P3は第2ブロワ51bの発熱に主因
し、図示上は「−100〜0%」の間で変化する。即
ち、発熱率P3は大気開放率(%)が大きいほど小さく
なる。換言すれば、大気開放率(%)が小さいほど、戻
し量が多いと言うことであるから船倉20内が早期昇温
し、粉粒体空気混合体FAが昇温し、回路要素及び駆動
系アクチュエータ、制御系電子部品等に熱影響を与え、
また、作業環境が悪化させる。目詰率P4は濾過式分離
機47bの目詰まりであり、大気開放率(%)に比例
し、図示上は「0〜−100%」の間で変化する。つま
り第1、第2自然空冷率P1、P2及び発熱率P3は熱
系であり、発熱率P3と目詰率P4とは背反事象であ
る。尚、発熱率P3と、目詰率P4との「−(マイナス
符号)」は悪さ加減を示す。
【0047】ここで上記熱系P1、P2、P3を加算し
て指標P5を得る。この指標P5と目詰率P4とは大気
開放率約33%(点P6の値)において交わる。この大
気開放率約33%は第1、第2ブロワ51a、51bの
吸引配分率「33:67」に対応し、熱系P5と目詰率
P4との双方の悪さ加減のバランス点と見做せる。そし
てこの吸引配分率「33:67」は本実施例の「26:
74」に略一致する。
【0048】尚、バランスしたからと言って、この図6
の点P6が最適値であるとは限らない。例えば発熱して
も目詰まりさせないのであれば、図6に係わりなく大気
開放率0%(即ち濾過式分離機47bを無くして全量戻
し)とすればよいからである。但し本実施例の第2荷役
装置40は、公害を発生することなく荷積作業を効率良
く行えるようにしたものであり、そしてそれには大気開
放率0%は許されないところから、図6のバランス点P
6に対し、さらに第2ブロワ51bの実際発熱量、大気
温度、フライアッシュ温度及び回路配置による自然冷却
能等を加味して吸引配分率「26:74」に設定したも
のである。尚、第1、第2ブロワ51a、51bの送気
量は、粉粒体Fの種類、大気温度、粉粒体F温度に最適
適応するように、マニュアルによって又は自動制御上の
動作プログラムによってそれぞれ変更自在(即ち吸引配
分率を変更自在)としてある。とは言え、本実施例構成
の構成においては、フライアッシュFの種類、大気温
度、フライアッシュ温度等の変動を考慮すれば、略「2
6±10:74±10」が経済的吸引配分率として落ち
着くことになる。またこの範囲とするのが望ましい。
【0049】説明を図2の各要素説明に戻す。
【0050】スクリューコンベア48は、互いに所定隙
間を備えて配置した第1〜第3スクリューコンベア48
a〜48cで構成される。第1スクリューコンベア48
aは、第1バルブV1を開くことにより、第1、第2サ
イクロン式分離機47a1、47a2から落下するフラ
イアッシュFを受けて第2スクリューコンベア48b方
向へ移送する。第2スクリューコンベア48bは、第2
バルブV2を開くことにより、第3、第4サイクロン式
分離機47a3、47a4から落下するフライアッシュ
Fを受けて第1、第3スクリューコンベア48a、48
cのいずれか一方の方向へ移送する。第2スクリューコ
ンベア48bによるフライアッシュFの移送方向の切替
えは、第2スクリューコンベア48bの正逆回転の切り
換えによって行う。第3スクリューコンベア48cは、
回転バルブVRを経て濾過式分離機47bから落下する
フライアッシュFを受けるか、又は第3バルブV3を開
くことによりホッパ53から落下してきたフライアッシ
ュFを受ける。そして回転バルブVR及び第3バルブV
3のいずれか一方から落下したフライアッシュFを第2
スクリューコンベア48b方向へ移送する。尚、ホッパ
53は船外からフライアッシュFを受け入れ自在とさ
れ、粉粒体Fの荷積用である。
【0051】第1、第2スクリューコンベア48a、4
8bとの端部間の下部には第1間隙が設けてあり、この
第1間隙の下部に第4バルブV4を経て第1タンク49
aを設けてある。他方、第2、第3スクリューコンベア
48b、48cとの端部間の下部には第2隙間が設けて
あり、この第2間隙の下部に第5バルブV5を経て第2
タンク49bを設けてある。
【0052】第1、第2タンク49a、49bはそれぞ
れ第4、第5バルブV4、V5を開くことによりスクリ
ューコンベア48からフライアッシュFを受け入れ自在
とされる。また第1タンク49aは第6、第7バルブV
6、V7を備え、他方、第2タンク49bは第8、第9
バルブV8、V9を備え、これらを開くことによりコン
プレッサ50から圧縮空気Apを受け入れる。尚、第
6、第8バルブV6、V8はタンク49内のフライアッ
シュFを上方から加圧し、第7、第9バルブV7、V9
はタンク49内のフライアッシュFに流動性を与える。
【0053】第1、第2タンク49a、49bのそれぞ
れの底には排出管が外部へとそれぞれ接続されている。
そして排出管にはそれぞれ第10、第11バルブV1
0、V11を備え、これらを開くことによりコンプレッ
サ50からの圧縮空気Apが排出管内に導入され、排出
管中のフライアッシュFを遠くへ圧送自在とする。
【0054】第10、第11バルブV10、V11の下
流側のそれぞれの排出管は第1三方弁V12に接続さ
れ、第1三方弁V12は第2三方弁V13を経て第3、
第4ダクト45、46に分岐する。即ち第1三方弁V1
2は第1、第2タンク49a、49bのいずれか一方と
第1三方弁V13とを切り換え自在に連通させる。他
方、第2三方弁V13は第1三方弁V12と第3、第4
ダクト45、46のいずれか一方とを切り換え自在に連
通させる。
【0055】第3ダクト45は先端側を船倉20の上部
外縁に沿って延設され、かつ延設部に船倉20へ向けて
開口する複数の孔45a(散布孔45aである)を順次
複数配置したものである。尚、各孔45aは開閉バルブ
45bをそれぞれ有している。他方、第4ダクト46は
先端にジョイント46aを備え、港湾設備であるフライ
アッシュ貯留タンク60上で開口するダクト61のジョ
イント61aに接続自在とされている。
【0056】上記実施例の作用を荷役作業例(図示しな
い制御器による動作プログラム例である)によって説明
する。尚、上記実施例での荷物は鉱石、石炭、砂利等の
ばら物又はコンテナ、各種設備機械等と、フライアッシ
ュFとであるが、フライアッシュFについては、石灰、
鉱石、石炭等の微粉又はセメント等の粉粒体Fでも構わ
ない。従って以下、フライアッシュFは粉粒体Fと読み
替える。
【0057】(A)鉱石、石炭、砂利等の物又はコンテ
ナ、各種設備機械等の荷役作業は、図1を参照し説明す
れば、屋根10を開け、第1荷役装置30、即ちクラム
シェル32によって行う。勿論、クラムシェル32に限
る必要はなく、クレーン等を備えて行っても構わない。
また前記した通り、港湾のクレーン等の荷役設備によっ
て荷役してもよく、従って、この第1荷役装置30が無
ければ荷役できないと言うものでもない。輸送中は屋根
10を閉じる。
【0058】(B)粉粒体Fの荷積作業例を図2を参照
し説明する。先ず荷積作業前の準備体制例を説明する。
仕切り板41を船首側壁まで最大前進させておく。これ
により粉粒体掻寄機42も前進し、船倉20内の船尾側
容積を確保する。屋根10を閉じる。これにより船倉2
0を大気に対してほぼ密閉する。第1ダクト43の第1
吸引口431を三方弁式のシャッタ433によって閉じ
る。これにより第2吸引口432が船倉20外の分離機
47に連通する。第3、第4バルブV3、V4を開く。
第1、第2、第5〜第11バルブV1、V2、V5〜V
11は閉じておく。第1三方弁V12を第1タンク49
aと第2三方弁V12とが連通する位置にする。第2三
方弁V13を第1三方弁V8と第2ダクト44とが連通
する位置にする。
【0059】上記準備体制例において、第2、第3スク
リューコンベア48b、48cを同方向へ回転させる。
第1ブロワ51aを回転させる。コンプレッサ50を駆
動させる。尚、コンプレッサ50の吐出側にはリザーバ
タンクを備えてあるが、このリザーバタンクの設置は当
然であるため図示及びその説明は省略する。
【0060】ホッパ53に船外から粉粒体Fを投入す
る。すると、ホッパ53内の粉粒体Fは、第3バルブV
3と、第2、第3スクリューコンベア48b、48c
と、第4バルブV4とを経て第1タンク49a内に貯留
し始める。第1タンク49a内の粉粒体Fがほぼ満杯と
なったとき、第5バルブV5を開くと共に第2スクリュ
ーコンベア48bを逆転させ、かつ第4バルブV4を閉
じる。上記「第5バルブV5を開くと共に第2スクリュ
ーコンベア48bを逆転させる」ことにより、第2、第
3スクリューコンベア48b、48c上の粉粒体Fは、
第5バルブV5を経て第2タンク49b内に貯留し始め
る。他方、上記「第4バルブV4を閉じ」たのち、第
6、第7、第10バルブV6、V7、V10を開く。す
ると、コンプレッサ50からの圧縮空気Apによって第
1タンク49a内の粉粒体Fは第1、第2三方弁V1
2、V13と、第2ダクト44とを経て複数の散布孔4
5aから船倉20内へと散布される。尚、散布は各散布
孔45aに設けた開閉バルブ45bをそれぞれ開度調整
することで行い、この調整によって粉粒体Fの船倉20
内での堆積の均一化を図る。そして第1タンク49aが
空になったあと、かつ第2タンク49bが満杯になった
とき、第4、第5、第8〜第11バルブV4、V5、V
8〜V11に対し、第1タンク49aで行ったと同じ操
作を行う。尚、このとき第1三方弁V12は第2タンク
49Bと第2三方弁V12とが連通する位置に切換え
る。
【0061】以上のように、ホッパ53の粉粒体Fを第
1、第2タンク49a、49b間に交互に切り換え連続
貯留しつつ、第1、第2タンク49a、49b間から船
倉20内に交互に切り換え連続散布する。
【0062】尚、船倉20は屋根10によってほぼ密閉
されているから、船倉20と天井との隙間からの、散布
による船外への粉粒体Fの漏出は生じない。ところがこ
のままだと船倉20の内圧が高まる。そこで第2吸引口
432から船倉20上部の空気Aを吸引し、この空気A
を濾過式分離機47bと、サイレンサ52とを経て船外
の大気に開放する。船倉20内での吸引は仕切り板41
の上縁と天井との間の隙間δ(図1(b)参照)を介し
て行う。尚、この空気Aには、散布時の粉粒体Fや撒布
によって舞い上がった粉粒体Fが含まれるが、サイクロ
ン式分離機47aと、濾過式分離機47bとによって空
気Aから分離される。また、サイクロン式分離機47a
で分離した粉粒体Fの量が多いときは第1、第2バルブ
V1、V2を開くと共に、第1スクリューコンベア48
aを回転させてホッパ53からの粉粒体Fと共に船倉2
0内へ散布する還流を行えばよい。
【0063】尚、上記荷積動作プログラム例では、第1
ブロワ51aだけを主回転させた。この場合、第5〜第
11バルブV5〜V11からタンク49への圧縮空気A
pの送気量は、本実施例では第2ブロワ51bの送気量
(約250m3/min)よりも少なくする。このように
しないと、散布中に船倉20の内圧が船外の大気圧より
も高くなって散布中の粉粒体Fが船倉20と屋根10と
の隙間から船外へ漏出し、公害化する。上記事例の場
合、時間当たりの粉粒体Fの散布量による増加分(即ち
船倉20内の空間容積の減少分)及び船倉20内の負圧
確保を見込んで、圧縮空気Apの送気量を約140m3/
minとして粉粒体Fの散布量約350t/h(約5.
83t/s)としてある。
【0064】(C)粉粒体Fの荷卸作業例を図2を参照
し説明する。先ず荷卸作業前の準備体制例を説明する。
上記荷積作業から分かる通り、仕切り板41は船首側へ
最大移動しており、船倉20の船尾側に粉粒体Fが荷積
みされている。屋根10は閉じられたままである。これ
により船倉20は大気に対してほぼ密閉される。第1ダ
クト43の第2吸引口432を三方弁式のシャッタ43
3によって閉じる。これにより第1吸引口431が船倉
20外の分離機47に連通する。第1、第2、第4バル
ブV1、V2、V4を開く。第3、第5〜第11バルブ
V3、V5〜V11は閉じておく。尚、第3バルブV3
は開いたままでも構わない。第1三方弁V12を第1タ
ンク49aと第2三方弁V13とが連通する位置にす
る。第2三方弁V13を第1三方弁V12と第4ダクト
46とが連通する位置にする。第4ダクト46先端のジ
ョイント46aを、港湾設備であるフライアッシュ貯留
タンク60上に開口するダクト61のジョイント61a
に接続する。
【0065】上記準備体制例において、第1、第3スク
リューコンベア48a、48cを回転させる。尚、第2
スクリューコンベア48bは第3スクリューコンベア4
8cと同方向へ回転させる。コンプレッサ50を駆動さ
せる。第1、第2ブロワ51a、51bを回転させる。
【0066】すると、船倉20内の粉粒体Fは空気Aと
共に粉粒体空気混合体FAとなってサイクロン式分離機
47aで分離され、第1、第2サイクロン式分離機47
a1、47a2からは第1バルブV1を経て第1スクリ
ューコンベア48a上に落下し、第3、第4サイクロン
式分離機47a3、47a4からは第2バルブV2を経
て第2スクリューコンベア48b上に落下し、濾過式分
離機47bからは回転バルブVRを経て第3スクリュー
コンベア48c上に落下する。スクリューコンベア48
に落下した粉粒体Fは第4バルブV4を経て第1タンク
49a内に貯留する。以降の制御は上記荷積作業の動作
プログラムと同じであり、スクリューコンベア48から
の粉粒体Fを第1、第2タンク49a、49b間に交互
に切り換え連続貯留しつつ、第1、第2タンク49a、
49bから第4ダクト46を経て港湾設備であるフライ
アッシュ貯留タンク60に連続落下させ貯留させる。こ
れにより荷卸作業を完了する。
【0067】尚、荷卸作業では、船倉20内の粉粒体F
の減少に伴い、仕切り板41(即ち粉粒体掻寄機42)
を船尾側へと後退させる。この後退によって船倉20内
の船尾側の粉粒体Fは第1ダクト43により洩れなく吸
引できる。そして仕切り板41が船尾側に至ったとき、
船倉20内の船尾側の粉粒体Fはほぼ空となる。ところ
が船倉20の船首側には、前記の通り、当初の船倉20
内の粉粒体Fの約2.5%が第2ブロワ51bによって
戻って堆積する、又は堆積している。そこで次に、仕切
り板41を船首側へ前進させつつ、第1ダクト43から
戻って堆積した粉粒体Fを吸引する。尚、この間のブレ
ード32c操作は説明済みである。これにより、粉粒体
Fを再度分離する。それでもなお第2ブロワ51bによ
って船倉20内に戻ってくるのはさらなる約2.5%で
あるから、当初船倉20内の粉粒体Fの約0.063%
に過ぎない。例えば当初の船倉20内の粉粒体Fが20
00tであったとすれば、仕切り板41の一往復だけで
計算上では約99.94%(1998.7t)の粉粒体
Fを分離し荷卸しできる。荷卸作業終了時、仕切り板4
1を船倉20内の船首側へ出来るだけ前進させて停止さ
せる。そして全アクチュエータ系を停止させる。
【0068】以下、本実施例の効果を説明する。
【0069】(1)粉粒体Fの荷役作業を総て空圧技術
で行っている。従って、全自動化が容易である。しかも
作業速度が極めて速くなる。具体的には次の通り。本実
施例なる粉粒体運搬船が積荷2000t、かつ第1、第
2ブロワ51a、51bを共に回転させた場合(尚、効
率が100%とする)、単純計算では荷積所要時間は
5.7時間(≒2000/350)であり、荷卸所要時
間は約5.5〜4.4時間(≒2000/(6〜7.5
×60))となる。ところが、荷卸所要時間の方が仕切
り板41の往復移動制御等が加算されるため、両者はほ
ぼ同じ約6時間程度となる。勿論、これは効率が100
%だとすればの値であるが、従来の粉粒体運搬船のよう
に荷積作業よりも荷卸作業の方が効率が悪い等という問
題を解消できる。
【0070】尚、効率を100%に近づけるには、本実
施例に対し、船倉20と屋根10との密閉の最適化が必
要である。そしてこれは容易である。そして粉粒体掻寄
機42の両縦軸モータ42a3、42b3、第1ダクト
43の両モータ439F、439R、第1、第2ブロワ
51a、51b、スクリューコンベア48、コンプレッ
サ50等の駆動系と、三方弁式のシャッタ433、第1
〜第11バルブV1〜V11及び第1、第2三方弁V1
2、V13、各開閉バルブ45b、・・・・に対する制御器
(不図示)による自動制御(同期制御である)は欠かせ
ない。尚、制御器には、大気温度、粉粒体温度、粉粒体
の種類やサイズ等の要因毎の各種最適動作プログラムを
荷積及び荷卸のそれぞれに対し読み出し自在に予め記憶
しておくことになる。また、動作プログラムには不慮の
事故に対する警報、自動退避、自動停止等の対応動作を
予め含めておくことが肝要である。それには、いずれも
図示しないが、船倉20内の粉粒体Fに対する複数位置
における堆積嵩検出センサ、粉粒体温度検出センサ、船
倉20内外の大気に対するそれぞれの雰囲気温度検出セ
ンサ、仕切り板41のの移動量検出センサ、第1、第2
ブロワ51a、51bの送気量検出センサ、各スクリュ
ーコンベア48の回転数及び回転方向検出センサ、第1
〜第11バルブV1〜V11の開度検出センサ、第1又
は第2三方弁V12、V13の切換状態検出センサ、各
開閉バルブ45b、・・・・の開度検出センサ、第1〜第4
ダクト43〜46の内圧検出センサ、警報器等を制御器
に接続し、前記各種最適動作プログラムの全自動化を行
うことになる。さらには船倉20内監視カメラ等でオペ
レータがマニュアル監視したり、画像処理による作業効
率向上も容易に行える。そして本実施例では粉粒体Fの
荷役作業を空圧(加圧と吸引)によって総て行っている
ので、全自動化の障害は殆どない。即ち本実施例の全自
動化は極めて容易である。またアクチュエータが多い
分、その動作プログラムを幾通りも準備できる。
【0071】(2)船倉20に従来のコンベア72、エ
キスカベータ73、回転ホイール23等の固定装置がな
いので、これらの破損は当然になく、かつ船倉20を深
くできる。船底を船倉20底とすることできる。即ち荷
積容量が増大し、船体構造も簡素化し、経済上有益であ
る。尚、仕切り板41(実質的には粉粒体掻寄機42と
同じ)は船倉20底上を移動自在である。また仕切り板
41(実質的には粉粒体掻寄機42と同じ)には第1ダ
クト43の第1吸引口432部位を固設してある。従っ
て、第1ダクト43及び粉粒体掻寄機42は粉粒体Fか
ら退避でき、損傷も故障も生じ難い。
【0072】(3)荷役作業を空圧技術で行われる。即
ち粉粒体Fが漏れるのは圧縮空気Apが作用する部位の
損傷に基づくだけである。そして空圧技術では漏れ防止
は基礎技術に含まれ取り立てた問題がなく、従って粉粒
体Fの漏出による船内環境の悪化は全く考慮外としてよ
い。即ちクリーンな荷役作業を行える。
【0073】(4)荷荷役作業を空圧技術で行われてい
るため自動化が容易であり、一気に、そして船倉20内
に粉粒体Fを余すことなく荷役できる。即ち荷役作業を
高速で行え、従来の荷卸作業のトリミングドーザも不要
にできる。
【0074】(5)濾過式分離機47bは濾過式である
から、ここから開放される空気Aに粉粒体Fは含まれな
いと見做してよい。即ち船外で公害化しない。
【0075】(6)但し濾過式分離機47bには目詰ま
りと言う大きな問題がある。特に粉粒体運搬船は扱う粉
粒体Fが多量であるから、濾過式分離機47bの早期目
詰まりは由々しき問題であり、分離機47を濾過式分離
機47bだけで構成するのでは濾過式分離機47bが大
形化する。また大形化しても保守点検を繰り返し行う必
要があり、作業効率上、また、経済上の不利益が大き
い。ところが本実施例は先ずサイクロン式分離機47a
によって粉粒体Fを粉粒体空気混合体FAから分離す
る。このサイクロン式分離機は、単旋回式だけの単純構
成でも、上記上段サイクロン分離機47aa(又は中段
サイクロン分離機47ab)の通り、約50%程度分離
できる。また、複旋回式だけの構成でも、上記サイクロ
ン分離機47acの通り、80%以上分離できる。そし
て、これらの組み合わせならば、本実施例のサイクロン
分離機47aの通り、95%以上分離できる。しかもサ
イクロン式分離機は目詰まり問題が構成上全く生じな
い。また、保守点検も基本的には不要である(いわゆる
「丈夫で長持ち」する)。但しサイクロン式分離機47
aは濾過式分離機47bと比べれば、粉粒体分離後の空
気Aに未だ多量の粉粒体Fを含む(これを本構成では
「微量粉粒体空気混合体fA」としている)。かかる微
量粉粒体空気混合体fAを船外にそのまま開放すると、
直ちに公害化する。そこで本実施例ではサイクロン式分
離機47aの下流側に濾過式分離機47bを設けてい
る。ところがそれでも、上記の通り粉粒体運搬船の扱う
粉粒体Fが多量だから、濾過式分離機47bが早期目詰
まりする。目詰まりすれば、濾過式分離機47b自体の
分離効率の低下だけでなく、作業全体が停止する事態が
生ずる。そこで本実施例では、微量粉粒体空気混合体f
Aの一部だけを濾過式分離機47bに流し、残りを第2
ダクト44から船倉20に戻している。即ち「還流分
離」を達成可能としている。尚、還流分離において全量
戻すと、船倉20の内圧が粉粒体Fの減少分の僅かしか
低下せず、このため、戻り風によって粉粒体Fが船倉2
0内で舞い上がる。そして舞い上がった粉粒体Fが船倉
20と屋根10(即ち天井)との隙間等から船外へ漏出
し、公害化する。また船倉20内及び回路が昇温し、悪
弊が生ずる。ところが本実施例では船倉20内の吸気空
気Aの一部を濾過式分離機47bから船外に開放するた
めその分、船倉20の内圧が低下する。従って、船倉2
0内への戻り風によって粉粒体Fが舞い上がっても、こ
れら舞い上がった粉粒体Fが天井との隙間等から船外へ
漏出して公害化することがない。また昇温化を抑制で
き、機器の寿命延長及び作業環境の悪化を防止できる。
【0076】(7)荷積装置と荷卸装置とが一体化した
荷役装置である。従って、両装置に対する制御、管理を
一本化でき、経済上の利益が極めて大きい。尚、港湾に
常設の粉粒体運搬船への粉粒体用荷役設備は荷積設備と
荷卸設備とが互いに独立している。本実施例はかかる荷
役設備との間で粉粒体Fを授受できるが、これら荷積設
備と荷卸設備を、本構成の荷役装置の一体化に伴って一
体化した荷役設備とすることができる。即ち港湾での両
設備に対する場積問題も解決でき、さらにその制御、管
理の一本化等、その二次効果も大きい。
【0077】(8)船倉20に従来のコンベア72、エ
キスカベータ73、回転ホイール23等の固定装置がな
いので、これらの破損は当然にない。従って、移動自在
の粉粒体掻寄機42を船倉20壁近傍に退避させて屋根
10を開けば、鉱石、石炭、砂利等のばら物のばら積
も、コンテナ、各種設備機械等を荷積みも何ら支障なく
行え、また粉粒体掻寄機42が損傷することもない。航
海中は屋根10を閉じておけば、風雪、風雨を凌ぐこと
ができる。即ち往路に粉粒体Fを運搬し、帰路にはばら
物、コンテナ、各種設備機械等を安全に、かつ安定して
運搬できる粉粒体運搬船となる。つまり従来のように、
帰路が空荷航行となる不経済から解放される。
【0078】(9)仕切り板41から見ての船倉20の
船首側が常時ほぼ空となるから、仮に粉粒体掻寄機42
及び/又は第1ダクト43等に故障や損傷が生じていて
も、さらになお粉粒体Fの荷積後であっても、粉粒体F
に影響されることなく船首側から粒体掻寄機42及び/
又は第1ダクト43等の故障箇所を直接発見でき、また
直接的に、従って素早く修理できる。
【0079】以下、他の実施例とその作用効果とを例示
列挙する。
【0080】(1)第1ダクト43の第2具体例を図7
を参照し説明する。この第1ダクト43は、下流側ダク
ト43aと、上流側ダクト43bとを有する。下流側ダ
クト43aは、船倉20の上縁に沿って船首側から船尾
側にかけて固設した溝434と、溝434の上面開口4
35を塞ぐように溝434上に延設した一枚の可撓帯4
36とを備えて船倉29外へと導出されている。上流側
ダクト43bは、粉粒体掻寄機42で掻き寄せた粉粒体
Fの近傍で開口するように粉粒体掻寄機42と一体的に
設けた第1吸引口431を先端部に備えると共に後端部
の下面に下面開口437を備え、かつこの下面開口43
7が溝434の上面開口435に常時合致するように溝
434と可撓帯436との間に後端部を挿入され、かつ
この挿入によって持ち上がる可撓帯436と溝434と
の隙間を塞ぐ板部材438を後端部に備え、これにより
下面開口437が溝434の上面開口435に連通しつ
つ、溝434上をその長手方向(図示X方向)へスライ
ド自在に下流側ダクト43aに対して接続されている。
【0081】即ち、 (ア)第1ダクト43は、長大な船倉20底を前後進移
動する粉粒体掻寄機42に追従しなければならないが、
第1、第2具体例なる第1ダクト43はいずれもこれを
船体側の下流側ダクト43a上を上流側ダクト43bが
スライドすることで不都合なく追従可能としている。そ
して第1、第2具体例はいずれも粉粒体運搬船だけに適
用を限定されるものではなく、例えば第1、第2港湾で
の粉粒体留置場等の各種設備に対してもに装着し使用し
ても全く問題ない。 (イ)ところで第1、第2具体例を比較すると、第1具
体例は、前記の通り、仕切り板41の駆動機構(不図
示)の駆動に同期して両モータ439F、439Rのい
ずれか一方を駆動させる必要がある。ところが第2具体
例では、両モータ439F、439Rはなく、従って同
期駆動も必要ないと言う技術上、かつ経済上のメリット
がある。 (ウ)尚、図7の第2具体例では、上流側ダクト43b
の可撓帯436への挿入部外周に3つの上部、前後ロー
ラ440a〜440cを設けてある。上部ローラ440
aはスライドを円滑に行うためである。そして、前後ロ
ーラ440b、440cは挿入によって生ずる可撓帯4
36と溝434との隙間を塞ぐ板部材438を短くする
ためのものである。従って、仮に挿入部の上流側ダクト
43bの断面形状を最上部が角となる断面三角形等に
し、かつ角外面を滑らかにすれば、可撓帯436の自重
によって上部ローラ440aは不要となる。それでもス
ライドは円滑に行える。他方、板部材438を長くすれ
ば、可撓帯436の自重によって前後ローラ440b、
440cも不要となる。それでも可撓帯436と溝43
4との隙間を塞ぎつつスライドを円滑に行える。
【0082】以上(ア)〜(ウ)を勘案すると、特に各
種設備に対してもに使用するときは、例えば上流側ダク
ト43bの下流側ダクト43aに対する挿入部が上流側
ダクト43bの中央部に位置しても構わない(例えば上
流側ダクト43bの両側から吸引するときである)。ま
た上流側ダクト43bと下流側ダクト43aとは、本粉
粒体運搬船の実施例において生ずる名称であって、各種
設備に対してもに使用するときはどちらが下流側であ
り、どちらが上流側である必要もない。即ち第2具体例
は次のように具現化した構成のスライド式接続ダクトと
言える。尚、符号は第2具体例のものを用い、理解を容
易にする。即ち、「一側ダクト43aと、他側ダクト4
3bとを有し、一側ダクト43aは、溝434と、溝4
34の上面開口435を塞ぐように溝434上に延設し
た一枚の可撓帯436とを備え、他側ダクト43bは、
所定部位の下面に下面開口437を備え、かつこの下面
開口437が溝434の上面開口435に常時合致する
ように溝434と可撓帯436との間に挿入され、かつ
この挿入によって持ち上がる可撓帯436と溝434と
の隙間を塞ぐ部材438を挿入部外周に備え、これによ
り下面開口437が溝437の上面開口435に連通し
つつ、溝434上をその長手方向へスライド自在に一側
ダクト43aに対して接続されていることを特徴とする
スライド式接続ダクト」である。
【0083】(2)濾過式分離機47bを加振式とし
た。また加打撃式とした。いずれの場合も、目詰寿命を
容易に2倍化できた。つまり、上記実施例ならば、第1
ブロワ51aの送気量を2倍の500m3/minとし、
第2ブロワ51bの送気量を450m3/minに減らし
て船倉20内の昇温を抑えた。即ち濾過式分離機47b
を加振式、打撃式又はこれらの組み合わせとすることに
より(即ち振動式)、船倉20内の昇温を抑えて、冷却
装置の小形化と、経済上の利益とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示し、(a)は一部断面側面図、
(b)は(a)のA−A断面正面図、(c)は一部断面
平面図である。
【図2】荷役装置の回路図である。
【図3】粉粒体掻寄機を示し、(a)は正面図、(b)
は平面図である。
【図4】第1ダクトの第1具体例の部分斜視図である。
【図5】サイクロン式分離機を示し、(a)は全部断面
正面図、(b)は下段サイクロン分離機の部分断面正面
図である。
【図6】大気開放率変化の効果グラフである。
【図7】第1ダクトの第2具体例を示し、(a)は側面
図、(b)は平面図、(c)は(a)のB−B断面図、
(d)は(a)のC−C断面図である。
【図8】従来の粉粒体運搬船例の一部断面側面図であ
る。
【図9】従来の粉粒体運搬船での粉粒体強制落下機構の
斜視図である。
【符号の説明】
10:屋根、20:船倉、40:荷役装置、42:粉粒
体掻寄機、43:第1ダクト、43a:下流側ダクト
(一側ダクト)、43b:上流側ダクト(他側ダク
ト)、431:第1吸引口、432:第2吸引口、43
3:シャッタ、434:溝、435:上面開口、43
6:可撓帯、437:下面開口、438:部材、44:
第2ダクト、47:分離機、47a:サイクロン式分離
機、47b:濾過式分離機、45:第3ダクト、49:
タンク、A:空気、Ap:圧縮空気、F:粉粒体、F
A:粉粒体空気混合体、fA:微量粉粒体空気混合体、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徹 神奈川県大和市代官3丁目18番3号 株式 会社ハッコー技術開発センタ内 Fターム(参考) 3F077 AA05 BA03 BA05 BA06 BA08 DB09 GA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屋根付き船倉(20)を備え、船倉(20)内に
    船外から粉粒体(F)を荷積み自在に、かつ荷積みした船
    倉(20)内の粉粒体(F) を船倉(20)底で掻き寄せ船外へ荷
    卸し自在とする荷役装置を備える粉粒体運搬船におい
    て、荷役装置(40)は、船倉(20)底上を移動自在に粉粒体
    (F) を掻き寄せる粉粒体掻寄機(42)と、粉粒体掻寄機(4
    2)で掻き寄せた粉粒体(F) の近傍で開口するように粉粒
    体掻寄機(42)と一体的に設けた第1吸引口(431) を備
    え、掻き寄せた粉粒体(F) を空気(A) と共に粉粒体空気
    混合体(FA)として第1吸引口(431) から船倉(20)外へ吸
    引する第1ダクト(43)と、第1ダクト(43)から粉粒体空
    気混合体(FA)を受けて粉粒体(F) と空気(A) とに分離す
    る分離機(47)と、分離機(47)から粉粒体(F) を受けて一
    旦貯留自在とすると共に、貯留した粉粒体(F) を圧縮空
    気(Ap)によって船外へ送出自在とするタンク(49)とを有
    することを特徴とする粉粒体運搬船。
  2. 【請求項2】 前記分離機(47)は、第1ダクト(43)から
    粉粒体空気混合体(FA)を受けて粉粒体(F) と粉粒体(F)
    を微量(f) 含む微量粉粒体空気混合体(fA)とに分離する
    サイクロン式分離機(47a) と、サイクロン式分離機(47
    a) から微量粉粒体空気混合体(fA)の一部を受けて粉粒
    体(F) と空気(A) とに分離して空気(A)を船外に開放す
    る濾過式分離機(47b) とを備え、前記船倉(20)は、サイ
    クロン式分離機(47a) と濾過式分離機(47b) との接続間
    から延設された第2ダクト(44)に接続され、サイクロン
    式分離機(47a) から残りの微量粉粒体空気混合体(fA)を
    戻され自在とされていることを特徴とする請求項1記載
    の粉粒体運搬船。
  3. 【請求項3】 前記第1ダクト(43)は、下流側ダクト(4
    3a) と、上流側ダクト(43b) とを有し、下流側ダクト(4
    3a) は、船倉(20)の上縁に沿って船首側から船尾側にか
    けて固設した溝(434) と、溝(434) の上面開口(435) を
    塞ぐように溝(434) 上に延設した一枚の可撓帯(436) と
    を備えて船倉(20)外へと導出され、上流側ダクト(43b)
    は、粉粒体掻寄機(42)で掻き寄せた粉粒体(F) の近傍で
    開口するように粉粒体掻寄機(42)と一体的に設けた第1
    吸引口(431) を先端部に備えると共に後端部の下面に下
    面開口(437) を備え、かつこの下面開口(437) が溝(43
    4) の上面開口(435) に常時合致するように溝(434) と
    可撓帯(436) との間に後端部を挿入され、かつこの挿入
    によって持ち上がる可撓帯(436) と溝(434) との隙間を
    塞ぐ部材(438) を後端部に備え、これにより下面開口(4
    37) が溝(434) の上面開口(435) に連通しつつ、溝(43
    4) 上をその長手方向へスライド自在に下流側ダクト(43
    a) に対して接続されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の粉粒体運搬船。
  4. 【請求項4】 前記タンク(49)はさらに、船外から粉粒
    体(F) を受け入れ自在とされて一旦貯留自在とすると共
    に、貯留した粉粒体(F) を圧縮空気(Ap)によって船倉(2
    0)上部から船倉(20)内に散布する第3ダクト(45)に接続
    自在とされ、前記第1ダクト(43)はさらに、船倉(20)上
    部で開口する第2吸引口(432) と、第2吸引口(432) を
    閉じると共に第1吸引口(431) を船倉(20)外へ連通させ
    る第1位置と第1吸引口(431) を閉じると共に第2吸引
    口(432) を船倉(20)外へ連通させる第2位置とを有して
    これら第1、第2位置間で切換え自在とされた三方弁式
    のシャッタ(433) とを備えたことを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の粉粒体運搬船。
  5. 【請求項5】 屋根(10)は、開閉自在とされていること
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粉粒体運搬
    船。
  6. 【請求項6】 一側ダクト(43a) と、他側ダクト(43b)
    とを有し、一側ダクト(43a) は、溝(434) と、溝(434)
    の上面開口(435) を塞ぐように溝(434) 上に延設した一
    枚の可撓帯(436) とを備え、他側ダクト(43b) は、所定
    部位の下面に下面開口(437) を備え、かつこの下面開口
    (437) が溝(434) の上面開口(435) に常時合致するよう
    に溝(434) と可撓帯(436) との間に挿入され、かつこの
    挿入によって持ち上がる可撓帯(436) と溝(434) との隙
    間を塞ぐ部材(438) を挿入部外周に備え、これにより下
    面開口(437) が溝(434) の上面開口(435) に連通しつ
    つ、溝(434) 上をその長手方向へスライド自在に一側ダ
    クト(43a) に対して接続されていることを特徴とするス
    ライド式接続ダクト。
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