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JP2000351791A - ドキソルビシンの精製方法 - Google Patents

ドキソルビシンの精製方法

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Publication number
JP2000351791A
JP2000351791A JP11161030A JP16103099A JP2000351791A JP 2000351791 A JP2000351791 A JP 2000351791A JP 11161030 A JP11161030 A JP 11161030A JP 16103099 A JP16103099 A JP 16103099A JP 2000351791 A JP2000351791 A JP 2000351791A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
doxorubicin
aqueous solution
hydrochloric acid
purity
solution
Prior art date
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Pending
Application number
JP11161030A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Shiromichi
修 城道
Konomi Iguchi
このみ 井口
Takeo Yoshioka
武男 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mercian Corp
Original Assignee
Mercian Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mercian Corp filed Critical Mercian Corp
Priority to JP11161030A priority Critical patent/JP2000351791A/ja
Publication of JP2000351791A publication Critical patent/JP2000351791A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率のよいドキソルビシンの精製方法の提
供。 【解決手段】 粗精製ドキソルビシンからドキソルビシ
ンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、水混和性
有機溶媒を含有するpH2.5〜5に調整された水性溶
液による溶出操作にかけることによりドキソルビシンを
溶出し、こうして得られた溶出液から精製されたドキソ
ルビシンを回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アントラサイクリ
ン抗生物質ドキソルビシンの高純度製品を得るための精
製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ドキソルビシン(アドリアマイシンとも
称されている)は、放線菌の培養液あるいはダウノマイ
シンを原料とした化学合成により得られることが知られ
ており、実験腫瘍に対して広域抗癌スペクトルを有する
アントラサイクリン抗生物質である(米国特許第3,5
90,028号明細書参照)。そして、現に、癌化学療
法剤として臨床的にも広く利用されている。
【0003】ドキソルビシン(以下、「DX」と略記す
る)を初めとする類似のアントラサイクリン抗生物質
は、前記培養液あるいは反応液から粗精製したものを、
カチオン交換樹脂[例、Amberlite(商標)IRC5
0]にかけ、塩化ナトリウム含有水または水と塩化ナト
リウムを含有するメタノールで溶離することにより、さ
らに精製されている(特公昭49−44347号、特開
昭50−15880号)。また、重合体状イオン交換樹
脂[例、Amberlite(商標)ER180]もしくはCM
セファロース樹脂[例、Sepharose(商標)CHB]に
前記抗生物質を吸着させた後、酸性の水と極性溶媒の混
合物を用いて溶離する工程を含む方法も公表されている
[特開昭59−118797号ならびにそれに由来する
特公平4−39476号:これらに対応する米国特許第
4,861,870号]。さらに、後者の公報には、上記
重合体状イオン交換樹脂で処理する前の予備精製工程に
おいて吸着性多孔質合成樹脂担体[例、Amberlite(商
標)XAD2]に粗精製DXを吸着させた後、水:メタ
ノール(7:3)(v/v)混合物を用いて前記抗生物
質を溶離することも記載されているが、溶離液はpH調
整していない。しかも高純度のDXを得るためにはさら
なる精製を必要としている。
【0004】以上の従来技術の吸着、溶離手段によれ
ば、一定の高純度DXを得ることもできるようである
が、高純度製品を得ようとすればする程、目的とするD
Xの回収率が低下し、逆に回収率を高めようとすればす
る程、製品の純度を高めることができない。特に、培養
液あるいは培養液の粗精製液からDXを回収しようとす
る場合、その後の結晶化を初めとする精製工程により除
去することが困難な不純物(たとえば、後述するHPL
C分析でDXより保持時間の大きいもの)が精製DXに
随伴してくる傾向がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の目
的は、出発粗精製DXから高純度DXを高い回収率で、
しかも簡便な方法で得ることのできる精製方法を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高純度製
品を得るためのイオン交換樹脂[例、Amberlite(商
標)ER180]を用いる処理に先立って、予備精製の
工程で使用することが従来提案されていた吸着性(もし
くは疎水性)合成樹脂担体を用い、特定の溶離(または
溶出)条件を選ぶことにより、高回収率でかつ高純度の
DXが得られることを見い出した。たとえば、上記特開
昭59−118797号公報に記載されているように、
高純度製品を得るためには、予備精製工程である疎水性
合成樹脂工程とイオン交換樹脂工程の併用が必須である
が、予備精製工程で使用されていたにすぎない疎水性合
成樹脂担体の使用だけで、上記課題が解決できることは
全く驚くべきことであろう。
【0007】したがって本発明によれば、粗精製DXか
らDXを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、水混
和性有機溶媒を含有するpH2.5〜5に調整された水
性溶液による溶出操作にかけることによりDXを溶出
し、こうして得られた溶出液から精製されたDXを回収
することを特徴とするDXの精製方法が提供される。
【0008】本発明にいう粗精製DX(DX)は、それ
を含有する培養液から、それ自体既知の分離もしくは精
製方法に従って菌体その他の不純物が除去され、DXが
ある程度濃縮されているものであれば、DXの含有率は
いかなるものであってもよい。このような分離もしくは
精製方法には上記従来技術として紹介した方法をも包含
される。また、発酵生産物であるダウノマイシンを原料
とし、その14位をハロゲン化し、さらにこれを加水分
解する半合成工程を経て得られる一定の不純物を随伴す
るDX含有処理物をも、本発明にいう粗精製DXに包含
される。
【0009】しかしながら、本発明方法がより効率的に
適用できるのは、DXの相対純度が約80%以上、好ま
しくは90〜98%の粗精製DXに向けられる場合であ
る。本明細書で使用する場合の「相対純度」とは、試料
を後述するようなHPLC分析した結果得られる各成分
の溶出挙動を示す総ピーク面積に対するDX由来のピー
ク面積の割合を意味する。
【0010】粗精製DXを吸着させるのに使用する疎水
性多孔質合成樹脂担体としては、本発明の目的に沿う性
能を有するものであればどの種類のものであってもよい
が、具体的にはスチレンとジビニルベンゼンから特殊な
方法で重合して得られる多孔質(もしくは多孔性)ポリ
マーを挙げることができる。このような多孔質ポリマー
は、製造方法に従って、比表面積、細孔容積を異にする
が、後述する本発明の具体例に沿って使用することによ
り、所定の効果を得ることができるものであれば、それ
らの物性により限定されるものでない。
【0011】しかしながら、一般的に、比表面積が40
0〜800m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.650
〜1.5ml/g にあるものが好適に使用できる。この
ような多孔質ポリマーは、市販されているものから選ぶ
こともでき、限定されるものでないが、三菱化学株式会
社製のダイヤイオン(商標)HP20(以下、HP20
と略記する)または同HP20SS(以下、HP20S
Sと略記する)を都合よく使用することができる。
【0012】上記のような、粗精製DXを吸着させた疎
水性多孔質合成樹脂担体からのDXの溶出は、本発明に
よれば、水混和性有機溶媒を含有するpH2.5〜5に
調整された水性溶液を用いて実施される。水混和性有機
溶媒は本発明の目的に沿う限り特に限定されるものでな
いが、経済性と溶出効率の両者を兼ね備えたものとして
は、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび
アセトンを挙げることができる。これらのうち、特に好
適なものは、メタノールおよびアセトンである。このよ
うな溶媒を使用するとき、これらの溶媒と水溶液は、使
用する溶媒によって最適混合比が変動するので限定でき
ないが、一般的に、溶媒:水溶液の比は、それぞれ容量
基準で、10:90〜70:30の割合で使用できる。
たとえば、メタノールを使用する場合には、メタノー
ル:水溶液の比は、20:80〜70:30、特に、約
50:50の割合で使用でき、アセトンを使用する場合
には、アセトン:水溶液の比は、10:90〜30:7
0、特に15:85〜25:75の割合で使用できる。
【0013】これらの有機溶媒を含有する水性溶液は、
特にpH2.5〜5に調整されていることが必要であ
る。pHが2.5より低いと、一般的に得られる製品に
おけるDXの相対純度が低くなる傾向があり、特にその
後の精製工程で除去しにくい不純物が増加する傾向があ
る。一方、pHが6を超えるとDXの溶出に要する溶出
液量が多くなる傾向があり、またDXの溶液中での安定
性が低くなる傾向もある。この有機溶媒含有水性溶液の
pH調整は、無機もしくは有機酸または必要により緩衝
剤を併用して行うことができる。酸としては、特に塩酸
を好ましいものとして挙げることができる。緩衝化に使
用できる緩衝剤は、製品に悪影響を及ぼさないものであ
れば、いかなる緩衝剤であってもよい。限定されるもの
でないが、かような緩衝剤としては、重フタル酸カリウ
ム−HCl、グリココール酸−HCl、クエン酸ナトリ
ウム−HCl、クエン酸カリウム−HCl、クエン酸カ
リウム−クエン酸、コハク酸−Na247、酢酸ナト
リウム−HCl、酢酸ナトリウム−酢酸、クエン酸−N
2HPO4、酒石酸−酒石酸ナトリウム、乳酸−乳酸ナ
トリウム、アコニチン酸−NaOH、コハク酸−NaO
H等を挙げることができる。これらのうち、特に、クエ
ン酸ナトリウム−HClが好ましい。
【0014】塩酸のみを使用してpH調整すると、本操
作以降のDX回収の際にクロロホルム等の有機溶媒によ
る抽出工程等の塩の置換工程を省略することができ、他
の酸の使用により生じる塩または緩衝剤を除去する工程
を省略できる点で有利である。
【0015】上記樹脂担体からそれに吸着しているDX
を溶出する操作条件は、DXまたは樹脂担体に変性など
の悪影響を及ぼさない温度であれば、どのような温度で
あってもよいが、ほぼ室温(10〜30℃)付近での操
作を選ぶのが都合よい。さらに、かような樹脂担体は、
通常、カラムに充填した態様で操作するのがよいが、こ
れに限定されない。
【0016】粗精製DXを吸着させた疎水性多孔質合成
樹脂担体の調製は、上記溶出に悪影響を及ぼさない方法
に従ったものであれば、どのような方法でDXが前記樹
脂担体に吸着されたものであってもよい。しかしなが
ら、具体的な調製は、粗精製ドキソルビシンを含むpH
約1〜5に調整された水溶液と前記担体との接触により
その担体にDXを吸着させ、次いでpH約1〜5の酸性
水でDX吸着樹脂担体を洗浄することによるのが好まし
い。上記の粗精製ドキソルビシン含有液および酸性水の
pH調節は、上述したような酸または緩衝剤を使用して
行ってもよいが、好ましくは、塩酸を使用することがで
きる。また、酸性水のpHは、約4付近に調節すること
が、特に好ましい。このような酸性水による洗浄は、洗
浄液中に不純物の存在が認められなくなるまで続ける。
この際、酸性水は、通常、樹脂量の2〜6倍量使用され
る。
【0017】以上の本発明方法によって精製されたDX
は、必要により、同一または異なる構成からなる上記方
法で繰り返し処理してもよい。
【0018】また、上記の方法により精製されたDX含
有画分からのDXの回収は、有機溶媒を留去した後、そ
の溶液から、クロロホルムなどを使用するそれ自体既知
の抽出方法により達成することができる。例えば、相対
純度が一定値以上の画分を集め、その溶液を水酸化ナト
リウムなどでpH約8.5に調節し、溶液量と同量のク
ロロホルム−メタノール混液(5:1)を加えてDXを
抽出し、有機溶媒相を減圧下に濃縮した後、これにDX
に対して等モルの塩酸を含むメタノール溶液を加えて塩
酸DXを析出せしめ、析出した塩酸DXを濾取すればよ
い。
【0019】塩酸によりpH調整した洗浄液および有機
溶媒含有水性溶液を用いて精製するときには、クロロホ
ルム−メタノール混液などによる抽出工程を省略してD
X含有画分から回収することができる。例えば、相対純
度が一定値以上のDX含有画分を集め、減圧下に濃縮
し、これにアセトンなどの貧溶媒を加えてDXを析出せ
しめ、析出したDXを濾取すればよい。
【0020】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これらの例は、本発明ならびに本発明の作
用および効果の理解をより容易にする目的で提供するも
のである。
【0021】実施例1:低純度DXの精製−クエン酸緩
衝液(以下、CBSという)(pH3.5)、溶媒比率
(15:85)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.5、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.5)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.5)(15:85)で
溶出させた。下記の条件でDX溶出分画(各6.25m
l)のHPLC分析を行い、DX濃度500μg/ml
以上の分画を集めた。その結果、回収率57%、回収溶
液量228ml、相対純度99.89%であった。
【0022】HPLC分析条件: カラム:ZORBAX,TMS、 250×4.6mm
i.d.(ヒューレット・パッカード社製) カラム温度:40℃ 移動相:水−アセトニトリル−メタノール−リン酸(5
40:290:170:2)+ドデシル硫酸ナトリウム
1.0g/l(pH3.6、2N水酸化ナトリウム) 流速:1.5ml/min 検出:495nm
【0023】実施例2:低純度DXの精製−CBS(p
H3.5)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.5、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.5)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.5)(20:80)で
溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分
析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集め
た。その結果、回収率83%、回収溶液量121ml、
相対純度99.93%であった。
【0024】実施例3:低純度DXの精製−CBS(p
H3.5)、溶媒比率(25:75)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.5、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.0)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.5)(25:75)で
溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分
析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集め
た。その結果、回収率96%、回収溶液量94ml、相
対純度99.96%であった。
【0025】実施例4:低純度DXの精製−CBS(p
H3.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.0)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.0)(20:80)で
溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分
析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集め
た。その結果、回収率86%、回収溶液量101ml、
相対純度99.91%であった。
【0026】実施例5:低純度DXの精製−CBS(p
H4.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH4.0)50mlで洗浄した後、
アセトン−0.1MCBS(pH4.0)(20:8
0)で溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHP
LC分析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画
を集めた。その結果、回収率89%、回収溶液量241
ml、相対純度99.85%であった。
【0027】実施例6:低純度DXの精製−塩酸水(p
H3.0)、溶媒比率(10:90)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH3.0)(10:90)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率89%、回収溶液量60ml、相対純度
99.92%であった。
【0028】実施例7:低純度DXの精製−塩酸水(p
H3.0)、溶媒比率(15:85)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH3.0)(15:85)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率99%、回収溶液量34ml、相対純度
99.94%であった。
【0029】実施例8:低純度DXの精製−塩酸水(p
H3.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH3.0)(20:80)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率99%、回収溶液量25ml、相対純度
99.74%であった。
【0030】実施例9:低純度DXの精製−塩酸水(p
H3.0)、溶媒比率(10:90)、負荷量2倍− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH3.0)(10:90)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率80%、回収溶液量54ml、相対純
度99.93%であった。
【0031】実施例10:低純度DXの精製−塩酸水
(pH3.0)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH3.0)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率81%、回収溶液量38ml、相対純
度99.91%であった。
【0032】実施例11:低純度DXの精製−塩酸水
(pH4.0)、溶媒比率(15:85)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH4.0)(15:85)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率98%、回収溶液量40ml、相対純度
99.96%であった。
【0033】実施例12:低純度DXの精製−塩酸水
(pH4.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH4.0)(20:80)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率99%、回収溶液量29ml、相対純度
99.81%であった。
【0034】実施例13:低純度DXの精製−塩酸水
(pH4.0)、溶媒比率(10:90)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH4.0)(10:90)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率80%、回収溶液量54ml、相対純
度99.94%であった。
【0035】実施例14:低純度DXの精製−塩酸水
(pH4.0)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH4.0)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率82%、回収溶液量43ml、相対純
度99.90%であった。
【0036】実施例15:低純度DXの精製−塩酸水
(pH2.5)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH2.5、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH2.5)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率85%、回収溶液量38ml、相対純
度99.83%であった。
【0037】実施例16:低純度DXの精製−塩酸水
(pH5.0)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH5.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH5.0)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率94%、回収溶液量49ml、相対純
度99.87%であった。
【0038】実施例17:DX反応液の精製−塩酸水
(pH3.0)、溶媒比率(10:90)− 14−ブロモドキソルビシン1000mgを水17ml
に溶解した。これにギ酸ナトリウム水溶液(ギ酸ナトリ
ウム338mg/水3ml、pH5.9)を加え、窒素
置換しながら20時間攪拌した。得られた反応終了液
(pH4)に0.1N塩酸30mlおよび酸性水(pH
3.0、塩酸)を加えた(液量75ml、DX含量約6
50mg)。この溶液をHP20SSのカラム(25m
l)に通液した。酸性水(pH3.0、塩酸)50ml
で洗浄した後、アセトン−塩酸水(pH3.0)(1
0:90)で溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画
のHPLC分析を行い、DX濃度500μg/ml以上
の分画を集めた。その結果、回収率78%、回収溶液量
54ml、相対純度98.89%であった。
【0039】実施例18:DX反応液の精製−塩酸水
(pH3.0)、溶媒比率(15:85)− 実施例17と同様に調製したドキソルビシン含有反応終
了液(pH4)に0.1N塩酸30mlおよび酸性水
(pH3.0、塩酸)を加えた(液量75ml、DX含
量約650mg)。この溶液をHP20SSのカラム
(25ml)に通液した。酸性水(pH3.0、塩酸)
50mlで洗浄した後、アセトン−塩酸水(pH3.
0)(15:85)で溶出させ、実施例1の条件でDX
溶出分画のHPLC分析を行い、DX濃度500μg/
ml以上の分画を集めた。その結果、回収率88%、回
収溶液量54ml、相対純度99.91%であった。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗精製ドキソルビシンからドキソルビシ
    ンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、水混和性
    有機溶媒を含有するpH2.5〜5に調整された水性溶
    液による溶出操作にかけることによりドキソルビシンを
    溶出し、こうして得られた溶出液から精製されたドキソ
    ルビシンを回収することを特徴とするドキソルビシンの
    精製方法。
  2. 【請求項2】 粗精製ドキソルビシンを吸着させた疎水
    性多孔質合成樹脂担体が、粗精製ドキソルビシンを含む
    pH約1〜5に調整された水溶液と疎水性多孔質合成樹
    脂担体との接触により前記担体にドキソルビシンを吸着
    させ、次いでpH約1〜5の酸性水溶液でドキソルビシ
    ンを吸着した前記担体を洗浄することにより調製される
    請求項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 前記酸性水溶液のpHが約2.5〜3.
    5である請求項2記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 ドキソルビシンを吸着した前記担体を洗
    浄するのに用いられる前記酸性水溶液のpHが塩酸によ
    り調整されたものである請求項2または3記載の精製方
    法。
  5. 【請求項5】 前記有機溶媒を含有する水性溶液のpH
    が塩酸により調整されており、そして前記有機溶媒がア
    セトンである請求項1〜4のいずれかに記載の精製方
    法。
  6. 【請求項6】 前記アセトンを含有する水性溶液が、ア
    セトン:水溶液の容量比が10:90〜30:70の範
    囲にある請求項5記載の精製方法。
  7. 【請求項7】 前記有機溶媒を含有する水性溶液のpH
    が塩酸により調整されており、そして前記有機溶媒がメ
    タノールである請求項1〜4のいずれかに記載の精製方
    法。
  8. 【請求項8】 前記有機溶媒を含有する水性溶液が、メ
    タノール:水溶液の容量比が20:80〜70:30の
    範囲にある請求項7記載の精製方法。
  9. 【請求項9】 粗精製ドキソルビシンが、相対純度90
    〜98%を有する請求項1〜8のいずれかに記載の精製
    方法。
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