JP2000351791A - ドキソルビシンの精製方法 - Google Patents
ドキソルビシンの精製方法Info
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Abstract
供。 【解決手段】 粗精製ドキソルビシンからドキソルビシ
ンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、水混和性
有機溶媒を含有するpH2.5〜5に調整された水性溶
液による溶出操作にかけることによりドキソルビシンを
溶出し、こうして得られた溶出液から精製されたドキソ
ルビシンを回収する。
Description
ン抗生物質ドキソルビシンの高純度製品を得るための精
製方法に関する。
称されている)は、放線菌の培養液あるいはダウノマイ
シンを原料とした化学合成により得られることが知られ
ており、実験腫瘍に対して広域抗癌スペクトルを有する
アントラサイクリン抗生物質である(米国特許第3,5
90,028号明細書参照)。そして、現に、癌化学療
法剤として臨床的にも広く利用されている。
る)を初めとする類似のアントラサイクリン抗生物質
は、前記培養液あるいは反応液から粗精製したものを、
カチオン交換樹脂[例、Amberlite(商標)IRC5
0]にかけ、塩化ナトリウム含有水または水と塩化ナト
リウムを含有するメタノールで溶離することにより、さ
らに精製されている(特公昭49−44347号、特開
昭50−15880号)。また、重合体状イオン交換樹
脂[例、Amberlite(商標)ER180]もしくはCM
セファロース樹脂[例、Sepharose(商標)CHB]に
前記抗生物質を吸着させた後、酸性の水と極性溶媒の混
合物を用いて溶離する工程を含む方法も公表されている
[特開昭59−118797号ならびにそれに由来する
特公平4−39476号:これらに対応する米国特許第
4,861,870号]。さらに、後者の公報には、上記
重合体状イオン交換樹脂で処理する前の予備精製工程に
おいて吸着性多孔質合成樹脂担体[例、Amberlite(商
標)XAD2]に粗精製DXを吸着させた後、水:メタ
ノール(7:3)(v/v)混合物を用いて前記抗生物
質を溶離することも記載されているが、溶離液はpH調
整していない。しかも高純度のDXを得るためにはさら
なる精製を必要としている。
ば、一定の高純度DXを得ることもできるようである
が、高純度製品を得ようとすればする程、目的とするD
Xの回収率が低下し、逆に回収率を高めようとすればす
る程、製品の純度を高めることができない。特に、培養
液あるいは培養液の粗精製液からDXを回収しようとす
る場合、その後の結晶化を初めとする精製工程により除
去することが困難な不純物(たとえば、後述するHPL
C分析でDXより保持時間の大きいもの)が精製DXに
随伴してくる傾向がある。
的は、出発粗精製DXから高純度DXを高い回収率で、
しかも簡便な方法で得ることのできる精製方法を提供す
ることにある。
品を得るためのイオン交換樹脂[例、Amberlite(商
標)ER180]を用いる処理に先立って、予備精製の
工程で使用することが従来提案されていた吸着性(もし
くは疎水性)合成樹脂担体を用い、特定の溶離(または
溶出)条件を選ぶことにより、高回収率でかつ高純度の
DXが得られることを見い出した。たとえば、上記特開
昭59−118797号公報に記載されているように、
高純度製品を得るためには、予備精製工程である疎水性
合成樹脂工程とイオン交換樹脂工程の併用が必須である
が、予備精製工程で使用されていたにすぎない疎水性合
成樹脂担体の使用だけで、上記課題が解決できることは
全く驚くべきことであろう。
らDXを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、水混
和性有機溶媒を含有するpH2.5〜5に調整された水
性溶液による溶出操作にかけることによりDXを溶出
し、こうして得られた溶出液から精製されたDXを回収
することを特徴とするDXの精製方法が提供される。
を含有する培養液から、それ自体既知の分離もしくは精
製方法に従って菌体その他の不純物が除去され、DXが
ある程度濃縮されているものであれば、DXの含有率は
いかなるものであってもよい。このような分離もしくは
精製方法には上記従来技術として紹介した方法をも包含
される。また、発酵生産物であるダウノマイシンを原料
とし、その14位をハロゲン化し、さらにこれを加水分
解する半合成工程を経て得られる一定の不純物を随伴す
るDX含有処理物をも、本発明にいう粗精製DXに包含
される。
適用できるのは、DXの相対純度が約80%以上、好ま
しくは90〜98%の粗精製DXに向けられる場合であ
る。本明細書で使用する場合の「相対純度」とは、試料
を後述するようなHPLC分析した結果得られる各成分
の溶出挙動を示す総ピーク面積に対するDX由来のピー
ク面積の割合を意味する。
性多孔質合成樹脂担体としては、本発明の目的に沿う性
能を有するものであればどの種類のものであってもよい
が、具体的にはスチレンとジビニルベンゼンから特殊な
方法で重合して得られる多孔質(もしくは多孔性)ポリ
マーを挙げることができる。このような多孔質ポリマー
は、製造方法に従って、比表面積、細孔容積を異にする
が、後述する本発明の具体例に沿って使用することによ
り、所定の効果を得ることができるものであれば、それ
らの物性により限定されるものでない。
0〜800m2/gの範囲にあり、細孔容積が0.650
〜1.5ml/g にあるものが好適に使用できる。この
ような多孔質ポリマーは、市販されているものから選ぶ
こともでき、限定されるものでないが、三菱化学株式会
社製のダイヤイオン(商標)HP20(以下、HP20
と略記する)または同HP20SS(以下、HP20S
Sと略記する)を都合よく使用することができる。
水性多孔質合成樹脂担体からのDXの溶出は、本発明に
よれば、水混和性有機溶媒を含有するpH2.5〜5に
調整された水性溶液を用いて実施される。水混和性有機
溶媒は本発明の目的に沿う限り特に限定されるものでな
いが、経済性と溶出効率の両者を兼ね備えたものとして
は、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび
アセトンを挙げることができる。これらのうち、特に好
適なものは、メタノールおよびアセトンである。このよ
うな溶媒を使用するとき、これらの溶媒と水溶液は、使
用する溶媒によって最適混合比が変動するので限定でき
ないが、一般的に、溶媒:水溶液の比は、それぞれ容量
基準で、10:90〜70:30の割合で使用できる。
たとえば、メタノールを使用する場合には、メタノー
ル:水溶液の比は、20:80〜70:30、特に、約
50:50の割合で使用でき、アセトンを使用する場合
には、アセトン:水溶液の比は、10:90〜30:7
0、特に15:85〜25:75の割合で使用できる。
特にpH2.5〜5に調整されていることが必要であ
る。pHが2.5より低いと、一般的に得られる製品に
おけるDXの相対純度が低くなる傾向があり、特にその
後の精製工程で除去しにくい不純物が増加する傾向があ
る。一方、pHが6を超えるとDXの溶出に要する溶出
液量が多くなる傾向があり、またDXの溶液中での安定
性が低くなる傾向もある。この有機溶媒含有水性溶液の
pH調整は、無機もしくは有機酸または必要により緩衝
剤を併用して行うことができる。酸としては、特に塩酸
を好ましいものとして挙げることができる。緩衝化に使
用できる緩衝剤は、製品に悪影響を及ぼさないものであ
れば、いかなる緩衝剤であってもよい。限定されるもの
でないが、かような緩衝剤としては、重フタル酸カリウ
ム−HCl、グリココール酸−HCl、クエン酸ナトリ
ウム−HCl、クエン酸カリウム−HCl、クエン酸カ
リウム−クエン酸、コハク酸−Na2B4O7、酢酸ナト
リウム−HCl、酢酸ナトリウム−酢酸、クエン酸−N
a2HPO4、酒石酸−酒石酸ナトリウム、乳酸−乳酸ナ
トリウム、アコニチン酸−NaOH、コハク酸−NaO
H等を挙げることができる。これらのうち、特に、クエ
ン酸ナトリウム−HClが好ましい。
作以降のDX回収の際にクロロホルム等の有機溶媒によ
る抽出工程等の塩の置換工程を省略することができ、他
の酸の使用により生じる塩または緩衝剤を除去する工程
を省略できる点で有利である。
を溶出する操作条件は、DXまたは樹脂担体に変性など
の悪影響を及ぼさない温度であれば、どのような温度で
あってもよいが、ほぼ室温(10〜30℃)付近での操
作を選ぶのが都合よい。さらに、かような樹脂担体は、
通常、カラムに充填した態様で操作するのがよいが、こ
れに限定されない。
樹脂担体の調製は、上記溶出に悪影響を及ぼさない方法
に従ったものであれば、どのような方法でDXが前記樹
脂担体に吸着されたものであってもよい。しかしなが
ら、具体的な調製は、粗精製ドキソルビシンを含むpH
約1〜5に調整された水溶液と前記担体との接触により
その担体にDXを吸着させ、次いでpH約1〜5の酸性
水でDX吸着樹脂担体を洗浄することによるのが好まし
い。上記の粗精製ドキソルビシン含有液および酸性水の
pH調節は、上述したような酸または緩衝剤を使用して
行ってもよいが、好ましくは、塩酸を使用することがで
きる。また、酸性水のpHは、約4付近に調節すること
が、特に好ましい。このような酸性水による洗浄は、洗
浄液中に不純物の存在が認められなくなるまで続ける。
この際、酸性水は、通常、樹脂量の2〜6倍量使用され
る。
は、必要により、同一または異なる構成からなる上記方
法で繰り返し処理してもよい。
有画分からのDXの回収は、有機溶媒を留去した後、そ
の溶液から、クロロホルムなどを使用するそれ自体既知
の抽出方法により達成することができる。例えば、相対
純度が一定値以上の画分を集め、その溶液を水酸化ナト
リウムなどでpH約8.5に調節し、溶液量と同量のク
ロロホルム−メタノール混液(5:1)を加えてDXを
抽出し、有機溶媒相を減圧下に濃縮した後、これにDX
に対して等モルの塩酸を含むメタノール溶液を加えて塩
酸DXを析出せしめ、析出した塩酸DXを濾取すればよ
い。
溶媒含有水性溶液を用いて精製するときには、クロロホ
ルム−メタノール混液などによる抽出工程を省略してD
X含有画分から回収することができる。例えば、相対純
度が一定値以上のDX含有画分を集め、減圧下に濃縮
し、これにアセトンなどの貧溶媒を加えてDXを析出せ
しめ、析出したDXを濾取すればよい。
説明するが、これらの例は、本発明ならびに本発明の作
用および効果の理解をより容易にする目的で提供するも
のである。
衝液(以下、CBSという)(pH3.5)、溶媒比率
(15:85)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.5、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.5)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.5)(15:85)で
溶出させた。下記の条件でDX溶出分画(各6.25m
l)のHPLC分析を行い、DX濃度500μg/ml
以上の分画を集めた。その結果、回収率57%、回収溶
液量228ml、相対純度99.89%であった。
i.d.(ヒューレット・パッカード社製) カラム温度:40℃ 移動相:水−アセトニトリル−メタノール−リン酸(5
40:290:170:2)+ドデシル硫酸ナトリウム
1.0g/l(pH3.6、2N水酸化ナトリウム) 流速:1.5ml/min 検出:495nm
H3.5)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.5、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.5)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.5)(20:80)で
溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分
析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集め
た。その結果、回収率83%、回収溶液量121ml、
相対純度99.93%であった。
H3.5)、溶媒比率(25:75)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.5、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.0)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.5)(25:75)で
溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分
析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集め
た。その結果、回収率96%、回収溶液量94ml、相
対純度99.96%であった。
H3.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH3.0)50mlで洗浄した後、ア
セトン−0.1MCBS(pH3.0)(20:80)で
溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分
析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集め
た。その結果、回収率86%、回収溶液量101ml、
相対純度99.91%であった。
H4.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水25mlで洗浄し、続けて
0.1MCBS(pH4.0)50mlで洗浄した後、
アセトン−0.1MCBS(pH4.0)(20:8
0)で溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHP
LC分析を行い、DX濃度500μg/ml以上の分画
を集めた。その結果、回収率89%、回収溶液量241
ml、相対純度99.85%であった。
H3.0)、溶媒比率(10:90)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH3.0)(10:90)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率89%、回収溶液量60ml、相対純度
99.92%であった。
H3.0)、溶媒比率(15:85)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH3.0)(15:85)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率99%、回収溶液量34ml、相対純度
99.94%であった。
H3.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH3.0)(20:80)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率99%、回収溶液量25ml、相対純度
99.74%であった。
H3.0)、溶媒比率(10:90)、負荷量2倍− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH3.0)(10:90)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率80%、回収溶液量54ml、相対純
度99.93%であった。
(pH3.0)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH3.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH3.0)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率81%、回収溶液量38ml、相対純
度99.91%であった。
(pH4.0)、溶媒比率(15:85)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH4.0)(15:85)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率98%、回収溶液量40ml、相対純度
99.96%であった。
(pH4.0)、溶媒比率(20:80)− 低純度DX粉末500mg(DX含量397mg、相対
純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25m
lに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(25
ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、ア
セトン−塩酸水(pH4.0)(20:80)で溶出さ
せ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を行
い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。そ
の結果、回収率99%、回収溶液量29ml、相対純度
99.81%であった。
(pH4.0)、溶媒比率(10:90)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH4.0)(10:90)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率80%、回収溶液量54ml、相対純
度99.94%であった。
(pH4.0)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH4.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH4.0)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率82%、回収溶液量43ml、相対純
度99.90%であった。
(pH2.5)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH2.5、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH2.5)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率85%、回収溶液量38ml、相対純
度99.83%であった。
(pH5.0)、溶媒比率(15:85)、負荷量2倍
− 低純度DX粉末1000mg(DX含量794mg、相
対純度97.8%)を酸性水(pH5.0、塩酸)25
mlに溶解して、この溶液をHP20SSのカラム(2
5ml)に通液した。同酸性水50mlで洗浄した後、
アセトン−塩酸水(pH5.0)(15:85)で溶出
させ、実施例1の条件でDX溶出分画のHPLC分析を
行い、DX濃度500μg/ml以上の分画を集めた。
その結果、回収率94%、回収溶液量49ml、相対純
度99.87%であった。
(pH3.0)、溶媒比率(10:90)− 14−ブロモドキソルビシン1000mgを水17ml
に溶解した。これにギ酸ナトリウム水溶液(ギ酸ナトリ
ウム338mg/水3ml、pH5.9)を加え、窒素
置換しながら20時間攪拌した。得られた反応終了液
(pH4)に0.1N塩酸30mlおよび酸性水(pH
3.0、塩酸)を加えた(液量75ml、DX含量約6
50mg)。この溶液をHP20SSのカラム(25m
l)に通液した。酸性水(pH3.0、塩酸)50ml
で洗浄した後、アセトン−塩酸水(pH3.0)(1
0:90)で溶出させ、実施例1の条件でDX溶出分画
のHPLC分析を行い、DX濃度500μg/ml以上
の分画を集めた。その結果、回収率78%、回収溶液量
54ml、相対純度98.89%であった。
(pH3.0)、溶媒比率(15:85)− 実施例17と同様に調製したドキソルビシン含有反応終
了液(pH4)に0.1N塩酸30mlおよび酸性水
(pH3.0、塩酸)を加えた(液量75ml、DX含
量約650mg)。この溶液をHP20SSのカラム
(25ml)に通液した。酸性水(pH3.0、塩酸)
50mlで洗浄した後、アセトン−塩酸水(pH3.
0)(15:85)で溶出させ、実施例1の条件でDX
溶出分画のHPLC分析を行い、DX濃度500μg/
ml以上の分画を集めた。その結果、回収率88%、回
収溶液量54ml、相対純度99.91%であった。
Claims (9)
- 【請求項1】 粗精製ドキソルビシンからドキソルビシ
ンを吸着させた疎水性多孔質合成樹脂担体を、水混和性
有機溶媒を含有するpH2.5〜5に調整された水性溶
液による溶出操作にかけることによりドキソルビシンを
溶出し、こうして得られた溶出液から精製されたドキソ
ルビシンを回収することを特徴とするドキソルビシンの
精製方法。 - 【請求項2】 粗精製ドキソルビシンを吸着させた疎水
性多孔質合成樹脂担体が、粗精製ドキソルビシンを含む
pH約1〜5に調整された水溶液と疎水性多孔質合成樹
脂担体との接触により前記担体にドキソルビシンを吸着
させ、次いでpH約1〜5の酸性水溶液でドキソルビシ
ンを吸着した前記担体を洗浄することにより調製される
請求項1記載の精製方法。 - 【請求項3】 前記酸性水溶液のpHが約2.5〜3.
5である請求項2記載の精製方法。 - 【請求項4】 ドキソルビシンを吸着した前記担体を洗
浄するのに用いられる前記酸性水溶液のpHが塩酸によ
り調整されたものである請求項2または3記載の精製方
法。 - 【請求項5】 前記有機溶媒を含有する水性溶液のpH
が塩酸により調整されており、そして前記有機溶媒がア
セトンである請求項1〜4のいずれかに記載の精製方
法。 - 【請求項6】 前記アセトンを含有する水性溶液が、ア
セトン:水溶液の容量比が10:90〜30:70の範
囲にある請求項5記載の精製方法。 - 【請求項7】 前記有機溶媒を含有する水性溶液のpH
が塩酸により調整されており、そして前記有機溶媒がメ
タノールである請求項1〜4のいずれかに記載の精製方
法。 - 【請求項8】 前記有機溶媒を含有する水性溶液が、メ
タノール:水溶液の容量比が20:80〜70:30の
範囲にある請求項7記載の精製方法。 - 【請求項9】 粗精製ドキソルビシンが、相対純度90
〜98%を有する請求項1〜8のいずれかに記載の精製
方法。
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JP11161030A JP2000351791A (ja) | 1999-06-08 | 1999-06-08 | ドキソルビシンの精製方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN104774229A (zh) * | 2014-01-10 | 2015-07-15 | 浙江华谱新创科技有限公司 | 一种阿霉素及其衍生物的制备方法 |
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CN111574574A (zh) * | 2020-04-20 | 2020-08-25 | 苏州赛分科技有限公司 | 多柔比星的纯化方法 |
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-
1999
- 1999-06-08 JP JP11161030A patent/JP2000351791A/ja active Pending
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