JP2000164207A - 非水系電解質二次電池 - Google Patents
非水系電解質二次電池Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 SiOなどの高容量で充放電可逆性に富む酸化
物の活物質は一般に大きい不可逆容量も有しており、電
気化学的なLi補充などの極めて煩雑な手段を用いなけれ
ば使用できなかった。 【解決手段】 負極にSiOなどの不可逆容量の大なる酸
化物とともにリチウム含有複合窒化物を含ませること
で、酸化物とリチウム含有複合窒化物の相互作用でLiの
補充を電極内で自動的に行わせることができ、可逆性の
優れた高容量の電池が実現できる。
物の活物質は一般に大きい不可逆容量も有しており、電
気化学的なLi補充などの極めて煩雑な手段を用いなけれ
ば使用できなかった。 【解決手段】 負極にSiOなどの不可逆容量の大なる酸
化物とともにリチウム含有複合窒化物を含ませること
で、酸化物とリチウム含有複合窒化物の相互作用でLiの
補充を電極内で自動的に行わせることができ、可逆性の
優れた高容量の電池が実現できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、充放電サイクル特
性に優れた高容量非水系電解質二次電池、特に正極にコ
バルト酸リチウムやニッケル酸リチウムなどのリチウム
含有複合酸化物を用いた電池の負極に用いる活物質材料
に関するものである。
性に優れた高容量非水系電解質二次電池、特に正極にコ
バルト酸リチウムやニッケル酸リチウムなどのリチウム
含有複合酸化物を用いた電池の負極に用いる活物質材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非水系電解質二次電池用の負極材料とし
ては、金属リチウムやリチウム合金が代表的であるが、
金属リチウムは樹枝上析出(デンドライト)による内部
ショートの発生やデンドライト自体の活性による発火の
危険性もあり実用化はされていない。また、リチウム合
金も数多く提案されたが、充放電に伴う組織の崩壊等で
サイクル可逆性を十分に確保できないという理由でこれ
も実用化に至っていない。これに対し、リチウム(以
下、Liと示す)を可逆的に吸蔵放出可能な黒鉛等の炭素
質材料を負極に用いたいわゆるリチウムイオン電池が実
用化された。この電池は正極にリチウム含有複合酸化物
であるLiCoO2を用いており、正極に予め含まれているLi
が負極の炭素質材料との間で可逆的に挿入脱離されるこ
とで充放電を行う仕組みになっている。このような正極
としてはLiCoO2以外にLiNiO2、LiMn2O 4やこれらの複合
体などがあり、これらは金属リチウム電位基準で約+4V
の高い電極電位を示しその可逆容量も大きく、高電圧高
容量を実現できる優れた活物質材料である。
ては、金属リチウムやリチウム合金が代表的であるが、
金属リチウムは樹枝上析出(デンドライト)による内部
ショートの発生やデンドライト自体の活性による発火の
危険性もあり実用化はされていない。また、リチウム合
金も数多く提案されたが、充放電に伴う組織の崩壊等で
サイクル可逆性を十分に確保できないという理由でこれ
も実用化に至っていない。これに対し、リチウム(以
下、Liと示す)を可逆的に吸蔵放出可能な黒鉛等の炭素
質材料を負極に用いたいわゆるリチウムイオン電池が実
用化された。この電池は正極にリチウム含有複合酸化物
であるLiCoO2を用いており、正極に予め含まれているLi
が負極の炭素質材料との間で可逆的に挿入脱離されるこ
とで充放電を行う仕組みになっている。このような正極
としてはLiCoO2以外にLiNiO2、LiMn2O 4やこれらの複合
体などがあり、これらは金属リチウム電位基準で約+4V
の高い電極電位を示しその可逆容量も大きく、高電圧高
容量を実現できる優れた活物質材料である。
【0003】一方、負極材料の炭素質材料として一般的
でもあり、高容量を有するといわれる黒鉛でもその充放
電容量は理論値の370mAh/gが上限である。そこで、リチ
ウムイオン電池のさらなる高容量化を目指して数多くの
取り組みがなされているが、特にこれらLi含有複合酸化
物正極と組み合わせて使う負極材料として炭素質材料以
外の化合物を用いる提案が有望である。例えば、酸化タ
ングステンや酸化鉄のリチウム化合物(特開平3-112070
号公報)、酸化ニオブ(特開平2-82447号公報)、酸化
鉄、酸化コバルト(特開平3-291862号公報)、リチウム
を含有する珪素の酸化物(特開平6-325765号公報)、バ
ナジウムを含む酸化物(特開平7-14580号公報)、錫、
ゲルマニウム、または珪素などを含む複合酸化物(特開
平7-201318号公報)、錫、鉛、または珪素などを含む非
晶質の酸化物(特開平7-288123号公報)などがある。
でもあり、高容量を有するといわれる黒鉛でもその充放
電容量は理論値の370mAh/gが上限である。そこで、リチ
ウムイオン電池のさらなる高容量化を目指して数多くの
取り組みがなされているが、特にこれらLi含有複合酸化
物正極と組み合わせて使う負極材料として炭素質材料以
外の化合物を用いる提案が有望である。例えば、酸化タ
ングステンや酸化鉄のリチウム化合物(特開平3-112070
号公報)、酸化ニオブ(特開平2-82447号公報)、酸化
鉄、酸化コバルト(特開平3-291862号公報)、リチウム
を含有する珪素の酸化物(特開平6-325765号公報)、バ
ナジウムを含む酸化物(特開平7-14580号公報)、錫、
ゲルマニウム、または珪素などを含む複合酸化物(特開
平7-201318号公報)、錫、鉛、または珪素などを含む非
晶質の酸化物(特開平7-288123号公報)などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように多くの負
極材料が検討されているが、本発明では中でも珪素の酸
化物に注目した。その理由は以下の通りである。
極材料が検討されているが、本発明では中でも珪素の酸
化物に注目した。その理由は以下の通りである。
【0005】第一は、珪素の酸化物(以下珪素酸化物と
呼ぶ)が極めて高容量の負極材料になりうるという点で
ある。珪素酸化物としてはガラスの成分であるSiO2が代
表的ではあるが、これは電気化学的に不活性なため活物
質とはならない。ところが、このSiO2から酸素が抜けた
珪素酸化物、例えば一般式SiOx(0<x<2)で表わさ
れる酸化物は充放電可能な負極活物質となる。中でもSi
Oに代表されるような上記一般式SiOxのxの値が0.8〜1.
2付近の低級酸化物は極めて高容量を示す。
呼ぶ)が極めて高容量の負極材料になりうるという点で
ある。珪素酸化物としてはガラスの成分であるSiO2が代
表的ではあるが、これは電気化学的に不活性なため活物
質とはならない。ところが、このSiO2から酸素が抜けた
珪素酸化物、例えば一般式SiOx(0<x<2)で表わさ
れる酸化物は充放電可能な負極活物質となる。中でもSi
Oに代表されるような上記一般式SiOxのxの値が0.8〜1.
2付近の低級酸化物は極めて高容量を示す。
【0006】第二は、珪素は地球上に存在するの元素の
中でも特にその存在量の多い物質であるため珪素の酸化
物は極めて安価な材料であり、コスト的に極めて有利と
なる点である。
中でも特にその存在量の多い物質であるため珪素の酸化
物は極めて安価な材料であり、コスト的に極めて有利と
なる点である。
【0007】第三はLiの吸蔵放出電位が他の酸化物に比
べて比較的卑であるため、高い電池電圧が得られるとい
う点である。
べて比較的卑であるため、高い電池電圧が得られるとい
う点である。
【0008】しかし、これら珪素の酸化物は高容量で優
れた可逆性を有するが、同時にほとんどの材料が大きな
不可逆容量を有するという問題があった。これが基本的
には実用化を妨げてきた。この不可逆容量とは吸蔵した
Liの一部が結晶中に捕獲され使えなくなる容量を指し、
これによって正極のリチウム含有複合酸化物から最初の
充電で供給されたLiがその後の放電で一部しか戻れない
ため、電池の容量を著しく損なうというものである。
れた可逆性を有するが、同時にほとんどの材料が大きな
不可逆容量を有するという問題があった。これが基本的
には実用化を妨げてきた。この不可逆容量とは吸蔵した
Liの一部が結晶中に捕獲され使えなくなる容量を指し、
これによって正極のリチウム含有複合酸化物から最初の
充電で供給されたLiがその後の放電で一部しか戻れない
ため、電池の容量を著しく損なうというものである。
【0009】例えば、上述のSiOの場合などは、2500mAh
/gものLiを吸蔵するが、その内1000mAh/gは不可逆容量
として取り出せず、可逆的に使えるのは1500mAh/gとな
る。
/gものLiを吸蔵するが、その内1000mAh/gは不可逆容量
として取り出せず、可逆的に使えるのは1500mAh/gとな
る。
【0010】この不可逆容量の対応策として、不可逆容
量分を予め電気化学的に充電しておく電極化成法や負極
に金属リチウムを貼り付けて不可逆容量を補う方法など
が試みられている。例えば、上述の引例にある「リチウ
ムを含有する珪素の酸化物」などはまさに酸化珪素を電
気化学的に処理してLiを含ませて製造したものである。
量分を予め電気化学的に充電しておく電極化成法や負極
に金属リチウムを貼り付けて不可逆容量を補う方法など
が試みられている。例えば、上述の引例にある「リチウ
ムを含有する珪素の酸化物」などはまさに酸化珪素を電
気化学的に処理してLiを含ませて製造したものである。
【0011】電極化成法は通電電気量を制御することで
目的に応じた量の化成が可能な点が優れているが、一度
電極を充電した後に再び電池として組み直すため煩雑で
生産性も極めて悪い。金属リチウム貼付け法は電解液を
注液することで短絡状態にある酸化物と金属リチウム間
で自動的にLiの移動を行うというものである。ところ
が、この方法の場合、極板形態によってはLiの移動が不
十分で金属リチウムが残存し、特性ばらつきの発生や安
全性に問題が生じるなどの品質上に問題があった。
目的に応じた量の化成が可能な点が優れているが、一度
電極を充電した後に再び電池として組み直すため煩雑で
生産性も極めて悪い。金属リチウム貼付け法は電解液を
注液することで短絡状態にある酸化物と金属リチウム間
で自動的にLiの移動を行うというものである。ところ
が、この方法の場合、極板形態によってはLiの移動が不
十分で金属リチウムが残存し、特性ばらつきの発生や安
全性に問題が生じるなどの品質上に問題があった。
【0012】以上のような理由で、非水系電解質二次電
池用の負極活物質として、電圧、容量、可逆性、コスト
において極めて有望であるにもかかわらず珪素酸化物を
負極に用いた非水電解質二次電池の実用化は進んでいな
い。
池用の負極活物質として、電圧、容量、可逆性、コスト
において極めて有望であるにもかかわらず珪素酸化物を
負極に用いた非水電解質二次電池の実用化は進んでいな
い。
【0013】したがって、煩雑でなく、かつ品質的にも
問題のない有望な珪素酸化物の不可逆容量を補う技術の
出現が望まれている。
問題のない有望な珪素酸化物の不可逆容量を補う技術の
出現が望まれている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、高容量の珪素
酸化物負極の不可逆容量を補う効果的な方法を提供する
もので、以下にその手段を示す。
酸化物負極の不可逆容量を補う効果的な方法を提供する
もので、以下にその手段を示す。
【0015】基本的に正極にはリチウムを吸蔵放出可能
なリチウム含有複合酸化物を用いる。
なリチウム含有複合酸化物を用いる。
【0016】負極には珪素の酸化物と一般式Li3-XMXN
(Mは遷移金属、0.2<X≦0.8)で表されるリチウム含
有複合窒化物との混合活物質を用いる。
(Mは遷移金属、0.2<X≦0.8)で表されるリチウム含
有複合窒化物との混合活物質を用いる。
【0017】上記正極のリチウム含有複合酸化物として
は、具体的には既存のリチウムイオン二次電池で用いら
れているコバルト酸リチウム(LiCoO2)をはじめとした
ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、及びその複合体(LiCo
xNiyO2、x+y=1)、ならびにマンガン酸リチウム(LiMn
2O4)などを用いる。
は、具体的には既存のリチウムイオン二次電池で用いら
れているコバルト酸リチウム(LiCoO2)をはじめとした
ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、及びその複合体(LiCo
xNiyO2、x+y=1)、ならびにマンガン酸リチウム(LiMn
2O4)などを用いる。
【0018】使用する珪素の酸化物としては、容量、可
逆性の観点から珪素の低級酸化物SiOが特に好ましい。
逆性の観点から珪素の低級酸化物SiOが特に好ましい。
【0019】一方、使用する一般式Li3-XMXN(Mは
遷移金属、0.2<X≦0.8)で表わされるリチウム含有複
合窒化物はいずれも高容量の負極活物質となるが、特に
遷移金属Mにコバルト(Co)を用いたものが好適材料で
ある。
遷移金属、0.2<X≦0.8)で表わされるリチウム含有複
合窒化物はいずれも高容量の負極活物質となるが、特に
遷移金属Mにコバルト(Co)を用いたものが好適材料で
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明は負極の材料構成に係るも
ので、珪素酸化物固有の不可逆容量をリチウム含有複合
窒化物中のLiで補充することをその基本作用とするもの
である。
ので、珪素酸化物固有の不可逆容量をリチウム含有複合
窒化物中のLiで補充することをその基本作用とするもの
である。
【0021】基本的にその負極の材料構成は活物質であ
る珪素酸化物粉末とリチウム含有複合窒化物粉末、導電
剤の炭素材粉末、および結着剤樹脂からなり、これらを
混合した合剤によって負極が形成される。これら合剤は
溶剤で混練したペーストを銅箔等の金属箔上に塗布して
圧延加工した塗布型極板や直接プレスして加圧成形極板
にするなど通常の製法で通常の形態に加工することがで
きる。次いで、珪素酸化物とリチウム含有複合窒化物を
所定量含む負極をリチウム含有複合酸化物からなる正極
と組み合わせて通常の製法で電池を構成することができ
る。
る珪素酸化物粉末とリチウム含有複合窒化物粉末、導電
剤の炭素材粉末、および結着剤樹脂からなり、これらを
混合した合剤によって負極が形成される。これら合剤は
溶剤で混練したペーストを銅箔等の金属箔上に塗布して
圧延加工した塗布型極板や直接プレスして加圧成形極板
にするなど通常の製法で通常の形態に加工することがで
きる。次いで、珪素酸化物とリチウム含有複合窒化物を
所定量含む負極をリチウム含有複合酸化物からなる正極
と組み合わせて通常の製法で電池を構成することができ
る。
【0022】本発明の電池では、負極中の珪素酸化物へ
のリチウム含有複合窒化物からの不可逆容量分に相当す
るLiの補充は電池構成後の充放電操作によってなされ
る。この負極中では導電剤を介して珪素酸化物とリチウ
ム含有複合窒化物は局部電池を構成しているが、珪素酸
化物のLi吸蔵電位がリチウム含有複合窒化物のLi放出電
位電位より卑な領域にあるため基本的に電位差による自
動的なLiの移動はない。この電池の場合、最初の充電で
まず負極の珪素酸化物へのみリチウム含有複合酸化物正
極からLiが供給され充電が終了する。次の放電で珪素酸
化物から正極へ戻るLiは不足分(不可逆容量分)が生じ
るため、この時初めてリチウム含有複合窒化物から正極
にLiが供給される。従って、最終的に珪素酸化物の不可
逆容量は完全にリチウム含有複合窒化物により補充され
ることになる。Liの補充は電池構成後の充放電操作によ
ってなされると述べたが、これは電池の製造上極めて効
果的な利点でもある。これが、本発明の珪素酸化物とリ
チウム含有複合窒化物の組み合わせを選んだ理由でもあ
る。リチウム含有複合窒化物の場合、殆どの材料におい
て初期のLi放出電位が1V付近にあるのが特徴である
が、負極として有望な酸化物はそのLi吸蔵電位が1Vよ
り貴にあるものが殆どである。すなわち、そのような酸
化物で本発明と同様の混合活物質を構成した場合、電解
液の注入と同時に電位差による自動的なLiの移動が急激
に起こる。従って、Liの吸蔵放出作用が制御可能な点で
珪素酸化物とリチウム含有複合窒化物の組み合わせは好
適である。
のリチウム含有複合窒化物からの不可逆容量分に相当す
るLiの補充は電池構成後の充放電操作によってなされ
る。この負極中では導電剤を介して珪素酸化物とリチウ
ム含有複合窒化物は局部電池を構成しているが、珪素酸
化物のLi吸蔵電位がリチウム含有複合窒化物のLi放出電
位電位より卑な領域にあるため基本的に電位差による自
動的なLiの移動はない。この電池の場合、最初の充電で
まず負極の珪素酸化物へのみリチウム含有複合酸化物正
極からLiが供給され充電が終了する。次の放電で珪素酸
化物から正極へ戻るLiは不足分(不可逆容量分)が生じ
るため、この時初めてリチウム含有複合窒化物から正極
にLiが供給される。従って、最終的に珪素酸化物の不可
逆容量は完全にリチウム含有複合窒化物により補充され
ることになる。Liの補充は電池構成後の充放電操作によ
ってなされると述べたが、これは電池の製造上極めて効
果的な利点でもある。これが、本発明の珪素酸化物とリ
チウム含有複合窒化物の組み合わせを選んだ理由でもあ
る。リチウム含有複合窒化物の場合、殆どの材料におい
て初期のLi放出電位が1V付近にあるのが特徴である
が、負極として有望な酸化物はそのLi吸蔵電位が1Vよ
り貴にあるものが殆どである。すなわち、そのような酸
化物で本発明と同様の混合活物質を構成した場合、電解
液の注入と同時に電位差による自動的なLiの移動が急激
に起こる。従って、Liの吸蔵放出作用が制御可能な点で
珪素酸化物とリチウム含有複合窒化物の組み合わせは好
適である。
【0023】さらに、リチウム含有複合窒化物にも高容
量で充放電可逆性の優れたものを利用すれば、その後の
充放電に珪素酸化物とリチウム含有複合窒化物の両者が
活物質として使えるので更なる電池の高容量化が可能と
なる。リチウム含有複合窒化物については電池の活物質
として用いる技術が「電気化学素子の電極材料としてリ
チウムニトリド金属化合物(リチウム含有複合窒化物と
同意味)を用いる」という形で開示(特開平7-78609号
公報)されている。特に、リチウム含有複合窒化物とし
ては窒化リチウムLi3NのLiの一部を銅、鉄、マンガン、
コバルト、ニッケルなどの遷移金属に置換した一般式Li
3-XMXNで表わされるものが高容量で充放電可逆性に優
れている。また、これらリチウム含有複合窒化物はその
原材料がLi、窒素、遷移金属であり、コスト的にも特に
問題はない。
量で充放電可逆性の優れたものを利用すれば、その後の
充放電に珪素酸化物とリチウム含有複合窒化物の両者が
活物質として使えるので更なる電池の高容量化が可能と
なる。リチウム含有複合窒化物については電池の活物質
として用いる技術が「電気化学素子の電極材料としてリ
チウムニトリド金属化合物(リチウム含有複合窒化物と
同意味)を用いる」という形で開示(特開平7-78609号
公報)されている。特に、リチウム含有複合窒化物とし
ては窒化リチウムLi3NのLiの一部を銅、鉄、マンガン、
コバルト、ニッケルなどの遷移金属に置換した一般式Li
3-XMXNで表わされるものが高容量で充放電可逆性に優
れている。また、これらリチウム含有複合窒化物はその
原材料がLi、窒素、遷移金属であり、コスト的にも特に
問題はない。
【0024】このようなリチウム含有複合窒化物の中で
もその置換量(上記式中X値)が0.2<X≦0.8のものが
高容量で、その中でも特に置換する遷移金属がコバルト
である一般式Li3-XCoXNで表わされるリチウム含有複合
窒化物が特に優れた充放電可逆性を有していた。
もその置換量(上記式中X値)が0.2<X≦0.8のものが
高容量で、その中でも特に置換する遷移金属がコバルト
である一般式Li3-XCoXNで表わされるリチウム含有複合
窒化物が特に優れた充放電可逆性を有していた。
【0025】従って、本発明の非水系電解質二次電池
は、基本的にはこのようなリチウム含有複合窒化物を用
いることでその絶大な効果が得られる。
は、基本的にはこのようなリチウム含有複合窒化物を用
いることでその絶大な効果が得られる。
【0026】本発明は珪素酸化物とリチウム含有複合窒
化物とを組み合わせたことを特徴としているが、この組
み合わせのもう一つの長所として、放電電圧曲線が滑ら
かな点がある。
化物とを組み合わせたことを特徴としているが、この組
み合わせのもう一つの長所として、放電電圧曲線が滑ら
かな点がある。
【0027】一般に、放電電位の異なる材料を混合して
用いると、その放電電圧が二段曲線になるなどして不連
続な電圧特性で好ましくない。ところがこの組み合わせ
の場合、両者の放電電位の位置とその変化の傾きが都合
よく合致するため、あたかも単一の活物質の放電反応の
ように滑らかな放電電圧曲線が得られる。
用いると、その放電電圧が二段曲線になるなどして不連
続な電圧特性で好ましくない。ところがこの組み合わせ
の場合、両者の放電電位の位置とその変化の傾きが都合
よく合致するため、あたかも単一の活物質の放電反応の
ように滑らかな放電電圧曲線が得られる。
【0028】以上のように、珪素酸化物とリチウム含有
複合窒化物を組み合わせた負極を用いる本発明の電池は
多くの利点を有する高性能の電池として有望である。
複合窒化物を組み合わせた負極を用いる本発明の電池は
多くの利点を有する高性能の電池として有望である。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施の形態について実施例を
挙げて詳細に説明する。
挙げて詳細に説明する。
【0030】本発明は負極の主たる活物質として珪素酸
化物を用いるが、本実施例では、その代表として珪素の
酸化物、SiOを用いた場合について説明する。
化物を用いるが、本実施例では、その代表として珪素の
酸化物、SiOを用いた場合について説明する。
【0031】酸化物のSiOは試薬として市販されている
ものが有り、この粉末を入手して用いた。
ものが有り、この粉末を入手して用いた。
【0032】また、事前に使用する酸化物SiOの充放電
性能を確認(金属リチウムを対極としたモデルセルによ
る容量特性の確認)したところ、最初の充電でSiOは約2
500mAh/g分のLiを吸蔵したが、次の放電で約1500mAh/g
しか放電せず、約1000mAh/gの不可逆容量を有した。
性能を確認(金属リチウムを対極としたモデルセルによ
る容量特性の確認)したところ、最初の充電でSiOは約2
500mAh/g分のLiを吸蔵したが、次の放電で約1500mAh/g
しか放電せず、約1000mAh/gの不可逆容量を有した。
【0033】一方、リチウム含有複合窒化物として、本
実施例ではその代表として一般式Li 3-XMXNの遷移元素
Mにコバルトを用い、X=0.5となるように調製したLi
2.5Co0 .5Nを用いた場合について説明する。
実施例ではその代表として一般式Li 3-XMXNの遷移元素
Mにコバルトを用い、X=0.5となるように調製したLi
2.5Co0 .5Nを用いた場合について説明する。
【0034】ただし、リチウム含有複合窒化物の市販品
はなく、以下に示すように別途合成した。
はなく、以下に示すように別途合成した。
【0035】市販試薬の窒化リチウム(Li3N)粉末と市
販試薬の金属コバルト(Co)粉末を所定量混合し、その
混合物を銅製の容器に入れ、窒素雰囲気中で700℃で8時
間焼成した。反応後、黒灰色の化合物が焼結体として得
られるが、これが目的のリチウム含有複合窒化物であ
る。さらにこれを粉砕しリチウム含有複合窒化物粉末と
した。なお、混合から粉砕までの一連の工程は低湿度
(露点−20℃以下)の高純度窒素雰囲気(酸素、水分10
0ppm以下)中で行った。 得られたリチウム含有複合窒
化物Li2.5Co0.5Nの粉末X線回折測定を行った結果、窒
化リチウム(Li3N)と同じ六方晶パターンが現れてお
り、不純物ピークもなく、期待通りの材料が得られてい
ることを確認した。
販試薬の金属コバルト(Co)粉末を所定量混合し、その
混合物を銅製の容器に入れ、窒素雰囲気中で700℃で8時
間焼成した。反応後、黒灰色の化合物が焼結体として得
られるが、これが目的のリチウム含有複合窒化物であ
る。さらにこれを粉砕しリチウム含有複合窒化物粉末と
した。なお、混合から粉砕までの一連の工程は低湿度
(露点−20℃以下)の高純度窒素雰囲気(酸素、水分10
0ppm以下)中で行った。 得られたリチウム含有複合窒
化物Li2.5Co0.5Nの粉末X線回折測定を行った結果、窒
化リチウム(Li3N)と同じ六方晶パターンが現れてお
り、不純物ピークもなく、期待通りの材料が得られてい
ることを確認した。
【0036】また、事前に使用するリチウム含有複合窒
化物Li2.5Co0.5Nの充放電性能を確認(金属リチウムを
対極としたモデルセルによる容量特性の確認)したとこ
ろ、最初の放電でLi2.5Co0.5Nは約800mAh/g分のLiを放
出したが、次の充電でも約800mAh/g分充電し、不可逆容
量は殆どなかった。
化物Li2.5Co0.5Nの充放電性能を確認(金属リチウムを
対極としたモデルセルによる容量特性の確認)したとこ
ろ、最初の放電でLi2.5Co0.5Nは約800mAh/g分のLiを放
出したが、次の充電でも約800mAh/g分充電し、不可逆容
量は殆どなかった。
【0037】図1は本発明によるリチウム二次電池のサ
イクル特性を比較検討するためのテストセルとして作製
したボタン形電池の断面図である。図1において、1は
ステンレス製の封口板であり、その内面に2のニッケル
網を抵抗溶接機で固定した。3はSiOとLi2.5Co0.5Nとを
含む負極で4の銅箔上に形成したもので、銅箔4とニッ
ケル網2を圧着することで集電している。5は有機電解
液でEC(炭酸エチレン)とDEC(炭酸ジエチル)の
体積比1:1の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リッ
トル溶解したものである。
イクル特性を比較検討するためのテストセルとして作製
したボタン形電池の断面図である。図1において、1は
ステンレス製の封口板であり、その内面に2のニッケル
網を抵抗溶接機で固定した。3はSiOとLi2.5Co0.5Nとを
含む負極で4の銅箔上に形成したもので、銅箔4とニッ
ケル網2を圧着することで集電している。5は有機電解
液でEC(炭酸エチレン)とDEC(炭酸ジエチル)の
体積比1:1の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リッ
トル溶解したものである。
【0038】6はポリエチレンからなる多孔質セパレー
タである。7はLiCoO2を活物質として用いた正極
で、8のアルミ箔上に形成した後に直径15mmの円盤
状に打ち抜いた電極である。9はステンレス製の正極ケ
ースであり、内面に10のステンレス網を抵抗溶接機で
固定した。この場合も正極のアルミ箔8と正極ケース9
内のステンレス網10を圧着することで集電させた。1
1はガスケットであり、封口板1と正極ケース9との間
の電気的絶縁を保つとともに、正極ケース開口縁が内側
に折り曲げられ、かしめることによって,電池内容物を
密閉、封止した。
タである。7はLiCoO2を活物質として用いた正極
で、8のアルミ箔上に形成した後に直径15mmの円盤
状に打ち抜いた電極である。9はステンレス製の正極ケ
ースであり、内面に10のステンレス網を抵抗溶接機で
固定した。この場合も正極のアルミ箔8と正極ケース9
内のステンレス網10を圧着することで集電させた。1
1はガスケットであり、封口板1と正極ケース9との間
の電気的絶縁を保つとともに、正極ケース開口縁が内側
に折り曲げられ、かしめることによって,電池内容物を
密閉、封止した。
【0039】上記電池において、SiOとLi2.5Co0.5Nの混
合活物質からなる負極は次のように作製した。
合活物質からなる負極は次のように作製した。
【0040】活物質粉末であるSiO粉末とLi2.5Co0.5N粉
末と導電剤の炭素粉末と結着剤としてのスチレンブタジ
エン合成ゴム(SBR樹脂)を、重量混合比35:4
5:18:2で混合し、これらを脱水トルエンに分散さ
せスラリーを作製し、負極集電体の銅箔基板(厚み18
μm)にドクターブレードを用い塗布し、乾燥後圧延し
て負極シートとした。その後この負極シートから、直径
16mmの負極板を打ち抜き円盤状の電極とした。上述
のSiO粉末とLi2.5Co0.5N粉末の混合比であるが、SiOの
不可逆容量分をLi2.5Co0.5Nの放電容量分で補充するよ
うに設定した。
末と導電剤の炭素粉末と結着剤としてのスチレンブタジ
エン合成ゴム(SBR樹脂)を、重量混合比35:4
5:18:2で混合し、これらを脱水トルエンに分散さ
せスラリーを作製し、負極集電体の銅箔基板(厚み18
μm)にドクターブレードを用い塗布し、乾燥後圧延し
て負極シートとした。その後この負極シートから、直径
16mmの負極板を打ち抜き円盤状の電極とした。上述
のSiO粉末とLi2.5Co0.5N粉末の混合比であるが、SiOの
不可逆容量分をLi2.5Co0.5Nの放電容量分で補充するよ
うに設定した。
【0041】一方、上記電池の正極はコバルト酸リチウ
ム粉末と導電剤の炭素粉末と結着剤のポリフッ化ビニリ
デン樹脂を、重量混合比85:10:5で混合し、これ
らを脱水N-メチルピロリジノドンに分散させてスラリー
を作製し、正極集電体のアルミ箔基板(厚み20μm)
にドクターブレードを用い塗布し、乾燥後圧延して正極
シートとした。その後、この正極シートから、直径15
mmの正極板を打ち抜き円盤状の電極としたものであ
る。
ム粉末と導電剤の炭素粉末と結着剤のポリフッ化ビニリ
デン樹脂を、重量混合比85:10:5で混合し、これ
らを脱水N-メチルピロリジノドンに分散させてスラリー
を作製し、正極集電体のアルミ箔基板(厚み20μm)
にドクターブレードを用い塗布し、乾燥後圧延して正極
シートとした。その後、この正極シートから、直径15
mmの正極板を打ち抜き円盤状の電極としたものであ
る。
【0042】なお、この電池においては、正極活物質の
コバルト酸リチウムは約0.5g含まれており、負極活物質
のSiOとLi2.5Co0.5Nはそれぞれ0.024gと0.030gずつ用い
た。
コバルト酸リチウムは約0.5g含まれており、負極活物質
のSiOとLi2.5Co0.5Nはそれぞれ0.024gと0.030gずつ用い
た。
【0043】以上のように作製した電池の充放電試験は
1mAの定電流で、その充電終止電圧を4.1V、その放電終
止電圧を2.0Vとして行った。図2はこの試験における電
池の充放電電圧挙動を示すものである。放電平均電圧は
約3.2Vで放電容量は約60mAhであった。この電池は充電
から開始するが、最初の充電(図2中充電曲線1)容量
と最初の放電(図2中放電曲線1)容量に殆ど差はな
く、SiOの不可逆容量分がLi2.5Co0.5Nから効果的に補充
されていることがわかる。図2中には5サイクル目の充
電特性(充電曲線2)と放電特性(放電曲線2)も示し
ているが、最初の充放電容量と5サイクル目の充放電容
量には殆ど差はなく、SiOとLi2.5Co0.5Nの両者とも活物
質として働いており、かつサイクル可逆性も優れている
ことがわかる。
1mAの定電流で、その充電終止電圧を4.1V、その放電終
止電圧を2.0Vとして行った。図2はこの試験における電
池の充放電電圧挙動を示すものである。放電平均電圧は
約3.2Vで放電容量は約60mAhであった。この電池は充電
から開始するが、最初の充電(図2中充電曲線1)容量
と最初の放電(図2中放電曲線1)容量に殆ど差はな
く、SiOの不可逆容量分がLi2.5Co0.5Nから効果的に補充
されていることがわかる。図2中には5サイクル目の充
電特性(充電曲線2)と放電特性(放電曲線2)も示し
ているが、最初の充放電容量と5サイクル目の充放電容
量には殆ど差はなく、SiOとLi2.5Co0.5Nの両者とも活物
質として働いており、かつサイクル可逆性も優れている
ことがわかる。
【0044】また、最初の充放電電圧挙動と5サイクル
目の充放電電圧挙動は大きく異なっているが、この電池
の場合、2サイクル目以降はほぼ5サイクル目と同様の
形となっており、最初の充放電だけが特殊な充放電挙動
を示す。これは、SiOの反応電位がLi2.5Co0.5Nの反応電
位より卑にあるため最初の充電にLi2.5Co0.5Nが関与し
ていないことと、Li2.5Co0.5Nが最初の放電で非晶質化
して電圧プロファイルが変化する特徴を持つことに起因
する。通常、反応電位の異なる二種類の活物質を混合し
て用いた場合、放電曲線が二段になるなど不連続な電圧
プロファイルを示すことが多いが、この図2の5サイク
ル目の放電曲線を見てもわかるように、その電圧変化の
プロファイルは滑らかで放電曲線としては好ましい。
目の充放電電圧挙動は大きく異なっているが、この電池
の場合、2サイクル目以降はほぼ5サイクル目と同様の
形となっており、最初の充放電だけが特殊な充放電挙動
を示す。これは、SiOの反応電位がLi2.5Co0.5Nの反応電
位より卑にあるため最初の充電にLi2.5Co0.5Nが関与し
ていないことと、Li2.5Co0.5Nが最初の放電で非晶質化
して電圧プロファイルが変化する特徴を持つことに起因
する。通常、反応電位の異なる二種類の活物質を混合し
て用いた場合、放電曲線が二段になるなど不連続な電圧
プロファイルを示すことが多いが、この図2の5サイク
ル目の放電曲線を見てもわかるように、その電圧変化の
プロファイルは滑らかで放電曲線としては好ましい。
【0045】次に、この電池における正負極それぞれの
活物質の重量当たりの容量密度を計算した。その結果、
正極のコバルト酸リチウムは活物質として約120mAh/g
働いていた。
活物質の重量当たりの容量密度を計算した。その結果、
正極のコバルト酸リチウムは活物質として約120mAh/g
働いていた。
【0046】一方、負極のSiOとLi2.5Co0.5Nからなる混
合活物質であるが、これを一つの活物質としてみなした
場合、約1110mAh/gの容量密度が得られた。
合活物質であるが、これを一つの活物質としてみなした
場合、約1110mAh/gの容量密度が得られた。
【0047】現在実用化されているリチウムイオン電池
の負極の炭素材料が300〜370mAh/g程度の容量密度で
あることを考えると本発明の電池は極めて高容量の電池
を実現したことになる。
の負極の炭素材料が300〜370mAh/g程度の容量密度で
あることを考えると本発明の電池は極めて高容量の電池
を実現したことになる。
【0048】なお、比較のためにSiOのみを負極活物質
としてコバルト酸リチウム正極と組み合わせた電池、な
らびにLi2.5Co0.5Nのみを負極活物質としてコバルト酸
リチウムと組み合わせた電池も試作してみたが、SiOの
みを用いた電池では極めて大きい不可逆容量のためにそ
の充放電可逆容量は極めて小さく、またLi2.5Co0.5Nの
みを用いた電池では状態不適合のため充放電不可能であ
った。ただし、これらSiOとLi2.5Co0.5Nを単独で用いた
電池も電気化学的に予め不可逆容量を補充して用いた
り、予めLiの電気化学的脱離処理をして用いれば使うこ
とができる。しかし、これは製造上極めて煩雑で、かつ
品質の確保も難しい。
としてコバルト酸リチウム正極と組み合わせた電池、な
らびにLi2.5Co0.5Nのみを負極活物質としてコバルト酸
リチウムと組み合わせた電池も試作してみたが、SiOの
みを用いた電池では極めて大きい不可逆容量のためにそ
の充放電可逆容量は極めて小さく、またLi2.5Co0.5Nの
みを用いた電池では状態不適合のため充放電不可能であ
った。ただし、これらSiOとLi2.5Co0.5Nを単独で用いた
電池も電気化学的に予め不可逆容量を補充して用いた
り、予めLiの電気化学的脱離処理をして用いれば使うこ
とができる。しかし、これは製造上極めて煩雑で、かつ
品質の確保も難しい。
【0049】本実施例では負極活物質としてSiOを用い
る電池について述べたが、本発明はその他の珪素酸化
物、さらには不可逆容量があるが故に利用できなかった
多くの材料(上述の酸化タングステン、酸化鉄、酸化ニ
オブ、酸化コバルト、珪素の酸化物、バナジウムを含む
酸化物、錫、ゲルマニウム、珪素などを含む複合酸化
物、錫、鉛、または珪素などを含む非晶質の酸化物な
ど)にも原理的には適用できる技術である。
る電池について述べたが、本発明はその他の珪素酸化
物、さらには不可逆容量があるが故に利用できなかった
多くの材料(上述の酸化タングステン、酸化鉄、酸化ニ
オブ、酸化コバルト、珪素の酸化物、バナジウムを含む
酸化物、錫、ゲルマニウム、珪素などを含む複合酸化
物、錫、鉛、または珪素などを含む非晶質の酸化物な
ど)にも原理的には適用できる技術である。
【0050】また、本実施例ではリチウム含有複合窒化
物としてLi2.5Co0.5Nを用いる電池について述べたが,
同様の試験をその他のリチウム含有複合窒化物を用いた
場合についても行った結果,一般式Li3-XMXN(Mは遷
移金属、0.2<X≦0.8)で表されるリチウム含有複合窒
化物の多くの材料で上記で示した場合と同様の効果が得
られた。
物としてLi2.5Co0.5Nを用いる電池について述べたが,
同様の試験をその他のリチウム含有複合窒化物を用いた
場合についても行った結果,一般式Li3-XMXN(Mは遷
移金属、0.2<X≦0.8)で表されるリチウム含有複合窒
化物の多くの材料で上記で示した場合と同様の効果が得
られた。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、正極にリチウム含
有複合酸化物を用いる非水系電解質二次電池において、
その負極活物質として珪素酸化物とリチウム含有複合窒
化物との混合活物質を用いることで、高容量でサイクル
可逆性に優れ、高品質で、低コストで、製造が容易な非
水系電解質二次電池を提供できる。
有複合酸化物を用いる非水系電解質二次電池において、
その負極活物質として珪素酸化物とリチウム含有複合窒
化物との混合活物質を用いることで、高容量でサイクル
可逆性に優れ、高品質で、低コストで、製造が容易な非
水系電解質二次電池を提供できる。
【図1】テストセル用のボタン形電池の断面図
【図2】テストセルの充放電特性図
1 封口板 2 ニッケル網 3 負極 4 銅箔 5 電解液 6 セパレーター 7 LiCoO2対極 8 アルミ箔 9 正極ケース 10 ステンレス網 11 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新田 芳明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 長谷川 正樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山浦 純一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H003 AA02 AA04 BA03 BB04 BB05 5H014 AA01 BB06 EE10 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL02 AL03 AL18 AM03 AM05 AM07 CJ08 HJ02
Claims (4)
- 【請求項1】 正極にリチウムを吸蔵放出可能なリチウ
ム含有複合酸化物を用いる非水系電解質2次電池におい
て、負極に珪素の酸化物と一般式Li3-XMXN(Mは遷移
金属、0.2<X≦0.8)で表されるリチウム含有複合窒化
物との混合活物質を用いることを特徴とする非水系電解
質二次電池。 - 【請求項2】 正極のリチウム含有複合酸化物がコバル
ト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNi
O2)、及びその複合体(LiCoxNiyO2、x+y=1)、ならび
にマンガン酸リチウム(LiMn2O4)の中の少なくとも一
種であることを特徴とする請求項1記載の非水系電解質
二次電池。 - 【請求項3】 珪素の酸化物が特に珪素の低級酸化物Si
Oであることを特徴とする請求項1記載の非水系電解質
二次電池。 - 【請求項4】 負極の構成材料中に含まれるリチウム含
有複合窒化物を構成する遷移金属(上記一般式Li3-XMX
N中のM)がコバルト(Co)であることを特徴とする請
求項1記載の非水系電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10338735A JP2000164207A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 非水系電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10338735A JP2000164207A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 非水系電解質二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000164207A true JP2000164207A (ja) | 2000-06-16 |
Family
ID=18320976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10338735A Pending JP2000164207A (ja) | 1998-11-30 | 1998-11-30 | 非水系電解質二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000164207A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002013294A1 (fr) * | 2000-08-04 | 2002-02-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electrode negative destinee a une batterie secondaire a electrolyte non aqueux, et batterie utilisant l'electrode |
JP2002289192A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | Hitachi Maxell Ltd | リチウム含有窒化物およびそれを用いたエネルギー貯蔵素子 |
JP2003249211A (ja) * | 2002-02-26 | 2003-09-05 | Nec Corp | 二次電池用負極、二次電池および二次電池用負極の製造方法 |
EP1052710A4 (en) * | 1998-11-30 | 2005-09-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | NONAQUEOUS ELECTROLYTE BATTERY |
CN100334759C (zh) * | 2004-05-04 | 2007-08-29 | 三星Sdi株式会社 | 具有集电板和电极组件的蓄电池 |
WO2010082323A1 (ja) * | 2009-01-14 | 2010-07-22 | トヨタ自動車株式会社 | リチウムイオン二次電池及びその製造方法 |
EP3032622A1 (en) | 2010-06-21 | 2016-06-15 | NEC Energy Devices, Ltd. | Nonaqueous electrolyte secondary battery |
CN110783535A (zh) * | 2013-09-05 | 2020-02-11 | 株式会社Lg化学 | 用于具有高容量的锂二次电池的正极添加剂 |
-
1998
- 1998-11-30 JP JP10338735A patent/JP2000164207A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1052710A4 (en) * | 1998-11-30 | 2005-09-21 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | NONAQUEOUS ELECTROLYTE BATTERY |
WO2002013294A1 (fr) * | 2000-08-04 | 2002-02-14 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Electrode negative destinee a une batterie secondaire a electrolyte non aqueux, et batterie utilisant l'electrode |
US6846593B2 (en) | 2000-08-04 | 2005-01-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Negative electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery and battery employing the same |
JP2002289192A (ja) * | 2001-03-27 | 2002-10-04 | Hitachi Maxell Ltd | リチウム含有窒化物およびそれを用いたエネルギー貯蔵素子 |
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US8691443B2 (en) | 2009-01-14 | 2014-04-08 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Lithium-ion secondary battery and method of manufacturing same |
EP3032622A1 (en) | 2010-06-21 | 2016-06-15 | NEC Energy Devices, Ltd. | Nonaqueous electrolyte secondary battery |
CN110783535A (zh) * | 2013-09-05 | 2020-02-11 | 株式会社Lg化学 | 用于具有高容量的锂二次电池的正极添加剂 |
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