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JP2000104855A - 絞り弁 - Google Patents

絞り弁

Info

Publication number
JP2000104855A
JP2000104855A JP10273444A JP27344498A JP2000104855A JP 2000104855 A JP2000104855 A JP 2000104855A JP 10273444 A JP10273444 A JP 10273444A JP 27344498 A JP27344498 A JP 27344498A JP 2000104855 A JP2000104855 A JP 2000104855A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure oil
insertion member
hydraulic
throttle valve
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10273444A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Morino
健治 森野
Yasusuke Oda
庸介 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP10273444A priority Critical patent/JP2000104855A/ja
Publication of JP2000104855A publication Critical patent/JP2000104855A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Operation Control Of Excavators (AREA)
  • Details Of Valves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】絞り弁の調整の精度を向上させる。異物のつま
りをなくす。 【解決手段】可変絞り部67の圧油上流に位置するよう
に、挿入部材62の外周の一部に、圧油流入ポート33
aから流入された圧油P1の流れを絞る切欠き部68を
形成する。この切欠き部68と可変絞り部67とによっ
て新たな可変絞り部71を構成する。弁本体60に対す
る挿入部材62の挿入位置を調整することにより新たな
可変絞り部71と弁本体60との間の開口面積を変化さ
せて、圧油流出ポート33bに導かれる圧油の流量を調
整する。切欠き部68の圧油上流に位置するように、挿
入部材62の外周の全周にわたり、異物を通過させない
程度の隙間dを挿入部材62と弁本体60との間に形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧油の流量を調整す
る絞り弁の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベルなどの油圧駆動走行体の油
圧回路には、圧油の流量を調整する絞り弁が組み込まれ
ている。
【0003】絞り弁はたとえば油圧ショベルの直進走行
時の走行曲がりを補正するために使用される。絞り弁の
適用例として実公平8−9236号公報に記載されたも
のを図11に掲げる。
【0004】図11に示す油圧回路では、左右の走行用
油圧モータ25、26にそれぞれ対応して油圧ポンプが
設けられている。また左右の走行用油圧モータ25、2
6にそれぞれ対応して方向制御弁23、24が設けられ
ている。そして各方向制御弁23、24と走行用油圧モ
ータ25、26との間の圧油供給管路51(51A、5
1B)、52(52A、52B)上には可変絞り弁9
1、92がそれぞれ設けられている。25A、26Aは
油圧モータ25、26の前進用圧油流入ポートであり、
25B、26Bは油圧モータ25、26の後進用圧油流
入ポートである。
【0005】そこでいまオペレータが左履帯用操作レバ
ー27を前進側に操作して方向制御弁23が前進位置に
切り替えられると、油圧ポンプの吐出圧油は前進用圧油
供給管路51Aを通過して油圧モータ25の前進用圧油
流入ポート25Aに流入される。この結果油圧モータ2
5が正転方向に回転し左履帯が前進方向に回転される。
油圧モータ25の反対ポート25Bから流出された圧油
は管路51Bを経て排出される。
【0006】同様にしてオペレータが右履帯用操作レバ
ー28を前進側に操作するとこの操作に応じて油圧モー
タ26が正転方向に回転して右履帯が前進方向に回転さ
れる。この結果油圧ショベルは前進方向に直進する。
【0007】ここで前進方向の直進時に走行曲がりが発
生するとオペレータは左右の可変絞り弁91、92の開
口面積を調整する。この結果前進用圧油供給管路51
A、52Aを流れる圧油が管路95、96にそれぞれ所
定流量バイパスされ戻り管路へ排出される。このため左
右の圧油供給管路51A、52Aを流れる圧油の流量差
が補正され油圧ショベルの前進時の走行曲がりが補正さ
れる。
【0008】以上のようにこの公報に記載された発明に
よれば、車両個々の走行曲がり具合に応じて可変絞り弁
の開口面積を調整することで走行曲がりを補正すること
ができる。
【0009】ここで、従来の絞り弁の構造を図4を用い
て説明する。従来の絞り弁は、挿入部材62のテーパ部
(可変絞り部)67の圧油上流側に、挿入部材62の外
周の全周にわたり形成された固定絞り部だけが設けられ
た構造である(切欠き部68は存在しない)。したがっ
て挿入部材62のわずかな挿入量に対して、テーパ部6
7の開口面積が大きく変化し絞り弁を通過する圧油の流
量は大きく変化することになる。つまり挿入量に対する
流量変化の感度が高い絞り弁が、油圧ショベルの走行曲
がりの補正に使用されていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】近年、上記可変絞り弁
の挿入部材を、例えばスプールをプラグ形状とし油圧シ
ョベルなどの建設機械に設けられたエンジンフードより
手動で弁本体にねじ込むことにより開口面積を調整し走
行曲がりを補正したいとの要請がある。
【0011】この場合解決しなければならない問題とし
てつぎの点が挙げられる。
【0012】(1)絞り弁の挿入部材はロック用ナット
などを用いて弁本体に固定される。この固定の際挿入部
材のねじ込み回転量が変化してしまう。この固定の際の
予期せぬ挿入部材のねじ込み回転量の変化は、調整した
圧油の流量の誤差となって顕れる。よって挿入部材のね
じ込み回転量に対して圧油の流量の変化が少ない絞り弁
が望まれる。つまり従来の絞り弁よりも、より流量変化
の感度の低い絞り弁が必要とされる。
【0013】(2)上記(1)のように挿入部材のねじ
込み回転量に対して圧油の流量の変化を少なくした結
果、圧油が通過する開口面積が小さくなり異物の詰まり
易さという問題点が新たに発生する。
【0014】本発明は上記(1)、(2)の課題を同時
に解決すべくなされたものである。すなわちロック用ナ
ットなどによる固定の際のねじ込み量のずれを許容し絞
り弁の調整を精度よく容易に行うようにするとともに、
容易性を向上させたことに伴う問題点つまり異物の詰ま
り易さという問題点をも同時に解決するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用、効果】そこ
で、本発明では、上記解決課題を達成するために、圧油
流入ポート(33a)から流入された圧油(P1)を、
挿入部材(62)の外周の全周にわたり形成された可変
絞り部(67)で流れを絞り圧油流出ポート(33b)
に導くとともに、弁本体(60)に対する挿入部材(6
2)の挿入位置を調整(A1、A2)することにより前記
可変絞り部(67)と前記弁本体(60)との間の開口
面積を変化させて、前記圧油流出ポート(33b)に導
かれる圧油の流量を調整するようにした絞り弁(31)
において、前記可変絞り部(67)の圧油上流に位置す
るように、前記挿入部材(62)の外周の一部に、前記
圧油流入ポート(33a)から流入された圧油(P1)
の流れを絞る切欠き部(68)を形成し、前記切欠き部
(68)の圧油上流に位置するように、前記挿入部材
(62)の外周の全周にわたり、異物を通過させない程
度の隙間(d)を前記挿入部材(62)と前記弁本体
(60)との間に形成(69)している。
【0016】上記発明の作用効果は以下の通りである。
図4、図5を用いて説明する。
【0017】すなわち挿入部材62の可変絞り部67の
圧油上流側には、挿入部材62の外周の一部に、きわめ
て少ない開口面積をもって圧油P1を通過させる切欠き
部68が設けられている。この切欠き部68と可変絞り
部67によって新たな可変絞り部71が構成される。
【0018】このため挿入部材62のねじ込み回転量
(挿入位置)に対して圧油P1の流量の変化は少なくな
る。
【0019】ここで、従来の絞り弁と比較をする。従来
の絞り弁は、挿入部材62の可変絞り部(テーパ部)6
7の上流側には、挿入部材62の外周の全周にわたり形
成された固定絞り部だけが設けられている。このためこ
の固定絞り部をきわめて大きい開口面積をもって圧油P
1が通過することになる。したがって挿入部材62のね
じ込み回転量に対して、圧油P1の流量は大きく変化す
ることになる。
【0020】ここでロック用ナット64を用いて挿入部
材62を弁本体60に固定する際、ロック用ナット64
の締め付け前後で挿入部材62の共回りによって挿入部
材62のねじ込み回転量が変化する。
【0021】従来の絞り弁では挿入部材62のねじ込み
回転量の変化に対して、圧油P1の流量の変化が大きい
ため、ロック用ナット64による固定の際に最適なもの
として調整された流量に対してきわめて大きなずれが発
生することになる。このため絞り弁の調整を精度よく行
うことができない。
【0022】これに対して、本発明の絞り弁31では、
挿入部材62のねじ込み回転量の変化に対して、圧油P
1の流量の変化がきわめて小さい。このためたとえばロ
ック用ナット64の締め付け前後で挿入部材62の共回
りによって挿入部材62のねじ込み回転量が変化したと
しても、最適なものとして調整された流量に対してわず
かなずれしか発生しないことになる。このため本発明の
絞り弁31によれば、ロック用ナット64の固定の際の
ねじ込み量のずれを許容して絞り弁31の調整を精度よ
く容易に行うことができる。
【0023】ところで上記切欠き部68は挿入部材62
の外周の一部にきわめて小さい開口面積をもって形成さ
れている。このため圧油P1が上流側より切欠き部68
に達し圧油P1中に存在するゴミ等の異物が切欠き部6
8に入り込むと、絞り弁31の流量変化の感度が大きく
変化してしまう。このため切欠き部68への異物進入を
防止することが必要となる。
【0024】この点本発明では、切欠き部68の上流側
に、挿入部材62の全周にわたり、異物を通過させない
程度の隙間dを有したクリアランスフィルタ69が設け
られている。
【0025】クリアランスフィルタ69は、挿入部材6
2の外周の全周にわたり形成されているため、クリアラ
ンスフィルタ69の外周の一部で異物をせき止めたとし
ても、他の部分を介して圧油P1を下流側に通過させる
ことができる。よってクリアランスフィルタ69を通過
した圧油P1中に異物を混入させないようにすることが
でき、圧油P1中に存在するゴミ等の異物が切欠き部6
8に入り込むような事態を回避することができる。
【0026】以上のように本発明の絞り弁31によれ
ば、ロック用ナット64の固定の際のねじ込み量のずれ
を許容して、絞り弁31の調整を精度よく簡易に行うこ
とができる。さらに容易性を向上させたことに伴う問題
点、つまり異物の詰まり易さという問題点をも同時に解
決することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明に係る
絞り弁の実施形態について説明する。この実施形態では
油圧ショベルなどの油圧駆動走行体の油圧回路に組み込
む適用例を想定する。ただし本発明としてはこれに限定
されることなくいかなる油圧回路にも組み込むこともで
きる。
【0028】図2に、本実施形態で想定する油圧ショベ
ル80の構造を斜視図にて示す。
【0029】油圧ショベル80は大きくは上部旋回体8
1と下部走行体82とから構成されている。上部旋回体
81の後端には、エンジン2を点検整備するためのエン
ジンフード85が設けられている。このエンジンフード
85は開閉自在になっている。エンジンフード85は、
エンジンの点検整備時に、また後述するように絞り弁3
1、32の調整時に、開かれる。
【0030】下部走行体82はトラックフレームに配設
された左右の履帯83、84を中心にして構成されてい
る。油圧モータ25、26は下部走行体82の履帯8
3、84近くにそれぞれ配置されている。すなわち油圧
モータ25、26は図示しない減速機を介して履帯8
3、84にそれぞれ接続されている。一方油圧ポンプ1
はエンジン2の近くに配置されている。なお履帯83、
84の代わりに車輪を使用してもよい。つまり本発明と
しては車輪式の油圧駆動走行体にも適用可能である。
【0031】図1は、図2の油圧駆動走行体(油圧ショ
ベル80)に搭載される各油圧機器の配位構成を示す油
圧回路図である。
【0032】油圧ショベル80の左右の履帯83、84
に対応して、これら左右の履帯83、84をそれぞれ駆
動する左右の走行用油圧モータ25、26が設けられて
いる。
【0033】油圧ポンプ1はエンジン2によって駆動さ
れる可変容量型の油圧ポンプである。この油圧ポンプ1
には、左右の油圧モータ25、26に対応してそれぞれ
各圧油吐出口1b、1cが設けられている。
【0034】本実施形態では、走行用油圧モータ25、
26に圧油を供給する圧油供給源として、圧油吐出口1
b、1cが2つ設けられ、斜板1aが圧油吐出口1b、
1cに共通となっているいわゆる2フローウエイ型の油
圧ポンプ1が用いられる。この2フローウエイ型油圧ポ
ンプ1の代わりに単一の油圧ポンプを2つ使用する構成
としてもよい。また3以上の圧油吐出口が設けられた油
圧ポンプを用いてもよい。要するに左右の走行用油圧モ
ータ25、26に対応する少なくとも2つの圧油吐出口
が設けられた油圧ポンプであればよい。なお、この明細
書で「左右の油圧アクチュエータに対応してそれぞれ設
けられた油圧ポンプの各圧油吐出口」とは、2フローウ
エイ型油圧ポンプにおいて単一のポンプに設けられた各
圧油吐出口と、単一の油圧ポンプを2つ使用する構成に
おいて両方のポンプにそれぞれ設けられた各圧油吐出口
との両方の概念を含むものであり、油圧ポンプの型式は
問わない。
【0035】なお油圧ポンプ1は油圧ショベル80の作
業機用油圧アクチュエータ、つまりブーム用油圧シリン
ダ、アーム用油圧シリンダなどに圧油を供給する圧油供
給源でもある。しかし図1の油圧回路ではそれらの構成
は省略している。
【0036】方向制御弁23、24は、左右の油圧モー
タ25、26に対応してそれぞれ設けられていて、油圧
ポンプ1の圧油吐出口1b、1cから吐出される圧油の
流れの方向を制御して左右の油圧モータ25、26にそ
れぞれ圧油を供給する。方向制御弁23、24は圧油の
流量を制御する流量制御弁としても機能する。方向制御
弁23、24を通過する圧油の方向と流量は、左走行用
操作レバー27、右走行用操作レバー26の操作に応じ
て変化する。
【0037】各方向制御弁23、24と走行用油圧モー
タ25、26との間には圧油供給管路51(51A、5
1B)、52(52A、52B)がそれぞれ設けられて
いる。25A、26Aは油圧モータ25、26の前進用
圧油流入ポートであり、25B、26Bは油圧モータ2
5、26の後進用圧油流入ポートである。
【0038】油圧ポンプ1の圧油吐出口1b、1cと方
向制御弁23、24とは圧油供給管路21、22によっ
てそれぞれ接続されている。そして圧油供給管路21、
22の途中であって油圧ポンプ1に近接する位置に、管
路21、22上の圧油P1、P2をバイパスするととも
にバイパスする圧油の流量を調整することができる可変
絞り弁31、32がそれぞれ設けられている。
【0039】すなわち左走行用の圧油供給管路21から
バイパス管路33が分岐されている。このバイパス管路
33上に絞り弁31が設けられている。絞り弁31を通
過した圧油はさらに戻り管路35を経由してポンプ吸込
ポート13へ環流される。
【0040】同様に右走行用の圧油供給管路22からバ
イパス管路34が分岐されている。このバイパス管路3
4上に絞り弁32が設けられている。絞り弁32を通過
した圧油はさらに戻り管路36を経由してポンプ吸込ポ
ート13へ環流される。
【0041】なお絞り弁31、32を通過した圧油をタ
ンクへ排出させてもよい。
【0042】ギアポンプ3は定容量型油圧ポンプであ
り、ギアポンプ吐出ポート10を介してたとえば旋回用
油圧モータに圧油を供給する圧油供給源である。ギアポ
ンプ3は油圧ポンプ1と同様にエンジン2によって駆動
される。
【0043】圧油供給管路41、42は油圧ポンプ1か
ら吐出された圧油を斜板駆動機構部16に供給する管路
である。圧油供給管路41、42には分岐管路4a〜4
fが設けられている。
【0044】減圧弁5は管路41を介して流入された圧
油を減圧する弁である。さらに減圧弁5は減圧された圧
油を管路42に流出させる。
【0045】斜板駆動機構部16は、油圧ポンプ1の斜
板1aを駆動するサーボピストン17と、このサーボピ
ストン17の大径側(左側)に制御圧油を作用させるL
S弁(ロードセンシング弁)18と、同じくサーボピス
トン17の大径室(左側)に制御圧油を作用させるPC
弁19とから構成されている。
【0046】PC弁19は、油圧ポンプ1の各吐出口1
b、1cの圧油P1、P2の平均圧力と油圧ポンプ1の
押し退け容積の積が一定トルクを越えないように、可変
容量型油圧ポンプ1の斜板1aを制御する制御弁であ
る。エンジン2の回転数が一定であれば、平均圧力とポ
ンプ1の吐出流量の積が一定の馬力(エンジン2の最大
馬力)を越えないように、油圧ポンプ1の斜板1aの傾
転角が制御される。
【0047】LS弁18は、上記油圧モータ25、26
などの各油圧アクチュエータの負荷圧に応じて油圧ポン
プ1の斜板1aを傾転角を制御する制御弁である。LS
弁18は次の様に制御を実行する。すなわちポンプ圧入
力ポート14を介して得られる油圧ポンプ1の吐出圧
を、LS圧入力ポート15を介して得られる複数の油圧
アクチュエータの負荷圧の最大値であるLS圧よりも常
に設定差圧だけ高くなるように制御する(ロードセンシ
ング制御)。
【0048】つぎに図1に示す油圧回路の動作について
説明する。なお油圧ポンプ1から吐出される圧油が管路
4a、4b、41、42、4c、4d、4fを介して斜
板駆動機構部16に流入されることに関する説明、斜板
駆動機構部16によって油圧ポンプ1の斜板1aが制御
されることに関する説明は公知の技術であり、本発明の
主旨とは異なるので説明は省略する。
【0049】油圧ポンプ1はポンプ吸込ポート13から
図示せぬタンク内の圧油を吸い込み、圧油吐出口1aか
ら圧油P1を吐出し、この圧油P1を圧油供給管路2
1、方向制御弁23、圧油供給管路51(51A、51
B)を介して左走行用油圧モータ25に供給する。また
圧油吐出口1bから圧油P2を吐出し、この圧油P2を
圧油供給管路22、方向制御弁24、圧油供給管路52
(52A、52B)を介して他方の右走行用油圧モータ
26に供給する。
【0050】・前進走行 そこで、いまオペレータが左走行用操作レバー27を前
進側に操作して方向制御弁23が前進位置に切り替えら
れると、油圧ポンプ1の吐出圧油P1は前進用圧油供給
管路51Aを通過して油圧モータ25の前進用圧油流入
ポート25Aに流入される。この結果油圧モータ25が
正転方向に回転し左履帯83が前進方向に回転される。
油圧モータ25の反対ポート25Bから流出された圧油
は管路51B、方向制御弁23を通過してタンク29に
戻される。
【0051】同様にしてオペレータが右走行用操作レバ
ー28を前進側に操作して方向制御弁24が前進位置に
切り替えられると、油圧ポンプ1の吐出圧油P2は前進
用圧油供給管路52Aを通過して油圧モータ26の前進
用圧油流入ポート26Aに流入される。この結果油圧モ
ータ26が正転方向に回転し右履帯84が前進方向に回
転される。油圧モータ26の反対ポート26Bから流出
された圧油は管路52B、方向制御弁24を通過してタ
ンク30に戻される。
【0052】・後進走行 そこで、いまオペレータが左走行用操作レバー27を後
進側に操作して方向制御弁23が後進位置に切り替えら
れると、油圧ポンプ1の吐出圧油P1は後進用圧油供給
管路51Bを通過して油圧モータ25の後進用圧油流入
ポート25Bに流入される。この結果油圧モータ25が
逆転方向に回転し左履帯83が後進方向に回転される。
油圧モータ25の反対ポート25Aから流出された圧油
は管路51A、方向制御弁23を通過してタンク29に
戻される。
【0053】同様にしてオペレータが右走行用操作レバ
ー28を後進側に操作して方向制御弁24が後進位置に
切り替えられると、油圧ポンプ1の吐出圧油P2は後進
用圧油供給管路52Bを通過して油圧モータ26の後進
用圧油流入ポート26Bに流入される。この結果油圧モ
ータ26が逆転方向に回転し右履帯84が後進方向に回
転される。油圧モータ26の反対ポート26Aから流出
された圧油は管路52A、方向制御弁24を通過してタ
ンク30に戻される。
【0054】なお図面では説明の便宜のためタンク2
9、30を別のものとして示しているが実際の装置では
同一のタンクが使用される。
【0055】以上のようにして油圧ショベル80は前進
側または後進側に直進する。なお油圧ショベル80を直
進させるためには操作レバー27、28を同方向に同操
作量操作する必要がある。
【0056】ここで直進時に走行曲がりが発生するとオ
ペレータは左右の絞り弁31、32の開口面積を調整し
てバイパス流量を調整する。この結果左走行用の圧油供
給管路21、右走行用の圧油供給管路22を流れる圧油
P1、P2がバイパス管路33、34にそれぞれ所定流
量ずつバイパスされて、戻り管路35、36を介してポ
ンプ吸込ポート13にそれぞれ環流される。このため左
右の圧油供給管路21、22を流れる圧油P1、P2の
流量差が補正され油圧ショベル80の直進時の走行曲が
りが補正される。なおバイパス管路33、34にバイパ
スされた圧油を直接タンクに環流させてもよい。
【0057】ここで前述したように、油圧ポンプ1はエ
ンジン2に近接して配置されている。このためエンジン
フード85の位置から油圧ポンプ1までの位置はきわめ
て近く、オペレータの手は容易に届く(図2参照)。
【0058】よって油圧ポンプ1に近接して設けられて
いる絞り弁31、32をエンジンフード85の位置から
きわめて容易に調整することができる。
【0059】したがって油圧ショベル80の生産組立後
にあるいはユーザによる実走行時に車両個々の走行曲が
り具合に応じて絞り弁31、32を簡易に作業性よく調
整することが可能となる。
【0060】図3は油圧ポンプ1のケーシング100に
絞り弁31、32を配設した構成例を示している。
【0061】図3(a)は油圧ポンプ1の正面図であ
り、図3(b)は図3(a)の矢視Zを示す。このよう
に油圧ポンプ1のケーシング100に絞り弁31、32
を配置した場合には、エンジンフード85の位置から更
に容易に絞り弁31、32を調整することができる。
【0062】つぎに絞り弁31、32の具体的な構成に
ついて以下説明する。なお左走行用に設けられている絞
り弁31を代表させて説明する。図1に示すように、絞
り弁31には圧油流入ポート33aから圧油が流入さ
れ、圧油流出ポート33bより圧油が流出されていく。
【0063】図4は、図3で説明したように油圧ポンプ
1のケーシング100に設けた絞り弁31の構造を示し
ている。絞り弁31は弁本体60と挿入部材62とから
成る。挿入部材62はさらにクリアランスフィルタ69
と固定絞り部70と切欠き部68とテーパ部67とから
成っている。クリアランスフィルタ69の上流位置は圧
油流入ポート33aとなる。テーパ部67の下流位置は
圧油流出ポート33bとなる。
【0064】すなわち同図4に示すように、この絞り弁
31は、ポンプケーシング100を弁本体として、この
弁本体60と、この弁本体60に対して挿入が自在の挿
入部材62とから構成されている。
【0065】図5は絞り弁31の一部を拡大して示して
いる。図5(a)は図4の絞り弁31の先端部分を拡大
して示している。図5(b)は図5(a)のB−B断面
を示している。図5(c)は図5(a)の可変絞り部を
更に拡大して示している。図5(d)は図5(a)の矢
視C図を示している。
【0066】これら図面を参照して絞り弁31の構成に
ついて説明する。
【0067】弁本体60に対して挿入部材62が長手方
向に挿入された状態で、挿入方向先端にはクリアランス
フィルタ69が形成されている。クリアランスフィルタ
とは、隙間(クリアランス)によって圧油中の異物を取
り除くフィルタの機能を有する部材のことである。
【0068】クリアランスフィルタ69の下流側には固
定絞り部70が形成されている。
【0069】固定絞り部70は挿入部材62の外周の全
周にわたり形成された円筒部である。この円筒部の径は
圧油流入ポート33aにおけるバイパス管路33の径よ
りも小さい。この固定絞り部70によって、圧油P1を
一定の開口面積をもって通過させる。
【0070】さらに固定絞り部70の下流側には、切欠
き部68が形成されている。
【0071】この切欠き部68は図5(b)にスプール
横断面を示すように、挿入部材62の外周の周囲の一部
つまり2箇所に形成されている。切欠き形状はたとえば
V字溝状である。この挿入部材62の周囲の一部に形成
された切欠き部68によって、圧油P1をきわめて少な
い開口面積で通過させる。切欠き部68を通過する圧油
P1の流量は挿入部材62の挿入位置に応じて変化す
る。クリアランスフィルタ69の隙間dの総断面積に比
べて切欠き部68の開口面積はきわめて小さい。
【0072】さらに切欠き部68の下流側には、テーパ
部67が形成されている。この挿入部材62側のテーパ
部67に対応して弁本体60側にもテーパ部が形成され
ている。テーパ部67は挿入部材62の外周の全周にわ
たり形成されている。よって挿入部材62側のテーパ部
67と弁本体60側のテーパ部の相対位置の変化に応じ
て、圧油P1の通過開口面積が変化される。つまり挿入
部材62側のテーパ部67と弁本体60側のテーパ部と
によってオリフィスが構成されている。
【0073】図5(c)に示すように挿入部材62側の
テーパ部67と弁本体60側のテーパ部とでは傾斜が異
なっている。挿入部材62側のテーパ部67の傾斜角度
の方が弁本体60側のテーパ部の傾斜角度よりも大き
い。このため絞り弁31の絞り量が最大(圧油P1の通
過流量ゼロ)のときには、テーパ部67はその円周方向
に沿って弁本体60側のテーパ部に線接触する。この結
果、テーパ部67から下流側へ圧油P1のにじみや漏れ
が生じることなく、きわめて精度よく圧油P1の通過流
量をゼロにすることができる。上述した切欠き部68と
テーパ部67とによって可変絞り部71が構成されてい
る。
【0074】テーパ部67のさらに下流側は戻り管路3
5を介してポンプ吸込ポート13に連通している。
【0075】挿入部材62のさらに後方の部位にはO−
リング66が挿入部材62の外周の全周にわたって設け
られていて、挿入部材62と弁本体60との間から圧油
P1が外部ににじんだり漏れたりすることを防止してい
る。
【0076】O−リング66の配設箇所のさらに後方の
部位には、弁本体60に対して螺合するねじ部65が形
成されている。
【0077】ねじ部65のさらに後方の部位の後端に
は、六角ボルト穴63が形成されている。そして挿入部
材62の後端の外周には、ロック用ナット64に対して
螺合するねじ部が形成されている。
【0078】以下、この絞り弁31を用いて圧油P1の
バイパス流量を調整する動作について説明する。
【0079】オペレータが六角レンチを六角ボルト穴6
3に差込み、時計回り方向に回転させると、ねじ部65
が弁本体60と螺合しながら挿入部材62は矢印A1方
向に挿入されていく。挿入部材62が最も奥まで挿入さ
れた状態は図5(c)に示す状態となる。このときテー
パ部67は弁本体60と円周方向に沿って線接触し、テ
ーパ部67における圧油P1の通過開口面積はゼロとな
る。このとき絞り弁31の絞り量が最大(圧油P1の通
過流量ゼロ)となり、圧油流出ポート33bへのバイパ
ス流量はゼロとなる。
【0080】このバイパス流量ゼロ(絞り量最大)の状
態から、オペレータが六角レンチを反時計回り方向に回
転させていくと、ねじ部65が弁本体60と螺合しなが
ら挿入部材62は弁本体60から脱出される方向A2に
移動される。
【0081】挿入部材62が矢印A2方向に移動するに
つれ、圧油流出ポート33bへのバイパス流量は増加す
る。
【0082】すなわち弁本体60に対する挿入部材62
の挿入位置を矢印A1方向ないしはA2方向に移動する
と、テーパ部67と切欠き部68とからなる可変絞り部
71と弁本体60との間の開口面積が変化する。この結
果挿入部材62の挿入位置を調整することによって圧油
流入ポート33aから圧油流出ポート33bへ導かれる
圧油の流量(バイパス流量)が調整される。
【0083】最適な挿入位置になった時点で、ロック用
ナット64が挿入部材62の後端に螺合される。ロック
用ナット64をポンプケーシング100の壁面61に当
接することで、挿入部材62を弁本体60に固定する。
【0084】つぎにこの絞り弁31による作用および効
果について説明する。
【0085】挿入部材62のテーパ部67の圧油上流側
には、挿入部材62の外周の周囲の一部に、きわめて少
ない開口面積をもって圧油P1を通過させる切欠き部6
8が設けられている。このため挿入部材62のねじ込み
回転量に対して、圧油P1のバイパス流量の変化は少な
くなる。
【0086】ここで、従来の絞り弁と比較をする。従来
の絞り弁は、挿入部材62のテーパ部67の上流側に
は、挿入部材62の外周の全周にわたり形成された固定
絞り部だけが設けられている。したがって挿入部材62
のわずかなねじ込み回転量に対して、テーパ部67の開
口面積が大きく変化し圧油P1のバイパス流量は大きく
変化することになる。つまりねじ込み量に対する流量変
化の感度が高い。
【0087】ここでロック用ナット64を用いて挿入部
材62を弁本体60に固定する際、ロック用ナット64
の締め付け前後では挿入部材62の共回りによって挿入
部材62のねじ込み回転量が変化する場合がある。
【0088】従来の絞り弁では挿入部材62のねじ込み
回転量の変化に対して、圧油P1のバイパス流量の変化
が大きい。このため、ロック用ナット64による固定の
際、最適なものとして調整されたバイパス流量に対して
きわめて大きなずれが発生することになる。このため絞
り弁の調整を精度よく行うことは容易ではない。
【0089】これに対して、本実施形態の絞り弁31で
は、挿入部材62のねじ込み回転量の変化に対して、圧
油P1のバイパス流量の変化がきわめて小さい。
【0090】すなわち図5(d)に示すように切欠き部
68は、挿入部材62の挿入方向に沿ってV字状部68
aと平行部68bとを有している。V字状部68aでは
挿入部材62のねじこみ回転量に対して開口面積が徐々
に増大していき平行部68bでは開口面積が一定とな
る。よって挿入部材62のねじ込み回転量に対して切欠
き部68の開口面積の変化はきわめて緩やかとなる。切
欠き部68の開口面積の変化量はテーパ部67の開口面
積の変化量よりもきわめて小さくなる。よってねじ込み
量に対する流量変化の感度は低くなる。
【0091】このためたとえばロック用ナット64の締
め付け前後で挿入部材62の共回りによって挿入部材6
2のねじ込み回転量が多少変化したとしても、最適なも
のとして調整されたバイパス流量に対してわずかなずれ
しか発生しない。このため本実施形態の絞り弁31によ
れば、ロック用ナット64の固定の際の挿入部材62の
ねじ込み量のずれを許容し、絞り弁31の調整を精度よ
く容易に行うことができる。
【0092】なお、切欠き部68は図5(b)に示すよ
うに、挿入部材62の外周の2箇所に設けるようにして
いるが、それよりも多い数を設けるようにしてもよい。
また場合によっては1箇所だけでよい。たとえば破線に
示すように4箇所に等間隔に切欠き部68を配設するこ
とができる。ところで上記切欠き部68は挿入部材62
の外周の一部にきわめて小さい開口面積をもって形成さ
れている。このため圧油P1が上流側より切欠き部68
に達し圧油P1中に存在するゴミ等の異物が切欠き部6
8に入り込むと、ねじ込み量に対する流量変化の感度が
大きく変化してしまう。
【0093】このため切欠き部68への異物進入を防止
することが必要となる。
【0094】この点本実施形態では、切欠き部68の上
流側に、挿入部材62の外周の全周にわたり、異物を通
過させない程度の隙間dを有したクリアランスフィルタ
69が設けられている。
【0095】すなわちクリアランスフィルタ69の先は
圧油吐出口1bに連通しており、圧油P1がバイパス管
路33を介してクリアランスフィルタ69に向けて流入
される。クリアランスフィルタ69は、円環状の部材で
ある。よってクリアランスフィルタ69によって、挿入
部材62の外周の全周にわたり、流入する圧油P1中の
ゴミ等の異物を通過させない程度の隙間(クリアラン
ス)dを挿入部材62と弁本体60との間に与える。
【0096】クリアランスフィルタ69は、挿入部材6
2の全周にわたり形成されているため、クリアランスフ
ィルタ69の外周の一部で異物をせき止めたとしても、
他の部分を介して圧油P1を下流側に通過させることが
できる。よってクリアランスフィルタ69を通過した圧
油P1中に異物を混入させないようにすることができ、
圧油P1中に存在するゴミ等の異物が切欠き部68に入
り込むような事態を回避することができる。
【0097】以上のように本実施形態の絞り弁31によ
れば、ロック用ナット64の固定の際のスプールねじ込
み量のずれを許容し、絞り弁31の調整を精度よく容易
に行うことができる。さらにこの容易性を向上させたこ
とに伴う問題点、つまり異物の詰まり易さという問題点
をも同時に解決することができる。
【0098】絞り弁31を図6(a)に示すように構成
してもよい。
【0099】図6(a)は、図4に示す構造とは異なる
絞り弁31を示している。
【0100】同図6(a)に示す絞り弁31は弁本体6
0と挿入部材86とから成る。挿入部材86は可変絞り
部87を備えている。可変絞り部87の上流位置は圧油
流入ポート33aとなる。可変絞り部87の下流位置は
圧油流出ポート33bとなる。
【0101】すなわち同図6(a)に示すように、この
絞り弁31は、ポンプケーシング100を弁本体とし
て、この弁本体60と、この弁本体60に対して挿入が
自在の挿入部材86とから構成されている。
【0102】図6(b)は図6(a)に示す絞り弁31
の先端部分を拡大して示している。
【0103】同図6に示すように弁本体60に対して挿
入部材86が長手方向に挿入された状態で、挿入方向先
端には可変絞り部87が形成されている。
【0104】可変絞り部87は、縦断面でみて三角形状
の山87aと谷87bとが連続して所定のピッチPtで
形成された部材のことである。本実施形態では山87a
の数を7に設定している。ただし山87aの数は任意に
設定可能である。
【0105】可変絞り部87の山87aの先端と、可変
絞り部87が挿入される弁本体60の内壁との間には、
所定の隙間(クリアランス)eが環状に形成されてい
る。
【0106】図6(b)に示すように、この環状隙間e
を形成する挿入部材86の長手方向距離fに応じて圧油
P1の絞り量が定まる。上記可変絞り部87の環状隙間
eが形成されている距離fが大きくなるにつれて圧油P
1の絞り量が大きくなり通過流量が小さくなる。
【0107】挿入部材86の後方の部位には、図4の挿
入部材62と同様に、弁本体60に対して螺合するねじ
部65が形成されている。
【0108】ねじ部65の配設箇所のさらに後方の部位
には、図4の挿入部材62と同様に、O−リング66が
挿入部材86の外周の全周にわたって設けられていて、
挿入部材86と弁本体60との間から圧油P1が外部に
にじんだり漏れたりすることを防止している。
【0109】O−リング66の配設箇所のさらに後方の
部位であってポンプケーシング100の外側には、ロッ
ク用ナット64に対して螺合するねじ部97が形成され
ている。そして挿入部材86の後端には、図4の挿入部
材62と同様に、六角ボルト穴63が形成されている。
【0110】以下、この図6(a)に示す絞り弁31を
用いて圧油P1のバイパス流量を調整する動作について
説明する。
【0111】オペレータが六角レンチを六角ボルト穴6
3に差込み、時計回り方向に回転させると、ねじ部65
が弁本体60と螺合しながら挿入部材86は矢印A1方
向に挿入されていく。挿入部材86が最も奥まで挿入さ
れた状態は図6(a)に示す状態となる。
【0112】このとき可変絞り部87のすべての山87
aと弁本体60との間で環状隙間eが形成され、管路抵
抗が最大となり可変絞り部87における絞り量が最大と
なり、圧油流入ポート33aから圧油流出ポート33b
へのバイパス流量はゼロとなる。
【0113】このバイパス流量ゼロ(絞り量最大)の状
態から、オペレータが六角レンチを反時計回り方向に回
転させていくと、ねじ部65が弁本体60と螺合しなが
ら挿入部材86は弁本体60から脱出される方向A2に
移動される。
【0114】挿入部材86が矢印A2方向に移動するに
つれ、図6(b)に示すように環状隙間eの形成距離f
は小さくなっていき、管路抵抗が減少され可変絞り部8
7における絞り量が減少していき、圧油流入ポート33
aから圧油流出ポート33bへのバイパス流量は増加す
る。
【0115】すなわち弁本体60に対する挿入部材86
の挿入位置を矢印A1方向ないしはA2方向に移動する
と、可変絞り部87における圧油P1の開口面積が変化
する。この結果挿入部材86の挿入位置を調整すること
によって圧油流入ポート33aから圧油流出ポート33
bへ導かれる圧油の流量(バイパス流量)が調整され
る。
【0116】最適な挿入位置になった時点で、ロック用
ナット64が挿入部材86後方のねじ部97に螺合され
る。ロック用ナット64をポンプケーシング100の壁
面61に当接することで、挿入部材86を弁本体60に
固定することができる。
【0117】可変絞り部87は、図7に示すように構成
してもよい。図7(a)は図6に示す可変絞り部87の
代わりに断面形状が異なる可変絞り部88を使用した構
成例を示している。図7(a)に示す可変絞り部88
は、縦断面でみて台形状の山88aと谷88bとが連続
して所定のピッチPtで形成された部材である。台形の
上底幅gが小さくなるほど可変絞り部88における圧油
P1の絞り量を大きくすることができる。
【0118】また図7(b)の破線hに示すように可変
絞り部88を先細となるようにテーパ状に形成してもよ
い。このように可変絞り部88を構成すると、挿入部材
86の弁本体60への挿入量が大きくなるほど可変絞り
部88の環状隙間eを小さくすることができる。つまり
先端の山88aから後方の山88aに行くほど環状隙間
はe1、e2、e3と順次小さくなる。これにより挿入部
材86の一定挿入量当たりの絞りの効果を高めることが
できる。
【0119】また図7(c)に示すように図6に示す可
変絞り部87の代わりに断面形状が異なる可変絞り部8
9を使用してもよい。図7(c)に示す可変絞り部89
は、縦断面でみて正方形(長方形)状の山89aと谷8
9bとが連続して所定のピッチPtで形成された部材で
ある。
【0120】つぎに、前進時と後進時との走行曲がり具
合が異なる油圧ショベル80に好適な実施形態について
説明する。
【0121】図8はこの実施形態の絞り弁の配置構成を
示す油圧回路図である。なお図1と共通する回路部分は
省略している。図1と異なる部分のみを示している。
【0122】同図8に示すように、この実施形態では、
前進用圧油供給管路(51A、52A)および後進用圧
油供給管路(51B、52B)の途中にそれぞれ、管路
上の圧油をバイパスするとともにバイパスする圧油の流
量を調整する絞り弁(31A、32A)、(31B、3
2B)が設けられている。
【0123】以下走行曲がりを補正する作業について説
明する。
【0124】・前進走行時 前進方向の直進時に走行曲がりが発生するとオペレータ
は、前進用として設けられた左右の可変絞り弁31A、
32Aを調整する。この結果前進用圧油供給管路51
A、52Aを流れる圧油がそれぞれ所定流量ずつバイパ
スされてタンク72、74に戻される。このため左右の
圧油供給管路51A、52Aを流れる圧油の流量差が補
正され油圧ショベル80の前進時の走行曲がりが補正さ
れる。
【0125】・後進走行時 一方後進方向の直進時に走行曲がりが発生するとオペレ
ータは、後進用として設けられた左右の可変絞り弁31
B、32Bを調整する。この結果後進用圧油供給管路5
1B、52Bを流れる圧油がそれぞれ所定流量ずつバイ
パスされてタンク73、75に戻される。このため左右
の圧油供給管路51B、52Bを流れる圧油の流量差が
補正され油圧ショベル80の後進時の走行曲がりが補正
される。
【0126】以上のようにこの実施形態によれば、前進
時の走行曲がりを補正するときと後進時の走行曲がりを
補正するときとで、別個に設けられた絞り弁(31Aに
対して31B、32Aに対して32B)がそれぞれ使用
される。つまり前進時と後進時とで走行曲がりが異なる
場合であっても、走行曲がりの補正が個別になされる。
【0127】このため本実施形態によれば、前進時、後
進時の両方ともその走行曲がりを精度よく補正すること
ができる。
【0128】図9は図8に示す油圧回路の変形例を示し
ている。
【0129】すなわち図8では左右の油圧モータ25、
26にそれぞれ対応して油圧ポンプ1の各圧油吐出口1
b、1cが設けられていて、異なる圧油吐出口1b、1
cから吐出される圧油P1、P2によって個別に駆動さ
れるようにしている。これに対して図9に示す油圧回路
では、左右の油圧モータ25、26には油圧ポンプ1の
単一の圧油吐出口1dが共通に設けられていて、同じ圧
油吐出口1dから吐出される圧油によって駆動される。
【0130】また図10は図8に示す油圧回路と同じ作
用効果を有する油圧回路構成例を示している。なお図1
0では左走行用の油圧回路のみを示し、右走行用の油圧
回路は省略している。
【0131】同図10に示すように、この実施形態で
は、前進用圧油供給管路51Aおよび後進用圧油供給管
路51Bの途中にそれぞれ、管路上の圧油をバイパスす
るとともにバイパスする圧油の流量を調整する絞り弁3
1A、32Aが設けられている。ただし図8の油圧回路
と異なり、絞り弁31A、31Bは油圧モータ25の一
方のポート25Aと他方のポート25Bとを連通する管
路53、54上にそれぞれ配設されている。このため連
通管路53上には、圧油供給管路51Aを流れる圧油の
みを通過させ反対の圧油供給管路51B上の圧油を通過
させないチェック弁55が設けられている。同様に連通
管路54上には、圧油供給管路51Bを流れる圧油のみ
を通過させ反対の圧油供給管路51A上の圧油を通過さ
せないチェック弁56が設けられている。
【0132】以下走行曲がりを補正する作業について説
明する。
【0133】・前進走行時 前進方向の直進時に走行曲がりが発生するとオペレータ
は、前進用として設けられた可変絞り弁31Aを調整す
る。この結果前進用圧油供給管路51Aを流れる圧油が
所定流量だけ連通管路53にバイパスされ、チェック弁
55を介して戻り管路に戻される。右側の圧油供給管路
52Aについても同様にしてそのバイパス流量が調整さ
れる。このため左右の圧油供給管路51A、52Aを流
れる圧油の流量差が補正され油圧ショベル80の前進時
の走行曲がりが補正される。
【0134】・後進走行時 一方後進方向の直進時に走行曲がりが発生するとオペレ
ータは、後進用として設けられた可変絞り弁31Bを調
整する。この結果後進用圧油供給管路51Bを流れる圧
油が所定流量だけ連通管路54にバイパスされ、チェッ
ク弁56を介して戻り管路に戻される。右側の圧油供給
管路52Bについても同様にしてそのバイパス流量が調
整される。このため左右の圧油供給管路51B、52B
を流れる圧油の流量差が補正され油圧ショベル80の後
進時の走行曲がりが補正される。
【0135】以上のようにこの図10に示す実施形態に
おいても、前進時の走行曲がりを補正するときと後進時
の走行曲がりを補正するときとで、別個に設けられた絞
り弁(31Aに対して31B、32Aに対して32B)
がそれぞれ使用される。つまり前進時と後進時とで走行
曲がりが異なる場合であっても、走行曲がりの補正が個
別になされる。
【0136】このため本実施形態によれば、前進時、後
進時の両方ともその走行曲がりを精度よく補正すること
ができる。なお図8、図9、図10に示す実施形態の場
合、絞り弁31(31A、31B)、32(32A、3
2B)を方向制御弁23、24自体に配設してもよい。
また絞り弁31(31A、31B)、32(32A、3
2B)を油圧モータ25、26自体に配設してもよい。
【0137】なお本実施形態では絞り弁を用いて油圧駆
動走行体の走行曲がりを補正しているが、絞り弁を使用
する技術分野は任意である。たとえば同寸法のアクチュ
エータ(たとえば同サイズの油圧シリンダ)を同期化さ
せるために絞り弁を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る絞り弁が組み込まれた油圧
回路図である。
【図2】図2は実施形態で想定している油圧ショベルの
構造を示す斜視図である。
【図3】図3は油圧ポンプに絞り弁を配設した様子を示
す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は図3
(a)の矢視Z図である。
【図4】図4は実施形態の絞り弁の全体構造を示す図で
ある。
【図5】図5は図4に示す絞り弁の一部を拡大して示す
図であり、図5(a)は絞り弁の先端を拡大して示す
図、図5(b)は図5(a)のB−B断面図、図5
(c)は図5(a)のテーパ部をさらに拡大して示す
図、図5(d)は図5(a)の矢視C図である。
【図6】図6は図4に示す絞り弁とは異なる構造の絞り
弁の構造を示す図であり、図6(a)は全体構造図、図
6(b)は絞り弁の先端を拡大して示す図である。
【図7】図7(a)、(b)、(c)はそれぞれ図6に
示す絞り弁の変形例を示す図である。
【図8】図8は図1の油圧回路とは異なる位置に絞り弁
を配置構成した様子を示す油圧回路図である。
【図9】図9は図8に示す油圧回路の変形例を示す油圧
回路図であり、単一の油圧ポンプを用いる油圧回路構成
例を示す図である。
【図10】図10は図8の油圧回路と同一の作用効果を
有する別の油圧回路構成例を示す図である。
【図11】従来の絞り弁の配置構成を示す油圧回路図で
ある。
【符号の説明】
31、32 絞り弁 33a 圧油流入ポート 33b 圧油流出ポート 60 弁本体 62 挿入部材 67 テーパ部 68 切欠き部 69 クリアランスフィルタ 71 可変絞り部 86 挿入部材 87 可変絞り部 100 ポンプケーシング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧油流入ポート(33a)から流入
    された圧油(P1)を、挿入部材(62)の外周の全周
    にわたり形成された可変絞り部(67)で流れを絞り圧
    油流出ポート(33b)に導くとともに、弁本体(6
    0)に対する挿入部材(62)の挿入位置を調整(A
    1、A2)することにより前記可変絞り部(67)と前記
    弁本体(60)との間の開口面積を変化させて、前記圧
    油流出ポート(33b)に導かれる圧油の流量を調整す
    るようにした絞り弁(31)において、 前記可変絞り部(67)の圧油上流に位置するように、
    前記挿入部材(62)の外周の一部に、前記圧油流入ポ
    ート(33a)から流入された圧油(P1)の流れを絞
    る切欠き部(68)を形成し、 前記切欠き部(68)の圧油上流に位置するように、前
    記挿入部材(62)の外周の全周にわたり、異物を通過
    させない程度の隙間(d)を前記挿入部材(62)と前
    記弁本体(60)との間に形成(69)した絞り弁。
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