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JP2000095883A - 反射性フィルム - Google Patents

反射性フィルム

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Publication number
JP2000095883A
JP2000095883A JP11240324A JP24032499A JP2000095883A JP 2000095883 A JP2000095883 A JP 2000095883A JP 11240324 A JP11240324 A JP 11240324A JP 24032499 A JP24032499 A JP 24032499A JP 2000095883 A JP2000095883 A JP 2000095883A
Authority
JP
Japan
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film
polymerizable
reflective
polymerization
reflective film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11240324A
Other languages
English (en)
Inventor
David Coates
デビッド・コーツ
Mark A Verrall
アンドリュー・バーロール マーク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Merck Patent GmbH
Original Assignee
Merck Patent GmbH
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Merck Patent GmbH filed Critical Merck Patent GmbH
Publication of JP2000095883A publication Critical patent/JP2000095883A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K19/38Polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • GPHYSICS
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    • G02B5/3016Polarising elements involving passive liquid crystal elements
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    • C09K2323/03Viewing layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/031Polarizer or dye
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
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    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1335Structural association of cells with optical devices, e.g. polarisers or reflectors
    • G02F1/133528Polarisers
    • G02F1/133536Reflective polarizers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 クレームに記載されているように、螺旋
軸がフィルムに垂直である、螺旋状ツイスト配向の重合
メソゲン材料の層からなり、変化する螺旋ピッチの領域
を含む反射性フィルムを製造する方法、このような工程
により得られる反射性フィルム広帯域反射偏光子または
ノッチ偏光子として、あるいは液晶ディスプレイにおい
て多着色フィルムまたはイメージとして、カラーフィル
ター、着色材として、装飾またはセキュリティ用途にこ
のような反射性フィルムの使用、及び液晶セル、前出及
び下記で述べる反射偏光子からなり、場合によっては、
更に一つあるいはそれ以上の補償板または偏光子からな
る液晶ディスプレイに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、螺旋軸がフィルム
に垂直である、螺旋状ツイスト配向の重合メソゲン材料
の層からなり、異なる螺旋ピッチの領域を含む反射性フ
ィルムに関する。
【0002】本発明は、更にピッチの変化をコントロー
ルさせる反射性フィルムを製造する方法に関する。本発
明は、更に光学用、電気光学用、情報蓄積用、装飾及び
セキュリティ用及びこのような反射性フィルムを含む液
晶ディスプレイにおける反射性フィルムの使用に関す
る。
【0003】
【従来の技術】種々の用途、なかんずく、広帯域あるい
はノッチ偏光子(notch polarizer)、ディスプレイまた
は投射システムにおけるカラーフィルター、及び例え
ば、着色イメージフィルムまたはコレステリック顔料フ
レークの製造等の装飾目的に、コレステリック液晶材料
からなる反射性フィルムが従来技術で提案されてきた。
【0004】これらのフィルムは、通常、螺旋軸がフィ
ルム面に垂直である、螺旋状ツイスト配向のコレステリ
ック液晶材料の一つまたはそれ以上の層からなり、光の
選択反射を示す。
【0005】上述の反射性フィルムにより反射される波
長帯の帯域幅△λは、式△λ=△n×pによりメソゲン
材料の複屈折△nと分子螺旋ピッチpに依存する。この
ように、帯域幅は、他のファクターのなかで、材料の複
屈折により決定される。例えば、液晶ディスプレイにお
ける広帯域反射偏光子などの用途に対しては、反射性フ
ィルムの帯域幅は、可視波長域の実質的な部分からなる
のが望ましく、それに対して、ノッチ偏光子または装飾
及びセキュリティ用などの着色反射性フィルム等の用途
については、しばしば、特定の反射色を有するフィルム
が望まれる。
【0006】特に、円偏光子としても知られている広帯
域反射偏光子は、可視スペクトルの大部分をカバーする
広波長帯域の円偏光を透過するものであるが、バックラ
イト液晶ディスプレイ用の偏光子として好適である。こ
のような反射偏光子に非偏光が入射する場合、光強度の
50%は、分子螺旋のそれと同じツイストの向きの円偏光
として反射され、それに対して、他の50%は、透過され
る。反射光は、ディスプレイのバックライトにおいて脱
偏光(偏光の向きが逆転する)され、偏光子に再指向さ
れる。このようにして、反射偏光子に入射する非偏光の
与えられた波長帯の理論的に100%は、円偏光に変換
され得る。
【0007】円偏光は、4分の1波長光学リタデーショ
ン板及び場合によっては補償フィルムにより直線偏光に
変換され得る。広帯域反射偏光子を作製するのに、簡単
ではあるが、有効あるいは経済的ではない方法は、異な
る反射波長帯を持ついくつかの反射性フィルムをお互い
の上に積層することである。最近、螺旋状ツイスト構造
とプラナー配向を持つ液晶材料からなり、更に、分子螺
旋ピッチが層に垂直の方向に変化する特徴があり、これ
により、反射波長帯の広い帯域幅が得られる反射偏光子
が開発された。
【0008】液晶前駆体から広帯域反射偏光子の作製に
これ迄述べた方法は、種々の欠点を有する。EP0 6
06 940(Broerら)では、400nm迄の帯
域幅を持つ反射円偏光子及びその製造法が開示されてい
る。Broerら,Nature,378巻,467頁
(1995)で開示されたように、異なる反応性とキラ
リティを有する反応性メソゲンを拡散させ、大きく変化
するコレステリックピッチを得ることを利用して、これ
は、実現される。しかしながら、この方法は、やや遅
く、ある場合には、完結するのに数分かかることがあ
る。これは、プラスチックフィルム等の連続的に動く基
板上に偏光子を加工する大部分の方法と相性が悪い。
【0009】プラスチック基板上に反射性フィルムを製
造する方法は、WO 97/35219に述べられてい
る。この工程は、15から30秒のオーダーで完結し、
このように、Broerらにより使用されたものよりも
速いが、それにも拘わらず、反射偏光子の得られる波長
と帯域幅のコントロールに関してはなお比較的困難であ
る。
【0010】更に、EP0 606 940とWO 9
7/35219に述べられた方法は、反射性フィルムの
空間的に均質な特性のみが得られる。すなわちフィルム
の横方向にピッチの変化を示さない。他方、例えば、フ
ィルムの異なる領域が異なる反射色を示す、フィルムに
わたって空間的に変化する反射特性を持つ反射性フィル
ムを有することが望まれる用途もある。これらのフィル
ムは、例えば情報蓄積またはマルチ着色イメージに有用
である。
【0011】GB 2,315,760−Aには、サー
モクロミック、すなわち温度変化時に反射色の変化を示
す重合性メソゲン組成物及び基板上に組成物を薄い配向
層としてコートし、層の異なる領域を、それらが異なる
反射色を示すように、異なる温度に選択的に加熱(例え
ば、レーザーにより)し、異なる領域をそれぞれの色に
固定するように硬化させることによって、マルチ着色反
射性フィルムを製造する方法が開示されている。GB
2,315,760−Aに述べられた方法は、いくつか
の加熱及び硬化ステップが必要とされるので、なお比較
的複雑で、時間がかかる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、フィルムの反
射波長と帯域幅のコントロールが更に改良され、更に容
易となった反射性フィルムを製造する方法、並びに反射
偏光子、カラーフィルター、または情報蓄積用、装飾及
びセキュリティ用の着色フィルムとしてこれらのフィル
ムを使用することができる空間的に変化する反射波長を
持つ反射性フィルムを製造する方法のニーズがある。
【0013】術語の定義 反射性フィルム及び光学的偏光に関連して、本出願に述
べられている補償用とリタデーション用フィルムは、次
の術語の定義を与える。本出願に使用されている「反射
性フィルム」という語は、多少なりとも際立った安定性
と柔軟性を示す自己支持性、すなわち自立性のフィル
ム、並びに支持基板の上または2枚の基板の間にコーテ
ィングまたは層を含む。
【0014】「フィルム面に実質的に垂直な螺旋軸」と
いう語は、螺旋軸がフィルム面に実質的に垂直で、フィ
ルム法線に実質的に平行であるという意味である。この
定義は、また、螺旋軸がフィルム法線に関して2°迄の
角度で傾いている配向を含む。
【0015】「熱力学的に安定なメソフェーズ」という
語は、重合時の系が緩和して、重合された材料の熱力学
的に安定な、高秩序の平衡メソフェーズを与えるのに充
分な時間を有する、重合性メソゲン組成物の重合時に得
られる状態を意味する。重合された材料の熱力学的に安
定な、高秩序の平衡メソフェーズは、例えばメソゲン材
料を溶液中、あるいは低重合速度または低重合度で重合
させることにより得られる。
【0016】「ホメオトロピック配向」という語は、フ
ィルムの光学軸がフィルム面に実質的に垂直、すなわち
フィルム法線に実質的に平行であるという意味である。
この定義は、また、光学軸がフィルム法線に関して2°
迄の角度で傾いており、光学軸がフィルム法線に厳密に
平行であるフィルムと同じ光学特性を示す配向を含む。
【0017】「傾斜構造」または「傾斜配向」という語
は、フィルムの光学軸がフィルム面に関して0と90度
の間の角度で傾いているという意味である。
【0018】「スプレイ構造」または「スプレイ配向」
という語は、上述のように傾斜配向であって、加えて、
傾き角がフィルム面に垂直な方向で、0から90°の範
囲、好ましくは最小値から最大値の範囲で単調に変化す
る配向を意味する。
【0019】「プラナー配向」という語は、光学軸がフ
ィルム面に実質的に平行であるという意味である。この
定義は、また、光学軸がフィルム面に関して、若干傾い
ており、平均傾き角がフィルム面にわたって1°迄であ
って、光学軸がフィルム面に厳密に平行であるフィルム
と同じ光学特性を示す配向を含む。
【0020】上述の反射偏光子及びホメオトロピック、
傾斜、スプレイ、プラナー及びツイストのリタデーショ
ンフィルム及び補償フィルムが均一配向を持つ一軸的に
正の複屈折の液晶材料からなる場合には、光学軸のそれ
ぞれの配向は、液晶材料の主分子軸の配向方向に対応す
る。
【0021】本発明の反射性フィルムにより反射された
波長帯の最小及び最大の波長、すなわち波長帯の縁は、
本出願においては波長帯の最大の値の半値として与えら
れない。実用的な理由から、最小及び最大波長は、曲線
が絶対値で最も急な勾配を有する与えられた曲線上の波
長として定義される。図5から8を比較されたい。波長
帯幅は、単に最小および最大波長の間の差として与えら
れる。
【0022】短く反射波長または反射の波長とも呼ばれ
る中心反射波長は、最小及び最大波長の相加平均として
与えられる。
【0023】本発明の一つの目的は、上述の欠点を有し
ない反射性フィルムを、量産に特に好適な、効率的な、
費用効果のある方法で製造する方法を提供することであ
る。当業者には、本発明の他の目的は、以下の説明から
直ちに明白になるであろう。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プラスチ
ック基板上に反射性フィルムの製造を可能ならしめ、ま
た、量産に特に好適である手法を開発した。この方法
は、基板の上または2枚の基板の間にキラルネマチック
あるいはコレステリック相を持つ重合性メソゲン材料を
薄膜の形でコーティングし、コレステリック螺旋軸がフ
ィルム面に垂直になるように配向させ、この材料を重合
させて、螺旋状にツイストした、プラナーな液晶相構造
として凍結させるステップからなる。
【0025】本発明者らは、この工程で製造される反射
性フィルムの光学的性質は、偏光子の製造方法及びこの
工程で使用される材料のタイプに敏感であることを見出
した。特に、本発明者らは、反射性フィルムの螺旋ピッ
チと反射波長、すなわち反射帯の中心は、重合された材
料が秩序性の高い、熱力学的に安定なメソフェーズを示
す温度で、秩序性の少ない重合性材料を使用することに
よりコントロールされ得ることを見出した。また、本発
明の新しい製造方法は、重合性前駆体混合物の組成を適
切に選択し、及びまたは照射パワーを変化させることに
よりフィルムの反射波長を決定し、調節することを可能
にする。
【0026】本発明による工程により得られる反射性フ
ィルムによって、上述の目的が達成され、従来技術の欠
点が克服され得る。本発明の工程により製造される広帯
域反射偏光子は、液晶ディスプレイに使用する場合、従
来の直線偏光子(例えば、二色性偏光子)に比較して大
きな視野角迄、高い輝度とかなりの輝度増加(brightnes
s gain)を示す点で特に有利である。更に、このフィル
ムは、機械的及び光学的性質の高温安定性を示す。
【0027】更に、反射波長の空間(すなわち、横方向
の)分布を持つポリマーコレステリック液晶フィルムを
製造することが本発明の方法により可能である。このよ
うに、異なる領域を異なる照射パワーに露光させること
により、異なる領域で異なる色を反射するようにフィル
ムをパターニングすることができる。一つの簡単な方法
は、例えば格子形の光学素子あるいはグラデーションを
付けたマスクにより、種々の程度に減光された、照明源
の光、例えばUVランプにベルト上を動く重合性メソゲ
ン材料の層を露光することにより、ストライプパターン
を作製することである。
【0028】本発明の一つの目的は、重合性メソゲン組
成物を螺旋状ツイストメソフェーズに重合させることに
より、螺旋状ツイスト構造と変化する螺旋ピッチを持つ
重合されたメソゲン材料からなる反射性フィルムを製造
する方法であって、−重合性材料が秩序性の少ないメソ
フェーズを有し、重合された材料が秩序性の高い、熱力
学的に安定なメソフェーズを示す温度で重合させる及び
/または −a)少なくとも一つの重合性キラルあるいはアキラル
メソゲン化合物、 b)また、成分a)、d)、e)またはf)の化合物で
あり得る少なくとも一つのキラル化合物、 c)少なくとも一つの重合開始剤、 d)場合によっては少なくとも一つの架橋剤、 e)場合によっては少なくとも一つの連鎖停止剤または
連鎖移動剤、 f)場合によっては少なくとも一つの染料からなる染料
成分、及び変化する量と形の成分c)及びまたはd)及
びまたはe)及びまたはf)からなる重合性メソゲン材
料を重合させることにより螺旋ピッチの変化を得ること
を特徴とする、反射性フィルムを製造することである。
【0029】本発明の別な目的は、前出及び以下に述べ
る工程により得られる反射性フィルムである。本発明の
別な目的は、広帯域反射偏光子またはノッチ偏光子とし
て、あるいは液晶ディスプレイにおいて多着色フィルム
またはイメージとして、カラーフィルター、顔料とし
て、装飾またはセキュリティ用途に本発明の反射性フィ
ルムを使用することである。
【0030】本発明の別な目的は、液晶セルと前出及び
以下に述べる反射偏光子、及び場合によっては、少なく
とも以下の部品を含む液晶ディスプレイを得ることにあ
る。 I)反射偏光子により反射されるスペクトルの中心波長
のほぼ0.25倍であるリタデーションを持つ光学リタ
デーションフィルム、 II)直線偏光子、 III)ホメオトロピック配向を持つ異方性ポリマー材料
の層からなる補償フィルム、 IV)傾斜あるいはスプレイ配向を持つ異方性ポリマー材
料の層からなる補償フィルム、 V)プラナー配向を持つ異方性ポリマー材料の層からな
る補償フィルム、 VI)螺旋軸がフィルム面に垂直で、螺旋状にツイストし
た構造を持つ異方性ポリマー材料の層からなる補償フィ
ルム。
【0031】重合性メソゲン材料は少なくとも1種類の
キラル化合物(b)を含む。このキラル化合物は材料中に
上記の構成成分(a)および(c)に加えて存在することがで
きる。また、キラル化合物(b)は構成成分(a)のキラル重
合性化合物、キラル架橋剤(d)、キラル連鎖停止剤また
は連鎖移行剤(e)、或いはキラル染料(f)であることも可
能である。
【0032】反射性フィルムは螺旋状にねじれた構造を
示し、構造中、螺旋軸は上記に規定したようにフィルム
平面に垂直であることが好ましい。しかし、螺旋軸はフ
ィルムの異なる局部域またはフィルム全体のフィルム面
に対し2°を超える角で傾斜していてもよい。反射性フ
ィルムは、好ましくは、基板上または二つの基板間に重
合性メソゲン材料を層状に塗布し、重合性メソゲン材料
を分子螺旋軸が層面に垂直であるよう光学配向させ、化
学線放射に曝露して重合性メソゲン材料を重合させ、且
つ任意に基板を重合した材料から剥離し、或いは基板が
2個存在する場合は、1個または2個の基板を剥離して作
成される。
【0033】本発明の好ましい態様は上述した反射性フ
ィルムの作成プロセスに関し、このプロセスではフィル
ムのピッチ変化は層の異なる領域で化学線照射力を変え
ることで達成される。重合性メソゲン材料は、好ましく
は、2種類以上の混合物であり、その少なくとも1種類が
キラルであり、且つ少なくとも1種類が重合性である。
重合性材料は重合性メソゲン材料が低秩序の中間相を持
つ温度でより高秩序の熱力学的に安定な中間相を持つ物
質であることが好ましい。
【0034】さらに好ましい態様は以下のプロセスに関
する。 ・ 重合性メソゲン材料が螺旋状にねじれた中間相を有
する温度で、重合性材料がねじれていない熱力学的に安
定な中間相を持つプロセス。 ・重合性メソゲン材料がキラルネマチック(コレステリ
ック)相、最も好ましくはコレステリック相より低い温
度で付加的なスメクチックA相を有するプロセス。
【0035】・ 重合性混合物が少なくとも1種類の架
橋剤(d)を含むプロセス。 ・ 架橋剤(d)がメソゲン化合物であるプロセス。 ・ 重合性混合物が少なくとも1種類の連鎖停止剤また
は連鎖移行剤(e)を含むプロセス。
【0036】・ 重合性混合物が少なくとも1種類の染
料(f)を含むプロセス。 ・ 照射が重合性メソゲン材料の重合時にフィルム全域
にわたって変化するプロセス。 ・ 基板の少なくとも1個がプラスチックフィルムであ
るプロセス。
【0037】・ 反射性フィルムが単一基板上に形成さ
れるプロセス。 ・ 中心波長、反射スペクトルの形状および帯域幅など
の反射性フィルムの反射特性、これら反射特性の視野角
依存性が重合性メソゲン材料の重合時における照射力を
変えることによって制御されるプロセス。 ・ 重合性メソゲン材料が少なくとも1種類のアキラル
重合性メソゲン化合物を含むプロセス。
【0038】・ 重合性メソゲン材料が1個以上の重合
性基を有するキラル重合性メソゲン化合物を含有しな
い、特に好ましくは、キラル重合性メソゲン化合物を全
く含有しないプロセス。 ・ 重合性メソゲン材料が少なくとも1種類の非重合性
のキラル化合物を含有し、好ましくはこの化合物がメソ
ゲン材料であり、且つ1個の重合性基を持つアキラル重
合性メソゲン化合物を少なくとも2種類含有するプロセ
ス。 ・ 重合性メソゲン材料が少なくとも1種類の非重合性
のキラル化合物 (好ましくはメソゲン材料)と少なくと
も1種類の重合性基が2個以上、好ましくは2個のアキラ
ル重合性メソゲン化合物とを含有するプロセス。
【0039】・ 重合性メソゲン材料が1個の重合性基
を持つ少なくとも1種類のキラル重合性化合物と少なく
とも1種類の重合性基が1個のアキラル重合性メソゲン化
合物とを含有するプロセス。 ・ 重合性メソゲン材料が1個の重合性基を持つ少なく
とも1種類のキラル重合性化合物と少なくとも1種類の重
合性基が2個以上、好ましくは2個のアキラル重合性メソ
ゲン化合物とを含有するプロセス。
【0040】さらに好ましい態様は以下に記す反射性フ
ィルムに関する。 ・ 螺旋ピッチがフィルム平面に垂直方向に非対照的に
変位する。 ・ 重合した物質が三次元ネットワークを生成する。 ・ 反射波長の帯域幅が220nmより大きく、特に好まし
くは320nmより、極めて好ましくは420nmより大きい。
【0041】本発明の好ましい態様は反射性フィルムに
関し、フィルム中、螺旋ピッチは層面に対し垂直方法に
非対照的に変化する。すなわち、ピッチはフィルムの1
表面での小さな値から対抗する表面での大きな値に実質
的に増加している。このようなフィルムは光学ディスプ
レイにおける広域帯反射偏光子として特に有用である。
その他の好ましい態様は螺旋ピッチがフィルム上で空間
的に、すなわちフィルム面を横切って側方向に変化す
る。このようなフィルムはパターン像または多色像とし
て、たとえば装飾用、情報保存、或いはセキュリティ標
識または装置などに有用である。
【0042】本発明のプロセスによって反射性フィルム
の光学的性能の制御および確定方法が容易になる。この
ように反射性フィルムの反射特性、特に反射波長および
帯域幅を重合に使用する化学線照射力の変化および/ま
たは重合性メソゲン材料の適切な選択によって、具体的
には架橋剤(d)および/または連鎖移行剤(e)および/また
は染料(f)の添加によって制御することができる。
【0043】本発明に拠る反射性フィルムの作成は螺旋
軸がフィルム面に対し垂直方向に配向していて螺旋状に
ねじれた配向の重合性メソゲン材料を化学線放射に曝露
することで達成される。重合中に生成ポリマーの螺旋ピ
ッチおよび反射波長が照射率の変化、すなわち速度と程
度、換言すれば層全体の異なる場所における重合度の変
化によって制御される。重合は層中で重合反応を開始さ
せる化学線放射の吸収の違いによって層の厚み全体にわ
たり傾斜づけされる。吸収の差はフィルムの厚みの異な
る領域における重合速度に違いを引き起こす。この効果
は、特に広帯域反射性フィルムを作成する場合、重合性
材料に重合に使用された化学線放射を吸収する架橋剤成
分(d)および/または連鎖移行剤または連鎖停止材(e)お
よび/または染料成分(f)を添加することによって向上す
る。場合によっては、上述の構成成分(a)から(e)を含む
重合性混合物に関する化学線放射吸収の違い、特に重合
反応開始剤(c)の吸収は重合を傾斜づけするのに十分で
あり、染料を必要としない。
【0044】上述の傾斜づけされた重合によって、重合
で固定される層の厚み全体にわたるピッチの階調度が創
出される、したがってフィルムの頂部から底部までの異
なる場所で反射波長が異なるすポリマーフィルムが創出
される。さらに、区分分けされた重合の効果およびその
結果である螺旋ピッチの変化が化学線放射の照射力を変
えることによってフィルム全体の横方向および厚み方向
の両方で増大する。照射力の横方向の変化は、例えば重
合層をフォトマスクで被覆することで実現することがで
きる。
【0045】ピッチの階調度形成およびその制御方法に
つき、以下に詳述する。モノ官能性の重合性メソゲン化
合物(モノ反応性メソゲンとも呼ばれ、例えばモノアク
リレートがある)は重合して側鎖液晶ポリマーを生成す
る。代表的なモノ反応性メソゲンでは、可撓性スペーサ
がメソゲン核から重合性基を分離する。殆どの代表的な
モノ反応性メソゲンは相転移温度が反応性メソゲンに比
べ著しく増加した側鎖基ポリマーとなる。例えば、下記
式I-1で表される化合物は相順、S30℃Ch128℃I(S=スメ
クチック、Ch=コレステリック、I=等方性)を有し、対応
する側鎖ポリマーの相順はS145℃Ch190℃Iである。
【0046】
【化1】
【0047】下記式I-2で表される化合物は相順、C35℃
Ch-1℃Iを有し、対応する側鎖ポリマーの相順はS50℃Ch
65℃Iである。
【0048】
【化2】
【0049】この転移温度の高温側への移行でモノ官能
反応性メソゲンまたは1種類以上のモノ反応性メソゲン
を含む液晶ポリマー混合物の前駆体は低秩序相(例え
ば、ネマチック相)で選択された温度で重合することが
可能になり、且つ重合して液晶側鎖ポリマーとなること
ができる。この液晶側鎖ポリマーは選択された重合温度
で異なる秩序相、より高秩序な相(例えば、スメクチッ
ク相)を示す。
【0050】次ぎに、モノマーまたは前駆体混合物とポ
リマーの両方がコレステリック相とその下に存在するス
メクチック相(すなわち、コレステリック相以下の温度
でメクチック相)を示すが、ポリマーのスメクチック相
の温度範囲が増加している場合について、本発明を例示
的に説明する。これは以下の図に例示的に描写されるよ
うに、モノマーおよび対応するポリマーの液晶相順を示
し、モノマーおよびポリマーの両方がスメクチック相お
よびコレステリック相を有する。此処でSはスメクチッ
ク相を、Chはコレステリック相(=キラルネマチック相)
を、 Iは等方相を表す。矢印は温度Tの上昇方向を示
す。
【0051】
【表1】
【0052】また、ポリマーが、例えば、コレステリッ
クおよびその下のスメクチック相を示し、一方でモノマ
ーまたは前駆体混合物が、例えば上記I-2の化合物よう
に、コレステリック相だけまたは単変性(モノトロピッ
ク)コレステリック相だけを示すことも可能である。ス
メクチック相が下存在する未重合コレステリック液晶モ
ノマーまたは前駆体混合物では、コレステリック螺旋の
螺旋ピッチは、標準的には、巻かれていなく、温度がス
メクチック相に減少するにつれて反射波長はより長くな
る。この効果は熱変色効果として知られ、模式的に図1
に描画してある。図1は上述の低モル質量コレステリッ
ク液晶の温度Tに対する螺旋ピッチpの変化を示す。
【0053】上述の液晶モノマーまたは前駆体混合物の
サンプルが一定温度で重合すれば、サンプルのスメクチ
ック-コレステリック相転移温度は重合中に事実上上昇
する。重合中における重合材料と未重合材料との完全混
合を仮定すれば、このようなサンプルの相図は模式的に
図2に示すような外観を示すと思われる。図2は重合した
材料の割合Rに対する相転移温度Tの変化を示す。図2は
簡略化された相図であり、上述した効果を模式的に示す
ものであることに留意すべきである。したがって、例え
ば二相領域が省略されていて、且つポリマーが単分散分
子量分布を有すると仮定している。
【0054】上述したサンプルの重合温度は、重合温度
Tpにつき図2に例示するように、生成ポリマーのコレス
テリック-スメクチック相の境界が前駆体の重合中に交
差するように選ぶことができる。この結果、コレステリ
ック螺旋のピッチは図1に示すように一定温度で発散
し、且つコレステリック螺旋はスメクチック相が接近す
るので生成ポリマーでは巻き付いていない。しかし、上
述の現象は反応性メソゲンが非配向状態(例えば溶液中)
において比較的低率で、且つ/または小さな最終分子量
に重合した場合においてのみ理想的に観察される。この
場合においてのみ、重合物はその平衡な、すなわち熱力
学的に安定な中間相を示す。
【0055】しかし、モノ官能性の反応性メソゲンが配
向状態、たとえばガラス基板などの基板上または2つの
基板間で薄フィルムとして重合し、且つ急速に高分子量
に重合する場合には、系は熱力学的に安定な高秩序のポ
リマー相を与えるような緩和をすることはなく、代わり
に、反応性メソゲンが硬化の前に示した配向が固定され
るようになり、長期にわたって凍結される。
【0056】例えば、上述の式I-1の化合物は既に説明
したように、145℃までスメクチック相を有する側鎖ポ
リマーに重合する。しかし、0.5%の光反応開始剤TPO(2,
4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルホスフィンオキ
サイド)と混合し、相互に5μm離れた2枚のガラス基板間
に保持し、80℃に加熱、且つキラルネマチック液晶相を
基板に僅かな剪断力を与えて配向させると、青色の選択
的に反射するコレステリック組織が観察される。温度80
℃で5mW/cm2の紫外線放射(例えば、水銀灯)に曝露した
後、サンプルは重合の後でもこの外観を維持する。常温
の約20℃に冷却しても、サンプルは変化せず、青色光を
反射する。
【0057】このように、コレステリック相およびその
下に存在するスメクチック相を持つ重合性メソゲン材料
のサンプルが螺旋を巻き戻すに必要な時間よりも速い速
度で重合すると、サンプルは生成したポリマーの高粘度
の故にコレステリック状態に固定され、生成したポリマ
ーが(熱力学的により安定な)スメクチック相への緩和を
阻止する。重合中に生成するポリマーの分子量を減少も
しくは低く維持すると、ポリマーの粘度も減少する。こ
れによって重合が完結する前に螺旋の巻き戻しがいくら
か可能になり、その結果ピッチが増加して反射波長が高
波長側に移行する。
【0058】本発明に拠る方法で生成ポリマーの分子量
を制御することができ、これによって反射ポリマーフィ
ルムのピッチおよび反射波長の移行を制御することがで
きる。本発明の第1の好ましい態様に拠ると、生成ポリ
マーの分子量を選択量の連鎖停止剤または連鎖移行剤を
成分(e)として重合混合物に添加することによって制御
または減少することができる。成分(e)の量を増加する
ことで反射性フィルムの反射波長の増加を実現すること
ができる。
【0059】連鎖移行剤を重合混合物に添加すると、遊
離ポリマーの鎖長および/または本発明のポリマーフィ
ルムにおける架橋剤間のポリマーの鎖長を制御すること
ができる。連鎖移行剤の量が増加すると、ポリマーの鎖
長が減少したポリマーフィルムを得ることができる。
【0060】本発明の好ましい態様では、重合性混合物
は0.01〜15%、より具体的には0.1〜10%、最も好ましく
は0.5〜5%の連鎖移行剤を含む。連鎖移行剤を含む重合
性メソゲン混合物を使用することによって、帯域幅の増
加した反射偏光子を得ることができる。この好ましい態
様に拠るポリマーフィルムの別の利点は基板、具体的に
は例えばTACフィルムなどのプラスチックフィルムへの
特に優れた接着性である。ポリマー作成のための連鎖移
行剤もしくは停止剤は当業者に公知である。これらの多
くは市販されている。当業者に公知ないかなる化合物も
連鎖移行剤として使用することができる。好ましくはチ
オール化合物、例えばドデカンチオールCH 3(CH2)11SHな
どのモノ官能性チオール化合物、或いは、例えばトリメ
チルプロパントリ(3-メルカプトプロピオネート)などの
多官能性チオール化合物が連鎖停止剤として用いられ
る。
【0061】ポリマーの分子量はメルカプタンまたはチ
オール化合物などの連鎖移行剤を用いることで効果的に
減らすことができる。この代表的な例はドデカンチオー
ルである。しかし、ドデカンチオール自体は液晶でな
く、メソゲンでもないので、液晶母体中に小濃度で溶解
するだけである。代表的には、約0.5%の濃度で相分離が
観察される。
【0062】したがって、液晶或いは少なくともメソゲ
ンチオール化合物が液晶母体中への溶解性に優れている
ために好適である。本発明に好適な連鎖移行剤は特に国
際出願WO96/12209およびWO96/25470に開示されている化
合物群であり、これらの特許の開示は全て参照として本
明細書の一部を構成する。好適な液晶チオール化合物
は、例えば次式III-1およびIII-2の化合物である。
【0063】
【化3】
【0064】連鎖移行剤の濃度、例えば式III-1および
式III-2に示す化合物の濃度が増加すると、得られる硬
化液晶ポリマーの分子量は減少する。上述したように、
これによって生成ポリマーの粘度が減少し、重合中にお
けるポリマー前駆体のより速い緩和が引き起こされ、結
果としてコレステリック螺旋の巻き戻しが起きる。した
がって、反射帯域の波長は連鎖移行剤の濃度増加と共に
増加する。この現象は少なくとも連鎖移行剤の濃度が0
〜10%という小濃度で持続する。
【0065】既に説明した薬品や添加剤とは別に、酸素
も連鎖停止剤として作用する。したがって、生成ポリマ
ーの分子量を、例えば重合中に基板から重合性材料内に
透過する酸素を制御することで変化させることもでき
る。しかし、透過酸素の制御は実際に行うのが困難であ
るので、重合中の重合性材料から酸素を排除するのが好
ましい。酸素の排除は、例えば不活性ガス雰囲気中での
硬化、或いはPVAなどの酸素障壁層を基板上に適用して
基板からの制御不可能な酸素の透過を防止することで達
成される。
【0066】連鎖停止剤または移行剤の代わりに、或い
はそれに付加的に阻害剤、安定剤などの重合遅延または
阻害添加剤を加えることで分子量を制御することもでき
る。重合性材料は、好ましくは安定剤として重合阻害剤
を含み、例えば組成物の保存中の望ましくない自然発生
的な重合を阻止する。これとは別に、阻害剤は本発明の
プロセスにおいてポリマーの分子量の制御にも役立つ。
【0067】阻害剤は多くの種類類が市販されている。
本発明に使用される阻害剤は、好ましくは、ヒドロ-ま
たはベンゾ-アンスラキノン類の置換または非置換誘導
体、モノ-、ジ-、或いはトリ-官能性フェノール類、ニ
トロ-またはアミノ-ベンゼン類、フェナジン類、フェノ
キサジン類、フェノチアジン類およびチアンスレン類か
ら選択される。特に好ましい阻害剤は置換または非置換
ヒドロキノン類、アンスラキノン類およびベンゾキノン
類から成る群から選択される。
【0068】好適な阻害剤化合物に関する代表例はヒド
ロキノン、メトキシメチルヒドロキノン、モノ-tert-ブ
チルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、
p-ベンゾキノン、2,5-p-ジメチル-p-ベンゾキノン、ア
ンスラキノン、カテコール、p-tert-ブチルカテコー
ル、フェノチアジン、4-エトキシフェノールおよびブチ
ル化ヒドロキシトルエン(BHT)である。望ましくない自
然発生的重合を阻止するために安定剤として阻害剤を添
加する場合、重合混合物中における安定剤の量は、好ま
しくは1〜1000ppm、特に好ましくは10〜500ppmである。
本発明のプロセスに阻害剤を使用して分子量およびそれ
によるピッチ長の変動を制御する場合には、多めの量、
具体的には1〜5重量%を添加するのが好適である。連鎖
停止剤または連鎖移行剤に比べ、阻害剤の使用は余り好
ましくない。
【0069】第2の好ましい態様に拠ると、選択量の架
橋剤(d)が重合混合物に添加される。これによって、ポ
リマーの分子量および架橋の程度が増加し、この結果ポ
リマーの粘度がより速やかに増加する。これによって、
分子螺旋の巻き戻しが抑制され、反射波長の短い反射性
フィルムが得られる。こうして、架橋剤(d)の量を増加
させることで反射性フィルムの反射波長を減少させるこ
とができる。しかしながら、架橋剤(d)の量は余り多す
ぎてもいけない。架橋剤の量が多すぎると生成ポリマー
の構造が急速に固定されすぎて反射性フィルムの帯域幅
が減少するからである。
【0070】反射波長の制御とは別に、架橋剤(d)を使
用することは硬化ポリマーフィルムの性能に及ぼす温度
の影響を減らすために有益であり推奨される。架橋ポリ
マーが線状ポリマーよりも温度変化に対し高い安定性を
示すからである。架橋フィルムも固体であり自己支持フ
ィルムであるので多くの用途に利点がある。このように
特定量の架橋剤(d)を添加することによって、本発明の
フィルムの反射波長そのものを調整することができるほ
かに、反射性フィルムの光学的特性の温度依存性に重要
であるガラス温度など、フィルムに関するその他の物理
的特性の調整も可能である。架橋剤は二反応性化合物、
或いはより多くの反応部位を有する化合物であり、当業
者とって公知である。
【0071】本発明の好ましい態様では、重合性メソゲ
ン混合物は少なくとも1種類のジ-または多反応性重合化
合物を架橋剤(d)として含有する。液晶混合物でのその
優れた溶解性の故に、この態様では特にメソゲン性或い
は液晶であるジ-または多反応性化合物は好適である。
架橋剤(d)として使用するのに特に好適なのは以下の式I
I-1およびII-2に例示する化合物のようなメソゲン性ジ
アクリレートである。
【0072】
【化4】
【0073】重合性メソゲン材料中の架橋剤成分(d)の
濃度は0〜35%が好適であり、具体的には2〜25%、極めて
好ましくは15〜25%である。ポリマーの架橋を増加させ
るために、2個以上の重合性官能基を有する非メソゲン
化合物を20%まで重合性混合物に、ジ-または多官能性の
重合性メソゲン化合物の代わりに、或いは付加的に添加
してポリマーの架橋を増加させることもできる。ジ-官
能性非メソゲンモノマーの代表例はC原子が1〜20のアル
キル基を持つアルキルジアクリレート類、アルキルジメ
タアクリレート類、アルキルジビニルエーテル類、或い
はアルキルジビニルエポキシドである。重合性反応基を
2個以上持つ非メソゲンモノマーの代表例はトリメチル
プロパントリメタアクリレートまたはペンタエリスリト
ールテトラアクリレートである。
【0074】好ましい第3の態様に拠ると、重合性混合
物は1種類以上の染料を含有する染料化合物(f)を含む。
重合に使用される化学線放射を吸収する染料を添加する
と、放射源から離れて面するフィルム表面での混合物は
放射源に面するフィルム表面での混合物に比べ重合が異
なる。このためにピッチの階調度が極めて急速に、理想
的には1分以内またはそれよりも速く生成する。したが
って、染料の使用により、特に肉厚のフィルムでは、反
射性フィルムによる反射光の帯域幅が増加する。こうし
て、螺旋ピッチの階調度が制御され(結果的に帯域幅が
制御される)、且つ反射帯域の中心波長が制御された広
帯域反射偏光子が入手可能になる。このような広帯域レ
フレクターは本発明において特に好適である。
【0075】好ましい態様では、重合性混合物は、0〜2
0%、好ましくは0.1〜10%、具体的には0.5〜5重量%の、
吸収極大を重合に使用した化学線放射の波長に調整した
染料化合物(f)を含有する。染料の吸収極大の波長範囲
は、好ましくは、重合開始剤と同じでなければならな
い。フィルムの使用中に望ましくない吸収を排除するた
めに、吸収極大が反射性フィルムの反射波長の範囲外に
ある染料を使用するのが好適である。適切な染料の例と
して、次式に示す4,4’-アゾオキシアニソール、或いは
市販されているメルクフェーズ5(Merck Phase5)(Merck
Ltd., Poole, 英国)が用いられる。
【0076】
【化5】
【0077】このほかに市販されているUV染料、チヌヴ
ィン(Tinuvin)(Chiba Geigy, スイス)も使用することが
できる。本発明のほかの好ましい態様では、重合性混合
物は染料を含有しない。
【0078】第4の好ましい態様に拠ると、反射帯域幅
および反射波長は重合に用いられる化学線放射の照射力
の変化によって制御される。例えば、コレステリックで
スメクチックな(すなわちスメクトゲン性)重合性メソゲ
ン混合物を紫外線ランプなどの紫外線光に照射で重合す
る場合、ランプのパワーを減少させると重合率が低下す
る。このことはポリマーのスメクチック層が接近するの
で、螺旋の巻き戻しにさらに時間を与えることになり、
結果的に螺旋ピッチの増加および反射波長の増加に繋が
る。硬化力は本発明になる方法につき反射光の波長に逆
比例する。例えば、強いパワーで硬化させるとフィルム
は青色光を反射し、パワーが減少すると反射光の色は緑
から黄色そして赤に移行する。
【0079】したがって、重合性メソゲン材料の同じ層
を所定の単一温度でランプのパワーを変えて硬化させる
ことで、異なる色の反射を得ることができる。さらに、
フィルムの異なる空間領域毎に硬化力を変えることで、
1枚のフィルム中に反射色の異なる領域を創出すること
ができる。フィルムの異なる場所での照射力を頂部から
底部まで変化させることがフィルムの厚み全体にわたる
ピッチ階調度を産むように、フィルムの異なる領域(す
なわちフィルムを横切って横方向に異なる領域)にわた
る照射力の変化がピッチの違い、したがってフィルムの
異なる場所間で異なる反射色を与える。
【0080】したがって本発明の方法によるほかの用途
では、広域帯反射性フィルムの作成が可能になるばかり
でなく、例えば単一温度で硬化させながらフォトマスク
を区分分けすることで、反射性フィルムに多色像を作成
することが可能になる。この方法で得られる空間的に反
射色が異なるコレステリックフィルムはカラーフィル
タ、情報蓄積、装飾用イメージ、或いはセキュリティ標
識など種々の用途に広く使用される。フィルムの硬化に
は紫外線光を利用することが好適である。照射力を変化
させることは、第3の好ましい態様で既に説明したよう
に、染料を重合性メソゲン材料と組み合わせて使用する
場合に特に好適である。染料を使用することで、フィル
ムの肉厚方向の階調度形成が特に強化される。
【0081】本発明の好ましい第5の態様に拠ると、重
合の程度および重合率が重合反応開始剤(c)の種類と量
を変えることで制御される。反応開始剤の使用量が多い
と、或いは化学線放射に高効率または高感度な反応開始
剤を使用すると、さらなる重合反応が重合混合物中で同
時に開始し、成長鎖の平均分子量が減少して粘度の低
下、したがって重合中における重合前駆体のさらに急速
な緩和、コレステリック螺旋の巻き戻しを産む。
【0082】こうして、反応開始剤(c)の効率、或いは
量を増加させることで反射性フィルムの反射波長の増加
を達成することができる。ラジカル重合の重合反応開始
剤として、例えばイルガキュア651(Irgacure651)、イル
ガキュア184(Irgacure184)、ダロキュア1173(Darocure1
173)またはダロキュア4205(Darocure4205)のようなChib
a Geigy(Basle,スイス)から市販されている商品名イル
ガキュア(Irgacure)またはダロキュア(Darocure)なる光
反応開始剤、或いはTPO(商品名ルシリンTPO(LucirinTP
O)、BASF、Ludwigshafen、ドイツ)を使用することがで
き、一方カチオン光重合の場合には、市販のUVI6974(Un
ion Carbide, アメリカ)を使用することができる。
【0083】重合性メソゲン材料は、好ましくは0.01〜
10%、極めて好ましくは0.05〜5%、具体的には0.1〜3%の
重合反応開始剤(c)を含有する。UV光反応開始剤、特に
ラジカルUV光反応開始剤が好適である。既に説明した方
法に加え、反射性フィルムの反射波長は重合性メソゲン
材料中のアキラル化合物とキラル化合物との割合および
/または螺旋ねじり力(HTP)を変えることで制御される。
【0084】したがって、ピッチが重合中に実質的に変
化しないフィルムの部分における反射波長は重合性混合
物の初期の反射波長とほぼ同じであり、主に重合性混合
物中のキラル化合物の割合とねじり力によって制御され
る。こうして、最小反射波長を制御することができ、そ
れによって本発明になる反射性フィルムのスペクトルの
中心波長も出発混合物を適切に選択すること、具体的に
はキラル化合物とアキラル化合物との割合を変えること
および/またはキラル化合物の螺旋ねじり力(HTP)を変え
ることによって制御される。
【0085】広帯域反射偏光子の場合、出発混合物中の
キラルおよびアキラルメソゲン化合物の割合は、好まし
くは、得られるポリマーフィルムの反射スペクトルが可
視光スペクトルの殆どの部分をカバーするように選択さ
れる。
【0086】本発明になるプロセスで作成された広帯域
反射偏光子の場合、偏光子が反射した波長域は理想的に
は全可視光スペクトルをカバーし、好ましくは400〜900
nmの波長範囲内である。殆どの用途では、反射波長帯は
450〜800nmの範囲で利用される。特殊な態様では、反射
波長が480〜700nm以内の帯域が適切である。波長帯は22
0nmより大きい帯域幅が好適であり、320nmより大きな帯
域幅は特に好ましく、極めて好適な帯域幅は420nm以上
である。フィルムの肉厚も反射性フィルムの帯域幅に影
響を与える。波長帯の位置および帯域幅によって、好適
な肉厚は5〜30μmである。帯域幅が約300nm以上では、
好適な肉厚は10〜20μmである。帯域幅が小さな、例え
ば100〜200nmの範囲の反射性フィルムでは、肉厚は1.5
〜10μmが好適である。
【0087】本発明になる広帯域反射偏光子の透過スペ
クトルの波長曲線に対する透過率は(例えば、図5,6に示
すように)対称形或いは非対称形のこともある。単峰形
(unimodal)、二峰形(bimodal)あるいは多峰形の分布を
示すこともあり、透過が1個、2個または3個以上の局部
的な反射極大値を示すことを意味する。本発明の好まし
い態様はスペクトルが単峰形な分布を有することを特徴
とする。重合性メソゲン混合物中のキラル化合物は重合
性であっても、或いはなくてもよい。また、メソゲン性
でも、液晶であってもよい。ジ-反応性または多反応性
重合性化合物であるキラル化合物が用いられる場合、こ
れらの化合物は架橋剤(d)としても機能する。また、キ
ラル化合物は連鎖移行剤(e)または染料(f)であることも
可能である。
【0088】本発明の好ましい態様では、キラル化合物
は重合性のキラル化合物であり、好ましくは重合性のキ
ラルメソゲン化合物、特に好ましくは重合性液晶化合物
である。その他の態様では、重合性メソゲン材料は1種
類以上の非重合性のキラルドーパントをキラル重合性メ
ソゲン化合物に付加的または代替的に含有する。特に好
ましいのは、螺旋ねじり力(HTP)の高いキラルドーパン
トであり、具体的には国際出願WO98/00428に開示された
ドーパントである。さらに、標準的に使用されるドーパ
ントには、例えば市販されているS1011、R811、或いはC
B15(Merck KGaA, Darmstadt,ドイツ)がある。特に好適
なドーパントは次式で表される(R,S)、(S,R)、(R,R)、
(S,S)鏡像異性体(示されていない)を含むキラル非重合
成ドーパントから選択される。
【0089】
【化6】
【0090】式中、EおよびFは相互に独立なトランス-
1,4-シクロへキシレン、或いは任意にフッ素化された1,
4-フェニレンであり、Vは0または1で、Z0は-COO-、-OCO
-、-CH 2CH2-または単結合、RはC原子が1〜12のアルキ
ル、アルコキシまたはアルカノイルである。式IVaの化
合物およびその合成は国際出願WO98/00428に、式IVbの
化合物とその合成は英国特許GB2,328,207に記述されて
いて、これらの開示の全ては参照として本明細書の一部
をなす。
【0091】本発明になる好ましい態様では、重合性メ
ソゲン材料は非重合成のキラル化合物を含み、且つ成分
(b)として少なくとも1種類以上のキラルドーパント、具
体的には式IVaおよび式IVbの化合物から選択された1種
類以上のキラルドーパントを含む。この好ましい態様に
拠るキラルドーパントの量は15%未満が好適であり、具
体的には全混合物の0.01〜10%、極めて好ましくは0.01
〜5重量%である。螺旋ねじり力(HTP)の高いキラルドー
パントが少量で短螺旋ピッチを十分に誘導するするので
好適である。上述の式IVaおよび式IVbのキラル化合物は
極めて高いHTPを示すので特に好適である。
【0092】既に説明したように、生成ポリマーのピッ
チを制御するプロセスはとりわけ重合性混合物とポリマ
ーとの液晶相順に依存するので、これら重合性混合物な
どの選択には十分な注意が必要である。特に好ましいプ
ロセスは、重合性メソゲン材料が低秩序の中間相を有す
る温度で、ポリマーはより高秩序な中間相を有するプロ
セスである。より具体的には、重合性メソゲン材料が螺
旋状にねじれた中間相を有する温度で、ポリマーはねじ
れていない中間相を持つプロセスである。
【0093】特に好ましくは、重合した材料および重合
性材料が共に、低秩序の螺旋状にねじれた中間相の温度
範囲以下の温度で、さらに低秩序の螺旋状にねじれた中
間相(具体的にはコレステリック相)とさらに高秩序のね
じれていない中間層(具体的にはスメクチック相)、極め
て好ましくはスメクチックA相を有する。所望の分子配
向を持つ反射性フィルムを得るには、重合は重合性メソ
ゲン混合物の液晶相で行われなければならない。したが
って、融点が低く液晶相範囲の広い重合性メソゲン化合
物または混合物の使用が好適である。このような物質を
用いることで重合温度(例えば室温)を下げることがで
き、重合プロセスが容易になり、特に大量生産に有利で
あると思われる。
【0094】適切な重合温度の選択は主に重合性メソゲ
ン混合物の相転移温度およびとりわけ基板の軟化点に左
右される。重合温度は、好ましくは、重合性メソゲン混
合物の澄明温度の少なくとも30℃以下である。重合性メ
ソゲン混合物は、好ましくは、コレステリック相を有
し、特に好ましくは相順S-Ch(またはN*)-I、特に相順SA
-Ch-Iを有し、得られるポリマーは重合混合物に比べよ
り高温側へ移行したスメクチック相と平衡な相順を有す
る。重合温度は重合混合物がそのコレステリック相にあ
るように選択される。
【0095】好適な重合温度は温度が重合性混合物のス
メクチック-コレステリック相転移温度の上側に近接す
るようにように選ばれる。具体的には、重合性混合物の
スメクチック-コレステリック相転移温度の上側で範囲
が5〜100℃、より好ましくは10〜60℃、極めて好ましく
は20〜35℃の温度である。
【0096】また他方では、ポリマーの重合温度は得ら
れるポリマーのスメクチック相の内部、すなわちスメク
チック-コレステリックまたはスメクチック-等方相の相
転移温度のそれぞれ下側で選択される。好適な重合温度
は得られるポリマーのスメクチック-コレステリック、
或いはスメクチック-等方相の相転移温度のそれぞれ下
側10〜110℃、より具体的には25〜75℃である。得られ
るポリマーの重合性混合物のコレステリック相の下限温
度とスメクチック相の上限温度とのほぼ幾何平均近傍に
重合温度を選ぶこともできる。
【0097】上記の好ましい重合温度の範囲および選択
の基準は線状ポリマー(すなわち架橋していないポリマ
ー)または僅かに架橋したポリマーだけに厳密に当ては
まる。しかし、高度に架橋したポリマーの場合、相転移
温度はもはや観察または確定されず(ポリマーがその相
転移前に加熱で分解するため)、これらポリマーの相転
移温度の良好な近似は転移温度を確定することができる
十分な程度まで架橋の程度を低下させて得られる。重合
温度は120℃以下が一般的に好適である。特に好適な温
度は90℃以下、より具体的には60℃またはそれ以下であ
る。重合性メソゲン材料に用いられる重合性メソゲン化
合物は当業者に公知である。
【0098】これまで使用され、且つ以後においても使
われる重合性メソゲン、重合性メソゲン混合物、或いは
重合性液晶または液晶化合物とは棒状、板状、或いは円
盤上のメソゲン基(すなわち、かかる基を含む化合物に
おいて中間相の挙動を誘導する能力を持つ基)を有する
化合物を構成する。これらの化合物は必ずしもそれ自体
が中間相挙動を表す必要はない。本発明の好ましい態様
では、これらの化合物はほかの化合物と混合した際、或
いは重合性メソゲン化合物またはそれらから構成される
混合物が重合する際においてのみ中間相の挙動を表す。
重合性メソゲン化合物は、好ましくは、それ自体で中間
相の挙動を示す。
【0099】本発明に用いられるアキラルおよびキラル
モノ-およびジ-または多反応性の重合性メソゲン化合物
は本来公知である方法で合成され、有機化学の標準書、
例えばハウベン-ウェイル(Houben-Weyl)の「Methoden d
er organischen Chemie」( Thieme-Verlag, Stuttgart)
に記載されている。代表的な例は、例えば国際出願WO93
/22397、欧州特許EP0261712、ドイツ特許DE19504224、D
E4408171、DE4405316および英国特許GB2280445に記載さ
れている。しかし、これらの書類に開示されている化合
物は単なる例と見なされ、本発明の範囲を制限するもの
でない。
【0100】特に有用なモノ反応性のキラルおよびアキ
ラル重合性メソゲン化合物の代表例は下記式に示す化合
物であるが、これらの化合物は本発明を説明するための
例示として理解されるべきであり、本発明を制限するも
のでない。
【0101】
【化7】
【0102】
【化8】
【0103】有用なジ-反応性のキラルおよびアキラル
重合性メソゲン化合物は架橋剤としても用いられ、その
例は上記式に示す化合物であるが、これらの化合物は本
発明を説明するための例示として理解されるべきであ
り、本発明を制限するものでない。
【0104】
【化9】
【0105】上記式に示す化合物の構造式中、Pは重合
性基であり、好ましくはアクリル、メタアクリル、ビニ
ル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシまた
はスチリル基、xおよびyはそれぞれ独立に1〜12であ
り、AはL1で任意にモノ-、ジ-またはトリ置換された1,4
-フェニレン、或いは1,4-シクロへキシレンであり、Vは
0または1、Z0は-COO-、-OCO-、-CH2CH2-または単結合
で、Yは極性基、R0は非極性アルキルまたはアルコキシ
基であり、Terはメンチル基などのテルペノイドラヂカ
ル、Cholはコレステリル基、L1およびL2はそれぞれ独立
にH、F、Cl、CNまたは任意にハロゲン化されたC原子が1
〜7のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、ア
ルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ
基である。
【0106】此処で使用した用語「極性基」はF、Cl、C
N、NO2、OH、OCH3、OCN、SCN、任意にフッ素化されたC
原子が4までのカルボニルまたはカルボキシ基、或いは
モノ-、オリゴ-またはC原子が1〜4までのポリフッ素化
アルキルまたはアルコキシ基から選択された基を意味す
る。
【0107】用語「非極性基」とは、C原子が1以上、好
ましくは1〜12のアルキル基、或いは炭素原子が2以上、
好ましくは2〜12のアルコキシ基を云う。重合性混合物
のモノ反応性化合物は、好ましくは、上記式のIa〜Ioの
化合物から選択される。
【0108】モノ反応性化合物は得られる重合性混合物
が、I-1およびI-2の化合物につき既に説明したように、
適宜なスメクチック-コレステリック相転移温度を持
ち、且つ重合してスメクトゲン化合物か、好ましくは、
スメクチック相を表すポリマーを与えるように選択され
なければならない。したがって、ネマチック相を有し、
加えてスメクチック相挙動を示すか誘導するモノ反応性
のメソゲン化合物が好適である。特に好適なのははネマ
チック層を有し、且つその下にスメクチック相、特にス
メクチックA相を持つモノ反応性化合物であり、その際
これらの化合物ではモノ反応性化合物が重合するとスメ
クチック-ネマチック相転移が50〜100℃上昇する。
【0109】特殊な用途には、高い複屈折を持つ材料が
好適であり、これらの材料は反射偏光子の帯域幅増加お
よび輝度増加(Brightness gain)の改善に役立つ。この
目的のためには、上記式の化合物Ifのようなトラン基か
ら構成される反応性化合物が特に好適である。重合性材
料は澄明点を示す材料を選択しなければならない。すな
わちコレステリック-等方相転移温度は少なくとも基板
が軟化する温度以下でなければならない。特に好適な材
料は澄明温度が100℃以下の材料である。
【0110】本発明に拠る重合性メソゲン組成物は、好
ましくは、均一なプラナー配向に配向している。すなわ
ち、分子螺旋の軸が層の面に実質的に垂直に伸張してい
る。この配向は1個または2の基板上に配向層を使用する
ことおよび/または基板に剪断力を与えることで達成さ
れる。上述した本発明になる円形偏光子の等方層および
異方層の作成法に拠ると、重合性メソゲン材料の混合物
を基板上または2個の基板間に塗布し、均一なプラナー
配向に配向し、熱または化学線放射に曝露して反応開始
剤の存在の下で硬化させる。この方法の詳細な説明は、
例えばブレール(D. J. Broer)らの、Makromol.Chem. 19
0, 2255以降および3202以降(1989)に記述されている。
【0111】基板として、例えばガラスまたは石英シー
トがプラスチックフィルムまたはシートと同様に用いら
れる。等方性または複屈折の基板を使用することもでき
る。重合の後に基板を重合フィルムから剥離しない場合
には、等方性の基板を用いることが好適である。
【0112】特に大量生産の場合には、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ
カーボネート(PC)、ジ-またはトリ-アセチルセルロース
(DAC/TAC)などのポリエステルフィルムのようなプラス
チックフィルムを基板として使用するのが適切である。
複屈折基板としては、例えば単軸延伸プラスチックフィ
ルムが用いられる。少なくとの一つの基板はプラスチッ
ク基板であることが好ましく、特にPVA、PET、或いはTA
Cフィルムが好適である。PETフィルムは、例えば商品名
メリネックス(Melinex)としてICI社から市販されてい
る。PVA基板は特に好適である。さらに好適なのは酸素
障壁層例えばPVAを塗布したPET基板である。
【0113】基板は重合の後に取り除くことも、除かな
いこともできる。少なくとも1個の基板は重合に使用す
る化学線放射に透過性でなければならない。重合性メソ
ゲン材料は基板上または基板間に薄フィルム状に塗布さ
れる。これは通常の方法で行うことができ、当業者に公
知である。
【0114】重合性メソゲン材料を適切な溶剤に溶解さ
せることも可能である。この溶液を基板上に塗布し、硬
化させる前に溶媒を蒸発させて除く。この目的には、例
えばメチルエチルケトンまたはシクロヘキサノンのよう
なケトン、トルエンまたはキシレンなどの芳香族溶媒、
ジ-またはトリ-クロロメタンなどのハロゲン化炭化水
素、メタノール、エタノールまたはイソプロピルアルコ
ールなどのアルコール類などの標準的な有機溶媒が用い
られる。これらの溶媒の2成分系、3成分系または多成分
系混合物を利用することもできる。
【0115】重合性メソゲン材料の塗布フィルムを配向
させて、分子螺旋の軸が層に直交しているプラナー配向
が得られる。プラナー配向は、例えばドクターブレード
によって材料に剪断力を与えて実現させることができ
る。塗布した材料に電場または磁場をかけることによっ
て配向を誘導または改善することができる。重合性メソ
ゲン材料を、例えば基板上に塗布するときまたは第2の
基板に被覆するときの剪断力で、基板の上面に配向層を
存在させることおよび/または重合前に材料を熱処理す
ることで、自然発生的に配向させることも可能である。
この場合には、別の配向段階が必要である。
【0116】こうして、配向層、例えばラビングしたポ
リイミド層またはスパッタしたSIOx層を少なくとも1個
の基板の上面に適用することおよび/または少なくとも1
個の基板をラビング処理することも可能である。ラビン
グは、例えばビロードクロスなどのラビング布、あるい
はラビング布で被覆した平滑な棒などで与えることがで
きる。本発明になる好ましい態様では、例えば基板を横
断して磨く急速回転ローラのような少なくとも1個のラ
ビングローラによって、または基板を少なくとも2個の
ローラの間に入れてラビングを与える。両方の場合とも
少なくとも1個のローラはラビング布で任意に被覆して
ある。本発明のその他の好ましい態様では、基板を少な
くとも部分的に規定の角度で、好ましくはラビング布を
被覆したローラに巻き付けることでラビングする。さら
に、1種類以上の表面活性剤を重合性メソゲン材料に添
加して配向が均一なプラナー配向を改善することができ
る。別の態様では、2個の基板を一緒にすることで引き
起こされる剪断力が良好なプラナー配向を与える。
【0117】本発明に拠る重合性組成物はプラナー配向
を改善するために1種類以上の表面活性剤を含んでいて
もよい。適切な表面活性剤は、例えばコグナード(J. Co
gnard)が Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78, Supplement 1,
1〜77(1981)に記述している。特に好適なのは非イオン
性表面活性剤であり、フルオロ表面活性剤フルオラッド
171(Fluorad 171)が3M社、ゾニルFSN(Zonyl FSN)がDuPo
nt社から市販されている。重合性混合物は、好ましくは
0.01〜5%、具体的には0.1〜3%、極めて好ましくは0.2〜
2重量%の表面活性剤を含む。
【0118】重合性メソゲン材料の重合は熱または化学
線放射に曝露させて行われる。化学線放射とは紫外線
光、赤外線光または可視光の照射、X線またはガンマ線
照射、或いはイオンまたは電子などの高エネルギー粒子
の照射を云う。重合は紫外線照射で行うのが好適であ
る。化学線放射源として、例えば単一の紫外線灯または
紫外線灯のセットが使用される。その他の化学線放射源
は紫外線レーザー、赤外線レーザーまたは可視光レーザ
ーなどのレーザーである。好ましい照射力は0.2〜12mW/
cm2、具体的には.5〜8.5mW/cm2、極めて好ましくは0.6
〜2.5mW/cm2である。
【0119】大量生産には、3分以下の短い重合時間、
極めて好ましくは≦1分、特に≦30秒が好適である。重
合は化学線放射をその波長で吸収する重合開始剤(c)の
存在下で行われる。例えば、紫外線灯による重合では、
光反応開始が用いられ、光反応開始剤は紫外線照射の下
で分解して重合反応を開始させるフリーラジカルまたは
イオンを産生する。アクリレートまたはメタアクリレー
ト基を持つ重合性メソゲンを硬化させる場合、ラジカル
光反応開始剤の使用が好適であり、ビニルまたはエポキ
シ基を持つ重合性メソゲンの硬化には陽イオン性光反応
開始剤の使用が好ましい。
【0120】第2の基板を使用する場合もあるが、第2の
基板は重合性組成物の配向に役立つほかに、重合を阻害
すると思われる酸素を排除する。別の選択肢として、硬
化を不活性ガスの存在下で行うこともできる。しかし、
適切な光反応開始剤およびパワーの大きなランプを用い
て空気中で硬化を行うことも可能である。陽イオン性光
反応開始剤を使用する場合には、酸素除去は殆ど必要で
ないが、水分を除去すべきである。本発明の好ましい態
様では、重合性メソゲン材料の重合は不活性ガスの存在
下、好ましくは窒素雰囲気下で行われる。
【0121】特に好ましい態様に拠ると、反射性フィル
ムは単一基板上(すなわち、層上面に第2の基板を使用し
ないで)に、好ましくは有機溶媒に溶解するか分散した
重合性混合物を塗布して作成される。次ぎに、溶媒を蒸
発させて除去し、重合性混合物を化学線放射に曝露する
前にコレステリック相で短時間、例えば約1分間、適切
な温度で熱処理する。次ぎに、硬化を窒素雰囲気下で行
うのが好適である。上述した重合開始剤に加え、重合性
混合物は1種類以上のその他の適宜な成分、例えば触
媒、安定剤、連鎖移行剤、共反応性モノマー、或いは表
面活性化合物を含有していてもよい。また、20重量%ま
での非重合性液晶化合物を添加して本発明の光リタデー
ションフィルムの光学的特性を適応させることもでき
る。
【0122】その他の好ましい態様では、重合性混合物
は70%まで、好ましくは3〜50%の重合性官能基が1個の非
メソゲン化合物を含む。モノ官能性非メソゲンモノマー
の代表的な例はアルキルアクリレートまたはアルキルメ
タアクリレートである。
【0123】本発明の反射性フィルムは広域帯またはノ
ッチ偏光子(notch polarizer)として有用であり、具体
的には液晶ディスプレイの広域帯反射偏光子、ディスプ
レイまたはプロジェクションシステムの光フィルターま
たはカラーフィルター、装飾画像、液晶または効果顔料
の合成に、特に反射色が空間的に変化する反射性フィル
ムとして、装飾、情報保存または身分証明書、クレジッ
トカード、銀行券などの偽造不能証券用の多色画像など
に有用である。本発明の広域帯反射偏光子は、螺旋ピッ
チがむしろ非対称構造であり、ピッチはフィルムの一端
における小さな値(好ましくは、最小値)からフィルムの
他端における大きな値(好ましくは最大値)まで、層の垂
直方向に、実質的に増加している。
【0124】特に好ましいことに、この反射偏光子は一
表面で青の可視域反射波長を有し、他方の表面で赤の可
視域反射波長を有する。ピッチが対称的に変化し、反射
波長がフィルムの厚み全体にわたって青-赤-青と対称的
に変化するフィルムに比べ、ピッチの変化が非対称であ
る本発明の偏光子は補償が容易であるために利点があ
り、軸外し明度が良好で、且つ色変化が少ない。
【0125】さらに、ピッチ変化が非対称な偏光子はフ
ィルムの厚み内で完全な一つのピッチ階調度(例えば、
青-赤)だけを示すのに対し、帯域幅が同じでピッチ変動
が対称的な偏光子は二つの階調度(例えば、青-赤-青)を
示すので、前者の偏光子は後者の偏光子に比べて薄フィ
ルムにすることができる。例えば、肉厚が約10ミクロン
の非対称フィルムに比べ、帯域幅がほぼ同じ対称フィル
ムでは厚みが15〜20ミクロンである。フラットパネルデ
ィスプレイ用には薄フィルムが選好され、しかも必要な
材料が少ないので安価である。
【0126】直線偏光した光を創出するために、例えば
液晶ディスプレイに使用する場合には、本発明の反射偏
光子は光リタデーションフィルムと組み合わせて好んで
使用される。光リタデーションフィルムは複屈折率材料
の層からなり、光リタデーションが広帯域反射偏光子に
よって反射された帯域の中心波長のほぼ0.25倍であるよ
うな複屈折材料を選ぶ。その結果、このリタデーション
材は円形に偏光した光を直線に偏光した光に変換する四
分の一波長板またはホイル(QWF)として作用する。
【0127】QWFの例として、PET、PVA、PCまたはTACな
どの樹脂の延伸フィルムが利用される。配向した重合液
晶材料の層を用いることもできる。QWFは別の光学素子
として反射偏光子に接続されていてもよい。反射偏光子
およびQWFは、それぞれが個々の光学要素を形成するの
で、一体化しているほうが好適である。一体化は、例え
ば反射偏光子の製造の後にQWFと反射偏光子を一緒にラ
ミネートすることで行われる。ほかの好ましい態様で
は、重合性メソゲン材料を基板として作用するQWF上に
直接塗布して硬化させる。こうして製造プロセスの簡素
化を計ることができる。
【0128】単一のQWFを本発明の反射偏光子と共に使
用する場合、複屈折率が低波長方向に増加するので、そ
のリタデーションは標準的に波長の減少と共に増加す
る。この複屈折率の広がりは分散として知られ、例えば
PVAなど一部の材料で小さいが、PC、PETなどその他の材
料では大きい。これがQWFのリタデーションと反射偏光
子で反射される波長との間の不整合の原因となる。結果
として、円形偏光した光から直線偏光した光への変換が
偏光子の帯域幅全体にわたって最適とならない。このこ
とは特に広帯域偏光子とって不利である。したがって、
好ましい別の態様では、本発明になる液晶ディスプレイ
デバイスは2種類以上の光リタデーション層の組み合わ
せから構成され、これらの層のリタデーションは層のリ
タデーションの違いに由来する正味の複合リタデーショ
ンが偏光子の反射帯域幅の実質的な部分で偏光子の反射
光波長のほぼ0.25倍であるように選択される。この層の
組み合わせがQWFとして本発明の反射偏光子と共に用い
られる。
【0129】別の好ましい態様では、反射偏光子および
/またはQWFが透過した光の相リタデーションの視野角依
存性を補償するために、本発明の反射偏光子およびQWF
は補償フィルムと共に用いられる。補償フィルムはQWF
のいずれの側に近接して位置してもよい。補償フィルム
はそのリタデーションが逆の符合で、大きさが視野角の
広範囲にわたって反射偏光子のリタデーションに実質的
に等しいものが好適である。好ましい態様に拠ると、本
発明になる広帯域反射偏光子は、例えばホメオトロピッ
クな構造を持つ異方性ポリマー材料の層からなる補償フ
ィルムのようなホメオトロピック配向を持つ補償フィル
ムと共に用いられる。特に好ましいホメオトロピックな
補償材料は国際出願WO98/00475に記載されていて、この
開示の全ては参照として本明細書の一部をなす。
【0130】さらに好ましい態様に拠ると、発明の広域
帯反射偏光子はプラナー配向を持つ1種類以上のリタデ
ーションフィルムと共に用いられる。特に好ましいプラ
ナー配向のリタデーションフィルムは国際出願WO98/046
51に記載されていて、この開示の全ては参照として本明
細書の一部をなす。本発明のその他の好ましい態様に拠
ると、発明になる広帯域反射偏光子は傾いたまたはスプ
レー配向を示す1種類以上の、好ましくは少なくとも2種
類の補償フィルムと組み合わせて用いられる。適切な配
向が傾いた補償フィルムは米国特許US5,619,352、国際
出願WO97/44409、WO97/44702、WO97/44703およびWO98/1
2584に記載されていて、これらの書類の開示は全て参照
として本明細書の一部をなす。
【0131】本発明の反射偏光子は、国際出願WO98/125
84中の図1bに示されるように、1種類以上の相互に180度
回転した2枚のスプレー補償フィルムの二重層または対
で特に好んで用いられる。かかるスプレー補償フィルム
の対はリタデーションプロフィールが四分の一波長ホイ
ルおよびホメオトロピック補償板と同じであるので、液
晶ディスプレイデバイスを補償するためにこれら両要素
の代替えとして用いられる。さらに好適なのは1種類以
上の傾いたまたはスプレーリタデーションフィルムから
構成される補償板とプラナー配向を持つ1種類以上のリ
タデーションフィルムとの組み合わせで本発明になる広
域帯反射偏光子を利用することである。
【0132】本発明の広域帯偏光子のさらに選好される
利用は1種類以上の傾いたまたはスプレーリタデーショ
ンフィルムから構成される補償板と1種類以上のねじれ
たリタデーションフィルム(すなわち、光軸がフィルム
面に平行であり、且つフィルムに垂直な軸の周りでねじ
れている)との組み合わせである。この関連で特に好ま
れる利用は高度にねじれたフィルム、例えば紫外線域の
反射波長を有する重合したコレステリック液晶材料の層
から構成されるフィルムの利用である。このような高度
にねじれたフィルムは光学的に単軸で負のプラナーリタ
デーションフィルム(planer retardation film)の性
質、すなわち負のCプレートの特性を持つ。特に好まし
い高度にねじれたフィルムは英国特許GB2,315,072に記
載されていて、この開示は全て参照として本明細書の一
部をなす。
【0133】上述の好ましい態様に用いられたリタデー
ションフィルムおよび補償フィルムは配向し、且つ重合
した液晶材料で構成されたフィルムであってもよい。別
の選択肢として、単軸または二軸的に延伸または圧縮し
て異方性光学特性を付与された等方性ポリマーのフィル
ム、例えばPVA、PCまたはポリエステルなどの樹脂の延
伸フィルムを用いることもできる。特に好適なのは本発
明の反射偏光子と複屈折率が負の1種類以上のTACまたは
DACリタデーションフィルムである。液晶ポリマーのフ
ィルムはフィルムの厚みが数ミクロン(例えば、1または
2ミクロン)で所望されるリタデーション値が適切である
ので、リタデーションフィルムとして好適である。一
方、樹脂の延伸フィルムの場合、同じリタデーション値
を実現するためにはフィルムの厚みを数十ミクロン(例
えば、80-100ミクロン)にする必要がある。
【0134】入射光は反射偏光子上で円形に偏光した光
に変換される。しかし、これは偏光子の帯域幅に対応す
る波長の光および入射が直角な光(すなわち、分子螺旋
の軸に平行な光)だけに適用され、一方反射偏光子を直
角までの角度で通過する光は楕円偏光する。この光はQW
Fでは偏光面が単一な直線偏光した光に完全に変換され
ない。
【0135】特に、本発明の反射偏光子を液晶ディスプ
レイセルの照明に利用する場合、この楕円偏光した光の
成分はディスプレイに望ましくないコントラストの減少
をもたらす。したがって、本発明になる好ましい態様で
は、理想的に円形に偏光されない反射偏光子から放出さ
れた光成分をカットするために、QWFの後の光路に直線
偏光子を装着する。上に開示した直線偏光子は光軸とQW
Fの主光軸との間の角度が、好ましくは30〜60度の範
囲、特に好ましくは40〜50度の間になるように装着され
る。
【0136】本発明の反射偏光子および液晶ディスプレ
イは拡散板、接着層、保護層または剥離層などのほかの
フィルムまたはシート要素を付加的に含むこともでき
る。本発明になる広域帯反射偏光子を通常の直線偏光子
の代わりに液晶ディスプレイに用いる場合の輝度増加
は、好ましくは少なくとも30%、具体的には少なくとも5
0%、特に好ましくは少なくとも70%である。
【0137】此処での輝度増加とは、 a) LCDバックライト、本発明の反射偏光子、QWF、補償
フィルムおよび直線偏光子からなるアセンブリを通過し
た後に透過した光の強度と、 b) バックライトおよび既に説明した設定の直線偏光子
のみから成るアセンブリを透過した光の強度、 との比をいう。
【0138】輝度増加は光の再反射光線に対する光源の
効率に依存している。上述した好ましい数値は通常の側
面照射のバックライトまたは直射型(meander type)バッ
クライトなどの効果的な光源に関するものである。測定
された輝度増加はバックライトの全領域をカバーする反
射偏光子のサンプルの大きさにも左右される。バックラ
イトが部分的にカバーされていると、輝度増加は偏光子
から逆反射され実質的に系から逃げる幾分かの光のため
に減少する。
【0139】本発明の広域帯反射偏光子を含むディスプ
レイのクロスオーバーアングルは少なくとも40°が好適
であり、特に好ましくは少なくとも50°である。視野角
が60°以内の錐状体ではクロスオーバーアングルは観察
されない。本発明の反射型広域帯偏光子を含むディスプ
レイの色差(CIE1976L*u*V*カラースペースにおけるΔE*
uV)は視野角0〜90°(すなわち可能な全観察角)につき最
先端技術の反射偏光子から構成されるディスプレイの色
差よりむしろ少ない。バックライト照射ディスプレイと
は別に、本発明になる反射偏光子および偏光子複合体は
反射ディスプレイにも適用することができ、電灯の代わ
りにディスプレイの外部で発生した光を反射するレフレ
クターの使用が可能になる。このように本発明は発明に
なる反射偏光子を含む反射式液晶ディスプレイデバイス
に利用することもできる。
【0140】当業者にとってはこれ以上の詳細な説明は
必要なく、既に述べた説明を用いて本発明を最大限に利
用できると信じる。したがって以下に説明する例は単な
る例示と解釈されるもので、いかなる方法においても本
開示の残りを制限するものでない。既に述べた説明およ
び以下に説明する例において、全ての温度は未補正の摂
氏度であり、別に記載のない限り部およびパーセントは
重量基準である。物理的性状は全て、明示的に記載のな
い限り温度20℃で得られたものである。以下の略語およ
び既に説明した略語は化合物の液晶相挙動を示すために
用いられる。C=結晶、N=ネマチック、S=スメクチック、
Ch=コレステリック、I=等方性、これらの記号間の数字
は相転移温度を摂氏度で示すものである。
【0141】
【実施例】実施例1 式I−1の反応性メソゲンを0.5%の式
【0142】
【化10】
【0143】の光開始剤TPO(Lucirin(登録商
標),BASF,Ludwighafen,Germa
ny)及び0.5%きざみのステップで0.5%から3
%の範囲の式III−1のチオール化合物と混合した。チ
オールなしの元の混合物を混合物Aと呼び、得られる混
合物をBからGとラベルする。7つの混合物の組成を下
記の表1に与える。
【0144】
【表2】表1:混合物の組成
【0145】7つの混合物はすべて、5μmの間隔のガ
ラス基板間でせん断を加えて配向した後、80℃で青の
選択反射を示した。試料をすべて、1.6mW/cm
のUV照射下で重合させた。得られた試料を光の反射に
関して調べた。特に、反射波長帯の上限及び下限を測定
した。最小反射波長及び最大反射波長に対する値を最大
反射の半分の光で取った。更に、個別試料のそれぞれの
上限及び下限の平均として、反射帯の中心波長を測定し
た。
【0146】図3は、最小(a)、最大(b)及び平均
(c)波長をチオール化合物III−1の濃度の関数とし
て示した。反射性フィルムにより反射される光の波長
は、チオール化合物の濃度の増加と共に増加することが
判るであろう。反射中心波長は、混合物Aによる試料に
おける460nmから混合物Gによる試料における90
0nmに変化した。更に、反射波長の帯域幅は、チオー
ルなしの試料に比較して、チオールを添加した試料にお
いては若干幅広である。混合物Gを用いた試料は、光の
若干の散乱を示し、スメックチック組織の出現が示され
た.
【0147】実施例2 実施例1の混合物Gのそれに類似した試料を作製した。
しかしながら、1%から5%の範囲の異なる量の式II−
1のビスアクリレートの添加により種々の程度で架橋し
た。表2に実施例1の混合物Gのそれと一緒にHからK
の得られた混合物の組成を示した。
【0148】
【表3】表2:混合物の組成
【0149】ガラス基板間の5μmの混合物を1.6、
0.7、及び0.2mW/cmの3つの区別した照射
パワーの紫外線に露光した。各試料による反射色は、下
記の表3に要約したように使用した架橋剤の量と使用し
た硬化パワーに依存することが見出された。
【0150】
【表4】表3:反射光の色
【0151】硬化は、すべての試料について急速に起こ
った。最低の硬化パワーについても15秒以下で完結し
た。
【0152】実施例3 反応性メソゲン混合物Lを作製した。
【0153】
【表5】表4:混合物Lの組成
【0154】ガラス基板間でせん断を加えて配向させ
た、この混合物の薄い試料(5μm)を種々な照射パワ
ーのUV照射で90℃で30秒間重合させた。得られた
試料は、使用した硬化パワーにより決定される範囲の波
長を持つ一組の狭い波長帯層を表した。これは、図4に
示され、混合物Lから作製される異なる試料の中心反射
波長を重合に使用される照射パワーの関数として表して
いる。
【0155】実施例4 上記の実施例と対称的に、広帯域幅の反射性フィルムを
次のように作製した。実施例3の混合物Lの反応性メソ
ゲン混合物の試料に3%のUV吸収性染料のTinuVin
400(Ciba Geigy,Switzerlan
d)をドープした。得られた混合物の混合物Mを15μ
m厚のフィルムとして2枚のガラス基板の間に充填し、
せん断をかけて配向させた。90℃で30秒間、5mW
/cmで露出して、硬化を行った。反射性フィルムの
広帯域偏光特性を特性付けるために、透過スペクトルを
左回り、次に右回り円偏光により測定した。スペクトル
を図5に示すが、(a)は透過光、(b)は反射光であ
る。
【0156】実施例5 実施例4と類似して、広帯域反射性偏光子を次のように
作製した。反応性メソゲン混合物、混合物Nを作製し
た。
【0157】
【表6】表5:混合物Nの組成
【0158】1.5%のTinuVin400を混合物N
に添加し、得られた混合物Oの15μm厚のフィルムを
2枚のガラス基板の間に作り、せん断をかけて配向させ
た。このフィルムを90℃で30秒間、5mW/cm
で照射した。透過スペクトルを左回り及び右回り円偏光
により測定した。スペクトルを図6に示すが、(a)は
透過光、(b)は反射光である。
【0159】実施例6 次の重合性混合物を調合した。
【0160】
【表7】
【0161】
【化11】
【0162】化合物I−3とその製法は、GB2,28
0,445に述べられている。キラルドーパントIV−1
とその製法は、WO98/00428に述べられてい
る。AZX(4,4’−アゾキシアニソール)は、市販
のUV染料である。TPO(2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルージフェニルホスフィンオキサイド)及びIr
gacure651(登録商標)は、市販の光開始剤で
ある。混合物をトルエン(50%固形分)に溶解し、P
VA酸素バリア層でコートしたPET基板にコートし、
溶剤蒸発後10μmのフィルムを得た。2番目のPET
/PVA基板を層の上に置いた。このフィルムを90℃
の定温で1分間、0.8mW/cmで照射し、広帯域
反射性ポリマーフィルムを得た。
【0163】40°の視野角で125nmのリタデーシ
ョンを有するホメオトロピック補償板(WO98/00
475に述べられている)、140nmのリタデーショ
ンのPVAの4分の1波長フォイル及び標準形の直線偏
光子によって、フィルムの光学特性をエッジ照明のバッ
クライト(12.1インチ)で測定した。得られたフィ
ルムの左回り及び右回り円偏光により測定した透過スペ
クトルを図7に示すが、(a)は透過光、(b)は反射
光である。
【0164】35mm四方角の試料に対する輝度増加
は、視野角の60°コーン内でクロスオーバー角なし
で、0°視野角で31%と測定された。45°で水平方
向での色度は、5.3であり、軸上の色は、CIE19
76図で測定して、0.0026であった。
【0165】実施例7 次の重合性混合物を調合した。
【0166】
【表8】
【化12】
【0167】化合物I−4とその製法は、GB2,28
0,445に述べられている。実施例6にのべたよう
に、広帯域反射性ポリマーフィルムを作製し、光学特性
を測定した。得られたフィルムの左回り及び右回り円偏
光により測定した透過スペクトルを図8に示すが、
(a)は透過光、(b)は反射光である。
【0168】輝度増加は、視野角の60°コーン内でク
ロスオーバー角なしで、0°視野角で31%であった。
45°で水平方向での色度は、6.1であり、軸上の色
は、CIE1976図で測定して、0.0064であっ
た。前出の実施例で使用したものに対して本発明の包
括、あるいは特定して述べた反応物及び/または操作条
件を置き換えることによって、前出の実施例を類似の成
功をもって繰り返すことができる。
【0169】当業者ならば、前出の説明から、本発明の
本質的な特徴を容易に確かめることができ、種々の条件
と使用にそれを適合させるために、その精神と範囲から
逸脱することなく、本発明の種々の変更及び改変を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コレステリック相(Ch)及びその下にあるス
メクチック相(S)を持つ従来技術の低分子量液晶にお
ける温度Tに対する螺旋ピッチPの変化の概略図。
【図2】本発明の方法によりコレステリックポリマー前
駆体を重合する場合のスメクチック(S)、コレステリ
ック(Ch)及びアイソトロピック(I)相の温度範囲
(T)の変化の概略図。
【図3】実施例1により異なる量の連鎖移動剤で作製し
たフィルムの反射波長帯の縁及び反射帯の中心波長を示
す図。
【図4】硬化のパワーの関数として実施例3による反射
性フィルムの反射帯の中心波長を示す図。
【図5】それぞれ実施例4から7による広帯域反射偏光
子の透過スペクトル((a)透過光及(b)反射光を示
す)を示す図。
【図6】それぞれ実施例4から7による広帯域反射偏光
子の透過スペクトル((a)透過光及(b)反射光を示
す)を示す図。
【図7】それぞれ実施例4から7による広帯域反射偏光
子の透過スペクトル((a)透過光及(b)反射光を示
す)を示す図。
【図8】それぞれ実施例4から7による広帯域反射偏光
子の透過スペクトル((a)透過光及(b)反射光を示
す)を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 591032596 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 デビッド・コーツ ドイツ連邦共和国 デー−64293 ダルム シュタット フランクフルター シュトラ ーセ 250 (72)発明者 マーク アンドリュー・バーロール ドイツ連邦共和国 デー−64293 ダルム シュタット フランクフルター シュトラ ーセ 250

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性メソゲン材料を螺旋状ツイストメ
    ソフェーズで重合させることにより、螺旋状ツイスト構
    造と変化する螺旋ピッチを持つ重合されたメソゲン材料
    を含む反射性フィルムを製造する方法であって、 − 重合性材料が秩序性の少ないメソフェーズを有し、
    重合された材料が秩序性の高い、熱力学的に安定なメソ
    フェーズを示す温度で重合させる及び/または − a)少なくとも一つの重合性キラルあるいはアキラ
    ルメソゲン化合物、 b)成分a)、d)、e)またはf)の化合物でもよい
    少なくとも一つのキラル化合物、 c)少なくとも一つの重合開始剤、 d)場合によっては少なくとも一つの架橋剤、 e)場合によっては少なくとも一つの連鎖停止剤または
    連鎖移動剤、 f)場合によっては少なくとも一つの染料を含む染料成
    分、及び変化する量と形の成分c)及び/またはd)及
    び/またはe)及び/またはf)を含む重合性メソゲン材
    料を重合させることにより螺旋ピッチの変化を得ること
    を特徴とする、前記反射性フィルムを製造する方法。
  2. 【請求項2】 基板の上または2枚の基板の間に重合性
    メソゲン材料を層の形でコーティングし、化学線放射に
    露光してこの材料を重合させ、場合によっては、重合さ
    れた材料から基板を、2枚の基板が存在する場合には、
    1または2枚の基板を剥離するステップを含む請求項1
    に記載の反射性フィルムを製造する方法であって、重合
    性材料層の異なる領域での化学線放射の照射パワーを変
    えることによりピッチ変化を得ることを特徴とする、前
    記反射性フィルムを製造する方法。
  3. 【請求項3】 重合が、重合性メソゲン材料が螺旋状に
    ツイストされたメソフェーズを有し、重合された材料が
    ツイストがほどけた熱力学的に安定なメソフェーズを有
    する温度で行われることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 重合性メソゲン材料がコレステリック相
    及びコレステリック相より低い温度のスメクチック相を
    有することを特徴とする、請求項1から3の少なくとも
    一つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 重合性メソゲン材料が少なくとも一つの
    連鎖停止剤または連鎖移動剤e)を含む、請求項1から
    4の少なくとも一つに記載の方法。
  6. 【請求項6】 重合性メソゲン材料が少なくとも一つの
    架橋剤d)を含む、請求項1から5の少なくとも一つに
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 重合性メソゲン材料が少なくとも一つの
    染料成分f)を含む、請求項1から6の少なくとも一つ
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から7の少なくとも一つに記載
    の方法により得られる反射性フィルム。
  9. 【請求項9】 螺旋軸がフィルム面に垂直であることを
    特徴とする螺旋状にツイストされた構造を有する、請求
    項8に記載の反射性フィルム。
  10. 【請求項10】 螺旋ピッチがフィルム面に垂直な方向
    に非対称的に変化することを特徴とする、請求項8又は
    9に記載の反射性フィルム。
  11. 【請求項11】 反射性フィルムが少なくとも220n
    mの反射帯域幅を有することを特徴とする、請求項8か
    ら10の少なくとも一つに記載の反射性フィルム。
  12. 【請求項12】 光の可視領域において異なる反射波長
    を持つフィルムにわたる横の方向で少なくとも2つの異
    なる領域を示すことを特徴とする、請求項8から11の
    少なくとも一つに記載の反射性フィルム。
  13. 【請求項13】 反射偏光子、光学フィルターまたはカ
    ラーフィルター、装飾イメージとしての、またはコレス
    テリック顔料の製造用、情報蓄積用またはセキュリティ
    用としての、請求項8から12の少なくとも一つに記載
    の反射性フィルムの使用。
  14. 【請求項14】 請求項8から12の少なくとも一つに
    記載の反射性フィルムを含む液晶ディスプレイデバイス
    であって、更に I)反射偏光子により反射されるスペクトルの中心波長
    のほぼ0.25倍であるリタデーションを持つ光学リタ
    デーションフィルム、 II)直線偏光子 III)ホメオトロピック配向を持つ異方性ポリマー材料
    の層を含む補償フィルム IV)傾斜あるいはスプレイ配向を持つ異方性ポリマー材
    料の層を含む補償フィルム V)プラナー配向を持つ異方性ポリマー材料の層を含む
    補償フィルム VI) 螺旋軸がフィルム面に垂直である、螺旋状にツイス
    トした構造を持つ異方性ポリマー材料の層を含む補償フ
    ィルムの少なくとも一つの部品を含む、前記液晶ディス
    プレイ素子。
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